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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】ボタン型二次電池及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/184 20210101AFI20240402BHJP
   H01M 50/167 20210101ALI20240402BHJP
   H01M 50/109 20210101ALI20240402BHJP
   H01M 50/153 20210101ALI20240402BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20240402BHJP
   H01M 50/559 20210101ALI20240402BHJP
   H01M 50/119 20210101ALI20240402BHJP
   H01M 50/159 20210101ALI20240402BHJP
【FI】
H01M50/184 E
H01M50/167
H01M50/109
H01M50/153
H01M50/548 201
H01M50/559
H01M50/119
H01M50/159
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022541943
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 KR2021008376
(87)【国際公開番号】W WO2022005232
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】10-2020-0081088
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0086300
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ミン ス
(72)【発明者】
【氏名】キム、ビュン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】スン、ジョー ファン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヨン ゴン
(72)【発明者】
【氏名】パク、グン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン セオン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ヨン フン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、サン ハク
【審査官】小川 進
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-045297(JP,A)
【文献】実開昭52-103327(JP,U)
【文献】特開昭59-173946(JP,A)
【文献】特表2019-523520(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0036086(KR,A)
【文献】特開昭59-160953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/109
H01M 50/119
H01M 50/559
H01M 50/153
H01M 50/159
H01M 50/548
H01M 50/184
H01M 50/167
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボタン型二次電池であって、
第1電極端子を兼ねる下部缶と、
前記下部缶を囲む形態に結合され、第2電極端子を兼ねる上部缶と、
前記下部缶と前記上部缶との間に備えられるガスケットと、を含み、
前記ガスケットが密着される前記下部缶の表面と前記上部缶の表面には、湾入型の下部挿入溝と湾入型の上部挿入溝とがそれぞれ形成され、
前記下部挿入溝と前記上部挿入溝は、互いに向き合わないように離隔して位置し、
前記ガスケットの表面に下部挿入突起と上部挿入突起が形成され、
前記下部挿入突起は前記下部挿入溝に密着されるように設けられ、
前記上部挿入突起は前記上部挿入溝に密着されるように設けられる、ボタン型二次電池。
【請求項2】
前記下部缶と前記上部缶のクランピングにより、前記ガスケットの一部が前記下部挿入溝と前記上部挿入溝に導入されながら、前記ガスケットの表面に前記下部挿入突起と前記上部挿入突起が形成され、
前記下部挿入突起により、前記下部缶と前記ガスケットは密着面積が増大し、
前記上部挿入突起により、前記上部缶と前記ガスケットは密着面積が増大する、請求項1に記載のボタン型二次電池。
【請求項3】
前記下部挿入溝又は前記上部挿入溝は、底に行くほど幅が徐々に狭くなる三角形状を有する、請求項1または請求項2に記載のボタン型二次電池。
【請求項4】
前記下部挿入溝又は前記上部挿入溝は、2個以上設けられ、
2個以上の前記下部挿入溝又は2個以上の前記上部挿入溝は、前記下部缶と前記上部缶がクランピングされる方向に連結されるように設けられる、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のボタン型二次電池。
【請求項5】
2個以上の前記下部挿入溝又は2個以上の前記上部挿入溝は、前記下部缶と前記上部缶がクランピングされる方向に行くほど大きさが徐々に増大するように設けられる、請求項4に記載のボタン型二次電池。
【請求項6】
前記ガスケットは、前記下部缶と前記上部缶との間に備えられる外側部と、前記下部缶の内壁に支持される内側部と、前記外側部の上端と前記内側部の上端とを連結する連結部と、を含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のボタン型二次電池。
【請求項7】
前記下部缶には、前記下部缶と前記上部缶との間に備えられた前記ガスケットを加圧する加圧突起が形成される、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のボタン型二次電池。
【請求項8】
湾入型の下部挿入溝が形成された下部缶、湾入型の上部挿入溝が形成された上部缶、及び前記下部缶と前記上部缶との間に配置されるガスケットを準備する準備段階と、
第1電極、分離膜、及び第2電極が交互に積層された電極組立体を前記下部缶に収容する収容段階と、
前記下部缶の上部にガスケットを配置し、前記ガスケットは、前記下部缶の外周面に支持される外側部、前記下部缶の内周面に支持される内側部、及び前記外側部と前記内側部とを連結する連結部で形成される配置段階と、
前記下部缶の上部に前記上部缶を配置した後、前記下部缶と前記上部缶をクランピングしてボタン型二次電池を製造するクランピング段階と、を含み、
前記準備段階において、前記下部缶に形成された前記下部挿入溝と前記上部缶に形成された前記上部挿入溝は、前記下部缶と前記上部缶とが結合された際に、互いに向き合うことなく離隔して位置するように形成し、
前記クランピング段階は、前記下部缶と前記上部缶をクランピングすると、前記ガスケットの一部が前記下部挿入溝と前記上部挿入溝に導入されながら、前記ガスケットの表面に下部挿入突起と上部挿入突起が形成され、
前記下部挿入突起により、前記下部缶と前記ガスケットは密着面積が増大し、
前記上部挿入突起により、前記上部缶と前記ガスケットは密着面積が増大する、ボタン型二次電池の製造方法。
【請求項9】
前記下部挿入溝又は前記上部缶の挿入溝は、底に行くほど幅が徐々に狭くなる三角形状を有する、請求項8記載のボタン型二次電池の製造方法。
【請求項10】
前記準備段階において、前記下部挿入溝又は前記上部挿入溝は、2個以上設けられ、
2個以上の前記下部挿入溝又は2個以上の前記上部挿入溝は、前記下部缶と前記上部缶がクランピングされる方向に連結されるように形成される、請求項8または請求項に記載のボタン型二次電池の製造方法。
【請求項11】
前記準備段階は、前記下部挿入溝下部の前記下部缶に前記ガスケットを加圧する加圧突起を形成し、
前記クランピング段階は、前記下部缶と前記上部缶のクランピング時に、前記加圧突起により前記ガスケットの下部が固定されることにより、前記ガスケットが前記上部缶及び前記下部缶方向に拡張されながら前記下部挿入溝と前記上部挿入溝に導入される、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載のボタン型二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年7月1日に出願された韓国特許出願第10-2020-0081088号及び2021年7月1日に出願された韓国特許出願第10-2021-0086300号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、ボタン型二次電池及びその製造方法に関し、特にガスケットを介して下部缶と上部缶の結合力と密着力を高めたボタン型二次電池及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、二次電池(secondary battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電及び放電が可能な電池をいい、このような二次電池は、携帯電話、ノートパソコン、カムコーダー、及び電気自動車などに広く使用されている。
【0004】
一方、二次電池は、高いエネルギー密度、高い出力、長い寿命を有するボタン型二次電池を含み、前記ボタン型二次電池は、電極組立体、前記電極組立体を収容する下部缶、前記下部缶に結合される上部缶、前記下部缶と上部缶を封止するガスケットを含む。
【0005】
しかし、前記ボタン型二次電池は、前記下部缶と前記上部缶とが結合される際に、圧入力が大きいと、前記ガスケットが損傷されて前記下部缶と前記上部缶との間の結合力と密着力が低下し、圧入力が低いと、ガスケットの損傷は防止することができるが、前記下部缶と前記上部缶の封止力の弱化により、前記下部缶と前記上部缶との間の結合力と密着力が低下するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記のような問題を解決するために発明されたものであって、本発明は、下部缶と上部缶の構造を改善することにより、ガスケットを介した下部缶と上部缶の結合力と密着力を高めることができ、さらにガスケットの損傷を防止することができるボタン型二次電池及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記のような目的を達成するための本発明のボタン型二次電池は、第1電極端子を兼ねる下部缶;前記下部缶を囲む形態に結合され、第2電極端子を兼ねる上部缶;及び前記下部缶と前記上部缶との間に備えられるガスケットを含み、前記ガスケットが密着される前記下部缶の表面と前記上部缶の表面には、湾入型の下部挿入溝と湾入型の上部挿入溝とがそれぞれ形成され、前記下部挿入溝と前記上部挿入溝は、互いに向き合わないように離隔して位置してよい。
【0008】
前記下部缶と前記上部缶のクランピングにより、前記ガスケットの一部が前記下部挿入溝と前記上部挿入溝に導入されながら、前記ガスケットの表面に下部挿入突起と上部挿入突起が形成され、前記下部挿入突起により、前記下部缶と前記ガスケットは密着面積が増大し、前記上部挿入突起により、前記上部缶と前記ガスケットは密着面積が増大してよい。
【0009】
前記下部挿入溝又は前記上部挿入溝は、底に行くほど幅が徐々に狭くなる三角形状を有してよい。
【0010】
前記下部挿入溝又は前記上部挿入溝は、2個以上設けられ、2個以上の前記下部挿入溝又は2個以上の前記上部挿入溝は、前記下部缶と前記上部缶がクランピングされる方向に連結されるように設けられてよい。
【0011】
2個以上の前記下部挿入溝又は2個以上の前記上部挿入溝は、前記下部缶と前記上部缶がクランピングされる方向に行くほど大きさが徐々に増大するように設けられてよい。
【0012】
前記ガスケットは、前記下部缶と前記上部缶との間に備えられる外側部と、前記下部缶の内壁に支持される内側部と、前記外側部の上端と前記内側部の上端とを連結する連結部を含んでよい。
【0013】
前記下部缶には、前記下部缶と前記上部缶との間に備えられた前記ガスケットを加圧する加圧突起が形成されてよい。
【0014】
一方、本発明のボタン型二次電池の製造方法は、湾入型の下部挿入溝が形成された下部缶、湾入型の上部挿入溝が形成された上部缶、及び前記下部缶と前記上部缶との間に配置されるガスケットを準備する準備段階;第1電極、分離膜、及び第2電極が交互に積層された電極組立体を前記下部缶に収容する収容段階;前記下部缶の上部にガスケットを配置し、前記ガスケットは、下部缶の外周面に支持される外側部、下部缶の内周面に支持される内側部、及び前記外側部と前記内側部とを連結する連結部で形成される配置段階;及び前記下部缶の上部に前記上部缶を配置した後、前記下部缶と前記上部缶をクランピングしてボタン型二次電池を製造するクランピング段階を含み、前記準備段階において、前記下部缶に形成された前記下部挿入溝と前記上部缶に形成された前記上部挿入溝は、前記下部缶と前記上部缶とが結合された際に、互いに向き合うことなく離隔して位置するように形成してよい。
【0015】
前記クランピング段階は、前記下部缶と前記上部缶をクランピングすると、前記ガスケットの一部が前記下部挿入溝と前記上部挿入溝に導入されながら、前記ガスケットの表面に下部挿入突起と上部挿入突起が形成され、前記下部挿入突起により、前記下部缶と前記ガスケットは密着面積が増大し、前記上部挿入突起により、前記上部缶と前記ガスケットは密着面積が増大することができる。
【0016】
前記下部挿入溝又は前記上部缶の挿入溝は、底に行くほど幅が徐々に狭くなる三角形状を有してよい。
【0017】
前記準備段階において、前記下部挿入溝又は前記上部挿入溝は、2個以上設けられ、2個以上の前記下部挿入溝又は2個以上の前記上部挿入溝は、前記下部缶と前記上部缶がクランピングされる方向に連結されるように形成されてよい。
【0018】
前記準備段階は、前記下部挿入溝下部の前記下部缶に、前記ガスケットを加圧する加圧突起を形成し、前記クランピング段階は、前記下部缶と前記上部缶のクランピング時に、前記加圧突起により前記ガスケットの下部が固定されることにより、前記ガスケットが前記上部缶及び前記下部缶方向に拡張されながら前記下部挿入溝と前記上部挿入溝に導入されてよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のボタン型二次電池は、ガスケットが密着される下部缶と上部缶とに、湾入型の下部挿入溝と湾入型の上部挿入溝とがそれぞれ形成され、前記下部挿入溝と前記上部挿入溝は、互いに向き合わないように離隔して位置することに特徴を有する。このような特徴により、下部缶と上部缶のクランピング時に、ガスケットの一部が前記下部挿入溝と前記上部挿入溝に導入されながら、前記ガスケットの表面に下部挿入突起と上部挿入突起とがそれぞれ形成されることから、ガスケットの損傷を防止することができ、その結果、前記下部缶及び前記上部缶の密着力と結合力を高めることができる。
【0020】
また、本発明のボタン型二次電池において、下部挿入溝又は上部挿入溝は、底に行くほど幅が徐々に狭くなる三角形状を有することに特徴を有する。このような特徴により、前記下部挿入溝と前記上部挿入溝全体にガスケットを安定的に導入させることができ、その結果、前記下部缶及び前記上部缶の密着力と結合力を高めることができる。
【0021】
また、本発明のボタン型二次電池において、下部挿入溝又は上部挿入溝は、2個以上が連結されるように設けられることに特徴を有する。このような特徴により、ガスケットの表面に2個以上の下部挿入突起及び2個以上の上部挿入突起を形成することができる。
【0022】
また、本発明のボタン型二次電池において、下部挿入溝下部の下部缶には、ガスケットを加圧する加圧突起が形成されることに特徴を有する。このような特徴により、ガスケットの固定力を高めることができ、これにより、ガスケットの一部が前記下部挿入溝と前記上部挿入溝に円滑に挿入され、その結果、前記ガスケットの表面に挿入突起を効果的に形成させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池を示した分離斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池を示した組立断面図である。
図3】本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池において、下部及び上部挿入溝の他の例を示した断面図である。
図4】本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池の製造方法を示したフローチャートである。
図5】本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池の製造方法の準備段階を示した断面図である。
図6】本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池の製造方法の収容段階を示した断面図である。
図7】本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池の製造方法の配置段階を示した断面図である。
図8】本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池の製造方法のクランピング段階を示した断面図である。
図9】本発明の第2実施形態によるボタン型二次電池を示した断面図である。
図10】本発明の第3実施形態によるボタン型二次電池を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付した図面を参照して、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施するように、本発明の実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態に具現されてよく、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面で本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似の部分に対しては類似の図面符号を付けた。
【0025】
[本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池]
本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池100は、図1図3に示されたように、直径の長さが高さよりも大きい二次電池であって、電極組立体110と、前記電極組立体110を収容する缶組立体120とを含む。
【0026】
一方、ボタン型二次電池は、コインセルともいい、ルーベン電池、RM電池、及び水銀電池ともいう。このようなボタン型二次電池は、小型に作製し得るので、補聴器、ポータブルライター、無線マイク、カメラ、及び時計などに広く使用されている。そして、負電極には亜鉛を使用し、正電極には酸化水銀を使用している。そして、電解液には酸化亜鉛と水酸化カリウムを使用している。
【0027】
電極組立体
電極組立体110は、第1電極、分離膜、及び第2電極が順次積層された3層構造を有する。一方、電極組立体は、3層構造に限定されず、分離膜を介在した状態で第1電極と第2電極とが交互に積層される3層以上の構造を有してよい。
【0028】
ここで、分離膜は、第1電極及び第2電極よりも大きく形成することから、分離膜は、第1電極と第2電極とが接地されることを防止し、その結果、ショートによる事故を防止する。一方、第1電極は負極であり、第2電極は正極である。
【0029】
缶組立体
缶組立体120は、電極組立体110の第1電極と連結されて第1電極端子を兼ねる下部缶121、電極組立体110の第2電極と連結され、前記下部缶121を囲む形態に結合されて第2電極端子を兼ねる上部缶122、及び前記下部缶121と前記上部缶122との間に備えられて前記下部缶と前記上部缶との間を絶縁するガスケット123を含む。
【0030】
一方、本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池100は、下部缶121及び前記上部缶122の密着力と結合力を高める構造を有する。
【0031】
すなわち、前記下部缶121は、前記ガスケット123が密着される表面に湾入型の下部挿入溝121aが形成され、前記上部缶122は、前記ガスケット123が密着される表面に湾入型の上部挿入溝122aが形成される。
【0032】
ここで、前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aは、前記下部缶121と前記上部缶122とが結合された状態からみて、互いに向き合わないように離隔して位置する。
【0033】
これにより、前記下部缶121と前記上部缶122のクランピングにより、ガスケット123の一部が前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aに導入しながら(すなわち、挿入されながら)前記ガスケット123の表面に下部挿入突起123a-1と上部挿入突起123a-2とがそれぞれ形成される。その結果、前記下部挿入突起123a-1により、前記下部缶121と前記ガスケット123は密着面積が増大して密着力と結合力を高めることができる。そして、上部挿入突起123a-2により、前記上部缶122と前記ガスケット123は密着面積が増大して密着力と結合力を高めることができる。
【0034】
一方、クランピングは、2つの物体を圧入するか又はクランピングすることをいう。
【0035】
より詳しく説明すると、下部缶121の上部にガスケット123を配置した後、ガスケット123の上部に上部缶122を配置する。次に、上部缶122を下部缶121方向に加圧して上部缶122と下部缶121とを結合する。この際、上部缶122と下部缶121との間に配置されたガスケット123が圧着されながら、ガスケット123の一部が前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aに導入される。これにより、ガスケット123の表面に下部挿入突起123a-1と上部挿入突起123a-2とが形成される。
【0036】
特に、前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aは、下部缶121と上部缶122に、互いに向き合わないように離隔して位置する。これにより、ガスケット123の表面に形成される下部挿入突起123a-1と上部挿入突起123a-2は、互いに向き合わないように離隔して位置する。その結果、前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aに挿入されるガスケット123の挿入量を十分に確保することができ、前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aに挿入されるガスケットの挿入量が十分に確保されながら下部挿入突起123a-1と上部挿入突起123a-2とを安定的に形成させることができ、その結果、前記下部缶121と前記上部缶122の密着力と結合力を高めることができる。
【0037】
ここで、下部挿入突起123a-1は、前記下部挿入溝121aに接着されるように設けられてよく、上部挿入突起123a-2は、前記上部挿入溝122aに接着されるように設けられてよい。例えば、接着剤により、下部挿入突起123a-1は前記下部挿入溝121aに接着されてよく、上部挿入突起123a-2は前記上部挿入溝122aに接着されてよい。これにより、下部挿入突起123a-1と前記下部挿入溝121aとの結合力を高めることができ、上部挿入突起123a-2と前記上部挿入溝122aとの結合力を高めることができる。
【0038】
一方、本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池100の他の例として、前記上部挿入溝122aは、前記下部挿入溝121aよりも大きい面積で形成されてよい。すなわち、図2を参照すれば、下部缶121とガスケット123との密着面積よりも上部缶122とガスケット123との密着面積が小さいことから、前記上部挿入溝122aを前記下部挿入溝121aよりも大きく形成することにより、上部缶122とガスケット123との密着面積を高めることができ、その結果、電解液の漏出を防止することができる。
【0039】
一方、本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池100の他の例として、前記下部挿入溝121a又は前記上部挿入溝122aは、底に行くほど幅が徐々に狭くなる三角形状を有してよい。すなわち、前記下部挿入溝121a又は前記上部挿入溝122aは、底に行くほどガスケット123の導入量が徐々に低下する。これにより、前記下部挿入溝121a又は前記上部挿入溝122aを三角形状に形成することにより、前記下部挿入溝121a又は前記上部挿入溝122aの底までガスケット123の導入量を安定的に確保することができ、その結果、ガスケットの表面に挿入突起123a-1、123a-2を安定的に形成させることができる。
【0040】
一方、前記下部挿入溝121a又は前記上部挿入溝122aは、底に行くほど幅が徐々に狭くなる半円状に形成されてもよい。
【0041】
ここで、前記下部挿入溝121a又は前記上部挿入溝122aは、図3からみると、下部缶121に向かう内壁が水平である直角三角形状に形成されてもよい。これにより、ガスケット123に形成される挿入突起123a-1、123a-2もまた、直角三角形状に形成されてよい。すなわち、下部缶121と上部缶122のクランピング時に、ガスケットの一部が前記下部挿入溝121a又は前記上部挿入溝122aの水平である内壁に引っ掛かり、前記下部挿入溝121a又は前記上部挿入溝122aの挿入されるガスケットの導入量を十分に確保することができ、その結果、ガスケットの表面に挿入突起を円滑に形成させることができる。
【0042】
一方、本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池100において、ガスケット123は、前記下部缶121と前記上部缶122との間に備えられる外側部123aと、前記下部缶121の内壁に支持される内側部123bと、前記外側部123aの上端と前記内側部123bの上端とを連結する連結部123cを含む。ここで、前記上部挿入突起123a-2と前記下部挿入突起123a-1は、前記外側部123aの両表面にそれぞれ形成される。これにより、ガスケット123と下部缶121、ガスケット123と上部缶122との密着力を高めることができ、その結果、電解液の漏出を大幅防止することができる。
【0043】
一方、内側部123bは、下部缶121の内壁に支持されながら、電極組立体110が下部缶121の内壁に接触されることを防止する。
【0044】
したがって、本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池100は、下部缶121と上部缶122に湾入型の下部挿入溝121aと湾入型の上部挿入溝122aとがそれぞれ形成され、前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aは、互いに向き合わないように離隔して位置することにより、下部缶121と上部缶122のクランピング時に、ガスケット123の一部が前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aに導入されながら挿入突起123aを形成させることができ、挿入突起123aにより前記下部缶121と前記上部缶122の密着力と結合力を高めることができる。
【0045】
以下、本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池の製造方法を説明する。
【0046】
[本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池の製造方法]
本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池の製造方法は、図4図8に示されたように、準備段階(S10)、収容段階(S20)、配置段階(S30)、クランピング段階(S40)を含む。
【0047】
準備段階
準備段階(S10)は、図5を参照すれば、下部缶121、上部缶122、及び前記下部缶121と前記上部缶122との間に配置されるガスケット123を準備する。
【0048】
前記下部缶121は、上面に電極組立体を収容するための収容溝が形成され、外周面に湾入型の下部挿入溝121aが形成される。特に、下部挿入溝121aは、前記下部缶121の周面に沿って形成されながら両端が連結される。
【0049】
前記上部缶122は、底面に前記下部缶121が挿入されるように結合される結合溝が形成され、上部缶122の内周面、すなわち、結合溝の壁面に湾入型の上部挿入溝122aが形成される。特に、上部挿入溝122aは、前記上部缶122の周面に沿って形成されながら両端が連結される。
【0050】
前記ガスケット123は、前記下部缶121と前記上部缶122との間に配置される外側部123aと、前記下部缶121の内壁に配置される内側部123bと、前記外側部123aの上端と前記内側部123bの上端とを連結する連結部123cを含む。
【0051】
一方、前記下部缶121に形成された前記下部挿入溝121aと、前記上部缶122に形成された前記上部挿入溝122aは、互いに向き合わないように離隔して形成する。すなわち、図5を参照すれば、前記下部挿入溝121aは下側に位置し、前記上部挿入溝122aは前記下部挿入溝121aよりも上側に位置するように形成して、互いに向き合わないように離隔させる。
【0052】
特に、前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aは、三角形状に形成することから、下部缶121と上部缶122のクランピング時に、下部缶121と上部缶122との間に配置されるガスケット123の一部が前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aの底部まで円滑に流入されるように誘導することができる。すなわち、前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aに挿入されるガスケットの挿入量を十分に確保することができる。
【0053】
また、上部缶122に向かう前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aの内面は、上部缶122がクランピングされる方向と直交する水平面に形成し、下部缶121に向かう内面は、傾斜面に形成してよい。すなわち、下部缶121と上部缶122のクランピング時に、ガスケット123の一部が前記傾斜面に沿ってガイドされながら前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aの底まで円滑に流入させることができ、下部缶121と上部缶122のクランピングが完了すると、前記水平面に支持されるガスケットの一部を介して下部缶121と上部缶122との結合性を高めることができる。
【0054】
収容段階
収容段階(S20)は、図6を参照すれば、第1電極、分離膜、及び第2電極が交互に積層された電極組立体110を前記下部缶121の収容溝に収容する。
【0055】
配置段階
配置段階(S30)は、図7を参照すれば、前記下部缶121の上部にガスケット123を配置する。これにより、ガスケット123の外側部123aが下部缶121の外周面に支持され、内側部123bが下部缶121の内周面に支持され、連結部123cが下部缶121の上端面に支持される。
【0056】
クランピング段階
クランピング段階(S40)は、図8を参照すれば、前記下部缶121の上部に前記上部缶122を配置した後、前記下部缶121と前記上部缶122をクランピングする。すなわち、前記下部缶121と前記上部缶122とを相互結合されるように圧延して、ボタン型二次電池100を製造する。
【0057】
この際、前記下部缶121と前記上部缶122は、クランピング時に、ガスケット123の一部が前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aに挿入されながら前記ガスケット123の表面に下部挿入突起123a-1と上部挿入突起123a-2とがそれぞれ形成され、この際、前記挿入突起は、前記下部挿入溝121aと前記上部挿入溝122aと同一の三角形状に形成される。これにより、前記下部缶121と前記上部缶122との結合力と密着力を高めることができる。
【0058】
すなわち、前記下部挿入突起123a-1により、前記下部缶121と前記ガスケット123は密着面積が増大して密着力と結合力を高めることができる。そして、上部挿入突起123a-2により、前記上部缶122と前記ガスケット123は密着面積が増大して密着力と結合力を高めることができる。
【0059】
したがって、本発明の第1実施形態によるボタン型二次電池の製造方法は、結合力と密着力を高めたボタン型二次電池100を製造することができる。
【0060】
以下、本発明の他の実施形態を説明するにあたり、前記で説明した実施形態と同一の機能を有する構成に対しては同一の構成符号を使用し、重複した説明は省略する。
【0061】
[本発明の第2実施形態によるボタン型二次電池]
本発明の第2実施形態によるボタン型二次電池100は、図9に示されたように、外周面に前記下部挿入溝121aが形成された下部缶121と、内周面に上部挿入溝122aが形成された上部缶122を含む。
【0062】
ここで、前記下部挿入溝121a又は前記上部挿入溝122aは、2個以上設けられ、2個以上の前記下部挿入溝121a又は前記上部挿入溝122aは、前記下部缶121と前記上部缶122がクランピングされる方向に連結されるような構造を有する。すなわち、2個以上の前記下部挿入溝121a又は前記上部挿入溝122aは、図9からみると、上下方向に連結されるように備えられる。
【0063】
したがって、本発明の第2実施形態によるボタン型二次電池100は、下部缶121と上部缶122のクランピング時に、ガスケット123の一部が2個以上の前記下部挿入溝121a又は前記上部挿入溝122aに導入されながら2個以上の挿入突起123a-1が形成されることから、下部缶121と上部缶122の結合力と密着力を大幅高めることができる。
【0064】
一方、2個以上の前記下部挿入溝121a又は2個以上の前記上部挿入溝122aは、前記下部缶121と前記上部缶122がクランピングされる方向(図9からみて下側方向)に行くほど大きさが徐々に増大するように形成される。もちろん、2個以上の前記下部挿入溝121aと2個以上の前記上部挿入溝122aは、互いに向き合わないように離隔して位置する。これにより、ガスケット123の一部が2個以上の前記下部挿入溝121a又は2個以上の前記上部挿入溝122aに円滑に導入されるように誘導することができる。
【0065】
このような構造を有する本発明の第2実施形態によるボタン型二次電池の製造方法は、準備段階において、下部缶121と上部缶122に前記下部挿入溝121a又は前記上部挿入溝122aを2個以上設ける。特に、2個以上の前記下部挿入溝121a又は2個以上の前記上部挿入溝122aは、前記下部缶121と前記上部缶122がクランピングされる方向に連結され、大きさが徐々に増大するように形成される。
【0066】
そして、クランピング段階において、下部缶121と上部缶122をクランピングすると、ガスケット123の一部が2個以上の前記下部挿入溝121a又は2個以上の前記上部挿入溝122aに導入しながら2個以上の挿入突起123aが形成され、2個以上の挿入突起が形成され、2個以上の挿入突起123aは、下部缶121と上部缶122の結合力と密着力を大幅に高める。
【0067】
[本発明の第3実施形態によるボタン型二次電池]
本発明の第3実施形態によるボタン型二次電池100は、図10に示されたように、下部缶121、上部缶122、及びガスケット123を含み、前記下部缶121は、外周面に下部挿入溝121aと、前記下部挿入溝121aの下部に加圧突起121bを含む。
【0068】
ここで、前記加圧突起121bは、前記下部缶121と前記上部缶122との間に備えられた前記ガスケット123の表面を加圧して前記ガスケット123の固定力を高めることができることから、下部缶121と上部缶122のクランピング時に、加圧突起によりガスケットが引っ張られることを防止して、下部挿入溝121aと上部挿入溝122aに導入されるガスケット123の導入量を十分に確保することができる。
【0069】
一方、前記加圧突起は、下部缶の外周面に少なくとも1個以上、好ましくは3個以上設けられてよい。一方、前記加圧突起の外周面には、ガスケットの損傷を防止するための合成樹脂素材の保護層がコーティングされてよい。一方、加圧突起は、ガスケットの損傷を防止するために、半円状に形成されてよい。
【0070】
したがって、本発明の第3実施形態によるボタン型二次電池100は、下部缶121に加圧突起121bを含むことにより、下部缶121と上部缶122のクランピング時に、ガスケット123が一部圧着されながらガスケット123の一部を下部挿入溝121aと上部挿入溝122aにより円滑に導入させることができ、その結果、下部缶121と上部缶122の結合力と密着力を高めることができる。
【0071】
本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導出される多様な実施形態が可能である。
【符号の説明】
【0072】
100 ボタン型二次電池
110 電極組立体
120 缶組立体
121 下部缶
122 上部缶
123 ガスケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10