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特許7464120直動伸縮装置、保守装置および画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】直動伸縮装置、保守装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
B41J2/165
B41J2/165 301
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022531981
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 JP2021023426
(87)【国際公開番号】W WO2021261449
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-20
(31)【優先権主張番号】P 2020107580
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】江藤 大輔
【審査官】高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-082544(JP,A)
【文献】特開2012-020523(JP,A)
【文献】特開2005-177886(JP,A)
【文献】特開2015-213974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結回転軸を介して回転可能に連結され、前記連結回転軸に直交する方向に一列に並べられて支持アームを形成する複数の棒状部材と、
主回転軸を中心に回転可能に設けられ、前記主回転軸よりも径方向の外側において前記支持アームの第1端に位置する前記棒状部材が基端ピンを介して連結され、巻き取り方向に回転することで複数の前記棒状部材を前記連結回転軸で回転させながら巻き取り、巻き取り方向と反対方向である送り出し方向に回転することで複数の前記棒状部材を一列に並べるように押し出す回転板と、を備え、
前記棒状部材は、
前記連結回転軸と平行に設けられた中間軸と、
前記支持アームを形成した状態において隣接する前記棒状部材に当接することで、隣接する前記棒状部材間の角度が、巻き取り状態から所定角度以上に広がることを規制する角度規制部と、を有し、
前記回転板は、外周縁から径方向の内側に向かって切り込まれ、巻き取られた複数の前記棒状部材の前記連結回転軸と前記中間軸とを係合させる複数の係合溝を有し、
前記回転板が前記送り出し方向に回転する場合に、前記連結回転軸と前記中間軸とは、前記係合溝の内面に接触して前記係合溝から押し出されて前記係合溝から離脱することを特徴とする直動伸縮装置。
【請求項2】
前記棒状部材において、前記第1端に近い側の前記連結回転軸を第1の連結回転軸とし、前記第1の連結回転軸に隣接する前記連結回転軸を第2の連結回転軸としたとき、各々の前記棒状部材の前記第2の連結回転軸と前記中間軸とが係合する各々の前記係合溝の前記内面は、各々の前記棒状部材の前記第1の連結回転軸または前記基端ピンを中心とする円弧状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の直動伸縮装置。
【請求項3】
前記支持アームの前記第1端と反対の第2端に位置する前記棒状部材を先端棒状部材としたとき、前記先端棒状部材が先端ピンを介して連結された搬送体との間に設けられ、前記先端棒状部材を巻き取り状態の回転方向とは逆方向に向けて付勢する付勢部材を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の直動伸縮装置。
【請求項4】
前記支持アームの前記第1端に位置する前記棒状部材と前記基端ピンとの間に設けられ、弾性変形することで前記支持アームを形成する前記複数の棒状部材が一列に並んだ進退方向に対するずれを吸収する弾性部材を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の直動伸縮装置。
【請求項5】
径方向の外側から前記回転板に対向し、巻き取られた複数の前記棒状部材に接触可能に配置されたガイド部材を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の直動伸縮装置。
【請求項6】
前記角度規制部は、隣接する前記棒状部材間の角度が、直線状よりも広がらないように規制することを特徴とする請求項1に記載の直動伸縮装置。
【請求項7】
前記第1端に位置する前記棒状部材は1個の前記中間軸を有し、前記第1端に位置する前記棒状部材以外の前記棒状部材は2個の前記中間軸を有していることを特徴とする請求項1に記載の直動伸縮装置。
【請求項8】
前記内面は、前記送り出し方向における上流側の内面と下流側の内面とを有し、前記下流側の内面は、前記上流側の内面よりも短いことを特徴とする請求項2に記載の直動伸縮装置。
【請求項9】
請求項1に記載の直動伸縮装置と、
前記直動伸縮装置によって前記支持アームを形成する前記複数の棒状部材が一列に並んだ進退方向に移動され、吐出ノズルから液体を吐出する吐出ヘッドの目詰まりを予防または修復する保守部と、を備えたことを特徴とする保守装置。
【請求項10】
請求項9に記載の保守装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直動伸縮装置、保守装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一対の内リンクプレートと一対の外リンクプレートとを連結ピンで多数連結して構成され、搬送物を搬送方向へ搬送するコンベヤチェーンが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-189404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンベヤチェーンでは、内リンクプレートと外リンクプレートとが多数連結されるため、連結部分での僅かな遊びが積み重なり、全体として大きな誤差となる虞があった。このため、搬送物を所定の位置に精度良く搬送することができないことがあった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するため、進退方向の位置精度を向上させることができる直動伸縮装置、保守装置および画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の直動伸縮装置は、連結回転軸を介して回転可能に連結され、前記連結回転軸に直交する方向に一列に並べられて支持アームを形成する複数の棒状部材と、主回転軸を中心に回転可能に設けられ、前記主回転軸よりも径方向の外側において前記支持アームの第1端に位置する前記棒状部材が基端ピンを介して連結され、巻き取り方向に回転することで複数の前記棒状部材を前記連結回転軸で回転させながら巻き取り、巻き取り方向と反対方向である送り出し方向に回転することで複数の前記棒状部材を一列に並べるように押し出す回転板と、を備え、前記棒状部材は、前記連結回転軸と平行に設けられた中間軸と、前記支持アームを形成した状態において隣接する前記棒状部材に当接することで巻き取り状態から所定角度以上に広がることを規制する角度規制部と、を有し、前記回転板は、径方向の外側から内側に向かって切り込まれ、巻き取られた複数の前記棒状部材の前記連結回転軸と前記中間軸とを係合させる複数の係合溝を有し、前記回転板が前記送り出し方向に回転する場合に、前記連結回転軸と前記中間軸とは、前記係合溝の内面に接触して前記係合溝から押し出されて前記係合溝から離脱することを特徴とする。
【0007】
本発明の保守装置は、上記の直動伸縮装置と、前記直動伸縮装置によって進退方向に移動され、吐出ノズルから液体を吐出する吐出ヘッドの目詰まりを予防または修復する保守部と、を備えた。
【0008】
本発明の画像形成装置は、上記の保守装置を備えた。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、進退方向の位置精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構造を示す概略図(正面図)である。
図2】本発明の一実施形態に係る保守装置を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る保守装置(押出位置)を示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る直動伸縮装置を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る直動伸縮装置(支持アームを形成した状態)の下側を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る直動伸縮装置の上側を示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る直動伸縮装置の下側を示す斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係る直動伸縮装置であって、最先端の中間軸を押し出す様子を示す斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係る直動伸縮装置であって、2番目の中間軸を押し出す様子を示す斜視図である。
図10】本発明の一実施形態に係る直動伸縮装置であって、連結回転軸を押し出す様子を示す斜視図である。
図11】本発明の一実施形態に係る直動伸縮装置であって、支持アームを形成した状態を示す斜視図である。
図12】本発明の一実施形態に係る直動伸縮装置であって、支持アームを形成した状態において弾性部材の作用を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[画像形成装置の概要]
図1を参照して、画像形成装置1について説明する。図1は画像形成装置1の内部構造を示す概略図(正面図)である。
【0013】
画像形成装置1は、インク滴を吐出してシートSに画像を形成するインクジェット式のプリンターである。画像形成装置1は、各種機器が収容された箱型形状のハウジング2を備えている。ハウジング2の下部にはシートSがセットされる給紙カセット3Aが収容され、ハウジング2の右側面にはシートSが手差しでセットされる手差しトレイ3Bが設置されている。ハウジング2の左側面の上側には、画像形成済みのシートSが積載される排紙トレイ4が設置されている。
【0014】
ハウジング2内の右側部には、給紙カセット3Aからハウジング2の略中央に位置する画像形成部12に向けてシートSを搬送するための第1の搬送経路5が形成されている。第1の搬送経路5の上流には給紙部10Aが設けられ、第1の搬送経路5の下流にはレジストローラー11が設けられている。また、第1の搬送経路5の下流は手差しトレイ3Bの給紙経路6に連なり、給紙経路6には給紙部10Bが設けられている。給紙部10Aは給紙カセット3Aのシート束からシートSを取り出す機能を有し、給紙部10Bは手差しトレイ3Bのシート束からシートSを取り出す機能を有している。
【0015】
画像形成部12には、インク滴を吐出する複数(例えば4つ)のラインヘッド13が搭載されている。各々のラインヘッド13には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクに対応した複数の吐出ヘッド13Aが搭載されている。各々の吐出ヘッド13Aは、複数の吐出ノズル(図示せず)が開口したノズル面(図示せず)を有し、吐出ノズルからインク(液体)を吐出する。なお、各々の吐出ヘッド13Aはチューブ(図示せず)を介して各色のインクを収容したインクパック(図示せず)に連通しており、インクパックから吐出ヘッド13Aにインクが供給される。
【0016】
搬送ベルト14は、画像形成部12の下方に設置された複数の張架ローラー14Aに掛け渡されている。搬送ベルト14には多数の貫通穴(図示せず)が形成されており、搬送ベルト14の内側には画像形成部12に対向する位置で搬送ベルト14の貫通穴に負圧を生じさせる吸引部14Bが設置されている。画像形成部12の左側(搬送方向の下流側)には、シートSを挟みながら搬送することでシートSのカールを矯正するデカール装置15が設置されている。
【0017】
ハウジング2内の左側部には、デカール装置15から排紙トレイ4に向けてシートSを搬送する第2の搬送経路7が形成されている。第2の搬送経路7の中間には分岐部材9が設けられており、第2の搬送経路7の下流には排紙部16が設けられている。分岐部材9は、シートSの排出先を排紙トレイ4と後述する第3の搬送経路8に切り替える。排紙部16は、画像形成済みのシートSを排紙トレイ4に排出する機能を有している。
【0018】
ハウジング2内の上部には、第2の搬送経路7の途中の分岐部材9からレジストローラー11にシートSを搬送するための第3の搬送経路8が形成されている。第3の搬送経路8の途中には、シートSを表裏反転させる反転部17が設けられている。
【0019】
画像形成装置1(ハウジング2の内部)には、様々な制御対象機器を適宜制御するための制御部18が設けられている。制御部18は、メモリーに記憶されたプログラムやパラメーターに従って各種の演算処理を実行するプロセッサー等を含んでいる。なお、制御部18は、プログラム等を実行するプロセッサー等に代えて、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。
【0020】
[画像形成処理]
ここで、図1を参照して、画像形成装置1による画像形成処理について説明する。制御部18は、様々な制御対象機器を適宜制御し、以下のように画像形成処理を実行する。
【0021】
給紙部10A、10Bは、給紙カセット3Aまたは手差しトレイ3Bから取り出したシートSを第1の搬送経路5または給紙経路6に送り出す。レジストローラー11は、印刷前(片面印刷用)のシートSを一時的に塞き止めてスキュー補正し、ラインヘッド13からのインク滴の吐出タイミングに合わせて、印刷前のシートSを搬送ベルト14上へ送り出す。シートSは、搬送ベルト14上に吸着され、走行する搬送ベルト14によって下流側へと搬送される。画像形成部12(ラインヘッド13)は、搬送ベルト14上のシートSにインク滴を吐出し、フルカラーの画像を形成する(印刷する)。画像形成部12の下方を通過したシートSは、搬送ベルト14への吸着が解除され、デカール装置15に送られる。デカール装置15は、シートSに生じたカールを矯正する。
【0022】
片面印刷を実行した場合、分岐部材9は、第2の搬送経路7を開き、第3の搬送経路8を閉じる。片面印刷されたシートSは、第2の搬送経路7を通って排紙トレイ4に排出される。
【0023】
両面印刷を実行した場合、分岐部材9は、第2の搬送経路7を閉じ、第3の搬送経路8を開く。片面印刷されたシートSは、第3の搬送経路8に進入し、反転部17で表裏反転され、再びレジストローラー11に向けて搬送される。その後、上記した片面印刷時と同様の順序でシートSの裏面に画像が形成され、両面印刷されたシートSは、カール矯正され、排紙トレイ4に排出される。
【0024】
[保守装置]
ところで、インクジェット式の画像形成装置1には、例えば停止中等に、吐出ヘッド13Aの保守を行うために複数(例えば4つ)の保守装置20が備えられている。4つの保守装置20は4つのラインヘッド13に対応して設けられており、例えば、各々の保守装置20はラインヘッド13の下側かつ右側に配置されている。
【0025】
図1ないし図3を参照して、保守装置20について詳細に説明する。図2および図3は保守装置20を示す斜視図である。なお、4つの保守装置20は略同一構造であるため、以下、1つの保守装置20について説明する。
【0026】
保守装置20は、直動伸縮装置21(図3参照)と、搬送構造部22と、保守部23(図1参照)と、を備えている。直動伸縮装置21は、搬送構造部22に支持された保守部23を左右方向(進退方向)に移動させる機能を有している。保守部23は、吐出ヘッド13Aの目詰まりを予防または修復する機能を有している。なお、直動伸縮装置21および保守部23は、制御部18に電気的に接続され、制御部18に制御される。
【0027】
以下、直動伸縮装置21の説明に先立ち、搬送構造部22および保守部23の説明をする。
【0028】
<搬送構造部>
図2および図3に示すように、搬送構造部22は、筐体24と、搬送体25と、を有している。筐体24は、例えば板金製で、略箱状に形成されている。搬送体25は、例えば板金製で、略トレイ状(略平板状)に形成されている。搬送体25は、前後一対のスライドレール26を介して筐体24に対してスライド可能に支持されている。
【0029】
図3に示すように、スライドレール26は、筐体24の内側面に固定された第1レール26Aと、第1レール26Aにスライド可能に支持された第2レール26Bと、第2レール26Bにスライド可能に支持された第3レール26Cと、を有している。第3レール26Cは、搬送体25の外側面に固定されている。搬送体25は、第1~第3レール26A~26Cを最大限引き込むことで、筐体24の内部に設定された格納位置P1に配置される(図2参照)。一方、搬送体25は、第1~第3レール26A~26Cを最大限引き出すことで、筐体24の外部に設定された押出位置P2に配置される(図3参照)。
【0030】
<保守部>
図1に示すように、保守部23は、搬送構造部22(搬送体25上)に支持されている。保守部23は、例えば、キャップユニットやワイピングユニットを含んでいる(いずれも図示せず)キャップユニットは、吐出ヘッド13Aのノズル面を覆うキャップを有している。キャップユニットは、キャップでノズル面を覆うことで、乾燥したインクや増粘したインクが吐出ノズルに詰まることを予防する。ワイピングユニットは、吐出ヘッド13Aのノズル面を拭き取るワイパーを有している。ワイピングユニットは、ワイパーでノズル面に付着したインク等を除去することに加え、吐出ノズル内に詰まりかけたインクを除去し、吐出ヘッド13Aの目詰まりを修復する。なお、キャップユニットは、吐出ノズルに詰まったインクを強制的に吸引するための吸引機構(図示せず)を含んでいてもよい。
【0031】
搬送体25が押出位置P2(図3参照)に移動することで、保守部23はラインヘッド13を構成する各吐出ヘッド13Aの直下に配置される。この状態で、保守部23は、各吐出ヘッド13Aの目詰まりの予防または修復等の保守を実行する。保守動作が完了し、搬送体25が格納位置P1に移動することで、保守部23はラインヘッド13(吐出ヘッド13A)の直下から退避し、搬送体25と共に筐体24の内部に格納される(図1および図2参照)。
【0032】
<直動伸縮装置>
次に、図3ないし図7を参照して、直動伸縮装置21について説明する。図4は直動伸縮装置21を示す斜視図である。図5は直動伸縮装置21(支持アーム30を形成した状態)の下側を示す斜視図である。図6は直動伸縮装置21の上側を示す斜視図である。図7は直動伸縮装置21の下側を示す斜視図である。
【0033】
図3および図4に示すように、直動伸縮装置21は、複数(例えば3つ)の棒状部材31A,31B,31Cと、付勢部材40と、弾性部材41と、回転板42と、ガイド部材46と、駆動部51と、を備えている。
【0034】
(棒状部材)
図3および図5に示すように、3つの棒状部材31A,31B,31Cは、連結回転軸32A,32Bを介して回転可能に連結され、左右方向(連結回転軸32に直交する進退方向)に一列に並べられて支持アーム30を形成する。支持アーム30の最も基端側に位置する棒状部材31Aの基端部は、基端ピン30Aを介して回転板42に連結されている(図4も参照)。支持アーム30の最も先端側(支持アーム30が有する2つの端のうちの一方である第1端の反対の端である第2端)に位置する棒状部材31C(先端棒状部材)の先端部は、先端ピン30Bを介して搬送体25に連結されている(図3参照)。基端ピン30Aは回転板42に固定され、先端ピン30Bは搬送体25に固定されている。支持アーム30(3つの棒状部材31A,31B,31C)は、搬送体25を格納位置P1から押出位置P2まで移動させることが可能な長さに形成されている。
【0035】
なお、以下、3つの棒状部材31A~31Cに共通する説明では、単に「棒状部材31」と呼び、符号に算用数字のみを付す。これと同様に、2つの連結回転軸32A,32Bに共通する説明では、単に「連結回転軸32」と呼び、符号に算用数字のみを付す。また、本明細書では、「先端・基端」との用語は、進退方向の先端・基端を指すものとする。さらに、進退方向の下流向きを「押し出し方向(左方向)」と呼ぶこともあり、進退方向の上流向きを「引き戻し方向(右方向)」と呼ぶこともある。また、本明細書では、「時計回り・反時計回り」との用語は、平面から見たときの回転方向を基準にする。
【0036】
図5および図6に示すように、棒状部材31は、例えば金属製で、略長方形状の断面を有し、一方向に延びた棒状に形成されている。棒状部材31の長手方向の端部は中間部よりも薄く形成されており、隣接した一対の棒状部材31の端部は互いに重なり合っている。そして、隣接した一対の棒状部材31の端部(重なり合った部分)は、上下方向に貫通する連結回転軸32によって連結されている。連結回転軸32は、略円柱状に形成され、棒状部材31の連結部分を上下方向に貫通して下方に延びている。棒状部材31は、連結回転軸32を中心に所定範囲内で回動(揺動)する。
【0037】
図5に示すように、棒状部材31Aの長手方向のほぼ中央部には、1つの中間軸33Aが連結回転軸32と平行に設けられている。これと同様に、棒状部材31B,31Cには、2つの中間軸33B,33Cが設けられている。中間軸33A,33B,33Cは、連結回転軸32と略同径となる略円柱状に形成され、棒状部材31を上下方向に貫通して下方に延びている。4つの中間軸33B,33Cと連結回転軸32A,32Bとは、長手方向に略等間隔に配置されている。なお、以下、3つの棒状部材31A~31Cに設けられた中間軸33A,33B,33Cに共通する説明では、単に「中間軸33」と呼び、符号に算用数字のみを付す。
【0038】
棒状部材31は、支持アーム30を形成した状態において隣接する他の棒状部材31に当接することで、隣接する棒状部材31間の角度が、巻き取り状態(図6参照)から所定角度以上に広がること(回転方向とは逆方向に回転すること)を規制する角度規制部34を有している。角度規制部34は、棒状部材31の両端部の下側に形成されている。角度規制部34は、連結回転軸32を回転方向とは逆方向に避けるようなフック状に形成されている。隣接する一対の棒状部材31は、互いの角度規制部34を当接させることで連結回転軸32周りの回転を規制される。角度規制部34は、隣接する棒状部材31間の角度が直線状よりも広がらないように規制する。なお、直線状とは、角度が実質的に180度になっていることであり、直動伸縮装置21に求められる精度の範囲で、十分180度に近い値にされる。実質的に180度とは、例えば、170度以上190度以下、さらに175度以上185度以下、特に179度以上181度以下のことである。また、正確には、支持アーム30の最も先端部と最も基端部とを構成する棒状部材31A,31Cの端部には角度規制部34は形成されていない。また、本明細書では、棒状部材31が巻き取り状態の回転方向とは逆方向に回転することを、「逆折れする」等ともいう。
【0039】
(付勢部材)
図3および図4に示すように、付勢部材40は、支持アーム30の最も先端側に位置する棒状部材31C(の先端部)と、搬送体25との間に設けられている。具体的には、付勢部材40は、例えば捩りコイルバネであって、棒状部材31Cの先端部と搬送体25とを連結する先端ピン30Bに巻き付けられている。付勢部材40の一方のアームは棒状部材31Cに係合し、付勢部材40の他方のアームは搬送体25の切起し部に係合している。付勢部材40は、棒状部材31C(先端棒状部材)を逆折れする方向(巻き取り状態の回転方向とは逆方向)に向けて付勢する。なお、付勢部材40の付勢力は、棒状部材31Cを介して他の棒状部材31A,31Bにも伝達される。
【0040】
(弾性部材)
図6に示すように、弾性部材41は、支持アーム30の最も基端側(第1端)に位置する棒状部材31Aと基端ピン30Aとの間に設けられている。具体的には、弾性部材41は、例えばコイルスプリング(圧縮バネ)であって、棒状部材31Aの基端側に開口した長穴35の内部に配置されている。長穴35は、棒状部材31Aの長手方向に長く形成されている(図5も参照)。棒状部材31Aの上面には、長穴35に沿って一対の凸部36が上方に突き出すように設けられている。また、棒状部材31Aの上面には、凸部36よりも先端側において長穴35の一部を閉塞する押えプレート37が固定されている。押えプレート37には、一対の凸部36の間を閉塞する突当部37Aが形成されている。
【0041】
基端ピン30Aは、一対の凸部36よりも基端側において長穴35に挿入されている。基端ピン30Aは、一対の凸部36(突当部37A)と長穴35の基端側の内側面との間で移動する。弾性部材41の基端は長穴35に挿入された基端ピン30Aに当接し、弾性部材41の先端は長穴35の先端側の内側面に当接している。棒状部材31A(支持アーム30)は弾性部材41の付勢力によって基端ピン30Aに対して押し出され、基端ピン30Aは長穴35の基端側の内側面に突き当たっている。棒状部材31A(支持アーム30)が弾性部材41の付勢力に抗して押し込まれると、弾性部材41は弾性変形して(縮んで)、基端ピン30Aは一対の凸部36および突当部37Aに突き当たる。弾性部材41は、弾性変形することで支持アーム30の進退方向のずれを吸収する機能を有している。
【0042】
(回転板)
図5ないし図7に示すように、回転板42は、例えば金属製で、概ね円板状に形成されている。回転板42は、上下一対の板金フレーム50の間に配置され(図3および図4参照)、主回転軸43を中心に回転可能に設けられている。主回転軸43は連結回転軸32と平行に設けられ、主回転軸43の上下両端部は上下一対の板金フレーム50に支持されている(図4参照)。回転板42には、主回転軸43よりも径方向の外側において(第1端に位置する)棒状部材31Aが基端ピン30Aを介して連結されている。詳細は後述するが、回転板42は、巻き取り方向(時計回り)に回転することで支持アーム30を形成した3つの棒状部材31を連結回転軸32で回転させながら引き戻し方向に巻き取り(図6および図7参照)、巻き取り方向と反対方向である送り出し方向(反時計回り)に回転することで3つの棒状部材31を一列に並べるように押し出し方向に押し出す(図5参照)。
【0043】
回転板42は、径方向の外側から内側に向かって切り込まれた複数(例えば7つ)の係合溝44を有している。係合溝44は、連結回転軸32等の外径よりも僅かに広い幅で略U字状に切り込まれている。7つの係合溝44には、巻き取り状態にされた3つの棒状部材31の連結回転軸32と中間軸33とが係合する(図6および図7参照)。最先端の中間軸33Cと連結回転軸32A,32Bとが係合する係合溝44を除く他の係合溝44の径方向の外側には、反時計回りの下流側を斜めに切り欠いた隅切部44Aが形成されている。なお、最先端の中間軸33が係合する係合溝44は、略三角形状に大きく切り欠かれている。
【0044】
図5および図7に示すように、各々の係合溝44(最先端の略三角形状の係合溝44を除く)の内面45は、平面から見て略U字状に形成されている。各々の係合溝44(内面45)は、径方向の内側から外側に向かって時計回りに湾曲している。具体的には、棒状部材31において、進退方向の上流側の連結回転軸32を第1の連結回転軸32とし、進退方向の下流側の連結回転軸32を第2の連結回転軸32としたとき、各々の棒状部材31の第2の連結回転軸32と中間軸33とが係合する各々の係合溝44の内面45は、各々の棒状部材31の第1の連結回転軸32または基端ピン30Aを中心とする円弧状に形成されている。例えば、棒状部材31Aの中間軸33Aが係合する係合溝44および隣接する一対の棒状部材31A,31Bを連結する連結回転軸32Aが係合する係合溝44は、基端ピン30Aを中心とした同心円に沿って切り込まれている。また、棒状部材31Bの中間軸33Bや連結回転軸32Bが係合する係合溝44は、連結回転軸32Aを中心とした同心円に沿って切り込まれている。さらに、棒状部材31Cの中間軸33Cが係合する係合溝44は、連結回転軸32Bを中心とした同心円に沿って切り込まれている。
【0045】
以上より、係合溝44の内面45は、当該同心円に沿った円弧状に形成されている。各々の係合溝44では、反時計回りの下流側の円弧状の内面45は、反時計回りの上流側の円弧状の内面45よりも短く形成されている。なお、上記したように、最先端の中間軸33が係合する係合溝44は、略三角形状に切り欠かれているため、円弧状の内面45は、反時計回りの上流側のみに形成されている。
【0046】
(ガイド部材)
図5および図6に示すように、ガイド部材46は、例えば金属製で、回転板42に沿って湾曲したガイド面46Aを有するブロック状に形成されている。ガイド部材46は、回転板42の後側(棒状部材31が押し出され支持アーム30が形成される側)に配置され、径方向の外側から回転板42に対向し、上下一対の板金フレーム50に固定されている(図4参照)。ガイド部材46のガイド面46Aは、回転板42の外端面に対して所定の間隔を有して対向している。ガイド部材46は、巻き取り状態にされた複数の棒状部材31が径方向に広がった場合に、これらの棒状部材31に接触可能に配置され、回転板42からの棒状部材31の脱落を規制する機能を有している。なお、「所定の間隔」とは、棒状部材31を支持した回転板42の回転を阻害せず、且つ棒状部材31が径方向の外側に広がってガイド面46Aに接しても連結回転軸32等が係合溝44から離脱しない程度の間隔を意味する。
【0047】
(駆動部)
図4に示すように、駆動部51は、主回転軸43を中心に回転板42を回転駆動するために設けられている。駆動部51は、駆動モーター52と、出力ギア53と、中間ギア54と、を有している。
【0048】
駆動モーター52は、回転板42の前側に配置され、上側の板金フレーム50の下面に固定されている。駆動モーター52は、例えばステッピングモーター等、位置決め制御を行うことができる電動モーターである。駆動モーター52は、制御部18に電気的に接続され、制御部18によって駆動制御される。出力ギア53は、平歯車であり、上側の板金フレーム50の上面において、主回転軸43に固定され、回転板42と同一軸上に設けられている。中間ギア54は、所謂段付き歯車であり、上側の板金フレーム50に回転可能に支持されている。中間ギア54は、駆動モーター52の出力軸に固定されたピニオンギア52Aと出力ギア53とに噛み合っている。駆動モーター52の駆動力(回転力)は中間ギア54を介して出力ギア53を回転させ、回転板42は出力ギア53と一体に回転する。
【0049】
[直動伸縮装置の作用]
次に、図6ないし図12を参照して、直動伸縮装置21の作用(動作)について説明する。図8は最先端の中間軸33Cを押し出す様子を示す斜視図である。図9は2番目の中間軸33Cを押し出す様子を示す斜視図である。図10は連結回転軸32Bを押し出す様子を示す斜視図である。図11は支持アーム30を形成した状態を示す斜視図である。図12は支持アーム30を形成した状態において弾性部材41の作用を説明する斜視図である。なお、説明の便宜のため、3つの棒状部材31が巻き取り状態で回転板42に支持され、連結回転軸32および中間軸33が係合溝44に係合している状態(図6および図7参照)を、初期状態とする。初期状態では、搬送体25は、格納位置P1に配置されている(図2参照)。
【0050】
例えば、制御部18に制御された駆動モーター52の出力軸(ピニオンギア52A)が反時計回りに回転すると、その回転力は2つのギア53,54を介して主回転軸43に伝達され、回転板42は主回転軸43を中心に反時計周りに回転する。
【0051】
図8に示すように、回転板42の反時計回りの回転に伴って、棒状部材31Cの最先端に位置する中間軸33Cは、係合溝44の反時計回りの上流側の内面45に接触し、押し出し方向(左方向)に押し出される(図8の白抜き矢印参照)。また、回転板42の反時計回りの回転が進行すると、押し出し方向に押し出される中間軸33Cは、係合溝44の内面45に接触しながら径方向の外側に移動し(図8の黒塗り矢印参照)、やがて係合溝44から離脱する。
【0052】
図9および図10に示すように、さらに回転板42の反時計回りの回転が進行すると、棒状部材31Cの最先端から2番目の中間軸33Cと連結回転軸32Bとは、順番に上記と同様の作用によって、押し出し方向に押し出されながら径方向の外側に移動する。以上によって、棒状部材31Cは、回転板42から押し出し方向に押し出された状態になる(図10参照)。
【0053】
図10に示すように、押し出された棒状部材31Cは、付勢部材40の付勢力を受け、先端ピン30Bを中心に時計回りに付勢される。すなわち、付勢部材40は、棒状部材31Bに対して棒状部材31Cを逆折りするように付勢する。棒状部材31Cの角度規制部34は棒状部材31Bの角度規制部34に突き当たるため、棒状部材31Cの逆折れが規制される。これにより、棒状部材31Cは、進退方向に沿って棒状部材31Bと一列に並んだ姿勢に維持される。
【0054】
以降、上記と同様に、回転板42の反時計回りの回転の進行に伴って、棒状部材31B(中間軸33B、連結回転軸32A)および棒状部材31A(中間軸33A)が順番に押し出し方向に押し出される。制御部18は、予め設定された角度だけ駆動モーター52を回転駆動させた後、駆動モーター52を停止させる。
【0055】
図5および図11に示すように、棒状部材31Bは棒状部材31Cを介して付勢部材40の付勢力を受け、棒状部材31Aは棒状部材31B,31Cを介して付勢部材40の付勢力を受ける。棒状部材31Bの角度規制部34は棒状部材31Aの角度規制部34に突き当たるため、棒状部材31Bの逆折れが規制される。これにより、3つの棒状部材31A,31B,31Cは、進退方向(左右方向)に一列に並んだ支持アーム30を形成する。支持アーム30は、回転板42に固定された基端ピン30Aから押し出し方向(左方向)に直線状に延びている。
【0056】
<弾性部材の作用>
図3に示すように、支持アーム30が形成された状態において、搬送体25は格納位置P1から押出位置P2に配置される。このとき、第1~第3レール26A~26Cは、最大限引き出された状態であり、これ以上引き出すことができない状態である。この状態で、回転板42(駆動モーター52)が、僅かに反時計回りに回転し、支持アーム30を僅かに押し出し方向に押し出す場合がある。このような場合、図12に示すように、回転板42に固定された基端ピン30Aは、弾性部材41(図11参照)を圧縮しながら長穴35(凸部36(突当部37A)よりも基端側の長穴35)に沿って押し出し方向に移動する。つまり、弾性部材41が弾性変形することで基端ピン30Aの移動が吸収され、支持アーム30は移動しない(図11および図12参照)。
【0057】
以上によって、押し出された棒状部材31A,31B,31Cによって形成された支持アーム30が搬送体25を押出位置P2に押し出し、保守部23によって各吐出ヘッド13Aの保守が実行される。
【0058】
なお、制御部18が駆動モーター52の出力軸(ピニオンギア52A)を時計回りに回転させることで、支持アーム30を形成した3つの棒状部材31A,31B,31Cは回転板42に巻き取られ、再び初期状態に戻る(図6および図7参照)。この際、連結回転軸32や中間軸33は、係合溝44の時計回りの上流側の内面45に接触し、引き戻し方向(右方向)に引き込まれる。また、係合溝44には隅切部44Aが形成されているため、連結回転軸32や中間軸33は隅切部44Aに案内されながら円滑に係合溝44に係合(進入)する。
【0059】
以上説明した本実施形態に係る直動伸縮装置21では、3つの棒状部材31が連結されて支持アーム30が構成されていた。棒状部材31の長手方向の中間には中間軸33が設けられるため、例えばコンベヤチェーンを構成するリンクプレートに比べて、棒状部材31を進退方向に長く形成することが可能になる。仮に、所定長さの支持アーム30をリンクプレートで構成する場合には多数のリンクプレートが必要になるが、中間軸33を有する棒状部材31であれば、所定長さの支持アーム30を少数の棒状部材31で構成することが可能になる。これにより、棒状部材31同士の連結部分を減少させることが可能になり、各々の棒状部材31(支持アーム30の先端)の進退方向の位置精度を向上させることができる。
【0060】
また、回転板42が反時計回りに回転する場合に、連結回転軸32と中間軸33とは、係合溝44の内面45に接触して押し出し方向(進退方向の下流側)に押し出され、押し出しに伴って径方向の外側に移動して係合溝44から離脱する構成とした。この構成によれば、回転板42を回転させることで棒状部材31を円滑に押し出すことができる。
【0061】
また、本実施形態に係る直動伸縮装置21によれば、係合溝44の内面45が所定の円弧状に形成されたことで、回転板42の回転によって連結回転軸32と中間軸33とを押し出すと共に径方向の外側に移動させることができる。これにより、各々の棒状部材31を円滑に進退させることができる。
【0062】
また、本実施形態に係る直動伸縮装置21によれば、付勢部材40が棒状部材31を逆折れするように付勢することで、複数の棒状部材31を直線状に並べた状態に保持することができる。これにより、支持アーム30の進退方向の長さを略一定に保つことができ、搬送体25(保守部23)を所定の位置に配置することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る直動伸縮装置21によれば、弾性部材41が弾性変形することで支持アーム30の進退方向の位置を微調整することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る直動伸縮装置21によれば、例えば、回転板42の回転によって、巻き取り状態の複数の棒状部材31が径方向に広がるとガイド部材46(ガイド面46A)に接触するため、回転板42からの棒状部材31の脱落を抑制することができる。
【0065】
なお、本実施形態に係る直動伸縮装置21では、各棒状部材31に1つまたは2つの中間軸33が設けられていたが、本発明はこれに限定されない。中間軸33は、棒状部材31に少なくとも1つ設けられていればよい。
【0066】
また、本実施形態に係る直動伸縮装置21では、付勢部材40による付勢力によって隣接する一対の棒状部材31の角度規制部34が互いに突き当り、3つの棒状部材31の逆折れが規制されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、主回転軸43が水平になるように直動伸縮装置21を配置し、棒状部材31が自重によって下方に回動することで、隣接する一対の角度規制部34が突き当たる構成としてもよい(図示せず)。この場合、付勢部材40を省略することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る直動伸縮装置21では、係合溝44の内面45が所定の円弧状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、当該内面45は、例えば、折れ線状に形成されてもよい(図示せず)。
【0068】
また、本実施形態に係る直動伸縮装置21では、支持アーム30の進退方向のずれを吸収する弾性部材41が設けられていたが、本発明はこれに限定されない。支持アーム30の進退方向のずれが無視できるほど小さいのであれば、弾性部材41を省略してもよい。
【0069】
また、本実施形態に係る直動伸縮装置21では、付勢部材40は捩りコイルバネであり、弾性部材41はコイルスプリングであったが、これらのバネに代えて、例えばゴム等の弾性体を用いてもよい(図示せず)。
【0070】
また、本実施形態に係る画像形成装置1は、カラープリンターであったが、これに限らず、モノクロプリンター、コピー機、ファクシミリ等であってもよい。また、画像形成装置1は、インクジェット式のプリンターであったが、これに限らず、電子写真式の画像形成装置(プリンター、コピー機、ファクシミリ等)であってもよい。
【0071】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る直動伸縮装置、保守装置および画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施態様に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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