(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】点灯装置および照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 47/105 20200101AFI20240402BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20240402BHJP
H05B 45/38 20200101ALI20240402BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20240402BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20240402BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B45/375
H05B45/38
H05B45/20
H05B45/10
(21)【出願番号】P 2020089676
(22)【出願日】2020-05-22
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】福田 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 弥生
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-163852(JP,A)
【文献】特開2018-101542(JP,A)
【文献】特開2020-021730(JP,A)
【文献】国際公開第2016/001065(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/105
H05B 45/375
H05B 45/38
H05B 45/20
H05B 45/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を点灯させる点灯回路と、
前記光源の点灯状態が、外部から入力されるPWM信号のデューティ比と周波数の一方に応じた調光値に、前記デューティ比と前記周波数の他方に応じたフェード時間だけ掛けて変化するように、前記点灯回路を制御する制御回路と、
を備えることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記制御回路は、
前記デューティ比と前記周波数の一方と前記調光値との第1対応関係と、前記デューティ比と前記周波数の他方と前記フェード時間との第2対応関係を記憶する記憶部と、
前記第1対応関係と第2対応関係から前記調光値と前記フェード時間を決定する処理部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
光源を点灯させる点灯回路と、
外部から入力される
単一のPWM信号のデューティ比
から、前記光源が調光値となるまでのフェード時間または前記光源の色温度のうち一方である点灯条件と、前記光源の前記調光値と、の両方を決定し、前記光源が前記調光値と前記点灯条件で点灯するように前記点灯回路を制御する制御回路と、
を備え
、
前記フェード時間は前記デューティ比の変化に応じて逐次的に変化することを特徴とする点灯装置。
【請求項4】
前記制御回路は、
前記デューティ比と、前記調光値および前記点灯条件との対応関係を記憶する記憶部と、
前記対応関係から前記調光値および前記点灯条件を決定する処理部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記デューティ比に応じて前記調光値と前記フェード時間とを決定し、前記光源の点灯状態が前記調光値に前記フェード時間だけ掛けて変化するように、前記点灯回路を制御することを特徴とする請求項3または4に記載の点灯装置。
【請求項6】
光源を点灯させる点灯回路と、
外部から入力されるPWM信号のデューティ比に応じて、前記光源の調光値と、前記光源が前記調光値となるまでのフェード時間である点灯条件と、を決定し、前記光源が前記調光値と前記点灯条件で点灯するように前記点灯回路を制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、
前記デューティ比に応じて前記調光値と前記フェード時間とを決定した場合に、前記光源の点灯状態が前記調光値に前記フェード時間だけ掛けて変化するように、前記点灯回路を制御し、
前記PWM信号の周波数が第1周波数のとき、前記デューティ比に応じて前記調光値を決定し、前記PWM信号の前記周波数が第2周波数のとき、前記デューティ比に応じて前記フェード時間を決定することを特徴とする点灯装置。
【請求項7】
前記制御回路は、前記デューティ比に応じて前記調光値と前記色温度とを決定し、前記調光値と前記色温度で前記光源が点灯するように前記点灯回路を制御することを特徴とする請求項3または4に記載の点灯装置。
【請求項8】
光源を点灯させる点灯回路と、
外部から入力されるPWM信号のデューティ比に応じて、前記光源の調光値と、前記光源の色温度である点灯条件と、を決定し、前記光源が前記調光値と前記点灯条件で点灯するように前記点灯回路を制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、
前記デューティ比に応じて前記調光値と前記色温度とを決定した場合に、前記調光値と前記色温度で前記光源が点灯するように前記点灯回路を制御し、
前記PWM信号の周波数が第1周波数のとき、前記デューティ比に応じて前記色温度を決定し、前記PWM信号の前記周波数が第2周波数のとき、前記デューティ比に応じて前記調光値を決定することを特徴とする点灯装置。
【請求項9】
光源を点灯させる点灯回路と、
外部から入力されるPWM信号のデューティ比に応じて、前記光源の調光値と、前記光源が前記調光値となるまでのフェード時間および前記光源の色温度である点灯条件と、を決定し、前記光源が前記調光値と前記点灯条件で点灯するように前記点灯回路を制御する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、前記デューティ比に応じて前記調光値と前記フェード時間と前記色温度とを決定し、前記光源が前記調光値と前記フェード時間と前記色温度とで点灯するように前記点灯回路を制御することを特徴とする点灯装置。
【請求項10】
前記制御回路は、前記PWM信号の周波数が第1周波数のとき、前記デューティ比に応じて前記色温度を決定し、前記PWM信号の前記周波数が第2周波数のとき、前記デューティ比に応じて前記調光値を決定し、前記PWM信号の前記周波数が第3周波数のとき、前記デューティ比に応じて前記フェード時間を決定することを特徴とする請求項9に記載の点灯装置。
【請求項11】
前記光源は色温度の異なる第1光源と第2光源を有し、
前記制御回路は、前記デューティ比に応じて決定した前記調光値に応じて前記光源に流す電流の総量を制御し、前記デューティ比に応じて決定した前記色温度に応じて前記第1光源と前記第2光源に流す電流の比率を制御することを特徴とする請求項7から10の何れか1項に記載の点灯装置。
【請求項12】
請求項1から11の何れか1項に記載の点灯装置と、
前記光源と、
を備えることを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、点灯装置および照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、通信で多チャンネルの調光データを定期的に送信してくる調光卓からの調光信号の自己に対応する信号を受信して調光制御する調光器が開示されている。この調光器において、受信側は、つぎの通信による調光データ受信までの時間を自ら計測することで、調光データ受信以降の調光回数と調光値とを決定し、その時間内で決定した目標の調光値に段階的に調光を行う受信側調光手段が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方式では、調光データの送信側が目標調光値までの段階的な調光時間等の調光値以外の点灯条件を指定することができない。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、調光値の送信側が調光値以外の点灯条件を指定することができる点灯装置および照明器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の開示に係る点灯装置は、光源を点灯させる点灯回路と、該光源の点灯状態が、外部から入力されるPWM信号のデューティ比と周波数の一方に応じた調光値に、該デューティ比と該周波数の他方に応じたフェード時間だけ掛けて変化するように、該点灯回路を制御する制御回路と、を備える。
【0007】
第2の開示に係る点灯装置は、光源を点灯させる点灯回路と、外部から入力される単一のPWM信号のデューティ比から、前記光源が調光値となるまでのフェード時間または前記光源の色温度のうち一方である点灯条件と、前記光源の前記調光値と、の両方を決定し、前記光源が前記調光値と前記点灯条件で点灯するように前記点灯回路を制御する制御回路と、を備え、前記フェード時間は前記デューティ比の変化に応じて逐次的に変化する。
第3の開示に係る点灯装置は、光源を点灯させる点灯回路と、外部から入力されるPWM信号のデューティ比に応じて、前記光源の調光値と、前記光源が前記調光値となるまでのフェード時間である点灯条件と、を決定し、前記光源が前記調光値と前記点灯条件で点灯するように前記点灯回路を制御する制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記デューティ比に応じて前記調光値と前記フェード時間とを決定した場合に、前記光源の点灯状態が前記調光値に前記フェード時間だけ掛けて変化するように、前記点灯回路を制御し、前記PWM信号の周波数が第1周波数のとき、前記デューティ比に応じて前記調光値を決定し、前記PWM信号の前記周波数が第2周波数のとき、前記デューティ比に応じて前記フェード時間を決定する。
第4の開示に係る点灯装置は、光源を点灯させる点灯回路と、外部から入力されるPWM信号のデューティ比に応じて、前記光源の調光値と、前記光源の色温度である点灯条件と、を決定し、前記光源が前記調光値と前記点灯条件で点灯するように前記点灯回路を制御する制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記デューティ比に応じて前記調光値と前記色温度とを決定した場合に、前記調光値と前記色温度で前記光源が点灯するように前記点灯回路を制御し、前記PWM信号の周波数が第1周波数のとき、前記デューティ比に応じて前記色温度を決定し、前記PWM信号の前記周波数が第2周波数のとき、前記デューティ比に応じて前記調光値を決定する。
第5の開示に係る点灯装置は、光源を点灯させる点灯回路と、外部から入力されるPWM信号のデューティ比に応じて、前記光源の調光値と、前記光源が前記調光値となるまでのフェード時間および前記光源の色温度である点灯条件と、を決定し、前記光源が前記調光値と前記点灯条件で点灯するように前記点灯回路を制御する制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記デューティ比に応じて前記調光値と前記フェード時間と前記色温度とを決定し、前記光源が前記調光値と前記フェード時間と前記色温度とで点灯するように前記点灯回路を制御する。
【発明の効果】
【0008】
第1の開示に係る点灯装置では、PWM信号のデューティ比と周波数によって、光源の調光値とフェード時間が決まる。従って、調光値の送信側が調光値以外の点灯条件を指定することができる。
第2の開示に係る点灯装置では、PWM信号のデューティ比に応じて、光源の調光値と、フェード時間および色温度のうち少なくとも1つが決まる。従って、調光値の送信側が調光値以外の点灯条件を指定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具の回路ブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る第1対応関係と第2対応関係を示すテーブルである。
【
図3】比較例に係る調光値の変化を示すグラフである。
【
図4】実施の形態1に係る調光値の変化を示すグラフである。
【
図5】実施の形態1の変形例に係る第1対応関係と第2対応関係を示すテーブルである。
【
図6】実施の形態2に係る対応関係を示すテーブルである。
【
図7】実施の形態2の変形例に係る対応関係を示すテーブルである。
【
図8】実施の形態3に係る対応関係を示すテーブルである。
【
図9】実施の形態4に係る照明器具の回路ブロック図である。
【
図10】実施の形態4に係る対応関係を示すテーブルである。
【
図11】実施の形態4に係る調光値と色温度の変化を示すグラフである。
【
図12】実施の形態5に係る対応関係を示すテーブルである。
【
図13】実施の形態5に係る調光値と色温度の変化を示すグラフである。
【
図14】実施の形態6係る対応関係を示すテーブルである。
【
図15】実施の形態7係る対応関係を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各実施の形態に係る点灯装置および照明器具について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具100の回路ブロック図である。照明器具100は、点灯装置1と光源モジュール11を備える。点灯装置1は、整流回路3と、調光回路17と、光源モジュール11を点灯させる点灯回路と、点灯回路を制御する制御回路16とを備える。点灯回路は、昇圧チョッパ回路4と降圧チョッパ回路5から構成される。点灯回路は、光源モジュール11が接続される出力端子21を有する。
【0012】
光源モジュール11は、直列に接続された複数の光源20を有する。光源20は、LED、有機EL(Electro Luminescence)等の発光素子である。複数の光源20は並列または直並列に接続されても良い。また、光源モジュール11は光源20を1つ以上有すれば良い。
【0013】
整流回路3は、交流電源2からの交流電力を直流電力に整流する。整流回路3の両出力端子間には、昇圧チョッパ回路4が接続される。昇圧チョッパ回路4の両出力端子間には降圧チョッパ回路5が接続される。降圧チョッパ回路5は、光源モジュール11に定電流を供給する。
【0014】
降圧チョッパ回路5において、昇圧チョッパ回路4の高電位側にスイッチング素子6のドレイン端子が接続される。スイッチング素子6のソース端子には、ダイオード8のカソード端子と、インダクタ7の一端が接続される。インダクタ7の他端には、コンデンサ9の一方の極が接続される。コンデンサ9の他方の極は抵抗10を介してダイオード8のアノード端子に接続される。ダイオード8のアノード端子は、昇圧チョッパ回路4の低電位側の出力に接続される。コンデンサ9と並列に光源モジュール11が接続される。
【0015】
抵抗10は、降圧チョッパ回路5の低電位側の出力線路に設けられる。抵抗10と光源モジュール11の接続点は、制御回路16に接続される。抵抗10は、降圧チョッパ回路5が光源モジュール11に供給している電流を検出する出力電流検出回路である。抵抗10は、降圧チョッパ回路5が光源モジュール11に供給している出力電流に相当する出力電流検出信号を、制御回路16に出力する。具体的には、抵抗10には光源20を流れるランプ電流に対応する電圧が発生する。制御回路16は、抵抗10に発生する電圧に基づいて、降圧チョッパ回路5を制御する。
【0016】
調光回路17は、調光装置19が備える調光器18からPWM(Pulse Width Modulation)信号を受信する。点灯装置1は、PWM信号が入力される入力端子22を備える。PWM信号は、光源20の光量を調整するための信号である。
【0017】
制御回路16として、例えばマイコン、DSP(Digital Signal Processor)等を使用することができる。一例として制御回路16は、内部バスを介して互いに接続された駆動回路12、A/D変換回路13、処理装置14、記憶装置15を備えている。駆動回路12は、スイッチング素子6をスイッチングするPWM信号を出力する。A/D変換回路13は、抵抗10に発生する電圧をデジタル値に変換する。
【0018】
処理装置14には、調光回路17からPWM信号が入力される。処理装置14は、入力されたPWM信号のオン期間またはオフ期間に基づいて目標電流を決定する。処理装置14は、抵抗10で検出したランプ電流が目標電流に一致するように、スイッチング素子6のオンオフを制御する。処理装置14は、例えばスイッチング素子6のスイッチング制御におけるオン期間などを調整する。これにより、制御回路16は点灯回路を定電流制御する。
【0019】
記憶装置15は、例えば不揮発性メモリである。記憶装置15は処理装置14で実行すべき演算プログラムおよび演算に用いられる各種データを記憶している。
【0020】
次に、本実施の形態にかかる点灯装置1が実行する調光制御について説明する。記憶装置15は、PWM信号のデューティ比と調光値との第1対応関係と、PWM信号の周波数とフェード時間との第2対応関係を記憶している。
図2は、実施の形態1に係る第1対応関係と第2対応関係を示すテーブルである。ここで、調光値は光源20の目標調光値を示している。また、フェードは目標調光値までの段階的または連続的な調光を示す。フェード時間は、調光開始から目標調光値に到達するまでの時間である。
【0021】
処理装置14は、外部から入力されるPWM信号のオン期間およびオフ期間を計測する。また、処理装置14はPWM信号の周波数を計測する。次に、処理装置14は、計測した周波数に対応するフェード時間と、計測したデューティ比に対応する調光値を記憶装置15に格納されたテーブルから読み出す。このように、処理装置14は、第1対応関係と第2対応関係から調光値とフェード時間を決定する。
【0022】
処理装置14は、光源20の点灯状態が、PWM信号のデューティ比に応じた調光値に、周波数に応じたフェード時間だけ掛けて変化するように、点灯回路を制御する。具体的には、処理装置14は、決定された調光値とフェード時間が実現されるように、駆動回路12を介してスイッチング素子6を制御する。
【0023】
図3は、比較例に係る調光値の変化を示すグラフである。
図3は、調光器18が出力するPWM信号のオン期間またはオフ期間が、一定の時間間隔で変化する場合の光出力を示す。処理装置14は、調光回路17から入力されるPWM信号のオン期間またはオフ期間を計測する。また、記憶装置15には、オン期間またはオフ期間に基づいて決定される目標調光値が予め格納されている。処理装置14は、抵抗10を流れる電流が目標調光値と一致するように、定電流制御を行う。
【0024】
図3は、フェード時間が適切に設定されていない場合の調光値の変化を示している。制御回路16が次の調光値を受信する前に、光源20の光出力が目標調光値に到達すると、
図3に示されるように光出力が階段状となる。このため、光ちらつきが発生する。
【0025】
図4は、実施の形態1に係る調光値の変化を示すグラフである。本実施の形態では、外部からのPWM信号により調光値とフェード時間が設定できる。このため、調光器18が出力するPWM信号のオン期間またはオフ期間を変化させて調光制御する場合に、光出力をフェード時間だけ掛けて目標調光値へ到達させることができる。これにより、光出力を滑らかに変化させることができ、光ちらつきを抑制できる。
【0026】
また、
図3に示される比較例では、調光器18は10%間隔で定期的にPWM信号を変化させることで、段階的に調光値を変化させている。これに対し、本実施の形態では、一度PWM信号によって目標調光値とフェード時間が制御回路16に通知されれば、光出力をフェード時間だけ掛けて目標調光値に変化させることができる。従って、調光制御を容易に実施できる。また、任意のフェード時間が設定された場合にも、光ちらつきが発生しない調光が可能となる。
【0027】
本実施の形態では、PWM信号の送信側が調光値以外の点灯条件を指定することができる。従って、送信側がPWM信号を用いて光源20の点灯状態を適切に制御できる。
【0028】
図5は、実施の形態1の変形例に係る第1対応関係と第2対応関係を示すテーブルである。記憶装置15は、PWM信号の周波数と調光値との第1対応関係と、PWM信号のデューティ比とフェード時間との第2対応関係を記憶している。この場合、処理装置14は、光源20の点灯状態が、PWM信号の周波数に応じた調光値に、デューティ比に応じたフェード時間だけ掛けて変化するように、点灯回路を制御する。この場合も、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0029】
このように、記憶装置15は、PWM信号のデューティ比と周波数の一方と調光値との第1対応関係と、PWM信号のデューティ比と周波数の他方とフェード時間との第2対応関係を記憶していれば良い。
【0030】
また、上記のテーブルは第1対応関係と第2対応関係の一例であり、テーブルに示される数値は限定されない。また、記憶装置15に第1対応関係として格納される調光値は、目標電流であっても良い。また、第1対応関係と第2対応関係は、テーブルに限らず調光値とフェード時間を算出するための演算式であっても良い。
【0031】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る点灯装置および照明器具について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る点灯装置および照明器具については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0032】
実施の形態2.
本実施の形態では、調光値とフェード時間を決めるためのテーブルが実施の形態1と異なる。他の構成は実施の形態1の構成と同様である。処理装置14は、PWM信号のデューティ比に基づいて、光源20の調光値および調光のフェード時間の両方を決定しても良い。本実施の形態の記憶装置15は、PWM信号のデューティ比と、光源20の調光値および光源20がその調光値となるまでのフェード時間との対応関係を記憶する。
図6は、実施の形態2に係る対応関係を示すテーブルである。
【0033】
次に、本実施の形態に係る点灯装置1が実行する調光制御について説明する。処理装置14は、PWM信号のオン期間およびオフ期間を計測し、デューティ比を算出する。処理装置14は算出されたデューティ比に対応する調光値とフェード時間をテーブルから読み出す。このように、処理装置14は、PWM信号のデューティ比に応じて、光源20の調光値とフェード時間を決定する。処理装置14は、決定された調光値とフェード時間で光源20が点灯するように、点灯回路を制御する。
【0034】
本実施の形態においても、
図4に示されるように、光出力をフェード時間だけ掛けて目標調光値に到達させることができる。このため、光出力が階段状となることを抑制でき、光ちらつきを抑制できる。
【0035】
図7は、実施の形態2の変形例に係る対応関係を示すテーブルである。デューティ比と、調光値およびフェード時間との対応関係は、デューティ比に応じて調光値とフェード時間が決まれば良い。例えば、
図7に示されるような対応関係が用いられても良い。
【0036】
実施の形態3.
本実施の形態では、調光値とフェード時間を決めるためのテーブルが実施の形態2と異なる。他の構成は実施の形態2の構成と同様である。記憶装置15は、PWM信号のデューティ比と、調光値およびフェード時間との対応関係を記憶している。
図8は、実施の形態3に係る対応関係を示すテーブルである。テーブルでは、PWM信号が第1周波数のときデューティ比に調光値が対応付けられ、PWM信号が第2周波数のときデューティ比にフェード時間が対応付けられる。
図8に示される例では第1周波数は100Hzであり、第2周波数は125Hzである。
【0037】
処理装置14は、PWM信号のオン期間およびオフ期間を計測し、周波数およびデューティ比を算出する。処理装置14は算出された周波数が第1周波数の場合、算出されたデューティ比に対応する調光値をテーブルから読み出す。処理装置14は、算出された周波数が第2周波数の場合、算出されたデューティ比に対応するフェード時間をテーブルから読み出す。
【0038】
このように、処理装置14は、PWM信号の周波数が第1周波数のとき、デューティ比に応じて調光値を決定し、PWM信号の周波数が第2周波数のとき、デューティ比に応じてフェード時間を決定する。処理装置14は、光源20の点灯状態が、目標調光値にフェード時間だけ掛けて変化するように、点灯回路を制御する。
【0039】
本実施の形態においても、
図4に示されるように、光出力をフェード時間だけ掛けて目標調光値に到達させることができる。このため、光出力が階段状となることを抑制でき、光ちらつきを抑制できる。
【0040】
実施の形態4.
図9は、実施の形態4に係る照明器具200の回路ブロック図である。照明器具200は、点灯装置201と光源モジュール11a、11bを備える。点灯装置201は、降圧チョッパ回路5a、5bを備える。降圧チョッパ回路5a、5bは、昇圧チョッパ回路4の出力端に並列に接続される。降圧チョッパ回路5a、5bの構成は、降圧チョッパ回路5と同様である。
【0041】
降圧チョッパ回路5a、5bの出力端には、それぞれ光源モジュール11a、11bが接続される。降圧チョッパ回路5a、5bは、それぞれ光源モジュール11a、11bに電流を供給する。光源モジュール11a、11bは色温度が異なる。
【0042】
また、制御回路16は、駆動回路12a、12bを有する。処理装置14は、降圧チョッパ回路5aを、駆動回路12aを介して制御する。また、処理装置14は、降圧チョッパ回路5bを、駆動回路12bを介して制御する。駆動回路12aは、降圧チョッパ回路5aのスイッチング素子をスイッチングするPWM信号を出力する。駆動回路12bは、降圧チョッパ回路5bのスイッチング素子をスイッチングするPWM信号を出力する。他の構成は、点灯装置1の構成と同様である。
【0043】
本実施の形態では、記憶装置15はPWM信号のデューティ比と、光源の調光値および光源の色温度との対応関係を記憶している。
図10は、実施の形態4に係る対応関係を示すテーブルである。ここで、調光値は光源モジュール11a、11bに流す電流の総量に対応する。また、色温度は光源モジュール11aと光源モジュール11bに流す電流の比率に対応する。本実施の形態では、色温度の異なる光源モジュール11a、11bを流れる電流の比率を変更することで、光源全体としての色温度を変更する。
【0044】
処理装置14は、PWM信号のデューティ比に対応した調光値と色温度をテーブルから読み出す。このように、処理装置14はデューティ比に応じて調光値と色温度とを決定する。処理装置14は、決定された調光値と色温度で光源モジュール11a、11bが点灯するように、点灯回路を制御する。処理装置14は、調光値に応じて光源モジュール11a、11bに流す電流の総量を制御し、色温度に応じて光源モジュール11a、11bに流す電流の比率を制御する。これにより、光源モジュール11a、11bの発光量の総量と比率が制御される。
【0045】
図11は、実施の形態4に係る調光値と色温度の変化を示すグラフである。光源の調光値と色温度は、PWM信号のデューティ比で指定された値となるように変化する。
【0046】
本実施の形態では、PWM信号の送信側が、調光値以外の点灯条件としてフェード時間に代えて色温度を指定することができる。従って、送信側がPWM信号を用いて光源の点灯状態を適切に制御できる。
【0047】
制御回路16は、外部から入力されるPWM信号のデューティ比に応じて、光源の調光値と、フェード時間および色温度のうち少なくとも1つである点灯条件とを決定しても良い。このとき、記憶装置15は、PWM信号のデューティ比と、調光値および点灯条件との対応関係を記憶する。また、処理装置14は、記憶装置15が記憶する対応関係から、調光値および点灯条件を決定する。
【0048】
また、本実施の形態では、光源として2種の光源モジュールを備える例について説明した。これに限らず、光源は3種以上の光源モジュールを有しても良い。この場合も、デューティ比に応じて決定された調光値と色温度で光源が点灯するように、複数の光源モジュールの発光量の総量と比率が制御される。
【0049】
実施の形態5.
本実施の形態では、制御回路16は、PWM信号のデューティ比に応じて、調光値とフェード時間と色温度とを決定する点が、実施の形態4と異なる。他の構成は実施の形態4の構成と同様である。記憶装置15は、デューティ比と、調光値、フェード時間および色温度との対応関係を記憶している。
図12は、実施の形態5に係る対応関係を示すテーブルである。
【0050】
処理装置14は、PWM信号から算出したデューティ比に対応した光源の調光値、色温度、フェード時間を、記憶装置15に格納されたテーブルから読み出す。処理装置14は、読みだされた調光値とフェード時間と色温度とで光源が点灯するように、点灯回路を制御する。
【0051】
図13は、実施の形態5に係る調光値と色温度の変化を示すグラフである。光出力は、フェード時間だけ掛けて、目標調光値および目標色温度に到達する。このとき、光源モジュール11a、11bの発光量の総量と比率が制御される。本実施の形態では、光出力が階段状となることを抑制でき、光ちらつきを抑制できる。
【0052】
実施の形態6.
本実施の形態では、調光値と色温度を決めるためのテーブルが実施の形態4と異なる。他の構成は実施の形態4の構成と同様である。記憶装置15はPWM信号のデューティ比と、光源の調光値および光源の色温度との対応関係を記憶している。
図14は、実施の形態6係る対応関係を示すテーブルである。テーブルでは、PWM信号が第1周波数のときデューティ比に色温度が対応付けられ、PWM信号が第2周波数のときデューティ比に調光値が対応付けられる。
【0053】
処理装置14は、PWM信号から算出された周波数が第1周波数の場合、デューティ比に対応する色温度をテーブルから読み出す。処理装置14は算出された周波数が第2周波数の場合、デューティ比に対応する調光値をテーブルから読み出す。
【0054】
このように、処理装置14は、PWM信号の周波数が第1周波数のとき、デューティ比に応じて色温度を決定し、PWM信号の周波数が第2周波数のとき、デューティ比に応じて調光値を決定する。処理装置14は、決定された調光値および色温度で光源が点灯するように点灯回路を制御する。
【0055】
これにより、
図11に示されるように、調光値と色温度は、PWM信号のデューティ比で指定された値となるように変化する。
【0056】
実施の形態7.
本実施の形態では、制御回路16は、PWM信号のデューティ比に応じて、調光値とフェード時間と色温度とを決定する点が、実施の形態6と異なる。他の構成は、実施の形態6の構成と同様である。記憶装置15はPWM信号のデューティ比と、光源の調光値、色温度およびフェード時間との対応関係を記憶している。
図15は、実施の形態7係る対応関係を示すテーブルである。テーブルでは、PWM信号が第1周波数のときデューティ比に色温度が対応付けられ、PWM信号が第2周波数のときデューティ比に調光値が対応付けられ、PWM信号が第3周波数のときデューティ比にフェード時間が対応付けられる。
【0057】
処理装置14は、PWM信号から算出された周波数が第1周波数の場合、デューティ比に対応する色温度をテーブルから読み出す。処理装置14は算出された周波数が第2周波数の場合、デューティ比に対応する調光値をテーブルから読み出す。処理装置14は算出された周波数が第3周波数の場合、デューティ比に対応するフェード時間をテーブルから読み出す。
【0058】
このように、処理装置14はPWM信号の周波数が第1周波数のとき、デューティ比に応じて色温度を決定する。また、処理装置14はPWM信号の周波数が第2周波数のとき、デューティ比に応じて調光値を決定する。さらに、処理装置14はPWM信号の周波数が第3周波数のとき、デューティ比に応じてフェード時間を決定する。処理装置14は、決定された調光値、色温度およびフェード時間で光源が点灯するように、点灯回路を制御する。
【0059】
これにより、
図13に示されるように、光出力はフェード時間だけ掛けて、目標調光値および目標色温度に到達する。このため、光出力が階段状となることを抑制でき、光ちらつきを抑制できる。本実施の形態では、フェード時間の値に関わらず、光ちらつきを抑制できる。
【0060】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 点灯装置、2 交流電源、3 整流回路、4 昇圧チョッパ回路、5、5a、5b 降圧チョッパ回路、6 スイッチング素子、7 インダクタ、8 ダイオード、9 コンデンサ、10 抵抗、11、11a、11b 光源モジュール、12、12a、12b 駆動回路、13 A/D変換回路、14 処理装置、15 記憶装置、16 制御回路、17 調光回路、18 調光器、19 調光装置、20 光源、21 出力端子、22 入力端子、100、200 照明器具、201 点灯装置