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特許7463639無線通信システムにおけるデータ伝送を制御する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるデータ伝送を制御する方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/044 20230101AFI20240402BHJP
   H04W 8/22 20090101ALI20240402BHJP
【FI】
H04W72/044 110
H04W8/22
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023513920
(86)(22)【出願日】2021-08-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 EP2021073360
(87)【国際公開番号】W WO2022043310
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】20192965.0
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】523067768
【氏名又は名称】テリット シンテリオン ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100086368
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 誠
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ブロイアー
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ヴェントラー
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン デンジン
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/171867(WO,A1)
【文献】特開2007-088856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号のユーザ装置への伝送を制御する際にセルラ無線通信システムの基地局トランシーバを動作させる方法であって、
-前記無線信号の連続無線信号セグメントの前記ユーザ装置への伝送に使用される、前記セルラ無線通信システムのダウンリンクチャネルのダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドのホッピング周波数セットを示し、かつ前記無線信号の前記連続無線信号セグメントの前記ユーザ装置への伝送に使用される、前記ホッピング周波数セットの前記周波数サブバンドのホッピング時間順序を示す周波数ホッピング制御情報を決定することを含み、
-前記周波数ホッピング制御情報を決定することが、
-前記ホッピング周波数セットから除外すべき前記ダウンリンク周波数バンドの前記周波数サブバンドの1つ以上を示すユーザ装置ホッピング制限情報を確認すること、及び
-前記ホッピング周波数セットを決定する際に前記ユーザ装置ホッピング制限情報を使用することを含み、
前記ユーザ装置ホッピング制限情報を確認することが、
前記ユーザ装置との制御交換において前記ユーザ装置からユーザ装置タイプ情報を取得すること、及び
前記ユーザ装置タイプ情報に割り当てられた前記ホッピング制限情報を取り出すために、又は前記ユーザ装置タイプ情報に割り当てられた前記ホッピング制限情報を考慮に入れるホッピング周波数セットを取り出すために、取得した前記ユーザ装置タイプ情報を使用してルックアップテーブルにアクセスしこれを検索することを含む方法。
【請求項2】
前記ユーザ装置ホッピング制限情報を確認することが、前記ユーザ装置から前記ユーザ装置ホッピング制限情報を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ装置ホッピング制限情報を確認することが、周波数サブバンドの1つ以上のための最小受信性能情報を前記ユーザ装置に伝達することを含み、前記最小受信性能情報が、前記ユーザ装置における最大受信誤り率を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
-前記ホッピング時間順序を決定する際に前記ユーザ装置ホッピング制限情報を追加的に使用することを更に含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
-前記ホッピング周波数セットを決定すること、前記ホッピング時間順序を決定すること、又は前記ホッピング周波数セット及び前記ホッピング時間順序を決定することが、前記無線信号の前記ユーザ装置への伝送に使用される個々の前記周波数サブバンドが占める周波数バンド幅を示すバンド幅情報を追加的に使用して行われる、請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
無線信号のユーザ装置への伝送を制御する際にセルラ無線通信システムの基地局トランシーバを動作させる方法であって、
-前記無線信号の連続無線信号セグメントの前記ユーザ装置への伝送に使用される、前記セルラ無線通信システムのダウンリンクチャネルのダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドのホッピング周波数セットを示し、かつ前記無線信号の前記連続無線信号セグメントの前記ユーザ装置への伝送に使用される、前記ホッピング周波数セットの前記周波数サブバンドのホッピング時間順序を示す周波数ホッピング制御情報を決定することを含み、
-前記周波数ホッピング制御情報を決定することが、
-前記ホッピング周波数セットから除外すべき前記ダウンリンク周波数バンドの前記周波数サブバンドの1つ以上を示すユーザ装置ホッピング制限情報を確認すること、及び
-前記ホッピング周波数セットを決定する際に前記ユーザ装置ホッピング制限情報を使用することを含み、
前記ユーザ装置ホッピング制限情報を確認することが、
前記ユーザ装置との制御交換において前記ユーザ装置からユーザ装置タイプ情報を取得すること、及び
前記ユーザ装置タイプ情報に割り当てられた前記ホッピング制限情報を取り出すために、又は前記ユーザ装置タイプ情報に割り当てられた前記ホッピング制限情報を考慮に入れるホッピング周波数セットを取り出すために、取得した前記ユーザ装置タイプ情報を使用してルックアップテーブルにアクセスしこれを検索することを含み、
-無線信号の前記基地局トランシーバから前記ユーザ装置への1回以上の追加の並列伝送のための更なる周波数ホッピング制御情報を決定する際に、決定した前記周波数ホッピング制御情報を使用することを更に含み、
-前記更なる周波数ホッピング制御情報が、
-前記決定した周波数ホッピング制御情報の前記ホッピング周波数セット、及び
-前記ホッピング周波数セットの前記周波数サブバンドに割り当てられた変更されたホッピング時間順序を含み、各追加の並列伝送のための変更されたホッピング時間順序が、それぞれ前記決定した周波数ホッピング制御情報の前記ホッピング時間順序の周期的にシフトされたバージョンである方法。
【請求項7】
-前記決定した周波数ホッピング制御情報を使用して、前記無線信号の前記基地局トランシーバから前記ユーザ装置への伝送をスケジューリングするためのスケジューリング制御情報を決定すること、及び
-決定した前記スケジューリング制御情報を、前記無線信号の前記ユーザ装置への伝送と関連付けられた制御通信で前記ユーザ装置への伝送のために提供することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
無線信号のユーザ装置への伝送を制御する際にセルラ無線通信システムの基地局トランシーバを動作させる方法であって、
-前記無線信号の連続無線信号セグメントの前記ユーザ装置への伝送に使用される、前記セルラ無線通信システムのダウンリンクチャネルのダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドのホッピング周波数セットを示し、かつ前記無線信号の前記連続無線信号セグメントの前記ユーザ装置への伝送に使用される、前記ホッピング周波数セットの前記周波数サブバンドのホッピング時間順序を示す周波数ホッピング制御情報を決定することを含み、
-前記周波数ホッピング制御情報を決定することが、
-前記ホッピング周波数セットから除外すべき前記ダウンリンク周波数バンドの前記周波数サブバンドの1つ以上を示すユーザ装置ホッピング制限情報を確認すること、及び
-前記ホッピング周波数セットを決定する際に前記ユーザ装置ホッピング制限情報を使用することを含み、
前記ユーザ装置ホッピング制限情報を確認することが、
前記ユーザ装置との制御交換において前記ユーザ装置からユーザ装置タイプ情報を取得すること、及び
前記ユーザ装置タイプ情報に割り当てられた前記ホッピング制限情報を取り出すために、又は前記ユーザ装置タイプ情報に割り当てられた前記ホッピング制限情報を考慮に入れるホッピング周波数セットを取り出すために、取得した前記ユーザ装置タイプ情報を使用してルックアップテーブルにアクセスしこれを検索することを含み、
-前記ユーザ装置が無線通信規格により規定されたカバレッジ拡張モードで動作しているか否かを示す、前記ユーザ装置と関連付けられたカバレッジ拡張モード情報を取得すること、
-取得した前記カバレッジ拡張モード情報が、前記ユーザ装置が特定のカバレッジ拡張モードで動作していることを示す間だけ実行することを更に含む方法。
【請求項9】
-前記ユーザ装置から1つ以上の再送要求を受信したことに応答して前記無線信号の前記基地局トランシーバから前記ユーザ装置への再伝送を制御する際に使用される前記周波数ホッピング制御情報を含む再伝送制御情報をハイブリッド自動再送要求スキームの下で決定する際に、前記決定した周波数ホッピング制御情報を使用すること、及び
-決定した前記再伝送制御情報を制御通信での前記ユーザ装置への伝送のために提供することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
無線信号のユーザ装置への伝送を制御する際にセルラ無線通信システムの基地局トランシーバを動作させる方法であって、
-前記無線信号の連続無線信号セグメントの前記ユーザ装置への伝送に使用される、前記セルラ無線通信システムのダウンリンクチャネルのダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドのホッピング周波数セットを示し、かつ前記無線信号の前記連続無線信号セグメントの前記ユーザ装置への伝送に使用される、前記ホッピング周波数セットの前記周波数サブバンドのホッピング時間順序を示す周波数ホッピング制御情報を決定することを含み、
-前記周波数ホッピング制御情報を決定することが、
-前記ホッピング周波数セットから除外すべき前記ダウンリンク周波数バンドの前記周波数サブバンドの1つ以上を示すユーザ装置ホッピング制限情報を確認すること、及び
-前記ホッピング周波数セットを決定する際に前記ユーザ装置ホッピング制限情報を使用することを含み、
前記ユーザ装置ホッピング制限情報を確認することが、
前記ユーザ装置との制御交換において前記ユーザ装置からユーザ装置タイプ情報を取得すること、及び
前記ユーザ装置タイプ情報に割り当てられた前記ホッピング制限情報を取り出すために、又は前記ユーザ装置タイプ情報に割り当てられた前記ホッピング制限情報を考慮に入れるホッピング周波数セットを取り出すために、取得した前記ユーザ装置タイプ情報を使用してルックアップテーブルにアクセスしこれを検索することを含み、
-前記基地局トランシーバから第2の基地局トランシーバへの前記ユーザ装置のハンドオーバを実行することが、前記ユーザ装置ホッピング制限情報を前記基地局トランシーバから前記第2の基地局トランシーバに転送することを含む方法。
【請求項11】
セルラ無線通信システムの基地局トランシーバからユーザ装置への無線信号の伝送を制御するためのコントローラデバイスであって、前記コントローラデバイスが、
-前記無線信号の連続無線信号セグメントの前記ユーザ装置への伝送に使用される、前記セルラ無線通信システムのダウンリンクチャネルのダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドのホッピング周波数セットを示し、かつ前記無線信号の前記連続無線信号セグメントの前記ユーザ装置への伝送に使用される、前記ホッピング周波数セットの前記周波数サブバンドのホッピング時間順序を示す周波数ホッピング制御情報を決定するように構成されたホッピング制御ユニットを含み、
-前記ホッピング制御ユニットが、
-自己干渉により引き起こされる前記ユーザ装置における信号受信の外乱に起因して前記ホッピング周波数セットから除外すべき前記ダウンリンク周波数バンドの前記周波数サブバンドの1つ以上を示すユーザ装置ホッピング制限情報を確認し、
-前記ユーザ装置ホッピング制限情報を使用して前記ホッピング周波数セットを決定するように構成され
前記ホッピング制御ユニットが更に、
-前記ユーザ装置が無線通信規格により規定されたカバレッジ拡張モードで動作しているか否かを示す、前記ユーザ装置と関連付けられたカバレッジ拡張モード情報を取得し、
-取得した前記カバレッジ拡張モード情報が、前記ユーザ装置が前記カバレッジ拡張モードで動作していることを示す間だけ前記ユーザ装置ホッピング制限情報を確認し、
-前記取得したカバレッジ拡張モード情報が、前記ユーザ装置が前記カバレッジ拡張モードで動作していないことを示す間に前記ユーザ装置ホッピング制限情報に関係なく前記ホッピング周波数セットを決定するように構成されているコントローラデバイス。
【請求項12】
前記ホッピング制御ユニットが更に、
-前記ユーザ装置から1つ以上の再送要求を受信したことに応答して前記無線信号の前記基地局トランシーバから前記ユーザ装置への再伝送を制御する際に使用される前記周波数ホッピング制御情報を含む再伝送制御情報をハイブリッド自動再送要求スキームの下で決定する際に、前記決定した周波数ホッピング制御情報を使用し、
-決定した前記再伝送制御情報を制御通信で前記ユーザ装置への伝送のために提供するように構成されている、請求項11に記載のコントローラデバイス。
【請求項13】
セルラ無線通信システムで使用される基地局トランシーバであって、前記基地局トランシーバが請求項11又は12に記載のコントローラデバイスを備える基地局トランシーバ。
【請求項14】
請求項1の方法に従って無線信号のユーザ装置への伝送を制御する際に、セルラ無線通信システムの基地局トランシーバを制御するための実行可能コードを含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線信号のユーザ装置への伝送を制御する際にセルラ無線通信システムの基地局トランシーバを動作させる方法と、セルラ無線通信システムの基地局トランシーバからユーザ装置への無線信号の伝送を制御するためのコントローラデバイスと、セルラ無線通信システムで使用される基地局トランシーバと、基地局トランシーバからの無線信号の受信を制御する際にセルラ無線通信システムのユーザ装置を動作させる方法とに関する。
【0002】
無線通信ネットワークの技術分野では、無線信号の基地局トランシーバからユーザ装置への伝送にホッピングスキームがよく使用される。無線信号が周波数ホッピングを使用して伝送されるとき、伝送に使用されるダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドを、伝送に対する干渉源の影響を減らすために基地局トランシーバとユーザ装置の両方に知られているホッピングスキームに従って頻繁に変化させる。様々なホッピングスキームが従来技術において既に知られている。既知のシーケンスに基づいてホッピングを行うことは、ホッピングシーケンスの実行中の瞬間的なシグナリングを回避するという利点がある。
【背景技術】
【0003】
WO 2018/073812 A1には、無線通信ネットワークにおける、無線デバイス及びネットワークノード間の通信のための周波数ホッピングシーケンスを決定することを含む方法が記載されている。使用される周波数ホッピングシーケンスは、第1のホッピングシーケンス及び第2のホッピングシーケンスの関数である。第1のホッピングシーケンスは、第1の周波数ステップサイズ及び第1のシーケンス長を有し、第2のホッピングシーケンスは、第2の周波数ステップサイズ及び第2のシーケンス長を有する。第1の周波数ステップサイズは第2の周波数ステップサイズより大きい。更に、WO 2018/073812 A1の方法は、決定した周波数ホッピングシーケンスに従って選択された周波数で通信することを含む。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、改善されたホッピングスキームを提供することである。
【0005】
改善されたホッピングスキームを提供するという目的は、本発明の第1の態様に係る、請求項1に記載の基地局トランシーバを動作させる方法によって達成される。第2及び第3の態様では、本発明は、それぞれ請求項12及び15に記載の基地局トランシーバのためのコントローラデバイス及び基地局トランシーバによって構成される。第4の態様では、本発明は請求項16に記載のユーザ装置を動作させる方法によって構成される。
【0006】
第5及び第6の態様によれば、本発明は、請求項21及び22に記載の基地局トランシーバを制御するためのコンピュータプログラム及びユーザ装置を制御するためのコンピュータプログラムによって構成される。
【0007】
以下で本発明の第1の態様に係る方法が説明される。
【0008】
本発明の第1の態様に係る方法は、無線信号のユーザ装置への伝送を制御する際にセルラ無線通信システムの基地局トランシーバを動作させることに関する。
【0009】
方法は周波数ホッピング制御情報を決定することを含む。周波数ホッピング制御情報は、無線信号の連続無線信号セグメントのユーザ装置への伝送に使用される、セルラ無線通信システムのダウンリンクチャネルのダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドのホッピング周波数セットを示す。更に、周波数ホッピング制御情報は、無線信号の連続無線信号セグメントのユーザ装置への伝送に使用される、ホッピング周波数セットの周波数サブバンドのホッピング時間順序を示す。
【0010】
第1の態様の方法によれば、周波数ホッピング制御情報を決定することは、
-ホッピング周波数セットから除外すべきダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドの1つ以上を示すユーザ装置ホッピング制限情報を確認すること、及び
-ホッピング周波数セットを決定する際にユーザ装置ホッピング制限情報を使用することを含む。
【0011】
本発明は、伝送に対する干渉源の影響を減らすのにホッピングスキームが非常に効率的であるという認識に基づいている。基地局トランシーバ及びユーザ装置が使用される特定の環境は、1つ以上の周波数での伝送に影響を及ぼす干渉源を含む。伝送に対する干渉源の影響を減らすために、無線信号の連続無線信号セグメントがセルラ無線通信システムのダウンリンクチャネルのダウンリンク周波数バンドの複数の周波数サブバンドを使用したホッピング時間順序に従って伝送されるホッピングスキームが使用される。
【0012】
更に、本発明は、説明される所与のホッピングスキームのプラスの効果が、所与のユーザ装置に対する個々の制限である一セットの適切な周波数サブバンドの制限を考慮に入れることによって改善され得るという認識を含む。
【0013】
この認識に基づいて、本発明の方法はまた、ホッピング周波数セットから除外すべきダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドの1つ以上を示すユーザ装置ホッピング制限情報を確認すること、及びホッピング周波数セットを決定する際にユーザ装置ホッピング制限情報を使用することを含む。
【0014】
例えば、前述の環境によりもたらされる干渉源の他に、受信性能は、自己干渉とも呼ばれるユーザ装置の内部干渉源に悩まされる可能性もある。特にデバイスの小型化に起因して、無線受信機モジュールは最近ではユーザ装置のコンパクトな筐体内部で他のモジュールのすぐ近くにある。例えば、DC-DCコンバータ、具体的にはスイッチング式コンバータ、又はメモリモジュールが内部干渉源となる可能性がある。この種の影響は通常、ユーザ装置のメーカ側で所与のユーザ装置の動作時に存在することが知られている。本発明によって、かかる情報は所与のユーザ装置との通信に使用されるホッピングスキームの制御のために基地局トランシーバに利用可能になる。したがって、自己干渉のこの例では、自己干渉の内部源の影響は、かかる自己干渉に起因して受信性能の低下を示す周波数を、ユーザ装置ホッピング制限情報を使用してホッピング周波数セットから除外することによって軽減される可能性がある。ただし所与の例が、ユーザ装置の現在の場所における周波数ホッピング制御情報を決定する時に所与のユーザ装置に適用されることが知られているいかなる制限もユーザ装置ホッピング制限情報として提供され得るという意味で非制限的であることに留意されたい。
【0015】
以下では方法の好適な実施形態が説明される。
【0016】
様々な実施形態において、基地局トランシーバは、様々なソースからのユーザ装置ホッピング制限情報を確認する。基地局トランシーバを動作させる方法の好適な実施形態では、ユーザ装置ホッピング制限情報を確認することは、ユーザ装置からユーザ装置ホッピング制限情報を受信することを含む。この実施形態は、個々のユーザ装置ホッピング制限情報が適用されるデバイスで直接保持され、そのデバイスから直接取得されるという点で特に有利である。これは、この情報を保持及び確認するためのネットワーク内部制御通信を回避する。結果として、ネットワークには計算リソース及び/又はストレージリソースが少なくて済む。
【0017】
方法の別の好適な実施形態では、ユーザ装置ホッピング制限情報を確認することは、周波数サブバンドの1つ以上に対する最小受信性能情報をユーザ装置に伝達することを含み、最小受信性能情報は、ユーザ装置における最大受信誤り率、又は受信機側の信号品質情報を同様に示す任意の量(RSSI、BERなど)を示す。これは、ユーザ装置ホッピング制限情報を決定する際に、無線信号を伝送するために最大カバレッジ拡張レベルなどの基地局トランシーバの特性を考慮に入れることを可能にする。したがって、この実施形態の変形例では、これはユーザ装置から受信したホッピング制限情報が最小受信性能情報を考慮に入れる点で役に立つ可能性がある。換言すれば、ホッピング制限情報は、最小受信性能情報に依存してユーザ装置から受信される。例えば、最小受信性能情報により課される一定レベルの必要な上限誤り率閾値がある周波数サブバンドについてユーザ装置によって満たされ得ない場合、この周波数サブバンドはホッピング制限情報に動的に追加される。
【0018】
他の実施形態では、基地局トランシーバは、ホッピング制限情報を取得するためにあらかじめ記憶されているルックアップテーブルを使用する。例えば、ユーザ装置ホッピング制限情報を確認することは、
-ユーザ装置との制御交換においてユーザ装置からユーザ装置タイプ情報を取得すること、及び
-ユーザ装置タイプ情報に割り当てられたホッピング制限情報を取り出すために、又はユーザ装置タイプ情報に割り当てられたホッピング制限情報を考慮に入れるホッピング周波数セットを取り出すために、取得したユーザ装置タイプ情報を使用してルックアップテーブルにアクセスしこれを検索することを含む。
【0019】
この実施形態は、ユーザ装置ホッピング制限情報を決定する際にユーザ装置と基地局トランシーバとの間で交換される情報に関連したより少ない制御トラフィック量を維持するために有利である。
【0020】
方法の別の実施形態は、ホッピング時間順序を決定する際にユーザ装置ホッピング制限情報を追加的に使用する更なるステップを含む。これは、例えば基地局トランシーバと様々なユーザ装置デバイスとの間の無線通信に同じ周波数サブバンドを並列に使用するときに高度なホッピング制御スキームを可能にする。ホッピング時間順序は、一群の実施形態について以下で更に展開されるように、様々なユーザ装置デバイスに同じ周波数サブバンドを同時に使用することを避けるために、様々なユーザ装置デバイスについて基地局トランシーバによって制御される可能性がある。
【0021】
別の好適な実施形態では、ホッピング周波数セットを決定すること、ホッピング時間順序を決定すること、又はホッピング周波数セット及びホッピング時間順序を決定することは、無線信号のユーザ装置への伝送に使用される個々の周波数サブバンドが占める周波数バンド幅を示すバンド幅情報を追加的に使用して行われる。バンド幅情報を使用して、無線信号の伝送に使用される個々の周波数サブバンド間の距離は、有利には、具体的には共通の内部干渉源によりカバーされる周波数からの距離に対して、伝送に使用される周波数サブバンドを割り当てることによって達成されるホッピング利得を最適化するように調整される可能性がある。
【0022】
上記の更なる一群の実施形態において、方法は、無線信号の基地局トランシーバからユーザ装置への1回以上の追加の並列伝送のための更なる周波数ホッピング制御情報を決定する際に、決定した周波数ホッピング制御情報を使用することを含む。更なる周波数ホッピング制御情報は、
-決定した周波数ホッピング制御情報のホッピング周波数セット、及び
-ホッピング周波数セットの周波数サブバンドに割り当てられた変更されたホッピング時間順序を含み、各追加の並列伝送のための変更されたホッピング時間順序は、それぞれ決定した周波数ホッピング制御情報のホッピング時間順序の周期的にシフトされたバージョンである。
【0023】
この実施形態に係る基地局トランシーバの様々な周波数サブバンドを含む所与の割り当てられたダウンロードバンド内で基地局トランシーバからユーザ装置への並列伝送を使用して、所与の時点に周波数空間におけるダウンロードバンドの伝送容量がもっと上手く利用され、所与の期間内にユーザ装置に伝送されるデータの量は、同時にユーザ装置ホッピング制限情報を観察している間に増える可能性がある。好ましくは、この実施形態においてホッピングスキームで使用される周波数サブバンドは全て等しいバンド幅であるため、シフトバージョンの個々の伝送のためのホッピングスキームは特に制御が簡単である。
【0024】
更に別の実施形態では、方法は更に、
-決定した周波数ホッピング制御情報を使用して、無線信号の基地局トランシーバからユーザ装置への伝送をスケジューリングするためのスケジューリング制御情報を決定すること、及び
-決定したスケジューリング制御情報を、無線信号のユーザ装置への伝送と関連付けられた制御通信でユーザ装置への伝送のために提供することを含む。
【0025】
好適には、周波数ホッピング制御情報に含まれる周波数サブバンドは、1つのエンティティとして、すなわち1つのスケジューリング情報としてスケジューリングされる。
【0026】
別の好適な実施形態では、方法は更に、
-ユーザ装置が無線通信規格により規定されたカバレッジ拡張モードで動作しているか否かを示す、ユーザ装置と関連付けられたカバレッジ拡張モード情報を取得するステップと、
-取得したカバレッジ拡張モード情報が、ユーザ装置が特定のカバレッジ拡張モードで動作していることを示す間だけ方法を実行するステップとを含む。
【0027】
更に別の好適な実施形態では、方法は更に、
-ユーザ装置から1つ以上の再送要求を受信したことに応答して無線信号の基地局トランシーバからユーザ装置への再伝送を制御する際に使用される周波数ホッピング制御情報を含む再伝送制御情報をハイブリッド自動再送要求スキームの下で決定する際に、決定した周波数ホッピング制御情報を使用するステップ、及び
-決定した再伝送制御情報を制御通信でのユーザ装置への伝送のために提供するステップを含む。
【0028】
したがって、この実施形態は、ユーザ装置ホッピング制限情報に基づいて決定された周波数ホッピング制御情報を使用した、ホッピングスキームにおけるハイブリッド自動再送要求(HARQ)スキームの下での再伝送も含む。
【0029】
更なる実施形態では、方法は、基地局トランシーバから第2の基地局トランシーバへのユーザ装置のハンドオーバを実行することを含む。この実施形態では、ユーザ装置ホッピング制限情報は、基地局トランシーバから第2の基地局トランシーバへ提供される。これは、ハンドオーバの後及びUE個別のホッピングスキームを有効にするためのユーザ装置と第2の基地局トランシーバとの間の追加の制御通信を回避した後でもユーザ装置ホッピング制限情報に従った信号伝送を継続することを可能にする。
【0030】
この実施形態の変形例では、ハンドオーバを実行中の基地局トランシーバはまた、最小受信性能情報、カバレッジ拡張モード情報、又は両方の情報セットを第2の基地局トランシーバに提供する。これは、ユーザ装置に対するハンドオーバエクスペリエンスを更に改善する。
【0031】
以下の説明は、本発明の第2の態様に係る、セルラ無線通信システムの基地局トランシーバからユーザ装置への無線信号の伝送を制御するためのコントローラデバイスに目を向ける。
【0032】
コントローラデバイスは、無線信号の連続無線信号セグメントのユーザ装置への伝送に使用される、セルラ無線通信システムのダウンリンクチャネルのダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドのホッピング周波数セットを示す周波数ホッピング制御情報を決定するように構成されたホッピング制御ユニットを備える。更に、周波数ホッピング制御情報は、無線信号の連続無線信号セグメントのユーザ装置への伝送に使用される、ホッピング周波数セットの周波数サブバンドのホッピング時間順序を示す。
【0033】
更に、ホッピング制御ユニットは、
-自己干渉により引き起こされるユーザ装置における信号受信の外乱に起因してホッピング周波数セットから除外すべきダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドの1つ以上を示すユーザ装置ホッピング制限情報を確認し、
-ユーザ装置ホッピング制限情報を使用してホッピング周波数セットを決定するように構成されている。
【0034】
コントローラデバイスは、本発明の第1の態様に係る方法の利点を共有する。コントローラデバイスは、一部の実施形態では基地局トランシーバに統合されているコンポーネントとして実装される。他の実施形態では、コントローラデバイスは、基地局トランシーバの外部にある別個のデバイスとして使用されるスタンドアロンコンポーネントである。
【0035】
コントローラデバイスの好適な実施形態では、ホッピング制御ユニットは更に、
-ユーザ装置が無線通信規格により規定されたカバレッジ拡張モードで動作しているか否かを示す、ユーザ装置と関連付けられたカバレッジ拡張モード情報を取得し、
-取得したカバレッジ拡張モード情報が、ユーザ装置がカバレッジ拡張モードで動作していることを示す間だけユーザ装置ホッピング制限情報を確認し、
-取得したカバレッジ拡張モード情報が、ユーザ装置がカバレッジ拡張モードで動作していないことを示す間に、ユーザ装置ホッピング制限情報に関係なくホッピング周波数セットを決定するように構成されている。
【0036】
コントローラデバイスの別の好適な実施形態では、ホッピング制御ユニットは更に、
-ユーザ装置から1つ以上の再送要求を受信したことに応答して無線信号の基地局トランシーバからユーザ装置への再伝送を制御する際に使用される周波数ホッピング制御情報を含む再伝送制御情報をハイブリッド自動再送要求スキームの下で決定する際に、決定した周波数ホッピング制御情報を使用し、
-決定した再伝送制御情報を制御通信でのユーザ装置への伝送のために提供するように構成されている。
【0037】
本発明の第3の態様によれば、セルラ無線通信システムで使用される基地局トランシーバが提供される。基地局トランシーバは、第2の態様又は上記の実施形態の1つのコントローラデバイスを備える。
【0038】
基地局トランシーバは、本発明の第1の態様に係る方法との関連で説明される利点を共有する。
【0039】
本発明の第4の態様によれば、セルラ無線通信システムのユーザ装置を動作させる方法が提供される。
【0040】
方法は、無線信号の連続無線信号セグメントのユーザ装置による受信に使用される、セルラ無線通信システムのダウンリンクチャネルのダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドのホッピング周波数セットを示す周波数ホッピング制御情報を受信することを含む。周波数ホッピング制御情報は、無線信号の連続無線信号セグメントのユーザ装置による受信に使用される、ホッピング周波数セットの周波数サブバンドのホッピング時間順序を示す。
【0041】
好適な実施形態では、方法は、ホッピング周波数セットから除外すべきダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドの1つ以上を示すユーザ装置ホッピング制限情報を、基地局トランシーバが無線信号を伝送する前の基地局トランシーバとの制御交換において基地局トランシーバに提供する追加のステップを含む。
【0042】
更に別の実施形態では、方法は、ユーザ装置における最大受信誤り率を示す、周波数サブバンドの1つ以上に対するユーザ装置最小受信性能情報を、基地局トランシーバが無線信号を伝送する前の基地局トランシーバとの制御交換において基地局トランシーバから受信する追加のステップを含む。
【0043】
更に好適な実施形態では、方法は、
-ユーザ装置が無線通信規格により規定されたカバレッジ拡張モードで動作しているか否かを示す、ユーザ装置と関連付けられたカバレッジ拡張モード情報を基地局トランシーバに提供する追加のステップ、及び
-カバレッジ拡張モード情報が、ユーザ装置がカバレッジ拡張モードで動作していることを示す間だけ本発明の第4の態様の方法を実行する追加のステップを含む。
【0044】
更に別の実施形態では、方法は、
-周波数ホッピング制御情報を含む再伝送制御情報を基地局トランシーバから制御通信で受信する追加のステップと、
-1つ以上の再送要求をユーザ装置から基地局トランシーバにハイブリッド自動再送要求スキームの下で伝送することに応答して、無線信号の基地局トランシーバからユーザ装置への1回以上の再伝送の受信を、再伝送制御情報に含まれる周波数ホッピング制御情報を使用して制御する追加のステップとを含む。
【0045】
本発明の第5の態様によれば、基地局トランシーバを制御するためのコンピュータプログラムが特許請求される。コンピュータプログラムは、本発明の第1の態様の方法に従って無線信号のユーザ装置への伝送を制御する際に、セルラ無線通信システムの基地局トランシーバを制御するための実行可能コードを含む。コンピュータプログラムは、本発明の第1の態様に係る方法の全ての利点を共有する。
【0046】
本発明の第6の態様によれば、ユーザ装置を制御するためのコンピュータプログラムが特許請求される。コンピュータプログラムは、本発明の第4の態様の方法に従って無線信号の基地局トランシーバからの受信を制御する際に、セルラ無線通信システムにおいて使用されるユーザ装置を制御するための実行可能コードを含む。コンピュータプログラムは、本発明の第4の態様に係る方法の全ての利点を共有する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
以下に添付図面を参照して更なる実施形態が説明される。
【0048】
図1a】本発明に係る無線信号のユーザ装置への伝送を制御する際に基地局トランシーバを動作させる方法の実施形態のフローチャート。
図1b図1aに示す方法を用いて生成した例示的なホッピングスキーム。
図1c】自己干渉が所与のユーザ装置の受信機の感度にどのような影響を及ぼすかを示す例示的な図。
図2】無線信号の基地局トランシーバからユーザ装置への伝送を制御する際に基地局トランシーバ及びユーザ装置を動作させる方法の実施形態のフローチャート。
図3図2の方法200の代替的な実施形態である方法300のフローチャート。
図4a】無線信号の基地局トランシーバからユーザ装置への1回以上の追加の並列伝送のための更なる周波数ホッピング制御情報を決定する方法の実施形態のフローチャート。
図4b図4aの方法を用いて生成した例示的なホッピングスキーム。
図4c図4aの方法を用いて生成した代替的な例示的なホッピングスキーム。
図5図2の方法の代替的な実施形態である方法のフローチャート。
図6図2の方法の更に別の代替的な実施形態である方法のフローチャート。
図7】ハイブリッド自動再送要求に応じた伝送において周波数ホッピング制御情報を使用する方法のフローチャート。
図8】ある基地局トランシーバから次の基地局トランシーバへの所与のユーザ装置のハンドオーバを実行する方法の実施形態のフローチャート。
図9】本発明に係る基地局トランシーバ920及びユーザ装置910を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1aは、本発明に係る無線信号のユーザ装置への伝送を制御する際に基地局トランシーバを動作させる方法100の実施形態のフローチャートを示している。
【0050】
基地局トランシーバ及びユーザ装置はいずれもセルラ無線通信システムの一部である。方法はターミネータ102から始まり、周波数ホッピング制御情報を決定するアルゴリズム103を含む。周波数ホッピング制御情報は、無線信号の連続無線信号セグメントのユーザ装置への伝送に使用される、セルラ無線通信システムのダウンリンクチャネルのダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドのホッピング周波数セットを示す。更に、周波数ホッピング制御情報は、無線信号の連続無線信号セグメントのユーザ装置への伝送に使用される、ホッピング周波数セットの周波数サブバンドのホッピング時間順序を示す。
【0051】
アルゴリズム103は2つのステップ104及び106を含む。ステップ104において、ホッピング周波数セットから除外すべきダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドの1つ以上を示すユーザ装置ホッピング制限情報が確認される。
【0052】
図1aに示す方法100の実施形態では、ホッピング周波数セットに含まれる周波数サブバンドは、それぞれ各中心周波数及び各周波数サブバンド幅によって示される。簡単化のために、全ての周波数サブバンドが同じ幅を有すると仮定する。ただし、これはどんな状況下でもそうである必要はない。他の実施形態では、周波数サブバンドの少なくとも1つは、例えば他のデバイスに使用され得る影響を受ける周波数領域を取っておくために、他の周波数サブバンドより小さい幅である。次のステップ106において、ホッピング周波数セットは、確認されたユーザ装置ホッピング制限情報に基づいて決定される。
【0053】
方法100を用いて生成されるホッピングスキーム100’の一例が図1bに示されており、以下で説明される。
【0054】
図1bは、図1aに示す方法100を用いて生成された例示的なホッピングスキームを示している。
【0055】
図1bには、基地局トランシーバ及びユーザ装置それぞれのダウンリンクチャネルの周波数バンド122及び124が、「f」と表示された座標軸で示された周波数の関数として示されている。
【0056】
周波数バンド122及び124の下方に、ホッピング周波数セット及びホッピング時間順序が示されており、「t」と表示された座標軸がホッピング時間順序を示し、座標軸「f」がホッピング周波数順序を示す。
【0057】
この例では、ダウンリンク周波数バンドは5つの周波数サブバンドに細分され、そのうち矩形126、128、130、及び132で示される4つの周波数サブバンドのみが使用される。図1bに示すように、任意の時点で1つの周波数サブバンドのみが伝送に使用される。伝送用の周波数サブバンドは、所定期間後に周期的に変更される。図は単一の期間のみを示している。次の期間において、伝送は最低周波数サブバンドで継続され、説明したパターンが繰り返される。
【0058】
図1bに示すように、矩形128及び130に対応する周波数サブバンド間の周波数サブバンドは、ホッピングスキームに使用されることはない。残された周波数サブバンドは、自己干渉に起因して伝送から除外すべきユーザ装置ホッピング制限で示された。自己干渉は、その周波数がダウンリンクチャネルの周波数バンドに含まれる信号を発する、受信機モジュールのすぐ近くに位置する機能モジュール、例えばDC-DCコンバータ又はメモリモジュールによって引き起こされる可能性がある。自己干渉が受信感度に及ぼす影響は、以下に図1cを参照して説明される。
【0059】
図1cは、自己干渉が所与のユーザ装置の受信機の感度にどのような影響を及ぼすかを示す例示的な図100’’を示している。
【0060】
例示的な図100’’は、所与のユーザ装置の受信機モジュールの受信機の感度を示す所与のユーザ装置のノイズレベルを、「f」と表示された座標軸で示された周波数の関数として示す。所与のユーザ装置の抑制されていないノイズレベルは、上限ノイズレベル140で示されている。周知のように、受信機の感度は蓄積によって上昇することによって下限ノイズレベル142をもたらす可能性がある。結果として生じる受信機の感度の上昇は、ノイズが時間的に無相関であるため蓄積プロセスにおける相殺的干渉によって減少するという事実の結果である。
【0061】
しかしながら、自己干渉によるノイズが存在する場合、この減少はピーク144.1、144.2、及び144.3を使用して示すように可能でない。図100’’のピーク144.1、144.2、及び144.3は、ダウンリンク周波数バンドの周波数範囲における自己干渉によるノイズの例示的な図である。自己干渉によるノイズは時間的に相関している。結果として、それらのピークは蓄積の影響を受けず、ピーク144.1~144.3と蓄積後の無相関ノイズ142との累積ノイズレベル146にとどまる。そのため、自己干渉は受信機の感度に大きな影響を及ぼすものであり、図1aの方法を用いてホッピング周波数のセットから除外されるべきである。
【0062】
以下に方法100の様々な実施形態が図2~8を参照して説明される。
【0063】
図2は、無線信号の基地局トランシーバからユーザ装置への伝送を制御する際に基地局トランシーバ及びユーザ装置を動作させる方法200の実施形態のフローチャートを示している。
【0064】
図1aのフローチャートが基地局トランシーバにより実行される方法100のステップのみを示すのに対して、図2は、基地局トランシーバとユーザ装置の両方によって実行されるステップを示している。結果として、フローチャートは破線によって左側と右側とに細分されている。「BST」とも表示された左側は、基地局トランシーバにより実行される方法の全てのステップを示すのに対して、「UE」とも表示された右側は、ユーザ装置により実行される全てのステップを示す。
【0065】
方法200は、ターミネータ202から始まり、無線信号の連続無線信号セグメントの基地局トランシーバからユーザ装置への伝送に使用される、周波数サブバンドのホッピング周波数セット及びホッピング周波数セットの周波数サブバンドのホッピング時間順序を示す周波数ホッピング制御情報を決定するためのアルゴリズム204が続く。
【0066】
アルゴリズム204は、ユーザ装置がユーザ装置ホッピング制限情報を制御交換で基地局トランシーバに送信するステップ210を含む。後続のステップ220において、ユーザ装置ホッピング制限情報は基地局トランシーバによって受信される。
【0067】
ステップ230において、ユーザ装置は、周波数ホッピング制御情報のホッピング周波数セットを決定するためにユーザ装置ホッピング制限情報を処理する。方法200はターミネータ242で終了する。
【0068】
方法200では、ユーザ装置ホッピング制限情報のみがホッピング周波数セットを決定するのに使用される。ただし、方法の他の実施形態では、基地局トランシーバは代替的又は付加的にホッピング時間順序を決定するためにもユーザ装置ホッピング制限情報を使用する。
【0069】
方法の更に他の実施形態では、ユーザ装置は、ユーザ装置ホッピング制限情報を基地局トランシーバに送信するのではなく、むしろユーザ装置タイプ情報を送信する。他の実施形態では、ユーザ装置タイプ情報はメーカ及びデバイスタイプ情報、すなわちTAC(タイプ割り当てコード)に対応する。
【0070】
次いで連続したステップにおいて、基地局トランシーバは、ユーザ装置タイプ情報に割り当てられたホッピング制限情報を取り出すために、取得したユーザ装置タイプ情報を使用してサーバ上のルックアップテーブルにアクセスしこれを検索する。代替的な実施形態では、基地局トランシーバは、ユーザ装置タイプ情報に割り当てられたホッピング制限情報を考慮に入れるホッピング周波数セットを直接取り出すために、取得したユーザ装置タイプ情報を使用してサーバ上のルックアップテーブルにアクセスしこれを検索する。
【0071】
方法の更に別の実施形態では、基地局トランシーバは、図2のステップ230において、「BWI」と表示されたバンド幅情報を考慮に入れる。バンド幅情報は、無線信号のユーザ装置への伝送に使用される個々の周波数サブバンドが占める周波数バンド幅を示す。方法のそれらの実施形態では、バンド幅情報は、ホッピング周波数セットを決定する、ホッピング時間順序を決定する、又はホッピング周波数セット及びホッピング時間順序を決定するのに使用される。
【0072】
図3は、図2の方法200の代替的な実施形態である方法300のフローチャートを示している。
【0073】
図2の方法200のステップと同一である方法300のステップは同じ参照符号を使用して表示されている。それらの特徴の説明については、図2の記載を参照されたい。以下では方法300に特有の特徴のみが説明される。
【0074】
周波数ホッピング制御情報を決定するためのアルゴリズム304の一部として、方法300は、基地局トランシーバが、ダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドのための、ユーザ装置における最大受信誤り率を示す最小受信性能情報をユーザ装置に提供する追加のステップ350を含む。
【0075】
次いでステップ310において、ユーザ装置は、最小受信性能情報に基づいてユーザ装置ホッピング制限情報を決定し、ユーザ装置ホッピング制限情報を基地局トランシーバに提供する。
【0076】
方法100、200、及び300では、ダウンリンク周波数バンドの1つの周波数サブバンドのみが、無線信号の基地局トランシーバからユーザ装置への伝送のためにいつでも使用される。以下では、複数のサブバンドが無線信号の2つ以上のデバイスへの伝送に並列に使用される代替的な方法が図4a~4cを参照して説明される。
【0077】
図4aは、無線信号の基地局トランシーバからユーザ装置への1回以上の追加の並列伝送のための更なる周波数ホッピング制御情報を決定する方法の実施形態のフローチャートを示している。方法は基地局トランシーバの観点から定式化されている。
【0078】
方法400は、ターミネータ402から始まった後、第1のステップ410が実行される。ステップ410において、方法100のアルゴリズム103が、周波数ホッピング制御情報を決定するために実行される。
【0079】
第2のステップ420において、決定した周波数ホッピング制御情報のホッピング周波数セットと、ホッピング周波数セットの周波数サブバンドに割り当てられた変更されたホッピング時間順序とを含む更なる周波数ホッピング制御情報が決定される。各追加の並列伝送のための変更されたホッピング時間順序は、それぞれ決定した周波数ホッピング制御情報のホッピング時間順序の周期的にシフトされたバージョンである。方法400はターミネータ432で終了する。
【0080】
以下に方法400を用いて生成した例示的なホッピングスキームが図4b及び図4cを参照して説明される。
【0081】
図4bは、図4aの方法を用いて生成した例示的なホッピングスキーム400’を示している。
【0082】
ホッピングスキーム400’は、同一のホッピング周波数セットをサポートする2つの異なるデバイスへの無線信号の並列伝送を示している。
【0083】
ホッピングスキーム400’は、図1bのホッピングスキーム100’と同様に描かれている。図4bの上部には、基地局トランシーバ及びユーザ装置それぞれのダウンリンクチャネルの周波数バンド122及び124が周波数の関数として示されており、「f」と表示された座標軸が周波数依存性を示す。
【0084】
図4bの下部には、ホッピングスキーム400’の時間周波数依存性が、周波数依存性を表す座標軸「f」及び時間依存性を表す「t」と表示された座標軸の助けを借りて示されている。ダウンリンク周波数バンドは5つのサブバンドに細分されている。伝送は2つの並列ホッピングスキームを用いて実行される。第1のホッピングスキームが、図1bに示したホッピングスキーム100’に対応する矩形126、128、130、及び132で示される。
【0085】
また、図4bは、矩形426、428、430、及び432で示された第2のホッピングスキームを示している。第1及び第2のホッピングスキームの伝送は、同じ周波数サブバンドのセットを使用して行われる。ただし第1及び第2のホッピングスキームは、前の時間ステップで第2のホッピングスキームが使用していた周波数サブバンドを使用して第1のホッピングスキームが伝送を行うように時間順序が異なる。換言すれば、第2のホッピングスキームのホッピング時間順序は、第1のホッピングスキームの周期的にシフトされたホッピング時間順序に対応する。
【0086】
図4cにはホッピングスキームのより複雑な組み合わせが示されている。ホッピングスキームは同様に、図4aの方法400に従って生成される。ただし、この例ではホッピング時間順序に加えてホッピング周波数セットも変更されている。図4cは、図4aの方法を用いて生成された代替的な例示的ホッピングスキーム400’’を示している。
【0087】
ホッピングスキーム400’’は、第2のホッピングスキームの矩形428が矩形428’に置き換えられている点を除いてホッピングスキーム400’と同一である。矩形428’は、これまで未使用の周波数バンド122の真ん中を占める周波数サブバンドの第2のホッピングスキームの一部としての使用を示す。結果として、矩形130で示される周波数サブバンドは第2のホッピングスキームによって使用されない。
【0088】
異なるホッピング時間順序に基づくだけではなく、異なるホッピング周波数セットにも基づく、図4cのホッピングスキームなどのホッピングスキームは、並列伝送を受信するデバイスが、例えば様々な内部干渉源に起因する様々な周波数サブバンドをサポートする場合に特に有利である。
【0089】
前述の方法は、周波数ホッピング制御情報を決定するのに必要なステップのみを含む。以下で無線信号の伝送を準備するための追加のステップを含む方法が説明される。
【0090】
図5は、図2の方法200の代替的な実施形態である方法500のフローチャートを示している。
【0091】
図2の方法200のステップと同一である方法500のステップは同じ参照符号を使用して表示されている。それらの特徴の説明については、図2の記載を参照されたい。以下では方法500に特有の特徴のみが説明される。
【0092】
周波数ホッピング制御情報を決定するためのアルゴリズム504の一部として、方法500は、追加のステップ550及び560を含む。
【0093】
ステップ550において、基地局トランシーバは、無線信号の基地局トランシーバからユーザ装置への伝送をスケジューリングするためのスケジューリング制御情報を決定するために、決定した周波数ホッピング制御情報を使用する。スケジューリング制御情報は、ユーザ装置が無線信号の伝送のためにどの周波数サブバンドをリッスンすべきかを知るために必要とされる。
【0094】
連続したステップ560において、基地局トランシーバは、決定したスケジューリング制御情報を、無線信号のユーザ装置への伝送と関連付けられた制御通信でユーザ装置への伝送のために提供する。
【0095】
特定の状況では、ユーザ装置がカバレッジ拡張モードで動作する場合に、ユーザ装置ホッピング制限情報のみを使用することが有利である。かかる方法は以下で図6を参照して説明される。
【0096】
図6は、図2の方法の更に別の代替的な実施形態である方法600のフローチャートを示している。
【0097】
図2の方法200のステップと同一である方法600のステップは同じ参照符号を使用して表示されている。それらの特徴の説明については、図2の記載を参照されたい。以下では方法600に特有の特徴のみが説明される。
【0098】
アルゴリズム204の実行前に、基地局トランシーバは、ステップ620においてユーザ装置がカバレッジ拡張モードで動作しているかどうかを検証する。このためにユーザ装置は、ステップ610において、ユーザ装置が無線通信規格により規定されたカバレッジ拡張モードで動作しているか否かを示すカバレッジ拡張モード情報を基地局トランシーバに提供する。
【0099】
ユーザ装置がカバレッジ拡張モードで動作している場合、基地局トランシーバは、無線信号のユーザ装置への伝送のために(図6に「Y」が付された分岐で示された)アルゴリズム204を使用する。この例におけるカバレッジ拡張モードには、Cat-MデバイスのためのCEモードA及びCEモードB並びにNB-IoTデバイスのためのCEレベル1~CEレベル3が含まれる。
【0100】
ユーザ装置がカバレッジ拡張モードで動作していない場合、基地局トランシーバは、無線信号のユーザ装置への伝送のために(図6に「N」が付された分岐で示された)標準ホッピングアルゴリズムを使用する。
【0101】
方法600の代替的な実施形態において、ユーザ装置は、ユーザ装置がどのカバレッジ拡張モードを使用しているかを示す情報を提供する。この実施形態では、アルゴリズム204は、ユーザ装置が所定のカバレッジ拡張モードを使用する場合にのみ実行される。
【0102】
無線信号の標準伝送に加えて、上記の方法は、ハイブリッド自動再送要求に応じた無線信号の伝送にも用いられる可能性がある。かかる方法の実施形態が以下で図7を参照して説明される。
【0103】
図7は、ハイブリッド自動再送要求に応じた伝送において周波数ホッピング制御情報を使用する方法700のフローチャートを示している。方法700は、基地局トランシーバの観点から定式化されている。ユーザ装置がとるステップは黙示的にのみ言及される。
【0104】
方法700はターミネータ702から始まり、所与のユーザ装置から1つ以上の再送要求を受信したことに応答して実行される。
【0105】
方法700の第1のステップ710において、方法100のアルゴリズム103が周波数ホッピング制御情報を決定するために使用される。
【0106】
第2のステップ720において、周波数ホッピング制御情報は、ハイブリッド自動再送要求スキームの下で再伝送制御情報を決定する際に使用される。
【0107】
方法700の最終ステップ730において、基地局トランシーバは、制御通信でユーザ装置への伝送のために決定した再伝送制御情報を提供する。方法700はターミネータ742で終了する。
【0108】
ある基地局トランシーバから次の基地局トランシーバへのユーザ装置のハンドオーバの場合、周波数ホッピング制御情報をその基地局トランシーバから次の基地局トランシーバへ渡すことが有利である。かかる方法は以下で図8を参照して説明される。
【0109】
図8は、ある基地局トランシーバから次の基地局トランシーバへの所与のユーザ装置のハンドオーバを実行する方法800のフローチャートを示している。
【0110】
方法800はターミネータ802から始まる。第1のステップ804において、方法100のアルゴリズム103が周波数ホッピング制御情報を決定するために実行される。
【0111】
後続のステップ806において、基地局トランシーバは、ハンドオーバの場合にユーザ装置ホッピング制限情報を次の基地局トランシーバに転送する。この方法は周波数内ハンドオーバに特に有利である。
【0112】
方法800の代替的な実施形態では、アルゴリズム802は、ユーザ装置が使用するカバレッジ拡張モードに関する情報を転送するためのステップも含む。方法800の更に他の実施形態では、ユーザ装置ホッピング制限情報を決定するために基地局トランシーバによりユーザ装置に信号伝送される最小受信性能情報も次の基地局トランシーバに転送される。
【0113】
最後に、上記の方法の1つを実行するように構成された基地局トランシーバ及びユーザ装置が図9を参照して説明される。
【0114】
図9は、本発明に係る基地局トランシーバ920及びユーザ装置910を示している。
【0115】
図9の例におけるユーザ装置は、電波塔で描かれた基地局トランシーバ920と通信する携帯電話910であり、どちらもセルラ無線通信システム900の一部である。
【0116】
基地局トランシーバ920は、ホッピング制御ユニットを含むコントローラデバイス920.1を備える。ホッピング制御ユニットは、無線信号の連続無線信号セグメントのユーザ装置への伝送に使用される、セルラ無線通信システムのダウンリンクチャネルのダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドのホッピング周波数セットを示す周波数ホッピング制御情報を決定するように構成されている。更に周波数ホッピング制御情報は、無線信号の連続無線信号セグメントのユーザ装置への伝送に使用される、ホッピング周波数セットの周波数サブバンドのホッピング時間順序を示す。
【0117】
具体的には、ホッピング制御ユニットは、自己干渉により引き起こされるユーザ装置における信号受信の外乱に起因してホッピング周波数セットから除外すべきダウンリンク周波数バンドの周波数サブバンドの1つ以上を示すユーザ装置ホッピング制限情報を確認し、ユーザ装置ホッピング制限情報を使用してホッピング周波数セットを決定するように構成されている。図9に描かれた例では、ユーザ装置ホッピング制限情報の確認は、携帯電話910に無線信号の伝送前の制御交換においてユーザ装置ホッピング制限情報を提供するように要求することによって行われる。
【0118】
携帯電話910は、基地局トランシーバ920にユーザ装置周波数制限情報を提供し、その後基地局トランシーバ920から周波数ホッピング制御情報を受信するように構成されているホッピング制御ユニットを含むコントローラデバイス910.1を備える。
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7
図8
図9