(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0482 20130101AFI20240402BHJP
【FI】
G06F3/0482
(21)【出願番号】P 2020140374
(22)【出願日】2020-08-21
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】尾藤 幸司
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-071673(JP,A)
【文献】特開2020-027497(JP,A)
【文献】特開2007-207186(JP,A)
【文献】特開2007-241955(JP,A)
【文献】特開2012-100068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1状態において、ユーザから第1操作を受け付けた場合、当該第1状態から第2状態へ遷移させ、
前記第2状態において、ユーザから第2操作を受け付けた場合、当該第2状態から前記第1状態へ遷移させ、
前記第1操作の後に前記第2操作を検知した場合に、前記第1状態から前記第2状態へ遷移させて、当該第2状態から当該第1状態へ遷移させる機能、または前記第1状態から前記第2状態に対応する第3状態へ遷移させて、当該第3状態から当該第1状態へ遷移させる機能、を前記ユーザに提示し、
前記機能を実行する操作回数は、前記第1操作と前記第2操作とを合わせた操作回数よりも少ないことを特徴とする、情報処理装置。
【請求項2】
前記第3状態は、前記第2状態に類似した状態であることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第3状態の画面は、前記第2状態の画面の一部を表示している画面であることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記第2状態の画面が予め定められた状態だった場合、前記機能の提示を行わないことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記予め定められた状態とは、前記ユーザが編集操作を行っている状態であることを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記予め定められた状態とは、前記第2状態の画面と他の画面とが並べて表示された状態であることを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記第1状態の画面に表示されるファイルに基づいて、前記第2状態または前記第3状態の画面とは異なる第4状態の画面に遷移させる他の機能を提案することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記第1状態の画面における前記ファイルの表示形式に応じて、前記他の機能を提案することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記第1状態の画面における前記ファイルの表示サイズに応じて、前記他の機能を提案することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記第1状態の画面における前記ファイルの配置に応じて、前記他の機能を提案することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記ファイルの内容に応じて、前記他の機能を提案することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記第2状態の画面におけるユーザの操作に基づいて、当該第2状態の画面および前記第3状態の画面とは異なる第4状態の画面に遷移させる他の機能を提案することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータに、
第1状態において、ユーザから第1操作を受け付けた場合、当該第1状態から第2状態へ遷移させ、
前記第2状態において、ユーザから第2操作を受け付けた場合、当該第2状態から前記第1状態へ遷移させ、
前記第1操作の後に前記第2操作を検知した場合に、前記第1状態から前記第2状態へ遷移させて、当該第2状態から当該第1状態へ遷移させる機能、または前記第1状態から前記第2状態に対応する第3状態へ遷移させて、当該第3状態から当該第1状態へ遷移させる機能、を前記ユーザに提示する、
ことを実現させ、
前記機能を実行する操作回数は、前記第1操作と前記第2操作とを合わせた操作回数よりも少ないことを特徴とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、リモコンのセンサ部による動作検知があると、操作予測部の解析部は、センサ部の検知結果を基に、状態記憶部や参照テーブルを参照して、ユーザの次の操作を予測し、解析部は、予測結果に基づき次の操作に関連するアイコンをOSD表示するように主制御部及びOSD生成部に指示し、ユーザは、表示されたアイコンをリモコンの矢印ボタン等で操作することで、所望の操作を素早く行えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、アプリケーション等を用いて作業を行う際に、ユーザが、第1状態から第2状態へ、第2状態から第1状態へと、第1状態と第2状態とで状態の遷移を繰り返していた場合、状態の遷移に要する操作回数は、状態の遷移の繰り返しが多いほど多くなり、ユーザにとって状態の遷移に要する操作は面倒となってしまう。
本発明は、ユーザの操作によって、第1状態と第2状態とで状態の遷移を繰り返している場合に、ユーザが実行した、第1状態と第2状態とで状態の遷移を行う操作よりも少ない操作回数で、状態の遷移を行うことができる機能を、ユーザが把握することができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、第1状態において、ユーザから第1操作を受け付けた場合、当該第1状態から第2状態へ遷移させ、前記第2状態において、ユーザから第2操作を受け付けた場合、当該第2状態から前記第1状態へ遷移させ、前記第1操作の後に前記第2操作を検知した場合に、前記第1状態から前記第2状態へ遷移させて、当該第2状態から当該第1状態へ遷移させる機能、または前記第1状態から前記第2状態に対応する第3状態へ遷移させて、当該第3状態から当該第1状態へ遷移させる機能、を前記ユーザに提示し、前記機能を実行する操作回数は、前記第1操作と前記第2操作とを合わせた操作回数よりも少ないことを特徴とする、情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記第3状態は、前記第2状態に類似した状態であることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記第3状態の画面は、前記第2状態の画面の一部を表示している画面であることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第2状態の画面が予め定められた状態だった場合、前記機能の提示を行わないことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記予め定められた状態とは、前記ユーザが編集操作を行っている状態であることを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記予め定められた状態とは、前記第2状態の画面と他の画面とが並べて表示された状態であることを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第1状態の画面に表示されるファイルに基づいて、前記第2状態または前記第3状態の画面とは異なる第4状態の画面に遷移させる他の機能を提案することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第1状態の画面における前記ファイルの表示形式に応じて、前記他の機能を提案することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第1状態の画面における前記ファイルの表示サイズに応じて、前記他の機能を提案することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第1状態の画面における前記ファイルの配置に応じて、前記他の機能を提案することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理装置である。
請求項11に記載の発明は、前記プロセッサは、前記ファイルの内容に応じて、前記他の機能を提案することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理装置である。
請求項12に記載の発明は、前記プロセッサは、前記第2状態の画面におけるユーザの操作に基づいて、当該第2状態の画面および前記第3状態の画面とは異なる第4状態の画面に遷移させる他の機能を提案することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項13に記載の発明は、コンピュータに、第1状態において、ユーザから第1操作を受け付けた場合、当該第1状態から第2状態へ遷移させ、前記第2状態において、ユーザから第2操作を受け付けた場合、当該第2状態から前記第1状態へ遷移させ、前記第1操作の後に前記第2操作を検知した場合に、前記第1状態から前記第2状態へ遷移させて、当該第2状態から当該第1状態へ遷移させる機能、または前記第1状態から前記第2状態に対応する第3状態へ遷移させて、当該第3状態から当該第1状態へ遷移させる機能、を前記ユーザに提示する、ことを実現させ、前記機能を実行する操作回数は、前記第1操作と前記第2操作とを合わせた操作回数よりも少ないことを特徴とする、プログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1および13の発明によれば、ユーザの操作によって、第1状態と第2状態とで状態の遷移を繰り返している場合に、ユーザが実行した、第1状態と第2状態とで状態の遷移を行う操作よりも少ない操作回数で、状態の遷移を行うことができる機能を、ユーザが把握することができる。
請求項2の発明によれば、ユーザが遷移させた第2状態と乖離しない状態に遷移させる機能を、ユーザに対して提案することができる。
請求項3の発明によれば、ユーザが遷移させた第2状態と共通する部分を有する状態に遷移させる機能を、ユーザに提案することができる。
請求項4の発明によれば、第2状態の画面の情報を用いて、機能の提案の実行の有無を判断することができる。
請求項5の発明によれば、ユーザが編集の目的で第2状態の画面を表示させている場合において、機能の提案をすることを抑制できる。
請求項6の発明によれば、ユーザが第2状態の画面と他の画面とを見比べている場合において、機能の提案をすることを抑制できる。
請求項7の発明によれば、第1状態の画面に表示されるファイルの情報を用いて、他の機能の提案ができる。
請求項8の発明によれば、ファイルの表示形式の情報を用いて、他の機能の提案ができる。
請求項9の発明によれば、ユーザによるファイルの表示サイズの意図を考慮して、他の機能の提案ができる。
請求項10の発明によれば、ユーザによるファイルの配置の意図を考慮して、他の機能の提案ができる。
請求項11の発明によれば、ファイルの内容の情報を用いて、他の機能の提案ができる。
請求項12の発明によれば、第2状態の画面におけるユーザによる操作の情報を用いて、他の機能の提案ができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態の情報処理装置のハードウェア構成例を示した図である。
【
図5】ファイル表示状態のプレビュー画面の一例である。
【
図6】ファイル非表示状態のプレビュー画面の一例である。
【
図8】本実施形態の機能提案の動作を説明する図である。
【
図9】本実施形態の機能をユーザに提示する際の提案画面の一例である。
【
図10】プレビュー画面または拡大表示画面を提案する場合の動作を説明する図である。
【
図11】第2実施形態の情報処理装置による機能提案の説明図である。
【
図12】第3実施形態の情報処理装置による機能提案の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
【0009】
〔情報処理装置のハードウェア構成〕
図1は、本実施形態の情報処理装置1のハードウェア構成例を示した図である。
【0010】
図1に示すように、情報処理装置1は、演算手段であるプロセッサ11と、記憶手段であるメインメモリ12と、HDD(Hard Disk Drive)13と、を備える。さらに、情報処理装置1は、外部との通信を行うための通信I/F14と、液晶ディスプレイやELディスプレイ等の表示デバイス15と、キーボードやマウス等の入力デバイス16と、を備える。なお、表示デバイス15および入力デバイス16は、画像を表示する表示面に対する接触操作により入力を受け付けるタッチパネルディスプレイで構成されていても良い。
【0011】
プロセッサ11は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、後述する各種の機能を実現する。
メインメモリ12は、各種ソフトウェアや、その実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域である。
HDD13は、各種のソフトウェア、各種ソフトウェアに対する入力データや、各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。特に、本実施形態のHDD13は、アプリケーションである後述のドキュメントハンドリング・ソフトウェアを実現するプログラムを記憶する。
【0012】
〔ドキュメントハンドリング・ソフトウェア〕
続いて、ドキュメントハンドリング・ソフトウェアによって液晶ディスプレイに表示される画面について説明する。
【0013】
本実施形態のドキュメントハンドリング・ソフトウェアは、例えば、スキャナで読み込まれた紙文書を電子化して管理する。また、本実施形態のドキュメントハンドリング・ソフトウェアは、異なるアプリケーションで作成された文書データであっても、1つの文書にまとめて管理する。さらに、ドキュメントハンドリング・ソフトウェアは、電子文書にマーカーを引いたり、コメントを入れたり、付箋を貼ったり、スタンプを押したりする等の編集操作が可能である。
【0014】
本実施形態の情報処理装置1は、ドキュメントハンドリング・ソフトウェアに基づいて、表示デバイス15の一例である液晶ディスプレイに、予め定められた画面を表示する。情報処理装置1における画面の表示は、プロセッサ11、メインメモリ12およびHDD13によって実現される。また、情報処理装置1は、ドキュメントハンドリング・ソフトウェアに基づいて表示される画面に対するユーザの操作を受け付ける。情報処理装置1が表示する画面に対する操作の受け付けは、入力デバイス16の一例であるキーボードやマウスにて行われる。
【0015】
ユーザによる操作には、対象となる画像にポインタを重ねて、マウスのボタンを押して、放すクリックがある。また、ユーザによる操作には、対象となる画像にポインタを重ね、マウスのボタンを押して、放すことを連続で行うダブルクリックがある。また、ユーザによる操作には、対象となる画像にポインタを重ねた状態で、マウスのボタンを押しながらマウスを移動させ、移動後にボタンを放すドラッグがある。さらに、ユーザによる操作には、キーボードのキーを押して、放すキー操作がある。そして、本実施形態の説明において、ユーザの操作回数の数え方は、クリック、ダブルクリック、ドラッグおよびキー操作など、各操作が1回行われることで、操作回数が1回であるものとする。例えば、画面における一の画像をクリックし、その後に、他の画像をクリックした場合、操作回数は、2回となる。
【0016】
図2は、サムネイル表示のデスク画面100の一例である。
図3は、テキスト表示のデスク画面100の一例である。
【0017】
図2に示すように、本実施形態のドキュメントハンドリング・ソフトウェアは、ファイル10や、そのファイル10を格納するフォルダを管理するデスク画面100を、液晶ディスプレイ装置に表示する。本実施形態のデスク画面100は、本ソフトウェアで作成したファイル10だけでなく、他のアプリケーションで作成したファイル10等も一元管理する。なお、本実施形態におけるファイル10とは、例えばHDD13に記録されるものであって、文書や画像、データベースなどの情報の集合である。
【0018】
[デスク画面100]
図2に示すように、デスク画面100は、メニューを表示するメニューバー110と、機能を実行するアイコンを表示する第1ツールバー120と、機能を実行するアイコンを第1ツールバー120とは異なる位置にて表示する第2ツールバー130と、を有する。また、デスク画面100は、例えばHDD13に記憶される複数のファイルがまとめられるフォルダの構成を示すフォルダ部140と、フォルダ部140で選択されたフォルダの内容を示すワークスペース部150と、を有する。
【0019】
メニューバー110は、デスク画面100にて実行可能な複数のメニュー項目を並べて表示する。各メニュー項目は、ユーザによって選択操作が受け付けられると、受け付けたメニューを実行したり、メニュー項目をさらに細分化した項目を表示したりする。
【0020】
第1ツールバー120は、デスク画面100における上側に配置される。そして、第1ツールバー120は、機能を実行するための複数のアイコンを表示する。例えば、第1ツールバー120は、ファイル10を開くためのファイルアイコン121と、ファイル10の印刷を実行するための印刷アイコン122と、後述するプレビュー画面300を開くためのプレビューアイコン123と、を有する。また、第1ツールバー120は、ファイル10を自動的に配置させる配置アイコン124と、ファイル10を検索するための検索アイコン125と、を有する。
【0021】
プレビューアイコン123は、後述のプレビュー画面300を、デスク画面100内に表示する操作を受け付ける画像である。情報処理装置1は、プレビュー画面300が表示されていない状態で、ユーザによるプレビューアイコン123のクリックを受け付けると、プレビュー画面300を表示する。一方、情報処理装置1は、プレビュー画面300が表示されている状態で、ユーザからプレビューアイコン123のクリックを受け付けると、プレビュー画面300を非表示にする。
【0022】
配置アイコン124は、ワークスペース部150に表示されるファイル10を、指定された規則に従った順に並べるとともに、予め定められた位置で配置する操作を受け付ける画像である。指定される規則は、例えばファイル10の作成順、ファイル10の名前順、ファイル10のファイルサイズ順などの客観的な情報に基づくことが例示される。予め定められた位置での配置は、例えばワークスペース部150においてファイル10の端部が揃ったり、等間隔に配置されたりすることが例示される。情報処理装置1は、ワークスペース部150にてユーザの任意の順であって、任意の位置に複数のファイル10を配置している状態で、配置アイコン124に対するクリックを受け付けると、指定された規則の順で、予め定められた位置に複数のファイル10を配置する。なお、情報処理装置1は、配置アイコン124に対する操作を受け付けると、後述する配置情報の内容をリセットする。
【0023】
また、第1ツールバー120には、第1ツールバー120に表示するアイコンを設定するための設定ボタン126が設けられている。情報処理装置1は、設定ボタン126がクリックされると、第1ツールバー120に表示するアイコンと非表示にするアイコンとを指定するための項目を有する設定欄(不図示)を表示する。情報処理装置1は、ユーザによって設定欄に表示される項目が選択されると、その項目に対応するアイコンを第1ツールバー120に追加する。また、情報処理装置1は、ユーザによって設定欄に表示される項目の選択が解除されると、第1ツールバー120において、その項目に対応するアイコンを非表示にする。
【0024】
さらに、第1ツールバー120は、複数のアイコンがまとめられる区分127を有している。区分127は、少なくとも1つ以上のアイコンが含まれる。
図2に示す例では、1つ目の区分127には、ファイルアイコン121、印刷アイコン122およびプレビューアイコン123が含まれる。また、2つ目の区分127には、配置アイコン124および検索アイコン125が含まれる。また、各区分127には、それぞれ設定ボタン126が設けられる。そして、情報処理装置1は、設定ボタン126により区分127の単位で非表示にする操作をユーザから受け付けると、区分127に含まれるアイコンを一括して非表示にする。
【0025】
第2ツールバー130は、ワークスペース部150に表示されるファイル10に対して行うことが可能な機能を実行するためのアイコンを複数表示する。例えば、第2ツールバー130は、複数のページや複数のファイル10をまとめる機能を実行するためのバインダアイコン131を有する。また、第2ツールバー130は、本ソフトウェアとは異なるファイル形式のファイルを、本ソフトウェアのファイル形式に変換する機能を実行するための変換アイコン132と、ファイル10に対して光学的に文字認識をするOCR(Optical Character Recognition)アイコン133と、を有する。
【0026】
フォルダ部140は、フォルダ間の階層関係を視覚的に示すツリー表示や、フォルダ内のファイル10を一覧で表示したり、フォルダに対するファイル10の保管を可能としたりする表示領域である。
【0027】
ワークスペース部150は、フォルダ部140で選択されたフォルダに対応して表示される作業用の表示領域である。そして、ワークスペース部150は、選択されたフォルダ内のファイル10を、主にサムネイルで表示するサムネイル表示と、主にファイル名のテキストを用いた一覧で表示するテキスト表示と、のいずれかで表示する。なお、ワークスペース部150において、サムネイル表示とテキスト表示とのいずれで表示させるかの選択は、例えばメニューバー110にてユーザから受け付ける。
【0028】
(サムネイル表示)
図2に示すように、サムネイルは、複数の画像を一覧表示するために縮小化された画像である。サムネイルは、文書データを視覚的に識別する表示要素として、画面に表示される。
サムネイル表示のワークスペース部150では、初期の状態で、複数のサムネイルが、予め定められた位置に表示される。
そして、サムネイル表示では、ユーザがファイル10のサムネイルをドラッグして移動させ、ファイル10を任意の位置に配置可能である。ユーザは、現実のデスク上に物理的な書類を並べる感覚で、ワークスペース部150において電子的なファイル10を任意の位置に配置できる。例えば、ユーザは、ワークスペース部150において、プロジェクトやテーマなど関連性が高い複数のファイル10を互いに近くにまとめて配置したり、ユーザの主観である重要度や優先度が高いファイルをより使い易い位置に配置したりする。そして、情報処理装置1は、ユーザが任意の位置にファイル10を配置した場合、ワークスペース部150における各ファイル10の座標情報を管理する配置情報を作成する。そして、配置情報は、HDD13に記憶される。
【0029】
また、サムネイル表示のワークスペース部150では、サムネイルの表示サイズを変更可能である。情報処理装置1は、例えば、ユーザから、<Ctrl>キーを押しながら、マウスのホイールを回す操作を受け付けると、サムネイルの表示サイズを変更する。
【0030】
(テキスト表示)
図3に示すように、テキスト表示のワークスペース部150では、それぞれテキストで表示される複数のファイル10を、例えばファイル名の順番や、ファイル10の作成日時の順番などに従って、リストで配置する。なお、テキスト表示のワークスペース部150では、ユーザの任意の位置にファイル10を配置することができないようになっている。
【0031】
[ビューワ画面]
図4は、本実施形態のビューワ画面200の一例である。
【0032】
ビューワ画面200は、特定のファイル10を開いて、ファイル10の内容を表示する画面である。ビューワ画面200は、デスク画面100におけるワークスペース部150に表示されるファイル10をダブルクリック操作することで、液晶ディスプレイにファイル10の内容を展開する。なお、ビューワ画面200は、ワークスペース部150において、サムネイル表示にてサムネイルで表示されるファイル10と、テキスト表示にてテキストで表示されるファイル10とのいずれの表示態様のファイル10に対するダブルクリックであっても表示される。
【0033】
また、ビューワ画面200は、液晶ディスプレイにおいて、デスク画面100とは別ウィンドウで表示される。なお、液晶ディスプレイにおいてビューワ画面200が表示される位置は、ユーザによって任意に指定される。ビューワ画面200は、デスク画面100と重ねて表示されたり、デスク画面100とは重ならずに並べて表示されたりする。
【0034】
図4に示すように、ビューワ画面200は、メニューを表示するメニューバー210と、機能を実行するアイコンを表示する第1ツールバー220と、を有する。また、ビューワ画面200は、機能を実行するアイコンを、第1ツールバー220とは異なる位置にて表示する第2ツールバー230と、ファイル10の内容を表示する領域であるファイル表示部240と、を有する。
なお、メニューバー210、第1ツールバー220および第2ツールバー230の基本構成は、デスク画面100のメニューバー110、第1ツールバー120および第2ツールバー130と同様である。
【0035】
ファイル表示部240は、例えばサムネイルより大きいサイズでファイル10を表示する。また、ファイル表示部240では、ファイル10を編集する編集操作や、複数ページで構成されているファイル10に対してページを捲ったりする閲覧操作などを、ユーザから受け付ける。また、ファイル表示部240は、ファイル10に付箋10Aが設けられている場合、その付箋10Aを表示する。
【0036】
ビューワ画面200は、ファイル10ごとに作成される画面である。情報処理装置1は、ワークスペース部150における一のファイル10に対するダブルクリックにより、一のファイル10の内容を表示する一のビューワ画面200を展開する。また、情報処理装置1は、他のファイル10に対するダブルクリックにより、一のビューワ画面200とは別に、他のファイル10の内容を表示する他のビューワ画面200を展開する。
そして、情報処理装置1は、各ビューワ画面200に設けられる閉ボタン250がクリックされることで、そのビューワ画面200を閉じる。
【0037】
[プレビュー画面]
図5は、ファイル表示状態のプレビュー画面300の一例である。
図6は、ファイル非表示状態のプレビュー画面300の一例である。
【0038】
図5に示すように、プレビュー画面300は、デスク画面100内にて、デスク画面100の一部として表示される。
プレビュー画面300は、ツールバー310を有している。ツールバー310は、ファイル10の表示の拡大倍率を調整するための調整アイコン311と、ファイル10のページを捲る捲りアイコン312とを有する。
【0039】
プレビュー画面300は、ワークスペース部150に表示される、いずれかのファイル10に対するクリックを受け付けた場合に、そのファイル10の内容を表示する画面である。なお、プレビュー画面300では、一つのファイル10だけが表示の対象となる。例えば、プレビュー画面300は、ワークスペース部150における一のファイル10に対するクリックに応じて、一のファイル10を表示する。そして、プレビュー画面300は、一のファイル10が表示された状態で、ワークスペース部150における他のファイル10に対するクリックが受け付けられると、一のファイル10に代えて他のファイル10を表示する。
【0040】
プレビュー画面300におけるファイル10の表示は、サムネイル表示のワークスペース部150に表示されるファイル10と、テキスト表示のワークスペース部150に表示されるファイル10とのいずれに対するクリックによっても行われる。
【0041】
また、プレビュー画面300は、ファイル10に付箋10Aが設けられている場合、その付箋10Aを表示する。
そして、プレビュー画面300は、例えばファイル10の内容を表示するという点や、ツールバーを有するという点で、ビューワ画面200と類似している。
【0042】
そして、
図6に示すように、プレビュー画面300は、ワークスペース部150にて、いずれのファイル10も選択されていない状態では、ファイル10を表示しない。情報処理装置1は、例えば、プレビュー画面300にて一のファイル10が表示されている状態で、ワークスペース部150における複数のファイル10の表示箇所とは別の箇所、つまり空白の箇所がクリックされると、プレビュー画面300にはファイル10を表示しないブランク状態にする。
【0043】
[拡大表示画面]
図7は、本実施形態の拡大表示画面400の一例である。
【0044】
図7に示すように、拡大表示画面400は、デスク画面100が表示された状態で、ファイル10の内容を表示する画面である。拡大表示画面400は、デスク画面100のワークスペース部150(
図2参照)に表示されるファイル10にマウスのポインタを重ねた状態で、キーボードの<Ctrl(コントロール)>キーと<Shift(シフト)>キーとの両方をキー操作することで表示される。なお、拡大表示画面400は、サムネイル表示のワークスペース部150に表示されるファイル10に対する上記の操作が行われたときに表示される。つまり、テキスト表示のワークスペース部150に表示されるファイル10に対して上記の操作を行った場合には、拡大表示画面400は表示されない。
そして、拡大表示画面400は、<Ctrl>キーと<Shift>キーとの両方が押されている限り、継続して表示される。
【0045】
拡大表示画面400は、表示対象のファイル10の縁を外枠とする画像である。また、拡大表示画面400では、ファイル10に設けられた付箋10Aが表示されないか、付箋10Aにおけるファイル10の縁よりも内側の一部だけが表示される。
また、拡大表示画面400は、拡大表示画面400におけるファイル10の中心が、ワークスペース部150におけるファイル10のサムネイルの中心に合うように表示される。そして、拡大表示画面400は、デスク画面100のワークスペース部150に重畳して、デスク画面100よりも手前側である上位レイヤに表示される。従って、ユーザは、表示対象のファイル10が拡大表示画面400に表示される際、ファイル10のサムネイルが拡大されたかのように見える。
さらに、拡大表示画面400では、ファイル10が複数ページにより構成されている場合に、マウスの右ボタンまたは左ボタンを押すことで、ページの順方向または逆方向にページが捲られる表示が行われる。
【0046】
拡大表示画面400は、ファイル10の内容を示すという点で、ビューワ画面200と類似している。ただし、拡大表示画面400は、例えばビューワ画面200のようにメニューバー210や第1ツールバー220などを備えていない。また、拡大表示画面400は、ビューワ画面200のファイル表示部240に相当する内容の画像を表示する。このように、拡大表示画面400は、ビューワ画面200の一部を表示する。
【0047】
そして、拡大表示画面400は、拡大表示画面400が表示されている状態で、ユーザがキーボードの<Ctrl>キーと<Shift>キーとを放すと非表示になる。なお、対象のファイル10のサムネイルからマウスのポインタを外した場合も、拡大表示画面400は非表示になる。
その後、情報処理装置1は、改めて別のデスク画面100のワークスペース部150(
図2参照)に表示される他のファイル10にマウスのポインタを重ねた状態で、キーボードの<Ctrl>キーと<Shift>キーとの両方を押すキー操作を受け付けると、他のファイル10に対応する拡大表示画面400が表示される。
【0048】
〔機能提案〕
続いて、以上のように構成されるドキュメントハンドリング・ソフトウェアによる、ユーザの画面操作に関する機能の提案(以下、機能提案と呼ぶ)について説明する。
情報処理装置1では、例えば画面などが第1状態から第2状態となり、第2状態から第1状態に戻るという操作が検知された場合に、第1状態から第2状態に対応する第3状態へ遷移させて、その第3状態から第1状態へ遷移させる機能をユーザに提示する。この場合に、ユーザに提案する機能を実行するための操作回数は、第1状態から第2状態となり、第2状態から第1状態に遷移するときの操作回数よりも少ないものである。
以下、第1実施形態の情報処理装置1について具体的に説明する。
【0049】
図8は、本実施形態の機能提案の動作を説明する図である。
図8に示すように、情報処理装置1は、繰返し操作を検知したか否かを判断する(S101)。ここで、繰返し操作とは、例えば画面などが第1状態から第2状態に遷移し、その第2状態から第1状態に遷移するという往復する動作が例示される。また、繰返し操作とは、例えば画面などが第1状態から第2状態に遷移し、その第2状態から第1状態に遷移し、さらに、第1状態から第2状態に遷移するという重複する動作が例示される。
なお、繰返し操作に基づく機能提案の実行の判断は、上記の往復する動作、または、重複する動作が、予め定められた時間以内に行われたことに基づいて行っても良い。
【0050】
そして、情報処理装置1は、繰返し操作が検知されなければ(S101にてNo)、処理を終了する。一方、情報処理装置1は、繰返し操作が検知された場合、例外操作を検知したか否かを判断する(S102)。
【0051】
情報処理装置1は、例外操作が検知された場合(S102にてYes)には、処理を終了する。一方、情報処理装置1は、例外操作が検知されなければ(S102にてNo)、提案する機能の内容を決定する(S103)。提案する機能の内容は、繰返し操作の内容に応じて決定する。そして、本実施形態で提案する機能は、繰返し操作の操作回数よりも、操作回数が少なくなる機能である。
【0052】
そして、情報処理装置1は、提案すると決定した機能をユーザに提示する(S104)。具体的には、情報処理装置1は、決定した機能を説明する内容を、ユーザが利用している液晶ディスプレイに表示する。また、機能を提示するタイミングは、例えば繰返し操作が行われたとき、ユーザによる本ソフトウェアの利用が終了するとき、ユーザによる本ソフトウェアの利用が終了し、次回、本ソフトウェアをユーザが利用する際の本ソフトウェアの起動中などを例示できる。
【0053】
続いて、機能をユーザに提案する際の例として、拡大表示画面400を表示させる機能を提案する例を用いて具体的に説明する。
【0054】
図2に示すように、情報処理装置1は、デスク画面100が表示されている状態(例えば、第1状態の一例)において、ユーザからワークスペース部150のファイル10に対するダブルクリック(例えば、第1操作の一例)を受け付ける。そうすると、
図4に示すように、情報処理装置1は、デスク画面100からビューワ画面200が表示された状態(例えば、第2状態の一例)に遷移させる。その後、情報処理装置1は、例えば10秒間などの予め定められた時間内に、閉ボタン250に対するクリック(例えば、第2操作の一例)を受け付ける。そうすると、情報処理装置1は、ビューワ画面200を非表示とし、ビューワ画面200からデスク画面100に遷移させる(
図2参照)。
【0055】
そして、情報処理装置1は、ワークスペース部150のファイル10をダブルクリックするという操作の後、ユーザが閉ボタン250をクリックしてビューワ画面200を閉じるという操作が検知された場合に、機能を提案する。提案する機能は、上述のとおり、マウスのポインタをファイル10に重ねた状態で、<Ctrl>キーおよび<Shift>キーの両方をキー操作し、拡大表示画面400(例えば、第3状態の一例)に遷移させるものである。拡大表示画面400は、ビューワ画面200と同様にファイル10の内容を表示するものである。従って、ビューワ画面200を表示させているユーザにとって、拡大表示画面400の提案は、有用な機能である。
【0056】
ここで、デスク画面100からビューワ画面200に遷移させ、ビューワ画面200からデスク画面100に遷移させる際、ユーザが行う操作は、以下のとおりである。(1)ユーザは、デスク画面100のワークスペース部150のファイル10にポインタを重ね、ファイル10をダブルクリックする。その後、(2)ユーザは、ビューワ画面200の閉ボタン250をクリックし、ビューワ画面200を閉じる。この場合、ユーザの操作回数の合計は、2回となる。
【0057】
これに対して、提案する機能において、ユーザが行う操作は、デスク画面100のファイル10にポインタを重ね、<Ctrl>キーおよび<Shift>キーの両方をキー操作する。この場合、ユーザの操作回数は、1回である。このように、提案する機能の操作回数は、提案する機能の元となったユーザの操作回数よりも少ないものである
【0058】
図9は、本実施形態の機能をユーザに提示する際の提案画面500の一例である。
【0059】
図9に示すように、提案画面500は、提案する機能を説明する説明テキスト510と、提案する機能および提案する機能の操作を説明する説明
図520と、を有している。
説明テキスト510は、提案する機能をユーザが実行するために必要となる操作を文章により表現する。
図9に示す例は、拡大表示画面400を表示させるための操作例であり、説明テキスト510は、マウスおよびキーボードの操作を具体的に説明する。
【0060】
また、説明
図520は、提案する機能をユーザが実行するために必要となる操作を、画像を用いて表現する。また、説明
図520は、操作による画面の遷移を画像により表現する。説明
図520は、液晶ディスプレイに実際に表示されるデスク画面100の一例を示す画像521に、マウスのポインタの画像522とキーボードの操作説明
図523とを併せて表示する。また、説明
図520は、提案された機能の操作を行った後に、デスク画面100から遷移した拡大表示画面400の一例を示す画像524を示す。
【0061】
さらに、提案画面500は、次回以降、同様な内容の機能について提案画面500の表示をしない、または、機能提案自体を実行しないというユーザの指定を受け付ける受付画像530を有している。
なお、提案画面500は、単数の機能だけではなく、複数の機能を提案しても良い。
【0062】
以上説明したように、第1実施形態では、デスク画面100からビューワ画面200へ遷移し、ビューワ画面200からデスク画面100に遷移するという往復による繰返し操作が検知された場合に、拡大表示画面400を表示するという機能を提案する。
【0063】
なお、情報処理装置1は、デスク画面100からビューワ画面200へ遷移し、ビューワ画面200からデスク画面100に遷移し、再び、デスク画面100からビューワ画面200に遷移するという重複による繰返し操作が検知された場合に、拡大表示画面400を表示するという機能を提案しても良い。
【0064】
例えば、情報処理装置1は、デスク画面100のワークスペース部150に表示されている一のファイル10に対するダブルクリックを受け付ける。そうすると、情報処理装置1は、デスク画面100から、一のファイル10を示すビューワ画面200が表示された状態に遷移させる。その後、情報処理装置1は、ユーザから閉ボタン250のクリックを受け付け、一のファイル10を表示するビューワ画面200を閉じる。その後、情報処理装置1は、デスク画面100のワークスペース部150に表示されている他のファイル10に対するダブルクリックを受け付ける。そうすると、情報処理装置1は、液晶ディスプレイにおいて、デスク画面100から、他のファイル10を示すビューワ画面200が表示された状態に遷移させる。その後、情報処理装置1は、ユーザから閉ボタン250のクリックを受け付け、他のファイル10を表示するビューワ画面200を閉じる。
【0065】
そして、上記のとおり、ワークスペース部150のファイル10をダブルクリックするという操作の後、ユーザが閉ボタン250をクリックしてビューワ画面200を閉じるという操作が重複して行われる繰返し操作が検知された場合に、情報処理装置1は、マウスのポインタをファイル10に重ねながら、<Ctrl>キーおよび<Shift>キーの両方をキー操作することで、拡大表示画面400を表示するという機能を提案する。拡大表示画面400は、ビューワ画面200と同様にファイル10の内容を表示する類似のものであり、ビューワ画面200を表示させているユーザにとっては有用な機能である。
なお、機能提案をする条件として、重複して行われる繰返し操作が、例えば5秒などの予め定められた時間以内に行われることを例示できる。
【0066】
ここで、デスク画面100からビューワ画面200に遷移させる操作を重複して繰返し行う場合、ユーザが行う操作は、以下のとおりである。(1)ユーザは、デスク画面100のワークスペース部150の一のファイル10にポインタを重ね、一のファイル10をダブルクリックする。そして、(2)ユーザは、ビューワ画面200の閉ボタン250をクリックし、一のファイル10を示すビューワ画面200を閉じる。さらに、(3)ユーザは、デスク画面100のワークスペース部150の他のファイル10にポインタを重ね、他のファイル10をダブルクリックする。そして、(4)ユーザは、ビューワ画面200の閉ボタン250をクリックし、他のファイル10を示すビューワ画面200を閉じる。この場合に、ユーザの操作回数の合計は、4回となる。
【0067】
これに対して、提案する機能において、ユーザが行う操作は、以下のとおりである。(1)ユーザは、ワークスペース部150の一のファイル10にポインタを重ね、<Ctrl>キーおよび<Shift>キーの両方を、キー操作する。そして、(2)ユーザは、ワークスペース部150の他のファイル10にポインタを重ね、<Ctrl>キーおよび<Shift>キーの両方を、キー操作する。この場合に、ユーザの操作回数の合計は、2回となる。そして、提案する機能の操作回数は、提案する機能の元となったユーザの操作回数よりも少ないものである。
【0068】
なお、上述した例では、繰返し操作が行われた場合に、デスク画面100のファイル10に対してポインタを重ね、予め定められたキー操作を行うことで、ビューワ画面200に類似する拡大表示画面400を表示する例を説明したが、この態様に限定されない。
情報処理装置1は、例えば画面などが第1状態から第2状態となり、第2状態から第1状態になるという繰返し操作が検知された場合に、第1状態から第2状態へ遷移させて、その第2状態から第1状態へ遷移させる機能をユーザに提示しても良い。この場合に、ユーザに提案する機能を実行するための操作回数は、提案の元となる繰返し操作の操作回数よりも少ないものである。
【0069】
情報処理装置1は、ワークスペース部150のファイル10をダブルクリックするという操作の後、ユーザが閉ボタン250をクリックしてビューワ画面200を閉じるという操作が検知された場合に、機能提案を行う。
提案する機能は、マウスのポインタをファイル10に重ねた状態で、<Ctrl>キーおよび<Alt(オルト)>キーの両方をキー操作するものである。情報処理装置1は、デスク画面100のファイル10に対してポインタが重ねられた状態で、キーが押されている限りビューワ画面200を表示し、キーが放されるとビューワ画面200を非表示にする。この提案する機能において、ユーザの操作回数は、1回であり、提案の元となる繰返し操作の操作回数である2回と比較して少ないものとなる。
【0070】
〔例外操作〕
次に、繰返し操作が検知された場合であっても、機能提案を行わないとする例外操作について説明する。
情報処理装置1は、ビューワ画面200における編集操作が行われた場合、機能提案を行わない。例外操作とは、機能提案をするにあたって、予め定められた状態だった場合に機能の提示を行わないと判断するための操作である。例えば、例外操作は、機能提案をすることの意義が低くなる操作や、機能提案を行うことでかえってユーザの利便性の低下を招くおそれのある操作である。
【0071】
例えば、情報処理装置1は、ユーザからデスク画面100のファイル10に対するクリックを受け付けることで、そのファイル10のビューワ画面200を表示する。そして、ビューワ画面200において、ユーザにより、ファイル10に対する編集操作が行われる場合がある。
【0072】
ここで、ファイル10に対する編集操作は、ファイル10が文書ファイルである場合には、文書を編集することが例示される。編集操作は、ファイル10に対して、テキストなどのコメントが付加されたり、コメントが削除されたりすることが例示される。編集操作は、メモを書き込む付箋10Aをファイル10のページに追加したり、ファイル10から削除したりすることが例示される。編集操作は、ファイル10のページの構成を変更することが例示される。編集操作は、ファイル10を構成するページに対して印鑑、機密、日付印などのスタンプ画像を付加したり、スタンプ画像を削除したりすることが例示される。さらに、編集操作は、ファイル10のページに図形やマーカーを引いたりすることが例示される。
【0073】
このように、ビューワ画面200においてユーザが編集操作を実施していた場合、そのユーザの目的は、単なるファイル10の内容の閲覧ではなく、ファイル10の編集であると判断できる。つまり、ユーザは、デスク画面100からビューワ画面200に遷移させて、デスク画面100のファイル10の内容を単に見るということを目的としていないと考えられる。この場合、拡大表示画面400のように画面の遷移を容易に実施する機能を提案する必要がない。従って、情報処理装置1は、ビューワ画面200においてファイル10に対する編集操作が行われた場合、機能提案を行わない。
【0074】
また、ユーザは、液晶ディスプレイにて、複数のビューワ画面200を並べて表示したり、ビューワ画面200と他のアプリケーションの画面とを並べて表示したりする場合がある。なお、並べて表示するとは、例えば2つの画面同士が重ならない状態で表示されることが例示される。
【0075】
このように、ビューワ画面200と他の画面とが並べて液晶ディスプレイに表示されている場合、ユーザの目的は、複数のファイル10の内容を見比べながら作業をすることであると考えられる。例えば、ユーザが、レビューの前後のファイル10を見比べながら変更点を確認していたり、ファクシミリ受信したファイル10を見ながら他のファイル10に必要事項を入力していたりすることが想定される。この場合に、情報処理装置1が、拡大表示画面400のような機能提案を実施すると、ユーザは、それまでに実行していた操作を行えなくなる可能性がある。従って、情報処理装置1は、複数のビューワ画面200を並べて表示している場合や、ビューワ画面200と別のアプリケーションの画面とを並べて表示している場合、機能提案を行わない。
【0076】
〔機能提案の決定〕
続いて、プレビュー画面300と拡大表示画面400とのいずれかの機能を機能提案として決定することを説明する。
本実施形態の情報処理装置1は、デスク画面100に表示されるファイル10に基づいて、提案する機能の内容を決定する。情報処理装置1では、デスク画面100に表示されるファイル10に基づく例として、(i)ファイルの表示形式、(ii)ファイルの表示サイズ、(iii)ファイルの配置、および(iv)ファイルの内容、のいずれかの情報を用いる。
さらに、本実施形態の情報処理装置1は、画面におけるユーザの操作に基づいて、提案する機能の内容を決定する。
【0077】
図10は、プレビュー画面300または拡大表示画面400を提案する場合の動作を説明する図である。
【0078】
図10に示す動作例では、(i)ファイルの表示形式、(ii)ファイルの表示サイズ、おおよび(iii)ファイルの配置に応じて機能提案を決定する例を用いる。
図10に示すように、情報処理装置1は、デスク画面100におけるファイル10の表示形式がテキスト表示であるか否かを判断する(S201)。本実施形形態のデスク画面100のワークスペース部150において、ファイル10は、テキスト表示(
図3参照)とサムネイル表示(
図2参照)とのいずれかの表示形式により表示される。そして、このファイル10の表示形式がテキスト表示である場合(S201にてYes)には、プレビュー画面300(例えば、第4状態の画面の一例)、を表示する機能を提案する(S202)。
【0079】
本実施形態の拡大表示画面400では、拡大する対象となるファイル10にマウスのポインタを重ねて、予め定められたキー操作を行う。そして、テキスト表示されたファイル10に対してポインタを重ねるという操作は、ユーザの操作性の低下を招くおそれがある。そこで、このファイル10の表示形式がテキスト表示である場合には、拡大表示画面400ではなくプレビュー画面300を提案する。
【0080】
なお、プレビュー画面300を表示する機能(例えば、他の機能の一例)の提案は、ユーザに対して、プレビューアイコン123を操作することが例示される。また、プレビューアイコン123を操作する提案は、
図9を参照しながら説明したように、拡大表示画面400を表示する機能提案と同様に行う。
【0081】
デスク画面100におけるファイル10の表示形式がテキスト表示ではない場合(S201にてNo)、すなわちファイル10の表示形式がサムネイル表示である場合には、ファイル10のサムネイルが予め定められたサイズよりも小さいか否かを判断する(S203)。なお、予め定められたサイズは、画面に表示されるマウスのポインタの幅が例示される。
【0082】
ファイル10のサムネイルが予め定められたサイズより小さい場合(S203にてYes)には、S202に進み、プレビュー画面300を表示する機能を提案する。
上述したテキスト表示と同様に、サムネイル表示されたファイル10が比較的小さい場合、そのファイル10に対してポインタを重ねる操作は、ユーザの操作性の低下を招くおそれがある。そこで、サムネイルが予め定められたサイズより小さい場合には、拡大表示画面400ではなくプレビュー画面300を提案する。
【0083】
ファイル10のサムネイルが予め定められたサイズよりも小さくない場合(S203にてNo)、すなわちファイル10のサムネイルが予め定められたサイズ以上に大きい場合には、ユーザのサムネイルの配置情報があるか否かを判断する(S204)。
図2を参照しながら説明したように、デスク画面100のワークスペース部150の複数のファイル10のサムネイルは、ユーザにより任意の位置に配置され、配置情報として管理される。そして、ユーザのサムネイルの配置情報がない場合(S204にてNo)には、S202に進み、プレビュー画面300を表示する機能を提案する。
【0084】
一方、ユーザのサムネイルの配置情報がある場合(S204にてYes)には、拡大表示画面400を表示する機能を提案する。サムネイルの配置情報がある場合、そのユーザは、デスク画面100のワークスペース部150における表示を重要視していると考えられる。そこで、ユーザのサムネイルの配置情報がある場合には、ユーザの視線移動がより少なく操作を行える拡大表示画面400の表示を提案する。
【0085】
次に、(iv)ファイルの内容に基づいて、機能提案の内容を決定する例を具体的に説明する。
情報処理装置1は、デスク画面100に表示されるファイル10の内容に基づいて、プレビュー画面300および拡大表示画面400のいずれの機能を提案するかを決定する。ここで、ファイル10の内容とは、ファイルを構成する情報であり、図形や写真などの画像、文書などのテキストが例示される。そして、本実施形態の情報処理装置1は、ファイル10におけるテキストと画像との比率に応じて、機能提案を決定する。
【0086】
情報処理装置1は、例えば、ページにおけるテキストの占める面積が比較的大きい場合には、プレビュー画面300を提案する。一方、情報処理装置1は、ページにおける画像の占める面積が比較的大きい場合には、拡大表示画面400を提案する。なお、ページにおけるテキストや画像が占める面積が比較的大きい場合とは、例えばページの面積に占める割合が50パーセント以上である場合が例示される。
ここで、本実施形態の拡大表示画面400は、ファイル10の拡大倍率が固定であり、プレビュー画面300は、ファイル10の拡大倍率をユーザが変更可能である。そこで、本実施形態の情報処理装置1は、テキストが占める面積が比較的大きい場合には、プレビュー画面300を提案し、画像が占める面積が比較的大きい場合には、拡大表示画面400を提案する。
【0087】
また、情報処理装置1は、ファイル10に設けられる付箋10Aの有無に応じて、プレビュー画面300および拡大表示画面400のいずれの機能を提案するかを決定しても良い。
【0088】
例えば、ファイル10に付箋10Aが有る場合には、情報処理装置1は、プレビュー画面300を提案する。一方、ファイル10に付箋10Aが無い場合には、情報処理装置1は、拡大表示画面400を提案する。本実施形態の拡大表示画面400は、ファイル10に付されている付箋10Aは表示しない、または、一部だけしか表示をしない。これに対して、プレビュー画面300は、ファイル10に設けられる付箋10Aをユーザが確認可能な状態で表示する。そこで、本実施形態の情報処理装置1は、ファイル10に付箋10Aが有る場合には、プレビュー画面300を提案し、ファイル10に付箋10Aが無い場合には、拡大表示画面400を提案する。
【0089】
続いて、ユーザの操作に基づいて、機能提案の内容を決定する例について具体的に説明する。
情報処理装置1は、繰返し操作が行われていた際のユーザの操作に応じて、提案する機能の決定を行っても良い。本実施形態では、デスク画面100からビューワ画面200に遷移した後に、ビューワ画面200におけるユーザの操作の履歴により、機能提案の内容を決定する。例えば、ビューワ画面200で表示されるファイル10のページを捲る操作が行われた場合、情報処理装置1は、拡大表示画面400を提案する。一方で、ビューワ画面200で表示されるファイル10のページを捲る操作が行われなかった場合、情報処理装置1は、プレビュー画面300を提案する。
【0090】
本実施形態のプレビュー画面300では、ツールバー310の捲りアイコン312を用いて、ページを捲る必要がある。一方、拡大表示画面400では、マウスの右ボタンと左ボタンとの操作によってページを捲ることができる。そこで、情報処理装置1は、ビューワ画面200にてページを捲る操作が行われていた場合には、拡大表示画面400を提案し、ページを捲る操作が行われていなかった場合には、プレビュー画面300を提案する。
【0091】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態が適用される情報処理装置1について説明する。
図11は、第2実施形態の情報処理装置1による機能提案の説明図である。
なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0092】
第2実施形態が適用される情報処理装置1は、デスク画面100における第1ツールバー120や第2ツールバー130などを非表示にしたり、表示したりする繰返し操作が検知された場合に、第1ツールバー120および第2ツールバー130(以下、ツールバーと呼ぶ)などを一括して非表示にしたり、一括して表示したりする機能を提案する。
【0093】
図1に示すデスク画面100において、ユーザは、設定ボタン126を操作し、第1ツールバー120や第2ツールバー130を非表示にする操作(例えば、第1操作の一例)を行う場合がある。そうすると、情報処理装置1は、デスク画面100にて第1ツールバー120や第2ツールバー130を表示する状態(例えば、第1状態の一例)から、
図11に示すように、デスク画面100に第1ツールバー120や第2ツールバー130を表示しない状態(例えば、第2状態の一例)に遷移させる。
【0094】
その後、ユーザが、
図11に示すデスク画面100においてメニューバー110を操作し、ツールバーを表示する操作(例えば、第2操作の一例)を行う。そうすると、情報処理装置1は、デスク画面100にツールバーを非表示にする状態から、デスク画面100にツールバーを表示する状態に遷移させる(
図2参照)。
【0095】
そして、第2実施形態の情報処理装置1は、デスク画面100にてツールバーを非表示にする操作の後、デスク画面100にてツールバーを表示する操作が検知された場合、<Ctrl>キーおよび<F1(ファンクション1)>キーの両方をキー操作することで、デスク画面100におけるツールバーを一括して非表示にするという機能を提案する。
なお、情報処理装置1は、デスク画面100にてツールバーが非表示になっている状態で、<Ctrl>キーおよび<F1>キーの両方のキー操作を受け付けると、デスク画面100にツールバーを再び表示する。
【0096】
ここで、デスク画面100においてツールバーが表示された状態からツールバーが非表示になる状態に遷移させ、デスク画面100においてツールバーが非表示である状態からツールバーが表示される状態に遷移させる際、ユーザが行う操作は、以下のとおりである。(1)ユーザは、例えば第1ツールバー120の設定ボタン126をクリックする。さらに、(2)ユーザは、設定ボタン126に対する操作に応じて表示される設定欄から、第1ツールバー120を非表示にするための選択項目をクリックする。さらに、(3)ユーザは、第2ツールバー130の設定ボタン126をクリックする。そして、(4)ユーザは、設定ボタン126に対する操作に応じて表示される設定欄から、第2ツールバー130を非表示にするための選択項目をクリックする。その後、(5)ユーザは、メニューバー110をクリックする。そして、(6)ユーザは、表示される設定欄から第1ツールバー120および第2ツールバー130を再び表示するための選択項目をクリックする。この場合に、ユーザの操作回数の合計は、6回となる。
【0097】
これに対して、提案する機能において、ユーザが行う操作は、以下のとおりである。(1)ユーザは、<Ctrl>キーおよび<F1>キーの両方をキー操作し、デスク画面の第1ツールバー120および第2ツールバー130を非表示にする。その後、(2)ユーザは、<Ctrl>キーおよび<F1>キーの両方をキー操作し、デスク画面100に第1ツールバー120および第2ツールバー130を再び表示させる。この場合に、ユーザの操作回数の合計は、2回となる。そして、提案する機能の操作回数は、提案する機能の元となったユーザの操作回数よりも少ないものである。
【0098】
なお、第2実施形態の情報処理装置1は、デスク画面100の状態に応じて、機能提案の決定を行っても良い。情報処理装置1は、例えば、デスク画面100に占めるツールバーの表示面積が予め定められる面積よりも大きい場合には、ツールバーを一括して非表示にする機能を提案しても良い。また、情報処理装置1は、ワークスペース部150のファイル10の表示倍率が比較的大きく、ファイル10の一部がワークスペース部150に表示しきれていない場合に、ツールバーを一括して非表示にする機能を提案しても良い。
【0099】
続いて、第2実施形態の情報処理装置1における例外操作について説明する。
第2実施形態の情報処理装置1は、デスク画面100において一括して非表示にされる対象となるツールバーが、ユーザによって利用されていた場合、機能提案を行わない。例えば、ユーザが、第1ツールバー120や第2ツールバー130のいずれかのアイコンを操作する場合がある。ここで、非表示になる対象となるツールバーをユーザが利用していた場合には、ツールバーを一括して非表示にする機能を実施すると、利用していたツールバーをユーザが利用できなくなってしまうおそれがある。従って、情報処理装置1は、一括して非表示にされる対象となるツールバーがユーザによって利用されていた場合、機能を提案しない。
【0100】
なお、上述した例では、第1ツールバー120および第2ツールバー130が表示されている状態から、第1ツールバー120および第2ツールバー130を表示しない状態に遷移させた場合に、全てのツールバーを一括して非表示にする機能を提案する例を用いて説明したが、この例に限定されない。
情報処理装置1は、例えば、第1ツールバー120が表示されている状態にて、第1ツールバー120を構成する複数のアイコンを個別に非表示にするという繰返し操作が行われた場合に、全てのツールバーを一括して非表示にする機能を提案しても良い。この場合に、全てのツールバーが非表示となる状態(例えば、第3状態の一例)は、第1ツールバー120を構成する複数のアイコンが個別に非表示になっている状態(例えば、第2状態の一例)の一部となる。
【0101】
さらに、デスク画面100を構成する画像を一括して非表示にする機能は、ツールバーに限定されない。例えば、デスク画面100にプレビュー画面300が表示されている場合や、ファイル10の属性情報を閲覧したり編集したりするためのプロパティ画面(不図示)が表示されている場合には、これらの画像を一括して非表示にしても良い。
【0102】
また、上述した例では、デスク画面100における画像を一括して表示したり、一括して非表示にしたりする例を用いているが、ビューワ画面200における画像に対しても同様な機能を実行可能である。そこで、情報処理装置1は、ビューワ画面200において画像を非表示にする繰返し操作が行われた場合に、上記の機能を提案しても良い。
【0103】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態が適用される情報処理装置1について説明する。
【0104】
図12は、第3実施形態の情報処理装置1による機能提案の説明図である。
なお、第3実施形態において、他の実施形態と同様な構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0105】
第3実施形態が適用される情報処理装置1は、マウスの機能を変更する繰返し操作が検出された場合に、複数の操作を行えるポインタの機能を提案する。
【0106】
図12に示すように、情報処理装置1は、ビューワ画面200にて、マウスの右ボタンのクリックを受け付けることで、操作メニュー600を表示する。操作メニュー600は、対象となる画像を指し示したり、クリックしたりするポインティングモードに設定するための第1設定項目601と、対象となるファイル10の表示位置を移動させるスクロールモードに設定するための第2設定項目602とを表示する。また、操作メニュー600は、ファイル10におけるテキストを選択するテキスト選択モードに設定するための第3設定項目603と、スクロールモードおよびテキスト選択モードの両方の操作を行えるマルチモードに設定するための第4設定項目604とを表示する。そして、ユーザは、操作メニュー600における設定項目をクリックすることで、マウスのポインタのモードを設定する。
【0107】
ここで、情報処理装置1は、マルチモードにおいて、マウスの左ボタンが押されると、対象となるファイル10の表示位置を移動させる。また、情報処理装置1は、マルチモードにおいて、マウスの右ボタンが押されると、ファイル10に記載されているテキストを選択可能にする。このように、マルチモードは、スクロールモードまたはテキスト選択モードと類似する状態である。
【0108】
そして、情報処理装置1は、ポインティングモードに設定された状態(例えば、第1状態の一例)で、操作メニュー600にて第2設定項目602が指定されることで(例えば、第1操作の一例)、スクロールモード(例えば、第2状態の一例)に遷移させ、さらに、操作メニュー600にて第3設定項目603が指定されることで(例えば、第1操作の一例)、テキスト選択モード(例えば、第2状態の一例)に遷移させる。その後、情報処理装置1は、操作メニュー600にて第1設定項目601が指定されることで(例えば、第2操作の一例)、ポインティングモードに設定された状態に遷移させる。
【0109】
そして、第3実施形態の情報処理装置1は、ポインティングモードからスクロールモードに変更する操作、さらにテキスト選択モードに変更する操作の後、ポインティングモードにする操作が検知された場合、操作メニュー600を表示し、マルチモードに設定された状態(例えば、第3状態の一例)にするという機能を提案する。
【0110】
ここで、マウスをポインティングモードに設定された状態から、スクロールモードに設定された状態、さらに、テキスト選択モードに設定された状態に遷移させ、ポインティングモードに設定された状態に遷移させる際、ユーザが行う操作は、以下のとおりである。(1)ユーザは、マウスの右ボタンをクリックし、操作メニュー600を表示させる。そして、(2)ユーザは、第2設定項目602をクリックする。また、(3)ユーザは、再びマウスの右ボタンをクリックし、操作メニュー600を表示させる。そして、(4)ユーザは、第3設定項目603をクリックする。さらに、(5)ユーザは、マウスを右クリックし、操作メニュー600を表示させる。そして、(6)ユーザは、第1設定項目601をクリックする。この場合に、ユーザの操作回数の合計は、6回となる。
【0111】
これに対して、提案する機能において、ユーザが行う操作は、以下のとおりである。(1)ユーザは、マウスの右ボタンをクリックし、操作メニュー600を表示させる。そして、(2)ユーザは、第4設定項目604をクリックする。その後、(3)ユーザは、再びマウスの右ボタンを右クリックし、操作メニュー600を表示させる。そして、(4)ユーザは、第1設定項目601をクリックする。この場合に、ユーザの操作回数の合計は、4回となる。そして、提案する機能の操作回数は、提案する機能の元となったユーザの操作回数よりも少ないものである。
【0112】
以上、本実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は前述した実施の形態に記載の範囲に限定されない。上述した実施形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0113】
また、前述した各実施の形態におけるプロセッサは、広義的な意味でのプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)の他、専用的なプロセッサ(例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、プログラム論理デバイス等)を含む。
【0114】
また、前述した各実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサが単独で実行してもよいが、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して実行してもよい。また、プロセッサにおける各動作の実行の順序は、前述した各実施の形態に記載した順序のみに限定されるものでなく、個別に変更してもよい。
【0115】
さらに、本実施形態の情報処理装置1を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0116】
1…情報処理装置、11…プロセッサ、100…デスク画面、110…メニューバー、120…第1ツールバー、130…第2ツールバー、140…フォルダ部、150…ワークスペース部、200…ビューワ画面、300…プレビュー画面、400…拡大表示画面、500…提案画面