(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】照明デバイス
(51)【国際特許分類】
F21V 9/02 20180101AFI20240401BHJP
F21S 8/00 20060101ALI20240401BHJP
F21V 9/08 20180101ALI20240401BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20240401BHJP
F21K 9/62 20160101ALI20240401BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20240401BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20240401BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240401BHJP
【FI】
F21V9/02
F21S8/00 100
F21V9/08
F21V7/00 320
F21K9/62
H05B47/155
H05B47/105
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2023515711
(86)(22)【出願日】2021-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2021074442
(87)【国際公開番号】W WO2022053419
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-05-09
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッセンベルフ ミシェル コルネリス ヨセフス マリー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ スルイス バルテル マリヌス
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンダール レーンダート テウニス
(72)【発明者】
【氏名】クライン マルセリヌス ペトルス カロルス ミカエル
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/191250(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/091060(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/033553(WO,A1)
【文献】特開2018-170156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 9/02
F21S 8/00
F21V 9/08
F21V 7/00
F21K 9/62
H05B 47/155
H05B 47/105
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに垂直に向けられる第1の軸及び第2の軸を有するエンクロージャを含む、照明デバイスであって、
前記エンクロージャは、前記第1の軸に平行な方向に互いに隣り合って配置される複数のサブスペースを前記エンクロージャ内に形成するために複数の仕切り要素によって前記第2の軸に平行な方向に互いに離間する裏面及び前面を含み、各サブスペースは、第1の反射内面及び第2の反射内面を含み、すべてのサブスペースについて、前記第2の反射内面は、前記第1の軸に平行な同一方向において前記第1の反射内面に対向して位置し、
各サブスペースは、光出力で前記前面に向かって光を発するように配置される光源を含み、前記光出力は、400~490nmの青色波長範囲及び490~700nmの非青色波長範囲における光ビームを含み、前記光出力の第1の部分は、前記サブスペースの前記第1の反射内面に入射し、前記光出力の第2の部分は、前記サブスペースの前記第2の反射内面に入射し、
前記青色波長範囲内の光に対して、前記第1の反射内面は第1の青色反射率を有し、前記第2の反射内面は第2の青色反射率を有し、前記第1の青色反射率は20%より大きく、前記第2の青色反射率は20%未満である、照明デバイス。
【請求項2】
前記非青色波長範囲内の光に対して、前記第2の反射内面は、前記第2の青色反射率より高い第2の非青色反射率を有する、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
前記青色波長範囲内の光に対して、前記第1の青色反射率は>80%である、請求項1又は2に記載の照明デバイス。
【請求項4】
前記第1の反射内面及び前記第2の反射内面の少なくとも一方は、カラーピグメントを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項5】
前記第1の反射内面及び前記第2の反射内面の少なくとも一方の前記カラーピグメントは、当該第1の反射内面及び当該第2の反射内面において不均一に分布する、請求項4に記載の照明デバイス。
【請求項6】
前記光源は、カラー光を発するように構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項7】
前記複数のサブスペースのうちの少なくとも1つのサブスペースは、前記前面に配置されるレンズを含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項8】
前記複数の仕切り要素のうちの少なくとも1つの仕切り要素は、板状であり、前記第2の軸に対してある角度で配置される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの仕切り要素は、前記角度に関して調整可能に配置される、請求項8に記載の照明デバイス。
【請求項10】
前記複数のサブスペースは、前記第1の軸に沿った列に配置されるサブスペースのアレイである、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項11】
前記複数のサブスペースは、前記第1の軸に沿った
複数の列、及び前記第1の軸に垂直であり、前記第2の軸に垂直である第3の軸に沿った
複数の行に配置されるサブスペースのマトリクスである、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明デバイスと、
前記照明デバイスの向きに基づいて前記光源の動作を制御するように構成される制御ユニットと、
を含む、照明システム。
【請求項13】
当該照明システムは、前記照明デバイスの向きを感知するように構成される少なくとも1つのセンサを含み、前記制御ユニットは、前記少なくとも1つのセンサによって感知される前記照明デバイスの向きに基づいて前記光源の動作を制御するように構成される、請求項12に記載の照明システム。
【請求項14】
前記制御ユニットは、前記照明デバイスの向きを感知するように構成される外部ユニットから前記照明デバイスの向きの入力を受けるように構成される、請求項12又は13に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、本物の窓のリアルな外観を提供することができる人工窓の形態の照明デバイスに関する。とりわけ、本発明は、発光ダイオード(LED:light emitting diode)を含むこのような照明デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
イルミネーション目的のための発光ダイオード(LED)の使用は注目を集め続けている。白熱灯、蛍光灯、ネオン管灯等と比較して、LEDは、より長い稼働寿命、低電力消費、光エネルギと熱エネルギの比に関する効率の増加等、多くの利点がある。
【0003】
LEDの応用分野の1つは、いわゆる人工窓の形態の照明デバイス内にあり、この種の照明デバイスは、本物の窓のリアルな外観を提供するために、昼光(daylight)、サンシャイン(sunshine)等を模倣するように構成される。人工昼光窓の典型的な例は、人工天窓である。これらの天窓は、光ビームにおける青色光の一部を散乱させるナノ粒子を含む光透過性窓を照らす集束光ビームに基づく光学アーキテクチャを有することがある。これは、青空効果(blue sky effect)と同時に、窓からの直接人工サンライトビーム(direct beam of artificial sunlight)を作り出す。代替的な光学アーキテクチャは、キャビティ内の無指向性(又は全方向性)光源に基づく。キャビティの出口窓は、キャビティ内の構造物を隠すためにわずかに拡散性又はクリアである。このようにして、青い側壁を経由してキャビティから出る光は青空効果を作り出すことができ、一方、光源からの直接光は、よく区切られた人工サンライトビーム(well delimited beam of artificial sunlight)を作り出すことができる。
【0004】
しかしながら、上記のような人工天窓は、壁、とりわけ垂直壁に人工窓として設けられるのには適していない。注目すべきは、人工天窓は、壁に適用された場合、不自然な効果をレンダリングする空の外観(appearance)を提供する。したがって、人工窓の形態の照明デバイス、とりわけ、壁に配置されることが意図されるこの種の照明デバイスの特性を改善することが関心事である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、人工窓の形態の照明デバイス、とりわけ、壁への配置が意図されるこの種の照明デバイスの特性を改善することが関心事である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この及び他の目的は、独立請求項における特徴を有する照明デバイスを提供することによって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項において定義される。
【0007】
したがって、本発明によれば、例えば、壁に配置するための人工窓(artificial window)の形態の、照明デバイスが提供される。照明デバイスは、互いに垂直に向けられる第1の軸A及び第2の軸Bを有するエンクロージャを含む。エンクロージャは、第1の軸Aに平行な方向に互いに隣り合って配置される複数のサブスペース(sub-space)をエンクロージャ内に形成するために複数の仕切り要素によって第2の軸Bに平行な方向に互いに離間する裏面及び前面を含む。各サブスペースは、第1の反射内面及び第2の反射内面を含み、すべてのサブスペースについて、第2の反射内面は、第1の軸に平行な同一方向において第1の反射内面に対向して位置する。各サブスペースはさらに、光出力で前面に向かって光を発するように配置される光源を含む。光出力は、400~490nmの青色波長範囲及び490~700nmの非青色波長範囲における光ビームを含む。光出力の第1の部分は、サブスペースの第1の反射内面に入射し、光出力の第2の部分は、サブスペースの第2の反射内面に入射する。青色波長範囲内の光に対して、第1の反射内面は第1の青色反射率を有し、第2の反射内面は第2の青色反射率を有し、第1の青色反射率は20%より大きく、第2の青色反射率は20%未満である。
【0008】
斯くして、本発明は、例えば、壁に配置するための、人工窓の形態の、照明デバイスを提供するという思想に基づく。動作中に照明デバイスから発せられる光は、照明デバイスからの第1の(下向き)方向において、青色、若しくは少なくとも青色様の(blue-like)色、及び/又は白色の比較的高い反射率、並びに、照明デバイスからの第2の(上向き)方向において、青色、若しくは少なくとも青色様の色の比較的低い反射率を有する。その結果、照明デバイスの前で照明デバイスに向かって斜め上向き方向を見る観察者は、(明るい)青空に似ている、(複数の)青色、青色様の色、及び/又は白色を有する光を知覚することができ、窓に向かって斜め下向き方向を見る観察者は、光を青色、又は青色様の色として知覚しないことができる。
【0009】
本発明は、照明デバイスが、これにより、例えば「地平線(horizon)」の上方の、照明デバイスの上部を見る観察者に対して(明るい)青空の効果を効率的且つ簡便に達成し得るという点で有利である。さらに、観察者は、照明デバイスの下部を見ることで、青色又は青色様の色を知覚しない(又は限定的にしか知覚しない)ことができる。その結果、照明デバイスは、観察者に対して、「現実の(real)」窓であるという本物の及び/又はリアルな印象(authentic and/or realistic impression)をレンダリングすることができる。さらに、本発明の照明デバイスは、人工窓に向かって斜め下向き方向を見る観察者が光を青空として知覚し、本物ではない及び/又はリアルではない(non-authentic and/or non-realistic)と知覚され得るという従来技術の欠点を克服する。
【0010】
本発明はさらに、その様々な設定、構成(configuration)及び/又はデザインに起因する、照明デバイスの汎用性(versatility)が、「現実の」窓のリアルな及び/又は本物の印象を達成することができるという点で有利である。
【0011】
本発明はさらに、照明デバイスが光源として1つ以上のLEDを備えることにより、先に述べたような照明デバイスの望ましい特性を実現すると同時に、LED技術を使用することによる多数の利点を提供し得るという点で有利である。
【0012】
本発明の照明デバイスは、現実の、本物の窓の印象を観察者に提供するように配置されてもよい。照明デバイスのエンクロージャは、互いに垂直に向けられる第1の軸A及び第2の軸Bを有する。したがって、エンクロージャは、第1の軸Aに沿って、及び第2の軸Bに沿って延びる。第1の軸Aは、垂直軸であってもよく、第2の軸Bは、水平軸であってもよいことが理解されるであろう。ここで、用語「垂直(vertical)」及び「水平(horizontal)」は、それぞれ「本質的に垂直(essentially vertical)」及び「本質的に水平(essentially horizontal)」も包含し、すなわち、エンクロージャは、垂直及び水平に、又はほぼ/実質的に垂直及び水平に延びてもよい。例えば、照明デバイスのエンクロージャは、照明デバイスが配置又は取り付けられることが意図される壁に沿って延びてもよい。エンクロージャは、複数の仕切り要素によって第2の軸Bに平行な方向に互いに離間する裏面及び前面を含む。ここで、用語「仕切り要素(partitioning elements)」は、バッフル、プレート等、エンクロージャを仕切る又は分割するための実質的に任意の要素を意味する。仕切り要素は、エンクロージャ内に、第1の軸Aに平行な方向に互いに隣り合って配置される複数のサブスペースを形成する。したがって、2つの隣接して配置される仕切り要素は、少なくとも部分的にエンクロージャのサブスペースを定義する。この配置により、各サブスペースは、2つの隣接して配置される仕切り要素の間で第1の軸Aに沿って、及び、エンクロージャの裏面からエンクロージャの前面に向かって第2の軸Bに沿って延びる。したがって、仕切り要素は、照明デバイスのエンクロージャをサブスペースに仕切る又は分割する。各サブスペースは、例えば、2つの隣接して配置される仕切り要素の内側に、それぞれ第1の反射内面及び第2の反射内面を含む。第1の反射内面は、第1の軸Aに平行な同一方向において第2の反射内面に対向して位置する。
【0013】
照明デバイスの各サブスペースはさらに、光出力で前面に向かって光を発するように配置される光源を含む。光出力は、400~490nmの青色波長範囲及び490~700nmの非青色波長範囲における光ビームを含む。用語「青色波長範囲(blue wavelength range)」は、ここでは、400~490nmの第1の波長範囲を意味し、光は、青色、又は少なくとも青色様の色である(複数の)色を含む。同様に、用語「非青色波長範囲(non-blue wavelength range)」は、ここでは、490~700nmの第2の波長範囲を意味し、光は、青色でも、青色様の色でもない(複数の)色を含む。照明デバイスの動作中、光出力の第1の部分は、サブスペースの第1の反射内面に入射し、光出力の第2の部分は、サブスペースの第2の反射内面に入射する。したがって、照明デバイスの動作中に光源から発せられる光の第1の部分又は一部は、(複数の)サブスペースの(複数の)第1の反射面に当たるように構成される。同様に、照明デバイスの動作中に光源から発せられる光の第2の部分又は一部は、(複数の)サブスペースの(複数の)第2の反射面に当たるように構成される。したがって、光出力の第1の部分は、第1の反射内面から反射され、第2の軸Bに対して第1の方向に前面においてサブスペースから伝搬する。照明デバイスが垂直に配置される場合、光出力の第1の部分は、第2の軸Bに対して斜め下向き方向に前部においてサブスペースから伝搬する。言い換えれば、照明デバイスの前にいる観察者は、斜め上向き方向において照明デバイスから発せられる光出力の第1の部分を知覚することになる。同様に、光出力の第2の部分は、第2の反射内面から反射され、第2の軸Bに対して第2の方向に前面においてサブスペースから伝搬する。照明デバイスが垂直に配置される場合、光出力の第2の部分は、第2の軸Bに対して斜め上向き方向に前面においてサブスペースから伝搬する。言い換えれば、照明デバイスの前にいる観察者は、斜め下向き方向において照明デバイスから発せられる光出力の第2の部分を知覚することになる。
【0014】
青色波長範囲内の光に対して、第1の反射内面は第1の青色反射率を有し、第2の反射内面は第2の青色反射率を有する。言い換えれば、400~490nmの第1の波長範囲内の光に対して、第1の反射内面及び第2の反射内面は、それぞれ、第1の青色反射率及び第2の青色反射率を有する。用語「青色反射率(blue reflectance)」は、ここでは、光の(複数の)青色、又は少なくとも青色様の色の反射率を意味する。第1の青色反射率は20%より大きく、第2の青色反射率は20%未満である。言い換えれば、第1の反射内面の反射率は、青色、又は少なくとも青色様の色である光の(複数の)色に対して比較的高い。例えば、斜め上向き方向において照明デバイスから発せられる光を知覚する、照明デバイスの前にいる観察者は、例えば照明デバイスの上部において、(複数の)青色、又は少なくとも青色様の色を有する光を知覚することができる。さらに、第2の反射内面の反射率は、青色、又は少なくとも青色様の色である光の(複数の)色に対して比較的低い。例えば、斜め下向き方向において照明デバイスから発せられる(複数の)第2の光ビームを知覚する、照明デバイスの前にいる観察者は、例えば照明デバイスの下部において、光の色を青色としても、青色様の色としても知覚しないことができる。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、非青色波長範囲内の光に対して、第2の反射内面は、第2の青色反射率より高い第2の非青色反射率を有してもよい。用語「非青色反射率(non-blue reflectance)」は、ここでは、490~700nmの第2の波長範囲内の光、すなわち、青色でも、青色様の色でもない光の(複数の)色の反射率を意味する。言い換えれば、第2の反射内面の第2の非青色反射率は、青色又は青色様の色を表す、400~490nmの第1の波長範囲内の光と比較して、青色又は青色様の色以外の色を表す、490~700nmの第2の波長範囲内の光に対してより高くてもよい。本実施形態は、第2の反射内面から反射される光が、さらに高い程度で、第1の反射内面から反射される光の青(空様の)色(blue (sky-like) color)から知覚的に分離され得るという点で有利である。より具体的には、第2の反射内面から反射される光は、例えば、「地上様の(earth-like)」色を表し得る、茶色、緑色、又はそれらの組み合わせとして知覚されることができる。言い換えれば、「地平線」の上方の照明デバイスの部分は、(明るい)青空及び/又は曇り空のように見えることができ、一方、「地平線」の下方の照明デバイスの部分は、例えば、(複数の)茶色及び/又は緑色によって、より暗く見えることができる。したがって、本実施形態によって、照明デバイスの前にいる観察者は、例えば、照明デバイスの上部から、空に似ている、(複数の)青色、又は少なくとも青色様の色を有する光を知覚することができ得、一方、観察者は、例えば、照明デバイスの下部から、土、草、(複数の)低木、(複数の)生垣等に似ている、茶色、緑色又はそれらの組み合わせを有する光を知覚することができ得る。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、青色波長範囲内の光に対して、第1の青色反射率は>80%であってもよい。したがって、400~490nmの波長範囲内の光の第1の反射内面の比較的高い反射率に起因して、第1の反射内面から反射される光は、さらに高い程度で、(複数の)青色又は青色様の色を含むことができる。本実施形態は、照明デバイスの前にいる観察者が、さらに高い程度で、照明デバイス(の上部)から発せられる光を空として知覚し得るという点で有利である。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、第1の反射内面及び第2の反射内面の少なくとも一方は、カラーピグメント(color pigment)を含んでもよい。例えば、(複数の)第1の反射内面は、青色又は青色様の色のピグメントを含んでもよく、並びに/又は、(複数の)第2の反射内面は、例えば緑色(様の色)及び/若しくは茶色(様の色)のピグメントを含んでもよい。本実施形態は、(複数の)第1及び/又は第2の反射内面が、所望の色特性を有する光を都合よく反射することができ、その結果、人工窓の形態の照明デバイスを観察者に対してさらにいっそうリアルに又は本物らしくレンダリングし得るという点で有利である。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、第1の反射内面及び第2の反射内面の少なくとも一方のカラーピグメントは、当該第1の反射内面及び当該第2の反射内面において不均一に分布してもよい。言い換えれば、(複数の)第1及び/又は第2の反射内面の(複数の)ある(第1の)部分は、あるカラーピグメント(例えば、白色ホスト材料中の青色ピグメント)の比較的高い濃度を有してもよく、一方、(複数の)第1及び/又は第2の反射内面の(複数の)ある(第2の)部分は、当該カラーピグメントの比較的低い濃度を有してもよい。この実施形態は、カラーピグメントの組み合わせについても実施可能であることが理解されるであろう。本実施形態は、人工窓の形態の照明デバイスが、動作中に観察者に対する「現実の」窓の本物性(authenticity)さらにいっそう高め得るという点で有利である。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、光源は、カラー光(colored light)を発するように構成されてもよい。例えば、光源は、第1の色(例えば、青色)を有する光、並びに/又は、第2及び/若しくは第3の色(例えば、緑色及び/又は黄色)を有する光を発するように構成されてもよい。本実施形態は、相関色温度(CCT:correlated color temperature)が、例えば、異なる季節又は時刻を模倣するために、照明デバイスの光源からの白色光を都合よく変更し得るという点で有利である。本実施形態はさらに、照明デバイスが、照明デバイスから所望の方向に所望の色特性を有する光を発し得るという点で有利である。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、複数のサブスペースのうちの少なくとも1つのサブスペースは、その前面に配置されるレンズを含んでもよい。本実施形態は、照明デバイスが、照明デバイスの光源から発せられる光を集束及び/又は分散させるように構成されることができ、その結果、照明デバイスが、観察者による本物の窓のさらにいっそうリアルな知覚(perception)を提供することができるという点で有利である。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、複数の仕切り要素のうちの少なくとも1つの仕切り要素は、板状であってもよく、第2の軸Bに平行に配置されてもよい。本実施形態は、光が第1の反射内面から効率的に反射され得、第2の軸Bに対して第1の方向に照明デバイスから伝搬し得、同様に、光が第2の反射内面から効率的に反射され得、第2の軸Bに対して第2の方向に照明デバイスから伝搬し得るという点で有利である。
【0022】
さらに、本発明のさらに別の実施形態によれば、複数の仕切り要素のうちの少なくとも1つの仕切り要素は、板状であってもよく、第2の軸Bに対して角度αで配置されてもよい。例えば、角度αは、観察者が照明デバイスの比較的高い部分において空を知覚し得るように設定されてもよい。本実施形態は、観察者が照明デバイスからの異なる光を知覚する(複数の)角度が設定又はカスタマイズされ得るという点で有利である。例えば、異なる階に部屋がある建物(例えば、オフィス、住宅)の場合、照明デバイスは、地平線が建物の上に行くほど低く知覚されるように調整可能な仕切り要素によって設定又はカスタマイズされてもよい。さらに、本実施形態は、照明デバイスが傾斜した壁に配置される場合、地平線を保つための照明デバイスの調整を可能にするという点でも有利である。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの仕切り要素は、角度αに関して調整可能に(adjustably)配置されてもよい。したがって、仕切り要素の1つ以上は、照明デバイスの動作中に角度αに関して調整されてもよい。本実施形態は、照明デバイスの(複数の)仕切り要素の調整可能性(adjustability)が、人工窓の形態の照明デバイスの本物性を高め得るという点で有利である。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、複数のサブスペースは、第1の軸Aに沿った列に配置されるサブスペースのアレイであってもよい。本実施形態は、例えば長方形の、例示される照明デバイスが、住宅、オフィス等の建物の壁に都合よく配置可能であり得るという点で有利である。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、複数のサブスペースは、第1の軸Aに沿った少なくとも1つの列、及び第1の軸Aに垂直であり、第2の軸Bに垂直である第3の軸Cに沿った少なくとも1つの行に配置されるサブスペースのマトリクスであってもよい。本実施形態は、照明デバイスが、例えば正方形及び/又は矩形である、「現実の」窓の比較的一般的な形態を有し得るという点で有利である。例えば、「現実の」窓は、本実施形態の照明デバイスによって都合よく置き換えられることができる。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、上述した実施形態のいずれかによる照明デバイスを含む照明システムが提供される。照明システムはさらに、照明デバイスの向きに基づいて光源の動作を制御するように構成される制御ユニットを含む。用語「動作(operation)」は、ここでは、「オン(on)」状態、「オフ(off)」状態、調光、色設定等のうちの1つ以上を意味する。例えば、傾斜している(例えば、厳密には垂直ではない)壁上の照明デバイスの配置の場合、制御ユニットは、照明デバイスのこの傾斜した向きに基づいて光源の動作を制御するように構成されてもよい。本実施形態は、照明デバイスが、照明デバイスから発せられる光を補正するために、照明デバイスが取り付けられ得る壁の(複数の)特性に適合され得るという点で有利である。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、照明システムはさらに、照明デバイスの向きを感知するように構成される少なくとも1つのセンサを含み、制御ユニットは、少なくとも1つのセンサによって感知される照明デバイスの向きに基づいて複数の光源のうちの少なくとも1つの光源の動作を制御するように構成されてもよい。本実施形態は、(複数の)センサを介して、照明デバイスが、照明デバイスが配置され得る壁の(複数の)特性にさらにいっそう効率的に適合され得るという点で有利である。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、制御ユニットは、照明デバイスの向きを感知するように構成される外部ユニットから照明デバイスの向きの入力を受けるように構成されてもよい。
【0029】
本発明のさらなる目的、特徴及び利点は、以下の詳細な開示、図面及び添付の特許請求の範囲を検討する際に明らかになるであろう。当業者は、本発明の異なる特徴が、以下で述べられるもの以外の実施形態を創出するために組み合わされることができるということを認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明のこの及び他の態様が、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照して、より詳細に述べられる。
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態による照明デバイスの側面図を概略的に示す。
【
図2】
図2a~cは、本発明の例示的な実施形態による照明デバイスの仕切り要素のペアを概略的に示す。
【
図3】
図3a~bは、本発明の例示的な実施形態による照明デバイスの正面図を概略的に示す。
【
図4】
図4は、本発明の例示的な実施形態による照明デバイスの正面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明の例示的な実施形態による照明デバイス100を概略的に示している。照明デバイス100は、互いに垂直に向けられる第1の軸A及び第2の軸Bを有するエンクロージャ120を含む。この例示的な実施形態では、第1の軸Aは垂直であり、第2の軸Bは水平である。照明デバイス100は垂直な壁に配置され、それに応じて、エンクロージャ120は垂直に延びる。エンクロージャ120は、実質的に任意の形状、形態又はデザインを有してもよく、
図1に示されるエンクロージャ120は、その例示的な形状を表すことに留意されたい。
【0032】
エンクロージャ120は、裏面150及び前面160を含む。裏面150は、照明デバイス100の前にいる観察者に近い、前面160と比較して、照明デバイス100の前にいる観察者から遠くに配置される。裏面150及び前面160は、複数の仕切り要素130a~fによって第2の軸Bに平行な方向に互いに離間している。仕切り要素130a~fは、エンクロージャ120内で第1の軸Aに沿って互いに間隔をあけている。仕切り要素130a~fの数は任意であり、エンクロージャ120は実質的に任意の数の仕切り要素130a~fを含んでもよいことに留意されたい。ここで、仕切り要素130a~fは、バッフル、プレート等として例示される。しかしながら、仕切り要素130a~fの1つ以上は、代替的に、(複数の)他の形状をとってもよい。さらに、仕切り要素130a~fは、第2の軸Bに平行に配置されるように例示されている。しかしながら、仕切り要素130a~fの1つ以上は、代替的に、第2の軸Bに対して非平行方向に配置されてもよい。
【0033】
照明デバイス100のエンクロージャ120内で、仕切り要素130a~fは、第1の軸Aに平行な方向に互いに隣り合って配置される複数のサブスペース140a~eを形成する。したがって、複数の仕切り要素130a~fの任意の2つの隣接して配置される仕切り要素は、エンクロージャ120の複数のサブスペース140a~eのそれぞれのサブスペースを少なくとも部分的に画定する。複数のサブスペース140a~eのそれぞれのサブスペースは、第1の軸Aに沿って、及び第2の軸Bに沿って、エンクロージャ120の裏面150からエンクロージャ120の前面160に向かって延びる。例えば、
図1において、最上部のサブスペース140aは、第2の軸Bに沿って裏面150及び前面160によって、及び、第1の軸Aに沿って仕切り要素130a及び130bによって少なくとも部分的に画定される。
【0034】
複数のサブスペース140a~eの各サブスペースは、第1の反射内面170を含む。
図1では、複数の仕切り要素130a~fの2つの隣接して配置される仕切り要素の第1(上側)の仕切り要素の表面が、第1の反射内面170を含む。例えば、照明デバイス100のエンクロージャ120のサブスペース140bにおいて、第1(上側)の仕切り要素130bは、第1の反射内面170を含む。同様に、複数の仕切り要素130a~fの2つの隣接して配置される仕切り要素の第2(下側)の仕切り要素の表面が、第2の反射内面180を含む。例えば、照明デバイス100のエンクロージャ120のサブスペース140bにおいて、第2(下側)の仕切り要素130cは、第2の反射内面180を含む。したがって、第2の反射内面180は、第1の軸Aに平行な同一方向において複数のサブスペース140a~eの各サブスペースについて第1の反射内面170に対向して位置する。
【0035】
複数のサブスペース140a~eの各サブスペースは、光源110を含む。
図1において、光源110は、好ましくは発光ダイオード(LED)である、複数の光源110として例示される。複数の光源110は、好ましくは、白色光を放出するように構成されてもよい。例えば、複数の光源110は、異なる白の色合い(shade)を発するように構成されてもよく、さらに、発せられる光を冷白色光から温白色光まで変化させるように構成されてもよい。代替的に、複数の光源110の異なる光源は、カラー光を発するように構成されてもよい。
図1の例示的な実施形態によれば、複数の光源110は、複数のサブスペース140a~eの各サブスペースの上部190において、エンクロージャ120の裏面150に配置される。例えば、
図1のサブスペース140bにおいて、光源は、サブスペース140bの右側上部に配置されている。
【0036】
レンズが、照明デバイス100のエンクロージャ120の複数のサブスペース140a~eのうちの1つ以上のサブスペースの前面160に設けられている。例えば、レンズの焦点面は、複数の光源110からの光をコリメートするために、複数の光源110の平面に比較的近くてもよい。この配置は、照明デバイス100からの人工サンライトビーム(artificial beam of sunlight)を作り出し得る。
【0037】
図1において、光源110から発せられる第1の光ビーム200は、第1の反射内面170から反射される。第1の光ビーム200は、第2の軸Bに対して斜め下向き方向として例示される、第1の方向にサブスペースの前面160において複数のサブスペース140a~dのサブスペースから伝搬する。例えば、サブスペース140bから、第1の光ビーム200は、第1の反射内面170から反射され、その前面160において照明デバイス100のサブスペース140bから伝搬する。ここでは、第1の光ビーム200は、第2の軸Bに対して斜め下向き方向、ほぼ45°で照明デバイス100から反射される。照明デバイス100の前にいる(ここでは、概略的に示された眼201によって表される)観察者は、これにより、斜め上向き方向において照明デバイス100から発せられる第1の光ビーム200を知覚することができる。同様に、光源から発せられる第2の光ビーム210は、第2の反射内面180から反射される。第2の光ビーム210は、第2の軸Bに対して斜め上向き方向として例示される、第2の方向に前面160において複数のサブスペース140a~dのサブスペースから伝搬する。例えば、サブスペース140bから、第2の光ビーム210は、第2の反射内面180から反射され、第2の軸Bに対して斜め上向き方向、ほぼ45°でその前面160において照明デバイス100のサブスペース140bから伝搬する。照明デバイス100の前にいる(ここでは、眼211によって表される)観察者は、これにより、斜め下向き方向において照明デバイス100から発せられる第2の光ビーム210を知覚することができる。
【0038】
照明デバイス100の光源110からの光出力は、400~490nmの青色波長範囲及び490~700nmの非青色波長範囲における光ビームを含む。第1の反射内面の第1の青色反射率は、青色波長範囲、すなわち、400~490nm内の光に対して>20%である。したがって、第1の反射内面170の第1の青色反射率は、青色、又は少なくとも青色様の色である光源からの光の(複数の)色に対して比較的高い。したがって、斜め上向き方向において照明デバイス100から発せられる第1の光ビーム200を知覚する、照明デバイス100の前にいる(ここでは、概略的に示された眼201によって表される)観察者は、400~490nmの波長範囲内の光に対応する、(複数の)青色、又は少なくとも青色様の色を有する光を知覚することができる。
【0039】
第2の反射内面180の第2の青色反射率は、青色波長範囲、すなわち、400~490nm内の光に対して<20%である。したがって、第2の反射内面の反射率は、青色、又は少なくとも青色様の色である(複数の)光源からの光の(複数の)色に対し比較的低い。したがって、斜め下向き方向において照明デバイス100から発せられる第2の光ビーム210を知覚する、照明デバイス100の前にいる(ここでは、概略的に示された眼211によって表される)観察者は、光の色を青色としても、青色様の色としても知覚しないことができる。
【0040】
図1の照明デバイス100のさらなる例又は実施形態が、以下で述べられる。一例によれば、第2の反射内面180は、非青色波長範囲内の光に対して第2の青色反射率より高い第2の非青色反射率を有してもよい。したがって、この例によれば、第2の反射内面180は、動作中に照明デバイス100の光源110から発せられる青色光と比較して非青色光に対してより高い反射率を有する。さらに別の例によれば、第1の反射内面170の第1の青色反射率は、>80%であってもよい。したがって、この例によれば、第1の反射内面170の第1の青色反射率は、青色、又は少なくとも青色様の色である光源からの光の(複数の)色に対して(非常に)高い。
【0041】
光源110が白色光を発するように構成される場合、光は、レンズ、第1の反射内面170及び/又は第2の反射内面180に当たってもよいことに留意されたい。光源がカラー光を発するように構成される場合、光源から発せられる(複数の)光ビームは、第1の反射内面170及び/又は第2の反射内面180に当たるように、すなわち、レンズに直接当たらないように構成される。光源から発せられる光の(複数の)色は、「空の色(sky colors)」に対して青色及び/又は白色であり、「地上の色(earth colors)」に対して緑色、黄色、オレンジ色及び/又は赤色の混合であってもよい。
【0042】
図2aは、本発明の例示的な実施形態による照明デバイスの2つの仕切り要素130a、bを概略的に示している。(第1の、上側の)仕切り要素130aの第1の反射内面170及び(第2の、下側の)仕切り要素130bの第2の反射内面180は、カラーピグメントを含む。例えば、第1の反射内面170は、青色、又は少なくとも青色様のカラーピグメントを含んでもよい。さらに、第1の反射内面170は、少なくとも部分的に半透明であってもよい。さらに、第2の反射内面180は、茶色、緑色、又はそれらの組み合わせ等の地上様の色のカラーピグメントを含んでもよい。代替的な実施形態では、第1及び第2の反射内面170、180のうちの一方(のみ)がカラーピグメントを含んでもよいことが理解されるであろう。
【0043】
図2bは、本発明の例示的な実施形態による照明デバイスの2つの仕切り要素130a、bを概略的に示している。ここでは、第1及び第2の反射内面170、180のいずれか一方、又は第1及び第2の反射内面170、180の両方のカラーピグメントは、それぞれの第1及び第2の反射内面170、180において不均一に分布する。これは、
図2bにおいて、例えば青色カラーピグメント等のあるカラーピグメントの異なる濃度を有する仕切り要素130a、bの部分(それぞれ、より明るい部分及びより暗い部分)によって示されている。少なくとも2つのカラーピグメントの濃度が、照明デバイス100の光源110から発せられる光の色相を変化させるために変えられてもよい(例えば、茶色及び緑色カラーピグメント、又はシアン、マゼンタ及び/若しくは黄色カラーピグメントの濃度を変える)。
図2bにおける第1及び第2の反射内面170、180のカラーピグメントの不均一な分布/濃度は例として提供され、カラーピグメントの実質的に任意の分布/濃度が実現可能であることが理解されるであろう。
【0044】
図2cは、本発明の例示的な実施形態による照明デバイスの2つの仕切り要素130a、bを概略的に示している。ここでは、仕切り要素130a、bの両方が、第2の軸Bに対して角度αで配置される。照明デバイス100のエンクロージャ120における仕切り要素130a、bの位置及び/又は配置は固定されてもよく、すなわち角度αは固定されることが理解されるであろう。代替的に、仕切り要素130a、bの一方又は両方は、例えば、仕切り要素130a、bのそれぞれの端点における1つ以上のピボットポイント(pivot point)(図示せず)を介して、角度αに関して調整可能に配置されてもよい。
図2cの仕切り要素130a、bは、
図2aによるカラーピグメントの実施形態、又は
図2bによるカラーピグメントの異なる分布/濃度の実施形態を含んでもよいことが理解されるであろう。
【0045】
図3a~bは、本発明の例示的な実施形態による照明デバイス100の正面図を概略的に示している。
図3aにおいて、照明デバイス100は、長方形、矩形の形状の照明デバイス100として例示される。
図3aにおける照明デバイス100は、
図1に例示される照明デバイス100に対応及び/又は構成してもよく、照明デバイス100の機能の理解を高めるために、この図及び関連するキャプション(caption)を参照する。
図3aにおいて、照明デバイス100のエンクロージャの複数のサブスペース140a~eは、第1の軸Aに沿ったサブスペース140a~eの単一の線形アレイ又は列として配置されている。
図3bは、
図3aに示されるものと比較した本発明の照明デバイス100の代替的な実施形態を示し、複数のサブスペース140a~eは、第1の軸Aに沿った複数の列に配置され、第1の軸Aに垂直であり、第2の軸Bに垂直である第3の軸Cに沿った複数の行に配置されるサブスペース140a
1、2、…、4~140e
1、2、…、4のマトリクスとして配置されている。照明デバイス100のエンクロージャのサブスペース140a
1、2、…、4~140e
1、2、…、4の列及び行の数は任意であり、一例として提供されていることに留意されたい。
【0046】
図4は、本発明の例示的な実施形態による照明デバイス100の正面図を概略的に示している。ここでは、照明デバイス100は、長方形、矩形の形状の照明デバイス100として例示されているが、照明デバイス100は、実質的に任意の形状及び/又は寸法を有してもよいことに留意されたい。照明デバイス100は、例えば住宅、オフィス等の建物の壁305に垂直に配置される。照明デバイス100から観察者に向かって青色、又は少なくとも青色様の色の光(例えば、波長400~490nmの光)を斜め下向き方向に発することができるものと例示される照明デバイス100の特性に起因して、照明デバイス100の上部310は、観察者によって、青色(又は少なくとも青色様の色)を含む青色/白色の空として知覚されることができる。例えば、照明デバイス100の部分310から発せられる光は、当該部分310の(明るい)青空の効果をレンダリングすることができる。さらに、この例では、照明デバイス100の中央/下部320は、観察者によって、緑色(緑色様の色)、茶色(茶色様の色)、又はそれらの組み合わせ(例えば、波長490~700nmの光)として知覚されることができる。ここでは、照明デバイス100の中央/下部320は木として例示されているが、植生、草、生垣、低木、土等、他のオブジェクト(又はオブジェクトの知覚)が、照明デバイス100によって提供されることがより好ましい及び/又は可能性が高いこともある。さらに、照明デバイス100の底部330は、例えば、中庭の舗装、タイル、(木製の)板等として知覚されることができる。
【0047】
図4において、照明デバイス100は、
図1及び
図3aの配置に従って列(図示せず)に配置される複数のサブスペースを含むものとして例示される。代替的に、照明デバイス100は、
図3bに例示される1つ以上の列及び1つ以上の行に配置されるサブスペースのマトリクスを含んでもよい。
【0048】
さらに、照明デバイス100は、照明システムの一部を形成してもよい。さらに、照明システムは、照明デバイス100の向きに基づいて照明デバイス100の光源の動作を制御するように構成される制御ユニットを含んでもよい。例えば、傾斜している(すなわち、
図4に例示される厳密に垂直な壁305ではない)壁上の照明デバイス100の配置の場合、制御ユニットは、照明デバイス100のこの傾斜した向きに基づいて光源の動作を制御するように構成されてもよい。照明システムはさらに、照明デバイス100の向きを感知するように構成される1つ以上のセンサを含んでもよい。制御ユニットは、これにより、(複数の)センサによって感知される照明デバイス100の向きに基づいて照明デバイス100の光源の動作を制御するように構成される。代替的に、制御ユニットは、照明デバイス100の向きを感知するように構成される外部ユニットから照明デバイス100の向きの入力を受けるように構成されてもよい。
【0049】
上述の照明デバイス100の他の例は、例えば、照明デバイス100の(複数の)レンズの近傍に配置される、少なくとも1つのディフューザ要素を含んでもよい。さらに、複数のサブスペース140a~eとレンズとの間には隙間(gap)があってもよい。照明デバイス100のさらに別の代替例によれば、複数のサブスペース140a~eは、不規則に配置又は分布されてもよい。
【0050】
当業者は、本発明が決して上記の好ましい実施形態に限定されるものではないことを認識する。それどころか、多くの修正及び変形が、添付の特許請求の範囲内で可能である。例えば、照明デバイス100、エンクロージャ120、複数の仕切り要素130a~f、複数のサブスペース140a~e等のうちの1つ以上は、描写された/述べられたものとは異なる形状、寸法及び/又はサイズを有してもよい。