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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】積層延伸ポリアミドフィルム
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/34 20060101AFI20240402BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
B32B27/34
B32B27/18 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020555088
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(86)【国際出願番号】 JP2020010311
(87)【国際公開番号】W WO2020195795
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】P 2019063701
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡株式会社
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 卓郎
(72)【発明者】
【氏名】濱 貢介
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-181776(JP,A)
【文献】特開2002-103446(JP,A)
【文献】特開2000-238216(JP,A)
【文献】特開2003-251772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00-43/00
B65D65/00-65/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
易接着層(B層)/基材層(A層)/易滑層(C層)の順に3層で構成された二軸延伸ポリアミドフィルムであって、前記A層はポリアミド6を65質量%以上含有し、前記B層はポリアミド6共重合体を60~100質量%とポリアミド6を0~40質量%含有し、前記ポリアミド6共重合体がポリアミド6/66共重合体又はポリアミド6/12共重合体であり、前記ポリアミド6/66共重合体中のポリアミド66の比率が3~35質量%であり、前記ポリアミド6/12共重合体中のポリアミド12の比率が3~35質量%であり、前記C層はポリアミド6を70質量%以上と平均粒子径が0.1~10μmの微粒子を0.05~1質量%含有することを特徴とする積層延伸ポリアミドフィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】



本発明は、接着性に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムに関するものである。特に、シーラントフィルムとの耐水接着強度に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムに関するものである。

【背景技術】
【0002】



二軸延伸ポリアミドフィルムは引張強度、屈曲強度、耐ピンホール性、耐油性、酸素ガスバリア性等に優れるので、包装材料、特に食品包装用材料として使われている。

【0003】



二軸延伸ポリアミドフィルムは、通常、ポリエチレン、ポリプロピレン等のヒートシール可能なポリオレフィンフィルム(シーラントフィルムとも言う)を積層(ラミネートとも言う)して、袋となる縁部をヒートシールして包装袋などとして使用される。二軸延伸ポリアミドフィルムは、食品包装材料として広く使用されている。

【0004】



しかし、二軸延伸ポリアミドフィルムとシーラントフィルムのラミネートフィルムを液体スープ袋や水物用袋に使用した場合、ラミネートしたフィルム間の接着強度(ラミネート強度とも言う)が弱く、ラミネートしたフィルムが剥がれてしまうという問題点があった。特に、レトルト等の高温で熱水処理した後、ラミネートされたフィルム間に水が浸透し、二軸延伸ポリアミドフィルムとシーラントフィルムとの間のラミネート強度が極端に低下するという欠点があった。

【0005】



ラミネート強度を改良する方法としては、フィルムを製造する工程の中でフィルム表面をコーティングし、接着強度を上げる方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この方法は、生産性が悪くなり、生産コストが高くなる問題があった。更に、コーティングによって、ブロッキングが発生する問題や筋やキズの欠点が発生する問題があった。そのため、コーティングなしでもラミネート強度が高い二軸延伸ポリアミドフィルムが求められていた。

【0006】



そこで、表層に共重合ポリアミドを配合した層を共押出しした未延伸シートを二軸延伸した積層ポリアミドフィルムが提案されている(特許文献2参照)。しかし、この方法ではラミネート強度が向上するが、強い耐水ラミネート強度を得るには、フィルムを製造する工程の中でフィルム表面をコーティングする必要があった。

【0007】



一方、ポリアミド6/66共重合体からなる逐次二軸延伸性を向上させた二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法が提案されている(特許文献3参照)。



また、チューブラー法による厚さ精度の良好な二軸延伸ポリアミド6/66共重合体フィルムの製造方法が提案されている(特許文献4参照)。



これらのポリアミド6/66共重合体からなる二軸延伸ポリアミドフィルムは、ポリアミド6やポリアミド66に比べて融点が低いため、耐熱性や高温での寸法安定性が悪く、ボイル処理やレトルト処理に使う包装袋用のフィルムには適さない。

【0008】



ポリアミド6を主成分である層とポリアミド6とポリアミド6/66からなる層とエチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物を含むバリア層を積層して押出した5層の二軸延伸ポリアミドフィルムが提案されている(特許文献5参照)。しかし、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物を含むバリア層を含むため、テンターでのクリップ把持部のフィルムを回収し再使用することができない。ポリメタキシリレンアジパミドの主成分とする層をバリア層とすることも提案されている(特許文献6参照)。しかし、この場合フィルムの耐衝撃性や耐ピンホール性が悪くなるという問題があった。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】


【文献】特許04660866
【文献】特許04178814
【文献】特公昭57-8647
【文献】特公平6-37081
【文献】特許05068084
【文献】特許05383563
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】



本発明の目的は、従来の二軸延伸ポリアミドフィルムの上記問題点を解決し、接着強度、特に耐水ラミネート強度に優れた二軸延伸ポリアミドフィルムを安価に提供することにある。

【課題を解決するための手段】
【0011】



本発明者らは、鋭意検討した結果、ポリアミド6が主成分の基材層にポリアミド6共重合体が主成分の易接着層を積層した積層延伸ポリアミドフィルムによって課題を解決できることを見出した。

【0012】
本発明は、以下の構成よりなる。
〔1〕 易接着層(B層)/基材層(A層)/易滑層(C層)の順に3層で構成された二軸延伸ポリアミドフィルムであって、前記A層はポリアミド6を65質量%以上含有し、前記B層はポリアミド6共重合体を60~100質量%とポリアミド6を0~40質量%含有し、前記ポリアミド6共重合体がポリアミド6/66共重合体又はポリアミド6/12共重合体であり、前記ポリアミド6/66共重合体中のポリアミド66の比率が3~35質量%であり、前記ポリアミド6/12共重合体中のポリアミド12の比率が3~35質量%であり、前記C層はポリアミド6を70質量%以上と平均粒子径が0.1~10μmの微粒子を0.05~1質量%含有することを特徴とする積層延伸ポリアミドフィルム。
〔2〕 前記A層はポリアミド6を70質量%以上含有することを特徴とする〔1〕に記載の積層延伸ポリアミドフィルム。
〔3〕 積層延伸ポリアミドフィルムの厚みが5~30μmであり、A層の厚みが4.0μm以上であり、B層の厚みが0.5μm以上であり、C層の厚みが0.5μm以上であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の積層延伸ポリアミドフィルム。
〔4〕 A層がポリアミド6/66共重合体を0.5~30質量%含むことを特徴とする〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の積層延伸ポリアミドフィルム。
〔5〕 A層がポリアミド6/12共重合体を0.5~30質量%含むことを特徴とする〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の積層延伸ポリアミドフィルム。
〔6〕 耐水ラミネート強度が2.0N/15mm以上であることを特徴とする〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の積層延伸ポリアミドフィルム。
【0013】



かかる本発明の積層延伸ポリアミドフィルムは、ポリアミド6を65質量%以上、好ましくは70質量%以上含む基材層(A層)によって、二軸延伸ポリアミドフィルムが持つ優れた引張強度、衝撃強度、屈曲強度、耐ピンホール性、耐油性、酸素ガスバリア性を持つ。



そして本発明の積層延伸ポリアミドフィルムは、易接着層(B層)によって二軸延伸ポリアミドフィルムが持つ上記の優れた特性に寄与しつつ、シーラントフィルムとのラミネート強度を極めて強くすることができる。特に耐水ラミネート強度を大幅に向上できる。



そして本発明の積層延伸ポリアミドフィルムは、易滑層(C層)によってフィルムのハンドリング性を向上できる。

【発明の効果】
【0014】



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムは、二軸延伸ポリアミドフィルムが持つ優れた衝撃強度、耐ピンホール性、酸素ガスバリア性等に加え、耐水ラミネート強度が強いので、スープ包装袋や水物の包装袋等の輸送中に、衝撃や振動による包装袋の破袋の防止に有効である。



また、本発明の積層延伸ポリアミドフィルムは、コーティング工程を省けるため、生産性が良く経済的であり、傷などの欠点が少ないという利点がある。本発明の積層延伸ポリアミドフィルムは、コーティング剤が積層されていないので衛生的であるという利点がある。

【発明を実施するための形態】
【0015】



以下、本発明について詳細に説明する。



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムは、ポリアミド6を65質量%以上、好ましくは70質量%以上含む基材層(A層)の少なくとも一方の面に、60~100質量%の共重合体中の共重合成分の比率が3~35質量%であるポリアミド6共重合体と0~40質量%のポリアミド6を含む易接着層(B層)とB層とは反対の面に平均粒子径が0.1~10μmの微粒子を0.05~1質量%含有するポリアミド6を主成分とする易滑層(C層)が積層された積層延伸ポリアミドフィルムである。

【0016】



<積層ポリアミドフィルムの厚み構成>



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムの合計厚みは、5~30μmである。積層延伸ポリアミドフィルムの合計厚みが30μmより厚い場合、強度的に性能が飽和する。また、シーラントとラミネートして包装袋とした時の柔軟性が悪くなる。



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムの基材層(A層)の厚みは、4.0μm以上が好ましい。より好ましくは、4.5μm以上である。基材層(A層)の厚みが4.0μmより薄い場合、フィルム全体が柔らかすぎて、印刷機や製袋機で加工できなくなる。

【0017】



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムの易接着層(B層)の厚みは、0.5μm以上が好ましい。B層の厚みが、0.5μmより薄い場合、本発明の目的である耐水ラミネート強度が得られない。B層の厚みの上限は、特にない。ただし、B層の厚みが5μmより厚くなると耐水ラミネート強度は飽和してくる一方、フィルム全体の強度が下がるので5μm以下が好ましい。

【0018】



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムの易滑層(C層)の厚みは、0.5μm以上が好ましい。C層の厚みが、0.5μmより薄い場合、滑り性の改善効果が弱くなる。また、厚み斑が増す傾向がある。C層の厚みの上限は、特にない。ただし、C層の厚みが厚くなるとフィルムの透明性が悪くなる傾向がある。

【0019】



<基材層(A層)>



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムの基材層(A層)は、ポリアミド6を65質量%以上、好ましくは70質量%以上含む。ポリアミド6が65質量%より少ない場合、十分な衝撃強度、耐ピンホール性、高温での寸法安定性、透明性が得られなくなる。

【0020】



基材層(A層)に使用するポリアミド6は、通常、ε-カプロラクタムの開環重合によって製造される。開環重合で得られたポリアミド6は、通常、熱水でε-カプロラクタムモノマーを除去した後、乾燥してから押出し機で溶融押出しされる。

【0021】



ポリアミド6の相対粘度は、1.8~4.5であることが好ましく、より好ましくは、2.6~3.2である。相対粘度が1.8より小さい場合は、フィルムの衝撃強度が不足する。4.5より大きい場合は、押出機の負荷が大きくなり延伸前のシートを得るのが困難になる。

【0022】



基材層(A層)は、ポリアミド6共重合体を0.5~30質量%含んでも構わない。A層は、ポリアミド6共重合体を含むことによって、A層とB層の間の接着強度を高めることができる。基材層(A層)に含有させるポリアミド6共重合体は、B層のポリアミド6共重合体と共重合成分が同じであることが好ましい。

【0023】



A層は、ポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)を0.5~30質量%含んでも構わない。ポリアミドMXD6を含むことによって、延伸性を良くすることができ、その結果、フィルムの生産におけるフィルム破断の抑制効果やフィルム厚み斑低減の効果が得られる。

【0024】



A層は、ポリアミドエラストマー又はポリオレフィンエラストマーを0.5~30質量%含んでも構わない。ポリアミドエラストマー又はポリオレフィンエラストマーを含むことによって、耐ピンホール性を良くすることができる。

【0025】



使用するポリアミドエラストマーとしては、ナイロン12のハードセグメントとポリテトラメチレングリコールのソフトセグメントからなるポリアミドエラストマーなどが挙げられる。

【0026】



使用するポリオレフィンエラストマーとしては、ポリオレフィンをハードセグメントとし、各種ゴム成分をソフトセグメントとするブロック共重合体などが挙げられる。ハードセグメントを構成するポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、などが挙げられる。ソフトセグメントを構成するゴム成分としては、例えば、エチレン-プロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ポリブタジエン、などが挙げられる。

【0027】



<易接着層(B層)>



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムの易接着層(B層)は、共重合体中の共重合成分の比率が3~35質量%であるポリアミド6共重合体を60~100質量%含む。



易接着層(B層)のポリアミド6共重合体の含有量が60質量%より少ない場合、十分な耐水ラミネート強度が得られなくなる。



上記ポリアミド6共重合体中の共重合成分の比率は3~35質量%である。



共重合成分の比率が3質量%未満である場合、十分な耐水ラミネート強度が得られなくなる。



共重合体中の共重合成分の比率が35質量%より大きいと、原料供給する際にハンドリングしにくくなる場合がある。



上記ポリアミド6共重合体の融点は、170~220℃が好ましい。より好ましくは、175~215℃、更に好ましくは180~210℃である。ポリアミド6共重合体の融点が215℃より高いと十分な耐水接着性が得られなくなる場合がある。ポリアミド6共重合体の融点が170℃より低いと、原料供給する際にハンドリングしにくくなる場合がある。

【0028】



上記易接着層(B層)に使用するポリアミド6共重合体は、ε-カプロラクタムまたはアミノカプロン酸に共重合成分を3~35質量%の比率で共重合して得られる。ここで共重合の比率は、共重合後に残存するモノマーを熱水などで除去した後の質量%である。


ε-カプロラクタムへの共重合成分としては、例えば、ε-カプロラクタム以外のラクタムやアミノカプロン酸以外のアミノ酸やジカルボン酸とジアミンの塩を共重合することで得られる。ポリアミド6共重合体の重合においてε-カプロラクタムと共重合されるモノマーとしては、例えば、ウンデカンラクタム、ラウリルラクタム、アミノウンデカン酸、アミノラウリル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、ノナンジアミン、デカンジアミン、メチルペンタンジアミン、メタキシリレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、等が挙げられる。



上記ポリアミド6共重合体としては、例えば、ポリアミド6/66共重合体、ポリアミド6/12共重合体、ポリアミド6/6T共重合体、ポリアミド6/610共重合体、ポリアミド6/6I共重合体、ポリアミド6/9T共重合体、ポリアミド6/6I共重合体、ポリアミド6/11共重合体、などが挙げられる。

【0029】



易接着層(B層)に使用するポリアミド6/66共重合体は、ε-カプロラクタムとアジピン酸ヘキサメチレンジアンモニウム塩から重合する方法などで得られる。



Ultramid C3301(BASF社製)、Nylon 5023B(宇部興産株式会社製)などの市販されているものも使用できる。



なお、A層に0.5~30質量%含有させてもよいポリアミド6/66共重合体も、上記のものを使用できる。

【0030】



ポリアミド6/66共重合体中のポリアミド6とポリアミド66との共重合割合は、ポリアミド6/66共重合体中のポリアミド66の比率が3~35質量%である。好ましくは、5~30質量%である。より好ましくは、5~25質量%である。



ポリアミド6/66共重合体中のポリアミド66の比率が3質量%より少ない場合、本発明の課題である易接着性が発現しない。



ポリアミド6/66共重合体中のポリアミド66の比率が35質量%より多い場合、共重合体の結晶性が低くなり、取り扱いが困難になる場合がある。



ポリアミド6/66共重合体の相対粘度は、1.8~4.5であることが好ましく、より好ましくは、2.6~3.2である。

【0031】



易接着層(B層)に使用するポリアミド6/12共重合体は、ε-カプロラクタムとω-ラウリルラクタムから重合する方法などで得られる。



ナイロン樹脂7024B(宇部興産株式会社製)などの市販されているものも使用できる。



なお、A層に0.5~30質量%含有させてもよいポリアミド6/12共重合体も、上記のものを使用できる。

【0032】



ポリアミド6/12共重合体中のポリアミド6とポリアミド12との共重合割合は、ポリアミド6/12共重合体中のポリアミド12の比率が3~35質量%である。好ましくは、5~30質量%である。より好ましくは、5~25質量%である。



ポリアミド6/12共重合体中のポリアミド12の比率が3質量%より少ない場合、本発明の課題である易接着性が発現しない。



ポリアミド6/12共重合体中のポリアミド12の比率が35質量%より多い場合、共重合体の結晶性が低くなり、取り扱いが困難になる場合がある。



ポリアミド6/12共重合体の相対粘度は、1.8~4.5であることが好ましく、より好ましくは、2.5~4.0である。

【0033】



本発明における重要な点は、基材層(A層)のシーラントとラミネートする側の面にポリアミド6共重合体を含む易接着層(B層)を積層させることによって、シーラントとラミネートする面の結晶化度を下げて、接着性を上げている点である。

【0034】



<易滑層(C層)>



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムの易滑層(C層)は、ポリアミド6を70質量%以上と平均粒子径が0.1~10μmの微粒子を0.05~1質量%含有する。



ポリアミド6を70質量%以上含有することで、積層延伸ポリアミドフィルムの強度を維持することができる。



平均粒子径が0.1~10μmの微粒子を0.05~1質量%含有することで、易滑層(C層)表面に微小な突起が形成され、積層延伸フィルム面間の接触を減らし、フィルムを滑り易くする。

【0035】



前記微粒子としては、シリカ、カオリン、ゼオライト等の無機滑剤、アクリル系、ポリスチレン系等の高分子系有機滑剤等の中から適宜選択して使用することができる。なお、透明性と滑り性の面から、シリカ微粒子を用いることが好ましい。

【0036】



前記微粒子の好ましい平均粒子径は0.5~5.0μmであり、より好ましくは1.0~3.0μmである。平均粒子径が0.5μm未満であると、良好な滑り性を得るのに多量の添加量が要求され、5.0μmを超えると、フィルムの表面粗さが大きくなりすぎて外観が悪くなるなどの実用特性を満たさなくなるので好ましくない。

【0037】



前記微粒子の細孔容積の範囲は、0.5~2.0ml/gであると好ましく、0.8~1.6ml/gであるとより好ましい。細孔容積が0.5ml/g未満であると、ボイドが発生し易くなりフィルムの透明性が悪化し、細孔容積が2.0ml/gを超えると、微粒子による表面の突起ができにくくなりフィルムの滑り性が悪くなるため、好ましくない。

【0038】



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムの易滑層(C層)には、滑り性を良くする目的で脂肪酸アマイド及び/又は脂肪酸ビスアマイドを含有させることができる。脂肪酸アマイド及び/又は脂肪酸ビスアマイドとしては、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイドなどが挙げられる。

【0039】



この場合のポリアミド重合体中の脂肪酸アマイド及び/又は脂肪酸ビスアマイドの含有量は、好ましくは0.01~0.40質量%であり、さらに好ましくは0.05~0.30質量%である。脂肪酸アマイド及び/又は脂肪酸ビスアマイドの含有量が上記範囲未満となると、滑り性が悪く、印刷やラミネート等における加工適性が不良となり、上記範囲を越えると、経時的にフィルム表面へのブリードにより表面に斑を生ずることがあり、品質上好ましくない。

【0040】



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムの基材層(A層)、易接着層(B層)及び/又は易滑層(C層)には、耐水ラミネート強度などの特性を阻害しない範囲内で、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、耐光剤、耐衝撃改良剤、滑剤、ブロッキング防止剤、等の各種添加剤を含有させることができる。

【0041】



基材層(A層)に易接着層(B層)と易滑層(C層)を積層する方法としては、フィードブロックやマルチマニホールドなどを使用した共押出法が好ましい。共押出法以外に、ドライラミネート法、押出ラミネート法等を選ぶこともできる。



共押出法で積層する場合、A層、B層及びC層に使用するポリアミドの相対粘度は、A層、B層及びC層の溶融粘度の差が少なくなるように選択することが望ましい。

【0042】



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムを得るための延伸方法は、逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法いずれでもかまわない。逐次二軸延伸法の方が、製膜速度が上げられるので、製造コスト的に有利であるので好ましい。一軸延伸法による一軸延伸フィルムであっても構わなく、ラミネート強度が良好な一軸延伸ポリアミドフィルムが得られる。しかし、耐衝撃性、耐ピンホール性は二軸延伸ポリアミドフィルムの方が良好である。



装置としては通常の逐次二軸延伸装置が用いられる。製造の条件としては、押出温度は200℃~300℃、装置の流れ方法である縦方向(MDと略す場合がある)の延伸温度は50~100℃、縦方向の延伸倍率は2~5倍、装置の幅方向(TDと略す場合がある)延伸温度は120~200℃、幅方向延伸倍率は3~5倍、熱固定温度は200℃~230℃の範囲であることが好ましい。

【0043】



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムの延伸条件としては、縦方向および幅方向にそれぞれ2.8倍以上延伸することが好ましく、幅方向は3.2倍以上が更に好ましい。また、熱固定温度は高い方がより高い耐水ラミネート強度が得られる傾向があるので好ましい。熱固定温度が200℃より低い場合、十分な耐水ラミネート強度と熱寸法安定性が得られない場合がある。

【0044】



シーラントとの接着強度を更に上げたい場合には、ポリアミド共重合体を含む層とシーラント層との間にコーティング層を設けても構わない。この場合、耐水ラミネート強度を高めるには、コーティング剤は耐水性であることが好ましい。また、シーラントとの接着強度を上げたい場合、コロナ処理や火炎処理等を施してもよい。

【実施例
【0045】



以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例に限定されるものではない。



なお、フィルムの評価は次の測定法に基づいて行った。特に記載しない場合は、測定は23℃、相対湿度65%の環境の測定室で行った。

【0046】



(1)フィルムの厚み



フィルムの幅方向(TD)に10等分して(幅が狭いフィルムについては厚みを測定できる幅が確保できる幅になるよう当分する)、縦方向に100mmのフィルムを10枚重ねで切り出し、温度23℃、相対湿度65%の環境下で2時間以上コンディショニングする。



テスター産業製厚み測定器で、それぞれのサンプルの中央の厚み測定し、その平均値を厚みとした。



基材層(A層)と易接着層(B層)と易滑層(C層)の厚みは、上記方法で測定した積層延伸ポリアミドフィルムの合計の厚みを基材層(A層)の吐出量と易接着層(B層)と易滑層(C層)の吐出量を測定し、吐出量の比をもとに基材層(A層)と易接着層(B層)の厚みを算出した。

【0047】



(2)フィルムの動摩擦係数



JIS-C2151に準拠し、下記条件によりフィルムのC層面同士の動摩擦係数を評価した。



・測定雰囲気:23℃、50%RH(相対湿度)



・試験片:幅130mm、長さ250mm



・試験速度:150mm/分

【0048】



(3)フィルムの衝撃強度



東洋精機製作所株式会社製のフィルムインパクトテスターを使用し、温度23℃、相対湿度65%の環境下で10回測定し、その平均値で評価した。衝撃球面は、直径1/2インチのものを用いた。単位はJを用いた。

【0049】



(4)フィルムの熱収縮率



幅20mm×長さ250mmの寸法のフィルム各5個を縦方向(MD)及び幅方向(TD)から切り出し、試験片とした。各試験片には,試験片の中央部を中心にして間隔200mm±2mmの標線を付けた。加熱前の試験片の標線の間隔を0.1mmの精度で測定した。試験片を熱風乾燥機(エスペック社製、PHH-202)内に無荷重の状態で吊り下げ、160℃、10分の加熱条件で熱処理を施した。試験片を恒温槽から取り出して室温まで冷却した後,初めに測定したときと同じ部分について長さ及び幅を測定した。各試験片の寸法変化率は,縦方向及び横方向について寸法変化の初期値に対する百分率として計算した。各方向の寸法変化率は,その方向での測定値の平均とした。

【0050】



(5)フィルムの耐ピンホール性



テスター産業株式会社製の恒温槽付ゲルボフレックステスターBE1006を使用し、下記の方法によりピンホール数を測定した。



フィルムにポリエステル系接着剤〔東洋モートン株式会社製のTM-569(製品名)およびCAT-10L(製品名)を質量比で7.2/1に混合したもの(固形分濃度23%)〕を乾燥後の樹脂固形分が3.2g/mとなるように塗布した後、線状低密度ポリエチレンフィルム(L-LDPEフィルム:東洋紡績株式会社製、リックス(登録商標)L4102)40μmをドライラミネートし、40℃の環境下で2日間エージングを行い、ラミネートフィルムを得た。

【0051】



得られたドライラミネートフィルムを28.0cm(11インチ)×24.0cm(9.4インチ)の大きさに切断し、切断後のフィルムを、温度23℃の相対湿度50%の条件下に、6時間以上放置してコンディショニングした。しかる後、その長方形テストフィルムを巻架して直径8.9.cm(3.5インチ)の円筒状にする。そして、その円筒状フィルムの一端を、ゲルボフレックステスターの円盤状固定ヘッドの外周に固定し、円筒状フィルムの他端を、固定ヘッドと19.4cm(7.6インチ)隔てて対向したテスターの円盤状可動ヘッドの外周に固定した。そして、可動ヘッドを固定ヘッドの方向に、平行に対向した両ヘッドの軸に沿って7.6cm(3.5インチ)接近させる間に440゜回転させ、続いて回転させることなく6.4cm(2.5インチ)直進させた後、それらの動作を逆向きに実行させて可動ヘッドを最初の位置に戻すという1サイクルの屈曲テストを、1分間あたり40サイクルの速度で、連続して1000サイクル繰り返した。実施は1℃で行った。しかる後に、テストしたフィルムの固定ヘッドおよび可動ヘッドの外周に固定した部分を除く19.4cm(7.6インチ)×25.5cm(11インチ)内の部分に生じたピンホール数を計測した(すなわち、495cm(77平方インチ)当たりのピンホール数を計測した)。

【0052】



(6)耐水ラミネート強度(水付着条件下でのラミネート強度)



耐ピンホール性評価の説明に記載した方法と同様にして作製したラミネートフィルムを幅15mm×長さ200mmの短冊状に切断し、ラミネートフィルムの一端を二軸延伸ポリアミドフィルムと線状低密度ポリエチレンフィルムとの界面で剥離し、(株式会社島津製作所製、オートグラフ)を用い、温度23℃、相対湿度50%、引張り速度200mm/分、剥離角度90°の条件下で、上記短冊状ラミネートフィルムの剥離界面に水をスポイトで垂らしながらラミネート強度を3回測定し、その平均値で評価した。

【0053】



(7)原料ポリアミドの相対粘度



0.25gのポリアミドを25mlのメスフラスコ中で1.0g/dlの濃度になるよ



うに96%硫酸で溶解したポリアミド溶液を20℃にて相対粘度を測定した。



(8)原料ポリアミドの融点



JIS K7121に準じてセイコーインスルメンツ社製、SSC5200型示差走査熱量測定器を用いて、窒素雰囲気中で、試料重量:10mg、昇温開始温度:30℃、昇温速度:20℃/分で測定し、吸熱ピーク温度(Tmp)を融点として求めた。

【0054】



(実施例1)



A層用の口径60mm押出機1台とB層及びC層用の口径25mmの押出機2台と380mm巾の共押出Tダイよりなる装置を使用し、基材層(A層)としてポリアミド6(相対粘度2.8、融点220℃)を、易接着層(B層)としてポリアミド6(相対粘度2.8、融点220℃)とポリアミド6/66共重合体(ポリアミド66の比率が7質量%、相対粘度2.8、融点198℃)を質量比で9/91の割合で配合しシリカ微粒子0.54質量%、エチレンビスステアリン酸アマイドを0.15質量%含まれるように添加したもの、易滑層(C層)としてポリアミド6(相対粘度2.8、融点220℃)にシリカ微粒子0.54質量%、エチレンビスステアリン酸アマイドを0.15質量%含まれるように添加したものを溶融押出しして、フィードブロックで易接着層(B層)/基材層(A層)/易滑層(C層)の構成に積層してTダイからシート状に押出し、20℃に温調した冷却ロールに密着させて200μmの積層未延伸シートを得た。



なお、使用した原料は、水分率が0.1質量%になるように乾燥してから使用した。


また、シリカ微粒子は、細孔容積1.6ml/g、平均粒子径3.9μmを用いた。
【0055】



得られた積層未延伸シートを、ロール式延伸機に導き、ロールの周速差を利用して、80℃で縦方向に1.7倍延伸した後、70℃でさらに1.85倍延伸した。引き続き、この一軸延伸フィルムを連続的にテンター式延伸機に導き、110℃で予熱した後、幅方向(MD)に120℃で1.2倍、130℃で1.7倍、160℃で2.0倍延伸して、210℃で熱固定処理した後、210℃で3%および185℃で2%の緩和処理を行い、ついで易接着(B層)の表面をコロナ放電処理してB層/A層/C層の順に積層された3種3層の積層二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。



なお、積層延伸ポリアミドフィルムの厚みは、合計厚みが15μm、基材層(A層)の厚みが12μm、表裏の易接着層(B層)及び易滑層(C層)の厚みがそれぞれ1.5μmずつになるように、フィードブロックの構成と押出し機の吐出量を調整した。

【0056】



(実施例2)



基材層(A層)としてポリアミド6とポリアミド6/66共重合体を質量比で70/30の割合で配合して溶融押出しし、易接着層(B層)としてポリアミド6とポリアミド6/66共重体を15/85質量比の割合で配合しシリカ微粒子(細孔容積0.8ml/g、平均粒子径2.7μm)を0.03質量%含まれるように添加したものを溶融押出しし、易滑層(C層)としてポリアミド6とMXDを重量比で95/5の割合で配合して溶融押出しした以外は実施例1と同じように積層二軸延伸ポリアミドフィルムを作製した。
【0057】



(実施例3)



基材層(A層)としてポリアミド6とポリアミド6/66共重合体を質量比で95/5の割合で配合して溶融押出しし、易接着層(B層)としてポリアミド6とポリアミド6/66共重合体を30/70質量比で溶融押出しし、易滑層(C層)としてポリアミド6とMXDを重量比で95/5の割合で配合して溶融押出ししたこと以外は実施例1と同じように積層二軸延伸ポリアミドフィルムを作製した。

【0058】



(実施例4)



易接着層(B層)としてポリアミド6とポリアミド6/66共重合体を40/60質量比で溶融押出ししたこと以外は実施例3と同じように積層二軸延伸ポリアミドフィルムを作製した。

【0059】



(比較例1)



易接着層(B層)としてポリアミド6とポリアミド6/66共重合体の割合を質量比で65/35の割合で配合したものを溶融押出しした以外は実施例3と同じように積層二軸延伸ポリアミドフィルムを作製した。

【0060】



(比較例2)



易接着層(B層)としてポリアミド6とポリアミド6/66共重合体の質量比で50/50の割合で配合したものを溶融押出しした以外は、実施例3と同じように積層二軸延伸ポリアミドフィルムを作製した。

【0061】



(実施例5)



ポリアミド6/66共重合体(ポリアミド66の比率が7質量%、相対粘度2.8、融点198℃)の代わりにポリアミド6/12共重合体(宇部興産株式会社製7024B:相対粘度2.6、融点201℃)を質量比で9/91の割合で配合した以外は実施例1と同じように積層二軸延伸ポリアミドフィルムを作製した。

【0062】



(実施例6)



基材層(A層)としてポリアミド6とポリアミド6/12共重合体を質量比で95/5の割合で配合して溶融押出しし、易接着層(B層)としてポリアミド6とポリアミド6/12共重体を15/85質量比の割合となるように溶融押出しし、易滑層(C層)としてポリアミド6とMXDを重量比で95/5の割合で配合して溶融押出しした。それ以外は実施例5と同じように積層二軸延伸ポリアミドフィルムを作製した。

【0063】



(実施例7)



基材層(A層)としてポリアミド6とポリアミド6/12共重合体を質量比で80/20の割合で配合して溶融押出しし、易接着層(B層)としてポリアミド6とポリアミド6/12共重合体を30/70質量比で溶融押出ししたこと以外は実施例6と同じように積層二軸延伸ポリアミドフィルムを作製した。

【0064】



(実施例8)



易接着層(B層)としてポリアミド6とポリアミド6/12共重合体を40/60質量比で溶融押出ししたこと以外は実施例6と同じように積層二軸延伸ポリアミドフィルムを作製した。

【0065】



(比較例3)



易接着層(B層)としてポリアミド6とポリアミド6/12共重合体の割合を質量比で65/35の割合で配合したものを溶融押出しし、易滑層(C層)としてポリアミド6とMXDを重量比で95/5の割合で配合して溶融押出しした以外は実施例6と同じように積層二軸延伸ポリアミドフィルムを作製した。



(比較例4)



易接着層(B層)としてポリアミド6とポリアミド6/12共重合体の質量比で50/50の割合で配合したものを溶融押出しした以外は、実施例6と同じように積層二軸延伸ポリアミドフィルムを作製した。
【0066】



(実施例9)



ポリアミド6/66共重合体(ポリアミド66の比率が7質量%、相対粘度2.8、融点198℃)の代わりにポリアミド6/66共重合体(ポリアミド66の比率が25質量%、相対粘度2.8、融点187℃)を用いた以外は実施例2と同じように積層二軸延伸ポリアミドフィルムを作製した。

【0067】



実施例1~9および比較例1~4において作製した二軸延伸ポリアミドフィルムの耐水ラミネート強度及びその他の物性を表1に示した。

【0068】


【表1】

【0069】



表1の結果から明らかなように、易接着層(B層)にポリアミド6/66共重合体又はポリアミド6/12共重合体を60質量%以上含む実施例1~実施例9の場合には、十分な耐水ラミネート強度が得られることがわかる。



一方、比較例1~4は、易接着層のポリアミド6/66共重合体又はポリアミド6/12共重合体の含有量が少ないため、十分な耐水ラミネート強度が得られない。

【0070】



以上、本発明の積層延伸ポリアミドフィルムについて、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。

【産業上の利用可能性】
【0071】



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムは、耐熱性、耐衝撃性、耐ピンホール性に優れ、かつ耐水接着性(耐水ラミネート強度)にも優れている。このため、液体包装等の包装材料の用途に好適に用いることができる。



本発明の積層延伸ポリアミドフィルムは、漬物袋、業務用途の大型の水物用の袋などに適用できる。