(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】地表面の被覆構造,太陽光発電設備及びガラスカレット
(51)【国際特許分類】
A01M 21/00 20060101AFI20240402BHJP
H02S 40/22 20140101ALI20240402BHJP
H02S 20/10 20140101ALI20240402BHJP
【FI】
A01M21/00
H02S40/22
H02S20/10 S
(21)【出願番号】P 2022166650
(22)【出願日】2022-10-18
【審査請求日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】P 2021175216
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2020年11月5日発行「日本太陽エネルギー学会論文集」の論文「廃ガラスを利用した両面受光型太陽電池の発電特性の評価」 2020年11月5~6日開催「日本太陽エネルギー学会 2020年研究発表会」 2021年2月5日発行の雑誌「INDUST」(2021 FEBRUARY NO.400) 2021年5月20日発行のパンフレット「太陽光パネル100%リサイクル」 2020年12月15日配布のパンフレット「ガラスわけーるIII 太陽光パネルリサイクル装置」 2021年5月28日配布のパンフレット「ガラスわけーるIII 太陽光パネルリサイクル装置」 2021年2月1日配布のパンフレット「太陽光発電所向け 新しい防草対策」 2021年7月30日配布のパンフレット「使用済太陽光パネルリサイクル」 2020年12月11日~ (a)https://www.mk-partners.jp/services/ (b)https://www.mk-partners.jp/2021/02/02/340/ (c)https://www.mk-partners.jp/2020/12/11/269/ (d)https://www.mk-partners.jp/2021/02/01/328/ (e)https://wakale.mk-partners.jp/ (f)https://wakale.mk-partners.jp/glass/ (g)https://wakale.mk-partners.jp/brochure/
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521470858
【氏名又は名称】廃ガラスリサイクル事業協同組合
(74)【代理人】
【識別番号】100093148
【氏名又は名称】丸岡 裕作
(74)【復代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】狩野 公俊
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-103111(JP,A)
【文献】特開2007-228904(JP,A)
【文献】特開2002-161504(JP,A)
【文献】特開2002-000089(JP,A)
【文献】特開2001-087657(JP,A)
【文献】特開2009-203657(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0021784(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 21/00
H02S 40/22
H02S 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地表面に粉粒状のガラスカレットを被覆した地表面の被覆構造において、
太陽電池モジュールのガラス基板部を粉砕して得られるガラスカレット原材料の内、目開き10mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用い、該ガラスカレットを地表面に敷設し、該ガラスカレットの層の厚さを60mm~200mmに設定
し、
上記ガラスカレット原材料を、累積百分率で、目開き0.60mmの篩下のガラスカレットが10±5重量%、目開き1.20mmの篩下のガラスカレットが20±5重量%、目開き2.50mmの篩下のガラスカレットが45±5重量%、目開き5.00mmの篩下のガラスカレットが80±5重量%含まれるよう形成したことを特徴とする地表面の被覆構造。
【請求項2】
地表面に粉粒状のガラスカレットを被覆した地表面の被覆構造において、
太陽電池モジュールのガラス基板部を粉砕して得られるガラスカレット原材料の内、目開き10mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用い、該ガラスカレットを地表面に敷設し、該ガラスカレットの層の厚さを60mm~200mmに設定
し、
上記ガラスカレットの平均円形度を、0.75以上、鋭利度を、0.3以下にしたことを特徴とする地表面の被覆構造。
【請求項3】
地表面に粉粒状のガラスカレットを被覆した地表面の被覆構造において、
太陽電池モジュールのガラス基板部を粉砕して得られるガラスカレット原材料の内、目開き10mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用い、該ガラスカレットを地表面に敷設し、該ガラスカレットの層の厚さを60mm~200mmに設定
し、
上記ガラスカレット原材料を、累積百分率で、目開き0.60mmの篩下のガラスカレットが10±5重量%、目開き1.20mmの篩下のガラスカレットが20±5重量%、目開き2.50mmの篩下のガラスカレットが45±5重量%、目開き5.00mmの篩下のガラスカレットが80±5重量%含まれるよう形成し、
上記ガラスカレットの平均円形度を、0.75以上、鋭利度を、0.3以下にしたことを特徴とする地表面の被覆構造。
【請求項4】
上記ガラスカレットの層の厚さを100mm±20mmに設定したことを特徴とする
請求項2または3記載の地表面の被覆構造。
【請求項5】
上記ガラスカレットの層において、ガラスカレットの粒度が下層から上層に行くに従って大きく分布するように該ガラスカレットを圧接したことを特徴とする請求項4記載の地表面の被覆構造。
【請求項6】
上記ガラスカレット原材料から、目開き1mmの篩下のガラスカレットであって、少なくとも目開き0.60mmの篩下のガラスカレットを除いたガラスカレットを用いたことを特徴とする
請求項2または3記載の地表面の被覆構造。
【請求項7】
上記ガラスカレット原材料から篩分けされ目開き1mmの篩下のガラスカレットからなる細粉粒体を用い、該細粉粒体を、地表面に敷設し、該細粉粒体の層の上に、上記ガラスカレット原材料から、少なくとも目開き0.60mmの篩下のガラスカレットを除いたガラスカレットを敷設したことを特徴とする請求項6記載の地表面の被覆構造。
【請求項8】
上記細粉粒体の層の厚さを10mm~20mmに設定したことを特徴とする請求項7記載の地表面の被覆構造。
【請求項9】
地表面に粉粒状のガラスカレットを被覆した地表面の被覆構造において、
太陽電池モジュールのガラス基板部を粉砕して得られるガラスカレット原材料の内、目開き10mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用い、地表面に透水性且つ遮光性の防草シートを敷設し、該防草シートに上記ガラスカレットを敷設し、該ガラスカレットの層の厚さを30mm~60mmに設定
し、
上記ガラスカレット原材料を、累積百分率で、目開き0.60mmの篩下のガラスカレットが10±5重量%、目開き1.20mmの篩下のガラスカレットが20±5重量%、目開き2.50mmの篩下のガラスカレットが45±5重量%、目開き5.00mmの篩下のガラスカレットが80±5重量%含まれるよう形成したことを特徴とする地表面の被覆構造。
【請求項10】
地表面に粉粒状のガラスカレットを被覆した地表面の被覆構造において、
太陽電池モジュールのガラス基板部を粉砕して得られるガラスカレット原材料の内、目開き10mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用い、地表面に透水性且つ遮光性の防草シートを敷設し、該防草シートに上記ガラスカレットを敷設し、該ガラスカレットの層の厚さを30mm~60mmに設定
し、
上記ガラスカレットの平均円形度を、0.75以上、鋭利度を、0.3以下にしたことを特徴とする地表面の被覆構造。
【請求項11】
地表面に粉粒状のガラスカレットを被覆した地表面の被覆構造において、
太陽電池モジュールのガラス基板部を粉砕して得られるガラスカレット原材料の内、目開き10mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用い、地表面に透水性且つ遮光性の防草シートを敷設し、該防草シートに上記ガラスカレットを敷設し、該ガラスカレットの層の厚さを30mm~60mmに設定
し、
上記ガラスカレット原材料を、累積百分率で、目開き0.60mmの篩下のガラスカレットが10±5重量%、目開き1.20mmの篩下のガラスカレットが20±5重量%、目開き2.50mmの篩下のガラスカレットが45±5重量%、目開き5.00mmの篩下のガラスカレットが80±5重量%含まれるよう形成し
上記ガラスカレットの平均円形度を、0.75以上、鋭利度を、0.3以下にしたことを特徴とする地表面の被覆構造。
【請求項12】
上記ガラスカレット原材料から、目開き1mmの篩下のガラスカレットであって、少なくとも目開き0.60mmの篩下のガラスカレットを除いたガラスカレットを用いたことを特徴とする
請求項10または11記載の地表面の被覆構造。
【請求項13】
上記ガラスカレットを敷設するエリアを柵体で囲繞したことを特徴とする請求項12記載の地表面の被覆構造。
【請求項14】
上記ガラスカレットを敷設するエリアにおいて、敷設されるガラスカレットの地表面の面方向への移動を規制する規制板を複数設けたことを特徴とする請求項13記載の地表面の被覆構造。
【請求項15】
上記規制板を枠状に連結した枠体に形成したことを特徴とする請求項14記載の地表面の被覆構造。
【請求項16】
上記枠体を矩形状に形成し、その下開口を該枠体と略同じ大きさの上記防草シートで塞ぎ、地表面に、複数の枠体を行列状に並べ、上記柵体を、行列状に並べた複数の枠体の最外周を構成する規制板で構成したことを特徴とする請求項15記載の地表面の被覆構造。
【請求項17】
敷地の地表面に両面受光型の太陽電池モジュールを複数設置した太陽光発電設備において、
太陽電池モジュールのガラス基板部を粉砕して得られるガラスカレット原材料の内、目開き10mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用い、該ガラスカレットを、上記敷地の地表面に敷設し、該ガラスカレットの層の厚さを60mm~200mmに設定したことを特徴とする太陽光発電設備。
【請求項18】
敷地の地表面に両面受光型の太陽電池モジュールを複数設置した太陽光発電設備において、
太陽電池モジュールのガラス基板部を粉砕して得られるガラスカレット原材料の内、目開き10mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用い、上記敷地の地表面に、透水性且つ遮光性の防草シートを敷設し、該防草シートに上記ガラスカレットを敷設し、該ガラスカレットの層の厚さを30mm~60mmに設定したことを特徴とする太陽光発電設備。
【請求項19】
上記請求項6記載の地表面の被覆構造に用いられ、上記ガラスカレット原材料から、目開き1mmの篩下のガラスカレットであって、少なくとも目開き0.60mmの篩下のガラスカレットを除いたガラスカレット。
【請求項20】
上記請求項12記載の地表面の被覆構造に用いられ、上記ガラスカレット原材料から、目開き1mmの篩下のガラスカレットであって、少なくとも目開き0.60mmの篩下のガラスカレットを除いたガラスカレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスカレットを用いた地表面の被覆構造に係り、特に、防草機能及び太陽の反射機能を奏する地表面の被覆構造に関する。また、敷地の地表面に両面受光型の太陽電池モジュールを設置した太陽光発電設備に関する。更に、この地表面の被覆構造または太陽光発電設備に用いられるガラスカレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の太陽光発電設備としては、例えば、特開2005-223164号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られている。これは、敷地の地表面に両面受光型の太陽電池モジュールを多数設置した設備であり、太陽電池モジュールは受光面を表面及び裏面に有して矩形状に形成され、表面を上向きにするとともに裏面を下向きにし、所要の角度で傾斜させて架台により敷地の地表面に設置されている。ところで、この太陽光発電設備においては、太陽電池モジュールがある程度傾斜して設置されているとはいっても、裏面は下向きになっているので、太陽光が直接に当たりにくく発電効率に劣るという問題がある。また、ある程度は太陽光が地表面に反射して、この反射光を受光することもあるが、雑草が生えてくるとその作用も低下する。
【0003】
これを解決するために、例えば、特開2002-89号公報(特許文献2)に掲載された防草舗装の技術に係る地表面の被覆構造を適用することが考えられる。この技術は、廃ガラスから得られる主原料のガラスカレットをエポキシ樹脂などの樹脂材料と混合し、この樹脂材料を固化して所要厚さにして地表面を被覆するものである。これにより、ガラスカレットのレンズ効果により太陽光を集光し、地表面の温度を上昇させて、植物の発芽や成長を抑制して、雑草が生えてくることを防止している。このガラスカレットを用いた地表面の被覆構造を、上記の太陽光発電設備に適用することにより、雑草が生えてくるのを防止するとともに、ガラスカレットの反射機能を利用し、ある程度、発電効率を向上させることが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-223164号公報
【文献】特開2002-89号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この従来の地表面の被覆構造にあっては、ガラスカレットを樹脂で固めているので、地表面との接触性に劣り、隙間ができて、必ずしも、防草効果が高いとは言えない。また、樹脂がある分、反射光が弱くなり、それだけ、反射効率が低下するという問題もある。特に、色彩のあるガラスカレットを用いた場合には、反射効率の低下は著しくなり、太陽光発電設備の場合、発電効率を低下させる。更に、ガラスカレットを樹脂で固めているので、透水性に劣るという問題があった。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、防草効果,反射効率の向上を図った地表面の被覆構造及び太陽光発電設備を提供することを目的とする。また、この地表面の被覆構造または太陽光発電設備に用いられるガラスカレットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するため、本発明の地表面の被覆構造は、地表面に粉粒状のガラスカレットを被覆した地表面の被覆構造において、
太陽電池モジュールのガラス基板部を粉砕して得られるガラスカレット原材料の内、目開き10mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用い、該ガラスカレットを地表面に敷設し、該ガラスカレットの層の厚さを60mm~200mmに設定した構成としている。
【0008】
太陽電池モジュールのガラスは、無色透明であり、しかもその厚さも例えば3.5mmに設定される等限定的であり、これから得られるガラスカレットも無色透明なもので、その粒度が10mm未満の細粒状のガラスカレット原材料として得ることができる。10mmを超えるものは粉砕して利用する。10mm以上になると敷設しても動き易くなってガラスカレットの層が不安定になる。このガラスカレットを、その層の厚さを60mm~200mmに設定して地表面に敷設すると、ガラスカレットは、その粒度が10mm未満の比較的小さい粒なので、ガラスカレットが地表面に満遍なく食い込んで接触する。そのため、地表面との間に隙間ができにくく、それだけ、雑草が生えにくくなり、防草効率を向上させることができる。望ましくは、ガラスカレット原材料の内、目開き7mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用いる。より望ましくは、目開き5mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用いる。
【0009】
また、ガラスカレットの層の厚さが60mm~200mmに設定されているので、遮光性が高くなり、より一層防草効果を確実に奏することができる。本願発明者の後述の試験によると、50mmの場合でも遮光性を確保できるが、雑草等の植物が生えることが認められ、安全を見て、60mm以上に設定した。また、ガラスカレットの層は透水性が良く、水はけがよいので、雑草等の植物の種が根付くことが防止され、また、発芽しても夏場の暑い時期になると、温度上昇も加わることから、枯れてしまい、この点でも防草効果を確実に奏することができる。尚、地表面に生育している植物があるときは、そのままガラスカレットで被覆してもガラスカレットの層を突き抜けてくる場合もあるので、予め、除草してからガラスカレットを敷設することが望ましい。
【0010】
更に、ガラスカレットは、不規則で複雑な多角形状になるので、それだけ、光の乱反射の程度が大きくなることから、反射効率が向上する。また、雑草が生えてくることを防止できるので、長期に亘り、光の反射性能を維持することができる。このため、太陽光発電設備の場合、発電効率を向上させることができる。特に、両面受光型の太陽電池モジュールを複数設置している太陽光発電設備の場合には、極めて有効になる。更にまた、従来のように樹脂を用いないので、透水性を向上させることができるという効果も奏する。
【0011】
そして、必要に応じ、上記ガラスカレット原材料を、累積百分率で、目開き0.60mmの篩下のガラスカレットが10±5重量%、目開き1.20mmの篩下のガラスカレットが20±5重量%、目開き2.50mmの篩下のガラスカレットが45±5重量%、目開き5.00mmの篩下のガラスカレットが80±5重量%含まれるよう形成した構成としている。
【0012】
後述もするが、このように形成したガラスカレット原材料は、骨材の篩分け試験(JIS A 1102)に基づいた粒度分布において、一般の細骨材の粒度範囲においては、累積百分率で、目開き2.50mmの篩下の骨材は、100重量%~80重量%と多いが、これに比較して、目開き2.50mmの篩下のガラスカレットは、45±5重量%と少なく、やや粗い組成になっている。そのため、ガラスカレットの乱反射の程度が大きくなり、反射効率を向上させることができる。
【0013】
また、必要に応じ、上記ガラスカレットの平均円形度を、0.75以上、鋭利度を、0.3以下にした構成としている。
ここで、円形度について説明すると、円形度φは、粒子の投影面積と同じ面積をS、粒子投影図の輪郭の長さをLとすると、以下の式で表される。
φ=4πS/L2
【0014】
また、鋭利度は、佐野茂による風船破砕測定法を用いた測定値とした。この測定法は、平らな片面を固定した両面テープ(幅25mm×長さ50mm)の表面にガラスカレットの粒子群を付着させ、その表面をコップに入れ固定した内圧7kPaの風船を前後にスライドさせ、片面スライド中に風船が割れたならば1回と数え、往復スライド中に割れたならば2回と数える。このようにして測定した風船が割れるまでのスライド回数の逆数を鋭利度とする。10回以上の摺動による風船の破砕は、主として粒子と風船表面との磨耗によるものであり、鋭さとは直接関係がないと判断し、すべて10回と数えることにする。このような測定を1つの粒子群につき100回程度行い、その平均を求め鋭利度とする。
【0015】
これにより、平均円形度が0.75以上と比較的高く、鋭利度が0.3以下と低いので、敷設作業の安全を図ることができるとともに、敷設した状態での安全を図ることができる。
【0016】
更に、必要に応じ、上記ガラスカレットの層の厚さを100mm±20mmに設定した構成としている。この範囲で、有効に作用,効果を発揮させることができる。下限が80mmになると、雑草等の植物が生えることをより確実に防止することができる。また上限を120mmを超えて設定しても、確実性は向上するものの、層が不必要に厚くなり、敷設作業などの効率を損ねる。
【0017】
更にまた、必要に応じ、上記ガラスカレットの層において、ガラスカレットの粒度が下層から上層に行くに従って大きく分布するように該ガラスカレットを圧接した構成としている。これにより、ガラスカレットの層は、締め固まって強固になり、安定化させることができる。例えば、ガラスカレットの敷設時に、振動コンパクターにより、ガラスカレットの層の表面を転圧する。これにより、粒度の小さい粒子は徐々に下層に移り、粒度の大きな粒子は上層に移り、同程度の粒度の粒子が同一の層になるように分布し、粒子が粒度ごとに多層に分離する。
【0018】
また、必要に応じ、上記ガラスカレット原材料から、目開き1mmの篩下のガラスカレットであって、少なくとも目開き0.60mmの篩下のガラスカレットを除いたガラスカレットを用いた構成としている。0.6mm以下のものを含むと搬送や敷設時等の取扱いが煩雑になるが、このような細かい粒子のものを除くので、取り扱いを向上させることができる。また、反射効率を向上させることができる。
【0019】
この構成において、必要に応じ、上記ガラスカレット原材料から篩分けされ目開き1mmの篩下のガラスカレットからなる細粉粒体を用い、該細粉粒体を、地表面に敷設し、該細粉粒体の層の上に、上記ガラスカレット原材料から、少なくとも目開き0.60mmの篩下のガラスカレットを除いたガラスカレットを敷設した構成としている。ガラスカレット原材料の篩分けの効率を考慮すると、細粉粒体として目開き0.60mmの篩下のガラスカレットを用い、この細粉粒体の層の上に、目開き0.60mmの篩上のガラスカレットを敷設すると良い。あるいは、細粉粒体として目開き1mmの篩下のガラスカレットを用い、この細粉粒体の層の上に、目開き1mmの篩上のガラスカレットを敷設すると良い。
【0020】
これにより、太陽電池モジュールのガラス基板部を粉砕するので、この細粉粒体は、主にガラスの粉粒体であるが、多少銅や銀等の金属を含むことがある。細粉粒体は、その粒度が1mmに満たないので、地表面に満遍なく食い込んで接触する。そのため、地表面との間に隙間ができにくく、それだけ、雑草が生えにくくなり、防草効率をより一層向上させることができる。また、細粉粒体の層を設けたので、それだけ、遮光性が向上し、この点でも、防草効率をより一層向上させることができる。更に、ガラスカレットの層も細粉粒体の層に密着するので、この点でも、防草効率をより一層向上させることができるとともに、ガラスカレットの層をより一層安定化させることができる。また、細粉粒体の集合体には、これより大きな粒体は含まれていないので、取り扱いは容易になる。
【0021】
この場合、上記細粉粒体の層の厚さを10mm~20mmに設定したことが有効である。これにより、細粉粒体の作用,効果をより一層確実に発揮させることができる。
【0022】
また、上記に目的を達成するため、本発明の地表面の被覆構造は、地表面に粉粒状のガラスカレットを被覆した地表面の被覆構造において、
太陽電池モジュールのガラス基板部を粉砕して得られるガラスカレット原材料の内、目開き10mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用い、地表面に透水性且つ遮光性の防草シートを敷設し、該防草シートに上記ガラスカレットを敷設し、該ガラスカレットの層の厚さを30mm~60mmに設定した構成としている。望ましくは、40mm~50mmである。
【0023】
防草シートとしては、一般的な可撓性のものを用いることができ、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステルの材質のもので、織物あるいは不織布の耐久性の優れるものを用いることができる。また、防草シートとしては、白色で光を反射できる反射性のある表面のものが望ましい。ガラスカレットの層を光が透過することがあっても、防草シートによっても光を反射できるので、ガラスカレットによる光の反射性能を向上させることができる。
【0024】
太陽電池モジュールのガラスは、上述もしたように、無色透明であり、しかもその厚さも例えば3.5mmに設定される等限定的であり、これから得られるガラスカレットも無色透明なもので、その粒度が10mm未満の細粒状のガラスカレット原材料として得ることができる。10mmを超えるものは粉砕して利用する。10mm以上になると敷設しても動き易くなってガラスカレットの層が不安定になる。
【0025】
そして、地表面に透水性且つ遮光性の防草シートを敷設し、この防草シートに、上記のガラスカレットを、その層の厚さを30mm~60mmに設定して付設する。このガラスカレットを防草シートに敷設すると、ガラスカレットは、その粒度が10mm未満の比較的小さい粒なので、ガラスカレットが防草シートに満遍なく接触して防草シートを地表面に押し付け、地表面と防草シートとの間に隙間ができにくく、それだけ、雑草が生えにくくなり、防草効率を向上させることができる。望ましくは、ガラスカレット原材料の内、目開き7mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用いる。より望ましくは、目開き5mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用いる。
【0026】
また、防草シートに加えてガラスカレットを敷設するので、遮光性が高くなり、より一層防草効果を確実に奏することができる。本願発明者の後述の試験によると、ガラスカレットの層の厚さが30mmを超えると光の透過率が極めて小さくなり、50mmを超えると透過率は略ゼロになることから、防草シートとガラスカレットにより相乗的に遮光性効果を奏する。また、60mm以下なので、ガラスカレットの使用量を少なくすることができ、それだけ、敷設作業性も向上し、コスト的にも有利になる。更に、ガラスカレットの層は透水性であり、防草シートも透水性なので、水はけも良いことから、ガラスカレットの層に雑草等の植物の種が根付くことが防止され、更にまた、発芽しても夏場の暑い時期になると、温度上昇も加わることから、枯れてしまい、この点でも防草効果を確実に奏することができる。また、防草シートはガラスカレットの層で被覆されるので、耐久性も向上する。ガラスカレットの層の厚さは、望ましくは、40mm~60mmである。
【0027】
更に、ガラスカレットは、不規則で複雑な多角形状になるので、それだけ、光の乱反射の程度が大きくなることから、反射効率が向上する。防草シートとして、光反射性のある表面のものを用いた場合には、ガラスカレットの層を光が透過することがあっても、防草シートによって光を反射できるので、ガラスカレットによる光の反射性能を向上させることができる。また、雑草が生えてくることを防止できるので、長期に亘り、光の反射性能を維持することができる。このため、太陽光発電設備の場合、発電効率を向上させることができる。特に、両面受光型の太陽電池モジュールを複数設置している太陽光発電設備の場合には、極めて有効になる。
【0028】
また、必要に応じ、上記ガラスカレットの平均円形度を、0.75以上、鋭利度を、0.3以下にした構成としている。
上述もしたように、円形度φは、粒子の投影面積と同じ面積をS、粒子投影図の輪郭の長さをLとすると、以下の式で表される。
φ=4πS/L2
【0029】
また、鋭利度は、佐野茂による風船破砕測定法を用いた測定値とした。この測定法は、平らな片面を固定した両面テープ(幅25mm×長さ50mm)の表面にガラスカレットの粒子群を付着させ、その表面をコップに入れ固定した内圧7kPaの風船を前後にスライドさせ、片面スライド中に風船が割れたならば1回と数え、往復スライド中に割れたならば2回と数える。このようにして測定した風船が割れるまでのスライド回数の逆数を鋭利度とする。10回以上の摺動による風船の破砕は、主として粒子と風船表面との磨耗によるものであり、鋭さとは直接関係がないと判断し、すべて10回と数えることにする。このような測定を1つの粒子群につき100回程度行い、その平均を求め鋭利度とする。
【0030】
これにより、平均円形度が0.75以上と比較的高く、鋭利度が0.3以下と低いので、敷設作業の安全を図ることができるとともに、敷設した状態での安全を図ることができる。この場合、上記ガラスカレットの層において、ガラスカレットの粒度が下層から上層に行くに従って大きく分布するように該ガラスカレットを圧接した構成としたことが有効である。これにより、ガラスカレットの層は、締め固まって強固になり、安定化させることができる。例えば、ガラスカレットの敷設時に、振動コンパクターにより、ガラスカレットの層の表面を転圧する。これにより、粒度の小さい粒子は徐々に下層に移り、粒度の大きな粒子は上層に移り、同程度の粒度の粒子が同一の層になるように分布し、粒子が粒度ごとに多層に分離する。
【0031】
また、必要に応じ、上記ガラスカレット原材料から、目開き1mmの篩下のガラスカレットであって、少なくとも目開き0.60mmの篩下のガラスカレットを除いたガラスカレットを用いた構成としている。0.6mm以下のものを含むと搬送や敷設時等の取扱いが煩雑になるが、このような細かい粒子のものを除くので、取り扱いを向上させることができる。また、反射効率を向上させることができる。
【0032】
そして、必要に応じ、上記ガラスカレットを敷設するエリアを柵体で囲繞した構成としている。ガラスカレットがエリア外に移動しようとしても、柵体で阻止することができ、それだけ、耐久性を向上させることができる。この場合、柵体として、樋を用いたことが有効である。樋は開口を上にして例えば釘様の止着具で防草シートとともに地表面に止着する。樋として、樹脂製の断面半円形のものを用いることが有効である。安価で耐久性も良い。そして、樋内にもガラスカレットを入れるとともに、樋の外側にも樋の長手方向に沿ってガラスカレットを敷設する。柵体がガラスカレットによって隠されるので、柵体の耐久性を向上させることができる。
【0033】
また、必要に応じ、上記ガラスカレットを敷設するエリアにおいて、敷設されるガラスカレットの地表面の面方向への移動を規制する規制板を複数設けた構成としている。ガラスカレットが移動しようとしても、規制板で阻止することができ、それだけ、ガラスカレット層の耐久性を向上させることができる。
【0034】
この場合、上記規制板を枠状に連結した枠体に形成したことが有効である。ガラスカレットの移動をより確実に阻止することができる。
【0035】
また、この場合、上記枠体を矩形状に形成し、その下開口を該枠体と略同じ大きさの上記防草シートで塞ぎ、地表面に、複数の枠体を行列状に並べ、上記柵体を、行列状に並べた複数の枠体の最外周を構成する規制板で構成したことが有効である。これにより、枠体に予めその下開口を塞ぐ防草シートを設ければ、工場において、この枠体にガラスカレットを充填し、このガラスカレットを充填した枠体を敷設現場に搬送し、敷設現場では枠体を行列状に並べるだけで、地表面の被覆構造を構築できる。そのため、施工を極めて効率良く行うことができるようになる。
【0036】
また、上記目的を達成するため、本発明の太陽光発電設備は、敷地の地表面に両面受光型の太陽電池モジュールを複数設置した太陽光発電設備において、
上記敷地の地表面に、上記の地表面の被覆構造を施した構成としている。
【0037】
これにより、上記と同様の防草効果を発揮させることができ、雑草等の植物が生えてくることを防止できる分、太陽光の反射効率を向上させることができ、発電効率を向上させることができる。また、ガラスカレットの層の反射効率が良くなるので、外側に向かう反射光も強いものとなり、これによっても、より一層発電効率を向上させることができる。
【0038】
更に、上記目的を達成するため、本発明のガラスカレットは、上記の地表面の被覆構造に用いられるガラスカレットにおいて、上記ガラスカレット原材料から、目開き1mmの篩下のガラスカレットであって、少なくとも目開き0.60mmの篩下のガラスカレットを除いたガラスカレットにある。上記と同様の作用,効果を奏する。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、ガラスカレットを、その層の厚さを60mm~200mmに設定して地表面に敷設した場合、あるいは、地表面に透水性且つ遮光性の防草シートを敷設し、この防草シートにガラスカレットを敷設し、その層の厚さを30mm~60mmに設定した場合、いずれの場合においても、雑草が生えにくくなり、防草効率を向上させることができる。また、水はけがよくなるので、ガラスカレット層に雑草等の植物の種が根付くことが防止され、また、発芽しても夏場の暑い時期になると、温度上昇も加わることから、枯れてしまい、この点でも防草効果を確実に奏することができる。更に、ガラスカレットを敷設するので、耐久性を向上させることができる。
【0040】
更にまた、ガラスカレットは、不規則で複雑な多角形状になるので、それだけ、光の乱反射の程度が大きくなることから、反射効率が向上する。また、雑草が生えてくることを防止できるので、長期に亘り、光の反射性能を維持することができる。このため、太陽光発電設備の場合、発電効率を向上させることができる。特に、両面受光型の太陽電池モジュールを複数敷設している太陽光発電設備の場合には、極めて有効になる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の実施の形態に係る太陽光発電設備の一例を示す全体斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る太陽光発電設備において、本発明の実施の形態に係る地表面の被覆構造を示す断面図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る地表面の被覆構造を示す拡大断面図である。
【
図4】本発明の別の実施の形態に係る地表面の被覆構造を示す拡大断面図である。
【
図5】本発明の他の実施の形態に係る地表面の被覆構造を示す平面図である。
【
図6】本発明の他の実施の形態に係る地表面の被覆構造を示す拡大断面図である。
【
図7】本発明の他の実施の形態に係る地表面の被覆構造を示す
図5中A-A線断面図である。
【
図8】本発明の別の他の実施の形態に係る地表面の被覆構造を示す平面図である。
【
図9】本発明の別の他の実施の形態に係る地表面の被覆構造を示す
図8中B-B線断面図である。
【
図10】本発明のまた別の他の実施の形態に係る地表面の被覆構造を示す平面図である。
【
図11】本発明のまた別の他の実施の形態に係る地表面の被覆構造を示す
図10中C-C線断面図である。
【
図12】本発明の更にまた別の他の実施の形態に係る地表面の被覆構造を示す平面図である。
【
図13】本発明の更にまた別の他の実施の形態に係る地表面の被覆構造を示す
図12中D-D線断面図である。
【
図14】本発明の実施の形態に用いるガラスカレットの粒度分布の一例を示す表図である。
【
図15】
図14に示す本発明の実施の形態に用いるガラスカレットの粒度範囲の累計百分率をJISの細骨材の粒度範囲の累計百分率と比較して示すグラフ図である。
【
図16】本発明の試験例1に係り、ガラスカレットの積層厚さと遮光性との関係について試験した結果を示すグラフ図である。
【
図17】本発明の試験例2に係り、ガラスカレットの積層厚さと内部温度との関係について試験した結果を示すグラフ図である。
【
図18】本発明の試験例3に係り、ガラスカレットの積層厚さとTDR体積含水率との関係について試験した結果を示すグラフ図である。
【
図19】本発明の試験例4に係り、ガラスカレット層の反射率を、積雪の場合の反射率及び草地の場合の反射率と比較して測定した結果を示すグラフ図である。
【
図20】本発明の試験例5に係り、両面受光型太陽電池の片面受光型太陽電池に対する発電量増加率を、草地の場合とガラスカレット層の場合とを比較して示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る地表面の被覆構造及び太陽光発電設備について詳細に説明する。
図1乃至
図3に示すように、実施の形態に係る太陽光発電設備Sは、敷地Eの地表面Gに両面受光型の太陽電池モジュール1を多数設置した設備である。太陽電池モジュール1は受光面を表面2及び裏面3に有して矩形状に形成され、表面2を上向きにするとともに裏面3を下向きにし、所要の角度で傾斜させて架台4により敷地Eの地表面Gに設置されている。尚、太陽電池モジュール1を直立させて設置し、所要の角度を90°に設定しても良い。そして、この敷地Eの地表面Gに、本発明の実施の形態に係る地表面の被覆構造Kが施されている。
【0043】
本発明の実施の形態に係る地表面の被覆構造Kは、地表面Gに本発明の実施の形態に係る粉粒状のガラスカレットCを被覆したもので、太陽電池モジュール1のガラス基板部を粉砕して得られたガラスカレットCを地表面Gに敷設している。ガラスカレットCは、敷地全部に敷設しても良く、あるいは、太陽光モジュール1のある主要なエリアに部分的に敷設しても良い。尚、地表面Gに生育している植物があるときは、予め、除草してからガラスカレットCを敷設することが望ましい。
【0044】
太陽電池モジュールのガラスは、無色透明であり、しかもその厚さも例えば3.5mmに設定される等限定的であり、これから得られるガラスカレットも無色透明なもので、その粒度が10mm未満の細粒状のガラスカレット原材料として得ることができる。ガラスカレット原材料は、実施の形態では、累積百分率で、目開き0.60mmの篩下のガラスカレットが10±5重量%、目開き1.20mmの篩下のガラスカレットが20±5重量%、目開き2.50mmの篩下のガラスカレットが45±5重量%、目開き5.00mmの篩下のガラスカレットが80±5重量%含まれるよう形成されている。
【0045】
その一例を挙げると、
図14及び
図15に示すカレット原材料を用いることができる。
図14及び
図15は、骨材の篩分け試験(JIS A 1102)に基づいて得られた粒度分布を示す。
図15に示すように、一般の細骨材の粒度範囲(図中点線範囲)においては、累積百分率で、目開き2.50mmの篩下の骨材は、100重量%~80重量%と多いが、これに比較して、目開き2.50mmの篩下のガラスカレットは、45±5重量%(グラフ上は約43重量%を示している)と少なく、やや粗い組成になっている。そのため、ガラスカレットの乱反射の程度が大きくなり、反射効率を向上させることができる。
【0046】
実施の形態においては、ガラスカレット原材料から、目開き1mmの篩下のガラスカレットであって、少なくとも目開き0.60mmの篩下のガラスカレットを除いたガラスカレットCを用いた構成としている。実施の形態では、目開き0.60mmの篩下のガラスカレットを除いたガラスカレットCを用いている。0.6mm以下のものを含むと搬送や敷設時等の取扱いが煩雑になるが、このような細かい粒子のものを除くので、取り扱いを向上させることができる。また、反射効率を向上させることができる。10mm以上になるとガラスカレットCの層において動き易くなってガラスカレットCの層が不安定になる。望ましくは、目開き7mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用いる。より望ましくは、目開き5mmの篩下の粒度を有したガラスカレットを用いる。
【0047】
また、ガラスカレットCは、その平均円形度を、0.75以上、鋭利度を、0.3以下にしたものを用いる。円形度及び鋭利度については上述した通りである。
【0048】
そして、ガラスカレットCの層の厚さDを、D=60mm~200mmに設定している。実施の形態では、D=100mm±20mmに設定している。
また、ガラスカレットCの層において、ガラスカレットCの粒度が下層から上層に行くに従って大きく分布するように、ガラスカレットCを圧接している。
【0049】
従って、この実施の形態に係る太陽光発電設備S及びこの地表面の被覆構造Kにおいては、ガラスカレットCを敷地Eの地表面Gに敷設するが、この際には、ガラスカレットCの平均円形度が0.75以上と比較的高く、鋭利度が0.3以下と低いので、敷設作業の安全を図ることができるとともに、敷設した状態での安全を図ることができる。また、この敷設の際には、例えば、振動コンパクターにより、ガラスカレットCの層の表面を転圧する。これにより、粒度の小さい粒子は徐々に下層に移り、粒度の大きな粒子は上層に移り、同程度の粒度の粒子が同一の層になるように分布し、粒子が粒度ごとに多層に分離する。これにより、ガラスカレットCの層は、締め固まって強固になり、安定化させることができる。
【0050】
このように、ガラスカレットCを敷設した地表面の被覆構造Kにおいては、ガラスカレットCは、その粒度が0.6mm以上10mm未満、望ましくは、7mm未満、より望ましくは、5mm未満の比較的小さい粒なので、ガラスカレットCが地表面Gに満遍なく食い込んで接触する。そのため、地表面Gとの間に隙間ができにくく、それだけ、雑草が生えにくくなり、防草効率を向上させることができる。
【0051】
また、ガラスカレットCの層の厚さが60mm~200mmに設定されているので、遮光性が高くなり、より一層防草効果を確実に奏することができる。本願発明者の後述の試験(
図16)によると、50mmの場合でも遮光性を確保できるが、雑草等の植物が生えることが認められ、安全を見て、60mm以上に設定した。また、60mm以上であると、水はけがよくなるので(後述の試験(
図18)参照)、雑草等の植物の種が根付くことが防止され、また、発芽しても夏場の暑い時期になると、温度上昇(後述の試験(
図17)参照)も加わることから、枯れてしまい、この点でも防草効果を確実に奏することができる。実施の形態では、ガラスカレットCの層の厚さが100mm±20mmに設定されている。下限を80mmにしたので、雑草等の植物が生えることをより確実に防止することができる。
【0052】
更に、ガラスカレットCは、不規則で複雑な多角形状になるので、それだけ、光の乱反射の程度が大きくなることから、反射効率が向上する。また、雑草が生えてくることを防止できるので、長期に亘り、光の反射性能を維持することができる。このため、太陽光発電設備Sの場合、発電効率を向上させることができる。特に、両面受光型の太陽電池モジュール1を複数敷設している太陽光発電設備Sの場合には、極めて有効になる。更にまた、従来のように樹脂を用いないので、透水性を向上させることができるという効果も奏する。
【0053】
図4には、本発明の実施の形態に係る太陽光発電設備Sにおいて、別の実施の形態に係る地表面の被覆構造Kを示している。これは、地表面Gに、太陽電池モジュール1のガラス基板部を粉砕して得られた上記のガラスカレット原材料から篩分けされ目開き1mmの篩下のガラスカレットからなる細粉粒体Fを用い、実施の形態では、上述した、分級した目開き0.6mmの篩下の細粉粒体Fを用いている。この場合には、細粉粒体Fだけの集合体であり、これより大きな粒体は含まれていないので、取り扱いは容易になる。太陽電池モジュール1のガラス基板部を粉砕するので、この細粉粒体Fは、主にガラスの粉粒体であるが、多少銅や銀等の金属を含むことがある。
【0054】
そして、この地表面の被覆構造Kは、この細粉粒体Fを、地表面Gに敷設し、この細粉粒体Fの層の上に、上述した実施例に係りガラスカレット原材料から目開き0.60mmの篩下のガラスカレットを除いたガラスカレットCを敷設して構成されている。細粉粒体Fの層の厚さDaは、Da=10mm~20mmに設定されている。
【0055】
従って、この地表面の被覆構造Kによれば、細粉粒体Fは、その粒度が0.6mmに満たないので、地表面Gに満遍なく食い込んで接触する。そのため、地表面Gとの間に隙間ができにくく、それだけ、雑草が生えにくくなり、防草効率をより一層向上させることができる。また、細粉粒体Fの層を設けたので、それだけ、遮光性が向上し、この点でも、防草効率をより一層向上させることができる。更に、ガラスカレットCの層も細粉粒体Fの層に密着するので、この点でも、防草効率をより一層向上させることができるとともに、ガラスカレットCの層をより一層安定化させることができる。他の作用,効果は上記と同様である。尚、細粉粒体Fとして目開き1mmの篩下のガラスカレットを用いる場合は、この細粉粒体Fの層の上に、目開き1mmの篩上のガラスカレットCを敷設すると良い。目開き1mmの篩下の細粉粒体を敷設することでも、相応の作用,効果を奏する。
【0056】
図5乃至
図7には、本発明の実施の形態に係る太陽光発電設備Sにおいて、他の実施の形態に係る地表面の被覆構造Kを示している。この被覆構造Kは、太陽電池モジュール1のガラス基板部を粉砕して得られるガラスカレット原材料の内、目開き10mmの篩下の粒度を有したガラスカレットCを用い、地表面Gに透水性且つ遮光性の防草シートBを敷設し、この防草シートBに、ガラスカレットCを敷設し、ガラスカレットCの層の厚さDを30mm~60mmに設定している。望ましくは、40mm~60mmである。より望ましくは、45±5mmである。
【0057】
防草シートBとしては、一般的な可撓性のものを用いることができ、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステルの材質のもので、織物あるいは不織布の耐久性の優れるものを用いることができる。また、防草シートBとしては、白色で光を反射できる反射性のある表面のものが望ましい。ガラスカレットCの層を光が透過することがあっても、防草シートBによっても光を反射できるので、ガラスカレットCによる光の反射性能を向上させることができる。例えば、防草シートBとしては、株式会社小泉製麻製の「ルンルンシート 白ピカ」を用いることができる。ポリプロピレン及びポリエチレンを用いて製作され、白い糸で高い光反射率と遮熱効果を持つ織物防草シートである。
【0058】
ガラスカレット原材料は、上記と同様である。実施の形態においては、ガラスカレット原材料から、目開き1mmの篩下のガラスカレットCであって、少なくとも目開き0.60mmの篩下のガラスカレットCを除いたガラスカレットCを用いた構成としている。実施の形態では、目開き0.60mmの篩下のガラスカレットCを除いたガラスカレットCを用いている。0.6mm以下のものを含むと搬送や敷設時等の取扱いが煩雑になるが、このような細かい粒子のものを除くので、取り扱いを向上させることができる。また、反射効率を向上させることができる。10mm以上になるとガラスカレットCの層において動き易くなってガラスカレットCの層が不安定になる。望ましくは、目開き7mmの篩下の粒度を有したガラスカレットCを用いる。より望ましくは、目開き5mmの篩下の粒度を有したガラスカレットCを用いる。
【0059】
また、ガラスカレットCは、その平均円形度を、0.75以上、鋭利度を、0.3以下にしたものを用いる。円形度及び鋭利度については上述した通りである。更に、
図6に示すように、ガラスカレットCの層において、ガラスカレットCの粒度が下層から上層に行くに従って大きく分布するように、ガラスカレットCを圧接している。
【0060】
また、本被覆構造Kにおいては、ガラスカレットCを敷設するエリアを柵体10で囲繞している。
図7に示すように、柵体10として、樹脂製の断面半円形の樋11を用いている。樋11は開口を上にして例えば釘様の止着具12で防草シートBとともに地表面Gに止着されている。樋11は、安価で耐久性も良い。そして、樋11内にもガラスカレットCが入れられるとともに、樋11の外側にも樋11の長手方向に沿ってガラスカレットCが敷設されている。
【0061】
従って、この実施の形態に係る太陽光発電設備S及びこの地表面Gの被覆構造Kにおいては、ガラスカレットCを敷設するエリアに防草シートBを敷設し、このエリアを柵体10としての樋11で囲繞する。樋11は止着具12で防草シートBとともに地表面Gに止着する。この状態で、ガラスカレットCを防草シートBに敷設する。この際には、ガラスカレットCの平均円形度が0.75以上と比較的高く、鋭利度が0.3以下と低いので、敷設作業の安全を図ることができるとともに、敷設した状態での安全を図ることができる。また、この敷設の際には、例えば、振動コンパクターにより、ガラスカレットCの層の表面を転圧する。これにより、粒度の小さい粒子は徐々に下層に移り、粒度の大きな粒子は上層に移り、同程度の粒度の粒子が同一の層になるように分布し、粒子が粒度ごとに多層に分離する。これにより、ガラスカレットCの層は、締め固まって強固になり、安定化させることができる。
【0062】
このように、ガラスカレットCを敷設した被覆構造Kにおいては、ガラスカレットCは、その粒度が0.6mm以上10mm未満、望ましくは、7mm未満、より望ましくは、5mm未満の比較的小さい粒なので、ガラスカレットCが防草シートBに満遍なく接触して防草シートBを地表面Gに押し付け、地表面Gと防草シートBとの間に隙間ができにくく、それだけ、雑草が生えにくくなり、防草効率を向上させることができる。
【0063】
また、防草シートBに加えてガラスカレットCを敷設するので、遮光性が高くなり、より一層防草効果を確実に奏することができる。本願発明者の後述の試験によると、ガラスカレットCの層の厚さが30mmを超えると光の透過率が極めて小さくなり、50mmを超えると透過率は略ゼロになることから、防草シートBとガラスカレットCにより相乗的に遮光性効果を奏する。また、60mm以下なので、ガラスカレットCの使用量を少なくすることができ、それだけ、敷設作業性も向上し、コスト的にも有利になる。更に、ガラスカレットCの層は透水性であり、防草シートBも透水性なので、水はけも良いことから、ガラスカレットCの層に雑草等の植物の種が根付くことが防止され、更にまた、発芽しても夏場の暑い時期になると、温度上昇も加わることから、枯れてしまい、この点でも防草効果を確実に奏することができる。
【0064】
また、防草シートBはガラスカレットCの層で被覆されるので、耐久性も向上する。また、ガラスカレットCを敷設するエリアが柵体10で囲繞されているので、ガラスカレットCがエリア外に移動しようとしても、柵体10で阻止することができ、それだけ、耐久性を向上させることができる。特に、樋11からなる柵体10がガラスカレットCによって隠されるので、柵体10の耐久性を向上させることができる。
【0065】
更に、ガラスカレットCは、不規則で複雑な多角形状になるので、それだけ、光の乱反射の程度が大きくなることから、反射効率が向上する。防草シートBとして、光反射性のある表面のものを用いた場合には、ガラスカレットCの層を光が透過することがあっても、防草シートBによって光を反射できるので、ガラスカレットCによる光の反射性能を向上させることができる。また、雑草が生えてくることを防止できるので、長期に亘り、光の反射性能を維持することができる。このため、太陽光発電設備の場合、発電効率を向上させることができる。特に、両面受光型の太陽電池モジュールを複数設置している太陽光発電設備の場合には、極めて有効になる。
【0066】
図8及び
図9には、本発明の実施の形態に係る太陽光発電設備Sにおいて、別の他の実施の形態に係る地表面の被覆構造Kを示している。これは、上記と略同様に構成されるが、上記と異なって、ガラスカレットCを敷設するエリアにおいて、敷設されるガラスカレットCの地表面Gの面方向への移動を規制する規制板Rを複数設けた構成としている。詳しくは、規制板Rを枠状に連結した矩形状の枠体20に形成し、この枠体20の下開口を枠体20と略同じ大きさの防草シートBで塞ぎ、地表面Gに、複数の枠体20を行列状に並べて被覆構造Kを構成している。そして、柵体10を、行列状に並べた複数の枠体20の最外周を構成する規制板Rで構成している。規制板Rは硬質の樹脂で形成されている。例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアミド,ABS樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0067】
枠体20は、工場で型成形により作製することができる。例えば、枠体20と略同じ大きさの防草シートB上に、枠体20を成形する図示外の型枠を置くとともに、型枠内に防草シートBを貫通させて釘様の止着具21を配置し、この状態で、液状にした樹脂を型枠内に流し込み、それから固化させ、その後、型枠を外して形成する。あるいは、予め、枠体20を型成形し、その後、止着具により枠体20に防草シートBを張り付ける。枠体20の製法はこれに限定されず、どのような製法で製造しても良い。尚、枠体20の規制板Rの材質は、樹脂に限定されない。
【0068】
そして、例えば、工場において、この防草シートBを張り付けた枠体20にガラスカレットCを充填し、このガラスカレットCを充填した枠体20を敷設現場に搬送し、敷設現場では枠体20を行列状に並べる。枠体20を並べるだけで地表面Gの被覆構造Kを構築できるので、施工を極めて効率良く行うことができるようになる。尚、搬送の際には、ガラスカレットCの重さで防草シートBが破けることも懸念されるので、防草シートBを図示外の支持板で支持して搬送し、敷設の際に取り外すようにすればよい。これにより、ガラスカレットCが移動しようとしても、枠体20の規制板Rで阻止することができ、それだけ、ガラスカレットCの層の耐久性を向上させることができる。枠体20なので四方から移動を押えることができ、ガラスカレットCの移動をより確実に阻止することができる。他の作用,効果は上記と略同様である。
【0069】
図10及び
図11には、また別の他の実施の形態に係る地表面の被覆構造Kを示している。これは、
図5に示す樋11からなる柵体10を設けた被覆構造Kにおいて、規制板Rを格子状に設けたものである。規制板Rは、防草シートBにガラスカレットCを敷設した状態で、溶液乾燥型,硬化剤混合型(二液混合型)等の樹脂22(接着剤)をガラスカレットCに対して格子状に流下させて注入し、これを硬化させて形成されている。この規制板Rにより枠体20が行列状に形成される。最外周の枠体20は樋11と樹脂が硬化した規制板Rとから構成され、内側の枠体20は樹脂が硬化した規制板Rで構成される。作用,効果は上記と略同様である。
【0070】
図12及び
図13には、更にまた別の他の実施の形態に係る地表面の被覆構造Kを示している。これは、
図5に示す樋11からなる柵体10を設けた被覆構造Kにおいて、規制板Rを間隔を隔てて行列状に列設したものである。規制板Rは、断面L字状の樹脂製や金属製のもので構成され、防草シートBを敷設し、柵体10を設置した後、防草シートBに止着具23で止着されている。平面から見て(
図12)、左右方向の規制板Rの列は、互いに平行に傾斜して等間隔で配置されている。隣接する規制板Rの列同士は、互いに規制板Rの傾斜角度が鏡面対称になるように逆向きに傾斜して配置されている。そして、防草シートBに止着具23で規制板Rを止着した後、上記と同様にガラスカレットCを敷設する。これによっても、ガラスカレットCが移動しようとしても、枠体20の規制板Rで阻止することができ、それだけ、ガラスカレットCの層の耐久性を向上させることができる。
【0071】
尚、規制板Rの設け方は上述した例に限定されるものではなく、どのように設けてもよいことは勿論である。また、規制板Rの材質も上述したものに限定されるものでなく、例えば、
図12に示す行列状に配置する規制板Rを、
図20に示す樹脂22を固化させて形成する等、適宜変更して差支えない。
【0072】
次に試験例を示す。
<試験例1>
図14及び
図15に示す粒度分布と略同様の粒度分布のガラスカレットCを地表面Gに敷設し、その積層厚さと遮光性との関係について試験した。地中に日射計(英弘精機社製、小型センサー日射計 ML-020VM)を埋めて測定部を地表面Gに露出させ、その上にガラスカレットCを、2cm,4cm,5cm,10cm積層し、夫々についての透過率を測定した。結果を
図16に示す。透過率は5cmで略0%になり、防草シートを設けない場合には、それ以上の積層厚さにすることが望ましいことが分かった。
【0073】
<試験例2>
試験例1と略同様のガラスカレットCについて、その積層厚さと内部温度との関係について試験した。地面にガラスカレットCを、20cm積層し、5cm,10cm,20cm(地表境)に温度計(クリマテック社製、サーミスタセンサ c-107-9.9)を埋設し、1年2か月に亘り毎日定時にその温度を測定した、結果を
図17に示す。5cm以上の積層厚さにおいて、夏場には、何れも30℃を超え、後述の水分量と相まって、防草機能に優れていることが分かった。
【0074】
<試験例3>
試験例1と略同様のガラスカレットCについて、その積層厚さとTDR体積含水率との関係について試験した。地面にガラスカレットCを、20cm積層し、TDR土壌水分計(クリマテック社製、True TDR土壌水分センサー CACC-TDR-315H)を設置し、1年2か月に亘り毎日定時にその体積含有率を測定した。結果を
図18に示す。降雨時には一時的に体積含有率が高くなるものの、通常時は低く、防草機能に優れていることが分かった。
【0075】
<試験例4>
試験例1と略同様のガラスカレットCを用い、このガラスカレットCを屋外の5m×5mの範囲に約15cmの厚さに敷設し、アルベドを測定した。高さ1mの箇所に、熱型の日射計(英弘精機社製、小型センサー日射計 ML-020VM)を2台設置して測定した。積雪の場合及び草地の場合についても測定し、比較した。結果を
図19に示す。この結果、ガラスカレットCの層において、アルベドは約60%であり、積雪の場合には及ばないものの、草地の場合の20%に比較して約3倍の能力を示した。
【0076】
<試験例5>
試験例1と略同様のガラスカレットCについて、両面受光型太陽電池の片面受光型太陽電池に対する発電量増加率を、草地の場合とガラスカレットC層の場合とを比較した。数値は、種々の試験結果に基づき、シミュレーションソフトを用いて計算して算出した。シミュレーションソフトとしては、PVSyst、NRELが提供するSolar advisor model(SAM)、Solar Worldから提案された近似式(SW)を用い、夫々で算出した数値を比較した。結果を
図20に示す。片面受光型太陽電池の場合に比較して、両面受光型太陽電池の場合は、草地で3.7%~5.7%、ガラスカレットCの層で、111.1%~116%となり、発電量が増加する結果となった。また、草地に比較してガラスカレットCの層の方が、上記のアルベドの関係に対応して約3倍の能力があることが分かった。
【0077】
尚、上記実施の形態において、カレットCとして、ガラスカレット原材料から、目開き0.60mmの篩下のガラスカレットCを除いたガラスカレットCを用いたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、目開き1mmの篩下のガラスカレットCを除いたガラスカレットCを用いても良く、適宜変更して差支えない。また、試験例のように、目開き10mmの篩下のガラスカレット原材料全部を用いて、これを地表面Gに敷設しても良く、適宜変更して差支えない。
【0078】
尚また、実施の形態に係る地表面Gの被覆構造Kは、実施の形態に係る太陽光発電設備Sに適用したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、片面受光型の太陽電池を用いた太陽光発電設備に適用し、あるいは、太陽光発電設備以外の地表面Gに適用しても良く、適宜変更して差支えない。当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施の形態に多くの変更を加えることが容易であり、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
S 太陽光発電設備
K 地表面の被覆構造
E 敷地
G 地表面
1 太陽電池モジュール
2 表面
3 裏面
4 架台
C ガラスカレットC
F 細粉粒体
B 防草シート
10 柵体
11 樋
12 止着具
R 規制板
20 枠体
21 止着具
22 樹脂
23 止着具