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特許7463697光沢取得状態算出装置、光沢取得状態算出方法、光沢取得状態算出プログラム、端末及び光沢取得状態表示プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】光沢取得状態算出装置、光沢取得状態算出方法、光沢取得状態算出プログラム、端末及び光沢取得状態表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 15/50 20110101AFI20240402BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20240402BHJP
   G06T 17/20 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G06T15/50 600
G01B11/24 K
G06T17/20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019199708
(22)【出願日】2019-11-01
(65)【公開番号】P2021072024
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 翼
【審査官】鈴木 圭一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-216973(JP,A)
【文献】特開2003-203220(JP,A)
【文献】特開2003-202296(JP,A)
【文献】特開2005-092549(JP,A)
【文献】特開2019-082838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 15/50
G01B 11/24
G06T 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物、前記対象物を照明する光源、前記対象物を撮影するカメラの少なくともいずれかの移動に伴って、前記カメラによって前記対象物を撮影することで得られた画像群を取得する画像取得手段と、
前記対象物の3次元形状情報を取得する形状取得手段と、
前記3次元形状情報によって示される前記対象物の表面領域毎に、前記画像群に亘る鏡面反射光の放射輝度の遷移の情報である放射輝度遷移情報を推定する放射輝度遷移推定手段と、
前記表面領域毎に、前記放射輝度遷移情報の取得状態を示す取得状態情報を算出する算出手段と、
を備え、
前記算出手段は、
前記3次元形状情報から算出される前記表面領域の法線、前記画像群に亘る前記カメラの位置の情報であるカメラ位置情報によって示される前記カメラの位置及び前記画像群に亘る前記光源の位置の情報である光源位置情報によって示される前記光源の位置を用いて、前記カメラの位置に対し、前記表面領域を反射面として正反射方向となる前記光源の位置が存在するか否かを前記表面領域毎に判定し、
少なくとも前記光源の位置が存在するか否かの判定の結果に基づき前記取得状態情報を算出する、
光沢取得状態算出装置。
【請求項2】
前記放射輝度遷移情報、前記3次元形状情報、前記カメラ位置情報及び前記光源位置情報を用いて、前記表面領域毎の所定の反射モデルの反射定数及び法線を推定する質感情報推定部をさらに備える、
請求項に記載の光沢取得状態算出装置。
【請求項3】
前記算出手段は、
前記表面領域毎に、前記放射輝度遷移情報によって示される複数の放射輝度のうちのピークを算出し、前記ピークに基づき算出される閾値範囲に含まれる放射輝度が所定の個数以上存在しているか否かを判定し、
少なくとも前記放射輝度が所定の個数以上存在しているか否かの判定の結果に基づき前記取得状態情報を算出する、
請求項1又は2に記載の光沢取得状態算出装置。
【請求項4】
前記閾値範囲は、ユーザによって指定される、
請求項に記載の光沢取得状態算出装置。
【請求項5】
前記表面領域のいずれかに各々対応する複数の画素を有し、各々の画素は、対応する前記表面領域の前記取得状態情報に基づく画素値を有する、指示画像を生成する指示画像生成手段をさらに備える、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の光沢取得状態算出装置。
【請求項6】
前記画像群は、前記光源、前記対象物、前記カメラのいずれかの連続的な移動に伴って前記対象物を連続的に撮影することによって得られた動画である、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の光沢取得状態算出装置。
【請求項7】
前記光源は、線光源又は面光源である、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の光沢取得状態算出装置。
【請求項8】
対象物、前記対象物を照明する光源、前記対象物を撮影するカメラの少なくともいずれかの移動に伴って、前記カメラによって前記対象物を撮影することで得られた画像群を取得することと、
前記対象物の3次元形状情報を取得することと、
前記3次元形状情報によって示される前記対象物の表面領域毎に、前記画像群に亘る鏡面反射光の放射輝度の遷移の情報である放射輝度遷移情報を推定することと、
前記表面領域毎に、前記放射輝度遷移情報の取得状態を示す取得状態情報を算出することと、
を備え、
前記取得状態情報を算出することは、
前記3次元形状情報から算出される前記表面領域の法線、前記画像群に亘る前記カメラの位置の情報であるカメラ位置情報によって示される前記カメラの位置及び前記画像群に亘る前記光源の位置の情報である光源位置情報によって示される前記光源の位置を用いて、前記カメラの位置に対し、前記表面領域を反射面として正反射方向となる前記光源の位置が存在するか否かを前記表面領域毎に判定し、
少なくとも前記光源の位置が存在するか否かの判定の結果に基づき前記取得状態情報を算出することを含む、
光沢取得状態算出方法。
【請求項9】
対象物、前記対象物を照明する光源、前記対象物を撮影するカメラの少なくともいずれかの移動に伴って、前記カメラによって前記対象物を撮影することで得られた画像群を取得することと、
前記対象物の3次元形状情報を取得することと、
前記3次元形状情報によって示される前記対象物の表面領域毎に、前記画像群に亘る鏡面反射光の放射輝度の遷移の情報である放射輝度遷移情報を推定することと、
前記表面領域毎に、前記放射輝度遷移情報の取得状態を示す取得状態情報を算出することと、
をコンピュータに実行させるための光沢取得状態算出プログラムであって
前記取得状態情報を算出することは、
前記3次元形状情報から算出される前記表面領域の法線、前記画像群に亘る前記カメラの位置の情報であるカメラ位置情報によって示される前記カメラの位置及び前記画像群に亘る前記光源の位置の情報である光源位置情報によって示される前記光源の位置を用いて、前記カメラの位置に対し、前記表面領域を反射面として正反射方向となる前記光源の位置が存在するか否かを前記表面領域毎に判定し、
少なくとも前記光源の位置が存在するか否かの判定の結果に基づき前記取得状態情報を算出することを含む、
光沢取得状態算出プログラム
【請求項10】
請求項に記載の光沢取得状態算出装置と通信できるように接続される端末であって、
前記画像群を前記光沢取得状態算出装置に送信する送信手段と、
前記指示画像を前記光沢取得状態算出装置から受信する受信手段と、
前記指示画像を表示する表示手段と、
を備える端末。
【請求項11】
請求項に記載の光沢取得状態算出装置と通信できるように接続される端末のための光沢取得状態表示プログラムであって、
前記画像群を前記光沢取得状態算出装置に送信することと、
前記指示画像を前記光沢取得状態算出装置から受信することと、
前記指示画像を表示手段に表示することと、
を前記端末のコンピュータに実行させるための光沢取得状態表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、光沢取得状態算出装置、光沢取得状態算出方法、光沢取得状態算出プログラム、端末及び光沢取得状態表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、3DCG(three-dimensional computer graphics)制作において、CGデザイナーは、現実の対象物をモデリングすることによって形成された3次元形状に対して質感設定を行うことで、写実的な表現がなされたCG画像を生成している。
【0003】
実物体をCGにおいて3次元画像として再現するための手法として、特許文献1にて提案されているようなテクスチャマッピングを用いる手法が知られている。テクスチャマッピングを用いる手法では、複数の方向から撮影された複数の画像が予め用意されている。そして、3次元画像の再現時には、視点に対して適切な画像が選択され、選択された画像が3次元形状モデルに貼り付けられる。ただし、CGとして再現した3次元画像と撮影時の実物体の照明状態との異なっていることが多く、その結果、3次元画像と実物体との見えは異なることが多い。
【0004】
そこで、より3次元画像の見えを実物体の見えに近づけるための手法として、非特許文献1の手法が用いられている。非特許文献1の手法では、照明方向又は視線方向による反射率の変化が双方向反射分布関数(Bi-directional Reflectance Distribution Function:BRDF)で表される。そして、非特許文献1の手法では、BRDFがモデル化されて反射定数により表される。この反射定数を推定するための計測方法が数多く提案されている。
【0005】
反射定数を推定するための計測方法として、光源方向又は視線方向の異なる多数の画像を利用して、反射定数を画素毎に推定する手法がよく用いられる。しかしながら、BRDFは物体表面に対して半球状の反射光分布を表現するものなので、反射定数の推定のためには、非常に多くの角度から細かく撮影する必要がある。特許文献2では、光源の照明方向を変えながらの撮影によって多数の画像が取得され、画素ごとに反射定数が推定される。特許文献2の手法では、金属等の実物体の鋭い光沢を取得するために2次元の広がりを持った照明が用いられることによって撮影枚数を減らすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2000―348213号公報
【文献】特許第3962588号公報
【非特許文献】
【0007】
【文献】SIGGRAPH Computer Graphics Proceedings, Annual Conference Series, 1997, p379-387”Object Shape and Reflectance Modeling from Observation”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
反射定数を推定するためには、物体の表面領域を光源が移動した際のその物体の持つ反射光の特徴である光沢遷移の情報を取得する必要がある。多くの推定手法では、光沢遷移に対して反射モデルの定数を最適化することで反射定数が推定される。しかしながら、複雑な形状を持つ立体物では、どの方向にカメラと光源とを配置すれば光沢遷移を取得することができるのかを事前に決定することが困難である。この場合、カメラと光源との相対位置の異なる多数の撮影を実施する必要が生じる。しかしながら、この多数の撮影においては、光沢の情報を持たず、推定に必要のない画像も数多く撮影される。
【0009】
本実施形態は、このような状況に鑑みてなされたもので、実物体の反射特性、立体形状及び微細表面形状によらず、少ない撮影枚数で実物体の光沢遷移を取得することができる光沢取得状態算出装置、光沢取得状態算出方法、光沢取得状態算出プログラム、端末及び光沢取得状態表示プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様の光沢取得状態算出装置は、対象物、前記対象物を照明する光源、前記対象物を撮影するカメラの少なくともいずれかの移動に伴って、前記カメラによって前記対象物を撮影することで得られた画像群を取得する画像取得手段と、前記対象物の3次元形状情報を取得する形状取得手段と、前記3次元形状情報によって示される前記対象物の表面領域毎に、前記画像群に亘る鏡面反射光の放射輝度の遷移の情報である放射輝度遷移情報を推定する放射輝度遷移推定手段と、前記表面領域毎に、前記放射輝度遷移情報の取得状態を示す取得状態情報を算出する算出手段とを備える。前記算出手段は、前記3次元形状情報から算出される前記表面領域の法線、前記画像群に亘る前記カメラの位置の情報であるカメラ位置情報によって示される前記カメラの位置及び前記画像群に亘る前記光源の位置の情報である光源位置情報によって示される前記光源の位置を用いて、前記カメラの位置に対し、前記表面領域を反射面として正反射方向となる前記光源の位置が存在するか否かを前記表面領域毎に判定し、少なくとも前記光源の位置が存在するか否かの判定の結果に基づき前記取得状態情報を算出する。
【0011】
第2の態様の光沢取得状態算出方法は、対象物、前記対象物を照明する光源、前記対象物を撮影するカメラの少なくともいずれかの移動に伴って、前記カメラによって前記対象物を撮影することで得られた画像群を取得することと、前記対象物の3次元形状情報を取得することと、前記3次元形状情報によって示される前記対象物の表面領域毎に、前記画像群に亘る鏡面反射光の放射輝度の遷移の情報である放射輝度遷移情報を推定することと、前記表面領域毎に、前記放射輝度遷移情報の取得状態を示す取得状態情報を算出することとを備える。前記取得状態情報を算出することは、前記3次元形状情報から算出される前記表面領域の法線、前記画像群に亘る前記カメラの位置の情報であるカメラ位置情報によって示される前記カメラの位置及び前記画像群に亘る前記光源の位置の情報である光源位置情報によって示される前記光源の位置を用いて、前記カメラの位置に対し、前記表面領域を反射面として正反射方向となる前記光源の位置が存在するか否かを前記表面領域毎に判定し、少なくとも前記光源の位置が存在するか否かの判定の結果に基づき前記取得状態情報を算出することを含む。
【0012】
第3の態様の光沢取得状態算出プログラムは、対象物、前記対象物を照明する光源、前記対象物を撮影するカメラの少なくともいずれかの移動に伴って、前記カメラによって前記対象物を撮影することで得られた画像群を取得することと、前記対象物の3次元形状情報を取得することと、前記3次元形状情報によって示される前記対象物の表面領域毎に、前記画像群に亘る鏡面反射光の放射輝度の遷移の情報である放射輝度遷移情報を推定することと、前記表面領域毎に、前記放射輝度遷移情報の取得状態を示す取得状態情報を算出することをコンピュータに実行させる。前記取得状態情報を算出することは、前記3次元形状情報から算出される前記表面領域の法線、前記画像群に亘る前記カメラの位置の情報であるカメラ位置情報によって示される前記カメラの位置及び前記画像群に亘る前記光源の位置の情報である光源位置情報によって示される前記光源の位置を用いて、前記カメラの位置に対し、前記表面領域を反射面として正反射方向となる前記光源の位置が存在するか否かを前記表面領域毎に判定し、少なくとも前記光源の位置が存在するか否かの判定の結果に基づき前記取得状態情報を算出することを含む。
【発明の効果】
【0013】
本実施形態によれば、実物体の反射特性、立体形状及び微細表面形状によらず、少ない撮影枚数で持って実物体の光沢遷移を取得することができる光沢取得状態算出装置、光沢取得状態算出方法、光沢取得状態算出プログラム、端末及び光沢取得状態表示プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、1つの実施形態に係る光沢取得状態算出装置の構成の一例を示す図である。
図2図2は、形状情報の一例としてのポリゴンデータの形式例を示す図である。
図3図3は、頂点データの形式例を示す図である。
図4図4は、画像解析装置の一例の構成を示すブロック図である。
図5図5は、プロセッサの機能ブロック図である。
図6図6は、カメラ情報と光源情報との対応を示す撮影画像情報テーブルの構成例を示す図である。
図7図7は、一般的に用いられる物体の反射モデルの概要図である。
図8図8は、放射輝度遷移情報を示す図である。
図9A図9Aは、閾値範囲の第1の設定例を示す図である。
図9B図9Bは、閾値範囲の第2の設定例を示す図である。
図9C図9Cは、閾値範囲の第3の設定例を示す図である。
図9D図9Dは、閾値範囲の第4の設定例を示す図である。
図10図10は、指示画像の表示例である。
図11図11は、光沢取得状態算出方法の動作例を示すフローチャートである。
図12A図12Aは、指示画像の表示例を示す図である。
図12B図12Bは、指示画像の表示例を示す図である。
図12C図12Cは、指示画像の表示例を示す図である。
図12D図12Dは、指示画像の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、1つの実施形態に係る光沢取得状態算出装置の構成の一例を示す図である。図1において、光沢取得状態算出装置1は、画像解析装置2、形状計測装置3、カメラ4、光源5及び画像表示装置6を含んでいる。
【0016】
画像解析装置2は、形状計測装置3から取得される対象物7の3次元形状に関する情報、カメラ4から取得される対象物7の画像、カメラ4の位置情報、光源5の位置情報に基づいて、対象物7の形状及び質感を推定する。対象物7の形状は、全体の形状と、微細表面形状とを含む。微細表面形状は、対象物7に設定される表面領域における微細表面のそれぞれの形状である。微細表面形状は、対応する面を表す法線の情報を含む。また、対象物の質感は、微細表面形状毎の反射特性の情報を含む。画像解析装置2の詳細については後で説明する。
【0017】
形状計測装置3は、対象物7の3次元形状に関する情報を計測し、計測の結果として得られた形状情報を画像解析装置2に送る。形状計測装置3は、例えば能動的計測手法によって対象物7の3次元形状に関する情報を計測するように構成されている。能動的計測手法は、例えば、レーザ及びパターン光といった測定光を能動的に対象物7の表面に照射し、対象物7からの反射光を受光することで測定をする手法である。形状計測装置3は、対象物7の3次元形状に関する情報を計測できれば、特に限定されない。例えば、形状計測装置3は、視体積交差法及びステレオ法といった撮影により得られた画像を用いる受動的計測手法によって対象物7の3次元形状に関する情報を計測するように構成されていてもよい。受動的計測手法で用いられる画像は、形状計測装置3が撮影した画像であってもよいし、カメラ4で撮影された画像であってもよい。
【0018】
前述した能動的計測手法であっても、受動的計測手法であっても、測定の結果として得られる形状情報の多くは点群データで構成される。画像解析装置2は、点群データをポリゴンデータへと変換し、このポリゴンデータを形状情報として例えば図2のような形式でストレージに保存してよい。多くのポリゴンデータは、三角形ポリゴンで構成されている。このため、ポリゴンデータは、図2に示すように、三角形の頂点データで表現される。また、画像解析装置2は、それぞれの頂点データとして、図3に示す形式のデータをストレージに保存してもよい。図3に示す頂点データは、各頂点の座標と法線の情報とを持つデータである。図3に示すようにして保存された頂点の座標及び法線から、ポリゴンを構成する面の法線は算出され得る。
【0019】
カメラ4は、対象物を撮影して対象物の画像を生成するように構成されている。カメラ4は、例えば光学系と、イメージセンサとを含む。光学系は、対象物の像をイメージセンサに結像させるように構成された光学系である。イメージセンサは、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサといったイメージセンサであり、対象物から入射した光を電気信号に変換し、対象物の画像を生成する。ここで、実施形態では、カメラ4は、所定の位置に固定されているものとする。
【0020】
光源5は、対象物を照明するための照明光を射出する。光源5は、例えばLED光源であるが、これに限定されない。また、後で説明するための反射光の計測を容易にするため、光源5は、線光源又は面光源であることが好ましい。線光源は発光部が線状であり、発光部より拡散照明光を射出するように構成された光源である。面光源は、発光部が面状であり、発光部より拡散照明光を射出するように構成された光源である。ただし、光源5は、点光源であってもよい。ここで、光源5は、カメラ4及び対象物7との相対位置を変更できるように構成されている。例えば、光源5は、ロボットアームに取り付けられていて、3次元的に位置を変更できるように構成されている。光源5は、カメラ4及び対象物7との相対位置を変更できるように構成されていればその具体的な構成は特に限定されない。また、光源5は、必ずしも機械的に移動できるように構成されている必要はない。例えば、光源5は、ユーザが手で持って移動できるように構成されていてもよい。
【0021】
画像表示装置6は、液晶ディスプレイ及び有機ELディスプレイといった表示装置である。画像表示装置6は、例えば画像解析装置2と通信できるように接続されており、画像解析装置2から送られてきた各種の画像を表示する。この画像は、例えば対象物の3次元画像を含む。
【0022】
図4は、画像解析装置2の一例の構成を示すブロック図である。画像解析装置2は、プロセッサ21と、ROM22と、RAM23と、ストレージ24と、入力インターフェース25と、出力インターフェース26と、通信インターフェース27とを含む。これらの各々は、バス28を介して互いに接続されている。画像解析装置2は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、スマートフォン等の電子機器であってよい。
【0023】
プロセッサ21は、画像解析装置2の各種動作を制御するプロセッサである。プロセッサ21は、例えばCPUであるが、これに限定されない。プロセッサ21は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphic Processing unit)等であってもよい。また、プロセッサ21は、必ずしも1つのCPU等で構成されている必要はなく、複数のCPU等で構成されていてもよい。
【0024】
ROM22は、画像解析装置2の起動プログラム等を記憶している。RAM23は、プロセッサ21等のための主記憶装置である。
【0025】
ストレージ24は、ハードディスク、ソリッドステートドライブといったストレージである。ストレージ24には、プロセッサ21によって用いられる画像解析装置2の制御に必要な各種プログラム、パラメータ等が記憶されている。この各種プログラムは、光沢取得状態算出プログラムを含む。また、ストレージ24には、形状計測装置3の計測結果としての対象物の形状情報、カメラ4で生成された画像、カメラ4の位置、光源5の位置といった各種のデータが記憶される。
【0026】
入力インターフェース25は、キーボード、マウス、タッチパネル等を含む。入力インターフェース25を介したユーザの操作に応じて、そのユーザの操作の内容を示す信号がバス28を介してプロセッサ21に入力される。プロセッサ21は、この操作の内容を示す信号に応じて各種の処理を実行する。
【0027】
出力インターフェース26は、例えば画像表示装置6との通信のためのインターフェースを含む。出力インターフェース26は、画像表示装置6において画像を表示させる際に、適宜なタイミングで画像表示装置6に画像のデータを送る。また、出力インターフェース26は、プリンタとの通信のためのインターフェースを含んでいてもよい。
【0028】
通信インターフェース27は、画像解析装置2と、形状計測装置3、カメラ4、光源5との通信のためのインターフェースを含む。通信インターフェース27は、有線通信による通信のためのインターフェースを含んでいてもよいし、無線通信による通信のためのインターフェースを含んでいてもよい。
【0029】
図5は、プロセッサ21の機能ブロック図である。プロセッサ21は、画像取得部211と、形状取得部212と、カメラ情報取得部213と、光源情報取得部214と、放射輝度遷移推定部215と、算出部216と、指示画像生成部217と、光源制御部218と、質感情報推定部219とを含む。画像取得部211と、形状取得部212と、カメラ情報取得部213と、光源情報取得部214と、放射輝度遷移推定部215と、算出部216と、指示画像生成部217と、光源制御部218と、質感情報推定部219は、例えばストレージ24に記憶されている光沢取得状態算出プログラムをプロセッサ21が実行することによって実現される。画像取得部211と、形状取得部212と、カメラ情報取得部213と、光源情報取得部214と、放射輝度遷移推定部215と、算出部216と、指示画像生成部217と、光源制御部218と、質感情報推定部219は、各々と同様の処理を行うハードウェアによって実現されてもよい。
【0030】
画像取得部211は、カメラ4から画像を取得する。この画像は、光源5の移動に伴って対象物7を撮影することによって生成された複数の画像を含む画像群である。画像群は、カメラ4による複数回の静止画撮影によって生成されてもよいし、カメラ4による1回の動画撮影によって生成されてもよい。
【0031】
形状取得部212は、形状計測装置3から対象物7の形状情報を取得する。前述したように、対象物7の形状情報は、ポリゴンデータであってよい。
【0032】
カメラ情報取得部213は、カメラ4のカメラ情報を取得し、取得したカメラ情報をストレージ24に格納する。カメラ情報は、カメラ4の位置を含む。また、カメラ情報は、焦点距離等のカメラ4の撮影条件を含んでいてもよい。
【0033】
カメラ4の位置は、事前にチェッカーボード等をカメラ4によって撮影することで導出され得る。また、カメラ4の位置は、画像取得部211で取得される対象物7の画像から特徴点を抽出し、この特徴点に基づいてカメラキャリブレーションを実施することで導出されてもよい。
【0034】
光源情報取得部214は、光源5の光源情報を取得し、取得した光源情報をストレージ24に格納する。光源情報は、光源5の位置、照明光の放射輝度、色温度等を含む。
【0035】
光源5がロボットアーム等によって機械的に移動できるように構成されているときには、ロボットアーム等に取り付けられたセンサのセンサ情報により、光源5の位置は、正確に取得され得る。一方、光源5が例えばユーザの手によって移動されるように構成されているときには、光源5に位置センサ及び多軸の加速度センサ等が設けられていれば、光源位置は、位置センサ及び加速度センサ等のセンサ情報から推定され得る。
【0036】
さらに、光源位置は、カメラ4で得られる画像から推定されてもよい。例えば、画像に光源が写っているときには、光源情報取得部214は、カメラ4で撮影された画像を、カメラ情報に基づいてポリゴンデータに投影する。そして、光源情報取得部214は、投影領域のうち、例えば所定の閾値以上の輝度値を有する投影領域の位置を光源の位置とみなす。なお、この手法では、光源情報取得部214は、投影領域の形状から、光源の形状も推定してよい。また、光源が画像に写っている場合には、光源情報取得部214は、ユーザからの明示的な光源の領域の指定によって光源の位置及び形状を推定してもよい。また、対象物7とともに既知の形状と反射特性とを有する基準物体が画像に写っているのであれば、光源が画像に写っていなくても、光源情報取得部214は、この基準物体からの反射光を画像から検出し、検出した反射光に基づいて光源の位置を推定してもよい。このとき、基準物体にマーカがつけられていれば、このマーカの検出によって画像から基準物体の位置が容易に推定され得る。また、光源が固定されているときには、光源が写るように撮影がされた特定の画像から推定される光源の位置及び形状が常に用いられてもよい。
【0037】
また、光源の位置だけでなく、放射輝度も画像から求められてもよい。対象物7とともに基準物体が配置されている場合には、基準物体からの反射光に基づき光源の配光分布が算出され得る。
【0038】
ここで、カメラ情報と光源情報とは撮影時間をインデックスとして関連付けられてストレージ24に格納される。図6は、カメラ情報と光源情報との対応を示す撮影画像情報テーブルの構成例を示す図である。図6に示すように、撮影画像番号の欄に対応して、カメラ情報及び光源情報の各々の欄がレコード毎に設けられている。対象物7が動画撮影された際には、カメラ情報及び光源情報は動画のフレーム毎に格納される。
【0039】
ここで図5の説明に戻る。放射輝度遷移推定部215は、光源5の入射光の放射輝度から、対象物7の放射輝度遷移情報を推定する。放射輝度遷移情報は、画像群に亘る放射輝度の遷移を表す情報である。つまり、放射輝度遷移情報は、対象物7の光沢遷移を表している。放射輝度遷移情報を推定するのは、対象物7の反射特性を推定するためには、ピーク時の放射輝度のみを計測するのではなく、光源5の移動に伴って放射輝度がどのように変化するのかを計測する必要があるためである。ここで、表面領域は、対象物7に設定される領域である。表面領域は、例えば1つ又は複数のポリゴンと対応する彩色部位であってよい。また、表面領域は、例えば1つ又は複数の画素と対応する部位であってもよい。
【0040】
算出部216は、対象物7の放射輝度、カメラ情報、光源情報及び対象物7の形状情報をもとに、対象物7の表面領域毎の放射輝度遷移情報の取得状態を示す取得状態情報を算出する。取得状態情報は、放射輝度遷移情報が取得できたか否かを示す情報である。
【0041】
以下、取得状態情報についてさらに説明する。図7は、一般的に用いられる物体の反射モデルの概要図である。図7の反射モデルでは、光源71からの入射光が物体の微細表面70に対して照射され、微細表面70からの反射光が視点72において観測される。図7において、Nは、微細表面70の法線ベクトルである。Lは、反射位置を基準とした光源71の方向を表すベクトルである。Vは、反射位置を基準とした視点72の方向を表すベクトルである。また、θは、ベクトルNとベクトルVのなす角であり、θLは、入射角及び反射角である。
【0042】
一般的にCGの分野では、微細表面70における光の透過がないものとすると、微細表面70からの反射光は拡散反射光73と鏡面反射光74の足し合わせで構成されることが知られている。このような反射モデルは、二色性反射モデルと呼ばれている。二色性反射モデルは、拡散反射光73と鏡面反射光74のそれぞれの特性を表すモデル式によって表現される。
【0043】
光源71からの入射光の放射輝度をILとしたとき、拡散反射光73の放射輝度Idは以下の式(1)により表される。ここで、(式1)のkdは、拡散反射成分の反射率である。また、fidは、kd、N、Lをパラメータとする所定の関数である。式(1)において、放射輝度Idは、ベクトルVによって変化しない。つまり、式(1)からは、拡散反射光73は、視点72の位置によって変化せず、全方向に同一の輝度で放射することがわかる。
Id = IL×kd×|L||N|cosθL = IL×fid(kd, N, L) (1)
【0044】
これに対して鏡面反射光74は、一般的には光源71の方向Lに対して正反射方向へと強い光を放つ。これにより観察者は、物体の表面においてハイライトを知覚する。CGにおいてよく用いられるCook-Torranceの反射モデルによる鏡面反射光の輝度Isは以下の式(2)で表される。
Is = IL×F/π×DG/(N・L)(N・V)= IL×fis(ks, σ, N, L, V) (2)
式(2)においてFは、フレネル項であり、微細表面における鏡面反射の程度を示す。Gは幾何減衰項であり、物体の微細表面による自己陰影を示す。また、Dは、ベックマン分布項であり微細表面のばらつきを示す。このD項が鏡面反射光の広がりを示し、物体の表面の粗さによって異なる。
式(2)の右辺は、式(2)の左辺を単純化した式である。式(2)の右辺では、放射輝度Isは、ks、σ、N、L、Vをパラメータとする所定の関数fisを用いて表される。ここで、ksは、鏡面反射率である。σは表面粗さである。表面粗さσを推定するためには、ある特定の位置の光源についての放射輝度だけではなく、光源の移動に伴う放射輝度の遷移を取得する必要がある。このような放射輝度の遷移を示す放射輝度遷移情報を取得できたか否かの判定が算出部216によって行われる。
【0045】
算出部216は、形状計測装置3で取得された対象物7の形状情報をもとに、対象物7の表面領域毎に法線を算出する。そして、算出部216は、表面領域毎の法線から算出される、カメラ4の正反射方向となる位置を光源5が通過しているか否かを判定し、この判定結果に基づいて第1の取得状態情報を生成する。第1の取得状態情報は、例えばカメラ4の正反射方向となる位置を光源5が通過しているか否かを示す数値であってよい。この場合、例えば、第1の取得状態情報は、通過しているときに1を示し、通過していないときに0を示すように生成されてよい。
【0046】
図7から分かるように、カメラ4の視線方向ベクトルVに対する正反射方向ベクトルL’は以下の式(3)によって導出される。算出部216は、光源5の方向ベクトルLが正反射方向ベクトルL’を通過したときに、カメラ4の正反射方向となる位置を光源5が通過したと判定する。カメラ4の正反射方向となる位置に光源5が位置しているとき、対象物7の光沢はピークを示す。
L’ = 2・N・(V・N)-V (3)
ここで、光源5が線光源及び面光源等の大きさを持った光源である場合には、放射輝度遷移推定部215は、光源5の一部が正反射方向ベクトルL’上を光源5が通過したときに、カメラ4の正反射方向となる位置を光源5が通過したと判定する。
【0047】
また、算出部216は、表面粗さσを推定するに足る放射輝度の遷移が取得できているか否かを判定し、この判定結果に基づいて第2の取得状態情報を生成する。第2の取得状態情報は、例えば表面粗さσを推定するに足る放射輝度の遷移が取得できているか否かを示す数値であってよい。この場合、例えば、第2の取得状態情報は、取得できているときに1を示し、取得できていないときに0を示すように生成されてよい。
【0048】
図8は、放射輝度遷移情報を示す図である。図8の横軸は、画像の変化、すなわち光源の位置の変化である。また、図8の縦軸は、光沢ピークに対応する放射輝度の値で正規化された放射輝度の値である。光源5が連続的に移動するとき、放射輝度も図8のグラフで示すように連続的に遷移する。ここで、グラフ内のマーカは、実際に放射輝度の値を計測することができた点である計測点を示す。算出部216は、光沢ピークの放射輝度の値に対する割合で示した閾値範囲内において、指定された個数以上の計測点が取得できているときには、表面粗さσを推定するに足る放射輝度遷移情報が取得できていると判定する。光沢ピークの放射輝度は、厳密な光沢ピークの放射輝度でなくてもよい。例えば、光沢ピークの放射輝度として、計測点の中の最大の放射輝度が用いられてもよい。
【0049】
ここで、閾値範囲はユーザによって指定されてよいが、予め設定されていてもよい。閾値範囲を予め設定しておく際の設定手法の例を以下に示す。閾値範囲は、以下の設定手法の例とは異なる考え方に基づいて設定されてもよい。
【0050】
図9Aは、閾値範囲の第1の設定例を示す図である。第1の設定例は、表面粗さσを推定するに足る最低限の放射輝度遷移情報が取得できていればよいとする考え方に基づいている。第1の例では、閾値範囲は、光沢ピークの放射輝度に対して20-100%の範囲に設定される。そして、算出部216は、光沢ピークに対応する計測点と、閾値範囲に含まれる2以上の計測点の3点以上の計測点が取得できているときには、表面粗さσを推定するに足る放射輝度遷移情報が取得できていると判定する。
【0051】
図9Bは、閾値範囲の第2の設定例を示す図である。第2の設定例は、金属表面及びプラスチック表面といった光沢の強い表面を有する対象物に対する閾値範囲の設定例である。光沢の強い対象物の場合、図9Bに示すように、放射輝度は光沢ピークにおいて急峻な変化を示す。したがって、光沢の強い対象物の場合、閾値範囲を広げないと十分な数の計測点を取得できない可能性が生じる。このため、第2の例では、閾値範囲は、光沢ピークの放射輝度に対して10-100%の範囲に設定される。そして、算出部216は、光沢ピークに対応する計測点と、閾値範囲に含まれる2以上の計測点の3点以上の計測点が取得できているときには、表面粗さσを推定するに足る放射輝度遷移情報が取得できていると判定する。
【0052】
図9Cは、閾値範囲の第3の設定例を示す図である。第3の設定例は、布表面、シボ加工された表面、革表面といった光沢の弱い表面を有する対象物に対する閾値範囲の設定例である。光沢の弱い対象物の場合、図9Cに示すように、光源の位置の変化に対して広く分布する。したがって、光沢の弱い対象物の場合、閾値範囲を広げすぎると必要以上に多くの計測点が取得される可能性が生じる。このため、第3の例では、閾値範囲は、光沢ピークの放射輝度に対して50-100%の範囲に設定される。そして、算出部216は、光沢ピークに対応する計測点と、閾値範囲に含まれる2以上の計測点の3点以上の計測点が取得できているときには、表面粗さσを推定するに足る放射輝度遷移情報が取得できていると判定する。
【0053】
図9Dは、閾値範囲の第4の設定例を示す図である。第4の設定例は、高精度の光沢の推定が必要となるときの設定例である。高精度の光沢の推定が必要となるときには、図9Dに示すように例えば2つの閾値範囲が設定される。閾値範囲1は、光沢ピークの放射輝度に対して70-100%の範囲に設定される。閾値範囲2は、光沢ピークの放射輝度に対して40-70%の範囲に設定される。そして、算出部216は、光沢ピークに対応する計測点と、閾値範囲1に含まれる2以上の計測点と、閾値範囲2に含まれる2以上の計測点との5点以上の計測点が取得できているときには、表面粗さσを推定するに足る放射輝度遷移情報が取得できていると判定する。なお、第4の設定例において、より高精度の光沢の推定が必要となるときには、閾値範囲は3つ以上設定されてよい。
【0054】
ここで図5の説明に戻る。指示画像生成部217は、算出部216で算出された取得状態情報に基づいて、指示画像を生成する。指示画像は、放射輝度遷移情報、すなわち光沢の遷移が取得できた表面領域と取得できていない表面領域とを区別して表す画像である。指示画像は、例えば、画像表示装置6に表示される。図10は、指示画像の表示例である。図10の指示画像は、対象物7のポリゴンモデルに所定のテクスチャを貼り付けることによって生成されたテクスチャモデルのうちの放射輝度遷移情報が取得されている表面領域の画素値を、他の表面領域の画素値と異ならせることで生成される。このような指示画像では、放射輝度遷移情報が取得されている表示領域61は他の表面領域とは異なる色で表示される。ユーザは、画像表示装置6に表示されているテクスチャモデルを見て、放射輝度遷移情報が取得されている部分と取得されていない部分とを識別できる。これにより、ユーザは、放射輝度遷移情報が取得できていない表面領域についての放射輝度遷移情報が取得できるように光源5を移動させ、カメラ4による再撮影を実施することができる。
【0055】
ここで図5の説明に戻る。光源制御部218は、算出部216で算出された取得状態情報に基づいて光源5を移動させる。具体的には、光源制御部218は、放射輝度遷移情報が取得できるような位置に光源5を移動させる。
【0056】
質感情報推定部219は、ストレージ24に記憶されたカメラ情報、光源情報及び対象物7の形状情報を用いて、対象物7の表面領域毎の反射定数及び法線の推定を実施する。
【0057】
反射定数及び法線は、表面領域の放射輝度Ioと計算によって推定した放射輝度Io’との誤差を最小化するパラメータの最適解を推定することで導出される。例えば、対象物の反射モデルとして式(1)および式(2)が利用されている場合には、放射輝度Io’は以下の式(4)で計算される。
Io’ = Id + Is = IL×{fid(kd, N, L)+ fis(ks, σ, N, L, V)} (4)
式(4)において、ベクトルL及びベクトルVはストレージ24に記憶されているカメラ情報及び光源情報から算出されるために既知である。また、表面領域の法線ベクトルNは、表面領域のポリゴンの持つ法線ベクトルNpと表面領域における微細表面の法線ベクトルNmの足し合わせで表現される。前述したように、法線ベクトルNpは形状計測装置3で取得される形状情報から算出されるために既知である。よって、以下の式(5)で示す2乗誤差Jを最小化する問題を解くことで、表面領域毎の反射定数(kd, ks, σ)及び微小法線Nmが推定され得る。この推定が対象物7のすべての表面領域で実施されることで、対象物7の全体の形状及び反射特性が推定され得る。
J = 1 / 2 Σn(Ion-Ion’)2 (5)
【0058】
図11は、本実施形態に係る光沢取得状態算出装置の動作例を示すフローチャートである。ここで、図11の例における対象物7は、光が透過しない表面を有する物体であるとする。
【0059】
ステップS1において、プロセッサ21は、形状計測装置3から対象物7のマクロな3次元形状を表す形状情報を取得する。前述したように、形状計測装置3による計測手法は特定の手法に限定されない。
【0060】
ステップS2において、プロセッサ21は、形状情報としての点群データをCGで扱いやすいポリゴンデータへと変換する。また、プロセッサ21は、各ポリゴンの法線を計算する。そして、プロセッサ21は、それぞれのポリゴンのポリゴンデータをストレージ24に格納する。前述したように、ポリゴンデータは、ポリゴンの頂点の座標と、法線の情報とを含む。
【0061】
ステップS3において、プロセッサ21は、対象物7の放射輝度の遷移が取得できるように光源5を移動させる。初回においては、プロセッサ21は、予め定められた位置に光源5を移動させてよい。2回目以降においては、プロセッサ21は、対象物7の放射輝度の遷移が取得できるように光源5の位置を順次に変化させる。
【0062】
ステップS4において、プロセッサ21は、カメラ4による撮影を実行させる。そして、プロセッサ21は、カメラ4で生成された画像と、撮影時のカメラ4の位置及び撮影条件といったカメラ情報と、撮影時の光源5の位置及び対象物7の放射輝度といった光源情報と関連付けてストレージ24に格納する。
【0063】
ステップS5において、プロセッサ21は、対象物7の表面領域に該当するポリゴンの法線ベクトルNと、カメラ4の視線方向のベクトルVと、光源5の方向ベクトルLとに基づいて、カメラ4の正反射方向となる位置を光源5が通過したか否かを判定する。ステップS5において、カメラ4の正反射方向となる位置を光源5が通過していないと判定されたときには、処理はステップS3に戻る。この場合、プロセッサ21は、光源5を別の位置に移動させる。ステップS5において、カメラ4の正反射方向となる位置を光源5が通過したと判定されたときには、処理はステップS6に移行する。
【0064】
ステップS6において、プロセッサ21は、ストレージ24に記憶されている光源情報より、各光源位置における鏡面反射光の放射輝度を算出する。プロセッサ21は、各光源位置における放射輝度を光沢ピークに対応した放射輝度の値で正規化することで放射輝度遷移情報を生成する。そして、プロセッサ21は、光沢ピークに対する放射輝度の値に対する割合で示された放射輝度の閾値範囲を設定する。
【0065】
ステップS7において、プロセッサ21は、閾値範囲内において、指定された所定個数以上の計測点が取得できているか否かを判定する。ステップS7において、所定個数以上の計測点が取得できていないと判定されていないときには、処理はステップS3に戻る。この場合、プロセッサ21は、光源5を別の位置に移動させる。ステップS7において、所定個数以上の計測点が取得できたと判定されたときには、処理はステップS8に移行する。
【0066】
ステップS8において、プロセッサ21は、ステップS2で取得したポリゴンデータに基づく対象物7のテクスチャモデルを画像表示装置6に表示させる。さらに、プロセッサ21は、十分な放射輝度遷移情報が取得できたと判定した表面領域に色付けをする。3次元画像の表示中、プロセッサ21は、ユーザによる対象物7のテクスチャモデルの回転、拡大又は縮小の操作を受けつけてもよい。このような操作がされた場合、プロセッサ21は、回転、拡大又は縮小されたポリゴンデータに基づいて3次元画像を画像表示装置6に再表示させる。
【0067】
ステップS9において、プロセッサ21は、すべての表面領域について放射輝度の遷移が取得できたか否かを判定する。ステップS9において、すべての表面領域について放射輝度の遷移が取得できていないと判定されたときには、処理はステップS10に移行する。ステップS9において、すべての表面領域について放射輝度の遷移が取得できたと判定されたときには、処理はステップS11に移行する。ステップS9において、ユーザの操作によって計測完了の指示がされた場合にも、処理がステップS11に移行するように構成されてもよい。
【0068】
ステップS10において、プロセッサ21は、処理対象の表面領域を放射輝度の遷移がまだ取得できていない表面領域に変更する。その後、処理はステップS3に戻る。この場合、プロセッサ21は、別の表面領域に対する放射輝度の遷移が取得できるよう、光源5を別の位置に移動させる。
【0069】
ステップS11において、プロセッサ21は、放射輝度遷移情報、カメラ情報、光源情報、対象物7の形状情報を用いることで表面領域毎の微細表面形状及び反射定数を推定する。そして、プロセッサ21は、図11の処理を終了させる。
【0070】
以上説明したように本実施形態によれば、対象物7の質感を再現するための反射特性の推定に足る放射輝度遷移情報、すなわち光沢遷移が取得できているか否かが表面領域毎に判定される。この判定結果に基づいて撮影が実行されることにより、反射特性の推定に足る光沢遷移が過不足なく取得できる。このため、反射特性の推定に不要な放射輝度の情報が反射特性の推定計算に用いられることもなく、効率的な反射特性の推定をすることができる。
【0071】
また、反射特性の推定に足る光沢遷移が取得できていない表面領域についてだけ撮影がされればよいため、撮影の枚数も減らすことができる。また、反射特性の推定に足る光沢遷移が取得できていない表面領域についてだけ撮影をすればよいため、対象物の形状や反射特性によって光源及びカメラの配置が予め決定されている必要はない。また、光源が3次元的に移動できるように構成されていることにより、表面領域と光源との位置関係によって光沢がカメラで取得できないといったこともない。
【0072】
[変形例1]
以下、実施形態の変形例について説明する。実施形態では、カメラ4と対象物7とを固定し、光源5を移動させながら対象物7の撮影が行われている。しかしながら、必ずしも光源5を移動させながら対象物7の撮影が行われる必要はない。例えば、光源5と対象物7とを固定し、カメラ4を移動させながら対象物7の撮影が行われてもよい。また、カメラ4と光源5とを固定し、対象物7を移動させながら対象物7の撮影が行われてもよい。さらには、カメラ4、光源5及び対象物7の2つ以上を移動させながら対象物7の撮影が行われてもよい。
【0073】
[変形例2]
実施形態では反射特性の推定に用いられる反射モデルとして、Cook-Torranceモデルが例示されている。反射特性の推定には、Cook-Torranceモデルに限らずどのようなモデルが用いられても良い。例えば、ヘアライン加工された金属表面を有する物体のようにカメラ方向又は光源方向により異なる反射強度を放つ対象物については、Wardモデルのような異方性反射モデルが用いられてもよい。
【0074】
ここで、CGによる質感の再現画像の生成の際には、取得された形状情報及び反射特性、法線の情報が用いられることで、任意の照明環境下における対象物の見え、質感が再現される。ただし、再現時の反射モデルには、反射特性の推定時に用いられた反射モデルと同様のモデルが用いられる必要がある。
【0075】
[変形例3]
前述した実施形態では、カメラ4の正反射方向となる位置を光源5が通過しており、かつ、閾値範囲内の所定個数以上の計測点が取得できたときに、反射特性の推定に足る放射輝度遷移情報が取得できていると判定される。これらの条件のうちの何れか一方だけが満足したときに反射特性の推定に足る放射輝度遷移情報が取得できていると判定されてもよい。
【0076】
[変形例4]
前述した実施形態では、指示画像は、対象物のテクスチャモデルにおける放射輝度遷移情報が取得できた表面領域の画素値を他の表面領域の画素値と異ならせることによって生成される。しかしながら、指示画像は、他の手法によって生成されてもよい。
【0077】
図12Aは、指示画像の別の表示例を示す図である。図12Aの指示画像は、テクスチャが貼り付けられていない対象物のポリゴンモデルのうちの放射輝度遷移情報が取得できた表面領域に対応する部分62の画素値を他の部分の画素値と異ならせることによって生成される。
【0078】
図12Bは、指示画像のさらに別の表示例を示す図である。図12Bの指示画像は、形状情報によって特定される対象物のテクスチャマップ(展開図)63のうちの放射輝度遷移情報が取得できた表面領域に対応する部分63の画素値を他の部分の画素値と異ならせることによって生成される。
【0079】
図12Cは、指示画像のさらに別の表示例を示す図である。図12Cの指示画像は、対象物7のポリゴンモデルにカメラ4で得られた画像をテクスチャとして貼り付けることによって生成されたテクスチャモデル64aのうちの放射輝度遷移情報が取得されている表面領域64bの画素値を、他の表面領域の画素値と異ならせることで生成される。
【0080】
図12Dは、指示画像のさらに別の表示例を示す図である。図12Dの例は、カメラ4と、画像表示装置6とを備えるスマートフォン等の端末8をユーザが手で持って対象物7を撮影する場合において好適な表示例である。端末8には、指示画像を表示できるように光沢取得状態表示プログラムがインストールされている。さらに、端末8は、画像解析装置2に対して、カメラ4で得られた画像を送るとともに、画像解析装置2で生成された指示画像を受け取るように構成された通信インターフェースを備えている。
【0081】
図12Dの例では、方向8a、方向8bといった異なる方向から端末8のカメラ4で対象物7を撮影した際に逐次に得られる画像のうち、放射輝度遷移情報が取得されている表面領域に対応する部分の画素値を、他の部分の画素値と異ならせることで生成される。
【0082】
ここで、端末8は、少なくともカメラ4と、画像表示装置6とを備えている。光源5は、端末8に備えられていてもよいし、端末8に備えられていなくてもよい。さらに、端末8のカメラ4が2眼のカメラであれば、ステレオ法によって対象物7の形状情報が取得され得るため、形状計測装置3は不要である。勿論、対象物7の形状は、端末8とは別の形状計測装置3によって測定されてもよい。
【0083】
さらに、端末8は、画像解析装置2の同等の処理をすることができるように構成されていてもよい。例えば、端末8には、画像解析装置2の同等の処理をすることができるように光沢取得状態算出プログラムがインストールされていてもよい。
【0084】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0085】
以下に、本願の発明の実施の形態から抽出され得る発明を付記する。
[1] 対象物、前記対象物を照明する光源、前記対象物を撮影するカメラの少なくともいずれかの移動に伴って、前記カメラによって前記対象物を撮影することで得られた画像群を取得する画像取得手段と、
前記対象物の3次元形状情報を取得する形状取得手段と、
前記3次元形状情報によって示される前記対象物の表面領域毎に、前記画像群に亘る鏡面反射光の放射輝度の遷移の情報である放射輝度遷移情報を推定する放射輝度遷移推定手段と、
前記表面領域毎に、前記放射輝度遷移情報の取得状態を示す取得状態情報を算出する算出手段と、
を備える光沢取得状態算出装置。
[2] 前記画像群が撮影されているときの前記カメラのカメラ情報を取得するカメラ情報取得手段と、
前記画像群が撮影されているときの前記光源の光源情報を取得する光源情報取得手段と、
をさらに備え、
前記光源情報は、少なくとも前記画像群に亘る前記光源の位置の情報である光源位置情報を含み、
前記カメラ情報は、少なくとも前記画像群に亘る前記カメラの位置の情報であるカメラ位置情報を含む、
[1]に記載の光沢取得状態算出装置。
[3] 前記放射輝度遷移情報、前記3次元形状情報、前記カメラ位置情報及び前記光源位置情報を用いて、前記表面領域毎の所定の反射モデルの反射定数及び法線を推定する質感情報推定部をさらに備える、
[2]に記載の光沢取得状態算出装置。
[4] 前記算出手段は、
前記3次元形状情報から算出される前記表面領域の法線、前記カメラ位置情報によって示される前記カメラの位置及び前記光源位置情報によって示される前記光源の位置を用いて、前記カメラの位置に対し、前記表面領域を反射面として正反射方向となる前記光源の位置が存在するか否かを前記表面領域毎に判定し、
少なくとも前記光源の位置が存在するか否かの判定の結果に基づき前記取得状態情報を算出する、
[2]又は[3]に記載の光沢取得状態算出装置。
[5] 前記算出手段は、
前記表面領域毎に、前記放射輝度遷移情報によって示される複数の放射輝度のうちのピークを算出し、前記ピークに基づき算出される閾値範囲に含まれる放射輝度が所定の個数以上存在しているか否かを判定し、
少なくとも前記放射輝度が所定の個数以上存在しているか否かの判定の結果に基づき前記取得状態情報を算出する、
[1]から[4]のいずれか1に記載の光沢取得状態算出装置。
[6] 前記閾値範囲は、ユーザによって指定される、
[5]に記載の光沢取得状態算出装置。
[7] 前記表面領域のいずれかに各々対応する複数の画素を有し、各々の画素は、対応する前記表面領域の前記取得状態情報に基づく画素値を有する、指示画像を生成する指示画像生成手段をさらに備える、
[1]から[6]のいずれか1に記載の光沢取得状態算出装置。
[8] 前記画像群は、前記光源、前記対象物、前記カメラのいずれかの連続的な移動に伴って前記対象物を連続的に撮影することによって得られた動画である、
[1]から[7]のいずれか1に記載の光沢取得状態算出装置。
[9] 前記光源は、線光源又は面光源である、
[1]から[8]のいずれか1に記載の光沢取得状態算出装置。
[10] 対象物、前記対象物を照明する光源、前記対象物を撮影するカメラの少なくともいずれかの移動に伴って、前記カメラによって前記対象物を撮影することで得られた画像群を取得することと、
前記対象物の3次元形状情報を取得することと、
前記3次元形状情報によって示される前記対象物の表面領域毎に、前記画像群に亘る鏡面反射光の放射輝度の遷移の情報である放射輝度遷移情報を推定することと、
前記表面領域毎に、前記放射輝度遷移情報の取得状態を示す取得状態情報を算出することと、
を備える光沢取得状態算出方法。
[11] 対象物、前記対象物を照明する光源、前記対象物を撮影するカメラの少なくともいずれかの移動に伴って、前記カメラによって前記対象物を撮影することで得られた画像群を取得することと、
前記対象物の3次元形状情報を取得することと、
前記3次元形状情報によって示される前記対象物の表面領域毎に、前記画像群に亘る鏡面反射光の放射輝度の遷移の情報である放射輝度遷移情報を推定することと、
前記表面領域毎に、前記放射輝度遷移情報の取得状態を示す取得状態情報を算出することと、
をコンピュータに実行させるための光沢取得状態算出プログラム。
[12] [7]に記載の光沢取得状態算出装置と通信できるように接続される端末であって、
前記画像群を前記光沢取得状態算出装置に送信する送信手段と、
前記指示画像を前記光沢取得状態算出装置から受信する受信手段と、
前記指示画像を表示する表示手段と、
を備える端末。
[13] [7]に記載の光沢取得状態算出装置と通信できるように接続される端末のための光沢取得状態表示プログラムであって、
前記画像群を前記光沢取得状態算出装置に送信することと、
前記指示画像を前記光沢取得状態算出装置から受信することと、
前記指示画像を表示手段に表示することと、
を前記端末のコンピュータに実行させるための光沢取得状態表示プログラム。
[14] 前記形状取得手段は、前記3次元形状情報を前記画像群からの推定によって取得する、
[1]に記載の光沢取得状態算出装置。
[15] 前記光源情報取得手段は、前記光源情報を前記画像群からの推定によって取得する、
[2]に記載の光沢取得状態算出装置。
[16] 前記カメラ情報取得手段は、前記カメラ情報を前記画像群からの推定によって取得する、
[2]に記載の光沢取得状態算出装置。
[17] 前記指示画像は、前記3次元形状情報に対応するテクスチャ画像である、
[7]に記載の光沢取得状態算出装置。
[18] 前記指示画像の一部又は全部の画素は、前記表面領域の各々に一対一で対応している、
[7]に記載の光沢取得状態算出装置。
[19] 前記指示画像の画素と前記表面領域との対応が、前記カメラによって撮影された前記画像群に基づいている、
[7]に記載の光沢取得状態算出装置。
[20] 前記対象物、前記光源、前記カメラのいずれかの位置を前記取得状態情報に基づき制御する制御手段をさらに備える、
[1]に記載の光沢取得状態算出装置。
【符号の説明】
【0086】
1…3次元画像処理システム、2…画像解析装置、3…形状計測装置、4…カメラ、5…光源、6…画像表示装置、7…対象物、8…端末、21…プロセッサ、22…ROM、23…RAM、24…ストレージ、25…入力インターフェース、26…出力インターフェース、27…通信インターフェース、28…バス、211…画像取得部、212…形状取得部、213…カメラ情報取得部、214…光源情報取得部、215…放射輝度遷移、216…算出部、217…指示画像生成部、218…光源制御部、219…質感情報推定部。
図1
図2
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図9A
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