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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】ボトルキャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/36 20060101AFI20240402BHJP
   B65D 41/46 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
B65D47/36 200
B65D47/36 210
B65D41/46
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020024759
(22)【出願日】2020-02-17
(65)【公開番号】P2021127170
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】518422390
【氏名又は名称】株式会社フェイスアップ
(74)【代理人】
【識別番号】100126310
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】河島 康仁
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/022736(WO,A1)
【文献】特開平07-257563(JP,A)
【文献】特開2017-024774(JP,A)
【文献】特開2005-289389(JP,A)
【文献】実開昭63-102660(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/36
B65D 41/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部に装着されて用いられ、前記筒状口部の開口端を覆う蓋部と、前記蓋部の開口部を閉塞する剥離部材とが設けられるボトルキャップにおいて、
前記剥離部材は、
一方端に幅狭突起部が突出され該幅狭突起部から幅拡大部を経て円形部へと連続する涙滴状に形成され、前記開口部の周縁と肉薄部を介して連続される本体部と、
前記本体部に前記蓋部の上面に対して離間を有するようにして配設され、前記幅狭突起部の突出方向と同じ方向に向けて水平に突設される掴み部と、を有してなり、
前記本体部の側面の内、前記掴み部の下面側に位置される前記幅狭突起部の突出方向側の側面、並びに前記幅狭突起部、前記幅拡大部及び前記円形部に形成される側面が、滑らかな連続面として形成され、下周縁から前記掴み部の下面に至るまで外側に向けて傾斜された傾斜面状に形成される、
ことを特徴とするボトルキャップ。
【請求項2】
ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部に装着されて用いられ、前記筒状口部の開口端を覆う蓋部と、前記蓋部の開口部を閉塞する剥離部材とが設けられるボトルキャップにおいて、
前記剥離部材は、
一方端に幅狭突起部が突出される涙滴状に形成され、前記開口部の周縁と肉薄部を介して連続される本体部と、
前記本体部に前記蓋部の上面に対して離間を有するようにして配設され、前記幅狭突起部の突出方向と同じ方向に向けて水平に突設される掴み部と、を有してなり、
前記本体部の側面の内、前記掴み部の下面側に位置される前記幅狭突起部の突出方向側の側面を含む側面が下周縁から前記掴み部の縁部に至るまで外側に向けて傾斜された傾斜面状に形成される、
ことを特徴とするボトルキャップ。
【請求項3】
前記本体部は、前記幅狭突起部の突出方向側の側面が前記掴み部の中心線に沿って傾斜される請求項1又は請求項2に記載のボトルキャップ。
【請求項4】
前記本体部は、前記幅狭突起部の突出方向側の側面が直線状に傾斜される請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のボトルキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルキャップの技術に関し、より詳細には、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部に装着されて用いられ、筒状口部の開口端を覆う蓋部と、蓋部の開口部を閉塞する剥離部材とが設けられるボトルキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲料水等の液体が充填された液体容器を連結し、注ぎ口から液体容器内の飲料水を取り出して提供するウォーターサーバーが提案されている。通常、この種のウォーターサーバーに連結される液体容器は、筒状口部にボトルキャップが装着された状態で使用され、ウォーターサーバーに液体容器を連結する際には、ウォーターサーバーの給水軸がボトルキャップを介して液体容器内に挿入され、液体容器内の飲料水が機外に漏出することなく給水軸を介して注ぎ口へと供給される。
【0003】
従来のボトルキャップの構成としては、例えば、特許文献1に開示されるように、中央部にウォーターサーバーの給水軸が挿入される軸受部が形成され、筒状口部に水密状態で嵌合される内側部材と、軸受部の液体容器側の開口端に嵌脱可能に保持されるインナー部材と、内側部材が内部空間内に嵌合されて一体に組み付けられる外側部材等とが設けられている。かかる従来のボトルキャップでは、外側部材に筒状口部の開口端を覆う蓋部と、蓋部の開口部を閉塞する剥離部材とが設けられ、ウォーターサーバーに液体容器を連結する際には、蓋部より剥離部材を引き剥がして開口部を開口させて、内側部材の軸受部を外部に露出させるように構成されている。
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示される従来のボトルキャップの構成では、蓋部の開口部と肉薄部を介して連続される剥離部材の下周縁が円形状に形成されていたため、剥離部材の引剥開始点において肉薄部を破断させるための剪断力が分散し、特に、剥離部材の引き剥しの開始時が硬く、使用者にて大きな引っ張り力を要し、蓋部より剥離部材を引き剥がして開口部を開口するための作業性が悪いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-56704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明では、ボトルキャップに関し、前記従来の課題を解決するもので、剥離部材の引き剥がし開始時に要する引っ張り力を低減し、蓋部より剥離部材を容易に引き剥がして開口部を開口できるボトルキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
すなわち、請求項1においては、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部に装着されて用いられ、前記筒状口部の開口端を覆う蓋部と、前記蓋部の開口部を閉塞する剥離部材とが設けられるボトルキャップにおいて、前記剥離部材は、一方端に幅狭突起部が突出され該幅狭突起部から幅拡大部を経て円形部へと連続する涙滴状に形成され、前記開口部の周縁と肉薄部を介して連続される本体部と、前記本体部に前記蓋部の上面に対して離間を有するようにして配設され、前記幅狭突起部の突出方向と同じ方向に向けて水平に突設される掴み部と、を有してなり、前記本体部の側面の内、前記掴み部の下面側に位置される前記幅狭突起部の突出方向側の側面、並びに前記幅狭突起部、前記幅拡大部及び前記円形部に形成される側面が、滑らかな連続面として形成され、下周縁から前記掴み部の下面に至るまで外側に向けて傾斜された傾斜面状に形成されるものである。
【0009】
請求項2においては、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部に装着されて用いられ、前記筒状口部の開口端を覆う蓋部と、前記蓋部の開口部を閉塞する剥離部材とが設けられるボトルキャップにおいて、前記剥離部材は、一方端に幅狭突起部が突出される涙滴状に形成され、前記開口部の周縁と肉薄部を介して連続される本体部と、前記本体部に前記蓋部の上面に対して離間を有するようにして配設され、前記幅狭突起部の突出方向と同じ方向に向けて水平に突設される掴み部と、を有してなり、前記本体部の側面の内、前記掴み部の下面側に位置される前記幅狭突起部の突出方向側の側面を含む側面が下周縁から前記掴み部の縁部に至るまで外側に向けて傾斜された傾斜面状に形成されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記本体部は、前記幅狭突起部の突出方向側の側面が前記掴み部の中心線に沿って傾斜されるものである。
【0011】
請求項4においては、前記本体部は、前記幅狭突起部の突出方向側の側面が直線状に傾斜されるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、剥離部材の引き剥がし開始時に要する引っ張り力を低減し、蓋部より剥離部材を容易に引き剥がして開口部を開口できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例に係るボトルキャップの全体的な構成を示した斜視図である。
図2】ボトルキャップの平面図である。
図3図2におけるA-A矢視断面図である。
図4図2におけるB-B矢視断面図である。
図5】筒状口部にボトルキャップを装着した状態を示した断面図である。
図6】内側部材の軸孔内に給水軸を挿入した状態を示した断面図である。
図7】剥離部材の上方斜視図である。
図8】剥離部材の下方斜視図である。
図9】剥離部材の下方平面図である。
図10】蓋部より剥離部材を引き剥がす状態を示した断面図である。
図11】別実施例の剥離部材の下方斜視図である。
図12】別実施例の剥離部材の下方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の実施例では、図3等の矢印X方向をボトルキャップ1の上下方向とする。
【0016】
図1乃至図6に示すように、本本実施例のボトルキャップ1は、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部10に装着されるキャップ部材であって、一例として、中央部にウォーターサーバーの給水軸11が挿入される軸受部20が形成され、筒状口部10に水密状態で嵌合される内側部材2と、軸受部20の液体容器側の開口端に嵌脱可能に保持されるインナー部材3と、内側部材2が内部空間内に嵌合されて一体に組み付けられる外側部材4等とで構成されている。
【0017】
筒状口部10は、飲料水等の液体が充填されたカートリッジ容器として構成される液体容器(図略)の一側に突出されており、筒状口部10にボトルキャップ1を装着した状態でウォーターサーバーに液体容器が連結される(図6参照)。筒状口部10の開口端は、緩やかなR形状に面取りされ、外周側より径方向に突出された突起部12が形成されており、筒状口部10にボトルキャップ1が容易に装着できるように構成されている。
【0018】
内側部材2は、断面円形の筒状に肉薄形成された軸受部20と、軸受部20の縁部に形成される周縁鍔部21と、周縁鍔部21の周縁部に形成される外縁22とが一体形成されている。内側部材2は、軸受部20の一方(図3の上方)の給水挿入側の開口端側に周縁鍔部21及び外縁部22が形成され、軸受部20の他方(図3の下方)の液体容器側の開口端側にインナー部材3が密接状態で嵌脱可能に保持されている。
【0019】
軸受部20は、筒状の内部に給水軸11が挿入される軸孔20aが形成され、軸受部20の液体容器側の開口端の内周面にインナー部材3と係合可能に突設される係合部20bが突設され、液体容器側の開口端の内径が給水軸11の外径よりも小さくなるように形成されている。このように軸受部20の内周面に係合部20bが形成されることで、軸受部20の開口端に挿入されたインナー部材3(の止水リブ31)が水密状態で嵌合されてインナー部材3が止水保持されるとともに、ウォーターサーバーに液体容器を連結する際に軸受部20に挿入された給水軸11が圧接されて給水軸11が止水保持される(図6参照)。
【0020】
周縁鍔部21は、軸受部20と同一円心の断面略円形に形成され、軸受部20の外周面から円周方向に沿って延出される周壁部23と連設されるとともに、軸受部20の側面に径方向に沿って突設される複数の補強リブ24・24・・・と連設されている。また、周縁鍔部21は、外周面に止水リブ25が円周方向に沿って形成され、給水軸挿入側の周縁部に外縁部22が径方向に突設されている。
【0021】
周縁鍔部21は、肉厚箇所に円周方向に沿って上方に開口された凹状溝26が穿設されており、内側部材2及び外側部材4が一体に組み付けられた状態(図3等参照)で、外側部材4の蓋部41に設けられた突起部41aが凹状溝26に係合される。このように蓋部41と係合される凹状溝26が設けられることで、液体容器の筒状口部10にボトルキャップ1を装着した状態で(図5参照)、筒状口部10の開口端(突起部12)にて周縁鍔部21が押圧されても、凹状溝26が突起部41aと係合されることで周縁鍔部21が中心方向に向けて変形するのを防止することができる。
【0022】
インナー部材3は、軸受部20の液体容器側の開口端を塞ぐようにして水密状態で嵌脱可能に保持され、有底筒状の本体部30の外周面に止水リブ31が円周方向に沿って延出されている。本体部30は、軸受部20の内部方向に向けて開口され、開口端が径方向内側に向けて屈曲されて、給水軸11の先端に形成される凹状部と係合可能に形成されている。また、止水リブ31は、軸受部20の液体容器側の開口端にインナー部材3が保持された状態で軸受部20の内周面に圧接される。
【0023】
図6に示すように、ウォーターサーバーに液体容器を連結する際には、ウォーターサーバーの上方より筒状口部10の開口端(突起部12)に予めボトルキャップ1が装着された液体容器を下動させて、外部に露出している軸受部20より軸孔20a内に給水軸11を挿入させる。そして、液体容器の下動に伴って給水軸11の先端部がインナー部材3の開口端に嵌挿されて給水軸11とインナー部材3とが一体とされ、やがて、軸受部20の液体容器側の開口端より給水軸11の先端が突出される。
【0024】
外側部材4は、断面円形の筒状に肉薄形成されたスカート部40と、スカート部40の一端と連続して筒状口部10の開口端を塞ぐ蓋部41と、蓋部41の中央部に開口された開口部42を閉塞する剥離部材43とが一体成形され、全体として有天筒状となるように構成されている。
【0025】
スカート部40は、内周面に蓋部41との連続箇所であるコーナー箇所に内側部材2(の外縁部22)が嵌合される係止凹部44が円周方向に沿って形成され、係止凹部44の隣接位置に筒状口部10の突起部12が嵌合される装着凹部45が同じく周方向に沿って形成されている。本実施例のボトルキャップ1は、外側部材4のスカート部40の下方開口端より内側部材2が内部空間内に挿入され、係止凹部44に内側部材2の外縁部22が密接嵌合されることで、内側部材2及び外側部材4が一体に組み付けられる(図3等参照)。
【0026】
蓋部41は、中央部にウォーターサーバーの給水軸11が挿通される開口部42が開口され、開口部42を上方より塞ぐようにして剥離部材43が設けられている。開口部42は、軸受部20の開口端の口径よりも大きく開口されており、内側部材2及び外側部材4が一体に組み付けられた状態で蓋部41より剥離部材43が引き剥がされることで、開口部42を介して内側部材2の軸受部20が外部に露出される(後述する図10等参照)。
【0027】
液体容器の筒状口部10にボトルキャップ1を装着した状態(図5及び図6参照)では、筒状口部10の開口端(突起部12)が内側部材2の周縁鍔部21の外周面と外側部材4のスカート部40の内周面との離間に挿入されて、外側部材4の装着凹部45に嵌合される。その際、筒状口部10の開口端(突起部12)の形状に合わせてスカート部40が弾性変形されるとともに、周縁鍔部21の外周面に設けられた止水リブ25が筒状口部10の内周面に圧接されることで、周縁鍔部21の外周面とスカート部40の内周面とで筒状口部10が挟圧され、筒状口部10にボトルキャップ1が水密状態で嵌合される。
【0028】
図1乃至図4及び図7乃至10に示すように、剥離部材43は、蓋部41に対して剥離容易に一体成形され、開口部42の周縁と肉薄部46を介して連続される本体部47と、本体部47より蓋部41の上面に対して離間を有して水平に突設される平板状の掴み部48等とで構成されており、剥離部材43が引き剥がし方向Pに沿って捲り上げられることで肉薄部46が破断されて、蓋部41より引き剥がされる。
【0029】
本体部47は、一方端が幅狭となるように突出される涙滴状に形成され、具体的には、一方端に幅狭の幅狭突起部47aを有し、幅狭突起部47aから徐々に幅広となる幅拡大部47bを経て、略中間から他方端にかけて円形状の円形部47cへと連続する形状に形成されている。本実施例の剥離部材43は、一方端である幅狭突起部47aの突出方向の端部が剥離部材43の引剥開始点P1となり、他方端である円形部47cの端部が剥離部材43の引剥終了点P2となる(図2及び図9等参照)。
【0030】
本体部47は、底面形状が開口部42と略相似形となるように形成されており、開口部42の上周縁と本体部47の下周縁とが肉薄部46を介して連続されている。肉薄部46は、蓋部41よりも肉薄に形成され、蓋部41より剥離部材43を引き剥がす際に破断されて、開口部42の上周縁より本体部47の下周縁が引き剥がされる。
【0031】
掴み部48は、平板状に形成され、本体部47の上縁部より蓋部41の上面に対して離間を有するようにして配設され、本体部47に対して幅狭突起部47aの突出方向と同じ方向に向けて水平に突設されている。本実施例の剥離部材43は、掴み部48の中心線CL上に幅狭突起部47aが位置するように構成されており、掴み部48の中心線CLに沿って上述した剥離部材43の引剥開始点P1及び引剥終了点P2が直線上に位置されている(図2及び図9等参照)。
【0032】
掴み部48は、本体部47に対して幅狭突起部47a、幅拡大部47b及び円形部47cの一部を上方より覆うように配設されており、本体部47の幅狭突起部47aの突出方向側の端面に形成される側面47dと、連続面として幅狭突起部47aに形成される側面47e、幅拡大部47bに形成される側面47f及び円形部47cに形成される側面47gの一部が掴み部48の下面側に位置されている。
【0033】
本実施例の剥離部材43は、掴み部48の下面側に位置される本体部47の各側面47d・47e・47f・47gの内、少なくとも幅狭突起部49の突出方向側の側面47dが本体部47の下周縁から掴み部48の下面に至るまで垂直な方向から外側に向けて傾斜された傾斜面状に形成されている。本実施例の側面47dは、掴み部48の中心線CLに沿って直線状に延出され、傾斜角が一定の直線面となるように形成されている。また、本実施例では、側面47dは、掴み部48の縁部に至らない箇所まで延出され、掴み部48の突出端が弾性変形して上方に捲り上げられ易いように形成されている。
【0034】
なお、他の側面47e・47f・47g(の一部)は掴み部48の下面に対して略直角の垂直面状に形成されており、掴み部48にて覆われない残りの側面47gは、円形部47cの形状に沿って上方に向けて縮径する傾斜面状に形成されている。
【0035】
図10に示すように、蓋部41より剥離部材43を引き剥がす際には、掴み部48の突出端が把持され、中心線CLに沿って本体部47に対する突出方向とは逆方向の引き剥がし方向Pに向けて引っ張られて捲り上げられる。剥離部材43の引き剥しの開始時は、掴み部48の突出端が弾性変形して上方に捲り上げられ(図10(a)参照)、本体部47の幅狭突起部47aの引剥開始点P1にて薄肉部46が破断し始める。このとき、上方に捲り上げられた掴み部48にて幅狭突起部47aの側面47dを介して本体部47が引っ張られることで、幅狭突起部47aの引剥開始点P1に引っ張り力による剪断力が集中し、使用者にて少ない力で蓋部41より剥離部材43を引き剥がし始めることができる。
【0036】
剥離部材43が引き剥がし方向Pに向けて更に引っ張られて捲り上げられると、薄肉部46の破断が幅狭突起部47aから幅拡大部47bを経て円形部47cへと進行する(図10(b)参照)。そして、肉薄部46の破断の後半から終了に至る範囲、すなわち円形部47cの引剥終了点P2に近接する部分において、掴み部48を上方に引き上げながら円形部47cの引剥終了点P2に引っ張り力による剪断力を集中させて、蓋部41より剥離部材43の引き離しが行われる(図10(c)参照)。
【0037】
以上のように、本実施例のボトルキャップ1は、ウォーターサーバー用液体容器の筒状口部10に装着されて用いられ、筒状口部10の開口端を覆う蓋部41と、蓋部41の開口部42を閉塞する剥離部材43とが設けられるボトルキャップ1において、剥離部材43は、一方端に幅狭突起部47aが突出される涙滴状に形成され、開口部42の周縁と肉薄部46を介して連続される本体部47と、本体部47に蓋部41の上面に対して離間を有するようにして配設され、幅狭突起部47aの突出方向と同じ方向に向けて水平に突設される掴み部48と、を有してなり、本体部47の側面の内、少なくとも幅狭突起部47aの突出方向側の側面47dが下周縁から掴み部48の下面に至るまで外側に向けて傾斜された傾斜面状に形成されるため、剥離部材43の引き剥がし開始時に要する引っ張り力を低減し、蓋部41より剥離部材43を容易に引き剥がして開口部42を開口できるのである。
【0038】
すなわち、本実施例の剥離部材43は、本体部47が一方端に幅狭突起部47aが突出される涙滴状に形成され、幅狭突起部47aの突出方向側の側面47dが下周縁から掴み部48の下面に至るまで外側に向けて傾斜された傾斜面状に形成されることで、剥離部材43の引き剥しの開始時において、掴み部48を介した引っ張り力による剪断力を幅狭突起部47aに集中させることができ、使用者にて少ない引っ張り力で薄肉部46を容易に破断させ、蓋部41より剥離部材43を容易に引き剥がして、開口部42を開口するための作業性を向上することができる。
【0039】
特に、本実施例の本体部47は、幅狭突起部47aの突出方向側の側面47dが掴み部48の中心線CLに沿って傾斜されるため、掴み部48が中心線CLに沿って引き剥がし方向Pに向けて捲り上げられる際に、掴み部48を介した引っ張り力による剪断力を幅狭突起部47aに集中させて、剥離部材43の引き剥がし開始時に要する引っ張り力を低減し、薄肉部46を容易に破断させることができる。
【0040】
また、本実施例の本体部47は、幅狭突起部47aの突出方向側の側面47dが直線状に傾斜されるため、掴み部48が中心線CLに沿って引き剥がし方向Pに向けて捲り上げられる際に、掴み部48を介した引っ張り力による剪断力を幅狭突起部47aに集中させて、剥離部材43の引き剥がし開始時に要する引っ張り力を低減し、薄肉部46を容易に破断させることができる。
【0041】
なお、ボトルキャップ1の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0042】
すなわち、上述した実施例のボトルキャップ1では、実施例の剥離部材43は、掴み部48の下面側に位置される本体部47の各側面47d・47e・47f・47gの内、側面47dが本体部47の下周縁から掴み部48の下面に至るまで外側に向けて傾斜された傾斜面状に形成され、他の側面47e・47f・47g(の一部)は掴み部48の下面に対して略直角の垂直面状に形成される構成について説明したが、かかる側面47e・47f・47gの形状はこれに限定されず、少なくとも側面47dが本体部47の下周縁から掴み部48の下面に至るまで外側に向けて傾斜された傾斜面状に形成されればよい。
【0043】
例えば、図11に示す別実施例のように、他の側面47e・47f・47g(の一部)も側面47dと同様に、本体部47の下周縁から掴み部48の下面に至るまで傾斜して形成されてもよい。かかる場合には、側面47d・47e・47f・47gは滑らかな連続面として形成されるが、上述した実施例と同様に、側面47dは、掴み部48の中心線CLに沿って直線状に延出され、傾斜角が一定の直線面となるように形成されるのが好ましい。このように本体部43において、掴み部48の下面側にある側面47d・47e・47f・47gが下周縁から掴み部48の下面に至るまで傾斜して形成されることで、剥離部材43の引き剥し中も、使用者にて少ない引っ張り力で薄肉部46を容易に破断させることができる。
【0044】
また、図12に示す別実施例のように、掴み部48の下面側に位置される本体部47の各側面47d・47e・47f・47gが下周縁から掴み部48の縁部に至るまで傾斜して形成されてもよい。かかる場合には、側面47d・47e・47f・47gは滑らかな連続面として形成されるが、上述した実施例と同様に、側面47dは、掴み部48の中心線CLに沿って直線状に延出され、傾斜角が一定の直線面となるように形成されるのが好ましい。このように本体部43において、掴み部48の下面側にある側面47d・47e・47f・47gが下周縁から掴み部48の縁部に至るまで傾斜して形成されることで、剥離部材43の引き剥し中も、使用者にて少ない引っ張り力で薄肉部46を容易に破断させることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 ボトルキャップ
2 内側部材
3 インナー部材
4 外側部材
10 筒状口部
11 給水軸
12 突起部
20 軸受部
20a 軸孔
20b 係合部
21 周縁鍔部
22 外縁部
23 周壁部
24 補強リブ
25 止水リブ
26 凹状溝
30 本体部
31 止水リブ
40 スカート部
41 蓋部
41a 突起部
42 開口部
43 剥離部材
44 係止凹部
45 装着凹部
46 肉薄部
47 本体部
47a 幅狭突起部
47b 幅拡大部
47c 円形部
47d 側面
47e 側面
47f 側面
47g 側面
47h 側面
48 掴み部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12