(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】端末デバイス、ネットワークデバイス、および端末デバイスにより実行される通信の方法
(51)【国際特許分類】
H04W 68/02 20090101AFI20240402BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20240402BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20240402BHJP
【FI】
H04W68/02
H04W72/0446
H04W72/23
(21)【出願番号】P 2022539219
(86)(22)【出願日】2019-12-26
(86)【国際出願番号】 CN2019128696
(87)【国際公開番号】W WO2021128162
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】リアン リン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/161244(WO,A1)
【文献】Qualcomm Incorporated, Oppo, China Unicorn, Vivo,Avoidance of paging collisions to minimize outage of services,3GPP TSG SA WG2 #122 S2-174243,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_122_Cabo/Docs/S2-174243.zip>,2017年06月20日
【文献】Intel, Sony, OPPO, InterDigital,Solution for Paging Reception with PO collision avoidance,3GPP TSG SA WG2 #136 S2-1911942,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_136_Reno/Docs/S2-1911942.zip>,2019年11月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末デバイスであって、第1のUniversal Subscriber Identity Module(USIM)の第1ページング機会が第2のUSIMの第2ページング機会と重複するページング衝突を決定する手段と、
前記第1のUSIMのためのページング機会を決定するための候補オフセット値を決定する手段と、
前記候補オフセット値をネットワークデバイスに送信する手段と、
前記ネットワークデバイスによる前記候補オフセット値の受信に伴い提供されるオフセット値を、前記ネットワークデバイスから受信する手段と、
前記端末デバイスのInternational Mobile Subscriber Identity(IMSI)である第1の識別情報と、前記オフセット値に基づいて、前記端末デバイスの第2の識別情報を決定する手段と、
前記第2の識別情報に基づいて、ページング機会の衝突を避けるための第3ページング機会を決定する手段と、
を有する端末デバイス。
【請求項2】
前記候補オフセット値は、
無線リソース制御(RRC)シグナリングを使用して送信される、
請求項1に記載の端末デバイス。
【請求項3】
前記オフセット値は前記候補オフセット値に基づく、
請求項
1または2に記載の端末デバイス。
【請求項4】
ネットワークデバイスであって、
第1のUniversal Subscriber Identity Module(USIM)の第1ページング機会が第2のUSIMの第2ページング機会と重複するページング衝突の決定に基づき、端末デバイスから、前記第1のUSIMのためのページング機会を決定するための候補オフセット値を受信する手段と、
前記候補オフセット値の受信に伴い、オフセット値を、前記端末デバイスへ提供する手段と、
を備え、
前記端末デバイスのInternational Mobile Subscriber Identity(IMSI)である第1の識別情報と、前記オフセット値に基づいて、前記端末デバイスの第2の識別情報が決定され
、
前記第2の識別情報に基づいて、ページング機会の衝突を避けるための第3ページング機会が決定される、
ネットワークデバイス。
【請求項5】
前記候補オフセット値は、無線リソース制御(RRC)シグナリングを使用して受信される、
請求項
4に記載のネットワークデバイス。
【請求項6】
前記オフセット値は前記候補オフセット値に基づく、
請求項
4または5に記載のネットワークデバイス。
【請求項7】
端末デバイスにより実行される通信の方法であって、前記方法は、
第1のUniversal Subscriber Identity Module(USIM)の第1ページング機会が第2のUSIMの第2ページング機会と重複するページング衝突を決定することと、
前記第1のUSIMのためのページング機会を決定するための候補オフセット値を決定することと、
前記候補オフセット値をネットワークデバイスに送信することと、
前記ネットワークデバイスによる前記候補オフセット値の受信に伴い提供されるオフセット値を、前記ネットワークデバイスから受信することと、
前記端末デバイスのInternational Mobile Subscriber Identity(IMSI)である第1の識別情報と、前記オフセット値に基づいて、前記端末デバイスの第2の識別情報を決定することと、
前記第2の識別情報に基づいて、ページング機会の衝突を避けるための第3ページング機会を決定することと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は全体として電気通信分野に関し、特にページング監視中の通信の方法、デバイス、及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、複数の汎用加入者識別モジュール(USIM:universal subscriber identity module)の端末デバイスは市場で大きなシェアを占めている。2つのUSIMカードは、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、新無線(NR:New Radio)等の同一又は異なる通信規格に準拠してもよい。また、端末デバイスの無線周波数(RF)能力は、1つの送信ポート(Tx)/1つの受信ポート(Rx)、1Tx/2Rx、2Tx/2Rx等であってもよい。しかしながら、マルチUSIM端末デバイスの性能を向上させるための仕様強化は行われていない。
【0003】
1Tx/1Rxを有するマルチUSIM端末デバイスが複数のネットワーク(例えばUSIM AのネットワークとUSIM Bのネットワーク)に登録されている場合、当該端末デバイスは、無線リソース制御(RRC)のアイドル状態又は非アクティブ(inactive)状態において、全ての第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の無線アクセス技術(RAT)でのページングを、同時に監視することはできない。従来、USIM AとUSIM Bの間でページング衝突が発生した場合、端末デバイスはUSIM AとUSIM Bに関連付けられたページングチャネルのうち1つを選択して監視する必要があるが、これではもう1つのページングチャネルでのページングが成功しない可能性がある。したがって、マルチUSIM端末デバイスの性能を保証することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概して、本開示の実施形態は、通信のための方法、デバイス、及びコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、通信のための方法が提供される。当該方法は、端末デバイスにおいて、第1ページングの第1ページング機会情報が第2ページングの第2ページング機会情報と重複するか否かを決定することと、前記第1ページング機会情報が前記第2ページング機会情報と重複することに応じて、前記第1ページングに関連付けられたネットワークデバイスに前記第1ページングと前記第2ページングとの間のページング衝突の指示を送信することと、を含む。
【0006】
第2の態様において、通信のための方法が提供される。当該方法は、端末デバイスの第1ページングに関連付けられたネットワークデバイスにおいて、前記端末デバイスの前記第1ページングと第2ページングとの間のページング衝突の指示を受信することを含む。前記指示は、前記第1ページングの第1ページング機会情報が前記第2ページングの第2ページング機会情報と重複することに応じて、前記端末デバイスから前記ネットワークデバイスに送信される。
【0007】
第3の態様において、通信のための方法が提供される。当該方法は、コアネットワーク要素において、端末デバイスの第1ページングに関連付けられたネットワークデバイスから第1メッセージを受信することを含む。前記第1メッセージは、前記端末デバイスの前記第1ページングと第2ページングとの間のページング衝突を示すとともに、前記第1ページングに関連付けられた識別情報を含む。前記第1メッセージは、前記端末デバイスから前記ページング衝突の指示を受信したことに応じて前記ネットワークデバイスによって送信される。
【0008】
第4の態様において、端末デバイスが提供される。前記端末デバイスは、プロセッサと、プロセッサに結合されるメモリとを含む。メモリには命令が格納されており、前記命令は、プロセッサにより実行される場合に、端末デバイスに、本開示の第1の態様にかかる方法を実行させる。
【0009】
第5の態様において、ネットワークデバイスが提供される。当該ネットワークデバイスは、プロセッサと、プロセッサに結合されるメモリとを含む。メモリには命令が格納されており、前記命令は、プロセッサにより実行される場合に、ネットワークデバイスに、本開示の第2の態様にかかる方法を実行させる。
【0010】
第6の態様において、コアネットワーク要素が提供される。当該コアネットワーク要素は、プロセッサと、プロセッサに結合されるメモリとを含む。メモリには命令が格納されており、前記命令は、プロセッサにより実行される場合に、コアネットワーク要素に、本開示の第3の態様にかかる方法を実行させる。
【0011】
第7の態様において、命令が格納されたコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合に、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1の態様にかかる方法を実行させる。
【0012】
第8の態様において、命令が格納されたコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合に、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第2の態様にかかる方法を実行させる。
【0013】
第9の態様において、命令が格納されたコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合に、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第3の態様にかかる方法を実行させる。
【0014】
本開示のその他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明することで、本開示の上述及びその他の目的、特徴及び有益な効果がさらに明らかになるはずである。
【0016】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な例示的通信ネットワークを示す。
【0017】
【
図2A】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ページング監視中の通信のためのプロセスの模式図である。
【0018】
【
図2B】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ページング監視中の通信のための別のプロセスの模式図である。
【0019】
【
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ページング監視中の通信のための別のプロセスの模式図を示す。
【0020】
【
図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末デバイスで実施される通信の例示的方法を示す。
【0021】
【
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末デバイスで実施される通信の別の例示的方法を示す。
【0022】
【
図6】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末デバイスで実施される通信の別の例示的方法を示す。
【0023】
【
図7】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワークデバイスで実施される通信の例示的方法を示す。
【0024】
【
図8】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワークデバイスで実施される通信の別の例示的方法を示す。
【0025】
【
図9】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワークデバイスで実施される通信の別の例示的方法を示す。
【0026】
【
図10】本開示のいくつかの実施形態にかかる、コアネットワーク要素で実施される例示的な通信方法を示す。
【0027】
【
図11】本開示のいくつかの実施形態にかかる、コアネットワーク要素で実施される通信の別の例示的方法を示す。
【0028】
【
図12】本開示のいくつかの実施形態にかかる、コアネットワーク要素で実施される通信の別の例示的方法を示す。
【0029】
【
図13】本開示の実施形態を実施するのに適したデバイスの概略ブロック図である。
【0030】
全ての図において、同一又は類似の図面符号は、同一又は類似の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、いくつかの例示的な実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。理解すべき点として、これらの実施形態は、単に説明を目的とし、当業者が本開示を理解し実施する際の助けとなるものであり、本開示の範囲に対する何らかの限定を暗示するものではない。本明細書で説明する開示内容は、以下に説明する方法以外に、さまざまな方法で実施可能である。
【0032】
以下の説明及び請求項において、別に定義がある場合を除き、文中で使用される全ての技術用語・科学用語は、本開示が属する分野の当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。
【0033】
文中で使用される用語「端末デバイス」は、無線又は有線での通信能力を有する全てのデバイスを指す。端末デバイスの例として、ユーザ端末(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、移動電話、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、携帯コンピュータ、タブレット、ウェアラブルデバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス、すべてのインターネット(IoE)デバイス、マシンタイプコミュニケーション(MTC)デバイス、V2X通信用の車載デバイス(Xは歩行者、車両又はインフラ/ネットワークを表す)、デジタルカメラのような画像取込デバイス、ゲーム機器、音楽保存再生装置、又は無線若しくは有線によるインターネットへのアクセス・閲覧を可能にするインターネットツール等が含まれるが、これらに限定されない。用語「端末デバイス」は、UE、移動局、加入者局、移動端末、ユーザ端末又は無線デバイスと互換的に使用することができる。また、用語「ネットワークデバイス」は、端末デバイスが通信可能なセル又はカバレッジを、提供又は管理可能なデバイスを指す。ネットワークデバイスの例には、ノードB(NodeB又はNB)、進化型NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、送信/受信ポイント(TRP)、リモートラジオユニット(RRU)、無線ヘッド(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、例えばフェムトノード、ピコノード等の低電力ノードが含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
1つの実施形態において端末デバイスは、第1ネットワークデバイス及び第2ネットワークデバイスと接続してもよい。第1ネットワークデバイス及び第2ネットワークデバイスのうち、一方はマスターノードであり、他方はセカンダリノードであり得る。第1ネットワークデバイスと第2ネットワークデバイスは、異なる無線アクセス技術(RAT)を使用してもよい。1つの実施形態において第1ネットワークデバイスは、第1RATデバイスであり、第2ネットワークデバイスは、第2RATデバイスであり得る。1つの実施形態では、第1RATデバイスはeNBであり、第2RATデバイスはgNBである。異なるRATに関連する情報は、第1ネットワークデバイス及び第2ネットワークデバイスの少なくとも一方のネットワークデバイスから端末デバイスに送信されてもよい。1つの実施形態において、第1情報は、第1ネットワークデバイスから端末デバイスに送信されてもよく、第2情報は、第2ネットワークデバイスから、直接又は第1ネットワークデバイスを介して端末デバイスに送信されてもよい。1つの実施形態では、第2ネットワークデバイスによって設定された、端末デバイスに対する設定と関連する情報が、第2ネットワークデバイスから第1ネットワークデバイスを介して送信されてもよい。また、第2ネットワークデバイスによって設定された、端末デバイスに対する再設定と関連する情報が、第2ネットワークデバイスから、直接又は第1ネットワークデバイスを介して端末デバイスに送信されてもよい。
【0035】
文中で使用される場合、文脈の中で他に明記していない限り、単数形式である「1つ」、「1つの」及び「当該」は、複数形式を含むことを意味する。用語「含む」及びその変形は、「…を含むが、これらに限定されない」という意味の、開放式の用語であると解釈される。用語「…に基づいて」は、「少なくとも部分的に基づく」と解釈される。用語「1つの実施形態」及び「実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」と解釈される。用語「別の実施形態」は、「少なくとも1つの別の実施形態」と解釈される。用語「第1」、「第2」等は、異なるか又は同一の対象を指すことができる。以下の説明では、その他の定義も、明確及び暗黙のものとして含むことができる。
【0036】
いくつかの例示において、値、プロセス又は装置は、「最適」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」等と称される。理解すべき点として、こうした説明は、使用される複数の機能のオプションから、選択可能であると示すことを意図しており、こうした選択は、他の選択と比べて、より優れていたり、より小さかったり、より高かったり、又はより好ましかったりする必要はない。
【0037】
上述したように、従来、USIM AとUSIM Bとの間でページング衝突が発生した場合、マルチUSIM端末デバイスは、USIM A及びUSIM Bに関連付けられたページングチャネルのうち1つを選択して監視する必要がある。いくつかの状況において、端末デバイスは端末デバイス側の時分割多重化(TDM:Time Division Multiplexing)方式に基づき、ページング機会の一部のみを選択してもよい。例えば、端末デバイスは、ページング時間が長いページングメッセージを受信し、ページング時間が短いページングメッセージを廃棄してもよい。別の例示として、端末デバイスは、USIMカードの1つについて、ページング機会を優先させてもよい。このようにすると、ページングメッセージを見逃す可能性があり、また、アクセス遅延を引き起こす可能性がある。
【0038】
コアネットワーク(CN)側には、ページング衝突に対する別の従来方式が存在する。端末デバイスは、USIMカードのうち1つのUSIMカードに新たな識別情報を割り当てるよう、非アクセス層(NAS)のプロセスを通じてコアネットワーク要素に要求し、その後、新たな識別情報に基づいて前記1つのUSIMカードのために新たなページング機会を決定してもよい。コアネットワーク要素から端末デバイスへの新しい識別情報の送信において、まず、端末デバイスと前記1つのUSIMカードにサービスを提供するネットワークデバイスとの間の接続がアクティベートされなければならない。したがって、ページング機会をアクセス層(AS)層で計算し、頻繁なAS/NASインターワーキングが必要となる場合、長い遅延が発生することになる。また、この方式は、ページング機会を計算するために固定の国際的な携帯加入者識別番号(IMSI:International Mobile Subscriber Identity)を使用する必要があるため、LTEカードには適用できない。また、新たな識別情報を用いても、前記1つのUSIMカードのページング機会がもう1つのUSIMカードと一致する可能性がある。
【0039】
本開示の実施形態は、ページング監視中の通信のための改良された解決手段を提供する。この解決手段により、低遅延で効率よくページング衝突を回避することができる。以下、図面を参照し、本開示の原理及び実施について詳細に説明する。
【0040】
図1は、本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワーク100の模式図を示す。
図1に示すように、通信ネットワーク100は、ネットワークデバイス110(以下、第1ネットワークデバイス110とも称する)と、第1のUSIMカード121及び第2のUSIMカード122を搭載した端末デバイス120とを含んでもよい。第1ネットワークデバイス110は、第1のUSIMカード121及び第2のUSIMカード122のうち少なくとも1つにサービスを提供してもよい。第1のUSIMカード121と第2のUSIMカード122は、現在存在する、又は今後開発される同一又は異なるRATに適合していてもよい。留意すべき点として、端末デバイス120が搭載するUSIMカードの数は2つに限定されず、2つより多いUSIMカードが適用されてもよい。以下では便宜上、2つのUSIMカードを例に説明を行う。
【0041】
図1に示すように、通信ネットワーク100はさらに、少なくとも1つの隣接するネットワークデバイス111(以下、第2ネットワークデバイス111とも称する)を含んでもよい。ここでは簡潔にするために、
図1において第2ネットワークデバイス111のみを示している。また、隣接するネットワークデバイス111は、第1のUSIMカード121及び第2のUSIMカード122うち少なくとも1つのUSIMカードにサービスを提供してもよい。便宜上、別に説明がない限り、第1ネットワークデバイス110が第1のUSIMカード121にサービスを提供し、第2ネットワークデバイス111が第2のUSIMカード122にサービスを提供すると仮定して以下の説明を行う。しかし、これは説明のための例示にすぎず、本開示を限定するものではないことに留意されたい。例えば、第1のUSIMカード121と第2のUSIMカード122は、第1ネットワークデバイス110又は第2ネットワークデバイス111等の同一のネットワークデバイスからサービスを受けてもよい。
【0042】
図1に示すように、通信ネットワーク100はさらに、コアネットワーク
デバイス130内に位置するコアネットワーク要素131を含んでもよい。コアネットワーク要素131は、第1ネットワークデバイス110及び第2ネットワークデバイス111と通信してもよい。端末デバイス120は、NAS層を介してコアネットワーク要素131と通信してもよく、AS層を介して第1ネットワークデバイス110及び第2ネットワークデバイス111と通信してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、コアネットワーク要素131はアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)を実行してもよい。コアネットワーク要素131は他の任意の追加機能を実行してもよく、本願ではこの点について限定しないことに留意されたい。
【0043】
また、第1ネットワークデバイス110は、無線通信チャネル等のチャネルを介して、端末デバイス120と通信してもよい。同様に、少なくとも1つの第2ネットワークデバイス111も、無線通信チャネル等のチャネルを介して端末デバイス120と通信してもよい。第1ネットワークデバイス110と第2ネットワークデバイス111は、互いに通信を行ってもよい。
【0044】
理解すべき点として、
図1におけるデバイスの数は説明を目的として示されたものであり、本開示に対する何らかの限定を暗示するものではない。ネットワーク100は、本開示の実施に適した任意の適切な数のネットワークデバイス及び/又は端末デバイス及び/又はコアネットワーク要素を含んでもよい。特に、ここでは
図1において1つのコアネットワーク
デバイス130のみが示されているが、本開示の実施形態は、より多くのコアネットワークの場合にも適用され得る。例えば、第1ネットワークデバイス110と第2ネットワークデバイス111は、異なるコアネットワークに接続されてもよい。また、ここでは、
図1において1つのコアネットワーク要素131のみを示しているが、本開示の実施形態はコアネットワーク要素がより多い場合にも適用され得る。例えば、第1のUSIMカード121と第2のUSIMカード122は、異なるコアネットワーク要素に対応していてもよい。
【0045】
ネットワーク100の通信は、任意の適切な規格に適合していてもよい。任意の適切な規格には移動通信用グローバルシステム(GSM)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE-アドバンスト(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)、マシンタイプコミュニケーション(MTC)等が含まれるが、これらに限定されない。また、現在既知の又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに基づき、通信を実行してもよい。通信プロトコルの例として、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
図1に示すように、端末デバイス120がアイドル状態又は非アクティブ状態の場合、コアネットワーク
デバイス130が端末デバイス120に音声通話データ、ビデオ通話データ等のデータを送信すると、コアネットワーク要素131は端末デバイス120に対するページングを開始する。いくつかの実施形態において、コアネットワーク要素131は、ネットワークデバイス110、111等のネットワークデバイスにページングメッセージを送信してもよく、その後、ネットワークデバイス110、111がそれぞれのページングメッセージを送信してもよい。同時に、端末デバイス120は、ページングメッセージの送信を監視してもよい。
【0047】
1つの端末デバイスは、複数の通信ネットワークシステムでの複数のページングに関与してもよい。いくつかの実施形態において、複数のページングは、端末デバイスの複数の識別子に関連付けられてもよい。留意すべき点として、複数のページングは端末デバイスの他の面と関連付けられてもよく、本願はこれをついて限定しない。以下では、説明のために、端末デバイスの第1加入者識別モジュール及び第2加入者識別モジュールに関連付けられた第1ページング及び第2ページングを例に記述する。
【0048】
例えば、
図1に示すような第1のUSIMカード121及び第2のUSIMカード122に対して、端末デバイス120は、第1のUSIMカード121に関連付けられた第1ページングと、第2のUSIMカード122に関連付けられた第2ページングとに関与してもよい。この場合、端末デバイス120は、対応する監視機会(以下、ページング機会情報とも称する)を算出してもよい。いくつかの実施形態において、ページング機会情報は、ページングフレーム(PF)及びページング機会(PO)に関するパラメータを含んでもよい。例えば、ページング機会情報は、ページング周期、接続持続時間、及びページングフレームオフセットのうち少なくとも1つを含んでもよい。例えば、3GPP仕様38.304Vf.5.0(NR用)、36.304V15.4.0(LTE用)では、以下の計算が規定されている。
・ 38.304 Vf.5.0
以下の式で、ページング用のPF及びPOが決定される。
PF用のSFNは以下の式で決定される。
(SFN + PF_offset) mod T = (T div N)*(UE_ID mod N)
POのインデックスを示すインデックスi_sは、以下の式で決定される。
i_s = floor (UE_ID/N) mod Ns
上記のPFとi_sの計算には、以下のパラメータが使用される。
T: UEのDRX周期(Tは、UE固有のDRX値(RRC及び/又は上位レイヤにUE固有のDRX値が設定されている場合)の最小値と、システム情報でブロードキャストされるデフォルトDRX値によって決定される。RRC又は上位レイヤによってUE固有のDRXが設定されていない場合、当該デフォルト値が適用される)。
N: Tのページングフレーム総数
Ns:PF用のページング機会の数
PF_offset: PF決定用オフセット
UE_ID: 5G-S-TMSI mod 1024
・ 36.304V15.4.0
PFは以下の式で与えられる。
SFN mod T= (T div N)*(UE_ID mod N)
サブフレームパターンからのPOを指すインデックスi_sは、以下の式から導き出される。
i_s = floor(UE_ID/N) mod Ns
上記のPFとi_sの計算には、以下のパラメータが使用される。
-T: UEのDRX周期
-nB: 4T, 2T, T, T/2, T/4, T/8, T/16, T/32, T/64, T/128及びT/256、またNB-IoTについてT/512及びT/1024であってもよい。
-N: min(T,nB)
-Ns: max(1,nB/T)
-UE_ID:
UEが、5GCに接続されたE-UTRAをサポートし、NASが、選択されたセルで5GCを使用するよう指示した場合、
PDCCHでP-RNTIを監視している場合、5G-S-TMSI mod 1024。
そうでない場合、
PDCCHでP-RNTIを監視している場合、IMSI mod 1024。
NPDCCHでP-RNTIを監視している場合、IMSI mod 4096。
MPDCCHでP-RNTIを監視している場合、又はNPDCCHでP-RNTIを監視し且つUEが非アンカーキャリアのページングをサポートしている場合で、さらに、システム情報において非アンカーキャリアのページング機会情報が提供される場合、IMSI mod 16384。
【0049】
第1のUSIMカード121の識別情報に基づく上記計算により、第1のUSIMカード121に関連付けられた第1ページング機会情報が得られ、第2のUSIMカード122の識別情報に基づく上記計算により、第2のUSIMカード122に関連付けられた第2ページング機会情報が得られると仮定する。いくつかの状況において、第1ページング機会情報は、第2ページング機会情報と重複することがある。これは通常、ページング衝突とみなされる。
【0050】
この点に鑑み、本願の実施形態は、無線アクセスネットワーク(RAN)に基づく解決手段を提供する。本願の実施形態によれば、端末デバイスに関連付けられた第1ページングと第2ページングとの間のページング衝突が検出された場合、端末デバイスは、第1ページングに関連付けられたネットワークデバイスにページング衝突の指示を送信することができる。こうして、RANによって、ページング衝突の問題解決を低遅延で効率よく促すことができる。
図2A、
図2B及び
図3を参照しながら、これについてより詳細に説明する。
【0051】
図2Aは、本開示の実施形態にかかる、ページング監視中の通信のためのプロセス200の模式図である。議論を目的として、
図1を参照しつつプロセス200を説明する。プロセス200は、
図1に示す端末デバイス120、ネットワークデバイス110及びコアネットワーク要素131に関わっていてもよい。本実施形態では、ネットワークデバイス111が端末デバイス120の非アクティブ化前に最後にサービスを提供したネットワークデバイスであると仮定する。
【0052】
図2Aに示すように、端末デバイス120は、第1のUSIMカード121に関連付けられた第1ページング機会情報が、第2のUSIMカード122に関連付けられた第2ページング機会情報と重複するか否かを決定してもよい(210)。いくつかの実施形態において、ページング機会情報はPFとPOを含んでもよい。いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、3GPP仕様38.304Vf.5.0及び36.304V15.4.0に規定された式に従って、第1のUSIMカード121と第2のUSIMカード122の対応するPF及びPOを算出してもよい。現在存在する、又は将来開発される任意の他の適切な計算を適用してもよく、さらに、PF及びPO以外にも他の任意の適切なパラメータを使用してもよいことに留意されたい。
【0053】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と完全に重複するか否かを決定してもよい。第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と部分的に重複する場合、端末デバイス120は、第2のUSIMカード122に対する第1のUSIMカード121の優先度に基づいて、更新後の第1ページング機会情報を決定してもよい(210’)。例えば、いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、衝突するPF又はPO上で、より大きなページング周期を有する第2のUSIMカード122のみを監視し、したがって第2ページング機会情報は変更されずに、更新後の第1ページング機会情報を決定することを選択してもよい。いくつかの代替の実施形態において、端末デバイス120は、衝突するPF又はPO上で、プライマリカードとして第2のUSIMカード122のみを監視し、したがって第2ページング機会情報は変更されずに、更新後の第1ページング機会情報を決定することを選択してもよい。このようにして、ページング衝突は、TDM方式で端末デバイス120において解決される。
【0054】
一方、第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と完全に重複する場合、端末デバイス120は、第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複すると決定してもよい。すなわち、ページング衝突が検出される。このとき、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110にページング衝突の指示を送信してもよい(220)。いくつかの実施形態において、端末デバイス120はRRCシグナリングで指示を送信してもよい。例えば、ページング衝突が検出された場合、端末デバイス120は、第1ネットワークデバイス110へのRRC接続の開始を直接トリガしてもよい。
【0055】
端末デバイス120がアイドル状態にあるいくつかの実施形態において、端末デバイス120は、RRC確立要求メッセージの確立理由を使用して指示を送信してもよい。例えば、RRC確立要求(RRCSetupRequest)/RRC接続確立要求(RCConnectionSetupRequest)メッセージは、以下のように使用することができる。
RRCSetupRequest-IEs ::= SEQUENCE {
ue-Identity InitialUE-Identity,
establishmentCause EstablishmentCause,
spare BIT STRING (SIZE (1))
}
…
EstablishmentCause ::= ENUMERATED {
emergency, highPriorityAccess, mt-Access, mo-Signalling, mo-Data, mo-VoiceCall, mo-VideoCall, mo-SMS, mps-PriorityAccess, mcs-PriorityAccess, pagingCollision, spare5, spare4, spare3, spare2, spare1}
【0056】
端末デバイス120が非アクティブ状態にあるいくつかの代替の実施形態において、端末デバイス120は、RRC再開要求メッセージの再開理由を用いて指示を送信してもよい。例えば、RRC再開要求(RRCResumeRequest)/RRC再開要求1(RRCResumeRequest1)/RRC接続再開要求(RRCConnectionResumeRequest)メッセージは以下のように使用されてもよい。
RCResumeRequest ::= SEQUENCE {
rrcResumeRequest RRCResumeRequest-IEs
}
RRCResumeRequest-IEs ::= SEQUENCE {
resumeIdentity ShortI-RNTI-Value,
resumeMAC-I BIT STRING (SIZE (16)),
resumeCause ResumeCause,
spare BIT STRING (SIZE (1))
}
ResumeCause ::= ENUMERATED {emergency, highPriorityAccess, mt-Access, mo-Signalling,
mo-Data, mo-VoiceCall, mo-VideoCall, mo-SMS, rna-Update, mps-PriorityAccess, mcs-PriorityAccess, pagingCollsion, spare1, spare2, spare3, spare4}
【0057】
留意すべき点として、任意の他の適切な方式を用いてネットワークデバイス110に指示を送信してもよく、本願では上記の例示に限定しない。
【0058】
端末デバイス120が接続状態にあるいくつかの実施形態において、端末デバイス120がコアネットワーク要素131から第1ページングに関連付けられた更新後の識別情報(identity information)を受信すると、端末デバイス120は、更新後の識別情報に基づいて算出された第1ページング機会情報が、第2ページング機会情報と重複するか否かを決定してもよい。第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複する場合、端末デバイス120はコアネットワーク要素131に対して、別の更新後の識別情報についての要求を送信してもよい。例えば、端末デバイス120はコアネットワーク要素131にNASメッセージを送信してよく、これによってコアネットワーク要素131が、第1ページングに関連付けられた新たな識別情報を、更新後の第1ページング機会情報の決定のために端末デバイス120に割り当ててもよい。
【0059】
端末デバイス120が接続状態にあるいくつかの代替の実施形態において、端末デバイス120がコアネットワーク要素131から第1ページングに関連付けられた更新後の識別情報を受信すると、端末デバイス120は、更新後の識別情報に基づいて算出された第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複するか否かを決定してもよい。第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複する場合、端末デバイス120は、
図2Aの220と結び付けて説明したように、ネットワークデバイス110にページング衝突の指示を送信してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120が接続状態からアイドル状態又は非アクティブ状態に変化し、ネットワークデバイス110から別のネットワークデバイス(例えば、ネットワークデバイス111)に移動した場合、端末デバイス120は、第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複するか否かを決定してもよい。第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複する場合、端末デバイス120は、
図2Aの220と結び付けて説明したように、ネットワークデバイス110にページング衝突の指示を送信してもよい。
【0061】
図2Aに示すように、この指示を受信すると、ネットワークデバイス110は、コアネットワーク要素131に第1メッセージを送信してもよい(230)。第1メッセージは、ページング衝突を示すとともに第1のUSIMカード121の識別情報を含む。
【0062】
第1メッセージを受信すると、コアネットワークデバイス130は、第1のUSIMカード121の更新後の識別情報を決定し(240)、更新後の識別情報を端末デバイス120に送信してもよい(250)。いくつかの実施形態において、コアネットワークデバイス130は、NASプロセスによって端末デバイス120に更新後の識別情報を送信してもよい(250)。留意すべき点として、更新後の識別情報をコアネットワークデバイス130から端末デバイス120に送信するには任意の他の適切な方式を用いてもよく、本願はこれをついて限定しない。
【0063】
第1のUSIMカード121の更新後の識別情報を受信すると、端末デバイス120は、第1のUSIMカード121に関連付けられた更新後の第1ページング機会情報を決定してもよい(260)。これにより、更新後の第1ページング機会情報と、変更されていない第2ページング機会情報とを区別することができ、ページング衝突の問題を解消することができる。
【0064】
図2Bは、本開示の実施形態にかかる、ページング監視中の通信のための別のプロセス200の模式図である。議論を目的として、
図1を参照してプロセス200’を説明する。プロセス200’は、
図1に示す端末デバイス120、ネットワークデバイス110、ネットワークデバイス111、及びコアネットワーク要素131に関わってもよい。本実施形態において、ネットワークデバイス110が端末デバイス120に現在サービスを提供しているネットワークデバイスと仮定し、また、ネットワークデバイス111が端末デバイス120の非アクティブ化前に最後にサービスを提供したネットワークデバイスであると仮定する。
図2Aの230の処理が
図2Bの231’及び232’の処理に置き換えられることを除いて、プロセス200’は、
図2Aで説明したプロセス200と同様である。以下では、簡潔にするため相違点のみを説明する。
【0065】
図2Bに示すように、220で指示を受信すると、ネットワークデバイス110は、最後にサービスを提供したネットワークデバイス111に対し、ページング衝突を示す第2メッセージを送信してもよい(231’)。例えば、いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、UEコンテキスト取得要求(RetrieveUEContextRequest)メッセージ内の再開理由を用いて第2メッセージを送信してもよい。留意すべき点として、任意の他の適切な方式を用いてネットワークデバイス111に第2メッセージを送信してもよく、本願では上記の例示に限定しない。
【0066】
第2メッセージを受信すると、ネットワークデバイス111は、第1メッセージをコアネットワーク要素131に送信してもよい(232’)。当該第1メッセージはページング衝突を示すとともに第1のUSIMカード121の識別情報を含む。
【0067】
図2A及び
図2Bと結び付けて説明した実施形態は、RAN及びCNに基づくページング衝突の解決手段とみなしてもよい。従来のCNベースの解決手段と比較して、本解決手段では、コアネットワーク
デバイス130がページング衝突の問題を早期に認識することができるため、アクセス遅延を低減することができる。
【0068】
図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、ページング監視中の通信のための別のプロセス300の模式図を示す。議論を目的として、
図1を参照しつつプロセス300を説明する。プロセス300は、
図1に示す端末デバイス120、ネットワークデバイス110、及び隣接するネットワークデバイス111、並びにコアネットワーク要素131に関わっていてもよい。簡潔にするために、1つの隣接するネットワークデバイス111のみが例示されているが、実際には、より多くの隣接するネットワークデバイスが可能である。
【0069】
図3に示すように、端末デバイス120は、第1のUSIMカード121に関連付けられた第1ページング機会情報が第2のUSIMカード122に関連付けられた第2ページング機会情報と重複するか否かを決定してもよい(310)。この方面の処理は、
図2Aの210と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその詳細を繰り返さない。
【0070】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と完全に重複するか否かを決定してもよい。第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と部分的に重複する場合、端末デバイス120は、第2のUSIMカード122に対する第1のUSIMカード121の優先度に基づいて、更新後の第1ページング機会情報を決定してもよい(310’)。この方面の処理は、
図2Aの210’と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその詳細を繰り返さない。
【0071】
一方、第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と完全に重複する場合、端末デバイス120は、第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複すると決定してもよい。すなわち、ページング衝突が検出される。このとき、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110にページング衝突の指示を送信してもよい(320)。
【0072】
いくつかの代替の実施形態において、端末デバイス120は、第2のUSIMカード122に関連付けられた第2ページング機会情報を指示とともに送信してもよい。例えばいくつかの実施形態において、第2ページング機会情報は、ページング周期、接続持続時間、及びページングフレームオフセットのうち少なくとも1つを含んでもよい。留意すべき点として、第2ページング機会情報は、より多くの、又はより少ないパラメータを含んでもよい。いくつかの代替の実施形態において、端末デバイス120は、第1のUSIMカード121に関連付けられた第1ページング機会情報を指示とともに送信してもよい。このようにして、最終的なオフセット値を決定するためのリファレンスをネットワークデバイスに提供してもよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、第1ページングについてのオフセット値の候補を決定し、当該候補をネットワークデバイス110に送信してもよい。いくつかの実施形態において、端末デバイス120は当該候補を指示とともに送信してもよい。このようにして、最終的なオフセット値を決定するためのリファレンスをネットワークデバイスに提供してもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、RRCシグナリングで当該指示を送信してもよい。例えば、ページング衝突が検出された場合、端末デバイス120は、第1ネットワークデバイス110へのRRC接続の開始を直接トリガしてもよい。
【0075】
端末デバイス120がアイドル状態にあるいくつかの実施形態において、端末デバイス120は、RRC確立要求メッセージの確立理由を使用して当該指示を送信してもよい。例えば、RRC確立要求(RRCSetupRequest)/RRC接続確立要求(RCConnectionSetupRequest)メッセージを当該指示の搬送に使用してもよい。
【0076】
端末デバイス120が非アクティブ状態にあるいくつかの代替の実施形態において、端末デバイス120は、RRC再開要求メッセージの再開理由を使用して指示を送信してもよい。例えば、RRC再開要求(RRCResumeRequest)/RRC再開要求1(RRCResumeRequest1)/RRC接続再開要求(RRCConnectionResumeRequest)メッセージを使用して当該指示を搬送してもよい。
【0077】
いくつかの代替の実施形態において、端末デバイス120は、接続確立プロセスの後に、UE補助情報(UEAssistanceInformation)メッセージにおけるフィールドを使用して当該指示を送信してもよい。留意すべき点として、任意の他の適切な方式を用いてネットワークデバイス110に当該指示を送信してもよく、本願では上記の例示に限定しない。
【0078】
いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110が端末デバイス120の非アクティブ化の前に最後にサービスを提供したネットワークデバイスであり、第2ページングに関連付けられた別のネットワークデバイスが変更されていない場合、端末デバイス120は当該指示をネットワークデバイス110に1回だけ送信する。言い換えれば、第2ページングに関連付けられたセルが変更されていない場合、端末デバイス120は、現在のセルにおいて1回だけページング衝突問題のためのRRC接続を開始してもよい。これにより、ページング衝突の再度発生によるRRC接続開始の重複を回避することができる。
【0079】
図3に示すように、当該指示を受信すると、ネットワークデバイス110は、第1ページングについてのオフセット値を決定してもよい(330)。オフセット値の候補が指示とともに送信されるいくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110は、当該候補に基づいてオフセット値を決定してもよい。第2ページング機会情報が指示とともに送信されるいくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110は、第2ページング機会情報に基づいてオフセット値を決定してもよい。オフセット値の候補と第2ページング機会情報の両方が指示と共に送信されるいくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110は、候補と第2ページング機会情報に基づいてオフセット値を決定してもよい。
【0080】
オフセット値を決定すると、ネットワークデバイス110は、当該オフセット値を端末デバイス120に送信してもよい(340)。いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110はRRCシグナリングにおいてオフセット値を送信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、RRC再設定メッセージ及びRRC解放メッセージのうち少なくとも1つのメッセージにおいてオフセット値を送信してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、オフセット値はRRC再設定(RRCReconfiguration)/RRC接続再設定(RRCConnectionReconfiguration)メッセージに含まれてもよい。いくつかの代替の実施例において、オフセット値はRRC解放(RRCRelease)/RRC接続解放(RRCConnectionRelease)メッセージに含まれてもよい。
【0081】
オフセット値を受信すると、端末デバイス120は当該オフセット値に基づいて、第1のUSIMカード121の更新後の識別情報を決定してもよい(350)。NRシステムのいくつかの実施形態において、更新後の識別情報は、以下の式(1)により決定されてもよい。
UE_ID=(5G-S-TMSI+offset)mod 1024 式(1)
ここで、5G-S-TMSIは、第1のUSIMカード121の識別情報を示し、UE_IDは、第1のUSIMカード121の更新後の識別情報を表す。
【0082】
LTEシステムのいくつかの実施形態において、更新後の識別情報は、以下の式(2)~(5)によって決定されてもよい。
UEが、5GCに接続されたE-UTRAをサポートし、NASが、選択されたセルに5GCを使用するよう指示した場合、
PDCCHでP-RNTIが監視される場合、UE_ID=(5G-S-TMSI+offset)mod 1024 式(2)
そうでない場合、
PDCCHでP-RNTIが監視される場合、UE_ID=(IMSI+offset)mod 1024 式(3)
NPDCCHでP-RNTIが監視される場合、UE_ID=(IMSI+offset)mod4096 式(4)
P-RNTIがMPDCCHで監視される場合、又はP-RNTIがNPDCCHで監視され且つUEが非アンカーキャリアでのページングをサポートしている場合で、さらに、システム情報において非アンカーキャリア用のページング機会情報が提供される場合、UE_ID=(IMSI+オフセット)mod 16384 式(5)
ここで、IMSIは第1のUSIMカード121の識別情報を表し、UE_IDは第1のUSIMカード121の更新後の識別情報を表す。
【0083】
第1のUSIMカード121の更新後の識別情報を決定すると、端末デバイス120は、第1のUSIMカード121に関連付けられた更新後の第1ページング機会情報を決定してもよい(351)。
【0084】
図3で説明した実施形態は、RANのみに基づくページング衝突の解決手段とみなしてもよい。従来のCNベースの解決手段と比較して、本解決手段では、ページング衝突の問題をAS層で解決するとともにNAS層に対して透過的であり、そのプロセスは低遅延且つより効果的である。
【0085】
また、本発明者らは、ネットワークデバイス110等の隣接するネットワークデバイスが、同じページング設定(ページングパラメータ)を有してもよいことに留意している。最後にサービスを提供したネットワークデバイスのオフセット値を、隣接するネットワークデバイスが知らないと、端末デバイス120がセルの再選択を実行する場合に、再びページング衝突が発生する可能性がある。これに鑑み、本開示の実施形態はさらに、ネットワークデバイス110から、ネットワークデバイス111等の隣接するネットワークデバイスにオフセット値を伝える解決手段も提供する。以下、
図3を参照してその詳細を説明する。
【0086】
図3に示すように、いくつかの実施形態において、オフセット値を決定する場合、ネットワークデバイス110は、オフセット値及び第1のUSIMカードの識別情報をコアネットワーク要素131に送信してもよい(360)。いくつかの代替の実施形態では、端末デバイス120が、オフセット値及び第1のUSIMカードの識別情報をコアネットワーク要素131に送信してもよい(360’)。例えば、端末デバイス120は、オフセット値及び第1のUSIMカードの識別情報をNASプロセスによって送信してもよい(360’)。
【0087】
第1のUSIMカードの識別情報とオフセット値を受信すると、コアネットワーク要素131は、例えばページングメッセージにおいて第1のUSIMカードの識別情報及びオフセット値を送信してもよい(361)。このようにして、ネットワークデバイス110(第1ネットワークデバイス)と同じページング設定を有する、隣接するネットワークデバイス(少なくとも1つの第2ネットワークデバイス)は、第1のUSIMカードの識別情報とオフセット値を受信することができる。例えば、第1のUSIMカードの識別情報は、5G-S-TMSI、S-TMSI及びIMSIのうちの少なくとも1つであってもよい。これにより、隣接するネットワークデバイスは、コアネットワーク要素131から受信したオフセット値を使用して、RANページングメッセージ送信のための更新後のページング設定を決定することができる。
【0088】
例えば、いくつかの実施形態において、ページングメッセージは表1に示されてもよい。
表1 CNページング用ページングメッセージ
【0089】
いくつかの代替の実施形態において、オフセット値を決定する場合、ネットワークデバイス110は例えば、ネットワークデバイス110(第1ネットワークデバイス)と同じページング設定を有する隣接するネットワークデバイス(少なくとも1つの第2ネットワークデバイス)に対して直接、ページングメッセージでオフセット値及び第1のUSIMカードの識別情報を送信してもよい(362)。例えば、第1のUSIMカードの識別情報は、5G-S-TMSI、S-TMSI、IMSI及びI-RNTIのうちの少なくとも1つであってもよい。これにより、隣接するネットワークデバイスは、最後にサービスを提供したネットワークデバイスから受信したオフセット値を使用して、RANページングメッセージ送信用の更新後のページング設定を決定することができる。
【0090】
例えば、いくつかの実施形態において、ページングメッセージは表2に示されてもよい。
表2 RANページング用ページングメッセージ
【0091】
端末デバイス120がセル再選択を実行する(すなわち、第1ネットワークデバイスから第2ネットワークデバイスに移動する)いくつかの実施形態において、端末デバイス120はオフセット値を再利用して更新後の第1ページング機会情報を決定してもよい。こうして、隣接するネットワークデバイス間でページング機会の計算用オフセット値の伝搬がサポートされる。隣接するネットワークデバイスのページング設定を同じにすることができるため、端末デバイスがセル再選択を実行する場合、当該オフセット値を再利用することができる。
【0092】
いくつかの代替の実施形態において、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110と同じページング設定を有する隣接するネットワークデバイスのリストを決定し(380)、当該リストを端末デバイス120に送信してもよい(381)。いくつかの実施形態において、当該リストは、オフセット値と共に端末デバイス120に送信されてもよい。当該リストは、任意の他の適切な方法で送信されてもよいことに留意されたい。
【0093】
端末デバイス120は、セル再選択を実行する際にページング機会情報を決定してもよい。いくつかの実施形態において、端末デバイス120がネットワークデバイス110からリスト内のネットワークデバイスに移動した場合、端末デバイス120は、前記オフセット値を再利用して更新後の第1ページング機会情報を決定してもよい(382)。いくつかの実施形態において、端末デバイス120がネットワークデバイス110から、リスト上にないネットワークデバイスに移動した場合、端末デバイス120は、所定値を使用して更新後の第1ページング機会情報を決定してもよい(383)。例えば、所定値はゼロであってもよい。当該所定値は、必要に応じて適宜決定してもよいことに留意されたい。
【0094】
このように、RANページングとCNページングに対し同じプロセスが行われる。CNはRANのページング設定を知らないため、これはCNページングの場合により適切である。
【0095】
留意すべき点として、
図2A、
図2B及び
図3に示す動作は、本開示の実施形態を実施するために必ずしも必須ではなく、必要に応じて、より多くの動作又はより少ない動作が採用されてもよい。
図2A、
図2B及び
図3で説明したプロセスに対応して、本開示の実施形態では、ネットワークデバイス、端末デバイス及びコアネットワーク要素で実施される通信の方法を提供する。以下、
図4~
図12を参照し、これらの方法について説明する。
【0096】
図4は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末デバイスで実施される通信の例示的方法400を示す。方法400は例えば、
図1に示す端末デバイス120において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法400を説明する。理解すべき点として、方法400は、図示されていない付加的ブロックを含んでもよく、且つ/又は、図示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。
【0097】
図4に示すように、ブロック410において、端末デバイス120は、第1ページングの第1ページング機会情報が第2ページングの第2ページング機会情報と重複するか否かを決定してもよい。第1ページング機会及び第2ページング機会の決定は、
図2Aの210と結び付けて説明したものと同様であるので、ここではその他の詳細について繰り返さない。
【0098】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と完全に重複するか否かを決定してもよい。第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と完全に重複する場合、端末デバイス120は、第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複すると決定してもよい。
【0099】
いくつかの実施形態において、第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と部分的に重複する場合、端末デバイス120は、第2加入者識別モジュールに対する第1加入者識別モジュールの優先度に基づいて、更新後の第1ページング機会情報を決定してもよい。この方面の処理は、
図2Aの210’と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0100】
ブロック410において第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複すると決定した場合、ブロック420において、端末デバイス120は、第1ページングに関連付けられたネットワークデバイス(ネットワークデバイス110等)に第1ページングと第2ページングとの間のページング衝突の指示を送信してもよい。こうして、ネットワークデバイスは、ページング機会の解決を開始することができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、RRCシグナリングで当該指示を送信してもよい。端末デバイス120がアイドル状態にあるいくつかの実施形態において、端末デバイス120は、RRC確立要求メッセージの確立理由を使用して当該指示を送信してもよい。端末デバイス120が非アクティブ状態にあるいくつかの実施形態において、端末デバイス120は、RRC再開要求メッセージの再開理由を使用して当該指示を送信してもよい。この方面の処理は、
図2Aの220と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0102】
いくつかの実施形態において、コアネットワーク要素131から接続状態にある第1ページングに関連付けられた更新後の識別情報を受信したことに応じて、端末デバイス120は、更新後の識別情報に基づく第1ページング機会情報が、第2ページング機会情報と重複するか否かを決定してもよい。第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複することに応じて、端末デバイス120は、コアネットワーク要素131に対して、別の更新後の識別情報についての要求を送信すること、又はネットワークデバイス110にページング衝突の指示を送信すること、のうち少なくとも1つを実行してもよい。
【0103】
いくつかの実施形態において、接続状態からアイドル状態又は非アクティブ状態に変化したこと、及びネットワークデバイスから別のネットワークデバイスに移動したことに応じて、端末デバイス120は、第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複するか否かを決定してもよい。第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複することに応じて、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110にページング衝突の指示を送信してもよい。
【0104】
いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110が端末デバイス120の非アクティブ化の前に最後にサービスを提供したネットワークデバイスであり、第2ページングに関連付けられた別のネットワークデバイスが変更されていないことに応じて、端末デバイス120は当該指示を1回だけ送信してもよい。
【0105】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、第1ページングについてのオフセット値の候補を決定し、当該候補をネットワークデバイス110に送信してもよい。いくつかの実施形態において、端末デバイス120は候補を指示とともに送信してもよい。こうすることで、オフセット値は、候補に基づきネットワークデバイスによって決定されてもよい。
【0106】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、ネットワークデバイス110に第2ページング機会情報を送信してもよい。いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、第2ページング機会情報を指示とともに送信してもよい。こうすることで、オフセット値は、リファレンスとしての第2ページング機会情報に基づきネットワークデバイスによって決定されてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120はコアネットワーク要素(例えば
図1のコアネットワーク要素131)から第1ページングに関連付けられた更新後の識別情報を受信し、更新後の識別情報に基づいて更新後の第1ページング機会情報を決定してもよい。更新後の識別情報は、第1メッセージを受信したことに応じてコアネットワーク要素131によって決定される。第1メッセージは、指示を受信したことに応じてネットワークデバイス
110から送信される。また、第1メッセージは、ページング衝突を示すとともに、第1ページングに関連付けられた識別情報を含む。これについて
図5を参照しつつさらに詳細に説明を行う。
【0108】
図5は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末デバイスで実施される通信の別の例示的方法500を示す。方法500は例えば、
図1に示す端末デバイス120において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法500を説明する。理解すべき点として、方法500は、図示されていない付加的ブロックを含んでもよく、且つ/又は、図示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。本実施形態において、第1ページングは端末デバイス120の第1加入者識別モジュール(例えば第1のUSIMカード121)に関連付けられ、第2ページングは端末デバイス120の第2加入者識別モジュール(例えば第2のUSIMカード122)に関連付けられている。
【0109】
図5に示すように、ブロック510において、端末デバイス120は、第1加入者識別モジュールに関連付けられた第1ページング機会情報が、第2加入者識別モジュールに関連付けられた第2ページング機会情報と重複するか否かを決定してもよい。この方面の処理は、
図2Aの210と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0110】
ブロック510において、第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複すると決定した場合、ブロック520において、端末デバイス120は、第1加入者識別モジュールにサービスを提供するネットワークデバイス(例えばネットワークデバイス110)に第1加入者識別モジュールと第2加入者識別モジュールとの間のページング衝突の指示を送信して、ネットワークデバイス110がコアネットワーク要素(例えばコアネットワーク要素131)に第1メッセージを送信するようにしてもよい。いくつかの実施形態において、第1メッセージは、ページング衝突を示すとともに第1加入者識別モジュールの識別情報を含んでもよい。この方面の処理は、
図2Aの220と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0111】
ブロック530において、端末デバイス120は、対応するコアネットワーク要素(例えばコアネットワーク要素131)から第1加入者識別モジュールの更新後の識別情報を受信してもよい。いくつかの実施形態において、第1メッセージを受信したことに応じて、コアネットワーク要素131によって更新後の識別情報が割り当てられる。この方面の処理は、
図2Aの250と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0112】
ブロック540において、端末デバイス120は、更新後の識別情報に基づいて、第1加入者識別モジュールに関連付けられた更新後の第1ページング機会情報を決定してもよい。この方面の処理は、
図2Aの260と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0113】
ここまでは、RAN及びCNに基づくページング衝突の解決手段に関する実施形態について、
図5を参照して説明した。CNベースの従来の解決手段と比較して、本実施形態では、コアネットワーク
デバイス130がページング衝突の問題を早期に認識することができるため、アクセス遅延を低減することができる。
【0114】
いくつかの代替の実施形態において、端末デバイス120は、第1ページングについてのオフセット値をネットワークデバイスから受信し、当該オフセット値に基づいて、更新後の第1ページング機会情報を決定してもよい。いくつかの実施形態において、端末デバイス120はネットワークデバイス110からのRRCシグナリングにおいてオフセット値を受信してもよい。いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、RRC再設定メッセージ及びRRC解放メッセージのうち少なくとも1つのメッセージにおいてオフセット値を受信してもよい。これについて
図6を参照しつつさらに詳細に説明を行う。
【0115】
図6は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末デバイスで実施される通信の別の例示的方法600を示す。方法600は例えば、
図1に示す端末デバイス120において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法600を説明する。理解すべき点として、方法600は、図示されていない付加的ブロックを含んでもよく、且つ/又は、図示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。本実施形態において、第1ページングは端末デバイス120の第1加入者識別モジュール(例えば第1のUSIMカード121)に関連付けられ、第2ページングは端末デバイス120の第2加入者識別モジュール(例えば第2のUSIMカード122)に関連付けられている。
【0116】
図6に示すように、ブロック610において、端末デバイス120は、第1加入者識別モジュールに関連付けられた第1ページング機会情報が、第2加入者識別モジュールに関連付けられた第2ページング機会情報と重複するか否かを決定してもよい。この方面の処理は、
図3の310と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0117】
ブロック610において、第1ページング機会情報が第2ページング機会情報と重複すると決定した場合、ブロック620において、端末デバイス120は、第1加入者識別モジュール(第1のUSIMカード121等)にサービスを提供するネットワークデバイス(ネットワークデバイス110等)にページング衝突の指示を送信してもよい。
【0118】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、RRCシグナリングで当該指示を送信してもよい。端末デバイス120がアイドル状態にあるいくつかの実施形態において、端末デバイス120は、RRC確立要求メッセージの確立理由を使用して当該指示を送信してもよい。端末デバイス120が非アクティブ状態にあるいくつかの実施形態において、端末デバイス120は、RRC再開要求メッセージの再開理由を使用して当該指示を送信してもよい。いくつかの代替の実施形態において、端末デバイス120は、UE補助情報(UEAssistanceInformation)メッセージにおけるフィールドを使用して当該指示を送信してもよい。
【0119】
いくつかの実施形態において、ネットワークデバイスが端末デバイスの非アクティブ化の前に最後にサービスを提供したネットワークデバイスであり、第2ページングに関連付けられた別のネットワークデバイスが変更されていないことに応じて、端末デバイス120は当該指示を1回だけ送信してもよい。言い換えれば、端末デバイス120は、現在のセルにおいて1回だけページング衝突問題のためのRRC接続を開始してもよい。
【0120】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、第1ページングについてのオフセット値の候補を決定し(311)、当該候補をネットワークデバイス110に送信してもよい(320)。このようにして、最終的なオフセット値を決定するためのリファレンスをネットワークデバイス110に提供してもよい。ブロック620での処理は、
図3の320と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0121】
ブロック630において、端末デバイス120はネットワークデバイス110から第2ページング機会についてのオフセット値を受信してもよい。当該オフセット値は、前記指示を受信したことに応じてネットワークデバイス110によって決定される。
【0122】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120はネットワークデバイス110からのRRCシグナリングにおいてオフセット値を受信してもよい。例えばいくつかの実施形態において、端末デバイス120は、RRC再設定メッセージ及びRRC解放メッセージのうち少なくとも1つのメッセージに基づいてオフセット値を決定してもよい。ブロック630での処理は、
図3の340と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0123】
ブロック640において、端末デバイス120は、第1加入者識別モジュールに関連付けられた更新後の第1ページング機会情報をオフセット値に基づいて決定してもよい。ブロック640での処理は、
図3の350と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0124】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120が第1ネットワークデバイス(ネットワークデバイス110)から第2ネットワークデバイス(ネットワークデバイス111)に移動したことに応じて、端末デバイス120はオフセット値を再利用して更新後の第1ページング機会情報を決定してもよい。第2ネットワークデバイスは、第1ネットワークデバイスと同じページング設定を有してもよい。
【0125】
いくつかの実施形態において、端末デバイス120は、第1ネットワークデバイス(ネットワークデバイス110)から、少なくとも1つの第2ネットワークデバイスのリストを受信してもよい。前記少なくとも1つの第2ネットワークデバイスは、第1ネットワークデバイスと同じページング設定を有する。端末デバイス120が第1ネットワークデバイスからリスト上の少なくとも1つの第2ネットワークデバイスのうちの1つに移動するいくつかの実施形態において、端末デバイス120は前記オフセット値を再利用して更新後の第1ページング機会情報を決定してもよい。端末デバイスが第1ネットワークデバイスから、少なくとも1つの第2ネットワークデバイスと異なる第3ネットワークデバイスに移動するいくつかの実施形態では、所定値を使用して更新後の第1ページング機会情報を決定する。この方面の処理は、
図3の382及び383と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0126】
ここまでは、RANのみに基づくページング衝突の解決手段に関する実施形態について
図6を参照して説明した。従来のCNベースの解決手段と比較して、本実施形態では、ページング衝突の問題をAS層で解決するとともにNAS層に対して透過的であり、そのプロセスは低遅延且つより効果的である。また、RANページング又はCNページングによって、隣接するネットワークデバイス間でオフセット値を伝えて再利用することができるため、プロセスの低遅延と効率のよさが強化され得る。
【0127】
図7は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワークデバイスで実施される通信の例示的方法700を示す。方法700は例えば、
図1に示すネットワークデバイス110において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法700を説明する。理解すべき点として、方法700は、図示されていない付加的ブロックを含んでもよく、且つ/又は、図示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。
【0128】
図7に示すように、ブロック710において、ネットワークデバイス110は端末デバイス120から、端末デバイス120の、第1ページングと第2ページングとの間のページング衝突の指示を受信してもよい。当該指示は、第1ページングの第1ページング機会情報が第2ページングの第2ページング機会情報と重複することに応じて、端末デバイス120からネットワークデバイスに送信される。
【0129】
いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、RRCシグナリングで当該指示を受信してもよい。端末デバイス120がアイドル状態にあるいくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、RRC確立要求メッセージの確立理由を使用して当該指示を受信してもよい。端末デバイス120が非アクティブ状態にあるいくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、RRC再開要求メッセージの再開理由を使用して当該指示を受信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワークデバイスが端末デバイスの非アクティブ化の前に最後にサービスを提供したネットワークデバイスであり、第2ページングに関連付けられた別のネットワークデバイスが変更されていないことに応じて、ネットワークデバイス110は当該指示を1回だけ受信してもよい。
【0130】
いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、第1ページングを参照してオフセット値を決定し、更新後の第1ページング機会情報の決定のために、当該オフセット値を端末デバイスに送信してもよい。これについて
図8を参照しつつさらに詳細に説明を行う。
【0131】
図8は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワークデバイスで実施される通信の別の例示的方法800を示す。方法800は例えば、
図1に示すネットワークデバイス110において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法800を説明する。理解すべき点として、方法800は、図示されていない付加的ブロックを含んでもよく、且つ/又は、図示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。本実施形態において、第1ページングは端末デバイス120の第1加入者識別モジュール(例えば第1のUSIMカード121)に関連付けられ、第2ページングは端末デバイス120の第2加入者識別モジュール(例えば第2のUSIMカード122)に関連付けられている。
【0132】
図8に示すように、ブロック810において、ネットワークデバイス110は、第1加入者識別モジュール(第1のUSIMカード121等)及び第2加入者識別モジュール(第2のUSIMカード122等)を搭載した端末デバイス(例えば端末デバイス120)から、第1加入者識別モジュールと第2加入者識別モジュールとの間のページング衝突の指示を受信してもよい。
【0133】
いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、RRCシグナリングで当該指示を受信してもよい。端末デバイス120がアイドル状態にあるいくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、RRC確立要求メッセージの確立理由を使用して当該指示を受信してもよい。端末デバイス120が非アクティブ状態にあるいくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、RRC再開要求メッセージの再開理由を使用して当該指示を受信してもよい。
【0134】
いくつかの代替の実施形態において、ネットワークデバイス110は、UE補助情報(UEAssistanceInformation)メッセージにおけるフィールドを使用して当該指示を受信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110が端末デバイスの非アクティブ化の前に最後にサービスを提供したネットワークデバイスであり、第2ページングに関連付けられた別のネットワークデバイスが変更されない場合、ネットワークデバイス110は現在のセルにおいて当該指示を1回だけ受信してもよい。
【0135】
ブロック820において、ネットワークデバイス110は、第1ページングについてのオフセット値を決定してもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110は端末デバイス120からオフセット値の候補を受信し、当該候補に基づいてオフセット値を決定してもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス110は端末デバイス120から第2ページング機会情報を受信し、第2ページング機会情報に基づいてオフセット値を決定してもよい。この方面の処理は、
図3の350と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0136】
ブロック830において、ネットワークデバイス110は、第1加入者識別モジュールに関連付けられた更新後の第1ページング機会情報の決定のために、端末デバイス120にオフセット値を送信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110はRRCシグナリングにおいてオフセット値を送信してもよい。例えばいくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、RRC再設定メッセージ及びRRC解放メッセージのうち少なくとも1つのメッセージにおいてオフセット値を送信してもよい。この方面の処理は、
図3の360と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0137】
いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は第1ネットワークデバイスであり、ネットワークデバイス110は、コアネットワーク要素(例えば
図1のコアネットワーク要素131)に第1加入者識別モジュールの識別情報とオフセット値を送信することで、コアネットワーク要素131がページングメッセージにおいて第1加入者識別モジュールの識別情報とオフセット値を送信するようにしてもよい。この方面の処理は、
図3の360と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0138】
いくつかの代替の実施形態において、ネットワークデバイス110は、第1ネットワークデバイスと同じページング設定を有する少なくとも1つの第2ネットワークデバイスに対して、更新後のページング設定の決定のために、第1加入者識別モジュールの識別情報とオフセット値を送信してもよい。この方面の処理は、
図3の362と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0139】
いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、第1ネットワークデバイスと同じページング設定を有する少なくとも1つの第2ネットワークデバイスのリストを決定し、当該リストを端末デバイス120に送信してもよい。この方面の処理は、
図3の380及び381と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0140】
いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、ページング衝突を示すとともに、第1ページングに関連付けられた識別情報を含む第1メッセージを、コアネットワーク要素に送信することで、コアネットワーク要素が、第1ページングに関連付けられた更新後の識別情報を端末デバイスに割り当てるようにしてもよい。これについて
図9を参照しつつさらに詳細に説明を行う。
【0141】
図9は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワークデバイスで実施される通信の別の例示的方法900を示す。方法900は例えば、
図1に示すネットワークデバイス110において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法900を説明する。理解すべき点として、方法900は、図示されていない付加的ブロックを含んでもよく、且つ/又は、図示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。本実施形態において、第1ページングは端末デバイス120の第1加入者識別モジュール(例えば第1のUSIMカード121)に関連付けられ、第2ページングは端末デバイス120の第2加入者識別モジュール(例えば第2のUSIMカード122)に関連付けられている。
【0142】
図9に示すようにブロック910において、ネットワークデバイス110は、ネットワークデバイス110が端末デバイス120の非アクティブ化前に最後にサービスを提供したネットワークデバイスであるか否かを決定してもよい。ブロック910において、ネットワークデバイス110が端末デバイス120の非アクティブ化前に最後にサービスを提供したネットワークデバイスであると決定した場合、ブロック920において、ネットワークデバイス110は、ページング衝突を示すとともに第1加入者識別モジュールの識別情報を含む第1メッセージを、コアネットワーク要素131に送信し、コアネットワーク要素131が第1加入者識別モジュールの更新後の識別情報を端末デバイス120に割り当てるようにしてもよい。
【0143】
ブロック910において、ネットワークデバイス110が最後にサービスを提供したネットワークデバイスではないと決定した場合、ブロック930において、ネットワークデバイス110は、最後にサービスを提供したネットワークデバイス(ネットワークデバイス111等)に対し、ページング衝突を示す第2メッセージを送信して、最後にサービスを提供したネットワークデバイスがコアネットワーク要素131に対しページング衝突を通知するようにしてもよい。いくつかの実施形態において、ネットワークデバイス110は、UEコンテキスト取得要求(RetrieveUEContextRequest)メッセージ内の再開理由を用いて当該第2メッセージを送信してもよい。この方面の処理は、
図2Bの231’と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0144】
図10は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、コアネットワーク要素で実施される通信の例示的方法1000を示す。方法1000は例えば、
図1に示すコアネットワーク要素131において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法1000を説明する。理解すべき点として、方法1000は、図示されていない付加的ブロックを含んでもよく、且つ/又は、図示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。
【0145】
図10に示すようにブロック1010において、コアネットワーク要素131は、第1ページングに関連付けられたネットワークデバイス(例えばネットワークデバイス110)から、第1ページングと第2ページングとの間のページング衝突を示すとともに、第1ページングに関連付けられた識別情報を含む第1メッセージを受信してもよい。本実施形態では、ネットワークデバイス110が端末デバイス120の非アクティブ化前に最後にサービスを提供したネットワークデバイスであってもよい。
【0146】
第1メッセージに基づき、コアネットワーク要素131は第1ページングに関連付けられた更新後の識別情報を端末デバイス120に割り当ててもよい。
図11を参照しながら、これについてより詳細に説明する。
【0147】
図11は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、コアネットワーク要素で実施される通信の別の例示的方法1100を示す。方法1100は例えば、
図1に示すコアネットワーク要素131において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法1100を説明する。理解すべき点として、方法1100は、図示されていない付加的ブロックを含んでもよく、且つ/又は、図示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。本実施形態において、第1ページングは端末デバイス120の第1加入者識別モジュール(例えば第1のUSIMカード121)に関連付けられ、第2ページングは端末デバイス120の第2加入者識別モジュール(例えば第2のUSIMカード122)に関連付けられている。
【0148】
図11に示すようにブロック1110において、コアネットワーク要素131は、第1加入者識別モジュール(第1のUSIMカード121等)にサービスを提供するネットワークデバイス(ネットワークデバイス110等)から、第1加入者識別モジュールと第2加入者識別モジュール(
第2のUSIMカード122等)との間のページング衝突を示すとともに第1加入者識別モジュールの識別情報を含む第1メッセージを受信してもよい。いくつかの実施形態において、ネットワークデバイスは端末デバイス120の非アクティブ化前に最後にサービスを提供したネットワークデバイスであってもよい。
【0149】
ブロック1120において、コアネットワーク要素131は、第1メッセージに基づいて、第1加入者識別モジュールに関連付けられた更新後の識別情報を決定してもよい。ブロック1130において、コアネットワーク要素131は、第1加入者識別モジュールに関連付けられた更新後の第1ページング機会情報の決定のために、端末デバイス120に更新後の識別情報を送信してもよい。いくつかの実施形態において、コアネットワークデバイス130は、NASプロセスによって端末デバイス120に更新後の識別情報を送信してもよい。留意すべき点として、更新後の識別情報をコアネットワークデバイス130から端末デバイス120に送信するには任意の他の適切な方式を用いてもよく、本願はこれをついて限定しない。
【0150】
図12は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、コアネットワーク要素で実施される通信の別の例示的方法1200を示す。方法1200は例えば、
図1に示すコアネットワーク要素131において実行されてもよい。議論を目的として、以下では
図1を参照して方法1200を説明する。理解すべき点として、方法1200は、図示されていない付加的ブロックを含んでもよく、且つ/又は、図示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点において、本開示の範囲は限定されない。本実施形態において、第1ページングは端末デバイス120の第1加入者識別モジュール(例えば第1のUSIMカード121)に関連付けられ、第2ページングは端末デバイス120の第2加入者識別モジュール(例えば第2のUSIMカード122)に関連付けられている。
【0151】
図12に示すようにブロック1210において、コアネットワーク要素131は、第1加入者識別モジュール(例えば
図1の第1のUSIMカード121)にサービスを提供する第1ネットワークデバイス(例えば
図1のネットワークデバイス110)から、第1加入者識別モジュールの識別情報とオフセット値を受信してもよい。いくつかの実施形態において、当該オフセット値は、端末デバイス(
図1の端末デバイス120等)からページング衝突の指示を受信したことに応じて、第1ネットワークデバイスによって決定されてもよい。この方面の処理は、
図3の360と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0152】
ブロック1220において、コアネットワーク要素131は、第1加入者識別モジュールに関連付けられた更新後の第1ページング機会情報の決定のために、ページングメッセージにおいて第1加入者識別モジュールの識別情報とオフセット値を送信してもよい。この方面の処理は、
図3の361と結び付けて説明した処理と同様であるため、ここではその他の詳細を繰り返さない。
【0153】
図13は、本開示の実施形態を実施するのに適したデバイス1300の概略ブロック図である。デバイス1300は、
図1に示すネットワークデバイス110、端末デバイス120又はコアネットワーク要素131の別の例示の実現であるとみなすことができる。したがって、デバイス1300は、ネットワークデバイス110、端末デバイス120若しくはコアネットワーク要素131で実現することができ、又はネットワークデバイス110、端末デバイス120若しくはコアネットワーク要素131の少なくとも一部として実現することができる。
【0154】
図に示すように、デバイス1300は、プロセッサ1310、プロセッサ1310に結合されるメモリ1320、プロセッサ1310に結合される適切な送信機(TX)及び受信機(RX)1340、並びにTX/RX1340に結合される通信インタフェースを含む。メモリ1320は、プログラム1330の少なくとも一部を格納する。TX/RX1340は双方向通信に用いられる。TX/RX1340は、通信のための少なくとも1つのアンテナを有し、実際には本願で述べたアクセスノードは、複数のアンテナを有することができる。通信インタフェースは、他のネットワーク部材と通信を行う際に必要な任意のインタフェース、例えば、eNB間の双方向通信用のX2インタフェース、Mobility Management Entity(MME)/サービングゲートウェイ(S-GW)とeNBとの間の通信用のS1インタフェース、eNBと中継ノード(RN)との間の通信用のUnインタフェース、又はeNBと端末デバイスとの間の通信用のUuインタフェースを表してもよい。
【0155】
プログラム1330がプログラム命令を含むと仮定すると、当該プログラム命令が、関連するプロセッサ1310により実行された場合、これにより、デバイス1300は、本明細書で
図1~
図12を参照して論じたように、本開示の実施形態に基づき操作を行うことができるようになる。本明細書の実施形態は、デバイス1300のプロセッサ1310が実行可能なコンピュータソフトウェアにより実施するか、ハードウェアにより実施するか、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せにより実施してもよい。プロセッサ1310は、本開示の各実施形態を実施するように設定してもよい。また、プロセッサ1310及びメモリ1320の組合せは、本開示の各実施形態を実施するのに適した処理装置1350を構成してもよい。
【0156】
メモリ1320は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってよく、任意の適切なデータ記憶技術により実現してもよい。例として、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、半導体による記憶デバイス、磁気記憶デバイス及びシステム、光学記憶デバイス及びシステム、固定メモリ及び取り外し可能メモリ等が挙げられるが、これらに限定されない。デバイス1300には1つのメモリ1320しか示されていないが、デバイス1300には複数の物理上異なるメモリモジュールを設置してもよい。例として、プロセッサ1310は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってよく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理器(DSP)、及びマルチコアプロセッサ構成に基づくプロセッサのうち、1つ又は複数を含むことができるが、これらに限定されない。デバイス1300は複数のプロセッサ、例えば、マスタープロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0157】
通常、本開示の各実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、論理、又はそれらの任意の組合せにおいて実施してもよい。いくつかの態様はハードウェアによって実現し、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピュータデバイスが実行するファームウェア又はソフトウェアによって実現してもよい。本開示の実施形態の各態様は、ブロック図、フローチャートとして図示されて説明され、又は他のいくつかの図形によって示されているが、理解すべき点として、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術又は方法は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくは論理、汎用ハードウェア若しくはコントローラ若しくは他のコンピュータデバイス、又はそれらの組合せにおいて実現してもよいが、これらに限定されない。
【0158】
本開示はさらに、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体に、有形記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、
図4~
図9を参考に上述したプロセス又は方法を実行するために、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスにおいて実行されプログラムモジュールに含まれる、コンピュータが実行可能な命令等を含む。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実現するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。プログラムモジュールの機能は、各実施形態での必要に応じて、プログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割してもよい。プログラムモジュールのマシン可読命令は、ローカルデバイス又は分散型デバイスにおいて実行してもよい。分散型デバイスにおいて、プログラムモジュールはローカルの記憶媒体及びリモートの記憶媒体の両方に置いてもよい。
【0159】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1種類又は複数種類のプログラミング言語の任意の組合せにより記述してもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供してもよく、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/操作を実現することができる。プログラムコードは全てマシン上で実行するか、部分的にマシン上で実行するか、独立したソフトウェアパッケージとして実行するか、マシン上で部分的に実行するとともにリモートのマシン上で部分的に実行するか、又は全てリモートのマシン若しくはサーバ上で実行してもよい。
【0160】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上に含まれていてよく、当該マシン可読媒体は、命令実行システム、装置若しくはデバイスにより使用されるプログラム、又は、命令実行システム、装置若しくはデバイスと結合して使用されるプログラムを含むか又は格納する任意の有形媒体であり得る。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体であり得る。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、装置若しくはデバイス、又は前述の任意の適切な組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のより具体的な例には、1つ若しくは複数のケーブルの電気的接続、携帯用コンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は前述の任意の適切な組合せが含まれる。
【0161】
なお、操作について、特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした操作を示された特定の順序で実行するか若しくは順に実行するか、又は、図示された全ての操作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。いくつかの状況では、複数のタスク及び並行処理が有利である可能性がある。同様に、上述の議論では、いくつかの特定の実施の詳細が含まれるが、これらの詳細は本開示の範囲に対する限定であると解釈されるべきではなく、特定の実施形態が持つ特徴についての説明であると解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈において説明したいくつかの特徴は、ある1つの実施形態において組み合わせて実現されてもよい。逆に、1つの実施形態の文脈において説明された各種特徴は、複数の実施形態において単独で、又は任意の適切なサブ的な組合せにより、実現されてもよい。
【0162】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法・動作の専門の言葉で説明したが、添付の請求項によって限定される本開示は、必ずしも上述の具体的な特徴又は動作に限定されないと理解されるべきである。前述の具体的な特徴や動作はむしろ、請求項を実現する例示的形態として開示されている。