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特許7463731自動販売機、自動販売機システム及び自動販売機の表示制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】自動販売機、自動販売機システム及び自動販売機の表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/02 20060101AFI20240402BHJP
   G07F 9/00 20060101ALI20240402BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20240402BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20240402BHJP
   F25D 23/02 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G07F9/02 105
G07F9/00 Z
F25D23/00 301G
F25D11/00 101J
F25D23/00 301L
F25D23/02 303M
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020003434
(22)【出願日】2020-01-14
(65)【公開番号】P2021111182
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水野 健太
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-164179(JP,A)
【文献】特許第6483925(JP,B1)
【文献】特開昭62-078696(JP,A)
【文献】特開2003-099847(JP,A)
【文献】特開2002-175560(JP,A)
【文献】特開2008-040967(JP,A)
【文献】特開2010-055553(JP,A)
【文献】特開2017-138718(JP,A)
【文献】特開2002-279506(JP,A)
【文献】特開2009-123164(JP,A)
【文献】特開2006-221223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 9/02
G07F 9/00
F25D 23/00
F25D 11/00
F25D 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納された商品の収納状態を視認できる自動販売機であって、
前記商品の食品管理を行い賞味期限切れ又は温度管理規定外れの販売停止理由が発生した商品を検出する食品管理部と、
前記販売停止理由が発生した商品がある場合に、前記商品の前記販売停止理由を表示部に表示する表示制御部と、
を備え
前記表示部は、前記商品を収納する収納コラムの前端に配置された価格表示部に隣接配置される自動販売機。
【請求項2】
前記商品の商品選択を行う表示操作部を備え、
前記表示制御部は、前記表示操作部によって選択された商品に前記販売停止理由がある場合に、前記商品の前記販売停止理由を前記表示部に表示する
請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
各種情報の設定及び収集を含む操作表示処理を行うリモコンを備え、
前記リモコンは、前記販売停止理由が発生した商品がある場合に、前記商品の前記販売停止理由を出力する
請求項1又は2に記載の自動販売機。
【請求項4】
請求項1~のいずれか一つに記載の自動販売機である親自動販売機と、
前記親自動販売機に通信接続され、前記親自動販売機の商品選択機構及び金銭処理機構を用いて商品の販売を行う1以上の子自動販売機と、
を備え、
前記食品管理部は、前記親自動販売機及び前記1以上の子自動販売機毎に、前記商品の食品管理を行い賞味期限切れ又は温度管理規定外れの販売停止理由が発生した商品を検出し、
前記表示制御部は、前記親自動販売機及び前記1以上の子自動販売機毎に、前記販売停止理由が発生した商品がある場合に、前記商品の前記販売停止理由を前記表示部に表示する自動販売機システム。
【請求項5】
収納された商品の収納状態を視認できる自動販売機の表示制御方法であって、
前記商品の食品管理を行い賞味期限切れ又は温度管理規定外れの販売停止理由が発生した商品を検出する食品管理ステップと、
前記販売停止理由が発生した商品がある場合に、前記商品の前記販売停止理由を、前記商品を収納する収納コラムの前端に配置された価格表示部に隣接配置された表示部に表示する表示制御ステップと、
を含む自動販売機の表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賞味期限切れや温度管理規定外れによる商品販売となる理由を顧客に対して迅速に理解させ、顧客のストレスを低減させることができる自動販売機、自動販売機システム及び自動販売機の表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の販売を行う自動販売機には、商品収容庫の商品ラックに収納された商品を搬送トレイに繰り出した後、搬送トレイによって搬送して所定の商品取出領域に払い出すようにしたものがある。商品取出領域は、商品取出口を介して商品収容庫の外部に連通された空間であり、利用者が商品取出口から手を差し入れれば、購入した商品の取り出しが可能である。
【0003】
通常、この種の自動販売機では、前面を構成する扉体がガラス等の透明な面板によって構成されており、商品収容庫の商品ラックに収納された商品を外部から視認して選択することが可能であり、更に、商品ラックから繰り出された購入商品が搬送トレイによって商品取出領域まで搬送される状態を観察することができる。このように商品収容庫の内部が視認可能な自動販売機によれば、利用者の購買意欲を高めることができる等の利点がある。
【0004】
このような自動販売機における商品ラックは、複数の商品収納装置が左右に並設されて構成されている。商品ラックを構成する各商品収納装置は、コラムケース、スパイラル及びベースを備えて構成されている。
【0005】
コラムケースは、前後方向に沿って延在し、かつ上方域に商品収納通路を形成するためのものである。スパイラルは、コラムケースの延在方向に沿って螺旋状に巻回される態様で構成されている。このスパイラルは、伝達部材を介して駆動源であるモータより駆動力が伝達された場合に中心軸回りに回転するものである。ベースは、長尺帯状の板金を加工して構成されたものである。このベースは、前端部がコラムケースに固定された状態でスパイラルの内部においてコラムケースの延在方向に沿って延在し、かつ上面に商品を載置させるものである。かかるベースの後端部は、円盤状部材に連結されている。この円盤状部材は、貫通孔が形成されており、かかる貫通孔を伝達部材の軸部が挿通することで、該伝達部材に支持されている。
【0006】
このような構成を有する商品収納装置では、常態においてはスパイラルの各ピッチ間においてベースに載置された商品を拘束しており、スパイラルが回転する場合には各ピッチ間に拘束された商品を漸次前方に向けて搬出して最前の商品を払い出すようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2016-139314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、賞味期限や温度管理規定が適用される食品などを商品として販売する食品対応自動販売機では、賞味期限切れや温度管理規定外れが発生した食品が存在すると、これらの商品の販売を停止する。ここで、食品対応自動販売機では、前面が透明で商品の収納状態をみることができシースルーとなっている。この食品対応自動販売機では、顧客が商品の収納状態を確認することができるため、売切れ表示をする必要がない。
【0009】
しかし、例えば商品が賞味期限切れである場合、商品が収納されているのにもかかわらず販売停止となる。この場合、顧客は、商品があるのに、なぜ販売停止なのか、なぜ買うことができないのかといった疑問を抱き、戸惑ってしまいストレスを抱えることになる。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、賞味期限切れや温度管理規定外れによる商品販売となる理由を顧客に対して迅速に理解させ、顧客のストレスを低減させることができる自動販売機、自動販売機システム及び自動販売機の表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、収納された商品の収納状態を視認できる自動販売機であって、前記商品の食品管理を行い前記食品管理に関する販売停止理由が発生した商品を検出する食品管理部と、前記販売停止理由が発生した商品がある場合に、前記商品の前記販売停止理由を表示部に表示する表示制御部と、を備える。
【0012】
また、本発明は、上記の発明において、前記商品の商品選択を行う表示操作部を備え、
前記表示制御部は、前記表示操作部によって選択された商品に前記販売停止理由がある場合に、前記商品の前記販売停止理由を前記表示部に表示する。
【0013】
また、本発明は、上記の発明において、前記販売停止理由は、賞味期限切れ又は温度管理規定外れである。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、前記表示部は、前記商品を収納する収納コラムの前端に配置された価格表示部に隣接配置される。
【0015】
また、本発明は、上記の発明において、前記表示部は、前記商品の商品選択を行う表示操作部である。
【0016】
また、本発明は、上記の発明において、前記表示部は、前記商品を収納する収納コラムのコラム番号とともに前記収納コラムの配置を縮小表示した縮小表示画面と前記販売停止理由を表示する理由表示画面とを有し、前記表示制御部は、前記販売停止理由のある商品コラムを強調表示する。
【0017】
また、本発明は、上記の発明において、各種情報の設定及び収集を含む操作表示処理を行うリモコンを備え、前記リモコンは、前記販売停止理由が発生した商品がある場合に、前記商品の前記販売停止理由を出力する。
【0018】
また、本発明は、上記の発明のいずれか一つに記載の自動販売機である親自動販売機と、前記親自動販売機に通信接続され、前記親自動販売機の商品選択機構及び金銭処理機構を用いて商品の販売を行う1以上の子自動販売機と、を備え、前記食品管理部は、前記親自動販売機及び前記1以上の子自動販売機毎に、前記商品の食品管理を行い前記食品管理に関する販売停止理由が発生した商品を検出し、前記表示制御部は、前記親自動販売機及び前記1以上の子自動販売機毎に、前記販売停止理由が発生した商品がある場合に、前記商品の前記販売停止理由を表示部に表示する。
【0019】
また、本発明は、収納された商品の収納状態を視認できる自動販売機の表示制御方法であって、前記商品の食品管理を行い前記食品管理に関する販売停止理由が発生した商品を検出する食品管理ステップと、前記販売停止理由が発生した商品がある場合に、前記商品の前記販売停止理由を表示部に表示する表示制御ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、賞味期限切れや温度管理規定外れによる商品販売となる理由を顧客に対して迅速に理解させ、顧客のストレスを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の実施の形態である自動販売機の外観構成を示す模式図である。
図2図2は、図1に示した自動販売機の内部構成を模式的に示す断面側面図である。
図3図3は、商品ラックを構成する収容コラムのコラムケースの構成を示す斜視図である。
図4図4は、自動販売機の制御系の構成を示すブロック図である。
図5図5は、販売制御部による販売制御処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、変形例1の自動販売機の外観構成を示す模式図である。
図7図7は、変形例2における商品ラックを構成する収容コラムのコラムケースの構成を示す斜視図である。
図8図8は、本変形例3である自動販売機システムの外観構成を示す模式図である。
図9図9は、図8に示した自動販売機システムの制御系の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
【0023】
<外観構成>
図1は、本発明の実施の形態である自動販売機1の外観構成を示す模式図である。また、図2は、図1に示した自動販売機1の内部構成を模式的に示す断面側面図である。自動販売機1は、例えば、パン、おにぎり、サンドイッチ、小さいお弁当などの食品を販売する食品対応販売機である。
【0024】
自動販売機1は、窓部21の面材23を介して内部の収容コラム内の商品が見える領域E1には、少なくとも、搬出される商品のコラム番号「1」~「7」、「9」~「15」、「17」~「48」が表示されている。なお、各コラム番号に隣接して各商品の価格が表示されている。
【0025】
図1に示すように、自動販売機1は、その外扉である開閉扉20に、窓部21及び商品取出口22が設けてある。窓部21は、複層ガラス等の透明、かつ断熱性を有した面材23を配設することによって構成したもので、本体キャビネット1aの前面開口が開閉扉20によって閉塞された場合にも、すべての商品収納棚の収納コラムにおいて最前列に収納された商品を外部から視認させることが可能なシースルー自動販売機を形成し、収納コラムの前端には窓部21を通じて視認可能となるように商品のコラム番号及び価格が表示してある。特に、本実施の形態では、収容コラムの前端に、商品のコラム番号及び価格の表示とともに、食品管理に関する販売停止理由、例えば賞味期限切れ又は温度管理規定外れなどの表示がなされる。商品のコラム番号及び価格の表示はパネルを嵌めた固定表示であり、食品管理に関する販売停止理由は液晶パネルなどによる可変電子表示である。
【0026】
商品取出口22は、利用者が購入商品を受け取るための開口であり、開閉扉20において窓部21よりも下方となる位置に形成してある。この商品取出口22は、開閉扉20に設けた商品取出扉24によって常時閉成された状態にあり、商品取出扉24を内側に向けて押し回すことで開放することができる。
【0027】
窓部21の側方には、電子マネーリーダライタ39、紙幣挿入口25、表示操作部35、硬貨投入口26、返却レバー27、硬貨返却口28が設けられる。また、表示操作部35は、表示部36、商品選択ボタンB1、購入決定ボタンB2及び訂正ボタンB3を有する。電子マネーリーダライタ39は、電子マネーカードからの情報読込及び情報書込を行う。
【0028】
紙幣挿入口25は、紙幣を受け入れるための開口であり、硬貨投入口26は、硬貨を受け入れるための開口である。返却レバー27は、貨幣の返却を行う場合に操作するものである。硬貨返却口28は、返却硬貨や釣り銭が払い出される部分である。
【0029】
商品選択ボタンB1は、購入する商品を指示するためのテンキーであり、商品のコラム番号を直接入力するためのものである。購入決定ボタンB2は、商品選択ボタンB1によって選択された商品の購入の決定を指示するボタンである。訂正ボタンB3は、商品選択ボタンB1で選択した商品のコラム番号等を訂正するためのボタンである。表示部36は、商品選択ボタンB1から入力された入力情報や、販売中、投入金額、釣り銭切れ、お札中止といった自動販売機を利用する際に必要となる各種情報を表示するためのものである。
【0030】
図2に示すように、本体キャビネット1aは、前面が開口した直方状の自動販売機本体であり、その内部に断熱構造の商品収容庫102が配設してある。商品収容庫102には、商品ラック110が上下方向に沿って複数段設けてある。これら商品ラック110は、それぞれ商品収容庫102の両側に立設された図示せぬラック支持側板間に架設されており、商品を収納するものである。
【0031】
また、商品収容庫102には、冷却手段としての蒸発器103が設けてある。蒸発器103は、機械室104に配設された圧縮機105や凝縮器106等と冷媒を循環させる冷凍サイクルを構成しており、自身の図示せぬ冷媒通路を通過する冷媒と、自身の周囲を通過する商品収容庫102の内部の空気とを熱交換させて該空気を冷却させるものである。ここで機械室104は、本体キャビネット1aの内部において商品収容庫102の下方側に画成された室である。
【0032】
蒸発器103の周囲で冷却された空気は、庫内送風ファン107が駆動することにより、商品収容庫102の背面に設置された背面ダクト108の吸込口108aより通風路109に吸い込まれ、この通風路109を通過した後に吹出口108bから吹き出されることにより、商品ラック110に収納された商品を冷却することになる。
【0033】
商品ラック110の前方域には、その両側に左右一対となる態様で搬送レール111が配設してあり、これら搬送レール111間を搬送トレイ112が図示せぬ搬送機構により上下方向に沿って移動可能に配設してある。つまり、搬送レール111間には、搬送トレイ112を通過させるための搬送通路113が形成してある。この搬送通路113は、機械室104の前方まで延在しており、搬送通路113と機械室104とは区画断熱材104aにより区画されている。
【0034】
本体キャビネット1aには、開閉扉20が設けてある。開閉扉20は、本体キャビネット1aの前面開口の開閉するものである。
【0035】
商品ラック110は、複数の収納コラム120が左右に並ぶ態様で並設されることにより構成してある。搬送トレイ112は、収納コラム120から商品取出口22近傍の商品取出領域E10まで商品を搬送する。
【0036】
図3は、商品ラック110を構成する収納コラム120のコラムケース121の構成を示す斜視図である。図3に示すように、商品ラック110を構成する1つの収納コラム120は、コラムケース121を備える。コラムケース121は、例えば樹脂材等により形成され、前後方向が長手方向となる長尺状のものである。
【0037】
コラムケース121には、スパイラル50が設けられる。スパイラル50は、例えば金属製の棒状体が前後方向(コラムケース121の延在方向)に沿って螺旋状に巻回されることで形成されたものである。スパイラル50は、その中心軸周りに図示しないモータなどによって回転可能なものである。スパイラル50は、モータが駆動することにより、例えば、自身の中心軸回りに前方から見て時計回りの方向に回転するものである。スパイラル50が中心軸回りに前方から見て時計回りの方向に回転することにより、各ピッチ間に拘束される商品を漸次前方に向けて搬出するとともに、最前のピッチ間に拘束された商品を商品収納通路から前方に向けて払い出すものである。なお、コラムケース121には、売切アクチュエータ51が設けてある。
【0038】
また、コラムケース121の前端には、価格表示部52及び表示部37が配置される。価格表示部52には、商品のコラム番号、例えば「31」、及び価格表示、例えば「¥140」を示すパネルが嵌め込まれる。また、表示部37は、食品管理に関する販売停止理由が発生した場合に、販売停止理由、例えば「賞味期限切れ」が液晶表示される。なお、価格表示部52の表示は、固定のパネル表示ではなく、液晶表示としてもよい。また、表示部37は、食品管理に関する販売停止理由のみならず、売切れ表示を行うようにしてもよい。
【0039】
<制御系の構成>
図4は、自動販売機1の制御系の構成を示すブロック図である。図4に示すように、自動販売機1は、自動販売機主制御部10を有し、自動販売機主制御部10には、通信部15、本体制御部30、冷熱装置31、搬出装置32、コインメカニズム33、ビルバリデータ34、表示操作部35、表示部37、リモコン38及び電子マネーリーダライタ39が接続される。
【0040】
通信部15は、例えばLTE(登録商標)などの通信方式により、外部のネットワークを介して管理サーバや決済サーバに接続する通信インタフェースである。また、通信部15は、スマートフォン、タブレット端末、ハンディーターミナルなどの携帯端末装置と、WiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信機能を有する。
【0041】
本体制御部30には、冷熱装置31、搬出装置32が接続される。本体制御部30は、自動販売機主制御部10の制御のもと、冷熱装置31、搬出装置32を制御する。
【0042】
冷熱装置31は、自動販売機主制御部10の制御のもとに、食品が規定温度、例えば10℃以下となるように、上記した冷凍サイクルを制御する。
【0043】
搬出装置32は、搬送トレイ112を介して、収納コラム120から搬出された商品を収納コラム120から商品取出口22近傍の商品取出領域E10までの搬送を行う。本体制御部30は、自動販売機主制御部10から送信された搬出命令に従って収納コラム120の前端から商品を搬出する。また、搬出装置32は、収納コラム120に収納された商品のすべてを搬出した場合に売切信号を本体制御部30に出力する。売切信号は売切アクチュエータ51が検出する信号である。
【0044】
コインメカニズム33は、各種硬貨の投入枚数を整理し、自動販売機主制御部10に送信する一方、この自動販売機主制御部10からの指令に従い、各種硬貨を払い出すものである。なお、コインメカニズム33には、硬貨の真贋及び金種を識別する金銭識別機能を有する。
【0045】
ビルバリデータ34は、紙幣の投入枚数を整理し、自動販売機主制御部10に送信する一方、この自動販売機主制御部10からの指令に従い、紙幣を払い出すものである。なお、ビルバリデータ34は、紙幣の真贋及び金種を識別する金銭識別機能を有する。表示操作部35は、上記した表示部36、商品選択ボタンB1、購入決定ボタンB2及び訂正ボタンB4を有する。リモコン38は、自動販売機1に対する各種データ設定、データ収集などを行うリモート端末である。
【0046】
電子マネーリーダライタ39は、電子マネーカードにチャージされた電子マネーを読み込みむとともに、決済後の電子マネーを書き込む処理を行う。また、電子マネーリーダライタ39は、電子マネーカードに釣銭分の電子マネーをチャージする書き込み処理を行う。電子マネーリーダライタ39は、電子マネーカードを検出するとともに電子マネーカードの有効無効や種別を識別する電子マネー識別機能を有する。
【0047】
自動販売機主制御部10は、販売制御部11、食品管理部12、表示制御部13及び記憶部14を有する。販売制御部11は、商品選択ボタンB1によって選択された自動販売機1内の商品の払い出し、決済処理等を行う。
【0048】
食品管理部12は、食品管理に関する販売停止理由が発生した商品を検出する。食品管理に関する販売停止理由とは、上記したように、賞味期限切れ又は温度管理規定外れである。賞味期限切れは、例えば、商品が「おにぎり」である場合、賞味期限が1日である。食品管理部12は、例えば1時間毎の期限管理を行い、賞味期限を過ぎた場合、収納された「おにぎり」が賞味期限切れであることを検出する。また、温度管理規定外れとは、庫内温度が食品衛生法により規定された食品保管の温度範囲、例えば10℃以下が維持されていない場合である。食品管理部12は、この庫内の温度管理状態を管理し、温度管理規定外れが生じたか否かを検出する。温度管理規定外れが生じた食品は廃棄しなければならず、食品を販売することができない。このため、この食品は、温度管理規定外れとして販売停止される。
【0049】
表示制御部13は、販売停止理由が発生した場合、この商品の販売停止理由を表示部37に表示する。例えば、「賞味期限切れ」と表示する。
【0050】
<販売制御処理>
次に、販売制御部11による販売制御処理手順について説明する。図5は、販売制御部11による販売制御処理手順を示すフローチャートである。図5に示すように、まず、販売制御部11は、商品選択ボタンB1が押下されたか否かを判定する(ステップS110)。商品選択ボタンB1が押下されていない場合(ステップS110,No)には、本判定処理を繰り返す。
【0051】
一方、商品選択ボタンB1が押下された場合(ステップS110,Yes)には、さらに購入決定ボタンB2が押下されたか否かを判定する(ステップS120)。購入決定ボタンB2が押下されない場合(ステップS120,No)には、ステップS110に移行する。一方、購入決定ボタンB2が押下され場合(ステップS120,Yes)には、さらに、食品管理部12の管理内容をもとに、選択された商品に、食品管理に関する販売停止理由があるか否かを判定する(ステップS130)。
【0052】
販売停止理由がない場合(ステップS130,No)には、決済済みであるか否かを判定する(ステップS140)。決済済みでない場合(ステップS140,No)には、本判定処理を繰り返す。一方、決済済みである場合(ステップS140,Yes)には、選択された商品の商品搬出を行って(ステップS150)、本処理を終了する。
【0053】
一方、販売停止理由がある場合(ステップS130,Yes)には、選択された商品の販売停止を行い(ステップS160)、さらに選択された商品の表示部37に販売停止理由を表示し(ステップS170)、本処理を終了する。
【0054】
本実施の形態では、収納された商品の収納状態を視認できるシースルー自動販売機において、選択した商品に、賞味期限切れや温度管理規定外れなどの食品管理に関する販売停止理由がある場合に販売停止理由を収納コラム120の前端の表示部37に表示するようにしているので、商品を購入しようとする顧客は販売停止理由を迅速に理解し、商品を購入できないストレスが低減される。
【0055】
なお、上記の実施の形態では、表示操作部35を介して商品を選択して購入を決定した場合に、食品管理に関する販売停止理由を表示するようにしていたが、これに限らず、食品管理に関する販売停止理由が発生した場合に、食品管理に関する販売停止理由を表示して維持するようにしてもよい。
【0056】
<変形例1>
図6は、変形例1の自動販売機1の外観構成を示す模式図である。上記の実施の形態では、表示部37に販売停止理由を表示するようにしていたが、図6に示すように、本変形例1では、開閉扉20の前面、具体的には表示操作部35の上部に表示部60を設けている。表示部60は、収納コラム120のコラム番号とともに収納コラム120の配置を縮小表示した縮小表示画面61と販売停止理由を表示する理由表示画面62とを有している。
【0057】
表示部60は、食品管理に関する販売停止理由が発生した場合、あるいは商品選択決定時に食品管理に関する販売停止理由がある場合、販売停止理由が発生した収納コラム120に対応する縮小表示画面61の箇所を強調表示するとともに、理由表示画面62に販売停止理由をテキスト表示する。縮小表示画面61の強調表示は、例えば、赤色表示等、他の背景表示よりも輝度等の色要素の値を大きくしてもよいし、点灯表示以外に点滅表示するようにしてもよい。
【0058】
なお、販売停止理由を表示するための表示部37あるいは表示部60を設けず、既存の表示操作部35に販売停止理由を表示するようにしてもよい。この場合、表示部36内に販売停止理由を表示してもよいが、表示操作部35の前面がタッチパネルである場合、商品選択決定時に、販売停止理由を表示する画面に画面遷移するようにしてもよい。販売停止理由画面から初期画面に遷移させるため、例えば「OK」ボタンなどを表示し、「OK」ボタンを押下して時点で初期画面に遷移するようにしてもよいし、所定時間経過後に初期画面に遷移するようにしてもよい。
【0059】
<変形例2>
図7は、変形例2における商品ラックを構成する収容コラムのコラムケースの構成を示す斜視図である。上記の実施の形態及び変形例1では、表示部37に液晶表示機能を持たせ、「賞味期限切れ」や「温度管理規定外れ」などの販売停止理由を可変表示するようにしていたが、本変形例2では、表示部37に替え、販売停止理由の表示を、価格表示部52と同様に固定のパネルで表示するパネル表示部47aと、パネル表示部47bに表示された内容に該当するか否かをLEDの点灯で表示するLED表示部47bとを有した表示部47としている。パネル表示部47aの表示内容に該当する場合、LED表示部47bは点灯し、該当しない場合、LED表示部47bは消灯する。
【0060】
なお、LED表示部47bは、点灯に替えて点滅表示にしてもよいし、パネル表示部47aの表示内容に対する該当、非該当を、色を変えて表示してもよい。例えば、パネル表示部47aは、パネル表示部47aの表示内容に該当する場合、赤色表示され、表示内容に該当しない場合、緑色表示する。
【0061】
また、LED表示部47bは、パネル表示部47aの表示内容ごとに対応する複数のLEDを設けても良い。この場合、例えば、該当するパネル表示部47aの表示内容に対応するLEDが点灯することになる。
【0062】
さらに、上記の変形例3では、パネル表示部47aをパネルとしたが、これに限らず、パネルに、販売停止理由が表示されたラベルを貼り付けるようにしてもよい。
【0063】
<変形例3>
上記の実施の形態及び変形例1では、いずれも単体の自動販売機であったが、本変形例3では、実施の形態で示した自動販売機1を親機とし、この親機に1以上の子機である子自動販売機2を通信接続して連結した自動販売機システムとしている。なお、自動販売機1と子自動販売機2とは隣接配置される。
【0064】
図8は、本変形例3である自動販売機システムの外観構成を示す模式図である。図9は、図8に示した自動販売機システムの制御系の構成を示すブロック図である。図8に示すように、親機としての自動販売機1には、通信回線Nを介して子自動販売機2が通信接続される。子自動販売機2は、収納コラム120のコラム番号「49」~「55」、「57」~「63」、「65」~「96」の商品を販売する自動販売機であるが、商品選択機構及び金銭処理機構は、自動販売機1の機構を利用している。金銭処理機構とは、コインメカニズム33、ビルバリデータ34、電子マネーリーダライタ39などの決済に関する機構であり、商品選択機構は、商品選択ボタンB1、購入決定ボタンB2、訂正ボタンB3、表示部36を含む表示操作部35、及び、販売制御部11である。子自動販売機2には、本体キャビネット1aに対応した本体キャビネット2b、開閉扉20に対応した開閉扉20a、窓部21に対応した窓部21a、商品取出口22に対応した商品取出口22a、面材23に対応した面材23a、商品取出扉24に対応した商品取出扉24a、領域E1に対応した領域E2を有する。
【0065】
すなわち、図9に示すように、子自動販売機2は、本体制御部30に対応した本体制御部30a、冷熱装置31に対応した冷熱装置31a、搬出装置32に対応した搬出装置32a、及び通信部15aを有する。なお、通信部15aは、単に通信回線Nを介して自動販売機1との通信を行うためのインタフェースである。
【0066】
図9に示した販売制御部11は、実施の形態の販売制御部11の販売制御に加え、子自動販売機2の販売制御をも行う。この場合、食品管理部12は、子自動販売機2が販売する商品に対する、食品管理に関する販売停止理由を検出し、販売制御部11は、販売停止理由が発生した場合、あるいは選択した商品に販売停止理由がある場合、表示制御部13を介して販売停止理由を子自動販売機2の表示部37に表示する制御をも行う。すなわち、販売制御部11、食品管理部12及び表示制御部13は、自動販売機1と子自動販売機2とのそれぞれに対して個別に販売停止理由表示に関する制御及び管理を行う。
【0067】
なお、上記の実施の形態及び変形例1~3では、顧客に対して販売停止理由を表示するようにしていたが、これに限らず、自動販売機を巡回作業するサービスマン等が操作するリモコン38に、食品管理に関する販売停止理由を収納コラム単位で表示するようにしてもよい。サービスマンは、収納コラム120に商品が収納されているのに商品が販売されていない理由を即時に理解することができ、この状態に迅速に対応することができる。
【0068】
また、上記の実施の形態及び変形例1~3において、自動販売機1の上段2つのコラム番号「1」~「7」、「9」~「15」、及び子自動販売機2の上段2つのコラム番号「49」~「55」、「57」~「63」は、それぞれ1つの商品ラック110に形成される7つの収納コラム120に対応するものである。その他の商品ラック110は、それぞれ8つの収納コラム120を形成している。ここで、上段2つのコラム番号の値が不連続なのは、上段2つの商品ラック110が8つの商品ラック110に換装された場合を考慮してのことである。
【0069】
なお、上記の実施の形態及び変形例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置及び構成要素の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 自動販売機
2 子自動販売機
1a,2b 本体キャビネット
10 自動販売機主制御部
11 販売制御部
12 食品管理部
13 表示制御部
14 記憶部
15,15a「 通信部
20,20a 開閉扉
21,21a 窓部
22,22a 商品取出口
23,23a 面材
24,24a 商品取出扉
25 紙幣挿入口
26 硬貨投入口
27 返却レバー
28 硬貨返却口
30,30a 本体制御部
31,31a 冷熱装置
32,32a 搬出装置
33 コインメカニズム
34 ビルバリデータ
35 表示操作部
36,37,47,60 表示部
38 リモコン
39 電子マネーリーダライタ
47a パネル表示部
47b LED表示部
50 スパイラル
51 売切アクチュエータ
52 価格表示部
61 縮小表示画面
62 理由表示画面
110 商品ラック
112 搬送トレイ
120 収納コラム
121 コラムケース
B1 商品選択ボタン
B2 購入決定ボタン
B3 訂正ボタン
E1,E2 領域
E10 商品取出領域
N 通信回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9