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特許7464232設備の管理方法、情報処理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】設備の管理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/20 20200101AFI20240402BHJP
【FI】
G07C9/20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023113694
(22)【出願日】2023-07-11
【審査請求日】2023-09-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日:令和5年3月15日 掲載アドレス:https://www.tohan.jp 掲載年月日:令和5年3月15日 掲載アドレス:https://nebraska-tech.co.jp/ 試験を行った日:令和5年3月20日 試験を行った場所:山下書店世田谷店 取材日:令和5年3月27日 取材場所:山下書店世田谷店 その他 15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523263599
【氏名又は名称】株式会社Nebraska
(74)【代理人】
【識別番号】100193839
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 周平
(72)【発明者】
【氏名】藤本 豊
(72)【発明者】
【氏名】横山 卓哉
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-181397(JP,A)
【文献】特開2020-042460(JP,A)
【文献】特開2020-166642(JP,A)
【文献】特開2022-156775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00 - 9/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対する設備の利用許可をコンピュータによって管理する設備の管理方法であって、
前記ユーザが前記設備に設置される開閉装置を利用する位置にいることを示す認証用情報を、前記設備側に設置される認証用装置から前記ユーザが所持するユーザ端末が取得する、又は前記ユーザから前記認証用装置が取得する、認証用情報取得ステップと、
前記認証用情報の取得後に、前記ユーザが登録するSNSに関するSNS情報に当該ユーザに対して前記設備の利用を許可する情報が含まれている場合は、前記設備に対して前記開閉装置を閉鎖状態から開放状態に移行する動作を実行させる処理を行う判定ステップと、
を含む設備の管理方法。
【請求項2】
前記認証用装置が識別コードを表示する表示ステップを更に含み、
前記認証用情報取得ステップでは、前記ユーザ端末が前記認証用装置から前記識別コードを読み込むことにより前記認証用情報が取得される、
請求項1に記載の設備の管理方法。
【請求項3】
前記表示ステップでは、時間によって異なる前記識別コードが表示され、
前記判定ステップでは、前記ユーザ端末が取得した前記識別コードが有効時間内であり、かつ、前記SNS情報に当該ユーザに対して前記開閉装置の利用を許可する情報が含まれている場合は、前記設備に対して前記開閉装置を閉鎖状態から開放状態に移行する動作を実行させる処理を行う、
請求項2に記載の設備の管理方法。
【請求項4】
前記ユーザ端末が識別コードを表示する表示ステップを更に含み、
前記認証用情報取得ステップでは、前記認証用装置が前記ユーザ端末から前記識別コードを読み込むことにより前記認証用情報が取得される、
請求項1に記載の設備の管理方法。
【請求項5】
前記判定ステップにおいて、
前記SNS情報に当該ユーザに対して前記設備の利用を許可する情報が含まれていない場合に、前記設備の利用を許可する情報を追加するための処理を前記ユーザ端末に実行させるための追加用情報を前記ユーザ端末又は前記認証用装置に送信する処理を実行する、
請求項1~の何れかに記載の設備の管理方法。
【請求項6】
前記判定ステップ後の前記設備の利用に関する利用情報を前記ユーザに関連付けて記憶するユーザ情報記憶ステップを更に含む、
請求項1~の何れかに記載の設備の管理方法。
【請求項7】
前記利用情報に基づく前記設備に関する広告情報及び利用関連情報の少なくとも何れか一方を前記ユーザ端末又は前記認証用装置に提示する提示ステップを更に含む、
請求項に記載の設備の管理方法。
【請求項8】
前記設備を利用する利用時間に基づいて前記広告情報及び前記利用関連情報の少なくとも何れか一方を前記ユーザ端末又は前記認証用装置に提示する、
請求項に記載の設備の管理方法。
【請求項9】
前記判定ステップ後の前記設備の利用に関する利用情報を前記ユーザに関連付けて記憶するステップと、
会計装置から受信した商品情報及び決済方法を含む情報等を登録するステップと、
前記ユーザの入店履歴及び購買履歴を示す情報に基づいてユーザに提示する広告情報又は利用関連情報の内容を決定するステップと、
を更に含む、
請求項1~4の何れかに記載の設備の管理方法。
【請求項10】
ユーザが設備に設置される開閉装置を利用する位置にいることを示す認証用情報を、前記設備側に設置される認証用装置から前記ユーザが所持するユーザ端末が取得した、又は前記ユーザから前記認証用装置が取得したことを示す情報を通信処理により取得する通信処理部と、
前記認証用情報の取得後に、前記ユーザが登録するSNSに関するSNS情報に当該ユーザに対して前記設備の利用を許可する情報が含まれている場合は、前記設備に対して前記開閉装置を閉鎖状態から開放状態に移行する動作を実行させる処理を行う判定部と、
を備える情報処理装置。
【請求項11】
ユーザが設備に設置される開閉装置を利用する位置にいることを示す認証用情報を、前記設備側に設置される認証用装置から前記ユーザが所持するユーザ端末が取得した、又は前記ユーザから前記認証用装置が取得したことを示す情報を通信処理により取得する通信処理機能と、
前記認証用情報の取得後に、前記ユーザが登録するSNSに関するSNS情報に当該ユーザに対して前記設備の利用を許可する情報が含まれている場合は、前記設備に対して前記開閉装置を閉鎖状態から開放状態に移行する動作を実行させる処理を行う判定機能と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、設備の管理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗や装置等の設備に対してユーザごとに利用の許可の判定を行う技術が知られている。この種の技術が記載されるものとして例えば特許文献1がある。
【0003】
特許文献1は、無人店鋪システムに関するものである。特許文献1には、ユーザの身体一部から個人情報を獲得し、該個人情報を第1サーバに伝送し、第1サーバから、該個人情報の認証を受信する認証装置と、該認証装置が認証を受信すれば、ユーザが店鋪に入場したり退場したりできるようにゲートを開くゲート制御装置と、ユーザの身体一部から個人情報を獲得し、該個人情報を第2サーバに伝送し、第2サーバから、該個人情報の認証を受信すれば、商品金額を決済する無人レジ装置と、を含む無人店鋪システムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-021283号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
設備の利用の許可を判定するためには、事前にユーザの個人情報を登録する必要がある。個人情報の登録は、名前、電話番号、住所等をユーザに入力させる必要があり、ユーザにとって煩雑な作業である。設備の管理者にとっても、個人情報の入力を受け付けるためのインターフェースや個人情報の管理を行うシステムを独自に構築する必要があり、負担も大きい。
【0006】
本開示は、設備の利用の管理において、設備の利用に要するユーザの作業の省力化及び設備の管理者の負担軽減を実現できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、ユーザに対する設備の利用許可をコンピュータによって管理する設備の管理方法であって、前記ユーザが前記設備を利用する位置にいることを示す認証用情報を、前記設備側に設置される認証用装置から前記ユーザが所持するユーザ端末が取得する、又は前記ユーザから前記認証用装置が取得する、認証用情報取得ステップと、前記認証用情報の取得後に、前記ユーザが登録するSNSに関するSNS情報に当該ユーザに対して前記設備の利用を許可する情報が含まれている場合は、前記設備に対して利用を許可する動作を実行させる処理を行う判定ステップと、を含む設備の管理方法である。
【0008】
前記設備の管理方法は、前記認証用装置が識別コードを表示する表示ステップを更に含み、前記認証用情報取得ステップでは、前記ユーザ端末が前記認証用装置から前記識別コードを読み込むことにより前記認証用情報が取得されてもよい。
【0009】
前記表示ステップでは、時間によって異なる前記識別コードが表示され、前記判定ステップでは、前記ユーザ端末が取得した前記識別コードが有効時間内であり、かつ、前記SNS情報に当該ユーザに対して前記設備の利用を許可する情報が含まれている場合は、前記設備に対して利用を許可する動作を実行させる処理を行ってもよい。
【0010】
前記設備の管理方法は、前記ユーザ端末が識別コードを表示する表示ステップを更に含み、前記認証用情報取得ステップでは、前記認証用装置が前記ユーザ端末から前記識別コードを読み込むことにより前記認証用情報が取得されてもよい。
【0011】
前記認証用情報取得ステップでは、前記認証用装置が前記ユーザの生体情報又は記憶媒体に記憶される前記ユーザの識別情報を読み取ることにより前記認証用情報が取得されてもよい。
【0012】
前記判定ステップにおいて、前記SNS情報に当該ユーザに対して前記設備の利用を許可する情報が含まれていない場合に、前記設備の利用を許可する情報を追加するための処理を前記ユーザ端末に実行させるための追加用情報を前記ユーザ端末又は前記認証用装置に送信する処理を実行してもよい。
【0013】
前記設備の管理方法は、前記判定ステップ後の前記設備の利用に関する利用情報を前記ユーザに関連付けて記憶するユーザ情報記憶ステップを更に含んでもよい。
【0014】
前記設備の管理方法は、前記利用情報に基づく前記設備に関する広告情報及び利用関連情報の少なくとも何れか一方を前記ユーザ端末又は前記認証用装置に提示する提示ステップを更に含んでもよい。
【0015】
前記設備を利用する利用時間に基づいて前記広告情報及び前記利用関連情報の少なくとも何れか一方を前記ユーザ端末又は前記認証用装置に提示してもよい。
【0016】
また、本発明の一態様は、ユーザが設備を利用する位置にいることを示す認証用情報を、前記設備側に設置される認証用装置から前記ユーザが所持するユーザ端末が取得した、又は前記ユーザから前記認証用装置が取得したことを示す情報を通信処理により取得する通信処理部と、前記認証用情報の取得後に、前記ユーザが登録するSNSに関するSNS情報に当該ユーザに対して前記設備の利用を許可する情報が含まれている場合は、前記設備に対して利用を許可する動作を実行させる処理を行う判定部と、を備える情報処理装置である。
【0017】
また、本発明の一態様は、ユーザが設備を利用する位置にいることを示す認証用情報を、前記設備側に設置される認証用装置から前記ユーザが所持するユーザ端末が取得した、又は前記ユーザから前記認証用装置が取得したことを示す情報を通信処理により取得する通信処理機能と、前記認証用情報の取得後に、前記ユーザが登録するSNSに関するSNS情報に当該ユーザに対して前記設備の利用を許可する情報が含まれている場合は、前記設備に対して利用を許可する動作を実行させる処理を行う判定機能と、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、設備の利用の管理において、設備の利用に要するユーザの作業の省力化及び設備の管理者の負担軽減を実現できる技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係る設備の管理方法が適用される設備管理システムの構成を示す模式図である。
図2】第1実施形態の管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1実施形態の設備管理システムの機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4】第1実施形態の設備の管理方法におけるSNS連携済みの場合の認証処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図5】第1実施形態の設備の管理方法におけるSNS未連携の場合の認証処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6】第1実施形態の設備の管理方法におけるマーケティング情報の収集処理の一例を示すシーケンス図である。
図7】第1実施形態の設備の管理方法におけるマーケティング処理の一例を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態の設備の管理方法が適用される設備管理システムの構成を示す模式図である。
図9】第2実施形態の設備の管理方法におけるSNS連携済みの場合の認証処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、第2実施形態以降の説明において、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0021】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る設備の管理方法が適用される設備管理システム1の構成を示す模式図である。設備管理システム1は、ユーザに対する設備の利用許可をコンピュータによって管理する。設備管理システム1が管理対象とする設備は、店舗、貸会議室、ジム等の空間を単位としてもよいし、自動扉や改札型のゲート等の開閉装置、開閉装置の電子錠、貸出用のコンピュータや運動器具等の装置を単位としてもよい。このように、本発明において設備が特に限定される訳ではない。以下、無人の店舗2及び自動扉3を設備の一例として説明する。なお、店舗2は、無人店舗に限定される訳ではなく、スタッフが常駐する有人店舗であってもよい。
【0022】
第1実施形態の設備管理システム1は、店舗2の出入口に設置される自動扉3と、認証用装置である表示装置4と、店舗2内に設置される会計装置5と、利用許可を管理する管理装置10と、を含む。
【0023】
自動扉3は、店舗2に設置される開閉装置である。自動扉3は、扉を開くことを示す動作命令を受信すると、閉鎖状態から開放状態に移行する。店舗2を利用するユーザは、自動扉3が開放状態に切り替わることにより、店舗2の利用が可能となる。第1実施形態では、図示省略の通信機能を有するコンピュータが自動扉30に接続されており、当該コンピュータが、管理装置10から許可を示す情報を受信すると、自動扉3に対して動作命令を送信する。
【0024】
表示装置4は、ユーザが所持するユーザ端末50に対して店舗2を利用するための情報を出力するデジタルサイネージである。表示装置4には、店舗2に入店するための識別コード100を表示するプログラムが稼動する。本実施形態のユーザ端末50は、通信機能、画像読取機能、表示機能等を有するスマートフォン、タブレット、スマートウォッチ等の可搬型のコンピュータである。
【0025】
会計装置5は、店舗2で商品を購入したユーザが会計を行うためのレジである。会計装置5は、ユーザ自らが会計処理を行うセルフレジ形式であってもよいし、店員が会計処理を行う形式であってもよい。
【0026】
管理装置10は、ユーザに対する店舗2の利用許可を行う設備管理機能と、ユーザに対して設備の利用を促すマーケティング処理機能と、を有するサーバである。
【0027】
<ハードウェア構成>
ここで、図2を参照し、管理装置10を実現するハードウェア構成について説明する。図2は、第1実施形態の管理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、管理装置10は、プロセッサ11、ROM(read-only memory)12、RAM(random-access memory)13、補助記憶装置14、通信I/F(interface)15、入力装置16及び出力装置17を備える。管理装置10を構成するハードウェアの各部はバス等によって接続される。
【0028】
プロセッサ11は、管理装置10の動作に必要な演算及び制御等の処理を行うコンピュータの中枢部分であり、各種演算及び処理等を行う。プロセッサ11は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)等である。あるいは、プロセッサ11は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサ11は、これらにハードウェアアクセラレーター等を組み合わせたものであっても良い。
【0029】
プロセッサ11は、ROM12又は補助記憶装置14等に記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェア等のプログラムに基づいて、各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサ11は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサ11の回路内に組み込まれていてもよい。
【0030】
ROM12及びRAM13は、プロセッサ11を中枢としたコンピュータの主記憶装置である。ROM12は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM12は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェア等を記憶する。また、ROM12は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ等も記憶する。RAM13は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリア等として利用される。RAM13は、典型的には揮発性メモリである。
【0031】
補助記憶装置14は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はフラッシュメモリ等である。補助記憶装置14は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェア等を記憶する。また、補助記憶装置14は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ11での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値等を記憶する。
【0032】
通信I/F15は、ユーザ端末50等の外部の装置と通信するためのインターフェースである。入力装置16はユーザの操作を受け付ける手段であり、キーボードやタッチパネル等によって構成される。出力装置17はユーザに各種の情報を出力する手段であり、ディスプレイによって構成される。入力装置16及び出力装置17は、タッチパネルディスプレイによって構成されてもよい。
【0033】
なお、管理装置10は、単体のコンピュータで構成されてもよいし、複数のコンピュータで構成されてもよい。例えば、設備管理機能を担うコンピュータと、利用情報管理機能を担うコンピュータと、がそれぞれ独立する構成であってもよい。また、管理装置10は、第三者のコンピュータによって実現されるクラウドコンピューティングサービス上に構築されるサーバであってもよい。
【0034】
<機能構成>
管理装置10は、上述したハードウェア構成により、各種機能を実現する。図3を参照し、管理装置10で実現される機能部のうち、設備管理機能と利用情報管理機能に関する機能について説明する。図3は、設備管理システム1の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
本実施形態の管理装置10は、プロセッサ11上に実現される機能部として、通信処理部31と、認証用情報管理部32と、判定部33と、設備動作部34と、ユーザ情報管理部35と、提示情報生成部36と、提示情報管理部37と、を備える。
【0036】
通信処理部31は、外部のコンピュータと通信して情報を送受信する処理を実行する。本実施形態では、通信処理部31は、自動扉3と、表示装置4と、会計装置5と、ユーザ端末50と、のそれぞれに対して通信処理により各種の情報を送受信する。通信処理部31は、例えば、API(application Programing Interface)を利用して各種の情報を送受信する。なお、自動扉3、表示装置4及び会計装置5のそれぞれは、通信処理部31と直接的に通信を行ってもよいし、別のコンピュータを介して間接的に通信を行ってもよい。
【0037】
認証用情報管理部32は、認証用情報としての識別コード100を管理する処理を実行する。識別コード100は、例えば、QRコード(登録商標)等のカメラで読み取るためのコードである。なお、識別コード100は、QRコード(登録商標)のような二次元コードに限定される訳ではない。画像処理によって所定の情報を読み取ることができるコードであればよく、一次元バーコードを利用するものであってもよい。
【0038】
認証用情報管理部32は、表示装置4から識別コード100を要求する識別コードリクエストを受信すると、表示装置データベース41を参照し、店舗2に表示すべき識別コード100を生成して店舗2の表示装置4に送信する。
【0039】
表示装置データベース41は、補助記憶装置14や外部のコンピュータ等によって構築される。表示装置データベース41は、複数の店舗2に関する情報を登録する。店舗2に関する情報には、表示装置4が設置される店舗2を特定するための情報や、自動扉3の位置を示す情報等が含まれる。認証用情報管理部32や判定部33等の各機能部は、表示装置データベース41に登録される情報を利用することにより、ユーザが利用する自動扉3、表示装置4及び会計装置5がどこの店舗2に属するかを特定することができる。
【0040】
判定部33は、ユーザの店舗2の利用を許可するか否かを判定する判定処理を実行する。判定部33は、判定対象となるユーザと当該ユーザのSNS(social networking service)の登録情報とに基づいて利用可否を判定する。SNSは、例えば、LINE(登録商標)、Facebook(登録商標)、Twitter(登録商標)、Instagram(登録商標)、Tiktok(登録商標)、及びYouTube(登録商標)等である。
【0041】
判定基準となるSNSの登録情報は、所定の情報を適宜設定することができる。本実施形態では、ユーザのSNSの登録情報に、当該店舗2を関連付ける関連情報が含まれており、かつ、ブラックリストに該当しないことが判定基準となる。関連情報は、例えば、ユーザが店舗2アカウントを登録していることを示す情報である。関連情報は、LINE(登録商標)やFacebook(登録商標)等における店舗2アカウントの友だち登録であってもよいし、Twitter(登録商標)やInstagram(登録商標)やTiktok(登録商標)等における店舗2アカウントのフォローであってもよい。ブラックリストは、予め登録される利用が許可されないユーザのリストである。
【0042】
設備動作部34は、判定部33の判定結果に基づいて自動扉3の開閉状態を制御する。設備動作部34は、判定結果がユーザの利用許可を示す場合、自動扉3を閉鎖状態から開放状態に切り替える。これによってユーザは、店舗2にアクセスできるようになる。
【0043】
ユーザ情報管理部35は、ユーザの店舗2の利用に関する利用情報をユーザ情報データベース42に登録する。ユーザ情報データベース42は、補助記憶装置14や外部のコンピュータ等によって構築される。ユーザ情報データベース42に登録される利用情報には、ユーザの登録情報、入店履歴情報、購買履歴情報及びユーザの行動を示す行動情報等が含まれる。
【0044】
ユーザの登録情報は、例えば、ユーザ端末50の操作によって入力される個人情報である。入店履歴は、店舗2(自動扉3)を利用したことを示す情報である。入店履歴には、例えば、利用した店舗2を特定する情報や利用した日時等が含まれる。購買履歴は、会計装置5を利用した商品や商品の数等のユーザの購入に関する情報である。行動情報は、例えば、店舗2に設置される監視カメラで撮影されたユーザの行動を示す情報である。
【0045】
提示情報生成部36は、収集したユーザ情報に基づいてユーザに提示する提示情報を生成する。提示情報には、ユーザに提示する商品の情報を示す広告情報、商品のレビューや店舗2の営業時間等を示す利用関連情報が含まれる。
【0046】
提示情報管理部37は、利用情報に基づいて決定されるタイミングに基づいてユーザに広告情報及び利用関連情報を含む提示情報を送信する。広告情報の送信先は、例えば、ユーザが登録するSNSやユーザ端末50である。
【0047】
<認証処理>
次に、図4を参照し、第1実施形態の設備の管理方法において、ユーザが登録するSNSに店舗2のアカウントを既に登録している場合の認証処理の一例について説明する。図4は、第1実施形態の設備の管理方法におけるSNS連携済みの場合の認証処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0048】
図4に示す例では、ステップS1において、表示装置4は、任意の時間タイミングで管理装置10に対して識別コード100を表示するために、識別コードリクエストを送信する。これにより、管理装置10は、表示装置4が送信される識別コードリクエストを受信する。識別コードリクエストは、例えば、任意の時間ごとに表示装置4から管理装置10に送信される。
【0049】
管理装置10の認証用情報管理部32は、ステップS2において識別コードリクエストに基づいて識別コード100を生成し、ステップS3において表示装置4に対して生成した識別コード100を送信する。なお、ステップS2及びステップS3において送受信される識別コード100は、表示する識別コード100の画像そのものでもよいし、識別コード100を表示するための間接的な情報であってもよい。
【0050】
ステップS4において、表示装置4は、管理装置10から受信した情報に基づく識別コード100を表示する処理を実行する。これによって前回表示されていた識別コード100が更新される。このように、表示装置4は、任意の時間ごとにサーバである管理装置10に識別コードリクエストを送信し、識別コード100を取得・更新する処理を行う。
【0051】
ステップS5において、ユーザ端末50は、ユーザの操作に応じて表示装置4に表示された識別コード100の画像を撮像によって取得し、識別コード100を読み込む。ステップS6において、ユーザ端末50は、識別コード100に埋め込められた情報に基づいて管理装置10に接続し、識別コード100が適切なものか否かを確認する要求を行う。
【0052】
ステップS7において、管理装置10の判定部33は、ユーザ端末50からの識別コード確認要求を受信すると、識別コード100の有効性を判定する処理を実行する。第1実施形態では、管理装置10は、ユーザ端末50の確認要求の基になった識別コード100が有効時間内のものか否かを判定する。ステップS7の判定において、有効時間内の場合、処理はステップS8に進む。ステップS8において、管理装置10は、ユーザ端末50に対して店舗2のアカウントが登録されているか否かを確認するためのコードをユーザ端末50に送信する。なお、ステップS7において、有効時間外と判定された場合、ユーザ端末50に対して識別コード100が有効時間内にないことを示すコードを送信してもよいし、ユーザ端末50に対して新たな識別コード100の取得を指示するためのコードを送信してもよいし、ユーザ端末50に対してアクセスできないことを示すコードを送信してもよい。
【0053】
ステップS9において、ユーザ端末50は、管理装置10からの店舗アカウント確認要求を示すコードを受信すると、当該コードに基づいてSNSの登録情報を参照し、店舗2のアカウントが登録されていることを示す情報(店舗2の関連情報)が含まれているか否かを確認する。
【0054】
ステップS10において、ユーザ端末50は、確認結果を管理装置10に送信する。図4に示す例では、ユーザ端末50のSNS情報に関連情報としての店舗2のアカウントが登録されており、ユーザ端末50は、店舗2のアカウントが登録済みであることを示す情報(認証結果)を管理装置10に送信する。
【0055】
ステップS11において、管理装置10の判定部33は、ユーザ端末50からの店舗2のアカウント登録が行われていることを示す情報を受信すると、ユーザがブラックリストの対象者であるか否かを判定する判定処理を実行する。ステップS11の判定において、ユーザがブラックリストの対象者に該当しない場合、処理はステップS12に進む。ステップS12において、管理装置10の設備動作部34は、対応する店舗2の自動扉3を動作させるための情報を送信する。なお、ステップS12において、ブラックリストと判定された場合、ユーザ端末50に対して店舗2の利用が許可できないことを示す情報を送信することになる。
【0056】
ステップS13において、自動扉3は、不図示の通信機能を有するコンピュータが管理装置10からの動作要求を受信すると、当該コンピュータの動作指令に基づいて閉鎖状態から開放状態(又は開放可能状態)に切り替わる。これによってユーザは、店舗2の利用が可能となる。
【0057】
ステップS14において、管理装置10のユーザ情報管理部35は、店舗2にユーザが来店した日時等の利用情報をユーザ情報データベース42に登録する処理を実行する。
【0058】
次に、図5を参照し、第1実施形態の設備の管理方法において、図4とは異なるケースの認証処理の一例について説明する。図5は、第1実施形態の設備の管理方法におけるSNS未連携の場合の認証処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、以下の説明において、ステップS1~ステップS8の処理は、図4の認証処理と同様であるものとする。
【0059】
図5の例では、ステップS9において、ユーザ端末50は、認証処理でユーザのSNSの登録情報に、店舗2のアカウントが登録されていることを示す情報(店舗2の関連情報)が含まれていないと判定する。そして、ステップS10において、ユーザ端末50は、SNS情報に関連情報としての店舗2のアカウントが未登録であることを示す情報(認証結果)を管理装置10に送信する。
【0060】
ステップS11において、管理装置10の判定部33は、ユーザ端末50からの店舗2のアカウント登録が行われていることを示す情報を受信すると、現時点では、ユーザが店舗2アカウントの登録していないSNS未連携の状態であり、店舗2の利用を許可しない対象であると判定する。そして、ステップS21において、管理装置10の判定部33は、当該ユーザに対して店舗2のアカウントを登録させるための処理を実行する。この例では、管理装置10は、ユーザ端末50に致して店舗2のアカウントの登録を行うための登録画面にリダイレクトさせるための情報(追加用情報)を送信する。
【0061】
ステップS22において、ユーザ端末50は、管理装置10から登録画面にリダイレクトさせるための情報を受信すると、ユーザに対して店舗2のアカウントの登録を促す登録処理を実行する。例えば、ユーザ端末50の表示画面にSNS上で店舗2のアカウントの登録画面を表示する。この例では、ステップS22の登録処理において、ユーザがユーザ端末50の表示に従って店舗2のアカウントを登録する操作を行う。ステップS23において、ユーザ端末50は、ユーザの登録操作が終了すると、管理装置10に対して登録結果を送信する。
【0062】
ステップS24において、管理装置10のユーザ情報管理部35は、ユーザ端末50から受信した登録結果に基づいてユーザ情報をユーザ情報データベース42に登録する。ユーザ情報には、例えば、登録した店舗2を特定する情報や登録日時等が含まれる。ステップS25において、管理装置10の設備動作部34は、対応する店舗2の自動扉3に対して動作要求を送信する。
【0063】
ステップS26において、自動扉3は、不図示の通信機能を有するコンピュータが管理装置10からの動作要求を受信すると、当該コンピュータの動作指令に基づいて閉鎖状態から開放状態(又は開放可能状態)に切り替わる。これによってユーザは、店舗2の利用が可能となる。
【0064】
<マーケティング処理>
次に、ユーザに対して広告情報や利用関連情報を提示するマーケティング処理について説明する。図6は、第1実施形態の設備の管理方法におけるマーケティング情報の収集処理の一例を示すシーケンス図である。
【0065】
ステップS31において、会計装置5は、ユーザによる商品購入を指示する操作に応じてログインコードを表示する。ステップS32において、ユーザ端末50は、ユーザの操作に応じて会計装置5に表示されたログインコードの画像を撮像して取得し、ログインコードを読み込む。
【0066】
ステップS33において、ユーザ端末50は、ユーザの認証用のコードを表示するプログラムを起動する操作に応じて店舗2のアカウントが登録されているか否かの認証処理を実行する。認証の結果及びユーザ情報に基づいた認証用のコードを生成する処理を実行する。本実施形態では、認証結果は、ユーザのSNS情報に店舗2のアカウントが登録されている場合に管理装置10に送信される。
【0067】
ステップS35において、管理装置10のユーザ情報管理部35は、店舗2のアカウントが登録されていることを示す情報をユーザ端末50から受信すると、ユーザ端末50を使用するユーザを判別する処理を実行する。ユーザ情報管理部35は、例えば、認証結果に含まれる情報と、ユーザ情報データベース42に登録される情報と、を比較して会計処理を行うユーザを特定する。ステップS36において、管理装置10のユーザ情報管理部35は、ユーザのログイン画面を表示する指示を会計装置5に送信する。
【0068】
ステップS37において、会計装置5は、会計を行うためのユーザログイン画面を表示し、会計操作をユーザに促す会計処理を実行する。ステップS37では、ユーザは、会計装置5に表示される画面に従ってユーザが商品をスキャンしたり、決済方法を選択したりする操作が行われる。
【0069】
ステップS38において、会計装置5は、会計処理でスキャンされた商品及び決済方法を含む情報を管理装置10に送信する。ステップS39において、管理装置10のユーザ情報管理部35は、会計装置5から受信した商品情報及び決済方法を含む情報等をユーザ情報としてユーザ情報データベース42に登録する処理を実行する。これによって、管理装置10は、どのユーザがどの店舗2で商品をどれくらい会計しようとしていることを示す情報が登録される。
【0070】
ステップS40において、ユーザ端末50は、ユーザの操作に応じて決済を行うための会計処理を実行する。ユーザ端末50は、例えば、会計用のコードを表示して会計装置5に当該コードを読み取らせて決済処理を実行する。なお、会計処理は、コードを表示する形式以外のクレジットカードを用いたものであってもよい。
【0071】
ステップS41において、会計装置5は、ユーザ端末50の会計用コードの画像を読み取り、決済サーバと通信を行って会計処理を行う。ステップS42において、会計装置5は、会計処理が完了すると、決済完了を示す情報を管理装置10に送信する。管理装置10は、決済完了を示す会計情報をユーザ情報データベース42に登録する処理を実行する。
【0072】
なお、上述した図4から図6を参照した説明は一例である。例えば、上記実施形態のステップS9やステップS33では、ユーザ端末50上でアカウント登録状況の確認を行う処理が実行されているが、これに限定される訳ではない。認証処理は、管理装置10とSNSを提供するSNSサーバ間で実行され、その結果をユーザ端末50が受信する構成であってもよい。このように、登録状況の確認を行うための処理は、クライアント(例えば、ユーザ端末50)側で行ってもよいし、サーバ(例えば、管理装置10)側で行ってもよい。
【0073】
また、管理装置10の判定部33は、当該ユーザに対して店舗2のアカウントを登録させるための処理としてユーザ端末50に致して店舗2のアカウントの登録を行うための登録画面にリダイレクトさせるための情報を送信しているが、この構成に限定されない。管理装置10の判定部33は、当該ユーザに対して店舗2のアカウントを登録させるための処理として、表示装置4に対してユーザ端末50に登録画面を表示させるための追加用識別コード(追加用情報)を表示するための情報を送信する処理を実行してもよい。
【0074】
更に、上記実施形態では、会計装置5を利用したセルフレジ形式の例を説明したが、セルフレジ形式に限定される訳ではない。例えば、会計装置5に替えてスマートフォンによって決済する形式であってもよい。例えば、スマートフォンの画像読取機能によって商品を読み込むことにより会計処理を行ってもよい。
【0075】
次に、マーケティング処理によって生成した情報をユーザに提示する処理について説明する。図7は、第1実施形態の設備の管理方法におけるマーケティング処理の一例を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS101において、管理装置10のユーザ情報管理部35は、マーケティング処理に利用するためにユーザに関する情報を収集する。ユーザ情報管理部35は、例えば、ユーザ情報データベース42に登録される入店履歴、購買履歴、店舗での行動を示す情報、ユーザ端末50等を通じて入力されるユーザの個人情報等を収集する。
【0077】
ステップS102において、提示情報生成部36は、収集したユーザに関する情報を分析する処理を実行する。分析処理では、入店履歴、購買履歴及び店舗での行動を示す情報に基づいてユーザに提示する広告情報や利用関連情報の内容を決定するための処理が実行される。
【0078】
広告情報は、例えば、新商品の告知、ユーザの施行分析に基づいて選定したユーザに購入させたい商品等の商品に関する情報である。利用関連情報は、例えば、商品のレビュー依頼、店舗の営業時間、特定の商品の書評等の店舗2の利用を促す情報である。
【0079】
ステップS102の分析処理では、機械学習を用いて構築された学習モデルを利用することができる。学習モデルは、例えば、入店履歴、購買履歴及び店舗での行動を示す情報を組み合わせたデータセットを学習することにより、構築することができる。
【0080】
ステップS103において、提示情報管理部37は、提示情報生成部36によって決定された広告情報及び利用関連情報の少なくとも何れか一方を含む提示情報をユーザに提示する処理を実行する。提示情報管理部37は、例えば、SNSのアプリに広告情報や利用関連情報を表示させるコードをユーザ端末50に送信する。
【0081】
ステップS103の提示処理は、ユーザ情報に基づいてユーザの店舗2の利用を促すタイミングで実行される。提示情報管理部37は、例えば、店舗2の利用中か否かに応じて提示情報を変更する。店舗2の利用中か否かの判定方法は、特に限定される訳ではない。提示情報管理部37は、入店履歴や時間帯から店舗2の利用中か否かを判定してもよいし、ユーザ端末50の位置情報を利用して店舗2の利用中か否かを判定してもよい。
【0082】
ステップS104において、提示情報管理部37は、提示処理によってユーザに提示された広告情報及び利用関連情報が店舗2の利用や商品の購入につながったか否かの情報を取得し、当該情報を反映する処理を実行する。ステップS104の処理の後、処理はステップS101に戻り、フィードバック処理が反映された上でマーケティング処理が実行される。
【0083】
以上、本を販売する店舗2を例にしてマーケティング処理を説明したが、あくまで一例である。例えば、生鮮食品等の食材を取り扱う店舗においても、同様のマーケティング処理を実行できる。
【0084】
食材を取り扱う店舗の例について説明する。この例では、提示情報生成部36は、購買履歴・入店履歴等からユーザの好きな料理をユーザ情報から取得する。提示情報生成部36は、ユーザが好きな料理の材料を購入していた購入情報を検出すると、購入情報に基づいて広告情報及び利用関連情報を生成する。提示情報生成部36は、例えば、好きな料理が麻婆豆腐の場合、豆腐が昨日購入されたことを検出すると、広告情報としての麻婆豆腐の材料の1つであるひき肉の特売情報及び利用関連情報としての麻婆豆腐のレシピを示すレシピ情報を生成する。
【0085】
提示情報管理部37は、提示情報生成部36が生成した広告情報及び利用関連情報を入店履歴等に基づいて決定したタイミングでユーザに提示する。提示情報管理部37は、例えば、ユーザが仕事等の都合上、20時以降に入店する頻度が高い場合は、19時に広告情報及び利用関連情報を提示する処理を実行する。これによって店舗への来店をユーザに効果的に促すことができる。
【0086】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の設備管理システム1aについて説明する。図8は、第2実施形態に係る設備の管理方法が適用される設備管理システム1aの構成を示す模式図である。
【0087】
図8に示す設備管理システム1aは、第1実施形態の設備管理システム1の構成に加え、読取装置6を更に備える。読取装置6は、ユーザ端末50の表示画面に表示される識別コード200を読み取ることができる画像読取機能を有する認証用装置である。
【0088】
図9は、第2実施形態の設備の管理方法におけるSNS連携済みの場合の認証処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0089】
図9に示すように、ステップS51において、ユーザ端末50は、店舗2に入店をしようとするユーザの操作に応じてプログラムを起動し、認証処理を実行して識別コード200を表示する。プログラムは、例えば、ユーザ端末50にインストールされるSNS用のアプリである。
【0090】
ステップS51における認証処理は、SNS情報に店舗2のアカウントが登録されているか否かを判定する処理である。この例では、店舗2のアカウントが登録されているため、ユーザ端末50のプログラムは、認証用の識別コード200を生成する。この識別コード200には、ユーザ情報とユーザ端末50による認証結果を示す情報が含まれる。
【0091】
ステップS52において、読取装置6は、ユーザ端末50の表示画面に表示された識別コード200を読み取る。読取装置6は、例えば、ユーザに把持されたユーザ端末50の表示画面が読取範囲に入ると、識別コード200を画像処理によって読み込む。
【0092】
ステップS53において、読取装置6は、識別コード200から取得したユーザ情報及び認証結果を管理装置10に送信する。
【0093】
ステップS54において、管理装置10の判定部33は、読取装置6からの店舗2のアカウント登録が行われていることを示す情報及びユーザ情報を受信すると、当該ユーザがブラックリストの対象者であるか否かを判定する判定処理を実行する。ステップS54の判定において、ユーザがブラックリストの対象者に該当しない場合、処理はステップS55に進む。ステップS55において、管理装置10の設備動作部34は、対応する店舗2の自動扉3に対して動作要求を送信する。なお、ステップS55において、ブラックリストと判定された場合、ユーザ端末50に対して店舗2の利用が許可できないことを示す情報を送信することになる。
【0094】
ステップS56において、自動扉3は、不図示の通信機能を有するコンピュータが管理装置10からの動作要求を受信すると、当該コンピュータの動作指令に基づいて閉鎖状態から開放状態(又は開放可能状態)に切り替わる。これによってユーザは、店舗2の利用が可能となる。
【0095】
ステップS57において、管理装置10のユーザ情報管理部35は、店舗2にユーザが来店した日時等の利用情報をユーザ情報データベース42に登録する処理を実行する。
【0096】
なお、第2実施形態において、SNS未連携の場合の認証処理やマーケティング処理は、第1実施形態の処理と同様の処理である。
【0097】
<第3実施形態>
第2実施形態では、ユーザ端末50の表示画面に表示される識別コード200を認証用情報としたが、他の方法でユーザが認証用情報を提示する構成としてもよい。次に、認証用情報が識別コード200ではない第3実施形態について説明する。
【0098】
第3実施形態の基本的な構成や処理の流れは第2実施形態と同様である。第3実施形態では、読取装置6は、ユーザの生体情報を認証用情報として読み取る。生体情報は、例えば、顔画像認証、指紋認証、虹彩認証等である。以下の例では、顔画像を生体情報の例として説明する。読取装置6は、認証用情報としての顔画像を画像読取機能により取得し、管理装置10に送信する。
【0099】
管理装置10の判定部33は、判定処理において、顔画像がユーザ情報データベース42に登録されているユーザに合致するか否かを判定する。また、判定処理では、当該ユーザがブラックリストに該当しないか否かについても判定する。顔画像がユーザ情報データベース42に登録されており、かつ、ユーザがブラックリストに該当しない場合、管理装置10の設備動作部34は自動扉3を開く処理を実行する。
【0100】
なお、第3実施形態において、SNS未連携の場合の認証処理やマーケティング処理は、第1実施形態の処理と同様の処理である。
【0101】
<第4実施形態>
次に、認証用情報が識別コードではない第4実施形態について説明する。第4実施形態の基本的な構成や処理の流れは第2実施形態と同様である。第4実施形態では、読取装置6は、ユーザの所持するユーザ端末50の記憶媒体に記憶されるユーザの識別情報を認証用情報として読み取る。
【0102】
第4実施形態の読取装置6は、例えば、NFC(near field communication)技術を利用した通信処理によってユーザ端末50やIC(integrated circuit)カードからユーザ情報を取得する。読取装置6は、取得したユーザ情報を管理装置10に送信する。管理装置10の判定部33による判定処理、SNS未連携の場合の認証処理、マーケティング処理は、第3実施形態の処理と同様の処理である。
【0103】
以上説明したように、上記実施形態の設備の管理方法は、ユーザが設備としての店舗2を利用する位置にいることを示す認証用情報を、店舗2側に設置される認証用装置としての表示装置4からユーザが所持するユーザ端末50が取得する(第1実施形態)、又はユーザから認証用装置としての読取装置6が取得する(第2実施形態~第4実施形態)、認証用情報取得ステップと、認証用情報の取得後に、ユーザが登録するSNSに関するSNS情報に当該ユーザに対して設備の利用を許可する情報が含まれている場合は、店舗2(自動扉3)に対して利用を許可する動作を実行させる処理を行う判定ステップと、を含む。
【0104】
これにより、店舗2等の設備の利用可否をユーザが登録するSNSを利用して行うことができるので、設備の利用に要するユーザの作業の省力化及び設備の管理者の負担軽減を実現できる。
【0105】
また、第1実施形態の設備管理方法は、表示装置4が識別コード100を表示する表示ステップを更に含み、認証用情報取得ステップでは、ユーザ端末50が表示装置4から識別コード100を読み込むことにより認証用情報が取得される。
【0106】
これにより、識別コード100を利用することにより、ユーザもより容易に認証処理に必要な作業を行うことができる。また、店舗2側では、識別コード100を表示すればよいので、認証処理に必要な設備をより簡素化することができる。
【0107】
また、第1実施形態の表示ステップでは、時間によって異なる識別コード100が表示され、判定ステップでは、ユーザ端末50が取得した識別コード100が有効時間内であり、かつ、SNS情報に当該ユーザに対して店舗2の利用を許可する情報が含まれている場合は、店舗2に対して利用を許可する動作を実行させる処理を行う。
【0108】
これにより、不正や悪意をもって識別コード100の画像をコピーして店舗2から離れた場所で店舗2の自動扉3を動作させようとしても、識別コード100が有効時間外の場合は店舗2の利用が許可されなくなる。店舗2が使用できる位置にいるユーザに対する認証処理のセキュリティレベルを向上させることができる。
【0109】
また、本実施形態では、判定ステップにおいて、SNS情報に当該ユーザに対して店舗2の利用を許可する情報が含まれていない場合に、店舗2の利用を許可する情報を追加するための処理をユーザ端末50に実行させるための追加用情報をユーザ端末50又は表示装置4に送信する処理を実行する。
【0110】
これにより、ユーザにとって煩わしい個人情報等の登録処理をSNS情報で代替できるので、ユーザの登録手続の容易化及び迅速化を達成できる。また、設備の管理者側の登録手続に必要な設備等のコストの省略可もできる。
【0111】
また、第2実施形態では、ユーザ端末50が識別コード200を表示する表示ステップを更に含み、認証用情報取得ステップでは、読取装置6がユーザ端末50から識別コード200を読み込むことにより認証用情報が取得される。
【0112】
これにより、第1実施形態のように、表示装置4側で表示する識別コード100の表示を経時的に変化する処理を実行しなくても、読取装置6によってユーザ端末50に表示される識別コードを利用してユーザが店舗2を利用できる位置にいるか否かを容易に判断することができる。
【0113】
また、第3実施形態や第4実施形態では、認証用情報取得ステップでは、認証用装置としてのユーザの生体情報又は記憶媒体に記憶されるユーザの識別情報を読み取ることにより認証用情報が取得される。
【0114】
これによっても、第1実施形態のように、表示装置4側で表示する識別コード100の表示を経時的に変化する処理を実行しなくても、読取装置6によって顔画像や記憶媒体に記憶されるユーザの識別情報を利用してユーザが店舗2を利用できる位置にいるか否かを容易に判断することができる。
【0115】
また、本実施形態の設備の管理方法は、判定ステップ後の店舗2の利用に関する利用情報をユーザに関連付けて記憶するユーザ情報記憶ステップを更に含む。
【0116】
これにより、実際に設備としての店舗2を実際に利用したことを示し、ユーザの行動を直接的に示す情報を店舗2の利用を促すマーケティング処理に利用できる。
【0117】
また、本実施形態の設備の管理方法は、利用情報に基づく店舗2に関する広告情報及び利用関連情報の少なくとも何れか一方をユーザ端末50又は表示装置4に提示する提示ステップを更に含む。
【0118】
これにより、ユーザの思考に基づいてSNSチャンネルを通じた最適なマーケティング活動を行うことができる。
【0119】
また、本実施形態の設備の管理方法は、店舗2を利用する利用時間に基づいて広告情報及び利用関連情報の少なくとも何れか一方をユーザ端末50又は表示装置4に提示する。
【0120】
これにより、設備としての店舗2の利用時間をマーケティング処理に反映できるので、ユーザに対する設備の利用の誘導をより効果的にできる。
【0121】
また、本実施形態の情報処理装置としての管理装置10は、ユーザが設備としての店舗2を利用する位置にいることを示す認証用情報を、店舗2側に設置される認証用装置としての表示装置4からユーザが所持するユーザ端末50が取得した、又はユーザから認証用装置としての読取装置6が取得したことを示す情報を通信処理により取得する通信処理部31と、認証用情報の取得後に、ユーザが登録するSNSに関するSNS情報に当該ユーザに対して店舗2の利用を許可する情報が含まれている場合は、店舗2(自動扉3)設備に対して利用を許可する動作を実行させる処理を行う判定部33と、を備える。
【0122】
この管理装置10によっても、店舗2等の設備の利用可否をユーザが登録するSNSを利用して行うことができるので、設備の利用に要するユーザの作業の省力化及び設備の管理者の負担軽減を実現できる。
【0123】
また、本実施形態のプログラムは、ユーザが設備としての店舗2を利用する位置にいることを示す認証用情報を、店舗2側に設置される認証用装置としての表示装置4からユーザが所持するユーザ端末50が取得した、又はユーザから認証用装置としての読取装置6が取得したことを示す情報を通信処理により取得する通信処理機能と、認証用情報の取得後に、ユーザが登録するSNSに関するSNS情報に当該ユーザに対して店舗2の利用を許可する情報が含まれている場合は、店舗2(自動扉3)に対して利用を許可する動作を実行させる処理を行う判定機能と、をコンピュータに実行させる。
【0124】
このプログラムによっても、店舗2等の設備の利用可否をユーザが登録するSNSを利用して行うことができるので、設備の利用に要するユーザの作業の省力化及び設備の管理者の負担軽減を実現できる。
【0125】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、上記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0126】
以上、本発明の一実施形態及び変形例について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での更なる変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0127】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能ブロックは例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がコンピュータやシステムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、管理装置10の機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックを管理装置10に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0128】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。また、大量のデータを取り扱う場合は量子コンピュータ等の技術を用いてもよい。また、プログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるメディアで構成されてもよいし、装置本体に予め組み込まれた状態で設備の管理者等に提供される記録媒体であってもよい。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0129】
なお、本明細書において、プログラムに関する記述は、時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0130】
1,1a 設備管理システム
3 自動扉
4 表示装置
5 会計装置
6 読取装置
10 管理装置
50 ユーザ端末
【要約】
【課題】設備の利用の管理において、設備の利用に要するユーザの作業の省力化及び設備の管理者の負担軽減を実現できる技術を提供する。
【解決手段】設備の管理方法は、ユーザが設備としての店舗2を利用する位置にいることを示す認証用情報を、店舗2側に設置される認証用装置としての表示装置4からユーザが所持するユーザ端末50が取得する、又はユーザから認証用装置としての読取装置6が取得する、認証用情報取得ステップと、認証用情報の取得後に、ユーザが登録するSNSに関するSNS情報に当該ユーザに対して設備の利用を許可する情報が含まれている場合は、店舗2(自動扉3)に対して利用を許可する動作を実行させる処理を行う判定ステップと、を含む。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9