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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240402BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240402BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G03G15/08 390B
G03G21/00 510
G03G15/00 303
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020089330
(22)【出願日】2020-05-22
(65)【公開番号】P2021184038
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 一敏
(72)【発明者】
【氏名】川崎 智広
(72)【発明者】
【氏名】勝又 啓揮
(72)【発明者】
【氏名】岡村 憩
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-003563(JP,A)
【文献】特開2018-200330(JP,A)
【文献】特開2017-223892(JP,A)
【文献】特開2013-186371(JP,A)
【文献】特開2019-039955(JP,A)
【文献】特開2019-039956(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0235417(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0187366(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーにより現像する現像装置を備える画像形成装置であって、
前記現像装置の被加振部を加振させる加振部と、
前記加振部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、当該画像形成装置によって用紙に付着したトナーコボレの検出結果に基づいてトナーコボレレベルを判定し、当該トナーコボレレベルに応じて前記加振部の加振条件を決定し、決定した加振条件で前記加振部に加振動作を行わせ
前記トナーコボレの検出結果は、前記用紙上のトナーコボレが発生した位置を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記加振部は、前記被加振部の共振が発生するように加振することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
用紙に付着したトナーコボレを検出する画像検出装置を備え、
前記制御部は、前記画像検出装置により検出されたトナーコボレの検出結果に基づいてトナーコボレレベルを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トナーコボレレベルの判定基準には、前記用紙上の最も大きいトナーコボレの大きさが含まれることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記トナーコボレレベルの判定基準には、前記用紙上の所定の単位面積あたりのトナーコボレの個数が含まれることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記トナーコボレレベルに応じて、前記加振条件として前記加振部の加振回数を決定することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記トナーコボレレベルに応じて、前記加振条件として前記加振部の加振時間を決定することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記加振部を複数備え、
前記制御部は、前記トナーコボレレベルに応じて、前記加振条件を前記加振部ごとに個別に決定することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
複数の前記加振部は、それぞれ加振力が異なることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記現像装置が現像処理を行っていない時に前記加振部に加振動作を行わせることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記トナーコボレレベルの検出用加振条件で前記加振部に加振動作を行わせた後、通紙処理を行うことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記検出用加振条件は、前記加振条件よりも前記加振部の加振回数及び加振時間が少ないことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記用紙上のトナーコボレが発生した位置が前記用紙の端部から遠いほど、前記トナーコボレレベルが悪いと判定する請求項1から12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
トナーにより現像する現像装置と、前記現像装置の被加振部を加振させる加振部と、を備える画像形成装置のコンピューターに、
当該画像形成装置によって用紙に付着したトナーコボレの検出結果に基づいてトナーコボレレベルを判定し、当該トナーコボレレベルに応じて前記加振部の加振条件を決定し、決定した加振条件で前記加振部に加振動作を行わせる機能を実現させ、
前記トナーコボレの検出結果は、前記用紙上のトナーコボレが発生した位置を含むプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置においては、像担持体である感光体ドラムの表面が帯電装置により帯電され、画像データに基づいてレーザー光を照射することにより感光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。この感光体ドラムに現像装置から現像剤が供給されることで静電潜像が可視化され、トナー画像が感光体ドラムに形成される。そして、トナー画像を転写、定着させることで、用紙に画像が形成される。
【0003】
例えば特許文献1には、現像装置に振動を加える加振部を備えた画像形成装置が開示されている。この画像形成装置によれば、現像装置に付着したトナーを払い落として凝集を抑制することで、画像不良を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-144333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された手法によれば、適切なタイミングで加振動作が行われないことがあった。また、加振部の加振動作は一定のものであるため、付着したトナーの量が少ない場合は加振が強すぎる、あるいは、付着したトナーの量が多い場合は払い落としきれないことがあるなど、非効率的な加振動作が行われることがあった。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、適切なタイミングで効率的に加振動作を行うことでトナーによる画像不良を好適に抑制できる画像形成装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1の発明は、トナーにより現像する現像装置を備える画像形成装置であって、
前記現像装置の被加振部を加振させる加振部と、
前記加振部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、当該画像形成装置によって用紙に付着したトナーコボレの検出結果に基づいてトナーコボレレベルを判定し、当該トナーコボレレベルに応じて前記加振部の加振条件を決定し、決定した加振条件で前記加振部に加振動作を行わせ
前記トナーコボレの検出結果は、前記用紙上のトナーコボレが発生した位置を含むことを特徴とする。
【0008】
また、第2の発明は、トナーにより現像する現像装置と、前記現像装置の被加振部を加振させる加振部と、を備える画像形成装置のコンピューターに、
当該画像形成装置によって用紙に付着したトナーコボレの検出結果に基づいてトナーコボレレベルを判定し、当該トナーコボレレベルに応じて前記加振部の加振条件を決定し、決定した加振条件で前記加振部に加振動作を行わせる機能を実現させ、
前記トナーコボレの検出結果は、前記用紙上のトナーコボレが発生した位置を含むプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置によれば、適切なタイミングで効率的に加振動作を行うことでト
ナーによる画像不良を好適に抑制できる画像形成装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る画像形成装置を模式的に示す構成図である。
図2】本実施形態に係る画像形成装置のブロック図である。
図3】現像装置の構成を示す説明図である。
図4】加振部の構成を示す説明図である。
図5】加振部の動作を示す説明図である。
図6】制御部が加振部の加振条件を決定し、加振を行うまでのフローチャートである。
図7】現像装置に意図的に加振を行ってトナーコボレを検出するステップが追加されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1000を模式的に示す構成図である。本実施形態に係る画像形成装置1000は、例えば電子写真方式の画像形成装置であり、フルカラーの画像を形成する、いわゆるタンデム型カラー画像形成装置である。
【0012】
[画像形成装置]
図2は本実施形態に係る画像形成装置1000のブロック図である。画像形成装置1000は、原稿読取装置SC、画像形成部10、用紙搬送部20、定着装置50、画像検出装置60、加振部300、操作パネル70、制御部80及び記憶部90を備えている。
【0013】
(原稿読取装置)
原稿読取装置SCは、照明装置により原稿の画像を照明し、その反射光をラインイメージセンサーにより読み取ることで、画像信号を得る。この画像信号は、A/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理が施された後、印刷データとして制御部80に入力される。なお、制御部80に入力される印刷データとしては、原稿読取装置SCで読み取ったものに限らず、例えば、画像形成装置1000に接続されたパーソナルコンピューター、他の画像形成装置又はサーバーから受信したもの、或いはUSBメモリといった可搬性の記録媒体から読み込んだものであってもよい。
【0014】
(画像形成部)
画像形成部10は、イエロー(Y)の画像を形成する画像形成部10Y、マゼンダ(M)の画像を形成する画像形成部10M、シアン(C)の画像を形成する画像形成部10C及びブラック(K)の画像を形成する画像形成部10Kから構成されている。
【0015】
画像形成部10Yは、像担持体である感光体ドラム1Y並びにその周辺に配置された帯電装置2Y、露光装置3Y、現像装置4Y及びクリーニング装置5Yを主体に構成されている。感光体ドラム1Yは、帯電装置2Yによりその表面(感光面)が一様に帯電させられており、露光装置3Yによる走査露光により、感光体ドラム1Yの表面に潜像が形成される。現像装置4Yは、例えば二成分現像方式の現像装置であり、トナーで現像することによって感光体ドラム1Y上の潜像を顕像化する。これにより、感光体ドラム1Y上には、イエローに対応する画像(トナー画像)が形成される。感光体ドラム1Y上に形成された画像は、1次転写ローラーにより、無端ベルトである中間転写ベルト8へと転写される。クリーニング装置5Yは、感光体ドラム1Yの回転方向において帯電装置2Yよりも上流側に設けられており、画像転写後に感光体ドラム1Yの表面に残留しているトナーを除去する。
【0016】
画像形成部10M,10C,10Kは、感光体ドラム1M,1C,1K、並びにその周辺に配置された帯電装置2M,2C,2K、露光装置3M,3C,3K、現像装置4M,4C,4K及びクリーニング装置5M,5C,5Kで構成されており、これらの詳細は、画像形成部10Yのそれと同様である。なお、図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図2では、Y、M、C、又はKの符号が省略されている。
【0017】
(中間転写ベルト)
中間転写ベルト8は、2次転写対向ローラー、ベルト従動ローラー、1次転写ローラーを含む複数のローラーに掛け渡されている。中間転写ベルト8上に転写された画像は、用紙搬送部20により所定のタイミングで搬送される用紙Pに対して、2次転写ローラー9により転写される。2次転写ローラー9は、中間転写ベルト8を介して2次転写対向ローラーに圧接されている。
【0018】
(用紙搬送部)
用紙搬送部20は、用紙Pを搬送経路に沿って搬送する。用紙Pは用紙トレイ21に収容されており、当該用紙トレイ21に収容された用紙Pは、給紙部22によって搬送経路へと送り出される。搬送経路には、用紙Pを搬送する複数の搬送ローラーが設けられている。
【0019】
(定着装置)
定着装置50は、転写された画像を用紙Pに定着させる定着処理を行う。定着装置50は、互いに圧接して配置されることによりニップ(定着ニップ)を形成する一対の定着ローラー51,52と、定着ローラー52を加熱する加熱手段53とを備えている。加熱手段53としては、ハロゲンランプ等のヒーターを用いることができる。定着装置50は、用紙Pを搬送するとともに、一対の定着ローラー51,52による圧力及び加熱手段53による熱により用紙Pに画像を定着させる。
【0020】
定着処理が施された用紙Pは、定着ニップ下流側の搬送経路を経て、装置本体側面に取り付けられた排紙トレイ30に排出される。用紙Pの裏面にも画像形成を行う場合には、切替ゲート23を切り替えることで、表面の画像形成を終えた用紙Pは、用紙Pの表裏を反転した上で搬送経路の上流側へと用紙Pを搬送する反転搬送経路へと送り出される。
【0021】
(画像検出装置)
画像検出装置60は、例えばリニアイメージセンサー(例えばCCDラインセンサー等)、光学系、光源等を備えて構成される画像較正制御ユニット(ICCU:Image calibration control unit)であり、定着装置50を通過した用紙Pを読み取り、画像検出データを制御部80に送信する。
なお、図1においては、画像検出装置60が画像形成装置1000内に設けられている場合につき図示したが、これに限られず、別体であっても構わなく、画像検出装置60としては、定着装置50を通過した用紙Pを読み取り、画像検出データを制御部80に送信することができればよい。
【0022】
(操作パネル)
操作パネル70は、ユーザーが入力操作を行う入力部である。操作パネル70は、例えばディスプレイ及びタッチパネルを備え、ディスプレイ上に表示される情報に従い入力操作を行うことができる。ユーザーは、操作パネル70に対する操作を通じて、印刷ジョブに関する設定、例えば用紙P、画像の濃度、倍率等を設定することができる。設定された情報は、制御部80に取得される。また、操作パネル70は、制御部80に制御されることにより、当該操作パネル70を介してユーザーに種々の情報を表示する表示部としても
機能する。
【0023】
(制御部)
制御部80は、画像形成装置1000に関する制御を行う。制御部80としては、CPU、I/Oインターフェース及びROM、RAM等の記憶部90を主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。CPUは、各種プログラムを実行する(プロセッサー)。ROMは、CPUが実行する各種プログラムを、当該CPUが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納する。また、ROMは、プログラムの実行に必要となるデータを記憶する。RAMは、作業用の記憶領域となるメモリである。ROMに格納されたプログラム及びデータは、CPUにより読み出されると、RAM上に展開される。そして、CPUは、RAM上に展開したプログラム及びデータに基づいて、各種の処理を行う。
【0024】
[現像装置]
図3は、本実施形態に係る現像装置4の構成を示す説明図である。以下、本実施形態に係る現像装置4の構成について説明する。以下の説明において、現像装置4は、4組の画像形成部10Y,10M,10C,10Kが備える個々の現像装置4Y,4M,4C,4Kを代表的に示している。同様に、感光体ドラム1は、4組の画像形成部10Y,10M,10C,10Kが備える個々の感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを代表的に示している。また、水平方向を基準に、感光体ドラム1と向き合う側を現像装置4の前方、感光体ドラム1から遠ざかる側を現像装置4の後方という。
【0025】
(筐体)
現像装置4は、現像剤が収容される筐体200を備えている。画像形成装置1000の処理速度の高速化に対応して、筐体200の内部には、第1現像ローラー210と第2現像ローラー220とを含む2本の現像ローラーが配置されている。第1現像ローラー210は、感光体ドラム1の回転方向の上流側に配置され、第2現像ローラー220は、感光体ドラム1の回転方向の下流側に配置されている。第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220は、上下方向に段違いに配置されており、この場合、第1現像ローラー210を下段とし、第2現像ローラー220を第1現像ローラー210よりも上段とするレイアウトが一般的である。第1現像ローラー210を下段に配置することで、凝集した現像剤を感光体ドラム1に転写させることができる。
【0026】
(現像剤収容室)
筐体200内における第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220の後方には、第1現像剤収容室230と第2現像剤収容室240とが設けられている。第1現像剤収容室230及び第2現像剤収容室240内には、現像剤を撹拌しながら搬送するとともに、第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220に現像剤を供給する第1撹拌搬送部材235及び第2撹拌搬送部材245が設けられている。
【0027】
(回収ローラー)
第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220の近傍には、余剰な現像剤を回収する回収ローラー250が設けられている。回収ローラー250によって回収されたトナーは、ガイド部材260を介して第3撹拌搬送部材270へと供給されると、第3撹拌搬送部材270によって搬送され、第1現像剤収容室230(又は第2現像剤収容室240)へと戻される。図3の破線Bで示すように、ガイド部材260の前端は、水平方向を基準に、第1現像ローラー210の外周と重なる位置まで延出している必要がある。
【0028】
(現像剤)
現像剤は、例えば二成分現像剤であり、樹脂性トナーとキャリアーとを含んでいる。この現像剤は、撹拌することによってキャリアーが正極性に帯電し、トナーが負極性に帯電する。そして、正極性に帯電したキャリアーを第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220の外周面に磁気的に吸着させることにより、キャリアーの周囲に付着した負極性に帯電したトナーが搬送される。
【0029】
筐体200は、現像剤を収容するとともに、内部に設けられた第1現像ローラー210、第2現像ローラー220、第1撹拌搬送部材235、第2撹拌搬送部材245、回収ローラー250、ガイド部材260及び第3撹拌搬送部材270を収容する。筐体200には、感光体ドラム1と対向するように開口部OPが設けられており、この開口部OPに、第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220が感光体ドラム1と間隔をあけて向き合うように配設されている。
【0030】
(第1蓋部)
筐体200の上部には、板状部品である第1蓋部201が設けられている。この第1蓋部201は、現像装置4の前方から後方にかけて、筐体200の上部を形成するカバーである。図3の破線Aで示すように、第1蓋部201の前端は、水平方向を基準に、第2現像ローラー220と重なる位置まで延出している。第1蓋部201には、上述したガイド部材260が連結されている。第1蓋部201は、第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220の軸方向にかけて筐体200の全域を覆うような幅広形状を備えている。
【0031】
(第2蓋部)
また、第1蓋部201の上方には、板状部品である第2蓋部202が第1蓋部201を覆うように設けられている。第2蓋部202は、第1蓋部201との間に空間を設けた状態で配置されている。第2蓋部202の前端は、水平方向を基準に、第1蓋部201の前端よりも前方へと延出しており、第2現像ローラー220の全域を覆うように延在している。第2蓋部202は、第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220の軸方向にかけて筐体200の全域を覆うような幅広形状を備えている。
【0032】
(ダクト)
第1蓋部201及び第2蓋部202により、空気が流れるダクトDが構成される。現像装置4の近傍には、吸引ファン(図示せず)が配置されており、この吸引ファンによって空気が吸引されると、現像装置4の前方から後方(図中右側から左側)に向かって空気が流れ、この空気の流れは、第1蓋部201及び第2蓋部202により構成されるダクトDを通る。第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220によって供給される現像剤は、第1現像スリーブ210B及び第2現像スリーブ220Bの回転により感光体ドラム1の周囲に飛翔する場合がある。この飛翔した現像剤は、ダクトDへと至る空気の流れによって誘導され、感光体ドラム1の周囲から回収される。
【0033】
(現像スリーブ)
第1現像ローラー210は、第1マグネットローラー210Aと、第1マグネットローラー210Aの外周面に沿って回転可能に支持された筒状の第1現像スリーブ210Bとを備えている。また、第2現像ローラー220は、第2マグネットローラー220Aと、第2マグネットローラー220Aの外周面に沿って回転可能に支持された筒状の第2現像スリーブ220Bとを備えている。第1マグネットローラー210A及び第2マグネットローラー220Aは、周方向にかけて複数の磁極が着磁されており、磁力の作用で第1現像スリーブ210B及び第2現像スリーブ220Bの外周面に現像剤を磁気的に吸着し又は剥離する。これらの磁極は、第1マグネットローラー210A及び第2マグネットローラー220Aの軸方向にほぼ均等に着磁されている。第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220には、図示しない直流電源から現像バイアス電圧としての直流重畳交流電圧が印加されている。
【0034】
(撹拌搬送部材)
第1撹拌搬送部材235及び第2撹拌搬送部材245は、第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220の軸方向に沿って配置され、中心軸と、この中心軸の回りに螺旋状に形成された翼体とを備えたスクリュー状の部材である。第1撹拌搬送部材235及び第2撹拌搬送部材245は、軸方向の両端部に開口(図示せず)を備えた隔壁280を挟んで並列するように配置されている。第1撹拌搬送部材235及び第2撹拌搬送部材245は、それぞれ軸方向に沿って現像剤を搬送する。第1撹拌搬送部材235及び第2撹拌搬送部材245は、現像剤の搬送方向が互いに反対となるように回転駆動される。第1撹拌搬送部材235及び第2撹拌搬送部材245のそれぞれにより搬送される現像剤は、隔壁280に設けられた開口を介して受け渡され、これにより、隔壁280で仕切られた第1現像剤収容室230と第2現像剤収容室240との間を循環移動する。また、第2撹拌搬送部材245によって搬送される現像剤の一部は、第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220に供給され、第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220の外周面上に現像剤が磁気的に吸着される。
【0035】
[加振部]
図4は、加振部300の構成を示す説明図である。本実施形態において、現像装置4は、用紙P上にトナーコボレが検出された際に、ダクトDに振動を加える加振部300を備えている。
【0036】
加振部300は、一対の加振部材である第1加振部材301及び第2加振部材302と、電動アクチュエータである電磁ソレノイド304と、復帰バネ305とで構成されており、現像装置4の後方側における第1蓋部201上に配置されている。すなわち、加振部300は、空気の流れを基準に、ダクトDの下流側に配置されている。また、加振部300は、第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220の軸方向を基準に、ダクトDの中央位置に配置されている。
【0037】
(加振部材)
第1加振部材301及び第2加振部材302は、ダクトDに振動を加える部品である。第1加振部材301及び第2加振部材302は、上下方向に貫通する固定軸303に連結されており、この固定軸303を中心に回動可能に構成されている。第1加振部材301及び第2加振部材302は、上下に離間して配置されており、第1加振部材301の上方に第2加振部材302が配置されている。第1加振部材301は、上下方向における位置が被加振部である第1蓋部201と対応して配置され、第2加振部材302は、上下方向における位置が被加振部である第2蓋部202と対応して配置されている。
【0038】
第1加振部材301は、固定軸303を中心に回動することで第1蓋部201へと突き当たり、これにより、ダクトDに振動を加える。また、第2加振部材302は、固定軸303を中心に回動することで第2蓋部202へと突き当たり、これにより、ダクトDに振動を加える。第1加振部材301及び第2加振部材302によるダクトDへの加振方向ADは、第1蓋部201及び第2蓋部202の平面方向に設定されている。すなわち、第1加振部材301及び第2加振部材302による振動の入力は、第1蓋部201及び第2蓋部202の平面部ではなく、その板厚面(コバ面)となる。
【0039】
第1加振部材301の上面には、柱状のピン301Aが設けられている。一方、第2加振部材302には、ピン301Aが挿通される開口部302Aが形成されている。開口部302Aは、ピン301Aの回動軌跡に沿って所定の範囲で形成されている。開口部302Aは、ピン301Aが立設された第1加振部材301の相対移動を許容するとともに、第2加振部材302を第2蓋部202に向けて回動させるためにピン301Aから入力される操作力を受け付ける機能を担っている。
【0040】
(電磁ソレノイド)
電磁ソレノイド304は、第1加振部材301を回動させる駆動部である。電磁ソレノイド304は、本体内部へと吸引されるプランジャー304Aを内蔵しており、制御部80からの制御信号に基づいてプランジャー304Aを動作させる。プランジャー304Aは、第1加振部材301に連結されており、このプランジャー304Aが吸引動作することで、第1加振部材301が第1蓋部201に向かって回動する。
【0041】
(復帰バネ)
復帰バネ305は、第2加振部材302と連結されており、第2加振部材302を初期位置に復帰させる引張力を備えた部材である。復帰バネ305による引張力は、第1加振部材301のピン301Aから入力される操作力よりも小さい力に設定されている。このため、第1加振部材301のピン301Aから操作力が入力されると、第2加振部材302は、復帰バネ305の引張力に抗して第2蓋部202に向かって回動することができる。
【0042】
なお、現像装置4は、それぞれ複数の加振部300を備えているのが好ましく、かつ、当該複数の加振部300は、それぞれ復帰ばね305のばね定数が異なり、加振力が異なっているのがなお好ましい。
複数の加振部300を備えていることで、例えば現像装置4のトナーの付着量が著しい場合であっても、複数の加振部300を共に加振させることで、短時間でトナーを払い落とすことができるようになる。また、複数の加振部300の加振力がそれぞれ異なっていることで、トナーの付着量に応じて加振部300を使い分けることができるようになるため、より効率的に加振処理を行うことができるようになる。
また、復帰ばね305のばね定数としては、現像装置4の強度や、付着したトナーの落下度合いから適宜決めることができる。
【0043】
[加振動作]
以下、本実施形態に係る現像装置4におけるダクトDの加振動作について説明する。図5は、加振部300の動作を示す説明図である。まず、制御部80は、画像検出装置60から送信された画像検出データに基づいて加振動作を行うと決定した場合、電磁ソレノイド304に制御信号としてオン信号を出力する。電磁ソレノイド304にオン信号が入力されると、プランジャー304Aが吸引動作する。
【0044】
プランジャー304Aが吸引されると、第1加振部材301がプランジャー304Aによって引っ張られるため、第1加振部材301が固定軸303を中心に回動する。第1加振部材301は、第1蓋部201に向かって回動し、最終的に第1蓋部201に突き当たる。第1加振部材301が第1蓋部201に突き当たると、その衝撃によって第1蓋部201に振動が加えられる(図5(a))。
なお、第1加振部材301は、第1蓋部201が共振するように加振することが好ましい。これにより、より大きな振幅が得られる。
【0045】
一方、第1加振部材301が第1蓋部201に向かって回動すると、第1加振部材301のピン301Aが第2加振部材302の開口部302A内を移動する。このため、第1加振部材301のみが回動し、第2加振部材302は、復帰バネ305の引張力を受けて初期位置を維持する。一方、第1加振部材301の回動が進むと、ピン301Aが開口部302Aの縁部へと突き当たる。そして、ピン301Aは、開口部302Aの縁部へと突き当たった後は、若干の距離を移動するものの第1加振部材301が第1蓋部201に突き当たることをもって停止する。
【0046】
ピン301Aが開口部302Aの縁部へと突き当たると、ピン301Aから第2加振部材302へと力(操作力)が入力される。第2加振部材302は、ピン301Aから操作力を受けるとこれが慣性力となり、復帰バネ305の引張力に抗して第2蓋部202に向かって回動する。第2加振部材302は、最終的に第2蓋部202に突き当たり、その衝撃によって第2蓋部202に振動が加えられる(図5(b))。
なお、第2加振部材302は、第2蓋部202が共振するように加振することが好ましい。これにより、より大きな振幅が得られる。
【0047】
制御部80は、オン信号の出力後、所定の期間が経過すると、電磁ソレノイド304に制御信号としてオフ信号を出力する。電磁ソレノイド304にオフ信号が入力されると、プランジャー304Aが初期位置へと復帰する。プランジャー304Aの復帰に伴い、第1加振部材301が逆方向に回動し、第1加振部材301は初期位置へと復帰する。また、第2加振部材302は、第2蓋部202に突き当たった後、復帰バネ305の引張力を受けて、逆方向に回動する。そして、第1加振部材301の初期位置への復帰に伴い、第2加振部材302も初期位置へと復帰する(図5(c))。
【0048】
以上の一連の加振動作により、加振部300によってダクトDに対して振動が入力される。加振部300による加振動作は、制御部80の判断に従い、生産性を低下させないように、原則として画像形成装置1000(具体的には、画像形成部10Y,10M,10C,10K)において画像の形成を行わない非画像形成時に実行される。非画像形成時としては、例えばジョブ間、具体的には、先行するジョブが終了してから次のジョブが実行されるまでの期間、特に、画像安定化動作時、カラーレジスト補正時、各種動作補正時等の、用紙Pを通してのプリント動作を行わないタイミングである。このジョブ間においては、第1現像ローラー210の第1現像スリーブ210B及び第2現像ローラー220の第2現像スリーブ220Bは、回転制御が停止されている。
ただし、連続プリント中であっても、例えば大きいトナーコボレが検出された場合は、途中で画像形成を中止し、加振動作を行うようにしても構わない。
【0049】
[加振条件の決定]
加振部300による現像装置4の加振においては、プリントの生産性及び加振部300の耐久性を考慮すると、あくまでも現像装置4に付着したトナーを払い落とすことができる必要最小限の加振時間及び加振回数とするのが好ましい。
そこで、本実施形態に係る制御部80は、画像検出データから検出されたトナーコボレのレベルに応じて加振部300の加振条件を決定する。
【0050】
トナーコボレレベルの判定基準を表Iに例示する。
トナーコボレレベルの判定基準としては、例えば用紙Pに付着した最も大きいトナーコボレの大きさ、所定の単位面積あたりの発生個数及び発生位置を用いることができ、制御部80が、各判定基準に従ってそれぞれ付けられた点数を足し合わせることで、トナーコボレレベルを判定することができる。
【0051】
【表1】
【0052】
例えば、用紙Pに付着した「トナーコボレの最大長」が1.5mmで、「5cmあたりのトナーコボレ個数」が4個であり、「コボレ発生位置」が用紙Pの両端から75mm以内であると制御部80が判定した場合、3+2+3よりトナーコボレレベルを8点と判定する。
なお、本実施形態では、最も大きいトナーコボレの大きさ、所定の単位面積あたりの発生個数及び発生位置という3つの判定条件を組み合わせることでトナーコボレレベルの判定を行っているが、これに限られず、いずれか2つの判定条件の組み合わせ、あるいはいずれか1つの判定条件からトナーコボレレベルの判定を行ってもよい。
【0053】
トナーコボレレベルに応じた加振部300による加振条件を表IIに例示する。表IIに示すように、トナーコボレレベルが悪い(合計点数が高い)と判定された場合は、現像
装置4に多くのトナーが付着し、トナーコボレが非常に発生しやすい状態であると想定されるため、これを確実に払い落とすことができるように、主に加振力の大きい加振部300を用いて加振を行い、加振時間及び加振回数も増やすように加振条件を決定する。
また、同様の画像不良が多数発生しないように、連続プリント中であっても画像形成を中止し、補正動作として加振動作を行うようにするのが好ましい。
【0054】
一方で、トナーコボレレベルが良い(合計点数が低い)と判定された場合は、現像装置4に付着したトナーは少なく、トナーコボレが発生しにくい状態であると想定されるため、生産性を低下させすぎず、加振部300が消耗しないよう、主に加振力の小さい加振部300を用いて加振を行い、加振時間及び加振回数も減らすように加振条件を決定する。
また、連続プリント中である場合は、他の補正動作を行うタイミングに合わせるのが、生産性の点から好ましい。
【0055】
【表2】
【0056】
なお、画像とトナーコボレの判別を容易にするために、トナーコボレの検出は例えば用紙Pにおける印字率が低い場合に行うようにするのが好ましい。特に、トナーコボレは通紙領域の端部に発生することが多いため、通紙領域の端部の印字率が低い場合や、白紙がプリントされる場合のみ、トナーコボレの検出を行うようにするのがなお好ましい。
【0057】
また、例えば連続プリント中に補正動作としてプリント通紙を停止し、ヤレ紙を出力する前に加振を行って意図的にヤレ紙上にトナーコボレを発生させることで、現像装置4にトナーコボレが発生しているかの判定を行うようにしても構わない。
このようにすることで、画像が形成された用紙P上にトナーコボレが発生する前に、現像装置4に付着したトナーを払い落とすことができるようになる。
なお、ヤレ紙上のトナーコボレは検出が容易であるため、ヤレ紙出力前の加振条件としては、生産性への影響を小さくする点から、加振部300による加振回数及び加振時間を表IIに記載の加振条件よりも少なくするのが好ましい。
【0058】
また、表Iに記載のトナーコボレの判定基準並びに表IIに記載のトナーコボレレベルに応じた加振条件やヤレ紙出力前の加振条件は、予め制御部80に設定されたものに限られず、操作パネル70を介してユーザーが任意に変更できるものとしても構わない。
【0059】
[加振条件決定及び加振処理の流れ]
図6は、本実施形態に係る画像形成装置1000の画像検出装置60が定着装置50を通過した用紙Pを読み取り、制御部80が加振部300の加振条件を決定し、加振部300が加振を行う流れを示すフローチャートである。
【0060】
制御部80は、画像検出装置60により、定着装置50を通過した用紙Pの画像を読み取った画像検出データを取得する(ステップS11)。
次に、制御部80は、画像検出データに基づいて用紙P上にトナーコボレが発生しているかを判定する(ステップS12)。
制御部80は、トナーコボレが発生していないと判定した場合(ステップS12;No)、所定のタイミングでステップS11の動作を再び実行する(ステップS11)。
【0061】
制御部80は、用紙P上にトナーコボレが発生していると判定した場合(ステップS12;Yes)、画像検出データに基づいて「1.トナーコボレの最大長」、「2.所定の単位面積辺りのトナーコボレの個数」、「3.トナーコボレの発生位置」の検出を行う(ステップS13)。
次に、制御部80は、記憶部90に記憶された表Iのテーブルから、1~3につき点数付けを実施し、合算によりトナーコボレレベルを算出する(ステップS14)。
そして、制御部80は、算出したトナーコボレレベルに対応する加振条件を表IIのテーブルを参照して決定する(ステップS15)。
次いで、制御部80は、算出されたトナーコボレレベルが、9以下であるかを判定する(ステップS16)。トナーコボレレベルが10以上である場合(ステップS16;No)、制御部80は連続プリント動作を停止させて、加振部300による加振動作を実施し(ステップS20)、加振処理を終了する。
【0062】
トナーコボレレベルが9以下である場合(ステップS16;Yes)、制御部80は、算出されたトナーコボレレベルが、5以上であるかを判定する(ステップS17)。トナーコボレレベルが4以下である場合(ステップS17;No)、制御部80は他の補正動作と合わせたタイミングで、加振部300による加振動作を実施し(ステップS19)、加振処理を終了する。
【0063】
トナーコボレレベルが5以上である場合(ステップS17;Yes)、制御部80は、1000プリント以内に他の補正動作が入るタイミングであるかを判定する(ステップS18)。
1000プリント以内に他の補正動作が入らない場合(ステップS18;No)、制御部80は連続プリント動作を停止させて、加振部300による加振動作を実施し(ステップS20)、加振処理を終了する。
【0064】
1000プリント以内に他の補正動作が入る場合(ステップS18;Yes)、制御部80は他の補正動作と合わせたタイミングで、加振部300による加振動作を実施し(ステップS19)、加振処理を終了する。
【0065】
図7は、図6の変形例である、連続プリント中に補正動作としてプリント通紙を停止し、ヤレ紙を出力する前に加振を行って意図的にヤレ紙上にトナーコボレを発生させ、トナーコボレが発生しているかの判定を行い、発生している場合は加振条件を決定し、加振部300が加振を行う流れを示したフローチャートである。
この加振処理は、図6に示したフローチャートに対してステップS31からS34の処理が追加された点を除き、ステップS12からS20と、ステップS35からS43の処理内容は同一であるため、詳細な説明は割愛する。
【0066】
制御部80は、加振部300をトナーコボレレベルの検出用加振条件に設定し(ステップS31)、ヤレ紙を出力できるタイミングであるかを判定する(ステップS32)。
ヤレ紙を出力できないタイミングである場合(ステップS32;No)、ヤレ紙を出力できるタイミングになるまで本ステップを繰り返し実行する。
【0067】
ヤレ紙を出力できるタイミングである場合(ステップS32;Yes)、制御部80は、トナーコボレレベルの検出用加振条件で現像装置4を加振した後にヤレ紙を出力する(ステップS33)。
次に、制御部80は、画像検出装置60により、定着装置50を通過したヤレ紙の画像を読み取った画像検出データを取得する(ステップS34)。
【0068】
なお、ステップS16からS18(ステップS39からS41)においては、具体的な数値に基づく判定条件を例示したが、あくまで例であり、これに限られない。
また、ステップS18(ステップS41)においては、BKトナーと視認しにくいYトナーとでプリント数を変えて、例えばBKトナーは1000プリント以内、Yトナーは3000プリント以内に他の補正動作が入るかを判定条件としても構わない。
【0069】
[発明の効果]
本実施形態に係る画像形成装置1000は、現像装置4の被加振部を加振させる加振部300と、加振部300を制御する制御部80と、を備え、制御部80は、画像検出装置60が読み取った用紙Pの画像検出データに基づいてトナーコボレレベルを判定し、当該トナーコボレレベルに応じて加振部300の加振条件を決定する。そして、制御部80は、決定した加振条件により加振部300に加振動作を行わせる。
【0070】
この構成によれば、トナーコボレレベルに応じて加振部300の加振条件が決定されて加振されるため、適切なタイミングで効率的にトナーを払い落とすことができることとなって、画像不良を抑制することができる。
【0071】
また、本実施形態において、加振部300は、被加振部の共振が発生するように加振する。
この構成によれば、被加振部の振幅を大きくすることができることとなって、効率的にトナーを払い落とすことができる。
【0072】
また、本実施形態において、現像装置4は、複数の加振部300を備え、制御部80は、トナーコボレレベルに応じて、加振条件を加振部300ごとに個別に決定する。
【0073】
この構成によれば、トナーの付着量が多い場合は、複数の加振部300を共に加振させることができるため、短い時間で効率的にトナーを払い落とすことができるようになる。
【0074】
また、本実施形態において、複数の加振部300は、それぞれ加振力が異なる。
【0075】
この構成によれば、トナーの付着量の多寡に応じて、それぞれ加振力が異なる複数の加振部300を使い分けることができるようになるため、より効率的にトナーを払い落とすことができるようになる。
【0076】
また、本実施形態において、制御部80は、トナーコボレレベルの検出用加振条件で加振部300に加振動作を行わせた後、通紙処理を行う。
【0077】
この構成によれば、画像が形成された用紙P上にトナーコボレが発生する前に、制御部80がトナーの付着状況を検出できるようになる。
【0078】
なお、本実施形態では、1つの加振部300につき、第1加振部材301及び第2加振部材302を用いてダクトDに振動を加えている。しかしながら、加振部300は、1つの加振部材のみを備える構成であってもよい。1つの加振部材を用いる場合、ダクトDの上側のみ、又はダクトDの下側のみに振動を加えてもよいし、ダクトDの上下両側に同時に振動を加えるような厚肉構造としてもよい。また、加振部300は、3つ以上の加振部材を備えるものであってもよい。
【0079】
また、本実施形態では、加振部300は、第1現像ローラー210及び第2現像ローラー220の軸方向において、ダクトDの中央位置に配置されている。これにより、ダクトDの中心に振動を加えることができるので、ダクトDの全域に振動をバランスよく伝達させることができる。
【0080】
ただし、ダクトDの形状、ページ内での画像の分布(濃淡)、画像形成部10Y,10M,10C,10Kの機器固有の特性といった動作条件に応じて、トナーの付着箇所も様々である。一方で、軸方向における加振部300の配置条件に応じて、ダクトDの振動条件は相違する。例えば、ダクトDの中央に振動を加える場合と、ダクトDの端部に振動を加える場合とでは、ダクトDの振動態様(すなわち、ダクトDが振動する態様)が異なる。したがって、トナーの付着箇所や加振部300の個数に応じて、加振部300の配置条件を変更してもよい。加振部300の配置条件に応じてダクトDの振動態様を変えることで、トナーを適切に払い落とすことができる。
【0081】
なお、本実施形態では、加振部300の位置を固定している。しかしながら、駆動機構からの駆動力を受けることにより、あるいは、ユーザーの手動操作を利用して、上述の動作条件に基づいて加振部300の位置を可変にするようにしてもよい。
【0082】
また、本実施形態において、制御部80は、画像の形成を行わない非画像形成時、具体的には、ジョブ間に加振部300を動作させてダクトDに振動を加えている。
【0083】
この構成によれば、トナーが感光体ドラム1に脱落するような場合であっても、画像不良の発生を抑制することができる。
【0084】
なお、本実施形態では、非画像形成時としてジョブ間を例示した。しかしながら、いわゆる紙間、すなわち、先行する用紙Pに対する画像形成終了からこれに続く用紙Pに対する画像形成開始までの間に、加振部300を動作させてダクトDに振動を加えるものであってもよい。
【0085】
また、制御部80は、現像装置4Y、4M、4C、4Kのうちいずれの現像装置4にトナーが付着しているかをトナーコボレの色から判別し、該当する現像装置4のみを加振するようにしても構わない。
【0086】
この構成によれば、より効率的にトナーを払い落とすことができるようになる。
【0087】
以上、本発明の実施形態にかかる画像形成装置1000及びプログラムについて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0088】
4(4Y,4M,4C,4K) 現像装置
60 画像検出装置
80 制御部
300 加振部
1000 画像形成装置
P 用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7