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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】印刷管理装置及び印刷管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240402BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G06F3/12 351
G06F3/12 382
G06F3/12 303
G06F3/12 318
B41J29/38 301
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020044460
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021144621
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】別役 昂志
(72)【発明者】
【氏名】駒沢 寿夫
(72)【発明者】
【氏名】池田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幸大
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-191215(JP,A)
【文献】特開2014-210400(JP,A)
【文献】特開2016-010871(JP,A)
【文献】特開2013-208824(JP,A)
【文献】特開2016-065996(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0037048(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0095397(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00-29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対してジョブを印刷している際に印刷が中断され前記ジョブが複数の部分に分割された場合に、前記ジョブのうち中断前の部分である第1部分に対応する損紙の量を出力し、
前記ジョブのうち中断後の部分である第2部分が印刷された場合に、前記第2部分に対応する損紙の量と、前記第1部分に対応する損紙の量とを合計した量を、前記ジョブの損紙の量として出力し、
前記中断は、他のジョブの割り込みによる中断であり、
前記第1部分に対応する損紙の量は、前記連続紙の搬送を開始した地点である第1搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第1搬送終了地点とにより定まる長さから、前記第1部分の印刷に使用された部分を除いた長さとして表され、
前記第2部分に対応する損紙の量は、前記連続紙の搬送を再開した地点である第2搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第2搬送終了地点とにより定まる長さから、前記他のジョブ及び前記第2部分の印刷に使用された部分を除いた長さを前記他のジョブとの間で案分した長さとして表される
印刷管理装置。
【請求項2】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対してジョブを印刷している際に印刷が中断され前記ジョブが複数の部分に分割された場合に、前記ジョブのうち中断前の部分である第1部分に対応する損紙の量を出力し、
前記ジョブのうち中断後の部分である第2部分が印刷された場合に、前記第2部分に対応する損紙の量と、前記第1部分に対応する損紙の量とを合計した量を、前記ジョブの損紙の量として出力し、
前記中断は、他のジョブの割り込みによる中断であり、
前記第1部分に対応する損紙の量は、前記連続紙の搬送を開始した地点である第1搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第1搬送終了地点とにより定まる長さから、前記第1部分の印刷に使用された部分を除いた長さとして表され、
前記第2部分に対応する損紙の量は、前記連続紙の搬送を再開した地点である第2搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第2搬送終了地点とにより定まる長さから、前記他のジョブ及び前記第2部分の印刷に使用された部分を除いた長さのうち、前記第2搬送終了地点と前記第2部分の印刷を終了した地点である印刷終了地点とにより定まる長さとして表され
刷管理装置。
【請求項3】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対してジョブを印刷している際に印刷が中断され前記ジョブが複数の部分に分割された場合に、前記ジョブのうち中断前の部分である第1部分に対応する損紙の量を出力し、
前記ジョブのうち中断後の部分である第2部分が印刷された場合に、前記第2部分に対応する損紙の量と、前記第1部分に対応する損紙の量とを合計した量を、前記ジョブの損紙の量として出力し、
前記中断は、前記印刷装置に対するユーザの操作、前記印刷装置の消耗品切れ、前記印刷装置の用紙切れ、及び前記印刷装置のエラーのいずれか1つによる中断であり、
前記第1部分に対応する損紙の量は、前記連続紙の搬送を開始した地点である第1搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第1搬送終了地点とにより定まる長さから、前記第1部分の印刷に使用された部分を除いた長さとして表され、
前記第2部分に対応する損紙の量は、前記連続紙の搬送を再開した地点である第2搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第2搬送終了地点とにより定まる長さから、前記第2部分の印刷に使用された部分を除いた長さとして表され
刷管理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、ホスト装置が管理する前記ジョブの識別情報と、前記第1部分及び前記第2部分の各々が有する識別情報とが一致する場合に、前記第1部分と前記第2部分とを対応付ける
請求項1~請求項のいずれか1項に記載の印刷管理装置。
【請求項5】
連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対してジョブを印刷している際に印刷が中断され前記ジョブが複数の部分に分割された場合に、前記ジョブのうち中断前の部分である第1部分に対応する損紙の量を出力し、
前記ジョブのうち中断後の部分である第2部分が印刷された場合に、前記第2部分に対応する損紙の量と、前記第1部分に対応する損紙の量とを合計した量を、前記ジョブの損紙の量として出力し、
前記中断は、他のジョブの割り込みによる中断であり、
前記第1部分に対応する損紙の量は、前記連続紙の搬送を開始した地点である第1搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第1搬送終了地点とにより定まる長さから、前記第1部分の印刷に使用された部分を除いた長さとして表され、
前記第2部分に対応する損紙の量は、前記連続紙の搬送を再開した地点である第2搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第2搬送終了地点とにより定まる長さから、前記他のジョブ及び前記第2部分の印刷に使用された部分を除いた長さを前記他のジョブとの間で案分した長さとして表されることを、
コンピュータに実行させるための印刷管理プログラム。
【請求項6】
連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対してジョブを印刷している際に印刷が中断され前記ジョブが複数の部分に分割された場合に、前記ジョブのうち中断前の部分である第1部分に対応する損紙の量を出力し、
前記ジョブのうち中断後の部分である第2部分が印刷された場合に、前記第2部分に対応する損紙の量と、前記第1部分に対応する損紙の量とを合計した量を、前記ジョブの損紙の量として出力し、
前記中断は、他のジョブの割り込みによる中断であり、
前記第1部分に対応する損紙の量は、前記連続紙の搬送を開始した地点である第1搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第1搬送終了地点とにより定まる長さから、前記第1部分の印刷に使用された部分を除いた長さとして表され、
前記第2部分に対応する損紙の量は、前記連続紙の搬送を再開した地点である第2搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第2搬送終了地点とにより定まる長さから、前記他のジョブ及び前記第2部分の印刷に使用された部分を除いた長さのうち、前記第2搬送終了地点と前記第2部分の印刷を終了した地点である印刷終了地点とにより定まる長さとして表されることを、
コンピュータに実行させるための印刷管理プログラム。
【請求項7】
連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対してジョブを印刷している際に印刷が中断され前記ジョブが複数の部分に分割された場合に、前記ジョブのうち中断前の部分である第1部分に対応する損紙の量を出力し、
前記ジョブのうち中断後の部分である第2部分が印刷された場合に、前記第2部分に対応する損紙の量と、前記第1部分に対応する損紙の量とを合計した量を、前記ジョブの損紙の量として出力し、
前記中断は、前記印刷装置に対するユーザの操作、前記印刷装置の消耗品切れ、前記印刷装置の用紙切れ、及び前記印刷装置のエラーのいずれか1つによる中断であり、
前記第1部分に対応する損紙の量は、前記連続紙の搬送を開始した地点である第1搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第1搬送終了地点とにより定まる長さから、前記第1部分の印刷に使用された部分を除いた長さとして表され、
前記第2部分に対応する損紙の量は、前記連続紙の搬送を再開した地点である第2搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第2搬送終了地点とにより定まる長さから、前記第2部分の印刷に使用された部分を除いた長さとして表されることを、
コンピュータに実行させるための印刷管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷管理装置及び印刷管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、複数の印刷設定または複数の後加工設定を有する印刷システムにおいて、1単位の印刷用紙に対する複数の印刷ジョブの印刷順序を決定する印刷順序決定装置が記載されている。この印刷順序決定装置は、各印刷設定から他の印刷設定に変更する際に発生する損紙の量、または、各後加工設定から他の後加工設定に変更する際に発生する損紙の量である損紙量を予め記憶する損紙量記憶部と、それぞれが印刷用紙種類、印刷仕様、後加工仕様および印刷画像データを含む複数の入力データを記憶する入力データ記憶部と、を備える。また、この印刷順序決定装置は、複数の入力データのうち、印刷用紙種類が共通する複数の用紙共通入力データについて、a)複数の用紙共通入力データの一の印刷順序について、前後に隣接する各2つの用紙共通入力データの印刷仕様に対応する印刷システムの印刷設定、または、各2つの用紙共通入力データの後加工仕様に対応する印刷システムの後加工設定に基づいて、損紙量記憶部から損紙量を取得する工程と、b)複数の用紙共通入力データにおける損紙量の合計である合計損紙量を求める工程と、c)複数の用紙共通入力データの複数の印刷順序についてa)工程およびb)工程を行い、合計損紙量が最小となる印刷順序を求める工程と、を行うことにより、複数の用紙共通入力データから生成される複数の印刷ジョブの印刷順序を決定する演算部を備える。
【0003】
また、特許文献2には、ジョブの実行に伴う連続紙の使用予定に関する情報を提供する画像形成装置が記載されている。この画像形成装置は、連続紙を搬送する搬送部と、搬送部により搬送される連続紙に対して画像を形成する画像形成部と、実行対象とするジョブを選択するためのジョブ選択部と、選択されたジョブの実行に要する連続紙の搬送方向における長さである画像形成距離を算出し、算出された画像形成距離を表示部に表示させる制御部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5770580号公報
【文献】特開2017-207597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、連続紙に対するジョブの印刷が中断された場合、中断によりジョブが分割されてしまい、分割された部分毎にしか損紙を把握することができなかった。このため、ジョブの印刷が中断された場合でも、ジョブ単位で発生する損紙の量を把握できることが望まれている。
【0006】
本発明は、連続紙に対するジョブの印刷が中断された場合であっても、ジョブ単位で発生する損紙の量を把握することができる印刷管理装置及び印刷管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1態様に係る印刷管理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサが、連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対してジョブを印刷している際に印刷が中断され前記ジョブが複数の部分に分割された場合に、前記ジョブのうち中断前の部分である第1部分に対応する損紙の量を出力し、前記ジョブのうち中断後の部分である第2部分が印刷された場合に、前記第2部分に対応する損紙の量と、前記第1部分に対応する損紙の量とを合計した量を、前記ジョブの損紙の量として出力する。
【0008】
また、第2態様に係る印刷管理装置は、第1態様に係る印刷管理装置において、前記中断が、他のジョブの割り込みによる中断であるとされている。
【0009】
また、第3態様に係る印刷管理装置は、第2態様に係る印刷管理装置において、前記第1部分に対応する損紙の量が、前記連続紙の搬送を開始した地点である第1搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第1搬送終了地点とにより定まる長さから、前記第1部分の印刷に使用された部分を除いた長さとして表され、前記第2部分に対応する損紙の量が、前記連続紙の搬送を再開した地点である第2搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第2搬送終了地点とにより定まる長さから、前記他のジョブ及び前記第2部分の印刷に使用された部分を除いた長さを前記他のジョブとの間で案分した長さとして表される。
【0010】
また、第4態様に係る印刷管理装置は、第2態様に係る印刷管理装置において、前記第1部分に対応する損紙の量が、前記連続紙の搬送を開始した地点である第1搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第1搬送終了地点とにより定まる長さから、前記第1部分の印刷に使用された部分を除いた長さとして表され、前記第2部分に対応する損紙の量が、前記連続紙の搬送を再開した地点である第2搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第2搬送終了地点とにより定まる長さから、前記他のジョブ及び前記第2部分の印刷に使用された部分を除いた長さのうち、前記第2搬送終了地点と前記第2部分の印刷を終了した地点である印刷終了地点とにより定まる長さとして表される。
【0011】
また、第5態様に係る印刷管理装置は、第1態様に係る印刷管理装置において、前記中断が、前記印刷装置に対するユーザの操作、前記印刷装置の消耗品切れ、前記印刷装置の用紙切れ、及び前記印刷装置のエラーのいずれか1つによる中断であるとされている。
【0012】
また、第6態様に係る印刷管理装置は、第5態様に係る印刷管理装置において、前記第1部分に対応する損紙の量が、前記連続紙の搬送を開始した地点である第1搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第1搬送終了地点とにより定まる長さから、前記第1部分の印刷に使用された部分を除いた長さとして表され、前記第2部分に対応する損紙の量が、前記連続紙の搬送を再開した地点である第2搬送開始地点と、前記連続紙の搬送を終了した地点である第2搬送終了地点とにより定まる長さから、前記第2部分の印刷に使用された部分を除いた長さとして表される。
【0013】
また、第7態様に係る印刷管理装置は、第1態様~第6態様のいずれか1つの態様に係る印刷管理装置において、前記プロセッサが、ホスト装置が管理する前記ジョブの識別情報と、前記第1部分及び前記第2部分の各々が有する識別情報とが一致する場合に、前記第1部分と前記第2部分とを対応付ける。
【0014】
更に、上記目的を達成するために、第8態様に係る印刷管理プログラムは、連続紙に印刷を行う印刷装置が前記連続紙に対してジョブを印刷している際に印刷が中断され前記ジョブが複数の部分に分割された場合に、前記ジョブのうち中断前の部分である第1部分に対応する損紙の量を出力し、前記ジョブのうち中断後の部分である第2部分が印刷された場合に、前記第2部分に対応する損紙の量と、前記第1部分に対応する損紙の量とを合計した量を、前記ジョブの損紙の量として出力することを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
第1態様及び第8態様によれば、連続紙に対するジョブの印刷が中断された場合であっても、ジョブ単位で発生する損紙の量を把握することができる、という効果を有する。
【0016】
第2態様によれば、他のジョブの割り込みにより中断された場合でも、ジョブ単位で発生する損紙の量を把握することができる、という効果を有する。
【0017】
第3態様によれば、第2部分に対応する損紙の量を他のジョブとの間で案分しない場合と比較して、ジョブ単位で発生する損紙の量を適切に把握することができる、という効果を有する。
【0018】
第4態様によれば、第2部分に対応する損紙の量として、第2搬送終了地点と第2部分の印刷終了地点とにより定まる長さを考慮しない場合と比較して、ジョブ単位で発生する損紙の量を適切に把握することができる、という効果を有する。
【0019】
第5態様によれば、ユーザ操作、消耗品切れ、用紙切れ、及びエラーのいずれかにより中断された場合でも、ジョブ単位で発生する損紙の量を把握することができる、という効果を有する。
【0020】
第6態様によれば、第2部分に対応する損紙の量として、第2搬送開始地点と第2搬送終了地点とにより定まる長さから第2部分を除いた長さを考慮しない場合と比較して、ジョブ単位で発生する損紙の量を適切に把握することができる、という効果を有する。
【0021】
第7態様によれば、1つのジョブが複数の部分に分割された場合でも、複数の部分を対応付けることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1の実施形態に係る印刷管理システムの構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る印刷管理装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】比較例に係る損紙量のUI表示を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る印刷管理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図5】実施形態に係る損紙量のUI表示の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る損紙量のUI表示の別の例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る印刷管理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】実施形態に係るジョブ管理画面の一例を示す正面図である。
図9】実施形態に係るジョブ対応付け処理の説明に供する図である。
図10】第2の実施形態に係る印刷管理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
【0024】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る印刷管理システム90の構成の一例を示す図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る印刷管理システム90は、印刷管理装置10と、印刷制御装置20と、印刷装置30と、後加工装置40と、ホスト装置50と、を備えている。
【0026】
印刷管理装置10は、ネットワークを介して印刷制御装置20と接続されている。なお、ネットワークには、一例として、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等が適用される。印刷管理装置10は、ジョブの入力を受け付け、受け付けたジョブに応じた印刷を印刷制御装置20に指示する。ここでいうジョブとは、印刷処理単位を表す。例えば、1つのジョブは、1つのファイルを印刷する場合の印刷データを表す。1つのファイルに含まれるページ数は、1ページ以上で任意である。つまり、1つのジョブに対応する1つのファイルは、例えば、1ページで構成されていてもよいし、1000ページで構成されていてもよい。1つのファイルに含まれるページ数は、予め設定されていてもよいし、ユーザが適宜設定するようにしてもよい。
【0027】
印刷制御装置20は、ネットワークを介して印刷装置30と接続されている。接続される印刷装置30は、1台でもよいし、複数台でもよい。印刷制御装置20は、印刷装置30の印刷処理の動作を制御する機能を備えている。
【0028】
印刷装置30は、ロール紙等の連続紙に印刷を行う所謂連帳プリンタである。印刷装置30は、用紙カウンタ31を備えている。用紙カウンタ31は、連続紙を用紙搬送方向に向けて搬送した場合に、搬送開始地点を基準(カウント値=0m)として、搬送開始地点との距離を計測する。なお、本実施形態においては、印刷制御装置20と印刷装置30とが別体で構成されているが、印刷制御装置20と印刷装置30とが一体で構成されていてもよい。
【0029】
なお、印刷装置30では、安定した画質での印刷を保証するため、印刷の開始時に連続紙の搬送速度が所定の速度に到達するまで待って、ジョブの印刷を開始する。このため、印刷に使用されずに損失となる部分が連続紙に発生する。また、印刷の停止時においても、停止指示後に連続紙が慣性で所定の距離だけ搬送される。このため、同様に損失となる部分が発生する。つまり、印刷装置30では、構造上、印刷の前後で損失となる部分が発生する。
【0030】
印刷制御装置20は、ネットワークを介して後加工装置40と接続されている。接続される後加工装置40は、1台でもよいし、複数台でもよい。印刷制御装置20は、後加工装置40の後加工処理の動作を制御する機能を備えている。
【0031】
後加工装置40には、例えば、加工装置、後処理装置、及び裁断装置等が含まれる。加工装置は、例えば、印刷装置30で印刷された紙等の記録媒体(以下、「シート」という。)の印刷面に、傷や汚れが付着することを抑制するためにニスをコーティングする等の加工を行う装置である。後処理装置は、例えば、ページ順に並ぶように折られた状態の本文のシートを綴じ合わせて表紙を付け、冊子の形態にする等の処理を行う装置である。裁断装置は、例えば、製本された冊子の余白部分を切断して、予め定められた大きさに仕上げる等の処理を行う装置である。なお、後加工装置40は、ネットワークを介して印刷装置30と接続されていてもよい。
【0032】
印刷制御装置20は、ネットワークを介してホスト装置50と接続されている。ホスト装置50は、印刷管理装置10で入力を受け付けた全てのジョブを管理する。
【0033】
印刷管理装置10は、印刷制御装置20を介して、印刷装置30の稼働に関する各種情報を受信して、印刷装置30の稼働状況及び処理能力を管理する。また、印刷管理装置10は、印刷装置30の稼働指示、停止指示、及び印刷装置30の動作を設定する設定指示等の各種指示を、印刷制御装置20を介して、印刷装置30に送信する。
【0034】
また、印刷管理装置10は、印刷制御装置20を介して、後加工装置40の稼働に関する各種情報を受信して、後加工装置40の稼働状況及び処理能力を管理する。また、印刷管理装置10は、後加工装置40の稼働指示、停止指示、及び後加工装置40の動作を設定する設定指示等の各種指示を、印刷制御装置20を介して、後加工装置40に送信する。
【0035】
図2は、第1の実施形態に係る印刷管理装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
図2に示すように、本実施形態に係る印刷管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入出力インターフェース(I/O)14と、記憶部15と、表示部16と、操作部17と、通信部18と、を備えている。
【0037】
本実施形態に係る印刷管理装置10には、例えば、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。
【0038】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14は、バスを介して各々接続されている。I/O14には、記憶部15と、表示部16と、操作部17と、通信部18と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O14を介して、CPU11と相互に通信可能とされる。
【0039】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14によって制御部が構成される。制御部は、印刷管理装置10の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、印刷管理装置10の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0040】
記憶部15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部15には、本実施形態に係る印刷管理機能を実現するための印刷管理プログラム15Aが記憶される。なお、この印刷管理プログラム15Aは、ROM12に記憶されていてもよい。
【0041】
印刷管理プログラム15Aは、例えば、印刷管理装置10に予めインストールされていてもよい。印刷管理プログラム15Aは、不揮発性の非一時的記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、印刷管理装置10に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の非一時的記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0042】
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部17には、例えば、キーボード、マウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部16及び操作部17は、印刷管理装置10のユーザから各種の指示を受け付ける。表示部16は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0043】
通信部18は、インターネット、LAN、WAN等のネットワークに接続されており、印刷制御装置20との間でネットワークを介して通信が可能とされる。ネットワークを介しての通信は、有線通信でもよいし、無線通信でもよい。
【0044】
ところで、上述したように、連続紙に対するジョブの印刷が中断された場合、中断によりジョブが分割されてしまい、分割された部分毎にしか損紙を把握することができなかった。ここで、図3を参照して、ジョブの印刷が中断された場合の損紙量のUI(ユーザ・インターフェース)表示について具体的に説明する。
【0045】
図3は、比較例に係る損紙量のUI表示を示す図である。
【0046】
(S1)では、連続紙Pに対してジョブAを印刷中に割り込み印刷があると、ジョブAの印刷が中断される。ジョブAの印刷が中断された場合、連続紙Pの搬送が一旦停止する。このとき、ジョブAの中断前の部分をジョブA1として表す。ジョブA1には、損紙L1及び損紙L2が発生する。損紙L1はジョブA1の印刷前に発生する損紙であり、損紙L2はジョブA1の印刷後に発生する損紙である。図3の比較例では、用紙カウンタ31を用いて、損紙L1の長さと損紙L2の長さとの合計がw(m)として算出される。
【0047】
(S2)では、連続紙Pに対して割り込み印刷のジョブB及びジョブCが印刷され、更に、ジョブCに続けてジョブA2が印刷される。ジョブA2は、ジョブAの中断後の部分を表す。つまり、ジョブAは、ジョブB及びジョブCの割り込み印刷により、ジョブA1とジョブA2とに分割される。これらのジョブB、ジョブC、及びジョブA2には、損紙L3及び損紙L4が発生する。損紙L3はジョブBの印刷前に発生する損紙であり、損紙L4はジョブA2の印刷後に発生する損紙である。図3の比較例では、損紙の量を算出する場合に、ジョブA1及びジョブA2を独立したジョブとみなし、ジョブB、ジョブC、及びジョブA2の間で、損紙L3の長さと損紙L4の長さとの合計が案分される。この結果、ジョブBの損紙の量はx(m)と算出され、ジョブCの損紙の量はy(m)と算出され、ジョブA2の損紙の量はz(m)と算出される。
【0048】
図3のUI表示60には、ジョブA1、ジョブB、ジョブC、及びジョブA2の各々についての損紙の量が表示されるが、ジョブAについての損紙の量を部分毎にしか把握できない。この場合、ジョブAの損紙の量を一見して把握することが難しく、コスト管理が複雑になってしまう。このため、ジョブ単位で発生する損紙の量を一見して把握できることが望まれている。
【0049】
本実施形態に係る印刷管理装置10のCPU11は、記憶部15に記憶されている印刷管理プログラム15AをRAM13に書き込んで実行することで、図4に示す各部として機能する。このCPU11は、プロセッサの一例である。
【0050】
図4は、第1の実施形態に係る印刷管理装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0051】
図4に示すように、本実施形態に係る印刷管理装置10のCPU11は、ジョブ投入部11A、装置制御部11B、及びジョブ管理部11Cとして機能する。
【0052】
本実施形態に係るジョブ投入部11Aは、作業担当者(オペレータ)から受け付けたジョブを投入する。
【0053】
本実施形態に係る装置制御部11Bは、印刷制御装置20と通信し、印刷制御装置20の動作を制御する。装置制御部11Bは、印刷制御装置20から、用紙カウンタ31のカウント値を取得する。
【0054】
本実施形態に係るジョブ管理部11Cは、印刷装置30が連続紙に対してジョブを印刷している際に印刷が中断されジョブが複数の部分に分割された場合に、当該ジョブのうち中断前の部分である第1部分に対応する損紙の量を出力する。また、ジョブ管理部11Cは、当該ジョブのうち中断後の部分である第2部分が印刷された場合に、第2部分に対応する損紙の量と、第1部分に対応する損紙の量とを合計した量を、ジョブの損紙の量として出力する。ここでいう損紙とは、印刷に使われずに損失となる部分を表し、やれ紙ともいう。また、損紙の量は、当該損失となる部分の長さ(又は面積)として表される。損紙の量は、ジョブの印刷条件(例えば、カラー、モノクロ、印刷速度、後処理の有無等)によって変化するため、ジョブ毎に均一ではない。また、印刷の中断とは、例えば、他のジョブの割り込みによる中断である。
【0055】
ここで、図5を参照して、ジョブの印刷が他のジョブの割り込みにより中断された場合の損紙量のUI表示について具体的に説明する。
【0056】
図5は、本実施形態に係る損紙量のUI表示の一例を示す図である。
【0057】
(S11)では、図3の比較例と同様に、連続紙Pに対してジョブAを印刷中に割り込み印刷があると、ジョブAの印刷が中断される。ジョブAの印刷が中断された場合、連続紙Pの搬送が一旦停止する。ジョブAの中断前の第1部分をジョブA1として表す。ジョブA1に対応する損紙の量は、第1搬送開始地点T1と第1搬送終了地点T4とにより定まる長さから、ジョブA1の印刷に使用された部分を除いた長さとして表される。
【0058】
なお、第1搬送開始地点T1は連続紙Pの搬送を開始した地点であり、第1搬送終了地点T4は連続紙Pの搬送を終了した地点である。ジョブA1の印刷に使用された部分の長さは、第1印刷開始地点T2と第1印刷終了地点T3とにより定まる。第1印刷開始地点T2はジョブA1の印刷を開始した地点であり、第1印刷終了地点T3はジョブA1の印刷を終了した地点である。これらの第1搬送開始地点T1、第1搬送終了地点T4、第1印刷開始地点T2、及び第1印刷終了地点T3は、用紙カウンタ31を用いて計測される。
【0059】
すなわち、ジョブA1に対応する損紙の量は、損紙L1の長さ及び損紙L2の長さを合計した長さとされる。損紙L1はジョブA1の印刷前に発生する損紙であり、損紙L2はジョブA1の印刷後に発生する損紙である。図5の例では、用紙カウンタ31を用いて、損紙L1の長さと損紙L2の長さとの合計がw(m)として算出される。
【0060】
(S12)では、図3の比較例と同様に、連続紙Pに対して割り込み印刷のジョブB及びジョブCが印刷され、更に、ジョブCに続けてジョブA2が印刷される。ジョブA2は、ジョブAの中断後の部分を表す。つまり、ジョブAは、ジョブB及びジョブCの割り込み印刷により、ジョブA1とジョブA2とに分割される。ジョブB及びジョブCは、他のジョブの一例であるが、他のジョブの個数は2個に限定されず、1個以上であればよい。ジョブAの中断後の第2部分をジョブA2として表す。ジョブA2に対応する損紙の量は、第2搬送開始地点T5と第2搬送終了地点T8とにより定まる長さから、ジョブB、ジョブC、及びジョブA2の印刷に使用された部分を除いた長さをジョブB及びジョブCとの間で案分した長さとして表される。
【0061】
なお、第2搬送開始地点T5は連続紙Pの搬送を再開した地点であり、第2搬送終了地点T8は連続紙Pの搬送を終了した地点である。ジョブB、ジョブC、及びジョブA2の印刷に使用された部分の長さは、第2印刷開始地点T6と第2印刷終了地点T7とにより定まる。第2印刷開始地点T6はジョブBの印刷を開始した地点であり、第2印刷終了地点T7はジョブA2の印刷を終了した地点である。これらの第2搬送開始地点T5、第2搬送終了地点T8、第2印刷開始地点T6、及び第2印刷終了地点T7は、用紙カウンタ31を用いて計測される。
【0062】
すなわち、ジョブB、ジョブC、及びジョブA2に対応する損紙の量は、損紙L3の長さ及び損紙L4の長さを合計した長さとされる。損紙L3はジョブBの印刷前に発生する損紙であり、損紙L4はジョブA2の印刷後に発生する損紙である。図5の例では、損紙の量を算出する場合に、ジョブB、ジョブC、及びジョブA2の間で、損紙L3の長さと損紙L4の長さとの合計が案分される。この結果、ジョブBの損紙の量はx(m)と算出され、ジョブCの損紙の量はy(m)と算出され、ジョブA2の損紙の量はz(m)と算出される。
【0063】
図5のUI表示61には、ジョブA1についての損紙の量が表示され、UI表示62には、ジョブA、ジョブB、及びジョブCの各々についての損紙の量が表示される。ここで、ジョブAの損紙の量については、ジョブA1の損紙の量であるw(m)と、ジョブA2の損紙の量であるz(m)とを合計した長さが表示される。これにより、ジョブ単位で発生する損紙の量が一見して把握される。
【0064】
なお、ジョブA1とジョブA2との対応付けは、例えば、ジョブ名、ページ番号等に基づいて行われる。つまり、ジョブA1のジョブ名とジョブA2のジョブ名とが同一であれば、同一のジョブAとして対応付けされる。また、ジョブA1の最後のページ番号とジョブA2の最初のページ番号とが連続していれば、同一のジョブAとして対応付けされる。また、ユーザの操作により、ジョブA1とジョブA2とを同一のジョブAとして対応付けしてもよい。
【0065】
また、ジョブA2に対応する損紙の量は、第2搬送開始地点T5と第2搬送終了地点T8とにより定まる長さから、ジョブB、ジョブC、及びジョブA2の印刷に使用された部分を除いた長さのうち、第2搬送終了地点T8と第2印刷終了地点T7とにより定まる長さとして表すようにしてもよい。つまり、ジョブA2に対応する損紙の量は、損紙L4の長さとして表すようにしてもよい。なお、損紙L3については、例えば、ジョブBとジョブCとの間で案分され、ジョブB及びジョブCの各々に対応する損紙の量が算出される。
【0066】
次に、図6を参照して、ジョブの印刷が他のジョブの割り込み以外で中断された場合の損紙量のUI表示について具体的に説明する。この場合の中断とは、印刷装置30に対するユーザの操作、印刷装置30の消耗品切れ、印刷装置30の用紙切れ、印刷装置30のエラーのいずれか1つによる中断である。また、この中断は、調整印刷による中断であってもよい。ここでいう調整印刷とは、印刷装置30の調整又は印刷装置30の動作を制御する印刷制御装置20の調整を行うための印刷を意味する。この調整印刷では、例えば、CMYKの各色を含むテストパターン等が印刷される。以下では、この中断を、ユーザの操作等による中断として説明する。
【0067】
図6は、本実施形態に係る損紙量のUI表示の別の例を示す図である。
【0068】
(S21)では、連続紙Pに対してジョブAを印刷中にユーザの操作等があると、図5の例と同様に、ジョブAの印刷が中断される。ジョブAの印刷が中断された場合、連続紙Pの搬送が一旦停止する。第1部分を表すジョブA1に対応する損紙の量は、第1搬送開始地点T11と第1搬送終了地点T14とにより定まる長さから、ジョブA1の印刷に使用された部分を除いた長さとして表される。
【0069】
なお、第1搬送開始地点T11は連続紙Pの搬送を開始した地点であり、第1搬送終了地点T14は連続紙Pの搬送を終了した地点である。ジョブA1の印刷に使用された部分の長さは、第1印刷開始地点T12と第1印刷終了地点T13とにより定まる。第1印刷開始地点T12はジョブA1の印刷を開始した地点であり、第1印刷終了地点T13はジョブA1の印刷を終了した地点である。これらの第1搬送開始地点T11、第1搬送終了地点T14、第1印刷開始地点T12、及び第1印刷終了地点T13は、用紙カウンタ31を用いて計測される。
【0070】
すなわち、ジョブA1に対応する損紙の量は、損紙L1の長さ及び損紙L2の長さを合計した長さとされる。損紙L1はジョブA1の印刷前に発生する損紙であり、損紙L2はジョブA1の印刷後に発生する損紙である。図6の例では、用紙カウンタ31を用いて、損紙L1の長さと損紙L2の長さとの合計がw(m)として算出される。
【0071】
(S22)では、連続紙Pに対してジョブAの印刷が再開され、残りのジョブA2が印刷される。ジョブA2は、ジョブAの中断後の部分を表す。つまり、ジョブAは、ユーザ操作等により、ジョブA1とジョブA2とに分割される。第2部分を表すジョブA2に対応する損紙の量は、第2搬送開始地点T15と第2搬送終了地点T18とにより定まる長さから、ジョブA2の印刷に使用された部分を除いた長さとして表される。
【0072】
なお、第2搬送開始地点T15は連続紙Pの搬送を再開した地点であり、第2搬送終了地点T18は連続紙Pの搬送を終了した地点である。ジョブA2の印刷に使用された部分の長さは、第2印刷開始地点T16と第2印刷終了地点T17とにより定まる。第2印刷開始地点T16はジョブA2の印刷を開始した地点であり、第2印刷終了地点T17はジョブA2の印刷を終了した地点である。これらの第2搬送開始地点T15、第2搬送終了地点T18、第2印刷開始地点T16、及び第2印刷終了地点T17は、用紙カウンタ31を用いて計測される。
【0073】
すなわち、ジョブA2に対応する損紙の量は、損紙L3の長さ及び損紙L4の長さを合計した長さとされる。損紙L3はジョブA2の印刷前に発生する損紙であり、損紙L4はジョブA2の印刷後に発生する損紙である。図6の例では、ジョブA2の損紙の量はz(m)と算出される。
【0074】
図6のUI表示63には、ジョブA1についての損紙の量が表示され、UI表示64には、ジョブAについての損紙の量が表示される。ここで、ジョブAの損紙の量については、ジョブA1の損紙の量であるw(m)と、ジョブA2の損紙の量であるz(m)とを合計した長さが表示される。これにより、ジョブ単位で発生する損紙の量が一見して把握される。
【0075】
次に、図7を参照して、第1の実施形態に係る印刷管理装置10の作用を説明する。
【0076】
図7は、第1の実施形態に係る印刷管理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0077】
まず、印刷管理装置10に対して、ジョブ毎に損紙の量を出力することが指示されると、印刷管理プログラム15Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0078】
図7のステップ100では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ジョブ投入を行う。ここで、投入されたジョブは、一例として、図8に示すジョブ管理画面により管理される。
【0079】
図8は、本実施形態に係るジョブ管理画面の一例を示す正面図である。
【0080】
図8に示すジョブ管理画面では、ジョブ投入部11Aにより投入されたジョブが登録され、ジョブの完了までその状態が管理される。
【0081】
ステップ101では、ジョブ投入部11Aが、ジョブ管理部11Cに対して、ステップ100で投入されたジョブの印刷指示を通知する。
【0082】
ステップ102では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bを介して、印刷装置30の印刷が中断されたか否かを判定する。印刷が中断されたと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ103に移行し、印刷が中断されないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ110に移行する。
【0083】
ステップ103では、ジョブ管理部11Cが、一例として、上述の図5又は図6を参照して説明したように、ジョブの中断前の第1部分についての損紙の量を算出する。第1部分の損紙の量は、例えば、w(m)と算出される。
【0084】
ステップ104では、ジョブ管理部11Cが、一例として、上述の図5のUI表示61又は図6のUI表示63に示すように、ステップ103で算出した第1部分についての損紙の量を例えば表示部16に出力する。
【0085】
ステップ105では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bを介して、印刷装置30の印刷が再開したか否かを判定する。印刷が再開したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ106に移行し、印刷が再開していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ105で待機となる。
【0086】
ステップ106では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bを介して、印刷装置30の印刷が完了したか否かを判定する。印刷が完了したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ107に移行し、印刷が完了していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ106で待機となる。
【0087】
ステップ107では、ジョブ管理部11Cが、一例として、上述の図5又は図6を参照して説明したように、ジョブの中断後の第2部分についての損紙の量を算出する。第2部分の損紙の量は、例えば、z(m)と算出される。
【0088】
ステップ108では、ジョブ管理部11Cが、ステップ103で算出した第1部分の損紙の量と、ステップ107で算出した第2部分の損紙の量とを合計する。合計した損紙の量は、例えば、w+z(m)と表される。
【0089】
ステップ109では、ジョブ管理部11Cが、一例として、上述の図5のUI表示62又は図6のUI表示64に示すように、ステップ108で合計した損紙の量を例えば表示部16に出力し、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0090】
一方、ステップ110では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bを介して、印刷装置30の印刷が完了したか否かを判定する。印刷が完了したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ111に移行し、印刷が完了していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ102に戻り処理を繰り返す。
【0091】
ステップ111では、ジョブ管理部11Cが、ジョブの印刷の前後で発生する損紙の量を算出し、ステップ109に移行する。
【0092】
このように本実施形態によれば、連続紙に対するジョブの印刷が中断された場合であっても、ジョブ単位で発生する損紙の量を一見して把握される。
【0093】
[第2の実施形態]
本実施形態では、ジョブの印刷が中断され当該ジョブが複数の部分に分割された場合に、ホスト装置が管理するホスト情報を用いて、分割された複数の部分を対応付ける形態について説明する。
【0094】
本実施形態においても、上記第1の実施形態で説明した印刷管理装置10の装置構成が適用される。本実施形態に係るジョブ管理部11Cは、ホスト装置50が管理するジョブの識別情報と、ジョブを分割して得られた第1部分及び第2部分の各々が有する識別情報とが一致する場合に、第1部分と第2部分とを対応付ける。このジョブ対応付け処理について、図9を参照して具体的に説明する。
【0095】
図9は、本実施形態に係るジョブ対応付け処理の説明に供する図である。
【0096】
図9に示すように、ホスト装置50は、ホスト情報を管理する。ホスト情報は、ジョブA及びジョブBの各々についての識別ID(Identification)を含んでいる。識別IDは、識別情報の一例である。ホスト装置50は、1つのジョブが割り込み等により分割された場合でも、当該ジョブの各部分に対して同一の識別IDを割り当てて管理する。図9の例では、ジョブAがジョブBの割り込み等によりジョブA1(第1部分)とジョブA2(第2部分)とに分割された場合に、ジョブA1及びジョブA2の各々に対して「ホストジョブA」という同一の識別IDが割り当てられる。なお、ジョブBに対しては、「ホストジョブB」という識別IDが割り当てられる。
【0097】
一方、印刷制御装置20では、ジョブA1及びジョブA2の各々が別々のジョブとして制御される。このとき、ジョブA1及びジョブA2の各々が有する識別IDと、ホスト装置50が管理するジョブの識別IDとが一致する場合、ジョブA1とジョブA2とが対応付けられる。
【0098】
次に、図10を参照して、第2の実施形態に係る印刷管理装置10の作用を説明する。
【0099】
図10は、第2の実施形態に係る印刷管理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0100】
図10のステップ120では、ジョブ管理部11Cが、装置制御部11Bを介して、一例として、上述の図9に示すジョブA1及びジョブA2の各々が有する識別IDを取得する。
【0101】
ステップ121では、ジョブ管理部11Cが、ステップ120で取得した、ジョブA1及びジョブA2の各々が有する識別IDに基づいて、ホスト装置50が管理するホスト情報を参照する。
【0102】
ステップ122では、ジョブ管理部11Cが、ジョブA1及びジョブA2の各々が有する識別IDと、ホスト情報に含まれるジョブの識別IDとが一致するか否かを判定する。識別IDが一致すると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ123に移行し、識別IDが一致しないと判定した場合(否定判定の場合)、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0103】
ステップ123では、ジョブ管理部11Cが、ジョブA1とジョブA2との対応付けを行い、本印刷管理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0104】
このように本実施形態によれば、1つのジョブが印刷の中断により複数の部分に分割された場合でも、これら複数の部分が対応付けされる。このため、ジョブ単位で損紙の量を管理することが可能とされる。
【0105】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0106】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0107】
以上、実施形態に係る印刷管理装置を例示して説明した。実施形態は、印刷管理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体の形態としてもよい。
【0108】
その他、上記実施形態で説明した印刷管理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0109】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0110】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0111】
10 印刷管理装置
11 CPU
11A ジョブ投入部
11B 装置制御部
11C ジョブ管理部
12 ROM
13 RAM
14 I/O
15 記憶部
15A 印刷管理プログラム
16 表示部
17 操作部
18 通信部
20 印刷制御装置
30 印刷装置
31 用紙カウンタ
40 後加工装置
50 ホスト装置
90 印刷管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10