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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】電動ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 15/00 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
F04C15/00 G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020064084
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021161938
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 慶
(72)【発明者】
【氏名】小林 喜幸
(72)【発明者】
【氏名】チャン ティ ホアン イエン
(72)【発明者】
【氏名】永井 友三
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-166285(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸回りに回転可能なモータの回転軸と、
前記回転軸を回転させる前記モータのロータと
前記回転軸の軸方向一方側に連結されるポンプロータと、
前記モータと前記ポンプロータとを収容するボディ部と、
前記回転軸を支持し、前記ポンプロータよりも軸方向他方側に位置する軸受けであって、
前記軸受けは、前記ポンプロータに近い第1軸受けと、
前記第1軸受けに対して軸方向他方側に配置された第2軸受けと、
を備え、
前記回転軸は、
1つの部材によって構成され、
前記ロータの軸方向一方側に配置された前記第1軸受けおよび前記ロータの軸方向他方側に配置された前記第2軸受けのみによって支持され、
前記第1軸受けよりも前記ポンプロータ側において、前記第1軸受けによって支持された箇所の軸径に対し拡径した拡径部を備え
前記拡径部は、前記第1軸受けと前記第2軸受けの間の箇所の軸径に対して拡径することを特徴とする、電動ポンプ。
【請求項2】
前記ポンプロータが連結した箇所の軸径は、
前記拡径部の軸径よりも細いことを特徴とする、請求項1に記載の電動ポンプ。
【請求項3】
前記回転軸は、前記第1軸受けと前記ポンプロータとの間の周囲に、環状シール部材が配置されたことを特徴とする、請求項1または2に記載の電動ポンプ。
【請求項4】
前記ボディ部は、軸方向において、前記第1軸受けと、前記ポンプロータとの間の領域に、吸入路または吐出路が配置されている、請求項1または2に記載の電動ポンプ。
【請求項5】
前記回転軸は、前記第1軸受けが嵌合する箇所の軸径よりも前記第2軸受けが嵌合する箇所の軸径の方が細いことを特徴とする、請求項1~4いずれか1項に記載の電動ポンプ。
【請求項6】
前記回転軸は、前記第1軸受けと、前記第2軸受けとの間において、前記ロータと嵌合し、
前記回転軸の前記ロータが嵌合する箇所の軸最外径は、
前記第2軸受けが嵌合する箇所の軸径よりも大きく、且つ、前記第1軸受けが嵌合する箇所の軸径よりも小さいことを特徴とする、請求項5に記載の電動ポンプ。
【請求項7】
前記回転軸の軸方向の長さは、前記第1軸受けと、前記ポンプロータとの間の長さよりも、前記第1軸受けと、前記第2軸受けとの間の長さの方が長い事を特徴とする請求項5に記載の電動ポンプ。
【請求項8】
前記拡径部の周面は、前記第1軸受けの外輪よりも中心軸寄りに位置することを特徴とする、請求項1から7いずれか1項に記載の電動ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電動ポンプとして、ポンプロータに向かうにつれ、回転軸の軸径が細くなっていく構成が知られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-203389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吐出圧が高いポンプの仕様では、動作時の圧力によってポンプが位置ずれし、回転軸に撓みが生じる。これによりポンプが吸入または吐出する流体の流出に脈動が発生し、騒音や振動が起きてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によれば、中心軸回りに回転可能なモータの回転軸と、回転軸を回転させるモータのロータと回転軸の軸方向一方側に連結されるポンプロータと、モータとポンプロータとを収容するボディ部と、回転軸を支持し、ポンプロータよりも軸方向他方側に位置する軸受けであって、軸受けは、ポンプロータに近い第1軸受けと、第1軸受けに対して軸方向他方側に配置された第2軸受けと、を備える電動ポンプが提供される。回転軸は、第1軸受けよりもポンプロータ側において、第1軸受けによって支持された箇所の軸径に対し拡径した拡径部を備えている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の態様によれば、吐出圧が高い仕様においても、回転軸の撓みを抑え、騒音、振動を抑制する電動ポンプが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態の電動ポンプの断面図である。
図2図2は、実施形態のポンプロータ周辺の断面図である。
図3図3は、実施形態のシャフトとベアリングとポンプロータの位置関係を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、電動ポンプの実施形態として、電動オイルポンプについて説明する。実施形態の電動オイルポンプは、車両等に搭載される機器のオイル供給に用いられる。
【0009】
以下で参照する各図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、X軸方向は、図1に示される中心軸Jの軸方向と平行な方向とする。中心軸Jは、後述するモータ20のシャフト21の中心軸線である。Y軸方向は、X軸と直交する方向のうち、図1の奥行き方向と平行な方向である。Z軸方向は、X軸方向とY軸方向との両方と直交する方向であり、図1の上下方向と平行な方向である。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のいずれにおいても、図中に示される矢印の向く側を+側、反対側を-側とする。
【0010】
以下の説明においては、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(X軸方向)を単に「軸方向」と称する。中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と称する。中心軸Jを中心とする周方向、すなわち、中心軸Jの軸周り(θ方向)を単に「周方向」と称する。
【0011】
また、X軸方向の正の側(+X側)を「フロント側」と称する場合がある。同様に、X軸方向の負の側(-X側)を「リア側」と称する場合がある。フロント側(+X側)は、本発明における軸方向一方側に相当する。リア側(-X側)は、本発明における軸方向他方側に相当する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の電動オイルポンプ100は、ポンプボディ10と、モータ20と、ポンプロータ30と、制御基板40を有する基板ユニット140と、を備える。
ポンプボディ10は、モータ20を収容するモータハウジング11と、ポンプロータ30を収容するポンプハウジング12と、制御基板40が設置される基板ハウジング13と、を有する。本実施形態の場合、モータハウジング11とポンプハウジング12と基板ハウジング13は、単一の部材の一部である。
【0013】
モータハウジング11は、ポンプボディ10のリア側(-X側)に位置する。モータハウジング11は、軸方向に延びる円筒状である。モータハウジング11は、リア側に開口する凹部からなる第1収容凹部11aを有する。第1収容凹部11aは、後述するベアリングホルダ26によりリア側から塞がれる。
【0014】
ポンプハウジング12は、ポンプボディ10のフロント側(+X側)に位置する。ポンプハウジング12は、フロント側に開口する凹部からなる第2収容凹部12aを有する。電動オイルポンプ100は、第2収容凹部12aをフロント側から塞ぐポンプカバー12bを有する。ポンプカバー12bは、軸方向から見て円形の板状部材である。ポンプカバー12bは、ポンプハウジング12にねじ止めされる。
【0015】
基板ハウジング13は、モータハウジング11およびポンプハウジング12の側面に位置する。基板ハウジング13は、モータハウジング11およびポンプハウジング12の図示下側(-Z側)に位置する。基板ハウジング13は、径方向外側から見て概略矩形状である。基板ハウジング13は、ポンプボディ10の図示下側に向かって開口する第3収容凹部13aを有する。基板ハウジング13には、後述する基板ユニット140が図示下側から装着される。
【0016】
ポンプボディ10は、内部に、第1貫通孔10aと、第2貫通孔10bとを有する。第1貫通孔10aは、モータハウジング11の第1収容凹部11aと、ポンプハウジング12の第2収容凹部12aとを軸方向に繋ぐ。第2貫通孔10bは、モータハウジング11の第1収容凹部11aと、基板ハウジング13の第3収容凹部13aとを径方向に繋ぐ。すなわち、第2貫通孔10bは、モータハウジング11と基板ハウジング13との間で径方向に延び、後述するジョイントバスバー51a~51cを収容する収容部である。上記収容部は、貫通孔に限られず、例えば軸方向に開口して径方向に延びる溝であってもよい。収容部が溝である場合、後述するベアリングホルダ26により溝の開口を塞ぐ構成としてもよい。
【0017】
モータ20は、シャフト21を有するロータ22と、ステータ23と、バスバーユニット120と、ベアリングホルダ26と、第2ベアリング27および第1ベアリング28と、を備える。バスバーユニット120は、バスバーアッシー24と、バスバーカバー25とを有する。ベアリングホルダ26は、モータハウジング11の開口を塞ぐ。本実施形態において、ベアリングホルダ26は、モータカバーを兼ねる。
【0018】
シャフト21は、中心軸Jに沿って延びる円柱状の部材である。ロータ22は、シャフト21と、シャフト21の外周面に固定されるロータコア22aと、ロータコア22aに固定される複数のロータマグネット22bとを有する。ロータマグネット22bは、シャフト21を囲む円環状のマグネットであってもよい。
【0019】
シャフト21は、第2ベアリング27および第1ベアリング28によって、軸回りに回転可能に支持される。第2ベアリング27は、シャフト21のロータコア22aよりもリア側の部分を支持する。第1ベアリング28は、シャフト21のロータコア22aよりもフロント側の部分を支持する。シャフト21は、第1ベアリング28の内孔を通ってフロント側へ突出する。シャフト21のフロント側の端部は、ポンプロータ30に連結される。第1ベアリング28は、第2ベアリング27よりもポンプロータ30に近い配置となる。
【0020】
ステータ23は、ロータ22を囲む円環状のステータコア23aと、ステータコア23aのティースに装着されるインシュレータ23bと、インシュレータ23bを介してティースに巻き回されるコイル23cと、を備える。ステータコア23aは、円筒状のモータハウジング11の内周面に固定される。
【0021】
バスバーユニット120は、ステータ23とベアリングホルダ26との間に位置する。バスバーユニット120は、軸方向に並んで配置されるバスバーアッシー24とバスバーカバー25とを有する。バスバーアッシー24は、ステータ23と軸方向に対向する。バスバーカバー25は、ベアリングホルダ26と軸方向に対向する。
【0022】
バスバーアッシー24は、図2および図3に示すように、バスバー24a、24b、24cと、バスバー24a~24cを保持する樹脂製のバスバーホルダ24dとを有する。3本のバスバー24a~24cは、バスバーホルダ24dにインサート成形される。バスバー24a~24cの固定方法は、ねじ止め、またはスナップフィットであってもよい。
【0023】
図1に示すように、バスバーアッシー24は、ステータ23のリア側に位置する。バスバーアッシー24は、モータハウジング11の第1収容凹部11aにリア側から挿入される。3本のバスバー24a~24cの一方の端部は鉤形である。バスバー24a、24b、24cの鉤形の端部は、コイル23cからリア側へ延びるコイル線23dとそれぞれ接続される。バスバー24a~24cの他方の端部は、バスバーホルダ24dの基板ハウジング13側(図示下側)の端部に位置する。バスバーホルダ24dの下部に位置するバスバー24a、24b、24cの端部は、後述するジョイントバスバー51a、51b、51cにそれぞれ接続される。
【0024】
バスバーカバー25は、バスバーアッシー24のリア側に位置する。バスバーカバー25は、第1収容凹部11aに、リア側から挿入される。バスバーカバー25は、軸方向から見て円環状である。バスバーカバー25は、バスバーアッシー24をリア側から覆う。バスバーカバー25は、リア側を向く面に、軸方向から見て円環状の溝部25aを有する。溝部25aの内部に、Oリングからなる弾性部材25bが配置される。
【0025】
ベアリングホルダ26は、バスバーユニット120のリア側に位置する。ベアリングホルダ26は、中心軸Jに沿って延びる円筒部26aと、円筒部26aの外周面から径方向外側に広がるホルダ本体26bとを有する。円筒部26aは、軸方向の両側に開口する。円筒部26aのフロント側の開口部に第2ベアリング27が挿入される。円筒部26aは、内周面の一部にフロント側を向く段差面26cを有する。第2ベアリング27は、段差面26cによりリア側への移動を制限される。
【0026】
ベアリングホルダ26は、径方向において、バスバーユニット120の外側まで広がる。ベアリングホルダ26は、バスバーユニット120をリア側から覆う。ベアリングホルダ26は、バスバーユニット120の径方向外側において、ポンプボディ10にねじ止めされる。ベアリングホルダ26のフロント側を向く面は、バスバーカバー25のリア側を向く面と軸方向に対向する。
【0027】
モータハウジング11は、第1収容凹部11aを囲む端面に、リア側に向かって開口する溝部11cを有する。溝部11cは軸方向から見て円環状である。溝部11cの内部に、Oリングからなるシール部材29が配置される。シール部材29は、ベアリングホルダ26のフロント側を向く面と、モータハウジング11のリア側を向く端面との間を気密に封止する。
【0028】
ベアリングホルダ26が第1収容凹部11aをリア側から塞ぐことにより、弾性部材25bは、ベアリングホルダ26とバスバーカバー25とによって軸方向に挟まれる。弾性部材25bは、バスバーカバー25とベアリングホルダ26とにより軸方向に圧縮される。弾性部材25bは、バスバーカバー25とベアリングホルダ26に対して、両者を軸方向に遠ざける弾性力を作用させる。ベアリングホルダ26はモータハウジング11に固定されているため、弾性部材25bの弾性復帰力は、バスバーカバー25をフロント側へ押し込む方向に作用する。
【0029】
バスバーカバー25は、バスバーアッシー24とベアリングホルダ26との間に挿入されるスペーサとして機能する。バスバーカバー25は、弾性部材25bによってフロント側へ押されることにより、バスバーアッシー24をフロント側へ押す。バスバーアッシー24のフロント側の端部24eは、モータハウジング11のリア側を向く段差面11bに突き当てられる。この構成により、バスバーアッシー24とバスバーカバー25とが、軸方向において固定される。バスバーアッシー24の端部24eは、ステータ23に突き当てられてもよい。
【0030】
本実施形態の電動オイルポンプ100では、組み立て工程においてベアリングホルダ26をモータハウジング11に固定するだけで、第1収容凹部11a内のバスバーユニット120を固定できる。したがって、本実施形態の電動オイルポンプ100は、作業者が効率よく組み立てることが可能な構成を備える。
【0031】
なお、バスバーユニット120は、バスバーカバー25とバスバーアッシー24とが固着された部材であってもよい。例えば、バスバーカバー25とバスバーホルダ24dとを、単一部品の一部として構成してもよい。バスバーカバー25とバスバーアッシー24とを、接着、ねじ止めなどの方法によって連結してもよい。
【0032】
円筒部26aのリア側の端部に、ブリーザ26eが挿入される。ブリーザ26eは、ベアリングホルダ26の内外に空気を流通させる。ベアリングホルダ26の内側の空間は、円筒部26aを介して第1収容凹部11aの内部に繋がる。第1収容凹部11aは、第2収容凹部12aおよび第3収容凹部13aと繋がる。したがって、ブリーザ26eは、ポンプボディ10の内部空間と、外部空間との間で空気を流通させる。
【0033】
電動オイルポンプ100では、第2ベアリング27を保持するベアリングホルダ26がモータカバーとして機能する構成であることにより、モータカバーとベアリングホルダが別部品である構成と比較して、製造が容易であり、組み立て作業性が向上する。
さらに、電動オイルポンプ100では、モータカバーとして機能するベアリングホルダ26が、ベアリングホルダ26を軸方向に貫通する貫通孔を有する円筒部26aを有しており、円筒部26aのリア側の端部にブリーザ26eを保持し、円筒部26aのフロント側の端部に第2ベアリング27を保持する。この構成によれば、ベアリングホルダ26において、第2ベアリング27とブリーザ26eとが軸方向に並ぶので、第1収容凹部11aの内部において、第2ベアリング27の周囲のスペースを有効に利用できる。電動オイルポンプ100の大型化を抑制できる。
【0034】
第1ベアリング28は、第1収容凹部11aと第2収容凹部12aとを接続する第1貫通孔10aに、リア側から挿入される。第1貫通孔10aの内部には、オイルシール15と、固定リング16と、ウェーブワッシャ17と、第1ベアリング28とが、フロント側から順に配置される。
【0035】
第1貫通孔10aは、内部に複数の段差を有する段付き孔である。第1貫通孔10aは、内部に、いずれもリア側を向く第1段差面10cおよび第2段差面10dを有する。したがって、第1貫通孔10aの内径は、フロント側に向かうに従って、上記段差を通過するごとに小さくなる。オイルシール15は、軸方向において第1段差面10cと固定リング16との間に位置する。固定リング16は、第2段差面10dにリア側から突き当てられる。固定リング16は、リア側を向く面によってウェーブワッシャ17を支持する。ウェーブワッシャ17は、第1ベアリング28の外輪をフロント側からリア側に向かって押す。
【0036】
シャフト21は、第1ベアリング28、ウェーブワッシャ17、固定リング16、およびオイルシール15の内孔に通される。シャフト21のフロント側の端部は、第1貫通孔10aを通り抜けて第2収容凹部12a内に達する。
【0037】
第1ベアリング28は、シャフト21の軸径d3の箇所で嵌合する。シャフト21は、第1ベアリング28(第1軸受け)が嵌合するシャフト21の軸径d3よりも、シャフト21のフロント側(ポンプロータ30側)であるシャフト21の軸径d2(拡径部)の方が太い。つまり、軸径d2に対して軸径d3は拡径している。嵌合とは圧入でも挿入でもよい。本実施形態では圧入としているが、これに限定されない。
第1ベアリング28が嵌合するシャフト21の軸径d3よりも、第1ベアリング28から見てポンプロータ側の軸径d2の方が太いことにより、シャフト21の軸径d2が軸径d3以下の太さの場合と比較して、シャフト21の剛性が上がる。かかる構成によって、吸入および吐出圧によって、ポンプロータ30がシャフト21へ荷重を与えても、シャフト21は撓みを抑えられ、流体の脈動を生じないため、騒音、振動を抑制できる。
【0038】
また、シャフト21の軸径d2よりも、第1ベアリング28が嵌合するシャフト21の軸径d3の方が細い。シャフト21の軸径d3が軸径d2と同じかそれ以上の太さの構成の場合では、第1ベアリング28は、より大きなサイズのベアリングを選定する必要がある。よって、シャフト21の軸径d2よりも、軸径d3の方が細いことによって、本実施形態の電動オイルポンプ100は小型かつ安価にすることが可能となる。
【0039】
シャフト21の軸径d2と軸径d3の境界は、段付き形状でもよいし、軸径d3から軸径d2へと拡径するテーパー形状でもよい。段付き形状の場合では、第1ベアリング28の内径にシャフト21のリア側から通し、段付きの箇所で第1ベアリング28の内輪を突き当たりで組み付けることで位置決めが容易であり、組み立て性がよい。軸径d3から軸径d2へと拡径するテーパー形状の場合では、治具を使いシャフト21に対して圧入位置を管理してシャフト21と第1ベアリング28との組み立てをすればよく、また、シャフト21の軸径d3よりもシャフト21のリア側で段付き形状を設け、治具によって段付き形状と同じ位置まで第1ベアリング28の内輪を圧入すれば組み立ては容易である。
【0040】
また、第1ベアリング28が嵌合する軸径d3よりも、第1ベアリング28から見てポンプロータ側の軸径d2の方が太いことで、吐出圧によるポンプロータ30の荷重を受けても、シャフト21は十分に剛性を満たし、シャフト21を支持するベアリングは第1ベアリング28および第2ベアリング27(第2軸受け)の2箇所だけで支持することができる。第1ベアリング28および第2ベアリング27の2箇所だけで支持する構成で、吐出圧によるポンプロータ30の荷重をシャフト21が受けても、シャフト21は撓まないため、シャフト21の撓みによる油圧脈動および騒音、振動の発生がない。
さらに、1つのシャフト21を支持するベアリングが2箇所であるため、ベアリングが3個以上で1つのシャフト21を支持する場合に比べて、ベアリングの内輪に嵌合するシャフト21の各嵌合箇所と、ベアリングの外輪に嵌合するハウジングなどの各嵌合箇所との同軸度を合わせ易い。かかる構成により、ベアリングが3個以上でシャフト21を支持する場合に比べて、回転時のシャフト21の振れが抑えられ、ポンプロータ30での油圧脈動を抑え、騒音、振動の抑制となる。
【0041】
ポンプロータ30は、シャフト21のフロント側の端部に連結されるインナーロータ31と、インナーロータ31を径方向外側から囲むアウターロータ32とを有する。インナーロータ31およびアウターロータ32は、第2収容凹部12aとポンプカバー12bとの間に収容される。インナーロータ31およびアウターロータ32は、それぞれトロコイド歯形を有する。すなわち、ポンプロータ30は、トロコイドポンプである。
【0042】
ポンプロータ30のインナーロータ31が連結するシャフト21の軸径d1は、第1ベアリング28の嵌合箇所よりも太い軸径d2と同じ太さでもよいし、軸径d2よりも細い軸径としてもよい。軸径d1がd2と同じ太さの場合はシャフトの加工工数が比較的少ないため製造コストを抑えることが可能であり、検査や管理工数を減らすことができる。
また、軸径d1を軸径d2よりも小さくすることで、ポンプロータ30とシャフト21の連結箇所が小さくできる。すなわち、ポンプロータ30を構成するインナーロータ31の、シャフト21を通す内径が小さくできる。インナーロータ31の、シャフト21を通す内径が小さくできるので、径方向においてインナーロータ31の内径からトロコイド歯形の歯底までの肉厚を確保、ならびにトロコイド歯形の歯丈を維持すると同時に、インナーロータ31全体の外径を小さくすることが可能となる。インナーロータ31の小型に伴ってアウターロータ32も同様に小型にできるため、ポンプロータ30全体として径方向に小型にすることができる。結果として電動オイルポンプ100全体の小型化に寄与する。
【0043】
オイルシール15(環状シール部材)が第1ベアリング28よりもシャフト21(軸方向)のフロント側に配置されることで、第1ベアリング28から軸方向リア側の領域へオイルの浸入を防ぎ、モータ20側へ影響を与えないようにしている。
【0044】
軸方向の区間において、シャフト21の軸径d2の区間は、第1貫通孔10aの内部に配置される環状のオイルシール15の区間と重なる。すなわち、軸径d2とオイルシール15は径方向で重なっている。オイルシールの配置と、軸径d2とを、同じ軸方向の区間に効率よく収めることができる。かかる構成によって、軸方向に小型化を図ることが可能となる。
【0045】
本実施形態では、ポンプハウジング12(ボディ部)は、ポンプロータ30よりも軸方向リア側にて、吸入ポート71と、吐出ポート72と、吸入ポート71とつながる吸入側流路81(吸入路)と、吐出ポート72とつながる吐出側流路82(吐出路)とを配置する。ポンプカバー12bに、吸入側流路81と、吐出側流路82とを配置させる構造にすることも可能であるが、吸入側流路81と、吐出側流路82とを構成する部分によって、軸方向に大型化するおそれがある。 本実施形態では、ポンプカバー12bに、吸入側流路81と、吐出側流路82とを配置させる構造と比較し、軸方向に小型化することが可能となる。
【0046】
ポンプハウジング12に配置された吸入ポート71と、吐出ポート72と、吸入側流路81と、吐出側流路82とは、シャフト21よりも径方向外側に配置される。また、軸方向の区間において、シャフト21の軸径d2の区間は、吸入ポート71と、吐出ポート72と、吸入側流路81と、吐出側流路82との、少なくとも一部の区間と重なる。すなわち、軸径d2と、吸入ポート71および吸入側流路81、または、吐出ポート72および吐出側流路82とは、径方向で重なっている。軸径d2と、吸入ポート71および吸入側流路81、または、吐出ポート72および吐出側流路82とを、同じ軸方向の区間に効率よく収めることができる。かかる構成によって、軸方向に小型化を図ることが可能となる。
【0047】
本実施形態の場合、ポンプカバー12bは、ポンプロータ30と対向するリア側を向く面からフロント側へ凹む吸入側カバー凹部91と、吐出側カバー凹部92とを有する。吸入側カバー凹部91は、軸方向において吸入ポート71と対向する。吸入側カバー凹部91は、軸方向から見て、吸入ポート71に概ね一致する平面形状を有する。吐出側カバー凹部92は、軸方向から見て、吐出ポート72に概ね一致する平面形状を有する。
【0048】
ポンプカバー12bが、吸入側カバー凹部91と、吐出側カバー凹部92とを有することで、ポンプが吸入および吐出する流体は、トロコイド歯形のインナーロータ31の歯とアウターロータ32の歯との歯間をスムーズに流れることができ、吐出圧による脈動が抑えられる効果があり、騒音、振動を抑制することが可能である。
【0049】
本実施形態において、第2ベアリング27は、シャフト21の軸径d5の箇所で嵌合する。軸径d5の外径は、第1ベアリング28が嵌合するシャフト21の軸径d3の外径よりも小さい。かかる構成では、第1ベアリング28を、シャフト21へ組み付ける際、軸径d5に干渉せず軸径d3に嵌合することが可能である。すなわち、組み立て作業性がよい、且つ、第2ベアリング27と、軸径d5との嵌合に悪影響を与えることがない。
【0050】
本実施形態において、ロータコア22aは、第1ベアリング28と第2ベアリング27との間であって、シャフト21の軸径d4の箇所に配置される。ロータコア22aはシャフト21の外周面に固定され、固定方法は特に限定されない。固定方法としては、軸径d4の最外径を、ロータコア22aの内径よりも大きくして圧入としてもよいし、軸径d4の外径をローレットやステーキング、またはスプラインなどの加工をしてロータコア22aの内径よりも軸径d4の最外径を大きくして圧入してもよい。または、軸径d4をロータコア22aの内径よりも小さくして挿入し、接着剤などで固定してもよい。圧入の組み立てであれば、部品点数が少ない且つ、組み立てに要する時間が短時間となり効率的である。
【0051】
本実施形態において、ロータコア22aが配置されるシャフト21の軸径d4の最外径は、軸径d3よりも小さい且つ、軸径d5よりも大きい。かかる構成によれば、第1ベアリング28、ロータコア22a、第2ベアリング27の順にシャフト21へ組み付けることが容易に可能になると同時に、それぞれが嵌合する軸径の嵌合箇所を傷つけることがない。
【0052】
また、第1ベアリング28とポンプロータ30との間の、シャフト21の軸径d2が、第1ベアリング28の嵌合する軸径d3よりも太い構造であっても、軸方向のリア側からフロント側へ進む1つの方向で、第1ベアリング28、ロータコア22a、第2ベアリング27を組み付けることができるので、シャフト21は1つの部材で構成できる。かかる構成によれば、シャフト21は1つの部材で済み接合部などなく、複数の部材で構成するよりもコストが安価に抑えられる。また吐出圧が高い仕様、すなわちシャフト21に負荷が大きくかかる仕様において、シャフト21を2つ以上の部材で構成した時と比べ、接合部にかかる応力集中を心配することがなく、解析や信頼性試験の評価は複雑化せず、開発コスト、開発リードタイムを抑えられる。
【0053】
シャフト21は、ポンプロータ30から受ける荷重を、第1ベアリング28と第2ベアリング27とで支持している。シャフト21の長さは軸方向に、大きく2つに分けられる。シャフト21は、軸方向において、ポンプロータ30から受ける荷重の作用点と、第1ベアリング28の中心点との間の軸長L1を有する。また、シャフト21は、軸方向において、第1ベアリング28の中心点と、第2ベアリング27の中心点との間の軸長L2を有する。
【0054】
また、回転する回転軸が撓んだ状態であるときは、大きな荷重を受けている。その荷重を受けた回転軸を支持する第1ベアリング28と、第2ベアリング27との位置と、荷重がかかる位置が、適切な軸長(ベアリングスパン)でない場合には、第1ベアリング28と、第2ベアリング27の相互にかかる荷重が不適切にかかることで、軸受の寿命が短くなり、電動ポンプ全体での寿命低下につながるおそれがある。
本実施形態では軸長L1よりも軸長L2の方が長い構成となっている。吐出圧が高く、ポンプロータ30による荷重が大きい場合でも、第1ベアリング28の中心点と、第2ベアリング27の中心点との間の軸長L2を軸長L1よりも長くすることで、軸長L2と軸長L1が同等もしくは、軸長L1の方が長い構成と比較し、第1ベアリング28および、第2ベアリング27にかかる荷重を抑えることが可能である。かかる構成によって、第1ベアリング28および、第2ベアリング27のベアリング寿命を著しく低下することがなく、電動オイルポンプ100の寿命を低下することを抑制できる。過度な荷重を受けた状態で回転することがないため、発熱も抑えられ、ベアリング(軸受)のグリースやオイルの寿命の低下も抑えることができ、結果として電動オイルポンプ100の寿命長く維持することができる。
【0055】
実施形態ではシャフト21の軸径d2の周面は、第1ベアリング28の外輪よりも中心軸Jよりに位置している。かかる構成によれば、第1ベアリング28の内輪が軸径d3の段付き形状で突き当てた組み立てであっても、シャフト21の回転時に軸径d2の周面が、第1ベアリング28の端面や外輪を傷つけることがなく、第1ベアリング28の品質を損なわない。
【0056】
基板ユニット140は、制御基板40と、制御基板40を径方向外側から保持する基板ホルダ141と、基板ホルダ141にインサート成形される3本のジョイントバスバー51a、51b、51cと、を備える。
【0057】
基板ホルダ141は、基板ハウジング13側(+Z側)に向かって開口する箱形の部材である。制御基板40は、基板ホルダ141の図示上側を向く開口部141dに固定される。基板ホルダ141は、制御基板40のモータ20とは反対側を向く面(図示下面)と対向する底壁141eを有する。本実施形態の場合、制御基板40は、底壁141eにねじ止めされる。
基板ホルダ141は、本実施形態の場合、樹脂製である。基板ホルダ141は、複数の金属端子141aがインサート成形されたコネクタ141bと、複数のジョイントバスバー51a~51cがインサート成形されたバスバー支持部141cと、を有する。
【0058】
コネクタ141bの複数の金属端子141aは、制御基板40のフロント側の端部に接続される。ジョイントバスバー51a~51cは、制御基板40のリア側の端部に接続される。複数の金属端子141aおよびジョイントバスバー51a~51cは、制御基板40に半田接合される。
【0059】
バスバー支持部141cは、基板ホルダ141の一部であり、樹脂からなる。バスバー支持部141cは、基板ホルダ141のリア側の端部からモータ20側(図示上側)へ突出する。すなわち、バスバー支持部141cは、基板ホルダ141の開口端部からモータ20側へ突出する。ジョイントバスバー51a~51cは、制御基板40との接続位置からリア側へ延びてバスバー支持部141c内に挿入される。ジョイントバスバー51a~51cは、バスバー支持部141cの内部において径方向に延びる。ジョイントバスバー51a~51cは、バスバー支持部141cの先端からモータ20側へ突出する。
【0060】
ジョイントバスバー51a~51cは、モータ20と制御基板40とを接続する。ジョイントバスバー51a~51cおよびバスバー支持部141cは、第3収容凹部13aと第1収容凹部11aとを繋ぐ第2貫通孔10bに、径方向外側から挿入される。ジョイントバスバー51a~51cの先端は、第1収容凹部11a内に位置し、軸方向から見てバスバーアッシー24と重なる。ジョイントバスバー51a~51cは、ねじ53a~53cにより、バスバーアッシー24のバスバー24a~24cにねじ止めされる。これにより、制御基板40とモータ20とが、ジョイントバスバー51a~51cを介して電気的に接続される。
【0061】
基板ユニット140は、制御基板40をモータ20側に向けた状態で、ポンプボディ10の基板ハウジング13に固定される。本実施形態の場合、基板ユニット140の基板ホルダ141が、基板ハウジング13にねじ止めされる。制御基板40は、ポンプボディ10と基板ホルダ141との間に封入される。
【0062】
本実施形態の電動オイルポンプ100では、制御基板40は、モータ20の側面に沿って配置される。そして、ポンプボディ10の第2貫通孔10bの内部に位置し、モータ20と制御基板40とを電気的に接続するジョイントバスバー51a、51b、51cを有する。この構成によれば、制御基板40の板面が径方向を向いており、モータ20と制御基板40とを、ジョイントバスバー51a~51cによって径方向に接続するので、制御基板40が径方向に大きく張り出すことがない。これにより、電動オイルポンプ100の大型化を抑制できる。
また、金属の板材からなるジョイントバスバー51a~51cを用いるので、ポンプボディ10の内部における接続がしやすい。本実施形態の電動オイルポンプ100は、効率よく製造可能である。
【0063】
また本実施形態の電動オイルポンプ100は、制御基板40と基板ホルダ141とジョイントバスバー51a~51cとが、1つの部品として組み立てられた基板ユニット140を備える。この構成によれば、基板ユニット140を基板ハウジング13に装着し、ジョイントバスバー51a~51cとバスバー24a~24cとを接続することで、制御基板40を取り付けることができる。本実施形態の電動オイルポンプ100は、少ない工数で効率よく製造可能である。
【0064】
本実施形態では、基板ホルダ141上で、ジョイントバスバー51a~51cと制御基板40とが接続される。そのため、ポンプボディ10に制御基板40が固定される場合のように、ポンプボディ10の側面において半田接合を行う必要がない。組み立て作業時の作業性が向上する。また、リペア時には、制御基板40をポンプボディ10から取り外しやすい。
【0065】
本実施形態では、ジョイントバスバー51a~51cは、基板ホルダ141からモータ20側へ突出するバスバー支持部141cに支持されており、バスバー支持部141cは、ジョイントバスバー51a~51cとともに第2貫通孔10bに挿入される。これにより、第2貫通孔10bの内壁面と、ジョイントバスバー51a~51cとの間に樹脂製のバスバー支持部141cが配置されるので、ジョイントバスバー51a~51cとポンプボディ10との接触または接近による短絡が生じにくい。
【0066】
本実施形態では、図1に示すように、ジョイントバスバー51bは、モータ20との接続位置から径方向外側へ延びてバスバー支持部141cに挿入される第1部分151と、制御基板40との接続位置から基板ホルダ141の底壁141eに向かって延びる第2部分152と、第1部分151と第2部分152とを接続する第3部分153と、を有する。他のジョイントバスバー51a、51cも同様の構成である。すなわち、ジョイントバスバー51a~51cは、概ねU形に屈曲した形状を有する。
ジョイントバスバー51a~51cは、基板ホルダ141にインサート成形されており、両端が基板ホルダ141の樹脂部から露出する。ジョイントバスバー51a~51cの第3部分153は、基板ホルダ141の内側の壁面からフロント側(+X側)へ突出し、制御基板40と底壁141eとの隙間を通って第2部分152の端部に接続する。第2部分152は、第3部分153との接続位置から制御基板40に向かって延びる。
この構成によれば、ジョイントバスバー51a~51cの第2部分152が、その先端を開口部141d側に向けて配置される。これにより、制御基板40を、基板ホルダ141の開口部141dから設置し、ジョイントバスバー51a~51cと容易に接続できる。作業者は効率よく基板ユニット140を組み立てることができる。
また、径方向から見て、ジョイントバスバー51a~51cの第3部分153と制御基板40とが部分的に重なるので、基板ホルダ141の軸方向(X軸方向)への大型化を抑制しやすい。
【0067】
ジョイントバスバー51a~51cとバスバー24a~24cとの接続部は、バスバーアッシー24のリア側を向く面上に位置する。これにより、ジョイントバスバー51a~51cとバスバー24a~24cとを固定するねじ53a~53cを、モータハウジング11の開口部内において軸方向に締め込むことができる。したがって、電動オイルポンプ100の組み立てが容易になる。
【0068】
本実施形態では、複数のジョイントバスバー51a~51cが、1つのバスバー支持部141cによって支持される。これにより、第2貫通孔10bに挿入される部材が1つになるので、電動オイルポンプ100の組み立て作業が行いやすくなる。また、複数のジョイントバスバー51a~51cが相互に位置決めされた状態で固定されるため、複数のジョイントバスバー51a~51cの位置ずれが生じにくくなり、バスバー24a~24cへのねじ止めが行いやすい。なお、各々のジョイントバスバー51a、51b、51cが、別々のバスバー支持部に支持される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…ポンプボディ
11…モータハウジング
13…基板ハウジング
20…モータ
22…ロータ
23…ステータ
24a~24c…バスバー
30…ポンプロータ
40…制御基板
51a~51c…ジョイントバスバー
100…電動オイルポンプ
140…基板ユニット
141…基板ホルダ
141c…バスバー支持部
141d…開口部
J…中心軸
図1
図2
図3