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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240402BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20240402BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G03G21/16 176
G03G15/08 346
G03G15/08 322B
G03G21/00 370
G03G21/00 386
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019231188
(22)【出願日】2019-12-23
(65)【公開番号】P2021099432
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷尾 浩治
(72)【発明者】
【氏名】楠川 喬
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-032695(JP,A)
【文献】特開2010-072307(JP,A)
【文献】特開2010-256557(JP,A)
【文献】特開2006-113482(JP,A)
【文献】特開2007-323005(JP,A)
【文献】実開昭54-116017(JP,U)
【文献】実開昭63-115797(JP,U)
【文献】特開2017-198855(JP,A)
【文献】米国特許第04523834(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
13/08
13/095
13/34-15/00
15/08
15/095
15/36
21/00-21/02
21/14-21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体に形成された前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置と、
前記現像装置に補給する前記トナーを収容する着脱可能なトナー容器と、
前記トナー容器が装着されるトナー容器装着部と、
前記トナー容器装着部からの前記トナー容器の着脱を規制するロック部材と、
を備えた画像形成装置において、
前記トナー容器装着部は、前記トナー容器の側面を支持する一対の側面支持レールを有し、
前記ロック部材は、一対の前記側面支持レールのそれぞれの、前記トナー容器の装着方向上流側の端部に隣接して一対配置されるか、若しくは一対の前記側面支持レールのいずれか一方の、前記トナー容器の装着方向上流側の端部に隣接して配置され、前記側面支持レールの延在方向に垂直であり前記トナー容器の着脱を規制する第1の姿勢と、前記側面支持レールの延在方向に平行であり前記トナー容器の着脱を許容する第2の姿勢と、の間で揺動可能であり、
前記ロック部材は、前記第2の姿勢にあるとき前記側面支持レールの延長線上に配置され、前記側面支持レールと共に前記トナー容器を前記トナー容器装着部に案内し、
前記トナー容器装着部は、対向する一対のフレーム間に形成されており、
一対の前記側面支持レールは、それぞれ一対の前記フレームに支持され、前記ロック部材は、前記側面支持レールの前記トナー容器の装着方向上流側の端部に隣接する端部を支点とし、反対側の端部を揺動端として、一対の前記フレームの前記側面支持レールが支持される面に沿って前記第1の姿勢と前記第2の姿勢とに揺動し、
前記トナー容器装着部は、前記トナー容器を上方から着脱可能であり、
前記側面支持レールは一対の前記フレームに沿って略垂直に支持され、前記ロック部材は一対の前記側面支持レールのいずれか一方の上端部に隣接して配置されており、
一対の前記フレームには、それぞれ前記トナー容器の底面を支持する底面支持部が設けられており、
一対の前記フレームの一方側には、前記底面支持部の上方に所定の間隔を隔てて規制部が形成され、一対の前記フレームの他方側には、前記底面支持部の上方に所定の間隔を隔てて前記ロック部材が配置されており、
前記トナー容器がトナー容器装着部に装着された状態で、前記トナー容器の一端部が前記底面支持部と前記規制部との間に挟持され、前記トナー容器の他端部が前記底面支持部と前記ロック部材との間に挟持されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体に形成された前記静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置と、
前記現像装置に補給する前記トナーを収容する着脱可能なトナー容器と、
前記トナー容器が装着されるトナー容器装着部と、
前記トナー容器装着部からの前記トナー容器の着脱を規制するロック部材と、
を備えた画像形成装置において、
前記トナー容器装着部は、前記トナー容器の側面を支持する一対の側面支持レールを有し、
前記ロック部材は、一対の前記側面支持レールのそれぞれの、前記トナー容器の装着方向上流側の端部に隣接して一対配置されるか、若しくは一対の前記側面支持レールのいずれか一方の、前記トナー容器の装着方向上流側の端部に隣接して配置され、前記側面支持レールの延在方向に垂直であり前記トナー容器の着脱を規制する第1の姿勢と、前記側面支持レールの延在方向に平行であり前記トナー容器の着脱を許容する第2の姿勢と、の間で揺動可能であり、
前記ロック部材は、前記第2の姿勢にあるとき前記側面支持レールの延長線上に配置され、前記側面支持レールと共に前記トナー容器を前記トナー容器装着部に案内し、
前記トナー容器装着部は、対向する一対のフレーム間に形成されており、
一対の前記側面支持レールは、それぞれ一対の前記フレームに支持され、前記ロック部材は、前記側面支持レールの前記トナー容器の装着方向上流側の端部に隣接する端部を支点とし、反対側の端部を揺動端として、一対の前記フレームの前記側面支持レールが支持される面に沿って前記第1の姿勢と前記第2の姿勢とに揺動し、
前記トナー容器装着部は、前記トナー容器を上方から着脱可能であり、
前記側面支持レールは一対の前記フレームに沿って略垂直に支持され、前記ロック部材は一対の前記側面支持レールのいずれか一方の上端部に隣接して配置されており、
前記トナー容器装着部の上方を覆う開閉可能な上面カバーを備え、
前記ロック部材は、前記第2の姿勢にあるとき前記上面カバーの閉鎖位置よりも上方に突出することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記ロック部材は、前記上面カバーの閉鎖により前記第2の姿勢から前記第1の姿勢に揺動することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記上面カバーの開閉を検知する開閉検知スイッチと、
前記ロック部材による規制状態を解除するロック解除駆動部と、
前記ロック解除駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記開閉検知スイッチにより前記上面カバーの開放が検知されたとき、前記ロック解除駆動部により前記ロック部材を前記第2の姿勢に揺動させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記トナー容器内のトナー残量が所定量以下であるトナーエンド状態を検知可能なトナー残量検出部と、
前記ロック部材による規制状態を解除するロック解除駆動部と、
前記ロック解除駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記トナー残量検出部により前記トナーエンド状態が検出されたとき、前記ロック解除駆動部により前記ロック部材を前記第2の姿勢に揺動させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
複数の前記像担持体に異なる色の前記トナー像を形成する複数の前記現像装置と、
複数の前記現像装置に補給する異なる色の前記トナーを収容する複数の前記トナー容器と、を備え、
前記制御部は、前記トナー残量検出部によりいずれかの前記トナー容器の前記トナーエンド状態が検出されたとき、前記トナーエンド状態が検出された前記トナー容器の着脱を規制する前記ロック部材のみを前記第2の姿勢に揺動させることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスを用いた複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に、画像形成装置本体に対し着脱可能なトナーコンテナを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置では、現像装置内のトナー濃度(またはトナー量)をトナーセンサーによって検知し、トナー濃度が低く(またはトナー量が少なく)なればトナーコンテナ等のトナー容器から現像装置へトナーを補給する方式が広く採用されている。
【0003】
このような画像形成装置では。通常はトナー容器が空になった場合に新しいトナー容器と交換を行う。しかし、トナー容器内にトナーが残存している状態でトナー容器が交換可能であると、トナーが残存した使用可能なトナー容器を廃棄してしまうおそれがあった。
【0004】
そこで、特許文献1には、プロセスカートリッジ状態監視制御部のトナー状態の検出結果から、トナー量が十分であるかどうかを判断し、トナー量が十分であると認識された状態では、プロセスカートリッジの交換時期では無いと判断され、ストッパー制御部でソレノイドをオフすることにより、ストッパー機能が有効化されるようにした画像形成装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、装着されたトナー容器のカバーをロックする施錠手段と、装着されたトナー容器のトナー無しを検出する検出手段と、検出手段によりトナー無しが検出された際に、トナー無しと検出されたトナー容器の交換を行うための入力を受け付けるための画面を表示部に表示させる表示手段とを有する画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、表示手段により表示された画面を介した入力を受け付けたことに応じて、施錠手段(トナーボトルカバー)によるロックを解除し、トナー無しと検出されたトナー容器の交換が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-91462号公報
【文献】特開2011-8142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の構成では、ストッパーがトナー容器の装着口の端縁に沿って延在する。また、特許文献2の構成では、トナーボトルカバーがトナー容器の装着口の全域を覆っている。そのため、トナー容器を上方から着脱する構成に適用した場合、ストッパーやカバー等のロック部材が大型化するとともに、トナー容器の着脱時にロック部材が邪魔になるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、トナー容器の不必要な取り外しを規制するとともに、トナー容器の着脱を容易に行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、像担持体と、現像装置と、トナー容器と、トナー容器装着部と、ロック部材と、を備えた画像形成装置である。像担持体は、静電潜像が形成される。現像装置は、像担持体に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。トナー容器は、着脱可能であって現像装置に補給するトナーを収容する。トナー容器装着部は、トナー容器が装着される。ロック部材は、トナー容器装着部からのトナー容器の着脱を規制する。トナー容器装着部は、トナー容器の側面を支持する一対の側面支持レールを有する。ロック部材は、一対の側面支持レールの少なくとも一方の、トナー容器の装着方向上流側の端部に隣接して配置され、側面支持レールの延在方向に垂直でありトナー容器の着脱を規制する第1の姿勢と、側面支持レールの延在方向に平行でありトナー容器の着脱を許容する第2の姿勢と、の間で揺動可能である。ロック部材は、第2の姿勢にあるとき側面支持レールの延長線上に配置され、側面支持レールと共にトナー容器をトナー容器装着部に案内する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1の構成によれば、ロック部材が第2の姿勢にあるとき、側面支持レールの延長線上に配置され、ロック部材が側面支持レールと共にトナー容器の着脱時のレール部材として機能するため、トナー容器の交換作業を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の全体構成を示す概略断面図
図2】本実施形態の画像形成装置100に搭載される現像装置3aの側面断面図
図3】本実施形態の画像形成装置100に搭載されるトナーコンテナ4aの側面断面図
図4】本実施形態の画像形成装置100の制御経路の一例を示すブロック図
図5】画像形成装置100の上面カバー17aを開放した状態を上方から見た斜視図
図6図5におけるトナーコンテナ4a~4dのロック部材71a~71d周辺の部分拡大図
図7】コンテナ装着部70の背面フレーム101a側の構成を示す斜視図であり、ロック部材71a~71dによるロック状態を示す図
図8】コンテナ装着部70の背面フレーム101a側の構成を示す斜視図であり、ロック部材71a~71dによるロック解除状態を示す図
図9】ロック部材71a~71dのロック解除駆動部80を図7の背面側から見た図
図10】コンテナ装着部70の第1~第4装着部70a~70dにトナーコンテナ4a~4dが装着された状態を模式的に示す側面図
図11図10の状態からトナーコンテナ4a~4dが取り外される様子を模式的に示す側面図
図12】本実施形態の画像形成装置100におけるトナーコンテナ4a~4dの交換手順を示すフローチャート
図13】コンテナ装着部70の背面フレーム101a側の構成を示す斜視図であり、トナーコンテナ4aを交換する様子を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の内部構造を示す断面図である。画像形成装置100(ここではカラープリンター)本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、搬送方向上流側(図1では左側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa~Pdは、異なる4色(シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの画像を順次形成する。
【0013】
これらの画像形成部Pa~Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)1a、1b、1cおよび1dが配設されている。また、ベルト駆動モーター41(図4参照)により図1において反時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa~Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a~1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a~1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次一次転写されて重畳される。その後、中間転写ベルト8上に一次転写されたトナー像は、二次転写ローラー9によって記録媒体の一例としての転写紙P上に二次転写される。さらに、トナー像が二次転写された転写紙Pは、定着部13においてトナー像が定着された後、画像形成装置100本体より排出される。感光体ドラム1a~1dを図1において時計回り方向に回転させながら、各感光体ドラム1a~1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0014】
トナー像が二次転写される転写紙Pは、画像形成装置100の本体下部に配置された用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9と中間転写ベルト8の駆動ローラー11とのニップ部へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
【0015】
次に、画像形成部Pa~Pdについて説明する。回転可能に配設された感光体ドラム1a~1dの周囲および下方には、感光体ドラム1a~1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2cおよび2dと、各感光体ドラム1a~1dに画像情報を露光する露光装置5と、感光体ドラム1a~1d上にトナー像を形成する現像装置3a、3b、3cおよび3dと、感光体ドラム1a~1d上に残留した現像剤(トナー)等を除去するクリーニング装置7a、7b、7cおよび7dが設けられている。
【0016】
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a~2dによって感光体ドラム1a~1dの表面を一様に帯電させる。次いで露光装置5によって画像データに応じて光照射し、各感光体ドラム1a~1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a~3dには、それぞれシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a~3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a~4dから各現像装置3a~3dにトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a~3dにより感光体ドラム1a~1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0017】
そして、一次転写ローラー6a~6dにより一次転写ローラー6a~6dと感光体ドラム1a~1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a~1d上のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、一次転写後に感光体ドラム1a~1dの表面に残留したトナー等がクリーニング装置7a~7dにより除去される。
【0018】
中間転写ベルト8は、上流側の従動ローラー10と、下流側の駆動ローラー11とに掛け渡されており、ベルト駆動モーター41(図4参照)による駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回り方向に回転を開始すると、転写紙Pがレジストローラー対12bから所定のタイミングで駆動ローラー11とこれに隣接して設けられた二次転写ローラー9とのニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、中間転写ベルト8上のフルカラー画像が転写紙P上に二次転写される。トナー像が二次転写された転写紙Pは定着部13へと搬送される。
【0019】
定着部13に搬送された転写紙Pは、定着ローラー対13aにより加熱および加圧されてトナー像が転写紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された転写紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、両面搬送路18に送られて両面に画像が形成された後に)、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
【0020】
画像形成装置100の上面には、排出トレイ17の一部を構成する上面カバー17aが設けられている。上面カバー17aを開放した状態でトナーコンテナ4a~4dが画像形成装置100本体に装着され、または画像形成装置100本体から取り出される。上面カバー17aの回動端(図1の左端)の近傍には、上面カバー17aの開閉状態を検知する開閉検知スイッチ63が配置されている。
【0021】
図2は、画像形成装置100に搭載される現像装置3aの側面断面図である。なお、以下の説明では図1の画像形成部Paに配置される現像装置3aを例示するが、画像形成部Pb~Pdに配置される現像装置3b~3dの構成についても基本的に同様であるため説明を省略する。
【0022】
図2に示すように、現像装置3aは、磁性キャリアとトナーとを含む二成分現像剤(以下、単に現像剤という)が収納される現像容器20を備えており、現像容器20は仕切壁20aによって攪拌搬送室21、供給搬送室22に区画されている。攪拌搬送室21および供給搬送室22には、トナーコンテナ4a(図1参照)から供給されるトナーを磁性キャリアと混合して攪拌し、帯電させるための攪拌搬送スクリュー25aおよび供給搬送スクリュー25bがそれぞれ回転可能に配設されている。
【0023】
そして、攪拌搬送スクリュー25aおよび供給搬送スクリュー25bによって現像剤が攪拌されつつ軸方向(図2の紙面と垂直な方向)に搬送され、仕切壁20aの両端部に形成された不図示の現像剤通過路を介して攪拌搬送室21、供給搬送室22間を循環する。即ち、攪拌搬送室21、供給搬送室22、現像剤通過路によって現像容器20内に現像剤の循環経路が形成されている。
【0024】
現像容器20は図2の右斜め上方に延在しており、現像容器20内において供給搬送スクリュー25bの右斜め上方には現像ローラー31が配置されている。そして、現像ローラー31の外周面の一部が現像容器20の開口部20bから露出し、感光体ドラム1aに対向している。現像ローラー31は、図2において反時計回り方向に回転する。
【0025】
攪拌搬送室21には攪拌搬送スクリュー25aと対面してトナー濃度センサー23が配置されている。トナー濃度センサー23としては、現像容器20内における二成分現像剤の透磁率を検出する透磁率センサーが用いられる。ここで、トナー濃度とは現像剤中の磁性キャリアに対するトナーの比率(T/C)のことであり、本実施形態においては、トナー濃度センサー23により現像剤の透磁率を検出し、その検出結果に相当する電圧値を後述する制御部90(図4参照)に出力するよう構成されており、制御部90においてトナー濃度センサー23の出力値からトナー濃度が決定される。制御部90は、決定されたトナー濃度に応じてトナー補給モーター27(図3図4参照)に制御信号を送信し、現像容器20内に所定量のトナーを補給する。
【0026】
トナー濃度センサー23の出力値はトナー濃度に応じて変化し、トナー濃度が高くなるほど磁性キャリアに対するトナーの比率が高くなり、磁気を通さないトナーの割合が増加するため出力値が低くなる。一方、トナー濃度が低くなるほど磁性キャリアに対するトナーの比率が低くなり、磁気を通す磁性キャリアの割合が増加するため出力値が高くなる。
【0027】
現像ローラー31は、図2において反時計回り方向に回転する円筒状の現像スリーブと、現像スリーブ内に固定された複数の磁極を有するマグネット(図示せず)とで構成されている。現像ローラー31には、現像電圧電源53(図4参照)により直流電圧Vslv(DC)に交流電圧Vslv(AC)が重畳された現像電圧が印加される。
【0028】
また、現像容器20には規制ブレード35が現像ローラー31の長手方向(図2の紙面と垂直な方向)に沿って取り付けられている。規制ブレード35の先端部と現像ローラー31との間には僅かな隙間(ギャップ)が形成されている。
【0029】
図3は、画像形成装置100に搭載されるトナーコンテナ4aの側面断面図である。なお、以下の説明では現像装置3aにトナーを補給するトナーコンテナ4aを例示するが、現像装置3b~3dにトナーを補給するトナーコンテナ4b~4dの構成についても基本的に同様であるため説明を省略する。トナーコンテナ4aは、未使用のトナーを貯留するコンテナ容器41、攪拌パドル42、搬送スクリュー43を備える。
【0030】
コンテナ容器41の底部の長手方向(図3の紙面と垂直な方向)の一端部には、現像容器20のトナー補給口(図示せず)に連結される供給口41aが形成されている。攪拌パドル42は、回転軸から径方向の片側に延び、且つコンテナ容器41の長手方向に延在するフィルム状の攪拌羽根42aを有する。攪拌羽根42aの回転によって、コンテナ容器41内のトナーが攪拌され、攪拌されたトナーが搬送スクリュー43側に移送される。
【0031】
搬送スクリュー43は、回転軸の周りに長手方向に一定の位相(ピッチ)で螺旋状に形成される螺旋羽43aを有し、コンテナ容器41内の底部に供給口41aに対向して配置されている。搬送スクリュー43が回転すると、攪拌パドル42によって攪拌されたトナーが螺旋羽43aの位相の進行により供給口41aに向かって搬送され、供給口41aを介して現像容器20に補給される。攪拌パドル42の攪拌羽根42aは、回転軸から半径方向に搬送スクリュー43の外縁まで延び、螺旋羽43aに接触可能である。
【0032】
搬送スクリュー43にはトナー補給モーター27が接続される。トナー補給モーター27は、搬送スクリュー43を回転させるDCモーターからなり、例えば、ブリッジ回路にパルス電圧を印加してパルス電圧のオンとオフを繰り返すことによって回転駆動される。コンテナ容器41の外側には、搬送スクリュー43と攪拌パドル42とに連結されるアイドルギア28が配置されている。トナー補給モーター27によって搬送スクリュー43に入力された回転駆動力は、アイドルギア28を介して攪拌パドル42に伝達され、攪拌パドル42が回転する。
【0033】
コンテナ容器41内にトナーが十分に貯留されている場合には、攪拌パドル42はトナーを攪拌して搬送スクリュー43に供給する。そして、トナー補給モーター27が定速で回転駆動すると、搬送スクリュー43はその回転速度に応じた一定量のトナーを供給口41aから現像容器20内に補給する。これにより、現像容器20内の現像剤のトナー濃度は一定に保持される。また、トナーが補給されたにも係わらず、トナー濃度センサー23(図2参照)により検知された現像容器20内の現像剤中のトナー濃度が上昇しない場合は、制御部90はトナーコンテナ4a内のトナーが空であると判断して液晶表示部61(図4参照)にトナーコンテナ4a内のトナー残量が空(以下、トナーエンドという)である表示を行い、ユーザーにトナーコンテナ4aの交換を促す。
【0034】
トナーエンドの表示が突然に行われると、交換用のトナーコンテナ4aの準備に時間を要する場合、ユーザーは画像形成装置100を使用できないことも生じる。そこで、トナーエンドの表示前にトナーエンド間近の状態(以下、ニアエンドという)を設定して液晶表示部61に表示し、このニアエンドの表示によって、ユーザーが交換用のトナーコンテナ4aを準備する時間を確保している。
【0035】
トナーコンテナ4aのトナー補給速度は、トナーコンテナ4a内のトナー残量が十分であるときは一定しているが、トナーコンテナ4a内のトナー残量が少なくなると補給速度が低下する。そこで、トナーコンテナ4aからの単位時間当たりのトナー補給量(トナー補給速度)が所定量に低下するとニアエンドを表示し、トナー補給量がさらに低下するとトナーエンドを表示する。ニアエンドの検知は、トナーエンドと同様にトナー濃度センサー23により検知される現像容器20内の現像剤中のトナー濃度に基づいて行っても良いし、印字される画像の画像信号から算出される印字率を用いて予測することもできる。
【0036】
図4は、本発明の画像形成装置100に用いられる制御経路の一例を示すブロック図である。なお、画像形成装置100を使用する上で装置各部の様々な制御がなされるため、画像形成装置100全体の制御経路は複雑なものとなる。そこで、ここでは制御経路のうち、本発明の実施に必要となる部分を重点的に説明する。
【0037】
制御部90は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)91、読み出し専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)92、読み書き可能な記憶部であるRAM(Random Access Memory)93、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部94、カウンター95、画像形成装置100内の各装置に制御信号を送信したり操作部60からの入力信号を受信したりする複数(ここでは2つ)のI/F(インターフェイス)96を少なくとも備えている。
【0038】
ROM92には、画像形成装置100の制御用プログラムや、制御上の必要な数値等、画像形成装置100の使用中に変更されることがないようなデータ等が収められている。RAM93には、画像形成装置100の制御途中で発生した必要なデータや、画像形成装置100の制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。カウンター95は、印字枚数を積算してカウントする。
【0039】
また、制御部90は、画像形成装置100における各部分、装置に対し、CPU91からI/F96を通じて制御信号を送信する。また、各部分、装置からその状態を示す信号や入力信号がI/F96を通じてCPU91に送信される。制御部90が制御する各部分、装置としては、例えば、画像形成部Pa~Pd、露光装置5、一次転写ローラー6a~6d、二次転写ローラー9、トナー補給モーター27、メインモーター40、ベルト駆動モーター41、画像入力部50、電圧制御回路51、トナー残量検出部56、ソレノイド57a~57d、操作部60、開閉検知スイッチ63等が挙げられる。
【0040】
メインモーター40は、感光体ドラム1a~1d、現像装置3a~3d内の攪拌搬送スクリュー25a、供給搬送スクリュー25b、現像ローラー31等を回転駆動する。
【0041】
画像入力部50は、画像形成装置100にパソコン等から送信される画像データを受信する受信部である。画像入力部50より入力された画像信号はデジタル信号に変換された後、一時記憶部94に送出される。
【0042】
電圧制御回路51は、帯電電圧電源52、現像電圧電源53、転写電圧電源54と接続され、制御部90からの出力信号によりこれらの各電源を作動させる。これらの各電源は、電圧制御回路51からの制御信号によって、帯電電圧電源52は帯電装置2a~2d内の帯電ローラー(図示せず)に、現像電圧電源53は現像装置3a~3d内の現像ローラー31に、転写電圧電源54は一次転写ローラー6a~6dおよび二次転写ローラー9に、それぞれ所定の電圧を印加する。
【0043】
トナー残量検出部56は、トナー濃度センサー23(図2参照)等から構成されており、トナーコンテナ4a~4d内のトナー残量が所定の閾値を超えているか否かを検出する。具体的には、トナー補給後にトナー濃度センサー23の出力値が低下しないか、或いはユーザーが設定した所定の閾値に到達した場合は、トナーコンテナ4a~4dが空に近い状態であると判断して、液晶表示部61にニアエンドの表示を行う。具体的には、トナーコンテナ4a~4dの交換時期が近付いたことを示すメッセージ(例えば、「まもなくトナー切れです。」等のメッセージ)を表示する。
【0044】
更にトナーの消費が進み、トナー濃度センサー23の出力値が上昇して所定の閾値に到達した場合は、トナーコンテナ4a~4dが空の状態であると判断して、液晶表示部61にトナーエンドの表示を行う。具体的には、トナーコンテナ4a~4dの交換時期が到来したことを示すメッセージ(例えば、「トナー切れです。コンテナを交換してください。」等のメッセージ)を表示する。
【0045】
ソレノイド57a~57dは、ロック解除駆動部80(図9参照)を構成し、コンテナ装着部70に設けられたロック部材71a~71d(図6参照)を個別に駆動(揺動)させてトナーコンテナ4a~4dのロック状態を解除する。
【0046】
操作部60には、液晶表示部61、各種の状態を示すLED62が設けられており、ユーザーは操作部60のストップ/クリアボタンを操作して画像形成を中止し、リセットボタンを操作して画像形成装置100の各種設定をデフォルト状態にする。液晶表示部61は、画像形成装置100の状態、画像形成状況や印字部数、「ニアエンド」や「トナーエンド」等のトナー残量情報を表示する。画像形成装置100の各種設定はパソコンのプリンタードライバーから行われる。
【0047】
図5は、画像形成装置100の上面カバー17aを開放した状態を上方から見た斜視図である。図6は、図5におけるトナーコンテナ4a~4dのロック部材71a~71d周辺(図5の左端部周辺)の部分拡大図である。図5に示すように、上面カバー17a(図1参照)の内側にはコンテナ装着部70が設けられている。
【0048】
コンテナ装着部70は、トナーコンテナ4a~4dを画像形成装置100の背面フレーム101aおよび前面フレーム101bの間に橋渡し状に支持するとともに、トナーコンテナ4a~4dを上方から着脱可能となっている。コンテナ装着部70には、トナーコンテナ4a~4dの長手方向の一端部(図5の左端部)をロックするロック部材71a~71dが設けられている。
【0049】
図7および図8は、コンテナ装着部70の背面フレーム101a側の構成を示す斜視図であり、それぞれロック部材71a~71dによるロック状態およびロック解除状態を示す図である。
【0050】
図7に示すように、背面フレーム101aには、トナーコンテナ4a~4dの側面を支持する側面支持レール73a~73eと、トナーコンテナ4a~4dの底面を支持する底面支持部75a~75dとが設けられている。一対の側面支持レール73a、73bと底面支持部75aで囲まれた部分はトナーコンテナ4aが装着される第1装着部70aとなる。
【0051】
同様に、一対の側面支持レール73b、73cと底面支持部75bで囲まれた部分、一対の側面支持レール73c、73dと底面支持部75cで囲まれた部分、一対の側面支持レール73d、73eと底面支持部75dで囲まれた部分は、それぞれトナーコンテナ4b~4dが装着される第2~第4装着部70b~70dとなる。
【0052】
第1~第4装着部70a~70dの中央部には、トナー補給モーター27(図3図4参照)の回転駆動力をトナーコンテナ4a~4dの搬送スクリュー43(図3参照)に入力する駆動側カップリング77a~77dが配置されている。ロック部材71a~71dは、それぞれ側面支持レール73b~73eの上端部に隣接して配置されている。
【0053】
なお、ここでは図示しないが、前面フレーム101bの対向する位置にも側面支持レール73a~73d、底面支持部75a~75dを含む第1~第4装着部70a~70dが設けられている。前面フレーム101b側の第1~第4装着部70a~70dには、ロック部材71a~71dに代えて規制部85(図10参照)が形成されている。
【0054】
ロック部材71a~71dは、図7に示す側面支持レール73a~73eの延在方向(上下方向)に垂直な姿勢(第1の姿勢)と、図8に示す側面支持レール73a~73eの延在方向(上下方向)に平行な姿勢(第2の姿勢)との間で揺動可能である。ロック部材71a~71dは、背面フレーム101aに沿って第1の姿勢と第2の姿勢との間で揺動する。これにより、ロック部材71a~71dが揺動範囲の全域で背面フレーム101aに支持された状態となるため、ロック部材71a~71dを安定して揺動させることができる。
【0055】
ロック部材71a~71dが第1の姿勢にあるときトナーコンテナ4a~4dの取り外しが規制されるロック状態となり、ロック部材71a~71dが第2の姿勢にあるときトナーコンテナ4a~4dの取り外しが許容されるロック解除状態となる。ロック部材71a~71dは、ロック解除駆動部80(図9参照)により個別に第1の姿勢から第2の姿勢に揺動する。
【0056】
図9は、ロック部材71a~71dのロック解除駆動部80を図7の背面側から見た図である。ロック解除駆動部80の構成はロック部材71a~71dにおいて共通であるため、ここでは一つの図を用いて説明する。ロック解除駆動部80は、ソレノイド57a~57dと、リンク部材81と、捩りバネ83と、を有する。
【0057】
ロック部材71a~71dは、背面フレーム101aに形成された第1支軸76aを揺動支点として揺動可能に支持されている。第1支軸76aには捩りバネ83が付設されており、ロック部材71a~71dを第2の姿勢方向(図9の反時計回り方向)に付勢する。ロック部材71a~71dの側面には係合突起78が設けられている。係合突起78は、第1支軸76aから先端部寄りの位置に設けられ、背面フレーム101aに形成された円弧状のガイド孔79(図7参照)に係合する。これにより、ロック部材71a~71dの揺動範囲が第1の姿勢と第2の姿勢との間に規制される。
【0058】
リンク部材81は、軸受部81aとフック部81bとを有する。軸受部81aは、背面フレーム101aに形成された第2支軸76bに回転可能に係合する。フック部81bは、リンク部材81の揺動端に形成され、ロック部材71a~71dの係合突起78に係合する。軸受部81aとフック部81bとの間の屈曲部分にはソレノイド57a~57dのプランジャー58が連結されている。
【0059】
トナーコンテナ4a~4dが第1~第4装着部70a~70dに装着された状態では、リンク部材81のフック部81bがロック部材71a~71dの係合突起78に係合しており、ロック部材71a~71dは捩りバネ83の付勢力に抗して第1の姿勢(図9の実線で表示)に保持されている。
【0060】
ソレノイド57a~57dに通電されると、プランジャー58がソレノイド57a~57d内に引き込まれ、プランジャー58に連結されたリンク部材81が時計回り方向に揺動する。これにより、フック部81bと係合突起78との係合が解除されるため、ロック部材71a~71dは捩りバネ83の付勢力によって第2の姿勢(図9の破線で表示)に移動する。
【0061】
ソレノイド57a~57dへの通電を遮断すると、プランジャー58がソレノイド57a~57d内から突出し、リンク部材81が反時計回りに揺動して係合突起78と係合可能な位置に戻る。この状態でロック部材71a~71dを捩りバネ83の付勢力に抗して下方に押圧することで、係合突起78がフック部81bに係合し、ロック部材71a~71dが第1の姿勢に保持される。
【0062】
図10は、コンテナ装着部70の第1~第4装着部70a~70dにトナーコンテナ4a~4dが装着された状態を模式的に示す側面図である。トナーコンテナ4a~4dの装着状態は第1~第4装着部71a~71dにおいて共通であるため、ここでは一つの図を用いて説明する。
【0063】
図10に示すように、トナーコンテナ4a~4dの一端部(図10の右端部)は前面フレーム101bの底面支持部75a~75dと規制部85との間に挟持されている。トナーコンテナ4aの他端部(図10の左端部)は背面フレーム101bの底面支持部75a~75dとロック部材71a~71dとの間に挟持されている。これにより、トナーコンテナ4a~4dの取り外しが規制されている。
【0064】
空になったトナーコンテナ4a~4dを交換する場合、ソレノイド57a~57dに通電し、ロック部材71a~71dを第1の位置から第2の姿勢に揺動させることでトナーコンテナ4a~4dの着脱が許容される。作業者は、図11に示すようにトナーコンテナ4a~4dの背面フレーム101a側(図11の左側)を持ち上げて、トナーコンテナ4a~4dの前面フレーム101b側(図11の右側)を底面支持部75a~75dと規制部85との間から抜き出すことでトナーコンテナ4a~4dを第1~第4装着部70a~70dから取り外すことができる。
【0065】
新たなトナーコンテナ4a~4dを装着する場合は、先ず、トナーコンテナ4a~4dの前面フレーム101b側を底面支持部75a~75dと規制部85との間に挿入する。次に、トナーコンテナ4a~4dの背面フレーム101a側をロック部材71a~71dおよび側面支持レール73b~73eに沿って第1装着部70a~第4装着部70dに装着する。最後に、ロック部材71a~71dを第2の姿勢から第1の姿勢に手動で揺動させてトナーコンテナ4a~4dの交換を完了する。
【0066】
図8に示したように、ロック部材71a~71dが第2の姿勢にあるとき、それぞれ側面支持レール73b~73eの延長線上に起立する。そのため、トナーコンテナ4a~4dを第1装着部70a~第4装着部70dに対して着脱する際に、側面支持レール73b~73eおよびロック部材71a~71dに沿って円滑に引き出し、および挿入することができる。即ち、ロック部材71a~71dはトナーコンテナ4a~4dを第1装着部70a~第4装着部70dに対して着脱する際のレール部材の一部として機能する。
【0067】
また、ロック部材71a~71dが第2の姿勢にあるとき、図8に示すように、ロック部材71a~71dの先端部は背面フレーム101aよりも上方まで突出するため、上面カバー17aを完全に閉鎖することができない。これにより、トナーコンテナ4a~4dを装着した後にロック部材71a~71dを第1の姿勢に戻す操作を忘れるおそれがなくなる。さらに、上面カバー17aを手で押さえて完全に閉鎖したときにロック部材71a~71dが第1の姿勢に揺動するようにしておけば、ロック部材71a~71dを個別に第1の姿勢に揺動させる操作を省略することができる。
【0068】
図12は、本実施形態の画像形成装置100におけるトナーコンテナ4a~4dの交換手順を示すフローチャートである。必要に応じて図1図11および後述する図13を参照しながら、図12のステップに沿ってトナーコンテナ4a~4dの交換手順について説明する。
【0069】
先ず、制御部90は印字命令を受信したか否かを判定する(ステップS1)。印字命令を受信した場合は(ステップS1でYes)通常の画像形成動作によって印字を実行する(ステップS2)。印字命令が送信されない場合は(ステップS1でNo)、制御部90は、トナー残量検出部56にて検出されたトナーコンテナ4a~4d内のトナー残量が閾値A未満であるか否かの判定を行う(ステップS3)。
【0070】
トナー残量がA以上である場合は(ステップS3でNo)ステップS1に戻り、印字命令の待機状態に移行する。トナーコンテナ4a~4dのいずれかのトナー残量がA未満である場合は(ステップS3でYes)トナーコンテナ4a~4dのいずれかが空に近い状態であると推定されるため、液晶表示部61には対応するトナーコンテナ4a~4dの「ニアエンド」状態をユーザーに知らせるメッセージが表示される(ステップS4)。
【0071】
次に、制御部90は、トナー残量検出部56にて検出されたトナーコンテナ4a~4d内のトナー残量が閾値B(B<A)未満であるか否かの判定を行う(ステップS5)。トナー残量がB以上である場合は(ステップS5でNo)ステップS1に戻り、印字命令の待機状態に移行する。トナーコンテナ4a~4dのいずれかのトナー残量がB未満である場合は(ステップS5でYes)トナーコンテナ4a~4dのいずれかが空の状態であると推定されるため、制御部90は、液晶表示部61にトナーコンテナ4a~4dの「トナーエンド」状態をユーザーに知らせるメッセージを表示する(ステップS6)。
【0072】
次に、制御部90は、開閉検知スイッチ63の検知信号に基づいて上面カバー17aが開放されたか否かを判定する(ステップS7)。上面カバー17aが開放された場合は(ステップS7でYes)、ソレノイド57a~57dのいずれかに制御信号を送信し、空になったトナーコンテナ4a~4dに対応するトナーコンテナ4a~4dのロック部材71a~71dを第1の姿勢から第2の姿勢に揺動させる(ステップS8)。
【0073】
例えばトナーコンテナ4aのトナー残量がB未満である場合は、ロック部材71aのみを第2の姿勢に揺動させる。これにより、図13に示すように第1装着部70aに対するトナーコンテナ4aの着脱が可能となる。一方、ロック部材71b~71dは第1の姿勢に保持されるため、トナーコンテナ4b~4dの着脱は規制される。
【0074】
次に、制御部90はステップS8で第2の姿勢に揺動させたロック部材71a~71dが第1の姿勢に揺動したか否かを判定する(ステップS9)。第1の姿勢に揺動していない場合は(ステップS9でNo)、対応するトナーコンテナ4b~4dが未交換であるか、或いはトナーコンテナ4b~4dの交換後にロック部材71a~71dによるロックを忘れていると推定されるため、液晶表示部61にトナーエンド表示を継続して表示する。
【0075】
ロック部材71a~71dが第1の姿勢に揺動している場合は(ステップS9でYes)、対応するトナーコンテナ4b~4dの交換およびロックが終了しているため、トナーエンド表示を解除する(ステップS10)。その後、ステップS1に戻り印字命令の待機状態に移行する。
【0076】
本実施形態の構成によれば、ロック部材71a~71dが第2の姿勢にあるとき、側面支持レール73b~73eの延長線上に起立する。即ち、ロック部材71a~71dと、対応する側面支持レール73b~73eとが一直線状に配置される。これにより、ロック部材71a~71dが側面支持レール73b~73eと共に、トナーコンテナ4a~4dの着脱時のレール部材として機能するため、トナーコンテナ4a~4dの交換作業を円滑に行うことができる。
【0077】
また、ロック部材71a~71dはトナーコンテナ4a~4dの背面フレーム101a側の一部のみに重なるため、従来に比べてロック部材71a~71dを小型化することができる。特に、コンテナ装着部70の上方からトナーコンテナ4a~4dを着脱する場合に有利な構成となる。
【0078】
また、ロック部材71a~71dが第2の姿勢にあるとき、ロック部材71a~71dの先端が背面フレーム101aおよび前面フレーム101bよりも上方に突出するため、上面カバー17a(図1参照)が閉鎖されない。そのため、ユーザーがトナーコンテナ4a~4dをロックし忘れるおそれがなくなる。
【0079】
また、図12に示した交換手順によれば、交換が必要なトナーコンテナ4a~4dに対応するロック部材71a~71dのみが第2の姿勢に揺動してロック状態が解除されるため、交換が不要なトナーコンテナ4a~4dを誤って交換してしまうおそれがなくなる。
【0080】
さらに、上面カバー17aの開放を確認した後にロック部材71a~71dを第1の姿勢から第2の姿勢に揺動させるため、ロック部材71a~71dが上面カバー17aに衝突することを回避できる。従って、衝突音の発生やロック部材71a~71d或いはロック解除駆動部80の破損を防止することができる。
【0081】
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態に記載されている構成部品の材質、形状、相対配置等は、特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0082】
例えば、上記実施形態ではトナーが補給されたにも係わらず、トナー濃度センサー23により検知された現像容器20内の現像剤中のトナー濃度が上昇しない場合にトナーコンテナ4a~4d内のトナーが空である(トナーエンド)と判断したが、トナーコンテナ4a~4d内のトナー残量を直接検知するトナー残量検知センサーを設けてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、第1装着部70aを構成する一対の側面支持レール73a、73b、第2装着部70bを構成する一対の側面支持レール73b、73c、第3装着部70cを構成する一対の側面支持レール73c、73d、第4装着部70dを構成する一対の側面支持レール73d、73eのいずれか一方に隣接してロック部材71a~71dを設けたが、例えば第1装着部70aを構成する一対の側面支持レール73a、73bの両方にロック部材71aを設けてもよい。
【0084】
また、本発明は図1に示すカラープリンターに限らず、モノクロプリンターやモノクロ複合機、ロータリー式或いはタンデム式のカラー複写機、ファクシミリ等、交換可能なトナー容器を備えた種々の画像形成装置に適用できるのはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、画像形成装置本体に対し着脱可能なトナー容器を備えた画像形成装置に利用可能である。本発明の利用により、交換が必要なトナー容器のみを着脱可能とするとともに、トナー容器の着脱操作も容易に行うことができる画像形成装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0086】
1a~1d 感光体ドラム(像担持体)
2a~2d 帯電装置
3a~3d 現像装置
4a~4d トナーコンテナ(トナー容器)
5 露光装置
7a~7d クリーニング装置
13 定着部
17 排出トレイ
17a 上面カバー
23 トナー濃度センサー
31 現像ローラー
56 トナー残量検出部
57a~57d ソレノイド
63 開閉検知スイッチ
70 コンテナ装着部(トナー容器装着部)
70a 第1装着部
70b 第2装着部
70c 第3装着部
70d 第4装着部
71a~71d ロック部材
73a~73e 側面支持レール
75a~75d 底面支持部
80 ロック解除駆動部
90 制御部
100 画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13