(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】照明制御装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/00 20200101AFI20240402BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20240402BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20240402BHJP
【FI】
H05B47/00
H05B45/10
H05B45/20
(21)【出願番号】P 2019237058
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 智之
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-162719(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明空間における照明器具の設置レイアウトに基づき、前記照明器具それぞれについて、設置位置と所属グループに関するグループ情報とを対応付けて記憶する記憶部と;
前記所属グループが選択された場合に、前記記憶部に記憶された前記グループ情報に基づき、当該所属グループとは異な
る所属グループに属する前記照明器具のアイコンを非表示にしつつ、選択された前記所属グループに属する前記照明器具と、いずれの前記所属グループにも属していない前記照明器具とのアイコンを前記照明器具の操作画面に表示する表示制御部と;
を具備する、照明制御装置。
【請求項2】
前記アイコン毎に前記所属グループの登録を受け付ける受付部;
を具備し、
前記表示制御部は、
前記受付部によって前記所属グループの登録が受け付けられた前記アイコンについて表示態様を変更する、
請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記操作画面において、前記所属グループごとに異なる表示態様で前記アイコンを表示する、
請求項2に記載の照明制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタジオや舞台などでは、複数の照明器具により照明演出がなされている。そして、各照明器具側に設定される制御アドレスを用いて、照明制御装置が各照明器具の照度や照明する光の色彩などを、調光卓を用いて遠隔制御する照明制御システムが導入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、照明制御装置における誤操作を抑制する点において改善の余地があった。具体的には、従来技術においては、全ての照明器具にそれぞれ対応するアイコンが照明制御装置に表示される。このため、従来技術においては、オペレータは、複数のアイコンの中から所望する照明器具に対応するアイコンを選択するのは容易でなく、誤った照明器具の照度や色彩を操作するおそれがある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、照明器具に対する誤操作を抑制することができる照明制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る照明制御装置は、記憶部と、表示制御部とを具備する。前記記憶部は、照明空間における照明器具の設置レイアウトに基づき、前記照明器具それぞれについて、設置位置と所属グループに関するグループ情報とを対応付けて記憶する。前記表示制御部は、前記所属グループが選択された場合に、前記記憶部に記憶された前記グループ情報に基づき、当該所属グループに属する前記照明器具と、いずれの前記所属グループにも属していない前記照明器具とのアイコンを前記照明器具の操作画面に表示する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、照明器具に対する誤操作を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る照明システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る照明制御装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る照明器具情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るレイアウト情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る操作画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る操作画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る受け付け画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る照明制御装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る照明制御装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態に係る照明制御装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で説明する実施形態に係る照明制御装置30は、記憶部34と、表示制御部35cとを具備する。記憶部34は、照明空間における照明器具10の設置レイアウトに基づき、照明器具10それぞれについて、設置位置と所属グループに関するグループ情報とを対応付けて記憶する。表示制御部35cは、所属グループが選択された場合に、記憶部34に記憶されたグループ情報に基づき、当該所属グループに属する照明器具10と、いずれの所属グループにも属していない照明器具10とのアイコンを照明器具10の操作画面に表示する。
【0010】
また、以下で説明する実施形態に係る照明制御装置30は、アイコン毎に所属グループの登録を受け付ける受付部35bを具備し、表示制御部35cは、受付部35bによって所属グループの登録が受け付けられたアイコンについて表示態様を変更する。
【0011】
また、以下で説明する実施形態に係る照明制御装置30において、表示制御部35cは、操作画面において、所属グループごとに異なる表示態様でアイコンを表示する。
【0012】
以下、実施形態に係る照明制御装置30について詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
<実施形態>
【0014】
まず、
図1を用いて、実施形態に係る照明システム1の構成の一例を説明する。
図1は、実施形態に係る照明システムの構成の一例を示す図である。以下では、テレビ局などに設けられたスタジオに設置される照明器具10を含む照明システムを例示する。
【0015】
また、以下では、照明システム1が、DMXを拡張したRDM規格に沿って双方向通信が可能なシステムである場合を例示するが、特にこれに限定される必要はない。例えば、照明システム1が、ESTAがDMXに変わるイーサネット(登録商標)用の規格として規定したACN(Architecture for Control Networks)やsACN(streamingACN)を用いて双方向可能なシステムであってもよい。
【0016】
図1に示すように、照明システム1は、複数の照明器具10と、複数のDMXノード20と、複数の照明制御装置30とを備える。照明器具10
1~10
9と、DMXノード20
1~20
3と、照明制御装置30とは、それぞれスタジオに設置される。なお、照明システム1の構成は一例であり、
図1に示す数とは異なる任意の数の照明器具10や、
図1に示す数とは異なる任意の数のDMXノード20を有していてもよい。
【0017】
図1に示す照明システム1において、DMXノード20と照明制御装置30とは、例えばイーサネット(登録商標)やLAN(Local Area Network)などの所定のネットワークにより通信可能に接続される。また、照明器具10とDMXノード20とは、DMXを拡張したRDMといった双方向通信が可能な規格により接続されている。
【0018】
照明器具10は、例えばLED(Light Emitting Diodes)などの半導体発光素子を光源とする照明器具であり、例えば、スポットライト、ホリゾントライト、フラッドライトなどといった照明器具である。また、照明器具10は、照明制御装置30からの制御に従って、照明する光の照度、色彩、照明範囲などを変化させる調光処理を行うことで、スタジオや舞台などの照明演出を行う。また、照明器具10は、DMXノード20からRDM規格に沿った制御信号を受信すると、受信した制御信号が示す制御アドレスが自装置の制御アドレスであるか否かを判定し、自装置の制御アドレスである場合は、受信した制御信号に従って、調光処理を実行する。なお、照明器具10には、各種系統電源から電力が供給されており、供給された電力を用いて、半導体発光素子の点灯等を行うものとする。
【0019】
照明器具10には、複数の制御アドレスが付与される場合がある。例えば、赤色、青色、および緑色の各色と、照度とをそれぞれ個別に設定可能である場合、照明器具10には、各色および照度に一つずつの計4つの制御アドレスが付与され、各制御アドレスを介して、各色および照度をそれぞれ個別に制御することができる。
【0020】
照明器具10は、スタジオに予め付帯設備として設けられたバトンなどに設置される。バトンは、スタジオや舞台等の任意の空間に設けられる懸架器具であり、スタジオや舞台の天井等から照明器具10を吊り下げることができる。照明器具10は、バトンではなく、例えば、スタジオの床等、任意の位置に設置することもできる。
【0021】
DMXノード20は、照明器具10と照明制御装置30との間の通信を中継する中継装置である。例えば、DMXノード20は、図示しない通信制御部と、複数のポートを有する。通信制御部は、照明制御装置30との間で情報の送受信を行う通信装置であり、例えば、NIC(Network Interface Card)などの通信装置によって実現される。また、複数のポートは、それぞれを識別するためのポート番号が付与されたポートであり、例えば、RDM規格に従って照明器具10と信号を送受信するためのコネクタである。
【0022】
DMXノード20は、照明制御装置30からの指示に応じて、ポートに接続された照明器具10の各種の情報を収集する。DMXノード20は、収集した各種の情報に対し、自装置の識別子とそのポートの識別子とを対応付けた情報を生成し、生成した情報を照明制御装置30に返送する。
【0023】
照明制御装置30は、オペレータからの操作に従って、各照明器具10を制御する制御装置である。なお、照明制御装置30は、操作卓とも称される。例えば、照明制御装置30は、複数のフェーダを有し、フェーダの操作に従って、対応する照明器具10の照度や色彩を制御する制御情報をDMXノード20へ送信する。
【0024】
この際、照明制御装置30は、照明器具10を操作するための操作画面上に各照明器具10に対応するアイコンを表示しておき、オペレータの操作により選択されたアイコンに対応する照明器具10に対してフェーダの操作に応じた制御情報を送信する。
【0025】
このような照明システム1においては、例えば、番組ごとに照明器具10を設置しなおす場合に加えて、複数の番組で使用する照明器具10全てを予め設置しておく場合がある。
【0026】
複数の番組で使用する照明器具10全てを予め設置しておく場合には、照明器具10の設置が1度の作業で済むため、番組ごとに照明器具10を設置しなおす場合に比べて、照明器具10の設置作業を軽減することが可能である。
【0027】
一方で、この場合には、収録中の番組に使用しない照明器具10が設置されている状態となる。このため、仮に、上記の操作画面上においては、収録中の番組で使用しないアイコンを表示すると、オペレータが、かかるアイコンを選択してしまうおそれがある。したがって、意図しない照明器具10を点灯させてしまうなどのオペレータによる誤操作に繋がるおそれがある。
【0028】
このため、実施形態に係る照明制御装置30は、各照明器具10を使用する番組ごとにグルーピングして管理するとともに、現在、収録中の番組で使用しない照明器具10については表示しないこととした。
【0029】
つまり、実施形態に係る照明制御装置30は、複数の番組で使用する照明器具10が全て設置された状況下において、現在の番組にあわせて表示するアイコンを切り替えることで、オペレータによる誤操作を抑制することとした。
【0030】
また、例えば、同じスタジオ内において、複数の番組が同時に収録される場合も想定される。この場合においては、同時に収録される番組それぞれで使用する照明器具10のアイコンを表示しておくことが望まれる。
【0031】
このため、実施形態に係る照明制御装置30は、いずれの所属グループにも属していない照明器具10のアイコンについては、常時、表示しておくこととした。以下、実施形態に係る照明制御装置30についてさらに説明を行う。
【0032】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る照明制御装置30の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る照明制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、照明制御装置30は、通信部31と、表示部32と、操作部33と、記憶部34と、制御部35とを備える。
【0033】
通信部31は、例えば、NIC(Network Interface Card)等の所定の通信回路などにより実装され、イーサネット(登録商標)やLANなどの通信ネットワークを介して、DMXノード20との間でデータ通信を行う。
【0034】
表示部32は、例えば、液晶モニタやタッチパネルなどにより実装され、各照明器具10への操作を受け付ける操作画面などが表示される。
【0035】
操作部33は、例えば、フェーダやボタンなどといった入力装置により実装され、オペレータからの操作を受け付ける。なお、操作部33は、サブマスタフェーダ、シーンボタン、エフェクトボタンなど、1つ以上の照明器具10に対する所定の操作を行うための入力装置により実装されてもよい。
【0036】
記憶部34は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実装される。
図2に示す例において、記憶部34は、照明器具情報34aと、レイアウト情報34bとを記憶する。
【0037】
照明器具情報34aは、照明空間(例えば、スタジオ)に設置される照明器具10に関する情報である。
図3は、実施形態に係る照明器具情報34aの一例を示す図である。
図3に示す例において、照明器具情報34aは、「ID」、「ポート番号」、「UID」、「DMXアドレス」、「型番」などを互いに関連付けた情報である。
【0038】
「ID」は、スタジオ内で各照明器具10に対して個別に割り振られた固有の識別子である。「ポート番号」は、照明器具10が接続されているDMXノード20のポートに対して個別に割り振られた固有の番号である。
【0039】
「UID」は、DMX規格で用いられる照明器具10のそれぞれに付与される各照明器具10に固有の番号である。「DMXアドレス」は、DMXのデータリンク上におけるアドレス、すなわち、照明制御装置30が各照明器具10を制御する際に用いる制御アドレスである。また、「型番」は、照明器具10の製造会社によって定められた照明器具10の型番である。
【0040】
なお、
図3に示す照明器具情報34aは、一例であり、各照明器具10の点灯時間、照明器具10の製造メーカなどといった、その他の情報を含むようにしてもよい。
【0041】
図2の説明に戻り、レイアウト情報34bについて説明する。レイアウト情報34bは、各照明器具10のスタジオ(照明空間)における設置位置など、照明器具10のレイアウトに関する情報である。
図4は、実施形態に係るレイアウト情報34bの一例を示す図である。
【0042】
図4に示す例において、レイアウト情報34bは、「ID」、「アイコン種別」、「設置位置」、「設置向き」、「所属グループ」などを互いに対応付けた情報である。「ID」は、
図3の「ID」と同様にスタジオ内で各照明器具10に対して個別に割り振られた固有の識別子である。
【0043】
「設置位置」は、対応する照明器具10のスタジオ内における設置位置を示す。「アイコン種別」は、後述する操作画面において表示するアイコンの種別を示す。例えば、アイコン種別は、照明器具10の種類(例えば、型番等)によって、適宜変更される。
【0044】
「設置向き」は、対応する照明器具10の向き、すなわち、照明器具10が光を照射する向きを示す。また、「所属グループ」は、対応する照明器具10が所属するグループを示す。本実施形態において、「所属グループ」は、例えば、番組ごとに設定される。
【0045】
また、
図4の例において、ID;「NX2」の照明器具10は、いずれの所属グループにも属していないことを示す。なお、以下では、いずれの所属グループにも属していない照明器具10について「未所属の照明器具10」と記載する場合がある。
【0046】
図2の説明に戻り、制御部35について説明する。制御部35は、照明制御装置30全体を制御するコントローラである。例えば、制御部35は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実装できる。あるいは、制御部35は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路により実装されてもよい。
【0047】
図2の例において、制御部35は、取得部35aと、受付部35bと、表示制御部35cとを備える。取得部35aは、所定の通信規格に対応する照明器具10とのデータ通信によって照明器具10の設置位置に関する位置情報を取得する。
【0048】
具体的には、取得部35aは、例えば、照明器具10の設置完了後に、RDM通信を使用して、DMXノード20(
図1参照)に接続された照明器具10それぞれとのデータ通信により、各照明器具10の位置情報を取得する。
【0049】
ここで、DMXノード20の設置位置と、ポート番号から照明器具10の設置位置を識別することが可能である。したがって、取得部35aは、各照明器具10のポート番号を位置情報として各照明器具10から取得する。
【0050】
また、この際、取得部35aは、各照明器具10から「DMXアドレス」、「型番」などに関する情報をあわせて取得し、照明器具情報34aを更新するとともに、ポート番号等に基づいて、レイアウト情報34bを更新する。
【0051】
ところで、照明器具10がRDM通信規格に準拠していない場合には、上記の処理により位置情報を取得することができない。このため、取得部35aは、ユーザ操作(オペレータによる操作)に基づいて、照明器具10の位置情報を取得することも可能である。
【0052】
具体的には、オペレータは、表示部32に表示された複数のアイコンの中から所望のアイコンを選択し、選択したアイコンを表示部32に表示されたスタジオのレイアウト画面上に配置することで、位置情報を照明制御装置30に登録することができる。すなわち、この場合において、取得部35aは、オペレータによるドラッグアンドドロップ操作により位置情報を取得する。また、この際、オペレータは、設置位置に加えて、設置向きに関する情報を位置情報として入力することができる。
【0053】
受付部35bは、操作画面や受付画面に対する各種操作を受け付ける。例えば、受付部35bは、操作画面に表示されるアイコン毎に所属グループの登録を受け付ける。受付部35bは、オペレータの操作にしたがって、所属グループの登録を受け付けることができる。なお、かかる点の具体例については、
図7を用いて後述する。
【0054】
表示制御部35cは、オペレータによって所属グループが選択された場合に、記憶部34に記憶されたグループ情報に基づき、当該所属グループに属する照明器具10と、いずれの所属グループにも属していない照明器具10とのアイコンを照明器具の操作画面に表示する。
【0055】
ここで、
図5~7を用いて、表示制御部35cによる表示制御処理の一例について説明する。
図5および
図6は、操作画面の一例を示す図である。
図7は、受付画面の一例を示す図である。
【0056】
なお、
図5~
図7に破線は、照明器具10を吊り下げるバトンを示すものとする。
図5に示すように、照明器具10の操作画面には、スタジオの見取り図とともに、各照明器具10の設置位置に対応する位置にアイコンAが表示される。
【0057】
例えば、表示制御部35cは、レイアウト情報34bを参照し、各照明器具10のアイコン種別を選択するとともに、位置情報に基づいて選択したアイコンAの表示位置を決定する。
【0058】
この際、表示制御部35cは、レイアウト情報34bを参照し、設置向きに基づき、アイコンAの向きを決定するとともに、アイコンAを操作画面上に表示する。例えば、オペレータは、所望するアイコンAを選択したうえで、操作部33(
図2参照)を操作することで、選択したアイコンAに対応する照明器具10を操作することができる。なお、
図5~7では、1種類のアイコンAを示しているが、アイコンAを2種類以上とすることにしてもよい。
【0059】
また、上述のように、表示制御部35cは、オペレータによって選択された所属グループによって操作画面上に表示するアイコンAを切り替える。このため、
図5に示すように、操作画面上には、複数のボタンが表示される。
【0060】
図5の例において、操作画面上には、表示するアイコンAを切り替えるための選択ボタンB1~B3とともに、表示モードと受付モードとを切り替えるための表示ボタンBdとセットボタンBsとが表示される。
【0061】
選択ボタンB1は、全てのアイコンAを表示する全表示モードを選択するためのボタンであり、選択ボタンB2は、主として所属グループ「A」に属するアイコンAを表示する表示モードAを選択するためのボタンである。また、選択ボタンB3は、主として所属グループ「B」に属するアイコンAを表示する表示モードBを選択するためのボタンである。すなわち、オペレータは、選択ボタンB1~B3のいずれかのボタンを選択することで、所属グループを選択することができる。
【0062】
また、
図5に示す表示ボタンBdは、表示モードを選択するためのボタンであり、セットボタンBsは、受付モードを選択するためのボタンである。ここで、表示モードは、選択された所属グループに応じたアイコンAを表示するモードであり、照明器具10に対する操作を受け付けるモードである。また、受付モードは、各アイコンAに対する所属グループの登録を受け付けるモードである。
【0063】
図5の例では、表示ボタンBdと、選択ボタンB1とが選択されている場合を示す。このため、表示制御部35cは、レイアウト情報34bに登録されている全てのアイコンAを表示することになる。
【0064】
また、
図6に示すように、表示ボタンBdと、選択ボタンB2とが選択されている場合、所属グループ「A」に属する照明器具10のアイコンAとともに、いずれの所属グループにも属していない未所属の照明器具10のアイコンAを表示する。言い換えれば、この場合においては、所属グループ「B」に属する照明器具10のアイコンAを除くすべてのアイコンAが表示される。
【0065】
また、表示ボタンBdと、選択ボタンB3とが選択されている場合には、所属グループ「B」に属する照明器具10のアイコンAとともに、未所属の照明器具10のアイコンAとが表示されることになる。
【0066】
すなわち、表示制御部35cは、所属グループ「A」または所属グループ「B」のいずれかに属する照明器具10のアイコンについては、選択ボタンB2または選択ボタンB3のいずれかのボタンの操作により、表示および非表示の間で表示が切り替える。一方、表示制御部35cは、未所属の照明器具10のアイコンAについては、上記の双方のパターンそれぞれで表示する。
【0067】
したがって、所属グループ「A」および所属グループ「B」については、それぞれ異なる時間帯に収録する番組ごとに照明器具10を分類するとともに、これらの番組と並列して収録する番組については、未所属に分類しておくことで、並列して番組の収録を行うことができる。
【0068】
また、オペレータは、セットボタンBsを選択することで、各照明器具10について所属グループの登録を行うことができる。具体的には、
図7に示すように、オペレータが、セットボタンBsと、選択ボタンB2とを選択した場合を想定する。なお、
図7に示す画面は、受付画面の一例である。
【0069】
この場合、受付部35bは、所属グループ「A」に対するアイコンAの登録を受け付ける。具体的には、オペレータは、受付画面に表示されたアイコンAのうち、所属グループ「A」に登録するアイコンAを選択する。受付部35bは、選択されたアイコンAを所属グループ「A」に順次追加して行く(すなわち、
図4の「所属グループ」を更新する)。
【0070】
また、この際、表示制御部35cは、所属グループの登録が受け付けられたアイコンについて表示態様を変更する。
図7の例では、所属グループ「A」に登録されたアイコンAを白塗りで示すとともに、それ以外のアイコンAを黒塗りで示す。
図7の例では、所属グループごとにアイコンAの色を変えることで、オペレータに対して視覚的に各アイコンAの所属グループを把握させる。
【0071】
これにより、オペレータは、どのアイコンAについて所属グル―プを登録したかを容易に把握することができるので、各所属グループに対するアイコンAの登録漏れを抑制することができる。なお、ここでは、表示態様として、色を変える場合について説明したが、その他、例えば、所属グループごとに形が異なるアイコンAにするなど、適宜、変更することにしてもよい。
【0072】
また、ここでは、受付画面において、所属グループごとにアイコンAの表示態様を変更する場合について示したが、例えば、
図5等に示した操作画面において、所属グループごとにアイコンAの表示態様を変更することにしてもよい。すなわち、受付画面と同様に操作画面において、所属グループごとに異なる表示態様のアイコンAを表示することで、オペレータに対して、各照明器具10の所属グループを直感的に把握させることができる。
【0073】
このように、所属グループの登録が受け付けられアイコンAについて、表示態様を変更することで、オペレータに対して、各アイコンAの所属グループを容易に把握させることが可能となる。
【0074】
次に、
図8~
図10を用いて、実施形態に係る照明制御装置30が実行する処理手順について説明する。
図8~
図10は、実施形態に係る照明制御装置30が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0075】
まず、
図8を用いて、レイアウト情報34bを登録する際の一連の処理手順について説明する。
図8に示すように、照明制御装置30は、照明空間において、照明器具10の設置が完了したか否かを判定し(ステップS101)、設置が完了したと判定した場合(ステップS101,Yes)、RDM通信により設置された照明器具10を検出する(ステップS102)。
【0076】
続いて、照明制御装置30は、ステップS102にて検出した照明器具10から位置情報を取得し(ステップS103)、取得した情報に基づいてレイアウト情報34bを更新する(ステップS104)。
【0077】
その後、照明制御装置30は、ステップS102にて未検出の照明器具10があるか否かを判定し(ステップS105)、未検出の照明器具10があった場合(ステップS105)、オペレータによる操作によりレイアウト情報34bを更新し(ステップS106,No)、処理を終了する。
【0078】
また、照明制御装置30は、ステップS101の判定において、照明器具10の設置が完了していない場合(ステップS101,No)、ステップS105の判定において、未検出の照明器具10がなかった場合(ステップS105,No)、処理を終了する。なお。ステップS105においては、例えば、オペレータの操作により未検出の照明器具10の有無を判定することができる。
【0079】
次に、
図9を用いて、所属グループの登録手順について説明する。
図9に示すように、照明制御装置30は、グループ登録要求を取得したか否かを判定する(ステップS201)。上述の例では、セットボタンBsが選択されたか否かをステップS201にて判定する。
【0080】
照明制御装置30は、ステップS201の判定において、グループ登録要求を取得したと判定した場合(ステップS201,Yes)、受付画面を表示し(ステップS202)、オペレータによるグループ登録を受け付ける(ステップS203)。
【0081】
その後、照明制御装置30は、ステップS203にて受け付けたグループ登録の結果に基づいて、レイアウト情報34bを更新し(ステップS204)、処理を終了する。また、照明制御装置30は、ステップS201の判定において、グループ登録要求を取得していない場合(ステップS201,No)、処理を終了する。
【0082】
次に、
図10を用いて、アイコンAの表示切り替えに関する処理手順について説明する。
図10に示すように、照明制御装置30は、選択ボタンB1(
図5参照)が選択された全表示モードか否かを判定し(ステップS301)、全表示モードであると判定した場合(ステップS301,Yes)、全てのアイコンAを表示し(ステップS302)、処理を終了する。
【0083】
また、照明制御装置30は、ステップS301の判定において、全表示モードでないと判定した場合(ステップS301,No)、選択ボタンB2(
図5参照)が選択された表示モードAであるか否かを判定する(ステップS303)。
【0084】
照明制御装置30は、ステップS303の判定において、表示モードAであると判定した場合(ステップS303,Yes)、所属グループ「A」および未所属のアイコンAを表示し(ステップS304)、処理を終了する。
【0085】
また、照明制御装置30は、ステップS303の判定において、表示モードAでないと判定した場合(ステップS303)、選択ボタンB3(
図5参照)が選択された表示モードBとなるので、所属グループ「B」および未所属のアイコンAを表示して(ステップS3-5)、処理を終了する。
【0086】
ところで、上述した実施形態では、未所属のアイコンAを常時表示しつつ、表示モードAまたは表示モードBにおいて、表示するアイコンAを切り替えることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、常時表示するアイコンAについて、例えば、所属グループ「A」および所属グループ「B」の双方に登録することにしてもよい。また、この場合においては、常時表示するための所属グループを別途作成することにしてもよい。
【0087】
また、上述した実施形態では、所属グループが2つである場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、所属グループを3つ以上とすることにしてもよい。
【0088】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0089】
1 照明システム
10 照明器具
20 DMXノード
30 照明制御装置
31 通信部
32 表示部
33 操作部
34 記憶部
34a 照明器具情報
34b レイアウト情報
35 制御部
35a 取得部
35b 受付部
35c 表示制御部