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特許7464025物品収容設備、物品収容方法、及び物品収容プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】物品収容設備、物品収容方法、及び物品収容プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
B65G1/04 541
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021148606
(22)【出願日】2021-09-13
(65)【公開番号】P2023041308
(43)【公開日】2023-03-24
【審査請求日】2023-12-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】清川 渉
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-220986(JP,A)
【文献】特開2007-238302(JP,A)
【文献】特開2021-38049(JP,A)
【文献】特開2004-1943(JP,A)
【文献】特開平11-11611(JP,A)
【文献】特開2016-52947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04;1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、
前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、
前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、
前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、
前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、
前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、
前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、
前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容設備。
【請求項2】
前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、
前記制御システムは、前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、請求項1に記載の物品収容設備。
【請求項3】
前記通常収容位置に前記高頻度物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第2状態収容部とし、前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、
前記制御システムは、前記対象物品が前記高頻度物品である場合に、前記第1状態収容部がない場合であって前記第2状態収容部がある場合には前記第2状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容し、前記第1状態収容部及び前記第2状態収容部がない場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、請求項2に記載の物品収容設備。
【請求項4】
前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、
前記制御システムは、前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記通常物品である場合に、前記第3状態収容部がある場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項5】
前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部とし、前記通常収容位置に前記高頻度物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第2状態収容部として、
前記制御システムは、前記対象物品が前記通常物品である場合に、前記第3状態収容部がない場合であって前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容し、前記第3状態収容部及び前記第1状態収容部がない場合には前記第2状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御する、請求項4に記載の物品収容設備。
【請求項6】
前記収容棚に収容する前記物品が搬入されると共に前記収容棚から取り出された前記物品が搬出される入出庫部を更に備え、
前記制御システムは、前記高頻度物品を前記収容棚に収容する場合であって前記高頻度物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、それらのうち前記入出庫部に最も近い前記収容部に優先的に前記高頻度物品を収容するように前記搬送装置を制御し、前記通常物品を前記収容棚に収容する場合であって前記通常物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、それらのうち前記入出庫部から最も遠い前記収容部に優先的に前記通常物品を収容するように前記搬送装置を制御する、請求項1から5のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項7】
前記収容棚から取り出す前記物品を出庫物品とし、前記出庫物品が収容されている前記収容部における前記出庫物品よりも前記棚正面側に収容された前記物品を移動物品として、
前記制御システムは、前記移動物品を別の前記収容部に移動させる荷繰り処理を行う場合に、前記移動物品が前記高頻度物品である場合には当該移動物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記移動物品が前記通常物品である場合には当該移動物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、請求項1から6のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項8】
前記制御システムは、前記荷繰り処理を行う場合であって前記移動物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、前記移動物品が収容されている前記収容部からの前記搬送装置による搬送距離が最も短い前記収容部に優先的に前記移動物品を収容するように前記搬送装置を制御する、請求項7に記載の物品収容設備。
【請求項9】
前記通常物品には、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満であって規定の低頻度しきい値以上である中頻度物品と、前記出庫頻度が前記低頻度しきい値未満である低頻度物品とが含まれ、
前記収容部は、前記棚奥行方向に3つ以上の前記物品を並べて収容可能に構成され、
1つの前記収容部において、前記第1収容位置に対して前記棚背面側に隣接する1つ以上の前記通常収容位置を第2収容位置とし、前記第2収容位置に対して前記棚背面側に隣接する1つ以上の前記通常収容位置を第3収容位置として、
前記制御システムは、前記中頻度物品を優先的に前記第2収容位置に収容し、前記低頻度物品を優先的に前記第3収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、請求項1から8のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項10】
複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備において、前記制御システムによって実行される物品収容方法であって、
前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、
前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、
前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、
前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けられた情報に基づいて、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、
前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、
前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する、物品収容方法。
【請求項11】
複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備を制御するための物品収容プログラムであって、
前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、
前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、
前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、
前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けられた情報に基づいて、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、
前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、
前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する機能を、前記制御システムのコンピュータに実現させるための、物品収容プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収容設備、物品収容方法、及び物品収容プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物品収容設備の一例が、特開2007-238302号公報(特許文献1)に開示されている。以下、この背景技術の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。特許文献1の物品収容設備は、物品保管棚(11)と、物品保管棚(11)の正面である棚正面に沿って物品(W)を搬送するスタッカクレーン(17)と、を備えている。物品保管棚(11)は、物品保管棚(11)の長手方向及び上下方向に区画された多数の空間部を備えており、各空間部に、スタッカクレーン(17)を臨むように配置される手前棚(12)と、手前棚(12)の後方に位置する奥棚(13)と、が備えられている。1つの空間部に配置された手前棚(12)と奥棚(13)とが、前後棚組(14)を構成している。
【0003】
特許文献1の段落0003に記載されているように、物品保管棚(11)が前後棚組(14)を備える場合、通常、先に保管される物品(W)が奥棚(13)に、後で保管される物品(W)が手前棚(12)に保管される。そして、特許文献1の段落0027に記載されているように、出庫対象となる物品(W)である出庫対象物品(Wa)が奥棚(13)に存在する場合には、手前棚(12)の物品(W)を別の前後棚組(14)に退避させた後、出庫対象物品(Wa)が取り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-238302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、特許文献1の物品収容設備では、収容棚が備える収容部(特許文献1では、物品保管棚が備える前後棚組)が、棚奥行方向に複数の物品(特許文献1では、2つの物品)を並べて収容可能に構成されている。そして、収容棚から取り出す物品である出庫物品よりも棚正面側に別の物品が収容されている場合には、当該別の物品(特許文献1では、手前棚の物品)を別の収容部に移動させる荷繰り処理が行われる。このような荷繰り処理は物品の出庫効率の低下を招き得るため、荷繰り処理の実行頻度はできるだけ低く抑えられることが望ましい。しかしながら、特許文献1には、出庫物品を再入庫する際の収容位置の優先順位について記載されているものの、再入庫される物品以外の物品を入庫する際の収容位置については記載がなく、収容棚全体として荷繰り処理の実行頻度を低く抑えるための技術は開示されていない。
【0006】
そこで、収容棚の収容部が棚奥行方向に複数の物品を並べて収容可能に構成される場合に、収容棚全体として荷繰り処理の実行頻度を低く抑えることが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る物品収容設備は、複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する。
【0008】
本開示に係る物品収容方法は、複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備において、前記制御システムによって実行される物品収容方法であって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けられた情報に基づいて、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する。
【0009】
本開示に係る物品収容プログラムは、複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備を制御するための物品収容プログラムであって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けられた情報に基づいて、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する機能を、前記制御システムのコンピュータに実現させる。
【0010】
これらの構成によれば、収容棚の収容部が棚奥行方向に複数の物品を並べて収容可能に構成されているため、1つの収容部に物品が1つのみ収容される場合に比べて、単位体積あたりの物品の収容率を高めることができると共に、収容可能な物品数に対する搬送装置のコストも低く抑えることができる。その上で、本構成によれば、物品種類毎の出庫頻度を考慮して、高頻度物品を優先的に第1収容位置に収容し、通常物品を優先的に通常収容位置に収容することができる。すなわち、出庫頻度が比較的高い高頻度物品を、収容部から取り出す際に荷繰り処理が必要とならない位置や、仮に荷繰り処理が必要となる場合であっても荷繰り処理の対象となる物品の数が少ない位置(すなわち、必要となる荷繰り処理の回数が少ない位置)に、優先的に収容することができる。これにより、収容棚全体として荷繰り処理の実行頻度を低く抑えることが可能となっている。
【0011】
なお、出庫頻度が比較的高い高頻度物品は、出庫頻度が比較的低い通常物品よりも、収容部に対する出し入れ回数が多くなりやすい。本構成によれば、このように収容部に対する出し入れ回数が多くなりやすい高頻度物品を、移載装置による移載距離が短いために移載時間を短くしやすい第1収容位置に、優先的に収容することができる。そのため、収容棚全体として物品の入出庫に要する時間を短縮しやすいという利点もある。
【0012】
物品収容設備、物品収容方法、及び物品収容プログラムの更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】物品収容設備の一部の斜視図
図2】物品収容設備の一部の平面図
図3】入庫処理の一局面を示す図
図4】入庫処理の一局面を示す図
図5】入庫処理の一局面を示す図
図6】入庫処理の一局面を示す図
図7】入庫処理の一局面を示す図
図8】入庫処理の一局面を示す図
図9】荷繰り処理の一例を示す図
図10】荷繰り処理の別例を示す図
図11】荷繰り処理の更に別の例を示す図
図12】制御ブロック図
図13】制御フロー図
図14】その他の実施形態に係る物品収容設備の平面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
物品収容設備の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する物品収容設備の種々の技術的特徴は、物品収容設備における物品収容方法や、物品収容設備を制御するための物品収容プログラムにも適用可能であり、そのような方法やプログラム、更には、そのようなプログラムが記憶された記憶媒体(例えば、光ディスク、フラッシュメモリ等)も、本明細書によって開示される。
【0015】
図1及び図2に示すように、物品収容設備100は、複数の収容部20を備えた収容棚1と、収容棚1の正面である棚正面1aに沿って物品Wを搬送する搬送装置5と、搬送装置5を制御する制御システム30(図12参照)と、を備えている。搬送装置5は、物品Wを保持した状態で棚正面1aに沿って移動することで、棚正面1aに沿って物品Wを搬送する。棚正面1aは、収容棚1における物品Wを出し入れする側の面である。言い換えれば、棚正面1aは、収容棚1における搬送装置5が配置される側の面である。棚正面1aは、少なくとも仮想的に定義される面である。本実施形態では、棚正面1aは、収容棚1の各段の棚部10における後述する棚正面側Y1の端部を含む、仮想の鉛直面である。
【0016】
このような構成に限定されないが、本実施形態では、物品収容設備100は、棚正面1aが対向するように配置された一対の収容棚1を備えており、搬送装置5は、これら一対の収容棚1の間を一対の棚正面1a(一方の収容棚1の棚正面1aと他方の収容棚1の棚正面1a)に沿って移動する。以下では、一対の収容棚1を区別する必要がある場合を除き、一対の収容棚1を区別することなく説明する。
【0017】
ここで、棚正面1aに直交する方向を棚奥行方向Yとし、棚奥行方向Yにおける棚正面1aの側を棚正面側Y1とし、棚奥行方向Yにおける棚正面側Y1とは反対側を棚背面側Y2とする。本実施形態では、棚正面1aは鉛直面であるため、棚奥行方向Yは水平方向である。上記のように、本実施形態では、物品収容設備100は、棚正面1aが対向するように配置された一対の収容棚1を備えている。図1及び図2に示すように、棚正面側Y1及び棚背面側Y2は、これら一対の収容棚1のそれぞれに各別に定義されるため、一方の収容棚1についての棚正面側Y1と他方の収容棚1についての棚正面側Y1とは、棚奥行方向Yにおける互いに反対側となる。
【0018】
収容棚1は、複数の収容部20を備えている。図1及び図2に示すように、本実施形態では、収容棚1は、棚幅方向Xに並ぶ複数の収容部20を備えている。棚幅方向Xは、棚奥行方向Yに直交する方向である。本実施形態では、棚幅方向Xは、棚奥行方向Y及び上下方向Z(鉛直方向)の双方に直交する方向である。棚幅方向Xの一方側を第1側X1とし、棚幅方向Xの他方側(第1側X1とは反対側)を第2側X2とする。
【0019】
本実施形態では、収容棚1は、上下方向Zの複数の位置に収容部20を備えている。具体的には、収容棚1は、上下方向Zの複数の位置のそれぞれに、棚幅方向Xに並ぶ複数の収容部20を備えている。すなわち、複数の収容部20は、棚幅方向Xに複数列配置されていると共に上下方向Zに複数段配置されている。なお、収容棚1が備える複数の収容部20は、必ずしも物理的に区画されている必要はなく、各収容部20の位置や幅が可変な構成とすることもできる。例えば、各収容部20の棚幅方向Xの位置や幅が可変な構成とすることができる。
【0020】
図1及び図2に示す例では、収容棚1は、物品Wを支持する(具体的には、上下方向Zの下側Z2から支持する)棚部10を備えている。本例では、棚部10は、板状に形成されている(複数の部材の集合によって全体として板状に形成される場合を含む)。物品Wは、棚部10に支持された状態で収容棚1に収容される。棚部10は、複数の物品Wを棚幅方向Xに並べて支持可能な棚幅方向Xの寸法を有しており、これにより、棚幅方向Xに並ぶ複数の収容部20が棚部10によって形成されている。収容部20の棚奥行方向Yの大きさは、棚部10の棚奥行方向Yの寸法に応じて定まる。図1及び図2に示す例では、収容棚1は、棚部10を上下方向Zの複数の位置に備えており、これにより、上下方向Zの複数の位置のそれぞれに、棚幅方向Xに並ぶ複数の収容部20が形成されている。
【0021】
図1及び図2に示すように、収容部20は、棚奥行方向Yに複数の物品Wを並べて収容可能に構成されている。言い換えれば、この物品収容設備100では、複数の物品Wを棚奥行方向Yに並べて収容部20に収容可能な寸法の物品Wが取り扱われる。物品収容設備100で取り扱われる物品Wに、収容部20を1つの物品Wで占有する程度の寸法を有する大型物品が含まれていてもよいが、以下ではこのような大型物品は考慮せず、複数の物品Wを棚奥行方向Yに並べて収容部20に収容する場合について説明する。
【0022】
ここで、収容部20における複数の物品Wがそれぞれ収容される位置を収容位置Pとし、1つの収容部20における複数の収容位置Pのうちで最も棚正面側Y1の1つ以上の収容位置Pを第1収容位置P1とし、第1収容位置P1よりも棚背面側Y2の1つ以上の収容位置Pを通常収容位置PNとする。本実施形態では、図2に示すように、2つの物品Wが棚奥行方向Yに並べて収容部20に収容される。言い換えれば、収容部20は、棚奥行方向Yに2つの物品Wを並べて収容可能に構成されている。そして、1つの収容部20には2つの収容位置Pが設定され、これら2つの収容位置Pのうちの、棚正面側Y1の収容位置Pが第1収容位置P1であり、棚背面側Y2の収容位置Pが通常収容位置PNである。このように、本実施形態では、1つの収容部20に、第1収容位置P1と通常収容位置PNとが1つずつ設定される。
【0023】
図2に示すように、搬送装置5は、収容棚1に対して棚正面側Y1から棚奥行方向Yに物品Wを移動させて、収容部20からの物品Wの取り出し及び収容部20への物品Wの収容を行う移載装置60を備えている。すなわち、移載装置60は、収容棚1に対して棚正面側Y1から棚奥行方向Yに物品Wを移動させて、搬送装置5と収容部20との間で物品Wを移載する。具体的には、移載装置60は、収容棚1に対して棚正面側Y1から、収容部20に収容されている物品Wを棚正面側Y1に移動させて、収容部20からの物品Wの取り出しを行う。収容部20から取り出された物品Wは、搬送装置5が備える支持部(移載装置60が備える支持部又は後述する走行部50が備える支持部等)に支持されることで、搬送装置5に保持される。また、移載装置60は、収容棚1に対して棚正面側Y1から、搬送装置5に保持されている物品Wを棚背面側Y2に移動させて、収容部20への物品Wの収容を行う。
【0024】
移載装置60は、収容部20におけるいずれの収容位置Pに対しても(本実施形態では、第1収容位置P1及び第2収容位置P2のいずれに対しても)、物品Wの出し入れ(物品Wの取り出し及び物品Wの収容)を行うことができるように構成されている。上述したように、本実施形態では、物品収容設備100は一対の収容棚1を備えており、搬送装置5は、これら一対の収容棚1のいずれの収容部20に対しても、移載装置60を用いて物品Wの出し入れを行うことができるように構成されている。
【0025】
図2に示す例では、移載装置60は、物品Wに当接する当接部66を出退機構65により棚奥行方向Yに出退移動(棚背面側Y2への出移動、及び棚正面側Y1への退移動)させることで、物品Wを棚奥行方向Yに移動させるように構成されている。具体的には、移載装置60は、当接部66を棚背面側Y2へ出移動させて、搬送装置5に保持されている物品Wを当接部66により棚背面側Y2に押し出すことで、当該物品Wを収容部20へ収容する。また、移載装置60は、当接部66を棚正面側Y1へ退移動させて、収容部20に収容されている物品Wを当接部66により棚正面側Y1に引き込むことで、当該物品Wを収容部20から取り出す。図2では簡略化のため、物品Wを棚背面側Y2に押し出す際に用いられる当接部66の図示を省略している。
【0026】
なお、移載装置60の構成はこれに限られず、移載装置60として、例えば、物品Wを下側Z2から支持する支持体を棚奥行方向Yに出退移動させるフォーク式移載装置や、物品Wを挟持するクランプ部を棚奥行方向Yに出退移動させるクランプ式移載装置等を用いることもできる。
【0027】
搬送装置5は、棚正面1aに沿って走行する走行部50を備えており、移載装置60は走行部50に支持されている。本実施形態では、走行部50は、棚幅方向Xに走行することで、棚正面1aに沿って走行する。そのため、搬送装置5は、棚正面1aに沿って物品Wを棚幅方向Xに搬送する。本実施形態では、搬送装置5(具体的には、走行部50)の走行経路は、収容棚1の各段に対応して、収容棚1の段数(言い換えれば、上下方向Zに並ぶ収容部20の数)と同数形成されている。図1では、最上段の走行経路に配置された搬送装置5のみが示されている。図1及び図2に示す例では、搬送装置5の走行経路は、上下方向Zの同じ位置において棚奥行方向Yに離間して配置された一対のレール51によって形成されている。詳細は省略するが、走行部50は、レール51の走行面(上下方向Zの上側Z1を向く面)を転動する走行輪を備えており、この走行輪が電動モータ等の駆動装置により回転駆動されることで、走行部50がレール51に沿って走行する。
【0028】
図1及び図2に示すように、物品収容設備100は、収容棚1に収容する物品Wが搬入されると共に収容棚1から取り出された物品Wが搬出される入出庫部3を備えている。すなわち、入出庫部3には、収容棚1に収容する物品Wが入庫ライン等から搬入される。また、収容棚1から取り出された物品Wは、入出庫部3から出庫ライン等に搬出される。なお、入出庫部3における物品Wの搬入や搬出は、搬送車や作業者等によって行われてもよい。
【0029】
搬送装置5は、入出庫部3と収容部20との間で物品Wを搬送する。具体的には、搬送装置5は、収容棚1に収容する物品Wを、入出庫部3から当該物品Wの収容先の収容部20に搬送する。また、搬送装置5は、収容棚1から取り出された物品Wを、当該物品Wの取り出し元の収容部20から入出庫部3に搬送する。搬送装置5と入出庫部3との間での物品Wの移載は、搬送装置5が備える移載装置60によって行われても、入出庫部3に設けられた装置によって行われても、或いは、搬送装置5が備える移載装置60と入出庫部3に設けられた装置との双方によって行われてもよい。搬送装置5と入出庫部3との間での物品Wの移載に搬送装置5が備える移載装置60が用いられる場合、移載装置60は、入出庫部3に配置されている物品Wを棚正面側Y1に移動させて、入出庫部3から搬送装置5に物品Wを移載する。また、移載装置60は、搬送装置5に保持されている物品Wを棚背面側Y2に移動させて、搬送装置5から入出庫部3に物品Wを移載する。
【0030】
図1及び図2に示す例では、入出庫部3に対する物品Wの搬入や入出庫部3からの物品Wの搬出は、中継装置4によって行われる。中継装置4は、第1コンベヤ41、第2コンベヤ42、第3コンベヤ43、第4コンベヤ44、第1リフト装置45、及び第2リフト装置46を備えており、搬入出部2と入出庫部3との間で物品Wを搬送する。第1コンベヤ41は、搬入出部2から出庫ライン等に物品Wを搬出するための搬出用コンベヤであり、第2コンベヤ42は、入庫ライン等から搬入出部2に物品Wを搬入するための搬入用コンベヤである。第1コンベヤ41、第2コンベヤ42、第3コンベヤ43、及び第4コンベヤ44として、例えば、ローラコンベヤやベルトコンベヤを用いることができる。
【0031】
入出庫部3における上下方向Zの複数の位置(具体的には、収容棚1の各段に対応する高さ)に、第3コンベヤ43及び第4コンベヤ44が設けられており、搬送装置5は、互いに同じ段に配置された収容部20と第3コンベヤ43との間や、互いに同じ段に配置された収容部20と第4コンベヤ44との間で、物品Wを搬送する。第1リフト装置45は、物品Wを支持する支持部を昇降可能に備えており、第1コンベヤ41と任意の第3コンベヤ43との間で物品Wを搬送する。また、第2リフト装置46は、物品Wを支持する支持部を昇降可能に備えており、第2コンベヤ42と任意の第4コンベヤ44との間で物品Wを搬送する。
【0032】
収容棚1から取り出された物品Wは、入出庫部3に配置された第3コンベヤ43に搬送装置5によって搬送された後、第1リフト装置45によって第3コンベヤ43から第1コンベヤ41に搬送される。すなわち、第3コンベヤ43は、入出庫部3において出庫部(具体的には、出庫用コンベヤ)として用いられている。また、収容棚1に収容する物品Wは、第2リフト装置46によって第2コンベヤ42から第4コンベヤ44に搬送された後、搬送装置5によって第4コンベヤ44から収容部20に搬送される。すなわち、第4コンベヤ44は、入出庫部3において入庫部(具体的には、入庫用コンベヤ)として用いられている。なお、第3コンベヤ43や第4コンベヤ44が、その時々の物品収容設備100の状態に応じて、入庫部及び出庫部のいずれとしても用いられる構成とすることもできる。
【0033】
図12に示すように、制御システム30は、搬送装置5の動作を制御する制御装置31を備えている。制御装置31は、走行動作を行うように走行部50の作動を制御すると共に、移載動作を行うように移載装置60の作動を制御する。具体的には、搬送装置5には、制御部(機器コントローラ)が設けられており、この制御部が、制御装置31からの指令に応じて各部に設けられた駆動力源(例えば、電動モータやソレノイド)の駆動を制御することで、搬送装置5の各動作(例えば、走行部50の走行動作、移載装置60の移載動作)が制御される。なお、制御装置31は、1つのハードウェアではなく、互いに有線又は無線で通信可能な複数のハードウェア(複数の分離したハードウェア)の集合によって構成されてもよい。また、制御装置31の少なくとも一部が、搬送装置5に設けられてもよい。
【0034】
制御装置31は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の当該演算処理装置が参照可能な主記憶装置と、を備えている。制御装置31の各機能(例えば、搬送装置5を制御する機能)は、制御装置31が備えるハードウェアと、演算処理装置等のハードウェア上で実行されるプログラムとの協働により実現される。具体的には、制御装置31が、記憶装置(主記憶装置や別途設けられた記憶部32等)に記憶されているプログラムを実行することで、制御装置31の各機能が実現される。言い換えれば、制御装置31の各機能をコンピュータ(制御システム30のコンピュータ)に実現させるためのプログラム(例えば、物品収容プログラム)は、当該コンピュータが参照可能な記憶装置に記憶される。このプログラムは、例えば、記憶媒体により提供され、或いは、通信ネットワークを介して提供される。そして、提供されたプログラムは、コンピュータが参照可能な記憶装置に記憶される。本実施形態では、制御装置31(具体的には、制御装置31が備える演算処理装置)が「コンピュータ」として機能する。
【0035】
図12に示すように、制御システム30は、記憶部32を備えている。制御装置31は、記憶部32からデータを抽出可能に構成されている。記憶部32は、例えばフラッシュメモリやハードディスク等の、情報を記憶及び書き換え可能な記憶媒体を備える。記憶部32は、制御装置31と有線又は無線で通信可能な装置(例えば、サーバ)に設けられてもよい。また、記憶部32は、制御装置31と一体的に設けられてもよい。すなわち、制御装置31が記憶部32を備えていてもよい。
【0036】
この物品収容設備100で取り扱われる物品Wには、出庫頻度(収容棚1からの出庫頻度)が互いに異なる複数種類がある。ここで、物品Wについて種類とは、出庫頻度に関係のある基準に従って物品Wを分類した場合の種類を意味する。例えば、物品Wが荷を収容する容器である場合には、荷の種類に応じて物品Wの出庫頻度が変化するため、荷の種類が物品Wの種類となる。そして、図12に示すように、記憶部32には、物品Wの種類である物品種類を示す物品種類情報70と種類毎(物品種類毎)の出庫頻度を示す出庫頻度情報71とが関連付けて記憶されている。
【0037】
物品Wが荷を収容する容器である場合、物品種類情報70に示される物品種類は、例えば、荷に対応する品名コードとされる。出庫頻度情報71に示される出庫頻度は、例えば、物品種類毎の、単位時間あたりの出庫数(或いは、出庫容器数)に応じた値とされ、或いは、物品種類毎の、収容棚1に収容されている時間の平均値(平均滞在時間)の逆数に応じた値とされる。物品種類毎の出庫頻度は、例えば、実績値に基づき設定し、又は予測値に基づき設定し、或いは実績値と予測値との双方に基づき設定することができる。
【0038】
例えば、物品収容設備100を、収容棚1から出庫された物品Wが、ピッキング作業が行われるピッキング箇所に供給されるピッキング設備に適用することができる。ピッキング作業が行われた後の物品Wは、例えば、収容棚1に再入庫される。このように物品収容設備100をピッキング設備に適用した場合、物品Wは、荷(商品等)を収容する容器(例えば、コンテナや段ボール箱等)とされ、ピッキング箇所では、物品Wから荷を取り出すピッキング作業が行われる。この場合、売れ筋の荷が収容された物品Wは、他の物品Wに比べて出庫頻度が高くなる傾向がある。また、同じ種類の荷であっても、当該荷が季節商品である場合には、当該荷が収容された物品Wの出庫頻度は繁忙期の方が閑散期よりも高くなりやすい。このような季節等の時期に応じた物品Wの出庫頻度の変化を考慮する場合、同じ種類の荷が収容された物品Wであっても、時期毎に異なる種類の物品Wとして取り扱うとよい。
【0039】
ここで、出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である物品種類の物品Wを高頻度物品WHとし、出庫頻度が高頻度しきい値未満である物品種類の物品Wを通常物品WNとする。物品Wの高頻度物品WHと通常物品WNとの分類は、記憶部32に記憶された情報に基づいて、具体的には、物品種類情報70と出庫頻度情報71とが関連付けられた情報に基づいて行うことができる。このような物品Wの出庫頻度に基づく分類を、ABC分析等の手法により行ってもよい。
【0040】
ここで、図3図11に示すように、通常収容位置PNに通常物品WNが収容されており、且つ、第1収容位置P1に物品Wが収容されていない収容部20を第1状態収容部21とする。また、通常収容位置PNに高頻度物品WHが収容されており、且つ、第1収容位置P1に物品Wが収容されていない収容部20を第2状態収容部22とする。また、第1収容位置P1及び通常収容位置PNに物品Wが収容されていない収容部20を第3状態収容部23とする。また、第1収容位置P1及び通常収容位置PNに物品Wが収容されている収容部20を第4状態収容部24とする。
【0041】
図3図11では、高頻度物品WHと通常物品WNとの区別を容易にするために、高頻度物品WHを表す四角形の枠線を、通常物品WNを表す四角形の枠線よりも太くしている。また、図3図8は、19個の物品Wを収容棚1(ここでは、一対の収容棚1)に順に収容する場面を時系列的に示しており、図番が大きくなるに従って後の時点での局面を示している。そして、物品W(高頻度物品WH及び通常物品WN)を表す四角形の内部の数字は、各物品Wの収容棚1への収容順を示している。
【0042】
制御システム30は、高頻度物品WHを優先的に第1収容位置P1に収容し、通常物品WNを優先的に通常収容位置PNに収容するように搬送装置5を制御する。本実施形態では、制御システム30は、図13に示す手順に従って物品Wを収容棚1に収容することで、高頻度物品WHを優先的に第1収容位置P1に収容し、通常物品WNを優先的に通常収容位置PNに収容するように搬送装置5を制御する。以下、図13を参照して、本実施形態の制御システム30によって実行される物品収容方法の手順について説明する。なお、図13に示す各工程は、制御システム30(本実施形態では、制御装置31)が備えるコンピュータ(演算処理装置)によって実行される。
【0043】
制御システム30は、対象物品(収容棚1に収容する物品W、以下同様)が高頻度物品WHである場合に(ステップ#01:Yes)、第1状態収容部21がある場合には(ステップ#02:Yes)、第1状態収容部21の第1収容位置P1に対象物品を収容するように搬送装置5を制御する(ステップ#03)。また、制御システム30は、対象物品が高頻度物品WHである場合に(ステップ#01:Yes)、第1状態収容部21がない場合であって第2状態収容部22がある場合には(ステップ#02:No、ステップ#04:Yes)、第2状態収容部22の第1収容位置P1に対象物品を収容するように搬送装置5を制御する(ステップ#05)。また、制御システム30は、対象物品が高頻度物品WHである場合に(ステップ#01:Yes)、第1状態収容部21及び第2状態収容部22がない場合には(ステップ#02:No、ステップ#04:No)、第3状態収容部23の通常収容位置PNに対象物品を収容するように搬送装置5を制御する(ステップ#06)。
【0044】
制御システム30は、対象物品が通常物品WNである場合に(ステップ#01:No)、第3状態収容部23がある場合には(ステップ#07:Yes)、第3状態収容部23の通常収容位置PNに対象物品を収容するように搬送装置5を制御する(ステップ#08)。また、制御システム30は、対象物品が通常物品WNである場合に(ステップ#01:No)、第3状態収容部23がない場合であって第1状態収容部21がある場合には(ステップ#07:No、ステップ#09:Yes)、第1状態収容部21の第1収容位置P1に対象物品を収容するように搬送装置5を制御する(ステップ#10)。また、制御システム30は、対象物品が通常物品WNである場合に(ステップ#01:No)、第3状態収容部23及び第1状態収容部21がない場合には(ステップ#07:No、ステップ#09:No)、第2状態収容部22の第1収容位置P1に対象物品を収容するように搬送装置5を制御する(ステップ#11)。
【0045】
なお、ここでは、制御システム30が、対象物品が高頻度物品WHである場合に、第1状態収容部21がない場合であって第2状態収容部22がある場合には、第2状態収容部22の第1収容位置P1に対象物品を収容し、第1状態収容部21及び第2状態収容部22がない場合には、第3状態収容部23の通常収容位置PNに対象物品を収容するように搬送装置5を制御する場合を例として説明したが、これに限らず、以下のような構成とすることもできる。すなわち、制御システム30が、対象物品が高頻度物品WHである場合に、第1状態収容部21がない場合であって第3状態収容部23がある場合には、第3状態収容部23の通常収容位置PNに対象物品を収容し、第1状態収容部21及び第3状態収容部23がない場合には、第2状態収容部22の第1収容位置P1に対象物品を収容するように搬送装置5を制御する構成とすることもできる。
【0046】
次に、図13に示す手順に従って物品Wが収容棚1に収容される場面の一例を、図3図8を参照して説明する。図3に示すように、1番目に収容する物品Wは通常物品WNであり、第3状態収容部23があるため、この通常物品WNは、第3状態収容部23の通常収容位置PNに収容される。通常収容位置PNに通常物品WNが収容されたこの第3状態収容部23は、第1状態収容部21となる(図4参照)。図4に示すように、2番目に収容する物品Wは高頻度物品WHであり、第1状態収容部21があるため、この高頻度物品WHは、第1状態収容部21の第1収容位置P1に収容される。第1収容位置P1に高頻度物品WHが収容されたこの第1状態収容部21は、第4状態収容部24となる(図5参照)。その後、10番目までの物品Wが、図13に示す手順に従って収容部20に収容される。
【0047】
図6に示すように、11番目に収容する物品Wは高頻度物品WHであり、第1状態収容部21及び第2状態収容部22がないため、この高頻度物品WHは、第3状態収容部23の通常収容位置PNに収容される。図7に示すように、12番目に収容する物品Wは高頻度物品WHであり、第1状態収容部21がなく第2状態収容部22があるため、この高頻度物品WHは、第2状態収容部22の第1収容位置P1に収容される。その後、17番目までの物品Wが、図13に示す手順に従って収容部20に収容される。
【0048】
図8に示すように、18番目に収容する物品Wは通常物品WNであり、第3状態収容部23がなく第1状態収容部21があるため、この通常物品WNは、第1状態収容部21の第1収容位置P1に収容される。また、19番目に収容する物品Wは高頻度物品WHであり、第1状態収容部21があるため、この高頻度物品WHは、第1状態収容部21の第1収容位置P1に収容される。
【0049】
ところで、高頻度物品WHを収容棚1に収容する場合に、高頻度物品WHを収容可能な収容部20が複数ある場合がある。本実施形態では、高頻度物品WHを収容可能な収容部20は、第1状態収容部21がある場合には第1状態収容部21であり、第1状態収容部21がない場合であって第2状態収容部22がある場合には第2状態収容部22であり、第1状態収容部21及び第2状態収容部22がない場合には第3状態収容部23である。また、通常物品WNを収容棚1に収容する場合に、通常物品WNを収容可能な収容部20が複数ある場合がある。本実施形態では、通常物品WNを収容可能な収容部20は、第3状態収容部23がある場合には第3状態収容部23であり、第3状態収容部23がない場合であって第1状態収容部21がある場合には第1状態収容部21であり、第3状態収容部23及び第1状態収容部21がない場合には第2状態収容部22である。
【0050】
例えば、制御システム30が、高頻度物品WHを収容棚1に収容する場合であって高頻度物品WHを収容可能な収容部20が複数ある場合に、それらのうち入出庫部3に最も近い収容部20に優先的に高頻度物品WHを収容するように搬送装置5を制御する構成とすることができる。本実施形態では、入出庫部3は、収容棚1に対して第1側X1に配置されているため、入出庫部3に最も近い収容部20は、最も第1側X1の収容部20である。図5に示す例では、6番目の高頻度物品WHを収容可能な第1状態収容部21が3個あり、この高頻度物品WHは、それらのうち入出庫部3に最も近い第1状態収容部21(ここでは、最も第1側X1の第1状態収容部21)に収容される。また、図6に示す例では、11番目の高頻度物品WHを収容可能な第3状態収容部23が5個あり、この高頻度物品WHは、それらのうち入出庫部3に最も近い第3状態収容部23(ここでは、最も第1側X1の第3状態収容部23)に収容される。
【0051】
また、例えば、制御システム30が、通常物品WNを収容棚1に収容する場合であって通常物品WNを収容可能な収容部20が複数ある場合に、それらのうち入出庫部3から最も遠い収容部20に優先的に通常物品WNを収容するように搬送装置5を制御する構成とすることができる。或いは、制御システム30が、通常物品WNを収容棚1に収容する場合であって通常物品WNを収容可能な収容部20が複数ある場合に、それらのうち入出庫部3に最も近い収容部20に優先的に通常物品WNを収容するように搬送装置5を制御する構成としてもよい。図3に示す例では、1番目の通常物品WNを収容可能な第3状態収容部23が10個あり、この通常物品WNは、それらのうち入出庫部3に最も近い第3状態収容部23(ここでは、最も第1側X1の第3状態収容部23)に収容される。
【0052】
次に、荷繰り処理について説明する。収容棚1から取り出す物品Wを出庫物品W1とし、出庫物品W1が収容されている収容部20における出庫物品W1よりも棚正面側Y1に収容された物品Wを移動物品W2とすると(図9図11参照)、出庫物品W1を収容棚1から取り出す前に、移動物品W2を別の収容部20に移動させる荷繰り処理が行われる。なお、このような荷繰り処理を行えるように、第1収容位置P1に物品Wが収容されていない収容部20が少なくとも1つ確保される。
【0053】
図9では、図8に示すように19番目の物品Wまで収容棚1に収容した後、13番目に収容した高頻度物品WHが収容棚1から取り出された状態において、16番目に収容した通常物品WNを収容棚1から取り出す場面を想定している。また、図10では、図8に示すように19番目の物品Wまで収容棚1に収容した後、13番目に収容した高頻度物品WHが収容棚1から取り出された状態において、8番目に収容した通常物品WNを収容棚1から取り出す場面を想定している。また、図11では、図8に示すように19番目の物品Wまで収容棚1に収容した後、4番目に収容した通常物品WNを収容棚1から取り出す場面を想定している。
【0054】
本実施形態では、制御システム30は、移動物品W2を別の収容部20に移動させる荷繰り処理を行う場合に、移動物品W2が高頻度物品WHである場合には当該移動物品W2を優先的に第1収容位置P1に収容し、移動物品W2が通常物品WNである場合には当該移動物品W2を優先的に通常収容位置PNに収容するように搬送装置5を制御する。
【0055】
具体的には、制御システム30は、移動物品W2が高頻度物品WHである場合に、第1状態収容部21がある場合には、第1状態収容部21の第1収容位置P1に移動物品W2を収容するように搬送装置5を制御する(図10参照)。また、制御システム30は、移動物品W2が高頻度物品WHである場合に、第1状態収容部21がない場合であって第2状態収容部22がある場合には、第2状態収容部22の第1収容位置P1に移動物品W2を収容し(図11参照)、第1状態収容部21及び第2状態収容部22がない場合には、第3状態収容部23の通常収容位置PNに移動物品W2を収容するように搬送装置5を制御する。
【0056】
制御システム30は、移動物品W2が通常物品WNである場合に、第3状態収容部23がある場合には、第3状態収容部23の通常収容位置PNに通常物品WNを収容するように搬送装置5を制御する(図9参照)。また、制御システム30は、移動物品W2が通常物品WNである場合に、第3状態収容部23がない場合であって第1状態収容部21がある場合には、第1状態収容部21の第1収容位置P1に通常物品WNを収容し、第3状態収容部23及び第1状態収容部21がない場合には、第2状態収容部22の第1収容位置P1に通常物品WNを収容するように搬送装置5を制御する。
【0057】
ところで、荷繰り処理を行う場合に、移動物品W2を収容可能な収容部20が複数ある場合がある。本実施形態では、移動物品W2が高頻度物品WHである場合に移動物品W2を収容可能な収容部20は、第1状態収容部21がある場合には第1状態収容部21であり、第1状態収容部21がない場合であって第2状態収容部22がある場合には第2状態収容部22であり、第1状態収容部21及び第2状態収容部22がない場合には第3状態収容部23である。また、移動物品W2が通常物品WNである場合に移動物品W2を収容可能な収容部20は、第3状態収容部23がある場合には第3状態収容部23であり、第3状態収容部23がない場合であって第1状態収容部21がある場合には第1状態収容部21であり、第3状態収容部23及び第1状態収容部21がない場合には第2状態収容部22である。
【0058】
例えば、制御システム30が、荷繰り処理を行う場合であって移動物品W2を収容可能な収容部20が複数ある場合には、移動物品W2が収容されている収容部20からの搬送装置5による搬送距離が最も短い収容部20に優先的に移動物品W2を収容するように搬送装置5を制御する構成とすることができる。本実施形態では、搬送装置5は、物品Wを棚幅方向Xに搬送するため、上記の搬送距離は、棚幅方向Xの搬送距離である。
【0059】
〔その他の実施形態〕
次に、物品収容設備のその他の実施形態について説明する。
【0060】
(1)上記の実施形態では、物品Wを出庫頻度に応じて高頻度物品WHと通常物品WNとの2つに分類する構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、通常物品WNを更に出庫頻度に応じて複数に分類することもできる。例えば、通常物品WNに、出庫頻度が高頻度しきい値未満であって規定の低頻度しきい値以上である中頻度物品WMと、出庫頻度が低頻度しきい値未満である低頻度物品WLとが含まれる構成とし、物品Wを出庫頻度に応じて高頻度物品WHと中頻度物品WMと低頻度物品WLとに分類する構成とすることができる。後に参照する図14に示す例では、物品Wをこのように高頻度物品WHと中頻度物品WMと低頻度物品WLとに分類している。図14では、高頻度物品WHと中頻度物品WMと低頻度物品WLとの区別を容易にするために、これら3つを互いに異なる図形で表している。具体的には、低頻度物品WLを、内部に模様のない四角形で表し、高頻度物品WHと中頻度物品WMとを、内部の模様が互いに異なる2つの四角形で表している。
【0061】
上記の実施形態のように1つの収容部20に第1収容位置P1と通常収容位置PNとが1つずつ設定される構成において、物品Wを高頻度物品WHと中頻度物品WMと低頻度物品WLとに分類する場合には、例えば、以下に述べるように各物品を収容棚1に収容することで、高頻度物品WHを優先的に第1収容位置P1に収容し、通常物品WNを優先的に通常収容位置PNに収容することができる。以下では、通常収容位置PNに低頻度物品WLが収容されている第1状態収容部21を「第1種第1状態収容部」といい、通常収容位置PNに中頻度物品WMが収容されている第1状態収容部21を「第2種第1状態収容部」という。
【0062】
具体的には、制御システム30は、対象物品が高頻度物品WHである場合に、第1種第1状態収容部がある場合には、第1種第1状態収容部の第1収容位置P1に対象物品を収容するように搬送装置5を制御する。また、制御システム30は、対象物品が高頻度物品WHである場合に、第1種第1状態収容部がない場合であって第2種第1状態収容部がある場合には、第2種第1状態収容部の第1収容位置P1に対象物品を収容するように搬送装置5を制御する。また、制御システム30は、対象物品が高頻度物品WHである場合に、第1状態収容部21がない場合であって第2状態収容部22がある場合には、第2状態収容部22の第1収容位置P1に対象物品を収容し、第1状態収容部21及び第2状態収容部22がない場合には、第3状態収容部23の通常収容位置PNに対象物品を収容するように搬送装置5を制御する。
【0063】
また、制御システム30は、対象物品が中頻度物品WMである場合に、第1種第1状態収容部がある場合には、第1種第1状態収容部の第1収容位置P1に対象物品を収容するように搬送装置5を制御する。また、制御システム30は、対象物品が中頻度物品WMである場合に、第1種第1状態収容部がない場合であって第2種第1状態収容部がある場合には、第2種第1状態収容部の第1収容位置P1に対象物品を収容するように搬送装置5を制御する。また、制御システム30は、対象物品が中頻度物品WMである場合に、第1状態収容部21がない場合であって第3状態収容部23がある場合には、第3状態収容部23の通常収容位置PNに対象物品を収容し、第1状態収容部21及び第3状態収容部23がない場合には、第2状態収容部22の第1収容位置P1に対象物品を収容するように搬送装置5を制御する。なお、制御システム30が、対象物品が中頻度物品WMである場合に、第1状態収容部21がない場合であって第2状態収容部22がある場合には、第2状態収容部22の第1収容位置P1に対象物品を収容し、第1状態収容部21及び第2状態収容部22がない場合には、第3状態収容部23の通常収容位置PNに対象物品を収容するように搬送装置5を制御する構成とすることもできる。
【0064】
また、制御システム30は、対象物品が低頻度物品WLである場合に、第3状態収容部23がある場合には、第3状態収容部23の通常収容位置PNに対象物品を収容するように搬送装置5を制御する。また、制御システム30は、対象物品が通常物品WNである場合に、第3状態収容部23がない場合であって第1種第1状態収容部がある場合には、第1種第1状態収容部の第1収容位置P1に対象物品を収容し、第3状態収容部23及び第1種第1状態収容部がない場合であって第2種第1状態収容部がある場合には、第2種第1状態収容部の第1収容位置P1に対象物品を収容するように搬送装置5を制御する。また、制御システム30は、対象物品が通常物品WNである場合に、第3状態収容部23及び第1状態収容部21がない場合には、第2状態収容部22の第1収容位置P1に対象物品を収容するように搬送装置5を制御する。
【0065】
(2)上記の実施形態では、収容部20が棚奥行方向Yに2つの物品Wを並べて収容可能に構成され、1つの収容部20に2つの収容位置Pが設定される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、図14に示す例のように、収容部20が棚奥行方向Yに3つ以上の物品Wを並べて収容可能に構成され、1つの収容部20に3つ以上の収容位置Pが設定される構成とすることもできる。
【0066】
図14に示す例では、移載装置60は、棚奥行方向Yに走行する台車67を備えている。台車67の走行経路は、上下方向Zの同じ位置において棚幅方向Xに離間して配置された一対の移載用レール68によって形成されている。台車67は、走行部50に搭載された状態で棚幅方向Xに移動可能であると共に、走行部50から分離した状態で棚奥行方向Yに移動可能である。そして、台車67は、物品Wを支持した状態で棚奥行方向Yに移動することで、収容部20からの物品Wの取り出し及び収容部20への物品Wの収容を行う。具体的には、台車67は、物品Wを支持した状態で収容部20から棚正面側Y1に移動することで、収容部20からの物品Wの取り出しを行う。また、台車67は、物品Wを支持した状態で走行部50から棚背面側Y2に移動することで、収容部20への物品Wの収容を行う。なお、台車67は、物品Wを下側Z2から支持する支持面を昇降可能に構成されており、支持面を下降させることで、収容部20に収容された物品Wと干渉することなく棚奥行方向Yに移動することができる。
【0067】
図14に示す例では、1つの収容部20に、2つの第1収容位置P1と6つの通常収容位置PNとが設定される。ここで、1つの収容部20において、第1収容位置P1に対して棚背面側Y2に隣接する1つ以上の通常収容位置PNを第2収容位置P2とし、第2収容位置P2に対して棚背面側Y2に隣接する1つ以上の通常収容位置PNを第3収容位置P3とする。図14に示す例では、1つの収容部20において、2つの第1収容位置P1に対して棚背面側Y2に隣接する3つの通常収容位置PNが第2収容位置P2であり、3つの第2収容位置P2に対して棚背面側Y2に隣接する3つの通常収容位置PNが第3収容位置P3である。
【0068】
図14に示す例では、物品Wを出庫頻度に応じて高頻度物品WHと中頻度物品WMと低頻度物品WLとに分類している。すなわち、通常物品WNには、出庫頻度が高頻度しきい値未満であって規定の低頻度しきい値以上である中頻度物品WMと、出庫頻度が低頻度しきい値未満である低頻度物品WLとが含まれている。この場合、制御システム30が、高頻度物品WHを優先的に第1収容位置P1に収容し、中頻度物品WMを優先的に第2収容位置P2に収容し、低頻度物品WLを優先的に第3収容位置P3に収容するように搬送装置5を制御する構成とすると好適である。
【0069】
(3)上記の実施形態では、収容棚1が備える複数の収容部20が、水平方向(具体的には、棚幅方向X)に複数列配置されていると共に上下方向Zに複数段配置される構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、複数の収容部20が水平方向にのみ複数配列される構成や、複数の収容部20が上下方向Zにのみ複数配列される構成とすることもできる。
【0070】
(4)上記の実施形態では、搬送装置5が水平方向(具体的には、棚幅方向X)に走行する走行部50を備える構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば、搬送装置5が、物品Wを水平方向に搬送するコンベヤを備える構成とすることもできる。
【0071】
(5)上記の実施形態では、搬送装置5が、棚正面1aに沿って物品Wを棚幅方向Xに搬送する構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば、搬送装置5が、棚正面1aに沿って物品Wを上下方向Zに搬送する構成とすることもできる。この場合、搬送装置5は、例えば、物品Wを上下方向Zに昇降させるリフト装置を備える。また、搬送装置5が、棚正面1aに沿って物品Wを棚幅方向X及び上下方向Zに搬送する構成とすることもできる。具体例として、搬送装置5がスタッカクレーンである構成とすることができる。この場合、搬送装置5は、棚幅方向Xに走行する走行部50に加えて、走行部50に立設されたマストに案内されて昇降する昇降体を備え、移載装置60は昇降体に支持される。そして、搬送装置5は、走行部50の走行動作と昇降体の昇降動作とによって、棚正面1aに沿って物品Wを棚幅方向X及び上下方向Zに搬送する。
【0072】
(6)上記の実施形態では、棚正面1aが鉛直面となる構成(言い換えれば、棚奥行方向Yが水平方向となる構成)を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば、棚正面1aが水平面となる構成(言い換えれば、棚奥行方向Yが上下方向Zとなる構成)とすることもできる。この場合、収容部20は、棚奥行方向Yである上下方向Zに複数の物品Wを並べて収容可能に構成される。また、この場合、例えば、収容棚1が備える複数の収容部20は、水平面において互いに直交する2つの方向のそれぞれに複数配列され、搬送装置5の走行部50は、当該2つの方向に走行可能に構成される。
【0073】
(7)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0074】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品収容設備の概要について説明する。
【0075】
複数の収容部を備えた収容棚と、前記収容棚の正面である棚正面に沿って物品を搬送する搬送装置と、前記搬送装置を制御する制御システムと、を備えた物品収容設備であって、前記棚正面に直交する方向を棚奥行方向とし、前記棚奥行方向における前記棚正面の側を棚正面側とし、前記棚奥行方向における前記棚正面側とは反対側を棚背面側として、前記収容部は、前記棚奥行方向に複数の前記物品を並べて収容可能に構成され、前記搬送装置は、前記収容棚に対して前記棚正面側から前記棚奥行方向に前記物品を移動させて、前記収容部からの前記物品の取り出し及び前記収容部への前記物品の収容を行う移載装置を備え、前記制御システムは、前記物品の種類である物品種類を示す物品種類情報と前記種類毎の出庫頻度を示す出庫頻度情報とが関連付けて記憶された記憶部を備え、前記出庫頻度が規定の高頻度しきい値以上である前記物品種類の前記物品を高頻度物品とし、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満である前記物品種類の前記物品を通常物品とし、前記収容部における複数の前記物品がそれぞれ収容される位置を収容位置とし、1つの前記収容部における複数の前記収容位置のうちで最も前記棚正面側の1つ以上の前記収容位置を第1収容位置とし、前記第1収容位置よりも前記棚背面側の1つ以上の前記収容位置を通常収容位置として、前記制御システムは、前記高頻度物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記通常物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御する。
【0076】
本構成によれば、収容棚の収容部が棚奥行方向に複数の物品を並べて収容可能に構成されているため、1つの収容部に物品が1つのみ収容される場合に比べて、単位体積あたりの物品の収容率を高めることができると共に、収容可能な物品数に対する搬送装置のコストも低く抑えることができる。その上で、本構成によれば、物品種類毎の出庫頻度を考慮して、高頻度物品を優先的に第1収容位置に収容し、通常物品を優先的に通常収容位置に収容することができる。すなわち、出庫頻度が比較的高い高頻度物品を、収容部から取り出す際に荷繰り処理が必要とならない位置や、仮に荷繰り処理が必要となる場合であっても荷繰り処理の対象となる物品の数が少ない位置(すなわち、必要となる荷繰り処理の回数が少ない位置)に、優先的に収容することができる。これにより、収容棚全体として荷繰り処理の実行頻度を低く抑えることが可能となっている。
【0077】
なお、出庫頻度が比較的高い高頻度物品は、出庫頻度が比較的低い通常物品よりも、収容部に対する出し入れ回数が多くなりやすい。本構成によれば、このように収容部に対する出し入れ回数が多くなりやすい高頻度物品を、移載装置による移載距離が短いために移載時間を短くしやすい第1収容位置に、優先的に収容することができる。そのため、収容棚全体として物品の入出庫に要する時間を短縮しやすいという利点もある。
【0078】
ここで、前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部として、前記制御システムは、前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記高頻度物品である場合に、前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御すると好適である。
【0079】
本構成によれば、高頻度物品を優先的に第1収容位置に収容することができる。なお、第1状態収容部の第1収容位置に高頻度物品が収容されている状態で、当該第1状態収容部の通常収容位置に収容されている通常物品を取り出す場合には、当該高頻度物品を対象とする荷繰り処理が必要となるが、通常物品の出庫頻度は比較的低いため、第1状態収容部の第1収容位置に収容されている高頻度物品を対象とする荷繰り処理の発生頻度は低く抑えやすい。そのため、第1状態収容部がある場合には第1状態収容部の第1収容位置に高頻度物品を収容することで、収容棚全体として荷繰り処理の実行頻度の低減を図ることができる。
【0080】
上記の構成において、前記通常収容位置に前記高頻度物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第2状態収容部とし、前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、前記制御システムは、前記対象物品が前記高頻度物品である場合に、前記第1状態収容部がない場合であって前記第2状態収容部がある場合には前記第2状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容し、前記第1状態収容部及び前記第2状態収容部がない場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御すると好適である。
【0081】
本構成によれば、第1状態収容部がない場合であっても、第2状態収容部がある場合には第2状態収容部の第1収容位置に高頻度物品を収容することで、収容棚全体として荷繰り処理の実行頻度の低減を図ることができる。補足説明すると、第3状態収容部の通常収容位置に高頻度物品を収容し、その後、当該第3状態収容部の第1収容位置に通常物品が収容された場合には、出庫頻度が比較的高い高頻度物品に対して棚正面側に、出庫頻度が比較的低い通常物品が配置されることになり、荷繰り処理が必要となる状況が発生しやすくなる。これに対して、本構成によれば、第1状態収容部がない場合に、第2状態収容部がある場合には第3状態収容部の通常収容位置ではなく第2状態収容部の第1収容位置に高頻度物品が収容されるため、出庫頻度が比較的高い高頻度物品に対して棚正面側に出庫頻度が比較的低い通常物品が配置されることをできるだけ回避して、収容棚全体として荷繰り処理の実行頻度の低減を図ることができる。
【0082】
また、前記第1収容位置及び前記通常収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第3状態収容部として、前記制御システムは、前記収容棚に収容する前記物品である対象物品が前記通常物品である場合に、前記第3状態収容部がある場合には前記第3状態収容部の前記通常収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御すると好適である。
【0083】
本構成によれば、通常物品を優先的に通常収容位置に収容することができる。よって、第1収容位置に物品が収容されていない収容部を存在させやすく、高頻度物品を優先的に第1収容位置に収容することが容易となる。
【0084】
上記の構成において、前記通常収容位置に前記通常物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第1状態収容部とし、前記通常収容位置に前記高頻度物品が収容されており、且つ、前記第1収容位置に前記物品が収容されていない前記収容部を第2状態収容部として、前記制御システムは、前記対象物品が前記通常物品である場合に、前記第3状態収容部がない場合であって前記第1状態収容部がある場合には前記第1状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容し、前記第3状態収容部及び前記第1状態収容部がない場合には前記第2状態収容部の前記第1収容位置に前記対象物品を収容するように前記搬送装置を制御すると好適である。
【0085】
本構成によれば、第3状態収容部がない場合であっても、第1状態収容部がある場合には当該第1状態収容部の第1収容位置に通常物品を収容することで、収容棚全体として荷繰り処理の実行頻度の低減を図ることができる。補足説明すると、第2状態収容部の第1収容位置に通常物品を収容した場合には、出庫頻度が比較的高い高頻度物品に対して棚正面側に、出庫頻度が比較的低い通常物品が配置されることになり、荷繰り処理が必要となる状況が発生しやすくなる。これに対して、本構成によれば、第3状態収容部がない場合に、第1状態収容部がある場合には第2状態収容部の第1収容位置ではなく第1状態収容部の第1収容位置に通常物品が収容されるため、出庫頻度が比較的高い高頻度物品に対して棚正面側に出庫頻度が比較的低い通常物品が配置されることをできるだけ回避して、収容棚全体として荷繰り処理の実行頻度の低減を図ることができる。
【0086】
また、前記収容棚に収容する前記物品が搬入されると共に前記収容棚から取り出された前記物品が搬出される入出庫部を更に備え、前記制御システムは、前記高頻度物品を前記収容棚に収容する場合であって前記高頻度物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、それらのうち前記入出庫部に最も近い前記収容部に優先的に前記高頻度物品を収容するように前記搬送装置を制御し、前記通常物品を前記収容棚に収容する場合であって前記通常物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、それらのうち前記入出庫部から最も遠い前記収容部に優先的に前記通常物品を収容するように前記搬送装置を制御すると好適である。
【0087】
本構成によれば、出庫頻度が比較的高い高頻度物品が入出庫部の近くの収容部に優先的に収容されるため、高頻度物品を出庫する際の搬送装置による当該物品の搬送距離を短く抑えることができる。また、出庫された物品が収容棚に再入庫される場合、出庫頻度が比較的高い高頻度物品は入庫頻度も比較的高くなるが、本構成によれば、入庫頻度が比較的高い高頻度物品が入出庫部の近くの収容部に優先的に収容されるため、高頻度物品を入庫する際の搬送装置による当該物品の搬送距離も短く抑えることができる。よって、物品の入出庫効率を高めることができる。更に、本構成によれば、出庫頻度が比較的低い通常物品は、入出庫部から遠い収容部に優先的に収容されるため、入出庫部の近くに高頻度物品を収容しやすくすることができる。
【0088】
また、前記収容棚から取り出す前記物品を出庫物品とし、前記出庫物品が収容されている前記収容部における前記出庫物品よりも前記棚正面側に収容された前記物品を移動物品として、前記制御システムは、前記移動物品を別の前記収容部に移動させる荷繰り処理を行う場合に、前記移動物品が前記高頻度物品である場合には当該移動物品を優先的に前記第1収容位置に収容し、前記移動物品が前記通常物品である場合には当該移動物品を優先的に前記通常収容位置に収容するように前記搬送装置を制御すると好適である。
【0089】
本構成によれば、荷繰り処理を行った場合であっても、高頻度物品を優先的に第1収容位置に収容し、通常物品を優先的に通常収容位置に収容することができる。
【0090】
上記の構成において、前記制御システムは、前記荷繰り処理を行う場合であって前記移動物品を収容可能な前記収容部が複数ある場合には、前記移動物品が収容されている前記収容部からの前記搬送装置による搬送距離が最も短い前記収容部に優先的に前記移動物品を収容するように前記搬送装置を制御すると好適である。
【0091】
本構成によれば、荷繰り処理における搬送装置による移動物品の搬送距離を短く抑えることができるため、荷繰り処理が必要な場合であっても、出庫物品の出庫に要する時間を短く抑えて物品の出庫効率を高めることができる。
【0092】
また、前記通常物品には、前記出庫頻度が前記高頻度しきい値未満であって規定の低頻度しきい値以上である中頻度物品と、前記出庫頻度が前記低頻度しきい値未満である低頻度物品とが含まれ、前記収容部は、前記棚奥行方向に3つ以上の前記物品を並べて収容可能に構成され、1つの前記収容部において、前記第1収容位置に対して前記棚背面側に隣接する1つ以上の前記通常収容位置を第2収容位置とし、前記第2収容位置に対して前記棚背面側に隣接する1つ以上の前記通常収容位置を第3収容位置として、前記制御システムは、前記中頻度物品を優先的に前記第2収容位置に収容し、前記低頻度物品を優先的に前記第3収容位置に収容するように前記搬送装置を制御すると好適である。
【0093】
本構成によれば、収容棚の収容部が棚奥行方向に3つ以上の物品を並べて収容可能に構成されているため、1つの収容部に物品が1つ又は2つのみ収容される場合に比べて、単位体積あたりの物品の収容率を高めることができると共に、収容可能な物品数に対する搬送装置のコストも低く抑えることができる。その上で、本構成によれば、物品種類毎の出庫頻度を少なくとも3段階に分けて、出庫頻度が高くなるに従って必要となり得る荷繰り処理の回数が少なくなるように、各物品を優先的に収容する収容位置を設定することができる。よって、収容棚全体として荷繰り処理の実行頻度の低減を図ることができる。
【0094】
本開示に係る物品収容設備は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0095】
1:収容棚
1a:棚正面
3:入出庫部
5:搬送装置
20:収容部
21:第1状態収容部
22:第2状態収容部
23:第3状態収容部
30:制御システム
32:記憶部
60:移載装置
70:物品種類情報
71:出庫頻度情報
100:物品収容設備
P:収容位置
P1:第1収容位置
P2:第2収容位置
P3:第3収容位置
PN:通常収容位置
W:物品
W1:出庫物品
W2:移動物品
WH:高頻度物品
WL:低頻度物品
WM:中頻度物品
WN:通常物品
Y:棚奥行方向
Y1:棚正面側
Y2:棚背面側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14