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  • 特許-車両ドアロック装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】車両ドアロック装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/26 20140101AFI20240402BHJP
   E05B 79/08 20140101ALI20240402BHJP
【FI】
E05B85/26
E05B79/08
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020056828
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2021156001
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(72)【発明者】
【氏名】石河 開
(72)【発明者】
【氏名】泉 翔悟
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-226176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 77/00-85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボディと、
前記ボディに装着されるサブベースプレートと、
前記ボディに回動自在に支持されドアの開閉機構を変位させるリフトレバーと、
前記リフトレバーを所定の回動方向に付勢するポールスプリングと、
を備え、
前記ポールスプリングは、前記ボディと前記サブベースプレートの間に配設され、
前記ボディは前記ポールスプリングと前記サブベースプレートを離間させるように前記ポールスプリングを支持する支持部を有
前記支持部は前記サブベースプレートと前記ポールスプリングの間で前記ポールスプリングの端部と当接する爪部を有し、
前記爪部の前記サブベースプレートと向かうあう面は前記爪部の先端方向に向かうにつれて前記サブベースプレートから離れていく傾斜部を有する、
自動車用ドアロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両ドアロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両ドアロック装置として、ドアに組付けられるボディとサブベースプレートの間に配設されたポールスプリングがポールピンに同軸的に組付けられ、ポールピンの先端にポールスプリングにより付勢されるリフトレバーが組付けられた構成が知られている(特許文献1)。ポールスプリングがポールピンの外周に同軸的にコイル状スプリングとして組付けられることにより、リニアな荷重特性が得られ、ポールを回動する際のフィーリングを良好とし、ポールピンの作動信頼性も良好とすることが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-129809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の車両ドアロック装置の構成では、ポールスプリングとサブベースプレートが当接しているため、サブベースプレートを組み付ける際にはポールスプリングを押し込みながら組み付ける必要があり、組付け時の作業効率が低い。また、組付け不良等によりポールスプリング及びポールスプリングの回転軸となっているポールピンを支持するボディを変形させる恐れがある。
【0005】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、車両ドアロック装置の開閉機構の信頼性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、ボディと、ボディに装着されるサブベースプレートと、ボディに回動自在に支持されドアの開閉機構を変位させるリフトレバーと、リフトレバーを所定の回動方向に付勢するポールスプリングと、を備え、ポールスプリングは、ボディとサブベースプレートの間に配設され、ボディはポールスプリングとサブベースプレートを離間させるようにポールスプリングを支持する支持部を有する、自動車用ドアロック装置である。それにより、ボディに対するサブベースプレートの組付けが容易となる。また、ポールスプリングやドアの開閉機構を変位させるリフトレバーを支持するボディの変形を防ぐことができる。
【0007】
また、支持部はサブベースプレートとポールスプリングの間にポールスプリングの端部と当接する爪部を有してもよい。サブベースプレートとポールスプリングの間に爪部を有することにより、容易にサブベースプレートとポールスプリングの離間が可能となる。それにより、確実にサブベースプレートとポールスプリングを離間させることができる。
【0008】
また、爪部のサブベースプレートと向かうあう面は爪部の先端方向に向かうにつれてサブベースプレートから離れていく傾斜部を有してもよい。サブベースプレートと向かうあう面に傾斜部を有することにより、ポールスプリングのボディへの組付けが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】アクチュエータにかみ合い部が組付けられた車両ドアロック装置の斜視図である。
図2】かみ合い部の分解斜視図である。
図3】車両ドアロック装置の正面図である。
図4】車両ドアロック装置の右側面図である。
図5】かみ合い部の左側面図である。
図6図5におけるかみ合い部のVI-VI断面図である。
図7図6におけるサブベースプレート14とポールスプリング15の組付け部の一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1はアクチュエータにかみ合い部が組付けられた車両ドアロック装置の斜視図である。図2はかみ合い部の分解斜視図である。図3は車両ドアロック装置の正面図である。図4は車両ドアロック装置の右側面図である。車両ドアロック装置1はアクチュエータ2にかみ合い部3が組付けられて構成されている。
【0012】
かみ合い部3はボディ11、ポールピン12、ベースプレート13、サブベースプレート14、ポールスプリング15、リフトレバー16、及びポール17を有する。ボディ11とベースプレート13はボディ11に形成された開口部21とベースプレート13に形成された開口部22が重なる位置に組付けられている。ボディ11は導電性を有しない樹脂製であり、ポールピン12、ベースプレート13、サブベースプレート14、ポールスプリング15、リフトレバー16、及びポール17は金属製である。
【0013】
ボディ11とベースプレート13の間にはリフトレバー16、ポールピン12、及びポール17が配設されている。ポールピン12はリフトレバー16及びポール17をボディ11に対して回動自在に軸支している。リフトレバー16はポールピン12の一端側(サブベースプレート14側)で軸支され、ポール17はポールピンの他端側(ベースプレート13側)で軸支される。ボディ11とアクチュエータ2の間にはサブベースプレート14が配設されている。ポールピン12の一端はサブベースプレート14と嵌合し、他端はベースプレート13と嵌合する。
【0014】
ポール17はリフトレバー16と接続しており、リフトレバー16の変位に合わせて変位する。ポール17が変位することにより、車両ドアロック装置1の施錠/開錠が切り替えられる。リフトレバー16はポール17と逆側でポールスプリング15及びアクチュエータ2と接続し、ポールスプリング15の付勢力及びアクチュエータ2の駆動力に応じて変位する。本実施形態においては、アクチュエータ2がリフトレバー16をポールスプリング15の付勢力に抗して回動させることにより、リフトレバー16と接続されたポール17が開錠方向に回動する。アクチュエータ2の駆動をOFFにすると、リフトレバー16はポールスプリング15の付勢力によりポール17を施錠方向に回動させる。このように、アクチュエータ2の駆動のON/OFFを切り替えることにより、車両ドアロック装置1の施錠/開錠を操作している。
【0015】
ボディ11とサブベースプレート14の間にはポールスプリング15が配設されている。ポールスプリング15はボディ11に支持され、リフトレバー16を所定の回動方向に付勢している。それにより、リフトレバー16とポールピン12を通してポール17へポールスプリング15の付勢力が伝達し、アクチュエータ3によって回動させられたポール17を元の位置に戻している。
【0016】
なお、本実施形態ではポールスプリング15がリフトレバー16とポールピン12を通してポール17を付勢する構成を例示しているが、ポールスプリング15がポール17を直接付勢する構成であってもよい。どちらの構成もポールスプリング15がポール17を付勢している点で同様の作用効果が得られる。
【0017】
ボディ11はサブベースプレート14とポールスプリング15を離間させるようにポールスプリング15を支持する支持部を有している。それにより、ボディ11に対するサブベースプレート14の組付けが容易となる。また、ポールスプリング14やドアの開閉機構を変位させるリフトレバー16を支持するボディ11の変形を防ぐことができる。
【0018】
図5はかみ合い部の左側面図である。図6図5におけるかみ合い部のVI-VI断面図である。図7図6におけるサブベースプレート14とポールスプリング15の組付け部の一部拡大断面図である。本実施形態においては、ボディ11はサブベースプレート14とポールスプリング15を離間させるようにポールスプリング15を支持する支持部として、爪部23を備えている。ボディ11はサブベースプレート14とポールスプリング15の間に爪部23を有し、爪部23とポールスプリング15のサブベースプレート14側の端部26が当接している。それにより、ポールスプリング15をサブベースプレート14と確実に離間させることができる。
【0019】
また、爪部23はサブベースプレート14と向かう合う面が爪部23の先端方向へ向かうにつれてサブベースプレート14から離れていく傾斜部24を備えてもよい。傾斜部24を備えることにより、傾斜部24側からボディ11へポールスプリング15を組み付ける際の組付け性が向上する。
【0020】
傾斜部24の角度θ(ポールスプリング15の挿入方向(X軸方向)と平行な面と傾斜部24との成す角度)は30°≦θ≦45°であることが好ましい。角度θが30°より小さい場合には、傾斜部24の角部27とボディ11のポールピン12の支持部との距離が近くなるため、傾斜部24側からのポールスプリング15の組付けの際に角部27が抵抗となり組付け性向上の効果が得られない。また、角度θが45°より大きい場合には、角部27とボディ11のポールピン12の支持部との距離は十分に確保することが可能だが、傾斜部24の傾斜が緩やかになり、傾斜部24側からのポールスプリング15の組付けの際の抵抗を小さくすることができず組付け性向上の効果が得られない。
【0021】
また、上記においては、サブベースプレート14とポールスプリング15を離間させるようにポールスプリング15を支持する支持部として爪部23を例示したが、支持部の構成はこれに限られるものではない。例えば、ボディ11が爪部23を有する代わりにポールスポリング15の先端部25(図2参照)がボディ11に固定されてもよい。例えば、ポールスプリング15の先端部25がボディ11の側面部28に開けられた穴に挿入されることにより、先端部25でポールスプリング15が固定され、ポールスプリング15のX軸方向の動きを抑制しサブベースプレート14への接触を防ぐことができる。
【0022】
また、サブベースプレート14とリフトレバー16とポールスプリング15は、金属やカーボン材料等の高強度材料を含むことによりかみ合い部3の強度を向上させることが出来る。
【0023】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0024】
1 車両ドアロック装置
2 アクチュエータ
3 かみ合い部
11 ボディ
12 ポールピン
13 ベースプレート
14 サブベースプレート
15 ポールスプリング
16 リフトレバー
17 ポール
21 開口部1
22 開口部2
23 爪部(支持手段)
24 傾斜部
25 先端部
26 端部
27 角部
28 側面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7