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特許7463885エネルギーマネジメントシステム、エネルギー管理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】エネルギーマネジメントシステム、エネルギー管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/00 20060101AFI20240402BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240402BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240402BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240402BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20240402BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20240402BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20240402BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
H02J3/00 170
H02J3/32
H02J3/38 120
H02J7/34 A
H02J7/10 K
H02J3/46
G06Q50/06
H02J7/00 U
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020115565
(22)【出願日】2020-07-03
(65)【公開番号】P2022013180
(43)【公開日】2022-01-18
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(74)【代理人】
【識別番号】100206966
【弁理士】
【氏名又は名称】崎山 翔一
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼口 謙一
(72)【発明者】
【氏名】小熊 祐司
(72)【発明者】
【氏名】稲村 彰信
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-027214(JP,A)
【文献】特開2018-093652(JP,A)
【文献】特開2019-213364(JP,A)
【文献】特開2015-211516(JP,A)
【文献】特開2013-027190(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0261892(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00
H02J 3/32
H02J 3/38
H02J 7/34
H02J 7/10
H02J 3/46
G06Q 50/06
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電力系統に接続されていると共にエネルギー貯蔵部と再生可能エネルギーにより発電を行う発電部と電力を消費する電力負荷部とを有するマイクログリッドに関し、前記エネルギー貯蔵部の充放電計画を最適化するエネルギーマネジメントシステムであって、
前記エネルギー貯蔵部における充電を禁止する充電禁止時間帯及び前記エネルギー貯蔵部における放電を禁止する放電禁止時間帯の少なくとも一方に関する禁止時間帯情報を取得する取得部と、
前記禁止時間帯情報を含む制約条件を用いて、前記マイクログリッドにおける余剰電力量の累積値に関する項と、前記外部電力系統から購入した受電電力量の累積値又は前記外部電力系統から購入した電力量の費用の累積値に関する項とを含む目的関数に関する最小化問題を演算する演算部と、
前記演算部から取得された情報に基づいて、前記充放電計画を出力する出力部と、を備える、エネルギーマネジメントシステム。
【請求項2】
前記最小化問題は、決定変数として、複数の時刻における前記エネルギー貯蔵部の充放電の電力量を含み、
前記出力部は、前記充放電計画として、各前記時刻における前記充放電の電力量に関する情報を出力する、請求項1に記載のエネルギーマネジメントシステム。
【請求項3】
前記最小化問題は、決定変数として、前記外部電力系統から購入した受電電力量と、前記余剰電力量と、をさらに含む、請求項1又は2に記載のエネルギーマネジメントシステム。
【請求項4】
前記制約条件は、同一時刻における、前記エネルギー貯蔵部の充放電の電力量に関する項と、前記余剰電力量に関する項と、前記電力負荷部において消費される消費電力量に関する項と、前記発電部において発電される発電電力量に関する項と、前記外部電力系統から購入した受電力量に関する項と、を含む関係式を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のエネルギーマネジメントシステム。
【請求項5】
前記制約条件は、前記エネルギー貯蔵部における充電電力量の残量の上限を規定する情報を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のエネルギーマネジメントシステム。
【請求項6】
前記取得部は、充放電の切替回数に関する切替回数情報をさらに取得し、
前記制約条件は、前記切替回数情報を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のエネルギーマネジメントシステム。
【請求項7】
外部電力系統に接続されていると共にエネルギー貯蔵部と再生可能エネルギーにより発電を行う発電部と電力を消費する電力負荷部とを有するマイクログリッドに関し、前記エネルギー貯蔵部の充放電計画を最適化するエネルギー管理方法であって、
前記エネルギー貯蔵部における充電を禁止する充電禁止時間帯及び前記エネルギー貯蔵部における放電を禁止する放電禁止時間帯の少なくとも一方に関する禁止時間帯情報を取得することと、
前記禁止時間帯情報を含む制約条件を用いて、前記マイクログリッドにおける余剰電力量の累積値に関する項と、前記外部電力系統から購入した受電電力量の累積値又は前記外部電力系統から購入した電力量の費用の累積値に関する項とを含む目的関数に関する最小化問題を演算することと、
前記最小化問題の演算結果に基づいて、前記充放電計画を出力することと、を備える、エネルギー管理方法。
【請求項8】
外部電力系統に接続されていると共にエネルギー貯蔵部と再生可能エネルギーにより発電を行う発電部と電力を消費する電力負荷部とを有するマイクログリッドに関し、前記エネルギー貯蔵部の充放電計画の最適化をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記エネルギー貯蔵部における充電を禁止する充電禁止時間帯及び前記エネルギー貯蔵部における放電を禁止する放電禁止時間帯の少なくとも一方に関する禁止時間帯情報を取得することと、
前記禁止時間帯情報を含む制約条件を用いて、前記マイクログリッドにおける余剰電力量の累積値に関する項と、前記外部電力系統から購入した受電電力量の累積値又は前記外部電力系統から購入した電力量の費用の累積値に関する項とを含む目的関数に関する最小化問題を演算することと、
前記最小化問題の演算結果に基づいて、前記充放電計画を出力することと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エネルギーマネジメントシステム、エネルギー管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
外部電力系統に接続されていると共にエネルギー貯蔵部を有するマイクログリッドが知られている(例えば、特許文献1から3)。エネルギー貯蔵部におけるエネルギーの貯蔵は、エネルギーマネジメントシステムによって管理される。エネルギーマネジメントシステムは、エネルギー貯蔵部における充放電を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-187292号公報
【文献】特開2012-108863号公報
【文献】特開2016-32336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エネルギー貯蔵部からの充放電を種々のデータに基づいて制御することによって、経済的なコストを低減するエネルギー貯蔵部の運用が考えられている。たとえば、発電設備がマイクログリッド内に存在する場合において、当該発電設備による発電量を推定して、経済的なコストが低減されるようにエネルギー貯蔵部の充放電計画を構築することが考えられる。しかしながら、エネルギーマネジメントシステムにおいて単に経済的なコストを考慮して充放電計画が構築される場合、ユーザの意思など種々の事情に反して充放電が行われる充放電計画が構築されてしまうおそれがある。
【0005】
例えば、HEMS(Home Energy Management System)において、上記エネルギー貯蔵部が電気自動車の搭載バッテリーである場合に、経済的なコストのみを考慮して構築された充放電計画では十分でない。ユーザが午前7~8時に車を使用することが多いのであれば、夜明け前には充電のみをし、放電が禁止したいといった状況が考えられる。また、夜明け前に多少放電したほうが経済的であり上記バッテリーの残量上も問題がなかったとしても、ユーザがその放電を不信又は不安に感じる場合がある。そのほかBEMS(Building Energy Management System)及びFEMS(Factory Energy Management System)などにおいて、予め負荷が増えると分かっている時間帯には、放電を行う充放電計画をEMSに作成して欲しいとユーザが望む場合も考えられる。
【0006】
また、マイクログリッドから外部の電力系統への電力の流出(いわゆる逆潮流)は、外部の電力系統の管理者との契約によって制限される場合がある。たとえば、外部の電力系統における高圧配電系統の空き容量が不足しているという事情によって、逆潮流が禁止され得る。このようなマイクログリッドに例えば太陽光発電設備などの再生可能エネルギー発電設備が含まれている場合に、気象予報を考慮して充放電計画が構築される場合も考えられる。しかし、経済的なコストを低減するためには日中に放電した方が良いとしても、気象予報が外れることによる逆潮流のリスクを懸念して日中の放電の禁止をユーザが希望する状況も考えられる。
【0007】
本開示は、指定された時間帯に充放電が制限されると共に経済的なコストが低減される充放電計画を構築し得るエネルギーマネジメントシステム、エネルギー管理方法、及び、プログラムを説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のエネルギーマネジメントシステムは、外部電力系統に接続されていると共にエネルギー貯蔵部と再生可能エネルギーにより発電を行う発電部と電力を消費する電力負荷部とを有するマイクログリッドに関し、エネルギー貯蔵部の充放電計画を最適化する。このエネルギーマネジメントシステムは、取得部と、演算部と、出力部とを備えている。取得部は、充電禁止時間帯及び放電禁止時間帯の少なくとも一方に関する禁止時間帯情報を取得する。充電禁止時間帯は、エネルギー貯蔵部における充電を禁止する時間帯である。放電禁止時間帯は、エネルギー貯蔵部における放電を禁止する時間帯である。演算部は、禁止時間帯情報を含む制約条件を用いて、余剰電力量の累積値に関する項と、外部電力系統から購入した受電電力量の累積値又は前記外部電力系統から購入した電力量の費用の累積値に関する項とを含む目的関数に関する最小化問題を演算する。出力部は、演算部から取得された情報に基づいて、充放電計画を出力する。
【0009】
このエネルギーマネジメントシステムでは、取得部が充電禁止時間帯及び放電禁止時間帯の少なくとも一方に関する禁止時間帯情報を取得する。さらに、演算部が、取得部によって取得された禁止時間帯情報を含む制約条件を用いて最小化問題における解を演算する。この最小化問題の目的関数は、余剰電力量の累積値に関する項と、外部電力系統から購入した受電電力量の累積値又は前記外部電力系統から購入した電力量の費用の累積値に関する項とを含む。この目的関数に関する最小化問題の解によれば、経済的なコストが低減される充放電計画を構築し得る。制約条件には、取得部から取得された禁止時間帯情報が含まれている。この場合、指定された時間帯に充放電が制限されると共に経済的なコストが低減される充放電計画が構築され得る。
【0010】
上記エネルギーマネジメントシステムでは、最小化問題は、決定変数として、複数の時刻におけるエネルギー貯蔵部の充放電の電力量を含んでもよい。出力部は、充放電計画として、各時刻における充放電の電力量に関する情報を出力してもよい。この構成によれば、充放電計画として、少なくとも各時刻における充放電の電力量が得られる。このため、エネルギー貯蔵部において、経済的なコストが低減されるように充放電が調整され得る。
【0011】
上記エネルギーマネジメントシステムでは、最小化問題は、決定変数として、外部電力系統から購入した受電電力量と余剰電力量とをさらに含んでもよい。この構成によれば、エネルギー貯蔵部の充放電だけでなく外部電力系統から供給される受電電力量も、指定された時間帯における充放電が制限されながら経済的なコストが低減されるように調整され得る。
【0012】
上記エネルギーマネジメントシステムでは、制約条件は、同一時刻における、エネルギー貯蔵部の充放電の電力量に関する項と、余剰電力量に関する項と、電力負荷部において消費される消費電力量に関する項と、発電部において発電される発電電力量に関する項と、外部電力系統から購入した受電力量に関する項とを含む関係式を含んでもよい。この構成によれば、同一時刻において、マイクログリッド内における電力量の需要と供給とのバランスが図られる。
【0013】
上記エネルギーマネジメントシステムでは、制約条件は、エネルギー貯蔵部における充電電力量の残量の上限を規定する情報を含んでもよい。この構成によれば、エネルギー貯蔵部の充電電力量の限界を考慮して、充放電計画が構築され得る。このため、エネルギー貯蔵部における充電電力量の飽和に起因する逆潮流が抑制される。
【0014】
上記エネルギーマネジメントシステムでは、取得部は、充放電の切替回数に関する切替回数情報をさらに取得してもよい。制約条件は、切替回数情報を含んでもよい。この場合、充電と放電との切り替え回数が抑制され得る。
【0015】
本開示のエネルギー管理方法は、外部電力系統に接続されていると共にエネルギー貯蔵部と再生可能エネルギーにより発電を行う発電部と電力を消費する電力負荷部とを有するマイクログリッドに関し、エネルギー貯蔵部の充放電計画を最適化する。このエネルギー管理方法は、禁止時間帯情報を取得することと、禁止時間帯情報を含む制約条件を用いて、目的関数に関する最小化問題を演算することと、演算結果に基づいて、充放電計画を出力することとを備える。禁止時間帯情報は、エネルギー貯蔵部における充電を禁止する充電禁止時間帯及びエネルギー貯蔵部における放電を禁止する放電禁止時間帯の少なくとも一方に関する。目的関数は、マイクログリッドにおける余剰電力量の累積値に関する項と、外部電力系統から購入した受電電力量の累積値又は前記外部電力系統から購入した電力量の費用の累積値に関する項とを含む。
【0016】
本開示のプログラムは、外部電力系統に接続されていると共にエネルギー貯蔵部と再生可能エネルギーにより発電を行う発電部と電力を消費する電力負荷部とを有するマイクログリッドに関し、エネルギー貯蔵部の充放電計画の最適化をコンピュータに実行させるためのプログラムである。このプログラムは、禁止時間帯情報を取得することと、禁止時間帯情報を含む制約条件を用いて、目的関数に関する最小化問題を演算することと、演算結果に基づいて、充放電計画を出力することとをコンピュータに実行させる。禁止時間帯情報は、エネルギー貯蔵部における充電を禁止する充電禁止時間帯及びエネルギー貯蔵部における放電を禁止する放電禁止時間帯の少なくとも一方に関する。目的関数は、マイクログリッドにおける余剰電力量の累積値に関する項と、外部電力系統から購入した受電電力量の累積値又は前記外部電力系統から購入した電力量の費用の累積値に関する項とを含む。
【発明の効果】
【0017】
本開示のエネルギーマネジメントシステム、エネルギー管理方法、及び、プログラムによれば、指定された時間帯に充放電が制限されると共に、経済的なコストが低減される充放電計画を構築し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態のエネルギーマネジメントシステムが適用された電力供給システムの概略図である。
図2図2は、エネルギーマネジメントシステムのブロック図である。
図3図3(a)及び図3(b)は、ユーザによる充放電の切替回数の制限を説明するための図である。
図4図4は、充放電計画の一例を示す図である。
図5図5は、エネルギーマネジメントシステムが実施する処理のフローチャートである。
図6図6は、エネルギーマネジメントシステムのハードウェア構成の一例を示す図である。
図7図7(a)はユーザによって切替回数が制限されていない場合の一例を示す図であり、図7(b)はユーザによって切替回数が制限されている場合の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態のエネルギーマネジメントシステムを実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
まず、図1を参照して、電力供給システム1の概略構成について説明する。図1は、実施形態の電力供給システムの概略図である。電力供給システム1は、マイクログリッド3と、エネルギーマネジメントシステム5と、サーバ7とを備えている。以下、「エネルギーマネジメントシステム」を「EMS」という。マイクログリッド3は、管理部11と、発電部12と、電力負荷部13と、エネルギー貯蔵部14と、水電解部15と、を含む。マイクログリッド3では、発電部12が出力する電力を、電力負荷部13が消費する。
【0021】
マイクログリッド3は、外部電力系統100に接続されている。マイクログリッド3は、不足する電力を外部電力系統100から受けることができる。すなわち、マイクログリッド3において要求される電力の一部が、外部電力系統100から供給され得る。
【0022】
マイクログリッド3から外部電力系統100への電力の流出(いわゆる逆潮流)は、外部電力系統100の管理者との契約によって制限される場合がある。たとえば、外部電力系統100における高圧配電系統の空き容量が不足しているという事情によって、逆潮流が禁止される。このため、本実施形態では、管理部11は、基本的に逆潮流を発生させない。すなわち、マイクログリッド3において、発電された全ての電力が、電力負荷部13、エネルギー貯蔵部14、又は、水電解部15において消費又は貯蔵される。
【0023】
管理部11は、外部電力系統100に接続されている。管理部11は、外部電力系統100と、発電部12と、電力負荷部13と、エネルギー貯蔵部14と、水電解部15との間における電力の流れを管理する。管理部11は、EMS5からの出力に応じて、例えば、発電部12、エネルギー貯蔵部14、及び、水電解部15を制御する。
【0024】
本実施形態において、管理部11は、マイクログリッド3の運用形態を柔軟に変更できるように構成されている。管理部11は、外部電力系統100への逆潮流を発生することができるように構成されている。このため、管理部11は、マイクログリッド3の運用形態の変更によって、例外的に逆潮流を発生させることができる。例えば、マイクログリッド3において発電された電力の一部が、外部電力系統100に逆潮流されてもよい。
【0025】
発電部12は、再生可能エネルギーにより発電を行う。本実施形態において、発電部12は、太陽光発電設備を含む。発電部12は、例えば、風力発電設備など他の再生可能エネルギーによる発電設備を含んでいてもよい。
【0026】
発電部12は、管理部11からの制御指令に応じて、電力負荷部13とエネルギー貯蔵部14と水電解部15とに発電した電力を供給する。例えば、発電部12は、管理部11からの制御指令に応じて発電電力量を調整する。
【0027】
電力負荷部13は、電力を消費する。電力負荷部13は、例えば、電力需要家であり、受けた電力を所望の用途に使用する。
【0028】
エネルギー貯蔵部14は、マイクログリッド3内において電力を貯蔵及び放出する。本実施形態においてエネルギー貯蔵部14は、蓄電池である。エネルギー貯蔵部14は、リチウムイオン電池である。エネルギー貯蔵部14は、水素又はアンモニアを用いた燃料電池であってもよい。以下、本実施形態において、エネルギー貯蔵部14における電力の貯蔵を「充電」といい、エネルギー貯蔵部14における電力の放出を「放電」という。エネルギー貯蔵部14は、管理部11からの制御指令に応じて、マイクログリッド3内における電力を充放電する。エネルギー貯蔵部14は、管理部11からの制御指令に応じて、単位時間あたりに充電する充電電力量、又は、単位時間あたりに放電する放電電力量を調整する。
【0029】
エネルギー貯蔵部14は、外部電力系統100から受けた電力量及び発電部12によって発電された電力量を充放電する。エネルギー貯蔵部14は、例えば定置型の蓄電池である。エネルギー貯蔵部14は、例えばリチウムイオン電池(LiB)である。エネルギー貯蔵部14は、蓄電池の代わり、又は、蓄電池に加えて、揚水発電設備を備えていてもよい。
【0030】
水電解部15は、受けた電力によって水を電気分解し、水素及び酸素を製造する。水電解部15は、例えば、製造された水素又は酸素を貯蔵する貯蔵装置とを有している。水電解部15は、管理部11の制御指令に応じて、水素又は酸素の製造量を増減する。水電解部15によって製造された水素は、例えば燃料電池車又は燃料電池発電装置などへ供給される。水電解部15により製造された水素は、例えば他のエネルギーキャリアに転換及び貯蔵されてもよい。
【0031】
マイクログリッド3は、水電解部15の代わり、又は、水電解部15に加えて、熱発生部を有していてもよい。熱発生部は、例えば、受けた電力によって熱を発生する電気ボイラを含む。熱発生部は、例えば水を加熱することにより水蒸気を生成する。熱発生部は、管理部11の制御指令に応じて、熱の発生量を増減してもよい。熱発生部により生成された水蒸気は、例えば熱として乾燥設備へ供給される。熱発生部により生成された水蒸気は、バイオ燃料製造装置等へ供給されてもよい。
【0032】
EMS5は、マイクログリッド3に関し、エネルギー貯蔵部14の充放電計画を最適化する。EMS5は、最適化された充放電計画を出力する。例えば、EMS5は、最適化された充放電計画をユーザに提示する。例えば、EMS5は、最適化された充放電計画を管理部11に出力する。管理部11は、EMS5から出力された充放電計画に基づいて、エネルギー貯蔵部14を制御する。管理部11は、例えば、EMS5から出力された充放電計画をベースとして、発電部12などの種々の状況に応じてエネルギー貯蔵部14を制御する。例えば、発電部12が太陽光発電設備などの再生可能エネルギーの発電設備を含んでいる場合、管理部11は、マイクログリッド3内における電力量が平滑化されるように、発電部12の発電量の変化に応じて、エネルギー貯蔵部14の充放電を調整してもよい。このような場合、管理部11は、EMS5から出力された充放電計画に厳密に従わなくてもよい。
【0033】
サーバ7は、EMS5に各種情報を提供する。サーバ7がEMS5に提供する情報は、例えば、現在のエネルギー貯蔵部14における電力量の残量、充放電計画の演算に必要な将来の情報を含む。将来の情報は、例えば、発電部12の発電電力量の予測値、電力負荷部13における消費電力量の予測値、及び、外部電力系統100から購入する電力の電力量料金単価の予測値を含む。サーバ7は、電力負荷部13における消費電力量、及び、外部電力系統100から購入する電力の電力量料金単価として、固定値をEMS5に提供してもよい。サーバ7は、電力供給システム1の外部のサーバであってもよい。サーバ7は、外部電力系統100に含まれていてもよい。
【0034】
次に、図2を参照して、EMS5の動作についてさらに詳細に説明する。図2は、EMS5のブロック図である。EMS5は、統括制御部21と、通信部22と、取得部23と、演算部24と、記憶部25と、出力部26とを備える。
【0035】
統括制御部21は、EMS5における処理を統括制御する。統括制御部21は、たとえば、充放電計画時刻であるか否かを逐次判定する。本実施形態において、充放電計画時刻は、1日1回深夜0:00である。充放電計画時刻は、1日に複数回あってもよい。充放電計画時刻は、予め設定された時刻ではなく、所定のイベントが発生した時刻であってもよい。このイベントは、例えば、気象予報データの外部からの取得であってもよい。気象予報データは、発電部12としての太陽光発電設備への日射量のデータであってもよい。
【0036】
通信部22は、管理部11およびサーバ7に対して情報通信を行う。通信部22は、電力供給システム1の外部と情報通信を行ってもよい。
【0037】
取得部23は、サーバ7から入力された情報、ユーザからの直接的に入力された情報、及び、管理部11からEMS5の内部における情報を取得する。取得部23は、統括制御部21、通信部22、演算部24、記憶部25、及び、出力部26の少なくとも一つに取得された情報を出力する。EMS5の内部における情報は、例えば、通信部22によって取得された情報、演算部24から取得された情報、及び、記憶部25から取得された情報を含む。
【0038】
取得部23は、エネルギー貯蔵部14の充放電に関し、充放電の禁止時間帯情報及び充放電の切替制限情報を取得する。禁止時間帯情報は、エネルギー貯蔵部14における充電を禁止する充電禁止時間帯とエネルギー貯蔵部14における放電を禁止する放電禁止時間帯との少なくとも一方に関する情報である。禁止時間帯情報は、例えば、放電の禁止開始時刻と放電の禁止終了時刻とを含む。充電の禁止時間帯情報は、例えば、充電の禁止開始時刻と充電の禁止終了時刻とを含む。
【0039】
切替制限情報は、エネルギー貯蔵部14における充放電の切り替えを制限する時間帯に関する制限時間帯情報と、当該時間帯においてエネルギー貯蔵部14における充放電の切り替えを許容する回数に関する切替回数情報と、を含む。制限時間帯情報は、例えば、切替制限の開始時刻と切替制限の終了時刻とを含む。
【0040】
本実施形態では、取得部23は、ユーザからの入力によって、上述した禁止時間帯情報と切替制限情報との少なくとも一方を取得する。取得部23は、通信部22を介して、サーバ7から禁止時間帯情報と切替制限情報との少なくとも一方を取得してもよい。取得部23は、1又は複数の時間帯における禁止時間帯情報を取得する。換言すれば、取得部23は、時間的に分離した複数の時間区間における禁止時間帯情報を取得してもよい。取得部23は、1又は複数の時間帯における制限時間帯情報を取得する。換言すれば、取得部23は、時間的に分離した複数の時間区間における制限時間帯情報を取得してもよい。
【0041】
例えば、図3(a)は、充電及び放電の禁止時間帯情報と切替制限情報とが取得部23によって取得された場合に、各時刻における充放電計画を制約する制約条件の一例を示している。図3(a)に示されている例では、24時間の充放電計画が示されている。図3(a)に示されている例では、取得部23によって取得された充電の禁止時間帯情報に基づいて、0:00から8:30までの充電が禁止される。取得部23によって取得された放電の禁止時間帯情報に基づいて、10:30から18:00までの放電が禁止される。取得部23によって取得された充電の禁止時間帯情報に基づいて、20:00から24:00までの放電が禁止される。それ以外の時間帯は、充電も放電も行うことが許容される。しかし、取得部23によって取得された切替制限情報に基づいて、7:00から11:30までの間において、充電と放電との切替が1回のみに制限される。取得部23によって取得された切替制限情報に基づいて、17:00から21:30までの間において、充電と放電との切替が1回のみに制限される。
【0042】
例えば、図3(b)は、放電のみの禁止時間帯情報と切替制限情報とが取得部23によって取得された場合に、各時刻における充放電計画を制約する制約条件の一例を示している。図3(b)に示されている例においても、24時間の充放電計画が示されている。図3(b)に示されている例では、取得部23によって取得された充電の禁止時間帯情報に基づいて、10:30から18:00までの放電が禁止される。それ以外の時間帯は、充電も放電も行うことが許容される。しかし、取得部23によって取得された切替制限情報に基づいて、0:00から11:30までの間において、充電と放電との切替が1回のみに制限される。取得部23によって取得された切替制限情報に基づいて、17:30から24:00までの間において、充電と放電との切替が1回のみに制限される。
【0043】
演算部24は、充放電計画を演算する。本実施形態において、演算部24は、充放電計画の作成起点時刻を0:00に設定し、30分毎の24時間分の充放電計画を導出する。演算部24によって導出される充放電計画は、これのような設定に限定されない。例えば、演算部24は、充放電計画の作成起点時刻を任意の時間に設定してもよい。演算部24は、15分毎の充放電計画を導出してもよい。演算部24は、48時間分の充放電計画を導出してもよい。
【0044】
演算部24は、充放電計画部24aと、制約条件判定部24bと、表示制御部24cとを含む。充放電計画部24aは、最適化問題を解くことにより、充放電計画を演算する。充放電計画部24aは、最適化ソルバーを含む。制約条件判定部24bは、充放電計画部24aによって演算された充放電計画が制約条件を満たすか否かを判定する。制約条件判定部24bは、充放電計画を採用するか否かを判定し、充放電計画を採用する場合に演算された充放電計画を記憶部25へ格納する。表示制御部24cは、充放電計画の演算結果に応じて表示を制御する。表示制御部24cは、充放電計画の表示データを出力部26に送信する。表示制御部24cは、最適化問題において実行可能な解が得られなかった場合には、エラー情報の表示データを出力部26に送信してもよい。
【0045】
記憶部25は、問題記憶部25aと、充放電計画記憶部25bとを含む。問題記憶部25aは、取得部23においてサーバ7及びユーザから取得された情報を記憶する。問題記憶部25aは、充放電計画部24aによって解かれる最適化問題とこの最適化問題の演算部24に用いられる制約条件とを記憶する。問題記憶部25aは、最適化問題の演算に用いられる制約条件の一部のみを記憶してもよい。本実施形態において、最適化問題は、混合整数線形計画問題である。例えば、問題記憶部25aは、後述する目的関数及び制約条件を記憶する。充放電計画記憶部25bは、制約条件判定部24bの判定に応じて、充放電計画部24aによって演算された充放電計画を記憶する。
【0046】
出力部26は、充放電計画記憶部25bに記憶された充放電計画の少なくとも一部を出力する。出力部26は、演算部24において演算された情報を逐次出力してもよい。出力部26は、例えば、充放電計画として、各時刻におけるエネルギー貯蔵部14の充放電の電力量に関する情報を出力する。出力部26は、例えば、EMS5が有するスクリーンに情報を表示する。出力部26は、EMS5の外部に情報を出力してもよい。
【0047】
出力部26は、例えば、タッチパネル等を備えており、マイクログリッド3内の電力機器が選択されることにより、充放電計画を表示してもよい。例えば、出力部26は、当該電力機器の運転スケジュールを表示する。出力部26は、演算部24によって制御されて、EMS5のユーザに対して所定のメッセージを表示してもよい。例えば、出力部26は、案内メッセージ、警告メッセージ、及び、エラー情報などを表示してもよい。出力部26は、所定の情報をメール等によってユーザに通知してもよい。
【0048】
続いて、充放電計画部24aによって演算される最適化問題について説明する。充放電計画部24aは、取得部23によって取得された情報と、問題記憶部25aに予め記憶されている情報とに基づいて、充放電計画を導出する。充放電計画部24aは、取得部23によって取得された充放電の禁止時間帯情報を含む制約条件を用いて、問題記憶部25aに予め記憶された目的関数に関する最適化問題を演算する。
【0049】
充放電計画部24aによって解かれる最適化問題の一例は、下記式(1)に示される。
【数1】
【0050】
“К”は、時間の集合である。本実施形態において、К={0,1,・・・,H-1}である。“H”は、充放電計画における計画ステップ数である。すなわち、各時刻ごとにおける充放電計画の値がHの数だけ導出される。“k”は、“К”の要素であり、計画ステップのいずれか一つの時刻を示す変数である。“r”は、余剰電力量である。余剰電力量は、エネルギー貯蔵部14に充電されず、電力負荷部13において消費されず、且つ、マイクログリッド3から放出されない電力量である。換言すれば、余剰電力量は、マイクログリッド3内において活用される電力のうち、エネルギー貯蔵部14に充電されず且つ電力負荷部13において消費されない電力量である。本実施形態では、逆潮流が行われないため、余剰電力量は、マイクログリッド3内において、エネルギー貯蔵部14に充電されず且つ電力負荷部13において消費されない電力量である。余剰電力量は、水電解部15における消費電力量と等しい。“r”は、時刻kにおける余剰電力である。例えば、“r”の単位は、kWである。
【0051】
“ΔT”は、時間刻みである。例えば、“ΔT”の単位は、hである。“f”は、時刻kにおける電力量料金単価である。例えば、“f”の単位は円/kWhである。“s”は、外部電力系統100から購入した受電電力量である。“s”は、時刻kにおける受電電力量である。例えば、“s”の単位はkWである。“f”は、外部電力系統100から購入した電力量の費用である。“ω”及び“ω”は、係数である。
【0052】
“p”は、エネルギー貯蔵部14に充電される充電電力量である。“p ”は、各時刻kにおける充電電力量である。例えば、“p ”の単位は、kWである。“p”は、エネルギー貯蔵部14から放電される放電電力量である。“p ”は、各時刻kにおける放電電力量である。例えば、“p ”の単位は、kWである。
【0053】
充放電計画部24aによって解かれる最適化問題は、式(1)に示されている2つの項を含む目的関数の解を求める最小化問題である。この目的関数は、余剰電力量の累積値に関する項と、外部電力系統100から購入した電力量の費用の累積値に関する項とを含む。目的関数は、決定変数として、複数の時刻kにおけるエネルギー貯蔵部14の充放電の電力量“p”,“p”を含む。目的関数は、決定変数として、外部電力系統100から受けた受電電力量“s”と、余剰電力量“r”と、をさらに含む。目的関数は、さらに、決定変数として、後述する“z”、“b ”、及び、“b ”を含む。
【0054】
充放電計画部24aは、以下の式(2)から式(16)によって示される制約条件を用いて、上記最適化問題を解く。
【数2】

【数3】

【数4】

【数5】

【数6】

【数7】

【数8】

【数9】

【数10】

【数11】

【数12】

【数13】

【数14】

【数15】

【数16】
【0055】
”g”は、時刻kにおける発電部12の発電電力量である。例えば“g”の単位は、kWである。“d”は、時刻kにおける電力負荷部13の消費電力量である。例えば“d”の単位は、kWである。
【0056】
“smin”は、外部電力系統100から購入する受電電力量の下限値である。“smax”は、外部電力系統100から購入する受電電力量の上限値である。“p+max”は、エネルギー貯蔵部14における充電電力量の上限値である。“p-max”は、エネルギー貯蔵部14における放電電力量の上限値である。“q”は、時刻k(k≠0)のエネルギー貯蔵部14における充電電力量の残量である。“q”は、充放電計画の起点におけるエネルギー貯蔵部14の充電電力量の残量である。“qmin”は、エネルギー貯蔵部14における充電電力量の残量の下限値である。“qmax”は、エネルギー貯蔵部14における充電電力量の残量の上限値である。
【0057】
“z”は、フラグであり、時刻kにおいて、エネルギー貯蔵部14への充電を許容するか、エネルギー貯蔵部14からの放電を許容するかを決定する値である。換言すれば、“z”は、時刻kにおいて、エネルギー貯蔵部14からの放電を禁止するか、エネルギー貯蔵部14への充電を禁止するかを決定する値である。本実施形態において、“z”が1の場合は、エネルギー貯蔵部14からの放電が禁止される。“z”が0の場合は、エネルギー貯蔵部14への充電が禁止される。
【0058】
“β”は、エネルギー貯蔵部14からの放電が禁止される時刻の集合である。“β”は、エネルギー貯蔵部14への充電が禁止される時刻の集合である。“β”及び“β”は、以下の式(17)から式(19)を満足する。
【数17】

【数18】

【数19】
【0059】
“b ”は、フラグであり、時刻kにおいて、エネルギー貯蔵部14への充電の許容状態を開始する時刻か否かを決定する値である。換言すれば、“b ”は、時刻kにおいて、エネルギー貯蔵部14からの放電の禁止状態を開始する時刻か否かを決定する値である。本実施形態において、“b ”が1の場合は、エネルギー貯蔵部14からの放電の禁止状態を開始する時刻である。“b ”が0の場合は、エネルギー貯蔵部14からの放電の禁止状態を開始する時刻以外の時刻である。
【0060】
“b ”は、フラグであり、時刻kにおいて、エネルギー貯蔵部14からの放電の許容状態を開始する時刻か否かを決定する値である。換言すれば、“b ”は、時刻kにおいて、エネルギー貯蔵部14への充電の禁止状態を開始する時刻か否かを決定する値である。本実施形態において、“b ”が1の場合は、エネルギー貯蔵部14への充電の禁止状態を開始する時刻である。“b ”が0の場合は、エネルギー貯蔵部14への充電の禁止状態を開始する時刻以外の時刻である。
【0061】
“Ζ ”は、エネルギー貯蔵部14における充放電の切り替えを1回に制限する時間帯の集合である。“Ζ ”(m=0,1,・・・,M-1)は、Ζ ⊂Кを満足する。“M”は、1つの充放電計画のうち、エネルギー貯蔵部14における充放電の切り替えを1回に制限する時間帯の個数である。“m”は、エネルギー貯蔵部14における充放電の切り替えを1回に制限する時間帯のうち、いずれか一つの時間帯を示す変数である。
【0062】
本実施形態において、“К”、“H”、及び、“ΔT”は、EMS5の設計者によって予め設定される。“β”、“β”、及び、“Ζ ”は、取得部23を介してユーザによって設定される。“f”、“d”、“g”、“M”、“smin”、“smax”、“p+max”、“p-max”、“qmin”、“qmax”、及び、“q”は、取得部23を介してユーザによって設定される。“β”、“β”、及び、“Ζ ”は、取得部23を介して管理部11又はサーバ7から設定されてもよい。“f”は、取得部23を介してサーバ7から設定されてもよい。“d”、“g”、及び、“q”は、取得部23を介して管理部11又はサーバ7から設定されてもよい。
【0063】
式(1)は、余剰電力量と外部電力系統100から購入した電力量の費用とが低減されるように構築された目的関数を示している。式(2)は、同一時刻において、マイクログリッド3内における電力量の需要と供給とが等しいことを規定している。換言すれば、式(2)に示されている制約条件は、同一時刻における、エネルギー貯蔵部14の充放電の電力量に関する項と、余剰電力量に関する項と、電力負荷部13において消費される消費電力量に関する項と、発電部12において発電される発電電力量に関する項と、外部電力系統100から受けた受電力量に関する項と、を含む関係式である。
【0064】
式(3)は、各時刻における、外部電力系統100から購入する電力量の範囲を規定している。式(4)は、各時刻における、エネルギー貯蔵部14の充電電力量の範囲を規定している。式(5)は、各時刻における、エネルギー貯蔵部14の放電電力量の範囲を規定している。式(6)は、エネルギー貯蔵部14における充電電力量の残量の範囲を規定している。式(6)に示されている制約条件は、エネルギー貯蔵部14における充電電力量の残量の上限を規定する情報を含んでいる。
【0065】
式(7)は、取得部23を介してユーザによって設定された時刻において、充電が許容されること、すなわち、放電が禁止されることを規定している。式(8)は、取得部23を介してユーザによって設定された時刻において、放電が許容されること、すなわち、充電が禁止されることを規定している。式(9)は、充電又は放電の禁止状態と、充電又は放電の禁止状態の開始との関係を規定している。式(10)は、充電の禁止状態の開始と放電の禁止状態の開始とが重複して行われないことを規定している。
【0066】
式(11)は、取得部23を介してユーザによって設定された時間帯において、充電の禁止状態と放電の禁止状態との切り替えが1回のみ行われることを規定している。式(11)に示されている制約条件は、充放電の切替回数に関する切替回数情報を含んでいる。なお、式(11)の右辺を変更することによって、取得部23を介してユーザによって設定された時間帯に切り替えられる切替回数が変更される。式(11)の右辺は、ユーザによって設定できる変数としてもよい。式(11)は、等式となっているが、不等式であってもよい。
【0067】
式(12)、式(13)、及び、式(14)は、“z”、“b ”、及び、“b ”のフラグが、0又は1のみの値をとることを規定している。式(15)は、充放電の電力量を計算する式である。本実施形態において、“p”が正の値である場合に、エネルギー貯蔵部14の充電が行われ、“p”が負の値である場合に、エネルギー貯蔵部14の放電が行われる。式(16)は、エネルギー貯蔵部14の電力量の残量を計算する式である。充放電計画部24aによって演算された充放電計画は、例えば、各時刻kにおける充電電力量“p”を含んでいる。換言すれば、充放電計画は、例えば、p,p,・・・,pH-1の配列を含んでいる。
【0068】
図4は、充放電計画部24aによって演算され、出力部26から出力される充放電計画の一例を示している。図4に示されている例では、30分毎の充放電計画が出力されている。この充放電計画は、2019年11月18日0:00から2019年11月19日0:00までの24時間分の充放電計画である。図4においてマイナス側は、マイクログリッド3内における供給電力量を示している。図4においてプラス側は、マイクログリッド3内における需要電力量を示している。
【0069】
図4において折れ線グラフLは、エネルギー貯蔵部14における充電電力量の残量を示している。図4において、データD1は、電力負荷部13における消費電力を示している。データD2は、外部電力系統100から購入した電力量を示している。データD3は、エネルギー貯蔵部14において充電又は放電される電力量を示している。データD3がプラス側に位置している場合には、エネルギー貯蔵部14において充電が行われる。データD3がマイナス側に位置している場合には、エネルギー貯蔵部14において放電が行われる。データD4は、発電部12において発電された電力量を示している。データD5は、余剰電力量を示している。破線R1は、エネルギー貯蔵部14における充電電力量の残量の上限を示している。破線R2は、エネルギー貯蔵部14における充電電力量の残量の下限を示している。
【0070】
データD1とデータD4とは、取得部23から取得された予測値である。エネルギー貯蔵部14の充電電力量の限界値は、3000kWhであった。エネルギー貯蔵部14の充電電力量の残量の上限及び下限は、この限界値に対して遊びをもって設定される。破線R1で示されている上限は、2700kWhに設定された。破線R2で示されている下限は、300kWhに設定された。外部電力系統100から購入する電力の電力量料金単価は、一定に設定された。外部電力系統100から購入する電力量は、30kWhから500kWhの範囲に設定された。充放電計画の起点、すなわち、18日の0:00におけるエネルギー貯蔵部14の充電電力量の残量は、1500kWhであった。
【0071】
18日0:00から5:00までは、充電禁止時間帯に設定された。7:30から15:30までは、放電禁止時間帯に設定された。18:00から24:00までは、充電禁止時間帯に設定された。4:40から8:00までは、充放電の切替回数は1回のみに設定された。15:00から18:30までの充放電の切替回数は1回のみに設定された。
【0072】
上記制約条件下において最適化問題が演算されることによって、図4に示される充放電計画が出力部26から出力される。この最適化問題の演算によって、最適化された解としてデータD3が出力されている。折れ線グラフL及びデータD5は、データD3に基づいて演算されている。
【0073】
次に、EMS5において実行されるエネルギー管理方法の処理の一例について説明する。このエネルギー管理方法では、マイクログリッド3においてエネルギー貯蔵部14の充放電計画を最適化する。図5は、EMS5が実施する処理のフローチャートである。まず、EMS5は、統括制御部21において、充放電計画時刻か否かを判定する(処理S1)。EMS5は、処理S1において充放電計画時刻でないと判断された場合(処理S1においてNO)には、再び処理S1に処理を戻す。
【0074】
EMS5は、処理S1において充放電計画時刻であると判断された場合(処理S1においてYES)には、取得部23において各種の情報を収集する(処理S2)。例えば、取得部23は、処理S2において、上述した充放電の禁止時間帯情報、及び、切替制限情報を取得する。取得部23は、現在のエネルギー貯蔵部14における電力量の残量を管理部11又はサーバ7のデータベースから取得する。取得部23は、充放電計画の演算に必要な情報をサーバ7から取得する。例えば、取得部23は、発電部12の発電電力量の予測値、電力負荷部13における消費電力量の予測値、及び、外部電力系統100から購入する電力の電力量料金単価をサーバ7から取得する。
【0075】
EMS5は、処理S2の後に、充放電計画部24aにおいて、取得部23において取得された情報に基づいて最適化問題を作成する(処理S3)。充放電計画部24aは、問題記憶部25aに予め記憶された情報と、取得部23において取得された情報との少なくとも一方によって、最適化問題を作成してもよい。
【0076】
EMS5は、処理S3の後に、充放電計画部24aにおいて、取得部23において取得された情報に基づいて最適化問題を演算する(処理S4)。例えば、充放電計画部24aは、充放電の禁止時間帯情報を含む制約条件を用いて、マイクログリッド3において余剰電力量の累積値に関する項と、外部電力系統100から購入した電力量の費用の累積値に関する項とを含む目的関数に関する最適化問題を演算する。この最適化問題は、例えば、式(1)に示される最小化問題である。
【0077】
EMS5は、処理S4の後に、制約条件判定部24bにおいて、実行可能解が得られたか否かを判定する(処理S5)。EMS5は、実行可能解が得られていないと判定した場合(処理S5においてNo)には、出力部26においてエラー情報を出力する(処理S6)。例えば、実行可能解が得られていないと判定した場合に、表示制御部24cがエラー情報の表示データを出力部26に送信し、出力部26が受信した表示データをスクリーンに出力してもよい。例えば、EMS5は、充電禁止時間帯と放電禁止時間帯とが重複している場合には、エラー情報を出力する。
【0078】
EMS5は、処理S6の後に、出力部26において、管理部11に充放電の停止指令を出力する(処理S7)。EMS5は、処理S6の後に、一連の処理を終了する。
【0079】
EMS5は、実行可能解が得られたと判定した場合(処理S5においてYES)には、充放電計画記憶部25bにおいて、充放電計画を更新する(処理S8)。EMS5は、出力部26において、更新された充放電計画を出力する。出力部26は、充放電計画部24aから取得された情報に基づいて、充放電計画を出力する。
【0080】
EMS5は、処理S8の後に、統括制御部21において、処理を終了するか否かを判定する(処理S9)。EMS5は、処理S9において処理を終了しないと判定された場合(処理S9においてNO)、再び処理S1に処理を戻す。EMS5は、処理S9において処理を終了すると判定された場合(処理S9においてYES)、一連の処理を終了する。
【0081】
EMS5は、実行可能解が得られていないと判定した場合(処理S5においてNo)において、処理S6及び処理S7を実行せずに、現存の充放電計画を出力してもよい。この場合、EMS5は、現存の充放電計画を出力部26から出力した後に、処理S9に移行してもよい。
【0082】
次に、図6を参照して、EMS5のハードウェア構成について説明する。図6は、EMS5のハードウェア構成の一例を示す図である。EMS5は、1又は複数のコンピュータ150を含む。コンピュータ150は、CPU(Central Processing Unit)151と、主記憶部152と、補助記憶部153と、通信制御部154と、入力装置155と、出力装置156とを有する。EMS5は、これらのハードウェアと、プログラム等のソフトウェアとにより構成された1又は複数のコンピュータ150によって構成される。
【0083】
EMS5が複数のコンピュータ150によって構成される場合には、これらのコンピュータ150はローカルで接続されてもよいし、インターネット又はイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続されてもよい。この接続によって、論理的に1つのEMS5が構築される。
【0084】
CPU151は、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラムなどを実行する。主記憶部152は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)により構成される。補助記憶部153は、ハードディスク及びフラッシュメモリなどにより構成される記憶媒体である。補助記憶部153は、一般的に主記憶部152よりも大量のデータを記憶する。記憶部25の少なくとも一部は、補助記憶部153によって実現される。通信制御部154は、ネットワークカード又は無線通信モジュールにより構成される。通信部22の少なくとも一部は、通信制御部154によって実現される。入力装置155は、キーボード、マウス、タッチパネル、及び、音声入力用マイクなどにより構成される。取得部23の少なくとも一部は、入力装置155によって実現される。出力装置156は、ディスプレイ及びプリンタなどにより構成される。出力部26の少なくとも一部は、出力装置156によって実現される。例えば、出力装置156は、充放電計画又はエラー情報を表示する。
【0085】
補助記憶部153は、予め、プログラム160及び処理に必要なデータを格納している。プログラム160は、EMS5の各機能要素をコンピュータ150に実行させる。プログラム160によって、例えば、上述した処理S1から処理S4がコンピュータ150において実行される。例えば、プログラム160は、CPU151又は主記憶部152によって読み込まれ、CPU151、主記憶部152、補助記憶部153、通信制御部154、入力装置155、及び出力装置156の少なくとも1つを動作させる。例えば、プログラム160は、主記憶部152及び補助記憶部153におけるデータの読み出し及び書き込みを行う。
【0086】
プログラム160は、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に記録された上で提供されてもよい。プログラム160は、データ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0087】
次に、本実施形態のEMS5の作用効果について説明する。EMS5では、取得部23が充電禁止時間帯及び放電禁止時間帯の少なくとも一方に関する禁止時間帯情報を取得する。さらに、演算部24が、取得部23によって取得された禁止時間帯情報を含む制約条件を用いて最小化問題における解を演算する。この最小化問題の目的関数は、余剰電力量の累積値に関する項と、外部電力系統100から購入した電力量の費用の累積値に関する項とを含む。この目的関数に関する最小化問題の解によれば、経済的なコストが低減される充放電計画を構築し得る。制約条件には、取得部23から取得された禁止時間帯情報が含まれている。この場合、指定された時間帯に充放電が制限されると共に経済的なコストが低減される充放電計画が構築され得る。
【0088】
特に、揚水発電は充放電の切り替えに要する時間が比較的長いため、エネルギー貯蔵部14に揚水発電設備が用いられる場合には、充放電の切り替え頻度を抑制することが求められる。指定された時間帯に充放電が制限されれば、充放電の切り替え頻度も抑制される。
【0089】
EMS5では、目的関数は、決定変数として、複数の時刻におけるエネルギー貯蔵部14の充放電の電力量を含んでもよい。出力部26は、充放電計画として、各時刻における充放電の電力量に関する情報を出力してもよい。この構成によれば、充放電計画として、少なくとも各時刻における充放電の電力量が得られる。このため、エネルギー貯蔵部14において、経済的なコストが低減されるように充放電が調整され得る。
【0090】
EMS5では、目的関数は、決定変数として、外部電力系統100から購入した受電電力量と余剰電力量とをさらに含んでもよい。この構成によれば、エネルギー貯蔵部14の充放電だけでなく外部電力系統100から供給される受電電力量も、指定された時間帯における充放電が制限されながら経済的なコストが低減されるように調整され得る。
【0091】
EMS5では、制約条件は、同一時刻における、エネルギー貯蔵部14の充放電の電力量に関する項と、余剰電力量に関する項と、電力負荷部13において消費される消費電力量に関する項と、発電部12において発電される発電電力量に関する項と、外部電力系統100から購入した受電力量に関する項とを含む関係式を含んでもよい。この構成によれば、同一時刻において、マイクログリッド3内における電力量の需要と供給とのバランスが図られる。
【0092】
EMS5では、制約条件は、エネルギー貯蔵部14における充電電力量の残量の上限を規定する情報を含んでもよい。この構成によれば、エネルギー貯蔵部14の充電電力量の限界を考慮して、充放電計画が構築され得る。このため、エネルギー貯蔵部14における充電電力量の飽和に起因する逆潮流が抑制される。
【0093】
EMS5では、取得部23は、充放電の切替回数に関する切替回数情報をさらに取得する。制約条件は、切替回数情報を含む。この場合、充電と放電との切り替え回数が抑制され得る。図7(a)は、切替回数を制約条件に含めずに演算された解による、充放電計画の一部を示している。図7(b)は、切替回数を制約条件に含めて演算された解による、充放電計画の一部を示している。図7(a)及び図7(b)に示されている例では、8:30から10:30までの時間帯及び18:00から20:00までの時間帯において、禁止時間帯が設定されていない。図7(a)に示されている例では、禁止時間帯が設定されていない時間帯において、充電と放電とが3回切り替わっている。太陽光発電など再生可能エネルギーでは、環境に応じた発電量の変動が大きい。このため、発電部12における発電量の予測値の変動も大きく、図7(a)に示されているように、頻繁に充放電の切替が行われ得る。
【0094】
図7(b)に示されている例では、禁止時間帯が設定されていない時間帯において、充電と放電との切替回数が1回以下である。このように、切替回数を制約条件に含めることによって、禁止時間帯が設定されていない時間帯において、充電と放電との切替回数が低減される。切替回数が低減されることによって、マイクログリッド3内の電力の運用が簡易化する。
【0095】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0096】
上述したように、式(11)の右辺を変更することによって、取得部23を介してユーザによって設定された時間帯に切り替えられる切替回数が変更される。例えば、式(11)の右辺が2であれば、取得部23を介してユーザによって設定された時間帯において、充電の禁止状態と放電の禁止状態との切替が行われる回数は2回である。式(11)の右辺が3であれば、取得部23を介してユーザによって設定された時間帯において、充電の禁止状態と放電の禁止状態との切替が行われる回数は3回である。
【0097】
式(11)が等式でなく不等式であれば、式(11)の右辺の数以下の切替が行われる。例えば、式(11)の右辺が3であり且つ式(11)の左辺が右辺以下である場合、取得部23を介してユーザによって設定された時間帯において、充電の禁止状態と放電の禁止状態との切替回数は、3回以下である。このように、例えば、24時間の充放電計画において、切替回数が3回以下として運用されると、一日において充電の禁止状態と放電の禁止状態は最大3回までしか切り替わらない。このような制約条件は、例えば、日没前と日中と日没後とのそれぞれの時間帯において適確な充放電計画を実現し得る。このように、人間にとって自然な充放電計画が、容易に実現され得る。
【0098】
例えば、出力部26から出力される充放電計画は、エネルギー貯蔵部14の運用に用いられなくてもよい。例えば、日本卸電力取引所のおけるスポット取引に、演算された充放電計画が活用されてもよい。
【0099】
エネルギー貯蔵部14が複数の蓄電池を含んでいてもよい。この場合、充電する蓄電池と放電する蓄電池とが時間的に重複して存在しないようにする制約条件が付与されてもよい。例えば、各蓄電池の“Z”を共通化させる制約条件が付与されてもよい。充電する蓄電池と放電する蓄電池とが時間的に重複して存在しなければ、例えば充放電時の電力損失が低減される。蓄電池の充放電に優先順位が設けられてもよい。例えば、複数の蓄電池のうち第1蓄電池が充電している場合のみ、第2蓄電池が充電するように制約条件が付されてもよい。
【0100】
放電の禁止時間帯と充電の禁止時間帯のいずれか一方のみが制約条件に設定されてもよい。充放電の禁止時間帯を設定せずに、切替回数のみが制約条件に設定されてもよい。
【0101】
記憶部25は、クラウドサーバ上に設けられていてもよい。記憶部25は、クラウドサーバと同期していてもよい。
【0102】
取得部23は、ユーザからの入力でなく、サーバ7又は管理部11からの入力によって、上述した禁止時間帯情報と切替制限情報との少なくとも一方を取得してもよい。取得部23は、外部電力系統100からの入力によって、上述した禁止時間帯情報と切替制限情報との少なくとも一方を取得してもよい。
【符号の説明】
【0103】
100 外部電力系統
3 マイクログリッド
5 エネルギーマネジメントシステム
12 発電部
13 電力負荷部
14 エネルギー貯蔵部
23 取得部
24 演算部
26 出力部
150 コンピュータ
160 プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7