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特許7463798撮影管理装置、生体認証システム、撮影管理方法および撮影管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】撮影管理装置、生体認証システム、撮影管理方法および撮影管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/16 20220101AFI20240402BHJP
【FI】
G06V40/16 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020055562
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2021157377
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】高畠 真彩
【審査官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-183734(JP,A)
【文献】特開2009-009231(JP,A)
【文献】特開2019-029969(JP,A)
【文献】特開2005-107587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/16
A61B 5/1171
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる高さに設置された、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影するための複数のカメラと、
前記複数のカメラにより撮影される前記認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択する選択部と
前記生体認証に適用可能な画像のデータを格納する顔画像記憶部と、
前記生体認証に適用可能な画像および予め登録された顧客の顔画像の特徴データを用いた前記生体認証を実行する生体認証部と、
前記店舗のドアを開錠する開錠部と、
を備え
前記開錠部は、前記顧客の顔画像の特徴データが未登録の顧客の、前記生体認証に適用可能な画像を前記顔画像記憶部に格納することを条件として、前記ドアを開錠する撮影管理装置。
【請求項2】
前記複数のカメラは第1カメラおよび第2カメラを備え、
前記選択部は、前記第1カメラにて撮影された前記認証画像が前記生体認証に適用不可能である場合、前記第2カメラに前記認証画像の撮影を依頼する請求項1に記載の撮影管理装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記複数のカメラにより撮影された複数の前記認証画像のうちから、前記生体認証に適用可能な画像を選択する請求項1に記載の撮影管理装置。
【請求項4】
前記複数のカメラの各々に対応する高さに設置される、顧客を検出するための複数のセンサを更に備える請求項1に記載の撮影管理装置。
【請求項5】
前記選択部は、前記複数のセンサのうち、前記顧客の頭部を検出するセンサに対応するカメラによって撮影された前記認証画像を選択する
請求項4に記載の撮影管理装置。
【請求項6】
前記認証画像は、顔画像であり、
前記生体認証は、顔認証である請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の撮影管理装置。
【請求項7】
前記複数のカメラのうち、一つ以上のカメラの撮像方向は、少なくとも上下方向に回転可能であり、
前記顧客の前記頭部を検出したセンサの位置に向けるよう、前記一つ以上のカメラの撮像方向を調整する請求項4に記載の撮影管理装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の撮影管理装置と、
前記撮影管理装置が撮影する、顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を用いて店舗に入店する前記顧客の生体認証を実行する生体認証装置とを備え
前記生体認証部は、前記生体認証装置に生体認証の依頼を送信し、前記生体認証装置から生体認証の結果を受信する生体認証システム。
【請求項9】
異なる高さから、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影し、
撮影される前記認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択し、
前記生体認証に適用可能な画像および予め登録された顧客の顔画像の特徴データを用いた前記生体認証を実行し、
前記顧客の顔画像の特徴データが未登録の顧客の、前記生体認証に適用可能な画像のデータを顔画像記憶部に格納することを条件として、前記店舗のドアを開錠する撮影管理方法。
【請求項10】
異なる高さから、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影し、
撮影される前記認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択し、
前記生体認証に適用可能な画像および予め登録された顧客の顔画像の特徴データを用いた前記生体認証を実行し、
前記顧客の顔画像の特徴データが未登録の顧客の、前記生体認証に適用可能な画像のデータを顔画像記憶部に格納することを条件として、前記店舗のドアを開錠することをコンピュータに実現させるための撮影管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客の顔画像を撮影する撮影管理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
人手不足に伴い無人店舗や省人店舗の設置が増加している。このような無人店舗等において店舗内部へ入店する時に、顧客の生体データ、例えば顔データや虹彩データを用いて生体認証を実行し、生体認証成功の確認後に入店を許可するシステムがある。特許文献1は、店舗内に入店する権限を有する人物の顔データを予め登録し、入店時にある人物から取得する顔データと登録される顔データとが一致する場合に当該人物の入店を許可する技術を開示する。特許文献2は顧客の顔画像を撮影時に、顧客と撮影カメラとの距離に応じてカメラを切り替える技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-9231号公報
【文献】特開2019-29969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顧客の顔画像を的確に撮影する場合には、顧客毎の身長を考慮する必要がある。顧客を所定の位置に立たせて撮影する場合、顔(頭部)の高さは顧客の身長によって異なる。しかしながら特許文献1および特許文献2では、顧客毎の身長を考慮して顔画像を撮影していない。このため、特に顧客を所定の位置に立たせて撮影する場合、顧客は顔画像の撮影位置に顔を合わせるために、背伸びをする、体をかがめる、または、ひざを折って顔の高さを調整する等の身体的負担を強いられている。
【0005】
本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、生体認証時に、顧客にとって身体的負担なく生体画像を撮影することができる撮影管理装置等を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を鑑みて、本開示の第1の観点である撮影管理装置は、
異なる高さに設置された、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影するための複数のカメラと、
前記複数のカメラにより撮影される前記認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択する選択部と
を備える。
【0007】
本開示の第2の観点である生体認証システムは、
上記に記載の撮影管理装置と、
前記撮影管理装置が撮影する、顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を用いて店舗に入店する前記顧客の生体認証を実行する生体認証装置
とを備える。
【0008】
本開示の第3の観点である撮影管理方法は、
異なる高さから、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影し、
撮影される前記認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択する。
【0009】
本開示の第4の観点である撮影管理プログラムは、
異なる高さから、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影し、
撮影される前記認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択する
ことをコンピュータに実現させる。
【0010】
撮影管理プログラムは、コンピュータが読み書き可能な非一時的な記録媒体に格納されていても良い。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、生体認証時に、顧客にとって身体的負担なく生体画像を撮影することができる撮影管理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の第1実施形態に係る撮影管理システムの構成例を示すブロック図である。
図2】撮影管理システムの動作例を示す模式図である。
図3】本開示の第1実施形態に係る撮影管理装置の構成例を示すブロック図である。
図4】本開示の第1実施形態に係る撮影管理装置の動作例を示すフローチャートである。
図5】本開示の第2実施形態に係る撮影管理システムの構成例を示すブロック図である。
図6】カメラとセンサとの対応関係を示す例図である。
図7】本開示の第2実施形態に係る撮影管理装置の動作例を示すフローチャートである。
図8】回動機構を備えたカメラの一例を示す図である。
図9】本開示の第3実施形態に係る撮影管理装置の構成例を示すブロック図である。
図10】各実施形態において適用可能なコンピュータ装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
小売業においては、業務効率化や小規模商圏への展開を目的に、例えばコンピュータシステムにより、購入商品の登録、精算をはじめ、接客支援、店内監視、納品管理、設備管理等に関する従業員の作業を低減し、常駐する従業員の数を削減あるいはゼロにした、省人型あるいは無人型の店舗(以下、これらをまとめて省人型店舗と記載する)の導入が進められている。
【0014】
一般に、省人型店舗は、通常店舗より規模が小さく、売り場面積が限られている。これらの省人型店舗は、市街地や郊外の公道沿いに設置される通常店舗と異なり、例えば、オフィスビルや工場、駅の構内、ホテル、集合住宅等の特定の場所にも設置されることがある。例えば、オフィスなどの一般的な店舗以外の場所の一角に商品棚を設置する店舗(例えばいわゆるマイクロ店舗)も省人型店舗に含めてよい。通常店舗において店員が店に不在する間、一時的に省人型店舗とする形態も省人型店舗に含めてもよい。
【0015】
このような省人型店舗においてセキュリティを担保するために、入店時に顧客の生体認証を実行して顧客の身元を判明させ、犯罪の発生を抑止するシステムが開発されている。このようなシステムにおいては、入店時に顧客の生体画像(例えば、顔画像や虹彩画像)を撮影するが、顧客を所定の位置に立たせて固定カメラで撮影する場合、顧客は固定カメラの位置まで背伸びをする、体をかがめる、または、ひざを折って顔の高さを調整する等の身体的負担を強いられることがあった。よって、以下においては、顧客の身長を考慮して、顧客に身体的負担を伴わせることなく生体画像の撮影ができる撮影管理装置等について各実施形態において説明する。
【0016】
各実施形態においては、生体認証の一例として、顔認証を採用する場合について説明するが、その他の認証手法、例えば虹彩認証を用いても実現可能である。
【0017】
以下、各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は本発明の実施形態における構成を概略的に表している。更に以下に記載される本発明の実施形態は一例であり、その本質を同一とする範囲において適宜変更可能である。
【0018】
<第1実施形態>
(撮影管理システム)
以下、本開示の第1実施形態による撮影管理システム100について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は撮影管理システム100の概略構成を示す図である。図1で示すように撮影管理システム100は、撮影管理装置1および顔認証装置2を備える。撮影管理装置1と顔認証装置2との間は有線または無線の通信回線を介して、互いに通信可能に接続されている。当該通信にはインターネットやイントラネット等の通信回線を含めてもよい。なお、撮影管理装置1の内部に顔認証装置2を備えさせてもよい。
【0020】
撮影管理装置1は、店舗に入る顧客の顔画像を撮影し、当該顔画像を用いた顔認証を行うことで入店を管理する装置である。撮影管理装置1は、カメラ11a、11bおよび出力部12を備える。
【0021】
カメラ11a、11bは顧客の顔画像を撮影するための装置である。図1においてカメラは2台であるが、台数はこれに限られない。本実施形態では、説明の便宜上、カメラが2台であるとして説明する。カメラ11a、11bは各々異なる高さに設置される。カメラ11a、11bの地上からの距離(高さ)は顧客の身長に対応付けられる。例えば、低位置のカメラ11bは、身長150cmから身長165cmの顧客の頭部を撮影可能に配置され、高位置のカメラ11aは、身長165cmから身長180cmの顧客の頭部を撮影可能に配置される。もちろん、身長180cmを超える人を撮影するカメラが配置されてもよい。
【0022】
出力部12はモニタ、ディスプレイなどの出力装置である。出力部12はタッチパネルなどの入出力装置であってもよい。
【0023】
顔認証装置2は、撮影管理装置1が撮影する、顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証に適用可能な画像を用いて、店舗に入店する顧客の生体認証(顔認証)を実行する。顧客の頭部の少なくとも一部とは、例えば、顔の画像である。顔の画像は、正面向きの画像、斜め向きの画像、横向きの画像を含めてもよい。尚、虹彩認証の場合は目(虹彩)の画像となる。顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証に適用可能な画像とは、顔認証を行う際に、マスタ画像と照合し認証判定することができるレベルの顔画像である。尚、虹彩認証の場合は、虹彩認証に適用可能な画像とは、虹彩認証を行う際に、マスタ画像と照合し認証判定することができるレベルの顔画像である。認証判定することができるレベルの画像とは、例えば、被写体の顔部が切れずに画像の中央近辺に適切に写りこむ画像であり、更には、撮影時の環境光における画面の輝度値や露出量が適切な範囲内である画像である。尚、以下においては、生体認証の一例として、顔認証を採用する場合について説明する。
【0024】
顔認証装置2は、撮影管理装置1において撮影された顧客の顔画像を受け取り、当該顔画像を用いて、顔認証を行う。顔認証装置2は、顔認証記憶部3を備えており、顔認証記憶部3には、予め取得された顧客の顔画像の特徴データが、顧客を特定する情報(顧客ID(Identifier)や顧客氏名など)に紐づけられて格納されている。顔認証装置2は、カメラ11a、11bで撮影された顧客の顔画像と共に撮影管理装置1から顔認証の依頼を受け、当該顧客の顔画像から抽出される特徴データと、顔認証記憶部3に格納される特徴データとが一致するか判断する。なお、所定の一致率(例えば97%)以上であれば、両データは一致する、即ち認証成功と判断してよい。顔認証装置2は、判断結果を撮影管理装置1に送信する。顔認証装置2は、判断結果が認証成功の場合、認証成功の旨と共に、当該顧客を特定する情報を撮影管理装置1に送信してもよい。
【0025】
撮影管理システム100の動作について図2を用いて説明する。まず、顧客が店舗に入るために撮影管理装置1に近づく(図2(a)参照)。顧客が撮影管理装置1の撮影エリアに入ると、撮影管理装置1はカメラ11a、11bに撮影エリアの顧客の顔画像を撮影させる(図2(b)参照)。このとき撮影管理装置1は、カメラ11a、11bに同時に撮影を行わせて、顔画像が適切に撮影された方を選択してもよい。または撮影管理装置1は、カメラ11aの撮影した顔画像が適切に撮影されなかった場合にカメラ11bに撮影を行わせてもよい。尚、カメラの撮影順序は逆でもよい。即ち先にカメラ11bに撮影させ、次にカメラ11aに撮影させてもよい。撮影管理装置1は、適切に撮影された顔画像を内部の記憶部に格納し、更に、顔認証装置2に送信する。
【0026】
顔認証装置2は、受信する顔画像が顔認証記憶部3に格納される顔画像と一致する場合、認証成功の旨を撮影管理装置1に通知する。認証成功が通知されると、撮影管理装置1は、店舗へ入るためのドア4を開錠する(図2(c)参照)。
【0027】
なお、撮影管理装置1は、顔認証装置2から認証成功が通知されない場合であっても、ドア4を開錠してもよい。撮影管理装置1は、入店を希望する未登録の顧客の顔画像を格納することにより、一時的に入店を認める、即ちドア4を開錠してもよい。これは顧客の利便性のためである(例えば、店舗内の品揃えを確認したい顧客のため)。撮影管理装置1は、未登録の顧客に対し、入店前に登録を要請する通知を出力部12に出力すると共に、撮影された顧客の顔画像を出力部12に表示することが好ましい。これは、顧客の顔画像が登録済みであることを当該未登録の顧客に知らせることで、窃盗等の犯罪を抑止させるためである。更には、犯罪が発生した場合でも当該顧客の身体的特徴の確認を容易に行えるようにするためである。
以下、撮影管理装置1について詳細に説明する。
【0028】
(撮影管理装置)
撮影管理装置1は、図3に示すように、カメラ11a、11b、出力部12、入力部13、撮影制御部14、入出力制御部15、選択部16、顔画像記憶部17、顔認証部18および開錠部19を備える。
【0029】
カメラ11a、11bは、異なる高さに設置された、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影する。カメラ11a、11bは、撮影管理装置1の撮影エリアにいる顧客の顔画像を撮影する。カメラ11a、11bは、顧客の顔が顔画像の撮影に適切な位置(例えば、画像の中央)に存在することをトリガとして自動で撮影を実行してもよい。カメラ11a、11bは、顧客からの撮影開始の指示を後述する入力部13を介して受け付けたときに、撮影を実行してもよい。
【0030】
カメラ11a、11bは、図1に示すように、撮影管理装置1の外面において、異なる高さに設置される。これは顧客の身長差に対応させるためであり、低身長や高身長の顧客に対応するために設置するカメラの台数をさらに増やしてもよい。カメラ11a、11bは同時に撮影を行ってもよいし、別々のタイミングで撮影を行ってもよい。
【0031】
出力部12は、カメラ11a、11bが撮影した顧客の顔画像や、顧客に対する指示を出力するための装置であり、例えばディスプレイ、モニタである。
【0032】
入力部13は、顧客からの指示を受け付けるための装置であり、例えば撮影開始ボタン、顔画像選択ボタンである。なお、出力部12および入力部13は一体型の装置、例えばタッチパネル装置であってもよい。
【0033】
撮影制御部14は、カメラ11a、11bの撮影を制御する。例えば、カメラ11a、11bを同時に撮影させたり、カメラ11a、11bを別々に撮影させたりする。撮影制御部14は、カメラ11a、11bが撮影した顔画像のデータを選択部16に送信する。
【0034】
入出力制御部15は、入力部13および出力部12の制御を行う。例えば、入力部13から顧客の指示を受け付けたり、出力部12にカメラ11a、11bが撮影した顔画像のデータを出力したりする。
【0035】
選択部16は、複数のカメラ11a、11bにより撮影される認証画像のうちから、生体認証(顔認証)に適用可能な画像を選択する。選択部16は、カメラ11b(第1カメラとも称呼する)にて撮影された認証画像が生体認証に適用不可能である場合、カメラ11a(第2カメラとも称呼する)に認証画像の撮影を依頼してもよい。選択部16は、カメラ11a、11bにより撮影された複数の認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択してもよい。選択部16は、画像の中心近辺に顧客の顔が適切に写っているものを、顔認証に適用可能な画像として選択する。選択部16は、例えば、顧客の顔の一部が欠損している画像は顔認証に適用可能な画像として選択しない。尚、画像のどこに顔部および背景が写っているかの判断は、サポートベクトルマシン等の画像認識処理技術を用いて行うことができる。例えば、画像の縁に顔部がある場合、顔の一部が欠損していると判断できる。
【0036】
選択部16は、この他の条件、例えば露出の値(レンズの絞り値、シャッタースピード)や撮影された画像の輝度値を含めて、顔認証に適用可能な画像か否かを判断してもよい。
【0037】
選択部16は、選択された顔画像のデータ(以下、顔画像データと記載する)を顔画像記憶部17に格納する。選択部16は、顧客の確認のために、選択された顔画像データを、入出力制御部15を介し出力部12にさせてもよい。なお、選択部16は、選択しなかった画像を削除する。
【0038】
顔画像記憶部17は、選択部16が選択した顔画像データを格納する。顔画像記憶部17は所定の間隔(例えば一か月)毎に、格納する顔画像データを消去してもよい。
【0039】
顔認証部18は、顔画像記憶部17に格納される顔画像データを取得し、当該顔画像データと共に顔認証装置2に顔認証の依頼を送信する。顔認証部18は、顔認証装置2から顔認証の結果(認証成功または認証失敗)を受信する。顔認証部18は、当該顔認証の結果が認証成功であった場合に、開錠部19へ開錠の指示を通知する。
【0040】
開錠部19は、顔認証部18から開錠の指示を受け取ると、ドア4を開錠する。
【0041】
なお、開錠部19は、入店を希望する未登録の顧客の顔画像を顔画像記憶部17に格納することを条件として、顧客の利便性のために一時的に入店を認める、即ちドア4を開錠するように設定されていてもよい。このとき入出力制御部15は、未登録の顧客に対し、入店前における顔画像の撮影の要請、および、顔認証の本登録の要請を示す情報を出力部12に出力する。入店前における顔画像の撮影後、入出力制御部15は、撮影された顧客の顔画像を出力部12に表示することが好ましい。これは、顧客の顔画像が登録済みであることを当該未登録の顧客に知らせることで、窃盗等の犯罪を抑止させるためである。更には、犯罪が発生した場合でも当該顧客の身体的特徴の確認を容易に行えるようにするためである。
【0042】
(撮影管理装置の動作)
撮影管理装置1の動作について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0043】
ステップS101において、撮影管理装置1の撮影制御部14は、カメラ11a、11bの撮影エリアに顧客が映り込んだことを検知する、または、入力部13の撮影開始ボタンが撮影エリアにいる顧客に押下されたことを検知すると、処理はステップS102へ進められる。
【0044】
ステップS102において、撮影制御部14は、カメラ11a、11bに撮影エリアにいる顧客の顔画像を撮影させる。カメラ11a、11bは同時に撮影を行ってもよいし、片方が撮影を行ってもよい。撮影された顔画像は選択部16に引き渡される。
【0045】
ステップS103において、選択部16は、撮影された顔画像が顔認証に適用可能かを判断する。顔認証に適用可能と判断されると処理はステップS104へ進められる。この際、顔認証に適用可能と判断された顔画像データは顔画像記憶部17に格納される。選択部16は、当該顔画像データを顔画像記憶部17に格納したこと、即ち、顔認証依頼の通知を顔認証部18に送信する。当該通知には当該顔画像データを識別するための識別子などが含まれていてもよい。
【0046】
一方で、選択部16が顔認証に適用不可能と判断すると、撮影制御部14は再撮影の準備を行う(ステップS107)。再撮影の準備において、撮影制御部14は、カメラ11a、11bが別のタイミングで撮影するように制御してあり、かつ、カメラ11aが撮影した画像が顧客の顔画像の一部が切れている(欠損している)等の理由で選択部16に選択されなかった場合、次の撮影を別のカメラ11bにて行わせる。撮影制御部14は、再撮影の準備において、露出の値を調整してもよい。再撮影の準備が完了すると、処理はステップS102へ戻される。
【0047】
ステップS104において、顔認証部18は顔認証を実行する。具体的に、顔認証部18は、顔認証依頼の通知を受けると、顔画像記憶部17から顔画像データを取得し、当該取得した顔画像データと共に、顔認証依頼の通知を顔認証装置2に送信する。
【0048】
ステップS105において、顔認証部18は、顔認証装置2から認証の結果を受信すると、当該認証の結果が認証成功か認証失敗かを判定する。認証成功であった場合に、顔認証部18は開錠部19へ開錠の指示を通知する。
【0049】
ステップS106において、開錠部19は、顔認証部18から開錠の指示を受けると、店舗入口のドア4を開錠する。
【0050】
以上で、撮影管理装置1の動作を終了する。
【0051】
(第1実施形態の効果)
本開示の第1実施形態によると、生体認証のために、顧客にとって身体的負担なく生体画像を撮影することができる。その理由は、異なる高さに設置された複数のカメラ11a、11bが、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影し、選択部16が、複数のカメラ11a、11bにより撮影される認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択するからである。
【0052】
<第2実施形態>
(撮影管理システム)
本開示の第1実施形態において、カメラ11a、11bが別々に撮影する場合、例えば、低位置のカメラ11bで先に撮影された顧客の画像が顔認証に適用不可能であった場合に高位置のカメラ11aで再撮影を行う。しかしながら高身長の顧客の入店が多い場合、この手法では手順が煩雑となる。また、カメラ11a、11bにて画像を同時に撮影する場合においても、いずれの画像が顔の特徴に関する情報をより多く含む可能性が高いかが分かれば、より可能性の高い画像から顔認証に適用可能か否かの判断を行うことができる。よって、第2の実施形態においては、顧客のおおまかな身長をセンサで測定し、測定結果を補助情報として用いて、低位置のカメラ11bまたは高位置のカメラ11aのいずれに先に撮影させるか決定できる、または、カメラ11a、11bのいずれが撮影した画像から先に顔認証に適用可能か否かを判断することができる撮影管理システムについて説明する。
【0053】
第2の実施形態に係る撮影管理システム200を図5に示す。撮影管理システム200は撮影管理装置10および顔認証装置2を備える。なお、顧客から見える装置等や顧客が行う動作(図1図2参照)は第1の実施形態と同様である。
【0054】
(撮影管理装置)
第2の実施形態に係る撮影管理装置10は、図5に示すように、カメラ11a、11b、出力部12、入力部13、撮影制御部14、入出力制御部15、顔画像記憶部17、顔認証部18、開錠部19、センサ21a、21b、センサ制御部22および選択部23を備える。
【0055】
センサ21a、21bは、カメラ11a、11bの各々に対応する高さに設置され、顧客を検出する。センサ21a、21bは、図5に示すように、対応するカメラ11a、11bの近辺に配置される。センサ21a、21bは、撮影エリアにおける人物の存在を検知するものであり、例えば、超音波センサ、マイクロフォトセンサである。
【0056】
センサ制御部22は、センサ21a、21bの制御を行う。センサ制御部22は、センサ21a、21bから検知結果(人物の有無の判定結果)を受けると、当該検知結果を選択部23に送信する。
【0057】
選択部23は、センサ21a、21bのうち、顧客の頭部を検出するセンサに対応するカメラが適切な認証画像を撮影している可能性が高いと判断する。よって選択部23は、複数のセンサ21a、21bのうち、顧客の頭部を検出するセンサに対応するカメラによって撮影された認証画像を選択する。選択部23は、顧客を検出した一つ以上のセンサ21a、21bのうち最も高い位置のセンサが顧客の頭部を検出すると判断する。
【0058】
センサ21a、21bとカメラ11a、11bとの関係について図6を参照して説明する。図5に示すように、低位置のカメラ11bとセンサ21bが対応し、高位置のカメラ11aとセンサ21aが対応しているとする。カメラ11bは、例えば身長150cmから身長165cmまでの顧客の頭部を、カメラ11aは、例えば身長165cmから身長180cmまでの顧客の頭部を撮影可能に配置されているとする。ここで、身長180cmの顧客が撮影エリアに存在する場合、センサ21a、21bの両方から人物反応ありの検知結果が出力される。センサ制御部22を介して当該検知結果を得た選択部23は、センサ21a、21bのうちより高い位置にあるセンサ21aが顧客の頭部を検出していると判断し、センサ21aに対応するカメラ11aが撮影する画像を認証画像に選択する。いいかえると、センサ21aに対応するカメラ11aが、認証画像を適切に撮影できる可能性が高いカメラであると判断する。一方で、身長160cmの顧客が撮影エリアに存在する場合、センサ21bのみから人物反応ありの検知結果が出力される。センサ制御部22を介して当該検知結果を得た選択部23は、センサ21bが顧客の頭部を検出していると判断し、センサ21bに対応するカメラ11bが撮影する画像を認証画像に選択する。いいかえると、センサ21bに対応するカメラ11bが、認証画像を適切に撮影できる可能性が高いカメラであると判断する。
【0059】
その他の構成は第1の実施形態(図3参照)と同様である。
【0060】
(撮影管理装置の動作)
撮影管理装置10の動作について、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0061】
ステップS201において、撮影管理装置10のセンサ21a、21bは撮影エリアにおけるセンシングを実行する。
【0062】
ステップS202において、センサ21a、21bが撮影エリアにおける人物存在を検知すると、処理はステップS203へ進められる。尚、センサ制御部22は、センサ21a、21bによる検知結果を選択部23に送信する。
【0063】
ステップS203において、センサ制御部22から検知結果を受けた選択部23は、顧客を検出した一つ以上のセンサ21a、21bのうち、最も高い位置にあるセンサがどれかを判断する。選択部23は、カメラ11a、11bの片方が撮影を行う場合、最も高い位置にあるセンサに対応するカメラから先に撮影を行うように撮影制御部14に通知をする。
【0064】
ステップS204において、撮影制御部14は、カメラ11a、11bに撮影エリアにいる顧客の顔画像を撮影させる。カメラ11a、11bは同時に撮影を行ってもよいし、片方が撮影を行ってもよい。尚、片方が撮影を行う場合で、選択部23から撮影制御部14がカメラ11aから先に撮影するよう通知されている場合、撮影制御部14はカメラ11aから撮影を行わせる。
【0065】
双方のカメラ11a、11bに撮影された顔画像、または、カメラ11aに撮影された顔画像は撮影制御部14を介して選択部23に引き渡される。
【0066】
ステップS205において、選択部23は、顧客の頭部を検出していると判断されたセンサに対応するカメラが撮影する画像を認証画像として選択する。例えば片方のカメラで撮影する場合は、ステップS203において、選択部23が最も高い位置にあると判断したセンサに対応するカメラ11aが撮影した画像を認証画像として選択する。
【0067】
この他、カメラ11a、11bが同時に撮影を行い、ステップS203において選択部23が最も高い位置にあると判断したセンサに対応するのがカメラ11aの場合、選択部23は、カメラ11aが撮影する画像から以下のステップS206(顔認証に適用可能かの判断)を行ってもよい。
【0068】
ステップS206において、選択部23は、撮影された認証画像が顔認証に適用可能かを判断する。選択部23は、画像の中心近辺に顧客の顔が適切に写っているものを、顔認証に適用可能な画像として選択する。選択部23は、例えば、顧客の顔の一部が欠損している画像は顔認証に適用可能な画像として選択しない。選択部23は、この他の条件、例えば露出の値(レンズの絞り値、シャッタースピード)や撮影された画像の輝度値を含めて、顔認証に適用可能な画像か否かを判断してもよい。顔認証に適用可能と判断されると処理はステップS206へ進められる。この際、顔認証に適用可能と判断された顔画像データは顔画像記憶部17に格納される。選択部16は、当該顔画像データを顔画像記憶部17に格納し、顔認証依頼の通知を顔認証部18に送信する。当該通知には当該顔画像データを識別するための識別子などが含まれていてもよい。
【0069】
一方で、選択部23が顔認証に適用不可能と判断すると、撮影制御部14は再撮影の準備を行う(ステップS210)。再撮影の準備において、撮影制御部14は、カメラ11a、11bが別のタイミングで撮影するように制御してあり、かつ、カメラ11aが撮影した画像が顧客の顔画像の一部が切れている(欠損している)等の理由で選択部23に選択されなかった場合、次の撮影を別のカメラ11bにて行わせる。撮影制御部14は、顔画像が輝度不足である等の理由で選択部23に選択されなかった場合、再撮影の準備において、露出の値を調整してもよい。再撮影の準備が完了すると、処理はステップS204へ戻される。
【0070】
ステップS207~S209の処理は、ステップS104~S106の処理と同様である。
【0071】
以上で、撮影管理装置10の動作を終了する。
【0072】
(変形例)
尚、第2実施形態においてカメラ11a、11bとセンサ21a、21bは2個ずつ使用されているが、その数はこれに限られない。例えば、カメラを垂直かつ等間隔に5つ並べてもよいし、これに対応するセンサを同様に垂直かつ等間隔に5つ並べてもよい。
【0073】
この他、一つのカメラに複数のセンサを対応付けてもよい。例えば、カメラ11aに対応するセンサを垂直かつ等間隔に3つ設置し、カメラ11bに対応するセンサを垂直かつ等間隔に3つ設置してもよい。カメラの数やセンサの数を増やすことにより、より正確に顧客の顔画像を撮影できる。
【0074】
更に、図8に示すように、カメラの撮像方向は、少なくとも上下方向に回転可能であってもよい。この場合カメラは、顧客の頭部を検出したセンサの位置にレンズを向けるよう、回動機構を用いて撮影角度(撮像方向)を調整してもよい。この他、カメラは、左右方向や、斜め上下方向にも移動可能であってもよい。
【0075】
(第2実施形態の効果)
本開示の第2実施形態によると、生体認証のために、顧客にとって身体的負担なく生体画像を撮影することができる。その理由は、異なる高さに設置された複数のカメラ11a、11bが、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影し、選択部23が、複数のカメラ11a、11bにより撮影される認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択するからである。
【0076】
更に、第2実施形態においては、撮影管理装置10が、複数のカメラ11a、11bの各々に対応する高さに設置される、顧客を検出するための複数のセンサ21a、21bを備え、選択部23が、複数のセンサ21a、21bのうち、顧客の頭部を検出するセンサに対応するカメラによって撮影された認証画像を選択する。これにより、どの画像が認証画像として適切である可能性が高いかを判断することができる。これは画像を撮影するカメラ数が多い場合に特に有効である。
【0077】
<第3実施形態>
本開示の第3実施形態に係る撮影管理装置30について図9を参照して説明する。撮影管理装置30は、第1および2実施形態における撮影管理装置1、10の最小構成例である。
【0078】
撮影管理装置30は、カメラ31および選択部32を備える。カメラ31は、異なる高さに設置された複数のカメラを備える。複数のカメラは、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影する。選択部32は、複数のカメラにより撮影される認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択する。
【0079】
本開示の第3実施形態によると、生体認証のために、顧客にとって身体的負担なく生体画像を撮影することができる。その理由は、異なる高さに設置された複数のカメラ31が、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影し、選択部32が、複数のカメラ31により撮影される認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択するからである。
【0080】
(コンピュータ装置)
上述した本発明の各実施形態において、図1、3、5および9等に示す撮影管理装置または顔認証装置(以下、本開示の撮影管理装置等と記載)における各構成要素の一部又は全部は、例えば図10に示すようなコンピュータ(情報処理)装置500とプログラムとの任意の組み合わせを用いて実現することも可能である。コンピュータ装置500は、一例として、以下のような構成を含む。
【0081】
・CPU501
・ROM502
・RAM503
・プログラム504および他のデータを格納する記憶装置505
・記録媒体506の読み書きを行うドライブ装置
・通信ネットワーク509と接続する通信インターフェース508
・データの入出力を行う入出力インターフェース510
・各構成要素を接続するバス511
本開示の撮影管理装置等の各実施形態における各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム504をCPU501が取得して実行することで実現される。本開示の撮影管理装置等の各構成要素の機能を実現するプログラム504は、例えば、予め記憶装置505やRAM503に格納されており、必要に応じてCPU501が読み出す。なお、プログラム504は、通信ネットワーク509を介してCPU501に供給されてもよいし、予め記録媒体506に格納されており、ドライブ装置507が当該プログラムを読み出してCPU501に供給してもよい。
【0082】
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、本開示の撮影管理装置等は、構成要素毎にそれぞれ別個のコンピュータ装置とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、本開示の撮影管理装置等が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータ装置500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0083】
また、本開示の撮影管理装置等の各構成要素の一部又は全部は、その他の汎用または専用の回路、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現される。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。
【0084】
本開示の撮影管理装置等の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0085】
本開示の撮影管理装置等の各構成要素の一部又は全部が複数のコンピュータ装置や回路等により実現される場合には、複数のコンピュータ装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、コンピュータ装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0086】
以上、本実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0087】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
[付記1]
異なる高さに設置された、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影するための複数のカメラと、
前記複数のカメラにより撮影される前記認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択する選択部と
を備える撮影管理装置。
[付記2]
前記複数のカメラは第1カメラおよび第2カメラを備え、
前記選択部は、前記第1カメラにて撮影された前記認証画像が前記生体認証に適用不可能である場合、前記第2カメラに前記認証画像の撮影を依頼する
付記1に記載の撮影管理装置。
[付記3]
前記選択部は、前記複数のカメラにより撮影された複数の前記認証画像のうちから、前記生体認証に適用可能な画像を選択する
付記1に記載の撮影管理装置。
[付記4]
前記複数のカメラの各々に対応する高さに設置される、顧客を検出するための複数のセンサ
を更に備える付記1に記載の撮影管理装置。
[付記5]
前記選択部は、前記複数のセンサのうち、前記顧客の頭部を検出するセンサに対応するカメラによって撮影された前記認証画像を選択する。
付記4に記載の撮影管理装置。
[付記6]
前記認証画像は、顔画像であり、
前記生体認証は、顔認証である
付記1乃至付記5のいずれかに記載の撮影管理装置。
[付記7]
前記複数のカメラのうち、一つ以上のカメラの撮像方向は、少なくとも上下方向に回転可能であり、
前記顧客の前記頭部を検出したセンサの位置に向けるよう、前記一つ以上のカメラの撮像方向を調整する
付記4に記載の撮影管理装置。
[付記8]
付記1乃至付記7のいずれかに記載の撮影管理装置と、
前記撮影管理装置が撮影する、顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を用いて店舗に入店する前記顧客の生体認証を実行する生体認証装置
とを備える生体認証システム。
[付記9]
異なる高さから、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影し、
撮影される前記認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択する
ことを備える撮影管理方法。
[付記10]
異なる高さから、店舗に入店する顧客の頭部の少なくとも一部を含む認証画像を撮影し、
撮影される前記認証画像のうちから、生体認証に適用可能な画像を選択する
ことをコンピュータに実現させるための撮影管理プログラム。
[付記11]
前記選択部は、前記顧客を検出した一つ以上のセンサのうち最も高い位置のセンサが前記顧客の前記頭部を検出すると判断する
付記5に記載の撮影管理装置。
【符号の説明】
【0088】
1 撮影管理装置
2 顔認証装置
3 顔認証記憶部
4 ドア
10 撮影管理装置
11a カメラ
11b カメラ
12 出力部
13 入力部
14 撮影制御部
15 入出力制御部
16 選択部
17 顔画像記憶部
18 顔認証部
19 開錠部
21a センサ
21b センサ
22 センサ制御部
23 選択部
30 撮影管理装置
31 カメラ
32 選択部
100 撮影管理システム
200 撮影管理システム
500 コンピュータ装置
504 プログラム
505 記憶装置
506 記録媒体
507 ドライブ装置
508 通信インターフェース
509 通信ネットワーク
510 入出力インターフェース
511 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10