(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】処理管理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240402BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240402BHJP
【FI】
G06F3/12 303
G06F3/12 329
G06F3/12 359
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2023039044
(22)【出願日】2023-03-13
(62)【分割の表示】P 2018139802の分割
【原出願日】2018-07-25
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 公彦
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-149388(JP,A)
【文献】特開2000-032200(JP,A)
【文献】特開2016-206694(JP,A)
【文献】特開2017-062682(JP,A)
【文献】特開2015-154379(JP,A)
【文献】特開2014-215912(JP,A)
【文献】特開平05-250483(JP,A)
【文献】特開平11-045251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理装置の性能情報に基づいて導出された処理計画と、実際に処理している前記処理装置の処理状況とを取得し、前記処理装置の前記処理状況を含む情報である処理情報を表示させる制御を行う制御部、
を備え、
前記制御部は、
前記処理情報として、前記処理装置を識別するための情報、前記処理装置の稼働状況、及び、予定処理枚数に対する処理実績枚数の割合を示す情報を処理装置毎に表示し、
前記処理装置の性能情報は、前記処理装置が単位時間当たりに処理可能な枚数を示す第1処理速度を含み、
前記処理計画は、予め定められた計画枚数及び前記第1処理速度に基づき導出される第1処理時間を含み、
前記処理状況は、前記計画枚数のうちの処理済み枚数に応じた処理経過時間と、前記計画枚数のうちの処理残枚数及び前記処理装置が実際に処理した場合における単位時間当たりの枚数を示す第2処理速度に基づき導出される第2処理時間とを含み、
前記制御部は、前記第1処理時間、前記処理経過時間、及び前記第2処理時間に基づいて、前記処理情報の表示を更新する制御を行い、
前記第2処理速度は、処理時における湿度の条件に基づいて得られる値である、
処理管理装置。
【請求項2】
処理装置の性能情報に基づいて導出された処理計画と、実際に処理している前記処理装置の処理状況とを取得し、前記処理装置の前記処理状況を含む情報である処理情報を表示させる制御を行う制御部、
を備え、
前記制御部は、
前記処理情報として、前記処理装置を識別するための情報、前記処理装置の稼働状況、及び、予定処理枚数に対する処理実績枚数の割合を示す情報を処理装置毎に表示し、
前記処理装置の性能情報は、前記処理装置が単位時間当たりに処理可能な枚数を示す第1処理速度を含み、
前記処理計画は、予め定められた計画枚数及び前記第1処理速度に基づき導出される第1処理時間を含み、
前記処理状況は、前記計画枚数のうちの処理済み枚数に応じた処理経過時間と、前記計画枚数のうちの処理残枚数及び前記処理装置が実際に処理した場合における単位時間当たりの枚数を示す第2処理速度に基づき導出される第2処理時間とを含み、
前記制御部は、前記第1処理時間、前記処理経過時間、及び前記第2処理時間に基づいて、前記処理情報の表示を更新する制御を行い、
前記第2処理速度は、処理時における温度の条件に基づいて得られる値である、
処理管理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記予定処理枚数に対する処理実績枚数の割合を示す情報として、円形のグラフおよび、当該円形のグラフの内部に当該割合を百分率で表した数字を表示させる制御を行う、
請求項1に記載の処理管理装置。
【請求項4】
前記処理装置を識別するための情報は、処理装置名である、
請求項1に記載の処理管理装置。
【請求項5】
前記処理装置の稼働状況は、稼働中の旨を示す状況を含む、
請求項1に記載の処理管理装置。
【請求項6】
前記処理装置の稼働状況は、エラー発生中の旨を示す状況を含む、
請求項1に記載の処理管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、複数の工作機械に割り付けた作業工程の中の遅延工程を抽出する方法が記載されている。この方法は、各作業工程の開始予定時刻、完了予定時刻及び作業予定部品数を計画情報として電子計算機に予め登録しておくとともに、各作業工程の開始時刻、現在時刻における進捗状況、完了時刻(その作業工程が実行状態にある場合は現在時刻)及び作業完了部品数(その作業工程が実行状態にある場合は現在時刻までの作業完了部品数)を実績情報として電子計算機に入力しておく。この方法は、作業工程を管理する必要が生じたときは、実績情報に基づいて各作業工程の進捗状況を電子計算機に判定させ、いずれかの作業工程が完了状態にある場合は、当該工程の完了時刻と完了予定時刻を電子計算機に比較させて遅延工程を抽出する。一方、この方法は、いずれかの作業工程が実行状態にある場合は、現在時刻までの作業完了部品数に基づいて当該工程の完了見込時刻を電子計算機に算出させ、かつ、当該見込時刻とその作業工程の完了予定時刻を電子計算機に比較させて遅延工程を抽出する。
【0003】
また、特許文献2には、生産計画に基づく生産実績の利用者への認知及び生産実績のプロファイルへの反映を両立可能な情報処理装置が記載されている。この情報処理装置は、所定の処理工程の処理時間を規定するプロファイルを利用して作成された作業計画に基づいて実行した所定の処理工程の作業実績に係る実績情報を取得する取得手段を有する。この情報処理装置は、取得手段により取得したN個の実績情報において、所定の処理工程に関して作業計画と比較し遅延が発生した作業実績の回数を示す遅延実績情報を管理する遅延実績管理手段と、プロファイルを利用して作成された新規の作業計画を表示装置に表示する表示制御手段とを有する。この表示制御手段は、遅延実績情報に基づいて、新規の作業計画に含まれる所定の処理工程に関して所定の処理工程に遅延が発生する可能性を示す追加情報を併せて表示装置に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-201747号公報
【文献】特開2017-91223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、複数の処理装置における処理状況を把握することができる処理管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の処理管理装置は、処理装置の性能情報に基づいて導出された処理計画と、実際に処理している前記処理装置の処理状況とを取得し、前記処理装置の前記処理状況を含む情報である処理情報を表示させる制御を行う制御部、を備え、前記制御部は、前記処理情報として、前記処理装置を識別するための情報、前記処理装置の稼働状況、及び、予定処理枚数に対する処理実績枚数の割合を示す情報を処理装置毎に表示し、前記処理情報を処理装置毎に一つの図形内に表示し、前記図形を構成する最も長い辺に垂直な方向に前記図形を隣接して並べて表示させる制御を行う。
【0007】
また、請求項2に記載の処理管理装置は、請求項1に記載の発明において、前記制御部が、前記予定処理枚数に対する処理実績枚数の割合を示す情報として、円形のグラフおよび、当該円形のグラフの内部に当該割合を百分率で表した数字を表示させる制御を行う。
【0008】
また、請求項3に記載の処理管理装置は、請求項1に記載の発明において、前記処理装置を識別するための情報が、処理装置名である。
【0009】
また、請求項4に記載の処理管理装置は、請求項1に記載の発明において、前記処理装置の稼働状況が、稼働中の旨を示す状況を含む。
【0010】
また、請求項5に記載の処理管理装置は、請求項1に記載の発明において、前記処理装置の稼働状況が、エラー発生中の旨を示す状況を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の処理装置における処理状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係る印刷管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る印刷管理装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る印刷管理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る変数管理テーブルの一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る各変数と余力との対応関係の説明に供する模式図である。
【
図6】実施形態に係る温湿度条件テーブルの一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る用紙条件テーブルの一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係るエラー対処テーブルの一例を示す図である。
【
図9】実施形態に係る装置特性テーブルの一例を示す図である。
【
図10】第1の実施形態に係る印刷管理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係る印刷管理画面の一例を示す正面図である。
【
図12】第2の実施形態に係る印刷管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図13】実施形態に係る後処理管理画面の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る印刷管理システム90Aの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る印刷管理システム90Aは、印刷管理装置10Aと、複数の印刷装置50A、50B、50C、・・・と、を備えている。
【0015】
本実施形態に係る印刷管理装置10Aとしては、例えば、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置や、スマートフォン、タブレット端末等の携帯型のコンピュータ装置等が適用される。また、本実施形態においては、複数の印刷装置50A、50B、50C、・・・を例示して説明するが、本実施形態は、1つの印刷装置であっても同様に適用される。
【0016】
本実施形態に係る印刷管理装置10Aは、ネットワークNを介して、複数の印刷装置50A、50B、50C、・・・の各々と接続されている。なお、ネットワークNには、一例として、インターネットや、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等が適用される。以下、これら複数の印刷装置50A、50B、50C、・・・を区別して説明する必要がない場合には、これらを総称して単に印刷装置50ともいう。
【0017】
図2は、第1の実施形態に係る印刷管理装置10Aの電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係る印刷管理装置10Aは、制御部12と、記憶部14と、表示部16と、操作部18と、通信部20と、を備えている。
【0018】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)12A、ROM(Read Only Memory)12B、RAM(Random Access Memory)12C、及び入出力インターフェース(I/O)12Dを備えており、これら各部がバスを介して各々接続されている。
【0019】
I/O12Dには、記憶部14と、表示部16と、操作部18と、通信部20と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O12Dを介して、CPU12Aと相互に通信可能とされる。
【0020】
制御部12は、印刷管理装置10Aの一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、印刷管理装置10Aの全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部12の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部12の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0021】
記憶部14としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部14には、本実施形態に係る印刷管理機能を実現するための印刷管理プログラム14Aが記憶される。なお、この印刷管理プログラム14Aは、ROM12Bに記憶されていてもよい。また、記憶部14には、変数管理テーブル14B、温湿度条件テーブル14C、用紙条件テーブル14D、エラー対処テーブル14E、及び装置特性テーブル14Fが記憶されている。
【0022】
印刷管理プログラム14Aは、例えば、印刷管理装置10Aに予めインストールされていてもよい。印刷管理プログラム14Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、印刷管理装置10Aに適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0023】
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有していてもよい。操作部18には、例えば、キーボードやマウス等の操作入力用のデバイスが設けられている。表示部16及び操作部18は、印刷管理装置10Aのユーザから各種の指示を受け付ける。表示部16は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0024】
通信部20は、インターネットや、LAN、WAN等のネットワークNに接続されており、複数の印刷装置50との間でネットワークNを介して通信が可能とされる。ネットワークNを介しての通信は、有線通信でもよいし、無線通信でもよい。
【0025】
本実施形態に係る印刷管理装置10Aは、印刷装置50の印刷計画に対して、生産余力を把握するための表示を行う。
【0026】
このため、本実施形態に係る印刷管理装置10AのCPU12Aは、記憶部14に記憶されている印刷管理プログラム14AをRAM12Cに書き込んで実行することにより、
図3に示す各部として機能する。
【0027】
図3は、第1の実施形態に係る印刷管理装置10Aの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る印刷管理装置10AのCPU12Aは、取得部30、導出部32、及び表示制御部34として機能する。なお、表示制御部34は、制御部の一例である。
【0028】
本実施形態に係る取得部30は、印刷装置50から、印刷装置50の性能情報や、印刷済み枚数、印刷経過時間等の計測情報等を取得し、取得した性能情報や計測情報等を、一例として、変数管理テーブル14Bに格納する。ここで、印刷装置50の性能情報は、第1印刷速度を含む。第1印刷速度は、印刷装置50の性能を示す指標の1つであり、印刷装置50が単位時間当たりに印刷可能な枚数として示される。第1印刷速度の単位としては、一例として、PPM(Pages Per Minutes:枚/分)が適用される。なお、ここでいう枚数とは、1つの印刷面を1枚とカウントし、両面印刷の場合には、2つの印刷面があるため、2枚とカウントされる。
【0029】
本実施形態に係る導出部32は、印刷装置50についての印刷計画を導出すると共に、実際に印刷している印刷装置50の印刷状況を導出する。ここで、印刷計画は、第1印刷時間を含む。第1印刷時間は、予め定められた計画枚数及び第1印刷速度に基づいて導出される。第1印刷時間には、一例として、計画枚数を第1印刷速度で除した値を適用してもよい。計画枚数とは、印刷装置50について予め計画された印刷枚数であり、ユーザにより適宜設定される。また、印刷状況は、印刷経過時間と、第2印刷時間とを含む。印刷経過時間は、計画枚数のうちの印刷済み枚数に応じて定まる時間である。これらの印刷済み枚数及び印刷経過時間は、印刷装置50により常時又は定期的に計測されている。第2印刷時間は、計画枚数のうちの印刷残枚数及び第2印刷速度に基づいて導出される。第2印刷時間には、一例として、印刷残枚数を第2印刷速度で除した値を適用してもよい。印刷残枚数は、計画枚数から印刷済み枚数を減じて得られる。第2印刷速度は、印刷装置50が実際に印刷した場合における単位時間当たりの枚数として示される。第2印刷速度は、一例として、印刷済み枚数を、印刷経過時間の計測値で除して得られる。第2印刷速度の単位としては、第1印刷速度と同様にPPMが適用される。
【0030】
図4は、本実施形態に係る変数管理テーブル14Bの一例を示す図である。
図4に示すように、第1印刷速度はPPM1、第2印刷速度はPPM2と表される。単位は[枚/分]である。また、計画枚数はPPGPL、印刷済み枚数はPPGPFと表される。単位は[枚]である。また、印刷経過時間の計測値はTM1、印刷時間の統計値(用紙の種類、サイズ)はTM2(後述)と表される。単位は[分]である。また、印刷装置50の1日当たりの稼働時間は予め定められており、この稼働時間はWTMと表される。単位は[分]である。また、第1印刷時間はDTM1、第2印刷時間はDTM2と表される。単位は[分]である。
【0031】
図5は、本実施形態に係る各変数と余力との対応関係の説明に供する模式図である。
図5の左図は計画時における各変数と余力との対応関係を示し、
図5の右図は実行時における各変数と余力との対応関係を示す。
【0032】
本実施形態に係る表示制御部34は、導出部32により導出された印刷計画及び印刷状況に基づいて、印刷装置50の余力を示す情報を表示させる制御を行う。
【0033】
まず、
図4及び
図5の左図を参照して、印刷計画時における余力について説明する。印刷装置50における1日当たりの最大印刷枚数MPPは、
【0034】
MPP=WTM×PPM1 ・・・(1)
【0035】
により導出される。一方、第1印刷時間DTM1は、
【0036】
DTM1=PPGPL/PPM1 ・・・(2)
【0037】
により導出される。このときの余力を時間(余力時間)で表す場合、この余力時間MTは、
【0038】
MT=WTM-DTM1 ・・・(3)
【0039】
により導出される。また、余力を枚数(余力枚数)で表す場合、この余力枚数MPは、
【0040】
MP=(WTM-DTM1)×PPM1 ・・・(4)
【0041】
により導出される。上記で導出した余力時間MT及び余力枚数MPは、計画時点での初期値とされる。
【0042】
次に、
図4及び
図5の右図を参照して、印刷実行時における余力について説明する。印刷装置50で印刷の実行が開始された後のある時点Tにおいて、当該時点TにおけるPPGPF及びTM1が取得される。第2印刷時間DTM2は、
【0043】
DTM2=(PPGPL-PPGPF)/PPM2 ・・・(5)
【0044】
により導出される。なお、ここでは、
【0045】
PPM2=PPGPF/TM1 ・・・(6)
【0046】
である。このとき、PPM1=PPM2である場合には、
【0047】
TM1+DTM2=DTM1 ・・・(7)
【0048】
の関係が成立する。すなわち、計画通りに印刷が実行されており、余力の表示は初期値のままとされる。
【0049】
一方、本実施形態に係る表示制御部34は、上述の第1印刷時間、印刷経過時間、及び第2印刷時間に基づいて、印刷装置50の余力を示す情報の表示を更新する制御を行う。例えば、印刷経過時間及び第2印刷時間の合計時間が第1印刷時間と異なる場合に、印刷装置50の余力を示す情報の表示を更新する。なお、ここでいう「異なる」とは、合計時間と第1印刷時間との差が、予め定められた時間以上(一例として、10分以上等)である場合とされる。
図5の例では、(TM1+DTM2)がDTM1と異なる場合、計画通りに印刷が実行されておらず、余力の表示が更新される。具体的に、
【0050】
(TM1+DTM2)>DTM1 ・・・(8)
【0051】
である場合、計画よりも遅れて完了する見込みであることを示し、一方、
【0052】
(TM1+DTM2)<DTM1 ・・・(9)
【0053】
である場合、計画よりも早く完了する見込みであることを示している。この場合、印刷装置50の余力を示す情報は、一例として、稼働時間から印刷経過時間及び第2印刷時間の合計時間を減じて得られる余力時間に、第2印刷速度を乗じて得られる余力枚数として表される。すなわち、余力枚数MPは、
【0054】
MP={WTM-(TM1+DTM2)}×PPM2 ・・・(10)
【0055】
として導出される。
【0056】
なお、上記の第2印刷速度としては、印刷済み枚数を、用紙の種類及びサイズの少なくとも一方に応じた印刷時間の統計値で除して得られる値を採用してもよい。ここでいう印刷時間の統計値は、上述の
図4に示すTM2に相当し、用紙1枚当たりの印刷時間の統計値に印刷済み枚数を乗じることで得られる。なお、用紙の種類には、一例として、普通紙、エンボス紙、再生紙、カスタム紙等が挙げられる。また、用紙のサイズには、一例として、B5、Let(レター)、A4、B4、A3等が挙げられる。例えば、用紙の種類毎に、用紙1枚当たりの印刷に要した印刷時間の実績値の集合から統計値を予め得ておくとよい。同様に、用紙のサイズ毎、あるいは、用紙の種類及びサイズ毎に統計値を得るようにしてもよい。この統計値としては、一例として、平均値や、中央値、最頻値等が適用される。
【0057】
また、上記の第2印刷速度としては、印刷済み枚数を、用紙の種類及びサイズの少なくとも一方と、印刷時における温度及び湿度の条件とに応じた印刷時間の統計値で除して得られる値を採用してもよい。
【0058】
ここで、
図6及び
図7を参照して、用紙の種類及びサイズと、温度及び湿度の条件とを用いて、第2印刷速度を導出する形態について説明する。
【0059】
図6は、本実施形態に係る温湿度条件テーブル14Cの一例を示す図である。
また、
図7は、本実施形態に係る用紙条件テーブル14Dの一例を示す図である。
【0060】
図6に示す温湿度条件テーブル14Cでは、温度及び湿度に応じて条件1~16がマトリクス状に格納されている。印刷時の温度及び湿度に基づいて、温湿度条件テーブル14Cを参照することで、条件1~16の中からいずれかの条件が選択される。そして、選択された条件に基づいて、
図7に示す用紙条件テーブル14Dを特定する。
【0061】
図7に示す用紙条件テーブル14Dは、温湿度条件テーブル14Cにおける条件1~16の各々に対応して設けられている。また、用紙条件テーブル14Dは、用紙の種類及びサイズに応じて紙1枚当たりの印刷時間の統計値X1、X2、・・・が格納されている。
【0062】
次に、
図8を参照して、エラーの発生を検知した場合の形態について説明する。
【0063】
図8は、本実施形態に係るエラー対処テーブル14Eの一例を示す図である。
図8に示すエラー対処テーブル14Eでは、エラー種別毎に、エラーの対処に必要な予め規定された時間が格納されている。この予め規定された時間には、一例として、エラーの対処に要した時間の実績値の集合から得られる統計値を採用してもよい。ここでいう統計値としては、上述した平均値や、中央値、最頻値等が適用される。
【0064】
本実施形態に係る表示制御部34は、エラーの発生を検知した場合に、エラーの対処に必要な時間を、一例として、
図8に示すエラー対処テーブル14Eから取得し、取得した時間を、余力時間から減じる制御を行う。なお、
図8に示すエラー種別には、操作ミス、用紙ジャム、用紙補給、消耗品交換、装置チェック、装置エラー、前後処理機エラー、入力データエラー、RIP(Raster Image Processor)エラー、及びシステムダウン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
次に、
図9を参照して、印刷装置50が複数台である場合の形態について説明する。なお、複数台の印刷装置50としては、自社の印刷装置に限らず、外注業者の印刷装置が含まれる形態としてもよい。
【0066】
図9は、本実施形態に係る装置特性テーブル14Fの一例を示す図である。
図9に示す装置特性テーブル14Fでは、複数台の印刷装置50の各々についての特性情報が格納されている。この特性情報には、一例として、用紙、PPM、白黒/カラー、及び印刷方式等が含まれる。また、同一の特性を有する印刷装置50がグループ化されている。例えば、Aグループでは、印刷方式が「インクジェット」及び白黒/カラーが「カラー」の特性を有する印刷装置50が含まれる。Bグループでは、印刷方式が「トナー」及び白黒/カラーが「白黒」の特性を有する印刷装置50が含まれる。Cグループでは、印刷方式が「トナー」及び白黒/カラーが「カラー」の特性を有する印刷装置50が含まれる。
【0067】
本実施形態に係る表示制御部34は、複数台の印刷装置50の各々についての余力を示す情報の表示を更新する制御を行う。なお、複数台の印刷装置50の各々は、同一の特性を有しており、同一のグループに属していることが望ましい。
図9に示す装置特性テーブル14Fにおいて、例えば、「連帳#2」の印刷装置50を使用しており、同じグループAの「連帳#1」の印刷装置50を併用する場合、これら2台分の余力枚数MPは、
【0068】
MP={WTM-(TM1+DTM2)}×(PPM2+1300) ・・・(11)
【0069】
と導出される。但し、「1300」は、「連帳#1」の印刷装置50の印刷速度を示す。
【0070】
このように同一のグループに属する複数台の印刷装置50を余力表示の対象とすることで、追加の印刷を割り当てる印刷装置の選択が容易になる。
【0071】
次に、
図10を参照して、第1の実施形態に係る印刷管理装置10Aの作用を説明する。
【0072】
図10は、第1の実施形態に係る印刷管理プログラム14Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0073】
まず、印刷管理装置10Aの電源がオンされて起動されると、印刷管理プログラム14Aが起動され、以下の各ステップを実行する。
【0074】
図10のステップ100では、取得部30が、ユーザから入力を受け付けた計画枚数を取得する。なお、第1印刷速度は、印刷装置50から予め取得されており、一例として、
図4に示す変数管理テーブル14Bに格納されている。
【0075】
ステップ102では、導出部32が、計画枚数及び第1印刷速度に基づいて第1印刷時間を導出する。第1印刷時間は、一例として、計画枚数を第1印刷速度で除することで導出される。更に、導出部32は、稼働時間から第1印刷時間を減じて得られる余力時間、及び、余力時間に第1印刷速度を乗じて得られる余力枚数を導出する。
【0076】
ステップ104では、表示制御部34が、ステップ102で導出された余力枚数を、余力を示す情報の初期値として表示部16に表示させる制御を行う。
【0077】
ステップ106では、取得部30が、実際に印刷を行っている印刷装置50から、印刷装置50の印刷経過時間及び印刷済み枚数を取得し、一例として、
図4に示す変数管理テーブル14Bに格納する。
【0078】
ステップ108では、導出部32が、印刷装置50の第2印刷速度を導出する。この第2印刷速度は、一例として、印刷済み枚数を、印刷経過時間の計測値で除することで導出される。また、印刷済み枚数を、用紙の種類及びサイズの少なくとも一方に応じた印刷時間の統計値で除することで導出してもよい。この場合、一例として、上述の
図7に示す用紙条件テーブル14Dが用いられる。また、印刷済み枚数を、用紙の種類及びサイズの少なくとも一方と、印刷時における温度及び湿度の条件とに応じた印刷時間の統計値で除することで導出してもよい。この場合、一例として、上述の
図6に示す温湿度条件テーブル14C、及び、
図7に示す用紙条件テーブル14Dが用いられる。
【0079】
ステップ110では、導出部32が、印刷残枚数及び第2印刷速度に基づいて第2印刷時間を導出する。印刷残枚数は、計画枚数から印刷済み枚数を減じることで導出される。第2印刷時間は、一例として、印刷残枚数を第2印刷速度で除することで導出される。
【0080】
ステップ112では、表示制御部34が、一例として、印刷経過時間及び第2印刷時間の合計時間が第1印刷時間と異なるか否かを判定する。合計時間が第1印刷時間と異なると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップ114に移行し、合計時間が第1印刷時間と同じと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ116に移行する。
【0081】
ステップ114では、表示制御部34が、余力を示す情報の表示を更新する。具体的に、稼働時間から合計時間(印刷経過時間+第2印刷時間)を減じて得られる余力時間に、第2印刷速度を乗じて得られる余力枚数として更新する。
【0082】
ステップ116では、表示制御部34が、印刷管理に係る処理を終了するか否かを判定する。印刷管理に係る処理を終了しないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップ106に戻り処理を繰り返し、印刷管理に係る処理を終了すると判定した場合(肯定判定の場合)、本印刷管理プログラム14Aによる一連の処理を終了する。
【0083】
図11は、本実施形態に係る印刷管理画面の一例を示す正面図である。
図11に示す印刷管理画面は、印刷管理装置10Aで管理される複数の印刷装置50の各々についての印刷状態を一覧で表示する画面である。
【0084】
本実施形態に係る印刷管理装置10Aは、一例として、
図11に示す「XXX#1」~「XXX#10」の複数の印刷装置50の印刷状態を管理している。例えば、「XXX#1」の印刷装置50の場合、「プリント中」の状態を示しており、印刷状況71と、生産余力72とが表示されている。印刷状況71では、計画枚数の1000枚に対して、印刷済み枚数が540枚とされている。この場合、印刷の進捗率は、54%(100×540/1000)と表示されている。一方、このときの生産余力72は、上述の方法により導出される余力枚数を表している。この例では、1500枚と表示されている。その他の印刷装置50についても同様に印刷状態が表示されている。但し、「XXX#3」の印刷装置50は、「接続エラー」の状態を示し、「XXX#4」の印刷装置50は、「エラー」の状態を示している。また、「XXX#5」の印刷装置50は、「電源OFF」の状態を示し、「XXX#10」の印刷装置50は、「待機中」の状態を示している。
【0085】
このように本実施形態によれば、印刷装置の生産余力が把握される。ユーザは生産余力を見ながら、追加の印刷の割り当てを調整して、印刷処理の効率化を図ることが可能とされる。
【0086】
[第2の実施形態]
本実施形態では、印刷装置に接続された後処理装置についても余力を示す情報を表示させる形態について説明する。
【0087】
図12は、第2の実施形態に係る印刷管理システム90Bの構成の一例を示す図である。
図12に示すように、本実施形態に係る印刷管理システム90Bは、印刷管理装置10Bと、複数の印刷装置50A、50B、50C、・・・と、複数の後処理装置60A、60B、60C、・・・と、を備えている。
【0088】
本実施形態に係る後処理装置60Aは、印刷装置50Aに接続されている。同様に、後処理装置60Bは、印刷装置50Bに接続されており、後処理装置60Cは、印刷装置50Cに接続されている。以下、これら複数の後処理装置60A、60B、60C、・・・を区別して説明する必要がない場合には、これらを総称して単に後処理装置60ともいう。本実施形態に係る後処理装置60は、印刷装置50で生成された印刷物に対して、製本や、断裁等の各種の後処理を行う装置である。
【0089】
次に、上述の
図3を参照して、本実施形態に係る印刷管理装置10Bの機能的な構成について説明する。本実施形態に係る印刷管理装置10BのCPU12Aは、第1の実施形態と同様に、取得部30、導出部32、及び表示制御部34として機能する。
【0090】
本実施形態に係る取得部30は、後処理装置60から、後処理装置60の性能情報や、処理済み冊数、処理経過時間等の計測情報等を取得する。ここで、後処理装置60の性能情報は、第1処理速度を含む。第1処理速度は、後処理装置60の性能を示す指標の1つであり、後処理装置60が単位時間当たりに処理可能な冊数として示される。
【0091】
本実施形態に係る導出部32は、後処理装置60についての後処理計画を導出すると共に、実際に処理している後処理装置60の後処理状況を導出する。ここで、後処理計画は、第1処理時間を含む。第1処理時間は、予め定められた計画冊数及び第1処理速度に基づいて導出される。第1処理時間には、一例として、計画冊数を第1処理速度で除した値を適用してもよい。計画冊数とは、後処理装置60について予め計画された冊数であり、印刷装置50での計画枚数に対応している。また、後処理状況は、処理経過時間と、第2処理時間とを含む。処理経過時間は、計画冊数のうちの処理済み冊数に応じて定まる時間である。これらの処理済み冊数及び処理経過時間は、後処理装置60により常時又は定期的に計測されている。第2処理時間は、計画冊数のうちの処理残冊数及び第2処理速度に基づいて導出される。第2処理時間には、一例として、処理残冊数を第2処理速度で除した値を適用してもよい。処理残冊数は、計画冊数から処理済み冊数を減じて得られる。第2処理速度は、後処理装置60が実際に処理した場合における単位時間当たりの冊数として示される。第2処理速度は、一例として、処理済み冊数を、処理経過時間の計測値で除して得られる。
【0092】
本実施形態に係る表示制御部34は、導出部32により導出された後処理計画及び後処理状況に基づいて、後処理装置60の余力を示す情報を表示させる制御を行う。
【0093】
まず、後処理計画時における余力について説明する。なお、本実施形態では、第1処理速度をCPM1、第2処理速度をCPM2とする。単位は[冊/分]である。また、計画冊数をCPGPL、処理済み冊数をCPGPFとする。単位は[冊]である。また、処理経過時間の計測値をTM3、第1処理時間をETM1、第2処理時間をETM2、稼働時間をWTMとする。単位は[分]である。
【0094】
後処理装置60における1日当たりの最大処理冊数MPCは、
【0095】
MPC=WTM×CPM1 ・・・(12)
【0096】
により導出される。一方、第1処理時間ETM1は、
【0097】
ETM1=CPGPL/CPM1 ・・・(13)
【0098】
により導出される。このときの余力を時間(余力時間)で表す場合、この余力時間MMは、
【0099】
MM=WTM-ETM1 ・・・(14)
【0100】
により導出される。また、余力を冊数(余力冊数)で表す場合、この余力冊数MCは、
【0101】
MC=(WTM-ETM1)×CPM1 ・・・(15)
【0102】
により導出される。上記で導出した余力時間MM及び余力冊数MCは、計画時点での初期値とされる。
【0103】
次に、後処理実行時における余力について説明する。後処理装置60で後処理の実行が開始された後のある時点Tにおいて、当該時点TにおけるCPGPF及びTM3が取得される。第2処理時間ETM2は、
【0104】
ETM2=(CPGPL-CPGPF)/CPM2 ・・・(16)
【0105】
により導出される。なお、ここでは、
【0106】
CPM2=CPGPF/TM3 ・・・(17)
【0107】
である。このとき、CPM1=CPM2である場合には、
【0108】
TM3+ETM2=ETM1 ・・・(18)
【0109】
の関係が成立する。すなわち、計画通りに後処理が実行されており、余力の表示は初期値のままとされる。
【0110】
また、第1の実施形態の場合と同様に、表示制御部34は、上述の第1処理時間、処理経過時間、及び第2処理時間に基づいて、後処理装置60の余力を示す情報の表示を更新する制御を行う。例えば、処理経過時間及び第2処理時間の合計時間が第1処理時間と異なる場合に、後処理装置60の余力を示す情報の表示を更新する。なお、ここでいう「異なる」とは、合計時間と第1処理時間との差が、予め定められた時間以上(一例として、10分以上等)である場合とされる。(TM3+ETM2)がETM1と異なる場合、計画通りに後処理が実行されておらず、余力の表示が更新される。具体的に、
【0111】
(TM3+ETM2)>ETM1 ・・・(19)
【0112】
である場合、計画よりも遅れて完了する見込みであることを示し、一方、
【0113】
(TM3+ETM2)<ETM1 ・・・(20)
【0114】
である場合、計画よりも早く完了する見込みであることを示している。この場合、後処理装置60の余力を示す情報は、一例として、稼働時間から処理経過時間及び第2処理時間の合計時間を減じて得られる余力時間に、第2処理速度を乗じて得られる余力冊数として表される。すなわち、余力冊数MCは、
【0115】
MC={WTM-(TM3+ETM2)}×CPM2 ・・・(21)
【0116】
として導出される。
【0117】
なお、上記の第2処理速度としては、処理済み冊数を、用紙の種類及びサイズの少なくとも一方に応じた処理時間の統計値で除して得られる値を採用してもよい。ここでいう処理時間の統計値は、用紙1冊当たりの処理時間の統計値に処理済み冊数を乗じることで得られる。なお、用紙の種類には、一例として、普通紙、エンボス紙、再生紙、カスタム紙等が挙げられる。また、用紙のサイズには、一例として、B5、Let(レター)、A4、B4、A3等が挙げられる。例えば、用紙の種類毎に、用紙1冊当たりの処理時間の実績値の集合から統計値を予め得ておくとよい。同様に、用紙のサイズ毎、あるいは、用紙の種類及びサイズ毎に統計値を得るようにしてもよい。この統計値としては、一例として、平均値や、中央値、最頻値等が適用される。
【0118】
また、上記の第2処理速度としては、処理済み冊数を、用紙の種類及びサイズの少なくとも一方と、印刷時における温度及び湿度の条件とに応じた処理時間の統計値で除して得られる値を採用してもよい。
【0119】
図13は、本実施形態に係る後処理管理画面の一例を示す正面図である。
図13に示す後処理管理画面は、印刷管理装置10Bで管理される複数の後処理装置60の各々についての後処理状態を一覧で表示する画面である。
【0120】
本実施形態に係る印刷管理装置10Bは、一例として、
図13に示す「YYY#1」~「YYY#10」の複数の後処理装置60の後処理状態を管理している。例えば、「YYY#1」の後処理装置60の場合、「稼働中」の状態を示しており、後処理状況73と、生産余力74とが表示されている。後処理状況73では、計画冊数の1000冊に対して、処理済み冊数が540冊とされている。この場合、後処理の進捗率は、54%(100×540/1000)と表示されている。一方、このときの生産余力74は、上述の方法により導出される余力冊数を表している。この例では、1500冊と表示されている。その他の後処理装置60についても同様に後処理状態が表示されている。但し、「YYY#3」の後処理装置60は、「接続エラー」の状態を示し、「YYY#4」の後処理装置60は、「エラー」の状態を示している。また、「YYY#5」の後処理装置60は、「電源OFF」の状態を示し、「YYY#10」の後処理装置60は、「待機中」の状態を示している。
【0121】
このように本実施形態によれば、後処理装置の生産余力が把握される。ユーザは生産余力を見ながら、追加の後処理の割り当てを調整して、後処理の効率化を図ることが可能とされる。
【0122】
以上、実施形態に係る印刷管理装置を例示して説明した。実施形態は、印刷管理装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体の形態としてもよい。
【0123】
その他、上記実施形態で説明した印刷管理装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0124】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0125】
また、上記実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0126】
10A、10B 印刷管理装置
12 制御部
12A CPU
12B ROM
12C RAM
12D I/O
14 記憶部
14A 印刷管理プログラム
16 表示部
18 操作部
20 通信部
30 取得部
32 導出部
34 表示制御部
50、50A~50C 印刷装置
60、60A~60C 後処理装置
71 印刷状況
72 生産余力
73 後処理状況
74 生産余力
90A、90B 印刷管理システム