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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】乗員モニタシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/57 20230101AFI20240402BHJP
   B60R 11/04 20060101ALI20240402BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
H04N23/57
B60R11/04
G06T1/00 420B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021068431
(22)【出願日】2021-04-14
(65)【公開番号】P2022163480
(43)【公開日】2022-10-26
【審査請求日】2023-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】田口 清貴
(72)【発明者】
【氏名】上保 康彦
(72)【発明者】
【氏名】神谷 玲朗
(72)【発明者】
【氏名】三村 浩之
(72)【発明者】
【氏名】水野 俊範
【審査官】淀川 滉也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-044404(JP,A)
【文献】特開2009-255740(JP,A)
【文献】特開2020-055474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/57
B60R 11/04
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室に設けられ車両(D)の乗員の顔を撮像するカメラ(6)と、
前記カメラの撮像データから乗員の顔を認識する画像処理部(3)と、
前記カメラの視野又は前記撮像データから、前記乗員の顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域を除外する除外構造(14、22、31)と
を備え、
前記除外構造は、前記カメラの撮像視野の一部を物理的に塞ぐ遮蔽部材(14、22)を含んでおり、前記遮蔽部材は、前記カメラが組み込まれたカメラユニットに設けられている乗員モニタシステム。
【請求項2】
車室に設けられ車両(D)の乗員の顔を撮像するカメラ(6)と、
前記カメラの撮像データから乗員の顔を認識する画像処理部(3)と、
前記カメラの視野又は前記撮像データから、前記乗員の顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域を除外する除外構造(14、22、31)と
を備え、
前記除外構造は、前記カメラの撮像視野の一部を物理的に塞ぐ遮蔽部材(31)を含んでおり、前記遮蔽部材は、前記車室に設けられている乗員モニタシステム。
【請求項3】
前記遮蔽部材は、前記カメラの撮像視野のうち、前記乗員の顔の存在範囲のみに光を透過させる窓部(14a)を有した遮光板(14)から構成されている請求項又は記載の乗員モニタシステム。
【請求項4】
前記遮蔽部材は、前記カメラの撮像視野のうち、ステアリングホイールを含む固定物を遮蔽する遮光板(22、31)から構成されている請求項又は記載の乗員モニタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員の顔をカメラで撮像し、その撮像データから乗員の顔を認識する乗員モニタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両にあっては、乗員の顔をカメラで撮像し、その撮像データから乗員の顔を認識する乗員モニタシステムを搭載することが行われてきている。この乗員モニタシステムは、カメラ及び光源を含むカメラユニットを例えばインストルメントパネル部分に設け、ドライバの顔を撮像するように構成され、これにより、ドライバやドライバの状態を判定し、例えば運転支援等に利用することが行われる。このとき、画像データから乗員の顔を判定する画像認識技術においては、目や口などの複数の特徴点を検出し、顔であるとの認識を行うようになっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-52827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように特徴点の検出に基づいて人の顔を判定する場合、顔以外の物を、人の顔であると判定してしまう虞がある。例えば、ドライバの顔の前部には、ステアリングホイールが存在し、ドライバがそのステアリングホイールを握っている。ステアリングホイールを握る手の指の間隔や、関節の突起、隙間や拳の大きさが、人の顔に似た配置となり、顔であると判定してしまうことがある。この場合、カメラの配設位置を、ステアリングホイールからずらすようにすることも考えられるが、それでは、カメラに後席の乗員の顔が写り込んでしまう不具合を招いてしまう。
【0005】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、乗員の顔をカメラで撮像し、その撮像データから乗員の顔を認識するものにあって、乗員の顔以外のものを顔と判定してしまう誤認識を効果的に防止することができる乗員モニタシステムを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の乗員モニタシステム(1)は、車室に設けられ車両の乗員(D)の顔を撮像するカメラ(6)と、前記カメラの撮像データから乗員の顔を認識する画像処理部(3)と、前記カメラの視野又は前記撮像データから、前記乗員の顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域を除外する除外構造(14、22、31)とを備えている。上記構成において、除外構造は、カメラの撮像視野の一部を物理的に塞ぐ遮蔽部材(14、22)を含んでおり、遮蔽部材は、カメラが組み込まれたカメラユニットに設けられている。尚、乗員の顔と誤認識する虞のある障害物としては、例えばステアリングホイール、ルームランプなどの内装部品、シートベルトの金具、乗員が設置した装飾品特に丸形のもの、後部座席から運転席側に乗り出す子どもの顔、等があげられる。
【0007】
これによれば、カメラにより車両の乗員の顔が撮像されると、その撮像データから画像処理部により乗員の顔が認識される。このとき、除外構造を備えていることにより、カメラの視野から、乗員の顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域が除外される、あるいは、前記撮像データから、乗員の顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域が除外されるようになる。これにより、乗員の顔以外のものを顔と判定してしまう誤認識を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態を示すもので、カメラユニットの配置を示す平面図
図2】カメラユニット部分の斜視図
図3】車室内のインストルメントパネル部分の正面図
図4】カメラによる撮像例を示す図
図5】画像認識の手順を示すフローチャート
図6】システムの外観構成を概略的に示す斜視図
図7】システムの電気的構成を概略的に示すブロック図
図8】第2の実施形態を示すもので、カメラユニット部分の斜視図
図9】カメラによる撮像例を示す図
図10】第3の実施形態を示すもので、カメラユニットの配置を示す平面図
図11】カメラによる撮像例を示す図
図12】第4の実施形態を示すもので、画像認識の手順を示すフローチャート
図13】カメラによる撮像例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を具体化したいくつかの実施形態について図面を参照しながら説明する。以下に示す各実施形態において、先行する実施形態で説明した内容に対応する部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略することがある。尚、以下に述べる各実施形態では、乗員モニタシステムは、車両例えば自動車に搭載され、乗員としてのドライバを検知し、そのドライバの状態、例えば顔の向きや開眼状態等を監視する装置として設けられている。
【0010】
(1)第1の実施形態
図1から図7を参照して、第1の実施形態について述べる。まず、図6及び図7は、本実施形態に係る乗員モニタシステム1の全体構成を概略的に示している。ここで、乗員モニタシステム1は、カメラユニット2と、画像処理部としての画像処理ECU3とを備えている。
【0011】
前記カメラユニット2は、基板4に、光源としてのLED5及びカメラ6を実装して構成されている。前記LED5としては、例えば照明光として赤外光を出力するIRLEDが採用され、カメラ6としては赤外線カメラが採用される。カメラユニット2は、LED5から乗員この場合ドライバD(図1参照)の顔に向けて赤外光を照射し、反射光をカメラ6で受光することによりドライバDの顔を撮像するように構成されている。このカメラユニット2の詳細については、後述する。
【0012】
前記画像処理ECU3は、詳しい説明は省略するが、CPU及びその周辺機器を含むコンピュータを主体として構成され、前記LED5及びカメラ6の制御、前記カメラ6の撮像データの画像処理、画像認識を行う。画像認識の処理では、ドライバDの顔の検出、特徴点からの顔の部位の検出、顔の向きや開眼状態の検出などが行われる。この画像処理ECU3及び前記カメラユニット2は、車室Rの例えばインストルメントパネル15(図3参照)内に組込まれている。
【0013】
このとき、図6に示すように、この画像処理ECU3は、ユニット化されて、フレキシブルケーブル8及びコネクタを介して前記カメラユニット2に接続されている。また、画像処理ECU3は、ケーブル9及びコネクタ10などを介して、電源、グランド、車内ネットワークなどに接続されている。これにて、乗員モニタシステム1の認識したドライバDの顔認識のデータは、運転支援処理などに利用される。
【0014】
ここで、上記カメラユニット2について、図1図4も参照して述べる。図1図2に示すように、カメラユニット2は、基板4の前面側に、左右に並んでLED5及びカメラ6を実装して構成されると共に、LED5側とカメラ6側とを区画する遮光壁7が設けられている。このカメラユニット2は、前記インストルメントパネル15内に設けられている。尚、図3に示すように、インストルメントパネル15の前面の意匠面には、中央部に位置して、例えばナビゲーション画面等の各種画面が表示されるセンターディスプレイ11が設けられている。また、この場合、車室R内の左側には運転席が設けられ、その運転席の前部には、ステアリングホイール12が設けられている。
【0015】
そして、前記インストルメントパネル15には、前記センターディスプレイ11の上方部に位置して、モニタ用窓部13が設けられている。このモニタ用窓部13は、インストルメントパネル15の意匠面をやや横長の矩形状に開口させる共に、その開口部に、赤外光を主に透過させるIRフィルタを配置して構成されている。図1に示すように、前記カメラユニット2は、前記モニタ用窓部13の後方のやや離れた位置に、モニタ用窓部13を通してドライバDの顔を撮影できるように、やや斜め前方を向いて配設されている。
【0016】
これにて、カメラユニット2においては、LED5が点灯されて、赤外光が照明光として前方に出力され、モニタ用窓部13を通して運転席のドライバDの顔に向けて照射される。そして、その反射光がモニタ用窓部13を通してカメラ6に入力される。カメラ6により撮影されたドライバDの顔の撮像データが、前記画像処理ECU3に入力され、ドライバDの顔の認識処理がなされる。
【0017】
さて、本実施形態の乗員モニタシステム1では、前記カメラ6の撮像視野V又は前記撮像データから、ドライバDの顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域を除外する除外構造を備えている。本実施形態では、図1図2に示すように、前記除外構造は、前記カメラ6の撮像視野V(図4参照)の一部を物理的に塞ぐ遮蔽部材を含んでおり、より具体的には、遮蔽部材は、カメラ6の撮像視野Vのうち、ドライバDの顔の存在範囲V0のみに光を透過させる窓部14aを有した遮光板14から構成されている。また本実施形態では、遮蔽部材としての遮光板14は、カメラユニット2に設けられている。
【0018】
前記遮光板14は、光がほとんど反射しない黒色等に着色された薄板状あるいはシート状の部材から全体として例えば四角形に構成されると共に、その内側に例えば楕円形の穴からなる窓部14aを設けて構成されている。窓部14aは、楕円形以外にも円形や四角形など様々な平常に構成することが可能である。この遮光板14は、カメラ6の前方に位置して配設され、これにて、図4に示すように、カメラ6の撮像視野Vのうち、ドライバDの顔が映る中央部分に、窓部14aに対応して存在範囲V0を楕円形に残すように設けそれ以外の部位を遮蔽するように構成されている。尚、乗員の顔と誤認識する虞のある障害物としては、例えばステアリングホイール、ルームランプなどの内装部品、シートベルトの金具、乗員が設置した装飾品特に丸形のもの、後部座席から運転席側に乗り出す子どもの顔、等があげられる。
【0019】
次に、上記構成を備える本実施形態に係る乗員モニタシステム1の作用について、図5も参照して述べる。図5のフローチャートは、乗員モニタシステム1における、ドライバDに対する画像認識処理の手順を概略的に示している。ステップS1では、画像処理ECU3により、カメラユニット2のLED5の照明制御及びカメラ6の撮像制御が行われ、ステップS2にて、ドライバDの顔部分の撮像が行われる。ステップS3では、カメラ6の撮像データからドライバDの顔が検出される。
【0020】
ドライバDの顔検出が成功すると、ステップS4にて、顔の特徴点この場合両目や口の検出が行われる。そして、ステップS5では、ドライバのDの顔の向きや、頭部の位置の検出が行われると共に、ステップS6では、ドライバのDの視線の検出及び開眼の検出が行われる。上記処理は、車両の走行中は常時繰り返して実行され、乗員モニタシステム1の認識したドライバの顔認識のデータは、運転支援処理などに利用される。
【0021】
ここで、上記のように両目や口といった特徴点の検出に基づいて人の顔を判定する場合、顔以外の物を、人の顔であると判定してしまう虞がある。例えば、ドライバDの顔の前部には、ステアリングホイール12が存在し、ドライバDがそのステアリングホイール12を握った手の指の間隔や、関節の突起、隙間や拳の大きさが、人の顔に似た配置となり、顔であると判定してしまう虞が考えられる。
【0022】
ところが、本実施形態では、カメラ6の撮像視野Vから、ドライバDの顔の周囲の人の顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域を除外するための除外構造が設けられている。この場合、図4に示すように、除外構造として、カメラ6の撮像視野Vのうち、その一部の乗員の顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域が、遮蔽部材としての遮光板14により物理的に塞がれるようになり、遮光板14の窓部14aに対応した楕円形の領域V0のみが、画像処理の対象となる。これにより、画像データのうちドライバDの周囲部分のみを残して、その外側のステアリングホイール12を含む部分がトリミングされた形態となり、ドライバDの顔以外のものを顔と判定してしまう誤認識の虞がなくなる。
【0023】
このように本実施形態の乗員モニタシステム1によれば、乗員としてのドライバDの顔をカメラ6で撮像し、その撮像データからドライバDの顔を認識するものにあって、前記カメラ6の視野Vから、ドライバDの顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域を除外する除外構造を備えるので、ドライバDの顔以外のものを顔と判定してしまう誤認識を効果的に防止することができる。
【0024】
特に本実施形態では、除外構造として、前記カメラ6の撮像視野Vの一部を物理的に塞ぐ遮蔽部材としての遮光板14をカメラユニット2に設け、カメラ6の撮像視野Vのうち、その一部の乗員の顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域を、遮光板14により物理的に塞ぐことにより、誤認識を防止する構成とした。これにより、カメラユニット2に遮光板14を設けるという比較的簡単な構成で、除外構造を実現することができ、効果的となる。
【0025】
(2)第2の実施形態
図8及び図9は、第2の実施形態を示すものである。この第2の実施形態では、図8に示すように、カメラユニット21に設けられる遮蔽部材としての遮光板22の形状が、上記第1の実施形態と異なっている。カメラユニット21は、上記第1の実施形態と同様に、基板4の前面側に、左右に並んでLED5及びカメラ6を実装すると共に、遮光壁7に沿うように遮光板22を設けて構成される。遮蔽部材としての遮光板22は、カメラ6の撮像視野Vの一部、この場合図9に示す撮像視野Vのうちの右側部分、即ちステアリングホイール12の存在する領域T1を物理的に塞いで遮蔽する形状に構成され、これにて、除外構造が構成される。
【0026】
このような第2の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、乗員としてのドライバDの顔をカメラ6で撮像し、その撮像データからドライバDの顔を認識するものにあって、ドライバDの顔以外のものを顔と判定してしまう誤認識を効果的に防止することができる。また、カメラユニット21に遮光板22を設けるという比較的簡単な構成で、除外構造を実現することができ、効果的となる。
【0027】
(3)第3の実施形態
図10及び図11は、第3の実施形態を示すものである。この第3の実施形態では、図10に示すように、カメラ6の撮像視野Vから、乗員としてのドライバDの顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域T2を除外する除外構造として、遮蔽部材としての遮光板31を、車室R内であるインストルメントパネル15のモニタ用窓部13の裏面側に設けるようにしている。この遮光板31は、縦長矩形状の薄板状に構成され、図11に示すように、カメラ6の撮像視野Vのうち、図で右側のステアリングホイール12を含む領域T2を物理的に塞ぐように構成されている。
【0028】
この第3の実施形態によれば、乗員としてのドライバDの顔をカメラ6で撮像し、その撮像データからドライバDの顔を認識するものにあって、カメラ6の撮像視野Vのうち、その一部のドライバDの顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域T2が、遮蔽部材としての遮光板31により物理的に塞がれるようになり、ドライバDの顔以外のものを顔と判定してしまう誤認識を効果的に防止することができる。従って、車室Rに遮光板31を設けるという比較的簡単な構成で、除外構造を実現することができ、効果的となる。
【0029】
(4)第4の実施形態、その他の実施形態
図12及び図13は、第4の実施形態を示すものである。この第4の実施形態では、上記第1~第3の実施形態のような遮蔽部材を用いるものとは異なり、乗員としてのドライバDの顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域を除外する除外構造として、前記カメラ6による撮像データから、画像処理ECU3におけるソフトウエア的構成により、前記撮像データの一部を除外して画像認識を行う構成が採用されている。
【0030】
図12のフローチャートは、乗員モニタシステム1における、ドライバDに対する画像認識処理の手順を概略的に示している。ステップS1では、画像処理ECU3により、カメラユニット2のLED5の照明制御及びカメラ6の撮像制御が行われ、ステップS2にて、ドライバDの顔部分の撮像が行われる。そして、次のステップS11にて、カメラ6の画像に対して、ドライバDの顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域に対するトリミングが行われる。この場合、例えば図13に示すように、ステアリングホイール12を含む図で右側の領域が除外され、図で太い破線で示す領域V1のみが画像処理の対象となる。
【0031】
この後、ステップS3では、カメラ6の撮像データからドライバDの顔が検出される。ドライバDの顔検出が成功すると、ステップS4にて、顔の特徴点この場合両目や口の検出が行われる。そして、ステップS5では、ドライバのDの顔の向きや、頭部の位置の検出が行われると共に、ステップS6では、ドライバのDの視線の検出及び開眼の検出が行われる。
【0032】
このような第4の実施形態によれば、乗員としてのドライバDの顔をカメラ6で撮像し、その撮像データからドライバDの顔を認識するものにあって、カメラ6の撮像データから、ドライバDの顔と誤認識する虞のある障害物の存在する領域をソフトウエア的に除外する除外構造を設けたので、ドライバDの顔以外のものを顔と判定してしまう誤認識を効果的に防止することができる。この場合、ソフトウエア的な構成で、除外構造を簡易に実現することができ、効果的となる。
【0033】
尚、上記各実施形態では、乗員としてドライバを検知する場合を例としたが、ドライバに限らず、助手席や後部座席の乗員を検知するものに適用しても良い。また、上記各実施形態では、カメラユニットを、インストルメントパネルの中央部に設ける構成としたが、インストルメントパネルの別の位置や運転席前方のメータ部等に設けるなど、車室内の適宜の位置に設けることができる。さらには、上記各実施形態では、カメラ及び光源をカメラユニットとして構成したが、カメラと光源とを別々に取付ける構成としても良い。
【0034】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、更には、それらに一要素のみ、それ以上、或いはそれ以下を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0035】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。或いは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によりプロセッサを構成することにより提供された専用コンピュータにより実現されても良い。若しくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路により構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより実現されても良い。又、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていても良い。
【符号の説明】
【0036】
図面中、1は乗員モニタシステム、2、21はカメラユニット、3は画像処理ECU(画像処理部)、4は基板、5はLED、6はカメラ、7は遮光壁、12はステアリングホイール、13はモニタ用窓部、14、22、31は遮光板(遮蔽部材)、14aは窓部、15はインストルメントパネル、Dはドライバ(乗員)を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13