IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 横河電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-装置、方法およびプログラム 図1
  • 特許-装置、方法およびプログラム 図2
  • 特許-装置、方法およびプログラム 図3
  • 特許-装置、方法およびプログラム 図4
  • 特許-装置、方法およびプログラム 図5
  • 特許-装置、方法およびプログラム 図6
  • 特許-装置、方法およびプログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06N 20/00 20190101AFI20240402BHJP
【FI】
G06N20/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021053941
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022151049
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2022-04-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 涼平
【審査官】▲はま▼中 信行
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-039641(JP,A)
【文献】特開2020-177508(JP,A)
【文献】特開2020-035039(JP,A)
【文献】国際公開第2018/042840(WO,A1)
【文献】藤井 涼平,プラントデータにおける転移学習の可能性,横河技報 Vol.63 No.1,日本,横河電機株式会社,2020年07月06日,第63巻,第17頁-第22頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 3/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとを取得する取得部と、
前記ターゲット状態データおよび前記ソース状態データの分布に基づいて、前記ターゲット状態データおよび前記ソース状態データから共通空間のデータへの変換を生成する変換生成部と、
前記ラベルが付加された前記共通空間のデータを用いて、前記共通空間において前記ターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルを生成するモデル生成部と、
前記共通空間のデータへ変換した前記ソース状態データを用いて前記分類モデルを評価する評価部と、
を備え、
前記取得部は、既に取得した前記ターゲット状態データの分布範囲から外れる状態データを、前記変換を生成するための前記ターゲット状態データとしてさらに取得し
前記取得部は、状態データに含まれる少なくとも1つの測定データについて、既に取得した前記ターゲット状態データの分布範囲外の測定値を有する状態データをランダムに生成して、前記変換を生成するための前記ターゲット状態データとしてさらに取得する、装置。
【請求項2】
前記変換生成部は、第1の前記ソース状態データと、前記ターゲット状態データとを用いて前記変換を生成し、
前記評価部は、前記第1のソース状態データとは異なる第2の前記ソース状態データを用いて前記分類モデルを評価する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記変換生成部は、変換後の前記ターゲット状態データと、変換後の前記ソース状態データとの分布を近似させ、かつ、それぞれの分布の分散を最大とするように前記変換を生成する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記ソース状態データに付加されたラベルに基づいて、良好な状態に対応する前記ソース状態データと、不良な状態に対応する前記ソース状態データとを、予め指定された割合となるように取得する、請求項1から3の何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとを取得する取得部と、
前記ターゲット状態データおよび前記ソース状態データの分布に基づいて、前記ターゲット状態データおよび前記ソース状態データから共通空間のデータへの変換を生成する変換生成部と、
前記ラベルが付加された前記共通空間のデータを用いて、前記共通空間において前記ターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルを生成するモデル生成部と、
前記共通空間のデータへ変換した前記ソース状態データを用いて前記分類モデルを評価する評価部と、
前記分類モデルの評価が基準より高いことに応じて、前記分類モデルを前記ターゲット状態データの分類に用いる分類モデルとして設定する設定部と、
新たに取得され前記共通空間のデータへ変換された前記ターゲット状態データを入力したことに応じて前記分類モデルから出力される分類結果に基づいて状態の良否を判定する判定部と、
判定結果を表示させる表示制御部と、
前記ターゲット状態データに含まれる複数の種類の測定値のうち、前記分類モデルの分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つの測定値を表示対象測定値として設定し、前記共通空間のデータに含まれる複数のパラメータのうち、前記分類モデルの分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つのパラメータを表示対象パラメータとして設定する設定部と、
を備え、
前記表示制御部は、オペレータの操作に応じて、前記取得部が新たに取得した前記ターゲット状態データの測定値のうちの前記表示対象測定値と、前記取得部が新たに取得した前記ターゲット状態データを変換した前記共通空間のパラメータのうちの前記表示対象パラメータの値とを択一的に切り替えて前記判定結果と共に表示させる、装置。
【請求項6】
ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとの分布に基づいて、前記ターゲット状態データを前記ソース状態データとの共通空間のデータへ変換する変換実行部と、
前記ラベルが付加された共通空間のデータに基づいて、前記共通空間において前記ターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルと、
前記ターゲット状態データを新たに取得する取得部と、
前記取得部により新たに取得され前記共通空間のデータへと前記変換実行部によって変換された前記ターゲット状態データを入力したことに応じて前記分類モデルから出力される分類結果に基づいて状態の良否を判定する判定部と、
判定結果を表示させる表示制御部と、
前記ターゲット状態データに含まれる複数の種類の測定値のうち、前記分類モデルの分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つの測定値を表示対象測定値として設定する設定部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記取得部が新たに取得した前記ターゲット状態データの測定値のうちの前記表示対象測定値を前記判定結果と共に表示させる、装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記共通空間のデータに含まれる複数のパラメータのうち、前記分類モデルの分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つのパラメータを表示対象パラメータとして設定し、
前記表示制御部は、オペレータの操作に応じて、前記取得部が新たに取得した前記ターゲット状態データの測定値のうちの前記表示対象測定値と、前記取得部が新たに取得した前記ターゲット状態データを変換した前記共通空間のパラメータのうちの前記表示対象パラメータの値とを択一的に切り替えて前記判定結果と共に表示させる、
を備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
オペレータによる指定の時点で測定された前記ターゲット状態データに対し、前記ラベルを付加するラベル付加部を備える、請求項5から7の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記ラベル付加部によってラベルが付加された前記ターゲット状態データが基準量に達したことを検知する検知部を備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記判定部は、互いに異なる複数の前記分類モデルから出力される分類結果に基づいて状態の良否を判定する、請求項5から9の何れか一項に記載の装置。
【請求項11】
コンピュータにより、ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとを取得する取得段階と、
コンピュータにより、前記ターゲット状態データおよび前記ソース状態データの分布に基づいて、前記ターゲット状態データおよび前記ソース状態データから共通空間のデータへの変換を生成する変換生成段階と、
コンピュータにより、前記ラベルが付加された前記共通空間のデータを用いて、前記共通空間において前記ターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルを生成するモデル生成段階と、
コンピュータにより、前記共通空間のデータへ変換した前記ソース状態データを用いて前記分類モデルを評価する評価段階と、
を備え、
前記取得段階では、
既に取得した前記ターゲット状態データの分布範囲から外れる状態データを、前記変換を生成するための前記ターゲット状態データとしてさらに取得し
前記取得段階では、状態データに含まれる少なくとも1つの測定データについて、既に取得した前記ターゲット状態データの分布範囲外の測定値を有する状態データをランダムに生成して、前記変換を生成するための前記ターゲット状態データとしてさらに取得する、方法。
【請求項12】
コンピュータにより、ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとを取得する取得段階と、
コンピュータにより、前記ターゲット状態データおよび前記ソース状態データの分布に基づいて、前記ターゲット状態データおよび前記ソース状態データから共通空間のデータへの変換を生成する変換生成段階と、
コンピュータにより、前記ラベルが付加された前記共通空間のデータを用いて、前記共通空間において前記ターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルを生成するモデル生成段階と、
コンピュータにより、前記共通空間のデータへ変換した前記ソース状態データを用いて前記分類モデルを評価する評価段階と、
前記分類モデルの評価が基準より高いことに応じて、前記分類モデルを前記ターゲット状態データの分類に用いる分類モデルとして設定する設定段階と、
新たに取得され前記共通空間のデータへ変換された前記ターゲット状態データを入力したことに応じて前記分類モデルから出力される分類結果に基づいて状態の良否を判定する判定段階と、
判定結果を表示させる表示制御段階と、
前記ターゲット状態データに含まれる複数の種類の測定値のうち、前記分類モデルの分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つの測定値を表示対象測定値として設定し、前記共通空間のデータに含まれる複数のパラメータのうち、前記分類モデルの分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つのパラメータを表示対象パラメータとして設定する設定段階と、
を備え、
前記表示制御段階では、オペレータの操作に応じて、前記取得段階で新たに取得した前記ターゲット状態データの測定値のうちの前記表示対象測定値と、前記取得段階で新たに取得した前記ターゲット状態データを変換した前記共通空間のパラメータのうちの前記表示対象パラメータの値とを択一的に切り替えて前記判定結果と共に表示させる、方法。
【請求項13】
コンピュータにより、ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとの分布に基づいて、前記ターゲット状態データを前記ソース状態データとの共通空間のデータへ変換する変換実行段階と、
コンピュータにより、前記ターゲット状態データを新たに取得する取得段階と、
コンピュータにより、前記ラベルが付加された共通空間のデータに基づいて、前記共通空間において前記ターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルに対し、新たに取得され前記共通空間のデータへと変換された前記ターゲット状態データを入力したことに応じて前記分類モデルから出力される分類結果に基づいて、状態の良否を判定する判定段階と、
コンピュータにより、判定結果を表示させる表示制御段階と、
コンピュータにより、前記ターゲット状態データに含まれる複数の種類の測定値のうち、前記分類モデルの分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つの測定値を表示対象測定値として設定する設定段階と、
を備え、
前記表示制御段階では、前記取得段階により新たに取得した前記ターゲット状態データの測定値のうちの前記表示対象測定値を前記判定結果と共に表示させる、方法。
【請求項14】
コンピュータを、
ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとを取得する取得部と、
前記ターゲット状態データおよび前記ソース状態データの分布に基づいて、前記ターゲット状態データおよび前記ソース状態データから共通空間のデータへの変換を生成する変換生成部と、
前記ラベルが付加された前記共通空間のデータを用いて、前記共通空間において前記ターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルを生成するモデル生成部と、
前記共通空間のデータへ変換した前記ソース状態データを用いて前記分類モデルを評価する評価部
として機能させ、
前記取得部は、既に取得した前記ターゲット状態データの分布範囲から外れる状態データを、前記変換を生成するための前記ターゲット状態データとしてさらに取得し
前記取得部は、状態データに含まれる少なくとも1つの測定データについて、既に取得した前記ターゲット状態データの分布範囲外の測定値を有する状態データをランダムに生成して、前記変換を生成するための前記ターゲット状態データとしてさらに取得する、プログラム。
【請求項15】
コンピュータを、
ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとを取得する取得部と、
前記ターゲット状態データおよび前記ソース状態データの分布に基づいて、前記ターゲット状態データおよび前記ソース状態データから共通空間のデータへの変換を生成する変換生成部と、
前記ラベルが付加された前記共通空間のデータを用いて、前記共通空間において前記ターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルを生成するモデル生成部と、
前記共通空間のデータへ変換した前記ソース状態データを用いて前記分類モデルを評価する評価部と、
前記分類モデルの評価が基準より高いことに応じて、前記分類モデルを前記ターゲット状態データの分類に用いる分類モデルとして設定する設定部と、
新たに取得され前記共通空間のデータへ変換された前記ターゲット状態データを入力したことに応じて前記分類モデルから出力される分類結果に基づいて状態の良否を判定する判定部と、
判定結果を表示させる表示制御部と、
前記ターゲット状態データに含まれる複数の種類の測定値のうち、前記分類モデルの分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つの測定値を表示対象測定値として設定し、前記共通空間のデータに含まれる複数のパラメータのうち、前記分類モデルの分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つのパラメータを表示対象パラメータとして設定する設定部、
として機能させ、
前記表示制御部は、オペレータの操作に応じて、前記取得部が新たに取得した前記ターゲット状態データの測定値のうちの前記表示対象測定値と、前記取得部が新たに取得した前記ターゲット状態データを変換した前記共通空間のパラメータのうちの前記表示対象パラメータの値とを択一的に切り替えて前記判定結果と共に表示させる、プログラム。
【請求項16】
コンピュータを、
ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとの分布に基づいて、前記ターゲット状態データを前記ソース状態データとの共通空間のデータへ変換する変換実行部と、
前記ラベルが付加された共通空間のデータに基づいて、前記共通空間において前記ターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルと、
前記ターゲット状態データを新たに取得する取得部と、
前記取得部により新たに取得され前記共通空間のデータへと前記変換実行部によって変換された前記ターゲット状態データを入力したことに応じて前記分類モデルから出力される分類結果に基づいて状態の良否を判定する判定部と、
判定結果を表示させる表示制御部と、
前記ターゲット状態データに含まれる複数の種類の測定値のうち、前記分類モデルの分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つの測定値を表示対象測定値として設定する設定部と、
として機能させ、
前記表示制御部は、前記取得部が新たに取得した前記ターゲット状態データの測定値のうちの前記表示対象測定値を前記判定結果と共に表示させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「試行転移学習部により生成された決定木を構成する全てのリーフノードを用いて、前記取得部により取得された事前ドメインが転移学習に有効であるか否かを判断する」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2016-191975号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、装置が提供される。装置は、ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとを取得する取得部を備えてよい。装置は、ターゲット状態データおよびソース状態データの分布に基づいて、ターゲット状態データおよびソース状態データから共通空間のデータへの変換を生成する変換生成部を備えてよい。装置は、ラベルが付加された共通空間のデータを用いて、共通空間においてターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルを生成するモデル生成部を備えてよい。装置は、共通空間のデータへ変換したソース状態データを用いて分類モデルを評価する評価部を備えてよい。
【0004】
変換生成部は、第1のソース状態データと、ターゲット状態データとを用いて変換を生成してよい。評価部は、第1のソース状態データとは異なる第2のソース状態データを用いて分類モデルを評価してよい。
【0005】
変換生成部は、変換後のターゲット状態データと、変換後のソース状態データとの分布を近似させ、かつ、それぞれの分布の分散を最大とするように変換を生成してよい。
【0006】
取得部は、ソース状態データに付加されたラベルに基づいて、良好な状態に対応するソース状態データと、不良な状態に対応するソース状態データとを、予め指定された割合となるように取得してよい。
【0007】
取得部は、既に取得したターゲット状態データの分布範囲から外れる状態データを、変換を生成するためのターゲット状態データとしてさらに取得してよい。
【0008】
装置は、分類モデルの評価が基準より高いことに応じて、分類モデルをターゲット状態データの分類に用いる分類モデルとして設定する設定部を備えてよい。装置は、新たに取得され共通空間のデータへ変換されたターゲット状態データを入力したことに応じて分類モデルから出力される分類結果に基づいて状態の良否を判定する判定部を備えてよい。装置は、判定結果を表示させる表示制御部を備えてよい。
【0009】
本発明の第2の態様においては、装置が提供される。装置は、ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとの分布に基づいて、ターゲット状態データをソース状態データとの共通空間のデータへ変換する変換実行部を備えてよい。装置は、ラベルが付加された共通空間のデータに基づいて、共通空間においてターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルを備えてよい。装置は、ターゲット状態データを新たに取得する取得部を備えてよい。装置は、取得部により新たに取得され共通空間のデータへと変換実行部によって変換されたターゲット状態データを入力したことに応じて分類モデルから出力される分類結果に基づいて状態の良否を判定する判定部を備えてよい。装置は、判定結果を表示させる表示制御部を備えてよい。
【0010】
装置は、ターゲット状態データに含まれる複数の種類の測定値のうち、分類モデルの分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つの測定値を表示対象測定値として設定し、共通空間のデータに含まれる複数のパラメータのうち、分類モデルの分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つのパラメータを表示対象パラメータとして設定する設定部を備えてよい。表示制御部は、オペレータの操作に応じて、取得部が新たに取得したターゲット状態データの測定値のうちの表示対象測定値と、取得部が新たに取得したターゲット状態データを変換した共通空間のパラメータのうちの表示対象パラメータの値とを択一的に切り替えて判定結果と共に表示させてよい。
【0011】
装置は、オペレータによる指定の時点で測定されたターゲット状態データに対し、ラベルを付加するラベル付加部を備えてよい。
【0012】
装置は、ラベル付加部によってラベルが付加されたターゲット状態データが基準量に達したことを検知する検知部を備えてよい。
【0013】
判定部は、互いに異なる複数の分類モデルから出力される分類結果に基づいて状態の良否を判定してよい。
【0014】
本発明の第3の態様においては、方法が提供される。方法は、ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとを取得する取得段階を備えてよい。方法は、ターゲット状態データおよびソース状態データの分布に基づいて、ターゲット状態データおよびソース状態データから共通空間のデータへの変換を生成する変換生成段階を備えてよい。方法は、ラベルが付加された共通空間のデータを用いて、共通空間においてターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルを生成するモデル生成段階を備えてよい。方法は、共通空間のデータへ変換したソース状態データを用いて分類モデルを評価する評価段階を備えてよい。
【0015】
本発明の第4の態様においては、方法が提供される。方法は、ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとの分布に基づいて、ターゲット状態データをソース状態データとの共通空間のデータへ変換する変換実行段階を備えてよい。方法は、ターゲット状態データを新たに取得する取得段階を備えてよい。方法は、ラベルが付加された共通空間のデータに基づいて、共通空間においてターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルに対し、新たに取得され共通空間のデータへと変換されたターゲット状態データを入力したことに応じて分類モデルから出力される分類結果に基づいて、状態の良否を判定する判定段階を備えてよい。方法は、判定結果を表示させる表示制御段階を備えてよい。
【0016】
本発明の第5の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとを取得する取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、ターゲット状態データおよびソース状態データの分布に基づいて、ターゲット状態データおよびソース状態データから共通空間のデータへの変換を生成する変換生成部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、ラベルが付加された共通空間のデータを用いて、共通空間においてターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルを生成するモデル生成部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、共通空間のデータへ変換したソース状態データを用いて分類モデルを評価する評価部として機能させてよい。
【0017】
本発明の第6の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであり、状態の良否を示すラベルが付加されたソース状態データとの分布に基づいて、ターゲット状態データをソース状態データとの共通空間のデータへ変換する変換実行部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、ラベルが付加された共通空間のデータに基づいて、共通空間においてターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデルとして機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、ターゲット状態データを新たに取得する取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、取得部により新たに取得され共通空間のデータへと変換実行部によって変換されたターゲット状態データを入力したことに応じて分類モデルから出力される分類結果に基づいて状態の良否を判定する判定部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、判定結果を表示させる表示制御部として機能させてよい。
【0018】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係るシステム1を示す。
図2】装置4の動作を示す。
図3】状態データから共通空間のデータへの変換を概念的に示す。
図4】第2実施形態に係る装置4Aを示す。
図5】装置4Aの動作を示す。
図6】表示画面の例を示す。
図7】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
[1.第1実施形態]
[1.1.システム1の構成]
図1は、第1実施形態に係るシステム1を示す。システム1は、対象の状態監視を支援するものであり、対象の一例としての複数の設備2と、装置4とを備える。
【0022】
[1.1-1.設備2]
各設備2には、1または複数のセンサ20が設けられる。例えば各設備2は、複数の機器21が設けられたプラントでもよいし、複数の機器21を複合させた複合装置でもよい。複数の設備2は、本実施形態では一例として、同種であるが、異なる種類であってもよい。同種の複数の設備2は、一例として立地が異なる設備であってよいが、運転条件が異なる設備であってもよいし、運転開始からの期間が異なる設備(別言すれば時間的に異なる設備)であってもよい。プラントとしては、化学やバイオ等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等が挙げられる。
【0023】
[1.1-1-1.機器21]
各機器21は、器具、機械または装置であり、例えば、設備2のプロセスにおける圧力、温度、pH、速度、流量などの少なくとも1つの物理量を制御するバルブ、ポンプ、ヒータ、ファン、モータ、スイッチ等のアクチュエータであってよい。本実施形態では一例として、機器21は外部から有線または無線で制御されるが、手動で制御されてもよい。
【0024】
一の設備2に設けられた各機器21は互いに異種でもよいし、少なくとも一部の2以上の機器21が同種でもよい。一の設備2に設けられた複数の機器21と、他の設備2に設けられた複数の機器21とは、少なくとも一部で異なってもよい。
【0025】
[1.1-1-2.センサ20]
各センサ20は、設備2の状態の測定を行う。センサ20は、圧力、温度、pH、速度、流量などの少なくとも1つの物理量を測定してよい。また、センサ20は、設備2の収量や、混入する不純物の割合、各機器21の運転状況などの測定を行ってもよい。各センサ20は互いに異種でもよいし、少なくとも一部の2以上のセンサ20が同種でもよい。一例として、複数のセンサ20は、設備2内の炉における別々の位置に設けられた温度センサであってよい。各センサ20は、測定データを装置4に供給してよい。
【0026】
一の設備2に設けられた各センサ20は互いに異種でもよいし、少なくとも一部の2以上のセンサ20が同種でもよい。一の設備2に設けられた複数のセンサ20と、他の設備2に設けられた複数のセンサ20とは、少なくとも一部で異なってもよい。
【0027】
なお、センサ20と、装置4との間の通信は、例えばISA(International Society of Automation:国際計測制御学会)の無線通信プロトコルで行われてよく、一例としてISA100、HART(Highway Addressable Remote Transducer)(登録商標)、BRAIN(登録商標)、FOUNDATION Fieldbus、PROFIBUS等で行われてよい。
【0028】
[1.1-2.装置4]
装置4は、転移学習を行って分類モデル422を生成する。装置4は、取得部401と、記憶部402と、転移学習部403と、評価部404とを有してよい。
【0029】
[1.1-2-1.取得部401]
取得部401は、設備2の状態を示す状態データを取得する。取得部401は、ターゲットドメインにおける状態データであるターゲット状態データと、ソースドメインにおける状態データであるソース状態データとを取得してよい。
【0030】
ターゲットドメインは複数の設備2のうちの一の設備2(設備2Aとも称する)であってよく、ターゲット状態データは設備2Aの状態を示すべく、設備2Aにおいて少なくとも1つのセンサ20によって測定された測定データを含んでよい。また、ソースドメインは複数の設備2のうちの他の設備2(設備2Bとも称する)であってよく、ソース状態データは設備2Bの状態を示すべく、設備2Bにおいて少なくとも1つのセンサ20によって測定された測定データを含んでよい。測定データには、測定したセンサ20の識別情報が予め付加されてよい。なお、各状態データは一の時点における設備2の状態を示してよく、一の時点、またはその誤差期間内で測定された測定データを含んでよい。
【0031】
取得部401は、状態データを設備2から取得してよく、取得した状態データに取得先の設備2の識別情報(設備IDとも称する)を付加してデータファイル420を生成してよい。これに加えて、または、これに代えて、取得部401は、図示しない外部機器から、作成済みのデータファイル420を取得してもよい。例えば、取得部401は、ターゲット状態データを設備2から取得してデータファイル420を生成してよく、また、ソース状態データを含んで予め作成されたデータファイル420を取得してよい。なお、設備IDは、状態データのドメインを識別するために使用されてよい。
【0032】
ここで、ソース状態データには、設備2Bの状態の良否を示すラベルが付加されている。一方、ターゲット状態データには、設備2Aの状態の良否を示すラベルが付加されていてもよいし、付加されていなくてもよい。ラベルは取得部401が取得する状態データに予め付加されていてもよいし、オペレータ等による外部からの操作に応じ、取得済みの状態データに対して取得部401により付加されてもよい。本実施形態においては一例として、ソース状態データには取得部401による取得前に予め良否のラベルが付加されていてよい。
【0033】
取得部401は、取得した状態データを記憶部402に供給してよい。本実施形態においては一例として、取得部401は、各状態データに設備IDを付加したデータファイル420を記憶部402に供給してよい。
【0034】
[1.1-2-2.記憶部402]
記憶部402は、種々の情報を記憶する。例えば、記憶部402は、上述の複数の測定データファイル420に加え、変換421と分類モデル422との組を少なくとも1つ記憶してよい。
【0035】
[1.1-2-2(1).変換421]
変換421は、写像やマッピング、函数であってよく、ターゲット状態データおよびソース状態データのそれぞれを共通空間のデータに変換する。変換は、ターゲットドメインやソースドメインの座標空間(元の座標空間とも称する)で示される測定データを、これらの座標空間とは異なる共通空間内のパラメータに変換してよい。共通空間の次元数は、元の座標空間の次元数と同じであってもよいし、異なってもよい。例えば、共通空間の各パラメータは元の座標空間の各種の測定値と重み係数(寄与率とも称する)との積の総和で表されてよく、一例として、元の座標空間の各種の測定値を主成分分析した場合の主成分スコアであってよい。変換421は、転移学習部403によって生成されて記憶部402に記憶されてよい。
【0036】
[1.1-2-2(2).分類モデル422]
分類モデル422は、ラベルが付加された共通空間のデータに基づいて、共通空間においてターゲット状態データで示される状態の良否を分類する。分類モデル422は、共通空間においてソース状態データで示される状態の良否を分類してもよい。例えば、分類モデル422は、対応する変換421によって共通空間のデータに変換されたソース状態データやターゲット状態データで示される状態の良否を分類してよい。
【0037】
分類モデル422は、共通空間のデータに変換されたターゲット状態データやソース状態データが入力されることに応じて、状態の良否を示す状態指標値を出力してよい。状態指標値は、状態が良好であることを示す値と、状態が不良であることを示す値とに二値化されていてもよいし、二値化されていない値であってもよい。例えば、分類モデル422は、設備2の状態が良好であることを示す値、および設備2の状態が不良であることを示す値の2値を用いて学習したものであってよく、閾値との比較による2値化前の状態指標値を出力してよい。分類モデル422は、一例としてサポートベクトルマシンであってよいが、ロジスティック回帰や決定木、ニューラルネットワークなどの他のアルゴリズムによる学習済みのモデルであってもよい。分類モデル422は、転移学習部403によって生成されて記憶部402に記憶されてよい。
【0038】
[1.1-2-3.転移学習部403]
転移学習部403は、転移学習を行うものであり、変換生成部431と、モデル生成部432とを有する。
【0039】
[1.1-2-3(1).変換生成部431]
変換生成部431は、ターゲット状態データおよびソース状態データの分布に基づいて変換421を生成する。変換生成部431は、共通空間への変換後のターゲット状態データと、変換後のソース状態データとの分布を近似させ、かつ、それぞれの分布の分散を最大とするように変換421を生成してよい。これにより、変換421を用いてターゲット状態データおよびソース状態データを共通空間のデータに変換する場合の情報損失が最小化される。例えば、変換生成部431は、TCA(Transfer Component Analysis)やSSTCA(Semi-supervised TCA)など、従来より公知の手法によって変換421を生成してよい。
【0040】
変換生成部431は、生成した変換421を記憶部402に記憶させてよい。また、変換生成部431は、変換421の生成過程において共通空間のデータに変換されたターゲット状態データおよびソース状態データのデータファイル420を記憶部402に記憶させてよい。変換生成部431は、変換後のデータファイル420をモデル生成部432に供給してもよい。
【0041】
[1.1-2-3(2).モデル生成部432]
モデル生成部432は、状態の良否を示すラベルが付加された共通空間のデータを用いて分類モデル422を生成する。
【0042】
例えば、モデル生成部432は、共通空間のデータに変換されたソース状態データを用いて分類モデル422を生成してよい。ターゲット状態データにラベルが付加されている場合には、モデル生成部432は、共通空間のデータに変換された当該ターゲット状態データをさらに用いて分類モデル422を生成してもよい。
【0043】
共通空間のデータへ変換した状態データのデータファイル420が記憶部402に記憶されている場合や、変換生成部431から供給されている場合には、モデル生成部432は、当該データファイル420を分類モデル422の生成に用いてよい。共通空間のデータへ変換した状態データのデータファイル420が記憶部402に記憶されておらず、かつ、変換生成部431から供給されていない場合には、モデル生成部432は、分類モデル422の生成に使用する何れかの状態データを読み出し、変換421を用いて共通空間のデータを生成して分類モデル422の生成に用いてよい。
【0044】
モデル生成部432は、共通空間のデータが分類モデル422に入力された場合の状態指標値と、ラベルで示された良否との相関が高まるように、分類モデル422を生成してよい。モデル生成部432は、生成された分類モデル422を、共通空間のデータの生成に用いられた変換421に対応付けて記憶部402に記憶させてよい。
【0045】
[1.1-2-4.評価部404]
評価部404は、共通空間のデータへ変換したソース状態データを用いて分類モデル422を評価する。評価部404は、共通空間のデータへ変換したソース状態データを分類モデル422に入力したことに応じて分類モデル422から出力される状態指標値と、当該ソース状態データのラベルで示される良否との相関に基づいて分類モデル422の精度を評価してよい。
【0046】
共通空間のデータへ変換したソース状態データのデータファイル420が記憶部402に記憶されている場合には、評価部404は、当該データファイル420を読み出して評価に用いてよい。共通空間のデータへ変換したソース状態データのデータファイル420が記憶部402に記憶されてない場合には、評価部404は、評価に使用する何れかのソース状態データを読み出し、変換421を用いて共通空間のデータを生成して評価に用いてよい。
【0047】
評価部404は、分類モデル422の評価が基準より高いか否かを判定してよい。例えば、評価部404は、分類モデル422の評価指標値が基準値より高いか否かを判定してよい。評価指標値としては、AccuracyやPrecision,Recall,ROCなどを用いることができる。評価指標値の基準値は、装置4が既に作成した他の分類モデル422の評価指標値であってもよいし、オペレータにより任意に設定された値であってもよい。
【0048】
評価部404は、評価結果を転移学習部403や、図示しない表示部に出力してよい。評価部404は、分類モデル422の評価が基準より高いか否かを判定する場合には、その判定の結果を評価結果として出力してもよい。
【0049】
以上のシステム1における装置4によれば、ターゲット状態データおよびソース状態データの分布に基づいて、ターゲット状態データおよびソース状態データから共通空間のデータへの変換421が生成されると共に、ラベルが付加された共通空間のデータを用いて、共通空間においてターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデル422が生成される。従って、ターゲットドメインにおけるターゲット状態データが少ない場合であっても、共通空間のデータのうち、ラベルを付加されたデータ(一例としてソース状態データ)を用いて分類モデル422を生成することができる。また、共通空間のデータへ変換したソース状態データを用いて分類モデル422が評価されるので、分類精度の良好な分類モデル422を取得することができる。
【0050】
また、変換後のターゲット状態データと、変換後のソース状態データとの分布が近似し、かつ、それぞれの分布の分散が最大となるように変換421が生成されるので、変換421を用いてターゲット状態データおよびソース状態データを共通空間のデータに変換する場合の情報損失が最小化される。従って、共通空間のデータへの変換によって情報が失われてしまう場合と異なり、ソース状態データと、ターゲット状態データとを共通の分類モデル422で精度よく分類することができる。
【0051】
[1.2.装置4の動作]
図2は、装置4の動作を示す。装置4は、ステップS11~S21の処理を行うことにより分類モデル422を生成する。
【0052】
ステップS11において取得部401は、状態データを取得する。取得部401は、ソース状態データおよびターゲット状態データについて、良好な状態を示す状態データと、不良な状態を示す状態データとのそれぞれを取得してよい。
【0053】
例えば、取得部401は、ソース状態データに付加された良否のラベルに基づいて、良好な状態に対応するソース状態データと、不良な状態に対応するソース状態データとを、予め指定された割合となるように取得してよい。一例として、取得部401は、良好なソース状態データと、不良なソース状態データとの割合が8:2や9:1となるようにソース状態データを取得してよい。取得部401は、既に取得して記憶部402に記憶されたソース状態データのデータファイル420を参照して、新たに取得するソース状態データの数を調整してよい。取得部401は、記憶部402に不良なソース状態データが少ない場合には、新たに取得する良好なソース状態データを少なくすることで割合を調整してよい。割合の指定はオペレータ等によって外部から行われてよい。
【0054】
これに加えて、または、これに代えて、取得部401は、既に取得したターゲット状態データの分布範囲から外れる状態データを、変換421を生成するためのターゲット状態データ(分布範囲外のターゲット状態データとも称する)としてさらに取得してよい。例えば、取得部401は、記憶部402に記憶された各ターゲット状態データのデータファイル420を参照して、ターゲット状態データに含まれる測定データの種類ごとに測定値の分布範囲を特定してよい。取得部401は、少なくとも1種類の測定データについて、特定された分布範囲外の測定値を有する新たなターゲット状態データをランダムに生成して、分布範囲外のターゲット状態データとして取得してよい。取得部401は、分布範囲外のターゲット状態データを1つのみ取得してもよいし、複数取得してもよい。取得部401は、ターゲット状態データを追加する旨の指示をオペレータ等により外部から受けることに応じて、分布範囲外のターゲット状態データを取得してよい。なお、既に取得したターゲット状態データは、良好な状態に対応したターゲット状態データであってよく、分布範囲外のターゲット状態データは、不良な状態に対応すると期待されるターゲット状態データであってよい。分布範囲外の測定値を有するターゲット状態データは、オペレータ等により外部で生成されて取得部401に供給されてもよい。
【0055】
ステップS13において変換生成部431は、ターゲット状態データおよびソース状態データの分布に基づいて変換421を生成する。変換生成部431は、全てのソース状態データのうち第1のソース状態データを、ターゲット状態データと共に用いて変換421を生成してよい。第1のソース状態データは、一例として、全てのソース状態データのうちの70~80%のソース状態データであってよい。変換生成部431は、第1のソース状態データをランダムに選択してよい。
【0056】
ステップS15においてモデル生成部432は、ラベルが付加された共通空間のデータを用いて分類モデル422を生成する。例えば、モデル生成部432は、変換421の生成に用いられた第1のソース状態データを用いて分類モデル422を生成してよい。
【0057】
ステップS17において評価部404は、共通空間のデータへ変換したソース状態データを用いて分類モデル422を評価する。評価部404は、変換生成部431により変換421の生成に用いられた第1のソース状態データとは異なる第2のソース状態データを用いて評価を行ってよい。第2のソース状態データは、一例として全てのソース状態データのうちの20~30%のソース状態データであってよい。
【0058】
ステップS19において評価部404は、分類モデル422の評価が基準より高いか否かを判定する。分類モデル422の評価が基準より高くないと判定された場合(ステップS19;No)には、上述のステップS13に処理が移行してよい。ステップS19において分類モデル422の評価が基準より高いと判定された場合(ステップS19;Yes)にはステップS21に処理が移行してよい。
【0059】
ステップS21において記憶部402は、生成された変換421および分類モデル422を対応付けて記憶する。ステップS21の処理が終了したら、装置4は動作を終了してよい。
【0060】
以上の動作によれば、第1のソース状態データを用いて変換が生成され、第2のソース状態データを用いて分類モデル422が評価されるので、分類モデル422の評価を精度よく行うことができる。
【0061】
また、ソース状態データに付加されたラベルに基づいて、良好な状態に対応するソース状態データと、不良な状態に対応するソース状態データとが指定割合となるように取得されるので、良好または不良な状態に過度に偏ったソース状態データによって変換421が生成されてしまうのを防止することができる。
【0062】
また、変換421を生成するためのターゲット状態データとして、既に取得したターゲット状態データの分布範囲から外れる状態データがさらに取得されるので、不良な状態に対応するターゲット状態データよりも、良好な状態に対応するターゲット状態データの方が多い場合(一例として良好な状態に対応するターゲット状態データのみがある場合)に、不良な状態に対応するターゲット状態データが取得される。従って、良好な状態に過度に偏ったターゲット状態データによって変換421が生成されてしまうのを防止することができる。
【0063】
[1.3.共通空間への変換]
図3は、状態データから共通空間のデータへの変換を概念的に示す。
【0064】
図中、ソース状態データの枠内には、良好な状態のラベルが付された各ソース状態データが「○」形状のプロットで示され、不良な状態のラベルが付された各ソース状態データが「X」形状のプロットで示されている。また、ターゲット状態データの枠内には、良否が不明の各ターゲット状態データが「△」のプロットで示されている。また、共通空間の枠内には、共通空間のデータに変換された各状態データが元のプロットと同形状のプロットで示されている。
【0065】
この図に破線で示されるように、良好な状態のラベルが付されたソース状態データと、不良な状態のラベルが付されたソース状態データとは、共通空間においても分類可能に分布する。従って、ラベルを付加された共通空間内のデータの分類規則を学習することにより、ターゲット状態データで示される状態の良否を分類する分類モデル422を生成することができる。
【0066】
[2.第2実施形態]
[2.1.装置4Aの構成]
図4は、第2実施形態に係る装置4Aを示す。なお、本実施形態に係る装置4Aにおいて、図1に示された装置4の構成と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。
【0067】
装置4Aは、生成された分類モデル422を用いて状態の良否を判定する。装置4Aは、上述の記憶部402、転移学習部403および評価部404に加えて、取得部401Aと、供給部405と、設定部406と、判定部407と、表示制御部408と、表示部409と、入力部410と、ラベル付加部411と、検知部412とを有する。
【0068】
[2.1-1.取得部401A]
取得部401Aは、上述の第1実施形態における取得部401と同様にして、転移学習部403が変換421および分類モデル422を生成するためのターゲット状態データおよびソース状態データを取得して記憶部402にデータファイル420を記憶させてよい。
【0069】
これに加えて、または、これに代えて、取得部401Aは、ターゲット状態データを新たに取得する。取得部401Aは、新たに測定されたターゲット状態データを設備2Aから逐次、取得してよい。取得部401Aは、取得したターゲット状態データを供給部405に供給してよい。また、取得部401Aは、第1の実施形態における取得部401と同様にして、新たに取得したターゲット状態データに設備IDを付加してデータファイル420を生成し、記憶部402に記憶させてよい。
【0070】
また、取得部401は、ターゲット状態データに測定時間と、測定したセンサ20の識別情報とを付加して記憶部402に記録してよい。測定データの測定時間は、当該測定データが測定された時間であってよく、設備2Aにおいて実行される処理の開始時間からの経過時間を示してよい。測定データの測定時間は、取得部401Aによる測定データの取得時間であってもよい。なお、測定時間およびセンサ20の識別情報は、センサ20から供給される測定データに予め付加されていてもよい。
【0071】
[2.1-2.供給部405]
供給部405は、分類対象のデータを分類モデル422に供給する。供給部405は、変換実行部の一例であってよく、ターゲット状態データと、ラベルが付加されたソース状態データとの分布に基づいて、ターゲット状態データをソース状態データとの共通空間のデータへ変換する。供給部405は、新たに取得されたターゲット状態データを、変換421を用いて共通空間のデータに変換して、分類モデル422に供給してよい。供給部405は、取得部401Aによってターゲット状態データが取得されることに応じて、逐次、共通空間のデータを分類モデル422に供給してよい。ターゲット状態データの各測定データに付加された測定時間にずれがある場合には、供給部405は、付加される測定時間を揃えてよい。
【0072】
[2.1-3.評価部404A]
評価部404Aは、共通空間のデータへ変換したソース状態データを用いて分類モデル422を評価する。評価部404Aは、上述の第1実施形態における評価部404と同様の処理を行ってよく、評価結果を表示制御部408および設定部406にも出力してよい。
【0073】
[2.1-4.設定部406]
設定部406は、分類モデル422の評価が基準より高いことに応じて、分類モデル422をターゲット状態データの分類に用いる分類モデル422(使用対象の分類モデル422とも称する)として設定する。設定部406は、使用対象の分類モデル422に対応する変換421を、ターゲット状態データの分類に用いる変換421(使用対象の変換421とも称する)として設定してよい。設定部406は、評価部404Aによる評価結果に基づいて設定を行ってよい。
【0074】
また、設定部406は、共通空間のデータに含まれる複数のパラメータのうち、分類モデル422の分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つのパラメータを表示対象パラメータとして設定してよい。例えば、設定部406は、複数種類のパラメータのうち、使用対象の分類モデル422から出力される状態指標値に与える影響の度合いが最も大きい基準数(本実施形態では一例として3つ)のパラメータを表示対象パラメータとして設定してよい。この場合には、設定部406は、各パラメータの影響度合いのうち、基準数+1の順に大きい影響度合いを基準度合いとしてよい。
【0075】
なお、分類モデル422から出力される状態指標値に対する各種類のパラメータの影響度合いは、例えばPermutation ImportanceやLIMEなど、従来より公知の手法によって算出されてよい。設定部406は、記憶部402内の各種類のパラメータのうち、表示対象パラメータのパラメータに対し、表示対象パラメータであることを示すタグを付加してよい。
【0076】
設定部406は、各種類のパラメータについて、状態指標値に対する影響度合いを算出して、表示対象パラメータを設定してよい。これに代えて、設定部406は、入力部410を介してオペレータから指定されたパラメータを表示対象パラメータとして設定してもよい。
【0077】
また、設定部406は、ターゲット状態データに含まれる複数の種類の測定値のうち、使用対象の分類モデル422の分類結果に与える影響が基準より大きい少なくとも1つの測定値を表示対象測定値として設定してよい。例えば、設定部406は、複数種類の測定値のうち、使用対象の分類モデル422から出力される状態指標値に与える影響の度合いが最も大きい基準数(本実施形態では一例として3つ)の測定値を表示対象測定値として設定してよい。この場合には、設定部406は、各測定値の影響度合いのうち、基準数+1の順に大きい影響度合いを基準度合いとしてよい。
【0078】
ここで、分類モデル422は共通空間のデータを元に分類を行うため、ターゲット状態データに含まれる各種の測定値がどの程度、分類結果に影響を与えるかを直接的に算出することは難しい。そのため、本実施形態では一例として、共通空間のパラメータがターゲット状態データの座標空間(元の座標空間とも称する)の各種の測定値と重み係数との積の総和で表されることを利用し、元の座標空間の測定値が分類結果に与える影響度を、測定値の種類ごとの重み係数の大きさに基づいて決定する。
【0079】
例えば、ターゲット状態データに含まれる一の種類の測定値の影響度は、共通空間の各パラメータの算出式に含まれる、当該一の種類の測定値に対する重み係数の合計値であってよい。
【0080】
一例として、共通空間の各パラメータP(但し、下付きの添え字「n」は任意の自然数であり、パラメータの識別番号を示す)は、ターゲット状態データにおける各種の測定値a,b,c,…と、各測定値の重み係数W (n),W (n),W (n)…とを用いて式(1)で示されてよい。なお、重み係数W (n)等の下付きの添え字は、対応する測定値の種類を示し、上付きの添え字は、対応するパラメータの識別番号を示す。
=W (n)・a+W (n)・b+W (n)・c+… (1)
【0081】
この場合、測定値aの影響度Iは式(2)で算出されてよい。
=W (1)+W (2)+W (3)+… (2)
【0082】
これに代えて、ターゲット状態データに含まれる一の種類の測定値の影響度は、共通空間の各パラメータのうち、分類モデル422の分類結果に与える影響が大きい少なくとも1つのパラメータ(一例として表示対象パラメータ)の算出式に含まれる、当該一の種類の測定値に対する重み係数の合計値であってもよい。一例として、表示対象パラメータがパラメータP,Pの2つである場合には、測定値aの影響度Iは式(3)で示されてよい。
=W (1)+W (3) (3)
【0083】
設定部406は、各種類の測定値について、状態指標値に対する影響度合いを算出して、表示対象測定値を設定してよい。これに代えて、設定部406は、入力部410を介してオペレータから指定された測定値を表示対象測定値として設定してもよい。
【0084】
[2.1-5.判定部407]
判定部407は、新たに取得され共通空間のデータへ変換されたターゲット状態データを入力したことに応じて分類モデル422から出力される分類結果(本実施形態では一例として状態指標値)に基づいて、状態の良否を判定する。例えば、分類モデル422から二値化されていない分類結果が出力される場合には、判定部407は、その分類結果またはその移動平均と判定閾値とを比較して判定を行ってよい。分類モデル422から二値の分類結果が出力される場合には、判定部407は、その分類結果の移動平均と判定閾値とを比較して判定を行ってもよいし、分類結果をそのまま判定結果としてもよい。判定部407は、判定結果を表示制御部408に供給してよい。判定部407は、判定閾値を用いた比較によって判定を行う場合には、比較結果と、判定閾値と、比較の対象(一例として分類モデル422による分類結果)とを判定結果として表示制御部408に供給してよい。
【0085】
[2.1-6.入力部410]
入力部410は、オペレータからの操作入力を受ける。本実施形態では一例として入力部410は、測定データが表示されている場合に、測定データに対して設備2Aの状態の良否を示すラベルを付加する旨の操作を受けてよい。入力部410は、ラベル付加の操作が行われたことに応じて、その旨の信号をラベル付加部411に供給してよい。
【0086】
また、入力部410は、測定データが表示されている場合に、表示対象測定値と、表示対象パラメータとの間で表示対象を切り替える旨の操作を受けてよい。入力部410は、切替操作が行われたことに応じて、その旨の信号を表示制御部408に供給してよい。
【0087】
また、入力部410は、分類モデル422を改めて生成する旨の操作を受けてよい。入力部410は、分類モデル422の生成が指示されたことに応じて、その旨の信号を転移学習部403に供給してよい。
【0088】
[2.1-7.表示制御部408]
表示制御部408は、表示部409を制御する。表示制御部408は、判定部407による判定結果を表示させてよい。
【0089】
また、表示制御部408は、オペレータの操作に応じて、取得部401Aが新たに取得したターゲット状態データの測定値のうちの表示対象測定値と、取得部401Aが新たに取得したターゲット状態データを変換した共通空間のパラメータのうちの表示対象パラメータの値とを択一的に切り替えて判定結果と共に表示させてよい。
【0090】
表示制御部408は、各種類の表示対象測定値や表示対象パラメータについて値を1つのみ表示させてもよいし、複数表示させてもよい。表示制御部408は、一の種類の表示対象測定値または表示対象パラメータについて値を1つのみ表示させる場合には、一時点での値(一例として最新の値)を表示させてもよいし、複数の時点の値の移動平均値(一例として直近の期間の移動平均値)を表示させてもよい。表示制御部408は、一の種類の表示対象測定値または表示対象パラメータについて値を複数表示させる場合には、直近の複数の時点の値の推移を表示させてよい。
【0091】
また、表示制御部408は、分類モデル422から出力される一時点の状態指標値(一例として最新の状態指標値)をさらに表示させてもよいし、複数の時点の状態指標値を表示させてもよい。表示制御部408は、複数の時点の状態指標値を表示させる場合には、直近の複数の時点で分類モデル422から出力された状態指標値の推移を表示させてよい。
【0092】
[2.1-8.表示部409]
表示部409は、表示制御部408からの制御によって表示を行う。なお、本実施形態においては一例として、表示部409は装置4Aに具備されているが、装置4Aに外部接続されてもよい。
【0093】
[2.1-9.ラベル付加部411]
ラベル付加部411は、オペレータの操作に応じて、ターゲット状態データに対し、設備2Aの状態の良否を示すラベルを付加する。ラベル付加部411は、記憶部402内の該当の測定データに対し、良好な状態または不良な状態であったことを示すラベルを付加してよい。
【0094】
[2.1-10.検知部412]
検知部412は、ラベル付加部411によってラベルが付加されたターゲット状態データが基準量に達したことを検知する。検知部412は、検知結果を表示制御部408に供給してよい。本実施形態では一例として、検知部412は、ラベルが付加されたターゲット状態データが基準量に達した旨の検知結果を表示制御部408に供給して、その旨を示すメッセージを表示させる。
【0095】
基準量は、ラベル付きのターゲット状態データとソース状態データとを用いて変換421および分類モデル422を生成することが可能な量に基づいて設定されてよい。一例として、基準量は、変換421および分類モデル422を生成することが可能な最小のラベル量から、ソース状態データのラベル量を差し引いた量であってよい。
【0096】
以上の装置4Aによれば、分類モデル422の評価が基準より高いことに応じて、当該分類モデル422が使用対象の分類モデル422として設定される。そして、新たに取得されて共通空間のデータへ変換されたターゲット状態データの入力に応じて使用対象の分類モデル422から出力される分類結果に基づいて状態の良否が判定される。従って、精度の良い分類モデル422によってターゲット状態データに対応する状態の判定を行わせることができる。
【0097】
また、新たに取得されたターゲット状態データの測定値のうち、分類モデル422の分類結果に与える影響が大きい表示対象測定値と、新たに取得されたターゲット状態データを変換した共通空間のパラメータのうち、分類モデル422の分類結果に与える影響が大きい表示対象パラメータの値とが切替表示される。従って、状態が不良の場合に、表示対象測定値を表示させることで、状態不良の原因を容易に特定することができる。また、判定結果の精度が悪い場合に、表示対象パラメータの値を表示させることで、分類モデル422のデバッグを容易に行うことができる。また、表示対象測定値と表示対象パラメータの値とが択一的に切替表示されるので、表示対象測定値を見て状態不良の原因を特定したいときに表示対象パラメータの値が表示されたり、表示対象パラメータを見て分類モデル422のデバッグを行いたいときに表示対象測定値が表示されたりして表示内容が煩雑化するのを防止することができる。
【0098】
また、オペレータによりターゲット状態データにラベルが付加されるので、ラベルの付加されたターゲット状態データを用いて分類モデル422の学習を実行することができる。
【0099】
また、ラベルが付加されたターゲット状態データが基準量に達したことを示すメッセージが表示されるので、分類モデル422の再生成を効率よく行うことができる。
【0100】
[2.2.動作]
図5は、装置4Aの動作を示す。装置4Aは、ステップS11~S61の処理を行うことにより設備2Aの状態を監視する。
【0101】
ステップS31~S37において装置4Aは、上述のステップS11~S17と同様にして、ソース状態データおよびターゲット状態データを用いて変換421および分類モデル422を生成し、生成した分類モデル422を評価する。
【0102】
ステップS39において評価部404は、分類モデル422の評価が基準より高いか否かを判定する。分類モデル422の評価が基準より高くないと判定された場合(ステップS39;No)には、上述のステップS33に処理が移行してよい。ステップS39において分類モデル422の評価が基準より高いと判定された場合(ステップS39;Yes)には、ステップS41に処理が移行してよい。
【0103】
ステップS41において記憶部402が変換421および分類モデル422を対応付けて記憶し、設定部406は分類モデル422を使用対象に設定する。さらに設定部406は、共通空間のデータに含まれる複数のパラメータから表示対象パラメータを設定し、ターゲット状態データに含まれる複数の種類の測定値から表示対象測定値を設定してよい。
【0104】
ステップS43において取得部401Aは、設備2Aからターゲット状態データを取得する。取得部401Aは、設備2Aにおいて新たに測定されたターゲット状態データを逐次、取得してよい。
【0105】
ステップS45において供給部405は、新たに取得されたターゲット状態データを変換421によって共通空間のデータに変換する。供給部405は、変換後のターゲット状態データのデータファイル420を記憶部402に記憶させてよい。
【0106】
ステップS47において供給部405は、使用対象に設定された分類モデル422に共通空間のデータを入力して分類を行わせる。
ステップS49において判定部407は、分類モデル422から出力される分類結果に基づいて、状態の良否を判定する。
【0107】
ステップS51において表示制御部408は、判定部407による判定結果を表示させる。判定部407において判定閾値を用いた比較によって判定が行われる場合には、表示制御部408は、比較結果と、判定閾値と、比較の対象(一例として分類モデル422による分類結果)とを判定結果として表示させてよい。
【0108】
表示制御部408は、オペレータの操作に応じて、新たに取得したターゲット状態データの測定値のうちの表示対象測定値と、新たに取得したターゲット状態データを変換した共通空間のパラメータのうちの表示対象パラメータの値との何れかを判定結果と共に表示させてよい。表示制御部408は、記憶部402に記憶されているターゲット状態データにおける各種の測定値のうち、設定部406により予め表示対象に設定された表示対象測定値を読み出して表示させてよい。また、表示制御部408は、記憶部402に記憶されている共通空間のパラメータのうち、設定部406により予め表示対象に設定された表示対象パラメータを読み出して表示させてよい。
【0109】
ステップS53においてラベル付加部411は、状態の良否を示すラベルをターゲット状態データに付加する操作が行われるか否かを判定する。操作が行われないと判定した場合(ステップS53;No)には、ステップS43に処理が移行してよい。操作が行われたと判定した場合(ステップS53:Yes)には、ステップS55に処理が移行してよい。
【0110】
ステップS55においてラベル付加部411は、オペレータによる指定の時点で測定されたターゲット状態データに対し、状態の良否を示すラベルを付加する。指定時点は、現時点であってもよいし、表示されている表示対象測定値や状態指標値に対応する測定データの測定時点であってもよい。また、指定時点は、一時点であってもよいし、連続または非連続の複数の時点であってもよい。
【0111】
例えば、表示中の何れかの表示対象測定値が入力部410を介してオペレータにより指定された場合には、ラベル付加部411は、指定対象の表示対象測定値の測定時間を指定時点として特定してよい。また、表示中の何れかの表示対象パラメータが入力部410を介してオペレータにより指定された場合には、ラベル付加部411は、指定対象の表示対象パラメータの元となった測定値の測定時間を指定時点として特定してよい。また、分類モデル422から出力されて表示されている何れかの状態指標値が入力部410を介してオペレータにより指定された場合には、ラベル付加部411は、指定対象の状態指標値に対応するターゲット状態データの測定時間を指定時点として特定してよい。
【0112】
ラベル付加部411は、状態が良好である旨の操作が入力部410に対して行われることに応じて、その旨のラベルをターゲット状態データに付加してよい。同様に、ラベル付加部411は、状態が不良である旨の操作が入力部410に対して行われることに応じて、その旨のラベルをターゲット状態データに付加してよい。
【0113】
ステップS57において検知部412は、ラベル付加部411によってラベルが付加されたターゲット状態データが基準量に達したか否かを判定する。基準量に達しないと判定した場合(ステップS57;No)には、ステップS43に処理が移行してよい。基準量に達したと判定した場合(ステップS57;Yes)には、ステップS59に処理が移行してよい。
【0114】
ステップS59において検知部412は、ラベル付加部411によってラベルが付加されたターゲット状態データが基準量に達したことを示すメッセージを、表示制御部408を介して表示部409に表示させる。表示メッセージには、分類モデル422を生成し直すか否かを選択させるメッセージが含まれてよい。
【0115】
ステップS61において転移学習部403は、分類モデル422を改めて生成する旨の操作が行われたか否かを判定する。操作が行われないと判定した場合(ステップS61;No)にはステップS43に処理が移行してよい。操作が行われたと判定した場合(ステップS61;Yes)にはステップS31に処理が移行してよい。これにより、新たに取得されてラベルが付加されたターゲット状態データを用いて分類モデル422が生成される。
【0116】
以上の動作によれば、オペレータによる指定の時点で測定されたターゲット状態データにラベルが付加されるので、ラベルの付加を容易に行うことができる。
【0117】
[2.3.動作例]
図6は、表示画面の例を示す。表示部409の表示画面には、判定部407による判定結果と、複数種類の表示対象測定値または表示対象パラメータの値とが表示されてよい。本図では一例として、表示画面の上側に、状態の良否を示す判定結果の推移が表示され、表示画面の下側に「a」~「c」の表示対象測定値の推移が表示される。
【0118】
状態の判定結果には、分類モデル422から出力された状態指標値と、判定閾値(本図では一例として「0」)と、これらの比較結果とが含まれてよい。なお、比較結果は、状態が不良であることを示すアラートメッセージの有無によって表示されてよい。本図では状態指標値が判定閾値より大きく状態が良好であるため、アラートメッセージが表示されていない。
【0119】
表示画面には、表示対象測定値と、表示対象パラメータの値との何れを表示対象とするか切り替えるための切替ボタンB1が表示されてよい。本図において切替ボタンB1が操作されると、表示中の表示対象測定値の代わりに、1または複数の表示対象パラメータが表示されてよい。
【0120】
また、表示画面には、測定データに付加されるラベルの種類を選択するための良否ボタンB2が表示されてよい。良否ボタンB2は「OK」のボタンと「NG」のボタンとを有してよく、「OK」,「NG」のボタンが操作されると、最新の各測定データに対し、設備2の状態が良好,不良であったことを示すラベルが付加されてよい。
【0121】
また、表示画面には、オペレータの操作に応じて、状態指標値の推移や表示対象測定値の推移の中で任意の期間を指定するための枠線Wが表示されてよい。枠線Wで指定された期間内に測定された各測定データには、良否ボタンB2の操作に応じてラベル付加部411によりラベルが付加されてよい。
【0122】
[3.変形例]
なお、上記の第1および第2の実施形態においては、変換421および分類モデル422の生成に、設備2Bの状態を示すソース状態データを用いることとして説明したが、1または複数の他の設備2(設備2C,2D,…とも称する)の状態を示すソース状態データをさらに用いることとしてもよい。設備2C,2D,…は設備2Aや設備2Bとは別の企業によって運転されていてよい。この場合に、装置4,4Aの少なくとも取得部401,401Aや記憶部402、転移学習部403は、クラウドコンピューティングにより実現されてよい。
【0123】
また、第2実施形態においては、装置4Aは転移学習部403、評価部404、設定部406、入力部410、ラベル付加部411および検知部412を有することとして説明したが、これらの何れかを有しないこととしてもよい。例えば、装置4Aは、転移学習部403を有しない場合には、生成済みの変換421および分類モデル422を用いて状態判定を行ってよい。この場合に、装置4Aは、設備2Aに設置されるエッジデバイスであってよい。また、この場合に装置4Aは、ラベル付加部411によってラベルが付加されたターゲット状態データを第1実施形態における装置4に供給して変換421および分類モデル422の生成を行わせ、生成された変換421および分類モデル422を受信して状態判定に使用してもよい。
【0124】
また、検知部412は、ラベルが付加されたターゲット状態データが基準量に達したことに応じて、その旨を示すメッセージを表示させることとして説明したが、他の動作を行ってもよい。例えば、検知部412は、ラベルを付加されたターゲット状態データが基準量に達したことに応じて、その旨の検知結果を転移学習部403に供給し、ラベルが付加されたターゲット状態データを用いて変換421および分類モデル422の生成を行わせてもよいし、当該検知結果を図示しない通信部に供給し、ラベルが付加されたターゲット状態データを第1実施形態における装置4に送信させてもよい。
【0125】
また、装置4Aは先にステップS31~S37の処理によって変換421および分類モデル422を作成してからステップS43以降の処理によって当該変換421および分類モデル422を使用することとして説明したが、作成済みの分類モデル422および変換421が既に記憶部402に格納されている場合には、ステップS43以降の処理を先に行ってもよい。
【0126】
また、装置4Aは変換421および分類モデル422を生成するステップS31~S37の処理と、生成された変換421および分類モデル422を使用するステップS43~S51の処理とを順に行うこととして説明したが、並行して行うこととしてもよい。
【0127】
また、ステップS45~S49の処理において判定部407は、単一の分類モデル422から出力される分類結果に基づいて判定を行うこととして説明したが、互いに異なる複数の分類モデル422から出力される分類結果に基づいて状態の良否を判定してもよい。別言すれば、判定部407は、複数の分類モデル422を用いてアンサンブル判定を行ってもよい。この場合には、判定部407は、複数の組の変換421および分類モデル422を用いて判定を行ってよい。例えば、判定部407は、第1の組の変換421によって共通空間のデータに変換されたターゲット状態データが当該第1の組の分類モデル422に入力されることに応じて、当該分類モデル422から出力される分類結果と、第2の組の変換421によって共通空間のデータに変換されたターゲット状態データが当該第2の組の分類モデル422に入力されることに応じて、当該分類モデル422から出力される分類結果と、第3の組の変換421によって共通空間のデータに変換されたターゲット状態データが当該第3の組の分類モデル422に入力されることに応じて当該分類モデル422から出力される分類結果とに基づいて良否を判定してよい。これにより、判定の精度を高めることができる。なお、アンサンブル判定に用いられる複数の分類モデル422は、互いに異なるソース状態データを用いて生成されてよい。
【0128】
また、設定部406は、状態指標値に与える影響の度合いが最も大きい基準数(一例として3つ)の測定値やパラメータを表示対象測定値,表示対象パラメータとして設定することとして説明したが、オペレータにより選択された任意の測定値やパラメータを表示対象測定値,表示対象パラメータとして設定してもよい。
【0129】
また、対象を設備2として説明したが、他の客体であってもよい。例えば、対象は、設備2で製造される製品であってもよいし、対象は備え付けられておらず移動可能な器物や装置であってもよいし、生体などの自然物であってもよいし、天候や地形などの自然環境であってもよいし、化学反応や生化学反応などの自然現象であってもよい。
【0130】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0131】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0132】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0133】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0134】
図7は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0135】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0136】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0137】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0138】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0139】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0140】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0141】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0142】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0143】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0144】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0145】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0146】
1 システム
2 設備
4 装置
20 センサ
21 機器
401 取得部
402 記憶部
403 転移学習部
404 評価部
405 供給部
406 設定部
407 判定部
408 表示制御部
409 表示部
410 入力部
411 ラベル付加部
412 検知部
420 データファイル
421 変換
422 分類モデル
431 変換生成部
432 モデル生成部
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7