(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】色管理装置、色管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240402BHJP
H04N 1/60 20060101ALI20240402BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20240402BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240402BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20240402BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240402BHJP
B41J 2/525 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 308
G06F3/12 344
G06F3/12 373
H04N1/60
G06T1/00 510
G03G15/00 303
G03G15/01 Z
G03G21/00 386
B41J2/525
(21)【出願番号】P 2020101304
(22)【出願日】2020-06-11
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 和真
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-030754(JP,A)
【文献】特開2005-222439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09-3/12
H04N 1/00
H04N 1/38-1/393
H04N 1/46-1/62
B41J 2/52-2/525
B41J 29/00-29/70
B41J 5/00-5/52;21/00-21/18
G03G 13/01;15/01
G03G 13/34;15/00;15/36;21/00;21/02;21/14;21/20
G06T 1/00-1/40;3/00-5/50;9/00-9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置であって、
前記複数のプリンターのうち第1のプリンターにパッチを印刷させ、当該印刷されたパッチの測色値を取得し、当該取得された測色値に基づいて前記一の色目標値設定を変更し、
前記複数のプリンターのうち前記第1のプリンター以外のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、
当該判定された結果をユーザーに報知する制御部を備え
、
前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値に基づいて、当該処理対象のプリンターが再現可能な色域を算出し、当該算出された色域と前記変更された一の色目標値設定の色域とを比較することにより、当該処理対象のプリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する色管理装置。
【請求項2】
複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置であって、
前記一の色目標値設定が変更された場合に、
前記複数のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、
当該判定された結果をユーザーに報知する制御部を備え
、
前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値に基づいて、当該処理対象のプリンターが再現可能な色域を算出し、当該算出された色域と前記変更された一の色目標値設定の色域とを比較することにより、当該処理対象のプリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する色管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターにおいて、当該処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われたか否かを判断し、前記最新の測色値が測定された後に前記所定の動作が行われていた場合に、当該処理対象のプリンターについての測色の実行を
ユーザーに促す請求項1
又は2に記載の色管理装置。
【請求項4】
複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置であって、
前記複数のプリンターのうち第1のプリンターにパッチを印刷させ、当該印刷されたパッチの測色値を取得し、当該取得された測色値に基づいて前記一の色目標値設定を変更し、
前記複数のプリンターのうち前記第1のプリンター以外のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、
当該判定された結果をユーザーに報知する制御部を備え、
前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター、又は、測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていたプリンターが、当該プリンター内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、当該プリンターに対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示す
る色管理装置。
【請求項5】
複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置であって、
前記一の色目標値設定が変更された場合に、
前記複数のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、
当該判定された結果をユーザーに報知する制御部を備え、
前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター、又は、測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていたプリンターが、当該プリンター内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、当該プリンターに対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示する色管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記パッチの印刷及び測色の実行を指示したプリンターから当該測色に基づく新たな測色値を取得し、当該取得された新たな測色値に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、当該判定された結果をユーザーに報知する請求項
4又は5に記載の色管理装置。
【請求項7】
前記所定の動作は、トナー交換、スクリーン設定変更、ガンマ補正の少なくとも一つである請求項
3から6のいずれか一項に記載の色管理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンターを報知する請求項1から7のいずれか一項に記載の色管理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たすと判定されたプリンターを報知する請求項1から8のいずれか一項に記載の色管理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記一の色目標値設定が変更された場合に、前記一の色目標値設定が関連付けられていないプリンターのそれぞれについても、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、当該判定された結果をユーザーに報知する請求項1から9のいずれか一項に記載の色管理装置。
【請求項11】
複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置における色管理方法であって、
前記複数のプリンターのうち第1のプリンターにパッチを印刷させ、当該印刷されたパッチの測色値を取得し、当該取得された測色値に基づいて前記一の色目標値設定を変更する
第1工程と、
前記複数のプリンターのうち前記第1のプリンター以外のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する
第2工程と、
当該判定された結果をユーザーに報知する
第3工程と、
を含
み、
前記第2工程では、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値に基づいて、当該処理対象のプリンターが再現可能な色域を算出し、当該算出された色域と前記変更された一の色目標値設定の色域とを比較することにより、当該処理対象のプリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する色管理方法。
【請求項12】
複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置における色管理方法であって、
前記一の色目標値設定が変更された場合に、
前記複数のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する
第1工程と、
当該判定された結果をユーザーに報知する
第2工程と、
を含
み、
前記第1工程では、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値に基づいて、当該処理対象のプリンターが再現可能な色域を算出し、当該算出された色域と前記変更された一の色目標値設定の色域とを比較することにより、当該処理対象のプリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する色管理方法。
【請求項13】
複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置における色管理方法であって、
前記複数のプリンターのうち第1のプリンターにパッチを印刷させ、当該印刷されたパッチの測色値を取得し、当該取得された測色値に基づいて前記一の色目標値設定を変更する工程と、
前記複数のプリンターのうち前記第1のプリンター以外のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する工程と、
当該判定された結果をユーザーに報知する工程と、
前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター、又は、測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていたプリンターが、当該プリンター内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、当該プリンターに対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示する工程と、
を含む色管理方法。
【請求項14】
複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置における色管理方法であって、
前記一の色目標値設定が変更された場合に、
前記複数のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する工程と、
当該判定された結果をユーザーに報知する工程と、
前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター、又は、測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていたプリンターが、当該プリンター内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、当該プリンターに対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示する工程と、
を含む色管理方法。
【請求項15】
複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置のコンピューターを、
前記複数のプリンターのうち第1のプリンターにパッチを印刷させ、当該印刷されたパッチの測色値を取得し、当該取得された測色値に基づいて前記一の色目標値設定を変更し、
前記複数のプリンターのうち前記第1のプリンター以外のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、
当該判定された結果をユーザーに報知する制御部として機能させるためのプログラム
であって、
前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値に基づいて、当該処理対象のプリンターが再現可能な色域を算出し、当該算出された色域と前記変更された一の色目標値設定の色域とを比較することにより、当該処理対象のプリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定するプログラム。
【請求項16】
複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置のコンピューターを、
前記一の色目標値設定が変更された場合に、
前記複数のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、
当該判定された結果をユーザーに報知する制御部として機能させるためのプログラム
であって、
前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値に基づいて、当該処理対象のプリンターが再現可能な色域を算出し、当該算出された色域と前記変更された一の色目標値設定の色域とを比較することにより、当該処理対象のプリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定するプログラム。
【請求項17】
複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置のコンピューターを、
前記複数のプリンターのうち第1のプリンターにパッチを印刷させ、当該印刷されたパッチの測色値を取得し、当該取得された測色値に基づいて前記一の色目標値設定を変更し、
前記複数のプリンターのうち前記第1のプリンター以外のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、
当該判定された結果をユーザーに報知する制御部として機能させるためのプログラムであって、
前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター、又は、測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていたプリンターが、当該プリンター内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、当該プリンターに対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示するプログラム。
【請求項18】
複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置のコンピューターを、
前記一の色目標値設定が変更された場合に、
前記複数のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、
当該判定された結果をユーザーに報知する制御部として機能させるためのプログラムであって、
前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター、又は、測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていたプリンターが、当該プリンター内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、当該プリンターに対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色管理装置、色管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷業界においては、印刷前に、プリンターの出力能力が、Japan Color(登録商標)、IDEAlliance、FOGRA、ISO(登録商標)等の規格団体によって定められた定格出力能力を満たしているか否か、又は、自社内で定められた許容目標値を満たしているか否かを確認し、そのプリンターの出力品質を管理している。
【0003】
一般的には、以下の(1)~(3)のステップに従って、プリンターの出力能力を確認する。
(1)出力能力を確認したいプリンターにより、規定のウェッジ又はチャートを印刷する。
(2)印刷したウェッジ又はチャートを測色器によって測色する。
(3)測色した結果が規格又は許容目標値を満たしているかを確認する。
【0004】
規格で定められたウェッジやチャートは、パッチという単色で塗りつぶされた領域が複数並べられた原稿である。色目標値設定には、測色器によって測定した測色値が、パッチごとに定められた色の目標値からどれくらい外れてよいのかという許容範囲が規定されている。
【0005】
印刷会社は、自社内に複数のプリンターを有しており、色管理アプリケーションを利用して、プリンターごとに上記の(1)~(3)のステップを行い、各プリンターが印刷対象物を印刷可能な状態にあるか否かを判定し、各プリンターを管理している。この色管理アプリケーションの発展形として、複数のプリンターに対して同じ色目標値設定を適用可能な色管理アプリケーションがある。
【0006】
また、色変換対象の測色値に対する色変換時の演算に用いるグリッド群について、デバイスの色域外か否かを判定し、判定結果に応じて色変換の演算を切り替えることで、出力デバイスの色域の欠損を防止する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した複数のプリンターに対して同じ色目標値設定を適用可能な色管理アプリケーションにおいては、色目標値設定を変更しようとした際に、この色目標値設定が適用されていたプリンター全ての色目標値設定が変更されることになり、プリンターによっては変更後の色目標値設定を満たさない可能性があった。
【0009】
特に、印刷会社が独自に作成したターゲットプロファイル(カスタム目標値)を目標値に設定して、印刷会社が保有する複数のプリンターを管理する場合、ターゲットプロファイルの作成時には、1台のプリンターを利用するため、他のプリンターにターゲットプロファイルを適用しても、そのプリンター自身がターゲットプロファイルで規定される色域を再現できない場合があり得る。
【0010】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、色目標値設定が変更された場合に、変更された色目標値設定を満たさないプリンターを認識可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置であって、前記複数のプリンターのうち第1のプリンターにパッチを印刷させ、当該印刷されたパッチの測色値を取得し、当該取得された測色値に基づいて前記一の色目標値設定を変更し、前記複数のプリンターのうち前記第1のプリンター以外のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、当該判定された結果をユーザーに報知する制御部を備え、前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値に基づいて、当該処理対象のプリンターが再現可能な色域を算出し、当該算出された色域と前記変更された一の色目標値設定の色域とを比較することにより、当該処理対象のプリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する。
【0012】
請求項2に記載の発明は、複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置であって、前記一の色目標値設定が変更された場合に、前記複数のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、当該判定された結果をユーザーに報知する制御部を備え、前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値に基づいて、当該処理対象のプリンターが再現可能な色域を算出し、当該算出された色域と前記変更された一の色目標値設定の色域とを比較することにより、当該処理対象のプリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の色管理装置において、前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターにおいて、当該処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われたか否かを判断し、前記最新の測色値が測定された後に前記所定の動作が行われていた場合に、当該処理対象のプリンターについての測色の実行をユーザーに促す。
【0014】
請求項4に記載の発明は、複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置であって、前記複数のプリンターのうち第1のプリンターにパッチを印刷させ、当該印刷されたパッチの測色値を取得し、当該取得された測色値に基づいて前記一の色目標値設定を変更し、前記複数のプリンターのうち前記第1のプリンター以外のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、当該判定された結果をユーザーに報知する制御部を備え、前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター、又は、測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていたプリンターが、当該プリンター内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、当該プリンターに対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示する。
【0015】
請求項5に記載の発明は、複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置であって、前記一の色目標値設定が変更された場合に、前記複数のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、当該判定された結果をユーザーに報知する制御部を備え、前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター、又は、測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていたプリンターが、当該プリンター内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、当該プリンターに対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示する。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の色管理装置において、前記制御部は、前記パッチの印刷及び測色の実行を指示したプリンターから当該測色に基づく新たな測色値を取得し、当該取得された新たな測色値に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、当該判定された結果をユーザーに報知する。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項3から6のいずれか一項に記載の色管理装置において、前記所定の動作は、トナー交換、スクリーン設定変更、ガンマ補正の少なくとも一つである。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の色管理装置において、前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンターを報知する。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の色管理装置において、前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たすと判定されたプリンターを報知する。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の色管理装置において、前記制御部は、前記一の色目標値設定が変更された場合に、前記一の色目標値設定が関連付けられていないプリンターのそれぞれについても、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、当該判定された結果をユーザーに報知する。
【0021】
請求項11に記載の発明は、複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置における色管理方法であって、前記複数のプリンターのうち第1のプリンターにパッチを印刷させ、当該印刷されたパッチの測色値を取得し、当該取得された測色値に基づいて前記一の色目標値設定を変更する第1工程と、前記複数のプリンターのうち前記第1のプリンター以外のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する第2工程と、当該判定された結果をユーザーに報知する第3工程と、を含み、前記第2工程では、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値に基づいて、当該処理対象のプリンターが再現可能な色域を算出し、当該算出された色域と前記変更された一の色目標値設定の色域とを比較することにより、当該処理対象のプリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する。
請求項12に記載の発明は、複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置における色管理方法であって、前記一の色目標値設定が変更された場合に、前記複数のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する第1工程と、当該判定された結果をユーザーに報知する第2工程と、を含み、前記第1工程では、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値に基づいて、当該処理対象のプリンターが再現可能な色域を算出し、当該算出された色域と前記変更された一の色目標値設定の色域とを比較することにより、当該処理対象のプリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する。
【0022】
請求項13に記載の発明は、複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置における色管理方法であって、前記複数のプリンターのうち第1のプリンターにパッチを印刷させ、当該印刷されたパッチの測色値を取得し、当該取得された測色値に基づいて前記一の色目標値設定を変更する工程と、前記複数のプリンターのうち前記第1のプリンター以外のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する工程と、当該判定された結果をユーザーに報知する工程と、前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター、又は、測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていたプリンターが、当該プリンター内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、当該プリンターに対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示する工程と、を含む。
請求項14に記載の発明は、複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置における色管理方法であって、前記一の色目標値設定が変更された場合に、前記複数のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する工程と、当該判定された結果をユーザーに報知する工程と、前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター、又は、測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていたプリンターが、当該プリンター内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、当該プリンターに対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示する工程と、を含む。
【0023】
請求項15に記載の発明は、複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置のコンピューターを、前記複数のプリンターのうち第1のプリンターにパッチを印刷させ、当該印刷されたパッチの測色値を取得し、当該取得された測色値に基づいて前記一の色目標値設定を変更し、前記複数のプリンターのうち前記第1のプリンター以外のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、当該判定された結果をユーザーに報知する制御部として機能させるためのプログラムであって、前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値に基づいて、当該処理対象のプリンターが再現可能な色域を算出し、当該算出された色域と前記変更された一の色目標値設定の色域とを比較することにより、当該処理対象のプリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する。
請求項16に記載の発明は、複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置のコンピューターを、前記一の色目標値設定が変更された場合に、前記複数のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、当該判定された結果をユーザーに報知する制御部として機能させるためのプログラムであって、前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンターの測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値に基づいて、当該処理対象のプリンターが再現可能な色域を算出し、当該算出された色域と前記変更された一の色目標値設定の色域とを比較することにより、当該処理対象のプリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する。
【0024】
請求項17に記載の発明は、複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置のコンピューターを、前記複数のプリンターのうち第1のプリンターにパッチを印刷させ、当該印刷されたパッチの測色値を取得し、当該取得された測色値に基づいて前記一の色目標値設定を変更し、前記複数のプリンターのうち前記第1のプリンター以外のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、当該判定された結果をユーザーに報知する制御部として機能させるためのプログラムであって、前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター、又は、測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていたプリンターが、当該プリンター内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、当該プリンターに対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示する。
請求項18に記載の発明は、複数のプリンターに対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行う色管理装置のコンピューターを、前記一の色目標値設定が変更された場合に、前記複数のプリンターのそれぞれについて、当該プリンターの測色履歴の情報に基づいて、当該プリンターで印刷される色が前記変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、当該判定された結果をユーザーに報知する制御部として機能させるためのプログラムであって、前記制御部は、前記変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター、又は、測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていたプリンターが、当該プリンター内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、当該プリンターに対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、色目標値設定が変更された場合に、変更された色目標値設定を満たさないプリンターを認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施の形態における色管理システムのシステム構成図である。
【
図2】色管理サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】プリンターテーブルのデータ構成を示す図である。
【
図4】色目標値設定テーブルのデータ構成を示す図である。
【
図5】測色履歴テーブルのデータ構成を示す図である。
【
図6】色目標値設定適用予測テーブルのデータ構成を示す図である。
【
図7】プリンター管理サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【
図10】クライアントPCの機能的構成を示すブロック図である。
【
図11】色管理サーバーにおいて実行される全体処理を示すフローチャートである。
【
図12】色目標値設定2の色域算出処理を示すフローチャートである。
【
図13】最外周を表すパッチ色と、その測色値のデータの一例である。
【
図14】色目標値設定変更判定処理を示すフローチャートである。
【
図15】プリンターの色域算出処理を示すフローチャートである。
【
図16】判定結果報知処理を示すフローチャートである。
【
図17】クライアントPCに表示される予測判定結果報知画面の例である。
【
図18】変形例1における自動再測色判定処理を示すフローチャートである。
【
図19】自動プロファイリング処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0028】
〔色管理システムの構成〕
図1は、本実施の形態における色管理システム100のシステム構成図である。色管理システム100は、色管理装置としての色管理サーバー10と、プリンター管理サーバー20と、クライアントPC(Personal Computer)30と、測色器40と、複数のプリンター50と、を備えて構成されている。色管理サーバー10とプリンター管理サーバー20、色管理サーバー10とクライアントPC30、色管理サーバー10とプリンター50、プリンター管理サーバー20とプリンター50は、インターネット等の通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続されている。
【0029】
色管理サーバー10は、印刷会社におけるプリンター50の色を管理するためのクラウド型のWebサーバーであり、各プリンター50の色目標値設定(Target Configuration)に関する情報と過去の測色履歴情報を保持している。色管理サーバー10は、クライアントPC30に対し、プリンター50へのウェッジチャート印刷指示、測色器40による測色制御補助、測色結果表示、色目標値設定の作成等の機能をWebアプリケーションとして提供している。色管理サーバー10には、色管理のアプリケーションプログラム及びデータが保存されている。色管理サーバー10は、複数のプリンター50に対して一の色目標値設定を関連付けて色管理を行うことが可能となっている。
【0030】
プリンター管理サーバー20は、プリンターベンダー側のシステムであり、各プリンター50と接続してプリンター50の環境情報を取得し、保持している。環境情報には、プリンター50のステータス情報(アイドリング状態、印刷中等)、プリンター筐体内外の温湿度、資材情報、色調整履歴、プロファイル作成日時、印刷ジョブ実行日時、ジョブ出力情報等が含まれる。
【0031】
印刷会社は、クライアントPC30と、測色器40と、複数のプリンター50と、を保有している。クライアントPC30とプリンター50とは、社内LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続されている。また、クライアントPC30と測色器40とは、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等を介して接続されている。
【0032】
クライアントPC30は、色目標値設定に対応するチャート(パッチ群)を、この色目標値設定を適用する少なくとも一つのプリンター50に印刷させる。クライアントPC30は、このチャートを測色器40に測色させ、測色データを色管理サーバー10にアップロードする。クライアントPC30は、各プリンター50に対して印刷指示を行ったり、色管理のための測色作業を行ったりする。
【0033】
プリンター50は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の画像データに基づいて、用紙上に画像を印刷する。
測色器40は、プリンター50によって印刷されたチャートに含まれるパッチ群の色を測定し、測色値(L*a*b*値等)を出力する。
【0034】
図2は、色管理サーバー10の機能的構成を示すブロック図である。色管理サーバー10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、を備える。
【0035】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、色管理サーバー10の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、記憶部13に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0036】
通信部12は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークを介して接続されたプリンター管理サーバー20、クライアントPC30、プリンター50等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0037】
記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等の各種データを記憶する。例えば、記憶部13には、クライアントPC30に搭載されたWebブラウザーに各種Web画面を提供するWebサーバーとしての機能を実現させるためのWebサーバープログラムや、Webサーバー上で動作し、Webブラウザーを介してクライアントPC30の操作者に色管理サービスを提供するためのアプリケーションプログラム等が記憶されている。
【0038】
また、記憶部13には、プリンターテーブルT1、色目標値設定テーブルT2、測色履歴テーブルT3が記憶されている。また、記憶部13には、全体処理(
図11参照)の実行時に、色目標値設定適用予測テーブルT4が記憶される。
【0039】
図3に、プリンターテーブルT1のデータ構成を示す。プリンターテーブルT1には、印刷会社が所有しているプリンター50ごとに、「プリンター名」、「機種モデル」、「色目標値設定」、「最新測色日」、「最新測色ジョブID」、「自動測色機能」等が対応付けられている。
「プリンター名」は、プリンター50の名称である。
「機種モデル」は、プリンター50の機種モデルである。
「色目標値設定」は、プリンター50に関連付けられている(適用される)色目標値設定である。
「最新測色日」は、プリンター50について最新(最終)の測色が行われた日付である。
「最新測色ジョブID」は、プリンター50について行われた最新の測色ジョブを示す識別情報である。
「自動測色機能」は、プリンター50が自動測色機能を備えているか否かを示す情報(0:自動測色機能なし、1:自動測色機能あり)である。自動測色機能とは、プリンター50内の用紙搬送経路内に設けられているインライン測色器で印刷物を測色する機能である。
【0040】
図3の例では、プリンターA,B,Cに対して、共通の色目標値設定である「色目標値設定1」が関連付けられている。
【0041】
図4に、色目標値設定テーブルT2のデータ構成を示す。色目標値設定テーブルT2には、色目標値設定ごとに、「色目標値設定」、「作成日」、「ウェッジ」、「許容値」、「目標値フラグ」、「目標値」等が対応付けられている。
「色目標値設定」は、色目標値設定の名称である。
「作成日」は、色目標値設定が作成された日付である。色目標値設定が既存の規格である場合には、作成日は空欄(-)とする。
「ウェッジ」は、色目標値設定に用いられるウェッジである。「ウェッジ」フィールドには、既存のウェッジ名やカスタムウェッジ名が格納される。
「許容値」は、色目標値設定において設定されている許容範囲を示す値である。
「目標値フラグ」は、色目標値設定が既存の規格であるか、カスタム目標値であるかを示すフラグ(0:既存の規格、1:カスタム目標値)である。
「目標値」は、色目標値設定で設定されている目標値である。「目標値」は、パッチごとに、L
*a
*b
*値等で示されている。色目標値設定がカスタム目標値である場合には、「目標値」は、色目標値設定を作成したプリンター50での測色値となる。
【0042】
図5に、測色履歴テーブルT3のデータ構成を示す。測色履歴テーブルT3には、測色ジョブごとに、「ジョブID」、「測色実行日」、「プリンター名」、「色目標値設定」、「実測判定結果」、「測色器」、「測色値」等が対応付けられている。
「ジョブID」は、測色ジョブを示す識別情報である。
「測色実行日」は、測色が実行された日付である。
「プリンター名」は、測色対象物を印刷したプリンター50の名称である。
「色目標値設定」は、「プリンター名」が示すプリンター50に対して測色実行時に関連付けられていた「色目標値設定」である。
「実測判定結果」は、測色ジョブにより得られた測色値(実測値)が「色目標値設定」を満たしたか否かの判定結果である。「実測判定結果」フィールドには、「色目標値設定」を満たした場合には「Pass」、「色目標値設定」を満たさなかった場合には「Fail」が格納される。
「測色器」は、測色に用いられた測色器40を示す情報である。
「測色値」は、測色により得られた測色値であり、パッチごとに、L
*a
*b
*値等で示されている。
【0043】
図6に、色目標値設定適用予測テーブルT4のデータ構成を示す。色目標値設定適用予測テーブルT4には、「プリンター名」、「変更された色目標値設定での予測判定結果」、「測色履歴の有効性」、「最新測色日」、「最新実測判定結果」、「機種モデル」等が対応付けられる。
「プリンター名」は、判定対象のプリンター50の名称である。ここでは、プリンター50の設置場所に基づいたプリンター名が付与されている。
「変更された色目標値設定での予測判定結果」は、「プリンター名」が示すプリンター50が、「変更された色目標値設定」を満たすか否かを判定した予測判定結果を示す情報(Pass/Fail)である。
「測色履歴の有効性」は、「変更された色目標値設定」を満たすか否かの判定に用いた測色履歴が有効か、参考程度かを示す情報である。
「最新測色日」は、最新(最終)の測色が行われた日付である。
「最新実測判定結果」は、最新の測色において、測色時(印刷時)に適用されていた色目標値設定を満たしたか(許容値に入ったか)否かを示す判定結果(Pass/Fail)である。
「機種モデル」は、プリンター50の機種モデルある。
【0044】
制御部11は、一の色目標値設定が関連付けられている複数のプリンター50のうち第1のプリンターにパッチを印刷させ、印刷されたパッチの測色値を取得し、取得された測色値に基づいて一の色目標値設定を変更する。
制御部11は、一の色目標値設定が関連付けられている複数のプリンター50のうち第1のプリンター以外のプリンター50のそれぞれについて、当該プリンター50の測色履歴の情報に基づいて、当該プリンター50で印刷される色が、変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、判定された結果をユーザーに報知する。
【0045】
制御部11は、一の色目標値設定が変更された場合に、一の色目標値設定が関連付けられている複数のプリンター50のそれぞれについて、当該プリンター50の測色履歴の情報に基づいて、当該プリンター50で印刷される色が、変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、判定された結果をユーザーに報知する。
【0046】
制御部11は、変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター50を報知する。
制御部11は、変更された一の色目標値設定を満たすと判定されたプリンター50を報知する。
【0047】
制御部11は、変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンター50の測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値に基づいて、処理対象のプリンター50が再現可能な色域を算出し、算出された色域と変更された一の色目標値設定の色域とを比較することにより、処理対象のプリンター50で印刷される色が、変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定する。
【0048】
制御部11は、変更された一の色目標値設定を満たすか否かが判定される処理対象のプリンター50において、処理対象のプリンター50の測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われたか否かを判断し、最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていた場合に、処理対象のプリンター50に対する測色の実行を促す。「所定の動作」は、資材交換、色調整、新規プロファイルの適用等、プリンター50の色特性が変動し得る動作であり、トナー交換、スクリーン設定変更、ガンマ補正の少なくとも一つである。
【0049】
図7は、プリンター管理サーバー20の機能的構成を示すブロック図である。プリンター管理サーバー20は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、を備える。
【0050】
制御部21は、CPU、RAM等から構成され、プリンター管理サーバー20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、記憶部23に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0051】
通信部22は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークを介して接続された色管理サーバー10、プリンター50等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0052】
記憶部23は、HDDや不揮発性メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等の各種データを記憶する。
【0053】
また、記憶部23には、印刷会社の各プリンター50の環境情報が記憶されている。環境情報には、ステータス情報、温度、湿度、資材情報、イベント情報等が含まれる。環境情報は、対応するプリンター50のシリアル番号によって管理されている。
【0054】
図8に、或るプリンター50の資材情報の例を示す。資材情報として、「資材名」、「ライフ」、「交換日時」が対応付けられている。
「資材名」は、プリンター50を構成する資材(部品、消耗品)の名称である。
「ライフ」は、各資材の耐用時間に対する残りの使用可能時間の割合である。
「交換日時」は、各資材を交換した日時である。
【0055】
図9に、或るプリンター50のイベント情報の例を示す。イベント情報として、「イベント名」、「イベント発生最終日時」、「色特性変動有無」が対応付けられている。
「イベント名」は、プリンター50で発生するイベントの名称である。
「イベント発生最終日時」は、イベントが発生した最終日時である。
「色特性変動有無」は、イベントにより色特性が変動し得るか否か、色特性への影響の有無を示す情報である。
【0056】
図10は、クライアントPC30の機能的構成を示すブロック図である。クライアントPC30は、制御部31と、表示部32と、操作部33と、通信部34と、記憶部35と、測色データ受信部36と、を備える。
【0057】
制御部31は、CPU、RAM等から構成され、クライアントPC30の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、記憶部35に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0058】
表示部32は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0059】
操作部33は、カーソルキー、文字・数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部31に出力する。また、操作部33が、表示部32に積層されたタッチパネルにより構成される場合には、操作者の指等によるタッチ操作の位置に応じた操作信号を制御部31に出力する。
【0060】
通信部34は、ネットワークインターフェース等により構成され、インターネットや社内LAN等の通信ネットワークを介して接続された色管理サーバー10、印刷会社内のプリンター50等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0061】
記憶部35は、HDDや不揮発性メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等の各種データを記憶する。例えば、記憶部35には、Webブラウザーを実現するためのWebブラウザープログラム等が記憶されている。
【0062】
測色データ受信部36は、測色器40から測色値(L*a*b*値等)のデータを受信する。
【0063】
クライアントPC30において、操作部33からの操作によりWebブラウザー上から色管理サーバー10にアクセスが行われると、色管理サーバー10の制御部11は、クライアントPC30に対し、通信部12を介して各種Web画面を表示するための表示用データを送信する。なお、色管理サーバー10のWebサーバー機能によりクライアントPC30に送信される各種Web画面の表示用データには、HTML、スタイルシート、画像データ、クライアントPC30で所定の処理を実行させるためのスクリプト等が含まれる。
【0064】
クライアントPC30では、表示部32に、色管理サーバー10から提供される各種Web画面が表示される。
【0065】
〔色管理システムの動作〕
次に、色管理システム100における動作について説明する。
図11は、色管理サーバー10において実行される全体処理を示すフローチャートである。
まず、色管理サーバー10の制御部11は、色目標値設定1が色目標値設定2に変更されたか否かを判断する(ステップS1)。
【0066】
ここで、色目標値設定1が色目標値設定2に変更される状況について説明する。
印刷会社では、印刷会社が保有するプリンター50群のうち、プリンターA,B,Cの色目標値設定を、プリンターAにより自社独自に作成して色管理を行っている。この独自に作成された色目標値設定をカスタム目標値という。プリンターA,B,Cに対して、既にカスタム目標値である色目標値設定1が設定されていることとする。
この度、プリンターAのメンテナンスを行い、色調整も完了したため、再度プリンターAを用いてカスタム目標値(色目標値設定2)を作成し、プリンターA,B,Cに適用することで、プリンターB,Cの出力色をプリンターA相当として、色品質を管理するものとする。
【0067】
まず、印刷会社のプリンター50の色管理者は、色管理サーバー10を利用して、色目標値設定2を作成する。
クライアントPC30は、色管理サーバー10に接続し、カスタム目標値作成機能を用いて、色目標値設定作成のためのチャート(複数のパッチを含む。)を、既に色調整済みのプリンターAにより印刷させる。クライアントPC30は、測色器40を用いてチャートの各パッチの色を測定した測色値を取得し、測色結果を色管理サーバー10にアップロードする。色管理サーバー10の制御部11は、プリンターAにより印刷されたチャートの測色値に基づいて、色目標値設定2を作成する。制御部11は、記憶部13の色目標値設定テーブルT2に、「色目標値設定2」の情報を追加する。
【0068】
印刷会社の色管理者は、クライアントPC30からの操作により、プリンターAに適用されていた色目標値設定1を色目標値設定2に変更する。色管理サーバー10の制御部11は、記憶部13のプリンターテーブルT1において、「プリンターA」に関連付けられている「色目標値設定」を、「色目標値設定1」から「色目標値設定2」に変更する。
【0069】
色目標値設定1が色目標値設定2に変更された場合には(ステップS1;YES)、色管理サーバー10の制御部11は、色目標値設定2の色域算出処理を行う(ステップS2)。
【0070】
図12は、色目標値設定2の色域算出処理を示すフローチャートである。
制御部11は、色目標値設定2のチャート内の最外周色のパッチを特定する(ステップS11)。具体的には、制御部11は、記憶部13の色目標値設定テーブルT2を参照して、「色目標値設定2」に対応付けられている「ウェッジ」を特定し、この「ウェッジ」に含まれる最外周色のパッチを特定する。
【0071】
次に、制御部11は、最外周色のパッチの測色値を取得する(ステップS12)。具体的には、制御部11は、記憶部13の色目標値設定テーブルT2から、最外周色の各パッチに対応する「目標値」を取得する。
図13に、最外周を表すパッチ色(C,M,Y,K)と、その測色値(目標値)である(L
*,a
*,b
*)のデータの一例を示す。
【0072】
次に、制御部11は、最外周色のパッチの測色値から色目標値設定2の色域を算出する(ステップS13)。
以上で、色目標値設定2の色域算出処理が終了する。
【0073】
図11に戻り、制御部11は、色目標値設定1が関連付けられているプリンターA以外のプリンター50のリストを取得する(ステップS3)。具体的には、制御部11は、記憶部13のプリンターテーブルT1を参照し、「色目標値設定」フィールドが「色目標値設定1」であるプリンターA以外の「プリンター名」を特定する。
図3のプリンターテーブルT1では、「色目標値設定1」が関連付けられているプリンターA以外のプリンター50は、プリンターB及びプリンターCである。
【0074】
制御部11は、色目標値設定1が関連付けられているプリンターA以外のプリンター50について、色目標値設定適用予測テーブルT4を生成する。制御部11は、色目標値設定適用予測テーブルT4において、色目標値設定1が関連付けられているプリンターA以外のプリンター50のそれぞれを「プリンター名」フィールドに格納し、各プリンター50に対応する「最新測色日」、「機種モデル」をプリンターテーブルT1から取得し、該当するフィールドに格納する。
図6に示す色目標値設定適用予測テーブルT4では、色目標値設定1が関連付けられているプリンターA以外のプリンター50として、「東1」、「東2」、「北1」、「南3」、「西1」、「南1」、「南2」というプリンター50が、色目標値設定2を満たすか否かの判定対象として挙げられている。
【0075】
次に、制御部11は、色目標値設定1が関連付けられているプリンター50として特定されたプリンター50のうち、一のプリンター50を処理対象として、色目標値設定変更判定処理を行う(ステップS4)。この処理は、変更された色目標値設定が関連付けられているプリンター50の出力能力が、変更後の色目標値設定を満たすか否かを判定する処理である。
【0076】
図14は、色目標値設定変更判定処理を示すフローチャートである。
制御部11は、処理対象のプリンター50の過去の測色履歴情報を記憶部13の測色履歴テーブルT3から取得する(ステップS21)。具体的には、制御部11は、測色履歴テーブルT3から、「プリンター名」フィールドが「処理対象のプリンター50」であるレコードを取得する。例えば、処理対象のプリンター50が「プリンターC」である場合には、測色履歴テーブルT3から「ジョブID」が「103」の測色履歴情報を取得する。
【0077】
また、制御部11は、記憶部13の色目標値設定適用予測テーブルT4において、処理対象のプリンター50の「最新実測判定結果」フィールドに、ステップS21において取得した測色履歴情報に含まれる「実測判定結果」を格納する。
【0078】
次に、制御部11は、プリンターの色域算出処理を行う(ステップS22)。
図15は、プリンターの色域算出処理を示すフローチャートである。
制御部11は、処理対象のプリンター50の測色履歴情報から最外周色のパッチを特定する(ステップS31)。
【0079】
次に、制御部11は、処理対象のプリンター50の測色履歴情報から最外周色の各パッチに対応する測色値を取得する(ステップS32)。
次に、制御部11は、最外周色のパッチの測色値から処理対象のプリンター50が再現可能な色域(色空間座標)を算出する(ステップS33)。
以上で、プリンターの色域算出処理が終了する。
【0080】
図14に戻り、制御部11は、処理対象のプリンター50のシリアル番号に基づいて、当該プリンター50の環境情報をプリンター管理サーバー20から取得する(ステップS23)。例えば、制御部11は、処理対象のプリンター50の資材情報(
図8参照)や、イベント情報(
図9参照)を取得する。資材情報には、トナー等の交換日時が含まれる。イベント情報には、スクリーン設定変更、ガンマ補正等についてのイベント発生最終日時が含まれる。
【0081】
次に、制御部11は、処理対象のプリンター50の測色履歴が有効なデータであるか否かを判断する(ステップS24)。具体的には、制御部11は、処理対象のプリンター50の測色履歴情報と環境情報とをマージし、時系列順にソートして、最新の測色の後に所定の動作(色特性が変動し得る動作)が行われたか否かを確認し、測色履歴のデータの有効性を判断する。例えば、制御部11は、処理対象のプリンター50の資材情報のうち、色特性が変動し得る資材(トナー等)についての「交換日時」が、最新の測色の後であるか否かを確認する。また、制御部11は、処理対象のプリンター50のイベント情報のうち、「色特性変動有無」が「あり」であるイベントの「イベント発生最終日時」が、最新の測色の後であるか否かを確認する。制御部11は、最新の測色の後に所定の動作が行われていない場合には「有効」と判断し、最新の測色の後に所定の動作が行われていた場合には「参考程度」と判断する。また、制御部11は、最新の測色実行日が一定期間(1週間)以内でない場合にも、「参考程度」と判断する。
【0082】
処理対象のプリンター50の測色履歴が有効なデータである場合には(ステップS24;YES)、制御部11は、処理対象のプリンター50と対応付けて、有効データと記録する(ステップS25)。具体的には、制御部11は、記憶部13の色目標値設定適用予測テーブルT4において、処理対象のプリンター50の「測色履歴の有効性」フィールドに、「有効」を格納する。
【0083】
ステップS24において、処理対象のプリンター50の測色履歴が有効なデータでない場合には(ステップS24;NO)、制御部11は、処理対象のプリンター50と対応付けて、参考データと記録する(ステップS26)。具体的には、制御部11は、記憶部13の色目標値設定適用予測テーブルT4において、処理対象のプリンター50の「測色履歴の有効性」フィールドに、「参考程度」を格納する。
【0084】
また、制御部11は、測色履歴が有効なデータでないプリンター50についての報知メッセージを生成し、記録する(ステップS27)。制御部11は、処理対象のプリンター50と対応付けて、生成した報知メッセージを記憶部13に記憶させる。報知メッセージは、例えば、測色を促すメッセージや、測色履歴のデータが有効でないことを通知するメッセージである。
【0085】
ステップS25又はステップS27の後、制御部11は、処理対象のプリンター50の色域と色目標値設定2の色域とを比較する(ステップS28)。
【0086】
処理対象のプリンター50の色域が色目標値設定2の色域と同じか、色目標値設定2の色域より広い場合には(ステップS28;YES)、制御部11は、処理対象のプリンター50が色目標値設定2を満たすという判定結果を記録する(ステップS29)。具体的には、制御部11は、記憶部13の色目標値設定適用予測テーブルT4において、処理対象のプリンター50の「変更された色目標値設定での予測判定結果」フィールドに、「Pass」を格納する。
【0087】
ステップS28において、処理対象のプリンター50の色域が色目標値設定2の色域より狭い場合には(ステップS28;NO)、制御部11は、処理対象のプリンター50が色目標値設定2を満たさないという判定結果を記録する(ステップS30)。具体的には、制御部11は、記憶部13の色目標値設定適用予測テーブルT4において、処理対象のプリンター50の「変更された色目標値設定での予測判定結果」フィールドに、「Fail」を格納する。
ステップS29又はステップS30の後、色目標値設定変更判定処理が終了する。
【0088】
図11に戻り、制御部11は、リスト上の全てのプリンター50(色目標値設定1が関連付けられているプリンターA以外のプリンター50)について処理したか否かを判断する(ステップS5)。
リスト上のプリンター50のうち、処理されていないプリンター50が残っている場合には(ステップS5;NO)、ステップS4に戻り、別のプリンター50を処理対象として、処理が繰り返される。
【0089】
ステップS5において、リスト上の全てのプリンター50について処理した場合には(ステップS5;YES)、制御部11は、判定結果報知処理を行う(ステップS6)。この処理は、プリンター50ごとの色目標値設定変更判定処理の結果をユーザーに知らせる処理である。
【0090】
図16は、判定結果報知処理を示すフローチャートである。
制御部11は、色目標値設定1が関連付けられているプリンターA以外のプリンター50のそれぞれについて、プリンター情報を取得する(ステップS41)。具体的には、制御部11は、表示対象となる各プリンター50について、表示項目の情報を記憶部13のプリンターテーブルT1、測色履歴テーブルT3から取得する。例えば、制御部11は、プリンターテーブルT1から「機種モデル」、「最新測色日」等を取得する。また、制御部11は、測色履歴テーブルT3から「実測判定結果」等を取得する。
【0091】
次に、制御部11は、色目標値設定1が関連付けられているプリンターA以外のプリンター50のそれぞれについて、色目標値設定変更判定結果を取得する(ステップS42)。具体的には、制御部11は、記憶部13の色目標値設定適用予測テーブルT4から、各プリンター50の「変更された色目標値設定での予測判定結果」を取得する。
【0092】
次に、制御部11は、色目標値設定1が関連付けられているプリンターA以外のプリンター50のそれぞれについて、予測に用いた測色履歴が有効であるか、参考程度であるかの判断結果を取得する(ステップS43)。具体的には、制御部11は、記憶部13の色目標値設定適用予測テーブルT4から、各プリンター50の「測色履歴の有効性」を取得する。
【0093】
次に、制御部11は、色目標値設定1が関連付けられているプリンターA以外のプリンター50のそれぞれについて、記憶部13に報知メッセージが記憶されていれば、その報知メッセージを取得する(ステップS44)。
【0094】
次に、制御部11は、色目標値設定1が関連付けられているプリンターA以外のプリンター50のそれぞれについて、得られた結果を表示するための表示用データを生成し、通信部12を介してクライアントPC30の表示部32に表示させる(ステップS45)。
以上で、判定結果報知処理が終了する。
【0095】
図17に、クライアントPC30の表示部32に表示される予測判定結果報知画面322の例を示す。予測判定結果報知画面322は、色目標値設定1が関連付けられているプリンターA以外の各プリンター50に対して、変更された色目標値設定を適用したときの予測判定結果を表示し、プリンター50ごとに、変更された色目標値設定を適用するか否かを選択させるためのユーザーインターフェースである。予測判定結果報知画面322には、判定結果表示領域61、メッセージ表示領域62、適用ボタン63、キャンセルボタン64が含まれる。
【0096】
判定結果表示領域61には、判定対象とされた各プリンター50に対して、「プリンター名」、「変更された色目標値設定での予測判定結果」、「測色履歴の有効性」、「最新測色日」、「最新実測判定結果」、「機種モデル」が表示されるとともに、チェックボックスC1~C7が設けられている。「プリンター名」、「変更された色目標値設定での予測判定結果」、「測色履歴の有効性」、「最新測色日」、「最新実測判定結果」、「機種モデル」には、記憶部13の色目標値設定適用予測テーブルT4の内容が表示される。チェックボックスC1~C7は、変更された色目標値設定を各プリンター50に適用するか否かをユーザーが指定するためのものである。
【0097】
判定結果表示領域61には、「東1」、「東2」、「北1」というプリンター50に対して、変更された色目標値設定を満たすという予測判定結果が表示されている。これにより、ユーザーは、変更された色目標値設定を満たすと判定されたプリンター50を認識することができる。このうち、「東1」、「東2」というプリンター50については、有効な測色履歴に基づいて判定され、「北1」というプリンター50については、参考程度の(有効でない)測色履歴に基づいて判定されたことが分かる。
【0098】
また、判定結果表示領域61には、「南3」、「西1」、「南1」、「南2」というプリンター50に対して、変更された色目標値設定を満たさないという予測判定結果が表示されている。これにより、ユーザーは、変更された色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター50を認識することができる。このうち、「南3」、「西1」というプリンター50については、有効な測色履歴に基づいて判定され、「南1」、「南2」というプリンター50については、参考程度の(有効でない)測色履歴に基づいて判定されたことが分かる。
【0099】
メッセージ表示領域62には、測色履歴が有効でないと判断されたプリンター50に対する報知メッセージが表示される。
適用ボタン63が押下されると、チェックボックスC1~C7にチェックが入れられたプリンター50に、「変更された色目標値設定」が適用される。
キャンセルボタン64は、予測判定結果報知画面322における設定内容をキャンセルするためのボタンである。
【0100】
制御部11は、記憶部13のプリンターテーブルT1において、予測判定結果報知画面322でチェックを入れたプリンター50の「色目標値設定」を「色目標値設定2」に変更する。
【0101】
ステップS6の後、又は、ステップS1において、色目標値設定1が色目標値設定2に変更されない場合には(ステップS1;NO)、全体処理が終了する。
【0102】
以上説明したように、本実施の形態によれば、色目標値設定を変更する際に用いたプリンターA以外のプリンター50のそれぞれについて、当該プリンター50の測色履歴の情報に基づいて、当該プリンター50で印刷される色が、変更された色目標値設定を満たすか否かを判定し、判定された結果をユーザーに報知するので、色目標値設定が変更された場合に、変更された色目標値設定を満たさないプリンター50を認識することができる。
【0103】
また、プリンター50の測色履歴の情報に基づいて、変更された色目標値設定を満たすか否かを判定するので、処理対象となるプリンター50について、新たに印刷や測色をすることなく、変更された色目標値設定を満たすか否かが分かり、色目標値設定を変更するべきか否かをユーザーが判断する上での指標とすることができる。
【0104】
また、判定結果の報知においては、変更された色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター50を報知することができる。
また、変更された色目標値設定を満たすと判定されたプリンター50を報知することができる。
【0105】
また、データの有効性判断の結果、測色履歴が有効でない場合には、判定結果が参考程度に留まることを表示することができる。
【0106】
また、処理対象のプリンター50の測色履歴の情報に含まれる最外周色の測色値から求めた処理対象のプリンター50が再現可能な色域と、変更された色目標値設定の色域とを比較することにより、処理対象のプリンター50で印刷される色が、変更された色目標値設定を満たすか否かを判定することができる。
【0107】
また、処理対象のプリンター50において、最新の測色値が測定された後に、トナー交換、スクリーン設定変更、ガンマ補正等の動作が行われていた場合には、プリンター50の色特性が変動している可能性があるため、このプリンター50に対する測色の実行を促すことで、新たな測色結果による判定を行うことができる。
【0108】
なお、色目標値設定変更判定処理(ステップS4、
図14参照)では、色目標値設定1が関連付けられているプリンターA以外のプリンター50を処理対象としたが、色目標値設定1を変更する際(色目標値設定2を作成する際)に使用したプリンターAに対しても色目標値設定変更判定処理を行い、判定結果を報知することとしてもよい。ただし、通常、プリンターAにおいては、印刷される色が変更後の色目標値設定2を満たすと考えられるため、色目標値設定変更判定処理を省略することができる。
【0109】
〔変形例1〕
変形例1では、変更された色目標値設定(色目標値設定2)を満たさないと判定(予測)されたプリンター50を処理対象として、自動的に再測色を行う。
【0110】
色管理サーバー10の制御部11は、変更された一の色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター50が、プリンター50内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、プリンター50に対し、パッチの印刷及び測色(測色ジョブ)の実行を指示する。
【0111】
制御部11は、パッチの印刷及び測色の実行を指示したプリンター50から当該測色に基づく新たな測色値を取得し、取得された新たな測色値に基づいて、当該プリンター50で印刷される色が、変更された一の色目標値設定を満たすか否かを、新たな実測値を用いて判定し、判定された結果をユーザーに報知する。
【0112】
変形例1では、色目標値設定変更判定処理(
図14参照)のステップS30の後、かつ、色目標値設定変更判定処理の終了前に、
図18に示す自動再測色判定処理を行う。つまり、自動再測色判定処理は、色目標値設定2を満たさないと判定(予測)されたプリンター50を処理対象として実行される。
【0113】
制御部11は、処理対象のプリンター50について、自動測色管理が可能か否かを判断する(ステップS51)。具体的には、制御部11は、処理対象のプリンター50がインライン測色器を搭載しており、かつ、色管理サーバー10と連携している場合(直接データ通信可能な場合)には、自動測色管理が可能と判断する。処理対象のプリンター50がインライン測色器を搭載しているか否かは、記憶部13のプリンターテーブルT1の「自動測色機能」により判断する。
【0114】
処理対象のプリンター50について、自動測色管理が可能である場合には(ステップS51;YES)、制御部11は、処理対象のプリンター50の測色履歴が有効なデータであるか否かを判断する(ステップS52)。具体的には、制御部11は、記憶部13の色目標値設定適用予測テーブルT4から処理対象のプリンター50の「測色履歴の有効性」を取得し、測色履歴が有効なデータであるか否かを判断する。
【0115】
処理対象のプリンター50の測色履歴が有効なデータでない場合には(ステップS52;NO)、制御部11は、通信部12を介して、処理対象のプリンター50の環境情報(ステータス情報)をプリンター管理サーバー20から取得する(ステップS53)。なお、制御部11は、処理対象のプリンター50から直接、環境情報を取得することとしてもよい。
【0116】
次に、制御部11は、処理対象のプリンター50の環境情報のステータス情報に基づいて、処理対象のプリンター50がアイドリング状態であるか否かを判断する(ステップS54)。
処理対象のプリンター50がアイドリング状態でない場合には(ステップS54;NO)、ステップS53に戻り、処理が繰り返される。
【0117】
ステップS54において、処理対象のプリンター50がアイドリング状態である場合には(ステップS54;YES)、制御部11は、通信部12を介して、処理対象のプリンター50に測色ジョブを送信する(ステップS55)。
【0118】
測色ジョブが送信されたプリンター50では、所定のパッチを含むチャートを印刷し、インライン測色器により各パッチの測色を行う。
【0119】
制御部11は、通信部12を介して、処理対象のプリンター50から測色結果を取得する(ステップS56)。制御部11は、記憶部13の測色履歴テーブルT3において、処理対象のプリンター50の測色履歴を更新する。
【0120】
この測色結果は、プリンター50の最新の状態で得られたものであるから、制御部11は、処理対象のプリンター50と対応付けて、有効データと記録する(ステップS57)。具体的には、制御部11は、記憶部13の色目標値設定適用予測テーブルT4において、処理対象のプリンター50の「測色履歴の有効性」フィールドに、「有効」を格納する。
【0121】
次に、制御部11は、新たに取得した測色結果に基づいて、プリンターの色域算出処理(
図15参照)を行う(ステップS58)。
【0122】
次に、制御部11は、処理対象のプリンター50の色域と色目標値設定2の色域とを比較する(ステップS59)。
【0123】
処理対象のプリンター50の色域が色目標値設定2の色域と同じか、色目標値設定2の色域より広い場合には(ステップS59;YES)、制御部11は、処理対象のプリンター50が色目標値設定2を満たすという判定結果を記録する(ステップS60)。具体的には、制御部11は、記憶部13の色目標値設定適用予測テーブルT4において、処理対象のプリンター50の「変更された色目標値設定での予測判定結果」フィールドに、「Pass」を格納する。ただし、ステップS60における判定結果は、実測値に基づく判定結果である。
【0124】
ステップS59において、処理対象のプリンター50の色域が色目標値設定2の色域より狭い場合には(ステップS59;NO)、制御部11は、処理対象のプリンター50が色目標値設定2を満たさないという判定結果を記録する(ステップS61)。具体的には、制御部11は、記憶部13の色目標値設定適用予測テーブルT4において、処理対象のプリンター50の「変更された色目標値設定での予測判定結果」フィールドに、「Fail」を格納する。ただし、ステップS61における判定結果は、実測値に基づく判定結果である。
【0125】
ステップS52において、処理対象のプリンター50の測色履歴が有効なデータである場合(ステップS52;YES)、又は、ステップS61の後、制御部11は、処理対象のプリンター50における自動プロファイリング回数が上限回数に達したか否かを判断する(ステップS62)。自動プロファイリング回数は、プリンター50ごとに管理されており、一定期間でリセットされる。また、上限回数は予め定められている。
【0126】
処理対象のプリンター50における自動プロファイリング処理が上限回数に達していない場合には(ステップS62;NO)、制御部11は、自動プロファイリング処理を行う(ステップS63)。
【0127】
図19は、自動プロファイリング処理を示すフローチャートである。
制御部11は、プロファイリングチャートの印刷用データを生成する(ステップS71)。プロファイリングチャートには、所定のCMYK値により指定される複数のパッチが含まれる。
【0128】
次に、制御部11は、処理対象のプリンター50の環境情報(ステータス情報)をプリンター管理サーバー20から取得する(ステップS72)。なお、制御部11は、処理対象のプリンター50から直接、環境情報を取得することとしてもよい。
【0129】
次に、制御部11は、処理対象のプリンター50の環境情報のステータス情報に基づいて、処理対象のプリンター50がアイドリング状態であるか否かを判断する(ステップS73)。
処理対象のプリンター50がアイドリング状態でない場合には(ステップS73;NO)、ステップS72に戻り、処理が繰り返される。
【0130】
ステップS73において、処理対象のプリンター50がアイドリング状態である場合には(ステップS73;YES)、制御部11は、通信部12を介して、処理対象のプリンター50にプロファイリングチャートの印刷及び測色の指示を送信する(ステップS74)。この指示には、プロファイリングチャートの印刷用データが含まれる。
【0131】
プロファイリングチャートの印刷及び測色の指示が送信されたプリンター50では、プロファイリングチャートを印刷し、インライン測色器により各パッチの測色を行う。
【0132】
制御部11は、通信部12を介して、処理対象のプリンター50から測色結果を取得する(ステップS75)。
次に、制御部11は、プロファイリングチャートの各パッチに対応するCMYK値と、各パッチに対応する測色結果(L*a*b*値)に基づいて、プリンタープロファイルを作成する(ステップS76)。
【0133】
次に、制御部11は、処理対象のプリンター50にプリンタープロファイルを設定する(ステップS77)。具体的には、制御部11は、作成したプリンタープロファイルを、通信部12を介して処理対象のプリンター50に送信する。処理対象のプリンター50では、新たなプリンタープロファイルを装置内に保存し、それ以降の印刷に用いる。
次に、制御部11は、処理対象のプリンター50における自動プロファイリング回数に1を加算し(ステップS78)、自動プロファイリング処理が終了する。
【0134】
図18に戻り、自動プロファイリング処理(ステップS63)の後は、処理対象のプリンター50での出力結果が変わり、測色履歴が有効ではなくなるため、制御部11は、処理対象のプリンター50と対応付けて、参考データと記録する(ステップS64)。具体的には、制御部11は、記憶部13の色目標値設定適用予測テーブルT4において、処理対象のプリンター50の「測色履歴の有効性」フィールドに、「参考程度」を格納する。ステップS64の後、ステップS52に戻り、処理が繰り返される。ステップS52では、処理対象のプリンター50の測色履歴が有効なデータでないと判断されるため(ステップS52;NO)、処理対象のプリンター50に測色ジョブが送信されることになる(ステップS55)。
【0135】
ステップS51において、処理対象のプリンター50について、自動測色管理が可能でない場合(ステップS51;NO)、ステップS62において、処理対象のプリンター50における自動プロファイリング処理が上限回数に達した場合(ステップS62;YES、又は、ステップS60の後、自動再測色判定処理が終了する。
【0136】
自動再測色判定処理では、プリンター50が自動測色管理が可能な場合に、自動的にプリンター50に測色ジョブを指示し、測色履歴を更新することにより、実測値を用いた再判定を行うことができる。
【0137】
また、再測色してもプリンター50が、変更された色目標値設定(色目標値設定2)を満たさない場合には(ステップS59;NO)、自動的にプリンタープロファイルを再作成した上で(ステップS63)、このプリンタープロファイルを適用した状態で測色ジョブを行い、再判定を行うことができる。
【0138】
自動再測色判定処理を含む色目標値設定変更判定処理(ステップS4、
図14参照)を行うことにより、判定結果報知処理(ステップS6、
図16参照)では、自動再測色判定処理により得られた判定結果を報知することができる。
【0139】
変形例1によれば、変更された色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター50がインライン測色器を備えている場合に、プリンター50に対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示するので、プリンター50が最新の状態で自動的に測色し直すことができる。
【0140】
また、パッチの印刷及び測色の実行を指示したプリンター50から新たな測色値を取得し、新たな測色値に基づいて、プリンター50で印刷される色が、変更された色目標値設定を満たすか否かについて、再判定を行うことができる。
【0141】
なお、自動再測色判定処理では、変更された色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター50において、自動測色管理が可能であって(ステップS51;YES)、かつ、測色履歴が有効なデータでない場合に(ステップS52;NO)、測色ジョブを送信する(ステップS55)こととしたが、変更された色目標値設定を満たさないと判定されたプリンター50が、プリンター50内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、プリンター50に対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示することとしてもよい。
また、測色履歴の情報に含まれる最新の測色値が測定された後に所定の動作(色特性が変動し得る動作)が行われていたプリンター50(測色履歴が参考データと判断されたプリンター50)が、プリンター50内で印刷物を測色するインライン測色器を備えている場合に、プリンター50に対し、パッチの印刷及び測色の実行を指示することとしてもよい。所定の動作は、トナー交換、スクリーン設定変更、ガンマ補正の少なくとも一つである。
【0142】
〔変形例2〕
変形例2では、色目標値設定1が変更された場合に、色目標値設定1が関連付けられていたプリンター50だけでなく、色目標値設定1が関連付けられていないプリンター50のそれぞれに対しても、色目標値設定変更判定処理(
図14参照)を行う。
【0143】
色管理サーバー10の制御部11は、一の色目標値設定が変更された場合に、一の色目標値設定が関連付けられていないプリンター50のそれぞれについても、当該プリンター50の測色履歴の情報に基づいて、当該プリンター50で印刷される色が、変更された一の色目標値設定を満たすか否かを判定し、判定された結果をユーザーに報知する。
【0144】
例えば、
図3のプリンターテーブルT1では、プリンターA,B,Cに対して、色目標値設定1が関連付けられており、プリンターD,Eに対して、色目標値設定1以外の色目標値設定が関連付けられている。
このような状況で、色目標値設定1が色目標値設定2に変更された場合に、プリンターD,Eについても、印刷及び測色をすることなく、プリンターD,Eの測色履歴の情報に基づいて、色目標値設定2を満たすか否かを判定し、判定した結果をユーザーに報知する。
【0145】
処理の詳細については、
図14に示した色目標値設定変更判定処理、
図16に示した判定結果報知処理等と同様である。
また、判定結果の報知画面についても、
図17に示した予測判定結果報知画面322と同様である。
【0146】
変形例2によれば、色目標値設定が変更された場合に、変更された色目標値設定が関連付けられていないプリンター50のそれぞれについても、当該プリンター50の測色履歴の情報に基づいて、当該プリンター50で印刷される色が、変更された色目標値設定を満たすか否かを判定し、判定された結果をユーザーに報知することができる。これにより、色目標値設定が変更されたことで、変更された色目標値設定が適用可能となったプリンター50を認識することができる。
【0147】
なお、変形例2の処理を行う前提条件として、色目標値設定1の変更に伴い、色目標値設定1が関連付けられていたプリンター50のうち、変更された色目標値設定(色目標値設定2)を満たさないと判定されたプリンター50があった場合、又は、最新の測色値が測定された後に所定の動作が行われていたプリンター50があった場合に、色目標値設定1が関連付けられていないプリンター50についても、色目標値設定変更判定処理を行うようにしてもよい。
【0148】
また、上記実施の形態及び変形例1、2における記述は、本発明に係る色管理装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態及び変形例1、2における特徴的な処理を組み合わせることとしてもよい。
【0149】
各処理を実行するためのプログラムを格納するコンピューター読み取り可能な媒体としては、上記の例に限定されず、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0150】
10 色管理サーバー
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
20 プリンター管理サーバー
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
30 クライアントPC
31 制御部
32 表示部
33 操作部
34 通信部
35 記憶部
36 測色データ受信部
40 測色器
50 プリンター
61 判定結果表示領域
62 メッセージ表示領域
100 色管理システム
322 予測判定結果報知画面
T1 プリンターテーブル
T2 色目標値設定テーブル
T3 測色履歴テーブル
T4 色目標値設定適用予測テーブル