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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】電気光学装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20240402BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240402BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20240402BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
G02F1/13 505
G09F9/30 338
G09F9/30 365
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020104722
(22)【出願日】2020-06-17
(65)【公開番号】P2021196559
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智
【審査官】萩田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-275680(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0327851(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0003453(KR,A)
【文献】特開2013-025070(JP,A)
【文献】特開2019-117264(JP,A)
【文献】特開2000-111901(JP,A)
【文献】特開2014-056212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343 - 1/1368
G09F 9/30 - 9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界に応じて光学的特性が変化する電気光学層を有する電気光学装置であって、
前記電気光学層に前記電界を印加する電極と、
ドレイン領域を含む半導体層を有するトランジスターと、
第1容量電極および第2容量電極を有する容量素子と、
前記電極に接続される電極用コンタクトと、
前記ドレイン領域に電気的に接続されるドレイン中継電極と、を備え、
前記電極用コンタクトは、前記第2容量電極および前記ドレイン中継電極に接続され、
前記第1容量電極および前記ドレイン中継電極は、同層に位置し、
前記第1容量電極、前記第2容量電極、および前記電極は、この順に前記電気光学層に向かって並び、前記電極が前記電気光学層の最も近くに配置され、
前記電極用コンタクトは、柱状のプラグであり、
前記第1容量電極は、第1方向に延在し、
前記ドレイン中継電極は、前記電極の厚さ方向に見て、前記第1方向とは交差する第2方向に延在し、
前記電極用コンタクトは、前記厚さ方向に見て、前記第1容量電極とは重ならず、かつ前記第2方向に延在する、
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記電極用コンタクトは、前記電極の厚さ方向に見て、前記電極の縁に沿って延在する長尺な形状である請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記トランジスターは、ゲート電極をさらに有し、
前記ゲート電極に電気的に接続される走査線をさらに備え、
前記電極用コンタクトは、前記電極の厚さ方向に見て、前記走査線の延在方向に沿った長尺な形状である請求項1または2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記電極用コンタクトは、前記電極の材料と同一の材料を含む請求項1からのいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記電極用コンタクトは、タングステンを含む請求項1からのいずれか1項に記載の
電気光学装置。
【請求項6】
請求項1からのいずれか1項に記載の電気光学装置と、
前記電気光学装置の動作を制御する制御部と、を有することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクター等の電子機器には、例えば、画素ごとに光学的特性を変更可能な電気光学装置が用いられる。
【0003】
特許文献1に記載の電気光学装置は、一方側基板と、他方側基板と、これら2つの基板間に配置される液晶層とを有する。当該一方側基板は、ドレインを含むトランジスターと、中継電極と、容量と、画素電極とを有する。トランジスター、ドレイン中継電極、容量および画素電極は、この順に液晶層に近づくように配置される。
【0004】
ドレイン中継電極は、トランジスターのドレイン領域に電気的に接続される。容量は、コンタクトホールを介してドレイン中継電極に接続される容量電極を有する。画素電極は、他のコンタクトホールを介して容量電極に接続される。したがって、画素電極は、ドレイン中継電極に電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-78825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の一方側基板の製造では、ドレイン中継電極と容量電極とを接続した後、容量電極と画素電極とが接続される。このため、ドレイン中継電極と画素電極との電気的な接続には2つのコンタクトホールが必要である。複数のコンタクトホールを用いてドレイン中継電極と画素電極とを電気的に接続すると、製造工程の手間が非常に大きい。また、複数のコンタクトホールコンタクトが必要であると、コンタクトおよび配線のレイアウトが制約されるおそれがある。この結果、開口率の低下を抑制しつつ電気光学装置の小型化を図ることが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電気光学装置の一態様は、電界に応じて光学的特性が変化する電気光学層を有する電気光学装置であって、前記電気光学層に前記電界を印加する電極と、ドレイン領域を含む半導体層を有するトランジスターと、第1容量電極および第2容量電極を有する容量素子と、前記電極に接続される電極用コンタクトと、前記ドレイン領域に電気的に接続されるドレイン中継電極と、を備え、前記電極用コンタクトは、前記第2容量電極および前記ドレイン中継電極に接続される。
【0008】
本発明の電子機器の一態様は、前述の電気光学装置と、前記電気光学装置の動作を制御する制御部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る電気光学装置の平面図である。
図2図1に示す電気光学装置のA-A線における断面図である。
図3図1の素子基板の電気的な構成を示す等価回路図である。
図4図1の素子基板の一部を模式的に示す図である。
図5図4の素子基板の一部を示す断面図である。
図6図4の素子基板の一部を示す平面図である。
図7図5の容量線および第2中継電極を示す平面図である。
図8図5の誘電体層を示す平面図である。
図9図5の第2容量電極を示す平面図である。
図10図5の電極用コンタクトを示す平面図である。
図11】第2実施形態に係る電極用コンタクトを示す平面図である。
図12】電子機器の一例であるパーソナルコンピューターを示す斜視図である。
図13】電子機器の一例であるスマートフォンを示す平面図である。
図14】電子機器の一例であるプロジェクターを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法または縮尺は実際と適宜に異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0011】
1.電気光学装置
1A.第1実施形態
1Aa.基本構成
図1は、第1実施形態に係る電気光学装置100の平面図である。図2は、図1に示す電気光学装置100のA-A線における断面図である。なお、図1では、対向基板3の図示を省略する。また、以下では、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を適宜用いて説明する。また、X軸に沿う一方向をX1方向と表記し、X1方向とは反対の方向をX2方向と表記する。同様に、Y軸に沿う一方向をY1方向と表記し、Y1方向とは反対の方向をY2方向と表記する。Z軸に沿う一方向をZ1方向と表記し、Z1方向とは反対の方向をZ2方向と表記する。また、以下では、Z1方向またはZ2方向に見ることを「平面視」とし、Z軸を含む断面に対して垂直方向から見ることを「断面視」とする。
【0012】
図1および図2に示す電気光学装置100は、アクティブマトリクス駆動方式の透過型の液晶装置である。図2に示すように、電気光学装置100は、透光性を有する素子基板2と、透光性を有する対向基板3と、枠状のシール部材4と、液晶層5とを有する。なお、「透光性」とは、可視光に対する透過性を意味し、好ましくは可視光の透過率が50%以上であることをいう。また、素子基板2、液晶層5および対向基板3は、この順にZ1方向に並ぶ。対向基板3は、素子基板2に対して液晶層5を介して配置される。なお、図1に示す電気光学装置100の平面視での形状は四角形であるが、例えば円形であってもよい。
【0013】
図2に示すように、素子基板2は、後述の複数のTFT(Thin Film Transistor)を有する基板である。素子基板2は、第1基体21と積層体22と複数の画素電極25と第1配向膜29とを有する。第1基体21、積層体22、複数の画素電極25および第1配向膜29は、この順にZ1方向に並ぶ。また、図示はしないが、素子基板2は、複数の画素電極25を平面視で囲む複数のダミー画素電極を有する。
【0014】
第1基体21は、透光性および絶縁性を有する平板である。第1基体21は、例えばガラス基板または石英基板を含む。積層体22には、後述のTFTが配置される。なお、積層体22については後述する。また、各画素電極25は、透光性を有する。各画素電極25は、例えばITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)およびFTO(Fluorine-doped tin oxide)等の透明導電材料を含む。画素電極25は、「電極」の例示である。画素電極25は、液晶層5に電界を印加する。画素電極25の厚さ方向は、Z1方向またはZ2方向と一致する。第1配向膜29は、透光性および絶縁性を有する。第1配向膜29は、液晶層5の液晶分子を配向させる。第1配向膜29の材料としては、例えば酸化ケイ素またはポリイミドが挙げられる。
【0015】
対向基板3は、素子基板2に対向して配置される基板である。対向基板3は、第2基体31と絶縁膜32と共通電極33と第2配向膜34とを有する。第2基体31、絶縁膜32、共通電極33および第2配向膜34は、この順にZ2方向に並ぶ。また、図示はしないが、対向基板3は、平面視で複数の画素電極25を囲む遮光性の見切りを有する。「遮光性」とは、可視光に対する遮光性を意味し、好ましくは、可視光の透過率が50%未満であることをいい、より好ましくは、10%以下であることをいう。
【0016】
第2基体31は、透光性および絶縁性を有する平板である。第2基体31は、例えばガラス基板または石英基板を含む。絶縁膜32は、透光性および絶縁性を有する。絶縁膜32の材料は、例えば酸化ケイ素等の無機材料である。共通電極33は、複数の画素電極25に対して液晶層5を介して配置される対向電極である。共通電極33は、例えばITO、IZOおよびFTO等の透明導電材料を含む。共通電極33は、液晶層5に電界を印加する。第2配向膜34は、透光性および絶縁性を有する。第2配向膜34は、液晶層5の液晶分子を配向させる。第2配向膜34の材料としては、例えば酸化ケイ素またはポリイミドが挙げられる。
【0017】
シール部材4は、素子基板2と対向基板3との間に配置される。シール部材4は、例えばエポキシ樹脂等の各種硬化性樹脂を含む接着剤等を用いて形成される。シール部材4は、ガラス等の無機材料で構成されるギャップ材を含んでもよい。シール部材4は、素子基板2および対向基板3のそれぞれに対して固着される。
【0018】
液晶層5は、素子基板2、対向基板3およびシール部材4によって囲まれる領域内に配置される。液晶層5は、複数の画素電極25と共通電極33との間に配置される。液晶層5は、電界に応じて光学的特性が変化する電気光学層である。液晶層5は、正または負の誘電異方性を有する液晶分子を含む。液晶分子の配向は、液晶層5に印加される電圧に応じて変化する。液晶層5は、印加される電圧に応じて光を変調することで階調表示を可能とする。
【0019】
図1に示すように、素子基板2には、複数の走査線駆動回路11とデータ線駆動回路12と複数の外部端子13とが配置される。複数の外部端子13の一部は、図示しないが、走査線駆動回路11またはデータ線駆動回路12から引き回される配線に接続される。また、複数の外部端子13は、共通電位が印加させる端子を含む。当該端子は、図示しない配線および導通材を介して、対向基板3の共通電極33に電極的に接続される。
【0020】
かかる電気光学装置100は、画像を表示する表示領域A10と、平面視で表示領域A10の外側に位置する周辺領域A20とを有する。表示領域A10には、行列状に配列される複数の画素Pが設けられる。複数の画素Pに対して複数の画素電極25が1対1で配置される。前述の共通電極33は、複数の画素Pで共通に設けられる。また、周辺領域A20は、平面視で表示領域A10を囲む。周辺領域A20には、走査線駆動回路11およびデータ線駆動回路12等が配置される。
【0021】
本実施形態では、電気光学装置100は透過型である。このため、例えば、対向基板3に入射した光が素子基板2から出射される間に変調されることにより、画像が表示される。また、例えば、素子基板2に入射した光が対向基板3ら出射される間に変調されることにより、画像が表示されてもよい。また、電気光学装置100は、反射型であってもよい。この場合、例えば、共通電極33が透光性を有し、かつ画素電極25が反射性を有する。反射型の場合、対向基板3に入射した光が画素電極25で反射し、再び対向基板3から出射される間で変調されることにより、画像が表示される。
【0022】
また、電気光学装置100は、例えば、後述するパーソナルコンピューターおよびスマートフォン等のカラー表示を行う表示装置に適用される。当該表示装置に適用される場合、電気光学装置100に対してカラーフィルターが適宜用いられる。また、電気光学装置100は、例えば、後述する投射型のプロジェクターに適用される。この場合、電気光学装置100は、ライトバルブとして機能する。なお、この場合、電気光学装置100に対してカラーフィルターが省略される。
【0023】
1Ab.素子基板2の電気的な構成
図3は、図1の素子基板2の電気的な構成を示す等価回路図である。素子基板2の第1基体21には、図3に示す複数のトランジスター23とn本の走査線241とm本のデータ線242とn本の定電位線243とが設けられる。nおよびmはそれぞれ2以上の整数である。n本の走査線241とm本のデータ線242との各交差に対応してトランジスター23が配置される。各トランジスター23は、例えばスイッチング素子として機能するTFTである。各トランジスター23は、ゲート、ソースおよびドレインを含む。
【0024】
n本の走査線241のそれぞれはX1方向に延在し、n本の走査線241はY1方向に等間隔で並ぶ。n本の走査線241のそれぞれは、対応する複数のトランジスター23のゲートに電気的に接続される。n本の走査線241は、図1に示す走査線駆動回路11に電気的に接続される。1~n本の走査線241には、走査線駆動回路11から走査信号G1、G2、…、およびGnが線順次で供給される。
【0025】
図3に示すm本のデータ線242のそれぞれはY1方向に延在し、m本のデータ線242はX1方向に等間隔で並ぶ。m本のデータ線242のそれぞれは、対応する複数のトランジスター23のソースに電気的に接続される。m本のデータ線242は、図1に示すデータ線駆動回路12に電気的に接続される。1~m本のデータ線242には、データ線駆動回路12から画像信号S1、S2、…、およびSmが並行に供給される。
【0026】
図3に示すn本の走査線241とm本のデータ線242とは、互いに電気的に絶縁されており、平面視で格子状に配置される。隣り合う2つの走査線241と隣り合う2つのデータ線242とで囲まれる領域が画素Pに対応する。各画素電極25は、対応するトランジスター23のドレインに電気的に接続される。
【0027】
n本の定電位線243のそれぞれはY1方向に延在し、n本の定電位線243はX1方向に等間隔で並ぶ。また、n本の定電位線243は、m本のデータ線242およびn本の走査線241に対して電気的に絶縁されており、これらに対して間隔をもって配置される。各定電位線243には、グランド電位等の固定電位が印加される。n本の定電位線243のそれぞれは、対応する容量素子240に電気的に接続される容量線である。各容量素子240は、画素電極25の電位を保持するための蓄積容量である。なお、複数の容量素子240は、複数の画素電極25に1対1で電気的に接続される。複数の容量素子240は、複数のトランジスター23のドレインに1対1で電気的に接続される。
【0028】
走査信号G1、G2、…、およびGnが順次アクティブとなり、n本の走査線241が順次選択されると、選択される走査線241に接続されるトランジスター23がオン状態となる。すると、m本のデータ線242を介して表示すべき階調に応じた大きさの画像信号S1、S2、…、およびSmが、選択される走査線241に対応する画素Pに取り込まれ、画素電極25に印加される。これにより、画素電極25と図2に共通電極33との間に形成される液晶容量に、表示すべき階調に応じた電圧が印加され、印加される電圧に応じて液晶分子の配向が変化する。また、容量素子240によって、印加される電圧が保持される。このような液晶分子の配向の変化によって光が変調され階調表示が可能となる。
【0029】
1Ac.素子基板2の積層体22の構成
図4は、図2の素子基板2の一部を模式的に示す図である。図4に示す積層体22は、透光性および絶縁性を有する。積層体22は、複数の絶縁層221、222、223、224、225および226を有する。絶縁層221、222、223、224、225および226は、第1基体21から複数の画素電極25に向けてこの順に積層される。積層体22の各層の材料は、例えば、酸窒化ケイ素および酸化ケイ素等の無機材料である。
【0030】
積層体22の層間には、複数のトランジスター23および配線等が配置される。図4には、1つの画素Pに関わる配線等が図示される。具体的には、積層体22には、走査線241と、トランジスター23と、データ線242と、容量素子240と、第1中継電極246と、第2中継電極247と、第1導通部271と、第2導通部272と、第3導通部273と、第4導通部274と、電極用コンタクト275とが配置される。容量素子240は、定電位線243と、第2容量電極244と、誘電体層245とを有する。第2中継電極247は、「ドレイン中継電極」の例示である。
【0031】
トランジスター23、容量素子240、第1中継電極246、第2中継電極247、第1導通部271、第2導通部272、第3導通部273、第4導通部274および電極用コンタクト275は、画素Pごとに配置される。なお、平面図は省略するが、複数のトランジスター23および配線等は平面視で格子状をなし、平面視で複数の画素電極25の間に配置される。図4ではトランジスター23および配線のX-Y平面の配置は模式的に図示される。
【0032】
図4に示すように、第1基体21と絶縁層221との間には、走査線241が配置される。絶縁層221上には、トランジスター23が配置される。トランジスター23は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有する半導体層231と、ゲート電極232と、ゲート絶縁膜233とを有する。
【0033】
半導体層231は、絶縁層221上に配置される。半導体層231は、ソース領域231a、ドレイン領域231b、チャネル領域231c、第1LDD領域231dおよび第2LDD領域231eを有する。チャネル領域231cは、ソース領域231aとドレイン領域231bとの間に位置する。第1LDD領域231dは、チャネル領域231cとソース領域231aとの間に位置する。第2LDD領域231eは、チャネル領域231cとドレイン領域231bとの間に位置する。半導体層231は、例えば、ポリシリコンを成膜して形成され、チャネル領域231cを除く領域には、導電性を高める不純物がドープされる。第1LDD領域231dおよび第2LDD領域231e中の不純物濃度は、ソース領域231aおよびドレイン領域231b中の不純物濃度よりも低い。なお、第1LDD領域231dおよび第2LDD領域231eのうちの少なくとも一方、特に、第1LDD領域231dは、省略してもよい。
【0034】
ゲート電極232は、絶縁層222と絶縁層223との間に配置される。平面図は省略するが、ゲート電極232は、平面視で半導体層231のチャネル領域231cに重なる。ゲート電極232は、例えば、ポリシリコンに導電性を高める不純物がドープされることにより形成される。なお、ゲート電極232は、金属、金属シリサイドおよび金属化合物の導電性を有する材料を用いて形成されてもよい。また、ゲート電極232とチャネル領域231cとの間には、ゲート絶縁膜233が介在する。ゲート絶縁膜233は、例えば、熱酸化またはCVD(chemical vapor deposition)法等で成膜される酸化ケイ素で構成される。
【0035】
絶縁層223と絶縁層224との間には、データ線242および第1中継電極246が配置される。本実施形態では、断面視で、データ線242と前述の走査線241との間にトランジスター23が配置される。かかる配置であることで、走査線241およびデータ線242を遮光膜として機能させることができる。よって、トランジスター23への光の入射を抑制することができる。
【0036】
絶縁層224上には、定電位線243および第2中継電極247が配置される。定電位線243の一部は、容量素子240が有する一対の容量電極の一方でもある。つまり、容量素子240は、定電位線243の一部で構成される第1容量電極と、第2容量電極244とを有する。当該第1容量電極には、固定電位が印加される。また、誘電体層245は、定電位線243と第2容量電極244との間に配置される。また、第2容量電極244は、絶縁層225と絶縁層226との間に配置される。
【0037】
絶縁層226上には、画素電極25が配置される。なお、絶縁層226と画素電極25との間には、BSG(borosilicate glass)等のガラスを含む層が配置されてもよい。
【0038】
前述の走査線241、データ線242、第1中継電極246、第2中継電極247、定電位線243とおよび第2容量電極244の各材料としては、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)およびアルミニウム(Al)等の金属、金属窒化物ならびに金属シリサイド等の金属材料が挙げられる。具体的には例えば、各種配線は、アルミニウム膜と窒化チタン膜とを含む。アルミニウム膜を含むことで、窒化チタン膜のみで構成される場合に比べて低抵抗化を図ることができる。
【0039】
図4に示す第1導通部271、第2導通部272、第3導通部273、第4導通部274および電極用コンタクト275のそれぞれは、導電性を有する貫通電極である。これらのそれぞれは、例えば柱状のプラグである。
【0040】
第1導通部271は、ゲート電極232とデータ線242とを接続する。第1導通部271は、絶縁層221を貫通する。なお、ゲート電極232および第1導通部271は、別々に形成されて接続されるが、一体で形成されてもよい。また、第2導通部272は、半導体層231のソース領域231aとデータ線242とを接続する。第2導通部272は、絶縁層222および絶縁層223を貫通する。なお、データ線242および第2導通部272は、別々に形成されて接続されるが、一体で形成されてもよい。
【0041】
第3導通部273は、半導体層231のドレイン領域231bと第1中継電極246を接続する。第3導通部273は、絶縁層222および絶縁層223を貫通する。なお、第1中継電極246および第3導通部273は、別々に形成されて接続されるが、一体で形成されてもよい。また、第4導通部274は、第1中継電極246と第2中継電極247とを接続する。第4導通部274は、絶縁層224を貫通する。なお、第2中継電極247および第4導通部274は、別々に形成されて接続されるが、一体で形成されてもよい。
【0042】
電極用コンタクト275は、第2中継電極247と第2容量電極244と画素電極25とを互いに接続する。したがって、第2中継電極247、第2容量電極244および画素電極25のそれぞれは、半導体層231のドレイン領域231bに電気的に接続される。
【0043】
前述の第1導通部271、第2導通部272、第3導通部273、第4導通部274および電極用コンタクト275の各材料としては、例えば、タングステン、コバルト(Co)、銅(Cu)等の金属、金属窒化物ならびに金属シリサイド等の金属材料が挙げられる。
【0044】
図5は、図4の素子基板2の一部を示す断面図である。図5に示す電極用コンタクト275は、柱状のプラグである。電極用コンタクト275は、絶縁層225および絶縁層226に形成される貫通孔220に配置される。
【0045】
電極用コンタクト275は、対応する画素電極25に直接的に接続される。電極用コンタクト275は、対応する第2中継電極247に直接的に接続される。電極用コンタクト275は、対応する第2容量電極244に直接的に接続される。したがって、画素電極25に接続される電極用コンタクト275は、第2容量電極244および第2中継電極247に接続されている。すなわち、電極用コンタクト275は、画素電極25と第2容量電極244とを接続する貫通電極、および第2容量電極244と第2中継電極247とを接続する貫通電極が一体で形成された貫通電極である。
【0046】
このように、1つの電極用コンタクト275は、画素電極25と第2容量電極244との接続、および第2容量電極244と第2中継電極247との接続の両方を担っている。このため、画素電極25と第2容量電極244との接続、および第2容量電極244と第2中継電極247との接続とに別々のコンタクトを用いる場合に比べ、コンタクトの数を減らすことができる。よって、製造工程の大幅な簡略化を図ることができる。また、コンタクトの数を減らすことができるため、コンタクトのレイアウトの制約を低減することができる。よって、開口率の低下を抑制しつつ電気光学装置100の小型化を図ることができる。
【0047】
また、前述のように、定電位線243、第2容量電極244および画素電極25は、断面視でこの順にZ1方向に並ぶ。また、定電位線243は、第2中継電極247と同層に位置する。よって、第2中継電極247は、第2容量電極244の下層に位置する。第2中継電極247と第2容量電極244とが異なる層に位置するため、電極用コンタクト275のZ2方向の端面2751は、段差を有する。端面2751は、第2容量電極244に接触する部分と、第2中継電極247に接触する部分とを有する。なお、電極用コンタクト275のZ1方向の端面2752は、画素電極25に接触している。
【0048】
また、本実施形態では、定電位線243、第2容量電極244および画素電極25がこの順に液晶層5の近くに配置されるが、第2容量電極244、定電位線243および画素電極25がこの順に液晶層5の近くに配置されてもよい。ただし、各配線のレイアウトが複雑化、および電極用コンタクト275の形状が複雑化を招くおそれがある。このため、定電位線243、第2容量電極244および画素電極25がこの順に液晶層5の近くに配置される状態で、第2中継電極247、第2容量電極244および画素電極25が電極用コンタクト275で接続されることが好ましい。
【0049】
ここで、図4に示すように、定電位線243の下層にトランジスター23が配置される。この配置の場合、前述のように、定電位線243と同層に位置する第2中継電極247が存在することで、第2中継電極247が存在しない場合に比べ、電極用コンタクト275を容易に形成することができる。
【0050】
仮に第2中継電極247が存在せずに、電極用コンタクト275の一部を第1中継電極246に接続させる場合、電極用コンタクト275の一部が絶縁層224~226を貫通する必要がある。このため、電極用コンタクト275のZ1方向の長さを長くする必要がある。よって、この場合、電極用コンタクト275の形成が難しい。
【0051】
なお、本実施形態では、第2中継電極247と定電位線243とは同層に存在するが、第2中継電極247と定電位線243とは同層に存在しなくてもよい。また、第2中継電極247は、省略されてもよい。この場合、第1中継電極246が「ドレイン用電極」に相当する。ただし、第2中継電極247を省略すると、前述のように、電極用コンタクト275の形成が難しい。
【0052】
また、第2中継電極247、定電位線243、第2容量電極244および画素電極25は、走査線241およびデータ線242よりも上層に位置する。このため、本実施形態では、断面視で、第2容量電極244と画素電極25との間には他の配線は配置されていない。よって、第2容量電極244と画素電極25との間に他の配線が配置される場合に比べ、第2容量電極244と画素電極25との配置を近づけることができる。この結果、電極用コンタクト275のZ1方向の長さを短くすることができる。それゆえ、電極用コンタクト275をより容易に形成することができる。
【0053】
また、前述のように、電極用コンタクト275は、柱状のプラグである。このため、電極用コンタクト275が貫通孔220の内壁面に沿った形状である場合に比べ、配置スペースを小さくすることができる。このため、開口率の低下を抑制することができる。また、画素電極25と第2容量電極244との接続、および第2容量電極244と第2容量電極244との接続の不良が発生を抑制することができる。
【0054】
また、前述のように、電極用コンタクト275の材料は、例えば、タングステン、コバルト、銅等の金属、金属窒化物ならびに金属シリサイド等の金属材料が挙げられる。特に、電極用コンタクト275は、好ましくはタングステンを含む。タングステンを含むことで、貫通孔220を充分に埋めることができる柱状の電極用コンタクト275を簡単かつ確実に形成することができる。また、タングステンは耐熱性に優れるため、積層体22の製造時のおける熱処理により、電極用コンタクト275が変質することが抑制される。
【0055】
また、電極用コンタクト275がタングステンを含むことで、電極用コンタクト275が第2中継電極247または第2容量電極244に接触することにより電蝕が発生するおそれを抑制することができる。仮に、電極用コンタクト275が貫通孔220の内壁面に沿った形状である場合、電極用コンタクト275は画素電極25の材料と同一材料で形成される。この場合、電極用コンタクト275は、透明導電性材料を含む。電極用コンタクト275が透明導電性材料を含む場合、電極用コンタクト275が第2中継電極247または第2容量電極244に接触することで電蝕が発生するおそれがある。
【0056】
なお、電極用コンタクト275は、単一材料で構成されてもよいし、複数の材料を含んでいてもよい。例えば、電極用コンタクト275は、タングステンを含む主体部と、主体部と貫通孔220の内壁面との間に位置するバリア層とを有してもよい。当該バリア層は、例えば、チタンナイトライド(TiN)、タンタルナイトライド(TaN)またはタングステンナイトライド(WN)のうちの少なくとも1つを含む層を有する。また、当該バリア層は、複数の層を有してもよい。
【0057】
図6は、図4の素子基板2の一部を示す平面図である。なお、図6では、画素電極25、定電位線243、第2容量電極244、第2中継電極247および電極用コンタクト275が図示される。また、便宜上、第2中継電極247にはドットパターンが付され、電極用コンタクト275には網掛けが付される。また、前述の図5は、図6のB-B線断面に相当する。
【0058】
図6に示すように、画素電極25の一部は、平面視で、第2中継電極247の一部、第2容量電極244の一部、および電極用コンタクト275の一部と重なる。また、電極用コンタクト275は、平面視で、第2中継電極247の一部および第2容量電極244の一部と重なる。
【0059】
第2中継電極247と第2容量電極244とは、平面視で画素電極25の縁に沿って互いに重ならない部分を有する。また、電極用コンタクト275は、平面視で画素電極25の縁に沿って配置される。このため、開口率の低下を抑制しつつ、画素電極25と第2容量電極244と第2中継電極247とを接続する電極用コンタクト275を形成することができる。
【0060】
本実施形態では、電極用コンタクト275は、平面視で、走査線241の延在方向であるX1方向に沿った長尺な形状である。走査線241は、図3に示すように、X1方向に延在する。また、第2容量電極244は、平面視で、走査線241とデータ線242の交差部分からX1方向に延在する部分を有する。第2中継電極247は、平面視でX1方向に延在する。そして、第2中継電極247は、平面視で、第2容量電極244に対してX1方向にずれて配置される。このため、電極用コンタクト275を平面視でX1方向に沿った長尺な形状にすることで、開口率を低下させずに、電極用コンタクト275によって画素電極25と第2中継電極247と第2容量電極244とを簡単に接続することができる。
【0061】
また、詳細な図示はしないが、容量素子240は、平面視でY1方向を長手方向とする形状である。そして、電極用コンタクト275の平面視での長手方向であるX1方向は、容量素子240の平面視での長手方向であるY1方向と交差している。このため、電極用コンタクト275が存在することによる容量素子240の表面積の低下を抑制することができる。
【0062】
なお、電極用コンタクト275は、例えば第2中継電極247および第2容量電極244の配置によっては、平面視でY1方向に延びる方向であってもよい。また、電極用コンタクト275は、平面視で走査線241とデータ線242との交差部分に配置されてもよい。この場合、電極用コンタクト275は、平面視で画素電極25の縁に沿った形状でなくてもよい。
【0063】
1Ad.電極用コンタクト275の製造方法
電極用コンタクト275およびそれに接続される配線等の製造方法について説明する。具体的には、容量素子240、第2中継電極247および電極用コンタクト275の製造方法について説明する。
【0064】
図7は、図5の定電位線243および第2中継電極247を示す平面図である。図7に示すように、絶縁層224上に、定電位線243および第2中継電極247を形成する。定電位線243および第2中継電極247は、例えば、PVD(physical vapor deposition)法等により導電膜を形成した後、当該導電膜をエッチングによりパターニングすることで形成される。定電位線243は、平面視でY1方向に延在する。第2中継電極247は、平面視で2つの定電位線243の間に配置される。第2中継電極247は、平面視でX1方向に延在する。
【0065】
図8は、図5の誘電体層245を示す平面図である。図8に示すように、定電位線243および第2中継電極247上に、絶縁層225を形成する。その後、絶縁層225の一部をエッチングにより除去し、除去した部分に誘電体層245を形成する。絶縁層225および誘電体層245は、例えば、熱酸化またはCVD法により形成される。
【0066】
図9は、図5の第2容量電極244を示す平面図である。図9に示すように、平面視で誘電体層245と重なるように、誘電体層245上に第2容量電極244を形成する。第2容量電極244は、例えば、PVD法等により導電膜を形成した後、当該導電膜をエッチングによりパターニングすることで形成される。詳細な図示はしないが、第2容量電極244は、平面視で、走査線241とデータ線242との交差部分に位置する。第2容量電極244は、平面視で、当該交差部分からX1方向に延在する部分と、当該交差部分からY1方向に延在する部分とを有する。また、第2容量電極244は、平面視で第2中継電極247の一部に重なる。
【0067】
図10は、図5の電極用コンタクト275を示す平面図である。図10に示すように、第2容量電極244上に絶縁層226を形成した後、絶縁層226上に電極用コンタクト275を形成する。絶縁層226は、例えば、熱酸化またはCVD法により形成される。また、絶縁層226を形成した後、絶縁層226に貫通孔220が形成される。そして、貫通孔220を埋めるよう電極用コンタクト275が形成される。電極用コンタクト275は、例えば、スパッタ法またはCVD法により形成される。これにより、電極用コンタクト275を介して第2容量電極244と第2中継電極247とは電気的に接続される。
【0068】
また、図示しないが、電極用コンタクト275を形成した後、画素電極25が形成される。これにより、画素電極25と第2容量電極244と第2中継電極247とが、電極用コンタクト275を介して接続される。
【0069】
以上の方法によれば、画素電極25と第2容量電極244との接続、および、第2容量電極244と第2中継電極247との接続に必要なコンタクトは、1つで済む。つまり、電極用コンタクト275を形成することで、画素電極25と第2容量電極244との接続、および、画素電極25と第2中継電極247との接続が可能になる。このため、複数のコンタクトを形成する必要が無く、また、複数の貫通孔を形成する必要がない。よって、素子基板2を製造するための工程数を大幅に削減することができる。
【0070】
1B.第2実施形態
第2実施形態を説明する。なお、以下の各例示において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0071】
図11は、第2実施形態の電極用コンタクト275Aを示す断面図である。本実施形態の電極用コンタクト275Aは、画素電極25と一体で形成されることが第1実施形態の電極用コンタクト275と異なる。以下では、電極用コンタクト275Aについて、第1実施形態の電極用コンタクト275と異なる事項を説明し、同様の事項の説明は省略する。
【0072】
図11に示すように、電極用コンタクト275Aは、貫通孔220の内壁面に沿った形状である。電極用コンタクト275Aは、ITO、IZOおよびFTO等の透明導電材料を含む。電極用コンタクト275Aと画素電極25とは同一材料を含む。電極用コンタクト275Aと画素電極25とが同一材料を含むことで、これらを一体で形成できるので、電極用コンタクト275Aの製造が容易である。
【0073】
また、画素電極25および電極用コンタクト275Aは多層構造であってもよい。例えば、画素電極25および電極用コンタクト275Aは、透明導電性材料を含む主層と、当該主層と絶縁層226との間に配置されるバリア層と有する。当該バリア層は、例えば、チタンナイトライド(TiN)、タンタルナイトライド(TaN)またはタングステンナイトライド(WN)のうちの少なくとも1つを含む層を有する。なお、当該バリア層は、複数の層を有してもよい。当該バリア層を有することで、透明導電性材料を含む主層が第2中継電極247または第2容量電極244に接触することで電蝕が発生することを抑制することができる。特に、第2中継電極247または第2容量電極244がアルミニウムを含む場合、電極用コンタクト275Aがバリア層を有することは有効である
2.変形例
以上に例示した実施形態は多様に変形され得る。前述の実施形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0074】
前述の各実施形態では、トランジスター23は、TFTであったが、例えば、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)であってもよい。
【0075】
前述の各実施形態では、アクティブマトリクス方式の電気光学装置100が例示されるが、これに限定されず、電気光学装置100の駆動方式は、例えば、パッシブマトリクス方式等でもよい。
【0076】
「電気光学装置」の駆動方式は、縦電界方式に限定されず、横電界方式でもよい。第1実施形態では、素子基板2に画素電極25が設けられ、対向基板3に共通電極33が設けられているが、素子基板2または対向基板3のいずれか一方のみに、液晶層5に電界を印加するための電極が設けられてもよい。なお、横電界方式としては、例えばIPS(In Plane Switching)モードが挙げられる。また、縦電界方式としては、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Virtical Alignment)、PVAモードおよびOCB(Optically Compensated Bend)モードが挙げられる。
【0077】
3.電子機器
電気光学装置100は、各種電子機器に用いることができる。
【0078】
図12は、電子機器の一例であるパーソナルコンピューター2000を示す斜視図である。パーソナルコンピューター2000は、各種の画像を表示する電気光学装置100と、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設置される本体部2010と、制御部2003と、を有する。制御部2003は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、電気光学装置100の動作を制御する。
【0079】
図13は、電子機器の一例であるスマートフォン3000を示す平面図である。スマートフォン3000は、操作ボタン3001と、各種の画像を表示する電気光学装置100と、制御部3002と、を有する。操作ボタン3001の操作に応じて電気光学装置100に表示される画面内容が変更される。制御部3002は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、電気光学装置100の動作を制御する。
【0080】
図14は、電子機器の一例であるプロジェクターを示す模式図である。投射型表示装置4000は、例えば、3板式のプロジェクターである。電気光学装置1rは、赤色の表示色に対応する電気光学装置100であり、電気光学装置1gは、緑の表示色に対応する電気光学装置100であり、電気光学装置1bは、青色の表示色に対応する電気光学装置100である。すなわち、投射型表示装置4000は、赤、緑および青の表示色に各々対応する3個の電気光学装置1r、1g、1bを有する。制御部4005は、例えばプロセッサーおよびメモリーを含み、電気光学装置100の動作を制御する。
【0081】
照明光学系4001は、光源である照明装置4002からの出射光のうち赤色成分rを電気光学装置1rに供給し、緑色成分gを電気光学装置1gに供給し、青色成分bを電気光学装置1bに供給する。各電気光学装置1r、1g、1bは、照明光学系4001から供給される各単色光を表示画像に応じて変調するライトバルブ等の光変調器として機能する。投射光学系4003は、各電気光学装置1r、1g、1bからの出射光を合成して投射面4004に投射する。
【0082】
以上の電子機器は、前述の電気光学装置100と、制御部2003、3002または4005と、を備える。生産性に優れ、かつ小型な電気光学装置100を備えることで、パーソナルコンピューター2000、スマートフォン3000または投射型表示装置4000の小型化を図ることができる。
【0083】
なお、本発明の電気光学装置が適用される電子機器としては、例示した機器に限定されず、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、車載用の表示器、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、およびPOS(Point of sale)端末等が挙げられる。さらに、本発明が適用される電子機器としては、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤー、またはタッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
【0084】
以上、好適な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されない。また、本発明の各部の構成は、前述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換でき、また、任意の構成を付加できる。
【0085】
また、前述した説明では、本発明の電気光学装置の一例として液晶装置について説明したが、本発明の電気光学装置はこれに限定されない。例えば、本発明の電気光学装置は、イメージセンサー等にも適用することができる。また、例えば、有機EL(electro luminescence)、無機ELまたは発光ポリマー等の発光素子を用いた表示パネルに対しても前述の実施形態と同様に本発明が適用され得る。また、着色された液体と当該液体に分散された白色の粒子とを含むマイクロカプセルを用いた電気泳動表示パネルに対しても前述の実施形態と同様に本発明が適用され得る。
【符号の説明】
【0086】
2…素子基板、3…対向基板、4…シール部材、5…液晶層、11…走査線駆動回路、12…データ線駆動回路、13…外部端子、21…第1基体、22…積層体、23…トランジスター、25…画素電極、29…第1配向膜、31…第2基体、32…絶縁膜、33…共通電極、34…第2配向膜、100…電気光学装置、220…貫通孔、221…絶縁層、222…絶縁層、223…絶縁層、224…絶縁層、225…絶縁層、226…絶縁層、231…半導体層、231a…ソース領域、231b…ドレイン領域、231c…チャネル領域、231d…第1LDD領域、231e…第2LDD領域、232…ゲート電極、233…ゲート絶縁膜、240…容量素子、241…走査線、242…データ線、243…定電位線、244…第2容量電極、245…誘電体層、246…第1中継電極、247…第2中継電極、271…第1導通部、272…第2導通部、273…第3導通部、274…第4導通部、275…電極用コンタクト、2751…端面、2752…端面、A10…表示領域、A20…周辺領域、P…画素。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14