(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】免震機構と免震装置
(51)【国際特許分類】
F16F 7/02 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
F16F7/02
(21)【出願番号】P 2023199302
(22)【出願日】2023-11-24
【審査請求日】2023-12-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391039494
【氏名又は名称】株式会社エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108497
【氏名又は名称】小塚 敏紀
(72)【発明者】
【氏名】渡邊与幸
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-055123(JP,A)
【文献】特開2000-266115(JP,A)
【文献】特開2021-148150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 7/00 ー 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体に支持され被支持体を支持し特定の水平方向に沿った特定の方向である特定方向に移動自在に案内する免震機構であって、
被支持体と支持体のいずれか一方に取り付けられ特定方向に直交する水平方向に延びる軸線に沿って配置される一対の軸受に回転可能に支持される構造であって一対の軸受を各々に囲う箇所に位置し周囲に面を向けて転動できる一対の外周面を各々に形成する転動体構造と、
被支持体と支持体のいずれか他方に取り付けられ前記転動体構造を特定方向に転動自在に案内する部材であって当該転動体構造の一対の前記外周面を各々に接触して支持する一対の支持面を形成する案内部材と、
を備え、
前記転動体構造と前記案内部材とは、力が作用しないとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にあるように維持し、力が作用し被支持体が支持体に対して移動するとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体を徐々に上昇させ、
全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の変化支持領域を各々に有し、
ここで、
前記全体支持領域は被支持体が支持体に対して移動するとき前記転動体構造が前記案内部材に案内されて特定方向に沿って移動する全体の領域であり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域であり、
前記支持領域はその対応する一つの前記転動体
構造を支持する一つの支持面が特定方向に沿って切れ目無く連続する領域である、
ことを特徴とする免震機構。
【請求項2】
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、
一対の前記外周面のうちの少なくとも一つの前記外周面が一対の前記支持面のうちの少なくとも一つの前記支持面に常に支持される、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震機構
【請求項3】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の一定支持領域若しくは単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に有し、
ここで、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域である、
ことを特徴とする請求項2に記載の免震機構。
【請求項4】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の前記一定支持領域と単数又は複数の前記ゼロ支持領域とを各々に有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の免震機構。
【請求項5】
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、
一対の前記外周面を同時に支持する一対の前記支持面の軸方向の幅の寸法の合計が一対の前記外周面に対応する前記一定支持領域のうちの一つの前記一定支持領域での前記特定寸法に等しいか、又は大きいのどちらかである、
ことを特徴とする請求項4に記載の免震機構。
【請求項6】
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域である、
ことを特徴とする請求項5に記載の免震機構。
【請求項7】
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる支持領域である、
ことを特徴とする請求項6に記載の免震機構。
【請求項8】
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなり、且つその前記支持面の軸線に沿った幅の両端の縁部のうちの他方の一つの前記外周面に対応する支持領域から遠い方の縁部が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の一つの外周面に対応する支持領域に近づく支持領域である、
ことを特徴とする請求項7に記載の免震機構。
【請求項9】
被支持体が支持体に対して基準位置にあるとき、
一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が当該外周面に対応する前記一定支持領域の一箇所で前記支持面により支持され、
一対の前記外周面のうちの他方の外周面が当該外周面に対応する前記ゼロ支持領域の一箇所に位置する、
ことを特徴とする請求項8に記載の免震機構。
【請求項10】
被支持体が支持体に対して基準位置のある位置から特定方向に沿って最も離れた位置にあるとき、
一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が当該外周面に対応する前記ゼロ支持領域の一箇所に位置し、
一対の前記外周面のうちの他方の前記外周面が当該外周面に対応する前記一定支持領域の一箇所で前記支持面に支持される、
ことを特徴とする請求項9に記載の免震機構。
【請求項11】
前記変化支持領域が前記一定支持領域と前記ゼロ支持領域とに挟まれて切れ目無く繋がり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい小さくなる支持領域である、
ことを特徴とする請求項10に記載の免震機構。
【請求項12】
前記変化支持領域が一定支持領域とゼロ支持領域とに挟まれて切れ目無く繋がり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域の側からゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が一様に変わる様に小さくなる支持領域である、
ことを特徴とする請求項11に記載の免震機構。
【請求項13】
前記転動体構造が前記軸線のまわりに固定される第一軸受に回転可能に支持され外周に一方の前記外周面を形成する
第一転動体外輪と軸線のまわりに固定される第二軸受に回転可能に支持され外周に他方の前記外周面を形成する第二転動体外輪とを有し、
第一軸受が転がり軸受であり、
第二軸受が滑り軸受である、
ことを特徴とする請求項12に記載の免震機構。
【請求項14】
視線を前記転動体構造の軸線に沿わせて見て、前記第一転動体外輪の形成する前記外周面を支持する支持面の特定方向に沿って延びる特定方向に沿って延びる軌跡が全体支持領域の中間に位置する交差部で交差し、当該交差部を左右方向に線対称な境として見て支持面の右側の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部の左側に曲率中心をもつ円弧をえがき、交差部を左右線対称な境として見て支持面の特定方向に沿って延びる軌跡が左側の交差部の右側に曲率中心をもつ円弧をえがき、
前記第一転動体外輪が前記支持面に支持されて交差部の上に位置するとき被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にある、
ことを特徴とする請求項13に記載の免震機構。
【請求項15】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の一定支持領域若しくは単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に有し、
ここで、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域である、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震機構。
【請求項16】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の一定支持領域と単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に有し、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域である、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震機構。
【請求項17】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の一定支持領域とを各々に有し
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、
一対の前記外周面を同時に支持する一対の前記支持面の軸方向の幅の寸法の合計が一対の前記外周面に対応する前記一定支持領域のうちの一つの前記一定支持領域での前記特定寸法に等しいか、又は大きいのどちらかである、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震機構。
【請求項18】
前記変化支持領域はその支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域である、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震機構。
【請求項19】
前記変化支持領域はその当該支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様に変化する支持領域である、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震機構。
【請求項20】
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなり、且つその前記支持面の軸線に沿った幅の両端の縁部のうちの他方の一つの前記外周面に対応する支持領域から遠い方の縁部が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の一つの外周面に対応する支持領域に近づく支持領域である、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震機構。
【請求項21】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の一定支持領域と単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に有し、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域であり、
被支持体が支持体に対して基準位置にあるとき、
一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が当該外周面に対応する前記一定支持領域の一箇所で前記支持面により支持され、
一対の前記外周面のうちの他方の外周面が当該外周面に対応する前記ゼロ支持領域の一箇所に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震機構。
【請求項22】
被支持体が支持体に対して基準位置のある位置から特定方向に沿って最も離れた位置にあるとき、
一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が当該外周面に対応する前記ゼロ支持領域の一箇所に位置し、
一対の前記外周面のうちの他方の前記外周面が当該外周面に対応する前記一定支持領域の一箇所で前記支持面に支持される、
ことを特徴とする請求項21に記載の免震機構。
【請求項23】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の一定支持領域と単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に有し、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域であり、
前記変化支持領域が前記一定支持領域と前記ゼロ支持領域とに挟まれて切れ目無く繋がり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい小さくなる支持領域である、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震機構。
【請求項24】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の一定支持領域と単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に有し、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域であり、
前記変化支持領域が前記一定支持領域と前記ゼロ支持領域とに挟まれて切れ目無く繋がり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が一様に変わる様に小さくなる支持領域である、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震機構。
【請求項25】
前記転動体構造が前記軸線のまわりに固定される第一軸受に回転可能に支持され外周に一方の前記外周面を形成する
第一転動体外輪と前記軸線のまわりに固定される第二軸受に回転可能に支持され外周に他方の前記外周面を形成する第二転動体外輪とを有し、
第一軸受が転がり軸受であり、
第二軸受が滑り軸受である、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震機構。
【請求項26】
視線を前記転動体構造の軸線に沿わせて見て前記第一転動体外輪の形成する前記外周面を支持する支持面の特定方向に沿って延びる軌跡が、全体支持領域の中間に位置する交差部で交差し、当該交差部を左右方向に線対称な境として見て支持面の右側の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部の左側に曲率中心をもつ円弧をえがき、交差部を左右線対称な境として見て支持面の特定方向に沿って延びる軌跡が左側の交差部の右側に曲率中心をもつ円弧をえがき、
前記第一転動体外輪が前記支持面に支持されて交差部の上に位置するとき被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にある、
ことを特徴とする請求項25に記載の免震機構。
【請求項27】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の変化支持領域と単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に有し、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域である、
ことを特徴とする請求項1に記載の免震機構。
【請求項28】
支持体に支持され被支持体を支持し特定の水平方向に沿った特定の方向である特定方向に移動自在に案内する免震機構であって、
被支持体と支持体のいずれか一方に取り付けられ特定方向に直交する水平方向に延びる軸線に沿って配置される一対の軸受に回転可能に支持される構造であって一対の軸受を各々に囲う様に位置し周囲に面を向けて転動できる一対の外周面を各々に形成する転動体構造と、
被支持体と支持体のいずれか他方に取り付けられ前記転動体構造を特定方向に転動自在に案内する部材であって当該転動体構造の一対の前記外周面を各々に接触して支持する一対の支持面を形成する案内部材と、
を備え、
前記転動体構造と前記案内部材とは、力が作用しないとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にあるように維持し、力が作用し被支持体が支持体に対して移動するとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体を徐々に上昇させ、
全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の支持領域を各々に有し、
ここで、
全体支持領域は被支持体が支持体に対して移動するとき前記転動体構造が前記案内部材に支持されて特定方向に沿って移動する全体の領域であり、
前記支持領域は、その対応する一つの前記転動体
構造を支持する一つの支持面が特定方向に沿って切れ目無く連続する領域であり、
前記転動体構造が前記軸線のまわりに固定される第一軸受に回転可能に支持され外周に一方の前記外周面を形成する第一転動体外輪と軸線のまわりに固定される第二軸受に回転可能に支持され外周に他方の前記外周面を形成する第二転動体外輪とを有し、
前記第一軸受が転がり軸受であり、
前記第二軸受が滑り軸受である、
ことを特徴とする免震機構。
【請求項29】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の一定支持領域と単数又は複数の変化支持領域若しくは単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に有し、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域であり、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域である、
ことを特徴とする請求項28に記載の免震機構。
【請求項30】
前記第一転動体外輪と前記第二転動体外輪とは互いに抵抗又は拘束を与えずに軸線の周りに回転する、
ことを特徴とする請求項29に記載の免震機構。
【請求項31】
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、
一対の前記外周面のうちの少なくとも一つの前記外周面が一対の前記支持面のうちの少なくとも一つの前記支持面に支持される、
ことを特徴とする請求項30に記載の免震機構。
【請求項32】
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、
一対の前記外周面を同時に支持する一対の前記支持面の軸方向の幅の寸法の合計が全体支持領域の一対の前記外周面に対応する前記一定支持領域のうちの一つの前記一定支持領域での前記特定寸法に等しいか、又は大きいのどちらかである、
ことを特徴とする請求項31に記載の免震機構。
【請求項33】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記一定支持領域と単数又は複数の前記変化支持領域とを各々に有し、
前記変化支持領域は一つの前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域である、
ことを特徴とする請求項32に記載の免震機構。
【請求項34】
前記全体支持領域が一対の外周面に対応して単数又は複数の一定支持領域と単数又は複数の変化支持領域とを各々に有し、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様に変化する支持領域である、
ことを特徴とする請求項33に記載の免震機構。
【請求項35】
前記全体支持領域は一対の外周面に対応して単数又は複数の前記一定支持領域と単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に持つ、
ことを特徴とする請求項34に記載の免震機構。
【請求項36】
被支持体が支持体に対して基準位置にあるとき、
一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が当該外周面に対応する前記一定支持領域の一箇所で前記支持面により支持され、
一対の前記外周面のうちの他方の外周面が当該外周面に対応する前記ゼロ支持領域の一箇所に位置する、若しくは当該外周面に対応する前記変化支持領域の一箇所で前記支持面に支持される、
ことを特徴とする請求項35に記載の免震機構。
【請求項37】
被支持体が支持体に対して基準位置のある箇所から特定方向に沿って最も離れた位置にあるとき、
一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が当該外周面に対応する前記ゼロ支持領域の一箇所に位置し若しくは変化支持領域の一箇所で前記支持面に支持され、
一対の前記外周面のうちの他方の前記外周面が当該外周面に対応する前記一定支持領域の一箇所で前記支持面に支持される、
ことを特徴とする請求項36に記載の免震機構。
【請求項38】
前記変化支持領域が前記一定支持領域と前記ゼロ支持領域とに挟まれて切れ目無く繋がり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい小さくなる支持領域である、
ことを特徴とする請求項37に記載の免震機構。
【請求項39】
視線を前記転動体構造の軸線に沿わせて見て第一転動体外輪の形成する外周面を支持する支持面の特定方向に沿って延びる軌跡が全体支持領域の中間に位置する交差部で交差し、当該交差部を左右方向に線対称な境として見て支持面の右側の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部の左側に曲率中心をもつ円弧をえがき、交差部を左右線対称な境として見て支持面の左側の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部の右側に曲率中心をもつ円弧をえがき、
前記第一転動体外輪が前記支持面に支持されて交差部の上に位置するとき被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にある、
ことを特徴とする請求項38に記載の免震機構。
【請求項40】
前記第一転動体外輪と前記第二転動体外輪とは互いに抵抗又は拘束を与えずに軸線の周りに回転する、
ことを特徴とする請求項28に記載の免震機構。
【請求項41】
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、
一対の前記外周面のうちの少なくとも一つの前記外周面が一対の前記支持面のうちの少なくとも一つの前記支持面に支持される、
ことを特徴とする請求項28に記載の免震機構。
【請求項42】
全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の一定支持領域と単数又は複数の変化支持領域若しくは単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に有し、
ここで、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域であり、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域であり、
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、
一対の前記外周面を同時に支持する一対の前記支持面の軸方向の幅の寸法の合計が全体支持領域の一対の前記外周面に対応する前記一定支持領域のうちの一つの前記一定支持領域での前記特定寸法に等しいか、又は大きいのどちらかである、
ことを特徴とする請求項28に記載の免震機構。
【請求項43】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の変化支持領域とを各々に有し、
ここで、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域である、
ことを特徴とする請求項28に記載の免震機構。
【請求項44】
前記全体支持領域が一対の外周面に対応して単数又は複数の変化支持領域とを各々に有し、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様に変化する支持領域である、
ことを特徴とする請求項28に記載の免震機構。
【請求項45】
前記全体支持領域は一対の外周面に対応して単数又は複数の一定支持領域と単数又は複数の変化支持領域と単数又は複数のゼロ支持領域とを持ち、
ここで、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる支持領域であり、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域である、
ことを特徴とする請求項28に記載の免震機構。
【請求項46】
前記全体支持領域は一対の外周面に対応して単数又は複数の一定支持領域と単数又は複数の変化支持領域と単数又は複数のゼロ支持領域とを持ち、
ここで、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる支持領域であり、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域であり、
被支持体が支持体に対して基準位置にあるとき、
一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が当該外周面に対応する前記一定支持領域の一箇所で前記支持面により支持され、
一対の前記外周面のうちの他方の外周面が当該外周面に対応する前記ゼロ支持領域の一箇所に位置する、若しくは前記変化支持領域の一箇所で前記支持面に支持される、
ことを特徴とする請求項28に記載の免震機構。
【請求項47】
被支持体が支持体に対して基準位置のある箇所から特定方向に沿って最も離れた位置にあるとき、
一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が当該外周面に対応する前記ゼロ支持領域の一箇所に位置し、若しくは前記変化支持領域の一箇所で支持面に支持され、
一対の前記外周面のうちの他方の前記外周面が当該外周面に対応する前記一定支持領域の一箇所で前記支持面に支持される、
ことを特徴とする請求項46に記載の免震機構。
【請求項48】
変化支持領域が一定支持領域とゼロ支持領域とに挟まれて切れ目無く繋がり、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域であり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するに従い小さくなる支持領域である、
ことを特徴とする請求項28に記載の免震機構。
【請求項49】
視線を前記転動体構造の軸線に沿わせて見て第一転動体外輪の形成する外周面を支持する支持面の特定方向に沿って延びる軌跡が全体支持領域の中間に位置する交差部で交差し、当該交差部を左右方向に線対称な境として見て支持面の右側の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部の左側に曲率中心をもつ円弧をえがき、交差部を左右線対称な境として見て支持面の左側の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部の右側に曲率中心をもつ円弧をえがき、
前記第一転動体外輪が前記支持面に支持されて交差部の上に位置するとき被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にある、
ことを特徴とする請求項28に記載の免震機構。
【請求項50】
支持体に支持され被支持体を支持し特定の水平方向に沿った特定の方向である特定方向に移動自在に案内する免震装置であって、
上から見て互いに直交するX軸とY軸とを仮想するとき、
二つの免震機構を有する一組の免震機構を備え、
免震機構が特定方向をX軸に一致させる請求項1乃至47のうちの一つの請求項にかかる免震機構であり、
一組の免震機構の二つの免震機構がY軸に沿って離れて配置され、
一つの免震機構が被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持するとき、他の免震機構も被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持し、
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、二つの免震機構の各々の免震機構の一対の前記外周面を支持する各々の免震機構の一対の前記支持面の各々の幅の寸法が常に等しい、
ことを特徴とする免震装置。
【請求項51】
全体支持領域は一定支持領域を有し、
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、二つの免震機構の各々の一対の前記外周面を支持する一対の支持面の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大き
く、
ここで、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域である、
ことを特徴とする請求項50に記載の免震装置。
【請求項52】
支持体に支持され被支持体を支持し特定の水平方向に沿った特定の方向である特定方向に移動自在に案内する免震装置であって、
上から見て互いに直交するX軸とY軸とを仮想するとき、
二つの免震機構を各々に有する二組の免震機構を備え、
免震機構が特定方向をX軸に一致させる請求項1乃至47のうちの一つの請求項にかかる免震機構であり、
一方の一組の免震機構の二つの免震機構と他方の一組の免震機構の二つの免震機構がX軸に沿って離れて配置され、
一方の一組の免震機構の二つの免震機構がY軸に沿って離れて配置され、
他方の一組の免震機構の二つの免震機構がY軸に沿って離れて配置され、
一つの免震機構が被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持するとき、他の3つの免震機構も被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持し、
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、4つの免震機構の各々の免震機構の一対の前記外周面を支持する各々の免震機構の一対の前記支持面の各々の幅の寸法が常に等しい、
ことを特徴とする免震装置。
【請求項53】
全体支持領域は一定支持領域を有し、
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、
二組の免震機構の一方の一組の免震機構の二つの免震機構の各々の一対の前記外周面を支持する一対の支持面の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか、特定寸法より大きく、
二組の免震機構の他方の一組の免震機構の二つの免震機構の各々の一対の前記外周面を支持する一対の支持面の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか、特定寸法より大き
く、
ここで、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域である、
ことを特徴とする請求項52に記載の免震装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築物またはコンピュータその他の機械器具等を免震支持する免震機構とその免震機構を用いる免震装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被支持体と支持体のいずれか一方に取り付けられ特定方向に直交する方向に延びる所定の軸線の周りに各々に転動可能に支持される転動体と、被支持体と支持体のいずれか他方に取り付けられ前記転動体と接触して支持し特定方向に延びる案内部材とで構成され、前記転動体と前記案内部材は被支持体が支持体に対して常時最も低い基準位置にあるように維持し、被支持体が支持体に対し移動すると前記転動体が転動して被支持体を徐々に上昇させる免震機構が用いられる。
また、複数の免震機構を配した免震装置が用いられる。
【0003】
この様な免震機構と免震装置において案内部材の転動体に接触する支持面を所望の軌跡にカーブさせることで、所望のバネ定数をもつ免震性能を発揮できる。
この様な免震機構と免震装置において、転動体を滑り軸受で支持し、滑り軸受の滑り部材を適宜選択することで、所望の減衰係数をもつ免震性能を発揮できる。
【0004】
これらの免震機構と免震装置を用いることで、建築物またはコンピュータその他の機械器具等を免震支持することができる。
市場では、これらの免震機構と免震装置にさらなる特性をもつ免震性能と減衰性能を発揮させたいという要望があった。
発明者は、これらの市場の要望に答えられる免震機構と免震装置を検討した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の要請に鑑み、さらに好適な免震性能、減衰性能を発揮できる免震機構と免震装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る支持体に支持され被支持体を支持し特定の水平方向に沿った特定の方向である特定方向に移動自在に案内する免震機構であって、
被支持体と支持体のいずれか一方に取り付けられ特定方向に直交する水平方向に延びる軸線に沿って配置される一対の軸受に回転可能に支持される構造であって一対の軸受を各々に囲う様に位置し周囲に面を向けて転動できる一対の外周面を各々に形成する転動体構造と、
被支持体と支持体のいずれか他方に取り付けられ前記転動体構造を特定方向に転動自在に案内する部材であって当該転動体構造の一対の前記外周面を各々に接触して支持する一対の支持面を形成する案内部材と、
を備え、
前記転動体構造と前記案内部材とは、力が作用しないとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にあるように維持し、力が作用し被支持体が支持体に対して移動するとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体を徐々に上昇させ、
全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の変化支持領域を各々に有し、
ここで、前記全体支持領域は被支持体が支持体に対して移動するとき前記転動体構造が前記案内部材に案内されて特定方向に沿って移動する全体の領域であり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域であり、
前記支持領域はその対応する一つの前記転動体を支持する一つの支持面が特定方向に沿って切れ目無く連続する領域である、ものとした。
【0007】
上記本発明の構成では、
転動体構造は、被支持体と支持体のいずれか一方に取り付けられ特定方向に直交する水平方向に延びる軸線に沿って配置される一対の軸受に回転可能に支持される構造であって一対の軸受を各々に囲う様に位置し周囲に面を向けて転動できる一対の外周面を各々に形成する。
案内部材は、被支持体と支持体のいずれか他方に取り付けられ前記転動体構造を特定方向に転動自在に案内する部材であって当該転動体構造の一対の前記外周面を各々に接触して支持する一対の支持面を形成する。
前記転動体構造と前記案内部材とは、力が作用しないとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にあるように維持し、力が作用し被支持体が支持体に対して移動するとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体を徐々に上昇させる。
全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の支持領域である単数又は複数の変化支持領域を各々に有する。
前記全体支持領域は、被支持体が支持体に対して移動するとき前記転動体構造が前記案内部材に案内されて特定方向に沿って移動する全体の領域である。
前記変化支持領域は、その前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域である。
前記支持領域は、その対応する一つの前記転動体を支持する一つの支持面が特定方向に沿って切れ目無く連続する領域である。
その結果、一対の外周面のいずれかが変化支持領域に位置して、被支持体が支持体に対して移動する。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る支持体に支持され被支持体を支持し特定の水平方向に沿った特定の方向である特定方向に移動自在に案内する免震機構であって、
被支持体と支持体のいずれか一方に取り付けられ特定方向に直交する水平方向に延びる軸線に沿って配置される一対の軸受に回転可能に支持される構造であって一対の軸受を各々に囲う様に位置し周囲に面を向けて転動できる一対の外周面を各々に形成する転動体構造と、
被支持体と支持体のいずれか他方に取り付けられ前記転動体構造を特定方向に転動自在に案内する部材であって当該転動体構造の一対の前記外周面を各々に支持する一対の支持面を形成する案内部材と、
を備え、
前記転動体構造と前記案内部材とは、力が作用しないとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にあるように維持し、力が作用し被支持体が支持体に対して移動するとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体を徐々に上昇させ、
全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の支持領域を各々に有し、
全体支持領域は被支持体が支持体に対して移動するとき前記転動体構造が前記案内部材に支持されて特定方向に沿って移動する全体の領域であり、
前記支持領域は一つの前記転動体を支持する一つの支持面が特定方向に沿って切れ目無く連続する領域であり、
前記転動体構造が前記軸線のまわりに固定される第一軸受に回転可能に支持され外周に一方の前記外周面を形成する第一転動体外輪と軸線のまわりに固定される第二軸受に回転可能に支持され外周に他方の前記外周面を形成する第二転動体外輪とを有し、
前記第一軸受が転がり軸受であり、
前記第二軸受が滑り軸受である。
【0009】
上記本発明の構成では、
転動体構造は、被支持体と支持体のいずれか一方に取り付けられ特定方向に直交する水平方向に延びる軸線に沿って配置される一対の軸受に回転可能に支持される構造であって、一対の軸受を各々に囲う様に位置し周囲に面を向けて転動できる一対の外周面を各々に形成する。
案内部材は、被支持体と支持体のいずれか他方に取り付けられ前記転動体構造を特定方向に転動自在に案内する部材であって、当該転動体構造の一対の前記外周面を各々に支持する一対の支持面を形成する。
前記転動体構造と前記案内部材とは、力が作用しないとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にあるように維持し、力が作用し被支持体が支持体に対して移動するとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体を徐々に上昇させる。
全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の支持領域を各々に有する。
全体支持領域は被支持体が支持体に対して移動するとき前記転動体構造が前記案内部材に支持されて特定方向に沿って移動する全体の領域である。
前記支持領域は一つの前記転動体を支持する一つの支持面が特定方向に沿って切れ目無く連続する領域である。
前記転動体構造が前記軸線のまわりに固定される第一軸受に回転可能に支持され外周に一方の前記外周面を形成する第一転動体外輪と軸線のまわりに固定される第二軸受に回転可能に支持され外周に他方の前記外周面を形成する第二転動体外輪とを有する。
前記第一軸受が転がり軸受である。
前記第二軸受が滑り軸受である。
その結果、一対の外周面のいずれかの外周面が単数又は複数の支持領域の支持面に当接して支持され、被支持体が支持体に対して移動する。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明にかかる支持体に支持され被支持体を支持し特定の水平方向に沿った特定の方向である特定方向に移動自在に案内する免震装置を、
上から見て互いに直交するX軸とY軸とを仮想するとき、
二つの免震機構を有する一組の免震機構を、
備え、
一組の免震機構の二つの免震機構がY軸に沿って離れて配置され、
一つの免震機構が被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持するとき、他の免震機構も被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持し、
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、二つの免震機構の各々の免震機構の一対の前記外周面を支持する各々の免震機構の一対の前記支持面の各々の幅の寸法が常に等しい、
ものとした。
【0011】
上記本発明の構成では、
免震装置は二つの免震機構を有する一組の免震機構を備える。
一組の免震機構の二つの免震機構がY軸に沿って離れて配置される。
一つの免震機構が被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持するとき、他の免震機構も被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持する。
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、二つの免震機構の各々の免震機構の一対の前記外周面を支持する各々の免震機構の一対の前記支持面の各々の幅の寸法が常に等しい。
その結果、Y軸に沿って離れる一対の外周面が幅の等しい一対の支持面に支持されて、被支持体が支持体に対してX軸に沿って移動する。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明にかかる支持体に支持され被支持体を支持し特定の水平方向に沿った特定の方向である特定方向に移動自在に案内する免震装置を、
上から見て互いに直交するX軸とY軸とを仮想するとき、
二つの免震機構を各々に有する二組の免震機構を備え、
一方の一組の免震機構の二つの免震機構と他方の一組の免震機構の二つの免震機構がX軸に沿って離れて配置され、
一方の一組の免震機構の二つの免震機構がY軸に沿って離れて配置され、
他方の一組の免震機構の二つの免震機構がY軸に沿って離れて配置され、
一つの免震機構が被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持するとき、他の3つの免震機構も被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持し、
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、4つの免震機構の各々の免震機構の一対の前記外周面を支持する各々の免震機構の一対の前記支持面の各々の幅の寸法が常に等しい、
ものとした。
【0013】
上から見て互いに直交するX軸とY軸とを仮想する。
免震装置が、二つの免震機構を各々に有する二組の免震機構を備える。
上から見て各々の免震機構が各々の前記案内部材の基準位置の有る座標を基準位置座標と呼称する。
一方の一組の免震機構の二つの免震機構と他方の一組の免震機構の二つの免震機構がX軸に沿って離れて配置される。
一方の一組の免震機構の二つの免震機構がY軸に沿って離れて配置される。
他方の一組の免震機構の二つの免震機構がY軸に沿って離れて配置される。
一つの免震機構が被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持するとき、他の3つの免震機構も被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持する。
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、4つの免震機構の各々の免震機構の一対の前記外周面を支持する各々の免震機構の一対の前記支持面の各々の幅の寸法が常に等しい。
その結果、Y軸に沿って離れる二組の免震機構の各々の一対の外周面が幅の等しい二組の免震機構の各々の一対の支持面に支持されて、被支持体が支持体に対してX軸に添って移動する。
【0014】
以下に、本発明の実施形態に係る免震機構と免震装置とを説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0015】
本発明の実施形態に係る免震機構は、被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、一対の前記外周面のうちの少なくとも一つの前記外周面が一対の前記支持面のうちの少なくとも一つの前記支持面に常に支持される。
上記の実施形態の構成では、被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、一対の前記外周面のうちの少なくとも一つの前記外周面が一対の前記支持面のうちの少なくとも一つの前記支持面に常に支持される。
その結果、被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、一対の外周面がいずれかの支持領域に位置して、被支持体が支持体に対して移動する。
【0016】
本発明の実施形態に係る免震機構は、
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の一定支持領域若しくは単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に有し、
ここで、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域である。
上記の実施形態の構成では、前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の一定支持領域若しくは単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に有する。
一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域である。
ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域である。
その結果、一対の外周面のいずれかの外周面が変化支持領域と一定支持領域若しくはゼロ支持領域の何れかに位置して、被支持体が支持体に対して移動する。
【0017】
本発明の実施形態に係る免震機構は、
前記全体支持領域が、一対の前記外周面に対応して、単数又は複数の一定支持領域と単数又は複数の変化支持領域若しくは単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に有し、
前記一定支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域であり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域であり、
前記ゼロ支持領域はその対応する一つの前記外周面を支持する前記支持面がない領域である。
上記の実施形態の構成では、前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の一定支持領域と単数又は複数の変化支持領域若しくは単数又は複数のゼロ支持領域とを各々に有する。
その結果、一対の外周面のいずれかの外周面が一定支持領域と変化支持領域若しくはゼロ支持領域の何れかに位置して、被支持体が支持体に対して移動する。
【0018】
本発明の実施形態に係る免震機構は、前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の前記一定支持領域と単数又は複数の前記ゼロ支持領域とを各々に有する。
上記の実施形態の構成では、前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の前記一定支持領域と単数又は複数の前記ゼロ支持領域とを各々に有する。
その結果、一対の外周面のいずれかの外周面が変化支持領域と一定支持領域とゼロ支持領域との何れかに位置して、被支持体が支持体に対して移動する。
【0019】
本発明の実施形態に係る免震機構は、被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、
一対の前記外周面を同時に支持する一対の前記支持面の軸方向の幅の寸法の合計が全体支持領域の一対の前記外周面に対応する前記一定支持領域のうちの一つの前記一定支持領域での前記特定寸法に等しいか、又は大きいのどちらかである。
上記の実施形態の構成では、被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、
一対の前記外周面を同時に支持する一対の前記支持面の軸方向の幅の寸法の合計が全体支持領域の一対の前記外周面に対応する前記一定支持領域のうちの一つの前記一定支持領域での前記特定寸法に等しいか、又は大きいのどちらかである。
その結果、被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、一対の外周面が前記一定支持領域での前記特定寸法に等しいか、または大きい幅で支持される。
【0020】
本発明の実施形態に係る免震機構は、前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域である。
上記の実施形態の構成では、前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域である。
その結果、外周面が前記変化支持領域に沿って転動するとき、外周面が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する幅の支持面に支持される。
【0021】
本発明の実施形態に係る免震機構は、前記変化支持領域がその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様に変化する支持領域である。
上記の実施形態の構成では、前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる支持領域である。
その結果、外周面が前記変化支持領域に沿って転動するときに、外周面が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様に変化する幅の支持面に支持される。
【0022】
本発明の実施形態に係る免震機構は、前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が前記少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなり、且つその前記支持面の軸線に沿った幅の両端の縁部のうちの他方の一つの前記外周面に対応する支持領域から遠い方の縁部が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の一つの外周面に対応する支持領域に近づく支持領域である。
上記の実施形態の構成では、前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法を少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなり、且つその前記支持面の軸線に沿った幅の両端の縁部のうちの他方の一つの前記外周面に対応する支持領域から遠い方の縁部が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の一つの外周面に対応する支持領域に近づく支持領域である。
その結果、外周面が前記変化支持領域に沿って転動するときに、外周面が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様に変化し、且つ他方の支持領域に遠い方の縁部を他方の支持領域に近づける支持面に支持される。
【0023】
本発明の実施形態に係る免震機構は、前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の変化支持領域と単数又は複数の前記ゼロ支持領域とを持つ。
上記の実施形態の構成では、前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の変化支持領域と単数又は複数の前記ゼロ支持領域とを持つ。
その結果、一対の外周面は変化支持領域、またはゼロ支持領域に位置する様に案内部材に案内される。
【0024】
本発明の実施形態に係る免震機構は、
被支持体が支持体に対して基準位置にあるとき、
一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が当該外周面に対応する前記一定支持領域の一箇所で前記支持面により支持され、
一対の前記外周面のうちの他方の外周面が当該外周面に対応する前記ゼロ支持領域の一箇所に位置する。
上記の実施形態の構成では、被支持体が支持体に対して基準位置にあるとき、
一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が当該外周面に対応する前記一定支持領域の一箇所で前記支持面により支持される。
一対の前記外周面のうちの他方の外周面が当該外周面に対応する前記ゼロ支持領域の一箇所に位置する。
その結果、被支持体が支持体に対して基準位置にあるとき、一方の外周面が前記一定支持領域に位置し、他方の外周面が前記ゼロ支持領域若しくは前記変化支持領域に位置する様に案内部材に案内される。
【0025】
本発明の実施形態に係る免震機構は、
被支持体が支持体に対して基準位置のある位置から特定方向に沿って最も離れた位置にあるとき、
一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が当該外周面に対応する前記ゼロ支持領域の一箇所若しくは前記変化支持領域の一箇所に位置し、
一対の前記外周面のうちの他方の前記外周面が当該外周面に対応する前記一定支持領域の一箇所で前記支持面に支持される。
上記の実施形態の構成では、被支持体が支持体に対して基準位置のある位置から特定方向に沿って最も離れた位置にあるとき、一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が当該外周面に対応する前記ゼロ支持領域の一箇所若しくは変化支持領域の一箇所に位置する。
一対の前記外周面のうちの他方の前記外周面が当該外周面に対応する前記一定支持領域の一箇所で前記支持面に支持される。
その結果、被支持体が支持体に対して基準位置から最も離れた位置にあるとき、一方の外周面が前記ゼロ支持領域若しくは変化支持領域に位置し、他方の外周面が前記一定支持領域の一箇所に位置する様に案内部材に案内される。
【0026】
本発明の実施形態に係る免震機構は、前記変化支持領域が前記一定支持領域と前記ゼロ支持領域とに挟まれて切れ目無く繋がり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい小さくなる支持領域である。
上記の実施形態の構成では、前記変化支持領域が前記一定支持領域と前記ゼロ支持領域とに挟まれて切れ目無く繋がる。前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい小さくなる支持領域である。
その結果、外周面が、変化支持領域にある支持面に支持され転動するとき、外周面が幅の寸法が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい小さくなる支持面に支持される。
【0027】
本発明の実施形態に係る免震機構は、前記変化支持領域が前記一定支持領域と前記ゼロ支持領域とに挟まれて切れ目無く繋がり、
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が一様に変わる様に小さくなる支持領域である。
上記の実施形態の構成では、前記変化支持領域が前記一定支持領域と前記ゼロ支持領域とに挟まれて切れ目無く繋がる。前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が一様に変わる様に小さくなる支持領域である。
その結果、外周面が、変化支持領域にある支持面に支持され転動するとき、外周面が、幅の寸法が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい小さくなる支持面に支持される。
【0028】
本発明の実施形態に係る免震機構は、
前記転動体構造が前記軸線のまわりに固定される第一軸受に回転可能に支持され外周に一方の前記外周面を形成する前記第一転動体外輪と軸線のまわりに固定される第二軸受に回転可能に支持され外周に他方の前記外周面を形成する第二転動体外輪とを有し、
第一軸受が転がり軸受であり、
第二軸受が滑り軸受である。
上記の実施形態の構成では、前記転動体構造が前記軸線のまわりに固定される第一軸受に回転可能に支持され外周に一方の前記外周面を形成する前記第一転動体外輪と軸線のまわりに固定される第二軸受に回転可能に支持され外周に他方の前記外周面を形成する第二転動体外輪とを有する。
第一軸受が転がり軸受である。
第二軸受が滑り軸受である。
その結果、転がり軸受に支持される第一転動体外輪と滑り軸受に支持される第二転動体外輪とが第一支持面と第二支持面に各々に支持される。
【0029】
本発明の実施形態に係る免震機構は、
前記第一転動体外輪と前記第二転動体外輪とは互いに抵抗または拘束を与えずに軸線の周りに回転する。
上記の実施形態の構成では、前記第一転動体外輪と前記第二転動体外輪とは互いに抵抗または拘束を与えずに軸線の周りに回転する。
その結果、前記第一転動体外輪と前記第二転動体外輪とが互いに干渉せずに軸線の周りに回転して転動する。
【0030】
本発明の実施形態に係る免震機構は、視線を前記転動体構造の軸線に沿わせて見て、第一転動体外輪の形成する外周面を支持する支持面の特定方向に沿って延びる軌跡が全体支持領域の中間に位置する交差部で交差し、当該交差部を左右方向に線対称な境として見て支持面の右側の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部の左側に曲率中心をもつ円弧をえがき、交差部を左右線対称な境として見て支持面の左側の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部の右側に曲率中心をもつ円弧をえがき、
前記転動体構造が前記案内部材に支持されて交差部の上に位置するとき被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にある。
上記の実施形態の構成では、視線を前記転動体構造の軸線に沿わせて見て第一転動体外輪の形成する外周面を支持する支持面の特定方向に沿って延びる軌跡が、全体支持領域の中間に位置する交差部で交差する。当該交差部を左右方向に線対称な境として見て支持面の右側の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部の左側に曲率中心をもつ円弧をえがく。交差部を左右線対称な境として見て支持面の左側の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部の右側に曲率中心をもつ円弧をえがく。
前記転動体構造が前記案内部材に支持されて交差部の上に位置するとき被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にある。
その結果、被支持体が支持体に対して基準位置にある状態から移動するときに重力による反力が発生する。
【0031】
本発明の実施形態に係る免震装置は、
一組の免震機構を備え、
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、二つの免震機構の各々の一対の前記外周面を支持する一対の支持面の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きい。
上記の実施形態の構成では、
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、二つの免震機構の各々の一対の前記外周面を支持する一対の支持面の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きい。
その結果、Y軸に沿って離れる一対の外周面が、幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きい一対の支持面に支持されて、被支持体が支持体に対してX軸に添って移動する。
【0032】
本発明の実施形態に係る免震装置は、
二組の免震機構を備え、被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、
二組の免震機構の一方の一組の免震機構の二つの免震機構の各々の一対の前記外周面を支持する一対の支持面の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか、特定寸法より大きく、
二組の免震機構の他方の一組の免震機構の二つの免震機構の各々の一対の前記外周面を支持する一対の支持面の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか、特定寸法より大きい。
上記の実施形態の構成では、被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、
二組の免震機構の一方の一組の免震機構の二つの免震機構の各々の一対の前記外周面を支持する一対の支持面の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きい。
二組の免震機構の他方の一組の免震機構の二つの免震機構の各々の一対の前記外周面を支持する一対の支持面の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きい。
その結果、Y軸に沿って離れる二組の免震機構の各々の一対の外周面が二組の免震機構の各々の支持面の幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか、特定寸法より大きい一対の支持面に支持されて、被支持体が支持体に対してX軸に添って移動する。
【発明の効果】
【0033】
以上説明したように、本発明に係る免震機構は、その構成により、以下の効果を有する。
一対の外周面を形成する転動体構造と一対の支持面を形成する案内部材とを持つ免震機構100において、
力が作用しないとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にあるように維持し、力が作用し被支持体が支持体に対して移動するとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体を徐々に上昇させ、
全体支持領域は一対の外周面に対応して支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域である変化支持領域を各々に有する様にしたので、
被支持体が支持体に対して移動するとき、
一対の外周面のいずれかの外周面が単数又は複数の変化支持領域の支持面に当接して支持される。
【0034】
一対の外周面を形成する転動体構造と一対の支持面を形成する案内部材とを持つ免震機構100において、
力が作用しないとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にあるように維持し、力が作用し被支持体が支持体に対して移動するとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体を徐々に上昇させ、
全体支持領域は一対の外周面に対応して支持領域を各々に有し、
第一転動体外輪が軸線を中心にして転がり軸受に回転自在に支持され、第二転動体外輪が軸線を中心にして滑り軸受に回転自在に支持される様にしたので、
被支持体が支持体に対して移動するとき、
一対の外周面のいずれかの外周面が単数又は複数の支持領域の支持面に当接して支持される。
【0035】
一組の免震機構の二つの免震機構がY軸に沿って離れて配置され、一つの免震機構が被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持するとき、他の免震機構も被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持し、被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、二つの免震機構の各々の免震機構の一対の前記外周面を支持する各々の免震機構の一対の前記支持面の各々の幅の寸法が常に等しい様にしたので、被支持体が支持体に対してX軸に沿って移動するとき、Y軸に沿って離れる二つの免震機構の一対の外周面が幅の等しい一対の支持面に支持される。
【0036】
一方の一組の免震機構の二つの免震機構と他方の一組の免震機構の二つの免震機構がX軸に沿って離れて配置され、一方の一組の免震機構の二つの免震機構がY軸に沿って離れて配置され、他方の一組の免震機構の二つの免震機構がY軸に沿って離れて配置され、一つの免震機構が被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持するとき、他の3つの免震機構も被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持し、被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、4つの免震機構の各々の免震機構の一対の前記外周面を支持する各々の免震機構の一対の前記支持面の各々の幅の寸法が常に等しい様にしたので、被支持体が支持体に対してX軸に添って移動するとき、X軸、Y軸に沿って離れる4つの免震機構の各々の一対の外周面が幅の等しい一対の支持面に支持される。
【0037】
一対の前記外周面のうちの少なくとも一つの前記外周面が一対の前記支持面のうちの少なくとも一つの前記支持面に常に支持される様にしたので、
被支持体が支持体に対して移動するとき、被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、一対の外周面がいずれかの支持領域の支持面に支持される。
【0038】
全体支持領域が一対の外周面に対応して単数または複数の前記一定支持領域と単数または複数の前記変化支持領域若しくは単数または複数の前記ゼロ支持領域とを各々に有し、第一転動体外輪が軸線を中心にして転がり軸受に回転自在に支持され、第二転動体外輪が軸線を中心にして滑り軸受に回転自在に支持される様にしたので、
被支持体が支持体に対して移動するとき、回転軸受と滑り軸受に各々に支持される一対の外周面のいずれかの外周面が一定支持領域と変化支持領域若しくはゼロ支持領域との何れかの支持面に支持される。
【0039】
全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の前記一定支持領域若しくは単数又は複数の前記ゼロ支持領域とを各々に有する様にしたので、被支持体が支持体に対して移動するとき、一対の外周面のいずれかの外周面が変化支持領域と一定支持領域若しくはゼロ支持領域の何れかの支持面に支持される。
【0040】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記一定支持領域と単数又は複数の前記変化支持領域若しくは単数又は複数の前記ゼロ支持領域とを各々に有する様にしたので、被支持体が支持体に対して移動するとき、一対の外周面のいずれかの外周面が一定支持領域と変化支持領域若しくはゼロ支持領域の何れかの支持面に支持される。
【0041】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の前記一定支持領域と単数又は複数の前記ゼロ支持領域とを各々に有する様にしたので、被支持体が支持体に対して移動するとき、一対の外周面のいずれかの外周面が変化支持領域と一定支持領域とゼロ支持領域との何れかの支持面に支持される。
【0042】
一対の前記外周面を同時に支持する一対の前記支持面の軸方向の幅の寸法の合計が全体支持領域の一対の前記外周面に対応する前記一定支持領域のうちの一つの前記一定支持領域での前記特定寸法に等しいか、又は大きいのどちらかである様にしたので、
被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、一対の外周面が前記特定寸法に等しいか、または大きい幅で支持される。
【0043】
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域である様にしたので、外周面が、前記変化支持領域に沿って転動するとき、外周面が幅が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持面に支持される。
【0044】
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる支持領域である様にしたので、外周面が、前記変化支持領域に沿って転動するときに、外周面が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様に小さくなる幅の支持面に支持される。
【0045】
前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなり、且つその前記支持面の軸線に沿った幅の両端の縁部のうちの他方の前記外周面に対応する支持領域から遠い方の縁部が特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の外周面に対応する支持領域に近づく支持領域である様にしたので、外周面が、前記変化支持領域に沿って転動するときに、外周面が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなり、且つ他方の支持領域に遠い方の縁部を他方の支持領域に近づける支持面に支持される。
【0046】
前記全体支持領域が一対の前記外周面に対応して単数又は複数の前記変化支持領域と単数又は複数の前記ゼロ支持領域とを各々に持つ様にしたので、一対の前記外周面は前記変化支持領域または前記ゼロ支持領域に位置する様に案内部材に案内される。
【0047】
被支持体が支持体に対して基準位置にあるとき、
一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が一対の前記支持面のうちの一方の前記支持面の前記一定支持領域の一箇所に位置し、
一対の前記外周面のうちの他方の前記外周面が一対の前記支持面のうちの他方の前記支持面の前記変化支持領域の一箇所に位置し若しくは前記ゼロ支持領域の一箇所に位置する様にしたので、
被支持体が支持体に対して基準位置にあるとき、一方の外周面が前記一定支持領域に位置し、他方の外周面が前記ゼロ支持領域若しくは前記変化支持領域に位置する様に案内部材に案内される。
【0048】
被支持体が支持体に対して基準位置のある位置から特定方向に沿って最も離れた位置にあるとき、一対の前記外周面のうちの一方の前記外周面が当該外周面に対応する前記ゼロ支持領域の一箇所若しくは前記変化支持領域の一箇所に位置し、一対の前記外周面のうちの他方の前記外周面が前記一定支持領域の一箇所で前記支持面に支持される、様にしたので、被支持体が支持体に対して基準位置から最も離れた位置にあるとき、一方の外周面が前記ゼロ支持領域の一箇所に位置し若しくは前記変化支持領域の一箇所に位置し、他方の外周面が前記一定支持領域の一箇所に位置する様に案内部材に案内される。
【0049】
前記変化支持領域が前記一定支持領域と前記ゼロ支持領域とに挟まれてと切れ目無く繋がり、前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい小さくなる様にしたので、外周面が前記変化支持領域にある支持面に支持され転動するとき、外周面が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい小さくなる様に切れ目無く連続する幅の支持面に支持される。
【0050】
前記変化支持領域が前記一定支持領域と前記ゼロ支持領域とに挟まれてと切れ目無く繋がり、前記変化支持領域はその前記支持面の軸線に沿った幅が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が一様に変わる様に小さくなる様にしたので、外周面が変化支持領域にある支持面に支持され転動するとき、外周面が前記一定支持領域の側から前記ゼロ支持領域の側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が一様に変わる様に小さくなる様に切れ目無く連続する幅の支持面に支持される。
【0051】
前記転動体構造が前記軸線のまわりに固定される第一軸受に回転可能に支持され外周に一方の前記外周面を形成する前記第一転動体外輪と軸線のまわりに固定される第二軸受に回転可能に支持され外周に他方の前記外周面を形成する第二転動体外輪とを有し、第一軸受が転がり軸受であり、第二軸受が滑り軸受である、様にしたので、転がり軸受に支持される第一転動体外輪と滑り軸受に支持される第二転動体外輪とが第一支持面と第二支持面に各々に支持される。
【0052】
前記第一転動体外輪と前記第二転動体外輪とは互いに抵抗または拘束を与えずに軸線の周りに回転する様にしたので、前記第一転動体外輪と前記第二転動体外輪とが互いに干渉せずに軸線の周りに回転して転動する。
【0053】
視線を前記転動体構造の軸線に沿わせて見て第一支持面の特定方向に沿って延びる軌跡が全体支持領域の中間に位置する交差部で交差し、当該交差部を左右方向に線対称な境として見て右側の第一支持面の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部の左側に曲率中心をもつ円弧をえがき、交差部を左右線対称な境として見て左側の第一支持面の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部の右側に曲率中心をもつ円弧をえがき、前記転動体構造が前記案内部材に支持されて交差部の上に位置するとき被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置にある様にしたので、被支持体が支持体に対して基準位置にある状態から移動するときに重力による抵抗力が発生する。
【0054】
一組の免震機構をもつ免震装置において被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、二つの免震機構の各々の一対の前記外周面を支持する一対の支持面の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きい様にしたので、被支持体が支持体に対してX軸に添って移動するとき、Y軸に沿って離れる一対の外周面が幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きい一対の支持面に支持される。
【0055】
二組の免震機構をもつ免震装置において被支持体が支持体に対して移動する全ての範囲において、
二組の免震機構の一方の一組の免震機構の二つの免震機構の各々の一対の前記外周面を支持する一対の支持面の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きく、
二組の免震機構の他方の一組の免震機構の二つの免震機構の各々の一対の前記外周面を支持する一対の支持面の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きい様にしたので、
被支持体が支持体に対してX軸に添って移動するとき、Y軸に沿って離れる二組の免震機構の各々の一対の外周面が幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きい一対の支持面に支持される。
従って、さらなる免震性能、減衰性能を発揮できる免震機構と免震装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本発明の実施形態に係る免震装置の斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る免震装置の展開斜視図その1である。
【
図3】本発明の実施形態に係る免震装置の展開斜視図その2である。
【
図4】本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その1である。
【
図5】本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その2である。
【
図6】本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その3である。
【
図7】本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その4である。
【
図8】本発明の実施形態に係る支持体の平面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る被支持体の平面図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る案内部材の平面図その1である。
【
図11】本発明の実施形態に係る案内部材の平面図その2である。
【
図12】本発明の実施形態に係る案内部材の平面図その3である。
【
図13】本発明の実施形態に係る案内部材の平面図その4である。
【
図14】本発明の実施形態に係る案内部材の作用説明図その1である。
【
図15】本発明の実施形態に係る案内部材の平面図その5である。
【
図16】本発明の実施形態に係る案内部材の作用説明図その2である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、本発明を実施するための形態を、説明する。
本発明の実施形態にかかる免震装置10は、支持体Mに支持され被支持体Nを支持し特定の水平方向に沿った特定の方向である特定方向に移動自在に案内する装置である。
図1は、本発明の実施形態に係る免震装置の斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係る免震装置の展開斜視図その1である。
図3は、本発明の実施形態に係る免震装置の展開斜視図その2である。
図1に、4つの免震装置10を構造体の四隅に設けられる様が示される。
図2、
図3に、一組の免震装置10を上下にわけて展開した様子が示される。
本発明の第一の実施形態にかかる免震装置は、二つの免震機構100で構成される。
本発明の第一の実施形態にかかる免震装置は、二つの免震機構を有する一組の免震機構で構成される。
上から見て互いに直交するX軸とY軸とを仮想する。
免震装置10は、被支持体Nを支持体Mに対してX軸に沿って移動自在に案内する。
二つの免震機構がY軸に沿って離れて配置される。
一つの免震機構が被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持するとき、他の免震機構も被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持する。
上から見て各々の免震機構が各々の案内部材の基準位置の有る座標を基準位置座標と呼称する。
一組の免震機構の二つの免震機構の各々の基準位置座標がY軸に沿って離れる。
被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、二つの免震機構のうちの一方の免震機構100の一対の外周面T1、T2を支持する一対の支持面G1、G2の各々の幅の寸法と二つの免震機構のうちの他方の免震機構100の一対の外周面T1、T2を支持する一対の支持面G1、G2の各々の幅の寸法とが常に等しい。
免震機構100の詳細な構造と外周面T1、T2、支持面G1、G2については後述する。
【0058】
被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、二つの免震機構100の各々の一対の外周面T1、T2を支持する一対の支持面G1、G2の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きくてもよい。
【0059】
本発明の第二の実施形態にかかる免震装置は、二つの免震機構を各々に有する二組の免震機構で構成される。
上から見て互いに直交するX軸とY軸とを仮想する。
一方の一組の免震機構100の二つの免震機構100と他方の一組の免震機構100の二つの免震機構100がX軸に沿って離れて配置される。
一方の一組の免震機構100の二つの免震機構100がY軸に沿って離れて配置される。
他方の一組の免震機構100の二つの免震機構100がY軸に沿って離れて配置される。
一つの免震機構が被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持するとき、他の3つの免震機構も被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持する。
被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、4つの免震機構100の各々の免震機構100の一対の前記外周面T1、T2を支持する各々の免震機構100の一対の前記支持面G1、G2の各々の幅の寸法が常に等しい。
ここで、基準位置Zは、被支持体Nが支持体Mに対して最も低い位置である。
【0060】
上から見て各々の免震機構が各々の案内部材の基準位置Zの有る座標を基準位置座標と呼称する。
二組の免震機構の一方の一組の免震機構の二つの免震機構の各々の基準位置座標がY軸に沿って離れる。
二組の免震機構の他方の一組の免震機構の二つの免震機構の各々の基準位置座標がY軸に沿って離れる。
二組の免震機構の一方の一組の免震機構の二つの免震機構の各々の基準位置座標と二組の免震機構の他方の一組の免震機構の二つの免震機構の各々の基準位置座標とがX軸に沿って離れる。
被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、二組の免震機構100の一方の一組の免震機構100の二つの免震機構100のうちの一方の免震機構100の一対の前記外周面T1、T2を支持する一対の前記支持面G1、G2の各々の幅の寸法と、
二組の免震機構100の一方の一組の免震機構100の二つの免震機構のうちの他方の免震機構100の一対の前記外周面T1、T2を支持する一対の前記支持面G1、G2の各々の幅の寸法と、
二組の免震機構の他方の一組の免震機構100の二つの免震機構100のうちの一方の免震機構の一対の前記外周面T1、T2を支持する一対の前記支持面G1、G2の各々の幅の寸法と、
二組の免震機構の他方の一組の免震機構の二つの免震機構のうちの他方の免震機構の一対の前記外周面T1、T2を支持する一対の前記支持面G1、G2の各々の幅の寸法とが常に等しい。
ここで、軸線Jは、外周面T1、T2の回転軸線に一致する。
【0061】
被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、二組の免震機構100の一方の一組の免震機構100の二つの免震機構100の各々の一対の外周面T1、T2を支持する一対の支持面G1、G2の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きく、二組の免震機構100の他方の一組の免震機構100の二つの免震機構100の各々の一対の外周面T1、T2を支持する一対の支持面G1、G2の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きくてもよい。
【0062】
例えば、免震装置10は、下部構造11と中間構造12と上部構造13とで構成される。
下部構造11と中間構造12とがX軸に沿って相対移動できる。
中間構造12と上部構造13とがY軸に沿って相対移動できる。
下部構造11は、中間構造12をX軸にそって相対移動する様に案内する4つの案内部材300を設けられる。
中間構造12は、X軸に沿って案内される4つの転動体構造200とY軸に沿って案内される4つの転動体構造200とを設けられる。
上部構造13は、中間構造12をY軸にそって相対移動する様に案内する4つの案内部材300を設けられる。
【0063】
被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、一対の外周面T1、T2のうちの少なくとも一つの外周面Tが一対の支持面G1、G2のうちの少なくとも一つの支持面Gに支持される。
被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、4つの免震機構100の各々の一対の外周面T1、T2のうちの少なくとも一つの外周面が一対の支持面G1、G2のうちの少なくとも一つの支持面に支持されてもよい。
【0064】
被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、一対の外周面T1、T2を同時に支持する一対の支持面G1、G2の軸方向の幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか、又は大きいのどちらかであてもよい。
被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、4つの免震機構100の各々の一対の外周面T1、T2を同時に支持する一対の支持面G1、G2の軸方向の幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか、又は大きいのどちらかであってもよい。
特定寸法は、後述する一定支持領域Scの支持面の幅の寸法であり、詳細は後述する。
【0065】
以下に、本発明の実施形態に係る免震機構100を、図を基に、説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その1である。
図5は、本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その2である。
図6は、本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その3である。
図7は、本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その4である。
図8は、本発明の実施形態に係る支持体の平面図である。
図9は、本発明の実施形態に係る被支持体の平面図である。
図10は、本発明の実施形態に係る案内部材の平面図その1である。
図11は、本発明の実施形態に係る案内部材の平面図その2である。
図12は、本発明の実施形態に係る案内部材の平面図その3である。
図13は、本発明の実施形態に係る案内部材の平面図その4である。
本発明の実施形態に係る免震機構100は、支持体Mに支持され被支持体Nを支持し特定方向に移動自在に案内する機構である。
ここで、特定方向は、特定の水平方向に沿った特定の方向である。
下部構造11が支持体Mに相当するとき、中間構造12が被支持体Nに相当する。
中間構造12が支持体Mに相当するとき、上部構造13が被支持体Nに相当する。
以下では、説明の便宜上、免震機構100が下部構造11と中間構造12との間に設けられる場合を例に説明する。
ここで、下部構造11は支持体Mに相当し、中間構造12は被支持体Nに相当する。
【0066】
本発明の実施形態に係る免震機構100は、転動体構造200と案内部材300とで構成される。
転動体構造200は、被支持体Nと支持体Mのいずれか一方に取り付けられ特定方向に直交する水平方向に延びる軸線Jに沿って配置される一対の軸受に回転可能に支持される構造である。
転動体構造200は、一対の軸受を各々に囲う様に位置し周囲に面を向けて転動できる一対の外周面T1、T2を各々に形成する。
例えば、転動体構造200は、一対の軸受231、232を軸線Jを中心として囲う様に位置し軸線Jを中心として周囲に面を向けて転動できる一対の外周面T1、T2を形成する。
軸線Jが一方の外周面T1の回転軸線と他方の外周面T2の回転軸線とを繋ぐ線である。
一方の外周面T1の回転軸線と他方の外周面T2の回転軸線とは直線状にならんでもよい。
一方の外周面T1の回転軸線と他方の外周面T2の回転軸線とは平行にならんでもよい。
以下では、一対の外周面T1、T2が1本の直線状に延びる軸線Jの周りに転動する場合を例に説明する。
【0067】
以下に、転動体構造200の構造例を、図に基に、説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その1である。
図5は、本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その2である。
図6は、本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その3である。
図7は、本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その4である。
【0068】
図4は、本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その1を示す。
転動体構造200は、被支持体Nと支持体Mのいずれか一方に取り付けられ、特定方向に直交する水平方向に延びる軸線Jに沿って配置される一対の軸受231、232に回転可能に支持される。
転動体構造200は、第一転動体外輪211と第一軸受231と第二転動体外輪212と第二軸受232と軸体220とで構成される。
第一転動体外輪211と第二転動体外輪212とは、一本の軸体220に回転自在に固定される。
転動体構造200は、一対の軸受231、232を軸線Jを中心として囲う様に位置し軸線Jを中心として周囲に面を向けて転動できる一対の外周面T1、T2を形成する。
図4に、転動体構造200が、第一転動体外輪211の外周に第一外周面T1を形成し、第二転動体外輪212の外周に第二外周面T2を形成する様子が示される。
【0069】
第一転動体外輪211と第二転動体外輪212とは、互いに抵抗または拘束を与えずに軸線の周りに回転する。
軸体220は、第一転動体外輪211の左側の箇所と第一転動体外輪211と第二転動体外輪212との間に位置する箇所と第二転動体外輪212の右側の箇所の三箇所で支持される。
図4の(A)は、第一軸受231が滑り軸受であり、第二軸受232が滑り軸受である様子を示す。
図4の(B)は、第一軸受231が転がり軸受であり、第二軸受232が滑り軸受である様子を示す。
【0070】
図5は、本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その2を示す。
転動体構造200は、被支持体Nと支持体Mのいずれか一方に取り付けられ、特定方向に直交する水平方向に延びる軸線Jに沿って配置される一対の軸受231、232に回転可能に支持される。
転動体構造200は、第一転動体外輪211と第一軸受231と第二転動体外輪212と第二軸受232と軸体220とで構成される。
第一転動体外輪211と第二転動体外輪212とは、一本の軸体220に回転自在に固定される。
転動体構造200は、一対の軸受231、232を各々に囲う箇所に位置し周囲に面を向けて転動できる一対の外周面T1、T2を各々に形成する
図5に、転動体構造200が、第一転動体外輪211の外周に第一外周面T1を形成し、第二転動体外輪212の外周に第二外周面T2を形成する様子が示される。
【0071】
第一転動体外輪211と第二転動体外輪212とは、間にスラスト軸受を介して接触する。
軸体220は、第一転動体外輪211の左側の箇所と第二転動体外輪212の右側の箇所の二箇所で支持される。
その結果、第一転動体外輪211と第二転動体外輪212とは、互いに摩擦板に作用するスラスト力に対応する抵抗を与えつつに軸線の周りに回転する。
図5の(A)は、第一軸受231が滑り軸受であり、第二軸受232が滑り軸受である様子を示す。
図5の(B)は、第一軸受231が転がり軸受であり、第二軸受232が滑り軸受である様子を示す。
【0072】
図6は、本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その3を示す。
転動体構造200は、被支持体Nと支持体Mのいずれか一方に取り付けられ、特定方向に直交する水平方向に延びる軸線Jに沿って配置される一対の軸受231、232に回転可能に支持される。
転動体構造200は、転動体外輪210と第一軸受231と第二軸受232と軸体220とで構成される。
転動体外輪210は、一本の軸体220に回転自在に固定される。
転動体構造200は、一対の軸受231、232を各々に囲う箇所に位置し周囲に面を向けて転動できる一対の外周面T1、T2を各々に形成する。
図6に、転動体構造200が、転動体外輪211の外周に第一外周面T1と第二外周面T2と形成する様子が示される。
【0073】
軸体220は、転動体外輪210の左側の箇所と右側の箇所の二箇所で支持される。
その結果、転動体外輪210は、第一転動体外輪211と第二転動体外輪212とが一体構造となった構造と考えることができる。
図6の(A)は、第一軸受231が滑り軸受であり、第二軸受232が滑り軸受である様子を示す。
図6の(B)は、第一軸受231が転がり軸受であり、第二軸受232が滑り軸受である様子を示す。
【0074】
図7は、本発明の実施形態に係る転動体構造の概念図その4を示す。
転動体構造200は、被支持体Nと支持体Mのいずれか一方に取り付けられ特定方向に直交する水平方向に延びる軸線Jに沿って配置される一対の軸受231、232に回転可能に支持される。
転動体構造200は、第一転動体外輪211と第一軸受231と第二転動体外輪212と第二軸受232と第一軸体221と第二軸体222とで構成される。
第一転動体外輪211は、第一軸体221に回転自在に固定される。
第二転動体外輪212は、第二軸体222に回転自在に固定される。
転動体構造200は、一対の軸受231、232を各々に囲う箇所に位置し周囲に面を向けて転動できる一対の外周面T1、T2を各々に形成する。
図7に、転動体構造200が、第一転動体外輪211の外周に第一外周面T1を形成し、第二転動体外輪212の外周に第二外周面T2を形成する様子が示される。
【0075】
第一転動体外輪211と第二転動体外輪212とは、互いに抵抗または拘束を与えずに軸線の周りに回転する。
第一軸体221は、第一転動体外輪211の左側の箇所と右側の箇所の2箇所で支持される。
第二軸体222は、第二転動体外輪212の左側の箇所と右側の箇所の2箇所で支持される。
その結果、第一転動体外輪211と第二転動体外輪212とは、互いに抵抗、拘束を与えずに軸線の周りに回転する。
第一転動体外輪211と第二転動体外輪212とは別体の構造である。
図6の(A)は、第一軸受231が滑り軸受であり、第二軸受232が滑り軸受である様子を示す。
図6の(B)は、第一軸受231が転がり軸受であり、第二軸受232が滑り軸受である様子を示す。
【0076】
次に、本発明の案内部材300の構造の例を、説明する。
案内部材300は、被支持体Nと支持体Mのいずれか他方に取り付けられ、転動体構造200を特定方向に転動自在に案内する部材であって、転動体構造200の一対の外周面T1、T2を各々に支持する一対の支持面G1、G2を形成する。
例えば、案内部材300は、下部構造11に取り付けられ、転動体構造200を特定方向に転動自在に案内する部材であって、転動体構造200の一対の外周面T1、T2を各々に接触して支持する一対の支持面G1、G2を形成する。
【0077】
転動体構造200と案内部材400とは、力が作用しないとき少なくとも一つの外周面T1、T2が一つの支持面G1、G2に支持されて被支持体Nが支持体Mに対して最も低い位置である基準位置Zにあるように維持し、力が作用し被支持体Nが支持体Mに対して移動するとき少なくとも一つの外周面Tが一つの支持面Gに支持されて被支持体Nを徐々に上昇させる。
力は外力であっても慣性力であってもよい。
【0078】
ここで、被支持体Nが支持体Mに対して移動するとき転動体構造200が案内部材300に案内されて特定方向に沿って移動する全体の領域を全体支持領域と呼称する。
全体支持領域Sは、一対の外周面T1、T2に対応して、単数または複数の支持領域を各々に有する。
支持領域は、その対応する一つの外周面Tを支持する一つの支持面Gが特定方向に沿って切れ目無く連続する領域である。
一つの外周面に対応する複数の支持領域は、特定方向に沿って直列に並ぶ。
一つの外周面T1に対応する複数の支持領域と一つの外周面T2に対応する複数の支持領域は、特定方向に沿って並列に並ぶ。
視線を特定方向に沿わせてみたとき、一つの外周面T1に対応する複数の支持領域の支持面G1と他の一つの外周面T2に対応する複数の支持領域の支持面G2とは隣合って見える。
例えば、軸線Jに沿って隣合う支持面G1と支持面G2の高さは一致する。
視線を軸線Jに沿って見たとき、支持面G1の特定方向に沿った特定方向に沿って延びる軌跡と支持面G2の特定方向に沿った特定方向に沿って延びる軌跡とは一致する。
上から見たときに軸線Jに沿って隣合う支持面G1と支持面G2とは間に形成される同一の高さの平面でつながっていてもよい。
上から見たときに軸線Jに沿って隣合う支持面G1と支持面G2とは間に形成される溝で分かれていれもよい。
【0079】
被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、一対の外周面T1、T2のうちの少なくとも一つの外周面Tが一対の支持面G1、G2のうちの少なくとも一つの支持面Gに常に支持される。
被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、転動体構造200の一対の外周面T1、T2のうちの少なくとも一つの外周面Tが案内部材400の一対の支持面G1、G2のうちの少なくとも一つの支持面Gに常に支持される。
その結果、被支持体Nが支持体Mに対して特定方向に移動するときに、転動体構造200が案内部材300に安定して案内される。
【0080】
全体支持領域Sは、一対の外周面T1、T2に対応して、単数または複数の支持領域で各々に構成されてもよい。
全体支持領域Sは、一対の外周面T1、T2に対応して、単数または複数の支持領域と単数または複数のゼロ支持領域Snとで各々に構成されてもよい。
全体支持領域Sは、一対の外周面T1、T2に対応して、単数または複数の一定支持領域Scと単数又は複数の変化支持領域Svと単数または複数のゼロ支持領域Snとで各々に構成されてもよい。
一定支持領域Scは、その支持面Gの軸線Jに沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域である。
変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線Jに沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域である。
ゼロ支持領域Snは、その対応する一つの外周面Tを支持する一つの支持面Gがない領域である。
【0081】
全体支持領域Sは一対の外周面T1、T2に対応して単数又は複数の変化支持領域Svで各々に構成されてもよい。
例えば、全体支持領域S1が一方の外周面T1に対応して二つの変化支持領域Svで各々に構成され、全体支持領域S2が他方の外周面T2に対応して二つの変化支持領域Svで各々に構成される。
図11の(D)には、全体支持領域S1が特定方向に沿った中央部で広く両端部でゼロになる様に幅の寸法が各々に変化する二つの変化支持領域Svが継ぎ目なくつながって構成され、全体支持領域S2が特定方向に沿った両端部で広く中央部でゼロになる様に幅の寸法が各々に変化する二つの変化支持領域Svが継ぎ目なくつながって構成される様子が示される。
【0082】
全体支持領域Sが一対の外周面T1、T2に対応して単数または複数の一定支持領域Scと単数又は複数の変化支持領域Sv若しくは単数または複数のゼロ支持領域Snとで各々に構成されてもよい。
【0083】
全体支持領域Sが一対の外周面T1、T2に対応して単数または複数の一定支持領域と単数または複数の変化支持領域Svとで構成されてもよい。
例えば、全体支持領域Sが一方の外周面T1に対応して一つの一定支持領域Scと一対の変化支持領域Svとで構成され、他の一つの全体支持領域Sが、他方の外周面T2に対応して、一対の一定支持領域Scと一つの変化支持領域Svとで構成される。
図10、12、13の(B)には、全体支持領域S1が一つの変化支持領域Svと一つの一定支持領域Scと一つの変化支持領域Svとが特定方向に沿って順に切れ目なく並んで構成され、全体支持領域S2が一つの一定支持領域と二つの変化支持領域Svと一つの一定支持領域Scとが特定方向に沿って順に切れ目なく並んで構成される様子がしめされる。
【0084】
全体支持領域Sが、一対の外周面T1、T2に対応して、単数または複数の一定支持領域Scと単数または複数のゼロ支持領域Snとで構成されてもよい。
例えば、全体支持領域が、一方の外周面T1に対応して一つの一定支持領域と一対のゼロ支持領域とで構成され、他方の外周面T2に対応して一対の一定支持領域と一つのゼロ支持領域とで構成される。
図10、12、13のCには、全体支持領域S1が一つのゼロ支持領域Snと一つの一定支持領域Scと一つのゼロ支持領域Snとが特定方向に沿って順に切れ目なくならんで構成され、全体支持領域S2が一つの一定支持領域Scと一つのゼロ支持領域Snと一つの一定支持領域Scとが特定方向に沿って順に切れ目無く並んで構成される様子が示される。
【0085】
全体支持領域が一対の外周面T1、T2に対応して単数または複数の一定支持領域Scと単数又は複数の変化支持領域Svと単数または複数のゼロ支持領域Snとで各々に構成されてもよい。
例えば、全体支持領域が、一方の外周面T1に対応して一つの一定支持領域Scと一対の変化支持領域Svと一対のゼロ支持領域Snとで構成され、他方の外周面T2に対応して、一対の一定支持領域と一対の変化支持領域と一つのゼロ支持領域とで構成される。
図10、11、12のAには、全体支持領域S1が一つのゼロ支持領域Snと一つの変化支持領域Svと一つの一定支持領域Scと一つの変化支持領域Svと一つのゼロ支持領域Snとが特定方向に沿って順に切れ目なく並んで構成され、全体支持領域S2が一つの一定支持領域Scと一つの変化支持領域Svと一つのゼロ支持領域Snと一つの変化支持領域Svと一つの一定支持領域Scとが特定方向に沿って順に切れ目なく並んで構成される様子が示される。
【0086】
一定支持領域Scはmその支持面Gの軸線Jに沿った幅の寸法が一定の特定寸法である支持領域である。
特定寸法は支持面G1、G2が支持する外周面T1、T2の軸線方向の幅より短くてもよい。
一定支持領域Scは、その支持面Gの軸線Jに沿った幅の寸法がその支持面Gが支持する外周面の外周面の軸線方向の幅の寸法に一致し、且つ一定の特定寸法である支持領域であってもよい。
【0087】
変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線Jに沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域である。
【0088】
変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線Jに沿った幅の寸法を特定寸法より狭く、且つ少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域であってもよい。
変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線Jに沿った幅の寸法が特定寸法より狭く、且つ少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い段差無く変化する支持領域であってもよい。
変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線Jに沿った幅の寸法が特定寸法より狭く、且つ少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い段差無く滑らかに変化する支持領域であってもよい。
【0089】
変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線Jに沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様に変化する支持領域であってもよい。
変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法を特定寸法より狭く、且つ少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様に変化する支持領域であってもよい。
【0090】
変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなり、且つその支持面Gの軸線に沿った幅の両端の縁部のうちの他方の一つの外周面に対応する支持領域から遠い方の縁部が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の一つの外周面Tに対応する支持領域に近づく支持領域でもよい。
変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が特定寸法より小さく、少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなり、且つ支持面Gの軸線に沿った幅の両端の縁部のうちの他方の一つの外周面に対応する支持領域から遠い方の縁部が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の一つの外周面Tに対応する支持領域に近づく支持領域でもよい。
変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなり、且つ支持面Gの軸線に沿った幅の両端の縁部のうちの他方の一つの外周面に対応する支持領域から遠い方の縁部が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の一つの外周面Tに対応する支持領域に近づき、且つ支持面Gの軸線に沿った幅の両端の縁部のうちの他方の一つの外周面に対応する支持領域に近い側の縁部が他方の外周面Tに対応する支持領域までの離間距離を一定になる支持領域でもよい。
その結果、変化支持領域Svの支持面Gの軸線Jに沿った幅が小さくなる方へ移動するに従い、支持面Gが一方の外周面Tを支持する箇所が特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の外周面Tに対応する支持領域に近づく。
【0091】
変化支持領域Svが一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとに挟まれて切れ目無く繋がり、変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい小さくなる支持領域であってもよい。
変化支持領域Svが一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとに挟まれて切れ目無く繋がり、変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい小さくなり、最後に支持面Gの幅がゼロになる支持領域であってもよい。
【0092】
変化支持領域Svが一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとに挟まれて切れ目無く繋がり、変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて一定の変化量で小さなる支持領域であってもよい。
変化支持領域Svは、一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとに挟まれて切れ目無く繋がり、変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて一定の変化量で小さくなり、最後に支持面Gがなくなる支持領域であってもよい。
【0093】
変化支持領域Svが一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとに挟まれて切れ目無く繋がり、変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が変わる様に小さくなる支持領域であってもよい。
変化支持領域Svが一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとに挟まれて切れ目無く繋がり、変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が変わる様に小さくなり、最後に支持面Gがなくなる支持領域であってもよい。
【0094】
変化支持領域Svが一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとに挟まれて切れ目無く繋がり、変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が一様に変わる様に小さくなる支持領域であってもよい。
変化支持領域Svが一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとに挟まれて切れ目無く繋がり、変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が一様に変わる様に小さくなり、最後に支持面Gがなくなる支持領域であってもよい。
【0095】
変化支持領域Svが一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとに挟まれて切れ目無く繋がり、変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が大きくなる様に小さなる支持領域であってもよい。
変化支持領域Svが一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとに挟まれて切れ目無く繋がり、変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が大きくなる様に小さくなり、最後に支持面Gの幅がゼロになる支持領域であってもよい。
図15の(A)に、支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が大きくなる様に小さくなる様子が示される。
【0096】
変化支持領域Svが一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとに挟まれて切れ目無く繋がり、変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が小さくなる様に小さなる支持領域であってもよい。
変化支持領域Svが一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとに挟まれて切れ目無く繋がり、変化支持領域Svは、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が小さくなる様に小さくなり、最後に支持面Gの幅がゼロになる支持領域であってもよい。
図15の(B)に、その支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい遷移する程度に応じて変化量が小さくなる様に小さくなる様子が示される。
【0097】
被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、一対の外周面T1、T2を同時に支持する一対の支持面G1、G2の軸方向の幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか、又は大きいのどちらかであってもよい。
【0098】
全体支持領域sが、一対の外周面T1、T2に対応して、単数または複数の一定支持領域Scと単数又は複数のゼロ支持領域Snを有する場合において、被支持体Nが支持体Mに対して基準位置にあるとき、一対の外周面T1、T2のうちの一方の外周面T1がその外周面T1に対応する一定支持領域の一箇所で支持面G1により支持され、一対の外周面T1、T2のうちの他方の外周面T2がその外周面T2に対応するゼロ支持領域Snの一箇所に位置してもよい。
【0099】
全体支持領域sが、一対の外周面T1、T2に対応して、単数または複数の一定支持領域Scと単数又は複数のゼロ支持領域Snを有する場合において、被支持体Nが支持体Mに対して基準位置Zのある位置から特定方向に沿って最も離れた位置にあるとき、一対の外周面T1、T2のうちの一方の外周面T1がその外周面T1に対応するゼロ支持領域Snの一箇所に位置し、一対の外周面T1、T2のうちの他方の外周面T2がその外周面T2に対応する一定支持領域Scの一箇所で支持面G2に支持されてもよい。
【0100】
転動体構造200が軸線Jのまわりに固定される第一軸受231に回転可能に支持され外周に一方の外周面T1を形成する第一転動体外輪211と軸線Jのまわりに固定される第二軸受232に回転可能に支持され外周に他方の外周面T2を形成する第二転動体外輪212とを有し、第一軸受231が転がり軸受であり、第二軸受2312が滑り軸受であってもよい。
転がり軸受は、玉軸受、ニードル軸受、ローラ軸受、ニードルローラ軸受のどれかでもよい。
滑り軸受は、ブッシュでもよい。
【0101】
第一軸受231は滑り軸受であり、第二軸受232は滑り軸受であってもよい。
第一軸受231の滑り軸受と第二軸受232の滑り軸受は、ブッシュでもよい。
第一軸受231の回転抵抗と第二軸受232の回転抵抗が有意に異なっていても良い。
例えば、第一軸受231の滑り軸受の滑り面の直径と第二軸受232の滑り軸受の滑り面の直径が異なっていてもよい。
例えば、第一軸受231の滑り軸受の滑り面の摩擦係数と第二軸受232の滑り軸受の滑り面の摩擦係数が異なっていてもよい。
例えば、第一軸受231の滑り軸受が油潤滑され、第二軸受232の滑り軸受の滑り面が個体摩擦であってもうよい。
【0102】
第一転動体外輪211と第二転動体外輪212とは互いに抵抗または拘束を与えずに軸線の周りに回転してもよい。
【0103】
第一転動体外輪211と第二転動体外輪212とは互いに抵抗または拘束を与えて軸線の周りに回転してもよい。
例えば、第一転動体外輪211と第二転動体外輪212との間に摩擦材を配置してもよい。
例えば、第一転動体外輪211と第二転動体外輪212が一体構造であってもい。
【0104】
視線を転動体構造200の軸線Jに沿わせて見て、支持面の特定方向に沿って延びる軌跡が、中央部を左右線対称な境として見て右側の支持面G1の特定方向に沿って延びる軌跡が一定の曲率半径Rをもち、中央部を左右線対称な境として見て左側の支持面G2の特定方向に沿って延びる軌跡がが一定の曲率半径Rをもっていてもよい。
【0105】
視線を転動体構造200の軸線Jに沿わせて見て、第一転動体外輪211の形成する外周面T1を支持する支持面G1の特定方向に沿って延びる軌跡が全体支持領域Sの中間に位置する交差部Kで折れ曲がり、その交差部Kを左右方向に線対称な境として見て右側の支持面G1の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部Kの左側に曲率中心をもつ円弧をえがき、交差部Kを左右線対称な境として見て左側の支持面G1の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部Kの右側に曲率中心をもつ円弧をえがく。
第一転動体外輪211が支持面Gに支持されて交差部Kの上に位置するとき被支持体Nが支持体Mに対して最も低い位置である基準位置にあってもよい。
【0106】
第一転動体外輪T1が支持面に支持されて被支持体Nが支持体Mに対して最も低い位置である基準位置Zにあるように維持し、視線を転動体構造200の軸線Jに沿わせて見て、中央部を左右線対称な境として見て右側の支持面Gの特定方向に沿って延びる軌跡の曲率中心と中央部を左右線対称な境として見て左側の支持面Gの特定方向に沿って延びる軌跡の曲率中心が一致してもよい。
【0107】
以下に、本発明の実施形態にかかる免震機構の作用を、図を基に、説明する。
図14は、本発明の実施形態に係る案内部材の作用説明図その1である。
図16は、本発明の実施形態に係る案内部材の作用説明図その2である。
図14の(A)、(D)は比較のために示す従来構造をもつ免震機構の作用説明図である。
図14、
図16では、免震機構の作用が縦軸と横軸とをもつグラフで表される。
横軸が支持体に対する被支持体の基準位置をゼロ点とする特定方向の移動距離を示し、 縦軸が被告支持体に作用する水平反力の大きさを示す。
被支持体Nが支持体Mに対して正方向に移動するとき負方向の水平反力が被支持体Nに作用する。
被支持体Nが支持体Mに対して負方向に移動するとき正方向の水平反力が被支持体Nに作用する。
横軸と縦軸の交差点が基準位置である。
水平反力は、被支持体が支持体を基準として水平方向へ移動するときの被支持体に作用する水平方向の反力である。
水平反力の傾きは、被支持体が支持体を基準として水平移動するときの水平反力の増加傾向であり、免震機構のバネ定数に相当する。
【0108】
図14の(A)は、以下の構成を免震機構の作用を示す。
・案内部材の支持面の曲率半径Rが、一定の曲率中心をもつ。
・転動体構造200が、一体の転動体外輪をもつ。
・支持面Gの軌跡は、曲率半径Rが一つの曲率中心を持つ。
・転動体構造の軸受は、滑り軸受である。
・全体支持領域Sは、一定支持領域Scを有する。
【0109】
図14の(B)は、以下の構成をもつ免震機構の作用を示す。
・支持面Gの軌跡は曲率半径Rが一つの曲率中心を持つ。
・第一軸受231は、転がり軸受である。
・第二軸受232は、滑り軸受である。
・第一外周面T1に対応する全体支持領域Sは、一つのゼロ支持領域Snと一つの変化支持領域Svと一つの一定支持領域Scと一つの変化支持領域Svと一つのゼロ支持領域Snとが特定方向に沿ってこの順に継ぎ目無く並んで構成される。
・第二外周面T2に対応する全体支持領域Sは、一つの一定支持領域Scと一つの変化支持領域Svと一つのゼロ支持領域Snと一つの変化支持領域Svと一つの一定支持領域Scとが特定方向に沿って順に継ぎ目無く並んで構成される。
・被支持体が基準位置Zにあるとき、第一外周面T1が一定支持領域Scの第一支持面G1に支持され、第二外周面T2がゼロ支持領域Snに位置する。
【0110】
図14の(C)は、以下の構成をもつ免震機構の作用を示す。
・支持面Gの軌跡は曲率半径Rが一定の曲率中心を持つ。
・第一軸受231は滑り軸受である。
・第二軸受232は転がり軸受である。
・第一外周面T1に対応する全体支持領域Sは、一つのゼロ支持領域Snと一つの変化支持領域Svと一つの一定支持領域Scと一つの変化支持領域Svと一つのゼロ支持領域Snとが特定方向に沿って順に継ぎ目無く並んで構成される。
・第二外周面T2に対応する全体支持領域Sは、一つの一定支持領域Scと一つの変化支持領域Svと一つのゼロ支持領域Snと一つの変化支持領域Svと一つの一定支持領域Scとが特定方向に沿って順に継ぎ目無く並んで構成される。
・被支持体が基準位置Zにあるとき、第一外周面T1が一定支持領域Scの第一支持面G1に支持され、第二外周面T2がゼロ支持領域Snに位置する。
【0111】
図14の(D)は、以下の構成をもつ免震機構の作用を示す。
支持面Gの軌跡は中間に交差部Kをもち、交差部Kを挟む左右の部分の曲率半径Rの曲率中心は交差部Kを境として反対側に位置する。
その他の構成は、
図11の(A)と同じである。
【0112】
図14の(D)は、以下の構成をもつ免震機構の作用を示す。
支持面Gの軌跡は中間に交差部Kをもち、交差部Kを挟む左右の部分の曲率半径Rの曲率中心は交差部Kを境として反対側に位置する。
その他の構成は、
図11の(B)と同じである。
【0113】
図14の(E)は、以下の構成をもつ免震機構の作用を示す。
支持面Gの軌跡は中間に交差部Kをもち、交差部Kを挟む左右の部分の曲率半径Rの曲率中心は交差部Kを境として反対側に位置する。
その他の構成は、
図11の(C)と同じである。
【0114】
図16の(A)は、以下の構成をもつ免震機構の作用を示す。
・
図15の(B)に示す全体支持領域をもつ。
・第一軸受231は転がり軸受である。
・第二軸受232は滑り軸受である。
【0115】
図16の(B)は、以下の構成をもつ免震機構の作用を示す。
・
図15の(A)に示す全体支持領域をもつ。
・第一軸受231は転がり軸受である。
・第二軸受232は滑り軸受である。
【0116】
図16の(C)は、以下の構成をもつ免震機構の作用を示す。
・
図15の(B)に示す全体支持領域をもつ。
・第一軸受231は滑り軸受である。
・第二軸受232は転がり軸受である。
【0117】
図16の(D)は、以下の構成をもつ免震機構の作用を示す。
・
図15の(A)に示す全体支持領域をもつ。
・第一軸受231は滑り軸受である。
・第二軸受232は転がり軸受である。
【0118】
上述のとおり、本発明の実施形態に係る免震機構とその免震機構を採用した免震装置を用いれば、以下の効果を有する。
一対の外周面T1、T2を形成する転動体構造200と一対の支持面G1、G2を形成する案内部材300とを持つ免震機構100において、力が作用しないとき少なくとも一つの外周面Tが一つの支持面Gに支持されて被支持体Nが支持体Mに対して最も低い位置である基準位置Zにあるように維持し、力が作用し被支持体Nが支持体Mに対して移動するとき少なくとも一つの外周面Tが一つの支持面Gに支持されて被支持体Nを徐々に上昇させ、全体支持領域Sは支持面Gの軸線Jに沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する支持領域である変化支持領域を各々に有する様にしたの、被支持体Nが支持体Mに対して移動するとき、一対の外周面T1、T2のいずれかが変化支持領域Svに位置する。
【0119】
一対の外周面T1、T2を形成する転動体構造200と一対の支持面G1、G2を形成する案内部材300とを持つ免震機構において、力が作用しないとき少なくとも一つの外周面Tが一つの支持面Gに支持されて被支持体が支持体に対して最も低い位置である基準位置Zにあるように維持し、力が作用し被支持体Nが支持体Mに対して移動するとき少なくとも一つの外周面Tが一つの支持面Gに支持されて被支持体を徐々に上昇させ、全体支持領域が一対の外周面T1、T2に対応して支持領域を各々に有し、第一転動体外輪211が軸線Jを中心にして転がり軸受に回転自在に支持され、第二転動体外輪212が軸線Jを中心にして滑り軸受に回転自在に支持される様にしたので、被支持体が支持体に対して移動するとき、一対の外周面T1、T2のいずれかの外周面Tが支持領域に位置する。
【0120】
一組の免震機構100の二つの免震機構100がY軸に沿って離れて配置され、一方の免震機構100が被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持するとき、他方の免震機構100も被支持体を支持体に対して基準位置にある様に維持し、被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、二つの免震機構100の各々の免震機構100の一対の外周面T1、T2を支持する各々の免震機構100の一対の支持面G1、G2の各々の幅の寸法が常に等しい様にしたので、被支持体Nが支持体Mに対してX軸に沿って移動するとき、Y軸に沿って離れる二つの免震機構の一対の外周面T1、T2が幅の等しい一対の支持面G1、G2に支持される。
【0121】
一方の一組の免震機構100の二つの免震機構100と他方の一組の免震機構100の二つの免震機構100がX軸に沿って離れて配置され、一方の一組の免震機構100の二つの免震機構100がY軸に沿って離れて配置され、他方の一組の免震機構100の二つの免震機構100がY軸に沿って離れて配置され、一つの免震機構100が被支持体Nを支持体Mに対して基準位置にある様に維持するとき、他の3つの免震機構100も被支持体Nを支持体Mに対して基準位置にある様に維持し、被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、4つの免震機構100の各々の免震機構100の一対の外周面T1、T2を支持する各々の免震機構100の一対の支持面G1、G2の各々の幅の寸法が常に等しい様にしたので、被支持体Nが支持体Mに対してX軸に添って移動するとき、X軸、Y軸に沿って離れる4つの免震機構100の各々の一対の外周面T1、T2が幅の等しい一対の支持面G1、G2に支持される。
【0122】
一対の外周面T1、T2のうちの少なくとも一つの外周面Tが一対の支持面G1、G2のうちの少なくとも一つの支持面Gに常に支持される様にしたので、被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、被支持体Nが支持体Mに対して移動するとき、一対の外周面T1、T2がいずれかの支持領域の支持面に支持される。
【0123】
一対の全体支持領域Sが一定支持領域Scと変化支持領域Sv若しくはゼロ支持領域Snとを各々に有し、第一転動体外輪211が軸線Jを中心にして転がり軸受231に回転自在に支持され、第二転動体外輪212が軸線Jを中心にして滑り軸受232に回転自在に支持される様にしたので、被支持体Nが支持体Mに対して移動するとき、一対の外周面T1、T2のいずれかの外周面Tが一定支持領域Scと変化支持領域Sv若しくはゼロ支持領域Snとの何れかの支持面に支持される。
【0124】
一対の前記外周面T1、T2のうちの少なくとも一つの前記外周面Tが一対の前記支持面G1、G2のうちの少なくとも一つの前記支持面Gに常に支持される様にしたので、被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、一対の外周面T1、T2がいずれかの支持領域に位置して、被支持体が支持体に対して移動する。
全体支持領域Sが、一対の外周面T1、T2に対応して、変化支持領域Svと一定支持領域Sc若しくはゼロ支持領域Snを各々に有する様にしたので、被支持体Nが支持体Mに対して移動するとき、一対の外周面T1、T2のいずれかの外周面Tが変化支持領域Svと一定支持領域Sc若しくはゼロ支持領域Snの何れかの支持面に支持される。
【0125】
全体支持領域Sが一対の外周面T1、T2に対応して単数又は複数の一定支持領域Scと単数又は複数の変化支持領域Sv若しくは単数又は複数のゼロ支持領域Snとを各々に有する様にしたので、被支持体Nが支持体Mに対して移動するとき、一対の外周面T1、T2のいずれかの外周面Tが一定支持領域Scと変化支持領域Sv若しくはゼロ支持領域Snの何れかの支持面に支持される。
【0126】
全体支持領域Sが一対の外周面T1、T2に対応して単数又は複数の変化支持領域Svと単数又は複数の一定支持領域Scと単数又は複数のゼロ支持領域Snとを各々に有する様にしたので、被支持体Nが支持体Mに対して移動するとき、一対の転動体T1、T2のいずれかの外周面Tが変化支持領域Svと一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとの何れかの支持面に支持される。
【0127】
一対の外周面T1、T2を同時に支持する一対の支持面G1、G2の軸方向の幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか、又は大きいのどちらかである様にしたので、被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲において、一対の外周面T1、T2が一定支持領域Scでの特定寸法に等しいか、または大きい幅で支持面に支持される。
【0128】
変化支持領域Svの支持面Gをその支持面Gの軸線Jに沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する様にしたので、外周面Gが変化支持領域Svに沿って転動するとき、外周面Gが少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する幅をもつ支持面Gに支持される。
【0129】
変化支持領域Svの支持面Gの軸線Jに沿った幅の寸法が特定寸法より狭く、且つ少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する様にしたので、外周面Gが変化支持領域Svに沿って転動するとき、外周面Gが特定寸法より狭く、且つ少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する幅をもつ支持面Gに支持される。
【0130】
変化支持領域Dvの支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様にしたので、外周面Tが、変化支持領域Svに沿って転動するときに、少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様に変化する幅を持つ支持面Gに支持される。
変化支持領域Dvの支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が特定寸法より小さく、且つ少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様にしたので、外周面が変化支持領域に沿って転動するときに、外周面Tが、特定寸法より狭く、且つ少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様に変化する幅を持つ支持面Gに支持される。
【0131】
一方の変化支持領域Svの支持面G1の軸線Jに沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様に変化し、且つ支持面G1の軸線Jに沿った幅の両端の縁部のうちの他方の外周面Tに対応する支持領域から遠い方の縁部が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の外周面T2に対応する支持領域に近づく様にしたので、外周面T1が変化支持領域に沿って転動するときに、外周面T1が、支持面の幅が小さくなる様に変化し、外周面T1が、少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い、且つ他方の支持領域に遠い方の縁部を他方の支持領域に近づける支持面に支持される。
【0132】
一方の変化支持領域Svの支持面Gの軸線Jに沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなる様に変化し、且つ支持面G1の軸線Jに沿った幅の両端の縁部のうちの他方の外周面T2に対応する支持領域から遠い方の縁部が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の外周面T2に対応する支持領域に近づく様にしたので、一方の外周面T1が変化支持領域に沿って転動するときに、外周面が、小さくなる様に変化し、且つ少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の支持領域に遠い方の縁部を他方の支持領域に近づける支持面に支持される。
【0133】
一方の変化支持領域Svの支持面G1の軸線Jに沿った幅の寸法が特定寸法より小さく、少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくり、且つ支持面G1の軸線Jに沿った幅の両端の縁部のうちの他方の外周面T2に対応する支持領域から遠い方の縁部が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の外周面に対応する支持領域に近づく様にしたので、外周面T1が変化支持領域に沿って転動するときに、外周面T1が、小さくなる様に変化し、特定寸法より狭く、且つ少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い、他方の支持領域に遠い方の縁部を他方の支持領域に近づける支持面に支持される。
【0134】
一方の変化支持領域Svの支持面G1の軸線Jに沿った幅の寸法が特定寸法より小さく、少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い小さくなり、支持面G1の軸線Jに沿った幅の両端の縁部のうちの他方の外周面T2に対応する支持領域から遠い方の縁部が少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い他方の外周面に対応する支持領域に近づき、且つ支持面G1の軸線Jに沿った幅の両端の縁部のうちの他方の外周面T2に対応する支持領域に近い方の縁部が他方の外周面に対応する支持領域からの距離を等しい状態を保つ様にしたので、外周面T1が変化支持領域に沿って転動するときに、外周面T1が小さくなる様に変化し、特定寸法より狭く、且つ少なくとも一部で特定方向の一方に沿って遷移するに従い、他方の支持領域に遠い方の縁部を他方の支持領域に近づける支持面に支持される。
【0135】
全体支持領域Sが、一対の外周面T1、T2に対応して、単数又は複数の変化支持領域Svと単数又は複数のゼロ支持領域Snとを持つ様にしたので、一対の外周面T1、T2は変化支持領域Sv、またはゼロ支持領域Snに位置する様に案内部材300に案内される。
【0136】
被支持体Nが支持体Mに対して基準位置Zにあるとき、一対の外周面T1、T2のうちの一方の外周面T1が一対の支持面G1、G2のうちの一方の支持面G1の一定支持領域Scの一箇所に支持され、一対の外周面T1、T2のうちの他方の外周面T2が一対の支持面G1、G2のうちの他方の支持面G2の変化支持領域Sv若しくはゼロ支持領域Snの一箇所に支持される、若しくはその外周面Gに対応する変化支持領域Svの一箇所で支持面G2に支持される様にしたので、被支持体Nが支持体Mに対して基準位置にあるとき、一方の外周面T1が一定支持領域Scに位置し、他方の外周面T2がゼロ支持領域Sn若しくは変化支持領域Svに位置する様に案内部材300に案内される。
【0137】
被支持体Nが支持体Mに対して基準位置Zのある位置から特定方向に沿って最も離れた位置にあるとき、一対の外周面T1、T2のうちの一方の外周面T1がその外周面Tに対応するゼロ支持領域Snの一箇所若しくは変化支持領域Svの一箇所に位置し、一対の外周面T1、T2のうちの他方の外周面T2がその外周面T2に対応する一定支持領域Scの一箇所で支持面Gに支持される様にしたので、被支持体Nが支持体Mに対して基準位置Zから最も離れた位置にあるとき、一方の外周面T1がゼロ支持領域Snの一箇所に位置し若しくは変化支持領域Svの一箇所に支持され、他方の外周面T2が一定支持領域Scの一箇所に位置する様に案内部材300に案内される。
【0138】
変化支持領域Svが一定支持領域Scとゼロ支持領域Snとに挟まれて切れ目無く繋がり、変化支持領域Snの支持面Gの軸線に沿った幅の寸法が一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい小さくなる様にしたので、外周面Tが変化支持領域Svにある支持面Gに支持され転動するとき、外周面Tが一定支持領域Scの側からゼロ支持領域Snの側に特定方向に沿って遷移するにしたがい小さくなる様に切れ目無く連続する幅の支持面Gに支持される。
【0139】
転動体構造200が軸線Jのまわりに固定される第一軸受231に回転可能に支持され外周に一方の外周面T1を形成する第一転動体外輪211と軸線のまわりに固定される第二軸受232に回転可能に支持され外周に他方の外周面T2を形成する第二転動体外輪212とを有し、第一軸受が転がり軸受であり、第二軸受が滑り軸受である、様にしたので、転がり軸受に支持される第一外周面T1と滑り軸受に支持される第二外周面T2とが第一支持面G1と第二支持面G2に各々に支持されて転動できる。
【0140】
第一転動体外輪211と第二転動体外輪212とは互いに抵抗または拘束を与えずに軸線Jの周りに回転する様にしたので、第一転動体外輪212と第二転動体外輪212とが互いに干渉せずに軸線の周りに回転して転動する。
【0141】
視線を転動体構造200の軸線Jに沿わせて見て第一転動体外輪211が形成する外周面T1を支持する支持面G1の特定方向に沿って延びる軌跡が全体支持領域Sの中間に位置する交差部Kで交差し、その交差部Kを左右方向に線対称な境として見て右側の支持面G1の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部Kの左側に曲率中心をもつ円弧をえがき、交差部を左右線対称な境として見て左側の支持面G1の特定方向に沿って延びる軌跡が交差部Kの右側に曲率中心をもつ円弧をえがき、且つ第一転動体外輪211が支持面に支持されて交差部Kの上に位置するとき被支持体Nが支持体Mに対して最も低い位置である基準位置Zにある様にしたので、被支持体Nが支持体Mに対して基準位置Zにある状態から移動するときに重力による抵抗力が発生する。
【0142】
一組の免震機構100をもつ免震装置10において、被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲で、二つの免震機構100の各々の一対の外周面T1、T2を支持する一対の支持面G1、G2の軸線に沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きい様にしたので、被支持体Nが支持体Mに対してX軸に添って移動するとき、Y軸に沿って離れる一対の外周面T1、T2が幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きい一対の支持面に支持される。
【0143】
二組の免震機構100をもつ免震装置10において、被支持体Nが支持体Mに対して移動する全ての範囲で、二組の免震機構100の一方の一組の免震機構100の二つの免震機構100の各々の一対の外周面T1、T2を支持する一対の支持面G1、G2の軸線Jに沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きく、二組の免震機構100の他方の一組の免震機構100の二つの免震機構100の各々の一対の外周面T1、T2を支持する一対の支持面G1、G2の軸線Jに沿った幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きい様にしたので、被支持体が支持体に対してX軸に添って移動するとき、Y軸に沿って離れる二組の免震機構100の各々の一対の外周面T1、T2が幅の寸法の合計が特定寸法に等しいか特定寸法より大きい一対の支持面G1、G2に支持される。
【0144】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない領域で各種の変更が可能である。
図では、第一転動体外輪211の外直径と第二転動体外輪212の外直径が同じである例で説明したが、これに限定されない。例えば、第一転動体外輪211の外直径と第二転動体外輪212のどちらか一方が他方より大きくてもよい。
転がり軸受が一つのニードルローラベラリングで構成される場合で説明したが、これに限定されない。転がり軸受が一対の転がり玉軸受で構成されてもよい。
図では、転動体外輪がつば付きである場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、別途の案内機構を有していてもよい。
【符号の説明】
【0145】
Z 基準位置
T 外周面
T1 第一外周面
T2 第二外周面
G 支持面
G1 第一支持面
G2 第二支持面
J 軸線
M 支持体
N 被支持体
K 交差部
X X軸
Y Y軸
R 曲率半径
R1 第一曲率半径
R2 第二曲率半径
S 全体支持領域
Sc 一定支持領域
Sv 変化支持領域
Sn ゼロ支持領域
10 免震装置
11 下部構造
12 中間構造
13 上部構造
100 免震機構
200 転動体構造
210 転動体外輪
211 第一転動体外輪
212 第二転動体外輪
220 軸体
221 第一軸体
222 第二軸体
231 第一軸受
232 第二軸受
300 案内部材
【先行技術文献】
【特許文献】
【0146】
【文献】特開2011- 38628
【文献】特開2023- 44907
【要約】
【課題】支持体に支持され被支持体を支持し特定方向に移動自在に案内する免震機構において、さらに好適な免震性能、減衰性能を発揮できる免震機構と免震装置を提供しようとする。
【解決手段】
従来の免震機構と免震装置にかわって、一対の軸受に回転可能に支持される構造であって一対の外周面を各々に形成する転動体構造と、一対の前記外周面を各々に接触して支持する一対の支持面を形成する案内部材と、を備え、前記転動体構造と前記案内部材とは、力が作用し被支持体が支持体に対して移動するとき少なくとも一つの前記外周面が一つの前記支持面に支持されて被支持体を徐々に上昇させ、前記転動体構造が前記案内部材に案内されて特定方向に沿って移動する全体の領域が一対の前記外周面に対応してその前記支持面の軸線に沿った幅の寸法が少なくとも一部で特定方向に沿って遷移するに従い変化する変化支持領域を有するものとした。
【選択図】
図2