(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】画像編集方法、画像編集システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240402BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20240402BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G09G5/00 510B
G09G5/00 550C
G09G5/00 555D
G09G5/37 320
H04N5/74 Z
(21)【出願番号】P 2022022674
(22)【出願日】2022-02-17
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北林 一良
(72)【発明者】
【氏名】宮田 愛恵
(72)【発明者】
【氏名】西本 徹太
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-188023(JP,A)
【文献】特開2017-200021(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0213196(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクターからの画像の投射先となる投射対象物を含み、且つ、前記プロジェクターによって第1画像が表示
された実空間内の投射領域を、カメラの撮像範囲の中心部分と前記第1画像の中心部分とが重なる前記実空間内の位置から前記カメラによって撮像することによって、撮像画像を取得すること、
前記撮像画像と前記撮像範囲の中心部分を示す第3画像とが重畳された重畳画像を表示装置に表示すること、
前記重畳画像において前記第1画像の中心部分と前記撮像範囲の中心部分とが重なる領域の大きさが閾値未満であるか否かを判定すること、
前記領域の大きさが前記閾値未満である場合に、前記第3画像の中心部分と前記重畳画像における前記第1画像の中心部分とが重なる位置に前記カメラを移動させることを促す通知を出力すること、及び、
前記プロジェクターによる前記第1画像の表示を停止し、前記第1画像が表示されていない投射領域を前記カメラによって撮像することで得られた基準画像を編集することによって得られる第2画像を、前記プロジェクターに送信すること、
を含む、画像編集方法。
【請求項2】
前記撮像画像が取得された場合に、前記基準画像を編集する編集機能を呼び出すことに用いるユーザーインターフェイス画像を表示すること、を更に含み、
前記第2画像は、前記編集機能によって前記撮像画像を編集することで得られる、
請求項1に記載の画像編集方法。
【請求項3】
前記領域の大きさが前記閾値以上である場合に、前記投射領域を前記カメラに撮像させること、を含む、
請求項1又は請求項2に記載の画像編集方法。
【請求項4】
カメラと、
プロジェクター、表示装置、及び前記カメラ、を制御する処理装置と、を含み、
前記処理装置は、
前記プロジェクターからの画像の投射先となる投射対象物を含み、且つ、前記プロジェクターによって第1画像を表示させた実空間内の投射領域を、カメラの撮像範囲の中心部分と前記第1画像の中心部分とが重なる前記実空間内の位置から前記カメラに撮像させることによって、撮像画像を取得すること、及び、
前記撮像画像と前記撮像範囲の中心部分を示す第3画像とが重畳された重畳画像を前記表示装置に表示させること、
前記重畳画像において前記第1画像の中心部分と前記撮像範囲の中心部分とが重なる領
域の大きさが閾値未満であるか否かを判定すること、
前記領域の大きさが前記閾値未満である場合に、前記第3画像の中心部分と前記重畳画像における前記第1画像の中心部分とが重なる位置に前記カメラを移動させることを促す通知を出力すること、及び、
前記プロジェクターによる前記第1画像の表示を停止し、前記第1画像が表示されていない投射領域を前記カメラに撮像させることで得られた基準画像を編集することによって得られる第2画像を、前記プロジェクターに送信すること、を実行する、
画像編集システム。
【請求項5】
コンピューターに、
プロジェクターからの画像の投射先となる投射対象物を含み、且つ、前記プロジェクターによって第1画像を表示させた実空間内の投射領域を、カメラの撮像範囲の中心部分と前記第1画像の中心部分とが重なる前記実空間内の位置から前記カメラに撮像させることによって、撮像画像を取得すること、
前記撮像画像と前記撮像範囲の中心部分を示す第3画像とが重畳された重畳画像を表示装置に表示させること、
前記重畳画像において前記第1画像の中心部分と前記撮像範囲の中心部分とが重なる領
域の大きさが閾値未満であるか否かを判定すること、
前記領域の大きさが前記閾値未満である場合に、前記第3画像の中心部分と前記重畳画像における前記第1画像の中心部分とが重なる位置に前記カメラを移動させることを促す通知を出力すること、及び、
前記プロジェクターによる前記第1画像の表示を停止し、前記第1画像が表示されていない投射領域を前記カメラに撮像させることで得られた基準画像を編集することによって得られる第2画像を、前記プロジェクターに送信すること、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像編集方法、画像編集システム、及びプログラム、に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3次元形状を有する物体に対してプロジェクターから各種画像を投射することにより様々な演出を行うプロジェクションマッピングが普及しつつある。以下では、プロジェクターから画像を投射される物体は投射対象物と称される。プロジェクションマッピングを行うには、プロジェクターから投射する2次元画像、即ちプロジェクター視点の2次元画像を作成しておくことが必要となる。プロジェクター視点の2次元画像の作成に関する技術が種々提案されており、その一例としては特許文献1に開示の技術が挙げられる。特許文献1に開示の技術は、3次元的な投影対象の投影装置視点画像を取得し、投影コンテンツとして投影対象に対応する3次元モデルを準備し、この3次元モデルを投影装置視点画像に一致する2次元画像に変換することにより、投影装置から投影する2次元画像を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の技術を利用してプロジェクションマッピングを行うには、プロジェクターの視点から見える投射対象物の形状に関する知見、及び3次元モデルに関する知見等の専門知識がユーザーに要求される。しかし、プロジェクションマッピングを行おうとするユーザーが、そのような専門知識を常に有しているとは限らない。特許文献1に開示の技術には、専門知識を有さないユーザーが、手軽にプロジェクションマッピングを実現できない、という問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の画像編集方法の一態様は、プロジェクターからの画像の投射先となる投射対象物を含み、且つ、前記プロジェクターによって第1画像が表示される実空間内の投射領域を、カメラの撮像範囲の中心部分と前記第1画像の中心部分とが重なる前記実空間内の位置から前記カメラによって撮像することによって、撮像画像を取得すること、及び、前記撮像画像を編集することによって得られる第2画像を、プロジェクターに送信すること、を含む。
【0006】
また、本開示の画像編集システムの一態様は、カメラと、前記カメラを制御する処理装置と、を含み、前記処理装置は、プロジェクターからの画像の投射先となる投射対象物を含み、且つ、前記プロジェクターによって第1画像が表示される実空間内の投射領域を、カメラの撮像範囲の中心部分と前記第1画像の中心部分とが重なる前記実空間内の位置から前記カメラによって撮像することによって、撮像画像を取得すること、及び、前記撮像画像を編集することによって得られる第2画像を、プロジェクターに送信すること、を実行する。
【0007】
また、本開示のプログラムは、コンピューターに、プロジェクターからの画像の投射先となる投射対象物を含み、且つ、前記プロジェクターによって第1画像が表示される実空間内の投射領域を、カメラの撮像範囲の中心部分と前記第1画像の中心部分とが重なる前記実空間内の位置から前記カメラによって撮像することによって、撮像画像を取得すること、及び、前記撮像画像を編集することによって得られる第2画像を、プロジェクターに送信すること、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態による画像編集システム1の構成例を示す図である。
【
図3】第1ガイド画像GA1の一例を示す図である。
【
図4】投射領域に対する投射対象物SCの設置例を示す図である。
【
図5】撮像画像GA2、第2ガイド画像GA3、及び重畳画像GA4の関係を示す図である。
【
図6】重畳画像GA4、メッセージM1、及びユーザーインターフェイス画像GA5の表示例を示す図である。
【
図7】第1ガイド画像GA1の中心部分と第2ガイド画像GA3の中心部分とがほぼ一致したときの重畳画像GA4の一例を示す図である。
【
図8】基準画像に基づいて編集される投射画像GB1の一例を示す図である。
【
図9】プロジェクター10による投射画像GB1の投射例を示す図である。
【
図10】処理装置210がプログラムPAに従って実行する画像編集方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に述べる実施形態には技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかし、本開示の実施形態は、以下に述べる形態に限られるものではない。
1.実施形態
図1は、本発明の開示の実施形態による画像編集システム1の構成例を示す図である。画像編集システム1は、投射対象物SCを含む投射領域に対してプロジェクター10から投射する画像を表す画像データを編集するための情報処理システムである。本実施形態における投射対象物SCは、地紙に人物が描かれた団扇である。プロジェクター10及び投射対象物SCは、プロジェクター10を使用するユーザーの居室に設置される。プロジェクター10を使用するユーザーの居室は本開示における実空間の一例である。
【0010】
プロジェクター10は、画像供給装置から供給される画像データに応じた画像光を投射することにより、この画像データの表す画像を投射する装置である。詳細について後述するが、本実施形態における画像供給装置は情報処理装置20である。
図1では、詳細な図示が省略されているが、プロジェクター10は、投射レンズ、液晶駆動部、液晶パネル、及び光源部、を含む。液晶駆動部は、画像供給装置から供給される画像データに従って液晶パネルを駆動することにより、この画像データの表す画像を液晶パネルに描画する。光源部は、例えば、ハロゲンランプ又はレーザーダイオードなどの光源を含む。光源部からの光は、液晶パネルにおいて画素毎に変調され、投射レンズを介して画像光として投射される。
【0011】
本実施形態における投射領域は、プロジェクター10の居室内における所定の領域である。プロジェクター10から投射領域に画像を投射することにより、投射領域に画像が表示される。以下では、プロジェクター10によって投射される画像は投射画像と称される。投射画像を表す画像データは投射画像データと称される場合がある。投射領域には投射対象物SCが含まれる。本実施形態では、投射領域に投射画像を表示することにより、投射対象物SCを装飾するプロジェクションマッピングが実現される。投射画像は静止画像であってもよく、また動画像であってもよい。本実施形態における投射画像は静止画像である。
【0012】
図1に示されるように、画像編集システム1は、情報処理装置20と、カメラ30と、端末装置40と、を含む。
図1には、画像編集システム1の他に、プロジェクター10、投射対象物SC、通信網50、及び画像保管装置60が図示されている。
【0013】
情報処理装置20は、例えばスティック型パーソナルコンピューターである。情報処理装置20は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等の所定の規格に準拠したオス型コネクターを備える。プロジェクター10は当該オス型コネクターに対応したメス型コネクターを備える。情報処理装置20のオス型コネクターをプロジェクター10のメス型コネクターに差し込むことにより、情報処理装置20とプロジェクター10とが電気的に接続される。また、情報処理装置20は、無線又は有線によりカメラ30及び端末装置40と通信する。
【0014】
カメラ30は、投射領域を撮像するための装置である。カメラ30は、例えば三脚等を用いて、光軸を投射対象物SCに向けた姿勢でユーザーの居室内に設置される。本実施形態では、ユーザーは居室内においてカメラ30を設置する位置を任意に変更できる。カメラ30は、情報処理装置20による制御の下で撮像を行い、撮像画像を表す画像データを情報処理装置20に出力する。以下では、撮像画像を表す画像データは撮像画像データと称される。
【0015】
通信網50は、例えばインターネット等の電気通信回線である。通信網50には、画像保管装置60が接続される。画像保管装置60は、例えばデータサーバーである。画像保管装置60には、1又は複数の画像データが記憶される。画像保管装置60に記憶される画像データの具体例としては、画像編集システム1により編集された投射画像データ、又はカメラ30による撮像画像を表す撮像画像データが挙げられる。画像保管装置60に画像データを記憶させることで、プロジェクター10のユーザーは編集済の投射画像又は投射領域の撮像画像を再利用することができる。
【0016】
端末装置40は、プロジェクター10のユーザーが使用するスマートフォンである。
図1に示されるように、端末装置40は、外部IF装置410、表示装置420、及び入力装置430を備える。外部IF装置410は、通信網50を介して画像保管装置60と通信するとともに、情報処理装置20と通信する通信回路を含む。IFは、Interfaceの略である。表示装置420は、液晶ディスプレイと当該液晶ディスプレイの駆動回路とを含む。端末装置40は、情報処理装置20による制御の元、各種画像を表示装置420に表示する。入力装置430は、表示装置420の表示領域を覆うように設けられた透明なシート状の感圧センサであり、ユーザーの入力操作を受け付ける。端末装置40は、入力装置430に対するユーザーの入力操作を示す入力操作データを、外部IF装置410を介して情報処理装置20に送信する。これにより、ユーザーの入力操作が情報処理装置20に伝達される。また、端末装置40には、カメラ30による撮像画像を編集することで投射画像を生成するためのソフトウェアである画像描画ツールが予めインストールされている。この画像描画ツールは本開示における編集機能に対応する。
【0017】
詳細については後述するが、情報処理装置20は、端末装置40に対して為される入力操作に応じて、カメラ30による投射領域の撮像、入力装置430に対して為されたユーザーの入力操作に応じた投射画像データの編集、及び編集した投射画像データのプロジェクター10への出力を行う。プロジェクター10は、情報処理装置20から出力された投射画像データの表す投射画像を投射領域に投射する。
【0018】
図2は、情報処理装置20の構成例を示す図である。
図2に示されるように情報処理装置20は、処理装置210、外部IF装置220、及び記憶装置230を含む。処理装置210は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー、即ちコンピューターを含んで構成される。処理装置210は、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーで構成されてもよい。処理装置210は、記憶装置230に記憶されているプログラムPAに従って作動することにより、情報処理装置20の制御中枢として機能する。
【0019】
外部IF装置220は、前述のオス型コネクターを含む。このオス型コネクターがプロジェクター10のメス型コネクターに差し込まれ、情報処理装置20とプロジェクター10とが電気的に接続された状態では、外部IF装置220は、処理装置210から与えられたデータ又は信号をプロジェクター10へ出力する。また、外部IF装置220は、カメラ30又は端末装置40と通信する通信回路を含む。
【0020】
記憶装置230は、処理装置210が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置230は、例えば、不揮発性メモリーと揮発性メモリーとを含む。不揮発性メモリーは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0021】
記憶装置230の不揮発性メモリーには、本開示の画像編集方法を処理装置210に実行させるプログラムPAが予め記憶されている。記憶装置230の揮発性メモリーは、プログラムPAを実行する際のワークエリアとして処理装置210によって利用される。
【0022】
処理装置210は、情報処理装置20のプロジェクター10への接続を検出した場合に、プログラムPAを不揮発性メモリーから揮発性メモリーへ読み出し、読み出したプログラムPAの実行を開始する。プログラムPAに従って作動している処理装置210は、端末装置40及びカメラ30の接続を検知すると、
図2に示される投射制御部210a、表示制御部210b、通知部210c、取得部210d、及び出力部210eとして機能する。
図2に示される投射制御部210a、表示制御部210b、通知部210c、取得部210d、及び出力部210eは、プログラムPAに従って処理装置210を作動させることにより実現されるソフトウェアモジュールである。
図2に示される投射制御部210a、表示制御部210b、通知部210c、取得部210d、及び出力部210eの各々が担う機能は次の通りである。
【0023】
投射制御部210aは、プロジェクター10の投射範囲を示す画像の投射を指示する第1信号をプロジェクター10に出力する。プロジェクター10の投射範囲は、プロジェクター10の光軸の向き及びプロジェクター10の画角に応じて定まる。以下では、プロジェクター10の投射範囲を示す画像は第1ガイド画像GA1と称される。第1ガイド画像GA1の具体例としては、例えば白色等の第1色で均一に塗り潰された矩形の画像、又は第1色とは異なる第2色により縁取りが施された当該矩形の画像が挙げられる。本実施形態における第2色は赤色であるが、第2色は赤色には限定されない。
図3は、第1ガイド画像GA1の一例を示す図である。
図3においてハッチングは第1色を表し、点線は第2色で描画された線を表す。つまり、本実施形態における第1ガイド画像GA1は、第1色で均一に塗り潰され、且つ第2色で縁取られた矩形の画像であり、点線で囲まれた領域が投射範囲となる。第1ガイド画像GA1は本開示における第1画像の一例である。第1信号を受け取ったプロジェクター10は、第1ガイド画像GA1を投射領域に投射する。投射領域に表示された第1ガイド画像GA1を視認したユーザーは、
図4に示されるように、第1ガイド画像GA1が示す投射範囲内に投射対象物SCを設置する。なお、
図4では、第1色を示すハッチングの描画は省略されている。つまり、投射領域には、投射対象物SCが含まれ、且つ、第1ガイド画像GA1が表示される。
【0024】
表示制御部210bは、撮像開始を指示する第2信号をカメラ30に出力する。カメラ30は、第2信号を受信すると、例えば数ミリ秒間隔等の所定の周期で撮像を行い、撮像画像データを情報処理装置20に出力する。前述したように、カメラ30は光軸を投射対象物SCに向けた姿勢でユーザーの居室に設置される。このため、カメラ30による撮像画像GA2には、第1ガイド画像GA1が表示された投射領域と当該投射領域に設置された投射対象物SCとが写る。
【0025】
表示制御部210bは、カメラ30から撮像画像データを入力される毎に、
図5に示される重畳画像GA4を撮像画像データに基づいて生成する。
図5は、重畳画像GA4、撮像画像データの表す撮像画像GA2、及び第2ガイド画像GA3の関係を示す図である。第2ガイド画像GA3は、カメラ30の撮像範囲を示す画像である。カメラ30の撮像範囲は、カメラ30の光軸の向き及びカメラ30の画角に応じて定まる。本実施形態における第2ガイド画像GA3は、撮像画像GA2の外縁を区画する矩形状の枠線の画像である。本実施形態には、当該枠線は第1色とは異なり、且つ第2色とも異なる第3色で着色されており、
図5では第3色による着色が一点鎖線で表されている。本実施形態における第3色は青色であるが、第3色は青色には限定されない。
図5に示されるように、重畳画像GA4は、撮像画像GA2に第2ガイド画像GA3を重畳させた画像である。
【0026】
表示制御部210bは、
図6に示されるように、重畳画像GA4を表示装置420に表示する。また、表示制御部210bは、カメラ30の位置を決定する入力をユーザーに促すユーザーインターフェイス画像GA5を表示装置420に表示する。
図6に示されるように本開示におけるユーザーインターフェイス画像GA5は仮想操作子の画像である。
【0027】
通知部210cは、第1ガイド画像GA1の中心部分と第2ガイド画像GA3の中心部分とが重なる位置にカメラ30を移動させることを促す通知を行う。第1ガイド画像GA1の中心部分とは、第1ガイド画像GA1において第1ガイド画像GA1の中心位置を中心とする所定の半径の第1円の内側の領域のことをいう。第2ガイド画像GA3の中心部分とは、第2ガイド画像GA3において第2ガイド画像GA3の中心位置を中心とする当該所定の半径の第2円の内側の領域のことをいう。第1ガイド画像GA1の中心位置とは、第1ガイド画像GA1における2つの対角線の交点のことである。同様に、第2ガイド画像GA3の中心位置とは、第2ガイド画像GA3における2つの対角線の交点のことである。第1ガイド画像GA1及び第2ガイド画像GA3の中心部分を規定する円の半径は、実験等により好適な値に定められてもよい。第1ガイド画像GA1の中心部分と第2ガイド画像GA3の中心部分とが重なるとは、第1円の中心と第2円の中心との間の距離が前述の半径未満であることをいう。
【0028】
前述したように、第1ガイド画像GA1はプロジェクター10の投射範囲に対応し、第2ガイド画像GA3はカメラ30の撮像範囲に対応する。従って、第1ガイド画像GA1の中心部分と第2ガイド画像GA3の中心部分とが重なるということは、プロジェクター10の投射範囲の中心部分とカメラ30の撮像範囲の中心部分とが重なることに相当する。
【0029】
本実施形態では、通知部210cは、第1ガイド画像GA1の中心部分と第2ガイド画像GA3の中心部分とが重なる位置にカメラ30を移動させることを促す文言のメッセージM1を、
図6に示されるように表示装置420に表示する。本実施形態では、メッセージM1を表示装置420に表示することが、第1ガイド画像GA1の中心部分と第2ガイド画像GA3の中心部分とが重なる位置にカメラ30を移動させることを促す通知を行うことに相当する。なお、通知部210cは、メッセージM1を読み上げた音声の出力により、上記通知を行ってもよい。メッセージM1を視認したユーザーは、表示装置420に表示される重畳画像GA4を通じて第1ガイド画像GA1の中心部分と第2ガイド画像GA3の中心部分の重なり具合を確認しつつ、カメラ30を持って移動する。カメラ30の移動に伴って、表示装置420に表示される重畳画像GA4における第1ガイド画像GA1の中心部分と第2ガイド画像GA3の中心部分の重なり具合は変化する。
【0030】
取得部210dは、第1ガイド画像GA1の中心部分と第2ガイド画像GA3の中心部分とが重なった重複領域の大きさが閾値以上になったか否かを重畳画像GA4に基づいて判定する。この閾値は、前述の第1円又は第2円の面積に応じて定められてもよく、この態様における閾値の具体例としては、前述の第1円又は第2円の面積の60~90%の値が挙げられる。重複領域の大きさが閾値未満である場合には、取得部210dは、通知部210cにメッセージM1の表示を継続させる。重複領域の大きさが閾値以上である場合、取得部210dは、通知部210cにメッセージM1の表示を終了させる。
図7は、重複領域の大きさが閾値以上である場合の重畳画像GA4及びユーザーインターフェイス画像GA5の表示例を示す図である。重複領域の大きさが閾値以上であるため、
図7に示される例では、メッセージM1は表示されていない。
図7に示されるように、メッセージM1が表示装置420に表示されなくなると、ユーザーは、ユーザーインターフェイス画像GA5に対するタッチ操作を行う。
【0031】
ユーザーインターフェイス画像GA5に対するタッチ操作を検出した場合、取得部210dは、まず、第1ガイド画像GA1の投射を停止することを指示する第3信号をプロジェクター10へ出力する。次いで、取得部210dは、カメラ30から出力される撮像画像データを、投射画像を編集する際の基準となる基準画像を表す基準画像データとして記憶装置230の揮発性メモリーに書き込む。基準画像データは、第1ガイド画像GA1が表示されていない投射領域の撮像画像GA2を表す画像データである。
【0032】
出力部210eは、基準画像に対する編集をユーザーに行わせることによって、投射画像を表す投射画像データを取得する。本実施形態では、出力部210eは、まず、基準画像データを端末装置40へ送信し画像描画ツールを起動させる。画像描画ツールを実行中の端末装置40は、基準画像データの表す画像を表示装置420に表示する。ユーザーは、基準画像に写っている投射対象物SCの位置及び形状を参考にしつつ、投射対象物SCを装飾するための投射画像を、当該画像描画ツールを用いて編集する。
【0033】
図8は、基準画像に基づいて編集される投射画像の一例を示す図である。
図8では、基準画像に写っている投射対象物SCが点線で表されており、横線のハッチングを付与された星の画像が、投射対象物SCを装飾するためにユーザーが描いた投射画像である。
図8における横線のハッチングは、例えば黄色等、星の画像に付与された色を表す。出力部210eは、基準画像に基づいて編集された投射画像を表す画像データを、投射画像データとして端末装置40から取得する。基準画像に基づいて編集された投射画像は本開示における第2画像の一例である。出力部210eは、投射画像データをプロジェクター10へ出力する。プロジェクター10は、情報処理装置20から出力される投射画像データの表す投射画像を投射領域に投射する。その結果、
図9に示すように、投射対象物SCの周囲に当該投射対象物SCを装飾するための星の画像が表示される。
図9における横線のハッチングは、例えば黄色等、星の画像に付与された色を表す。
【0034】
基準画像が撮像されたときのカメラ30の位置は、第1ガイド画像GA1の中心部分と第2ガイド画像GA3の中心部分とが重なる位置である。第1ガイド画像GA1の中心部分と第2ガイド画像GA3の中心部分とが重なるということは、プロジェクター10の投射範囲の中心部分とカメラ30の撮像範囲の中心部分とが重なるということである。プロジェクター10の投射範囲の中心部分とカメラ30の撮像範囲の中心部分とが重なるということは、プロジェクター10の光軸の向きとカメラ30の光軸の向きとがほぼ一致し、且つプロジェクター10の画角とカメラ30の画角とはほぼ一致しているということである。従って、基準画像における投射対象物SCの位置及び形状は、プロジェクター10から投射対象物SCを見たときの投射対象物SCの位置及び形状にほぼ一致する。このため、ユーザーは、基準画像に写っている投射対象物SCの位置及び形状を参考にしつつ、投射対象物SCを装飾するための投射画像を描くことで、投射対象物SCの位置及び形状に合う投射画像を作成できる。
【0035】
また、プログラムPAに従って作動している処理装置210は、
図10に示す画像編集方法を実行する。
図10に示されるように、本実施形態の画像編集方法は、投射制御処理SA110、表示制御処理SA120、通知処理SA130、取得処理SA140、及び出力処理SA150を含む。
【0036】
投射制御処理SA110では、処理装置210は、投射制御部210aとして機能する。投射制御処理SA110では、処理装置210は、第1ガイド画像GA1の投射を指示する第1信号をプロジェクター10に出力することにより、第1ガイド画像GA1をプロジェクター10に表示させる。
【0037】
表示制御処理SA120では、処理装置210は、表示制御部210bとして機能する。表示制御処理SA120では、処理装置210は、撮像を指示する第2信号をカメラ30に出力する。次いで、処理装置210は、カメラ30により撮像された撮像画像GA2に第2ガイド画像GA3を重畳させた重畳画像GA4、及びユーザーインターフェイス画像GA5を表示装置420に表示する。
【0038】
通知処理SA130では、処理装置210は、通知部210cとして機能する。通知処理SA130では、処理装置210は、メッセージM1を表示装置420に表示することにより、第1ガイド画像GA1の中心部分と第2ガイド画像GA3の中心部分とが重なる位置にカメラ30を移動させることを促す通知を行う。
【0039】
取得処理SA140では、処理装置210は、取得部210dとして機能する。取得処理SA140では、処理装置210は、重複領域の大きさが閾値以上になったか否かを判定する。重複領域の大きさが閾値未満である場合には、取得部210dは、通知部210cにメッセージM1の表示を継続させる。重複領域の大きさが閾値以上である場合、取得部210dは、通知部210cにメッセージM1の表示を終了させる。ユーザーは、メッセージM1が表示装置420に表示されなくなったことを契機として、ユーザーインターフェイス画像GA5に対するタッチ操作を行う。ユーザーインターフェイス画像GA5に対するタッチ操作を検出した場合、処理装置210は、第1ガイド画像GA1の投射を停止することを指示する第3信号をプロジェクター10へ出力し、第1ガイド画像GA1が表示されていない投射領域の撮像画像GA2を表す撮像画像データ、即ち基準画像を表す基準画像データを記憶装置230の揮発性メモリーに書き込む。
【0040】
出力処理SA150では、処理装置210は出力部210eとして機能する。出力処理SA150では、処理装置210は、基準画像データの表す基準画像に対する編集をユーザーに行わせることによって、投射画像を表す投射画像データを取得する。次いで、処理装置210は、投射画像データをプロジェクター10へ出力する。
【0041】
前述したように、本実施形態においてプロジェクター10のユーザーに要求されることは、メッセージM1に応じてカメラ30の位置を決定してタッチ操作を行うこと、及びカメラ30の撮像画像GA2を参考にして投射画像を編集することである。特許文献1に開示の技術では、投射対象物SCに対応する3次元モデルを準備すること、及びこの3次元モデルを投影装置視点画像に一致する2次元画像に座標変換することが必要であり、3次元モデルに関する専門知識及び座標変換に関する専門知識が必要となった。これに対して、本実施形態では、投射対象物SCに対応する3次元モデルを準備する必要はなく、また、投射画像を編集する際に座標変換を行う必要もない。従って、本実施形態によれば、3次元モデル等に関する専門知識を有さないユーザーが、プロジェクションマッピングを手軽に行うことが可能になる。
【0042】
2.変形
上記実施形態は、以下のように変形され得る。
(1)上記実施形態では、プロジェクター10のユーザーの居室における装飾を実現するプロジェクションマッピングへの本開示の適用例が説明された。しかし、本開示は、小売店等の店舗における商品ディスプレイを実現するプロジェクションマッピングに適用されてもよく、テーマパーク或いはイベント会場等における演出を実現するためのプロジェクションマッピングに適用されてもよい。
【0043】
(2)上記実施形態では、一つの投射対象物SCに対して一つのプロジェクター10が投射画像を投射した。しかし、一つの投射対象物SCに対して各々異なる位置に配置される複数のプロジェクター10が投射画像を投射してもよい。一つの投射対象物SCに対して各々異なる位置に配置される複数のプロジェクター10から投射画像を投射することにより、明るさを増したプロジェクションマッピングが実現できる。また、一つの投射対象物SCに対して各々異なる位置に配置される複数のプロジェクター10から投射画像を投射することにより、影を極力減らし、360°どこからでも見られるプロジェクションマッピングが実現できる。
【0044】
(3)上記実施形態における取得部210dは、ユーザーインターフェイス画像GA5に対するタッチ操作が為された場合に、第1ガイド画像GA1の表示を停止する第3信号を出力し、その後、基準画像データを取得した。しかし、第3信号の出力は省略されてもよい。第3信号の出力が省略される態様では、カメラ30から出力される撮像画像データの表す撮像画像GA2には第1ガイド画像GA1が含まれる。取得部210dは、第1ガイド画像GA1を含む撮像画像GA2を表す撮像画像データをそのまま基準画像データとして記憶装置230の揮発性メモリーに書き込んでもよく、この態様における基準画像には第1ガイド画像GA1が含まれる。また、第3信号の出力が省略される態様では、取得部210dは、第1ガイド画像GA1を消去又は薄める画像処理を撮像画像データに施すことによって、基準画像データを生成してもよい。第1ガイド画像GA1を消去又は薄める画像処理の具体例としては、第1ガイド画像GA1に対応する画素の画素値を、当該画素の周囲に位置し且つ第1ガイド画像GA1に対応しない画素である周辺画素の画素値で置き換える画像処理が挙げられる。また、第1ガイド画像GA1を消去又は薄める画像処理の他の具体例としては、第1ガイド画像GA1に対応する画素の画素値を、当該画素の画素値と複数の周辺画素の各々の画素値の平均値で置き換える画像処理が挙げられる。本態様によれば、撮像を指示する入力操作が為されてから実際に撮像が行われるまでの期間が短縮される。
【0045】
(4)上記実施形態における取得部210dは、重複領域の大きさが閾値未満と判定した場合には、カメラ30の移動を促す通知を通知部210cに継続させ、重複領域の大きさが閾値以上と判定した場合に、通知部210cによる通知を終了させた。しかし、取得部210d、重複領域の大きさが閾値以上と判定した場合に、カメラ30の位置の決定を指示する入力をユーザーに促す通知を通知部210cに行わせてもよい。また、取得部210d、重複領域の大きさが閾値以上と判定した場合に、ユーザーの入力操作を待つことなく基準画像データの記憶を行ってもよい。後者の態様によれば、重複領域の大きさが閾値以上となった場合に基準画像データを自動的に記憶することが可能になり、ユーザーの手間が軽減される。また、後者の態様では、ユーザーインターフェイス画像GA5の表示は不要である。なお、重複領域の大きさが閾値未満であるか否かの判定は必須ではなく、省略されてもよい。
【0046】
(5)上記実施形態における第2ガイド画像GA3は、カメラ30の撮像範囲を示す画像であった。しかし、表示制御部210bは、カメラ30の撮像範囲の中心部分を明示するため、第2ガイド画像GA3に代えて或いは第2ガイド画像GA3とともに、カメラ30の撮像範囲の中心部分を示す第3ガイド画像を表示装置420に表示してもよい。この態様において撮像範囲の中心部分と第1ガイド画像GA1の中心部分とが重なる実空間内の位置とは、重畳画像GA4における第3ガイド画像の中心部分、又は第3ガイド画像自体と、第1ガイド画像GA1の中心部分とが重なる位置のことである。
【0047】
第3ガイド画像は第2ガイド画像GA3よりも小さい画像であってもよい。第2ガイド画像GA3よりも小さい第3ガイド画像の具体例としては、前述の第2円の画像、前述の第2円に内接或いは外接する多角形の画像、又は第2円の中心において交差する複数の線分の画像が挙げられる。第2ガイド画像GA3よりも小さい第3ガイド画像を第2ガイド画像GA3とともに表示することにより、カメラ30の撮像範囲全体と当該撮像範囲の中心部分とをユーザーに明示することができる。第2ガイド画像GA3に代えて第2ガイド画像GA3よりも小さい第3ガイド画像を表示する場合、カメラ30の撮像範囲の中心部分をユーザーに明示することができる。
【0048】
また、第3ガイド画像は、第2ガイド画像GA3と同じ大きさの画像であってもよい。第2ガイド画像GA3と同じ大きさの第3ガイド画像の具体例としては、撮像画像GA2の外縁を区画する矩形状の枠線と当該枠線の対角線とを含む画像、又は当該対角線の画像が挙げられる。第3ガイド画像は本開示における第3画像の一例である。前者の態様であれば、第2ガイド画像GA3に代えて第3ガイド画像を表示することにより、カメラ30の撮像範囲全体と当該撮像範囲の中心部分とをユーザーに明示することができる。後者の態様であれば、第2ガイド画像GA3とともに第3ガイド画像を表示する場合にはカメラ30の撮像範囲全体と当該撮像範囲の中心部分とをユーザーに明示することができ、第2ガイド画像GA3に代えて第3ガイド画像を表示する場合には、カメラ30の撮像範囲の中心部分をユーザーに明示することができる。
【0049】
なお、第1ガイド画像GA1の中心部分を明示するために、第1ガイド画像GA1の中心部分を示す画像が第1ガイド画像GA1に含まれてもよい。第1ガイド画像GA1の中心部分を示す画像の具体例としては、前述の第1円の画像、前述の第1円に内接或いは外接する多角形の画像、又は第1円の中心において交差する複数の線分の画像が挙げられる。
【0050】
(6)上記実施形態では、出力部210eは、基準画像データの揮発性メモリーへの記憶を契機として当該基準画像データを端末装置40へ送信し画像描画ツールを起動させた。しかし、出力部210eは、基準画像データの揮発性メモリーへの記憶を契機として、画像描画ツールの起動をユーザーに入力させるための仮想操作子等のユーザーインターフェイス画像を表示装置420に表示してもよい。この態様では、出力部210eは、当該ユーザーインターフェイス画像に対する入力操作に応じて画像描画ツールを端末装置40に起動させる。
【0051】
(7)上記実施形態における通知処理SA130は省略されてもよい。通知処理SA130を省略する態様では、通知部210cは省略されてもよい。通知処理SA130が省略されても、投射画像を手軽に作成できることに変わりはないからである。また、プロジェクター10の電源投入を契機としてプロジェクター10が第1ガイド画像GA1を投射する場合には、投射制御部210a及び投射制御処理SA110は省略可能である。また、撮像画像GA2からカメラ30の撮像範囲を把握することは可能であり、また当該撮像範囲の中心部分を把握することも可能であるため、第2ガイド画像GA3の重畳は省略されてもよい。
【0052】
(8)上記実施形態ではカメラ30と端末装置40とが別個の装置であったが、カメラ30は端末装置40に含まれてもよい。例えば、端末装置40がカメラを備えたスマートフォンである場合には、当該スマートフォンのカメラがカメラ30の役割を担えばよい。また、上記実施形態では、情報処理装置20が、端末装置40、カメラ30及びプロジェクター10の何れとも異なる装置であった。しかし、情報処理装置20は、端末装置40、カメラ30及びプロジェクター10の何れに含まれてもよい。
【0053】
(9)上記実施形態における投射制御部210a、表示制御部210b、通知部210c、取得部210d、及び出力部210eはソフトウェアモジュールであった。しかし、投射制御部210a、表示制御部210b、通知部210c、取得部210d、及び出力部210eのうちの何れか一つ或いは複数、又は全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアモジュールであってもよい。投射制御部210a、表示制御部210b、通知部210c、取得部210d、及び出力部210eのうちの何れか一つ或いは複数、又は全部がハードウェアモジュールであっても、上記実施形態と同じ効果が奏される。
【0054】
(10)プログラムPAは単体で製造されてもよく、有償又は無償で提供されてもよい。プログラムPAを提供する際の具体的な態様としては、フラッシュROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体にプログラムPAを書き込んで提供する態様、又はインターネット等の電気通信回線経由のダウンロードによりプログラムPAを提供する態様が挙げられる。これらの態様により提供されるプログラムPAに従って一般的なコンピューターを作動させることで、当該コンピューターに本開示の画像編集方法を実行させることが可能になる。
【0055】
3.実施形態及び各変形例の少なくとも1つから把握される態様
本開示は、上述した実施形態及び変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実現することができる。例えば、本開示は、以下の態様によっても実現可能である。以下に記載した各態様中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、或いは本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0056】
本開示の画像編集方法の一態様は、取得処理、及び出力処理を含む。取得処理では、プロジェクターからの画像の投射先となる投射対象物を含み、且つ、プロジェクターによって第1ガイド画像が表示される投射領域のカメラによる撮像画像が取得される。投射領域は、プロジェクターと投射対象物とが配置される実空間内の領域である。この撮像画像を撮像するカメラの位置は、カメラの撮像範囲の中心部分と第1ガイド画像の中心部分とが重なる実空間内の位置である。出力処理では、取得処理にて取得された撮像画像を編集することによって投射画像が得られ、この投射画像がプロジェクターに送信される。本態様の画像編集方法によれば、専門知識を有さないユーザーであっても、プロジェクションマッピングを手軽に行うことが可能になる。
【0057】
より好ましい態様の画像編集方法は、第1ガイド画像が投射されている投射領域をカメラによって撮像することで得られる画像と撮像範囲の中心部分を示す第3ガイド画像とが重畳された重畳画像を表示装置に表示すること、を更に含んでもよい。第3ガイド画像は本開示における第3画像の一例である。本態様におけるカメラの実空間内の位置は、重畳画像において第1ガイド画像の中心部分と第3ガイド画像の中心部分又は第3ガイド画像自体とが重なる位置である。本態様によれば、ユーザーは、重畳画像における第1ガイド画像と第3ガイド画像とからカメラの撮像範囲の中心部分とプロジェクターの投射範囲の中心部分との重なりの程度を把握しつつ、カメラの位置を決定することができる。
【0058】
更に好ましい態様の画像編集方法は、前記撮像画像が取得された場合に、前記撮像画像を編集する編集機能を呼び出すことに用いるユーザーインターフェイス画像を表示すること、を更に含んでもよい、本態様における前記第2画像は、前記編集機能によって前記撮像画像を編集することで得られてもよい。本態様によれば、ユーザーは、ユーザーインターフェイス画像に対する操作により撮像画像を編集する編集機能を呼び出すことができる。
【0059】
更に好ましい態様の画像編集方法は、前記撮像範囲の中心部分と前記第1画像の中心部分とが重なる前記実空間内の位置に前記カメラを移動させることを促す通知を出力することを含んでもよい。本態様によれば、カメラの撮像範囲の中心部分と第1ガイド画像の中心部分とが重なる実空間内の位置にカメラを移動させることをユーザーに促すことができる。
【0060】
更に好ましい態様の画像編集方法は、重複領域の大きさが閾値以上になったか否かを判定すること、及び重複領域の大きさが閾値未満である場合に、前述の通知を出力すること、を含んでもよい。重複領域とは、重畳画像においてカメラの撮像範囲の中心部分と第1ガイド画像の中心部分とが重なった領域のことである。本態様によれば、重複領域の大きさが閾値未満である場合に、カメラの撮像範囲の中心部分と第1ガイド画像の中心部分とが重なる実空間内の位置にカメラを移動させることユーザーに促すことができる。
【0061】
更に好ましい態様の画像編集方法は、重複領域の大きさが閾値以上である場合にカメラに投射領域を撮像させること、を含んでもよい。本態様によれば、重複領域の大きさが閾値以上である場合に、投射領域をカメラに自動的に撮像させることができ、ユーザーの手間が軽減される。
【0062】
更に好ましい態様の画像編集方法において撮像画像を取得することは、第1ガイド画像が表示されていない投射領域を撮像することによって撮像画像を取得することであってもよい。本態様によれば、第1ガイド画像が表示されていない投射領域の撮像画像に基づいて投射画像を編集することが可能になる。
【0063】
また、本開示の画像編集システムの一態様は、カメラと、カメラを制御する処理装置と、を含む。処理装置は、取得処理、及び出力処理を実行する。取得処理では、処理装置は、プロジェクターからの画像の投射先となる投射対象物を含み、且つ、プロジェクターによって第1ガイド画像が表示される投射領域のカメラによる撮像画像を取得する。投射領域は、プロジェクターと投射対象物とが配置される実空間内の領域である。この撮像画像を撮像するカメラの位置は、カメラの撮像範囲の中心部分と第1ガイド画像の中心部分とが重なる実空間内の位置である。出力処理では、処理装置は、取得処理にて取得された撮像画像を編集することによって得られる投射画像を表す投射画像データをプロジェクターに送信する。本態様の画像編集システムによれば、専門知識を有さないユーザーであっても、プロジェクションマッピングを手軽に行うことが可能になる。
【0064】
また、本開示のプログラムの一態様は、コンピューターに、取得処理、及び出力処理を実行させる。このプログラムに従って作動しているコンピューターは、取得処理では、プロジェクターからの画像の投射先となる投射対象物を含み、且つ、プロジェクターによって第1ガイド画像が表示される投射領域のカメラによる撮像画像を取得する。投射領域は、プロジェクターと投射対象物とが配置される実空間内の領域である。この撮像画像を撮像するカメラの位置は、カメラの撮像範囲の中心部分と第1ガイド画像の中心部分とが重なる実空間内の位置である。このプログラムに従って作動しているコンピューターは、出力処理では、取得処理にて取得された撮像画像を編集することによって得られる投射画像を表す投射画像データをプロジェクターに送信する。本態様のプログラムによれば、専門知識を有さないユーザーであっても、プロジェクションマッピングを手軽に行うことが可能になる。
【符号の説明】
【0065】
1…画像編集システム、10…プロジェクター、20…情報処理装置、30…カメラ、40…端末装置、50…通信網、60…画像保管装置、210…処理装置、210a…投射制御部、210b…表示制御部、210c…通知部、210d…取得部、210e…出力部、220、410…外部IF装置、230…記憶装置、420…表示装置、430…入力装置、PA…プログラム、SC…投射対象物。