IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

特許7463933光源装置、プロジェクターおよび表示装置
<>
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図1
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図2
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図3
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図4
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図5
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図6
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図7
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図8
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図9
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図10
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図11
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図12
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図13
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図14
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図15
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図16
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図17
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図18
  • 特許-光源装置、プロジェクターおよび表示装置 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】光源装置、プロジェクターおよび表示装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20240402BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240402BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G03B21/14 A
G03B21/00 E
H04N9/31 500
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020167570
(22)【出願日】2020-10-02
(65)【公開番号】P2022059769
(43)【公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】安松 航
(72)【発明者】
【氏名】中村 典生
(72)【発明者】
【氏名】得能 友太
(72)【発明者】
【氏名】秋山 光一
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-160236(JP,A)
【文献】特開2014-142369(JP,A)
【文献】特開2017-037175(JP,A)
【文献】特開2012-185402(JP,A)
【文献】特開2016-151643(JP,A)
【文献】特開2018-146806(JP,A)
【文献】米国特許第06111618(US,A)
【文献】中国特許出願公開第110389486(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B21/00-21/10
21/12-21/13
21/134-21/30
33/00-33/16
H04N5/66-5/74
9/12-9/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1波長帯を有し、第1偏光方向に偏光する第1光と前記第1偏光方向とは異なる第2偏光方向に偏光する第1光とを含む光を射出する光源部と、
前記光源部から第1方向に沿って入射される前記第1偏光方向に偏光する前記第1光を前記第1方向に透過し、前記第2偏光方向に偏光する前記第1光を前記第1方向と交差する第2方向に反射する第1偏光分離素子と、
前記第1偏光分離素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第1方向に沿って入射される前記第1偏光方向に偏光する前記第1光を前記第2偏光方向に偏光する前記第1光に変換する第1位相差素子と、
前記第1位相差素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1位相差素子から前記第1方向に沿って入射される前記第2偏光方向に偏光する前記第1光を前記第2方向に反射する第2偏光分離素子と、
前記第1偏光分離素子および前記第2偏光分離素子から前記第2方向に沿って前記第2偏光方向に偏光する前記第1光が入射される第2位相差素子と、
前記第2位相差素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1光を拡散させて前記第2方向とは反対方向である第3方向に射出する拡散素子と、前記第2位相差素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1光を波長変換して前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を有する第2光を前記第3方向に射出する第1波長変換素子と、前記第1光の進行方向に沿う回転軸を中心として回転する基板と、を有する光変換装置と、
を備え、
前記拡散素子と前記第1波長変換素子とは、前記基板の一面における前記回転軸を中心とする同一円周上に並んで設けられ、
前記第2位相差素子は、前記第1偏光分離素子と前記基板との間に設けられ、
前記第2位相差素子は、前記第2偏光分離素子と前記基板との間に設けられ、
前記第1偏光分離素子は、前記拡散素子から前記第3方向に沿って入射される前記第1光を前記第3方向に透過し、前記第1波長変換素子から前記第3方向に沿って入射される前記第2光を前記第3方向に透過し、
前記第2偏光分離素子は、前記拡散素子から前記第3方向に沿って入射される前記第1光を前記第3方向に透過し、前記第1波長変換素子から前記第3方向に沿って入射される前記第2光を前記第3方向に透過する、光源装置。
【請求項2】
前記第1偏光分離素子に対して前記第1方向、前記第2方向、および前記第3方向に交差する第5方向に配置され、前記光源部から前記第1方向に沿って入射される前記第1光を前記第1方向に透過する第1光学素子と、
前記第1光学素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1光学素子から前記第1方向に沿って入射される前記第1光を前記第2方向に反射する第2光学素子と、
前記第2光学素子に対して前記第2方向に配置され、前記第2光学素子から入射される前記第1光を波長変換して前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯を有する第3光を前記第3方向に射出する第2波長変換素子と、
をさらに備え、
前記第2光学素子は、前記第2波長変換素子から前記第3方向に沿って前記第3光が入射され、前記第1偏光方向に偏光する前記第3光を前記第3方向に透過し、前記第2偏光方向に偏光する前記第3光を前記第1方向とは反対方向である第4方向に反射し、
前記第1光学素子は、前記第2光学素子から前記第4方向に沿って入射される前記第2偏光方向に偏光する前記第3光を前記第3方向に反射する、請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記光源部は、前記第1波長帯を有する前記第1光を射出する第1発光素子と、前記第2波長変換素子を励起させる励起波長帯を有する励起光を射出する第2発光素子と、を有する、請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第1波長帯と前記励起波長帯とは、同一の波長帯である、請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記第2波長変換素子は、前記基板の一面に設けられ、
前記回転軸を中心とする径方向において、前記第2波長変換素子と前記回転軸との間の距離は、前記拡散素子および前記第1波長変換素子と前記回転軸との間の距離よりも長い、請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項6】
前記第2位相差素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1光を波長変換して前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯を有する第3光を前記第3方向に射出する第2波長変換素子をさらに備え、
前記第1波長変換素子と前記第2波長変換素子とは、前記回転軸を中心とする前記基板の同一円周上に並んで設けられ、
前記回転軸を中心とする前記基板の同一円周上において、前記拡散素子と前記第2波長変換素子とが設けられた第1分割領域と、前記第1波長変換素子が設けられた第2分割領域と、が並んで設けられている、請求項1に記載の光源装置。
【請求項7】
前記第1偏光分離素子に対して前記第3方向に配置され、第1期間において、前記第1偏光分離素子から射出される光を、前記第1波長帯を有する前記第3光と、前記第3波長帯を有する第4光と、に分離し、前記第1期間とは異なる第2期間において、前記第1偏光分離素子から射出される光を、前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第4波長帯を有する第5光と、前記第1波長帯、前記第2波長帯、前記第3波長帯、および前記第4波長帯とは異なる第5波長帯を有する第6光と、に分離する第1色分離素子と、
前記第2偏光分離素子に対して前記第3方向に配置され、前記第1期間において、前記第2偏光分離素子から射出される光を、前記第4波長帯を有する前記第5光と、前記第5波長帯を有する前記第6光と、に分離し、前記第2期間において、前記第2偏光分離素子から射出される光を、前記第1波長帯を有する第3光と、前記第3波長帯を有する前記第3光と、に分離する第2色分離素子と、
をさらに備える、請求項6に記載の光源装置。
【請求項8】
前記光源部は、
前記第1波長帯を有する前記第1光を射出する第1発光素子と、
前記第1発光素子から入射される前記第1光を、前記第1偏光方向に偏光する前記第1光と前記第2偏光方向に偏光する前記第1光とを含む光に変換する第3位相差素子と、
を有する、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項9】
前記第3位相差素子は、前記第3位相差素子に入射する前記光の進行方向に沿う回転軸を中心として回転可能とされている、請求項8に記載の光源装置。
【請求項10】
請求項7に記載の光源装置と、
前記光源装置からの光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、
を備える、プロジェクター。
【請求項11】
前記光源装置と前記光変調装置との間に設けられる均一化装置をさらに備え、
前記均一化装置は、
前記光源装置から入射される光を複数の部分光束に分割する2つのマルチレンズと、
前記2つのマルチレンズから入射される前記複数の部分光束を前記光変調装置に重畳させる重畳レンズと、を有する、請求項10に記載のプロジェクター。
【請求項12】
前記光変調装置は、複数の画素を有する液晶パネルと、前記液晶パネルに対して光入射側に設けられ、前記複数の画素に対応する複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、を有し、
前記複数の画素のそれぞれは、第1サブ画素、第2サブ画素、第3サブ画素、および第4サブ画素を有し、
前記マイクロレンズは、
前記第3光を前記第1サブ画素に入射させ、
前記第4光を前記第2サブ画素に入射させ、
前記第5光を前記第3サブ画素に入射させ、
前記第6光を前記第4サブ画素に入射させる、請求項11に記載のプロジェクター。
【請求項13】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の光源装置と、
前記光源装置からの光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
を備え、
前記光変調装置は、複数の画素を有する液晶パネルを有し、
前記複数の画素のそれぞれは、第1サブ画素と、第2サブ画素と、を少なくとも有し、
前記光源装置は、第1波長帯を有する第1光を射出し、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を有する第2光を射出し、
前記第1光が前記第1サブ画素に入射し、前記第2光が前記第2サブ画素に入射する第1期間と、前記第1光が前記第2サブ画素に入射し、前記第2光が前記第1サブ画素に入射する第2期間と、を時間的に切り替える切替部を有する、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置、プロジェクターおよび表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光源から射出された光を変調して画像情報に基づく画像光を生成し、生成された画像光を投射するプロジェクターが知られている。下記の特許文献1に、光源と、複数のダイクロイックミラーと、マイクロレンズアレイを有する液晶表示素子と、投射レンズと、を備えた投射型カラー画像表示装置が開示されている。投射型カラー画像表示装置は、光源から射出された白色光を互いに異なる色の複数の色光に分離し、分離された複数の色光のそれぞれを1つの液晶表示素子内の異なるサブ画素に入射させることによってカラー表示を行う。
【0003】
上記の投射型カラー画像表示装置においては、光源から射出される白色光の入射光軸に沿って、赤色反射ダイクロイックミラー、緑色反射ダイクロイックミラー、および青色反射ダイクロイックミラーが互いに非平行な状態で配置されている。光源から射出された白色光は、上記のダイクロイックミラーを通過することにより、進行方向が互いに異なる赤色光、緑色光、および青色光に分離される。赤色光、緑色光、および青色光は、光変調素子の入射側に設けられたマイクロレンズによって空間的に分離された状態で、光変調素子の赤色サブ画素、緑色サブ画素、および青色サブ画素にそれぞれ入射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平4-60538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の投射型カラー画像表示装置では、白色光源としてハロゲンランプ、キセノンランプ等のランプ光源が採用され、光変調素子として液晶表示素子が採用されている。ランプ光源から射出される光は非偏光であるが、光変調素子として液晶表示素子を用いる場合、液晶表示素子に入射される光は特定の偏光方向を有する直線偏光である必要がある。これに対し、液晶表示素子を均一に照明する手段として、白色光源から液晶表示素子までの間に、入射光を複数の部分光束に分割する一対のマルチレンズアレイと、複数の部分光束の偏光方向を揃える偏光変換素子と、を設けることが考えられる。この場合、光の入射方向に交差する方向に沿って交互に配列される複数の偏光分離層および複数の反射層と、偏光分離層を透過した光の光路、または、反射層で反射された光の光路のいずれかに設けられる位相差層と、を備える偏光変換素子が一般的に用いられる。
【0006】
しかしながら、近年の小型化の要求に応じて、上記の投射型カラー画像表示装置を小型化する場合、偏光分離層と反射層との間のピッチが狭い偏光変換素子を製造することが難しい。このため、この種の偏光変換素子を備える光源装置の小型化、ひいては、光源装置を備えるプロジェクターの小型化が困難である。このような課題から、ピッチが狭い偏光変換素子を用いることなく、空間的に異なる位置から複数の色光を射出できる光源装置の提供が求められている。
【0007】
また、1枚の液晶パネルを備えたプロジェクター、いわゆる単板方式のプロジェクターは、赤色光、緑色光、および青色光のそれぞれを変調する3枚の液晶パネルを備えたプロジェクターに比べて、液晶パネルの各画素に照射される光のエネルギー密度が高くなる。特に青色光は、赤色光および緑色光に比べて、当該青色光が照射されるサブ画素において光照射による大きなダメージを及ぼす。そのため、液晶パネルの当該サブ画素がダメージを受け、液晶パネルの信頼性が低下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一つの態様の光源装置は、第1波長帯を有し、第1偏光方向に偏光する第1光と前記第1偏光方向とは異なる第2偏光方向に偏光する第1光とを含む光を射出する光源部と、前記光源部から第1方向に沿って入射される前記第1偏光方向に偏光する前記第1光を前記第1方向に透過し、前記第2偏光方向に偏光する前記第1光を前記第1方向と交差する第2方向に反射する第1偏光分離素子と、前記第1偏光分離素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第1方向に沿って入射される前記第1偏光方向に偏光する前記第1光を前記第2偏光方向に偏光する前記第1光に変換する第1位相差素子と、前記第1位相差素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1位相差素子から前記第1方向に沿って入射される前記第2偏光方向に偏光する前記第1光を前記第2方向に反射する第2偏光分離素子と、前記第1偏光分離素子および前記第2偏光分離素子から前記第2方向に沿って前記第2偏光方向に偏光する前記第1光が入射される第2位相差素子と、前記第2位相差素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1光を拡散させて前記第2方向とは反対方向である第3方向に射出する拡散素子と、前記第2位相差素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1光を波長変換して前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を有する第2光を前記第3方向に射出する第1波長変換素子と、前記第1光の進行方向に沿う回転軸を中心として回転する基板と、を有する光変換装置と、を備え、前記拡散素子と前記第1波長変換素子とは、前記基板の一面における前記回転軸を中心とする同一円周上に並んで設けられ、前記第2位相差素子は、前記第1偏光分離素子と前記基板との間に設けられ、前記第2位相差素子は、前記第2偏光分離素子と前記基板との間に設けられ、前記第1偏光分離素子は、前記拡散素子から前記第3方向に沿って入射される前記第1光を前記第3方向に透過し、前記第1波長変換素子から前記第3方向に沿って入射される前記第2光を前記第3方向に透過し、前記第2偏光分離素子は、前記拡散素子から前記第3方向に沿って入射される前記第1光を前記第3方向に透過し、前記第1波長変換素子から前記第3方向に沿って入射される前記第2光を前記第3方向に透過する。
【0009】
本発明の一つの態様のプロジェクターは、本発明の一つの態様の光源装置と、前記光源装置からの光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備える。
【0010】
本発明の一つの態様の表示装置は、光源装置と、前記光源装置からの光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、を備え、前記光変調装置は、複数の画素を有する液晶パネルを有し、前記複数の画素のそれぞれは、第1サブ画素と、第2サブ画素と、を少なくとも有し、前記光源装置は、第1波長帯を有する第1光を射出し、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を有する第2光を射出し、前記第1光が前記第1サブ画素に入射し、前記第2光が前記第2サブ画素に入射する第1状態と、前記第1光が前記第2サブ画素に入射し、前記第2光が前記第1サブ画素に入射する第2状態と、を切り替える切替部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
図2】第1実施形態の光源装置の斜視図である。
図3】+Y方向から見た光源装置の上段部分の構成を示す平面図であり、第1期間における光の振る舞いを示している。
図4】+Y方向から見た光源装置の上段部分の構成を示す平面図であり、第2期間における光の振る舞いを示している。
図5】+Y方向から見た光源装置の下段部分の構成を示す平面図である。
図6】-Z方向から見た光変換装置の正面図である。
図7】マルチレンズ上の各色光の入射位置を示す模式図である。
図8】光変調装置の拡大図である。
図9】変形例の光源装置において、+Z方向から見た光変換装置の正面図である。
図10】第2実施形態の光源装置において、+Z方向から見た光変換装置の正面図である。
図11】第3実施形態の光源装置の斜視図である。
図12】+Y方向から見た光源装置の平面図であり、第1期間における光の振る舞いを示している。
図13】+Y方向から見た光源装置の平面図であり、第2期間における光の振る舞いを示している。
図14】-Z方向から見た光変換装置の正面図である。
図15】-X方向から見た光源装置の側面図であり、第1期間における光の振る舞いを示している。
図16】+X方向から見た光源装置の側面図であり、第1期間における光の振る舞いを示している。
図17】+Y方向から見た第4実施形態の光源装置の上段部分の構成を示す平面図である。
図18】+Y方向から見た第4実施形態の光源装置の下段部分の構成を示す平面図である。
図19】+Z方向から見た光変換装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1図7を用いて説明する。
図1は、本実施形態のプロジェクター1の概略構成図である。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0013】
本実施形態に係るプロジェクター1は、光源装置2から射出された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、形成された画像をスクリーン等の被投射面上に拡大して投射する。換言すると、プロジェクター1は、光源装置2から射出された光を1つの液晶パネル61を含む1つの光変調装置6により変調して画像を形成し、形成された画像を投射する。プロジェクター1は、いわゆる、単板方式のプロジェクターである。
【0014】
図1に示すように、プロジェクター1は、光源装置2と、均一化装置4と、偏光変換素子8と、フィールドレンズ5と、光変調装置6と、投射光学装置7と、を備える。光源装置2、均一化装置4、偏光変換素子8と、フィールドレンズ5、光変調装置6、および投射光学装置7は、照明光軸Axに沿う所定の位置に配置されている。照明光軸Axは、光源装置2から射出される光Lの主光線の進行方向に沿う軸と定義する。
【0015】
光源装置2および均一化装置4の構成については、後で詳しく説明する。フィールドレンズ5は、均一化装置4と光変調装置6との間に配置されている。フィールドレンズ5は、均一化装置4から射出される光Lを平行化し、光変調装置6に導く。偏光変換素子8は、光源装置2から射出される光Lの一部の光束が入射する位置に設けられている。偏光変換素子8は、偏光変換素子8に入射する光束の偏光方向を他の光束の偏光方向に揃える。
【0016】
投射光学装置7は、光変調装置6によって変調された光、すなわち、画像を形成する光をスクリーンなどの被投射面(図示略)上に投射する。投射光学装置7は、単数または複数の投射レンズを有する。
【0017】
以下の説明においては、照明光軸Axに沿って光源装置2から射出された光の進行方向に平行な軸をZ軸とし、光の進行方向を+Z方向とする。また、Z軸にそれぞれ直交し、かつ、互いに直交する2つの軸をX軸およびY軸とする。これらの軸に沿う方向のうち、プロジェクター1を設置した空間における鉛直方向上方を+Y方向とする。また、+Y方向が鉛直方向上方を向くように、+Z方向に沿って光が入射される対象物を見た場合の水平方向右方を+X方向とする。図示を省略するが、+X方向の反対方向を-X方向とし、+Y方向の反対方向を-Y方向とし、+Z方向の反対方向を-Z方向とする。
本実施形態の+X方向は、特許請求の範囲の第1方向に対応する。本実施形態の-Z方向は、特許請求の範囲の第2方向に対応する。本実施形態の+Z方向は、特許請求の範囲の第3方向に対応する。本実施形態の-X方向は、特許請求の範囲の第4方向に対応する。本実施形態の-Y方向は、特許請求の範囲の第5方向に対応する。
【0018】
[光源装置の構成]
図2は、本実施形態の光源装置2の斜視図である。図3は、+Y方向から見た光源装置2の上段部分の構成を示す平面図であり、第1期間における光の振る舞いを示している。図4は、+Y方向から見た光源装置2の上段部分の構成を示す平面図であり、第2期間における光の振る舞いを示している。図5は、+Y方向から見た光源装置2の下段部分の構成を示す平面図である。
【0019】
図2図5に示すように、光源装置2は、光変調装置6を照明する光Lを、照明光軸Axに平行な方向、すなわち+Z方向に射出する。光源装置2が射出する光Lは、空間的に分離された位置から射出される複数の色光を含む。本実施形態では、光源装置2が射出する光Lは、青色光BLp、赤色光RL、緑色光GLp、および緑色光GLpからなる4本の光束で構成されている。
【0020】
本実施形態のP偏光は、特許請求の範囲の第1偏光方向に偏光する光に相当する。本実施形態のS偏光は、特許請求の範囲の第2偏光方向に偏光する光に相当する。また、本実施形態のP偏光は、第1偏光分離素子22、第2偏光分離素子23、第1光学素子35、および第2光学素子36に対するP偏光である。本実施形態のS偏光は、第1偏光分離素子22、第2偏光分離素子23、第1光学素子35、および第2光学素子36に対するS偏光である。
なお、各図面においては、P偏光を破線の矢印で示し、S偏光を実線の矢印で示し、P偏光およびS偏光以外の偏光状態の光を1点鎖線の矢印で示す。
【0021】
光源装置2は、光源部21と、第1偏光分離素子22と、第1位相差素子37と、第2偏光分離素子23と、第2位相差素子24と、第1集光素子25と、第2集光素子27と、光変換装置31と、第1光学素子35と、第2光学素子36と、第3集光素子53と、第2波長変換素子54と、第4位相差素子30と、を備える。
【0022】
[光源部の構成]
光源部21は、第1偏光分離素子22に入射される青色光BLs,BLsと、第1光学素子35に入射される励起光ELsと、を+X方向に沿って射出する。光源部21は、複数の第1発光素子211と、複数の第1コリメーターレンズ212と、回転位相差装置213と、複数の第2発光素子214と、複数の第2コリメーターレンズ215と、を有する。
【0023】
第1発光素子211は、青色光BLsを射出する固体光源で構成されている。具体的には、第1発光素子211は、S偏光の青色光BLsを射出する半導体レーザーで構成されている。青色光BLsは、例えば440~480nmの青色波長帯を有し、例えば450~460nmの範囲内にピーク波長を有するレーザー光である。
【0024】
図3および図4に示すように、複数の第1発光素子211は、Z軸に沿って間隔をおいて配列されている。本実施形態の光源部21は、2個の第1発光素子211を有しているが、第1発光素子211の数は限定されず、第1発光素子211の数は1個であってもよい。また、複数の第1発光素子211の配置も限定されない。また、第1発光素子211は、S偏光の青色光BLsを射出するように配置されているが、後述する回転位相差装置213によってS偏光とP偏光の光量比が任意に設定できるため、P偏光の青色光を射出するように配置されていてもよい。すなわち、第1発光素子211は、図3および図4に示す姿勢から射出光軸を中心として90°回転していてもよい。
【0025】
複数の第1コリメーターレンズ212は、複数の第1発光素子211と回転位相差装置213との間に設けられている。1つの第1コリメーターレンズ212は、1つの第1発光素子211に対応して設けられている。第1コリメーターレンズ212は、第1発光素子211から射出された光BLsを平行化する。
【0026】
回転位相差装置213は、第3位相差素子2131と、回転装置2132と、を有する。第3位相差素子2131は、第3位相差素子2131に入射する光の進行方向に沿う回転軸、すなわち、X軸と平行な回転軸を中心として回転可能とされている。回転装置2132は、モーター等から構成され、第3位相差素子2131を回転させる。
【0027】
第3位相差素子2131は、青色波長帯に対する1/2波長板または1/4波長板で構成されている。第3位相差素子2131に入射されたS偏光の青色光BLsの一部は、第3位相差素子2131によってP偏光の青色光BLpに変換される。このため、第3位相差素子2131を透過した青色光は、S偏光の青色光BLsと、P偏光の青色光BLpと、が所定の割合で混在した光となる。すなわち、第3位相差素子2131は、発光素子211から射出される青色光BLsが入射され、S偏光成分の青色光BLsとP偏光成分の青色光BLpとを含む青色光を射出する。
本実施形態のP偏光の青色光BLpは、特許請求の範囲の第1偏光方向に偏光する第1光に対応する。本実施形態のS偏光の青色光BLsは、特許請求の範囲の第2偏光方向に偏光する第1光に対応する。
【0028】
回転装置2132によって第3位相差素子2131の回転角が調整されることにより、第3位相差素子2131を透過した光に含まれるS偏光の青色光BLsの光量とP偏光の青色光BLpの光量との割合が調整される。なお、青色光BLsの光量と青色光BLpの光量との割合を調整する必要がない場合には、第3位相差素子2131を回転させる回転装置2132は設けられていなくてもよい。その場合には、青色光BLsの光量と青色光BLpの光量との割合が予め設定された光量の割合になるように、第3位相差素子2131の回転角が設定された後、第3位相差素子2131の回転位置が固定される。
【0029】
このようにして、光源部21は、S偏光の青色光BLsとP偏光の青色光BLpとを含む青色光を射出する。なお、本実施形態では、複数の第1発光素子211の全てがS偏光の青色光BLsを射出する構成であるが、S偏光の青色光BLsを射出する発光素子211と、P偏光の青色光BLpを射出する発光素子211と、が混在していてもよい。この構成によれば、回転位相差装置213を省略することもできる。また、第1発光素子211は、半導体レーザーに代えて、LED(Light Emitting Diode)等の他の固体光源から構成されていてもよい。
【0030】
第2発光素子214は、励起光ELsを射出する固体光源で構成されている。具体的には、第2発光素子214は、S偏光の励起光ELsを射出する半導体レーザーで構成されている。励起光ELsは、例えば440~480nmの励起波長帯を有し、例えば450~460nmの範囲内にピーク波長を有するレーザー光である。本実施形態の場合、第1発光素子211の青色波長帯と第2発光素子214の励起波長帯とは、同一の波長帯である。この場合、第1発光素子211と第2発光素子214とで、同一の半導体レーザーを用いることができる。これにより、光源部21の製作が容易になる。なお、第1発光素子211の青色波長帯と第2発光素子214の励起波長帯とは、第1波長変換素子28および第2波長変換素子54のそれぞれが含む蛍光体の励起波長に合わせて変えてもよく、互いに異なっていてもよい。
【0031】
図5に示すように、複数の第2発光素子214は、Z軸に沿って間隔をおいて配置されている。本実施形態の光源部21は、2個の第2発光素子214を有しているが、第2発光素子214の数は限定されず、第2発光素子214の数は1個であってもよい。また、複数の第2発光素子214の配置も限定されない。なお、第1発光素子211の数と第2発光素子214の数とは互いに異なっていてもよいし、第1発光素子211の配置と第2発光素子214の配置とは互いに異なっていてもよい。
【0032】
複数の第2コリメーターレンズ215は、複数の第2発光素子214と第1光学素子35との間に設けられている。1つの第2コリメーターレンズ215は、1つの第2発光素子214に対応して設けられている。第2コリメーターレンズ215は、第2発光素子214から射出された光Lを平行化する。
【0033】
第2発光素子214から射出される励起光ELsは、第1発光素子211とは異なり、第3位相差素子2131を通過しない。そのため、励起光ELsは、第2発光素子214の射出後から偏光状態が変化することなく、第1光学素子35に入射する。本実施形態では、励起光ELsはS偏光であるが、励起光ELsの偏光方向は限定されない。また、第2発光素子214は、半導体レーザーに代えて、LED等の他の固体光源から構成されていてもよい。
【0034】
[第1偏光分離素子の構成]
図3および図4に示すように、第1偏光分離素子22は、光源部21の第1発光素子211に対して+X方向に配置されている。第1偏光分離素子22には、光源部21から射出されるS偏光の青色光BLsとP偏光の青色光BLpとを含む青色光が、+X方向に沿って入射される。また、第1偏光分離素子22には、光変換装置31の拡散素子32から射出される青色光BLpと、第1波長変換素子28から射出される赤色光RLとが、+Z方向に沿って入射される。
【0035】
第1偏光分離素子22は、第1偏光分離層221と、第1偏光分離層221を挟んで設けられる2つの第1基材222と、を有する。すなわち、第1偏光分離素子22は、プリズム型の偏光分離素子で構成されている。具体的には、2つの第1基材222の各々は、略直角二等辺三角柱状の形状を有する。2つの第1基材222は、傾斜面同士が対向するように組み合わされ、全体として略直方体状に形成されている。第1偏光分離層221は、2つの第1基材222の傾斜面の間に設けられている。したがって、第1偏光分離層221は、X軸およびZ軸に対して45°傾斜している。言い換えると、第1偏光分離層221は、XY平面およびYZ平面に対して45°傾斜している。
【0036】
第1偏光分離層221は、青色波長帯の光に対して、P偏光を透過し、S偏光を反射する偏光分離特性を有する。また、第1偏光分離層221は、赤色波長帯の光を偏光状態に係わらず透過する特性を有する。したがって、第1偏光分離素子22は、光源部21から+X方向に沿って入射されるP偏光の青色光BLpを+X方向に透過し、光源部21から+X方向に沿って入射されるS偏光の青色光BLsを+X方向と交差する-Z方向に反射する。また、第1偏光分離素子22は、拡散素子32から+Z方向に沿って入射されるP偏光の青色光BLpを+Z方向に透過し、第1波長変換素子28から+Z方向に沿って入射される赤色光RLを+Z方向に透過する。
【0037】
なお、第1偏光分離素子22は、1枚の基材と、基材の1面または2面に設けられる光学膜と、から構成されていてもよい。すなわち、第1偏光分離素子22は、プレート型の偏光分離素子から構成されていてもよい。
【0038】
[第1位相差素子の構成]
第1位相差素子37は、第1偏光分離素子22に対して+X方向に配置されている。換言すると、第1位相差素子37は、X軸上において第1偏光分離素子22と第2偏光分離素子23との間に配置されている。第1位相差素子37は、第1位相差素子37に入射される青色光BLpが有する青色波長帯に対する1/2波長板で構成されている。したがって、第1位相差素子37は、第1偏光分離素子22から射出されるP偏光の青色光BLpをS偏光の青色光BLsに変換する。第1偏光分離素子22から射出され、第1位相差素子37によってS偏光に変換された青色光BLsは、第2偏光分離素子23に入射する。
【0039】
[第2偏光分離素子の構成]
第2偏光分離素子23は、第1位相差素子37に対して+X方向に配置されている。第2偏光分離素子23には、第1位相差素子37から射出されるS偏光の青色光BLsが、+X方向に沿って入射される。また、第2偏光分離素子23には、光変換装置31の拡散素子32から射出される青色光BLpと、第1波長変換素子28から射出される赤色光RLとが、+Z方向に沿って入射される。
【0040】
第2偏光分離素子23は、第2偏光分離層231と、第2偏光分離層231を挟んで設けられる2つの第2基材232と、を有する。すなわち、第2偏光分離素子23は、プリズム型の偏光分離素子で構成されている。具体的には、2つの第2基材232の各々は、略直角二等辺三角柱状の形状を有する。2つの第2基材232は、傾斜面同士が対向するように組み合わされ、全体として略直方体状に形成されている。第2偏光分離層231は、2つの第2基材232の傾斜面の間に設けられている。したがって、第2偏光分離層231は、X軸およびZ軸に対して45°傾斜している。言い換えると、第2偏光分離層231は、XY平面およびYZ平面に対して45°傾斜している。
【0041】
第2偏光分離層231は、青色波長帯の光に対してP偏光を透過し、S偏光を反射する偏光分離特性を有する。また、第2偏光分離層231は、赤色波長帯の光を偏光状態に係わらず透過する特性を有する。すなわち、第2偏光分離層231が有する特性と、第1偏光分離層221が有する特性とは、同じである。したがって、第2偏光分離素子23は、第1位相差素子37から+X方向に沿って入射されるS偏光の青色光BLsを-Z方向に反射する。また、第2偏光分離素子23は、光変換装置31の拡散素子32から+Z方向に沿って入射されるP偏光の青色光BLpを+Z方向に透過し、第1波長変換素子28から+Z方向に沿って入射される赤色光RLを+Z方向に透過する。
【0042】
なお、第2偏光分離素子23は、1枚の基材と、基材の1面または2面に設けられる光学膜と、から構成されていてもよい。すなわち、第2偏光分離素子23は、プレート型の偏光分離素子から構成されていてもよい。
【0043】
[第2位相差素子の構成]
第2位相差素子24は、第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23に対して-Z方向に配置されている。すなわち、第2位相差素子24は、X軸上において第1偏光分離素子22と光変換装置31の基板34との間に配置されている。また、第2位相差素子24は、X軸上において第2偏光分離素子23と光変換装置31の基板34との間に配置されている。本実施形態の第2位相差素子24は、第1偏光分離素子22と第2偏光分離素子23との-Z方向に一体の部材として設けられているが、第1偏光分離素子22に対して-Z方向に位置する部分と、第2偏光分離素子23に対して-Z方向に位置する部分と、が分割された別体の部材で構成されていてもよい。
【0044】
第2位相差素子24は、第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23から-Z方向に沿ってS偏光の青色光BLsがそれぞれ入射される。第2位相差素子24は、第2位相差素子24に入射される青色光BLsの青色波長帯に対する1/4波長板で構成されている。そのため、第1偏光分離素子22から射出されるS偏光の青色光BLsは、第2位相差素子24によって例えば右回りの円偏光の青色光BLc1に変換された後、第1集光素子25に向けて射出される。同様に、第2偏光分離素子23から射出されるS偏光の青色光BLsは、第2位相差素子24によって例えば右回りの円偏光の青色光BLc1に変換された後、第2集光素子27に向けて射出される。このように、第2位相差素子24は、第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23から-Z方向に沿ってS偏光の青色光BLsが入射され、青色光BLsの偏光状態を直線偏光から円偏光に変換する。
【0045】
[第1集光素子の構成]
第1集光素子25は、第2位相差素子24を介して第1偏光分離素子22に対して-Z方向に配置されている。第1集光素子25は、第2位相差素子24から入射される青色光BLc1を光変換装置31の基板34上に集束させる。また、第1集光素子25は、光変換装置31から射出される青色光BLc2および赤色光RLを平行化し、第2位相差素子24に向けて射出する。本実施形態では、第1集光素子25は、第1レンズ251と、第2レンズ252と、の2枚の凸レンズから構成されている。なお、第1集光素子25を構成するレンズの数は、特に限定されない。
【0046】
[第2集光素子の構成]
第2集光素子27は、第2位相差素子24を介して第2偏光分離素子23に対して-Z方向に配置されている。第2集光素子27は、第2位相差素子24から入射される青色光BLc1を光変換装置31の基板34上に集束させる。また、第2集光素子27は、光変換装置31から射出される青色光BLc2および赤色光RLを平行化し、第2位相差素子24に向けて射出する。本実施形態では、第2集光素子27は、第1レンズ271と、第2レンズ272と、の2枚の凸レンズから構成されている。なお、第2集光素子27を構成するレンズの数は、特に限定されない。
【0047】
[光変換装置の構成]
光変換装置31は、第1集光素子25および第2集光素子27に対して-Z方向に配置されている。光変換装置31は、基板34と、回転装置38と、拡散素子32と、第1波長変換素子28と、を有する。
【0048】
基板34は、+Z方向から見て円形の板材から構成され、第1集光素子25および第2集光素子27に対向する第1面34aと、第1面34aとは異なる第2面34bと、を有する。回転装置38は、モーター等から構成され、基板34に入射する青色光BLc1の進行方向に沿う回転軸Rxを中心として基板34を回転させる。
【0049】
図6は、-Z方向から見た光変換装置31の正面図である。なお、図6において、-Z方向から見た光変換装置31を見たとき、実際には拡散素子32と第1波長変換素子28とは基板34に隠れて見えないが、図面を見易くするため、拡散素子32および第1波長変換素子28を実線で描いている。
【0050】
図6に示すように、基板34の回転軸Rxは、第1集光素子25の光軸C1と第2集光素子27の光軸C2とを結ぶ直線上に配置されている。基板34の第1面34aのうち、回転軸Rxを中心とする径方向において、回転軸Rxから所定の距離離れた環状の領域を第1環状領域D1とし、第1環状領域D1よりも径方向内側に位置する環状の領域を第2環状領域D2とする。すなわち、第1環状領域D1と第2環状領域D2とは、回転軸Rxを中心とする同心円である。また、回転軸Rxを中心とする径方向において、第1環状領域D1と回転軸Rxとの間の距離は、第2環状領域D2と回転軸Rxとの間の距離よりも長い。換言すると、-Z方向から見た平面視において、第2環状領域D2は、回転軸Rxを中心とする全周にわたって第1環状領域D1の内側に設けられている。
【0051】
第1環状領域D1は、第1集光素子25の光軸C1を通り、基板34が回転する際に、第1偏光分離素子22から射出され、第2位相差素子24および第1集光素子25を介して基板34に入射する青色光BLc1が照射される環状の領域である。第2環状領域D2は、第2集光素子27の光軸C2を通り、基板34が回転する際に、第2偏光分離素子23から射出され、第2位相差素子24および第2集光素子27を介して基板34に入射する青色光BLc1が照射される環状の領域である。
【0052】
第1環状領域D1において、拡散素子32と第1波長変換素子28とは、交互に配置されている。本実施形態の場合、第1環状領域D1は、回転軸Rxを中心として所定の中心角を有する4つの分割領域に分割され、4つの分割領域に対して拡散素子32と第1波長変換素子28とが交互に配置されている。同様に、第2環状領域D2は、回転軸Rxを中心として所定の中心角を有する4つの分割領域に分割され、4つの分割領域に対して拡散素子32と第1波長変換素子28とが交互に配置されている。
【0053】
また、回転軸Rxを中心とする径方向において、第1環状領域D1の拡散素子32の径方向内側に、第2環状領域D2の第1波長変換素子28が配置されている。第1環状領域D1の第1波長変換素子28の径方向内側には、第2環状領域D2の拡散素子32が配置されている。すなわち、第1環状領域D1と第2環状領域D2とでは、拡散素子32と第1波長変換素子28とが互い違いに配置されている。なお、本実施形態では、第1環状領域D1および第2環状領域D2のそれぞれが4つの分割領域に分割されているが、第1環状領域D1および第2環状領域D2のそれぞれの分割数は、4に限らず、適宜変更してもよい。
【0054】
この構成により、第1偏光分離素子22から射出される青色光BLc1は、第1環状領域D1において拡散素子32と第1波長変換素子28とに時間的に交互に入射する。第2偏光分離素子23から射出される青色光BLc1は、第2環状領域D2において第1波長変換素子28と拡散素子32とに時間的に交互に入射する。
【0055】
具体的には、図3に示すように、第1偏光分離素子22から射出される青色光BLc1が第1環状領域D1の拡散素子32に入射する第1期間においては、第2偏光分離素子23から射出される青色光BLc1は、第2環状領域D2の第1波長変換素子28に入射する。また、図4に示すように、第1偏光分離素子22から射出される青色光BLc1が第1環状領域D1の第1波長変換素子28に入射する第2期間においては、第2偏光分離素子23から射出される青色光BLc1は、第2環状領域D2の拡散素子32に入射する。
【0056】
拡散素子32は、第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23から-Z方向に沿って入射される青色光BLc1を、第1波長変換素子28から射出される赤色光RLと同等の拡散角となるように拡散させ、拡散した青色光BLc2を+Z方向に射出する。拡散素子32は、例えば表面に凹凸構造が形成された金属層、または内部に気泡等の散乱材を含む透光層で構成される。
【0057】
拡散素子32は、できる限りランバート散乱に近い反射特性を持つことが好ましく、拡散素子32に入射された青色光BLc1を広角に反射する。拡散素子32に入射した青色光BLc1は、拡散素子32で反射することにより、回転方向が反対方向の円偏光である青色光BLc2に変換される。すなわち、右回りの円偏光の青色光BLc1は、拡散素子32によって左回りの円偏光の青色光BLc2に変換される。
【0058】
図3に示すように、第1期間において、第1環状領域D1の拡散素子32から射出された青色光BLc2は、第1集光素子25を+Z方向に通過して平行化された後、第2位相差素子24に入射する。このとき、第1集光素子25から第2位相差素子24に入射される青色光BLc2は、第2位相差素子24によって、P偏光の青色光BLpに変換される。P偏光の青色光BLpは、第1偏光分離素子22を+Z方向に透過し、第1偏光分離素子22から射出される。
【0059】
また、図4に示すように、第2期間において、第2環状領域D2の拡散素子32から射出された青色光BLc2は、第2集光素子27を+Z方向に通過して平行化された後、第2位相差素子24に入射する。このとき、第2集光素子27から第2位相差素子24に入射される青色光BLc2は、第2位相差素子24によって、P偏光の青色光BLpに変換される。P偏光の青色光BLpは、第2偏光分離素子23を+Z方向に透過し、第2偏光分離素子23から射出される。
【0060】
第1波長変換素子28は、青色光BLc1が入射されることによって励起され、第1波長変換素子28に入射した青色光BLc1の波長帯とは異なる波長帯を有する赤色光RLを、光の入射方向とは反対方向に射出する反射型の波長変換素子である。換言すると、第1波長変換素子28は、第1波長変換素子28に入射された光を波長変換し、波長変換された光を光の入射方向とは反対方向に射出する。
本実施形態の赤色光RLは、特許請求の範囲の第2波長帯を有する第2光に対応する。
【0061】
本実施形態では、第1波長変換素子28は、青色光によって励起されて赤色光を射出する赤色蛍光体を含有する。赤色蛍光体として、例えば賦活剤としてPr、Eu、Crのいずれかが分散された(Y1-x,Gd(Al,Ga)12からなるYAG系蛍光体(Pr:YAG,Eu:YAG,Cr:YAGのいずれか)が用いられる。なお、賦活剤は、Pr、Eu、Crから選ばれる一種が含まれていてもよいし、Pr、Eu、Crから選ばれる複数種が含まれた共賦活の賦活剤であってもよい。赤色光RLは、例えば600~800nmの範囲内にピーク波長を含む波長帯を有する非偏光の光である。
【0062】
図3に示すように、第1期間において、第2環状領域D2の第1波長変換素子28から射出された赤色光RLは、+Z方向に沿って第2集光素子27を透過して平行化された後、第2位相差素子24を透過し、第2偏光分離素子23に入射する。+Z方向に沿って第2偏光分離素子23に入射する赤色光RLは、第2偏光分離素子23を+Z方向に透過する。
【0063】
また、図4に示すように、第2期間において、第1環状領域D1の第1波長変換素子28から射出された赤色光RLは、+Z方向に沿って第1集光素子25を透過して平行化された後、第2位相差素子24を透過し、第1偏光分離素子22に入射する。+Z方向に沿って第1偏光分離素子22に入射する赤色光RLは、第1偏光分離素子22を+Z方向に透過する。なお、図3および図4のいずれにおいても、赤色光RLは、非偏光であるため、第2位相差素子24を透過する際に非偏光の状態が変わることはない。
【0064】
すなわち、第1期間においては、青色光BLpが第1偏光分離素子22から+Z方向に射出され、赤色光RLが第2偏光分離素子23から+Z方向に射出される。第2期間においては、赤色光RLが第1偏光分離素子22から+Z方向に射出され、青色光BLpが第2偏光分離素子23から+Z方向に射出される。本実施形態の場合、第1期間および第2期間の長さは、図6に示す基板34が1回転する時間の1/4の長さである。また、第1期間および第2期間は、基板34が回転している間、時間的に交互に繰り返される。このように、青色光BLpと赤色光RLとは、第1偏光分離素子22と第2偏光分離素子23とから交互に入れ替わりながら射出される。
【0065】
[第1光学素子の構成]
図5に示すように、第1光学素子35は、光源部21の第2発光素子214に対して+X方向に配置されている。また、図2に示すように、第1光学素子35は、第1偏光分離素子22に対して-Y方向に配置されている。第1光学素子35には、第2発光素子214から射出される励起光ELsが、+X方向に沿って入射される。また、第1光学素子35には、第2光学素子36から射出されるS偏光の緑色光GLsが、-X方向に沿って入射される。
【0066】
第1光学素子35は、第1光学層351と、第1光学層351を挟んで設けられる2つの第3基材352と、を有する。すなわち、第1光学素子35は、プリズム型の光学素子で構成されている。具体的には、2つの第3基材352の各々は、略直角二等辺三角柱状の形状を有する。2つの第3基材352は、傾斜面同士が対向するように組み合わされ、全体として略直方体状に形成されている。第1光学層351は、2つの第3基材352の傾斜面の間に設けられている。したがって、第1光学層351は、X軸およびZ軸に対して45°傾斜している。言い換えると、第1光学層351は、XY平面およびYZ平面に対して45°傾斜している。
【0067】
第1光学層351は、青色波長帯の光を偏光方向に係わらず透過し、緑色波長帯の光に対しては少なくともS偏光を反射する特性を有する。したがって、第1光学層351は、青色波長帯の光を透過し、緑色波長帯の光を反射するダイクロイックミラーで構成することができる。したがって、第1光学素子35は、光源部21から+X方向に沿って入射される励起光ELsを+X方向に透過し、第2光学素子から-X方向に沿って入射されるS偏光の緑色光GLsを+Z方向に反射する。
【0068】
なお、第1光学素子35は、1枚の基材と、基材の1面または2面に設けられる光学膜と、から構成されていてもよい。すなわち、第1光学素子は、プレート型の光学素子から構成されていてもよい。
【0069】
[第2光学素子の構成]
図5に示すように、第2光学素子36は、第1光学素子35に対して+X方向に配置されている。また、図2に示すように、第2光学素子36は、第2偏光分離素子23に対して-Y方向に配置されている。第2光学素子36には、第1光学素子35から射出される励起光ELsが、+X方向に沿って入射される。また、第2光学素子36には、第2波長変換素子54から射出される緑色光GLが、+Z方向に沿って入射される。
【0070】
第2光学素子36は、第2光学層361と、第2光学層361を挟んで設けられる2つの第4基材362と、を有する。すなわち、第2光学素子36は、プリズム型の光学素子で構成されている。具体的には、2つの第4基材362の各々は、略直角二等辺三角柱状の形状を有する。2つの第4基材362は、傾斜面同士が対向するように組み合わされ、全体として略直方体状に形成されている。第2光学層361は、2つの第4基材362の傾斜面の間に設けられている。したがって、第2光学層361は、X軸およびZ軸に対して45°傾斜している。言い換えると、第2光学層361は、XY平面およびYZ平面に対して45°傾斜している。
【0071】
第2光学層361は、青色波長帯の光に対して少なくともS偏光を反射し、緑色波長帯の光に対してはP偏光を透過し、S偏光を反射する偏光分離特性を有する。したがって、第2光学素子36は、第1光学素子35から+X方向に沿って入射される励起光ELsを-Z方向に反射し、第2波長変換素子54から+Z方向に沿って入射される緑色光GLのうち、P偏光の緑色光GLpを+Z方向に透過し、S偏光の緑色光GLsを-X方向に反射する。
本実施形態のP偏光の緑色光GLpは、第1偏光方向に偏光する第3光に対応する。本実施形態のS偏光の緑色光GLsは、第2偏光方向に偏光する第3光に対応する。
【0072】
なお、第2光学素子36は、1枚の基材と、基材の1面または2面に設けられる光学膜と、から構成されていてもよい。すなわち、第2光学素子は、プレート型の光学素子から構成されていてもよい。
【0073】
[第3集光素子の構成]
第3集光素子53は、第2光学素子36に対して-Z方向に配置されている。第3集光素子53は、第2光学素子36から入射される励起光ELsを第2波長変換素子54上に集束させる。また、第3集光素子53は、第2波長変換素子54から射出される緑色光GLを平行化し、第2光学素子36に向けて射出する。本実施形態では、第3集光素子53は、第1レンズ531と、第2レンズ532と、の2枚の凸レンズから構成されている。なお、第3集光素子53を構成するレンズの数は、特に限定されない。
【0074】
[第2波長変換素子の構成]
第2波長変換素子54は、第3集光素子53に対して-Z方向に配置されている。すなわち、第2波長変換素子54は、第2光学素子36に対して-Z方向に配置されている。第2波長変換素子54は、励起光ELsが入射されることによって励起され、励起光ELsの波長帯とは異なる波長帯を有する光を、励起光ELsの入射方向とは反対方向に射出する反射型の波長変換素子で構成されている。換言すると、第2波長変換素子54は、入射された励起光ELsを波長変換し、波長変換された緑色光GLを励起光ELsの入射方向とは反対方向に射出する。
【0075】
第2波長変換素子54は、青色波長帯を有する光によって励起されて緑色光を射出する緑色蛍光体を含有している。具体的には、第2波長変換素子54は、例えばLuAl12:Ce3+系蛍光体、Y:Eu2+系蛍光体、(Ba,Sr)SiO:Eu2+系蛍光体、BaSi12:Eu2+系蛍光体、(Si,Al)(O,N):Eu2+系蛍光体等の蛍光体材料を含んでいる。第2波長変換素子54から射出される緑色光GLは、例えば500~570nmの範囲内にピーク波長を有する非偏光の緑色光である。
本実施形態の緑色光GLは、特許請求の範囲の第3波長帯を有する第3光に対応する。
【0076】
第2波長変換素子54から射出された緑色光GLは、+Z方向に沿って第3集光素子53を透過して平行化された後、第2光学素子36に入射する。本実施形態では、第2波長変換素子54として、固定型の波長変換素子が用いられているが、この構成に代えて、Z軸に平行な回転軸を中心として第2波長変換素子54を回転させる回転装置を備える回転型の波長変換素子が用いられてもよい。この場合、第2波長変換素子54の温度上昇が抑えられ、波長変換効率を高めることができる。
【0077】
上述したように、第2光学素子36の第2光学層361は、緑色波長帯の光に対する偏光分離特性を有する。このため、第2光学素子36に入射した非偏光の緑色光GLのうち、S偏光の緑色光GLsは、第2光学層361によって-X方向に反射され、第1光学素子35に入射される。上述したように、第1光学素子35の第1光学層351は、緑色波長帯の光に対して少なくともS偏光を反射する特性を有する。このため、第1光学素子35に-X方向に沿って入射された緑色光GLsは、第1光学層351によって+Z方向に反射され、第1光学素子35から射出される。
【0078】
一方、第2光学素子36に入射した非偏光の緑色光GLのうち、P偏光の緑色光GLpは、第2光学層361を+Z方向に透過して、第2光学素子36から射出される。
【0079】
[第4位相差素子の構成]
第4位相差素子30は、第1光学素子35に対して+Z方向に配置されている。換言すると、第4位相差素子30は、第1光学素子35から射出される緑色光GLsの光路上に配置されている。第4位相差素子30は、緑色光GLsが有する緑色波長帯に対する1/2波長板で構成されている。第4位相差素子30は、第1光学素子35から射出されるS偏光の緑色光GLsをP偏光の緑色光GLpに変換する。第4位相差素子30によってP偏光に変換された緑色光GLpは、光源装置2から+Z方向に射出される。
【0080】
以上の構成により、本実施形態の光源装置2においては、赤色光RL、青色光BLp、緑色光GLp、および緑色光GLpからなる4つの色光が空間的に分離され、互いに異なる位置から射出され、均一化装置4に入射される。具体的には、図3および図4に示すように、XY平面内において、赤色光RLは、-X方向で+Y方向の位置、または+X方向で+Y方向の位置から時間的に交互に射出される。青色光BLpは、+X方向で+Y方向の位置、または-X方向で+Y方向の位置から時間的に交互に射出される。図5に示すように、2つの緑色光GLpは、-X方向で-Y方向の位置、および+X方向で-Y方向の位置から常時射出される。
【0081】
[均一化装置の構成]
図1に示すように、均一化装置4は、光源装置2から射出された光が照射される光変調装置6の画像形成領域における照度を均一化する。均一化装置4は、第1マルチレンズ41と、第2マルチレンズ42と、重畳レンズ43と、を有する。
【0082】
第1マルチレンズ41は、光源装置2から入射される光Lの中心軸、すなわち、照明光軸Axに直交する面内にマトリクス状に配列された複数のレンズ411を有する。第1マルチレンズ41は、複数のレンズ411によって光源装置2から入射される光を複数の部分光束に分割する。
【0083】
図7は、-Z方向から見た第1マルチレンズ41における各色光の入射位置を示す模式図である。
図7に示すように、光源装置2から射出された青色光BLp、赤色光RL、緑色光GLp、および緑色光GLpは、第1マルチレンズ41に入射される。第1期間において、光源装置2における-X方向で+Y方向の位置から射出された青色光BLpは、第1マルチレンズ41における-X方向で+Y方向の領域A1に含まれる複数のレンズ411に入射される。また、第1期間において、光源装置2における+X方向で+Y方向の位置から射出された赤色光RLは、第1マルチレンズ41における+X方向で+Y方向の領域A2に含まれる複数のレンズ411に入射される。第2期間においては、青色光BLpの入射位置と赤色光RLの入射位置とが、上記第1期間の入射位置から互いに入れ替わる。
【0084】
また、光源装置2における-X方向で-Y方向の位置から射出された緑色光GLpは、第1マルチレンズ41における-X方向で-Y方向の領域A3に含まれる複数のレンズ411に入射される。光源装置2における+X方向で-Y方向の位置から射出された緑色光GLpは、第1マルチレンズ41における+X方向で-Y方向の領域A4に含まれる複数のレンズ411に入射される。各レンズ411に入射された各色光は、複数の部分光束に変換され、第2マルチレンズ42においてレンズ411に対応するレンズ421に入射する。
【0085】
図1に示すように、第2マルチレンズ42は、照明光軸Axに直交する面内にマトリクス状に配列されるとともに、第1マルチレンズ41の複数のレンズ411に対応した複数のレンズ421を有する。各レンズ421には、当該レンズ421に対向するレンズ411から射出された部分光束が入射される。各レンズ421は、部分光束を重畳レンズ43に入射させる。
【0086】
重畳レンズ43は、第2マルチレンズ42から入射される複数の部分光束を光変調装置6の画像形成領域において重畳させる。詳述すると、各々が複数の部分光束に分割された青色光BLp、赤色光RL、緑色光GLp、および緑色光GLpは、第2マルチレンズ42と重畳レンズ43とによって、フィールドレンズ5を介して、光変調装置6の後述するマイクロレンズアレイ62を構成する複数のマイクロレンズ621の各々に異なる角度で入射する。
【0087】
また、第2マルチレンズ42と重畳レンズ43との間には、偏光変換素子8が設けられている。偏光変換素子8は、照明光軸Axに対して+Y方向に配置されている。換言すると、偏光変換素子8は、光源装置2から射出される青色光BLp、赤色光RL、緑色光GLp、および緑色光GLpのうち、青色光BLpおよび赤色光RLの光路上に配置されている。光源装置2から射出される4つの光束のうち、赤色光RLを除く3つの光束はP偏光であり、赤色光RLは非偏光である。そのため、偏光変換素子8を青色光BLpおよび赤色光RLの光路上に設けることによって、赤色光RLも、他の色光と同じP偏光に揃えることができる。
【0088】
[光変調装置の構成]
図1に示すように、光変調装置6は、光源装置2から射出された光を変調する。詳述すると、光変調装置6は、光源装置2から射出されて均一化装置4およびフィールドレンズ5を介して入射される各色光を画像情報に応じてそれぞれ変調し、画像情報に応じた画像光を形成する。光変調装置6は、1つの液晶パネル61と、1つのマイクロレンズアレイ62と、を備える。
【0089】
[液晶パネルの構成]
図8は、-Z方向から見た光変調装置6の一部を拡大視した模式図である。換言すると、図8は、液晶パネル61が有する画素PXと、マイクロレンズアレイ62が有するマイクロレンズ621と、の対応関係を示している。
図8に示すように、液晶パネル61は、照明光軸Ax(Z軸)に直交する面内にマトリクス状に配列された複数の画素PXを有する。
【0090】
1つの画素PXは、互いに異なる色の色光を変調する複数のサブ画素SXを有する。本実施形態では、各画素PXは、4つのサブ画素SX(SX1~SX4)を有する。具体的に、1つの画素PX内において、-X方向で+Y方向の位置に、第1サブ画素SX1が配置されている。-X方向で-Y方向の位置に、第2サブ画素SX2が配置されている。+X方向で+Y方向の位置に、第3サブ画素SX3が配置されている。+X方向で-Y方向の位置に、第4サブ画素SX4が配置されている。
【0091】
[マイクロレンズアレイの構成]
図1に示すように、マイクロレンズアレイ62は、液晶パネル61に対して光入射側である-Z方向に設けられている。マイクロレンズアレイ62は、マイクロレンズアレイ62に入射される複数の色光を個々の画素PXに導く。マイクロレンズアレイ62は、複数の画素PXに対応する複数のマイクロレンズ621を有する。
【0092】
図8に示すように、複数のマイクロレンズ621は、照明光軸Axに直交する面内にマトリクス状に配列されている。換言すると、複数のマイクロレンズ621は、フィールドレンズ5から入射される光の中心軸に対する直交面内にマトリクス状に配列されている。本実施形態では、1つのマイクロレンズ621は、+X方向に配列された2つのサブ画素と、+Y方向に配列された2つのサブ画素と、に対応して設けられている。すなわち、1つのマイクロレンズ621は、XY平面内に2行2列に配列された4つのサブ画素SX1~SX4に対応して設けられている。
【0093】
マイクロレンズ621には、均一化装置4によって重畳された青色光BLp、赤色光RLp、緑色光GLp、および緑色光GLpがそれぞれ異なる角度で入射される。マイクロレンズ621は、マイクロレンズ621に入射される色光を、当該色光に対応するサブ画素SXに入射させる。
【0094】
具体的には、マイクロレンズ621は、第1期間において、当該マイクロレンズ621に対応する画素PXの4個のサブ画素SXのうち、第1サブ画素SX1に青色光BLpを入射させ、第2サブ画素SX2に赤色光RLpを入射させ、第3サブ画素SX3に緑色光GLpを入射させ、第4サブ画素SX4に緑色光GLpを入射させる。また、マイクロレンズ621は、第2期間においては、当該マイクロレンズ621に対応する画素PXの4個のサブ画素SXのうち、第1サブ画素SX1に赤色光RLpを入射させ、第2サブ画素SX2に青色光BLpを入射させ、第3サブ画素SX3に緑色光GLpを入射させ、第4サブ画素SX4に緑色光GLpを入射させる。
【0095】
これにより、各サブ画素SX1~SX4に、当該サブ画素SX1~SX4に対応する色光が入射され、各サブ画素SX1~SX4によって対応する色光がそれぞれ変調される。このとき、光変換装置31によって、青色光BLpが第1サブ画素SX1に入射し、赤色光RLpが第2サブ画素SX2に入射する第1期間と、青色光BLpが第2サブ画素SX2に入射し、赤色光RLpが第1サブ画素SX1に入射する第2期間と、が時間的に切り替えられる。このように、液晶パネル61によって変調された画像光は、投射光学装置7によって図示しないスクリーン等の被投射面上に投射される。
【0096】
なお、本実施形態のプロジェクター1においては、第1サブ画素SX1および第2サブ画素SX2に入射する光が時間的に切り替わるため、液晶パネル61の第1サブ画素SX1および第2サブ画素SX2に供給する画像信号を、第1サブ画素SX1および第2サブ画素SX2に入射する光の切り替えに連動させて時間的に切り替える。
【0097】
[第1実施形態の効果]
特許文献1に記載された従来のプロジェクターにおいては、光源としてランプが用いられている。ランプから射出される光は偏光方向が揃っていないため、光変調装置として液晶パネルを用いるためには、偏光方向を揃えるための偏光変換手段が必要となる。プロジェクターには、マルチレンズアレイと偏光分離素子(PBS)アレイとを備える偏光変換手段が一般的に用いられている。ところが、プロジェクターを小型化するために、ピッチが狭いマルチレンズアレイとPBSアレイとが必要となるが、ピッチが狭いPBSアレイの作製は非常に困難である。
【0098】
この問題に対して、本実施形態の光源装置2は、青色波長帯を有し、P偏光の青色光BLpとS偏光の青色光BLsとを含む光を射出する光源部21と、光源部21から+X方向に沿って入射されるP偏光の青色光BLpを+X方向に透過し、S偏光の青色光BLsを-Z方向に反射する第1偏光分離素子22と、第1偏光分離素子22に対して+X方向に配置され、第1偏光分離素子22から+X方向に沿って入射されるP偏光の青色光BLpをS偏光の青色光BLsに変換する第1位相差素子37と、第1位相差素子37に対して+X方向に配置され、第1位相差素子37から+X方向に沿って入射されるS偏光の青色光BLsを-Z方向に反射する第2偏光分離素子23と、第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23から-Z方向に沿ってS偏光の青色光BLsが入射される第2位相差素子24と、第2位相差素子24から-Z方向に沿って入射される青色光BLc1を拡散させて+Z方向に射出する拡散素子32と、第2位相差素子24から-Z方向に沿って入射される青色光BLc1を波長変換して青色波長帯とは異なる赤色波長帯を有する赤色光RLを+Z方向に射出する第1波長変換素子28と、青色光BLc1の進行方向に沿う回転軸Rxを中心として回転する基板34と、を有する光変換装置31と、を備え、拡散素子32と第1波長変換素子28とは、基板34の第1面34aにおける回転軸Rxを中心とする同一円周上に並んで設けられ、第2位相差素子24は、第1偏光分離素子22と基板34との間に設けられ、第2位相差素子24は、第2偏光分離素子23と基板34との間に設けられ、第1偏光分離素子22は、拡散素子32から+Z方向に沿って入射される青色光BLpを+Z方向に透過し、第1波長変換素子28から+Z方向に沿って入射される赤色光RLを+Z方向に透過し、第2偏光分離素子23は、拡散素子32から+Z方向に沿って入射される青色光BLpを+Z方向に透過し、第1波長変換素子28から+Z方向に沿って入射される赤色光RLを+Z方向に透過する。
【0099】
また、本実施形態の光源装置2は、第1偏光分離素子22に対して-Y方向に配置され、光源部21から+X方向に沿って入射される励起光ELsを+X方向に透過する第1光学素子35と、第1光学素子35に対して+X方向に配置され、第1光学素子35から+X方向に沿って入射される励起光ELsを-Z方向に反射する第2光学素子36と、第2光学素子36に対して-Z方向に配置され、第2光学素子36から入射される励起光ELsを波長変換して緑色波長帯を有する緑色光GLを+Z方向に射出する第2波長変換素子54と、をさらに備え、第2光学素子36は、第2波長変換素子54から+Z方向に沿って緑色光GLが入射され、P偏光の緑色光GLpを+Z方向に透過し、S偏光の緑色光GLsを-X方向に反射し、第1光学素子35は、第2光学素子36から-X方向に沿って入射されるS偏光の緑色光GLsを+Z方向に反射する。
【0100】
本実施形態においては、青色光BLp、赤色光RL、緑色光GLp、および緑色光GLpの4つの色光が光変調装置6に入射する。この構成によれば、上記のようなピッチが狭い偏光変換素子を用いることなく、空間的に分離された複数の色光を射出可能な光源装置2を実現することができる。これにより、光源装置2の小型化が可能となり、ひいては、プロジェクター1の小型化を図ることができる。
【0101】
また、一般に単板方式のプロジェクターにおいては、赤色光、緑色光、および青色光のそれぞれを変調する3枚の液晶パネルを備えたプロジェクターに比べて、液晶パネルの各画素に照射される光のエネルギー密度が高くなる。特に青色光は、赤色光および緑色光に比べて、当該青色光が照射されるサブ画素において光照射による大きなダメージを及ぼす。そのため、液晶パネルの当該サブ画素がダメージを受け、液晶パネルの信頼性が低下するおそれがある。
【0102】
この問題に対して、本実施形態のプロジェクター1は、光変調装置6の画素PXを構成する4つのサブ画素SXのうち、第1サブ画素SX1および第2サブ画素SX2に対して、青色光BLpと赤色光RLとが時間的に交互に入れ替わって入射する構成を有しているため、1つのサブ画素SXに対して青色光が連続的に入射することがない。これにより、青色光が特定のサブ画素SXに連続的に照射されることによる液晶パネル61のダメージが抑えられ、液晶パネル61の信頼性を向上させることができる。
【0103】
また、本実施形態の光源装置2においては、拡散素子32と第1波長変換素子28とが基板34の第1面34aにおける回転軸Rxを中心とする同一円周上に並んで設けられている。そのため、青色光BLpと赤色光RLとを時間的に交互に無駄なく射出させることができる。これにより、各色光の利用効率を高めることができる。
【0104】
また、XY平面内において空間的に離れた位置に4つの色光を射出できる光源装置を検討する際、本実施形態と同様の光源部を用いることを前提とした上で、例えば第1偏光分離素子および第2偏光分離素子からなる2つの偏光分離素子を+X方向に順次配置し、第1偏光分離素子に対して-Z方向に拡散素子を配置し、第2偏光分離素子に対して-Z方向に波長変換素子を配置し、拡散素子および波長変換素子から得られる4つの色光を+Z方向に射出させる構成を採用することも考えられる。以下、この光源装置を比較例の光源装置と称する。
【0105】
比較例の光源装置においては、第1偏光分離素子で-Z方向に反射したS偏光の青色光を拡散素子に入射させ、第1偏光分離素子を+X方向に透過したP偏光の青色光を第2偏光分離素子で-Z方向に反射させて波長変換素子に入射させる必要がある。すなわち、P偏光の青色光を第1偏光分離素子では透過させる一方、第2偏光分離素子では反射させる必要がある。
【0106】
しかしながら、偏光分離素子で用いる偏光分離膜は、S偏光を反射させ、P偏光を透過させる特性を有することが一般的である。したがって、比較例の光源装置を実現する場合、P偏光の青色光を反射させる第2偏光分離素子を作製することが難しい。具体的には、上記の特性を実現するためには、第2偏光分離素子の偏光分離膜を構成する誘電体多層膜の層数を極めて多くする必要があり、誘電体多層膜の成膜が困難である。また、層数が非常に多い誘電体多層膜は、光の吸収が多いため、光の損失が発生する、という問題もある。
【0107】
この問題に対し、本実施形態の光源装置2は、第1偏光分離素子22と第2偏光分離素子23との間に、青色波長帯に対する1/2波長板から構成される第1位相差素子37を備えている。そのため、第1偏光分離素子22から射出されるP偏光の青色光BLpは、第1位相差素子37によってS偏光の青色光BLsに変換された後、第2偏光分離素子23で反射し、光変換装置31に入射する。
【0108】
このように、本実施形態の光源装置2においては、第1偏光分離素子22、第2偏光分離素子23を構成する誘電体多層膜は、P偏光を反射させる、S偏光を透過させる等の特殊な特性が要求されないため、成膜が容易である。具体的には、誘電体多層膜の層数を少なくすることができるため、製造コストの低減および歩留まりの向上を図ることができる。また、光分離特性に優れた第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23を作製することができる。このように、本実施形態の光源装置2によれば、比較例の光源装置が有する上記の問題を解消することができる。
【0109】
また、本実施形態の光源装置2は、第1偏光分離素子22と光変換装置31の基板34との間、および第2偏光分離素子23と光変換装置31の基板34との間に、-Z方向に沿ってS偏光の青色光BLsが入射される第2位相差素子24をさらに備えている。
【0110】
この構成によれば、第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23から射出されたS偏光の青色光BLsを第2位相差素子24によって円偏光の青色光BLc1に変換した後、拡散素子32から射出された円偏光の青色光BLc2を第2位相差素子24によってP偏光の青色光BLpに変換し、第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23を透過させることができる。これにより、拡散素子32から射出された青色光BLc2の利用効率を高めることができる。
【0111】
また、本実施形態の光源装置2において、光源部21は、青色波長帯を有する青色光BLsを射出する第1発光素子211と、励起波長帯を有する励起光ELsを射出する第2発光素子214と、を有している。
【0112】
この構成によれば、第1発光素子211から射出される青色光BLsの一部は、光源装置2から射出される光Lを構成する1つの色光として寄与し、青色光BLsの他の一部は、第1波長変換素子28を励起させるための励起光として寄与する。また、第2発光素子214から射出される励起光ELsは、第2波長変換素子54を励起させるための励起光として寄与する。したがって、本実施形態のように、第1波長変換素子用の励起光を発する第1発光素子211と、第2波長変換素子用の励起光を発する第2発光素子214と、が別個に設けられることにより、各波長変換層の蛍光体を励起させるために最適な波長帯を有する発光素子を適宜選択することができる。
【0113】
なお、青色光BLsの青色波長帯と励起光ELsの励起波長帯とが同一の波長帯である場合には、第1発光素子211と第2発光素子214とで同一仕様の半導体レーザーを用いることができる。これにより、光源装置2の構成を簡略化することができる。
【0114】
また、本実施形態の光源装置2において、光源部21は、青色波長帯を有する青色光BLsを射出する第1発光素子211と、第1発光素子211から射出される青色光BLsが入射され、S偏光の青色光BLsとP偏光の青色光BLpとを含む青色光を射出する第3位相差素子2131と、を有する。
【0115】
この構成によれば、P偏光の青色光BLpとS偏光の青色光BLsとを第1偏光分離素子22に確実に入射させることができる。さらに、この構成によれば、複数の発光素子211から射出される光の偏光方向が同じでよいため、同一の固体光源を同一の向きに配置すればよく、光源部21の構成を簡単にすることができる。
【0116】
また、本実施形態の光源装置2において、第3位相差素子2131は、第3位相差素子2131に入射する青色光BLsの進行方向に沿う回転軸を中心として回転可能とされている。
【0117】
この構成によれば、第3位相差素子2131の回転角を調整することによって、第1偏光分離素子22に入射される青色光BLsの光量と青色光BLpの光量との割合を調整することができる。
【0118】
本実施形態のプロジェクター1は、本実施形態の光源装置2と、光源装置2からの光を画像情報に応じて変調する光変調装置6と、光変調装置6により変調された光を投射する投射光学装置7と、を備えている。
【0119】
この構成によれば、小型で光利用効率に優れる単板方式のプロジェクター1を実現することができる。
【0120】
また、本実施形態のプロジェクター1は、光源装置2と光変調装置6との間に位置する均一化装置4を備えている。
【0121】
この構成によれば、光源装置2から射出される青色光BLp、赤色光RL、緑色光GLpおよび、緑色光GLpによって光変調装置6を略均一に照明することができる。これにより、投射画像の色むらおよび輝度むらを抑制することができる。
【0122】
また、本実施形態のプロジェクター1においては、光変調装置6が複数の画素PXに対応する複数のマイクロレンズ621を有するマイクロレンズアレイ62を備えている。
【0123】
この構成によれば、光変調装置6に入射される4色の色光を、マイクロレンズ621によって液晶パネル61の対応する4つのサブ画素SXに入射させることができる。これにより、光源装置2から射出された各色光を各サブ画素SXに効率良く入射させることができ、各色光の利用効率を高めることができる。
【0124】
本実施形態のプロジェクター1は、光源装置2と、光源装置2からの光を画像情報に応じて変調する光変調装置6と、を備え、光変調装置6は、複数の画素PXを有する液晶パネル61を有し、複数の画素PXのそれぞれは、第1サブ画素SX1と、第2サブ画素SX2と、を少なくとも有し、光源装置2は、青色波長帯を有する青色光BLpを射出し、赤色波長帯を有する赤色光RLを射出し、青色光BLpが第1サブ画素SX1に入射し、赤色光RLが第2サブ画素SX2に入射する第1期間と、青色光BLpが第2サブ画素SX2に入射し、赤色光RLが第1サブ画素SX1に入射する第2期間と、を時間的に切り替える光変換装置31を有する。
なお、本実施形態のプロジェクターは、特許請求の範囲の表示装置に対応する。本実施形態の光変換装置31は、特許請求の範囲の切替部に対応する。
【0125】
この構成によれば、1つのサブ画素SXに対して青色光が連続的に入射することがないため、青色光が特定のサブ画素SXに連続的に照射されることによる液晶パネル61のダメージが抑えられ、液晶パネル61の信頼性を向上させることができる。
【0126】
[変形例]
本実施形態の光源装置2は、以下の構成を有していてもよい。
図9は、変形例の光源装置13において、+Z方向から見た光変換装置71の正面図である。なお、図9において、上記実施形態で用いた図6と共通の構成要素には同一の符号を付す。また、図9において、-Z方向から見た光変換装置71を見たとき、実際には拡散素子32と第1波長変換素子28とは基板34に隠れて見えないが、図面を見易くするため、拡散素子32および第1波長変換素子28を実線で描いている。
【0127】
上記実施形態においては、図6に示すように、基板34の回転軸Rxは、第1集光素子25の光軸C1と第2集光素子27の光軸C2とを結ぶ直線上に配置されていた。これに対して、本変形例の光源装置13においては、図9に示すように、基板34の回転軸Rxは、第1集光素子25の光軸C1と第2集光素子27の光軸C2とを結ぶ直線よりも+Y方向にずれた位置に配置されている。また、第1環状領域D1における拡散素子32と第1波長変換素子28との境界の位置と、第2環状領域D2における拡散素子32と第1波長変換素子28との境界の位置とは、回転軸Rxを中心として周方向にずれている。
【0128】
変形例の光源装置13においても、青色光BLpと赤色光RLとを時間的に交互に入れ替えつつ射出することができる。
【0129】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図10を用いて説明する。
第2実施形態の光源装置およびプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、波長変換素子の構成が第1実施形態と異なる。そのため、本実施形態では、光源装置およびプロジェクターの全体説明は省略する。
図10は、第2実施形態の光源装置14において、+Z方向から見た光変換装置72の正面図である。
図10において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図10において、-Z方向から見た光変換装置72を見たとき、実際には拡散素子32、第1波長変換素子28、および第2波長変換素子73は基板34に隠れて見えないが、図面を見易くするため、拡散素子32、第1波長変換素子28、および第2波長変換素子73を実線で描いている。
【0130】
第1実施形態において、拡散素子32と第1波長変換素子28とは、基板34上に設けられ、第2波長変換素子54は、基板34とは別個に設けられていた。これに対して、本実施形態においては、第2波長変換素子73は、拡散素子32および第1波長変換素子28とともに基板34上に設けられている。
【0131】
図10に示すように、本実施形態の光変換装置72において、基板34の第1面34aのうち、回転軸Rxを中心とする径方向において回転軸Rxから所定の距離離れた環状の領域を第1環状領域D1とし、第1環状領域D1よりも径方向内側に位置する環状の領域を第2環状領域D2とし、第1環状領域D1よりも径方向外側に位置する環状の領域を第3環状領域D3とする。すなわち、第1環状領域D1と第2環状領域D2と第3環状領域D3とは、回転軸Rxを中心とする同心円である。また、回転軸Rxを中心とする径方向において、第1環状領域D1と回転軸Rxとの間の距離は、第2環状領域D2と回転軸Rxとの間の距離よりも長い。また、第3環状領域D3と回転軸Rxとの間の距離は、第1環状領域D1と回転軸Rxとの間の距離よりも長い。換言すると、-Z方向から見た平面視において、第2環状領域D2は、回転軸Rxを中心とする全周にわたって第1環状領域D1の内側に設けられている。第1環状領域D1は、回転軸Rxを中心とする全周にわたって第3環状領域D3の内側に設けられている。
【0132】
第1環状領域D1は、第1集光素子25の光軸C1を通り、基板34が回転する際に、第1偏光分離素子22から射出され、第2位相差素子24および第1集光素子25を介して基板34に入射する青色光BLc1が照射される環状の領域である。また、第2環状領域D2は、第2集光素子27の光軸C2を通り、基板34が回転する際に、第2偏光分離素子23から射出され、第2位相差素子24および第2集光素子27を介して基板34に入射する青色光BLc1が照射される環状の領域である。また、第3環状領域D3は、第3集光素子53の光軸C3を通り、基板34が回転する際に、第2光学素子36から射出され、第3集光素子53を介して基板34に入射する励起光ELsが照射される環状の領域である。
【0133】
第1環状領域D1および第2環状領域D2の構成は、第1実施形態と略同様である。すなわち、第1環状領域D1において、拡散素子32と第1波長変換素子28とは、回転軸Rxを中心とする周方向に沿って交互に配置されている。第2環状領域D2において、拡散素子32と第1波長変換素子28とは、回転軸Rxを中心とする周方向に沿って交互に配置されている。また、第3環状領域D3には、回転軸Rxを中心とする周方向に沿う全周にわたって、第2波長変換素子55が設けられている。第2波長変換素子55は、第1実施形態の第2波長変換素子54と同様、励起光ELsを波長変換して緑色光GLを射出する緑色蛍光体を含んでいる。すなわち、回転軸Rxを中心とする径方向において、第2波長変換素子55と回転軸Rxとの間の距離は、拡散素子32および第1波長変換素子28と回転軸Rxとの間の距離よりも長い。
光源装置14のその他の構成は、第1実施形態の光源装置2の構成と同様である。
【0134】
上記の構成により、第1偏光分離素子22から射出される青色光BLc1は、第1環状領域D1において拡散素子32と第1波長変換素子28とに時間的に交互に入射する。第2偏光分離素子23から射出される青色光BLc1は、第2環状領域D2において第1波長変換素子28と拡散素子32とに時間的に交互に入射する。第2光学素子36から射出される励起光ELsは、第3環状領域D3の第2波長変換素子55に常時入射する。
【0135】
[第2実施形態の効果]
本実施形態においても、ピッチが狭い偏光変換素子を用いることなく、偏光方向が揃えられた複数の色光を射出可能な光源装置14を実現できる、光源装置14およびプロジェクター1の小型化が図れる、光変調装置6を構成する液晶パネル61の信頼性を向上させることができる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0136】
また、本実施形態の光源装置14において、第2波長変換素子55は、基板34の第1面34aに設けられ、回転軸Rxを中心とする径方向において、第2波長変換素子55と回転軸Rxとの間の距離は、拡散素子32および第1波長変換素子28と回転軸Rxとの間の距離よりも長い。
【0137】
この構成によれば、光変換装置72とは別体の第2波長変換素子を設ける必要がないため、光源装置14の構成を簡略化することができる。また、第2波長変換素子55が基板34上に環状に形成され、励起光ELsの照射位置が第2波長変換素子55上を移動するため、第2波長変換素子55の温度上昇が抑えられ、第2波長変換素子55の波長変換効率および信頼性を向上させることができる。
【0138】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図11図16を用いて説明する。
第3実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、光源装置の構成が第1実施形態と異なる。そのため、本実施形態では、プロジェクターの全体説明は省略する。
図11は、本実施形態の光源装置15の斜視図である。図12は、+Y方向から見た光源装置15の平面図であり、第1期間における光の振る舞いを示す。図13は、+Y方向から見た光源装置15の平面図であり、第2期間における光の振る舞いを示す。図14は、-Z方向から見た光変換装置65の正面図である。図15は、-X方向から見た光源装置15の側面図であり、第1期間における光の振る舞いを示す。図16は、+X方向から見た光源装置15の側面図であり、第1期間における光の振る舞いを示す。
図11図16において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。なお、図14において、-Z方向から見た光変換装置65を見たとき、実際には拡散素子75、第1波長変換素子76、および第2波長変換素子77は基板34に隠れて見えないが、図面を見易くするため、拡散素子75、第1波長変換素子76、および第2波長変換素子77を実線で描いている。
【0139】
図11に示すように、本実施形態の光源装置15は、空間的に互いに異なる位置から射出される赤色光RL、青色光BLp、緑色光GL1、および緑色光GL0の4本の光束からなる光Lを射出する。
【0140】
図11図16に示すように、光源装置15は、光源部20と、第1偏光分離素子63と、第1位相差素子37と、第2偏光分離素子64と、第2位相差素子24と、第1集光素子25と、第2集光素子27と、光変換装置65と、第1色分離素子29と、第2色分離素子33と、を備える。
【0141】
本実施形態のP偏光は、特許請求の範囲の第1偏光方向に偏光する光に相当する。本実施形態のS偏光は、特許請求の範囲の第2偏光方向に偏光する光に相当する。また、後述するように、第1偏光分離素子63および第2偏光分離素子64と、第1色分離素子29および第2色分離素子33とでは、偏光または色光を分離する膜の向きが異なっている。したがって、本実施形態におけるP偏光およびS偏光という表記は、第1偏光分離素子63および第2偏光分離素子64に対する偏光方向で表しており、第1色分離素子29および第2色分離素子33に対する偏光方向としては逆になる。
【0142】
すなわち、第1偏光分離素子63および第2偏光分離素子64に対するP偏光は、第1色分離素子29および第2色分離素子33に対するS偏光である。第1偏光分離素子63および第2偏光分離素子64に対するS偏光は、第1色分離素子29および第2色分離素子33に対するP偏光である。ただし、偏光が入射する素子に応じて一つの光の名称を変えると、説明が混乱するおそれがあるため、以下では、P偏光およびS偏光を、これらの偏光が入射する素子によって偏光の名称を変えることなく、第1偏光分離素子63および第2偏光分離素子64に対する偏光方向として表記する。
また、各図面においては、P偏光を破線の矢印で示し、S偏光を実線の矢印で示し、P偏光およびS偏光以外の偏光状態の光を1点鎖線の矢印で示す。
【0143】
[光源部の構成]
光源部20は、第1偏光分離素子63に入射される青色光BLs,BLsを+X方向に沿って射出する。光源部20は、複数の第1発光素子211と、複数の第1コリメーターレンズ212と、回転位相差装置213と、を有する。すなわち、本実施形態の光源部20は、第2波長変換素子54を励起させる励起光を射出する第2発光素子214を有していない。
【0144】
第1発光素子211、第1コリメーターレンズ212、および回転位相差装置213の構成は、第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態においては、後述するように、第1波長変換素子76に含まれる蛍光体は、第1実施形態における第1波長変換素子28の蛍光体とは異なる。したがって、本実施形態で用いられる蛍光体に合わせて、第1発光素子211から射出される光の波長帯を、第1実施形態における第1発光素子211から射出される光の波長帯とは異ならせてもよい。
【0145】
[第1偏光分離素子の構成]
第1偏光分離素子63は、光源部20の第1発光素子211に対して+X方向に配置されている。第1偏光分離素子63には、光源部20から射出されるS偏光の青色光BLsとP偏光の青色光BLpとを含む青色光が、+X方向に沿って入射される。また、第1偏光分離素子63には、光変換装置65の拡散素子75から射出される青色光BLpと、第2波長変換素子77から射出される緑色光GL0と、第1波長変換素子76から射出される黄色光YLとが、+Z方向に沿って入射される。
【0146】
第1偏光分離素子63の基本構成は、第1実施形態の第1偏光分離素子22の基本構成と同様である。第1偏光分離素子63は、第1偏光分離層631と、第1基材632と、を有する。ただし、第1偏光分離素子63に入射する光の波長帯の違いに伴って、第1偏光分離層631の特性は、第1実施形態における第1偏光分離層221の特性とは異なる。すなわち、第1偏光分離層631は、青色波長帯の光に対してP偏光を透過し、S偏光を反射する偏光分離特性を有し、緑色波長帯と赤色波長帯とを含む波長帯の光を偏光方向に係わらず透過する特性を有する。
【0147】
したがって、第1偏光分離素子63は、光源部20から+X方向に沿って入射されるP偏光の青色光BLpを+X方向に透過し、光源部20から+X方向に沿って入射されるS偏光の青色光BLsを+X方向と交差する-Z方向に反射する。また、第1偏光分離素子63は、光変換装置65の拡散素子75から+Z方向に沿って入射される青色光BLpを+Z方向に透過し、第2波長変換素子77から+Z方向に沿って入射される緑色光GLを+Z方向に透過し、第1波長変換素子76から+Z方向に沿って入射される黄色光YLを+Z方向に透過する。
【0148】
なお、第1偏光分離素子63は、1枚の基材と、基材の1面または2面に設けられる光学膜と、から構成されていてもよい。すなわち、第1偏光分離素子63は、プレート型の偏光分離素子から構成されていてもよい。
【0149】
[第2偏光分離素子の構成]
第2偏光分離素子64は、第1位相差素子37に対して+X方向に配置されている。第2偏光分離素子64には、第1位相差素子37から射出されるS偏光の青色光BLsが、+X方向に沿って入射される。また、第2偏光分離素子64には、光変換装置65の拡散素子75から射出される青色光BLpと、第2波長変換素子77から射出される緑色光GL0と、第1波長変換素子76から射出される黄色光YLとが、+Z方向に沿って入射される。
【0150】
第2偏光分離素子64の基本構成は、第1実施形態の第2偏光分離素子23の基本構成と同様である。第2偏光分離素子64は、第2偏光分離層641と、第2基材642と、を有する。ただし、第1偏光分離素子63と同様、第2偏光分離素子64に入射する光の波長帯の違いに伴って、第2偏光分離層641の特性は、第1実施形態における第2偏光分離層231の特性とは異なる。すなわち、第2偏光分離層641は、緑色波長帯と赤色波長帯とを含む波長帯の光を偏光方向に係わらず透過する特性を有する。
【0151】
したがって、第2偏光分離素子64は、第1位相差素子37から+X方向に沿って入射されるS偏光の青色光BLsを+X方向と交差する-Z方向に反射する。また、第2偏光分離素子64は、光変換装置65の拡散素子75から+Z方向に沿って入射される青色光BLpを+Z方向に透過し、第2波長変換素子77から+Z方向に沿って入射される緑色光GLを+Z方向に透過し、第1波長変換素子76から+Z方向に沿って入射される黄色光YLを+Z方向に透過する。
【0152】
なお、第2偏光分離素子64は、1枚の基材と、基材の1面または2面に設けられる光学膜と、から構成されていてもよい。すなわち、第2偏光分離素子64は、プレート型の偏光分離素子から構成されていてもよい。
【0153】
[光変換装置の構成]
図14に示すように、本実施形態の光変換装置65において、基板34の第1面34aには、第1環状領域D1と、第1環状領域D1よりも径方向内側に位置する第2環状領域D2と、が設けられている。第1環状領域D1には、第1偏光分離素子63から射出され、第2位相差素子24および第1集光素子25を介して入射する青色光BLc1が照射される。また、第2環状領域D2には、第2偏光分離素子64から射出され、第2位相差素子24および第2集光素子27を介して入射する青色光BLc1が照射される。
【0154】
本実施形態の場合、第1環状領域D1は、回転軸Rxを中心とした所定の中心角を有する4つの分割領域に分割されている。互いに隣り合う2つの分割領域の一方を第1分割領域DB1とし、他方を第2分割領域DB2とすると、第1分割領域DB1に拡散素子75と第2波長変換素子77とが設けられ、第2分割領域DB2には第1波長変換素子76が設けられている。すなわち、第1波長変換素子76と第2波長変換素子77とは、回転軸Rxを中心とする基板34の同一円周上に並んで設けられている。また、回転軸Rxを中心とする基板34の同一円周上において、拡散素子75と第2波長変換素子77とが設けられた第1分割領域DB1と、第1波長変換素子76が設けられた第2分割領域DB2と、が並んで設けられている。
【0155】
第1分割領域DB1において、複数の拡散素子75は分散して設けられ、第2波長変換素子77は複数の拡散素子75の周囲を取り囲んで設けられている。換言すると、複数の拡散素子75は、第2波長変換素子77の形成領域の内側に分散して設けられている。複数の拡散素子75は、第1実施形態の拡散素子32と同様の構成を有し、拡散素子75に入射する青色光BLc1を拡散させる。また、第2波長変換素子77は、緑色蛍光体を含み、第2波長変換素子77に入射する青色光BLc1を波長変換して緑色光GL0を射出する。
【0156】
一方、第2分割領域DB2に設けられた第1波長変換素子76は、黄色蛍光体を含み、第1波長変換素子76に入射する青色光BLc1を波長変換して黄色光YLを射出する。具体的には、第1波長変換素子76は、例えば賦活剤としてセリウム(Ce)を含有するイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体を含んでいる。第1波長変換素子76は、第1波長変換素子76に入射される青色光BLc1の青色波長帯よりも長い緑色波長帯と赤色波長帯とを含む波長帯を有する蛍光、すなわち、黄色光YLを射出する。黄色光YLは、例えば500~650nmの波長帯を有する。黄色光YLは、緑色波長帯と赤色波長帯とを含む波長帯を有する光である。
本実施形態の黄色光YLは、特許請求の範囲の第2波長帯を有する第2光に対応する。
【0157】
第2環状領域D2の構成は、第1環状領域D1の構成と同様である。すなわち、第2環状領域D2には、回転軸Rxを中心とする基板34の同一円周上において、拡散素子75と第2波長変換素子77とが設けられた第1分割領域DB1と、第1波長変換素子76が設けられた第2分割領域DB2と、が並んで設けられている。
【0158】
また、回転軸Rxを中心とする径方向において、第1環状領域D1の第1分割領域DB1の径方向内側に第2環状領域D2の第2分割領域DB2が配置され、第1環状領域D1の第2分割領域DB2の径方向内側には第2環状領域D2の第1分割領域DB1が配置されている。すなわち、第1環状領域D1と第2環状領域D2とでは、第1分割領域DB1と第2分割領域DB2とが互い違いに配置されている。なお、本実施形態では、第1環状領域D1および第2環状領域D2のそれぞれが4つの分割領域に分割されているが、第1環状領域D1および第2環状領域D2のそれぞれの分割数は、4に限らず、適宜変更してもよい。
【0159】
この構成により、第1偏光分離素子63から射出される青色光BLc1は、第1環状領域D1において第1分割領域DB1と第2分割領域DB2とに時間的に交互に入射する。第2偏光分離素子64から射出される青色光BLc1は、第2環状領域D2において第2分割領域DB2と第1分割領域DB1とに時間的に交互に入射する。図12に示すように、第1偏光分離素子63から射出される青色光BLc1が第1環状領域D1の第1分割領域DB1に入射する第1期間においては、第2偏光分離素子64から射出される青色光BLc1は、第2環状領域D2の第2分割領域DB2に入射する。図13に示すように、第1偏光分離素子63から射出される青色光BLc1が第1環状領域D1の第2分割領域DB2に入射する第2期間においては、第2偏光分離素子64から射出される青色光BLc1は、第2環状領域D2の第1分割領域DB1に入射する。
【0160】
したがって、第1期間においては、図12に示すように、第1環状領域D1から、拡散素子75で生成される青色光BLc2と、第2波長変換素子77で生成される緑色光GL0と、が同時に射出される。青色光BLc2および緑色光GL0は、第1集光素子25を+Z方向に通過して平行化された後、第2位相差素子24に入射する。このとき、第1集光素子25から第2位相差素子24に入射される青色光BLc2は、第2位相差素子24によって、P偏光の青色光BLpに変換される。P偏光の青色光BLpは、第1偏光分離素子63を+Z方向に透過し、第1偏光分離素子63から射出される。また、緑色光GL0は、非偏光であるため、第2位相差素子24に入射しても偏光状態に変化がなく、第1偏光分離素子63を+Z方向に透過し、第1偏光分離素子63から射出される。このようにして、青色光BLpと緑色光GL0とは、第1偏光分離素子63から射出される。
【0161】
一方、第1期間において、第2環状領域D2から、第1波長変換素子76で生成される黄色光YLが射出される。黄色光YLは、第2集光素子27を+Z方向に通過して平行化された後、第2位相差素子24に入射する。黄色光YLは、非偏光であるため、第2位相差素子24に入射しても偏光状態に変化がなく、第2偏光分離素子64を+Z方向に透過し、第2偏光分離素子64から射出される。
【0162】
また、第2期間においては、図13に示すように、第1偏光分離素子63から射出される光と、第2偏光分離素子64から射出される光とが、第1期間とは入れ替わる。すなわち、黄色光YLは、第1偏光分離素子63から射出され、青色光BLpと緑色光GL0とを含む光は、第2偏光分離素子64から射出される。このように、青色光BLpと緑色光GL0とを含む光と、赤色光RLとは、第1偏光分離素子63と第2偏光分離素子64とから時間的に交互に入れ替わりながら射出される。
【0163】
[第1色分離素子の構成]
図15は、-X方向から見た光源装置15の側面図である。すなわち、図15は、第1色分離素子29を-X方向から見た状態を示している。図16は、+X方向から見た光源装置15の側面図である。すなわち、図16は、第2色分離素子33を+X方向から見た状態を示している。図15および図16においては、図面を見やすくするため、図11に示した構成要素のうち、回転位相差装置213、第2位相差素子24、第1集光素子25、光変換装置65等の図示を省略している。図15および図16では、第1期間における光の振る舞いを示す。
【0164】
図15に示すように、第1色分離素子29は、第1偏光分離素子63に対して+Z方向に配置されている。また、図16に示すように、第2色分離素子33は、第2偏光分離素子64に対して+Z方向に配置されている。また、互いに異なる波長帯を有する2つの光、すなわち、青色光BLpと緑色光GL0とを含む光と、黄色光YLと、が第1偏光分離素子63と第2偏光分離素子64とから時間的に交互に射出されるため、第1色分離素子29と第2色分離素子33とは、互いに同じ特性を有している。
【0165】
第1色分離素子29は、ダイクロイックプリズム291と、反射プリズム292と、を有する。ダイクロイックプリズム291と反射プリズム292とは、Y軸に沿って並んで配置されている。第1色分離素子29は、第1期間においては、第1偏光分離素子63から+Z方向に射出される光を、青色波長帯を有する青色光BLpと、緑色波長帯を有する緑色光GL0と、に分離する。また、第1色分離素子29は、第2期間においては、第1偏光分離素子63から+Z方向に射出される黄色光YLを、赤色波長帯を有する赤色光RLと、緑色波長帯を有する緑色光GL1と、に分離する。
本実施形態の青色波長帯を有する青色光BLpは、特許請求の範囲の第1波長帯を有する第3光に対応する。本実施形態の緑色波長帯を有する緑色光GL0は、特許請求の範囲の第3波長帯を有する第4光に対応する。本実施形態の緑色波長帯を有する緑色光GL1は、特許請求の範囲の第4波長帯を有する第5光に対応する。本実施形態の赤色波長帯を有する赤色光RLは、特許請求の範囲の第5波長帯を有する第6光に対応する。
【0166】
ダイクロイックプリズム291は、略直角二等辺三角柱状の2つの基材を組み合わせて略直方体形状に形成されたプリズム型の色分離素子から構成されている。2つの基材の界面には、色分離層2911が設けられている。色分離層2911は、Y軸およびZ軸に対して45°傾斜している。換言すると、色分離層2911は、XY平面およびXZ平面に対して45°傾斜している。なお、ダイクロイックプリズムに代えて、ダイクロイックミラーを採用してもよい。
【0167】
色分離層2911は、色分離層2911に入射する光のうち、緑色波長帯を有する光を反射させ、緑色波長帯以外の波長帯を有する色光を透過するダイクロイック膜で構成されている。このため、第1期間において、ダイクロイックプリズム291に+Z方向に沿って青色光BLpと緑色光GL0とを含む光が入射した際には、緑色光GL0を-Y方向に反射させ、青色光BLpを+Z方向に透過させる。青色光BLpは、ダイクロイックプリズム291の外部に射出され、図1に示す均一化装置4に入射する。また、第2期間において、ダイクロイックプリズム291に+Z方向に沿って黄色光YLが入射した際には、緑色光GL1を-Y方向に反射させ、赤色光RLを+Z方向に透過させる。赤色光RLは、ダイクロイックプリズム291の外部に射出され、図1に示す均一化装置4に入射する。
【0168】
反射プリズム292は、ダイクロイックプリズム291に対して-Y方向に配置されている。反射プリズム292は、略直角二等辺三角柱状の2つの基材を組み合わせて略直方体形状に形成されたプリズム型の反射素子である。2つの基材の界面には、反射層2921が設けられている。
【0169】
反射層2921は、ダイクロイックプリズム291から-Y方向に沿って入射される光を+Z方向に反射する。反射層2921によって反射された光は、反射プリズム292から+Z方向に射出される。したがって、反射プリズム292は、第1期間において、-Y方向に沿って反射プリズム292に入射する緑色光GL0を+Z方向に反射する。また、反射プリズム292は、第2期間において、-Y方向に沿って反射プリズム292に入射する緑色光GL1を+Z方向に反射する。なお、反射プリズム292に代えて、反射ミラーを採用してもよい。
【0170】
[第2色分離素子の構成]
図16に示すように、第2色分離素子33は、ダイクロイックプリズム331と、反射プリズム332と、を有する。ダイクロイックプリズム331と反射プリズム332とは、Y軸に沿って並んで配置されている。第2色分離素子33は、第1期間においては、第2偏光分離素子64から+Z方向に射出される黄色光YLを、赤色波長帯を有する赤色光RLと、緑色波長帯を有する緑色光GL1と、に分離する。また、第2色分離素子33は、第2期間においては、第2偏光分離素子64から+Z方向に射出される光を、青色波長帯を有する青色光BLpと、緑色波長帯を有する緑色光GL0と、に分離する。
【0171】
ダイクロイックプリズム331は、略直角二等辺三角柱状の2つの基材を組み合わせて略直方体形状に形成されたプリズム型の色分離素子から構成されている。2つの基材の界面には、色分離層3311が設けられている。色分離層3311は、色分離層3311に入射する光のうち、緑色波長帯を有する光を反射させ、緑色波長帯以外の波長帯を有する色光を透過するダイクロイック膜で構成されている。このため、第1期間において、ダイクロイックプリズム331に+Z方向に沿って黄色光YLが入射した際には、緑色光GL1を-Y方向に反射させ、赤色光RLを+Z方向に透過させる。赤色光RLは、ダイクロイックプリズム331の外部に射出され、図1に示す均一化装置4に入射する。また、第2期間において、ダイクロイックプリズム331に+Z方向に沿って青色光BLpと緑色光GL0とを含む光が入射した際には、緑色光GL0を-Y方向に反射させ、青色光BLpを+Z方向に透過させる。青色光BLpは、ダイクロイックプリズム291の外部に射出され、図1に示す均一化装置4に入射する。
【0172】
反射プリズム332は、ダイクロイックプリズム331に対して-Y方向に配置されている。反射プリズム332は、略直角二等辺三角柱状の2つの基材を組み合わせて略直方体形状に形成されたプリズム型の反射素子である。2つの基材の界面には、反射層3321が設けられている。
【0173】
反射層3321は、ダイクロイックプリズム331から-Y方向に沿って入射される光を+Z方向に反射する。反射層3321によって反射された光は、反射プリズム332から+Z方向に射出される。したがって、反射プリズム332は、第1期間において、-Y方向に沿って反射プリズム332に入射する緑色光GL1を+Z方向に反射する。また、反射プリズム332は、第2期間において、-Y方向に沿って反射プリズム332に入射する緑色光GL0を+Z方向に反射する。
【0174】
本実施形態の光源装置15は、上記の構成により、青色光BLp、緑色光GL0、赤色光RL、および緑色光GL1からなる4つの色光が空間的に分離され、互いに異なる位置から射出される。具体的には、XY平面内において、第1期間では、光源装置15における-X方向で+Y方向の位置から射出された赤色光RLは、第1マルチレンズ41における-X方向で+Y方向の領域A1に含まれる複数のレンズ411に入射される。光源装置15における+X方向で+Y方向の位置から射出された青色光BLpは、第1マルチレンズ41における+X方向で+Y方向の領域A2に含まれる複数のレンズ411に入射される。光源装置15における-X方向で-Y方向の位置から射出された緑色光GL1は、第1マルチレンズ41における-X方向で-Y方向の領域A3に含まれる複数のレンズ411に入射される。光源装置15における+X方向で-Y方向の位置から射出された緑色光GL0は、第1マルチレンズ41における+X方向で-Y方向の領域A4に含まれる複数のレンズ411に入射される。
【0175】
第2期間においては、赤色光RLの入射位置と青色光BLpの入射位置とが、上記第1期間での入射位置から互いに入れ替わる。また、緑色光GL1の入射位置と緑色光GL0の入射位置とが、上記第1期間での入射位置から互いに入れ替わる。緑色光GL0は、緑色蛍光体から射出された緑色光であり、緑色光GL1は、黄色蛍光体から射出された黄色光から分離されて得られた緑色光である。そのため、緑色光GL0と緑色光GL1とは、互いに同じ波長帯を有していてもよいし、互いに異なる波長帯を有していてもよい。
【0176】
[第3実施形態の効果]
本実施形態においても、ピッチが狭い偏光変換素子を用いることなく、偏光方向が揃えられた複数の色光を射出可能な光源装置15を実現できる、光源装置15およびプロジェクター1の小型化が図れる、光変調装置6を構成する液晶パネル61の信頼性を向上させることができる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0177】
また、本実施形態の光源装置15は、第2位相差素子24から-Z方向に沿って入射される青色光BLc1を波長変換して緑色波長帯を有する緑色光GL0を+Z方向に射出する第2波長変換素子77をさらに備え、第1波長変換素子76と第2波長変換素子77とは、回転軸Rxを中心とする基板34の同一円周上に並んで設けられ、回転軸Rxを中心とする基板34の同一円周上において、拡散素子75と第2波長変換素子77とが設けられた第1分割領域DB1と、第1波長変換素子76が設けられた第2分割領域DB2と、が並んで設けられている。
【0178】
この構成によれば、光源部20から射出される青色光BLp,BLsを偏光方向によって2つの青色光に分割し、一方の青色光を第1波長変換素子76に入射させ、他方の青色光を第2波長変換素子77に入射させることができる。そのため、第2波長変換素子77に入射させる励起光を射出する第2発光素子を用いる必要がなく、光源部20の構成を第1実施形態の光源部21に比べて簡略化することができる。
【0179】
また、本実施形態の光源装置15は、第1偏光分離素子63に対して+Z方向に配置され、第1期間において、第1偏光分離素子63から射出される光を、青色波長帯を有する青色光BLpと、緑色波長帯を有する緑色光GL0と、に分離し、第2期間において、第1偏光分離素子63から射出される黄色光YLを、緑色波長帯を有する緑色光GL1と、赤色波長帯を有する赤色光RLと、に分離する第1色分離素子29と、第2偏光分離素子64に対して+Z方向に配置され、第1期間において、第2偏光分離素子64から射出される黄色光YLを、緑色波長帯を有する緑色光GL1と、赤色波長帯を有する赤色光RLと、に分離し、第2期間において、第2偏光分離素子64から射出される光を、青色波長帯を有する青色光BLpと、緑色波長帯を有する緑色光GL0と、に分離する第2色分離素子33と、をさらに備える。
【0180】
この構成によれば、第1偏光分離素子63と第2偏光分離素子64とからX軸に沿って互いに離れた位置から射出される2つの光束のそれぞれを、第1色分離素子29と第2色分離素子33とによってY軸に沿って互いに離れた位置から射出される2つの光束に分離することができる。これにより、本実施形態の光源装置15は、XY平面内において空間的に互いに離れた位置から4つの色光を射出することができる。
【0181】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図17図19を用いて説明する。
第4実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、光源装置の構成が第1実施形態と異なる。そのため、本実施形態では、プロジェクターの全体説明は省略する。
図17は、+Y方向から見た本実施形態の光源装置16の上段部分の構成を示す平面図である。図18は、+Y方向から見た光源装置16の下段部分の構成を示す平面図である。図19は、+Z方向から見た光変換装置の正面図である。
図17図19において、以前の実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0182】
図17および図18に示すように、本実施形態の光源装置16は、光源部21と、第1偏光分離素子81と、第1位相差素子37と、第2偏光分離素子82と、第1光学素子83と、第2光学素子84と、第2位相差素子24と、第1集光素子25と、第2集光素子27と、第3集光素子53と、光変換装置86と、第4位相差素子87と、を備える。光源部21の構成は、第1実施形態と同様である。
【0183】
[光変換装置の構成]
図19に示すように、本実施形態の光変換装置86においては、基板34の第1面34aに、第1環状領域D1、第2環状領域D2、第3環状領域D3が設けられている。第1環状領域D1には、第1偏光分離素子81から射出され、第2位相差素子24および第1集光素子25を介して基板34に入射する青色光BLc1が照射される。第2環状領域D2には、第2偏光分離素子82から射出され、第2位相差素子24および第2集光素子27を介して基板34に入射する青色光BLc1が照射される。第3環状領域D3は、第2光学素子84から射出され、第3集光素子53を介して基板34に入射する励起光ELsが照射される。
【0184】
本実施形態の場合、基板34の周方向の特定の位置を基準として時計回りに見たとき、第1環状領域D1においては、拡散素子32、第1波長変換素子28、第2波長変換素子77、および第1波長変換素子28がこの順に設けられている。第2環状領域D2においては、第2波長変換素子77、拡散素子32、第1波長変換素子28、および拡散素子32がこの順に設けられている。第3環状領域D3においては、第1波長変換素子28、第2波長変換素子77、拡散素子32、および第2波長変換素子77がこの順に設けられている。
【0185】
上記構成の基板34に対して光源部21からの光を照射した場合、第1期間では、第1偏光分離素子81からの青色光BLc1は、第1環状領域D1上の拡散素子32に入射し、第2偏光分離素子82からの青色光BLc1は、第2環状領域D2上の第1波長変換素子28に入射し、第2光学素子84からの励起光ELsは、第3環状領域D3上の第2波長変換素子77に入射する。
【0186】
第1期間の次の第2期間では、第1偏光分離素子81からの青色光BLc1は、第1環状領域D1上の第1波長変換素子28に入射し、第2偏光分離素子82からの青色光BLc1は、第2環状領域D2上の第2波長変換素子77に入射し、第2光学素子84からの励起光ELsは、第3環状領域D3上の拡散素子32に入射する。
【0187】
第2期間の次の第3期間では、第1偏光分離素子81からの青色光BLc1は、第1環状領域D1上の拡散素子32に入射し、第2偏光分離素子82からの青色光BLc1は、第2環状領域D2上の第1波長変換素子28に入射し、第2光学素子84からの励起光ELsは、第3環状領域D3上の第2波長変換素子77に入射する。
【0188】
第3期間の次の第4期間では、第1偏光分離素子81からの青色光BLc1は、第1環状領域D1上の第2波長変換素子77に入射し、第2偏光分離素子82からの青色光BLc1は、第2環状領域D2上の拡散素子32に入射し、第2光学素子84からの励起光ELsは、第3環状領域D3上の第1波長変換素子28に入射する。以降、第1期間に戻り、このサイクルを繰り返す。
【0189】
[第1偏光分離素子の構成]
第1偏光分離素子81の第1偏光分離層811は、青色波長帯を有する光に対して、P偏光を透過し、S偏光を反射する偏光分離特性を有し、青色波長帯以外の波長帯を有する光を偏光状態に係わらず透過する特性を有する。したがって、第1偏光分離素子81は、光源部21から+X方向に沿って入射されるP偏光の青色光BLpを+X方向に透過し、光源部21から+X方向に沿って入射されるS偏光の青色光BLsを-Z方向に反射する。また、第1偏光分離素子81は、拡散素子32から+Z方向に沿って入射される青色光BLpを+Z方向に透過し、第1波長変換素子28から+Z方向に沿って入射される赤色光RLを+Z方向に透過し、第2波長変換素子77から+Z方向に沿って入射される緑色光GLを+Z方向に透過する。
【0190】
[第2偏光分離素子の構成]
第2偏光分離素子82の第2偏光分離層821は、青色波長帯を有する光に対して、P偏光を透過し、S偏光を反射する偏光分離特性を有し、青色波長帯以外の波長帯を有する光を偏光状態に係わらず透過する特性を有する。したがって、第2偏光分離素子82は、第1位相差素子37から+X方向に沿って入射されるS偏光の青色光BLsを-Z方向に反射する。また、第2偏光分離素子82は、拡散素子32から+Z方向に沿って入射される青色光BLpを+Z方向に透過し、第1波長変換素子28から+Z方向に沿って入射される赤色光RLを+Z方向に透過し、第2波長変換素子77から+Z方向に沿って入射される緑色光GLを+Z方向に透過する。
【0191】
[第1光学素子の構成]
第1光学素子83の第1光学層831は、青色波長帯を有する光を偏光状態に係わらず透過し、青色波長帯以外の波長帯を有する光を偏光状態に係わらず反射する特性を有する。すなわち、第1光学層831は、ダイクロイック層で構成することができる。これにより、第1光学素子83は、光源部21から+X方向に沿って入射される励起光ELsを+X方向に透過する。また、第1光学素子83は、第2光学素子84から-X方向に沿って入射されるS偏光の青色光BLsを-X方向に透過し、第2光学素子84から-X方向に沿って入射される赤色光RLを+Z方向に反射し、第2光学素子84から-X方向に沿って入射される緑色光GLを+Z方向に反射する。
【0192】
[第2光学素子の構成]
第2光学素子84の第2光学層841は、青色波長帯を有する光に対してP偏光を透過し、S偏光を反射する偏光分離特性を有し、青色波長帯以外の波長帯、すなわち、緑色波長帯と赤色波長帯とを含む波長帯を有する光に対してP偏光を透過し、S偏光を反射する偏光分離特性を有する。すなわち、第2光学層841は、可視帯域全域に対応する偏光分離層で構成することができる。これにより、第2光学素子84は、第1位相差素子37から+X方向に沿って入射されるS偏光の励起光ELsを-Z方向に反射する。また、第2光学素子84は、拡散素子32から+Z方向に沿って入射されるP偏光の青色光BLpを+Z方向に透過し、第1波長変換素子28から+Z方向に沿って入射される赤色光RLのうち、P偏光の赤色光RLpを+Z方向に透過し、S偏光の赤色光RLsを-X方向に反射し、第2波長変換素子77から+Z方向に沿って入射される緑色光GLのうち、P偏光の緑色光GLpを+Z方向に透過し、S偏光の緑色光GLsを-X方向に反射する。
【0193】
以上の構成により、第1期間においては、第1偏光分離素子81から青色光BLpが射出されて第1サブ画素SX1に入射し、第2偏光分離素子82から赤色光RLが射出されて第2サブ画素SX2に入射し、第1光学素子83から緑色光GLpが射出されて第3サブ画素SX3に入射し、第2光学素子84から緑色光GLpが射出されて第4サブ画素SX4に入射する。
【0194】
次に、第2期間においては、第1偏光分離素子81から赤色光RLが射出されて第1サブ画素SX1に入射し、第2偏光分離素子82から緑色光GLが射出されて第2サブ画素SX2に入射し、第1光学素子83から青色光BLpが射出されて第3サブ画素SX3に入射し、第2光学素子84からは光が射出されない。
【0195】
次に、第3期間においては、第1偏光分離素子81から青色光BLpが射出されて第1サブ画素SX1に入射し、第2偏光分離素子82から赤色光RLが射出されて第2サブ画素SX2に入射し、第1光学素子83から緑色光GLsが射出されて第3サブ画素SX3に入射し、第2光学素子84から緑色光GLpが射出されて第4サブ画素SX4に入射する。
【0196】
次に、第4期間においては、第1偏光分離素子81から緑色光GLが射出されて第1サブ画素SX1に入射し、第2偏光分離素子82から青色光BLpが射出されて第2サブ画素SX2に入射し、第1光学素子83から赤色光RLsが射出されて第3サブ画素SX3に入射し、第2光学素子84から赤色光RLpが射出されて第4サブ画素SX4に入射する。以降、第1期間に戻り、このサイクルを繰り返す。
【0197】
なお、第1光学素子83から射出される光の光路上に、緑色波長帯と赤色波長帯とを含む波長帯に対する1/2波長板から構成される第4位相差素子87が設けられている。そのため、第1光学素子83から射出されるS偏光の緑色光GLsおよび赤色光RLsは、P偏光の緑色光GLpおよび赤色光RLpに変換される。
【0198】
[第4実施形態の効果]
本実施形態においても、ピッチが狭い偏光変換素子を用いることなく、偏光方向が揃えられた複数の色光を射出可能な光源装置16を実現できる、光源装置16およびプロジェクター1の小型化が図れる、光変調装置を構成する液晶パネルの信頼性を向上させることができる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0199】
第1~第3実施形態の光源装置においては、液晶パネル61の1つの画素PXを構成する4つのサブ画素SXのうち、2つのサブ画素SXに入射する色光が、青色光とその他の色光とで互いに入れ替わる構成を有していた。これに対して、本実施形態の光源装置16においては、液晶パネル61の1つの画素PXを構成する4つのサブ画素SXに対して、3色の色光が順次入れ替わりつつ入射する構成を有している。この構成においても、青色光が特定のサブ画素SXに連続的に照射されることによる液晶パネル61のダメージが抑えられ、液晶パネル61の信頼性を向上させることができる。
【0200】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態では、第1波長変換素子が赤色蛍光体を含み、第2波長変換素子が緑色蛍光体を含む構成を示したが、この構成に代えて、第1波長変換素子が緑色蛍光体を含み、第2波長変換素子が赤色蛍光体を含んでいてもよい。
【0201】
また、上記実施形態において、光源装置は、第1集光素子25および第2集光素子27を備えている。しかしながら、この構成に限らず、第1集光素子25および第2集光素子27のうち少なくとも一方の集光素子は、設けられていなくてもよい。
【0202】
上記各実施形態では、光源部21は、+X方向に青色光BLs,BLpを射出する。しかしながら、これに限らず、光源部21は、+X方向に交差する方向に青色光BLs,BLpを射出し、例えば反射部材を用いて青色光BLs,BLpを反射させた後、+X方向に第1偏光分離素子22に入射させる構成としてもよい。
【0203】
上記各実施形態では、プロジェクターは、第1マルチレンズ41、第2マルチレンズ42、および重畳レンズ43を有する均一化装置4を備えている。この構成に代えて、他の構成を有する均一化装置が設けられてもよいし、均一化装置4は設けられていなくてもよい。
【0204】
上記各実施形態の光源装置は、4つの射出位置のそれぞれから色光を射出し、光変調装置6を構成する液晶パネル61は、1つの画素PXに4つのサブ画素SXを有している。この構成に代えて、光源装置は、3つの色光を射出し、液晶パネルは、1つの画素に3つのサブ画素を有する構成であってもよい。
【0205】
また、上記実施形態において、光源装置が射出する各色光の偏光状態は、他の偏光状態であってもよい。例えば、光源装置は、それぞれがS偏光であり、空間的に分離された複数の色光を射出する構成であってもよい。また、光源装置が射出する色光は、青色光、赤色光、および緑色光に限らず、他の色光であってもよい。例えば光源装置は、黄色光または白色光を射出する構成を有していてもよい。したがって、第3実施形態の光源装置において、黄色光を緑色光と赤色光とに分離する色分離素子が設けられていなくてもよい。
【0206】
その他、光源装置、およびプロジェクターの各構成要素の形状、数、配置、材料等の具体的な記載については、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。また、上記実施形態では、本発明による光源装置をプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明の一つの形態の光源装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
【0207】
本発明の一つの態様の光源装置は、以下の構成を有していてもよい。
本発明の一つの態様の光源装置は、第1波長帯を有し、第1偏光方向に偏光する第1光と前記第1偏光方向とは異なる第2偏光方向に偏光する第1光とを含む光を射出する光源部と、前記光源部から第1方向に沿って入射される前記第1偏光方向に偏光する前記第1光を前記第1方向に透過し、前記第2偏光方向に偏光する前記第1光を前記第1方向と交差する第2方向に反射する第1偏光分離素子と、前記第1偏光分離素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第1方向に沿って入射される前記第1偏光方向に偏光する前記第1光を前記第2偏光方向に偏光する前記第1光に変換する第1位相差素子と、前記第1位相差素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1位相差素子から前記第1方向に沿って入射される前記第2偏光方向に偏光する前記第1光を前記第2方向に反射する第2偏光分離素子と、前記第1偏光分離素子および前記第2偏光分離素子から前記第2方向に沿って前記第2偏光方向に偏光する前記第1光が入射される第2位相差素子と、前記第2位相差素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1光を拡散させて前記第2方向とは反対方向である第3方向に射出する拡散素子と、前記第2位相差素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1光を波長変換して前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を有する第2光を前記第3方向に射出する第1波長変換素子と、前記第1光の進行方向に沿う回転軸を中心として回転する基板と、を有する光変換装置と、を備え、前記拡散素子と前記第1波長変換素子とは、前記基板の一面における前記回転軸を中心とする同一円周上に並んで設けられ、前記第2位相差素子は、前記第1偏光分離素子と前記基板との間に設けられ、前記第2位相差素子は、前記第2偏光分離素子と前記基板との間に設けられ、前記第1偏光分離素子は、前記拡散素子から前記第3方向に沿って入射される前記第1光を前記第3方向に透過し、前記第1波長変換素子から前記第3方向に沿って入射される前記第2光を前記第3方向に透過し、前記第2偏光分離素子は、前記拡散素子から前記第3方向に沿って入射される前記第1光を前記第3方向に透過し、前記波長変換層から前記第3方向に沿って入射される前記第2光を前記第3方向に透過する。
【0208】
本発明の一つの態様の光源装置は、前記第1偏光分離素子に対して前記第1方向、前記第2方向、および前記第3方向に交差する第5方向に配置され、前記光源部から前記第1方向に沿って入射される前記第1光を前記第1方向に透過する第1光学素子と、前記第1光学素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1光学素子から前記第1方向に沿って入射される前記第1光を前記第2方向に反射する第2光学素子と、前記第2光学素子に対して前記第2方向に配置され、前記第2光学素子から入射される前記第1光を波長変換して前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯を有する第3光を前記第3方向に射出する第2波長変換素子と、をさらに備え、前記第2光学素子は、前記第2波長変換素子から前記第3方向に沿って前記第3光が入射され、前記第1偏光方向に偏光する前記第3光を前記第3方向に透過し、前記第2偏光方向に偏光する前記第3光を前記第1方向とは反対方向である第4方向に反射し、前記第1光学素子は、前記第2光学素子から前記第4方向に沿って入射される前記第2偏光方向に偏光する前記第3光を前記第3方向に反射してもよい。
【0209】
本発明の一つの態様の光源装置において、前記光源部は、前記第1波長帯を有する前記第1光を射出する第1発光素子と、前記第2波長変換素子を励起させる励起波長帯を有する励起光を射出する第2発光素子と、を有していてもよい。
【0210】
本発明の一つの態様の光源装置において、前記第1波長帯と前記励起波長帯とは、同一の波長帯であってもよい。
【0211】
本発明の一つの態様の光源装置において、前記第2波長変換素子は、前記基板の一面に設けられ、前記回転軸を中心とする径方向において、前記第2波長変換素子と前記回転軸との間の距離は、前記拡散素子および前記第1波長変換素子と前記回転軸との間の距離よりも長くてもよい。
【0212】
本発明の一つの態様の光源装置は、前記第2位相差素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1光を波長変換して前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第3波長帯を有する第3光を前記第3方向に射出する第2波長変換素子をさらに備え、前記第1波長変換素子と前記第2波長変換素子とは、前記回転軸を中心とする前記基板の同一円周上に並んで設けられ、前記回転軸を中心とする前記基板の同一円周上において、前記拡散素子と前記第2波長変換素子とが設けられた第1分割領域と、前記第1波長変換素子が設けられた第2分割領域と、が並んで設けられていてもよい。
【0213】
本発明の一つの態様の光源装置は、前記第1偏光分離素子に対して前記第3方向に配置され、第1期間において、前記第1偏光分離素子から射出される光を、前記第1波長帯を有する前記第3光と、前記第3波長帯を有する第4光と、に分離し、前記第1期間とは異なる第2期間において、前記第1偏光分離素子から射出される光を、前記第1波長帯および前記第2波長帯とは異なる第4波長帯を有する第5光と、前記第1波長帯、前記第2波長帯、前記第3波長帯、および前記第4波長帯とは異なる第5波長帯を有する第6光と、に分離する第1色分離素子と、前記第2偏光分離素子に対して前記第3方向に配置され、前記第1期間において、前記第2偏光分離素子から射出される光を、前記第4波長帯を有する前記第5光と、前記第5波長帯を有する前記第6光と、に分離し、前記第2期間において、前記第2偏光分離素子から射出される光を、前記第1波長帯を有する第3光と、前記第3波長帯を有する前記第3光と、に分離する第2色分離素子と、をさらに備えていてもよい。
【0214】
本発明の一つの態様の光源装置において、前記光源部は、前記第1波長帯を有する前記第1光を射出する第1発光素子と、前記第1発光素子から入射される前記第1光を、前記第1偏光方向に偏光する前記第1光と前記第2偏光方向に偏光する前記第1光とを含む光に変換する第3位相差素子と、を有していてもよい。
【0215】
本発明の一つの態様の光源装置において、前記第3位相差素子は、前記第3位相差素子に入射する前記光の進行方向に沿う回転軸を中心として回転可能とされていてもよい。
【0216】
本発明の一つの態様のプロジェクターは、以下の構成を有していてもよい。
本発明の一つの態様のプロジェクターは、本発明の一つの態様の光源装置と、前記光源装置からの光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備える。
【0217】
本発明の一つの態様のプロジェクターは、前記光源装置と前記光変調装置との間に設けられる均一化装置をさらに備え、前記均一化装置は、前記光源装置から入射される光を複数の部分光束に分割する2つのマルチレンズと、前記2つのマルチレンズから入射される前記複数の部分光束を前記光変調装置に重畳させる重畳レンズと、を有していてもよい。
【0218】
本発明の一つの態様のプロジェクターにおいて、前記光変調装置は、複数の画素を有する液晶パネルと、前記液晶パネルに対して光入射側に設けられ、前記複数の画素に対応する複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、を有し、前記複数の画素のそれぞれは、第1サブ画素、第2サブ画素、第3サブ画素、および第4サブ画素を有し、前記マイクロレンズは、前記第5光を前記第1サブ画素に入射させ、前記第6光を前記第2サブ画素に入射させ、前記第3光を前記第3サブ画素に入射させ、前記第4光を前記第4サブ画素に入射させてもよい。
【0219】
本発明の一つの態様の表示装置は、以下の構成を有していてもよい。
本発明の一つの態様の表示装置は、光源装置と、前記光源装置からの光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、を備え、前記光変調装置は、複数の画素を有する液晶パネルを有し、前記複数の画素のそれぞれは、第1サブ画素と、第2サブ画素と、を少なくとも有し、前記光源装置は、第1波長帯を有する第1光を射出し、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を有する第2光を射出し、前記第1光が前記第1サブ画素に入射し、前記第2光が前記第2サブ画素に入射する第1状態と、前記第1光が前記第2サブ画素に入射し、前記第2光が前記第1サブ画素に入射する第2状態と、を切り替える切替部を有する。
【符号の説明】
【0220】
1…プロジェクター、2,13,14,15,16…光源装置、4…均一化装置、6…光変調装置、7…投射光学装置、20,21…光源部、22,63,81…第1偏光分離素子、23,64,82…第2偏光分離素子、24…第1位相差素子、28,76…第1波長変換素子、29…第1色分離素子、31,65,71,72,86…光変換装置、32,75…拡散素子、33…第2色分離素子、34…基板、35,51,83…第1光学素子、36,84…第2光学素子、37…第1位相差素子、54,55,73,77…第2波長変換素子、61…液晶パネル、62…マイクロレンズアレイ、211…第1発光素子、214…第2発光素子、2131…第3位相差素子、BLp…P偏光の青色光(第1偏光方向に偏光する第1光)、BLs…S偏光の青色光(第2偏光方向に偏光する第1光、第3光)、ELs…励起光、GL…緑色光(第3波長帯を有する第3光)、GLp…P偏光の緑色光(第1偏光方向を有する第3光)、GLs…S偏光の緑色光(第2偏光方向を有する第3光)、GL0…緑色光(第3波長帯を有する第4光)、GL1…緑色光(第4波長帯を有する第5光)、RL…赤色光(第2波長帯を有する第2光、第5波長帯を有する第6光)、YL…黄色光(第2波長帯を有する第2光)、DB1…第1分割領域、DB2…第2分割領域、SX1…第1サブ画素、SX2…第2サブ画素、SX3…第3サブ画素、SX4…第4サブ画素、+X方向…第1方向、-Z方向…第2方向、+Z方向…第3方向、-X方向…第4方向、Rx…回転軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19