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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】充電コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/642 20060101AFI20240402BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240402BHJP
   H01R 13/703 20060101ALI20240402BHJP
   H01R 24/20 20110101ALI20240402BHJP
【FI】
H01R13/642
H02J7/00 301B
H01R13/703
H01R24/20
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021094656
(22)【出願日】2021-06-04
(65)【公開番号】P2022186435
(43)【公開日】2022-12-15
【審査請求日】2023-09-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】入江 奎太
(72)【発明者】
【氏名】深津 利成
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-129350(JP,A)
【文献】特開2021-23060(JP,A)
【文献】特開2017-135767(JP,A)
【文献】特開平11-195442(JP,A)
【文献】実開昭62-86670(JP,U)
【文献】特開平10-32046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/642
H02J 7/00
H01R 13/703
H01R 24/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置を充電する際に、接続コネクタが接続される充電コネクタであって、
前記接続コネクタが備える複数のソケットのそれぞれに挿入される複数のピンと、
前記複数のピンを保持する保持部と、を備え、
前記複数のピンは、
前記蓄電装置に電力を供給する給電ピンと、
前記ソケットに挿入されることで前記接続コネクタが備える検出端子に接触し、これにより前記蓄電装置の充電を行わせることを可能にさせる検出ピンと、を備え、
前記検出ピンは、
前記保持部と向かい合っており、前記保持部と接触することで前記検出ピンが前記ソケットに差し込まれる方向への移動を規制する第1規制部と、
前記保持部と向かい合っており、前記保持部と接触することで前記検出ピンが前記ソケットから抜ける方向への移動を規制する第2規制部と、を備え、
前記第1規制部と前記第2規制部との間の寸法は、前記第1規制部と前記第2規制部との間に位置する前記保持部の寸法よりも長い、充電コネクタ。
【請求項2】
前記検出ピンは、前記保持部を貫通している柱状のピン本体を備え、
前記第1規制部は、前記ピン本体の外周面から突出している、請求項1に記載の充電コネクタ。
【請求項3】
前記複数のピンは、接地されるアースピンを含み、
前記検出ピンと前記アースピンとの間に前記給電ピンが位置している、請求項1又は請求項2に記載の充電コネクタ。
【請求項4】
前記複数のピンは、長手方向と短手方向を有する前記保持部に設けられており、
前記複数のピンは、前記長手方向に沿って配置されるとともに、隣り合うピン同士の中心軸が前記短手方向にずれるように配置されている、請求項1~請求項3のうちいずれか一項に記載の充電コネクタ。
【請求項5】
前記複数のピンは、前記長手方向の両端に位置するピンを結ぶ仮想直線を基準として、前記仮想直線よりも前記短手方向の一方側に少なくとも一つ、前記仮想直線よりも前記短手方向の他方側に少なくとも一つ、配置されている、請求項4に記載の充電コネクタ。
【請求項6】
前記充電コネクタは、産業車両が備える前記蓄電装置を充電するためのものである、請求項1~請求項5のうちいずれか一項に記載の充電コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
産業車両の蓄電装置を充電する際には、特許文献1に開示のように、充電レセプタクルに充電プラグが接続される。充電プラグは、ソケットと、給電端子と、を備える。充電レセプタクルは、給電ピンを備える。給電ピンは、ソケットに挿入される。給電ピンは、ソケットに挿入されることで給電端子と接触する。給電ピンと給電端子とが接触することで、蓄電装置が充電される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-95553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
充電プラグが充電レセプタクルに接続されたことを制御装置に検出させるため、充電レセプタクルは検出ピンを備えている場合がある。この場合、充電プラグは検出端子を備える。検出ピンは、ソケットに挿入されることで検出端子と接触する。制御装置は、検出ピンと検出端子とが接触している場合、充電プラグが充電レセプタクルに接続されていると判定する。制御装置は、充電プラグが充電レセプタクルに接続されている場合に充電を開始する。
【0005】
蓄電装置の充電中に、充電プラグに振動が加わる場合がある。すると、検出ピンが検出端子から離間することで、検出ピンと検出端子との接触が解除されるおそれがある。この場合、給電ピンと給電端子とが接触している場合であっても蓄電装置の充電が停止することになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する充電コネクタは、蓄電装置を充電する際に、接続コネクタが接続される充電コネクタであって、前記接続コネクタが備える複数のソケットのそれぞれに挿入される複数のピンと、前記複数のピンを保持する保持部と、を備え、前記複数のピンは、前記蓄電装置に電力を供給する給電ピンと、前記ソケットに挿入されることで前記接続コネクタが備える検出端子に接触し、これにより前記蓄電装置の充電を行わせることを可能にさせる検出ピンと、を備え、前記検出ピンは、前記保持部と向かい合っており、前記保持部と接触することで前記検出ピンが前記ソケットに差し込まれる方向への移動を規制する第1規制部と、前記保持部と向かい合っており、前記保持部と接触することで前記検出ピンが前記ソケットから抜ける方向への移動を規制する第2規制部と、を備え、前記第1規制部と前記第2規制部との間の寸法は、前記第1規制部と前記第2規制部との間に位置する前記保持部の寸法よりも長い。
【0007】
充電コネクタに接続コネクタを接続した状態で、第1規制部と保持部との間には隙間が生じる。この隙間の範囲内で検出ピンは、ソケットに検出ピンが差し込まれる方向に移動可能である。接続コネクタと充電コネクタとが相対的に移動することで検出端子と検出ピンとの接触が解除されようとしても、検出ピンの移動によって検出端子に検出ピンが追従する。このため、検出ピンと検出端子との接触が解除されることを抑制できる。
【0008】
上記充電コネクタについて、前記検出ピンは、前記保持部を貫通している柱状のピン本体を備え、前記第1規制部は、前記ピン本体の外周面から突出していてもよい。
上記充電コネクタについて、前記複数のピンは、接地されるアースピンを含み、前記検出ピンと前記アースピンとの間に前記給電ピンが位置していてもよい。
【0009】
上記充電コネクタについて、前記複数のピンは、長手方向と短手方向を有する前記保持部に設けられており、前記複数のピンは、前記長手方向に沿って配置されるとともに、隣り合うピン同士の中心軸が前記短手方向にずれるように配置されていてもよい。
【0010】
上記充電コネクタについて、前記複数のピンは、前記長手方向の両端に位置するピンを結ぶ仮想直線を基準として、前記仮想直線よりも前記短手方向の一方側に少なくとも一つ、前記仮想直線よりも前記短手方向の他方側に少なくとも一つ、配置されていてもよい。
【0011】
上記充電コネクタは、産業車両が備える前記蓄電装置を充電するためのものであってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、検出ピンと検出端子との接触が解除されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】充電システムの概略構成図。
図2】充電プラグ及び充電レセプタクルの斜視図。
図3】充電レセプタクルの斜視図。
図4】充電レセプタクルの正面図。
図5】充電レセプタクルを示す図4の5-5線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
充電コネクタの一実施形態について説明する。
図1に示すように、充電システム10は、外部電源11と、充電プラグ20と、産業車両40と、を備える。
【0015】
充電プラグ20は、外部電源11に接続されている。外部電源11は、三相交流電力を充電プラグ20に供給する。
産業車両40は、蓄電装置41と、充電器42と、制御装置43と、充電レセプタクル50と、を備える。産業車両40としては、例えば、フォークリフト及びトーイングトラクタを挙げることができる。
【0016】
蓄電装置41は、例えば、駆動機構に電力を供給する。駆動機構は、産業車両40を走行させるための機構である。蓄電装置41としては、例えば、鉛蓄電池、及びリチウムイオン二次電池を挙げることができる。
【0017】
充電レセプタクル50には、充電プラグ20が接続される。充電レセプタクル50に充電プラグ20が接続されることで、外部電源11から供給される三相交流電力を産業車両40に供給可能になる。
【0018】
充電器42は、充電プラグ20を介して外部電源11から供給された電力によって蓄電装置41を充電する。充電器42は、外部電源11から供給された交流電力を直流電力に変換するAC/DC変換器を含む。
【0019】
制御装置43は、充電器42の制御を行う。制御装置43は、プロセッサと、記憶部と、を備える。プロセッサとしては、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、及びDSP(Digital Signal Processor)が挙げられる。記憶部は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部は、処理をプロセッサに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御装置43は、ASICやFPGA等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御装置43は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0020】
次に、充電プラグ20の構造及び充電レセプタクル50の構造について説明する。
図2に示すように、充電プラグ20は、プラグハウジング21と、ソケット画定部22と、複数の端子31,32,33,34,35と、を備える。充電プラグ20は、蓄電装置41を充電する際に充電レセプタクル50に接続される接続コネクタである。
【0021】
プラグハウジング21は、筒状である。本実施形態において、プラグハウジング21は、四角筒状である。
ソケット画定部22は、プラグハウジング21に固定されている。ソケット画定部22は、プラグハウジング21の開口部を閉塞している。本実施形態において、ソケット画定部22は四角形状である。ソケット画定部22は、第1縁部23、第2縁部24、第3縁部25、及び第4縁部26を備える。第1縁部23、第2縁部24、第3縁部25、第4縁部26は、ソケット画定部22の周縁の一部である。第1縁部23と第2縁部24とは互いに平行である。第1縁部23から第2縁部24に向かう方向を第1方向(長手方向)とする。第3縁部25と第4縁部26とは互いに平行である。第3縁部25から第4縁部26に向かう方向を第2方向(短手方向)とする。ソケット画定部22は、複数のソケット27を備える。ソケット27は、孔である。ソケット27は、第1縁部23と第2縁部24との間で、第1方向に互いに所定の間隔を空けて配置されている。詳細にいえば、互いに隣り合うソケット27の中心軸が、互いに第2方向にずれるように各ソケット27は設けられている。第1方向の両端に位置するソケット27を結ぶ仮想直線に沿って、3つのソケット27は、設けられている。言い換えれば、最も第1縁部23に近く、かつ最も第4縁部26に近いソケット27(後述する検出端子34が設けられるソケット)と、最も第2縁部24に近く、かつ最も第3縁部25に近いソケット27(後述するアース端子35が設けられるソケット)を結ぶ仮想直線に沿って、3つのソケット27が設けられている。そして、3つのソケット27のうち、少なくとも1つ(本実施形態では2つ)が仮想直線に対して第4縁部26側、少なくとも1つ(本実施形態では1つ)が第3縁部25側に配置される。詳細にいえば、仮想直線を基準として、仮想直線よりも第2方向の一方側に少なくとも一つのソケット27が、仮想直線よりも第2方向の他方側に少なくとも一つのソケット27が配置されている。本実施形態において、仮想直線は、第1方向の両端に位置するソケット27の中心軸同士を結ぶ仮想直線である。なお、3つのソケット27のうち、中心軸が仮想直線よりも第2方向の一方側に位置しているソケット27は仮想直線よりも第2方向の一方側に配置されているといえる。3つのソケット27のうち、中心軸が仮想直線よりも第2方向の他方側に位置しているソケット27は仮想直線よりも第2方向の他方側に配置されているといえる。即ち、ソケット27が完全に仮想直線の一方側又は他方側に配置されていなくてもよく、各々のソケット27の中心軸が、仮想直線の一方側又は他方側にあればよい。
【0022】
端子31~35の数は、ソケット27の数と同一である。端子31~35は、ソケット27毎に1つずつ設けられている。端子31~35は、プラグハウジング21の内部であってソケット27と向かい合う位置に設けられている。端子31~35は、ソケット27を介してプラグハウジング21の外部に露出している。端子31~35は、金属製である。端子31~35は、例えば、筒状である。複数の端子31~35は、3つの給電端子31,32,33と、検出端子34と、アース端子35と、を含む。
【0023】
3つの給電端子31,32,33は、外部電源11の電力を蓄電装置41に供給するための端子である。3つの給電端子31,32,33は、外部電源11のU相に接続される給電端子31、外部電源11のV相に接続される給電端子32、外部電源11のW相に接続される給電端子33を含む。
【0024】
検出端子34は、充電プラグ20が充電レセプタクル50に接続されたことを制御装置43に検出させるための端子である。検出端子34は、外部電源11のいずれか一相に接続されている。
【0025】
アース端子35は、接地されている。アース端子35と検出端子34とは、第1方向に3つの給電端子31,32,33を挟んでいる。3つの給電端子31,32,33は、アース端子35と検出端子34との間に設けられているといえる。
【0026】
図2及び図3に示すように、充電レセプタクル50は、ハウジング51と、保持部61と、複数のピン71,72,73,74,75と、を備える。充電レセプタクル50は、蓄電装置41を充電する際に充電プラグ20が接続される充電コネクタである。
【0027】
ハウジング51は、筒状である。本実施形態において、ハウジング51は、四角筒状である。ハウジング51は、第1壁部52と、第2壁部53と、第3壁部54と、第4壁部55と、を備える。第1壁部52と第2壁部53とは互いに向かい合っている。第1壁部52から第2壁部53に向かう方向を第3方向(長手方向)とする。第3壁部54と第4壁部55とは互いに向かい合っている。第3壁部54から第4壁部55に向か合う方向を第4方向(短手方向)とする。ハウジング51は、第1端部56と、第2端部57と、を備える。第1端部56と第2端部57とは、ハウジング51の軸線方向に互いに反対となる端部である。ハウジング51の第1端部56は開口している。充電プラグ20は、ハウジング51の第1端部56から、ハウジング51の内部に挿入可能である。
【0028】
図4及び図5に示すように、保持部61は、ハウジング51に固定されている。保持部61は、絶縁材料製である。絶縁材料としては、例えば、樹脂を挙げることができる。保持部61は、ハウジング51の第2端部57を閉塞している。保持部61は、四角板状である。保持部61は、第1面62と、第2面63と、を備える。第1面62と第2面63とは、保持部61の厚み方向に互いに反対となる面である。保持部61の第1面62は、ハウジング51の外部を向いている。保持部61の第2面63は、ハウジング51の内部を向いている。保持部61は、複数の貫通孔64を備える。貫通孔64の数は、ソケット27の数と同一である。貫通孔64は、保持部61を厚み方向に貫通している。貫通孔64は、第3方向に互いに所定の間隔を空けて配置されている。詳細にいえば、互いに隣り合う貫通孔64の中心軸が、互いに第4方向にずれるように各貫通孔64は設けられている。第3方向の両端に位置する貫通孔64を結ぶ仮想直線に沿って、3つの貫通孔64は設けられている。言い換えれば、最も第1壁部52に近く、かつ最も第4壁部55に近い貫通孔64(後述する検出ピン74が設けられる貫通孔)と、最も第2壁部53に近く、かつ最も第3壁部54に近い貫通孔64(後述するアースピン75が設けられる貫通孔)を結ぶ仮想直線に沿って、3つの貫通孔64が設けられている。そして、3つの貫通孔64のうち、少なくとも1つ(本実施形態では2つ)が仮想直線に対して第4壁部55側、少なくとも1つ(本実施形態では1つ)が第3壁部54側に配置される。詳細にいえば、仮想直線を基準として、仮想直線よりも第4方向の一方側に少なくとも1つの貫通孔64が、仮想直線よりも第4方向の他方側に少なくとも1つの貫通孔64が配置されている。本実施形態において、仮想直線は、第3方向の両端に位置する貫通孔64の中心軸同士を結ぶ仮想直線である。なお、3つの貫通孔64のうち、中心軸が仮想直線よりも第4方向の一方側に位置している貫通孔64は仮想直線よりも第4方向の一方側に配置されているといえる。3つの貫通孔64のうち、中心軸が仮想直線よりも第4方向の他方側に位置している貫通孔64は仮想直線よりも第4方向の他方側に配置されているといえる。即ち、貫通孔64が完全に仮想直線の一方側又は他方側に配置されていなくてもよく、各々の貫通孔64の中心軸が、仮想直線の一方側又は他方側にあればよい。
【0029】
図3に示すように、ピン71~75の数は、貫通孔64の数と同一である。ピン71~75は、貫通孔64毎に1つずつ設けられている。ピン71~75は、第3方向に沿って配置されている。ピン71~75は、ピン本体76と、規制ピン81と、を備える。
【0030】
図5に示すように、ピン本体76は、柱状である。ピン本体76は、第1部位77と、第2部位79と、を備える。第1部位77は、円柱状である。第1部位77の直径は、貫通孔64に挿入不可能なように設定されている。第1部位77は、端面78を備える。端面78は、第1部位77の軸線方向の一方の端面である。第2部位79は、柱状である。第2部位79は、第1部位77の端面78から突出している。第1部位77の軸線方向と第2部位79の軸線方向とは一致している。第2部位79は、貫通孔64に挿入可能な大きさの断面積に設定されている。第2部位79は、外周面80を備える。
【0031】
規制ピン81は、第2部位79に設けられている。規制ピン81は、第2部位79を第2部位79の軸線方向に直交する方向に貫通している。規制ピン81は、第2部位79の外周面80から突出している。詳細にいえば、規制ピン81の軸線方向の両端部は、第2部位79の外周面80から突出している。
【0032】
ピン本体76は、保持部61を貫通している。ピン71~75は、第2部位79のうち端面78と規制ピン81との間の部分が貫通孔64内に位置するように設けられている。これにより、ピン71~75は、保持部61に保持されている。端面78は、第1部位77の軸線方向に保持部61の第2面63と向かい合っている。規制ピン81は、第2部位79の軸線方向に保持部61の第1面62と向かい合っている。保持部61は、端面78と規制ピン81に挟まれているともいえる。第1部位77は、保持部61からハウジング51内に突出している。第2部位79は、保持部61からハウジング51外に突出している。
【0033】
図4に示すように、複数のピン71~75は、3つの給電ピン71,72,73と、検出ピン74と、アースピン75と、を含む。
3つの給電ピン71,72,73は、外部電源11の電力を充電器42に入力するためのピンである。3つの給電ピン71,72,73は、それぞれ、ソケット27に挿入されて給電端子31,32,33に接触する。これにより、給電ピン71,72,73及び給電端子31,32,33を介して充電器42に外部電源11からの電力が供給される。
【0034】
検出ピン74は、充電プラグ20が充電レセプタクル50に接続されたことを制御装置43に検出させるためのピンである。検出ピン74は、ソケット27に挿入されて、検出端子34に接触する。検出ピン74は、制御装置43に接続されている。検出ピン74が検出端子34に接触していると、検出端子34から検出ピン74に電圧が加わる。検出ピン74が検出端子34に接触していないと、検出端子34から検出ピン74に電圧が加わらない。制御装置43は、電圧を検出した場合には、充電プラグ20が充電レセプタクル50に接続されていると判定する。制御装置43は、電圧を検出しない場合には、充電プラグ20が充電レセプタクル50に接続されていないと判定する。制御装置43は、充電プラグ20が充電レセプタクル50に接続されている場合、充電器42を動作させることで蓄電装置41を充電する。制御装置43は、充電プラグ20が充電レセプタクル50に接続されていない場合、充電器42を動作させない。検出ピン74は、ソケット27に挿入されることで検出端子34に接触し、これにより制御装置43に蓄電装置41の充電を行わせることを可能にさせる。
【0035】
アースピン75は、ソケット27に挿入されてアース端子35に接触する。これにより、アース端子35を介してアースピン75は接地される。
ピン71~75は、互いに隣り合うピン71~75の中心軸が、互いに第4方向にずれるように設けられている。アースピン75と検出ピン74とは、第3方向に3つの給電ピン71,72,73を挟んでいる。3つの給電ピン71,72,73は、アースピン75と検出ピン74との間に設けられているといえる。ピン71~75同士の間隔は、ソケット27同士の間隔と同一である。各貫通孔64にピン71~75が1本ずつ設けられるため、ピン71~75の配置は、各貫通孔64の配置と同じである。第3方向の両端に位置する検出ピン74及びアースピン75を結ぶ仮想直線Lに沿って、3つの給電ピン71,72,73は設けられている。言い換えれば、最も第1壁部52に近く、かつ最も第4壁部55に近い検出ピン74と、最も第2壁部53に近く、かつ最も第3壁部54に近いアースピン75を結ぶ仮想直線Lに沿って、3つの給電ピン71,72,73が設けられ、3つの給電ピン71,72,73のうち、少なくとも1つ(本実施形態では2つ)が仮想直線Lに対して第4壁部55側、少なくとも1つ(本実施形態では1つ)が第3壁部54側に配置される。詳細にいえば、仮想直線Lを基準として、仮想直線Lよりも第4方向の一方側に少なくとも1つの給電ピンが、仮想直線Lよりも第4方向の他方側に少なくとも1つの給電ピンが配置されている。本実施形態において、仮想直線Lは、検出ピン74の中心軸とアースピン75の中心軸とを結ぶ仮想直線である。仮想直線Lは、第3方向の両端に位置する貫通孔64を結ぶ仮想直線と一致する。なお、3つの給電ピン71,72,73のうち、中心軸が仮想直線Lよりも第4方向の一方側に位置している給電ピン71,72,73は仮想直線Lよりも第4方向の一方側に配置されているといえる。3つの給電ピン71,72,73のうち、中心軸が仮想直線Lよりも第4方向の他方側に位置している給電ピン71,72,73は仮想直線Lよりも第4方向の他方側に配置されているといえる。即ち、給電ピン71,72,73が完全に仮想直線Lの一方側又は他方側に配置されていなくてもよく、各々の給電ピン71,72,73の中心軸が、仮想直線Lの一方側又は他方側にあればよい。
【0036】
図5に示すように、適宜、検出ピン74の第1部位77を第1部位77A、検出ピン74の端面78を端面78A、検出ピン74の規制ピン81を規制ピン81Aとする。検出ピン74の第1部位77Aの軸線方向の寸法は、給電ピン71,72,73の第1部位77の軸線方向の寸法より短い。保持部61からの第1部位77Aの突出量は、保持部61からの給電ピン71,72,73における第1部位77の突出量よりも少ない。なお、アースピン75の第1部位77については、保持部61からの突出量は任意である。アースピン75の第1部位77については、保持部61からの第1部位77の突出量を給電ピン71,72,73と同一にしてもよいし、検出ピン74と同一にしてもよい。また、アースピン75の第1部位77については、保持部61からの第1部位77の突出量を給電ピン71,72,73及び検出ピン74のいずれとも異なるようにしてもよい。
【0037】
規制ピン81Aは、ソケット27に検出ピン74が差し込まれる方向に保持部61と向かい合っている。ソケット27に検出ピン74が差し込まれる方向は、第1面62から第2面63に向かう方向と一致する。ソケット27に検出ピン74が差し込まれる方向に検出ピン74が移動すると、規制ピン81Aと保持部61の第1面62とが接触することで検出ピン74の移動が規制される。規制ピン81Aは、検出ピン74がソケット27に差し込まれる方向への移動を規制する。規制ピン81Aは、第1規制部である。端面78Aは、ソケット27から検出ピン74が抜ける方向に保持部61と向かい合っている。ソケット27から検出ピン74が抜ける方向は、第2面63から第1面62に向かう方向と一致する。ソケット27から検出ピン74が抜ける方向に検出ピン74が移動すると、端面78Aと保持部61の第2面63とが接触することで検出ピン74の移動が規制される。端面78Aは、検出ピン74がソケット27から抜ける方向への移動を規制する。端面78Aは、第2規制部である。
【0038】
規制ピン81Aと端面78Aとの間の寸法L1は、規制ピン81Aと端面78Aとの間に位置する保持部61の寸法L2よりも長い。寸法L2は、ソケット27から検出ピン74が抜ける方向の寸法である。これにより、規制ピン81Aと第1面62との間、及び端面78Aと第2面63との間の少なくともいずれかに隙間が生じている。検出ピン74は、この隙間の範囲で移動可能である。詳細にいえば、検出ピン74は、規制ピン81Aが第1面62に接触するまで、ソケット27に検出ピン74が差し込まれる方向に移動可能であり、かつ、端面78Aが第2面63に接触するまでソケット27から検出ピン74が抜ける方向に移動可能である。蓄電装置41の充電中には、充電器42の動作等によって生じる振動が産業車両40から加わる場合がある。規制ピン81Aと端面78Aとの間の寸法L1は、充電プラグ20に加わる振動によって生じ得る充電プラグ20の移動を検出ピン74の移動によって吸収できるように設定されている。例えば、規制ピン81Aと第1面62との間、及び端面78Aと第2面63との間の少なくともいずれかに生じる隙間の大きさが0.5[mm]~2.0[mm]となるように、規制ピン81Aと端面78Aとの間の寸法L1は設定されている。
【0039】
なお、給電ピン71,72,73及びアースピン75については、規制ピン81と端面78との間の寸法は任意である。即ち、給電ピン71,72,73及びアースピン75については、規制ピン81と第1面62との間、及び端面78と第2面63との間の少なくともいずれかに隙間が生じてもよいし、生じなくてもよい。
【0040】
本実施形態の作用について説明する。
蓄電装置41の充電を行う際には、充電プラグ20が充電レセプタクル50に接続される。この際、検出ピン74は、充電プラグ20からの力を受けることで、第2面63から第1面62に向かう方向に移動する。これにより、充電レセプタクル50に充電プラグ20を接続した状態で、規制ピン81Aと保持部61の第1面62との間に隙間が生じる。この隙間の範囲内で検出ピン74は、ソケット27に検出ピン74が差し込まれる方向に移動可能である。振動や衝撃を原因として、充電プラグ20と充電レセプタクル50とが相対的に移動する場合がある。検出端子34と検出ピン74との接触が解除されようとしても、検出端子34に追従して検出ピン74は移動可能である。
【0041】
特に、本実施形態では、検出ピン74の第1部位77Aを給電ピン71,72,73の第1部位77よりも短くしていることで、検出ピン74が検出端子34から離れやすい。検出ピン74の第1部位77Aを給電ピン71,72,73の第1部位77よりも短くすることで、充電プラグ20を充電レセプタクル50に接続した状態で、給電ピン71,72,73のソケット27への差込量が検出ピン74のソケット27への差込量よりも多くなる。従って、給電ピン71,72,73の差込量が不足した状態で蓄電装置41への充電が開始されることを抑制できる。一方で、検出ピン74のソケット27への差込量は給電ピン71,72,73のソケット27への差込量よりも少ないため、検出ピン74と検出端子34との接触は、給電ピン71,72,73と給電端子31,32,33との接触に比べて解除されやすい。検出ピン74を移動可能にすることで、給電ピン71,72,73の差込量が不足した状態で蓄電装置41への充電が開始されることを抑制しつつ、検出ピン74と検出端子34との接触が解除されることを抑制できる。
【0042】
本実施形態の効果について説明する。
(1)規制ピン81Aと端面78Aとの間の寸法L1は、規制ピン81Aと端面78Aとの間に位置する保持部61の寸法L2よりも長い。検出端子34に追従して検出ピン74が移動可能であるため、検出ピン74と検出端子34との接触が解除されることを抑制できる。
【0043】
(2)第1規制部として、規制ピン81Aを用いている。保持部61に検出ピン74を保持させる際には、貫通孔64に第2部位79を挿入した後に、規制ピン81Aを第2部位79に貫通させればよい。このため、検出ピン74を保持部61に保持させることが容易になる。
【0044】
(3)複数のピン71~75は、隣り合うピン71~75同士の中心軸が第4方向にずれるように配置されている。複数のピン71~75を中心軸が一直線状になるように配置する場合に比べて、第3方向への充電レセプタクル50の大型化を抑制しつつ、ピン71~75同士の絶縁距離を確保することができる。
【0045】
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○複数のピン71~75は、直線状に配置されていてもよい。即ち、全てのピン71~75の中心軸が一直線上に位置するようにピン71~75が配置されていてもよい。
【0046】
○複数のピン71~75同士の位置は、適宜変更してもよい。例えば、アースピン75と検出ピン74とが隣り合うようにピン71~75同士は配置されていてもよい。
○第1規制部は、検出ピン74がソケット27に差し込まれる方向への検出ピン74の移動を規制できればよく、その形状は任意である。例えば、第2部位79の一部の断面積を、その他の部分よりも大きくして貫通孔64への挿入を規制してもよい。上記した断面積は、第2部位79の軸線方向に直交する方向での断面積である。
【0047】
○第2規制部は、検出ピン74がソケット27から抜ける方向への検出ピン74の移動を規制できればよく、その形状は任意である。例えば、第1部位77の外周面から突出するピンを第2規制部としてもよい。この場合、第1部位77は、貫通孔64に挿入可能な大きさであってもよい。
【0048】
○充電プラグ20がピン71~75を備えていてもよい。この場合、充電レセプタクル50はソケット27及び端子31~35を備える。充電プラグ20は充電コネクタであり、充電レセプタクル50は接続コネクタである。即ち、充電プラグ20及び充電レセプタクル50のうち、ピン71~75を備えるほうが充電コネクタであり、ソケット27及び端子31~35を備えるほうが接続コネクタである。
【0049】
○充電器42は、産業車両40の外部に設けられていてもよい。この場合、充電器42の制御を行う制御装置43も産業車両40の外部に設けられる。そして、制御装置43は、検出ピン74と検出端子34とが接触している場合に、充電器42を動作させる。
【0050】
○充電コネクタは、蓄電装置41を備える装置であれば、どのような装置に設けられていてもよい。例えば、充電コネクタは、乗用車、又は家電機器に設けられていてもよい。
○充電器42としては、入力された電力を、蓄電装置41を充電するのに適した電力に変換できればよく、直流電力の電圧を変換するDC/DC変換器を含んでいてもよい。
【0051】
○検出ピン74の第1部位77Aと給電ピン71,72,73の第1部位77とは同一の長さであってもよい。
【符号の説明】
【0052】
20…接続コネクタとしての充電プラグ、27…ソケット、34…検出端子、40…産業車両、41…蓄電装置、50…充電コネクタとしての充電レセプタクル、61…保持部、71,72,73…給電ピン、74…検出ピン、75…アースピン、76…ピン本体、78A…第2規制部としての端面、81A…第1規制部としての規制ピン。
図1
図2
図3
図4
図5