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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】接続切替えサーバおよび接続切替え方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/51 20220101AFI20240401BHJP
   G06F 16/9035 20190101ALI20240401BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240401BHJP
【FI】
H04L67/51
G06F16/9035
G06Q50/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023150772
(22)【出願日】2023-09-19
【審査請求日】2023-09-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000153443
【氏名又は名称】株式会社 日立産業制御ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸夫
(72)【発明者】
【氏名】関根 康雄
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-175228(JP,A)
【文献】特開2014-049057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/51
G06F 16/9035
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービスを利用する権利を示すアクティベーション識別情報を含むサービス要求を受け付けるサービス要求受付部と、
前記アクティベーション識別情報および前記サービス要求を処理するサービスへの接続情報が関連付けられて記憶されるアクティベーション情報データベースを参照して、前記サービス要求の接続情報を取得する接続先判定部と、
前記サービス要求を前記接続情報に対応したサービスを提供するサーバに送信する接続先切替え部と
前記サービス要求の送信元である端末が初回のサービス要求を送信する前に送信する前記アクティベーション識別情報および当該端末が属するテナントを示すテナント識別情報を含むアクティベーション要求を受け付け、
前記テナント識別情報および前記接続情報が関連付けられて記憶されるテナント情報データベースを参照して、当該アクティベーション識別情報および前記接続情報を関連付けて前記アクティベーション情報データベースに登録するアクティベーション受付部と、を備える
接続切替えサーバ。
【請求項2】
サービスを利用する権利を示すアクティベーション識別情報を含むサービス要求を受け付けるサービス要求受付部と、
前記アクティベーション識別情報および前記サービス要求を処理するサービスへの接続情報が関連付けられて記憶されるアクティベーション情報データベースを参照して、前記サービス要求の接続情報を取得する接続先判定部と、
前記サービス要求を前記接続情報に対応したサービスを提供するサーバに送信する接続先切替え部と、を備え
前記サービスは、データベースに対する検索サービスであり、
前記接続情報は、前記データベースを有するデータベース管理サーバのアドレス、および当該データベースの識別情報を含む
接続切替えサーバ。
【請求項3】
接続切替えサーバが、
サービスを利用する権利を示すアクティベーション識別情報を含むサービス要求を受け付けるステップと、
前記アクティベーション識別情報および前記サービス要求を処理するサービスへの接続情報が関連付けられて記憶されるアクティベーション情報データベースを参照して、前記サービス要求の接続情報を取得するステップと、
前記サービス要求を前記接続情報に対応したサービスを提供するサーバに送信するステップと
前記サービス要求の送信元である端末が初回のサービス要求を送信する前に送信する前記アクティベーション識別情報および当該端末が属するテナントを示すテナント識別情報を含むアクティベーション要求を受け付け、
前記テナント識別情報および前記接続情報が関連付けられて記憶されるテナント情報データベースを参照して、当該アクティベーション識別情報および前記接続情報を関連付けて前記アクティベーション情報データベースに登録するステップと、を実行する
接続切替え方法。
【請求項4】
接続切替えサーバが、
サービスを利用する権利を示すアクティベーション識別情報を含むサービス要求を受け付けるステップと、
前記アクティベーション識別情報および前記サービス要求を処理するサービスへの接続情報が関連付けられて記憶されるアクティベーション情報データベースを参照して、前記サービス要求の接続情報を取得するステップと、
前記サービス要求を前記接続情報に対応したサービスを提供するサーバに送信するステップと、を実行し、
前記サービスは、データベースに対する検索サービスであり、
前記接続情報は、前記データベースを有するデータベース管理サーバのアドレス、および当該データベースの識別情報を含む
接続切替え方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末のサービス要求に対応するサービスへの接続を切り替える接続切替えサーバおよび接続切替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを介したサービス提供において、サービスを利用する組織(企業や部署など、以下テナントとも記す)がサービス提供事業者と契約し、当該テナントに属する複数の利用者がサービスを利用するケースが多い。サービスを利用する利用者数が契約した利用者数を超えないようにするために、利用者が利用開始前にアクティベーション(特許文献1参照)を行うことが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-175228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インターネットを介したサービス提供において、複数の利用者が同じサーバやシステムを共有して利用するケースが多い。同一のテナントに属する利用者は、同じサービスを利用できることが望ましい。また異なるテナントに属する利用者が、同じサーバまたはシステムにアクセスしても、それぞれのテナントに対応したサービスが利用できることが望ましい。しかしながら特許文献1に記載の情報処理装置は、テナントに応じたサービスの切替えについては触れていない。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、アクティベーションに応じて利用するサービスを切り替える接続切替えサーバおよび接続切替え方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するため、本発明に係る接続先切替えサーバは、サービスを利用する権利を示すアクティベーション識別情報を含むサービス要求を受け付けるサービス要求受付部と、前記アクティベーション識別情報および前記サービス要求を処理するサービスへの接続情報が関連付けられて記憶されるアクティベーション情報データベースを参照して、前記サービス要求の接続情報を取得する接続先判定部と、前記サービス要求を前記接続情報に対応したサービスを提供するサーバに送信する接続先切替え部と、前記サービス要求の送信元である端末が初回のサービス要求を送信する前に送信する前記アクティベーション識別情報および当該端末が属するテナントを示すテナント識別情報を含むアクティベーション要求を受け付け、前記テナント識別情報および前記接続情報が関連付けられて記憶されるテナント情報データベースを参照して、当該アクティベーション識別情報および前記接続情報を関連付けて前記アクティベーション情報データベースに登録するアクティベーション受付部と、を備える。
また上記した課題を解決するため、本発明に係る接続先切替えサーバは、サービスを利用する権利を示すアクティベーション識別情報を含むサービス要求を受け付けるサービス要求受付部と、前記アクティベーション識別情報および前記サービス要求を処理するサービスへの接続情報が関連付けられて記憶されるアクティベーション情報データベースを参照して、前記サービス要求の接続情報を取得する接続先判定部と、前記サービス要求を前記接続情報に対応したサービスを提供するサーバに送信する接続先切替え部と、を備え、前記サービスは、データベースに対する検索サービスであり、前記接続情報は、前記データベースを有するデータベース管理サーバのアドレス、および当該データベースの識別情報を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、アクティベーションに応じて利用するサービスを切り替える接続切替えサーバおよび接続切替え方法を提供することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係るサービス提供システムの構成図である。
図2】第1実施形態に係る端末の機能ブロック図である。
図3】第1実施形態に係る接続切替えサーバの機能ブロック図である。
図4】第1実施形態に係るテナント情報データベースにデータ構成図である。
図5】第1実施形態に係るアクティベーション情報データベースにデータ構成図である。
図6】第1実施形態に係るアクティベーション処理のシーケンス図である。
図7】第1実施形態に係る業務処理のシーケンス図である。
図8】第2実施形態に係る接続切替えサーバの機能ブロック図である。
図9】第2実施形態に係る業務処理のシーケンス図である。
図10】第1および第2実施形態に係る接続切替えサーバやデータベース管理サーバ、端末などのハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明を実施するための形態(実施形態)におけるサービス提供システムについて説明する。サービス提供システムは、データベース管理サービスを提供するデータベース管理サーバ、および端末からのサービス要求を受け付ける接続切替えサーバを含んで構成される。サービス提供システムが端末に提供するサービスは、データベースの検索サービスである。データベース管理サーバは、1つ以上のデータベースを有し、端末の所有者であるテナント(組織)ごとに異なるデータベースを利用するサービスを提供する。
【0009】
サービス利用に先立ち、端末と接続切替えサーバはアクティベーション処理を行い、アクティベーション識別情報が共有される。端末は、アクティベーション識別情報を含むサービス要求を接続切替えサーバに送る。接続切替えサーバは、アクティベーション識別情報に応じて接続先のデータベースを切り替える。
【0010】
このようなサービス提供システムを利用することで端末の利用者は、当該利用者または当該端末がテナントに属することを確認するアクティベーション処理後に、当該テナントに応じたサービスを利用できるようになる。
【0011】
≪第1実施形態:サービス提供システムの構成≫
図1は、第1実施形態に係るサービス提供システム10の構成図である。サービス提供システム10は、接続切替えサーバ100、およびデータベース管理サーバ300を含んで構成される。データベース管理サーバ300は、複数のデータベース310を有し、それぞれのデータベース310を利用するサービスを提供する。
【0012】
端末400は、接続切替えサーバ100を介してデータベース310を利用する。端末400は、企業や、その部署であるテナントに属する。テナントは、サービス提供システム10を有しデータベース管理サービスを提供する事業者と契約を結んで、データベース310を利用する。テナントが所有する(テナントに属する)端末400は、当該テナントが契約したデータベース310を利用することになる。
【0013】
≪第1実施形態:端末の構成≫
図2は、第1実施形態に係る端末400の機能ブロック図である。端末400はコンピュータであり、制御部410、記憶部420、および入出力部480を備える。入出力部480には、ディスプレイやキーボード、マウスなどのユーザインターフェイス機器が接続される。入出力部480は通信デバイスを備え、ネットワークを介した接続切替えサーバ100とのデータ送受信が可能である。
【0014】
≪端末:記憶部≫
記憶部420は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)などの記憶機器を含んで構成される。記憶部420には、アクティベーション識別情報421、およびプログラム428が記憶される。
アクティベーション識別情報421は、アクティベーション処理(後記する図6参照)で生成される識別情報であり、端末400が利用するデータベース310を特定するのに参照される。アクティベーション識別情報421は、端末400ごとに異なる。アクティベーション識別情報は、テナントが結んだ契約によりサービス提供システム10が提供する、端末400にデータベース310を用いた検索サービスを利用する権利があることを示す情報である。
プログラム428は、アクティベーション処理(後記する図6参照)や業務処理(後記する図7参照)における端末400での処理の記述を含む。
【0015】
≪端末:制御部≫
制御部410は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、アクティベーション処理部411、およびサービス要求部412が備わる。
アクティベーション処理部411は、アクティベーション処理(後記する図6参照)における端末400の処理を実行する。
サービス要求部412は、業務処理(後記する図7参照)における端末400の処理を実行する。
【0016】
≪第1実施形態:接続切替えサーバの構成≫
図3は、第1実施形態に係る接続切替えサーバ100の機能ブロック図である。接続切替えサーバ100はコンピュータであり、制御部110、記憶部120、および通信部180を備える。通信部180は通信デバイスを備え、ネットワークを介した端末400やデータベース管理サーバ300とのデータ送受信が可能である。
【0017】
≪接続切替えサーバ:記憶部≫
記憶部120は、ROMやRAM、SSDなどの記憶機器を含んで構成される。記憶部120には、テナント情報データベース130、アクティベーション情報データベース140、およびプログラム128が記憶される。プログラム128は、アクティベーション処理(後記する図6参照)や業務処理(後記する図7参照)における接続切替えサーバ100での処理の記述を含む。
【0018】
≪記憶部:テナント情報データベース≫
図4は、第1実施形態に係るテナント情報データベース130にデータ構成図である。テナント情報データベース130は、例えば表形式のデータであり、1つの行(レコード)はテナントを示す。テナント情報データベース130のレコードは、テナント識別情報、接続情報、端末数、および契約数の列(属性)を含む。
【0019】
テナント識別情報は、テナントの識別情報である。
接続情報は、テナントに属する端末400が利用するデータベース310に接続するための情報である。接続情報は、データベース管理サーバ300のアドレスやデータベース310の識別情報、データベース310にアクセスする際の認証情報などを含む。識別情報は、データベース名の他にスキーマやテーブル名などであってもよい。換言すれば接続情報は、データベース310を用いた検索サービスを利用するための情報であり、データベース310に接続するための情報である。
【0020】
端末数は、後記するアクティベーション処理を終えた、テナントに属する端末400の数である。
契約数は、テナントが契約した端末400の上限数である。契約数の端末400まで、データベース310が利用可能である。
【0021】
以上に説明したようにサービスは、データベースに対する検索サービスであり、接続情報は、データベース310を有するデータベース管理サーバ300のアドレス、および当該データベース310の識別情報を含む。
【0022】
≪記憶部:アクティベーション情報データベース≫
図5は、第1実施形態に係るアクティベーション情報データベース140にデータ構成図である。アクティベーション情報データベース140は、例えば表形式のデータであり、1つの行(レコード)は端末400に対応する。アクティベーション情報データベース140のレコードは、アクティベーション識別情報、および接続情報の列(属性)を含む。
【0023】
アクティベーション識別情報は、端末400のアクティベーション識別情報である。
接続情報は、端末400が属するテナントに対応する接続情報であり、テナント情報データベース130(図4参照)の接続情報に対応する。
【0024】
≪接続切替えサーバ:制御部≫
図3に戻って制御部110を説明する。制御部110は、CPUを含んで構成され、アクティベーション受付部111、サービス要求受付部112、接続先判定部113、および接続先切替え部114が備わる。
【0025】
≪制御部:アクティベーション受付部≫
アクティベーション受付部111は、アクティベーション処理(後記する図6参照)における接続切替えサーバ100の処理を実行する。詳しく説明するとアクティベーション受付部111は、端末400が送信したアクティベーション要求に対して、アクティベーション要求した端末400の数が契約数(図4参照)を超えないことを確認する。次にアクティベーション受付部111は、アクティベーション要求に含まれるアクティベーション識別情報、およびテナント識別情報に対応する接続情報をアクティベーション情報データベース140(図5参照)に登録する。なおテナント識別情報に対応する接続情報は、テナント情報データベース130(図4参照)を参照して取得可能である。
【0026】
≪制御部:サービス要求受付部≫
サービス要求受付部112は、端末400からデータベース310へのアクセス要求であるサービス要求を受け付ける。なおサービス要求には、当該端末400のアクティベーション識別情報が含まれる。
【0027】
≪制御部:接続先判定部≫
接続先判定部113は、サービス要求に対応するデータベース310への接続情報を取得する。詳しく説明すると接続先判定部113は、サービス要求に含まれるアクティベーション識別情報を基にアクティベーション情報データベース140(図5参照)を参照して、データベース310に対応する接続情報を取得する。
【0028】
≪制御部:接続先切替え部≫
接続先切替え部114は、サービス要求をデータベース管理サーバ300に転送し、データベース310の検索結果を受信する。次に接続先切替え部114は、当該検索結果を端末400に転送する。
【0029】
以上に説明したように接続切替えサーバ100は、サービスを利用する権利を示すアクティベーション識別情報を含むサービス要求を受け付けるサービス要求受付部112を備える。
また接続切替えサーバ100は、アクティベーション識別情報およびサービス要求を処理するサービスへの接続情報が関連付けられて記憶されるアクティベーション情報データベース140(図5参照)を参照して、サービス要求の接続情報を取得する接続先判定部113を備える。
さらに接続切替えサーバ100は、サービス要求を接続情報に対応したサービスを提供するサーバに送信する接続先切替え部114を備える。
【0030】
接続切替えサーバ100は、サービス要求の送信元である端末400が初回のサービス要求を送信する前に送信するアクティベーション識別情報および当該端末400が属するテナントを示すテナント識別情報を含むアクティベーション要求を受け付け、テナント識別情報および接続情報が関連付けられて記憶されるテナント情報データベース130(図4参照)を参照して、当該アクティベーション識別情報および接続情報を関連付けてアクティベーション情報データベース140に登録するアクティベーション受付部111を備える。
【0031】
≪第1実施形態:データベース管理サーバ≫
データベース管理サーバ300は、接続切替えサーバ100が送ったサービス要求であるクエリ(検索要求)に対応した検索処理を実行し、検索結果を返す。詳しく説明すると接続切替えサーバ100は、接続情報に含まれるデータベース管理サーバ300のアドレスに、データベース310の識別情報やクエリを含むサービス要求を送信する。データベース管理サーバ300は、識別情報で識別されるデータベース310に対するクエリを実行して、検索結果を返す。
【0032】
≪第1実施形態:アクティベーション処理≫
図6は、第1実施形態に係るアクティベーション処理のシーケンス図である。アクティベーション処理の開始時点では、端末400を所有するテナントとデータベース管理サービスを提供する事業者との契約が完了していて、テナント情報データベース130(図4参照)にテナントのレコードが登録済みであるとする。また端末400の利用者には、テナント識別情報が配布済みであるとする。さらに当該テナントに対応するデータベース310のサービスも利用可能状態にある。また端末400と接続切替えサーバ100との間では、安全な通信路が確立済みであり、通信データの盗聴や詐称はないものとする。
【0033】
ステップS11において端末400のアクティベーション処理部411は、端末400の利用者が入力したテナント識別情報を取得する。
ステップS12においてアクティベーション処理部411は、乱数であるアクティベーション識別情報を生成して、アクティベーション識別情報421(図2参照)に格納する。
ステップS13においてアクティベーション処理部411は、テナン識別情報、およびアクティベーション識別情報を含むアクティベーション要求を接続切替えサーバ100に送信する。
【0034】
ステップS14において接続切替えサーバ100のアクティベーション受付部111は、アクティベーション要求を送信した端末400が契約数(図4参照)以下であるかを判定する。過去にアクティベーション要求を送信した端末400の数は端末数(図4参照)に示されている。アクティベーション受付部111は、端末数に1を加えた数が契約数以下であれば(ステップS14→YES)処理をステップS15に進め、契約数を超えれば(ステップS14→NO)処理をステップS17に進める。
【0035】
ステップS15においてアクティベーション受付部111は、アクティベーション識別情報と、テナント識別情報に対応する接続情報とを関連付けてアクティベーション情報データベース140(図5参照)に登録する。詳しく説明するとアクティベーション受付部111は、テナント情報データベース130(図4参照)を参照してテナント識別情報に対応する接続情報を取得する。次にアクティベーション受付部111は、アクティベーション識別情報と、取得した接続情報とを関連付けてアクティベーション情報データベース140に登録する。さらにアクティベーション受付部111は、テナント情報データベース130の端末数を1増やす。
【0036】
ステップS16においてアクティベーション受付部111は、端末400にアクティベーション要求が正常に終了したことを通知する。
ステップS17においてアクティベーション受付部111は、端末400にアクティベーション要求でエラーが発生したことを通知する。
【0037】
≪業務処理≫
図7は、第1実施形態に係る業務処理のシーケンス図である。業務処理の開始時には、端末400のアクティベーション処理(図6参照)は完了しているものとする。また端末400と接続切替えサーバ100との間では、安全な通信路が確立済みであり、通信データの盗聴や詐称はないものとする。
【0038】
ステップS21において端末400のサービス要求部412は、利用者からデータベース310に対するクエリ(検索要求)を受け付ける。
ステップS22においてサービス要求部412は、アクティベーション識別情報、およびクエリを含むサービス要求を接続切替えサーバ100に送信する。接続切替えサーバ100のサービス要求受付部112は、当該サービス要求を受け付ける。
【0039】
ステップS23において接続切替えサーバ100の接続先判定部113は、サービス要求に含まれるアクティベーション識別情報を基に、アクティベーション情報データベース140(図5参照)を参照して接続情報を取得する。なおアクティベーション情報データベース140にアクティベーション識別情報が未登録であれば、接続先判定部113は端末400にエラーを通知して業務処理を終了する。
【0040】
ステップS24において接続切替えサーバ100の接続先切替え部114は、接続情報を参照してデータベース管理サーバ300にクエリや接続情報に含まれるデータベース310の識別情報を送信する。接続情報が認証情報を含めば接続先切替え部114は、認証情報も送信する。
ステップS25においてデータベース管理サーバ300は、データベース310を用いてクエリを処理し、検索結果を得る。
【0041】
ステップS26においてデータベース管理サーバ300は、検索結果を接続切替えサーバ100に送信する。
ステップS27において接続切替えサーバ100の接続先切替え部114は、検索結果を端末400に送信する。
ステップS28において端末400のサービス要求部412は、入出力部480に接続されたディスプレイに検索結果を表示する。
【0042】
≪第1実施形態:接続切替えサーバの特徴≫
接続切替えサーバ100は、端末400からのアクティベーション要求を受け付け、アクティベーション識別情報をアクティベーション情報データベース140に登録する。なお登録可能な端末400の数には上限がある(図4記載のテナント情報データベース130の契約数参照)。
【0043】
接続切替えサーバ100は、端末400からのサービス要求(クエリ)を受け付け、当該端末400が属するテナントに対応した接続情報に基づいてデータベース管理サーバ300にクエリを転送し、検索結果を得て端末400に返信する。この検索結果は、接続情報に含まれる識別情報で識別されるデータベース310を用いた検索処理の結果である。
【0044】
このような接続切替えサーバ100を利用することで端末400の利用者は、当該利用者または当該端末400がテナントに属することを確認するアクティベーション処理後に、当該テナントに対応したデータベース310を用いた検索サービスを利用できるようになる。異なるテナントの端末400の通信先は同一の接続切替えサーバ100であるが、利用するデータベース310はテナントごとに異なる。
またサービス提供システム10を提供する事業者は、テナントごとにサーバ(接続切替えサーバ100やデータベース管理サーバ300)を用意する必要がなく、低コストでサービスを提供できるようになる。
【0045】
≪変形例:アクティベーション情報データベース≫
上記した実施形態においてアクティベーション情報データベース140(図5参照)は、アクティベーション識別情報と接続情報とを関連付けてデータであるが、これに限らない。アクティベーション情報データベースは、アクティベーション識別情報とテナント識別情報とを関連付けてデータであってもよい。この場合に接続先判定部113は、アクティベーション情報データベースを参照して、アクティベーション識別情報に対応するテナント識別情報を取得し、さらにテナント情報データベース130(図4参照)を参照してテナント識別情報に対応する接続情報を取得する。なおアクティベーション受付部111は、アクティベーション識別情報とテナント識別情報とを関連付けてアクティベーション情報データベースに登録する(図6記載のステップS15参照)ようにする。
【0046】
≪変形例:アクティベーション処理≫
上記した実施形態においてアクティベーション識別情報は端末400が生成して、テナント識別情報とともに接続切替えサーバ100に送っている。端末400が生成するのではなく、テナント識別情報を受信してアクティベーション受付部111がアクティベーション識別情報を生成して、端末400に送るようにしてもよい。
【0047】
≪第2実施形態≫
第1実施形態では、データベース310での検索結果そのものが端末400に送信されている(図7記載のステップS25~S27参照)。接続切替えサーバが検索結果を処理して端末400に送信してもよい。
【0048】
図8は、第2実施形態に係る接続切替えサーバ100Aの機能ブロック図である。第1実施形態に係る接続切替えサーバ100(図3参照)と比較して、制御部110がサービス処理部115を備える。サービス処理部115は検索結果を処理し、処理結果を端末400に送信する。例えばクエリ(後記する図9記載のステップS44参照)が複数のクエリを含み、サービス処理部115は、複数の検索結果(ステップS46参照)を併合する処理を行い、処理結果(ステップS48参照)として端末400に送信してもよい。
【0049】
図9は、第2実施形態に係る業務処理のシーケンス図である。なお端末400と接続切替えサーバ100Aとの間では、安全な通信路が設立済みであり、通信データの盗聴や詐称はないものとする。
ステップS41~S46は、ステップS21~S26と同様である。
【0050】
ステップS47においてサービス処理部115は、データベース管理サーバ300から受信した検索結果を処理する(例えば複数の検索結果を併合する)。
ステップS48においてサービス処理部115は、ステップS47の処理の結果を端末400に送信する。
ステップS49においてサービス要求部412は、入出力部480に接続されたディスプレイに処理結果を表示する。
【0051】
≪第2実施形態:接続切替えサーバの特徴≫
接続切替えサーバ100Aは、検索結果に対して処理を実行して端末400に送信する。このようにすることで接続切替えサーバ100Aは、単なるデータベースの検索処理だけではなく付加サービスを提供することができるようになる。
【0052】
≪変形例:サービス≫
上記した実施形態においてサービス提供システム10は、データベースのサービス(検索サービス)を提供するが、これに限らない。データベース管理サーバ300は、Web会議やスケジュール管理、CRM(Customer Relationship Management)、ERP(Enterprise Resource Planning)などのサービスを提供するサーバであってもよい。
【0053】
≪その他変形例≫
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。例えば第1実施形態の変形例としてアクティベーション情報データベース140(図5参照)が、アクティベーション識別情報とテナント識別情報とを関連付けて記憶する形態を説明した。他にテナント情報データベース130(図4参照)が、テナント識別情報と接続情報とが関連付けられたテーブル、および、テナント識別情報と端末数と契約数とが関連付けられたテーブルを含んで構成されてもよい。このようにテナント情報データベース130やアクティベーション情報データベース140は、様々なデータ構成を取りうる。
【0054】
本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0055】
≪ハードウェア構成≫
図10は、第1および第2実施形態に係る接続切替えサーバ100,100Aやデータベース管理サーバ、端末400などのハードウェア構成図である。接続切替えサーバ100やデータベース管理サーバや端末400は、CPU901と、RAM902と、ROM903と、SSD904と、通信I/F905と、入出力I/F906と、メディアI/F907とを有するコンピュータ900として構成される。なおI/Fはインターフェイスのことである。
【0056】
通信I/F905は、外部の通信装置915と接続される。入出力I/F906は、入出力装置916と接続される。メディアI/F907は、記録媒体917からデータを読み書きする。さらに、CPU901は、RAM902に読み込んだプログラム(アプリケーションや、その略のアプリとも呼ばれる)を実行することにより、各処理部を改善制御する。そして、このプログラムは、通信回線を介して配布したり、CD-ROM等の記録媒体917に記録して配布したりすることも可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 サービス提供システム
100 接続切替えサーバ
111 アクティベーション受付部
112 サービス要求受付部
113 接続先判定部
114 接続先切替え部
115 サービス処理部
128 プログラム
130 テナント情報データベース
140 アクティベーション情報データベース
300 データベース管理サーバ
400 端末
411 アクティベーション処理部
412 サービス要求部
421 アクティベーション識別情報
【要約】
【課題】アクティベーションに応じて利用するサービスの切り替えを可能とする。
【解決手段】接続切替えサーバ100は、サービスを利用する権利を示すアクティベーション識別情報を含むサービス要求を受け付けるサービス要求受付部112と、アクティベーション識別情報およびサービス要求を処理するサービスへの接続情報が関連付けられて記憶されるアクティベーション情報データベースを参照して、サービス要求の接続情報を取得する接続先判定部113と、サービス要求を前記接続情報に対応したサービスを提供するサーバに送信する接続先切替え部114と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10