(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】タッチパネルおよび表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240402BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G06F3/041 470
G06F3/041 600
G06F3/044 128
G06F3/041 430
(21)【出願番号】P 2020137472
(22)【出願日】2020-08-17
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】丸山 武紀
(72)【発明者】
【氏名】木田 和寿
(72)【発明者】
【氏名】山岸 慎治
(72)【発明者】
【氏名】山本 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】杉田 靖博
(72)【発明者】
【氏名】福島 浩
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-180978(JP,A)
【文献】国際公開第2018/168423(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0129330(US,A1)
【文献】特開2018-036896(JP,A)
【文献】国際公開第2019/150562(WO,A1)
【文献】特開2014-170334(JP,A)
【文献】特開2017-091135(JP,A)
【文献】特開2017-162234(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0004657(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
G06F 3/041- 3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表面を有する第1基板と、
前記第1表面と対向する第2表面を有する第2基板と、
前記第1表面上に形成されるドライブ電極と、
前記第2表面上に形成される位置センサ電極および押圧センサ電極と、
前記位置センサ電極とセンサ端子部とを接続する位置センサ配線と、
前記押圧センサ電極とセンサ端子部とを接続する押圧センサ配線と、
前記第2基板の平面視において、前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線との間に配置されたシールド配線と、を備
え、
前記第2表面上に形成されたシールド電極を、さらに備え、
前記シールド電極は、前記位置センサ電極および前記押圧センサ電極の間に配置されており、
前記第2基板の平面視において、前記ドライブ電極が前記押圧センサ電極の少なくとも一部を覆っており、前記ドライブ電極の端部の少なくとも一部が前記シールド電極上に位置している、タッチパネル。
【請求項2】
前記シールド配線の電位が、接地電位、または、前記位置センサ配線もしくは前記押圧センサ配線の電位と等しい、請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線とは、前記第2表面上で交互に並んで配置されており、
前記シールド配線は、交互に並んで配置された前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線との間の各々に配置されている、請求項1または2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記シールド配線は、前記シールド電極に接続されている、請求項
1~3のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項5】
第1表面を有する第1基板と、
前記第1表面と対向する第2表面を有する第2基板と、
前記第1表面上に形成されるドライブ電極と、
前記第2表面上に形成される位置センサ電極および押圧センサ電極と、
前記位置センサ電極とセンサ端子部とを接続する位置センサ配線と、
前記押圧センサ電極とセンサ端子部とを接続する押圧センサ配線と、
前記第2基板の平面視において、前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線との間に配置されたシールド配線と、を備え、
前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線とは、前記第2表面上で交互に並んで配置されており、
前記シールド配線は、交互に並んで配置された前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線との間の各々に配置されている
、タッチパネル。
【請求項6】
前記シールド配線の電位が、接地電位、または、前記位置センサ配線もしくは前記押圧センサ配線の電位と等しい、請求項5に記載のタッチパネル。
【請求項7】
第1表面を有する第1基板と、
前記第1表面と対向する第2表面を有する第2基板と、
前記第1表面上に形成されるドライブ電極と、
前記第2表面上に形成される位置センサ電極および押圧センサ電極と、
前記位置センサ電極とセンサ端子部とを接続する位置センサ配線と、
前記押圧センサ電極とセンサ端子部とを接続する押圧センサ配線と、
前記第2基板の平面視において、前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線との間に配置されたシールド配線と、を備え、
前記第2表面上の第1方向に並ぶように分割された複数の分割領域の各々に対応して、前記センサ端子部が設けられており、
前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線とは、前記第2表面上で前記第1方向に交差または直交する第2方向に並んで配置されており、
前記シールド配線は、前記第2方向に並んで配置された前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線との間に配置されている
、タッチパネル。
【請求項8】
前記ドライブ電極に接続され、前記第1表面上に形成されるドライブ配線と、
前記ドライブ配線に接続されたドライブ端子部と、をさらに備え、
前記ドライブ端子部は、前記第1基板および前記第2基板の平面視において、前記複数の分割領域の各々に対応して配置された前記センサ端子部同士の間に配置されている、請求項
7に記載のタッチパネル。
【請求項9】
前記ドライブ配線と、前記位置センサ配線および前記押圧センサ配線の少なくとも一方は、前記第1基板および前記第2基板の平面視において、直交している、請求項
8に記載のタッチパネル。
【請求項10】
前記シールド配線の電位が、接地電位、または、前記位置センサ配線もしくは前記押圧センサ配線の電位と等しい、請求項7~9のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項11】
前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線とは、前記第2表面上で交互に並んで配置されており、
前記シールド配線は、交互に並んで配置された前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線との間の各々に配置されている、請求項7~10のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項12】
前記第2表面上に形成されたシールド電極を、さらに備え、
前記シールド電極は、前記位置センサ電極および前記押圧センサ電極の間に配置されており、
前記第2基板の平面視において、前記ドライブ電極が前記押圧センサ電極の少なくとも一部を覆っており、前記ドライブ電極の端部の少なくとも一部が前記シールド電極上に位置している、請求項7~11のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項13】
前記シールド配線は、前記シールド電極に接続されている、請求項12に記載のタッチパネル。
【請求項14】
第1表面を有する第1基板と、
前記第1表面と対向する第2表面を有する第2基板と、
前記第1表面上に形成されるドライブ電極と、
前記第2表面上に形成される位置センサ電極および押圧センサ電極と、
前記位置センサ電極とセンサ端子部とを接続する位置センサ配線と、
前記押圧センサ電極とセンサ端子部とを接続する押圧センサ配線と、
前記第2基板の平面視において、前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線との間に配置されたシールド配線と、を備え、
前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線とは、前記第2基板の平面視において、前記センサ端子部側に窪む段差状を有し、
前記シールド配線は、段差状の前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線との間に形成されている
、タッチパネル。
【請求項15】
前記シールド配線の電位が、接地電位、または、前記位置センサ配線もしくは前記押圧センサ配線の電位と等しい、請求項14に記載のタッチパネル。
【請求項16】
前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線とは、前記第2表面上で交互に並んで配置されており、
前記シールド配線は、交互に並んで配置された前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線との間の各々に配置されている、請求項14または15に記載のタッチパネル。
【請求項17】
前記第2表面上に形成されたシールド電極を、さらに備え、
前記シールド電極は、前記位置センサ電極および前記押圧センサ電極の間に配置されており、
前記第2基板の平面視において、前記ドライブ電極が前記押圧センサ電極の少なくとも一部を覆っており、前記ドライブ電極の端部の少なくとも一部が前記シールド電極上に位置している、請求項14~16のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項18】
前記シールド配線は、前記シールド電極に接続されている、請求項17に記載のタッチパネル。
【請求項19】
前記第2表面上の第1方向に並ぶように分割された複数の分割領域の各々に対応して、前記センサ端子部が設けられており、
前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線とは、前記第2表面上で前記第1方向に交差または直交する第2方向に並んで配置されており、
前記シールド配線は、前記第2方向に並んで配置された前記位置センサ配線と前記押圧センサ配線との間に配置されている、請求項14~18のいずれか1項に記載のタッチパネル。
【請求項20】
前記ドライブ電極に接続され、前記第1表面上に形成されるドライブ配線と、
前記ドライブ配線に接続されたドライブ端子部と、をさらに備え、
前記ドライブ端子部は、前記第1基板および前記第2基板の平面視において、前記複数の分割領域の各々に対応して配置された前記センサ端子部同士の間に配置されている、請求項19に記載のタッチパネル。
【請求項21】
前記ドライブ配線と、前記位置センサ配線および前記押圧センサ配線の少なくとも一方は、前記第1基板および前記第2基板の平面視において、直交している、請求項20に記載のタッチパネル。
【請求項22】
請求項1~
21のいずれか1項に記載のタッチパネルと、
画像を表示するディスプレイと、を備え、
前記ディスプレイの表示面上に、前記タッチパネルが配置されている、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指やタッチペンなどの指示体の位置及び押圧の大きさを検出するタッチパネルと、当該タッチパネルを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、相互容量方式のタッチパネルが普及している。相互容量方式のタッチパネルは、駆動信号が入力されるドライブ電極と、位置センサ電極とを備える。このタッチパネルでは、指示体がドライブ電極と位置センサ電極のそれぞれと容量結合することで、両電極間の静電容量が低下し、位置センサ電極の信号が変化する。位置センサ電極の信号は、位置センサ電極に接続された位置センサ配線と、位置センサ配線に接続された端子部を介して、制御部に伝達される。制御部は、この位置センサ電極の信号の変化に基づいて、指示体の位置を検出する。
【0003】
また、特許文献1では、指示体の位置だけでなく、押圧の大きさも検出可能なタッチパネルが提案されている。このタッチパネルは、指示体の位置を検出するための位置センサ電極に加えて、指示体による押圧の大きさを検出するための押圧センサ電極を備えている。さらに、位置センサ電極および押圧センサ電極は同一面に形成されており、これらと対向する面にドライブ電極が形成されている。そして、このタッチパネルでは、指示体に押圧されてドライブ電極と押圧センサ電極の距離が短くなると、これらの電極間の静電容量が増大し、押圧センサ電極の信号が変化する。押圧センサ電極の信号は、押圧センサ電極に接続された押圧センサ配線と、押圧センサ配線に接続された端子部を介して、制御部に伝達される。制御部は、この押圧センサ電極の信号の変化に基づいて、押圧の大きさが検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2014/0062933号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているようなタッチパネルでは、位置センサ配線と押圧センサ配線とは同一面に形成されるため、位置センサ配線と押圧センサ配線とは隣り合って配置される。この場合、位置センサ配線と押圧センサ配線とが容量結合してしまい、押圧センサ電極の信号の変化が位置センサ電極の信号に影響を与えてしまうことや、位置センサ電極の信号の変化が押圧センサ電極の信号に影響を与えてしまうことがあると考えられる。この結果、位置センサ電極の信号の変化が、押圧センサ電極の信号に変化を与えてしまい、指示体による押圧の大きさの検出精度が低下する。また、押圧センサ電極の信号の変化が、位置センサ電極の信号に変化を与えてしまい、指示体による位置の大きさの検出精度が低下する。
【0006】
そこで、本発明は、指示体の位置及び押圧の大きさを精度よく検出することが可能なタッチパネルと、当該タッチパネルを備えた表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係るタッチパネルは、第1表面を有する第1基板と、第1表面と対向する第2表面を有する第2基板と、第1表面上に形成されるドライブ電極と、第2表面上に形成される位置センサ電極および押圧センサ電極と、位置センサ電極とセンサ端子部とを接続する位置センサ配線と、押圧センサ電極とセンサ端子部とを接続する押圧センサ配線と、第2基板の平面視において、位置センサ配線と押圧センサ配線との間に配置されたシールド配線と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
上記構成のタッチパネルでは、シールド配線を備えることで、位置センサ配線と押圧センサ配線との間の容量結合を阻害することができる。これにより、指示体の位置及び押圧の大きさの検出精度を低下させる要因となる容量結合が阻害されるので、指示体の位置及び押圧の大きさを精度よく検出することが可能である。また、上記構成のタッチパネルを備える表示装置では、指示体の位置及び押圧の大きさを精度よく検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るタッチパネルの構成を示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図3の1000-1000線に沿った断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るドライブ電極および浮島電極の構成を示す平面図である。
【
図6】
図6は、位置センサ配線、押圧センサ配線およびシールド配線の配置について説明するための平面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態による指示体の位置を検出する場合のタッチパネルの動作を説明するための断面図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態による指示体の押圧を検出する場合のタッチパネルの動作を説明するための断面図である。
【
図9】
図9は、比較例による位置センサ配線と押圧センサ配線との容量結合を説明するための図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態によるシールド配線の作用を説明するための図である。
【
図11】
図11は、比較例によるタッチパネルと第1実施形態によるタッチパネルとの比較結果を示す図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る表示装置(タッチパネル)の構成を示す平面図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態による指示体の位置を検出する場合のタッチパネルの動作を説明するための断面図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態による指示体の押圧を検出する場合のタッチパネルの動作を説明するための断面図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態によるシールド電極の構成を示す断面図である。
【
図17】
図17は、第3実施形態に係る表示装置(タッチパネル)の構成を示す平面図である。
【
図18】
図18は、第4実施形態に係る表示装置(タッチパネル)の構成を示す平面図である。
【
図20】
図20は、第1~第4実施形態の第1変形例に係るタッチパネルの構成を示す平面図である。
【
図21】
図21は、第1~第4実施形態の第2変形例に係るタッチパネルの構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。また、以下において参照する図面では、各種電極を識別し易くするために、各種電極にハッチングを付して表示している。
【0011】
[第1実施形態]
(表示装置の構成)
図1は、第1実施形態による表示装置100の概略構成を示す断面図である。表示装置100は、タッチパネル1と、表示面2aに画像を表示する表示部2を備える。表示部2は、例えば、液晶ディスプレイや、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどで構成される。
図1では、タッチパネル1の外側に表示部2を配置するアウトセル型のタッチパネルの例を示しているが、本開示はこれに限られない。すなわち、フルインセル型のタッチパネルとして構成してもよいし、セミインセル型のタッチパネルとして構成してもよい。
【0012】
(タッチパネルの構成)
図2は、第1実施形態によるタッチパネル1の構成を模式的に示した平面図である。タッチパネル1は、センサアクティブ領域R1と、配線引き回し領域R2とを有する。センサアクティブ領域R1は、タッチパネル1において、指示体によってタッチされた位置および指示体により押圧された位置を検出するための領域である。センサアクティブ領域R1には、複数のドライブ電極11と、複数の位置センサ電極21と、複数の押圧センサ電極22とが設けられている。また、配線引き回し領域R2には、端子部30と位置センサ電極21とを接続する配線である位置センサ配線41と、端子部30と押圧センサ電極22とを接続する配線である押圧センサ配線42とが設けられている。また、本実施形態では、配線引き回し領域R2に、シールド配線43が設けられている。
【0013】
図3は、
図2におけるタッチパネル1(点線領域A1)の部分拡大図である。
図4は、
図3における1000-1000線に沿った断面図である。
図4に示すように、タッチパネル1は、第1基板10、感圧層3および第2基板20を含む。第1基板10、感圧層3および第2基板20は、この順にZ方向の正方向側から積層されている。例えば、第1基板10及び第2基板20は、ガラスなどの透明な材料で構成される。また、感圧層3は、高分子材料などの弾性を有する透明な材料、または、ピエゾ素子等で構成される。
【0014】
〈センサアクティブ領域の構成〉
図5は、ドライブ電極11および浮島電極12の模式的な平面図である。ドライブ電極11および浮島電極12は、タッチパネル1のセンサアクティブ領域R1において、第1基板10の第2基板20側の表面10aに形成されている。また、位置センサ電極21および押圧センサ電極22は、タッチパネル1のセンサアクティブ領域R1において、表面10aに対向する第2基板20の表面20aに形成されている。また、ドライブ電極11、浮島電極12、位置センサ電極21および押圧センサ電極22は、ITO(Indium Tin Oxide)などの導電性のある透明な材料で構成される。ドライブ電極11は、駆動信号が与えられる電極である。浮島電極12は、第1基板10の表面10aに形成されており、電気的にフローティングの状態である。位置センサ電極21は、指示体の位置を検出するための電極である。押圧センサ電極22は、指示体による押圧の大きさを検出するための電極である。
【0015】
図5に示すように、ドライブ電極11は、複数の菱形状電極D1がその対角線方向(X方向)に連結された形状(ダイヤパターン)になっている。浮島電極12は、連結されていない複数の菱形状電極D2で構成されている。また、
図2に示すように、位置センサ電極21は、複数の菱形状電極D3が連結されたダイヤパターンである。また、押圧センサ電極22は、複数の菱形状電極D4が連結されたダイヤパターンである。位置センサ電極21及び押圧センサ電極22は、菱形状電極D3,D4のそれぞれの連結方向(Y方向)が平行であり、当該連結方向と垂直な方向(X方向)に対して交互に配置されている。一方、ドライブ電極11は、菱形状電極D1の連結方向(X方向)が、位置センサ電極21及び押圧センサ電極22のそれぞれにおける菱形状電極D3,D4の連結方向(Y方向)に対して垂直になるように配置されている。
【0016】
また、
図2および
図5に示すように、ドライブ電極11は、押圧センサ電極22の少なくとも一部を覆っている。第1基板10から第2基板20をZ方向に見た平面視(以下、単に「平面視」という)において、浮島電極12は、位置センサ電極21の少なくとも一部を覆っている。
【0017】
〈配線引き回し領域の構成〉
図3に示すように、本実施形態では、位置センサ配線41、押圧センサ配線42およびシールド配線43は、タッチパネル1の配線引き回し領域R2において、第2基板20の表面20aに形成されている。また、位置センサ配線41および押圧センサ配線42は、それぞれ、位置センサ電極21および押圧センサ電極22の材料(例えば、ITO)と同様の材料により構成されてもよいし、例えば、メッシュメタルで構成されていてもよい。なお、メッシュメタルとは、メッシュ状の金属細線である。シールド配線43は、例えば、ITOまたはメッシュメタルである。シールド配線43は、位置センサ配線41および押圧センサ配線42と同様の材料により構成されていてもよい。
【0018】
位置センサ配線41は、端子部30(
図2参照)に接続されており、位置センサ電極21からの信号を端子部30に伝達する機能を有する。また、押圧センサ配線42は、端子部30(
図2参照)に接続されており、押圧センサ電極22からの信号を端子部30に伝達する機能を有する。シールド配線43は、接地電位または位置センサ配線41もしくは押圧センサ配線42の電位と等しい電位が与えられるか、フローティングの状態であり、位置センサ配線41と押圧センサ配線42との容量結合を阻害させる機能を有する。この構成によれば、シールド配線43を備えることで、指示体Fの位置及び押圧の大きさの検出精度を低下させる要因となる位置センサ配線41と押圧センサ配線42との間の容量結合を阻害することができる。これにより、タッチパネル1は、指示体Fの位置及び押圧の大きさを精度よく検出することが可能である。位置センサ配線41と押圧センサ配線42との間の容量結合を阻害することができるという効果は、後述する比較例と第1実施形態との比較結果により確認済である。
【0019】
位置センサ配線41および押圧センサ配線42は、それぞれ、センサアクティブ領域R1に設けられた位置センサ電極21の一端(Y方向の負側の端部)および押圧センサ電極22の一端(Y方向の負側の端部)に接続されている。位置センサ配線41、押圧センサ配線42およびシールド配線43の各々は、センサアクティブ領域R1からY方向の負向に延びる部分と、Y方向の負側に延びる部分の下端から端子部30に向かってX方向の負側に延びる部分とにより、平面視において、L字状に形成されている。
【0020】
位置センサ配線41と押圧センサ配線42とは、平面視において、交互に並んで配置されている。そして、シールド配線43は、平面視において、位置センサ配線41と押圧センサ配線42との間の各々に配置されている。
【0021】
図6は、位置センサ配線41と押圧センサ配線42とシールド配線43との配置関係を示す平面図である。例えば、シールド配線43と位置センサ配線41とは、平行に配置されており、シールド配線43と押圧センサ配線42とは、平行に配置されている。また、シールド配線43と位置センサ配線41との距離L1と、シールド配線43と押圧センサ配線42との距離L2とは、略等しい。また、位置センサ配線41は、幅W1を有する。押圧センサ配線42は、幅W2を有する。シールド配線43は、幅W3を有する。幅W3は、幅W1および幅W2と等しい。このように構成すれば、位置センサ配線41とシールド配線43との間の容量と、押圧センサ配線42とシールド配線43との間の容量との差異を最小化することができる。なお、距離L1と距離L2とは、異なる大きさであってもよい。また、
図6では、幅W3を、距離L1と距離L2と等しく図示しているが、異なる大きさであってもよい。
【0022】
端子部30は、図示しない制御部に接続されている。そして、端子部30は、位置センサ電極21からの信号および押圧センサ電極22からの信号を、制御部に伝達するように構成されている。
【0023】
(タッチパネルの動作)
次に、
図7および
図8を参照して、タッチパネル1の動作について図面を参照して説明する。
図7は、位置センサ電極21の検出精度に関する容量結合を示す断面図である。
図8は、押圧センサ電極22の検出精度に関する容量結合を示す断面図である。
図7および
図8では、指示体Fと各種電極の間で生じる容量結合や各種電極間で生じる容量結合に対応する電気力線を、破線で示している。
【0024】
図7に示すように、浮島電極12は、位置センサ電極21と容量結合している。指示体Fが、第1基板10の表面10aとは反対側の面に接触すると、ドライブ電極11と浮島電極12のそれぞれと容量結合する。これにより、指示体Fおよび浮島電極12を介してドライブ電極11と位置センサ電極21との間の静電容量が減少し、位置センサ電極21で検出される信号が変化することで、指示体Fの位置が検出される。なお、この時、ドライブ電極11と押圧センサ電極22との間の静電容量は、ほとんど変化しない。
【0025】
また、
図8に示すように、指示体Fによって第1基板10が押圧されると、ドライブ電極11と押圧センサ電極22との距離が短くなる。これにより、両電極11,22間の静電容量が増加し、押圧センサ電極22において検出される信号が変化することで、押圧の大きさが検出される。
【0026】
(第1実施形態と比較例との比較結果)
次に、
図9~
図11を参照して、第1実施形態によるタッチパネル1と比較例によるタッチパネル50との比較結果について説明する。第1実施形態によるタッチパネル1と、比較例によるタッチパネル50とは、シールド配線43の有無のみ相違するものとし、その他の構成は同一のものとする。なお、比較例によるタッチパネル50は、第1実施形態によるタッチパネル1の効果を説明するために例示するものであり、比較例によるタッチパネル50の構成が従来技術として自認するものではない。
【0027】
図9は、比較例によるタッチパネル50の配線引き回し領域の断面図である。
図10は、第1実施形態によるタッチパネル1の配線引き回し領域R2の断面図である。
図9に示すように、タッチパネル50は、第1基板51と、第2基板52と、感圧層53とを備える。第2基板52には、位置センサ配線54と押圧センサ配線55とが設けられている一方、比較例によるタッチパネル50では、シールド配線43は設けられていない。また、
図10に示すように、第1実施形態によるタッチパネル1では、位置センサ配線41と押圧センサ配線42との間にシールド配線43が配置されている。
【0028】
図11は、第1実施形態によるタッチパネル1における隣り合う位置センサ配線41と押圧センサ配線42との配線容量と、比較例によるタッチパネル50における隣り合う位置センサ配線54と押圧センサ配線55との配線容量との測定結果である。この測定では、複数の配線間の配線容量(縦軸)を、配線長さ(横軸)ごとにプロットしたものである。配線長さとは、電極(センサアクティブ領域R1)から端子部までの距離である。
【0029】
図11の測定結果から、配線長さが大きくなるほど、顕著に第1実施形態による配線容量が比較例の配線容量よりも小さくなることが判明した。そして、第1実施形態によるタッチパネル1は、比較例によるタッチパネルに対して、全体として60%以上の配線容量が低減されることが判明した。
【0030】
以上のように、タッチパネル1では、シールド配線43を備えることで、位置センサ配線41と押圧センサ配線42との容量結合を阻害することができる。この結果、指示体Fの位置及び押圧の大きさの検出精度を低下させる要因となる容量結合を阻害することができるので、タッチパネル1により、指示体Fの位置及び押圧の大きさを精度よく検出することができる。
【0031】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同じ符号を用いる場合、第1実施形態と同様の構成を示しており、特に説明がない限り先行する説明を参照する。
【0032】
図12および
図13は、第2実施形態に係る表示装置200(タッチパネル201)の概略構成を示す図である。
図12は、第2実施形態に係るタッチパネル201が備える電極および配線の構成を示す平面図である。
図13は、
図12の1100-1100断面を示す断面図である。
【0033】
図12に示すように、タッチパネル201には、シールド電極23が設けられている。シールド電極23は、例えば、ITOなどの導電性のある透明な材料で構成される。シールド電極23は、接地電位または位置センサ電極21もしくは押圧センサ電極22に与えられる電位と等しい電位が与えられるか、フローティングの状態であり、
図13に示すように、表面20aに形成されている。また、シールド電極23は、位置センサ電極21および押圧センサ電極22の間に配置されている。例えば、シールド電極23は、位置センサ電極21および押圧センサ電極22を隔てるように、これらの間に配置されている。また、
図13に示すように、ドライブ電極11の端部の少なくとも一部がシールド電極23上に位置している。
【0034】
ここで、
図12に示すように、第2実施形態では、シールド配線43は、シールド電極23に接続されている。この構成によれば、シールド配線43およびシールド電極23のいずれか一方を、所定の電位(例えば、接地電位または位置センサ電極21もしくは押圧センサ電極22に与えられる電位と等しい電位)にすれば、他方も一方と同電位にすることができる。
【0035】
次に、タッチパネル201の動作について図面を参照して説明する。
図14は、位置センサ電極21の検出精度に関する容量結合を示す断面図である。
図15は、押圧センサ電極22の検出精度に関する容量結合を示す断面図である。
図14及び
図15では、指示体Fと各種電極の間で生じる容量結合や各種電極間で生じる容量結合に対応する電気力線を、破線で示している。
【0036】
図14に示すように、指示体Fが、第1基板10の表面10aとは反対側の面に接触すると、ドライブ電極11と位置センサ電極21のそれぞれと容量結合する。これにより、指示体Fを介してドライブ電極11と位置センサ電極21の間の静電容量が減少し、位置センサ電極21で検出される信号が変化することで、指示体Fの位置が検出される。
【0037】
このとき、指示体Fにより第1基板10が押圧されると、ドライブ電極11と位置センサ電極21との距離が短くなる。しかし、ドライブ電極11は、位置センサ電極21よりもシールド電極23の方に近いため、シールド電極23の方に容量結合し易い。そのため、ドライブ電極11と位置センサ電極21の間の静電容量が増大し難くなり、指示体Fによる両電極11,21間の静電容量の減少分が相殺され難くなる。したがって、タッチパネル201は、指示体Fの位置を精度よく検出することが可能になる。
【0038】
また、
図15に示すように、指示体Fによって第1基板10が押圧されると、ドライブ電極11と押圧センサ電極22との距離が短くなる。これにより、両電極11,22間の静電容量が増加し、押圧センサ電極22において検出される信号が変化することで、押圧の大きさが検出される。
【0039】
このとき、指示体Fから押圧センサ電極22に至るまでの経路上において、指示体Fは、押圧センサ電極22よりもシールド電極23の方に近いため、シールド電極23に容量結合し易い。そのため、指示体Fがドライブ電極11と押圧センサ電極22のそれぞれと容量結合することが抑制され、両電極間の静電容量が変動することが抑制される。したがって、タッチパネル201は、押圧の大きさを精度よく検出することが可能になる。
【0040】
以上のように、タッチパネル201では、シールド電極23を備えることで、指示体Fの位置及び押圧の大きさの検出精度を低下させる要因となる容量結合を阻害することができる。したがって、タッチパネル201は、指示体Fの位置及び押圧の大きさを精度よく検出することが可能である。
【0041】
なお、シールド電極23の電位が、接地電位または位置センサ電極21もしくは押圧センサ電極22に与えられる電位と等しくなるように構成してもよい。この場合、シールド電極23による上記の容量結合を阻害する効果を高めることができる。
【0042】
また、シールド電極23による上記の容量結合を阻害する効果を高める観点から、シールド電極23を所定の程度まで大きくすると好ましい。
図16は、シールド電極23の好適な大きさについて説明するための断面図である。以下、
図16に示すように、第1基板10の表面10aと第2基板20の表面20aの間の距離をHとする。また、平面視において、シールド電極23における位置センサ電極21側の端部から、当該シールド電極23上のドライブ電極11の端部までの距離を、W11とする。同様に、平面視において、シールド電極23における押圧センサ電極22側の端部から、当該シールド電極23上のドライブ電極11の端部までの距離を、W12とする。なお、Hは、タッチパネル1が押圧されていない場合の距離であり、感圧層3の厚さでもある。また、
図6等では、電極11,21~23の厚さを極端に大きくして示しているが、実際には電極11,21~23は極めて薄いため、Hは、ドライブ電極11とシールド電極23の間の距離と同視することができる。
【0043】
指示体Fや各種電極から生じる電気力線は、同心円状に広がる。そのため、W11≧Hにすると、ドライブ電極11がシールド電極23を超えて位置センサ電極21と容量結合することを、効果的に阻害することができる(
図4参照)。また、W12≧Hにすると、指示体Fがシールド電極23を超えて押圧センサ電極22と容量結合することを、効果的に阻害することができる(
図15参照)。
【0044】
なお、第2実施形態によるその他の構成および効果は、第1実施形態による構成および効果と同様である。
【0045】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態または第2実施形態と同じ符号を用いる場合、第1実施形態または第2実施形態と同様の構成を示しており、特に説明がない限り先行する説明を参照する。
【0046】
図17は、第3実施形態に係る表示装置300(タッチパネル301)の概略構成を示す平面図である。
図17に示すように、タッチパネル301には、第1端子部330aと第2端子部330bとが設けられている。第1端子部330aと第2端子部330bとは、X方向に互いに隔てて配置されている。第1端子部330aは、第2端子部330bに対して、X方向の負側に配置されている。タッチパネル301は、X方向の負側のセンサアクティブ領域R1aと正側のセンサアクティブ領域R1bとを有する。
【0047】
第1端子部330aには、センサアクティブ領域R1aに設けられた位置センサ電極21および押圧センサ電極22の各々に接続された位置センサ配線41および押圧センサ配線42と、当該位置センサ配線41と押圧センサ配線42との間のシールド配線43とが接続されている。また、第2端子部330bには、センサアクティブ領域R1bに設けられた位置センサ電極21および押圧センサ電極22の各々に接続された位置センサ配線41および押圧センサ配線42と、当該位置センサ配線41と押圧センサ配線42との間のシールド配線43とが接続されている。
【0048】
上記第3実施形態の構成によれば、端子部が1つのみ設けられている場合に比べて、端子部1つ当たりに接続される配線の数を低減することができる。この結果、Y方向に並んで配置される配線(位置センサ配線41、押圧センサ配線42およびシールド配線43)の並列数を減らすことができるので、タッチパネル301のY方向の額縁を狭くすることができる。
【0049】
なお、第3実施形態によるその他の構成および効果は、第1実施形態による構成および効果と同様である。
【0050】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。なお、以下の説明において、第1~3実施形態と同じ符号を用いる場合、第1~3実施形態と同様の構成を示しており、特に説明がない限り先行する説明を参照する。
【0051】
図18は、第4実施形態に係る表示装置400(タッチパネル401)の概略構成を示す平面図である。
図18に示すように、タッチパネル401には、第1端子部330aと第2端子部330bとドライブ端子部430とが設けられている。第1端子部330aと第2端子部330bとは、X方向に互いに隔てて配置されている。第1端子部330aは、第2端子部330bに対して、X方向の負側に配置されている。
【0052】
ドライブ端子部430は、第1基板10の表面10a(
図4参照)に設けられている。ドライブ端子部430は、ドライブ電極11の各々とドライブ配線444を介して接続されている。そして、平面視において、ドライブ端子部430は、第1端子部330aと第2端子部330bとの間に配置されている。また、ドライブ端子部430は、タッチパネル401において、X方向の中央部に設けられている。この構成によれば、ドライブ端子部430は、第1端子部330aと第2端子部330bとの間の余分スペースに設けることができるので、タッチパネル401の額縁を小さくすることができるとともに、ドライブ端子部430と、第1端子部330aおよび第2端子部330bとのX方向の距離を小さくできるので、タッチパネル401のX方向の寸法を小さくすることができる。
【0053】
ドライブ配線444は、第1基板10の表面10aに配置されており、平面視において、ドライブ配線444は、位置センサ配線41と押圧センサ配線42とシールド配線43と直交している。この構成によれば、ドライブ配線444と、位置センサ配線41と押圧センサ配線42とシールド配線43とを直交しない場合(並列させる場合)に比べて、ドライブ配線444と、位置センサ配線41または押圧センサ配線42との容量結合を小さく(最小化)することができる。これにより、タッチパネル401は、指示体Fの位置及び押圧の大きさを、より一層精度よく検出することが可能である。
【0054】
図19は、
図18におけるタッチパネル401における領域A2の拡大平面図である。ここで、位置センサ配線441と押圧センサ配線442とシールド配線443とは、それぞれ、平面視において、第1端子部330a側(X方向の負側)に窪む段差状(階段状)を有する。また、図示しないが、センサアクティブ領域R1bから延びる位置センサ配線441と押圧センサ配線442とシールド配線443とは、平面視において、第2端子部330b側(X方向の正側)に窪む段差状(階段状)を有する。この構成によれば、各配線が窪むことにより生じた空間CLに、ドライブ端子部430を配置することができる。この結果、空間CLを有効に使用することができる分、タッチパネル401の額縁をさらに小さくすることができる。
【0055】
なお、第4実施形態によるその他の構成および効果は、第1実施形態による構成および効果と同様である。
【0056】
[変形等]
以上、上記第1~第4実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0057】
(1)上記第1~第4実施形態によるタッチパネルを、表示装置の一部として構成する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、タッチパネル単体を装置として構成してもよいし、表示装置以外の装置に、上述のタッチパネルを組み込んでもよい。
【0058】
(2)上記第1~第4実施形態では、タッチパネルに浮島電極を設ける例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、タッチパネルに浮島電極を設けなくてもよい。
【0059】
(3)上記第1~第4実施形態では、位置センサ電極、押圧センサ電極およびシールド電極、位置センサ配線、押圧センサ電極およびシールド配線を、ITOまたはメッシュメタルにより形成する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、位置センサ電極、押圧センサ電極およびシールド電極、位置センサ配線、押圧センサ電極およびシールド配線を、ITOおよびメッシュメタル以外の導電体により構成してもよい。
【0060】
(4)上記第1~第4実施形態において、ドライブ電極11、浮島電極12、位置センサ電極および押圧センサ電極のそれぞれがダイヤパターンである場合について例示したが、これ以外の形状であってもよい。例えば、ドライブ電極、浮島電極、位置センサ電極および押圧センサ電極のそれぞれが、幅が均一なパターンであってもよい。ただし、平面視において、ドライブ電極が押圧センサ電極の少なくとも一部を覆っており、ドライブ電極の端部の少なくとも一部がシールド電極上に位置しているものとする。
【0061】
(5)上記第1~第4実施形態において、位置センサ配線および押圧センサ配線が接続される端子部の数を1つまたは2つとする例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、
図20に示す第1変形例のタッチパネル501のように、センサアクティブ領域が4分割されている場合には、各センサアクティブ領域(R11a、R11b、R11c、R11d)のそれぞれに接続される端子部530を設けてもよい。
【0062】
(6)上記第1~第4実施形態において、位置センサ配線および押圧センサ配線が接続される端子部をセンサアクティブ領域のX方向の中央部に配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、
図21に示す第2変形例のタッチパネル601のように、センサアクティブ領域のX方向の中央部よりも一方側に寄った位置に、端子部630を設けてもよい。例えば、センサアクティブ領域が4分割されている場合に、第1のセンサアクティブ領域のX方向の一方端と他方端との間において、3対2の位置に端子部530が設けられてもよい。例えば、端子部530のX方向の中心から一方端までの距離L11と他方端までの距離L12との大きさの比が3対2である。また、第1のセンサアクティブ領域に隣接する第2のセンサアクティブ領域のX方向の一方端と他方端との間においては、2対3の位置に端子部530が設けられてもよい。この構成によれば、端子部530が2つずつX方向に近接して配置されるので、近接して配置される端子部530を構成する部分(例えば、フレキシブルプリント基板:FPC)を小さくすることができる。
【0063】
(7)上記第1~第4実施形態において、位置センサ配線、押圧センサ配線およびシールド配線を、平面視において、L字状または階段状に形成する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、位置センサ配線、押圧センサ配線およびシールド配線を、屈曲しない直線状に形成してもよい。
【0064】
(8)上記第1~第4実施形態において、位置センサ配線と押圧センサ配線とを交互に配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、複数の位置センサ配線が隣り合って配置されていてもよいし、複数の押圧センサ配線が隣り合って配置されていてもよい。
【0065】
(9)上記第2実施形態において、シールド配線とシールド電極とが接続されている例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、シールド配線とシールド電極とは、互いに接続されていなくてもよい。
【0066】
(10)上記第4実施形態において、ドライブ配線が、平面視において、位置センサ配線と押圧センサ配線とシールド配線とに直交する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、ドライブ配線が、平面視において、位置センサ配線と押圧センサ配線とシールド配線とに直交せずに交差していてもよいし、交差していなくてもよい。
【0067】
また、上述したタッチパネルおよび表示装置は、以下のように説明することができる。
【0068】
第1の構成に係るタッチパネルは、第1表面を有する第1基板と、第1表面と対向する第2表面を有する第2基板と、第1表面上に形成されるドライブ電極と、第2表面上に形成される位置センサ電極および押圧センサ電極と、位置センサ電極とセンサ端子部とを接続する位置センサ配線と、押圧センサ電極とセンサ端子部とを接続する押圧センサ配線と、第2基板の平面視において、位置センサ配線と押圧センサ配線との間に配置されたシールド配線と、を備える(第1の構成)。
【0069】
上記第1の構成によれば、シールド配線を備えることで、位置センサ配線と押圧センサ配線との間の容量結合を阻害することができる。これにより、指示体の位置及び押圧の大きさの検出精度を低下させる要因となる容量結合を阻害することによって、タッチパネルにより、指示体の位置及び押圧の大きさを精度よく検出することができる。
【0070】
第1の構成において、シールド配線の電位が、接地電位、または、前記位置センサ配線もしくは押圧センサ配線の電位と等しくなるようにタッチパネルが構成されていてもよい(第2の構成)。この構成によれば、シールド配線による上記の容量結合を阻害する効果を高めることができる。
【0071】
第1または第2の構成において、位置センサ配線と押圧センサ配線とを、第2表面上で交互に並んで配置してもよく、シールド配線を、交互に並んで配置された位置センサ配線と押圧センサ配線との間の各々に配置してもよい(第3の構成)。この構成によれば、交互に配置される位置センサ配線と押圧センサ配線の各々において、容量結合を阻害することができる。
【0072】
第1~第3の構成のうちのいずれか1つの構成において、第2表面上に形成されたシールド電極を、さらに備えてもよく、シールド電極を、位置センサ電極および押圧センサ電極の間に配置してもよく、第2基板の平面視において、ドライブ電極が押圧センサ電極の少なくとも一部を覆っていてもよく、ドライブ電極の端部の少なくとも一部がシールド電極上に位置していてもよい(第4の構成)。ここで、タッチパネルでは、指示体による押圧時に、ドライブ電極と押圧センサ電極の間の距離だけでなく、ドライブ電極と位置センサ電極の間の距離も短くなる。すると、ドライブ電極と位置センサ電極の間の静電容量が増大して、指示体の容量結合による減少分が相殺されてしまうことで、指示体の位置の検出精度が低下する場合がある。また、タッチパネルでは、指示体がドライブ電極と押圧センサ電極のそれぞれと容量結合して、両電極間の静電容量が変動する。押圧の大きさは、ドライブ電極と押圧センサ電極の間の距離に応じた静電容量の大きさに基づいて検出される。そのため、指示体によって、ドライブ電極と押圧センサ電極の間の静電容量が変動させられてしまうことで、押圧の大きさの検出精度が低下する場合がある。これに対して、第4の構成によれば、シールド電極を備えることで、指示体の位置及び押圧の大きさの検出精度を低下させる要因となる容量結合を阻害することができる。
【0073】
第4の構成において、シールド配線は、シールド電極に接続されていてもよい(第5の構成)。この構成によれば、シールド配線およびシールド電極のいずれか一方を、所定の電位(例えば、接地電位)にすれば、他方も一方と同電位にすることができる。
【0074】
第1~第5の構成のうちのいずれか1つの構成において、第2表面上の第1方向に並ぶように分割された複数の分割領域の各々に対応して、センサ端子部が設けられていてもよく、位置センサ配線と押圧センサ配線とを、第2表面上で第1方向に交差または直交する第2方向に並んで配置してもよく、シールド配線を、第2方向に並んで配置された位置センサ配線と押圧センサ配線との間に配置してもよい(第6の構成)。この構成によれば、センサ端子部が1つのみの場合に比べて、第2方向に並ぶ配線の数を低減することができる。この結果、配線が配置されるタッチパネルの額縁部分を小さくすることができる。
【0075】
第6の構成において、ドライブ電極に接続され、第1表面上に形成されるドライブ配線と、ドライブ配線に接続されたドライブ端子部と、をさらに備えてもよく、ドライブ端子部を、第1基板および第2基板の平面視において、複数の分割領域の各々に対応して配置されたセンサ端子部同士の間に配置されていてもよい(第7の構成)。この構成によれば、センサ端子部同士の間の領域(空間)に何も配置しない場合に比べて、センサ端子部同士の間の領域を有効に活用することができ、タッチパネルを小型化することができる。
【0076】
第7の構成において、ドライブ配線と、位置センサ配線および押圧センサ配線の少なくとも一方は、第1基板および第2基板の平面視において、直交していてもよい(第8の構成)。この構成によれば、ドライブ配線と、位置センサ配線および押圧センサ配線の少なくとも一方との容量結合を最小化することができる。
【0077】
第1~第8の構成のうちのいずれか1つの構成において、位置センサ配線と押圧センサ配線とを、第2基板の平面視において、センサ端子部側に窪む段差状を有するように構成してもよく、シールド配線を、段差状の位置センサ配線と押圧センサ配線との間に形成してもよい(第9の構成)。この構成によれば、センサ端子部側に窪むことによって生じた領域(空間)に他の部材を配置することができるので、タッチパネルをより一層小型化することができる。
【0078】
第10の構成に係る表示装置は、上記第1~第9のいずれか1つの構成に係るタッチパネルと、画像を表示するディスプレイと、を備えてもよく、ディスプレイの表示面上に、タッチパネルが配置されていてもよい(第10の構成)。この構成によれば、指示体の位置及び押圧の大きさを精度よく検出することが可能なタッチパネルを備えた表示装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0079】
1,201,301,401,501,601…タッチパネル、2…表示部、2a…表示面、10…第1基板、10a,20a…表面、11…ドライブ電極、20…第2基板、21…位置センサ電極、22…押圧センサ電極、23…シールド電極、30,530,630…端子部、41,441…位置センサ配線、42,442…押圧センサ配線、43,443…シールド配線、44,444…ドライブ配線、100,200,300,400…表示装置、330a…第1端子部、330b…第2端子部、430…ドライブ端子部、F…指示体、R1,R1a,R1b,R11a,R11b,R11c,R11d…センサアクティブ領域、R2…配線引き回し領域