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特許7463584薬物の超音波強化送達のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】薬物の超音波強化送達のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
A61F9/007 170
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023037436
(22)【出願日】2023-03-10
(62)【分割の表示】P 2021164529の分割
【原出願日】2017-05-18
(65)【公開番号】P2023060338
(43)【公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】16170141.2
(32)【優先日】2016-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518409900
【氏名又は名称】ソニキュア ホールディングス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】スエン ワイ レオン ラングストン
(72)【発明者】
【氏名】チュン シン ハン サラ
(72)【発明者】
【氏名】エンゲルス ジャン フレデリック
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0177220(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0226971(US,A1)
【文献】特表2009-539508(JP,A)
【文献】米国特許第05016615(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の超音波強化送達のためのシステム用の薬物アプリケータであって、前記システムは、信号生成ユニットと、超音波変換器に動作可能に接続されているコントローラとを備え、
前記薬物アプリケータは、
(a)前記薬物を保持するように構成されている少なくとも1つの空間を備え、
(b)10dB/(MHzcm)未満の超音波減衰を有する低超音波減衰材料から作製されており、
(c)強膜または角膜への前記システムの20%未満の超音波損失結合を提供するように構成されており、
(d)前記システムに機械的に結合されるように構成されており、かつ、20%未満の超音波損失を伴って前記超音波変換器に結合されるようにさらに構成されており、
前記信号生成ユニットおよび/または前記超音波変換器は、複数の印加サイクルで超音波波形を放射するように構成されており、前記複数の印加サイクルは、持続時間TAを伴う少なくとも1つの超音波放射事象と、持続時間TWを伴う待機期間とを備え
前記薬物が70kDaを上回るサイズを伴う分子を含むとき、前記コントローラは、60秒~600秒であるように前記持続時間TWを制御するように構成されており、前記薬物アプリケータは、前記分子薬物が前記持続時間TW中に前記強膜を通して通過するように構成されている、薬物アプリケータ。
【請求項2】
眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の超音波強化経強膜送達のためのシステムであって、前記システムは、信号生成ユニットと、薬物アプリケータと、超音波変換器に動作可能に接続されているコントローラとを備え、
前記薬物アプリケータは、
(a)前記薬物を保持するように構成されている少なくとも1つの空間を備え、
(b)10dB/(MHzcm)未満の超音波減衰を有する低超音波減衰材料から作製されており、
(c)強膜または角膜への前記システムの20%未満の超音波損失結合を提供するように構成されており、
(d)前記システムに機械的に結合されるように構成されており、かつ、20%未満の超音波損失を伴って前記超音波変換器に結合されるようにさらに構成されており、
前記信号生成ユニットおよび/または前記超音波変換器は、複数の印加サイクルで超音波波形を放射するように構成されており、前記複数の印加サイクルは、持続時間TAを伴う少なくとも1つの超音波放射事象と持続時間TWを伴う待機期間とを備え
前記薬物が70kDaを上回るサイズを伴う分子を含むとき、前記コントローラは、60秒~600秒であるように前記持続時間TWを制御するように構成されており、前記薬物アプリケータは、前記分子薬物が前記持続時間TW中に前記強膜を通して通過するように構成されている、システム。
【請求項3】
前記薬物が70kDaまたはそれ未満のサイズを伴う分子を含むとき、前記コントローラは、30秒~300秒であるように前記持続時間TAを制御するように構成されており、前記薬物アプリケータは、前記薬物が前記持続時間TA中に前記強膜を通して通過するように構成されている、請求項1に記載の薬物アプリケータ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの空間は、眼の所望の部位に向かって指向される表面における少なくとも1つの開口部を有し、超音波結合剤が、前記薬物アプリケータと前記眼の前記所望の部位との間の間隙に充填されている、請求項1に記載の薬物アプリケータ。
【請求項5】
前記薬物アプリケータは、単回使用用途のために交換可能であるように、および/または、単回使用用途のために設計されるように構成されている、請求項1に記載の薬物アプリケータ。
【請求項6】
薬物受容空間は、眼の所望の部位と結合するために指定される表面において密閉されており、前記密閉は、薬物透過を可能にするように構成されている、請求項1に記載の薬物アプリケータ。
【請求項7】
薬物受容空間は、前記強膜と結合するために指定される表面において開放している、請求項1に記載の薬物アプリケータ。
【請求項8】
前記薬物アプリケータは、充填および/または補充されるように構成されており、前記薬物アプリケータは、10μL~1.5mLの前記薬物を受容する、請求項1に記載の薬物アプリケータ。
【請求項9】
前記薬物アプリケータは、少なくとも1つの付加的物質を受容する、請求項1に記載の薬物アプリケータ。
【請求項10】
前記薬物アプリケータは、10GPaを上回るヤング率を有する弾性材料から作製されている、請求項1に記載の薬物アプリケータ。
【請求項11】
前記薬物アプリケータは、
エポキシ樹脂、ポリウレタンゴム、ポリカーボネート、ナイロン6-6、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリスチレン、ネオプレンゴム、ポリビニルアルコール、ポリジメチルシロキサン、シリコーン含有ゴム、シリコンヒドロゲル、シリコーンゴム、および
ニッケル、銀、パラジウム、タングステン、金、白金、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化鉄、二酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ビスマス、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化ハフニウムという材料のうちの少なくとも1つでドープされるシリコンゴム
という材料のうちの少なくとも1つから作製されている、請求項1に記載の薬物アプリケータ。
【請求項12】
前記コントローラは、前記複数の印加サイクルの複数のパラメータのうちの少なくとも1つを制御するように構成されており、前記複数の印加サイクルの前記複数のパラメータは、
(a)前記超音波放射事象の前記持続時間TA、
(b)前記超音波放射事象後の待機期間の前記持続時間TW、
(c)印加サイクルの数、
(d)前記超音波放射事象の強度、
(e)前記超音波放射事象の中心周波数、
(f)超音波放射システムのメカニカルインデックス、
パルス状超音波放射事象の場合、
(g)前記超音波放射事象の繰り返し率、
(h)前記超音波放射事象のデューティサイクル
から選択される、請求項1に記載の薬物アプリケータ。
【請求項13】
前記薬物アプリケータは、情報受信ユニット、または、情報送信ユニット、または、情報受信送信ユニットをさらに備え、
前記情報受信ユニット、または、前記情報送信ユニットは、それぞれ、情報を受信すること、または、前記薬物に関連する情報を送信することを行うように構成されており、
前記情報受信ユニット、または、前記情報送信ユニット、または、前記情報受信送信ユニットは、前記信号生成ユニット、または、前記コントローラ、または、前記信号生成ユニットおよび前記コントローラに動作可能に接続されている、請求項1に記載の薬物アプリケータ。
【請求項14】
前記コントローラは、前記薬物に関連する前記情報に基づいて、前記複数の印加サイクルの複数のパラメータのうちの少なくとも1つを制御するように構成されている、請求項13に記載の薬物アプリケータ。
【請求項15】
前記薬物に関連する前記情報は、前記薬物アプリケータ上に記憶されている、請求項13に記載の薬物アプリケータ。
【請求項16】
前記システムは、表示および/または手動入力ユニットをさらに備え、前記表示および/または手動入力ユニットは、前記複数の印加サイクルの複数のパラメータのうちの少なくとも1つを表示するように、および/または、前記複数の印加サイクルの複数のパラメータのうちの少なくとも1つを手動で設定するように構成されている、請求項1に記載の薬物アプリケータ。
【請求項17】
前記システムは、前記強膜または前記角膜の表面の温度を感知するように構成されている温度センサをさらに備え、
前記コントローラは、前記時間TA中に、前記強膜または前記角膜の表面の温度が1℃を上回って上昇しないように、前記超音波放射事象を制御するように構成されている、請求項1に記載の薬物アプリケータ。
【請求項18】
前記システムは、熱電対および/または赤外線放射温度計をさらに備える、請求項17に記載の薬物アプリケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2016年5月18日に出願された欧州出願番号第16 17 0141.2号の利益を主張しており、この出願は、その全体が参考として本明細書中に援用され、そしてその出願に基づき、本出願人は、優先権を主張している。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
薬物の経強膜送達は、眼科診療の重要な側面である。網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、中心性漿液性網膜症、サイトメガロウイルス性網膜炎(CMV網膜炎)、網膜芽細胞腫、眼内リンパ腫、眼メラノーマ、巨細胞性動脈炎(GCA)、ヒストプラスマ症、虚血性視神経症(ION)、黄斑襞、黄斑毛細管拡張症、ブドウ膜炎、脈絡膜血管新生、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、網膜色素変性症、黄斑浮腫、黄斑変性症、多再発性翼状片、眼トキソプラズマ症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)、眼部瘢痕性類天疱瘡(OIP)、眼変性症状、ならびに術後症状等の疾患および/または症状の治療に関して、強膜内空間の中への少なくとも1つの薬物の送達が必要である。
【0003】
しかしながら、眼は、異物が眼の前部および/または後部に進入しないように防止するいくつかの天然障壁を有する、十分に保護された器官である。加えて、眼後部疾患を治療するための治療薬は、高分子量を有し、したがって、強膜の表面に付与されたときに眼組織を横断して殆ど拡散することができない。換言すると、外部付与は、効果がない。
【0004】
硝子体内注射は、強膜内空間の中への薬物送達のための最も一般的に使用されている方法である。これは、治療の方法として殆どの眼科医によって容認されているが、外科レベルの手技である。硝子体内注射は、低い患者コンプライアンスおよび高い時間消費等の危険性ならびに問題をもたらす。さらに、これは、外科医のみによって実施されることができ、感染症になりやすく、副作用を生じ得る、開放創を眼に引き起こす。
【0005】
第US20080177220A1号は、超音波を使用する、眼への医薬調剤の経強膜送達のためのプロセス、システム、および装置に関する。一実施形態では、変換器が、強膜と接触している結合ウェルの中に含有される結合媒体と接触して設置される。変換器が所望のスタンドオフ距離において設置されるとき、超音波が、組織多孔性を増加させるように、かつ強膜組織を通して眼の中へ治療薬を輸送するように放射される。別の実施形態では、ファンクションジェネレータが、増幅器、合致するネットワーク、および強膜を横断した薬物送達のための超音波のキャビテーション効果を最大限にするように構成される変換器に結合される。
【0006】
第US20100226971A1号は、超音波を使用する、強膜内空間内の標的部位の中への高分子を含む治療薬の経強膜送達のためのシステムおよび方法に関する。本システムは、高分子治療薬の経強膜拡散率を増進し、眼組織および構造に損傷を殆ど引き起こさない。
【0007】
超音波ベースの薬物送達のための対応する装置は、複雑かつ高価であり、対応する使用方法は、患者および医師にとって不便である。例えば、最新技術からの超音波放射は、強力であり、キャビテーション効果および/または眼組織の加熱を生成する。後者の両方は、患者にとって危険かつ不快である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第20080177220号明細書
【文献】米国特許出願公開第20100226971号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の要旨
薬物を眼の後部に送達するための改良された非侵襲性方法の必要性が存在する。
【0010】
本発明の付加的利点、目的、および特徴は、以下に続く説明に部分的に記載され、以下の吟味に応じて当業者に部分的に明白となるか、または実践から習得され得る。目的および他の利点は、本明細書およびこれに関する請求項ならびに添付図面の中で具体的に指摘される構造によって実現および達成され得る。上記の問題は、独立請求項の主題によって解決される。独立請求項は、本発明のさらなる側面に関する。
【0011】
本発明の一側面は、眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の超音波強化送達のためのシステム用の薬物アプリケータに関し、本システムは、超音波変換器に動作可能に接続される信号生成ユニットを備える。薬物アプリケータは、薬物を保持する少なくとも1つの空間を備える。薬物アプリケータは、低超音波減衰材料から作製される。さらに、薬物アプリケータは、強膜へのシステムの低超音波損失結合を提供するように構成され、薬物アプリケータは、システムに機械的に結合されるように構成され、さらに、低超音波損失を伴って超音波変換器に結合されるように構成される。信号生成ユニットおよび/または超音波変換器は、少なくとも1つの印加サイクルで超音波波形を放射するように構成され、印加サイクルは、持続時間TAを伴う少なくとも1つの超音波放射事象と、持続時間TWを伴う待機期間とを備える。
【0012】
本発明の一側面は、眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物(分子)の超音波強化経強膜送達のためのシステムに関する。本システムは、超音波変換器に動作可能に接続される信号生成ユニットと、薬物アプリケータとを備える。薬物アプリケータは、薬物を保持する少なくとも1つの空間を備える。薬物アプリケータは、低超音波減衰材料から作製される。さらに、薬物アプリケータは、強膜へのシステムの低超音波損失結合を提供するように構成され、薬物アプリケータは、システムに機械的に結合されるように構成され、さらに、低超音波損失を伴って超音波変換器に結合されるように構成される。信号生成ユニットおよび/または超音波変換器は、少なくとも1つの印加サイクルで超音波波形を放射するように構成され、印加サイクルは、持続時間TAを伴う少なくとも1つの超音波放射事象と、持続時間TWを伴う待機期間とを備える。
【0013】
用語「低超音波減衰材料」は、10dB/(MHzcm)未満、好ましくは、6dB/(MHzcm)未満、より好ましくは、5dB/(MHzcm)未満の超音波減衰を伴う任意の材料に関する。用語「低超音波結合損失」は、結合インターフェースにおける20%未満、好ましくは、10%未満の損失を伴う2つの要素の間の結合に関する。しかしながら、当業者は、上記の数字が個別の性質に関して低い値と一般的に見なされるものを反映することを認識する。
【0014】
本発明の実施形態では、薬物は、液体状態で提供される。代替実施形態では、薬物は、親水性物質、例えば、ヒドロゲルまたは別の類似物質の中にカプセル化されることができる。代替実施形態では、薬物は、両親媒性物質、例えば、両親媒性ナノ粒子またはゲル基質の中にカプセル化されることができる。代替実施形態では、薬物は、疎水性物質の中に
カプセル化されることができる。代替実施形態では、薬物は、固体形態であることができる。実施形態に応じて、付加的物質を提供し、薬物の少なくとも1つの物理的、化学的、および/または薬剤性質を改変することが有利であり得る。
【0015】
本発明の実施形態では、薬物は、リスト、すなわち、抗体、生物製剤結合体、タンパク質薬物結合体、コルチコステロイド薬物結合体、薬物カプセル化ナノ粒子、薬物結合体ナノ粒子、タンパク質薬物、生物製剤、コルチコステロイド薬物、非ステロイド性抗炎症薬、荷電分子、非荷電分子、ヌクレオチド、DNA/RNAアプタマー、およびタンパク質/抗体に結合されたDNA/RNAアプタマーから選択される。
【0016】
本発明の実施形態では、超音波印加サイクルは、実際には、持続時間TAを伴う1つの超音波放射事象と、持続時間TWを伴う1つの待機期間とを備える、単一の印加サイクルである。
【0017】
本発明の実施形態では、印加サイクルは、複数回繰り返され、印加サイクルはそれぞれ、持続時間TAを伴う1つの超音波放射事象と、持続時間TWを伴う1つの待機期間とを備える。好ましくは、印加サイクルは、2~10回、より好ましくは、4回繰り返される。
【0018】
本発明の実施形態では、異なる印加サイクルは、異なる超音波放射持続時間および異なる待機持続時間を有する。
【0019】
薬物アプリケータは、単回使用用途のために交換可能である、および/または設計されるように構成されてもよい。
【0020】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータの少なくとも1つの表面ならびに超音波変換器および/または超音波変換器を備える印加ヘッドの少なくとも1つの表面は、相互を受容するように、かつ結合を促進するように形成される。好ましくは、結合は、確動的嵌合(positiv-fitting)および/または摩擦係止接続であるが、しかしながら、使用される他の結合方法もある。交換可能な薬物アプリケータは、複数回、システムに結合および分断されるように設計され、単回使用薬物アプリケータは、少なくとも1回、システムに結合および分断されるように設計される。
【0021】
本発明の実施形態では、超音波変換器および/または超音波変換器を備える印加ヘッドの少なくとも1つの表面は、異なるように形成された薬物アプリケータを受容するように形成される。
【0022】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータの外観は、含有された薬物を示している。本実施形態では、外観は、少なくとも1つの表面、好ましくは、結合表面および/または少なくとも1つの人間もしくは機械可読標識の形状に関する。加えて、または代替として、色分けが、含有された薬物を示すために使用される。
【0023】
本発明の実施形態では、薬物受容空間は、強膜と結合するために指定される表面において実質的に密閉され、密閉は、薬物透過を可能にするように構成される。
【0024】
本発明の一実施形態では、薬物アプリケータは、外部空間に閉鎖され、それによって、外側のガスまたは物質との任意の望ましくない接触から薬物を密閉する、薬物受容空間を備える。本実施形態では、密閉表面のうちの少なくとも1つは、好ましくは、超音波印加または印加サイクルの待機期間中に、好ましくは、薬物透過を可能にするように構成される。
【0025】
本発明の別の実施形態では、薬物受容空間は、強膜と結合するために指定される表面において実質的に開放している。
【0026】
本発明の一実施形態では、薬物受容空間は、使用に先立って、すなわち、加工、貯蔵、および/または輸送中に、実質的に密閉される。少なくとも1つの表面は、好ましくは、密閉が使用に先立って完全または部分的に除去され、それによって、強膜と結合するために指定される表面において開口部を形成するように構成される。
【0027】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、充填および/または補充されるように構成され、薬物アプリケータは、10μL~1mLの薬物、随意に、少なくとも1つの付加的物質を受容する。
【0028】
本発明の一実施形態では、薬物受容空間は、空虚な空間である。空虚な空間は、薬物で充填されるように構成される。例えば、注射針および薬物アプリケータを用いて実施される、充填は、薬物が薬物受容空間の中に注射され、針が除去された後に、針孔を本質的に自己密閉している。代替として、充填は、薬物アプリケータに形成されるポート構造を使用して実施されることができる。ポート構造は、針および/または薬物コンテナを受容するように構成され、薬物受容空間の中へ薬物を充填することを可能にするチャネルを有する。さらに、ポート構造は、好ましくは、薬物が挿入された後に薬物受容空間を密閉するように構成される。
【0029】
本発明の一実施形態では、薬物受容空間は、強膜と結合するために指定される表面において実質的に開放している。本および任意の類似実施形態では、薬物受容空間は、好ましくは、強膜と結合するために指定される表面における開口部を使用して、直接充填される。
【0030】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの付加的物質、例えば、超音波結合剤が、薬物受容空間の中へ充填される。
【0031】
実施形態のうちのいずれかによるシステムでは、薬物アプリケータは、10GPa未満のヤング率を有する弾性材料から作製されてもよい。
【0032】
本発明によると、薬物アプリケータの設計は、超音波伝送性質によって決定付けられない。具体的には、超音波変換器と強膜との間の画定されたスタンドオフ距離が、維持される必要はない。代わりに、設計は、可変であり、好ましくは、低損失結合および快適なユーザ体験を可能にするように最適化される。
【0033】
本発明の一実施形態では、薬物アプリケータは、比較的軟質であり、異なる印加角度および眼の異なる形状に適応する。したがって、有用性が最適化される。
【0034】
薬物アプリケータは、以下の材料のうちの少なくとも1つ、すなわち、エポキシ樹脂、ポリウレタンゴム、ポリカーボネート、ナイロン6-6、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリスチレン、ネオプレンゴム、ポリビニルアルコール、ポリジメチルシロキサン、シリコーン含有ゴム、シリコンヒドロゲル、シリコーンゴムから作製されてもよい。依然として、本発明の同一の側面では、薬物アプリケータは、加えて、または代替として、以下の材料のうちの少なくとも1つ、すなわち、ニッケル、銀、パラジウム、タングステン、金、白金、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化鉄、二酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ビスマス、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化ハフニウムでドー
プされるシリコンゴムから作製される。
【0035】
本システムはさらに、コントローラを備えてもよく、コントローラは、印加サイクルの複数のパラメータのうちの少なくとも1つを制御するように構成され、印加サイクルの複数のパラメータは、以下、すなわち、超音波放射事象の持続時間TA、超音波放射事象後の待機期間の持続時間TW、印加サイクルの数、超音波放射事象の強度、超音波放射事象の中心周波数、超音波放射システムのメカニカルインデックス、ならびにパルス状超音波放射事象の場合、超音波放射事象の繰り返し率、および超音波放射事象のデューティサイクルから選択される。
【0036】
本発明の実施形態では、コントローラは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、印加ヘッド、信号生成ユニット、超音波変換器、および薬物アプリケータと動作可能に接続される。接続は、好ましくは、無線であるか、またはケーブルを用いる。
【0037】
本発明の実施形態では、超音波信号は、20kHz~100kHzの中心周波数において、好ましくは、40kHzにおいて、正弦波形を有する。本発明の一実施形態では、超音波信号は、4W/cmと同程度、好ましくは、0.005W/cm~1W/cmの範囲内の空間平均時間平均強度を有する。本発明の一実施形態では、超音波放射デバイスおよび/またはコントローラは、連続または脈動波が生成され、超音波が、好ましくは1Hz~100Hzのパルス繰り返し率を伴って、好ましくは、30%~0%に及ぶデューティサイクルで脈動波として印加されるように、構成される。
【0038】
本発明の実施形態では、超音波印加サイクルのメカニカルインデックスは、超音波によって誘発される激しい効果および組織損傷を回避するように、0.20を超えない。メカニカルインデックスは、周波数および強度の特定の組み合わせにおける超音波印加周期中のキャビテーション活動を予測する。メカニカルインデックスは、したがって、好ましくは、超音波放射の周波数および強度によって制御される。
【0039】
本発明の実施形態では、本システムはさらに、情報受信および/または送信ユニットを備えてもよい。情報受信および/または送信ユニットは、薬物に関連する情報を受信ならびに/もしくは送信するように構成されてもよい。情報受信および/または送信ユニットは、信号生成ユニットならびに/もしくはコントローラに動作可能に接続されることができる。代替として、情報受信および/または送信ユニットは、信号生成ユニットならびに/もしくはコントローラに動作可能に接続されることができ、コントローラは、薬物に関連する情報に基づいて、印加サイクルの複数のパラメータのうちの少なくとも1つを制御するように構成される。薬物に関連する情報は、好ましくは、薬物アプリケータ上に記憶される。
【0040】
効果的に送達されるために、異なるタイプの薬物は、印加サイクルの異なるパラメータを要求し得る。本発明の実施形態では、本システムは、薬物アプリケータから情報を受信し、薬物アプリケータを識別し、したがって、薬物のタイプを識別し、それに応じて、印加サイクルの異なるパラメータを制御することができる。
【0041】
薬物および/または薬物アプリケータに関連する情報は、異なる方法を使用し、情報送信ならびに/もしくは受信ユニットが薬物アプリケータから情報を読み出すための異なる方法を要求する、薬物アプリケータの中に、そこに、および/またはその上に、記憶されることができる。
【0042】
本発明の実施形態では、ロックおよびキー方法が、薬物アプリケータを識別するために使用される。薬物アプリケータの少なくとも1つの表面および合致する形状を有する印加
ヘッドの少なくとも1つの対応する表面は、確動的係止接続を可能にする。確動的係止に起因して、薬物アプリケータが識別され、印加サイクルの異なるパラメータが、それに応じて制御される。1つを上回る異なる薬物アプリケータの確動的係止が、好ましくは、印加ヘッド上の異なる係止表面を使用して、可能である。異なる薬物アプリケータが、異なる端部位置で係止し、薬物アプリケータについての情報が、異なる端部位置でコード化され、情報受信および/または送信ユニットによって読み出される。
【0043】
本発明の実施形態では、人間および/または機械可読標識が、薬物アプリケータについての情報を記憶するために使用される。故に、情報受信および/または送信ユニットは、人間ならびに/もしくは機械可読標識を読み出すための個別の手段を備えるであろう。代替として、または加えて、薬物アプリケータの中もしくは上のRFIDチップが、好ましくは、薬物アプリケータについての情報を記憶するために使用される。故に、情報受信および/または送信ユニットは、RFIDリーダを備えるであろう。
【0044】
薬物アプリケータについての情報は、好ましくは、以下の情報のうちの少なくとも1つ、すなわち、薬物アプリケータの中の薬物についての情報、薬物の保存期間についての情報、印加サイクルについての情報を含有する。
【0045】
上記のリストは、保護が求められる主題の範囲を限定することを意図していない。当業者は、いったん薬物アプリケータについての情報を記憶することの問題を提起されると、上記の解決策の複数の改良および/または変形例を考え出し得る。
【0046】
実施形態では、薬物アプリケータは、薬物のいくつかの用量を保持するコンテナからの薬物で充填される。本実施形態では、情報送信および/または受信ユニットは、コンテナからの薬物についての情報を受信するように構成される。
【0047】
本発明の実施形態では、薬物が70kDaまたはそれ未満のサイズを伴う分子を含むとき、コントローラは、30秒~300秒であるように持続時間TAを制御するように構成され、薬物アプリケータは、薬物が持続時間TA中に強膜を通して通過するように構成される。加えて、または代替として、薬物が70kDaを上回るサイズを伴う分子を含むとき、コントローラは、60秒~600秒であるように持続時間TWを制御するように構成され、薬物アプリケータは、分子薬物が持続時間TW中に強膜を通して通過するように構成される。
【0048】
送達の有効性が分子サイズに依存することが、本発明の実施形態である。好ましくは、70kDaよりも小さい、比較的小さい分子に関して、浸透率および/または深度は、少なくとも1つの印加サイクルの超音波放射事象の持続時間を制御することによって効果的に制御される。好ましくは、70kDaよりも大きい、比較的大きい分子に関して、浸透率および/または深度は、少なくとも1つの印加サイクルの超音波放射事象後の待機期間の持続時間を制御することによって効果的に制御される。したがって、薬物毎に、印加サイクルのパラメータの最適なセットが、見出されることができる。
【0049】
本発明の実施形態では、異なる薬物のための印加サイクルのパラメータの最適なセットが、システムの中に記憶される。加えて、または代替として、最適なセットは、ユーザおよび/または接続手段を使用する遠隔アクセスによって、追加、修正、もしくは削除されてもよい。本システムは、好ましくは、中央データベースにさらに接続され、データベースは、最適なセットを管理および配布するように構成される。
【0050】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータ内に含有される個別の薬物のための印加サイクルのパラメータの最適なセットは、薬物アプリケータ自体において、その中に、および
/またはその上に記憶され、情報受信/送信ユニットを用いて読み出されることができる。
【0051】
本発明の実施形態では、本システムはさらに、印加サイクルの複数のパラメータのうちの少なくとも1つを表示する、および/または手動で設定するように構成される、表示ならびに/もしくは手動入力ユニットを備える。
【0052】
ある状況、例えば、治療される眼の具体的な個々の症状では、印加サイクルの複数のパラメータのうちの少なくとも1つを手動で変更することが必要である。本発明の一実施形態では、本システムは、印加サイクルのパラメータおよび好ましくはユーザを支援する他の情報を表示するように構成される、表示ユニットを備える。本発明の一実施形態では、本システムは、表示ユニットに加えて、または代替として、印加サイクルの複数のパラメータのうちの少なくとも1つを設定する手動入力ユニットを備える。
【0053】
表示ユニットおよび手動入力ユニットは、好ましくは、1つのユニット、例えば、タッチスクリーンデバイスに組み込まれる。表示ユニットおよび/または手動入力ユニットは、システムと統合される、もしくは接続手段を用いてシステムに結合される。接続手段は、好ましくは、ケーブルおよび/または無線接続を備える。
【0054】
本発明の実施形態では、本システムはさらに、強膜の表面の温度を感知するように構成される温度センサ、好ましくは、熱電対および/または赤外線放射温度計を備える。そして、コントローラは、時間TA中に、強膜の表面の温度が1℃を上回って上昇しないように、超音波放射事象を制御するように構成される。
【0055】
強膜表面の加熱は、眼内空間内の標的部位への薬物の超音波強化送達の重要な側面である。本発明の一実施形態では、本強膜の加熱が測定される。加熱は、当業者に公知である異なる方法を使用して測定されることができる。
【0056】
本発明の実施形態では、赤外線放射温度計は、超音波が印加される時間中に、超音波が印加される強膜の面積の加熱を測定するために使用される。本発明の一実施形態では、熱電対は、超音波が印加される時間中に、超音波が印加される強膜の面積の加熱を測定するために使用される。
【0057】
本発明の実施形態では、印加サイクルのパラメータは、超音波が印加される時間中に、超音波が印加される強膜の面積の加熱が、1℃を超えない、有利なこととして、0.5℃を超えないように、制御される。好ましくは、強度および/または印加時間TAは、強膜の加熱を制御するように制御される。
【0058】
本発明はさらに、本発明の上記の側面および実施形態のうちのいずれか1つのシステムを使用し、薬物を眼内空間内の標的部位に送達するための方法に関する。本発明の一側面では、眼内空間内の標的部位への薬物の送達のための方法は、上記の側面および/または実施形態のうちのいずれか1つによる、薬物アプリケータならびに/もしくはシステムを提供するステップと、薬物アプリケータを強膜の表面に結合するステップと、少なくとも1つの超音波印加サイクルを適用するステップであって、印加サイクルは、持続時間TAを伴う超音波印加と、持続時間TWを伴う待機期間とを備える、ステップとを含む。
【0059】
本発明の実施形態では、システムを眼に結合するステップは、圧力を薬物アプリケータに印加し、薬物アプリケータを強膜の表面に圧迫するステップを含む。
【0060】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、軟質かつ弾性材料から形成される。薬物
アプリケータを眼に結合するために、ユーザおよび/または医師は、薬物アプリケータを眼に圧迫してもよい。薬物アプリケータは、強膜の表面との接触に応じて、弾性的に変形され、それによって、薬物アプリケータと強膜の表面と間にインターフェースを形成する。インターフェースは、好ましくは、圧力が上昇させられるときにサイズが増加される。薬物アプリケータの材料は、眼に不快感を引き起こさないように適合される必要がある。適合は、好ましくは、以下の任意の選択、すなわち、弾性を適合させるステップ、温度を適合させるステップ、および/または構造を適合させるステップを含む。
【0061】
本発明の実施形態では、システムを眼に結合するステップは、加えて、薬物アプリケータを強膜の表面に圧迫することに先立って、超音波結合剤を薬物アプリケータおよび/または強膜の表面に付与するステップを含む。本発明の実施形態では、薬物アプリケータを強膜の表面に圧迫することに先立って、超音波結合剤を薬物アプリケータおよび/または強膜の表面に付与するステップは、強膜組織への超音波信号の伝送を改良する。
【0062】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータおよび/またはシステムを提供するステップは、加えて、薬物アプリケータの中へ薬物を装填するステップを含む。
【0063】
実施形態では、薬物アプリケータは、システムに取り付けられるように設計されるカートリッジを形成する。
【0064】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、薬物を恒久的に保持しない。薬物は、超音波印加に先立って薬物アプリケータの中へ装填される。装填は、注射針、ポート構造、および/または直接充填方法を用いて、薬物アプリケータを充填する上記の方法のうちのいずれかを使用して、実施されることができる。
【0065】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータおよび/またはシステムを提供するステップは、加えて、もしくは代替として、空の薬物アプリケータを事前装填された薬物アプリケータと置換するステップを含む。
【0066】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、薬物を事前装填される。空もしくは空白の薬物アプリケータおよび/または空の以前に使用された薬物アプリケータは、システムから除去され、事前装填された薬物アプリケータは、超音波印加に先立ってシステムに結合される。
【0067】
本発明の実施形態では、本方法は、加えて、情報送信および/または受信ユニットから受信される薬物についての情報によって、少なくとも、印加サイクルの数、持続時間TAならびにTWを含む、印加サイクルの複数のパラメータを判定するステップを含む。
【0068】
本発明の実施形態では、少なくとも、印加サイクルの数、持続時間TAならびにTWを含む、印加サイクルの複数のパラメータは、ユーザによって手動で入力される。
【0069】
本発明の実施形態では、強膜の表面の温度は、印加時間TA中に測定され、コントローラは、強膜の表面温度上昇が、1℃を超えない、有利なこととして、0.5℃を超えないように、超音波放射を制御する。
【0070】
本発明の側面は、眼の眼内空間内の標的側面への少なくとも1つの薬物の送達のためのデバイスを対象とし、本デバイスは、眼の所望の部位に送達される超音波を生成するように構成される、超音波生成デバイスと、道具を使用することなく、少なくとも1つの薬物を含む薬物アプリケータにデバイスを結合するように構成される、インターフェースとを備え、薬物アプリケータは、眼の所望の部位への超音波の送達を補助するように構成され
、デバイスは、2,500cm未満の体積を有する。
【0071】
本発明の実施形態では、デバイスおよび薬物アプリケータは、薬物アプリケータがインターフェースを介して結合されるときに、3,000cm未満の体積を有する。本発明の実施形態では、デバイスは、1,000cm未満の体積を有する。本発明の実施形態では、デバイスは、25cm未満の最大寸法を有する。本発明の実施形態では、デバイスおよび薬物アプリケータは、薬物アプリケータがインターフェースを介して結合されるときに、30cm未満の最大寸法を有する。本発明の実施形態では、デバイスは、15cm未満の最大寸法を有する。本発明の実施形態では、デバイスは、9kg未満の重量を有する。本発明の実施形態では、デバイスおよび薬物アプリケータは、10kg未満の集団的重量を有する。
【0072】
本発明の実施形態では、本デバイスはさらに、超音波生成デバイスを少なくとも部分的に封入する筐体を備える。本発明の実施形態では、本デバイスはさらに、超音波生成ユニットと通信する信号生成ユニットを備える。本発明の実施形態では、信号生成ユニットは、信号生成ユニットを制御するように構成されるコントローラと、超音波信号を生成するように構成される増幅器とを備える。本発明の実施形態では、本デバイスは、ハンドヘルドデバイスである。本発明の実施形態では、本デバイスは、ウェアラブルデバイスである。本発明の実施形態では、本デバイスは、少なくとも部分的にユーザの眼にわたってユーザの頭部上に装着されるように構成される。
【0073】
本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、20kHz~100kHzの周波数において動作するように構成される。超音波生成デバイスは、30VRMS未満の励起電圧において動作する、請求項30に記載のデバイス。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、屈曲変換器を備える。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、200g未満の重量である。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、3cm未満の最大寸法を有する。
【0074】
本発明の実施形態では、インターフェースは、デバイスとの薬物アプリケータの繰り返し可能な結合および分断を可能にする。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、少なくとも100μlの少なくとも1つの薬物を保持するように構成される。本発明の実施形態では、本デバイスは、搭載電源によって給電される。本発明の実施形態では、電源は、一次電池バッテリを備える。
【0075】
本発明のさらなる側面は、眼の眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の送達のための命令を生成するための方法を対象とし、該方法は、送達される少なくとも1つの薬物の識別または眼のための治療計画の識別を示す信号を取得するステップと、1つまたはそれを上回るプロセッサの助けを借りて、送達される少なくとも1つの薬物の識別または眼のための治療計画の識別を示す信号に基づいて、超音波生成デバイスの動作のための命令を生成するステップとを含む。
【0076】
本方法はさらに、命令に従って超音波生成デバイスを使用して、超音波を印加し、眼の眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の送達を達成するステップを含んでもよい。本発明の実施形態では、信号は、少なくとも1つの薬物の識別または眼のための治療計画の識別のユーザ入力に応答して提供される。本発明の実施形態では、少なくとも1つの薬物は、超音波生成デバイスに動作可能に結合される薬物アプリケータの中に含有される。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、超音波生成デバイスに除去可能に結合される。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、除去可能な様式で超音波生成デバイスに結合される。本発明の実施形態では、信号は、送達される少なくとも1つの薬物または眼のための治療計画の識別を示す薬物アプリケータ上に搭載された標識に応答して、
提供される。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、少なくとも1つの薬物を事前装填される。
【0077】
本発明の実施形態では、命令の判定は、種々の薬物または治療計画のための複数の命令オプションから命令を選択するステップを含む。本発明の実施形態では、1つまたはそれを上回るプロセッサは、超音波生成デバイスを備えるデバイス上に搭載されている。本発明の実施形態では、命令は、超音波の周波数を備える。本発明の実施形態では、命令は、メカニカルインデックスを備える。本発明の実施形態では、命令は、超音波の生成のサイクルの数およびタイミングを備える。
【0078】
本発明の実施形態では、超音波の生成は、眼内からの流体の排出を可能にし、眼内の圧力を低減させる。本発明の実施形態では、流体の排出は、少なくとも1つの薬物の送達と同時に起こる。本発明の実施形態では、流体の排出は、少なくとも1つの薬物の送達に先立って起こる。本発明の実施形態では、流体の排出は、少なくとも1つの薬物の送達に続いて起こる。本発明の実施形態では、超音波は、眼内から流体を排出するときに1MHzを下回る周波数において動作する。本発明の実施形態では、眼の温度は、眼内から流体を排出するときに2℃を超えずに上昇させられる。本発明の実施形態では、流体の排出は、眼圧を低減させる治療中に起こる。本発明の実施形態では、流体の排出は、緑内障の治療中に起こる。
【0079】
本発明の実施形態では、眼のための治療計画の識別は、治療されている疾患の識別を備える。
【0080】
本発明の付加的側面は、眼の眼内空間内の標的側面への少なくとも1つの薬物の送達のためのデバイスを対象とし、本デバイスは、眼の所望の部位に送達される超音波を生成するように構成される、超音波生成デバイスと、少なくとも1つの薬物を含む薬物アプリケータにデバイスを繰り返し結合するように構成される、インターフェースとを備え、薬物アプリケータは、眼の所望の部位への超音波の送達を補助するように構成され、インターフェースは、共振周波数を超える結合媒体の伝搬速度の倍数である厚さを有する、結合媒体を備える。
【0081】
本発明の実施形態では、結合は、道具を使用することなく達成される。本発明の実施形態では、結合媒体は、共振周波数の4倍を超える結合媒体の伝搬速度の奇数倍である厚さを有する。本発明の実施形態では、結合媒体は、超音波生成デバイスおよび薬物アプリケータのインピーダンス合致を最適化するように構成される。本発明の実施形態では、結合媒体は、固体である。本発明の実施形態では、結合媒体は、液体、懸濁液、またはゲルである。
【0082】
本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、薬物アプリケータケースの中に少なくとも部分的に挿入されるように構成される。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、ケースのスロットを通して摺動し、超音波生成デバイスがケースの中へ係止することを可能にするように構成される、ピンを備える。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、超音波生成デバイスケースの中に少なくとも部分的に挿入されるように構成される。本発明の実施形態では、インターフェースは、薬物アプリケータ上に搭載された第2の締結具と噛合するように構成される第1の締結具を備える。本発明の実施形態では、第1の締結具および第2の締結具は、ともにねじ留めされるように構成される。本発明の実施形態では、第1の締結具および第2の締結具は、ともにスナップ留めするように構成される。本発明の実施形態では、インターフェースは、超音波生成デバイスと薬物アプリケータとの間の磁気接続を可能にする。
【0083】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、5dB/MHz/cmまたはそれよりも低い減衰係数を有する。本発明の実施形態では、インターフェースは、10%未満の結合損失を提供する。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、20kHz~100kHzの周波数において動作するように構成される。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、30VRMS未満の励起電圧において動作する。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、屈曲変換器を備える。
【0084】
本発明のさらなる側面によると、眼の眼内空間内の標的側面への少なくとも1つの薬物の送達のためのデバイスが、提供される。本デバイスは、眼の所望の部位に送達される超音波を生成するように構成される、超音波生成デバイスと、眼の所望の部位に送達される光を生成するように構成される光源と、少なくとも1つの薬物を含む薬物アプリケータにデバイスを結合するように構成される、インターフェースとを備えてもよく、薬物アプリケータは、眼の所望の部位への超音波の送達を補助するように構成され、光源からの光が眼の所望の部位に送達されることを可能にするように構成される。
【0085】
本発明の実施形態では、光源は、紫外線を生成するように構成される。本発明の実施形態では、光源は、UV-A波長において光を放射するように構成される。本発明の実施形態では、光源からの光は、光への少なくとも1つの薬物の暴露に応じて、少なくとも1つの薬物の架橋結合を引き起こすように構成される。本発明の実施形態では、少なくとも1つの薬物は、感光性分子を含む。本発明の実施形態では、少なくとも1つの薬物は、リボフラビンを含む。
【0086】
本発明の実施形態では、超音波生成デバイスおよび光源は、筐体内に封入される。本発明の実施形態では、光源は、超音波生成デバイスに結合される。本発明の実施形態では、光源は、超音波生成デバイスに対して固定位置を有する。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、内側に光源が存在する内部空間を備える。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、内部空間を形成する中央に自由空間を伴う円形断面を有する。本発明の実施形態では、内部空間はさらに、光源によって放射される光を修正する光学要素を備える。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、内側にデータ収集デバイスが存在する内部空間を備える。本発明の実施形態では、記録デバイスは、カメラまたはマイクロホンである。
【0087】
本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、200g未満の重量である。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、3cm未満の最大寸法を有する。本発明の実施形態では、光源は、薬物アプリケータがデバイスに結合されるときに薬物アプリケータを通して光を指向するように構成される。
【0088】
また、本発明の側面は、眼の眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の送達のための薬物アプリケータを対象とし得、薬物アプリケータは、少なくとも1つの薬物を保持するように構成される少なくとも1つの空間を少なくとも部分的に画定するように構成される、不透明材料から形成される第1の部分と、選択された波長の光が薬物アプリケータの1つの側面から薬物アプリケータの別の側面まで通過することを可能にするように構成される、選択された波長の光に対して少なくとも部分的に透過性である材料から形成される第2の部分と、薬物アプリケータを介して眼の所望の部位に送達される超音波を生成するように構成される超音波生成デバイスに薬物アプリケータを結合するように構成される、インターフェースとを備える。
【0089】
本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、選択された波長の光を提供するように構成される光源に動作可能に結合される。本発明の実施形態では、光源は、紫外線を生成するように構成される。本発明の実施形態では、光源からの光は、光への少なくとも1つ
の薬物の暴露に応じて、少なくとも1つの薬物の架橋結合を引き起こすように構成される。本発明の実施形態では、少なくとも1つの薬物は、リボフラビンを含む。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスおよび光源は、筐体内に封入される。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、内側に光源が存在する内部空間を備える。
【0090】
本発明の実施形態では、少なくとも1つの空間は、単一の連続空間である。本発明の実施形態では、少なくとも1つの空間は、複数の不連続空間を備える。本発明の実施形態では、複数の不連続空間は、細孔を備える。
【0091】
本発明の実施形態では、第1の部分は、選択された波長の光を反射する材料でコーティングされる外側表面を備える。本発明の実施形態では、材料は、紫外線を反射し、外側環境への任意の紫外線暴露を低減させるように構成される。本発明の実施形態では、第1の部分は、眼の所望の部位に接触するように構成される標的側面を備える。本発明の実施形態では、標的側面は、軟質生体適合性材料から形成される。本発明の実施形態では、標的側面は、標的部位への少なくとも1つの薬物の送達を改良する試薬を送達するように構成される。
【0092】
本発明の実施形態では、第1の部分は、弾性材料から形成される。本発明の実施形態では、第2の部分は、紫外線に対して透過性である。本発明の実施形態では、第2の部分は、第1の部分によって取り囲まれる。
【0093】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、少なくとも1つの薬物を事前装填されるように構成される。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、汚染を防止するように構成される密閉材料を含む。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、少なくとも1つの薬物の原位置装填を受容するように構成される。
【0094】
本発明の側面は、眼の眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の送達のための方法を提供し、該方法は、少なくとも1つの薬物を含む眼の表面に薬物保持オーバーレイを付与するステップであって、薬物保持オーバーレイは、薬物保持オーバーレイが表面に付与されている間に眼の閉鎖を可能にするように構成される、ステップと、超音波生成デバイスを眼の所望の部位に位置付けるステップと、超音波生成デバイスを使用して超音波を生成し、超音波を所望の部位に印加するステップとを含み、超音波の生成は、眼の組織を損傷することなく、少なくとも1つの薬物を眼の眼内空間内の標的部位に送達する。
【0095】
本発明の実施形態では、薬物保持オーバーレイは、コンタクトレンズまたはフィルムである。本発明の実施形態では、薬物保持オーバーレイは、多孔質材料で形成される。本発明の実施形態では、薬物保持オーバーレイは、親水性、疎水性、両親媒性、および滅菌材料で形成される。本発明の実施形態では、少なくとも1つの薬物は、薬物保持オーバーレイの中にカプセル化される。本発明の実施形態では、少なくとも1つの薬物は、薬物保持オーバーレイの表面上に接着される。本発明の実施形態では、薬物保持オーバーレイは、5dB/MHz/cmまたはそれよりも低い減衰係数を有する。
【0096】
本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、眼の眼瞼にわたって位置付けられる。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、眼の強膜上に位置付けられる。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、眼の角膜上に位置付けられる。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、薬物保持オーバーレイと接触する。
【0097】
本方法はさらに、超音波生成デバイスに動作可能に結合される薬物アプリケータを提供するステップを含んでもよい。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、眼の眼瞼にわたって位置付けられる。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、眼の強膜にわた
って位置付けられる。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、眼の角膜にわたって位置付けられる。
【0098】
本発明の側面はまた、眼の眼内空間内の標的側面への少なくとも1つの薬物の送達のためのデバイスも対象とし、該デバイスは、デバイスが装着者によって装着されるときに、装着者の耳の後ろに延在するように構成される、少なくとも1つの延在部を備える、アイウェアフレームと、アイウェアフレームによって支持される、1つまたはそれを上回る超音波生成デバイスとを備え、各超音波生成デバイスは、デバイスが装着者によって装着されるときに、眼の所望の部位に送達される超音波を生成するように構成され、超音波の生成は、眼の組織を損傷することなく、少なくとも1つの薬物を眼の眼内空間内の標的部位に送達する。
【0099】
本デバイスはさらに、アイウェアフレームによって支持される、薬物アプリケータであって、少なくとも1つの薬物を含む、薬物アプリケータを備えてもよい。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、1つまたはそれを上回る超音波生成デバイスに動作可能に結合される。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、デバイスが装着者によって装着されるときに、眼を少なくとも部分的に被覆するように位置する。
【0100】
本発明の実施形態では、アイウェアフレームは、眼鏡のフレームを備える。本発明の実施形態では、アイウェアフレームは、ゴーグルを形成する。本発明の実施形態では、アイウェアフレームは、少なくとも1つの眼を被覆する部分を備える、ヘルメットを形成する。
【0101】
本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、アイウェアフレームに添着される。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、アイウェアフレームから除去可能である。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、アイウェアフレームの1つの部分からアイウェアフレームの別の部分まで移動可能である。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、デバイスが装着者によって装着されるときに、眼を少なくとも部分的に被覆するように位置する。
【0102】
眼の眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の送達のための方法が、本発明の側面によると提供される。本方法は、眼の強膜の所望の部位に対して超音波生成デバイスおよび薬物アプリケータを位置付けるステップであって、薬物アプリケータは、少なくとも1つの薬物を含む、ステップと、超音波生成デバイスを使用して超音波を生成し、約30~60kHzの周波数および0.1~0.3のメカニカルインデックスにおいて強膜の所望の部位に超音波に印加するステップとを含んでもよく、超音波の生成は、眼の組織を損傷することなく、少なくとも90μm/秒の速度で少なくとも1.3μg/mlの濃度において薬物を眼の眼内空間内の標的部位に送達する。
【0103】
本方法はさらに、筐体内に超音波生成デバイスを少なくとも部分的に封入するステップを含んでもよい。本発明の実施形態では、筐体は、超音波生成デバイスがハンドヘルドであることを可能にする。本発明の実施形態では、筐体は、超音波生成デバイスが装着されることを可能にする。本方法はさらに、信号生成ユニットから超音波生成ユニットへの通信を提供するステップを含んでもよい。本発明の実施形態では、信号生成ユニットは、信号生成ユニットを制御するように構成されるコントローラと、超音波信号を生成するように構成される増幅器とを備える。
【0104】
本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、30VRMS未満の励起電圧において動作する。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、屈曲変換器を備える。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、200g未満の重量である。本発明の実施形態
では、超音波生成デバイスは、3cm未満の最大寸法を有する。本発明の実施形態では、薬物アプリケータおよび超音波生成デバイスは、結合され、相互から分断されるように構成される。
【0105】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、所望の部位において眼に接触するように位置付けられる。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、所望の部位と異なる眼の部分に接触するように位置付けられる。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、少なくとも100μlの少なくとも1つの薬物を保持するように構成される。本発明の実施形態では、標的部位に送達される薬物は、少なくとも70kDaの分子を含む。本発明の実施形態では、超音波は、300秒未満の持続時間にわたって生成される。
【0106】
また、本発明の側面は、眼の眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の超音波強化送達のための方法を対象とし得、該方法は、眼の強膜の所望の部位に対して超音波生成デバイスおよび薬物アプリケータを位置付けるステップであって、薬物アプリケータは、少なくとも1つの薬物を含む、ステップと、超音波生成デバイスを使用して超音波を生成し、0.1~0.3のメカニカルインデックスで強膜の所望の部位に超音波に印加するステップとを含み、超音波の生成は、眼の組織を損傷することなく、かつ1℃を上回って組織の温度を上昇させることなく、少なくとも90μm/秒の速度で少なくとも1.3μg/mlの濃度において薬物を眼の眼内空間内の標的部位に送達する。
【0107】
本方法はさらに、筐体内に超音波生成デバイスを少なくとも部分的に封入するステップを含んでもよい。本発明の実施形態では、筐体は、超音波生成デバイスがハンドヘルドであることを可能にする。本発明の実施形態では、筐体は、超音波生成デバイスが装着されることを可能にする。
【0108】
本方法はさらに、信号生成ユニットから超音波生成ユニットへの通信を提供するステップを含んでもよい。本発明の実施形態では、信号生成ユニットは、信号生成ユニットを制御するように構成されるコントローラと、超音波信号を生成するように構成される増幅器とを備える。
【0109】
本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、30VRMS未満の励起電圧において動作する。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、屈曲変換器を備える。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、200g未満の重量である。本発明の実施形態では、超音波生成デバイスは、3cm未満の最大寸法を有する。本発明の実施形態では、薬物アプリケータおよび超音波生成デバイスは、結合され、相互から分断されるように構成される。
【0110】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、所望の部位において眼に接触するように位置付けられる。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、所望の部位と異なる眼の部分に接触するように位置付けられる。本発明の実施形態では、薬物アプリケータは、少なくとも100μlの少なくとも1つの薬物を保持するように構成される。本発明の実施形態では、標的部位に送達される薬物は、少なくとも70kDaの分子を含む。本発明の実施形態では、標的部位に送達される薬物は、900Daを下回る小分子を含む。本発明の実施形態では、標的部位に送達される薬物は、250kDaを下回る巨大分子を含む。本発明の実施形態では、超音波は、300秒未満の持続時間にわたって生成される。
【0111】
本開示の付加的側面および利点は、本開示の例証的実施形態のみが示され、説明される、以下の発明を実施する形態から当業者に容易に明白となるであろう。認識されるであろうように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本開示から逸脱することなく、種々の明白な点において修正が可能である。故に、図面およ
び説明は、制限的ではなく本質的に例証的と見なされるものである。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の超音波強化送達のためのシステム用の薬物アプリケータであって、前記システムは、超音波変換器に動作可能に接続される信号生成ユニットを備え、
前記薬物アプリケータは、
(a)前記薬物を保持する少なくとも1つの空間を備え、
(b)低超音波減衰材料から作製され、
(c)強膜または角膜への前記システムの低超音波損失結合を提供するように構成され、
(d)前記システムに機械的に結合されるように構成され、さらに、低超音波損失を伴って前記超音波変換器に結合されるように構成され、
前記信号生成ユニットおよび/または前記超音波変換器は、少なくとも1つの印加サイクルで超音波波形を放射するように構成され、前記印加サイクルは、持続時間TAを伴う少なくとも1つの超音波放射事象と、持続時間TWを伴う待機期間とを備える、
薬物アプリケータ。
(項目2)
眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の超音波強化経強膜送達のためのシステムであって、前記システムは、超音波変換器に動作可能に接続される信号生成ユニットと、薬物アプリケータとを備え、
前記薬物アプリケータは、
(a)前記薬物を保持する少なくとも1つの空間を備え、
(b)低超音波減衰材料から作製され、
(c)強膜または角膜への前記システムの低超音波損失結合を提供するように構成され、
(d)前記システムに機械的に結合されるように構成され、さらに、低超音波損失を伴って前記超音波変換器に結合されるように構成され、
前記信号生成ユニットおよび/または前記超音波変換器は、少なくとも1つの印加サイクルで超音波波形を放射するように構成され、前記印加サイクルは、持続時間TAを伴う少なくとも1つの超音波放射事象と、持続時間TWを伴う待機期間とを備える、
システム。
(項目3)
前記薬物アプリケータは、単回使用用途のために交換可能である、および/または設計されるように構成される、項目1に記載のアプリケータまたは項目2に記載のシステム。(項目4)
前記薬物受容空間は、前記強膜と結合するために指定される表面において実質的に密閉され、前記密閉は、薬物透過を可能にするように構成される、項目1もしくは3に記載のアプリケータまたは項目2もしくは3に記載のシステム。
(項目5)
前記薬物受容空間は、前記強膜と結合するために指定される表面において実質的に開放している、項目1もしくは3に記載のアプリケータまたは項目2もしくは3に記載のシステム。
(項目6)
前記薬物アプリケータは、充填および/または補充されるように構成され、前記薬物アプリケータは、10μL~1mLの前記薬物、随意に、少なくとも1つの付加的物質を受容する、項目1および3-5のいずれか1項に記載のアプリケータまたは項目2-5のいずれか1項に記載のシステム。
(項目7)
前記薬物アプリケータは、10GPa未満のヤング率を有する弾性材料から作製される
、項目1および3-6のいずれか1項に記載のアプリケータまたは項目2-6のいずれか1項に記載のシステム。
(項目8)
前記薬物アプリケータは、以下の材料のうちの少なくとも1つ、すなわち、
エポキシ樹脂、ポリウレタンゴム、ポリカーボネート、ナイロン6-6、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリスチレン、ネオプレンゴム、ポリビニルアルコール、ポリジメチルシロキサン、シリコーン含有ゴム、シリコンヒドロゲル、シリコーンゴム、および
以下の材料のうちの少なくとも1つ、すなわち、ニッケル、銀、パラジウム、タングステン、金、白金、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化鉄、二酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ビスマス、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化ハフニウムでドープされるシリコンゴムから作製される、
項目1および3-7のいずれか1項に記載のアプリケータまたは項目2-7のいずれか1項に記載のシステム。
(項目9)
コントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記印加サイクルの複数のパラメータのうちの少なくとも1つを制御するように構成され、前記印加サイクルの前記複数のパラメータは、以下、すなわち、
(a)前記超音波放射事象の前記持続時間TA、
(b)前記超音波放射事象後の前記待機期間の前記持続時間TW、
(c)印加サイクルの数、
(d)前記超音波放射事象の強度、
(e)前記超音波放射事象の中心周波数、
(f)前記超音波放射システムのメカニカルインデックス、
パルス状超音波放射事象の場合、
(g)前記超音波放射事象の繰り返し率、および
(h)前記超音波放射事象のデューティサイクル
から選択される、
項目1および3-8のいずれか1項に記載のアプリケータまたは項目2-8のいずれか1項に記載のシステム。
(項目10)
情報受信および/または送信ユニットをさらに備え、
前記情報受信および/または送信ユニットは、前記薬物に関連する情報を受信ならびに/もしくは送信するように構成され、
前記情報受信および/または送信ユニットは、前記信号生成ユニットならびに/もしくは前記コントローラに動作可能に接続され、または前記情報受信および/または送信ユニットは、前記信号生成ユニットならびに/もしくは前記コントローラに動作可能に接続され、前記コントローラは、前記薬物に関連する前記情報に基づいて、前記印加サイクルの複数のパラメータのうちの少なくとも1つを制御するように構成され、
好ましくは、前記薬物に関連する前記情報は、前記薬物アプリケータ上に記憶される、
項目1および3-9のいずれか1項に記載のアプリケータまたは項目2-9のいずれか1項に記載のシステム。
(項目11)
前記薬物が70kDaまたはそれ未満のサイズを伴う分子を含むとき、前記コントローラは、30秒~300秒であるように前記持続時間TAを制御するように構成され、前記薬物アプリケータは、前記薬物が前記持続時間TA中に前記強膜を通して通過するように構成され、および/または
前記薬物が70kDaを上回るサイズを伴う分子を含むとき、前記コントローラは、60秒~600秒であるように前記持続時間TWを制御するように構成され、前記薬物アプリケータは、前記分子薬物が前記持続時間TW中に前記強膜を通して通過するように構成
される、
項目1および3-10のいずれか1項に記載のアプリケータまたは項目2-10のいずれか1項に記載のシステム。
(項目12)
前記システムはさらに、前記印加サイクルの前記複数のパラメータのうちの少なくとも1つを表示する、および/または手動で設定するように構成される、表示ならびに/もしくは手動入力ユニットを備える、項目1および3-11のいずれか1項に記載のアプリケータまたは項目2-11のいずれか1項に記載のシステム。
(項目13)
前記システムはさらに、前記強膜または角膜の前記表面の温度を感知するように構成される温度センサ、好ましくは、熱電対および/または赤外線放射温度計を備え、
前記コントローラは、前記時間TA中に、前記強膜または角膜の前記表面の前記温度が1℃を上回って上昇しないように、前記超音波放射事象を制御するように構成される、
項目1および3-12のいずれか1項に記載のアプリケータまたは項目2-12のいずれか1項に記載のシステム。
(項目14)
眼内空間内の標的部位への薬物の送達のための方法であって、
(a)項目1-13のいずれか1項に記載の薬物アプリケータおよび/またはシステムを提供するステップと、
(b)前記薬物アプリケータを強膜の表面に結合するステップと、
(c)少なくとも1つの超音波印加サイクルを適用するステップであって、前記印加サイクルは、持続時間TAを伴う超音波印加と、持続時間TWを伴う待機期間とを備える、ステップと、
を含む、方法。
(項目15)
項目1-13のいずれか1項に記載のアプリケータおよび/またはシステムを動作させる方法。
(項目16)
眼の眼内空間内の標的側面への少なくとも1つの薬物の送達のためのデバイスであって、前記デバイスは、
前記眼の所望の部位に送達される超音波を生成するように構成される、超音波生成デバイスと、
道具を使用することなく、前記少なくとも1つの薬物を含む薬物アプリケータに前記デバイスを結合するように構成される、インターフェースであって、前記薬物アプリケータは、前記眼の前記所望の部位への前記超音波の前記送達を補助するように構成される、インターフェースと、
を備え、
前記デバイスは、2,500cm未満の体積を有する、
デバイス。
(項目17)
前記デバイスおよび薬物アプリケータは、前記薬物アプリケータが前記インターフェースを介して結合されるときに、3,000cm未満の体積を有する、項目16に記載のデバイス。
(項目18)
前記デバイスは、1,000cm未満の体積を有する、項目16に記載のデバイス。(項目19)
前記デバイスは、25cm未満の最大寸法を有する、項目16に記載のデバイス。
(項目20)
前記デバイスおよび薬物アプリケータは、前記薬物アプリケータが前記インターフェースを介して結合されるときに、30cm未満の最大寸法を有する、項目16に記載のデバ
イス。
(項目21)
前記デバイスは、15cm未満の最大寸法を有する、項目16に記載のデバイス。
(項目22)
前記デバイスは、9kg未満の重量を有する、項目16に記載のデバイス。
(項目23)
前記デバイスおよび薬物アプリケータは、10kg未満の集団的重量を有する、項目16に記載のデバイス。
(項目24)
前記超音波生成デバイスを少なくとも部分的に封入する筐体をさらに備える、項目16に記載のデバイス。
(項目25)
前記超音波生成ユニットと通信する信号生成ユニットをさらに備える、項目16に記載のデバイス。
(項目26)
前記信号生成ユニットは、前記信号生成ユニットを制御するように構成されるコントローラと、超音波信号を生成するように構成される増幅器とを備える、項目25に記載のデバイス。
(項目27)
前記デバイスは、ハンドヘルドデバイスである、項目16に記載のデバイス。
(項目28)
前記デバイスは、ウェアラブルデバイスである、項目16に記載のデバイス。
(項目29)
前記デバイスは、少なくとも部分的にユーザの眼にわたって前記ユーザの頭部上に装着されるように構成される、項目28に記載のデバイス。
(項目30)
前記超音波生成デバイスは、20kHz~100kHzの周波数において動作するように構成される、項目16に記載のデバイス。
(項目31)
前記超音波生成デバイスは、30VRMS未満の励起電圧において動作する、項目30に記載のデバイス。
(項目32)
前記超音波生成デバイスは、屈曲変換器を備える、項目16に記載のデバイス。
(項目33)
前記超音波生成デバイスは、200g未満の重量である、項目16に記載のデバイス。(項目34)
前記超音波生成デバイスは、3cm未満の最大寸法を有する、項目16に記載のデバイス。
(項目35)
前記インターフェースは、前記デバイスとの前記薬物アプリケータの繰り返し可能な結合および分断を可能にする、項目16に記載のデバイス。
(項目36)
前記薬物アプリケータは、少なくとも100μlの前記少なくとも1つの薬物を保持するように構成される、項目16に記載のデバイス。
(項目37)
前記デバイスは、搭載電源によって給電される、項目16に記載のデバイス。
(項目38)
前記電源は、一次電池バッテリを備える、項目37に記載のデバイス。
(項目39)
眼の眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の送達のための命令を生成するた
めの方法であって、
送達される前記少なくとも1つの薬物の識別または前記眼のための治療計画の識別を示す信号を取得するステップと、
1つまたはそれを上回るプロセッサの助けを借りて、送達される前記少なくとも1つの薬物の前記識別または前記眼のための治療計画の前記識別を示す前記信号に基づいて、超音波生成デバイスの動作のための命令を生成するステップと、
を含む、方法。
(項目40)
前記眼の前記眼内空間内の前記標的部位への前記少なくとも1つの薬物の送達をもたらすために、前記命令に従って前記超音波生成デバイスを使用して超音波を印加するステップをさらに含む、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記信号は、前記少なくとも1つの薬物の前記識別または前記眼のための前記治療計画の前記識別のユーザ入力に応答して提供される、項目39に記載の方法。
(項目42)
前記少なくとも1つの薬物は、前記超音波生成デバイスに動作可能に結合される薬物アプリケータの中に含有される、項目39に記載の方法。
(項目43)
前記薬物アプリケータは、前記超音波生成デバイスに除去可能に結合される、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記薬物アプリケータは、除去可能な様式で前記超音波生成デバイスに結合される、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記信号は、送達される前記少なくとも1つの薬物または前記眼のための前記治療計画の前記識別を示す前記薬物アプリケータ上に搭載された標識に応答して、提供される、項目42に記載の方法。
(項目46)
前記薬物アプリケータは、前記少なくとも1つの薬物を事前装填される、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記命令の判定は、種々の薬物または治療計画のための複数の命令オプションから前記命令を選択するステップを含む、項目39に記載の方法。
(項目48)
前記1つまたはそれを上回るプロセッサは、前記超音波生成デバイスを備えるデバイス上に搭載されている、項目39に記載の方法。
(項目49)
前記命令は、前記超音波の周波数を含む、項目39に記載の方法。
(項目50)
前記命令は、メカニカルインデックスを含む、項目39に記載の方法。
(項目51)
前記命令は、前記超音波の生成のサイクルの数およびタイミングを含む、項目39に記載の方法。
(項目52)
前記超音波の生成は、前記眼内からの流体の排出を可能にし、前記眼内の圧力を低減させる、項目39に記載の方法。
(項目53)
前記流体の排出は、前記少なくとも1つの薬物の前記送達と同時に起こる、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記流体の排出は、前記少なくとも1つの薬物の前記送達に先立って起こる、項目52に記載の方法。
(項目55)
前記流体の排出は、前記少なくとも1つの薬物の前記送達に続いて起こる、項目52に記載の方法。
(項目56)
前記超音波は、前記眼内から前記流体を排出するときに1MHzを下回る周波数において動作する、項目52に記載の方法。
(項目57)
前記眼の温度は、前記眼内から前記流体を排出するときに2℃を超えずに上昇させられる、項目52に記載の方法。
(項目58)
前記流体の排出は、眼圧を低減させる治療中に起こる、項目52に記載の方法。
(項目59)
前記流体の前記排出は、緑内障の治療中に起こる、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記眼のための前記治療計画の前記識別は、治療されている疾患の識別を含む、項目39に記載の方法。
(項目61)
眼の眼内空間内の標的側面への少なくとも1つの薬物の送達のためのデバイスであって、前記デバイスは、
前記眼の所望の部位に送達される超音波を生成するように構成される、超音波生成デバイスと、
前記少なくとも1つの薬物を含む薬物アプリケータに前記デバイスを繰り返し結合するように構成される、インターフェースであって、前記薬物アプリケータは、前記眼の前記所望の部位への前記超音波の前記送達を補助するように構成される、インターフェースと、
を備え、
前記インターフェースは、共振周波数を超える結合媒体の伝搬速度の倍数である厚さを有する、前記結合媒体を備える、
デバイス。
(項目62)
前記結合は、道具を使用することなく達成される、項目61に記載のデバイス。
(項目63)
前記結合媒体は、共振周波数の4倍を超える前記結合媒体の伝搬速度の奇数倍である厚さを有する、項目61に記載のデバイス。
(項目64)
前記結合媒体は、前記超音波生成デバイスおよび前記薬物アプリケータのインピーダンス合致を最適化するように構成される、項目61に記載のデバイス。
(項目65)
前記結合媒体は、固体である、項目61に記載のデバイス。
(項目66)
前記結合媒体は、液体、懸濁液、またはゲルである、項目61に記載のデバイス。
(項目67)
前記超音波生成デバイスは、薬物アプリケータケースの中に少なくとも部分的に挿入されるように構成される、項目61に記載のデバイス。
(項目68)
前記超音波生成デバイスは、前記ケースのスロットを通して摺動し、前記超音波生成デバイスが前記ケースの中へ係止することを可能にするように構成される、ピンを備える、項目67に記載のデバイス。
(項目69)
前記薬物アプリケータは、超音波生成デバイスケースの中に少なくとも部分的に挿入されるように構成される、項目61に記載のデバイス。
(項目70)
前記インターフェースは、前記薬物アプリケータ上に搭載された第2の締結具と噛合するように構成される第1の締結具を備える、項目61に記載のデバイス。
(項目71)
前記第1の締結具および前記第2の締結具は、ともにねじ留めされるように構成される、項目70に記載のデバイス。
(項目72)
前記第1の締結具および前記第2の締結具は、ともにスナップ留めするように構成される、項目70に記載のデバイス。
(項目73)
前記インターフェースは、前記超音波生成デバイスと前記薬物アプリケータとの間の磁気接続を可能にする、項目61に記載のデバイス。
(項目74)
前記薬物アプリケータは、5dB/MHz/cmまたはそれよりも低い減衰係数を有する、項目61に記載のデバイス。
(項目75)
前記インターフェースは、10%未満の結合損失を提供する、項目61に記載のデバイス。
(項目76)
前記超音波生成デバイスは、20kHz~100kHzの周波数において動作するように構成される、項目61に記載のデバイス。
(項目77)
前記超音波生成デバイスは、30VRMS未満の励起電圧において動作する、項目76に記載のデバイス。
(項目78)
前記超音波生成デバイスは、屈曲変換器を備える、項目61に記載のデバイス。
(項目79)
眼の眼内空間内の標的側面への少なくとも1つの薬物の送達のためのデバイスであって、前記デバイスは、
前記眼の所望の部位に送達される超音波を生成するように構成される、超音波生成デバイスと、
前記眼の前記所望の部位に送達される光を生成するように構成される光源と、
前記少なくとも1つの薬物を含む薬物アプリケータに前記デバイスを結合するように構成される、インターフェースであって、前記薬物アプリケータは、前記眼の前記所望の部位への前記超音波の前記送達を補助するように構成され、前記光源からの前記光が前記眼の前記所望の部位に送達されることを可能にするように構成される、インターフェースと、
を備える、デバイス。
(項目80)
前記光源は、紫外線を生成するように構成される、項目79に記載のデバイス。
(項目81)
前記光源は、UV-A波長において光を放射するように構成される、項目80に記載のデバイス。
(項目82)
前記光源からの前記光は、前記光への前記少なくとも1つの薬物の暴露に応じて、前記少なくとも1つの薬物の架橋結合を引き起こすように構成される、項目79に記載のデバイス。
(項目83)
前記少なくとも1つの薬物は、感光性分子を含む、項目82に記載のデバイス。
(項目84)
前記少なくとも1つの薬物は、リボフラビンを含む、項目83に記載のデバイス。
(項目85)
前記超音波生成デバイスおよび前記光源は、筐体内に封入される、項目79に記載のデバイス。
(項目86)
前記光源は、前記超音波生成デバイスに結合される、項目79に記載のデバイス。
(項目87)
前記光源は、前記超音波生成デバイスに対して固定位置を有する、項目79に記載のデバイス。
(項目88)
前記超音波生成デバイスは、内側に前記光源が存在する内部空間を備える、項目79に記載のデバイス。
(項目89)
前記超音波生成デバイスは、前記内部空間を形成する、中央に自由空間を伴う円形断面を有する、項目88に記載のデバイス。
(項目90)
前記内部空間はさらに、前記光源によって放射される光を修正する光学要素を備える、項目88に記載のデバイス。
(項目91)
前記超音波生成デバイスは、内側にデータ収集デバイスが存在する内部空間を備える、項目79に記載のデバイス。
(項目92)
記録デバイスは、カメラまたはマイクロホンである、項目91に記載のデバイス。
(項目93)
前記超音波生成デバイスは、200g未満の重量である、項目79に記載のデバイス。(項目94)
前記超音波生成デバイスは、3cm未満の最大寸法を有する、項目79に記載のデバイス。
(項目95)
前記光源は、前記薬物アプリケータが前記デバイスに結合されるときに前記薬物アプリケータを通して光を指向するように構成される、項目79に記載のデバイス。
(項目96)
眼の眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の送達のための薬物アプリケータであって、前記薬物アプリケータは、
前記少なくとも1つの薬物を保持するように構成される少なくとも1つの空間を少なくとも部分的に画定するように構成される、不透明材料から形成される第1の部分と、
選択された波長の光が前記薬物アプリケータの1つの側面から前記薬物アプリケータの別の側面まで通過することを可能にするように構成される、前記選択された波長の光に対して少なくとも部分的に透過性である材料から形成される第2の部分と、
前記薬物アプリケータを介して前記眼の所望の部位に送達される超音波を生成するように構成される超音波生成デバイスに前記薬物アプリケータを結合するように構成される、インターフェースと、
を備える、薬物アプリケータ。
(項目97)
前記超音波生成デバイスは、前記選択された波長の光を提供するように構成される光源に動作可能に結合される、項目96に記載のアプリケータ。
(項目98)
前記光源は、紫外線を生成するように構成される、項目97に記載のアプリケータ。
(項目99)
前記光源からの前記光は、前記光への前記少なくとも1つの薬物の暴露に応じて、前記少なくとも1つの薬物の架橋結合を引き起こすように構成される、項目97に記載のアプリケータ。
(項目100)
前記少なくとも1つの薬物は、リボフラビンを含む、項目99に記載のアプリケータ。
(項目101)
前記超音波生成デバイスおよび前記光源は、筐体内に封入される、項目97に記載のアプリケータ。
(項目102)
前記超音波生成デバイスは、内側に前記光源が存在する内部空間を備える、項目97に記載のアプリケータ。
(項目103)
前記少なくとも1つの空間は、単一の連続空間である、項目96に記載のアプリケータ。
(項目104)
前記少なくとも1つの空間は、複数の不連続空間を備える、項目96に記載のアプリケータ。
(項目105)
前記複数の不連続空間は、細孔を備える、項目104に記載のアプリケータ。
(項目106)
前記第1の部分は、前記選択された波長の光を反射する材料でコーティングされる外側表面を備える、項目96に記載のアプリケータ。
(項目107)
前記材料は、紫外線を反射し、外側環境への任意の紫外線暴露を低減させるように構成される、項目106に記載のアプリケータ。
(項目108)
前記第1の部分は、前記眼の所望の部位に接触するように構成される標的側面を備える、項目96に記載のアプリケータ。
(項目109)
前記標的側面は、軟質生体適合性材料から形成される、項目108に記載のアプリケータ。
(項目110)
前記標的側面は、前記標的部位への前記少なくとも1つの薬物の送達を改良する試薬を送達するように構成される、項目108に記載のアプリケータ。
(項目111)
前記第1の部分は、弾性材料から形成される、項目96に記載のアプリケータ。
(項目112)
前記第2の部分は、紫外線に対して透過性である、項目96に記載のアプリケータ。
(項目113)
前記第2の部分は、前記第1の部分によって取り囲まれる、項目96に記載のアプリケータ。
(項目114)
前記薬物アプリケータは、前記少なくとも1つの薬物を事前装填されるように構成される、項目96に記載のアプリケータ。
(項目115)
前記薬物アプリケータは、汚染を防止するように構成される密閉材料を含む、項目96に記載のアプリケータ。
(項目116)
前記薬物アプリケータは、前記少なくとも1つの薬物の原位置装填を受容するように構成される、項目96に記載のアプリケータ。
(項目117)
眼の眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の送達のための方法であって、
前記少なくとも1つの薬物を含む前記眼の表面に薬物保持オーバーレイを付与するステップであって、前記薬物保持オーバーレイは、前記薬物保持オーバーレイが前記表面に付与されている間に前記眼の閉鎖を可能にするように構成される、ステップと、
超音波生成デバイスを前記眼の所望の部位に位置付けるステップと、
前記超音波生成デバイスを使用して超音波を生成し、前記超音波を前記所望の部位に印加するステップと、
を含み、
前記超音波の前記生成は、前記眼の組織を損傷することなく、前記少なくとも1つの薬物を前記眼の前記眼内空間内の前記標的部位に送達する、方法。
(項目118)
前記薬物保持オーバーレイは、コンタクトレンズまたはフィルムである、項目117に記載の方法。
(項目119)
前記薬物保持オーバーレイは、多孔質材料で形成される、項目117に記載の方法。
(項目120)
前記薬物保持オーバーレイは、親水性、疎水性、両親媒性、および滅菌材料で形成される、項目117に記載の方法。
(項目121)
前記少なくとも1つの薬物は、前記薬物保持オーバーレイの中にカプセル化される、項目117に記載の方法。
(項目122)
前記少なくとも1つの薬物は、前記薬物保持オーバーレイの表面上に接着される、項目117に記載の方法。
(項目123)
薬物保持オーバーレイは、5dB/MHz/cmまたはそれよりも低い減衰係数を有する、項目117に記載の方法。
(項目124)
前記超音波生成デバイスは、前記眼の眼瞼にわたって位置付けられる、項目117に記載の方法。
(項目125)
前記超音波生成デバイスは、前記眼の強膜上に位置付けられる、項目117に記載の方法。
(項目126)
前記超音波生成デバイスは、前記眼の角膜上に位置付けられる、項目117に記載の方法。
(項目127)
前記超音波生成デバイスは、前記薬物保持オーバーレイと接触する、項目117に記載の方法。
(項目128)
前記超音波生成デバイスに動作可能に結合される薬物アプリケータをさらに備える、項目117に記載の方法。
(項目129)
前記薬物アプリケータは、前記眼の眼瞼にわたって位置付けられる、項目128に記載の方法。
(項目130)
前記薬物アプリケータは、前記眼の強膜にわたって位置付けられる、項目128に記載
の方法。
(項目131)
前記薬物アプリケータは、前記眼の角膜にわたって位置付けられる、項目128に記載の方法。
(項目132)
眼の眼内空間内の標的側面への少なくとも1つの薬物の送達のためのデバイスであって、
前記デバイスが装着者によって装着されるときに、前記装着者の耳の後ろに延在するように構成される、少なくとも1つの延在部を備える、アイウェアフレームと、
前記アイウェアフレームによって支持される、1つまたはそれを上回る超音波生成デバイスであって、各超音波生成デバイスは、前記デバイスが前記装着者によって装着されるときに、前記眼の所望の部位に送達される超音波を生成するように構成される、超音波生成デバイスと、
を備え、
前記超音波の前記生成は、前記眼の組織を損傷することなく、前記少なくとも1つの薬物を前記眼の前記眼内空間内の前記標的部位に送達する、デバイス。
(項目133)
前記アイウェアフレームによって支持される、薬物アプリケータであって、前記少なくとも1つの薬物を含む、薬物アプリケータをさらに備える、項目132に記載のデバイス。
(項目134)
前記薬物アプリケータは、前記1つまたはそれを上回る超音波生成デバイスに動作可能に結合される、項目133に記載のデバイス。
(項目135)
前記薬物アプリケータは、前記デバイスが前記装着者によって装着されるときに、前記眼を少なくとも部分的に被覆するように位置する、項目133に記載のデバイス。
(項目136)
前記アイウェアフレームは、眼鏡のフレームを備える、項目132に記載のデバイス。(項目137)
前記アイウェアフレームは、ゴーグルを形成する、項目132に記載のデバイス。
(項目138)
前記アイウェアフレームは、少なくとも1つの眼を被覆する部分を備える、ヘルメットを形成する、項目132に記載のデバイス。
(項目139)
前記超音波生成デバイスは、前記アイウェアフレームに添着される、項目132に記載のデバイス。
(項目140)
前記超音波生成デバイスは、前記アイウェアフレームから除去可能である、項目132に記載のデバイス。
(項目141)
前記超音波生成デバイスは、前記アイウェアフレームの1つの部分から前記アイウェアフレームの別の部分まで移動可能である、項目132に記載のデバイス。
(項目142)
前記超音波生成デバイスは、前記デバイスが前記装着者によって装着されるときに、前記眼を少なくとも部分的に被覆するように位置する、項目132に記載のデバイス。
(項目143)
眼の眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の送達のための方法であって、
前記眼の強膜の所望の部位に対して超音波生成デバイスおよび薬物アプリケータを位置付けるステップであって、前記薬物アプリケータは、前記少なくとも1つの薬物を含む、ステップと、
前記超音波生成デバイスを使用して超音波を生成し、約30~60kHzの周波数および0.1~0.3のメカニカルインデックスにおいて前記強膜の前記所望の部位に前記超音波に印加するステップと、
を含み、
前記超音波の前記生成は、前記眼の組織を損傷することなく、少なくとも90μm/秒の速度で少なくとも1.3μg/mlの濃度において前記薬物を前記眼の前記眼内空間内の前記標的部位に送達する、
方法。
(項目144)
筐体内に前記超音波生成デバイスを少なくとも部分的に封入するステップをさらに含む、項目143に記載の方法。
(項目145)
前記筐体は、前記超音波生成デバイスがハンドヘルドであることを可能にする、項目144に記載の方法。
(項目146)
前記筐体は、前記超音波生成デバイスが装着されることを可能にする、項目144に記載の方法。
(項目147)
信号生成ユニットから前記超音波生成ユニットへの通信を提供するステップをさらに含む、項目143に記載の方法。
(項目148)
前記信号生成ユニットは、前記信号生成ユニットを制御するように構成されるコントローラと、超音波信号を生成するように構成される増幅器とを備える、項目147に記載の方法。
(項目149)
前記超音波生成デバイスは、30VRMS未満の励起電圧において動作する、項目143に記載の方法。
(項目150)
前記超音波生成デバイスは、屈曲変換器を備える、項目143に記載の方法。
(項目151)
前記超音波生成デバイスは、200g未満の重量である、項目143に記載の方法。
(項目152)
前記超音波生成デバイスは、3cm未満の最大寸法を有する、項目143に記載の方法。
(項目153)
前記薬物アプリケータおよび前記超音波生成デバイスは、結合され、相互から分断されるように構成される、項目143に記載の方法。
(項目154)
前記薬物アプリケータは、前記所望の部位において前記眼に接触するように位置付けられる、項目143に記載の方法。
(項目155)
前記薬物アプリケータは、前記所望の部位と異なる前記眼の部分に接触するように位置付けられる、項目143に記載の方法。
(項目156)
前記薬物アプリケータは、少なくとも100μlの前記少なくとも1つの薬物を保持するように構成される、項目143に記載の方法。
(項目157)
前記標的部位に送達される前記薬物は、少なくとも70kDaの分子を含む、項目143に記載の方法。
(項目158)
前記超音波は、300秒未満の持続時間にわたって生成される、項目143に記載の方法。
(項目159)
眼の眼内空間内の標的部位への少なくとも1つの薬物の超音波強化送達のための方法であって、
前記眼の強膜の所望の部位に対して超音波生成デバイスおよび薬物アプリケータを位置付けるステップであって、前記薬物アプリケータは、前記少なくとも1つの薬物を含む、ステップと、
前記超音波生成デバイスを使用して超音波を生成し、0.1~0.3のメカニカルインデックスで前記強膜の前記所望の部位に前記超音波に印加するステップと、
を含み、
前記超音波の前記生成は、前記眼の組織を損傷することなく、かつ1℃を上回って前記組織の温度を上昇させることなく、少なくとも90μm/秒の速度で少なくとも1.3μg/mlの濃度において前記薬物を前記眼の前記眼内空間内の前記標的部位に送達する、方法。
(項目160)
筐体内に前記超音波生成デバイスを少なくとも部分的に封入するステップをさらに含む、項目159に記載の方法。
(項目161)
前記筐体は、前記超音波生成デバイスがハンドヘルドであることを可能にする、項目160に記載の方法。
(項目162)
前記筐体は、前記超音波生成デバイスが装着されることを可能にする、項目160に記載の方法。
(項目163)
信号生成ユニットから前記超音波生成ユニットへの通信を提供するステップをさらに含む、項目159に記載の方法。
(項目164)
前記信号生成ユニットは、前記信号生成ユニットを制御するように構成されるコントローラと、超音波信号を生成するように構成される増幅器とを備える、項目163に記載の方法。
(項目165)
前記超音波生成デバイスは、30VRMS未満の励起電圧において動作する、項目159に記載の方法。
(項目166)
前記超音波生成デバイスは、屈曲変換器を備える、項目159に記載の方法。
(項目167)
前記超音波生成デバイスは、200g未満の重量である、項目159に記載の方法。
(項目168)
前記超音波生成デバイスは、3cm未満の最大寸法を有する、項目159に記載の方法。
(項目169)
前記薬物アプリケータおよび前記超音波生成デバイスは、結合され、相互から分断されるように構成される、項目159に記載の方法。
(項目170)
前記薬物アプリケータは、前記所望の部位において前記眼に接触するように位置付けられる、項目159に記載の方法。
(項目171)
前記薬物アプリケータは、前記所望の部位と異なる前記眼の部分に接触するように位置付けられる、項目159に記載の方法。
(項目172)
前記薬物アプリケータは、少なくとも100μlの前記少なくとも1つの薬物を保持するように構成される、項目159に記載の方法。
(項目173)
前記標的部位に送達される前記薬物は、少なくとも70kDaの分子を含む、項目159に記載の方法。
(項目174)
前記標的部位に送達される前記薬物は、900Daを下回る小分子を含む、項目159に記載の方法。
(項目175)
前記標的部位に送達される前記薬物は、250kDaを下回る巨大分子を含む、項目159に記載の方法。
(項目176)
前記超音波は、300秒未満の持続時間にわたって生成される、項目159に記載の方法。
【0112】
参照による引用
本明細書で記述される全ての出版物、特許、および特許出願は、各個別出版物、特許、または特許出願が、参照することによって組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。参照することによって組み込まれる出版物および特許または特許出願が、本明細書に含有される本開示と矛盾する限りにおいて、本明細書は、任意のそのような矛盾する資料に取って代わる、および/または優先することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0113】
本発明の新規の特徴は、添付の請求項で詳細に記載される。本発明の特徴および利点のさらなる理解は、本発明の原理が利用される例証的実施形態を記載する、以下の発明を実施するための形態、ならびに付随する図面(また、本明細書の「図」(FigureおよびFIG))を参照することによって得られる。
【0114】
図1図1は、薬物の超音波強化送達のためのシステムの実施形態を示す。
【0115】
図2図2は、送達ユニットの実施形態の実施例を示す。
【0116】
図3図3は、送達ユニットの実施形態の付加的実施例を示す。
【0117】
図4図4A-4Cは、薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間の結合の実施例を示す。
【0118】
図5図5A-5Bは、薬物アプリケータおよび超音波生成デバイスが相互に結合され得る方法の実施例を示す。
【0119】
図6図6A-6Dは、薬物アプリケータの種々の実施形態を示す。
【0120】
図7図7A-7Bは、薬物アプリケータのための薬物装填機構の実施例を示す。
【0121】
図8図8は、眼に適用されるように構成される薬物アプリケータの概略図を示す。
【0122】
図9図9は、システムの印加ヘッドの実施形態の斜視図を示す。
【0123】
図10図10は、本発明の一側面による、システムの実施形態の斜視図を示す。
【0124】
図11図11は、本発明の一側面による、システムのウェアラブル実施形態の斜視図を示す。
【0125】
図12図12は、本発明の一側面による、システムのウェアラブル実施形態の斜視図を示す。
【0126】
図13図13は、光源を備える送達ユニットの実施例を示す。
【0127】
図14図14A-14Gは、送達ユニットの種々の構成の実施例を示す。
【0128】
図15図15は、眼の表面上に薬物保持オーバーレイを使用する用途の実施例を示す。
【0129】
図16図16A-16Bは、薬物保持オーバーレイを使用する付加的用途の実施例を示す。
【0130】
図17図17は、超音波生成デバイスの動作のための命令を生成するためのプロセスの実施例を示す。
【0131】
図18図18A-18Cは、種々の治療計画による、超音波の印加の実施例を示す。
【0132】
図19図19は、眼の眼内空間内の標的部位への薬物の浸透の実施例を示す。
【0133】
図20図20は、種々のメカニカルインデックスの効果を示す。
【0134】
図21図21は、種々の周波数が細胞内結合に影響を及ぼす方法を示す。
【0135】
図22図22は、種々のメカニカルインデックスおよび周波数の付加的効果を示す。
【0136】
図23図23は、種々のメカニカルインデックスの効果のさらなる実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0137】
発明の詳細な説明
本発明の種々の実施形態が、本明細書に示され、説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白で。多数の変形例、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく当業者に想起され得る。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替物が採用され得ることを理解されたい。
【0138】
眼の表面への超音波の印加は、薬物の送達を補助し得る。システムは、薬物アプリケータに結合され得る、超音波生成デバイスを備えてもよい。超音波は、薬物を眼内空間内の標的部位に浸透させることを補助し得る。薬物アプリケータは、送達され得る、1つまたはそれを上回る薬物を保持してもよい。超音波は、薬物アプリケータを通して眼に送達される。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータは、デバイスから分離可能であり得る。薬物アプリケータは、材料から形成され、眼との快適な接続を提供しながら、眼に送達
される超音波の低い減衰を可能にし得る設計を有してもよい。薬物アプリケータは、薬物を事前装填されてもよい、また薬物は、原位置で装填されてもよい。
【0139】
図1は、薬物の超音波強化送達のためのシステムの一実施形態を示す。本システムは、送達ユニット200と、信号生成ユニット300と、ならびに/または入力および制御ユニット400とを備えてもよい。
【0140】
送達ユニット200、生成ユニット300、ならびに入力および制御ユニット400は、通信リンク501、503、504によって動作可能に相互接続されてもよい。通信リンクは、有線および無線通信を備えてもよい。好ましい通信機構は、WiFi、赤外線、光学、無線、またはBluetooth(登録商標)通信リンク等の直接通信リンクを含んでもよい。好ましい通信リンクはまた、任意の種類のバス接続等の有線通信を備えてもよい。
【0141】
送達ユニット200、生成ユニット300、ならびに入力および制御ユニット400は、好ましくは、単一の筐体の中へともに統合され、および/または随意に、機能グループに配列され、いくつかの筐体の中へ統合される。単一の筐体は、送達ユニット、生成ユニット、ならびに/または入力および制御ユニットを部分的もしくは完全に封入してもよい。筐体は、内側で送達ユニット、生成ユニット、ならびに/または入力および制御ユニットが提供され得る、1つもしくはそれを上回る内部空間を備える場合もあり、備えない場合もある。送達ユニット、生成ユニット、ならびに/または入力および制御ユニットは、1つもしくはそれを上回る内部空間を共有する場合もあり、しない場合もある。ある事例では、ユニットは、相互から分離されてもよい。筐体は、流体密(例えば、気密、水密)である場合もあり、そうではない場合もある。筐体は、粉塵、粒子状物質、光、または他の外部環境条件から内側の1つまたはそれを上回る構成要素を保護してもよい。同様に、筐体は、筐体内からの放射(例えば、光)または物質が筐体から退出しないように防止する場合もあり、しない場合もある。
【0142】
送達ユニット、生成ユニット、ならびに/または入力および制御ユニットは、共通支持体を共有してもよい。共通支持体は、送達ユニット、生成ユニット、ならびに/または入力および制御ユニットの重量を支えてもよい。共通支持体は、送達ユニット、生成ユニット、ならびに/または入力および制御ユニットがともに移動することを可能にし得る。共通支持体は、送達ユニット、生成ユニット、ならびに/または入力制御ユニットの間で固定位置を維持してもよい。共通支持体は、筐体である場合もあり、そうではない場合もある。
【0143】
随意に、送達ユニット、生成ユニット、ならびに入力および制御ユニットは、ハンドヘルドデバイスとして形成される筐体の一部であってもよい。種々のユニットは、ハンドヘルドデバイスの種々の部分の中へ統合されてもよい。種々のユニットは、ハンドヘルドデバイスから除去可能または分離可能である場合もあり、そうではない場合もある。
【0144】
一実施例では、入力および制御ユニット400は、表示ならびに入力手段を備える、ハンドヘルドデバイスとして形成されてもよく、送達ユニット200は、好ましくは、眼100の前に人間工学的に設置されるように構成され、さらに、表面(例えば、強膜表面、角膜表面、縁)に触れるように構成される、コンパクトで随意にハンドヘルドのデバイスとして形成され、信号生成ユニット300は、好ましくは、ラック適合性形状因子を有する、好ましくは、起伏の多い筐体の中に形成される。
【0145】
種々のユニットは、薬物送達デバイスを形成してもよい。例えば、薬物送達デバイスは、送達ユニット、生成ユニット、ならびに/または入力および制御ユニットを備えてもよ
い。薬物送達デバイスは、筐体を備えてもよい。薬物送達デバイスは、薬物送達ユニットの全体または薬物送達ユニットの一部を備える場合もあり、備えない場合もある。薬物送達デバイスは、薬物アプリケータを備える場合もあり、備えない場合もある。薬物送達デバイスは、再利用可能であり得る。薬物アプリケータは、再利用可能である場合もあり、そうではない場合もある。例えば、薬物アプリケータは、同一の薬物または異なる薬物を補充されるときに再利用可能であり得る。薬物アプリケータは、使い捨てであり得る。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータは、単回使用の使い捨て部品であってもよい。
【0146】
信号生成ユニット300は、コントローラ302と、信号発生器および/または増幅器301とを備えてもよい。コントローラ302は、信号増幅器301に動作可能に接続されてもよい。信号発生器および/または増幅器301は、通信リンク501によって超音波変換器202と動作可能に接続される。信号発生器および/または増幅器301ならびにコントローラ302は、信号生成ユニット300の共通筐体303の中に配列されてもよい。信号生成ユニットの筐体は、送達ユニット200の筐体から分離し得る。代替として、または加えて、信号生成ユニットおよび送達ユニットは、共通筐体を共有してもよい。
【0147】
本発明の実施形態では、コントローラ302は、信号発生器および/または増幅器301を制御し、超音波信号を生成するように構成されてもよい。コントローラは、所望の超音波信号を生成するように信号発生器および/または増幅器に送信される命令を生成し得る、1つもしくはそれを上回るプロセッサを備えてもよい。コントローラは、本明細書の他の場所でさらに詳細に説明されるように、所望の超音波特性を判定してもよい。加えて、または随意に、信号発生器および/もしくは増幅器301は、超音波信号を増幅するように構成される。放射された超音波信号は、任意の所望の特性を有してもよい。制御され得る特性の実施例は、波形、周波数、および/またはメカニカルインデックスを含む。一実施例では、放射された超音波は、正弦波形を有し、20kHz~100kHz、より好ましくは、40kHzにおける中心周波数を有してもよい。任意の他の波形、周波数、および/またはメカニカルインデックスが、本明細書の他の場所で説明されるように、提供されてもよい。
【0148】
本発明の実施形態では、放射された超音波信号は、1Hz~100Hzの好ましいパルス繰り返し率において、好ましくは、30%~70%に及ぶデューティサイクルを伴う脈動波を備えてもよい。放射された超音波信号プロファイルの種々の実施例が、本明細書の他の場所でさらに詳細に提供される。
【0149】
本発明の実施形態では、放射された超音波信号のメカニカルインデックスは、放射された超音波によって誘発される、激しい効果、例えば、キャビテーション効果および/または組織損傷を回避するように、0.20を超えていない。いくつかの実施形態では、放射された超音波のメカニカルインデックスは、約0.2である。いくつかの実施形態では、メカニカルインデックスは、約0.01、0.05、0.1、0.12、0.15、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.230.25、0.27、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、または0.9未満もしくはそれと等しくあり得る。ある事例では、メカニカルインデックスは、提供される値のうちのいずれかを上回るまたはそれと等しくあり得る、もしくは提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入り得る。メカニカルインデックスは、周波数および強度の特定の組み合わせにおける超音波印加中のキャビテーション活動を予測する。メカニカルインデックスは、好ましくは、放射された超音波信号の周波数および/または強度を制御することによって制御される。
【0150】
本発明の実施形態では、放射された超音波信号は、4W/cm未満の空間平均時間平
均強度を有する。強度は、0.005W/cm~1W/cmの範囲内であることが好ましい。いくつかの実施形態では、空間平均時間平均強度は、約0.001、0.003、0.005、0.01、0.03、0.05、0.07、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.95、1、2、3、4、または5W/cm未満もしくはそれと等しくあり得る。強度は、提供される値のうちのいずれかを上回り得る、または提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入り得る。
【0151】
コントローラ302、信号発生器および/または増幅器301、ならびに超音波変換器202は、集合的に超音波デバイスと称され得る。
【0152】
表示および制御ユニット400はさらに、ディスプレイと、ユーザ双方向デバイスとを備えてもよい。表示および制御ユニット400は、通信リンク501、503、504を介して、超音波デバイスならびに情報送信および/または受信ユニット203に動作可能に接続される。通信リンクは、ケーブルおよび/または無線接続、もしくは本明細書の他の場所でさらに詳細に説明されるような任意の他のタイプの接続を備えてもよい。表示および制御ユニットは、超音波デバイスと別個の筐体を備えてもよい、または共通筐体を共有してもよい。
【0153】
本発明の実施形態では、表示および制御ユニット400は、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、または携帯情報端末上のアプリケーションとして実装されてもよい。代替として、または加えて、表示および制御ユニット400は、随意に、バッテリを備える、独立型デバイスとして設計されてもよい。
【0154】
薬物送達デバイスの1つまたはそれを上回る部分は、搭載電源によって給電されてもよい。例えば、送達ユニット、信号生成ユニット、ならびに/または表示および制御ユニットは、搭載電源によって給電されてもよい。電源は、1つまたはそれを上回るバッテリを備えてもよい。例えば、電源は、1つまたはそれを上回る一次電池バッテリを備えてもよい。電源は、1つまたはそれを上回る再充電可能バッテリを備えてもよい。電源は、超音波生成デバイスに給電するために使用されてもよい。電源は、薬物送達デバイスの筐体内にあってもよい。電源は、薬物送達デバイスから除去可能または取外可能である場合もあり、そうではない場合もある。
【0155】
いくつかの実施形態では、送達ユニット200は、相互に結合され得る、複数の部分を備えてもよい。例えば、送達ユニットは、薬物アプリケータと、超音波生成デバイスとを備えてもよい。いくつかの実施形態では、超音波生成デバイスは、薬物送達デバイスの一部であってもよい。薬物アプリケータは、薬物送達デバイスの一部である場合もあり、そうではない場合もある。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータは、薬物送達デバイスとは別個に提供されてもよい。薬物アプリケータは、薬物送達デバイスに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータは、別個および/または繰り返し可能な様式で薬物送達デバイスに結合されてもよい。
【0156】
送達ユニット200の一実施形態の詳細が、図2に示される。送達ユニット200は、薬物アプリケータ201と、超音波変換器202等の超音波生成デバイスと、好ましくは、情報送信および受信ユニット203とを備える。薬物アプリケータ201は、薬物を保持する少なくとも1つの空間800を備える。用語「超音波変換器202」は、超音波信号を生成する任意のハードウェアを含んでいる。
【0157】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータ201は、低超音波減衰材料から形成される
。低超音波減衰材料は、以下のリスト、すなわち、エポキシ樹脂、ポリウレタンゴム、ポリカーボネート、ナイロン6-6、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリスチレン、ネオプレンゴム、ポリビニルアルコール、ポリジメチルシロキサン、シリコーン含有ゴム、シリコンヒドロゲル、シリコーンゴムから選択される、少なくとも1つであることができる。加えて、または代替として、薬物アプリケータ201は、以下の材料のうちの少なくとも1つ、すなわち、ニッケル、銀、パラジウム、タングステン、金、白金、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化鉄、二酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ビスマス、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化ハフニウムでドープされるシリコンゴムから形成されることができる。
【0158】
薬物アプリケータは、約20、15、12、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、または0.1dB/(MHzcm)未満もしくはそれと等しい超音波減衰を有する、低超音波減衰材料から形成されてもよい、またはそれを備えてもよい。薬物アプリケータは、提供される値のうちのいずれかを上回る、または提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る、超音波減衰を有してもよい。低超音波減衰は、有利なこととして、超音波生成デバイスから薬物アプリケータへの超音波の輸送を促進してもよく、最終的に、標的部位に到達してもよい。減衰が高すぎる場合、エネルギーは、超音波伝送プロセスで失われ得、送達部位における音響出力は、より低くあり得、薬物送達プロセスを妨げ得る、または薬物送達プロセスをあまり効果的ではなくし得る。
【0159】
薬物アプリケータ201は、眼の表面と結合されるように構成されてもよい。本発明の実施形態では、薬物アプリケータ201は、眼100に向かって指向される表面601bにおいて低超音波損失を伴って、強膜表面に結合されるように構成される。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータは、角膜表面に結合されるように構成されてもよい。眼の強膜表面の本明細書の任意の説明が、眼の角膜表面等の眼の表面の任意の他の部分に適用され得る。いくつかの実施形態では、超音波結合を増進するために、物質が、眼100の表面601bおよび/または強膜表面に付与されてもよい。物質は、薬物アプリケータ201と眼100の強膜表面との間の随意の間隙601aを充填している。物質は、例えば、超音波結合剤であることができる。物質は、ゲルまたは液体形態を有してもよい。超音波結合剤は、薬物アプリケータと眼の表面(例えば、強膜表面、角膜表面等)との間の中間である音響インピーダンスを有してもよい。超音波結合剤の音響インピーダンスは、薬物アプリケータの音響インピーダンス値と、超音波結合剤が接触するように構成される、眼の表面の音響インピーダンス値との間に属し得る。
【0160】
本発明の実施形態では、強膜表面等の眼の表面への薬物アプリケータ201の結合は、薬物アプリケータ201の設計によって改良されることができる。薬物アプリケータ201は、10GPa未満のヤング率を有する弾性材料から形成されてもよい。薬物アプリケータは、20GPa、15GPa、12GPa、10GPa、9GPa、8GPa、7GPa、6GPa、5GPa、4GPa、3GPa、2GPa、1.5GPa、1GPa、0.5GPa、または0.1GPa未満もしくはそれと等しいヤング率を有する、弾性材料から形成されてもよい。ある事例では、薬物アプリケータは、提供される値のうちのいずれかを上回る、または提供される値のうちのいずれか2つの間に属する、ヤング率を有してもよい。薬物アプリケータ201が十分に弾性の材料から作製されるとき、薬物アプリケータは、眼100に押圧されることができ、圧力を及ぼすことに応じて、薬物アプリケータ201は、変形し、個々の眼100の具体的形態に適応する。圧力は、強膜表面上に均等に分配されることができ、ユーザ体験は、改良される。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータが眼に接触する、強膜表面にわたる圧力変動は、5MPa、4MPa、3MPa、2MPa、1MPa、500kPa、300kPa、200kPa、100kPa、50kPa、30kPa、20kPa、15kpa、10kPa、7kPa、5k
Pa、3kPa、2kPa、1kPa、0.5kPa、0.1kPz、0.05kPa、または0.01kPa未満であり得る。加えて、強膜表面と薬物アプリケータ201との間の間隙601aは、最小限にされ、超音波結合は、改良される。
【0161】
いくつかの実施形態では、薬物アプリケータは、眼の表面に直接接触してもよい。薬物アプリケータは、中間デバイスまたは物質を要求することなく、眼の表面に接触してもよい。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータと眼の表面との間の接触を増進するために、薬物アプリケータは、眼の表面との広い接触面積を提供するように成形または形成されてもよい。例えば、薬物アプリケータは、薬物アプリケータと眼の強膜等の眼の表面との間に、少なくとも0.1mm、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、3mm、5mm、7mm、10mm、15mm、20mm、30mm、40mm、50mm、75mm、1cm、1.5cm、2cm、または3cmの接触面積を有するように成形もしくは形成されてもよい。
【0162】
送達性能が薬物アプリケータ201のスタンドオフ距離dによる影響を受けないことは、従来技術と比べた本発明の利点である。したがって、薬物送達性能を低下させることなく、薬物アプリケータ201の変形が可能である。
【0163】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータ201は、薬物送達システムに機械的に結合されるように構成される。実施形態では、薬物アプリケータ201は、超音波変換器202に結合されるように構成される。結合は、機械的結合を備えてもよく、超音波変換器202に対して固定位置で、好ましくは、超音波変換器202において固定位置で、薬物アプリケータ201を保持してもよい。結合はさらに、超音波変換器202への薬物アプリケータ201の低損失超音波結合を備えてもよい。低損失超音波結合は、好ましくは、薬物アプリケータ201と超音波変換器202との間のインターフェース602において物質を使用することによって改良される。物質は、好ましくは、超音波結合剤である。機械的結合は、好ましくは、異なる薬物アプリケータ201を超音波変換器202に結合するために設計される、解放可能機械的結合である。異なる薬物アプリケータ201は、好ましくは、異なるサイズおよび/または異なる形状因子を有する。薬物アプリケータと超音波変換器との間の結合のさらなる実施例が、本明細書の他の場所でさらに詳細に提供される。
【0164】
超音波変換器202の本明細書の任意の説明は、任意のタイプの超音波生成デバイスに適用され得、逆も同様である。超音波変換器は、振動の曲げモードの設計に基づいてもよい。屈曲変換器は、有利なこととして、比較的低い励起電圧、低い重量、および/または小さいサイズを伴って、所望の超音波周波数ならびに/もしくは強度を生じてもよい。代替実施形態では、超音波変換器の積層セラミック設計が使用されてもよい。
【0165】
超音波変換器は、超音波の任意の周波数を生じてもよい。例えば、超音波変換器は、約1kHz、5kHz、10kHz、20kHz、25kHz、30kHz、35kHz、37kHz、39kHz、40kHz、41kHz、43kHz、45kHz、50kHz、55kHz、60kHz、65kHz、70kHz、80kHz、90kHz、100kHz、120kHz、150kHz、200kHz、300kHz、400kHz、500kHz、600kHz、700kHz、800kHz、900kHz、1MHz、1.5MHz、2MHz、3MHz、または5MHz未満もしくはそれと等しい周波数を生じてもよい。超音波変換器は、本明細書で提供される周波数値のうちのいずれかを上回る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る、周波数を生じてもよい。
【0166】
超音波変換器は、任意の超音波強度を生じてもよい。例えば、超音波変換器は、約0.
001、0.005、0.01、0.03、0.05、0.07、0.1、0.11、0.120.13、0.14、0.15、0.17、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.2、1.5、2、2.5、3、5、または10W/cm未満もしくはそれと等しい強度を生じてもよい。超音波変換器は、本明細書で提供される強度値のうちのいずれかを上回る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る、強度を生じてもよい。
【0167】
いくつかの実施形態では、超音波変換器は、約0.1、0.5、1、3、5、10、15、20、22、25、27、30、33、35、40、45、50、60、70、80、90、100、120、150、200、300、500VRMS未満の励起電圧を有してもよい。励起電圧は、超音波変換器が、本明細書で提供されるような周波数値、または本明細書で提供されるような強度値において動作することを可能にしながら、これらの値のうちのいずれか未満であり得る。いくつかの実施形態では、励起電圧は、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回り得る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間に属する範囲内であり得る。
【0168】
超音波変換器は、低重量であってもよい。例えば、超音波変換器は、1g、5g、10g、20g、30g、40g、50g、60g、70g、80g、90g、100g、110g、120g、130g、150g、170g、200g、225g、250g、300g、350g、400g、500g、600g、700g、800g、1kg、2、kg、3kg、または5kg未満の重量であってもよい。超音波は、超音波変換器が、本明細書で提供されるような周波数値、または本明細書で提供されるような強度値において動作することを可能にしながら、これらの値のうちのいずれか未満の重量であってもよい。いくつかの実施形態では、重量は、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回り得る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間に属する範囲内であり得る。
【0169】
超音波変換器は、小さいサイズであってもよい。例えば、超音波変換器は、1mm、3mm、5mm、7mm、10mm、12mm、15mm、17mm、20mm、22mm、25mm、27mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm、60mm、70mm、80mm、90mm、100mm、120mm、150mm、175mm、200mm、250mm、または300mm未満の最大寸法(例えば、長さ、幅、高さ、対角線、もしくは直径)を有してもよい。超音波は、超音波変換器が、本明細書で提供されるような周波数値、または本明細書で提供されるような強度値において動作することを可能にしながら、これらの値のうちのいずれか未満の最大寸法を有してもよい。いくつかの実施形態では、最大寸法は、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回り得る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間に属する範囲内であり得る。
【0170】
いくつかの実施形態では、超音波変換器は、0.1cm、0.5cm、1cm、1.5cm、2cm、2.5cm、3cm、4cm、5cm、6cm、7cm、8cm、9cm、10cm、12cm、15cm、17cm、20cm、25cm、30cm、35cm、40cm、50cm、70cm、100cm、120cm、150cm、200cm、250cm、300cm、400cm、500cm、750cm、または1,000cm未満の体積を有してもよい。超音波は、超音波変換器が、本明細書で提供されるような周波数値、または本明細書で提供されるような強度値において動作することを可能にしながら、これらの値のうちのいずれか未満の体積を有してもよい。いくつかの実施形態では、体積は、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回り得る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間に属する範囲内であり得る。
【0171】
これらの特性のうちのいずれかを伴う超音波変換器を提供することは、有利なこととして、超音波変換器が眼および他の軟組織のための医療用途で使用されることを可能にし得る。コンパクトなサイズおよび/または重量は、超音波変換器が携帯用薬物送達デバイス上で使用されることを可能にし得る。
【0172】
超音波変換器は、任意の形状因子を有してもよい。ある事例では、超音波変換器は、薬物アプリケータに適合し得る、形状因子を有してもよい。超音波変換器は、薬物アプリケータがインターフェースにおいて超音波変換器に適合することを可能にし得る、形状因子を有してもよい。インターフェースは、薬物アプリケータと間接接触することができる、またはインターフェースが空気、ガス、水、ゲル、もしくは他の低超音波減衰材料と接触し、超音波の低減を防止し得る距離内にあることができる。いくつかの実施例では、超音波変換器は、インターフェースにおいて三角形、正方形、円形、リング形状、または他の形状(本明細書の他の場所で提供されるもの等)の形状因子を有してもよい。超音波変換器のインターフェースは、所望の形状を達成するために必要に応じて調節され得る、単一または複数の超音波変換器で形成されることができる。ある事例では、所望の形状は、本明細書の他の場所で提供されるように、円または任意の他の形状を含んでもよい。所望の形状は、内部空間を有してもよい。内部空間は、中央に提供されてもよい。
【0173】
内部空間は、付加的特徴との超音波変換器の組み合わせを可能にし得る。例えば、内部空間内の追加特徴は、それらをエネルギー、制御、またはデータ転送に接続するように、変換器の内側のインターフェース202cにおいて超音波変換器202と結合され得る。追加特徴202c-eは、LEDランプ、UVランプ、または電球等の波長放射デバイス202c等の放射デバイスと、カメラ202dまたはマイクロホン202e等の波長記録デバイスとを備えることができる。追加特徴は、波長を調節し得る、レンズ202fと組み合わせて使用されてもよい。例えば、放射された波長は、調節(例えば、集束、濃縮、回折、フィルタ処理、反射、分割等)されてもよい。測定された波長もまた、調節(例えば、拡大、集束、回折、フィルタ処理、反射、分割等)されることができる。超音波変換器への追加特徴は、本明細書の他の場所でさらに詳細に説明されるように、カメラを用いたビデオ記録を加えて、紫外線架橋結合および/または標的部位照射等の化学反応を引き起こすこと等の種々の用途に使用されることができる。これは、治療、例えば、糖尿病性網膜症または黄斑変性症を治療する紫外線もしくはVEGF薬物送達を通した角膜架橋結合(CXL)に先立って、その間に、および/またはその後に、施術者が眼を検査することを可能にし得る。
【0174】
本発明の実施形態では、情報送信および/または受信ユニット203は、薬物アプリケータが印加ヘッドに結合されるときに、情報送信および/または受信ユニット203が薬物アプリケータ201ならびに/もしくは薬物についての情報を読み出すことができるように、配列および構成される。薬物アプリケータ201を識別することができるために、情報送信および/または受信ユニット203は、薬物アプリケータ201に関連する情報を読み取るように構成される、読取手段を備える。読取手段は、好ましくは、人間もしくは機械可読標識および/またはRFID標識のためのリーダを含む。
【0175】
図3は、本発明の実施形態による、送達ユニットの実施形態の付加的実施例を示す。送達ユニット200は、薬物アプリケータ201と、超音波変換器202等の超音波生成デバイスとを備えてもよい。送達ユニットはまた、情報送信および受信ユニット203を備えてもよい。薬物アプリケータ201は、薬物を保持する少なくとも1つの空間800を備える。送達ユニットは、眼100と接触するように構成されてもよい。薬物送達ユニットの表面601bは、眼に対面する、および/または超音波を眼に送達するように構成されてもよい。表面は、随意に、薬物を眼に送達するように構成されてもよい。間隙601aが、送達ユニットの眼に対面する表面601bと強膜または角膜等の眼の表面との間に
提供される場合もあり、されない場合もある。
【0176】
薬物アプリケータ201は、超音波生成デバイス202から除去可能である場合もあり、そうではない場合もある。薬物アプリケータは、所望の用途のための任意のタイプの形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、異なる形状因子を伴う異なる薬物アプリケータが、スワップインおよびアウトされてもよい。異なる特性(例えば、サイズ、形状、材料、弾性、異なる薬物を保持する、減衰性質)を伴う異なる薬物アプリケータが、相互と交換されてもよい。例えば、特性の第1のセットを有する第1の薬物アプリケータが、超音波生成デバイスに結合されてもよい。第1の薬物アプリケータは、除去されてもよい。特性の第2のセットを有する第2の薬物アプリケータが、超音波生成デバイスに結合されてもよい。特性の第1および第2のセットは、相互と異なり得る。特性の第1および第2のセットは、同一の特性のうちの1つまたはそれを上回るものを共有する場合もあり、しない場合もある。
【0177】
情報送信および/または受信ユニット203は、薬物アプリケータならびに/もしくは超音波生成デバイスに動作可能に結合されてもよい。情報送信および/または受信ユニットは、薬物アプリケータについての情報を受信してもよい。情報送信および/または受信ユニットは、1つまたはそれを上回るセンサの助けを借りて、薬物アプリケータが超音波生成デバイスに結合されているとき、ならびに/もしくは薬物アプリケータが超音波生成デバイスに結合されていないときを感知することが可能であり得る。薬物アプリケータの存在および/または不在が、検出されてもよい。情報送信および/または受信ユニットは、超音波生成デバイスに結合される薬物アプリケータについての情報を検出することが可能であり得る。情報は、薬物アプリケータのタイプ、薬物アプリケータの1つもしくはそれを上回る特性、および/または識別子もしくは具体的薬物アプリケータについての他の情報(例えば、シリアル番号、バッチ番号、薬物名、製造日等)を含んでもよい。
【0178】
情報送信および/または受信ユニットは、薬物アプリケータの存在ならびに/もしくは不在についての情報を捕捉し得る、または薬物アプリケータについての情報を収集する(例えば、薬物アプリケータの標識を読み出す、薬物アプリケータの特性を測定する、薬物アプリケータによって発せられる情報を受信する)ことが可能であり得る、センサを含んでもよい。センサタイプの実施例は、視覚センサ(例えば、カメラ等の可視光、赤外線、または紫外線を検出することが可能な撮像デバイス)、近接性センサ(例えば、超音波センサ、ライダ、移動時間カメラ)、慣性センサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、慣性測定ユニット(IMU))、圧力センサ(例えば、気圧計)、音声センサ(例えば、マイクロホン)、または磁場センサ(例えば、磁力計、電磁センサ)を含んでもよい。1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれを上回るセンサ等の任意の好適な数および組み合わせのセンサが、使用されることができる。随意に、データはまた、異なるタイプ(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれを上回るタイプ)のセンサから受信されることができる。異なるタイプのセンサは、異なるタイプの信号もしくは情報(例えば、画像、音声、信号、位置、近接性、圧力等)を測定し、および/または異なるタイプの測定技法を利用し、データを取得してもよい。例えば、センサは、能動センサ(例えば、それらの独自の源からエネルギーを生成および測定するセンサ)および受動センサ(例えば、利用可能なエネルギーを検出するセンサ)の任意の好適な組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数のタイプのセンサが、薬物アプリケータに関する情報を検出するために使用されてもよい。一実施例では、光学センサは、薬物アプリケータに搭載されている視覚マーカを読み出してもよい。視覚マーカの実施例は、標識、言葉、数、文字、形状、シンボル、アイコン、バーコード、QRコード(登録商標)、一連の1つまたはそれを上回る点滅光、もしくは任意の他のタイプの視覚マーカを含んでもよい。別の実施例では、薬物アプリケータは、薬物アプリケータからRFID情報を読み出し得る、RFIDリーダであってもよい。別の実施例では、薬物アプリケータは、薬物アプリケータによ
って放射されている赤外線情報を読み出し得る、赤外線リーダを備えてもよい。いくつかの実施形態では、情報送信および/または受信ユニットは、別個のセンサから、もしくは薬物アプリケータから情報を受信し得る、通信ユニットを備えてもよい。
【0179】
薬物アプリケータについての情報を捕捉することに加えて、もしくは代替として、情報送信および/または受信ユニットは、超音波生成デバイスに関する情報を捕捉してもよい。情報送信および/または受信ユニット(ならびにその任意のセンサ)は、薬物アプリケータおよび/もしくは超音波変換器に近接近して位置してもよい。情報送信および/または受信ユニットは、入力サイクル情報の測定ならびに調整を補助し得る。限定されないが、単一サイクル時間、サイクル繰り返し、超音波強度、超音波周波数、および潜在的な付加的特徴等の具体的超音波サイクルに関する情報が、信号生成ユニット300から送信されてもよい。情報は、信号増幅器301から通信リンク501を通して超音波生成デバイス202に送信されてもよい。情報送信および/または受信ユニット203は、超音波生成デバイス202出力を測定し、信号発生器ならびに/もしくは増幅器301を後方調整し得るコントローラ302に情報を返信してもよい。超音波出力ならびに入力の一般的調整の次に、情報送信および/または受信ユニット203は、前述で説明されたような任意のセンサ等のセンサを備えることができる。例えば、1つもしくはそれを上回るセンサは、温度、超音波周波数、および/または強度を測定してもよい。付加的センサおよび/またはデバイスは、カメラ、電極、眼圧計、タイマ、走査デバイス、もしくはランプを備えてもよい。信号発生器および/または増幅器301は、センサならびに/もしくはデバイスのうちのいずれから信号を受信してもよい。信号発生器および/または増幅器301は、信号生成ユニット300、ならびに/もしくはパラメータが読み取られ、調節され得る、表示および制御ユニット400に、情報を送信してもよい。
【0180】
情報送信および/または受信ユニットは、ユニットに搭載されている1つもしくはそれを上回るプロセッサを備える場合もあり、備えない場合もある。情報送信および/または受信ユニットは、センサによって収集された情報を処理する場合もあり、しない場合もある。情報送信および/または受信ユニットは、薬物アプリケータの存在または不在ならびに/もしくは薬物アプリケータについての情報を判定してもよい。情報送信および/または受信ユニットは、処理されるように、未加工もしくはフォーマットされたデータを薬物送達デバイスの別の部分に送信する場合もあり、しない場合もある。
【0181】
情報送信および/または受信ユニットは、薬物送達ユニット上のいずれかの場所に位置してもよい。いくつかの実施形態では、情報送信および/または受信ユニットは、超音波生成デバイスの上もしくは近傍に位置してもよい。情報送信および/または受信ユニットは、薬物アプリケータと結合するように構成される超音波生成デバイスのインターフェースの上もしくは近傍に位置してもよい。情報送信および/または受信ユニットは、薬物アプリケータと結合するように構成される超音波生成デバイスの上もしくはその側面に位置してもよい。情報送信および/または受信ユニットは、超音波生成デバイスの表面上もしくは内に位置してもよい。情報送信および/または受信ユニットは、超音波生成デバイスに埋め込まれてもよい。情報送信および/または受信ユニットもしくはその一部は、薬物アプリケータ上に提供される場合もあり、されない場合もある。
【0182】
情報送信および/または受信ユニット203は、通信リンク502と動作可能に結合されてもよい。通信リンクは、有線または無線通信機構であってもよい。送信および/または受信ユニットは、通信リンクを介して、薬物アプリケータの存在もしくは不在を含み得る薬物アプリケータについての情報を薬物送達デバイスの別の部分に送信してもよい。情報送信および/または受信ユニットは、通信リンクを介して情報を受信する場合もあり、しない場合もある。いくつかの実施形態では、情報送信および/または受信ユニットの動作に影響を及ぼし得る命令が、情報送信および/または受信ユニットに送信されてもよい
【0183】
図4A-4Cは、本発明の実施形態による、薬物アプリケータ201と超音波生成デバイス202との間の結合701の概略的実施例を示す。薬物アプリケータは、薬物送達デバイスの動作に先立って、超音波生成デバイスに結合されてもよい。結合は、薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間のインターフェースであってもよい。例えば、薬物アプリケータは、結合であり得る、インターフェースを介して、超音波生成デバイスに直接接触してもよい。他の事例において、結合は、中間構成要素であってもよい。薬物アプリケータは、中間構成要素を介して超音波生成デバイスに接触してもよい。
【0184】
結合は、超音波生成デバイスと薬物アプリケータとの間に任意の形態または構成を有してもよい。概略図は、超音波生成デバイスと薬物アプリケータとの間の関係を示すように提供され、その中に図示される結合は、提供される描写に限定されない。超音波生成デバイスは、結合を介して薬物アプリケータに動作可能に結合される。
【0185】
図4Aは、薬物アプリケータ201と音波生成デバイス202との間の結合701の概略的実施例を示す。ある事例では、結合は、超音波生成デバイスおよび/または薬物アプリケータとの広い表面積接触を有してもよい。例えば、表面積接触は、最大限にされてもよい。例えば、結合は、超音波生成デバイスの断面積および/または薬物アプリケータの表面積を上回るもしくはそれと等しい断面積を有してもよい。結合は、結合と接触する超音波生成デバイスの表面積および/または結合と接触する薬物アプリケータの表面積に合致する、もしくはそれを上回る表面積を有してもよい。増加した表面積は、超音波生成デバイスからの超音波信号が、増加した様式で薬物アプリケータに送達されることを可能にし得る。これは、超音波生成デバイスから薬物アプリケータおよび/または眼の表面へのより少ない減衰が所望されるときに望ましくあり得る。
【0186】
図4Bは、薬物アプリケータ201と超音波生成デバイス202との間の結合701の付加的概略実施例を示す。ある事例では、結合は、超音波生成デバイスおよび/または薬物アプリケータとのより小さい表面積接触を有してもよい。例えば、表面積接触は、超音波生成デバイスおよび/または薬物アプリケータの全表面未満であり得る。例えば、結合は、超音波生成デバイスの断面積および/または薬物アプリケータの表面積未満もしくはそれと等しい断面積を有してもよい。結合は、結合と接触する超音波生成デバイスの表面積および/または結合と接触する薬物アプリケータの表面積に合致する、もしくはそれ未満である、表面積を有してもよい。減少した表面積は、超音波生成デバイスからの超音波信号が、制御された様式で薬物アプリケータに送達されることを可能にし得る。いくつかの実施形態では、結合機構の寸法は、所望の程度の超音波減衰を可能にするように選択されてもよい。ある事例では、結合機構は、デバイスの所望の形状因子を提供するように選択されてもよい。所望の形状因子は、薬物アプリケータが、容易かつ繰り返し可能な様式で超音波生成デバイスに取り付けられる、またはそこから取り外されることを可能にする設計に依存し得る。
【0187】
図4Cは、薬物アプリケータ201と超音波生成デバイス202との間の結合701の概略的実施例を示す。ある事例では、超音波生成デバイスは、薬物アプリケータのケーシング201dの中に挿入されることによって、薬物アプリケータに結合されてもよい。結合は、薬物アプリケータのケーシング内に提供されてもよい。例えば、表面積接触は、最大限にされる場合もあり、されない場合もある。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータは、超音波生成デバイスのケーシングの中に挿入されてもよい。結合は、超音波生成デバイスのケーシング内に提供されてもよい。
【0188】
結合は、結合媒体で形成されてもよい、またはそれを備えてもよい。結合媒体が、薬物
アプリケータと超音波変換器との間のインターフェースの中に提供されてもよい。結合媒体は、固体、液体、懸濁液、および/またはゲル形態であってもよい。結合は、剛性、半剛性、または弾性材料から形成されてもよい。結合媒体は、低減衰材料から形成されてもよい。
【0189】
結合媒体は、厚さdを有してもよい。厚さは、λが波長である、λの倍数と等しくあり得る。厚さは、λ/4の倍数であってもよい。厚さは、λ/4の奇数倍であってもよい。奇数倍は、奇整数(例えば、1、3、5、7、…)であってもよい。これは、超音波生成デバイス(例えば、超音波変換器)および薬物アプリケータのインピーダンス合致を改良または最適化し、したがって、超音波が変換器から標的部位に伝送することを可能にし得る。
【0190】
波長λは、以下によって計算され得る。
λ=c/f
式中、cは、結合媒体の中の伝搬速度であり、fは、共振周波数である。伝搬速度cは、結合媒体の材料タイプに依存し得る。伝搬速度は、結合媒体の1つまたはそれを上回る物理的特性に依存し得る。例えば、伝搬速度は、結合媒体の弾性、密度、または温度に依存し得る。したがって、結合媒体の厚さは、波長に比例し得る。結合媒体の厚さは、波長に正比例し得る。結合の厚さは、波長に線形に比例し得る。結合の厚さは、伝搬速度に比例(例えば、正比例、線形に比例)し得る。厚さは、共振周波数に比例し得る。厚さは、共振周波数に反比例し得る。厚さは、共振周波数に線形に反比例し得る。
【0191】
薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間のインターフェースは、結合媒体の共振周波数を超える結合媒体の伝搬速度の倍数である厚さを有する、結合媒体を備えてもよい。結合媒体は、共振周波数の4倍を超える結合媒体の伝搬速度の奇数倍である厚さを有してもよい。
【0192】
いくつかの実施形態では、薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間のスタンドオフ距離は、説明されるように厚さに依存し得る。薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間のスタンドオフ距離は、薬物アプリケータのケーシングの設計に依存し得る。代替として、または加えて、薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間のスタンドオフ距離は、超音波生成デバイスのケーシングの設計に依存し得る。スタンドオフ距離は、薬物アプリケータおよび超音波生成デバイスを接続し得る、任意の構成要素の厚さに依存し得る。
【0193】
薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間の結合は、手動で起こり得る。手動取付および/または取外は、薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間で起こり得る。結合は、両手の使用を要求し得る、または片手のみを使用して完成され得る。薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間の結合は、道具を使用することなく達成されてもよい。薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間の結合は、単純解放機構(例えば、迅速解放機構)を備えてもよい。単純解放機構は、手動で、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ未満もしくはそれと等しい運動を含んでもよい。手動の単一の運動の実施例は、捻転、引動、押動、レバーの移動、ボタンの押下、スイッチの切替、または任意の他の単純運動を含んでもよい。運動はそれぞれ、単一の方向(例えば、軸方向、横方向、垂直方向、回転方向等)であってもよい。運動のうちの1つまたはそれを上回るものもしくは全ては、道具を使用することなく実行されてもよい。ユーザは、運動のうちのいずれかを実施する際に、いかなる過剰な力も必要としなくてもよい。薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間の容易な手動取付および取外は、薬物送達デバイスによる使い捨て薬物アプリケータの使用を可能にし得る。種々の薬物アプリケータが、必要に応じてスワップインおよびアウトされることができる。薬物アプリケータは、薬物送達デバイスとともに使
用するために容易に取り付けられ、次いで、薬物アプリケータが使用され、もはや必要とされないときに取り外されることができる。これはまた、有利なこととして、同一の薬物送達デバイスとともに異なるタイプの薬物アプリケータを使用することを可能にし得る。
【0194】
図5A-5Bは、薬物アプリケータおよび超音波生成デバイスが相互に結合され得る方法の実施例を示す。一実施例では、薬物アプリケータまたは超音波生成デバイスのうちの少なくとも1つは、少なくとも部分的に他方の中に挿入されてもよい。薬物アプリケータケースは、少なくとも部分的に超音波生成デバイスの中に挿入されてもよい、または逆も同様である。
【0195】
例えば、薬物アプリケータ201は、薬物アプリケータケース201dを備えてもよい。薬物アプリケータは、超音波生成デバイス202と結合してもよい。超音波生成デバイスは、少なくとも部分的に薬物アプリケータケースの中に挿入されてもよい。
【0196】
超音波生成デバイスは、1つまたはそれを上回るピン202gを備えてもよい。ピンは、超音波生成デバイスの外部表面から突出してもよい。ピンは、薬物アプリケータケース201dのケースロック201eの中にかっちりと入ることができるように位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、ケースロックは、ピンを受容し得る、1つまたはそれを上回るスロット、切り抜き、溝、もしくは他の機構を備えてもよい。ケースロックは、ピンがケースロックの中へ係止することを可能にし得る、形状を有してもよい。ケースロックは、少なくとも2つの異なる方向に沿ってピンを誘導してもよい。ケースロックは、超音波生成デバイスおよび薬物アプリケータをともに保つことを補助し得る、円またはフックにおいて終端してもよい。ピンの本明細書の任意の説明は、薬物アプリケータケースのケースロックの中へ受け入れられ得る、任意の突出部分に適用され得る。他の実施形態では、超音波生成デバイスが、薬物アプリケータケースからピン等の突出部分を受容し得る、1つまたはそれを上回るスロット、切り抜き、溝、もしくは他の機構を備え得る、逆が提供されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータケースからのピンは、薬物アプリケータケースの内部表面上に形成されてもよいため、超音波生成デバイスが薬物アプリケータケースの中に挿入されるときに、超音波生成デバイスのケースロックを形成してもよい。
【0197】
別の実施例では、超音波生成デバイス202は、超音波生成デバイスケースを備えてもよい。超音波生成デバイスは、薬物アプリケータと結合してもよい。薬物アプリケータは、少なくとも部分的に超音波生成デバイスケースの中に挿入されてもよい。
【0198】
薬物アプリケータは、1つまたはそれを上回るピンを備えてもよい。ピンは、薬物アプリケータの外部表面から突出してもよい。ピンは、超音波生成デバイスのケースロックの中にかっちりと入ることができるように位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、ケースロックは、ピンを受容し得る、1つまたはそれを上回るスロット、切り抜き、溝、もしくは他の機構を備えてもよい。ケースロックは、ピンがケースロックの中へ係止することを可能にし得る、形状を有してもよい。ケースロックは、少なくとも2つの異なる方向に沿ってピンを誘導してもよい。ケースロックは、超音波生成デバイスおよび薬物アプリケータをともに保つことを補助し得る、円またはフックにおいて終端してもよい。ピンの本明細書の任意の説明は、超音波生成デバイスケースのケースロックの中へ受け入れられ得る、任意の突出部分に適用され得る。他の実施形態では、薬物アプリケータが、超音波生成デバイスケースからピン等の突出部分を受容し得る、1つまたはそれを上回るスロット、切り抜き、溝、もしくは他の機構を備え得る、逆が提供されてもよい。いくつかの実施形態では、超音波生成デバイスケースからのピンは、超音波生成デバイスケースの内部表面上に形成されてもよいため、薬物アプリケータが超音波生成デバイスケースの中に挿入されるときに、薬物アプリケータのケースロックを形成してもよい。
【0199】
代替として、または加えて、超音波生成デバイスのインターフェースは、薬物アプリケータに搭載されている第2の締結具と噛合するように構成される第1の締結具を備えてもよい。第1の締結具および第2の締結具は、ともにねじ留めされるように構成されてもよい。超音波生成デバイスまたは薬物アプリケータは、相互の内側でねじ留めされてもよい。一実施例では、超音波生成デバイスまたは薬物アプリケータは、(例えば、薬物アプリケータケースまたは超音波生成デバイスケースの)ケースロックおよび(例えば、超音波生成デバイスまたは薬物アプリケータの)ピンを通して、他方の内側でねじ留めされてもよい。ともにねじ留めすることは、薬物アプリケータと音波生成デバイスとの間で直接または密接接触を可能にし得る。いくつかの実施形態では、第1の締結具および第2の締結具は、ともにスナップ留めするように構成されてもよい。任意の相互係止機構またはスナップ嵌合機構が、超音波生成デバイスおよび薬物アプリケータを接続するために採用されてもよい。ケースロックおよび/またはピンは、スナップ留め機構とともに採用される場合もあり、されない場合もある。第1の締結具と第2の締結具との間の噛合は、回転構成要素を含む場合もあり、含まない場合もある。回転構成要素は、薬物アプリケータの長さおよび/または超音波生成デバイスの長さに沿って延在する軸を中心とした回転を含んでもよい。軸方向回転は、薬物アプリケータおよび超音波生成デバイスの両方を通って延在する軸を中心として起こり得る。
【0200】
いくつかの実施形態では、付加的インターフェース602は、薬物アプリケータ201と超音波生成デバイス202との間の直接接触を有してもよい、または超音波強度の任意の低減を防止するように、かつ薬物アプリケータへの超音波伝達を促進するように、限定されないが、空気、水、ゲル、および/もしくはヒドロゲル等の超音波減衰材料で充填されてもよい。薬物アプリケータへの改良された超音波伝達は、送達部位100への改良された超音波伝達をもたらし得る。
【0201】
薬物アプリケータおよび超音波生成デバイスは、ともにスナップ留めしてもよい。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータは、超音波生成デバイス上にスナップ留めしてもよい、または逆も同様である。それらは、機械的特徴の助けを借りてともにスナップ留めしてもよい。相互係止または噛合形状等のともにスナップ留めすることを補助し得る種々の形状が、提供されてもよい。いくつかの実施形態では、磁石は、薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間の結合を補助してもよい。一実施例では、磁石は、薬物アプリケータに搭載されている好適な金属または合金を用いて、超音波生成デバイス上に設置されてもよい。代替として、または加えて、磁石は、超音波生成デバイスに搭載されている好適な金属または合金を用いて、薬物アプリケータ上に設置されてもよい。これは、超音波生成デバイスおよび薬物アプリケータが磁力の助けを借りてともに保持されることを可能にし得る。これは、代替として、または本明細書の他の場所で説明される任意の他の接続機構に加えて、提供されてもよい。これは、代替として、または薬物アプリケータを超音波生成デバイスに結合することを補助し得る、任意の種類のロック、ねじ、クリップ、もしくは接着剤に加えて、提供されてもよい。
【0202】
種々の結合機構が、薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間に提供されてもよい。前述で説明されたように、機構は、薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間の手動結合および分断を可能にし得る。結合は、薬物アプリケータと超音波生成デバイスとの間の繰り返し可能な結合および分断を可能にし得る。結合は、超音波生成デバイスから薬物アプリケータまでの低超音波減衰を可能にし得る。結合は、超音波生成デバイスから送達部位までの低超音波減衰を可能にし得る。低超音波減衰は、本明細書の他の場所で説明されるような任意の値または特性を有してもよい。
【0203】
薬物アプリケータは、1つまたはそれを上回る薬物を装填されてもよい。薬物アプリケ
ータは、薬物アプリケータ内または上に任意の様式で薬物を貯蔵してもよい。
【0204】
例えば、薬物は、薬物アプリケータの表面上に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータの表面の全体が、薬物でコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータの表面の一部のみが、薬物でコーティングされてもよい。例えば、眼の表面と接触するように構成される薬物アプリケータの表面の一部が、薬物でコーティングされてもよい。眼の上の送達部位と薬物アプリケータとの間のインターフェース601aは、標的部位への薬物送達を改良し得る、試薬または材料で充填されることができる。これは、薬物アプリケータの表面上に薬物および/または試薬をコーティングすることによって起こり得る。代替として、または加えて、インターフェースは、眼の上の送達部位への送達のために、薬物自体で充填されてもよい。いくつかの実施形態では、標的部位への薬物送達を改良し得る、試薬または材料は、その表面上に吸着もしくは吸収され得る、ミクロスフェア、ミセル、ナノ粒子、タンパク質、分子、または化学物質を備えてもよい。試薬は、本明細書の他の場所で説明されるような任意の試薬を備えてもよい。
【0205】
別の実施例では、薬物は、多孔質材料に組み込まれてもよい。例えば、薬物は、多孔質材料上に浸漬、カプセル化、接着、または吸着されてもよい。多孔質材料の実施例は、スポンジまたはポリマー基質を含んでもよいが、それらに限定されない。多孔質材料は、少なくとも3%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、または99%の多孔性を有してもよい。多孔質材料は、提供される値のうちのいずれか未満である、または提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る、多孔性を有してもよい。薬物は、多孔質材料の細孔内に提供されてもよい。
【0206】
薬物は、薬物アプリケータ内のコンパートメントの中に封入されてもよい。薬物は、コンパートメント内に完全に封入されてもよい。シールまたはカバーは、対象上の使用中に薬物へのアクセスを提供するように除去されてもよい。いくつかの実施形態では、超音波の印加は、薬物が、薬物アプリケータの壁または一部を通過し、対象の眼の上の送達部位に送達されることを可能にし得る。
【0207】
いくつかの実施形態では、薬物は、開放または閉鎖端を有する薬物アプリケータのコンパートメント内に提供されてもよい。密閉端は、対象上での使用中に、除去、破裂、または穿刺されてもよい。
【0208】
薬物アプリケータは、その上に装填された単一のタイプの薬物を有してもよい。代替として、薬物アプリケータは、その上に装填された複数のタイプの薬物を有してもよい。複数のタイプの薬物は、共通空間の中へ装填されてもよい。代替として、複数のタイプの薬物が、異なる空間またはチャンバの中へ装填されてもよい。複数のタイプの薬物は、相互と流体連通してもよい。代替として、複数のタイプの薬物は、薬物アプリケータ上に装填されている間に相互から流体的に単離されてもよい。複数のタイプの薬物は、薬物送達デバイスの使用に応じて、眼の同一の部位に送達される場合もあり、されない場合もある。
【0209】
薬物の本明細書の任意の説明はまた、薬物送達を補助し得る任意の試薬または材料に適用され得る。薬物送達を補助し得る試薬もしくは材料は、薬物とともに貯蔵されてもよい、または薬物と別個に貯蔵されてもよい。
【0210】
図6A-6Dは、本発明の実施形態による、薬物アプリケータ201の異なる実施形態を示す。薬物アプリケータは、送達される薬物を保持し得る、内部空間800を備えてもよい。内部空間は、単一の連続内部空間であってもよい。内部空間は、実質的に球形、円
筒形、円錐形、角柱形、または任意の他の形状等の任意の幾何学的形状を有してもよい。代替として、内部空間は、複数のチャンバまたは区分を備えてもよい。内部空間は、複数の不連続内部空間を備えてもよい。いくつかの実施形態では、内部空間は、1つまたはそれを上回る細孔もしくはチャネルを備えてもよい。
【0211】
薬物アプリケータは、内部空間を部分的または完全に囲繞し得る、1つもしくはそれを上回る壁201aまたは中実区分を備えてもよい。壁は、中実または非多孔質であり得る。代替として、壁の1つまたはそれを上回る部分は、多孔質であり得る。壁は、内部空間内に含有される薬物に対して不透過性であり得る。代替として、壁の1つまたはそれを上回る区分は、内部空間内に含有される薬物に対して透過性であり得る。いくつかの実施形態では、壁の1つまたはそれを上回る区分は、特定の条件(例えば、温度、光、印加された超音波振動、もしくは圧力)下で、内部空間内に含有される薬物に対して透過性であり得る。
【0212】
いくつかの好ましい実施形態では、薬物受容空間800の中で保持される薬物は、薬物がいかなる異物またはガスによっても汚染されないように保護するために、外部空間、すなわち、周囲環境に向かって密閉されてもよい。保護は、薬物アプリケータ201もしくはシステムの生産、輸送、および/または貯蔵中に、特に望ましくあり得る。使用の直前に、シールは、空間800内の薬物が送達されることを可能にするように破られてもよい。
【0213】
図6Aは、薬物アプリケータ201が全ての表面上で密閉され得る、実施形態を図示する。本実施形態の薬物アプリケータ201の内側で薬物を保持するための空間800は、薬物アプリケータ201の生産プロセス中に薬物で充填されてもよい。密閉された薬物アプリケータは、薬物送達デバイスとともに送達および/または使用されてもよい。
【0214】
図6Bは、薬物アプリケータ201が全ての表面上で密閉され、ポート構造201cを備える、実施形態を図示する。ポート構造201cは、薬物による本空間800の充填および/または補充を可能にするように構成される。ポート構造は、充填デバイスがポートの中に挿入されるときのみ、薬物の通過を可能にし得る。薬物アプリケータが薬物を提供されるにすぎないとき、ポート構造は、随意に、薬物が薬物アプリケータから漏出することを可能にしない場合がある。ポート構造は、ポート構造が使用中ではないときに再密閉してもよい。ポートは、製造段階において、薬物アプリケータの送達後に、および/または薬物アプリケータの使用の直前に、薬物アプリケータの充填ならびに/もしくは補充を可能にし得る。薬物は、薬物アプリケータが薬物送達デバイスに取り付けられている間に、または薬物アプリケータが薬物送達デバイスから分離されている間に、内部空間に送達されてもよい。
【0215】
図6Cに図示されるように、薬物アプリケータ201は、随意に、眼の表面(例えば、強膜表面、角膜表面)に向かって指向される表面において、少なくとも1つの開口部を有してもよい。開口部は、薬物送達デバイスと結合するように構成される表面の反対の表面において提供されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物受容空間800は、強膜表面に向かって指向される表面における少なくとも1つの開口部を通して、充填されるように構成されてもよい。薬物受容空間は、薬物アプリケータの生産中に、薬物アプリケータの送達後に、および/または薬物アプリケータの使用の直前に、充填されてもよい。薬物は、薬物アプリケータが薬物送達デバイスに取り付けられている間に、または薬物アプリケータが薬物送達デバイスから分離されている間に、開口部を通して送達されてもよい。
【0216】
図6Dは、薬物アプリケータが、眼の表面に向かって指向される表面における少なくとも1つの開口部と、ポート構造201cとを有する、実施形態を図示する。ポート構造2
01cは、薬物による本空間800の充填および/または補充を可能にするように構成される。これは、任意の特性を備えてもよい、または本明細書の他の場所で説明されるような任意の様式で使用されてもよい。
【0217】
これらの実施形態では、1つの表面、好ましくは、眼の表面100に向かって指向される表面は、好ましくは、除去可能なカバー(例えば、剥離カバー、スナップ外しカバー、ねじり外しカバー)を有するように構成され、および/または本空間800内で保持される薬物に対して透過性であるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、表面は、いくつかの条件下で薬物に対して不透過性であり得るが、ある条件下で(例えば、ある温度、光範囲、超音波伝送、ある溶液の添加を伴う)薬物に対して透過性であり得る。
【0218】
本発明の実施形態では、薬物受容空間800は、薬物の体積を受容するように構成される。薬物の体積は、好ましくは、10μL~1mLに及んでいる。いくつかの実施形態では、薬物の体積は、1μL、5μL、10μL、20μL、30μL、50μL、75μL、100μL、150μL、200μL、300μL、400μL、500μL、700μL、1mL、1.5mL、2mL、3mL、または5mLを上回り得る。薬物の体積は、本明細書で提供される値のうちのいずれか未満であり得る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入り得る。加えて、または随意に、さらなる物質が、薬物の送達を改良し、および/または薬物の少なくとも1つの化学的、物理的、ならびに/もしくは薬剤性質を改良するように、薬物受容空間800の中に挿入されることができる。そのようなさらなる物質の実施例は、脱イオン水、緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、または疎水性薬物分子を溶解させ得るインターフェース活性剤(例えば、ベンジルアルコール)を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0219】
ポート構造201cの実施形態では、ポート構造は、図7Aに図示されるように、注射針によって穿刺されるように構成される。注射針は、薬物受容空間800と注射針に結合される薬物リザーバまたはコンテナ201fとの間の液体連通を可能にする。薬物は、好ましくは、圧力を印加することによって、薬物リザーバまたはコンテナから薬物受容空間800の中に挿入される。ポート構造201cは、注射針が除去された後に自己密閉式であることが好ましい。
【0220】
図7Bは、別の薬物充填機構の実施例を示す。ポート構造201cは、管201g等の薬物運搬機構に結合されてもよい。流量制御レギュレータ201hが、内部空間800へ、またはそこからの薬物の送達を制御するために採用されてもよい。流量制御レギュレータは、薬物が流動することを可能にされるか、または流動することを可能にされないかを制御するにすぎない、二元レギュレータであってもよい。流量制御レギュレータは、流動し得る薬物の量/速度を制御してもよい。いくつかの実施形態では、薬物は、薬物リザーバから内部空間に送出されてもよい。リザーバの外側からの陽圧は、内部空間の中へ薬物を「押動する」ために使用されてもよい。ある事例では、内部空間内からの陰圧が、内部空間の中へ薬物を「引動する」ために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、陽圧および陰圧は両方とも、内部空間の中へ薬物を送達するために使用されてもよい。
【0221】
これらの装填機構は、原位置装填のために使用されてもよい。原位置装填は、医療施術者、または他のユーザによって、手動で起こり得る。医療施術者の実施例は、医師、看護師、臨床医、または薬物送達デバイスを所有する、もしくは動作させる病院、診療所、または現場によって採用される個人を含んでもよいが、それらに限定されない。対象に投与するためにデバイスを使用する個人は、デバイスの使用の訓練を受けている場合もあり、そうではない場合もある。デバイスを使用する個人は、デバイスを他の個人に投与してもよい、または自己投与してもよい。デバイスを使用する個人は、手動でデバイスを原位置で装填してもよい。薬物アプリケータは、薬物を使用することに先立って、薬物を装填さ
れてもよい。薬物アプリケータは、薬物アプリケータを薬物送達デバイスに取り付けることに先立って、または薬物アプリケータが薬物送達デバイスに取り付けられている間に、薬物を装填されてもよい。薬物アプリケータは、対象上で薬物送達デバイスを使用することの24時間、12時間、6時間、4時間、3時間、2時間、1時間、45分、30分、15分、10分、5分、3分、2分、1分、30秒、または15秒以内に、薬物を装填されてもよい。薬物アプリケータは、対象が存在している間に、または対象が現場にいる間に、薬物を装填されてもよい。対象は、ヒト対象または動物対象であってもよい。対象は、デバイスの使用を通して治療を受けている患者であってもよい。
【0222】
薬物は、製造プロセス中に薬物アプリケータの中へ事前装填されてもよい。薬物アプリケータの開放空間内の生産中に薬物を装填することの利益は、滅菌条件内の最適化または増加した体積もしくは濃縮であり得る。インターフェース601bは、適用に先立って薬物の汚染を防止するように、密閉材料で密閉されてもよい。密閉材料は、生体適合性フィルムを備えてもよい。密閉材料は、プラグまたは他のタイプのカバーであってもよい。薬物アプリケータは、対象の治療に先立って薬物送達デバイスに結合されてもよい。密閉されたインターフェースは、手動で、または除去デバイスの助けを借りて、密閉解除されてもよい。いくつかの実施形態では、シールは、眼の上の送達部位に直接対面し得る、多孔質フィルムまたは膜を備えてもよい。薬物は、特定の条件下でフィルムまたは膜を通って浸透してもよい。例えば、薬物は、超音波の印加に応じて、多孔質フィルムまたは膜を通って浸透してもよい。
【0223】
図8は、眼100に適用されるように構成される薬物アプリケータ201の概略図を示す。眼は、薬物の送達のための標的部位を備えてもよい。標的部位は、眼の表面上または眼の眼内空間内にあってもよい。薬物が眼の眼内空間の中へ浸透し、標的部位に送達されることが望ましくあり得る。標的部位への薬物の送達は、眼の治療を補助してもよい。標的部位は、眼内の任意の深度にあってもよい。例えば、標的部位は、眼内の少なくとも0mm、0.1mm、0.3mm、0.5mm、0.7mm、1mm、1.2mm、1.5mm、1.7mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、1cm、1.1cm、1.2cm、1.3cm、1.5cm、1.7cm、2cm、2.5cm、または3cmであってもよい。標的部位は、提供される値のうちのいずれか未満である、または提供される値のうちのいずれか2つの間に属する範囲内の深度を有してもよい。
【0224】
眼は、薬物と初期接触するように構成され得る、送達部位を備えてもよい。送達部位は、薬物アプリケータが眼と接触する部位であってもよい。送達部位は、超音波が眼に送達される部位であってもよい。送達部位は、眼の表面上に提供されてもよい。送達部位は、眼の強膜上にあってもよい。
送達部位は、眼の角膜上にあってもよい。送達部位は、角膜上または角膜を囲繞する眼の前領域上にあってもよい。送達部位は、角膜表面、縁、毛様体扁平部強膜表面、および/または後強膜面であってもよい。送達部位は、眼の上部領域上にあってもよい。送達部位は、眼の下部領域上にあってもよい。送達部位は、眼の右領域または左領域上にあってもよい。送達部位は、薬物送達のための標的部位に基づいて選択されてもよい。送達部位は、投与されている薬物のタイプに基づいて選択されてもよい。例えば、第1のタイプの薬物に関して、第1の送達部位が、選択されてもよく、第1のタイプの薬物と異なる第2のタイプの薬物に関して、第1の送達部位と異なる第2の送達部位が、選択されてもよい。送達部位は、治療されている疾患または眼の症状に依存し得る。例えば、第1の疾患または眼の症状に関して、第1の送達部位が、選択されてもよく、第1の疾患または眼の症状と異なる第2の疾患または眼の症状に関して、第1の送達部位と異なる第2の送達部位が、選択されてもよい。
【0225】
本明細書で提供されるシステムおよび方法は、薬物を眼に送達するために使用されてもよい。本明細書で提供されるシステムおよび方法は、薬物を眼の標的部位に送達するために使用されてもよい。本明細書で提供されるシステムおよび方法は、眼の標的部位への薬物の経強膜ならびに/または経角膜送達を可能にし得る。これは、限定されないが、網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症、中心性漿液性網膜症、サイトメガロウイルス性網膜炎、網膜芽細胞腫、眼内リンパ腫、眼メラノーマ、巨細胞性動脈炎、ヒストプラスマ症、虚血性視神経症、黄斑襞、黄斑毛細管拡張症、ブドウ膜炎、脈絡膜血管新生、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、網膜色素変性症、黄斑浮腫、黄斑変性症、多再発性翼状片、眼トキソプラズマ症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、スティーブンス・ジョンソン症候群、眼部瘢痕性類天疱瘡、眼変性症状、術後症状、または本明細書の他の場所で提供されるような任意の他の疾患もしくは症状の予防等の眼疾患または症状の治療のために有用であり得る。これは、眼のために有益なビタミンまたは他の物質の送達等の比較的健康な眼にさえも関する眼の治療のために有用であり得る。これは、眼に診断を行い、眼の特性を撮像または測定することを補助し得る物質を送達するために有用であり得る。
【0226】
選定された標的部位および/または送達部位は、軟質ヒトもしくは動物組織に依存し得る。ヒトまたは動物対象等の対象は、環境から身体を保護する表皮もしくは真皮等の保護層を有してもよい。より多くの軟組織層が、有向超音波によってより容易に浸透または刺激されることができる。眼への送達のための本明細書で提供される用途のうちのいずれかは、限定されないが、舌、口腔粘膜、鼻内膜、膣組織、肛門組織、または対象の身体の他の部分に適用され得る。間接的にアクセス可能な標的は、脳または筋肉、骨、もしくは他の組織を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0227】
薬物アプリケータは、本明細書の他の場所で説明されるように、任意の形状因子を有してもよい。例えば、薬物アプリケータは、先端形式、リング形式、または任意の他の形式を有してもよい。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータは、実質的に球形、半球形、円筒形、円錐形、円錐台の形態、環状形、楕円形、角柱形、または任意の他の形態を有してもよい。薬物アプリケータは、随意に、眼球の湾曲に適合し得る凹面を有してもよい。眼球と接触するように構成される薬物アプリケータの表面は、凸、平坦、または凹形状を有してもよい。
【0228】
薬物アプリケータは、眼球の湾曲に適合するように共形化し得る、可鍛性材料で形成されてもよい。薬物アプリケータは、薬物アプリケータと眼球との間の増加した接触の表面積を提供するように共形化し得る、材料で形成されてもよい。薬物アプリケータは、角膜表面、縁、毛様体扁平部強膜表面、および/または後強膜表面等の眼の表面の任意の部分と接触するように構成されてもよい。薬物アプリケータは、眼の種々の湾曲または眼の特徴に共形化するように構成される場合もあり、されない場合もある。薬物アプリケータは、眼の表面上の種々の領域に共形化するように構成される場合もあり、されない場合もある。
【0229】
薬物アプリケータは、任意の寸法を有してもよい。一実施例では、薬物アプリケータ201は、外径201h、または少なくとも1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、1cm、1.1cm、1.2cm、1.3cm、1.5cm、1.7cm、2cm、2.2cm、2.5cm、もしくは3cmを有してもよい。外径は、提供される値のうちのいずれか未満またはそれと等しくあり得る、もしくは本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入り得る。薬物アプリケータ201は、内径201j、または少なくとも0.1mm、0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、1cm、1.1cm、1.2cm、1.3cm、1.5cm、1.7cm、2cm、2.2cm、もしくは2.5cmを有してもよい。内径は、提供される値のうちのいずれか未満またはそれと等しくあり得
る、もしくは本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入り得る。一実施例では、薬物アプリケータ201は、外側高さ201i、または少なくとも0.5mm、0.8mm、0.9mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、1cm、1.2cm、1.5cm、1.7cm、2cm、2.2cm、2.5cm、3cm、3.5cm、4cm、4.5cm、5cm、5.5cm、6cm、7cm、10cm、12cm、15cm、20cm、25cm、もしくは30cmを有してもよい。外側高さは、提供される値のうちのいずれか未満またはそれと等しくあり得る、もしくは本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入り得る。一実施例では、薬物アプリケータ201は、内側高さ201k、または少なくとも0.1mm、0.3mm、0.5mm、0.8mm、0.9mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、1cm、1.2cm、1.5cm、1.7cm、2cm、2.2cm、2.5cm、3cm、3.5cm、4cm、4.5cm、5cm、7cm、10cm、12cm、15cm、20cm、もしくは25cmを有してもよい。内側高さは、提供される値のうちのいずれか未満またはそれと等しくあり得る、もしくは本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入り得る。
【0230】
薬物アプリケータの寸法は、所望の体積の薬物を保持するように選択されてもよい。種々の薬物アプリケータ内の薬物の体積は、薬物アプリケータが使用される治療計画に応じて変動し得る。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータは、100μL~5mLの体積を保持するように構成されてもよい。薬物アプリケータは、本明細書の他の場所で説明されるように、任意の体積の薬物を保持するように構成されてもよい。
【0231】
薬物アプリケータの寸法は、眼の上の所望の送達部位に依存し得る。例えば、送達部位に応じて、薬物アプリケータの異なる寸法または形状因子が、薬物を送達するために使用されてもよい。一実施例では、11mmの平均直径を伴う角膜に薬物を送達するように構成される薬物アプリケータは、それぞれ、100μL~5mLの体積を保持するように0.884mm~44mmの内側高さをもたらし得る、12mmの最小アプリケータ先端内径および6mmの半径をもたらし得る。薬物を強膜に送達するように構成される薬物アプリケータは、空間のための類似する選定された体積を伴って、12mmを下回る内径を有してもよい。薬物を縁に送達するように構成される薬物アプリケータは、1~2mm内径を有してもよい。いくつかの実施形態では、送達面積を標的にすることの安定性および正確度に関して、最小内径は、少なくとも5mmである必要があり、それぞれ、100μL~5mLの体積のために5mm~254.71mmの内側高さをもたらすであろう。
【0232】
薬物アプリケータの内部空間800は、薬物アプリケータによって保持され得る薬物の体積を判定してもよい。内部空間は、内径および内側高さによって画定されてもよい。内部空間は、円筒形を有してもよい。代替として、内部空間は、本明細書の他の場所で説明されるように、任意の他の形状または構成(例えば、球形、半球形、楕円形、角柱、円錐形、円錐台形、多孔質)を有してもよい。
【0233】
図9は、システムの印加ヘッド205の一実施形態の斜視図を示す。印加ヘッドは、送達ユニット200を備えてもよい。印加ヘッド205は、超音波変換器202を収容するように構成されてもよい。加えて、および/または随意に、印加ヘッド205はさらに、超音波変換器202への薬物アプリケータ201の機械的結合ならびに超音波結合を可能にするように構成される。
【0234】
印加ヘッド205の外観は、外部筐体によって画定されてもよい。外部筐体は、超音波変換器を部分的または完全に封入してもよい。外部筐体は、薬物アプリケータを部分的または完全に封入する場合もあり、しない場合もある。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータは、超音波変換器から除去可能であり得、筐体内に封入されなくてもよい。筐体
は、単一の部品から形成されてもよい。代替として、筐体は、複数の部品から形成されてもよい。例えば、外部筐体は、第1の筐体部205aと、第2の筐体部205bとを備えてもよい。一実施例では、第1の筐体部は、上筐体部であってもよく、第2の筐体部は、下筐体部であってもよい。第1および第2の筐体部は、単独で、または付加的筐体部と組み合わせて、超音波変換器を封入してもよい。筐体は、信号生成ユニット300および/または表示ならびに/もしくは入力ユニット400等の付加的区分を封入する場合もあり、しない場合もある。
【0235】
薬物送達デバイスは、超音波変換器を備えてもよい。薬物送達デバイスは、筐体を備えてもよい。薬物送達は、信号生成ユニットおよび/または表示ならびに/もしくは入力ユニットを備える場合もあり、備えない場合もある。薬物送達デバイスは、比較的コンパクトなサイズを有してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、約1、5、10、50、75、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,250、1,500、1,750、2,000、2,250、2,500、2,750、3,000、3,250、3,500、4,000、5,000、6,000、または7,000cm未満もしくはそれと等しい体積を有してもよい。薬物送達デバイスは、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回るまたはそれと等しい、もしくは本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る体積を有してもよい。薬物送達デバイスの筐体は、本明細書で提供される値のうちのいずれか未満である、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る体積を有してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達および薬物アプリケータは、薬物アプリケータが薬物送達デバイスに結合されるときに、本明細書で提供される値のうちのいずれか未満である、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る体積を有してもよい。
【0236】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、約0.1mm、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、3mm、4mm、5mm、7mm、1cm、1.5cm、2cm、3cm、4cm、5cm、6cm、7cm、8cm、9cm、10cm、12cm、15cm、17cm、20cm、22cm、25cm、30cm、35cm、40cm、45cm、50cm、55cm、60cm、または70cm未満もしくはそれと等しい最大寸法を有してもよい。最大寸法は、最大長を伴うデバイスの寸法であってもよい。最大寸法は、デバイスの長さ、幅、高さ、対角線、または直径であってもよい。薬物送達デバイスは、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回るまたはそれと等しい、もしくは本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る最大寸法を有してもよい。薬物送達デバイスの筐体は、本明細書で提供される値のうちのいずれか未満である、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る最大寸法を有してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達および薬物アプリケータは、薬物アプリケータが薬物送達デバイスに結合されるときに、本明細書で提供される値のうちのいずれか未満である、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る最大寸法を有してもよい。
【0237】
薬物送達デバイスは、約0.1g、0.5g、1g、5g、10g、50g、75g、100g、150g、200g、250g、300g、350g、400g、450g、500g、600g、750g、1kg、2kg、3kg、4kg、5kg、6kg、7kg、8kg、9kg、10kg、11kg、12kg、13kg、15kg、20kg、25kg、30kg、35kg、40kg、または50kg未満もしくはそれと等しい重量を有してもよい。薬物送達デバイスは、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回るまたはそれと等しい、もしくは本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間
の範囲内に入る重量を有してもよい。薬物送達デバイスの筐体は、本明細書で提供される値のうちのいずれか未満である、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る重量を有してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達および薬物アプリケータは、薬物アプリケータが薬物送達デバイスに結合されるときに、本明細書で提供される値のうちのいずれか未満である、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る重量を有してもよい。
【0238】
本デバイスは、ハンドヘルドデバイスであるために十分にコンパクトであり得る。本デバイスは、人間の片手の中で担持されるように構成されてもよい。本デバイスは、人間の片手を使用して動作するように構成されてもよい。本デバイスは、人間の両手を使用して担持または動作されるように構成されてもよい。本デバイスは、人間の片手によって握持されるように構成される握持領域を備えてもよい。握持領域は、随意に、人間の手によって握持されるように輪郭形成されてもよい。輪郭形成は、人間の手の種々の指がグリップ上で受容されることを可能にし得る。輪郭形成は、デバイスが超音波を対象に投与するために使用されている間に、デバイスが人間工学的様式で保持されることを可能にし得る。
【0239】
本デバイスは、ウェアラブルデバイスであるように構成されてもよい。本デバイスは、対象の身体の任意の部分の上に装着されてもよい。例えば、本デバイスは、対象の頭、顔、首、胴体、腕、手、脚、または足の上に装着されてもよい。本デバイスは、対象の眼のうちの1つまたはそれを上回るものを少なくとも部分的に被覆するように装着されてもよい。本デバイスは、対象の頭の上で支持されてもよい。いくつかの実施形態では、本デバイスは、少なくとも頭頂部の助けを借りて支持されてもよい。いくつかの実施形態では、本デバイスは、対象の額の助けを借りて支持されてもよい。本デバイスは、対象の1つまたはそれを上回る耳の助けを借りて支持されてもよい。ウェアラブル構成の実施例は、本明細書の他の場所でさらに詳細に提供される。
【0240】
図10は、本発明の一側面による、システムの実施形態の斜視図を示す。本システムは、印加ヘッド205と、薬物アプリケータ201と、付加的筐体および保持部700aとを備えてもよい。付加的筐体および保持部は、好ましくは、システムの全ての構成要素を収容する。代替として、システムのいくつかの構成要素は、少なくとも1つのさらなる筐体(図示せず)の中に収容される。信号生成ユニット300は、付加的筐体および保持部の一部として組み込まれる場合もあり、組み込まれない場合もある。表示および/または入力ユニット400は、付加的筐体および保持部の一部として組み込まれる場合もあり、組み込まれない場合もある。薬物アプリケータは、印加ヘッドから除去可能である場合もあり、そうではない場合もある。印加ヘッドは、付加的筐体および保持部から除去可能である場合もあり、そうではない場合もある。印加ヘッドは、繰り返し可能な様式で、付加的筐体および保持部に結合されてもよい、またはそこから分断されてもよい。
【0241】
付加的筐体および保持部700aは、患者の頭部を受容するように構成されてもよい。患者の頭部を受容するために、好ましくは、顎当ておよび/または額当てが、提供される。本発明の一実施形態では、印加ヘッド205は、可撓性アームに取り付けられ、付加的筐体および保持部700aの他の部分に対して印加ヘッド205ならびに薬物アプリケータ201の調節を可能にする。例えば、印加ヘッド205の高さは、患者の頭部が顎当ておよび額当ての上に静置しているときに、患者の眼に対して調節されてもよい。印加ヘッドの高さの調節は、種々の顔面特徴、サイズ、および形状の適応を可能にし得る。印加ヘッドは、患者の眼に対して所望の位置に運ばれるように調節されてもよい。曲げアームは、延在および/または後退し、印加ヘッドの高さを調節してもよい。いくつかの実施形態では、曲げアームは、アームの長さの調節を可能にし得る、1つまたはそれを上回る伸縮構成要素を備えてもよい。曲げアームの長さは、手動で調節されてもよい、または信号も
しくはコマンドに応答してアームの1つまたはそれを上回る区分を相互に対して移動させることが可能であり得る、1つまたはそれを上回るアクチュエータの助けを借りて調節されてもよい。顎当ておよび額当ては、印加ヘッドが眼に対して所望の位置に運ばれている間に、患者の眼が実質的に静的な場所に留まることを可能にし得る。曲げアームはまた、随意に、印加ヘッドが、眼までより遠くおよび/またはより近く、側方に移動することを可能にし得る。印加ヘッドは、超音波および/または薬物を送達するように、眼に対して所望の位置に運ばれてもよい。
【0242】
前述で説明されたように、薬物送達デバイスは、ウェアラブル形状因子等の任意の形状因子を有してもよい。薬物送達デバイスは、対象の頭部の上に装着されるように構成されてもよい。薬物送達デバイスは、対象の顔の少なくとも一部を被覆するように構成されてもよい。薬物送達デバイスは、対象の片眼または両眼を被覆するように構成されてもよい。薬物送達デバイスは、対象の眼を少なくとも部分的に被覆するように構成されてもよい。薬物送達デバイスは、対象の頭部に少なくとも部分的に巻着するように構成されてもよい。
【0243】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、対象の頭頂部の助けを借りて支持されてもよい。例えば、薬物送達デバイスは、帽子またはヘルメットの形態を有してもよい。帽子またはヘルメットは、対象の頭頂部の少なくとも一部を被覆してもよい。薬物送達デバイスの一部は、帽子またはヘルメットから下に延在し、対象の眼もしくは両眼を被覆してもよい。例えば、下に延在する部分は、バイザ、ゴーグル、または眼鏡の形状因子を有してもよい。薬物送達デバイスは、対象の頭頂部を必ずしも被覆することなく、対象の頭部を完全または部分的に取り囲み得る、バイザ、ヘッドバンド、もしくは他の物体の形状因子を有してもよい。対象の頭部を部分的または完全に囲み得る、1つもしくはそれを上回るストラップが、対象の頭部の上でデバイスを支持するために使用されてもよい。薬物送達デバイスは、ゴーグルまたは眼鏡の形状因子を有してもよい。薬物送達デバイスは、対象の1つまたはそれを上回る耳によって少なくとも部分的に支持されてもよい。例えば、薬物送達デバイスは、対象の耳を通り過ぎて延在し得る部分を備えてもよい。対象の耳を通り過ぎて延在する部分は、耳の後ろに部分的に巻着し得る眼鏡の部分を含んでもよい、または耳の後ろに延在し得るゴーグルもしくは眼鏡の部分を含んでもよい、または耳の後ろに延在し得る帽子もしくはヘルメットの部分を含んでもよい。例えば、薬物送達デバイスは、耳の後ろに延在し、および/または耳の後ろに巻着し得る、テンプルならびに/もしくはイヤピースを備えてもよい。薬物送達デバイスは、任意のタイプのアイウェアの任意の形状因子を有してもよい。薬物送達デバイスは、デバイスが対象によって装着されたときに対象の耳の後ろに延在するように構成される、少なくとも1つの延在部を備える、アイウェアフレームを備えてもよい。
【0244】
図11は、本発明の一側面による、システムの実施形態の斜視図を示す。図12は、本発明の一側面による、システムの別の実施形態の斜視図を示す。印加ヘッド205および本システムは、眼鏡、または他のタイプのアイウェアもしくはウェアラブルデバイスの外観に類似する、デバイスの中へ統合されてもよい。眼鏡の本明細書の任意の説明は、任意の他のタイプのアイウェアまたはウェアラブルデバイスに適用され得る。
【0245】
前、左、および右等の方向は、眼鏡デバイスの通常の使用中の方向から導出される。印加ヘッド205は、眼鏡デバイスの前部分に形成されてもよい。薬物アプリケータ201は、左および/または右眼の前の位置において印加ヘッド205に取り付けられてもよい。さらなる筐体および保持部700bは、好ましくは、眼鏡デバイスのフレームおよび/またはヨークを形成している。筐体および保持部は、信号生成ユニット300および/または表示ならびに/もしくは入力ユニット400を備える場合もあり、備えない場合もある。
【0246】
印加ヘッドは、アイウェアフレームによって支持されてもよい。1つまたはそれを上回る超音波生成デバイスは、アイウェアフレームによって支持されてもよい。各超音波生成デバイスは、デバイスが対象によって装着されたときに眼の所望の部位に送達される、超音波を生成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、単一の超音波生成デバイスが、片眼にわたってアイウェアフレームによって支持されてもよい。超音波生成デバイスは、デバイスが対象によって装着されたときに眼を少なくとも部分的に被覆するように、アイウェアフレームの上に位置付けられてもよい。例えば、超音波生成デバイスは、超音波を左眼のみまたは右眼のみに送達するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、超音波生成デバイスは、アイウェアフレームに添着されてもよく、アイウェアフレームに対して移動しなくてもよい。
【0247】
いくつかの実施形態では、超音波生成デバイスは、アイウェアフレームに対して移動可能であり得る。例えば、超音波生成デバイスは、左または右に摺動し、所望の眼を被覆するように構成されてもよい。例えば、超音波生成デバイスは、超音波を左眼に送達するように、左眼にわたって位置付けられてもよい。超音波を右眼に送達することが望ましいとき、超音波生成デバイスは、右眼にわたって位置付けられるように移動されてもよい。超音波生成デバイスは、アイウェアフレームから除去または分離されることなく、アイウェアフレームに沿って移動することが可能であり得る。代替として、超音波生成デバイスは、第1の位置においてアイウェアフレームから取り外され、第2の位置においてアイウェアフレームに再び取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、左眼および/または右眼に対する位置は、調節可能であり得る。これは、異なる顔面形状およびサイズを伴う異なるユーザに適応するために有用であり得る。ある事例では、左眼および/または右眼に対する位置は、係止可能であり得る。これは、反復対象がデバイスを装着しているときに有利であり得る。位置は、特定の対象のために設定されてもよく、対象が治療セッションを受ける度に、測定は、その特定の対象が眼に対して同一の位置に超音波生成デバイスを設置するために固定されてもよい。
【0248】
超音波の生成は、眼の組織を損傷することなく、眼の中の標的部位への少なくとも1つの薬物の送達を引き起こし得る。いくつかの実施形態では、アイウェアフレームは、対象の各眼に対応する、2つの超音波生成デバイスを支持してもよい。いくつかの実施形態では、単一の超音波生成デバイスが、超音波を標的の両眼に送達するために使用されてもよい。超音波生成デバイスは、低減衰材料を介して両眼に伝達され得る、超音波を生成してもよい。いくつかの実施形態では、超音波生成デバイスは、超音波を両眼に伝達し得る、2つの薬物アプリケータに結合されてもよい。
【0249】
超音波生成デバイスは、眼と直接接触する場合もあり、しない場合もある。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータが、超音波生成デバイスに結合されてもよい。薬物アプリケータは、アイウェアフレームによって支持されてもよい。薬物アプリケータは、個別の超音波生成デバイスによって支持されてもよい。薬物アプリケータは、眼と接触してもよい。薬物アプリケータは、デバイスが対象によって装着されたときに対象の1つまたはそれを上回る眼を少なくとも部分的に被覆するように位置してもよい。薬物アプリケータは、繰り返し可能な様式で超音波生成デバイスに結合され、および/またはそこから分断されてもよい。超音波生成デバイスが、アイウェアフレームから移動可能または取外可能である場合、薬物アプリケータは、超音波生成デバイスとともに移動され、および/または取り外されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータが、アイウェアフレームに固定されてもよい一方で、超音波生成デバイスは、取り外されてもよい、または移動可能であり得る。いくつかの実施形態では、薬物アプリケータは、超音波生成デバイスから独立してアイウェアフレームに対して移動可能または取外可能であり得る。
【0250】
薬物アプリケータは、眼の表面または眼の眼瞼と接触するように、アイウェアフレームに対して位置付けられてもよい。超音波生成デバイスおよび/または薬物アプリケータは、アイウェアのフレームに沿って横向きに移動してもよい。超音波生成デバイスおよび/または薬物アプリケータは、眼の表面により近く、もしくはそこから遠く離れて(例えば、前方または後方に)移動してもよい。薬物アプリケータは、薬物を眼の表面に送達するように構成されてもよい。薬物アプリケータは、超音波生成デバイスから眼に超音波を送達するように構成されてもよい。
【0251】
ウェアラブル設計の利点は、改良された有用性、特に、印加プロセス中の改良されたユーザ体験を備えてもよい。ウェアラブル設計はまた、眼の所望の部位への薬物アプリケータおよび/または超音波の容易な整合を可能にし得る。いくつかの実施形態では、対象は、デバイスを装着してもよい。次いで、薬物アプリケータおよび/または超音波生成デバイスの位置は、対象が所望の様式で超音波および/または薬物の送達を可能にするために調節されてもよい。対象は、治療の持続時間にわたってデバイスを装着してもよい。いくつかの実施形態では、1日の異なる時間に、または複数の日、週間、もしくは月にわたって、対象がデバイスを装着することを要求する、治療計画が存在し得る。超音波生成デバイスおよび/または薬物アプリケータ等のデバイスの構成要素は、対象がデバイスを着ける度に再調節されてもよい。代替として、構成要素のための以前の位置は、アイウェアのために残留してもよく、対象がアイウェアを再び着けるときに、調節が全くまたは殆ど要求されなくてもよい。
【0252】
図13は、本発明の実施形態による、光源を備える送達ユニットの実施例を示す。いくつかの実施形態では、所望の効果を生じるように眼に送達される薬物に光を印加することが有用であり得る。所望の効果の実施例は、薬物の架橋結合、改良された浸透のために薬物の性質を改変すること、または送達の所望の効果等の薬物の化学反応をトリガすることを含んでもよい。
【0253】
ある事例では、眼の所望の部位への薬物および超音波の送達後に、光が、眼の所望の部位に提供されてもよい。ある事例では、眼の所望の部位への薬物の送達に先立って、それと同時に、および/またはそれに続いて、光が提供されてもよい。ある事例では、眼の所望の部位への薬物の送達に先立って、それと同時に、および/またはそれに続いて、光が提供されてもよい。光は、薬物送達デバイスの外部の源から提供されてもよい。代替として、光は、薬物送達デバイスから提供されてもよい。一実施例では、印加ヘッドは、搭載光源を備えてもよい。
【0254】
薬物送達デバイスは、超音波生成デバイスと、眼の所望の部位に送達される光を生成するように構成される光源とを備えてもよい。薬物送達デバイスは、眼の所望の部位への超音波の送達を補助し、薬物送達デバイスに搭載されている光源からの光が眼の所望の部位に送達されることを可能にし得る、薬物アプリケータと結合するように構成されてもよい。
【0255】
薬物送達デバイスは、筐体を備えてもよい。光源は、筐体内に提供されてもよい。超音波生成デバイスおよび光源は、共通筐体内に提供されてもよい。筐体は、光源からの光が望ましくない様式でデバイスから逃散しないように防止し得る。光源は、超音波生成デバイスに対して固定位置を有してもよい。光源は、超音波生成デバイスに結合されてもよい。
【0256】
超音波生成デバイスは、超音波生成デバイスは、内側に光源が存在する内部空間を備えてもよい。一実施例では、超音波生成デバイスは、実質的に内部空間を形成する中央に自由空間を伴う幾何学的断面を有してもよい。例えば、超音波生成デバイスは、内部空間を
形成する中心またはその近傍に自由空間を伴う円形断面を有してもよい。光源は、自由空間内に提供されてもよく、薬物アプリケータに向かって光を直接照射してもよい。薬物送達デバイスの内部空間または別の部分は、随意に、光源によって放射される光を修正し得る、光学要素を備えてもよい。光学要素の実施例は、レンズ、フィルタ、集光レンズ、回折器、プリズム、鏡、ダイクロイック、ビームスプリッタ、または任意の他のタイプの光学要素を備えてもよい。光学要素は、光の経路を変更してもよい、光を集束してもよい、光を拡散してもよい、光を分割してもよい、光を反射してもよい、1つまたはそれを上回る光の波長を除外してもよい、もしくは任意の他の様式で光を修正してもよい。
【0257】
光源は、任意のタイプの光源であってもよい。光源は、電磁スペクトルに沿ったいずれかの場所で光を放射してもよい。光源は、可視光、紫外線(UV)、赤外線、マイクロ波、または任意の他のタイプの光を放射してもよい。いくつかの実施形態では、光源は、紫外線を放射してもよい。光源は、UV-A波長に沿って光を放射する紫外線ランプであってもよい。いくつかの実施形態では、光源は、UV-Bおよび/またはUV-C波長において光を放射してもよい。光源は、10nm~400nmの範囲内の波長を有する光を放射してもよい。光源は、315~400nmの波長を有する光を放射してもよい。光源は、10、30、50、100、150、200、250、280、300、315、325、350、400、450、または500nm未満の波長を有する光を放射してもよい。光源は、これらの値のうちのいずれかを上回る、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る波長を有する光を放射してもよい。光源は、1つまたはそれを上回るLEDを備えてもよい。光源は、1つまたはそれを上回るレーザを備えてもよい。
【0258】
一実施例では、薬物送達デバイスおよび/または薬物アプリケータは、標的部位のUV(例えば、UV-A)治療に使用されてもよい。薬物アプリケータ201は、間隙601aおよび/または超音波変換器202に対面する入口201aを備えてもよい。超音波変換器は、光源(例えば、UVランプ)202cに結合されてもよい。光源は、支持構造202bによって支持されてもよい。光源および/または支持構造は、超音波変換器の内部空間202a内にあってもよい。光源は、部分的または完全に内部空間内にあってもよい。光源は、内部空間から突出する場合もあり、しない場合もある。いくつかの実施形態では、光源は、内部空間から完全に突出してもよい。
【0259】
光源からの放射された波長は、薬物アプリケータの入口201aを通過してもよく、それによって、薬物アプリケータ外側シェル201bは、潜在的に不透明であり、光が薬物アプリケータシェルを通して逃散しないように妨げ得る材料で形成またはコーティングされてもよい。例えば、光源からの光が紫外線を含む場合、薬物アプリケータは、外側環境への任意の紫外線暴露を防止するように紫外線反射材料で形成またはコーティングされる、シェルを備えてもよい。紫外線のための唯一の出口は、送達部位(例えば、眼の表面)に対面する側面を介してもよい。いくつかの実施形態では、放射される光の20%、10%、5%、3%、2%、1%、0.5%、または0.1%未満は、超音波生成デバイスの筐体および/または薬物アプリケータの外側シェルを通して逃散してもよい。
【0260】
したがって、薬物アプリケータは、薬物を保持するように構成される1つの空間を少なくとも部分的に画定するように構成される、不透明材料で形成される第1の部分と、光が薬物アプリケータの1つの側面から薬物アプリケータの別の側面まで通過することを可能にするように構成される、選択された波長の光に対して少なくとも部分的に透過性である材料から形成される第2の部分とを備えてもよい。薬物を保持するように構成される空間は、単一の連続空間であってもよい。薬物を保持するように構成される空間は、複数の不連続空間を備えてもよい。複数の不連続空間は、細孔を備えてもよい。第1の部分は、光源からの光が薬物を保持する空間の中へ浸透し得ないように構成されてもよい。これは、薬物が所望の部位に送達されるまで、光源によって開始され得る反応(例えば、架橋結合
)を防止するために有用であり得る。第1の部分は、選択された波長の光を反射する材料でコーティングされる表面を備えてもよい。例えば、光源からの光が紫外線である場合、コーティングは、紫外線を反射してもよい。コーティングは、薬物アプリケータの外側表面上に提供されてもよい。これは、外側環境への任意の紫外線暴露を低減させ得る。コーティングは、薬物アプリケータの内側表面上に提供されてもよい。これは、第1の部分の空間内の薬物への任意の紫外線暴露を低減させ得る。いくつかの実施形態では、第1の領域を形成する材料は、選択的波長(例えば、紫外線波長)を反射し得る。
【0261】
第1の部分は、眼の所望の部位に接触するように構成され得る、標的側面を備えてもよい。標的側面は、眼瞼もしくは強膜、角膜、および/または縁等の眼の表面と接触してもよい。いくつかの実施形態では、標的側面は、軟質生体適合性材料から形成されてもよい。軟質材料は、眼との快適な接触、および/または眼への超音波の改良された送達を可能にし得る、薬物アプリケータと眼との間の増加した表面積を可能にし得る。標的側面は、標的側面への薬物の送達を改良し得る、試薬を送達するように構成されてもよい。これのさらなる説明は、本明細書の他の場所でさらに詳細に提供される。いくつかの実施形態では、第1の部分は、弾性材料から形成されてもよい。第1の部分は、薬物アプリケータに関して本明細書の他の場所で説明されるような任意の材料性質を有してもよい。第1の部分は、標的側面において別個の層を要求することなく、眼との穏やかで快適な接触を可能にし得る。第1の部分の全体のための材料は、同一であり得る、または異なる材料が、標的側面において提供されてもよい。標的側面において提供される材料は、材料の他の部分よりも軟質であり得る。
【0262】
いくつかの実施形態では、薬物アプリケータの第1の部分によって使用される材料は、ポリマーまたはシリコーン等の不透明弾性材料から形成されてもよい。
【0263】
薬物アプリケータの第2の部分は、選択された光の波長に対して透過性であり得る。例えば、薬物アプリケータの第2の部分は、光源によって放射される光の少なくとも一部に対して透過性であり得る。ある事例では、薬物アプリケータの第2の部分は、光源によって放射される光の波長範囲の全体に対して透過性であり得る。薬物アプリケータの第2の部分は、紫外線(例えば、UV-A光、UV-B光、および/またはUV-C光)に対して透過性であり得る。第2の部分は、第1の部分によって少なくとも部分的に囲繞されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の部分は、内部空間を囲繞してもよい。第2の部分は、内部空間の一部または全体を占有してもよい。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る薬物は、内部空間内に提供されてもよく、第2の部分は、内部空間の一部を占有し、薬物を含有することに役立ってもよい。第2の部分は、固体、液体、ゲル、および/または他のタイプの材料を備えてもよい。
【0264】
薬物アプリケータによって保持される薬物は、眼に送達され得る任意のタイプの薬物であってもよい。いくつかの実施形態では、光源は、薬物による反応を開始するように構成されてもよい。例えば、光源は、薬物による架橋結合を開始するように構成されてもよい。一実施例では、薬物は、リボフラビンであってもよい。いくつかの実施形態では、送達部位におけるコラーゲンは、光源からの光を使用して架橋結合されてもよい。
【0265】
一実装では、紫外線波長は、超音波生成デバイスにおける光源を介して生成されることができる。光は、透明アプリケータ入口201aおよび空間800を通って浸透してもよい。空間は、薬物を保持するために使用されてもよい。光は、薬物アプリケータ外側シェル201bを通して散乱することなく、送達部位100に到達してもよい。これは、円錐角膜治療および/またはLASIK/SMILE関連角膜拡張症の潜在的治療のための具体的集束紫外線をもたらし得る。これは、送達部位においてリボフラビンまたは任意の他の架橋結合剤を架橋結合し、それを角膜架橋結合CXLにすることによって起こり得る。
【0266】
薬物アプリケータによって使用される不透明および透明材料の組み合わせは、選択された面積内の紫外線照射および安全性の懸念に起因する2つの他の面積の過剰暴露の低減を可能にするように構成されてもよい。
【0267】
薬物アプリケータは、本明細書の他の場所で説明されるもの等の任意の形状因子を有することができる。例えば、薬物アプリケータは、円形、円筒形、円錐形、卵形、三角形、正方形、または長方形であり得るが、それに限定されない。間隙601aおよび/または標的部位100に対面する薬物アプリケータ表面は、同一の形状もしくは異なる形状を有することができる。それらは、相互または薬物アプリケータの他の部分に対して同一もしくは異なる形状を有してもよい。標的に対面する表面は、標的表面と接触し得る、生体適合性材料でコーティングされてもよい。材料は、薬物アプリケータの空間800を被覆または閉鎖し、薬物の汚染を防止することができる。材料はまた、薬物アプリケータの取扱中に溢流または損失を防止し得る。
【0268】
図14A-14Gは、送達ユニットまたはその一部の種々の構成の実施例を示す。超音波生成デバイス202が、提供されてもよい。
【0269】
図14Aは、超音波生成デバイス202の実施例を示す。超音波生成デバイスは、内部空間を要求しない場合がある、変換器を備えてもよい。
【0270】
図14Bは、薬物アプリケータに対面するように構成されるインターフェース602を備え得る、超音波生成デバイス202の実施例を示す。インターフェースは、超音波生成デバイスと薬物アプリケータとの間の結合を可能にし得る。インターフェースは、眼に向かって対面し得る、超音波生成デバイスの側面上に提供されてもよい。超音波生成デバイスは、内部空間202aを備えてもよい。
【0271】
図14Cは、内部空間202aを有する超音波生成デバイス202の断面を示し得る。超音波生成デバイスは、任意の断面形状を有してもよい。例えば、超音波生成デバイスは、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、台形、五角形、六角形、八角形、または任意の他の形状の断面を有してもよい。内部空間は、任意の断面形状を有してもよい。例えば、内部空間は、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、台形、五角形、六角形、八角形、または任意の他の形状の断面を有してもよい。内部空間は、任意の断面形状を有してもよい。超音波生成デバイスおよび内部空間は、同心円状に配列されてもよい。超音波生成デバイスおよび内部空間はそれぞれ、それらの個別の長さを通して延在する軸を備えてもよい。軸は、それらの個別の部分の中心を通過してもよい。これらのそれぞれの軸は、相互と平行であり得る。これらのそれぞれの軸は、相互に直接重なってもよい。
【0272】
いくつかの実施形態では、光源等のエミッタが、内部空間内に提供されてもよい。代替として、または加えて、データ収集デバイスが、提供されてもよい。データ収集デバイスは、データを収集することが可能であり得る、1つまたはそれを上回るセンサを備えてもよい。例えば、データ収集デバイスは、1つまたはそれを上回るカメラ、マイクロホン、赤外線検出器、紫外線検出器、ライダ、もしくは任意の他のタイプのデータ収集デバイスを備えてもよい。
【0273】
図14Eは、超音波生成デバイスの内部空間202a内にあり得る、光源202cの実施例を示す。光源は、支持構造202bによって支持されてもよい。支持構造は、本明細書の他の場所で提供される1つまたはそれを上回るバッテリ等の電源への光源の接続を提供してもよい。ある事例では、支持構造自体が、電力を光源に直接提供し得る、バッテリ等の電源を備えてもよい。超音波生成デバイスおよび光源は、同一の電源によって給電さ
れる場合もあり、されない場合もある。それらは、異なる電源によって給電されてもよい。いくつかの実施形態では、支持構造は、光源への超音波の影響を低減させ得る、高超音波減衰材料で形成されてもよい。いくつかの実施形態では、支持構造が、超音波生成デバイスによって生成される超音波への能動または受動減衰を提供することが望ましくあり得る。これは、光源が超音波信号をより少なく受ける、または全く受けないことを可能にし得る。光源のための支持構造の本明細書の任意の説明は、内部空間内に提供される、放射デバイスまたはデータ収集デバイス等の任意の他のオブジェクトのための支持構造に適用され得る。
【0274】
図14Gは、超音波生成デバイスの内部空間202a内にあり得る、光源202cの別の実施例を示す。光源は、支持構造によって支持されてもよい。1つまたはそれを上回る光学要素202fが、提供されてもよい。1つまたはそれを上回る光学要素は、放射された光を修正してもよい。代替として、または加えて、1つもしくはそれを上回る光学要素が、薬物アプリケータの中で提供されてもよい。ある事例では、放射デバイスまたはデータ収集デバイスのために提供され得る、1つもしくはそれを上回る調節機構202fが、提供されてもよい。調節機構は、光学要素または他のタイプの調節機構であってもよい。調節機構は、内部空間内のデバイスからの放射、または内部空間の外側から内部空間の中へ入る放射を修正してもよい。
【0275】
図14Dは、カメラ202d等のデータ収集デバイスの実施例を示す。カメラは、支持構造202b上に支持されてもよい。カメラは、送達部位を撮像するために有用であり得る。カメラは、静止画像または動画像を捕捉するために使用されてもよい。カメラは、ストリーミングされた画像を捕捉することが可能であり得る、ビデオカメラであってもよい。カメラは、送達部位および治療が進んでいる方法についてのデータを収集するために有用であり得る。薬物アプリケータの透明部分は、カメラが薬物アプリケータを通して送達部位を撮像することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、カメラは、光源と併せて使用されてもよい。光源は、撮像されている領域を照射するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、光源は、撮像され得る薬物による反応を開始するものであってもよい。
【0276】
図14Fは、マイクロホン202e等のデータ収集デバイスの別の実施例を示す。マイクロホンは、支持構造202b上に支持されてもよい。マイクロホンは、送達部位から音響データを収集するために有用であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、超音波データを収集するために有用であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、光源と併せて使用されてもよい。
【0277】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るモジュールが、超音波生成デバイスの内部空間からスワップインおよびアウトされてもよい。例えば、光源は、異なる光源と、またはデータ収集デバイスと、スワップインおよびアウトされてもよい。単一のモジュールが、内部空間内に嵌合してもよい、または複数のモジュールが、内部空間内に嵌合してもよい。例えば、光源およびデータ収集デバイスの両方、または複数のタイプのデータ収集デバイスが、内部空間内に嵌合してもよい。
【0278】
薬物アプリケータは、薬物を眼の上の送達部位に送達するために使用されてもよい。薬物アプリケータはまた、超音波を眼の上の送達部位に送達するために使用されてもよい。代替として、または加えて、薬物保持オーバーレイは、薬物を眼の上の送達部位に送達するために使用されてもよい。薬物保持オーバーレイは、眼の表面に接触するように構成されてもよい。薬物保持オーバーレイは、眼の表面上に位置付けられてもよい、および/または少なくとも部分的に眼に接着してもよい。
【0279】
薬物保持オーバーレイは、薬物保持オーバーレイが表面に付与されている間に眼の閉鎖を可能にするように構成されてもよい。薬物保持オーバーレイは、それが5mm、4mm、3mm、2.5mm、2mm、1.5mm、1.3mm、1.2mm、1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.3mm、0.1mm、0.05mm、または0.01mmを上回るだけ眼から突出しないことを可能にし得る、薄型外形を有してもよい。いくつかの実施形態では、薬物保持オーバーレイは、コンタクトレンズ、フィルム、膜、層、またはシートであってもよい。薬物保持オーバーレイは、可撓性材料から形成されてもよい。薬物保持オーバーレイは、可鍛性であり得る、または眼の表面の形状に共形化するように可撓性であってもよい。
【0280】
薬物保持オーバーレイは、任意の形状を有してもよい。例えば、薬物保持オーバーレイは、実質的に円形の形状を有してもよい。薬物保持オーバーレイは、楕円形、長方形、三角形、三日月形、リング形、または任意の他の形状を有してもよい。薬物保持オーバーレイは、眼の曲面と同様に、自然な状態であるときに実質的に曲線状であり得る。代替として、薬物保持オーバーレイは、自然な状態であるときに平坦であり得る。
【0281】
薬物保持オーバーレイは、多孔質材料で形成されてもよい。多孔質材料は、薬物保持オーバーレイが細孔内で少なくとも1つの薬物を保持することを可能にし得る。薬物保持オーバーレイは、親水性、疎水性、両親媒性、および/または滅菌材料で形成されてもよい。ある事例では、薬物保持オーバーレイは、微小細胞発泡体を備えてもよい。一実施例では、薬物保持オーバーレイは、疎水性障壁フィルムと接合された親水性微小細胞発泡体を備えてもよい。薬物保持オーバーレイは、ポリマーフィルム等のポリマー材料を備えてもよい。薬物保持オーバーレイは、低減衰材料から形成されてもよい。本明細書の他の場所で説明されるような低減衰材料の特性のうちのいずれかは、薬物保持オーバーレイに適用され得る。例えば、薬物保持オーバーレイは、20、15、12、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、または0.1dB/(MHzcm)未満の減衰係数を有してもよい。
【0282】
少なくとも1つの薬物は、薬物保持オーバーレイの中にカプセル化されてもよい。少なくとも1つの薬物は、薬物保持オーバーレイの表面上に接着または適用されてもよい。
【0283】
少なくとも1つの薬物の送達のための方法は、薬物保持オーバーレイを眼の表面に付与するステップを含んでもよい。超音波生成デバイスは、眼の所望の部位に対して位置付けられてもよい。超音波は、超音波生成デバイスの助けを借りて生成されてもよく、超音波は、所望の部位に印加されてもよい。
【0284】
図15は、本発明の実施形態による、眼100の表面上に薬物保持オーバーレイ901を使用する用途の実施例を示す。超音波生成デバイス1000は、眼の眼瞼102にわたって位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、薬物保持オーバーレイは、眼瞼の下の眼の表面上に位置付けられてもよい。薬物保持オーバーレイは、超音波生成デバイスによって接触される眼瞼の部分の直下に位置付けられてもよい。代替として、薬物保持オーバーレイは、超音波生成デバイスによって接触される部分と異なる眼瞼の部分の下に位置付けられてもよい。超音波生成デバイスは、超音波を送達するときに眼瞼の一部に接触してもよい。薬物保持オーバーレイは、超音波生成デバイスが眼瞼に接触しているときに、超音波生成デバイスの直下にある場合にもあり、ない場合もある。いくつかの実施形態では、薬物保持オーバーレイは、眼の完全に異なる部分において提供されてもよい。しかしながら、眼に提供され得る超音波信号は、薬物保持オーバーレイからの薬物の送達を依然として補助し得る。
【0285】
眼は、超音波生成デバイスが超音波を眼瞼に送達するときに、完全に閉鎖または部分的
に閉鎖されてもよい。
【0286】
随意に、薬物アプリケータは、超音波生成デバイスに動作可能に結合されてもよい。薬物アプリケータは、眼の眼瞼にわたって位置付けられてもよい。薬物アプリケータは、超音波が眼瞼に伝送されることを可能にし得る、低減衰材料で形成されてもよい。薬物保持オーバーレイは、薬物アプリケータの直下にある場合にもあり、ない場合もある。いくつかの実施形態では、薬物保持オーバーレイは、眼の異なる領域上に提供されてもよい。
【0287】
図16A-16Bは、本発明の実施形態による、薬物保持オーバーレイ901を使用する付加的用途の実施例を示す。超音波生成デバイス1000は、図16Aに示されるように、薬物保持オーバーレイにわたって、または図16Bに示されるように、薬物保持オーバーレイが眼の異なる部分にある間に眼の表面100上に直接、位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、薬物保持オーバーレイは、眼の表面の任意の部分上に位置付けられてもよい。例えば、薬物保持オーバーレイは、眼の強膜、角膜、または縁上に位置付けられてもよい。超音波生成デバイスは、超音波を送達するときに、薬物保持オーバーレイと接触してもよい。薬物保持オーバーレイは、超音波生成デバイスが薬物保持オーバーレイに接触するときに、超音波生成デバイスの直下にあってもよい。超音波生成デバイスは、眼の強膜、眼の角膜、または眼の縁上にわたって位置付けられてもよい。薬物保持オーバーレイは、デバイスからの超音波が眼の表面に伝達されることを可能にし得る、低減衰材料から形成されてもよい。これは、薬物保持オーバーレイから眼の標的部位への薬物の送達を補助し得る。
【0288】
いくつかの実施形態では、薬物保持オーバーレイが、眼の完全に異なる部分において提供されてもよい。超音波生成デバイスは、眼の表面と直接接触してもよい。例えば、超音波生成デバイスは、眼の強膜、角膜、または縁と直接接触してもよい。しかしながら、眼に提供され得る超音波信号は、薬物保持オーバーレイからの薬物の送達を依然として補助し得る。超音波生成デバイスは、その上に薬物オーバーレイが提供される眼の部分と異なる眼の表面の部分に超音波を送達してもよい。超音波生成デバイスは、薬物を受容する表面の一部と異なる眼の部分に超音波を送達してもよい。
【0289】
眼は、超音波生成デバイスが超音波を送達している間に開いていてもよい。
【0290】
随意に、薬物アプリケータは、超音波生成デバイスに動作可能に結合されてもよい。薬物アプリケータは、いくつかの実施形態では、薬物保持オーバーレイにわたって位置付けられてもよい。代替として、薬物アプリケータは、眼の表面に直接接触してもよく、薬物保持オーバーレイは、眼の異なる部分にあってもよい。薬物アプリケータは、超音波が薬物保持オーバーレイおよび/または眼の表面に伝送されることを可能にし得る、低減衰材料で形成されてもよい。薬物保持オーバーレイは、薬物アプリケータの直下にある場合にもあり、ない場合もある。いくつかの実施形態では、薬物保持オーバーレイは、アプリケータと異なる眼の領域上に提供されてもよい。
【0291】
いくつかの実施形態では、特定の治療計画に関して、眼の所望の部位に設置される薬物保持オーバーレイを使用することが望ましくあり得る。薬物保持オーバーレイは、随意に、長期的時間周期にわたって設置されてもよく、薬物の長期送達を可能にし得る。超音波の印加は、強化送達を提供してもよい。超音波送達は、薬物保持オーバーレイが眼に提供される時間全体の間に提供されてもよい。
代替として、超音波送達は、薬物保持オーバーレイが眼に提供される時間の一部のみにわたって提供されてもよい。
【0292】
代替として、または加えて、超音波を使用し、眼から、または眼の周囲の排出系からの
排出を提供することが望ましくあり得る。例えば、ある条件のために上昇した眼圧を緩和することが望ましくあり得る。1つの事例では、眼からの流体排出の妨害に起因し得る、上昇した圧力に起因して、眼の一部(例えば、眼の視神経)に損傷があり得る、緑内障等の疾患の治療に関して、超音波は、眼からの流体の排出を補助するように印加されてもよい。超音波は、薬物と組み合わせて使用されてもよい。例えば、ブドウ膜強膜流出の治療のために、または房水産生を減少させるために、標的部位への薬物の改良された送達は、流体の排出および圧力からの緩和を補助し得る。限定されないが、プロスタグランジン類似体、ベータ遮断薬、アドレナリン作動薬、縮瞳薬、炭酸脱水酵素阻害薬、または本明細書の他の場所で提供されるような任意の他の薬物等の薬物が、所望の部位に送達されてもよい。好ましくは、それらは、(例えば、点眼薬と比較して)涙、まばたき、または眼の動きによる薬剤の損失を低減させるように、薬物アプリケータを介して送達されてもよい。これらの薬物の送達を補助し得る超音波が、印加されてもよい。ある事例では、これらの薬物は、薬物保持オーバーレイを介して提供されてもよい。超音波刺激は、強膜上静脈系、房水静脈、シュレム管、および/または小柱網を含み得る、閉塞した排出系を一掃することに役立ち得る。
【0293】
超音波の生成は、眼内からの流体の排出を可能にし、眼内の圧力を低減させ得る。流体の排出は、1つまたはそれを上回る薬物の送達と同時に起こり得る。流体の排出は、1つまたはそれを上回る薬物の送達に先立って起こり得る。流体の排出は、1つまたはそれを上回る薬物の送達に続いて起こり得る。いくつかの実施形態では、超音波は、眼内から流体を排出するときに、所望の周波数において動作してもよい。所望の周波数は、本明細書の他の場所で提供されるような任意の値を有してもよい。ある事例では、所望の周波数は、1MHzを下回り得る。いくつかの実施形態では、流体の排出は、眼にいかなる恒久的損傷も引き起こすことなく起こり得る。随意に、流体の排出は、眼の細胞内構造を妨害することによって起こり得る。ある事例では、眼の排出は、眼の温度を大量に上昇させることなく起こり得る。ある事例では、眼の排出は、0.1℃、0.5℃、1℃、1.2℃、1.5℃、1.7℃、2℃、2.5℃、3℃、4℃、5℃、7℃、または10℃だけ眼の温度を上昇させることなく起こり得る。いくつかの実施形態では、眼の温度は、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、または45℃を超えない。房水の排出は、眼圧を低減させる治療中に有用であり得る。例えば、流体の排出は、緑内障中に有用であり得る。
【0294】
一実施例では、緑内障薬の超音波媒介送達は、小柱網およびシュレム管に到達し得る。緑内障薬の超音波媒介送達は、縁領域を介して起こり得る。代替として、薬物は、強膜または角膜等の他の領域を介して送達されてもよい。緑内障を治療するための薬物の送達は、房水産生を低減させること、または液体流出を増加させることと同時に起こり得る。超音波は、小柱網、シュレム管を一時的に妨害し、流体流出を助長し、したがって、眼圧を低減させ得る。いくつかの実施形態では、高強度超音波(例えば、1~20MHz)が、眼圧を低減させるように印加されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるシステムおよび方法は、眼圧を低減させるために、1MHz、900kHz、800kHz、700kHz、600kHz、500kHz、400kHz、300kHz、250kHz、200kHz、150kHz、100kHz、80kHz、60kHz、50kHz、40kHz、30kHz、または20kHz未満等のより低い強度の超音波を使用してもよい。他の実施形態では、低強度超音波(例えば、2~4W/cmを伴う)が、提供されてもよい。
【0295】
薬物送達デバイスは、眼の所望の部位への薬物および/または超音波の送達を補助し得る。これは、薬物が、眼の眼内空間内の標的部位を含み得る、眼の標的部位に送達されることを可能にし得る。いくつかの実施形態では、送達される薬物または従われる治療計画に応じて、異なるパラメータが、薬物送達デバイスの超音波生成デバイスの動作のために
提供されてもよい。超音波生成デバイスの動作のための命令は、薬物の識別または眼のための治療計画に応じて、生成されてもよい。
【0296】
図17は、超音波生成デバイスの動作のための命令を生成するためのプロセスの実施例を示す。薬物の送達のための命令を生成する方法は、送達される少なくとも1つの薬物の識別または眼のための治療計画の識別を示す信号を取得するステップ1701を含んでもよい。本方法はまた、薬物または治療計画の識別を示す信号に基づいて、超音波生成デバイスの動作のための命令を生成するステップ1702を含んでもよい。超音波は、薬物の送達を達成し得る、命令に従って印加されてもよい1703。
【0297】
送達される少なくとも1つの薬物の識別または眼のための治療計画の識別を示す信号が、取得されてもよい1701。信号は、薬物送達デバイス、表示および/または入力デバイス、もしくは別個のデバイスにおいて受信されてもよい。いくつかの実施形態では、信号は、ユーザ入力に応答して提供されてもよい。ユーザ入力は、薬物の識別(例えば、薬物の名称、複数の薬物からの薬物の選択、薬物のバッチ番号または他の識別子、薬物のタイプ)の入力であってもよい。ユーザ入力は、眼のための治療計画の識別の入力であってもよい。治療計画の識別は、眼に関して治療されている疾患または症状(例えば、緑内障、黄斑変性症、診断、ビタミン送達、予防薬、または本明細書の他の場所で説明されるような任意の他の疾患もしくは症状)の識別を備えてもよい。治療計画の識別は、特定の対象またはタイプの対象に関して一意である場合もあり、そうではない場合もある、具体的治療計画識別子(例えば、計画の名称、計画を識別する英数字列、計画のタイプ)を含んでもよい。対象のための具体的治療計画は、対象を治療する医療施術者の助けを借りて生成されてもよい。対象のための具体的治療計画は、対象の症状についてのある入力に基づいて、1つまたはそれを上回るプロセッサの助けを借りて生成されてもよい。
【0298】
いくつかの実施形態では、ユーザは、治療される疾患/症状、超音波強度、超音波周波数、サイクル時間、開始、停止、および/またはタイマのための設定にアクセスすることが可能であり得る。ユーザは、患者情報および/またはプロファイルを入力もしくは視認することが可能であり得る。例えば、患者の氏名、診療記録、疾患/症状、治療の段階、写真が、アクセスされてもよい。ある事例では、ユーザ入力は、患者識別のみであってもよく、疾患識別および/または治療識別は、患者の記録から引き出されてもよい。ある事例では、ユーザ入力は、疾患識別および/または治療識別のみであってもよく、本デバイスもしくはシステムは、超音波生成デバイスの動作パラメータを自動的に生成してもよい。代替として、ユーザは、周波数、メカニカルインデックス、強度、サイクル時間、サイクル数、待機時間等の超音波生成デバイスの動作パラメータを手動で調節してもよい。
【0299】
ユーザ入力は、ユーザインターフェースを介して提供されてもよい。ユーザインターフェースは、薬物送達デバイスに搭載され得る。例えば、ユーザは、薬物送達デバイスに直接、薬物および/または治療計画の識別を直接入力してもよい。別の実施例では、ユーザは、薬物送達デバイスの一部であり得る、もしくは薬物送達デバイスと別個に提供され得る、表示および/または入力デバイスと相互作用してもよい。ある事例では、表示および/または入力ユニットは、薬物送達デバイスと通信してもよい。ユーザ入力は、任意の他の外部デバイスから提供されてもよい。例えば、ユーザは、薬物送達デバイスと通信し得る、コンピュータ、タブレット、またはスマートフォン等のデバイスの中へ入力を提供してもよい。
【0300】
いくつかの実施形態では、薬物の識別または治療計画の識別を示す信号は、1つもしくはそれを上回るプロセッサから提供されてもよい。薬物の識別または治療計画の識別は、デバイスに結合され得る、薬物アプリケータの標識上に提供されてもよい。薬物アプリケータは、少なくとも1つの薬物を事前装填されてもよい。薬物アプリケータは、除去可能
な様式でデバイスに結合されてもよい。薬物アプリケータがデバイスに結合されるとき、センサが、薬物アプリケータの標識を読み取るために使用されてもよい。薬物アプリケータから標識を読み取ることのさらなる詳細は、本明細書の他の場所でさらに詳細に提供される。標識は、薬物の識別、薬物の体積、治療計画の識別、治療計画の時間の長さ、治療計画の詳細、治療される疾患、対象の識別、バッチ、製造の時間、製造の場所、製造業者ID、有効期限、もしくは薬物アプリケータおよび/または薬物に関する他の情報等の情報を提供してもよい。情報は、標識によって直接提供されてもよい、または標識は、薬物送達デバイスが情報を記憶し得るメモリにアクセスすることを可能にし得る。例えば、治療計画識別子が提供される場合、薬物送達デバイスは、デバイスに搭載されている、または搭載されていないメモリ記憶装置にアクセスしてもよい。メモリ記憶装置は、治療計画識別子と関連付けられる付加的情報を有してもよい。
【0301】
いくつかの実施形態では、薬物アプリケータは、薬物または治療計画の識別等の情報を薬物送達デバイスに「プッシュ配信」してもよい。例えば、薬物アプリケータは、薬物送達デバイスの通信ユニットによって読み取られ得る、薬物または治療計画の識別等の情報をブロードキャストしてもよい。
【0302】
1つまたはそれを上回るプロセッサは、薬物または治療計画の識別を示す信号に基づいて、超音波生成デバイスの動作のための命令を生成するために使用されてもよい1702。プロセッサは、薬物送達デバイスに搭載され得る。代替として、プロセッサは、薬物送達デバイスに非搭載され得る。プロセッサは、随意に、表示および/または入力デバイスに搭載され得る。プロセッサは、別個のデバイスにおいて提供されてもよい。プロセッサは、クラウドコンピューティングインフラストラクチャの一部として提供されてもよい。
【0303】
命令を生成するステップは、種々の薬物または治療計画のための複数の命令オプションから命令を選択するステップを含んでもよい。例えば、命令オプションの第1のセットが、第1の薬物または治療計画のために提供されてもよい。オプションの第1のセットと異なる命令の第2のセットが、第2の薬物または治療計画のために提供されてもよい。命令のセットの事前設定された集団が、提供されてもよい。識別された薬物または治療計画に基づいて、識別された薬物または治療計画に対応する命令の適切なセットが、選択されてもよい。
【0304】
他の事例において、命令は、新たに生成されてもよく、命令の既存のプールから選択されなくてもよい。命令は、薬物および/または治療計画の既知のパラメータに基づいて生成されてもよい。命令は、対象の識別または対象の特性に基づいて生成されてもよい。例えば、対象が40歳の女性である場合、命令は、対象が60歳の男性である場合と異なり得る。対象が薬物との任意の既知の相互作用を有する場合、これは、命令にも影響を及ぼし得る。例えば、個人Aは、個人Bよりも薬物Aに敏感であり得る。
【0305】
命令は、超音波生成デバイスの動作を定義してもよい。これは、超音波の周波数、超音波のメカニカルインデックス、超音波のタイミング情報(例えば、超音波の持続時間TA、超音波の待機期間TW、超音波のデューティサイクルの数、超音波の治療計画の長さ)、超音波の波形、および/または超音波の強度を判定するステップを含んでもよい。
【0306】
超音波は、命令に従って生成されてもよい1703。超音波の生成は、標的部位への薬物の送達を達成してもよい。いくつかの実施形態では、超音波は、薬物アプリケータが眼と接触を行うことに先立って、それと同時に、および/またはそれに続けて、印加されてもよい。
【0307】
本発明のさらに実施形態は、眼の疾患のための既存の治療装置の中への本発明の一側面
によるシステムの統合に関する。本システムは、好ましくは、他の診断および/または治療デバイスと組み合わせられ、ならびに/もしくは統合される。
【0308】
図18A-18Cは、種々の治療計画による、超音波の印加の実施例を示す。
【0309】
図18Aは、治療計画に従って印加され得る超音波の実施例を示す。超音波は、オンおよびオフのパルスで送達されてもよい。本システムは、少なくとも1つの印加サイクルで動作されてもよい。各印加サイクルは、持続時間TAを伴う少なくとも1つの超音波放射事象と、持続時間TWを伴う後続の待機期間とを備える。超音波放射事象中に、超音波デバイスは、動作され、待機期間に、超音波デバイスは、動作されない。薬物アプリケータは、少なくとも1つの印加サイクルの完全持続時間にわたって、強膜表面、角膜表面、または縁等の眼の表面と接触してもよい。
【0310】
薬物の物理的、化学的、および薬剤性質に応じて、印加サイクルの異なるパラメータが獲得される。本発明の一実施形態では、本システムは、少なくとも1つのパラメータ、好ましくは、以下のリスト、すなわち、超音波放射事象の持続時間TA、超音波放射事象後の待機期間の持続時間TW、印加サイクルの数、超音波放射事象の強度、超音波放射事象の中心周波数、超音波放射システムのメカニカルインデックス、ならびにパルス状超音波放射事象の場合、超音波放射事象の繰り返し率、および超音波放射事象のデューティサイクルから選択されるサブセットを制御するように構成される。
【0311】
印加サイクルの任意の数が、提供されてもよい。いくつかの実施形態では、動作するための事前設定された印加サイクルの数が、提供されてもよい。ある事例では、印加サイクルの事前設定された持続時間が、提供されてもよい。
【0312】
図18Bは、本発明の実施形態による、ともにクラスタ化され得る複数の印加サイクルの実施例を示す。サイクルのクラスタは、繰り返される場合もあり、されない場合もある。いくつかの実施形態では、クラスタは、時間の長さTを有してもよい。印加サイクルの長さは、集合的にほぼTであってもよい。クラスタの間の時間量は、休眠周期Tであってもよい。クラスタは、任意の回数で繰り返してもよい。クラスタは、所定の回数で、または事前設定された持続時間中に繰り返してもよい。
【0313】
図18Cは、パラメータPが治療計画中に時間tにわたって変動され得る方法の実施例を示す。規則的な印加サイクルが存在する場合もあり、しない場合もある。いくつかの実施形態では、種々の特性を伴う一連の印加サイクルは、繰り返す場合もあり、しない場合もある。例えば、超音波が「オン」である時間量Tは、固定されてもよい、または変動してもよい。超音波が「オフ」である待機期間Tは、固定されてもよい、または変動してもよい。同様に、クラスタ長Tは、固定されてもよい、または変動してもよい。クラスタTの間の時間は、固定されてもよい、または変動してもよい。
【0314】
1つまたはそれを上回るパラメータは、特定の印加サイクルに関して固定されてもよい。1つまたはそれを上回るパラメータは、クラスタの全体に関して固定されてもよい。1つまたはそれを上回るパラメータは、治療計画の全体に関して固定されてもよい。代替として、1つまたはそれを上回るパラメータは、治療計画中に変動されてもよい。1つまたはそれを上回るパラメータは、クラスタ中に変動されてもよい。1つまたはそれを上回るパラメータは、印加サイクル中に変動されてもよい。限定されないが、超音波放射事象の強度、超音波放射事象の中心周波数、または超音波放射システムのメカニカルインデックスを含む、任意のパラメータは、変動されてもよい。
【0315】
時間(例えば、TA、TW、TC、TD、TE)のうちのいずれかに関して、時間量は
、約数マイクロ秒、数ミリ秒、数秒、数十秒、数分、またはそれを上回り得る。例えば、超音波は、約0.001秒、0.005秒、0.01秒、0.05秒、0.1秒、0.5秒、1秒、3秒、5秒、10秒、15秒、20秒、30秒、45秒、60秒、90秒、120秒、150秒、180秒、210秒、240秒、270秒、300秒、360秒、420秒、480秒、540秒、600秒、1,000秒、2,000秒、3,000秒、または6,000秒未満もしくはそれと等しい持続時間にわたって生成されてもよい。超音波は、本明細書で提供される値のうちのいずれかを上回る、または本明細書で提供される値のうちのいずれか2つの間に属する範囲内の持続時間にわたって生成されてもよい。同様に、待機時間は、本明細書で提供される任意の持続時間未満またはそれと等しい持続時間にわたって提供されてもよい。待機時間は、本明細書で提供される任意の持続時間を上回り得る、または本明細書で提供される任意の持続時間の間の範囲内に入り得る。超音波治療プロファイルと関連付けられる任意の他の時間(例えば、TC、TD、TE)は、本明細書で提供される持続時間未満、それを上回る、またはいずれか2つの間に属する、持続時間を有してもよい。いくつかの実施形態では、治療計画全体は、約数秒、数分、数時間、数日、数週間、数ヶ月、または数年に及んでもよい。患者は、異なる時点に超音波治療を受容してもよく、必要に応じて薬物送達システムを再熟知し得る。
【0316】
異なる薬物および/または治療計画に関して、異なる超音波プロファイルが、経時的に提供されてもよい。
【0317】
図19は、本発明の実施形態による、眼の眼内空間内の標的部位への薬物の浸透の実施例を示す。超音波生成デバイス202および薬物アプリケータ201は、薬物ならびに超音波を眼100に送達してもよい。超音波生成デバイスは、有利なこととして、眼内の距離dまでの薬物の浸透を可能にし得る。
【0318】
いくつかの実施形態では、薬物が眼の後部に浸透することが望ましくあり得る。例えば、糖尿病性網膜症または黄斑変性症等の疾患に関して、薬物は、眼の後部に送達されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物は、コルチコステロイドまたは抗VEGF薬であってもよい。薬物のうちのいくつかは、aristocort、kencaort、もしくはkenalogという商標名を伴うトリアムシノロン、またはlucentis、eylea、もしくはavastinという商標名を伴う抗VEGFを含んでもよいが、それらに限定されない。本明細書に説明されるような超音波治療を通して、薬物は、眼の裏側、網膜に送達されてもよい。薬物が送達され得る濃度は、同一、またはそのような侵襲性技法を要求することなく硝子体内注射を用いて提供される薬物濃度の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、もしくは99%であってもよい。
【0319】
薬物は、少なくとも4cm、3.5cm、3cm、2.5cm、2cm、1.5cm、1cm、0.8cm、0.7cm、0.6cm、0.5cm、0.4cm、0.3cm、0.2cm、または0.1cmの深度dまで浸透することが可能であり得る。そのような距離は、超音波が、1MHz、900kHz、800kHz、700kHz、600kHz、500kHz、400kHz、300kHz、250kHz、200kHz、150kHz、120kHz、100kHz、90kHz、80kHz、70kHz、60kHz、50kHz、40kHz、30kHz、20kHz、または10kHz未満もしくはそれと等しい等の任意の周波数値において動作しているときに、浸透されてもよい。そのような距離は、超音波が、提供される値のうちのいずれかを上回る、または提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る、周波数値において動作しているときに、浸透されてもよい。そのような距離は、超音波が、0.01、0.05、0.1、0.13、0.15、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9未満またはそれと等しい等の任意のメカニカルインデックスにおいて動作し
ているときに、浸透されてもよい。そのような距離は、超音波が、提供される値のうちのいずれかを上回る、または提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る、メカニカルインデックスにおいて動作しているときに、浸透されてもよい。そのような距離は、超音波が、10、9、8、7.5、7、6.5、6、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.5、0.1W/cm未満またはそれと等しい等の任意の強度において動作しているときに、浸透されてもよい。そのような距離は、超音波が、提供される値のうちのいずれかを上回る、または提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る、メカニカルインデックスにおいて動作しているときに、浸透されてもよい。薬物は、600秒、480秒、420秒、360秒、300秒、240秒、180秒、120秒、90秒、60秒、30秒、20秒、15秒、10秒、5秒、3秒、2秒、1秒、0.5秒、または0.1秒以内に示される深度のうちのいずれかまで浸透することが可能であり得る。薬物は、超音波が印加されている示された時間値のうちのいずれか以内にそのような深度まで浸透することが可能であり得る。薬物は、薬物アプリケータが眼の表面と接触を行う示された時間値のうちのいずれか以内にそのような深度まで浸透することが可能であり得る。薬物は、薬物が提供される時間値のうちのいずれか以内に進行し得る最大深度まで浸透することが可能であり得る。
【0320】
薬物は、任意の濃度において標的部位まで浸透するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物は、任意の濃度において眼の硝子体および網膜の中へ送達されてもよい。薬物は、0.01、0.05、0.1、0.3、0.5、0.7、1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、2、2.5、3、3.5、4、5、7、10、12、15、17、20、25、30、35、40、50、60、70、80、100、150、200、250、300、400、500、700、1,000、1,200、1,500、2,000、2,500、3,000、3,500、4,000、5,000、7,000、10,000μg/mLを上回るまたはそれと等しい濃度において標的部位に送達されてもよい。薬物は、提供される値のうちのいずれか未満である、または提供される値のうちのいずれか2つの間の範囲内に入る濃度において送達されてもよい。薬物は、任意の速度において浸透することが可能であり得る。薬物は、少なくとも5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000μm/秒の速度において送達されることが可能であり得る。
【0321】
そのような深度まで浸透し得る薬物は、任意のタイプの分子であってもよい。薬物は、そのような超音波周波数、強度、またはメカニカルインデックス下でそのような深度まで浸透していてもよい。薬物は、任意のそのような濃度下で、または任意のそのような速度において、浸透していてもよい。薬物は、示される時間周期内にそのような深度まで浸透していてもよい。そのような浸透は、眼組織(例えば、強膜、網膜、角膜、縁)を損傷することなく起こり得る。そのような浸透は、恒久的様式で眼組織を損傷することなく起こり得る。そのような浸透は、0.1℃、0.5℃、1℃、1.5℃、2℃、2.5℃、3℃、3.5℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、または10℃、もしくは本明細書の他の場所で提供される任意の他の温度値だけ眼の温度を上昇させることなく起こり得る。そのような浸透は、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、または45℃を超えて、眼の温度を上昇させることなく起こり得る。
【0322】
薬物分子は、小有機分子、タンパク質、モノクローナル抗体、抗体断片、またはナノ粒子であってもよい。任意のサイズの分子が、標的部位に送達されてもよい。いくつかの実施形態では、分子のサイズは、約10Da、50Da、100Da、300Da、500Da、700Da、900Da、1kDa、2kDa、3kDa、5kDa、7kDa、
10kDa、20kDa、30kDa、40kDa、50kDa、60kDa、70kDa、80kDa、90kDa、100kDa、120kDa、150kDa、170kDa、200kDa、220kDa、250kDa、280kDa、300kDa、350kDa、400kDa、450kDa、500kDa、600kDa、700kDa、800kDa、900kDa、または1MDa未満もしくはそれと等しくあり得る。ある事例では、分子のサイズは、本明細書で提供されるサイズのうちのいずれかを上回り得る。分子のサイズは、本明細書で提供されるサイズのうちのいずれか2つの間の範囲内に入り得る。
【0323】
送達される薬物を含む、分子のサイズは、印加サイクルのパラメータのために重要であり得る。比較的小さい分子、すなわち、好ましくは、70kDa未満のサイズを有する分子に関して、薬物送達速度は、主に超音波放射事象の持続時間TAによって制御される。比較的大きい分子、すなわち、好ましくは、70kDaを上回るサイズを有する分子に関して、薬物送達速度は、主に超音波放射事象後の待機時間TWによって制御される。
【0324】
印加サイクルのパラメータの最適なセットが、異なる薬物および/または異なるユーザに関して変動するため、本システムは、印加サイクルのパラメータの設定を支援するための1つまたはそれを上回るプロセッサを備えることが好ましい。情報送信および/または受信ユニット203は、薬物アプリケータ201からの薬物についての情報を読み出すために使用されてもよい。表示および入力ユニット400は、事前設定されたパラメータの変更を可能にするように提供されてもよい。
【0325】
本発明の実施形態では、本システムは、中央データベースに接続され、データベースは、印加サイクルのパラメータの最適なセットについての情報を管理する。データベースは、クラウドコンピューティングインフラストラクチャ上に提供されてもよい。1つまたはそれを上回る薬物送達デバイスは、データベースと通信することが可能であり得る。例えば、薬物送達デバイスは、特定の治療計画、薬物、および/または患者のパラメータの最適なセットについての命令を受信してもよい。薬物送達デバイスは、薬物、治療計画、および/または患者について情報をデータベースに送信してもよく、データベースは、パラメータの最適なセットを返してもよい。代替として、または加えて、印加サイクルのパラメータの最適なセットは、薬物アプリケータの上/中に記憶され、好ましくは、情報送信および/または受信ユニット203によって読み出される。いくつかの実施形態では、パラメータの最適なセットは、薬物送達デバイスに搭載されている。パラメータの最適なセットは、周期的に、または中央データベースからの事象に応答して、更新されてもよい。
【0326】
本発明の実施形態では、本システムは、印加サイクルのパラメータを手動で設定するように構成される、入力手段を備える。
【0327】
本発明の一側面によるシステムは、本発明の他の側面による方法を実施するように構成される。以下では、薬物の超音波強化送達のための方法の好ましい実施形態の側面が説明される。当業者は、システムのある上記の実施形態が、以降で説明される方法のある実施形態に関することを認識する。
【0328】
本発明の実施形態では、送達される薬物は、薬物アプリケータ201の中に貯蔵される。送達動作に先立って、薬物アプリケータ201は、印加ヘッド205に結合される。結合に先立って、使用済みの薬物アプリケータ201は、除去されるように要求される。結合に先立って、またはその後に、薬物アプリケータ201は、送達動作のために準備される。送達動作の準備をするステップは、好ましくは、剥離シールを除去するステップ、および/または保護カバーを除去するステップを含む。
【0329】
代替実施形態では、薬物は、薬物のいくつかの用量を保持するコンテナの中に貯蔵される。薬物アプリケータ201は、好ましくは、印加ヘッド202に恒久的に結合され、および/または薬物アプリケータ201は、印加ヘッド202に結合される。薬物アプリケータ201は、随意に、薬物アプリケータ201の中へ薬物を装填することに先立って清掃される。随意の清掃後に、薬物は、薬物アプリケータ201内の薬物受容空間800の中へ装填される。装填は、薬物アプリケータ201が印加ヘッド205に取り付けられている間に、または薬物アプリケータ201が印加ヘッド205に取り付けられていない間に、実施されることができる。
【0330】
本発明の実施形態では、薬物アプリケータ201が送達動作のために準備された後、本システムは、送達動作のために準備される。本発明の代替実施形態では、本システムは、送達動作のために薬物アプリケータ201を準備することに先立って、送達動作のために準備される。送達動作のために本システムを準備するステップは、好ましくは、印加サイクルのパラメータの最適なセットを設定するステップ、および/または印加サイクルのパラメータを適合させるステップを含む。印加サイクルのパラメータを設定すること、および/または適合させることに先立って、薬物についての情報ならびに/もしくは薬物アプリケータ201についての情報が、好ましくは、情報送信および/または受信ユニット203によって読み出される。
【0331】
本発明の実施形態では、本システムおよび/または薬物アプリケータ201が送達プロセスのために準備された後、本システムは、薬物アプリケータが強膜表面に触れるように位置付けられる。代替実施形態では、本システムは、本システムおよび/または薬物アプリケータを準備することに先立って位置付けられる。
【0332】
本システムを位置付けるステップは、好ましくは、超音波伝送ゲルを薬物アプリケータ201と強膜表面との間のインターフェース601bに適用するステップを含む。本システムを位置付けるステップは、代替として、または加えて、強膜表面に薬物アプリケータ201を押圧するステップを含む。
【0333】
本発明の実施形態では、本システムが位置付けられた後、少なくとも1つの印加サイクルが実施される。印加サイクル中に、薬物アプリケータ201は、強膜表面と恒久接触している。
【0334】
本発明の実施形態では、少なくとも1つの印加サイクル中に、強膜表面の温度が、本測定手段で測定される。測定手段は、好ましくは、熱電対および/または赤外線放射温度計を含む。強膜表面の温度は、少なくとも1つの印加サイクル中に1℃を上回って上昇しないことが好ましい。本システムは、好ましくは、超音波放射事象を制御し、強膜組織の過剰な加熱を防止するように構成される。
【0335】
本発明の実施形態では、少なくとも1つの印加サイクル後に、薬物が最も効率的に送達されるために、付加的待機時間が要求される。
【0336】
本発明の実施形態では、少なくとも1つの印加サイクル後に、薬物アプリケータ201は、強膜表面から除去される。本発明の実施形態に応じて、薬物アプリケータ201は、好ましくは、以降の時間に再利用されるように構成される、または単回使用薬物アプリケータ201であるように構成される。本発明の実施形態によると、薬物アプリケータ201は、少なくとも1つの印加サイクル後に印加ヘッド205から除去され、および/または以降の使用のために印加ヘッド205上に残留する。
【0337】
図20は、本発明の実施形態による、種々のメカニカルインデックスの効果を示す。例
えば、拡散率の異なる値(例えば、BSAのDacoustic mixing)が、種々のメカニカルインデックスに関して提供される。そのような値は、30秒の40kHz超音波印加の間に提供され、N>=3である。適合拡散率値の標準偏差を表すエラーバーが、提供される。最高度の拡散率が、0.2のメカニカルインデックスに関して提供されてもよい。
【0338】
図21は、本発明の実施形態による、種々の周波数が細胞内結合に影響を及ぼす方法を示す。例えば、メカニカルインデックス=0.2において20kHz超音波を使用することは、薬物分子(例えば、本明細書の他の場所で提供されるような任意の特性またはパラメータを伴う任意のタイプの分子)が、網膜を横断しないが、眼の表面(例えば、強膜、角膜、縁)および/または脈絡膜上腔の中へ送達されることを可能にする。薬物分子は、眼組織を損傷することなく、本明細書の他の場所で説明される値のうちのいずれか等の任意の速度において送達されてもよい。
【0339】
20kHzにおいて、超音波が網膜上皮細胞の密着結合を妨害しないことを示す、密着結合染色画像が提供される。40kHzにおいて、超音波は、全ての細胞間結合を妨害した。細胞間結合が無傷であると、薬物分子は、上皮細胞層を通過することができず、したがって、脈絡膜上腔の中に残留する。
【0340】
図22は、本発明の実施形態による、種々のメカニカルインデックスの付加的効果を示す。受容器チャンバの中のBSAの濃度が、種々のメカニカルインデックスおよび周波数に関して示される。
【0341】
図23は、本発明の実施形態による、種々のメカニカルインデックスの効果のさらなる実施例を示す。種々のメカニカルインデックスにおいて、対照に対するBSAパーティションの異なる変化が、提供されてもよい。いくつかの実施形態では、異なるキャビテーション法のメカニカルインデックスが、提供されてもよい。例えば、より低いメカニカルインデックス値は、安定したキャビテーションに対応し得、より高いメカニカルインデックスは、一過性のキャビテーションに対応し得る。
【0342】
薬物送達システムまたはその構成要素は、その使用説明書を備えるキットとして提供されてもよい。例えば、薬物送達デバイスを備えるセットは、その使用説明書を伴って提供されてもよい。薬物アプリケータは、薬物送達デバイスとともに提供されてもよい、または別個に提供されてもよい。薬物アプリケータを備えるキットは、その使用説明書を伴って提供されてもよい。キットは、薬物アプリケータ上に装填される薬物についての情報を備えてもよい。特定の薬物用の薬物送達デバイスおよび/または薬物アプリケータの使用のための1つもしくはそれを上回る設定が、説明書の中で提供されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、再利用可能であり得る。薬物アプリケータは、薬物送達デバイスに結合されてもよい。薬物アプリケータは、再利用可能であり得る、または使い捨てであり得る。随意に、薬物アプリケータは、薬物を補充または装填されてもよい。ある事例では、薬物アプリケータは、単回使用後に使い捨てであり得る。
【0343】
本願の全体を通して、用語「薬物」、「治療薬」、およびより一般的な用語「分子」は、同義的と見なされ、個別の使用は、技術的状況に依存する。1つの具体的表現の使用は、保護が求められる主題の範囲を限定するように意図されていない。例えば、治療薬は、薬物を備えてもよい、および/または薬物は、分子を備えてもよい。
【0344】
本明細書で使用されるような用語「薬物」は、少なくとも1つの薬学的活性化合物を含有する、医薬調剤を意味する。本発明の一実施形態では、薬学的活性化合物は、最大70kDaの分子量を有し、および/または抗体、生物製剤結合体、タンパク質薬物結合体、
コルチコステロイド薬物結合体、薬物カプセル化ナノ粒子、薬物結合体ナノ粒子、タンパク質薬物、生物製剤、コルチコステロイド薬物、非ステロイド性抗炎症薬、荷電分子、非荷電分子、もしくは上記の薬学的活性化合物の混合物を備える。本発明の代替実施形態では、薬学的活性化合物は、70kDaを上回る分子量を有し、および/または抗体、生物製剤結合体、タンパク質薬物結合体、コルチコステロイド薬物結合体、薬物カプセル化ナノ粒子、薬物結合体ナノ粒子、タンパク質薬物、生物製剤、コルチコステロイド薬物、非ステロイド性抗炎症薬、荷電分子、非荷電分子、もしくは上記の薬学的活性化合物の混合物を備える。ある事例では、薬物は、眼の疾患または症状を治療する、診断を実施する、眼もしくは身体の任意の他の部分の健康を助長するために有用であり得る、任意の化合物または分子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、薬物の実施例は、房水のブドウ膜強膜流出を増加させ得る、プロスタグランジンまたはラタノプロスト(Xalatan)、ビマトプロスト(Lumigan)、およびトラボプロスト(Travatan)のような類似体、毛様体による房水産生を減少させ得る、チモロール、レボブノロール(Betagan)、およびベタキソロール等の局所ベータアドレナリン作動性受容体作動薬、房水産生を減少させ、ブドウ膜強膜流出を増加させる、二重機構によって作動し得る、ブリモニジン(Alphagan)等のアルファ2-アドレナリン作動薬、小柱網を通し、おそらく、ブドウ膜強膜流出路を通した、房水の流出を増加させ得る、エピネフリンおよびジピベフリン(Propine)のような低感受性交感神経作動薬、小柱網を緊締し、房水の増加した流出を可能にする、毛様筋の収縮によって作動する、ピロカルピンのような縮瞳薬(副交感神経作動薬)、毛様体の中の炭酸脱水酵素を阻害することによって房水産生の低減を提供し得る、ドルゾラミド(Trusopt)、ブリンゾラミド(Azopt)、アセタゾラミド(Diamox)のような炭酸脱水酵素阻害薬、ベータ遮断薬、ベバシズマブ(Avastin)、ラニビズマブ(Lucentis)、トリアムシノロンアセトニド(Kenalog)(Triesence/Trivaris)、硝子体内ガンシクロビル、硝子体内ホスカルネット、シドフォビル、ホミビルセン、メトトレキサート、バンコマイシン、セフタジジム、アミカシン、アンホテリシンB、ボリコナゾール、デキサメタゾン、リボフラビン、タンパク質アンジオポイエチン2(ANG2)または他の血管新生促進サイトカインを標的にし得る、ネスバクマブもしくは他のモノクローナル抗体、または血小板由来成長因子(PDGF)等の標的への特異性および親和性を伴って結合し得る、Fovisa、Zimura、もしくは他のアプタマーを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0345】
実施形態では、薬学的活性化合物は、網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症、中心性漿液性網膜症、サイトメガロウイルス性網膜炎、網膜芽細胞腫、眼内リンパ腫、眼メラノーマ、巨細胞性動脈炎、ヒストプラスマ症、虚血性視神経症、黄斑襞、黄斑毛細管拡張症、ブドウ膜炎、脈絡膜血管新生、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、緑内障、網膜色素変性症、黄斑浮腫、類嚢胞黄斑浮腫、黄斑変性症、多再発性翼状片、眼トキソプラズマ症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、スティーブンス・ジョンソン症候群、眼部瘢痕性類天疱瘡、眼内炎、眼変性症状、もしくは強膜内空間の中への薬物の送達を要求する術後症状の治療および/または予防のために有用である。
【0346】
本発明の保護の範囲は、本明細書の上記で挙げられる実施例に限定されない。本発明は、たとえ各新規の特性または請求項に記述される任意の特徴の全ての組み合わせを特に含む特性の各組み合わせが、請求項もしくは実施例に明示的に記述されていなくても、本特徴および特徴の本組み合わせで具現化される。
【0347】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、説明されているが、そのような実施形態は一例のみとして提供されることが当業者に明白である。本発明が本明細書内で提供される具体的実施例によって限定されることは意図されない。本発明は、前述の明細書を参照して説明されているが、本明細書の実施形態の説明および例証は、限定的な意味で解
釈されるように意図されていない。多数の変形例、変更、および代用が、ここで、本発明から逸脱することなく当業者に想起されるであろう。さらに、本発明の全ての側面は、種々の条件および変数に依存する、本明細書に記載される具体的描写、構成、または相対的割合に限定されないことを理解されたい。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替物が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。したがって、本発明はまた、任意のそのような代替物、修正、変形例、または均等物を網羅することが考慮される。以下の請求項は、本発明の範囲を定義し、これらの請求項およびそれらの均等物の範囲内の方法ならびに構造は、それによって網羅されることが意図される。
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