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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】頭部冷却装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/10 20060101AFI20240402BHJP
   A47G 9/10 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
A61F7/10 321
A47G9/10 S
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020041346
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021141995
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】江崎 淳史
(72)【発明者】
【氏名】榊原 啓之
(72)【発明者】
【氏名】福増 一人
【審査官】関本 達基
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-024079(JP,A)
【文献】特表2019-523660(JP,A)
【文献】特開2013-126523(JP,A)
【文献】特開平06-218004(JP,A)
【文献】特開2006-131430(JP,A)
【文献】特開平08-084744(JP,A)
【文献】特開2007-051855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/10
A47G 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体のポンプ部から送り出された液体を枕体との間で連結体を介して循環する頭部冷却装置において、
前記ポンプ部は非容積式のポンプを備え、
前記枕体は、矩形シート形状であり、前記液体を内部に流入される流入口と、前記流入した前記液体を外部へ流出させる流出口とを長手方向の一端側に有すると共に、前記流入口から前記流出口へと流れる複数の流路を内部に有し、
前記複数の流路は、最も流路長が長い主流路と、前記主流路の上流側流路と前記主流路の下流側流路とを1以上の接続流路により接続されてなる1以上の副流路とを有し、
前記流入口及び前記流出口に最も近い前記接続流路は前記枕体の長手方向の中央よりも前記流入口及び前記流出口側にあり、
前記枕体を長手方向の中央で2つ折りにした際に、前記主流路が閉塞されても前記流入口及び前記流出口に最も近い前記接続流路の流通が確保される
頭部冷却装置。
【請求項2】
前記枕体の長手方向の端から中央までの長さをL1とすると、
前記流入口及び前記流出口に最も近い前記接続流路は、前記枕体の長手方向の前記流入口及び前記流出口が存在する側の端から、L1/2からL1の間にある
請求項1に記載の頭部冷却装置。
【請求項3】
前記装置本体は、前記ポンプの吸込口側の流路において、前記吸込口に接続される領域が前記吸込口よりも高い位置にある
請求項1又は2記載の頭部冷却装置。
【請求項4】
前記装置本体は、弾性部材からなる取付具を介して前記ポンプを支持する
請求項1~3の何れか1項に記載の頭部冷却装置。
【請求項5】
前記装置本体は、前記液体の温度を調整する温度調整部を備え、
前記温度調整部は、前記液体が流れる温度調整用の流路を備える流路ユニットと、前記温度調整用の流路を流れる前記液体を冷却させる冷却ユニットとを備え、
前記温度調整用の流路に面する金属板に温度調整用の温度センサが設けられている
請求項1~4の何れか1項に記載の頭部冷却装置。
【請求項6】
前記接続流路は2以上あり、
下流側の接続流路の流路断面積は上流側の接続流路の流路断面積よりも大きい
請求項1~5の何れか1項に記載の頭部冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、就床者又は就寝者の頭部を冷却する冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
頭部冷却装置として、例えば、使用者の頭部が載る頭部冷却用枕2と、可撓性を有するチューブ3、4を介して枕2に接続される機械部5とを備え、枕2と機械部5との間で冷却用の液体が循環する構造の頭部冷却装置がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-126523号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記装置では、液体を循環させるポンプとして、ダイヤフラムポンプのような容積式ポンプを利用している。この場合、何らかの原因で枕2又はチューブ3、4の内部の水の流通が妨げられると、枕2やチューブ3、4の内部圧力が過大になって破裂するおそれがある。
本発明は、枕やチューブの破裂を防止できる頭部冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る頭部冷却装置は、装置本体のポンプ部から送り出された液体を枕体との間で連結体を介して循環する頭部冷却装置において、前記ポンプ部は非容積式のポンプを備える。
【発明の効果】
【0006】
上記構成によれば、枕やチューブ内の水の流通が妨げられた場合、ポンプが空回し、枕やチューブの破裂を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る頭部冷却装置の斜視図である。
図2】装置本体の断面斜視図であり、(a)は前側上方から見た図であり、(b)は後側上方から見た図である。
図3】装置本体の分解状態を前側上方から見た斜視図である。
図4】装置本体の分解状態を後側下方から見た斜視図である。
図5】温度調整部の斜視図であり、(a)は温度調整部の後側を上方から見た斜視図であり、(b)は温度調整部の前側を上方から見た斜視図である。
図6】温度調整部の分解状態を後側上方から見た斜視図である。
図7】温度調整部の分解状態を前側上方から見た斜視図である。
図8】一部を切り欠いた仕切り板の斜視図であり、(a)は後側下方から見た図であり、(b)は後側上方から見た図である。
図9】(a)ポンプ部の取り付けを説明する分解斜視図であり、(b)はポンプ部の分解斜視図である。
図10】装置本体の制御ブロック図である。
図11】後板と回路部との分解状態を示す図であり、(a)は前側右上方から見た図であり、(b)は前側左上方から見た図である。
図12】(a)(b)は接続ユニットの斜視図であり、(c)は接続ユニットの装着状態を説明する図である。
図13】筐体内の空気の流れを説明する図であり、(a)は右断面図であり、(b)は平面断面である。
図14】(a)は枕体の平面図であり、(b)は断面図である。
図15】第2実施形態に係る枕体の平面図である。
図16】接続流路を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
実施形態の一態様に係る頭部冷却装置は、装置本体のポンプ部から送り出された液体を枕体との間で連結体を介して循環する頭部冷却装置において、前記ポンプ部は非容積式のポンプを備える。
実施形態の別態様に係る頭部冷却装置において、前記装置本体は、前記ポンプの吸込口側の流路において、前記吸込口に接続される領域が前記吸込口よりも高い位置にある。これにより、ポンプに水圧が作用し、エア噛みによる機能不全となるのを防止できる。
実施形態の別態様に係る頭部冷却装置において、前記装置本体は、弾性部材からなる取付具を介して前記ポンプを支持する。これにより、ポンプの振動が吸収される。
実施形態の別態様に係る頭部冷却装置において、前記装置本体は、前記液体の温度を調整する温度調整部を備え、前記温度調整部は、前記液体が流れる温度調整用の流路を備える流路ユニットと、前記温度調整用の流路を流れる前記液体を冷却させる冷却ユニットとを備え、前記温度調整用の流路に面する金属板に温度調整用の温度センサが設けられている。これにより、液体の温度を高い精度で測定できる。
【0009】
実施形態の別態様に係る頭部冷却装置において、前記枕体は、前記液体を内部に流入される流入口と、前記流入した前記液体を外部へ流出させる流出口とを有すると共に、前記流入口から前記流出口へと流れる複数の流路を内部に有する。これにより、1の流路が閉塞されても液体の流通を確保できる。
実施形態の別態様に係る頭部冷却装置において、前記複数の流路は、最も流路長が長い主流路と、前記主流路の上流側流路と前記主流路の下流側流路とを1以上の接続流路により接続されてなる1以上の副流路とを有する。これにより、枕体内に複数の流路が形成される。
実施形態の別態様に係る頭部冷却装置において、前記接続流路は2以上あり、下流側の接続流路の流路断面積は上流側の接続流路の流路断面積よりも大きい。これにより、流入口側の水圧を高めることができる。
【0010】
<第1実施形態>
1.頭部冷却装置
頭部冷却装置Xは、図1に示すように、装置本体1、連結体6及び枕体7を備える。頭部冷却装置Xは、装置本体1と枕体7との間で連結体6介して、装置本体1で温度調整された液体を循環させて、就床者又は就寝者の頭部を冷却する。
以下、頭部冷却装置Xの各部について説明する。
【0011】
2.装置本体
(1)全体
装置本体1は、図2図4に示すように、温度調整部10、ポンプ部20、操作表示部30、回路部40を筐体50内に備えている。
ここで、操作表示部30が前側に位置している装置本体1を対向して見た状態を正面視とする。本実施形態の装置本体1は、枕体7から戻ってきた液体は、温度調整部10、ポンプ部20を経由して再び枕体7へと送り出される。
以下、各部について説明する。
【0012】
(2)温度調整部
温度調整部10は、ポンプ部20から送り出す液体/又はポンプ部20に受け入れる液体を一定温度又は一定領域内の温度で調整する。温度調整部10は、装置本体1から送り出される液体は枕体7で就床者又は就寝者の頭部により温められるため、液体を冷却する。冷却には例えばペルチェ素子が利用され、電圧印加により液体が冷却される。
【0013】
温度調整部10は、図6及び図7に示すように、液体用の流路を内部に有する流路ユニット100と、流路ユニット100内の液体を冷却する冷却ユニット110とを少なくとも備える。
ここでは、流路ユニット100及び冷却ユニット110の他に、例えば、冷却ユニット110の熱を放出する放熱ユニット120と、冷却ユニット110を支持する支持板130と、筐体50の内部の空気を外部に送風するための送風ユニット140とを備える。温度調整部10は仕切り板150を介して筐体50に固定される。
なお、仕切り板150は、温度調整部10を筐体50に固定するため、調整部固定具ともいえる。また、仕切り板150は筐体50の下部側を補強しているため、装置本体1のフレームともいえる。
ここでの温度調整部10は、流路ユニット用の温度センサ160、放熱ユニット用の温度センサ163、使用する室内の温度や湿度を測定するための温湿度センサ166を備えている。
【0014】
(2-1)流路ユニット
流路ユニット100は、板状をし、その一方の主面に冷却ユニット110が接触する。流路ユニット100は、図6に示すように、流路用の溝101aを有するユニット本体101と、ユニット本体101の溝101aを塞ぐ蓋板103と、ユニット本体101と蓋板103との間に配されるシール材105を有する。蓋板103により凹入部101cが塞がれた溝101aは、温度調整用の流路を構成する。
なお、流路ユニット100は、その主面が上下左右に沿うように設けられている。
【0015】
(2-1-1)ユニット本体
ユニット本体101は、方形状、矩形状又はこれらに近い形状の板状部101bと、板状部101bの一方の主面に形成された凹入部101cと、板状部101bの一側面から凹入部101cに連通する2本の連通路101d,101eとを有している。連通路101d,101eは上下に離間して設けられている。
【0016】
凹入部101cは、図6の拡大図に示すように、矩形状、方形状、又はこれらに近い形状をし、上部から下部に繋がる1本の溝101aを形成するためのリブ101fを有している。つまり、溝101aの両端が連通路101d,101eと接続する。これにより、容易に溝101aを形成できる。
ここでの溝101aは、水平方向に延伸した後に折り返えされた、所謂ジグザグ状に延伸している。これにより、凹入部101c内に全長の長い溝101aを設けることができ、小型化と共に冷却効率を高めることができる。溝101aの両端は水平方向の同じ側(連通路がある側)にある。これにより、ユニット本体101の左右方向の寸法を小さくできる。
【0017】
上側の連通路101dは、凹入部101cへ流入する連通路であり、下側の連通路101eは凹入部101cから流出する連通路である。上側の連通路101dは、装置本体1の接続ユニット57(図1参照)とチューブ(図示省略)を介して接続され、下側の連通路101eは、ポンプ部20(図3又は図4参照)とチューブ(図示省略)を介して接続される。なお、連通路101d,101eは、板状部101bから水平方向に張り出している。これにより、チューブとの接続を容易に行える。
【0018】
以下、主に、図6の拡大図で説明する。
ユニット本体101は、板状部101bの凹入部101cを囲繞するシール溝101gを有している。シール溝101gには環状のシール材(パッキン)105が配される。
ユニット本体101は、蓋板103と結合するためのねじ109用のねじ孔101hをシール溝101gの外側近傍に有している。これにより、シール性を高めることができる。
ユニット本体101は、蓋板103を位置決めするための突部分101j又は凹部を板状部101bに有する。
ユニット本体101は、図7の拡大図に示すように、板状部101bの他方の主面(凹入部101cの存在していない側の主面)に、補強用のリブ部分101kやボス部分101mを有している。ユニット本体101は、図6の拡大図に示すように、板状部101bの一方の主面にボス部分101nを有している。
【0019】
(2-1-2)蓋板
蓋板103は、金属板、例えばアルミ板を利用している。これにより、冷却効率を高めることができる。ユニット本体101の板状部101bに対応して形状又はそれに近い形状をしている。蓋板103は、ユニット本体101の凹入部101cを覆う被覆領域103aを中央部分に有する。蓋板103のユニット本体101への結合は、ねじ109が、蓋板103の貫通孔103bを挿通して、板状部101bのねじ孔101hに螺合することで行われる。
【0020】
蓋板103は、ユニット本体101のボス部分101n及び位置決め用の突部分101jに嵌合する貫通孔103c,103dを有している。
蓋板103におけるユニット本体101側の面には、図7に示すように、流路ユニット用温度センサ160が取り付けられている。温度センサ160は、流路ユニット100内を移動する液体と接触する蓋板103の温度を測定する。この温度は、流路ユニット100内を移動する液体と相関関係があり、予め試験等により求められている。この温度センサ160の検出結果に基づいて、制御ユニット41は冷却ユニット110の印加電力を調整する。
【0021】
(2-2)冷却ユニット
主に図6及び図7を用いて説明する。
冷却ユニット110は、矩形状のペルチェ素子を利用し、吸熱面110a側が流路ユニット100の蓋板103に密着し、発熱面110bが放熱ユニット120に密着するように設けられる。これにより、冷却効率と放熱効率を高めることができる。冷却ユニット110は、流路ユニット100内の凹入部101cの位置に対応して設けられる。これにより、冷却効率を高めることができる。
【0022】
(2-3)放熱ユニット
主に図6及び図7を用いて説明する。
放熱ユニット120は、流路ユニット100の形状又はその形状に近い形状のベース板121と、ベース板121に設けられた複数枚のフィン123とを有する。ベース板121は、流路ユニット100と放熱ユニット120とを結合するねじ129用のねじ孔121aを有する。複数枚のフィン123は、板状をし、水平方向に延伸し、上下方向に間隔をおいて設けられている。
ベース板121における流路ユニット100側の面には、図7に示すように、放熱ユニット用温度センサ163が取り付けられている。温度センサ163が検出する検出結果が高すぎる場合に、制御ユニット41は冷却ユニット110の印加電力を低減させたり、供給を停止したりする。
【0023】
(2-4)支持板
主に図6及び図7を用いて説明する。
支持板130は、流路ユニット100に対応した形状又はその形状に近い形状の板状部131と、板状部131における流路ユニット100側の面であって周縁部に設けられた枠部132と、板状部131に形成され且つ冷却ユニット110を収容するための開口部133とを有する。ここでの支持板130は樹脂材料により構成されている。
板状部131の両主面は平坦状をしている。これにより、流路ユニット100の蓋板103及び冷却ユニット110との密着性、放熱ユニット120のベース板121との密着性を向上できる。板状部131は、流路ユニット100のボス部分101n用の貫通孔131aや、温度センサ163用の欠け部131bを有する。
【0024】
枠部132は、図5の(b)に示すように、流路ユニット100の蓋板103の外側に嵌合する。これにより、支持板130は流路ユニット100に対して位置決めされる。枠部132は、流路ユニット100のユニット本体101の段差部101rに嵌合する。これにより、支持板130は流路ユニット100に対して位置決めされる。
開口部133は、冷却ユニット110の本体を収容する本体収容領域133aと、冷却ユニット110のリード線110c,110dを収容する2つの配線収容領域133bとを有する。なお、板状部131の厚みは、冷却ユニット110の厚みに対応している。
【0025】
(2-5)送風ユニット
主に図6及び図7を用いて説明する。
送風ユニット140は、例えば、羽根と駆動モータとを一体で有するファンモータを利用している。
【0026】
(2-6)仕切り板
仕切り板150は、流路ユニット100、冷却ユニット110、放熱ユニット120及び支持板130が一体化した冷却部180を支持すると共に筐体50に固定される。
仕切り板150は、樹脂材料により構成されている。
以下、主に、図8を用いて説明する。
仕切り板150は、横断面が流路ユニット100に対応した箱状部151を有する。箱状部151は底壁152と周壁153とを有する。
【0027】
底壁152は、平坦状をし、ユニット本体101と同じ又はこれに近い形状をしている。底壁152の前面には、ポンプ部20を支持するポンプ後支持部152aが設けられている。ポンプ後支持部152aは底壁152の下部側に設けられている。ポンプ後支持部152aは、図9の(a)に示すように、ポンプ部20のゴムブッシュ203の鍔部203bと嵌合する嵌合溝152bを有する。嵌合溝152bを構成する上壁・下壁152cは、ゴムブッシュ203の円筒状の収容部203aに対応して、上方から見ると半円状をしている。
底壁152は、図7に示すように、冷却部180を取り付けるためのねじ189用の貫通孔152dを複数個有している。ねじ189は、底壁152の貫通孔152dを挿通して、流路ユニット100の角部分にあるボス部分101mのねじ孔101p(拡大図参照)に螺合する。
【0028】
周壁153は、図8に示すように、底壁152の4辺から水平方向又は垂直方向に延伸し、その途中に上下方向又は左右方向の外方向に拡がる段差153aを有する。周壁153は、段差153aよりも底壁152側の内壁部153bと、段差153aよりも開口側の外壁部153cとを有する。周壁153における左側に位置する部分に、温度センサ160用の欠け部分153eを有している。
図5の(b)のB部拡大図で示すように、段差153aは、支持板130の枠部132の前面に当接する。内壁部153bは流路ユニット100のユニット本体101の側面と当接又は近接し、外壁部153cは支持板130と当接又は近接している。これにより、冷却部180をしっかりと位置決め及び支持できる。
仕切り板150は、図7に示すように、流路ユニット100の連通路101d,101e用の開口153dを周壁153と底壁152とに跨る状態で有している。
【0029】
仕切り板150は周壁153の段差153aから径方向の外側に張り出す鍔壁を有する。鍔壁は、周壁153の上側壁部に設けられた上壁部155、周壁153の下側壁部に設けられた下壁部156、周壁153の右側壁部に設けられた右壁部157、周壁153の左側壁部に設けられた左壁部158を有する。
【0030】
上壁部155は、図8の(a)に示すように、周壁153の上側に位置する外壁部153cからそのまま後方に延伸する。
下壁部156は、図8の(a)に示すように、周壁153の下側に位置する段差153aがある部分から下方に延伸した後に後方へと延伸する。下壁部156は、図8の(b)に示すように、周壁153の下側に位置する外壁部153cと連結するリブ部分156aを左右方向に間隔をおいて複数個有している。これにより、下壁部156及び外壁部153cが補強される。
【0031】
右壁部157は、図8の(b)に示すように、周壁153の右側に位置する段差153aがある部分から右方に延伸した後に右側に拡がりながら後方へと延伸する。左壁部158は、右壁部157と同様に、周壁153の左側に位置する段差153aがある部分から左方に延伸した後に左側に拡がりながら後方へと延伸する。
右壁部157及び左壁部158は、図7に示すように、仕切り板150を筐体50に固定するねじ用の貫通孔157a,158aと、筐体50を構成する前板51と後板52とを結合するための前結合部517のボス部分517aが挿通する貫通孔157b,158bとを有している。なお、貫通孔157a,158aは左右方向に延伸している部分に、貫通孔157b,158bは後側に傾斜しながら延伸している部分にそれぞれ設けられている。
【0032】
仕切り板150は、図5の(a)に示すように、温湿度センサ166を装着するための装着部159を有している。装着部159は、ここでは左壁部158に設けられている。これにより、冷却部180と筐体50との間の区間を有効に利用できる。また、温湿度センサ166を装着する部材をわざわざ設けることなく、温湿度センサ166を装着できる。
温湿度センサ166は、筐体50の後板52の左面後側部522の吸気口522aにおいて、仕切り板47よりも下側に位置する開口であって上下方向の略中央に位置する。これにより、吸気口522aの全体から吸気される空気の温度及び湿度を測定できる。
【0033】
装着部159は、温湿度センサ166を実装する基板167の側面に当接して位置決めする位置決め部分と、基板167を固定する固定部分とを有する。
位置決め部分は、図8に示すように、左壁部158から後方へ突出する突出部分159a,159bにより構成されている。突出部分159aは、基板167の上部側に当接し、板状の上リブ159cを利用して設けられている。突出部分159bは、基板167の下部側に当接し、板状の下リブ159dとボス159eとを利用して設けられている。なお、下リブ159dとボス159eは一部で一体化されている。
仕切り板150は、温度センサ160の配線や温湿度センサ166の配線用の貫通孔158dや欠け部158eを左壁部158に有している。
【0034】
(3)ポンプ部
ポンプ部20は、図9に示すように、少なくとも、液体を循環させるポンプ201を備える。ここでのポンプ201は非容積式ポンプである。より具体的には、マグネットポンプであり、図9では、モータと一体化して表している。
ポンプ部20は、非容積式ポンプを利用することで、液体の循環流路が何らかの原因で閉塞しても、ポンプ201の空回りにより液体を循環させることができなくなり、ポンプの過負荷によりチューブ61,63等が破損したりすることを防止できる。また、非容積式ポンプを用いることで耐久性を高めることができ、長期に亘って使用できる。
【0035】
ポンプ部20は、ポンプ201を装置に取り付けるための取付具を有している。ここでの取付具は、ゴム材料、発泡材料等の弾性部材により構成されている。取付具は、例えばゴムブッシュ203を利用している。これにより、可動中のポンプ201の振動が吸収される。したがって、ポンプ201の振動によって発生する音を低減でき、就寝者の睡眠の妨げになるようなことを防止できる。
ゴムブッシュ203は、ポンプ201のモータ側を収容する収容部203aと、収容部203aの開口側端から径方向に張り出す鍔部203bとを有する。鍔部203bは、上方から見ると、その外周形状が矩形状をし、温度調整部10の仕切り板150のポンプ後支持部152aの嵌合溝152bに嵌合すると共に、図2に示す筐体50の前板51のポンプ前支持部515により前側から支持される。
【0036】
(4)操作表示部
主に図2図4を用いて説明する。
操作表示部30は、使用者が装置を操作するための複数の操作ユニット31と、装置の運転状況や使用者の操作内容を示す複数の表示ユニット33とを操作基板35に備える。操作表示部30は、操作基板35の貫通孔を挿通するねじ39が筐体50の天板54のボス部540cに設けられたねじ孔に螺合することで取り付けられる。
【0037】
複数の操作ユニット31としては、装置の運転モードを選択するためのモード選択ユニット、手動運転を選択した際に枕体7の温度を選択するための温度選択ユニット、手動運転を選択した際に運転時間を入力するための時間入力ユニット、運転を開始させるため開始ユニット、運転を停止させる停止ユニット等がある。
運転モードは、自動運転と、使用者が運転動作を設定する手動運転とがある。温度の選択では、「強」、「中」及び「弱」の3段階がある。運転時間の入力は、所定時間内で30分単位で行える、なお、時間入力ユニットは、「+」ボタンと「-」ボタンとを押圧することで行える。
【0038】
複数の表示ユニット33としては、温湿度センサ166の検出結果を表示するセンサ表示ユニット、自動運転又は手動運転の運転モードの選択結果を表示するモード表示ユニット、運転時間の入力結果を表示する時間表示ユニット、冷却温度の入力結果を示す温度表示ユニット等がある。
センサ表示ユニットは、室内の温湿度状態を示す「温湿度ナビ」として、「注意」、「やや注意」及び「適正」の3段階で表示する。モード表示ユニットは、自動運転又は手動運転を表示する。時間表示ユニットは、例えば「5.5h」のように30分単位で表示する。また、時間表示ユニットは、運転が開始すると、経過時間又は残り時間を表示する。温度表示ユニットは、「強」、「中」及び「弱」の3段階で表示する。
【0039】
筐体50の天板54における操作表示部30に対応する領域には、操作内容や表示内容が印刷されたカバーシート545が貼り付けられている。天板54は、操作ユニット31に対応する部分が弾性変形可能に構成され、表示ユニット33に対応する部分に貫通孔等を有する。
【0040】
(5)回路部
主に図2図4を用いて説明する。
回路部40は、使用者の操作内容に従って温度調整部10やポンプ部20を制御したり、温度センサ160等の検出結果に基づいて温度調整部10等を制御したりする制御ユニット41(図10参照)と、制御ユニット41、冷却ユニット110、ポンプ部20等を駆動するための電源ユニット等を備える。なお、制御ユニット41や電源ユニットは、図3に示すように、複数個の電子部品45が回路構成された回路基板46に実装されることで構成されている。
回路基板46は仕切り板47に搭載され、当該仕切り板47が筐体50に装着される。
【0041】
(5-1)制御ユニット
図10を用いて説明する。
制御ユニット41は、CPU411、メモリ413、タイマ415等を備え、メモリ413に記憶されているコンピュータプログラムや各種の設定データに基づき、装置本体1の全体を制御する。
制御ユニット41は、開始ユニットが操作されると、温度センサ160により検出された温度を用いて温度調整部10(冷却ユニット110)を制御し、タイマ415により計測された時間を用いて温度調整部10やポンプ部20を制御する。具体的には、開始ユニットが操作されると、操作された運転モードに対応するコンピュータプログラムを実行する。
メモリ413は、CPU411の作業用のRAM、ROMまたはフラッシュメモリで構成されている。
【0042】
制御ユニット41は、放熱ユニット120に取り付けられた温度センサ163の検出結果が、流路ユニット100(蓋板103)に取り付けられた温度センサ160の検出結果に対する閾値外の場合に、冷却ユニット110に印加する電力を低くしたり、送風ユニット140の駆動電力を高くしたり等の制御を行う。
制御ユニット41は、温湿度センサ166の検出結果に基づいて、操作表示部30のセンサ表示ユニットを表示させる。これにより、使用者は、運転開始前や運転中に、室内の温度や湿度の状態に応じて、冷却温度や運転モードを変更できる。
【0043】
制御ユニット41は、温湿度センサ166の結果にもとづいて、「温湿度ナビ」の設定温度を変更する。換言すると、制御ユニット41は、温湿度センサ166の検出結果により、液体の冷却温度の設定を変更する。つまり、温湿度ナビが示す「注意」、「やや注意」及び「適正」によって、冷却温度の「強」、「中」及び「弱」の温度設定を変更する。例えば、室内の温湿度が適正(温湿度ナビは「適正」を表示)な場合、「強」の温度を21℃、「中」の温度を23℃、「弱」の温度を25℃とし、室内の温湿度が高い(温湿度ナビは「注意」を表示)場合、「強」の温度を18℃、「中」の温度を20℃、「弱」の温度を22℃とする。これにより、室内の温湿度状態によって自動的に冷却温度の強弱を調整できる。この際、温湿度センサ166の検知結果に基づいて行うため、客観的な判断に基づいて温度設定がなされる。なお、温湿度センサ166は、放熱ユニット120の上流側(吸気側)に設置されているため、放熱ユニット120の排熱の影響を受け難くできる。
【0044】
(5-2)電源ユニット
電源ユニットは、コンセント48を介して受電した商用電源から、制御ユニット41、ポンプ部20、冷却ユニット110、センサ160,163,166等を駆動させるための駆動電力を生成する。
【0045】
(5-3)仕切り板
主に、図11を用いて説明する。
仕切り板47は、上述の通り、制御ユニット41や電源ユニット用の電子部品45等を実装する回路基板46を搭載する機能及び回路基板46を筐体50に取り付ける機能を有する。
仕切り板47は、筐体50内を、操作表示部30及び回路部40を収容する回路系収容部と、温度調整部10及びポンプを収容する駆動系収容部とを区画する(仕切る)機能を有する。これにより、駆動系収容部からの回路系収容部への熱移動を抑制できる。
【0046】
仕切り板47は、筐体50における上下方向と直交する平板部470を有している。平板部470は、上方から見たときに、一部を除いて筐体50の内部を塞ぐような形状をしている。ここでの一部は接続ユニット57が位置する部分を含む。より具体的には、右側部分である。つまり、仕切り板47の外周縁は、筐体50の内部を上方から見たときに、右側後部分を除いて、筐体50の内周面に当接又は近接するような形状をしている。これにより、筐体50を構成する周壁を補強できる。また、仕切り板47と筐体50の内周面とが近接するため、駆動系収容部から回路系収容部への空気の流れが規制され、駆動系収容部からの熱移動を抑制できる。
【0047】
平板部470は、回路基板46を搭載する基板搭載領域470aを、後部側の上面に有している。平板部470は、仕切り板150の周壁153の上側に位置する外壁部153cと上壁部155とに当接する(図13の(a)参照)状態で、筐体50に装着される。これにより、平板部470が仕切り板150により支持され、厚みを薄くすることができる。なお、仕切り板150の上壁部155等も流路ユニット100の上面に近接又は当接するため、仕切り板47の補強効果は大きい。
平板部470は、回路基板46を上下方向に間隔を置いた状態で支持するためのリブ部分470bと、回路基板46をねじ49で固定するためのねじ孔を有するボス部分470cと、回路基板46の周囲へと突出して回路基板46を位置決めするリブ部分470d等を基板搭載領域470aに有している。なお、回路基板46を支持すると共に位置決めするリブ部分470eも設けられている。
平板部470は、基板搭載領域470aであって送風ユニット140の上方に位置する領域に、回路系収容部内の空気を送風ユニット140へと排出する排出口470fを1又は複数個有している。ここでの排出口470fは、前後方向に延伸し、左右方向に間隔をおいて複数個設けられている。
【0048】
仕切り板47は平板部470の左右方向の右端に右立設板部471を有している。右立設板部471は、平板部470における前後方向の中間部位から前側部分に設けられている。仕切り板47は、右立設板部471の上端から左右方向の右側に延伸する上平板部472を有している。上平板部472の右側端は、筐体50の右側の内面に当接又は近接する。これにより、筐体50の右側部分を補強できる。上平板部472の前側端は、筐体50の前側の内面に当接又は近接する。これにより、筐体50の前側部分を補強できる。
【0049】
仕切り板47は、平板部470の左端に左立設板部473を有している。左立設板部473は、平板部470における前後方向の中間部位から前側部分の途中部位に設けられている。左立設板部473は筐体50の左側であって前後方向の中間部分の内面に沿う状態で設けられている。これにより、筐体50の左側の中間部分が補強される。
仕切り板47は、平板部470であって基板搭載領域470aよりも前側部位(前後方向の中央よりも前側に位置する部位である)に中立設板部474を有している。中立設板部474は右立設板部471と左立設板部473を連結する。これにより、平板部470、右立設板部471及び左立設板部473を補強できる。
仕切り板47は、平板部470の前側端に前立設板部475を有している。前立設板部475は、右立設板部471と左立設板部473とを連結する。これにより、平板部470、右立設板部471及び左立設板部473とを補強できる。前立設板部475は、筐体50の前側の内面に当接又は近接する。これにより、筐体50の前側部分を補強できる。
【0050】
(6)筐体
筐体50は、図3及び図4に示すように、前板51、後板52及び天板54から構成される。筐体50は、図2に示すように、箱状をしている。前板51内には温度調整部10の前側部分が収容され、後板52内には温度調整部10の後部部分が収容され、前板51と後板52との上部側に操作表示部30及び回路部40が収容される。
筐体50は、図1に示すように連結体6と接続された接続ユニット57を天板54に備える。
【0051】
(6-1)前板
前板51は、図3及び図4に示すように、筐体50の前面の全領域に対応する前面部510と、筐体50の右面の前側領域に対応する右面前側部511と、筐体50の左面の前側領域に対応する左面前側部512と、筐体50の底面の前側領域に対応する底面前側部513とを有する。
前板51は筐体50の内外で通気するための貫通孔を有していない。これにより、ポンプ部20のポンプ210の稼働中の駆動音や振動による音が外部に漏れにくくなり、静粛性を向上できる。
【0052】
前板51は、図2の(b)に示すように、ポンプ部20の前側部分を支持するポンプ前支持部515を有している。ポンプ前支持部515は前面部510の下部側に設けられている。ポンプ前支持部515は、ポンプ部20のゴムブッシュ203の鍔部203bに前側から当接する。これにより、ポンプ部20の鍔部203bがポンプ後支持部152aの嵌合溝152bの内部を奥側へと押圧される。
前板51は天板54との上結合部516を有している。上結合部516は、図4に示すように、前面部510の上端であって左右方向の中央に設けられている。上結合部516は、上側が開放する嵌合溝を有し、天板54の下方へ延伸する下鍔部541が嵌合溝に嵌合する。
【0053】
前板51は、後板52と結合するための前結合部517を有している。前結合部517は、ねじ59(図3参照)により後板52と結合するためのねじ孔517bが形成されたボス部分517aを有する。ボス部分517aは、前板51の上下左右の4か所に設けられ、前面部510から、右面前側部511、左面前側部512又は底面前側部513に沿うように設けられている。なお、下部側の2本のボス部分517aは、温度調整部10の仕切り板150の貫通孔157b,158bを挿通する。この観点からは、下側の2本のボス部分517aは温度調整部10を支持する支持部を構成する。
【0054】
(6-2)後板
後板52は、図3及び図4に示すように、筐体50の後面の全領域に対応する後面部520と、筐体50の右面の後側領域に対応する右面後側部521と、筐体50の左面の後側領域に対応する左面後側部522と、筐体50の底面の後側領域に対応する底面後側部523とを有する。
後面部520は、仕切り板47よりも上側部分に吸気口520aを、下部部分側に排気口520bをそれぞれ有する。右面後側部521及び左面後側部522は、吸気口521a,522aを有する。後面部520の吸気口520aを構成している横格子部分520cは、桁隠し状をしている。これにより、吸気口520aから塵埃や水等の水分が侵入をするのを防止できる。なお、桁隠し状とは、吸気口520aを後方(吸気する空気が流れてくる方向)から見たときに、横格子部分520cが上下に重なるように設置され、筐体内部が見通せないようになっている構造である。吸気口520a,521a,522aと排気口520bと送風ユニット140との位置関係については後述する。
また、図3に示すように、吸気口521a、吸気口522aにおける仕切り板47よりも下側部分には、フィルタ58が設けられる。
【0055】
後板52は、図11に示すように、接続ユニット57の下部側を収容する収容空間524を有する。収容空間524は、筐体50の内部を上方から見たときに、仕切り板47により塞がれない部位に形成されている。後板52は、収容空間524を形成するための水平板部524aと立設板部524bとを有する。水平板部524aは、右面後側部521と後面部520の右側部分とに跨るように延伸する。立設板部524bは水平板部524aの左端から立設する。なお、収容空間524は、水平板部524a、立設板部524b、右面後側部521、後面部520の右側部分とで構成される。これにより、接続ユニット57と回路部40側(回路系収容部)とが立設板部524bで区画され、回路部40側に液体が漏れることを防止できる。
【0056】
水平板部524aの下面と、仕切り板47の平板部470の下面とは略面一状である。このため、収容空間524内の接続ユニット57から液体が漏れたとしても、水平板部524aから回路系収容部へと液体が流れ込むのを防止できる。水平板部524aは、その前端部が仕切り板150の上壁部155の後端部と重なるように設けられている。これにより、水平板部524aと仕切り板150との密閉性を高めることができる。
なお、接続ユニット57と温度調整部10又はポンプ部とを接続するチューブは、収容空間から、仕切り板47の右立設板部471、上平板部472及び筐体50(前板51)との間を通る。
【0057】
後板52は、図11に示すように、仕切り板47を支持する仕切り板支持部525を有する。仕切り板支持部525は仕切り板47の平板部470における後部側の周縁部を支持する。なお、後部側は、右立設板部471と左立設板部473の後端よりも後側である。仕切り板支持部525は、後面部520、左面後側部522及び立設板部524bの内面に設けられている。仕切り板支持部525は、仕切り板47の平板部の後端及び平板部470の左右両端であって後部側部分と嵌合する嵌合溝525aを有する。嵌合溝525aは水平方向に形成されている。
後板52は、嵌合溝525aの下方の水平板部分(後述の送風ユニット支持部526のフレーム嵌合部526aである)に形成され且つ上面が後上がりに傾斜する複数のリブ部分525cを有する。これにより、平板部470は嵌合溝525aへと案内される。
なお、仕切り板47は、平板部470が仕切り板支持部525により支持される(嵌合溝525aに嵌合する)状態で、前板51と後板52とを結合するねじ59が仕切り板47の左立設板部473の張出部分473aの貫通孔473bを挿通することで、後板52に固定される。
【0058】
後板52は、送風ユニット140を支持する送風ユニット支持部526を有している。送風ユニット支持部526は、図6に示す送風ユニット140のフレーム141に嵌合するフレーム嵌合部526aと、フレーム141の貫通孔141aを挿通するねじ用のねじ孔526bを有するボス部分526cとを有する。
【0059】
後板52は、フィルタ58を支持するフィルタ支持部527を有している。フィルタ支持部527は、フィルタ58を下方から支持する下支持部分527aと、フィルタ58の後端部を左右方向の内側から支持する左右支持部分527bとを有している。なお、下支持部分527aは右面後側部521及び左面後側部522の下部側に設けられている。左右支持部分527bは、右面後側部521及び左面後側部522の後側であって上下方向に間隔をおいて1個以上設けられている。
【0060】
後板52は、前板51とで、温度調整部10を位置決めする位置決め部528を有している。温度調整部10の仕切り板150の左右両端部及び下端部は、前板51と後板52とにより前後方向から支持される。より具体的には、前板51と後板52との突き合わせ部分に溝が形成され、当該溝に仕切り板150の左右両端部及び下端部が嵌合している。溝は、後板52の開口側端部の段差と、前板51との開口側の端面とで構成される。後板52の段差は、嵌合状態の仕切り板150に後側から当接するため、位置決め部528としても機能する。位置決め部528は仕切り板47よりも下側部分に設けられている。
【0061】
後板52は、温度調整部10を固定する固定部530を有する。固定はねじ188(図3参照)により行われ、固定部530はボス部分530aに設けられたねじ孔530bにより構成されている。ねじ188は、仕切り板150の貫通孔157a,158a(図7参照)を挿通して、固定部530のねじ孔530bに螺合する。
【0062】
後板52は、前板51と結合する後結合部532を有する。固定はねじ59(図3参照)により行われ、後結合部532はボス部分532aに設けられた貫通孔532bにより構成される。ねじ59は、後結合部532の貫通孔532bを挿通して、前板51の前結合部517のねじ孔517bに螺合する。
後板52は、温度調整部10を後側から位置規制する位置規制部を有している。位置規制部は、後結合部532であって下部側の2つのボス部分532aの端面により構成される。つまり、仕切り板150の左右端部及び下端部が上述のように段差に当接した状態で、温度調整部10の仕切り板150のボス部分157f,158fの端面にボス部分532aの端面が後側から当接する。
【0063】
後板52は、接続ユニット57のコネクタ571を保持する接続ユニット保持部534を有している。接続ユニット保持部534は、前側から挿入される接続ユニット57のコネクタベース571a(図12参照)を左右両側から支持する嵌合溝534a,534bにより構成される。嵌合溝534a,534bは前後方向に延伸する。嵌合溝534aは立設板部524bに設けられ、嵌合溝534bはボス部分532aに設けられている。
後板52は、図4に示すように、後面部520に後方へ突出し、左右方向に延伸する突条部535を有する。突条部535は、上下に間隔をおいて複数個、ここでは2個設けられている。上側の突条部535は吸気口520aと排気口520bとの間に設けられている。下側の突条部535は、排気口520bの下側に設けられている。これにより、例えば、装置本体1を部屋の壁等に接近させても、吸気口520aや排気口520bが塞がるのを防止できる。
【0064】
(6-3)天板
天板54は、図3及び図4に示すように、外板状部540と、外板状部540の周縁の内側から下方に張り出す下鍔部541と、天板54を前板51及び後板52に装着するための装着部542とを有している。天板54は、接続ユニット57を装着し、操作表示部30の操作基板35を装着する。
【0065】
外板状部540は、操作表示部30を装着する操作表示部装着領域540aと、接続ユニット57を装着する接続ユニット装着領域540bとを有する。
操作表示部装着領域540aは前部側に設けられている。外板状部540は、操作表示部装着領域540aの裏側に操作基板35を外板状部540と間隔をおいて装着するためのボス部540cを有する。操作基板35は、ボス部540cに下方から当接する状態で、ねじ39が操作基板35の貫通孔を挿通して、ボス部540cのねじ孔に螺合することで、天板54に装着される。
接続ユニット装着領域540bは欠け部により構成され、図12の(c)に示すように、接続ユニット57のベース部570が欠け部(540b)に着脱可能に装着される。これにより、接続ユニット57が破損した場合でも交換可能となる。ベース部570は、天板54における接続ユニット装着領域540bの周辺部分と同じ形状をしている。これにより、装置全体の意匠性を高めることができる。
外板状部540は、裏面から下方に板状に延伸する延伸部分540eを有している。延伸部分540eは接続ユニット装着領域540bを囲むように形成されている。これにより、接続ユニット57と操作表示部30とを区画でき、操作表示部30側に液体が漏れるのを防止できる。
外板状部540の周縁部は、下方へと湾曲し、湾曲先端が前板51の上端面と後板52の上端面とに当接する。これにより、装置全体の意匠性を高めることができる。
【0066】
下鍔部541は、前板51の上端部の内面と後板52の上端部の内面とに当接する。これにより、結合した前板51と後板52とで形成される筒部の上端部に天板54が嵌合することとなり、天板54が水平方向に位置決めされる。
装着部542は外板状部540の周縁に設けられている。装着には、係合構造を利用しており、装着部542は、前板51及び後板52の係合凹部分519a,529aに係合する係合凸部分542aと、前板51及び後板52の係合凸部分519b,529bが係合する係合凹部分542bとで構成されている。
【0067】
(7)接続ユニット
接続ユニット57は、図12の(a)及び(b)に示すように、天板54の接続ユニット装着領域540bに装着され且つ連結体6を構成する2本のチューブ61,63を支持するベース部570と、2本のチューブ61,63と接続するコネクタ571とを備える。
2本のチューブ61,63は、テープ572で固定された状態でキャップ573を介してベース部570に支持されている。
ベース部570は、天板54における接続ユニット装着領域540bと同じ形状の板部材から構成される。ベース部570は、後板52に装着する装着部分570aを有する。装着には係合構造が利用され、後板52の係合凸部分521c(図11の(b)参照)に係合する係合凹部分により構成される。
コネクタ571は、コネクタベース571aから上方と下方とに筒状に突出する接続部分571b,571cを有する。上側に突出する接続部分571bにチューブ61,63が接続され、下側に突出する接続部分571cに温度調整部10やポンプ部20と接続するチューブ(図示省略)が接続する。コネクタ571は、後板52の立設板部524bの嵌合溝534aと、右面後側部521のボス部分532aに設けられた嵌合溝534bに対し、前側から挿入されることで、後板52に装着される。
コネクタ571は、筐体50内において仕切り板47よりも上方に位置する収容空間524に装着される。このためコネクタ571は、ポンプ部20よりも上側に位置することとなり、ポンプ201に水圧が作用するため、所謂、「呼び水」の効果により空気が浸入することを防止し、機能不全となることを防止できる。
【0068】
(8)組立
冷却部180は、流路ユニット100、冷却ユニット110、放熱ユニット120及び支持板130が組み立てられて一体化したものである。以下、冷却部180の組立の一例を説明する。
冷却ユニット110を支持板130の開口部133の本体収容領域133aに、冷却ユニット110のリード線110c,110dを開口部133の配線収容領域133bにそれぞれ配する。
この状態で、支持板130の後面に放熱ユニット120のベース板121を、支持板130の前面に流路ユニット100の蓋板103をそれぞれ当接させる。この際、図6の拡大図に示すように、流路ユニット100のボス部分101nを支持板130の貫通孔131aに嵌合させる。
そして、ねじ129を前側から、流路ユニット100のボス部分101m,101nの貫通孔101q、支持板130の貫通孔131aを挿通させて、放熱ユニット120のベース板121のねじ孔121aに螺合させる。なお、ねじ129の頭部は、図5の(b)のB部拡大図で示すように、流路ユニット100のボス部分101nの底部分に当接する。
【0069】
上記構成の冷却部180をこのように組み立てることにより、組み立てによる冷却ユニット110が損傷するのを防止できる。
つまり、流路ユニット100の樹脂製のユニット本体101がねじ129により放熱ユニット120のベース板121に固定される。これにより、冷却ユニット110は、流路ユニット100と放熱ユニット120との間で挟まった状態で支持板130により支持される。冷却ユニット110に作用する圧縮負荷は、ねじ129のベース板121への螺合によるものであり、ねじ129が収容されるボス部分101nから板状部101b、蓋板103へと伝わる。このため、蓋板103を直接ねじによりベース板121に固定するよりも、冷却ユニット110へ作用する圧縮力を小さくできる。換言すると、ねじ129の締め付けによる蓋板103とベース板121との挟持力は、冷却ユニット110が介在することで、ボス部分101nと板状部101bとの間の弾性変形等により小さくなる。特にボス部分101nに高さがあるため、弾性変形量が多くなり、冷却ユニット110の損傷を防止できる。
【0070】
上記構成の冷却部180をこのように組み立てることにより、冷却ユニット110の熱移動が効率よくできる。
つまり、冷却ユニット110の吸熱面が流路ユニット100の金属製の蓋板103と設計上当接し、冷却ユニット110の発熱面が放熱ユニット120の金属製のベース板121と設計上当接する。この際、蓋板103を固定している樹脂製のユニット本体101が放熱ユニット120のベース板121にねじ129により固定されるため、蓋板103とベース板121との直接的な接触はなく、両者間の熱移動を規制できる。
【0071】
(9)空気の流れ
図13を用いて説明する。
装置本体1の運転が開始すると、冷却ユニット110に電圧が印加されると共に送風ユニット140のファンが回転する。
ファンの回転により、筐体50内の仕切り板47の下側に存在する駆動系空間の空気が、矢印Aのように排気口520bから外部へと排出される。なお、送風ユニット140の駆動により、放熱ユニット120からの熱が空気と共に外部へと放出される。
送風ユニット140の駆動により、筐体50内が負圧になり、同図の(a)の矢印Bに示すように後面部520の吸気口520a、同図の(b)の矢印Cに示すように右面後側部521の吸気口521a、同図の(b)の矢印Dに示す左面後側部522の吸気口522aから、筐体50内に吸気される。
この際、同図の(b)に示すように、送風ユニット140が筐体50内の左右方向の中央に配されている(換言すると、右面後側部521と送風ユニット140との距離と、左面後側部522と送風ユニット140との距離とが略等しい)ため、駆動系空間において、左右の吸気口521a,522aから均等に吸気することとなり、送風ユニット140のファンの風切音を低減できる。
【0072】
送風ユニット140の駆動により、筐体50内の回路系空間には、同図の(a)の矢印Bに示すように後面部520の吸気口520a、左面後側部522の仕切り板47より上側に位置する吸気口522aから筐体50内に吸気される。吸い込まれた空気は、同図の(a)の矢印Eに示すように仕切り板47の排出口47fから駆動系空間へ移動する。このように、筐体50の外部からの空気が確実に回路系空間を通過することとなり、回路部40の電子部品45を冷却できる。
回路系空間は、空気の流れにおいて駆動系空間の上流側となる。このため、駆動系空間の放熱ユニット120と熱交換した空気が回路系空間に逆流することはない。
また、温湿度センサ166は、図13の(b)に示すように、左面後側部522の吸気口522aから空気が筐体50内に吸い込まれる軌道上又は軌道付近に設けられているため、室内の空気の温度と湿度を正確に検出できる。
【0073】
3.枕体
枕体として、「遮水性と柔軟性とを有し袋状に形成される袋体と、互いに略平行に配置される網目状の複数枚の編地と複数枚の前記編地間を連結する複数の連結糸とを有する立体編物とを備え、前記連結糸は、弾性を有する化学繊維で形成され、前記立体編物は、略平板状に形成されるとともに前記袋体の中に配置され、前記袋体の内部で前記立体編物に液体が保持されていることを特徴とする液体保持具」が特許文献1に記載されている。
この液体保持具は、流入側領域と出口側領域を繋ぐ接続側領域が1箇所であるため、接続側領域が使用者の頭で閉塞されてしまわないよう、立体編物を流入側領域と出口側領域との全域に設ける必要があり、製造し難いという課題がある。
実施形態に係る枕体7は、液体を内部に流入される流入口77と、流入した液体を外部へ流出させる流出口78とを有すると共に、流入口77から流出口78へと流れる複数の流路73,74,75を内部に有する。これにより、流路の1つが閉塞されても液体の流動は確保される。
なお、枕体7の内部の流路73,74,75に着目する発明においては、液体を循環させる装置本体1側の構成は特に限定されるものではない。逆に、装置本体1の構成に着目する発明においては、枕体7の構成は特に限定されるものではない。
【0074】
(1)全体
図14を用いて説明する。
枕体7は、内部に流路を有する枕本体70と、枕本体70に設けられ且つ連結体6の端部に接続される流入口77及び流出口78とを備え、流入口77から流入した液体が枕本体70内の流路を通って流出口78から連結体6側へと流出する。枕体7は、液体の流動性を向上させるための立体構造物72を内部に備える。なお、流入口77及び流出口78は接続具79を利用して枕本体70に設けられている。
【0075】
(1-1)枕本体
枕本体70は、ここでは、矩形シート状をし、長手方向の一端側に流入口77と流出口78とを有する。なお、流入口77と流出口78とは枕本体70の短手方向に間隔をおいて設けられている。
枕本体70は、シール性を有するフィルム71から構成されている。ここでは、2枚の矩形状のフィルム71を重ね合わせ、その周縁部71aが熱融着されている。なお、流入口77と流出口78は、一方のフィルム71に密閉状に取り付けられている。
フィルム71はガスバリア性を有している。ここでは、表面にガスバリアコーティングされたポリエチレン(PE)フィルムを利用できる。これにより、内部の液体の揮発を抑制でき、エアーの入り込みや水の汚れを防止できる。したがって、液体の補充や入れ替え等の必要がなく、長期に亘って使用できる。
また、フィルム71としてポリエチレンを利用することで、熱融着を容易に行うことができ、安価に枕本体70を製造できる。
【0076】
矩形状の2枚のフィルム71は、短手方向に離間する流入口77と流出口78との間に長手方向に沿って熱融着された主熱融着部71bを有する。これにより、枕本体70の内部には「U」字状の主流路73(図中の矢印で示す)が形成される。枕本体70は主流路73内に立体構造物72を収容する。
主流路73は、流入口77と流出口78とを両端に有し、流入口77から流出口78に向かう途中で折り返し部73aを有する。なお、主流路73及び主熱融着部71bと後述の副流路74,75及び副熱融着部71c,71dとを区別するために、「主」や「副」を便宜上付している。
ここで、主流路73において、折り返し部73aよりも上流側を主上流側流路73bとし、折り返し部73aよりも下流側を主下流側流路73cとする。
主上流側流路73bにおいて液体が流れる流路の横断面積(以下、「流路断面積」ともいう)は、主下流側流路73cにおける流路断面積と同じである。つまり、図14の(b)において、主上流側流路73b、主下流側流路73cの短手方向の長さがL2=L3となっている。
【0077】
2枚フィルム71は、長手方向に延伸する主熱融着部71bの延長上に、間隔をおいて熱融着された副熱融着部71c,71dを有する。主熱融着部71bと副熱融着部71cとの間及び副熱融着部71cと副熱融着部71dとの間は、主上流側流路73bと主下流側流路73cとを接続する接続流路74a,75aとなる。これにより、主流路73と異なる経路の副流路74,75(図中の矢印で示す)が形成される。
このように、枕本体70は、主熱融着部71b及び副熱融着部71c,71dにより、内部に主流路73と副流路74,75の3本の流路を有することになる。これにより、流路の1つが閉塞されても、水の流通を確保できる。また、接続流路74a,75aに立体構造物72を設けなくても水の流通を確保できるため、枕体7の製造を容易にできる。
流入口77及び流出口78に近い接続流路74aは、枕本体70の長手方向の中央よりも流入口77及び流出口78側にある。これにより、例えば、枕本体70を長手方向に2つ折りして使用する際にも流路74が塞がるのを防止できる。
なお、流入口77及び流出口78に近い接続流路74aは、枕本体70の長手方向の流入口77及び流出口78が存在する側の端から、L1/2からL1の間にあるのが好ましい。これにより、流入してきた液体が直ちに流出口78に向かうのを防止し、枕本体70の全体に液体が行き渡るようにできる。
【0078】
(1-2)接続具
接続具79は、フィルム71に密閉状に固定されるベース部791と、ベース部791から筒状に延出する接続部793とを有し、接続部793はベース部791の裏側に連通している。ベース部791は一方のフィルム71に例えば融着されている。流入口77及び流出口78は接続部793の延出先端の開口により構成される。
流入口77及び流出口78用の接続部793は、長手方向の端部側に設けられている。これにより、チューブ61,63の接続を容易に行うことができる。また長手方向の外向きに接続部793が延伸しているため、枕本体70とチューブ61,63との重なりを少なくでき、使用勝手がよくなる。
【0079】
<第2実施形態>
第1実施形態の枕体7は、主流路73の主上流側流路73bと主下流側流路73cにおいて、流路断面積が流動方向に移動しても一定であり、複数の接続流路74a,75aの流路断面積が一定であった。
第2実施形態では、主流路の流路断面積が下流側に移るにしたがって徐々に大きくなり、複数の接続流路の流路断面積が異なる枕体7Aについて、図15を用いて説明する。
なお、第1実施形態の枕体7と同じ構成のものは、同じ符号を用い、その説明を省略する場合がある。
枕体7Aは、図15に示すように、矩形状をし、流入口77と流出口78との間を長手方向に延伸するように融着された主熱融着部71Ab、主熱融着部71Abに対して長手方向に間隔をおいて融着された副熱融着部71Ac,71Ad,71Aeを有している。主熱融着部71Abと副熱融着部71Acとの間や副熱融着部71Ac,71Ad,71Ae間に接続流路74Aa,75Aa,76Aaが形成され、副流路74A,75A,76A(図中の矢印で示す)が形成されている。
【0080】
接続流路74Aa,75Aa,76Aaは、長手方向を流入口77や流出口78から離れるにしたがって、その流路断面積が大きくなっている。図において、接続流路74Aaの幅(長手方向の寸法である)は「L4」であり、接続流路75Aaの幅は「L5」であり、接続流路76Aaの幅は「L6」であり、 L6>L5>L4 となっている。これにより、枕本体70Aの全体に液体が行き渡るようにできる。また、複数の接続流路74Aa,75Aa,76Aaの幅を調整することで、枕本体70Aの全体に均一に液体を流動させることができ、枕体7Aの温度ムラを小さくできる。
なお、ここでは、副熱融着部71Ac,71Ad,71Aeの幅は、「L7」で一定であるが、一定でなくてもよい。例えば、複数の副熱融着部の幅は、流入口77や流出口78から離れるにしたがって、大きく又は小さくなってもよい。
主流路73Aは、流路断面積が下流側に移るにしたがって(折り返し部73Aaを除く)徐々に大きくなっている。つまり、主上流側流路73Abの上流端の流路断面積が、主下流側流路73Acの下流端の流路断面積より小さくなっている。換言すると、図15において、主上流側流路73Ab、主下流側流路73Acの短手方向の長さがL8<L9となっている。
なお、折り返し部73Aaを含めて、下流側に移るにしたがって流路断面積を大きくしてもよい。これにより、主流路73Aの上流側での水圧が高くなり、枕本体70の全体に液体が行き渡る。
【0081】
以上、第1及び第2実施形態(以下、単に「実施形態等」ともいう)を説明したが、これらの実施形態等に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、各実施形態と変形例、各変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態等や変形例に記載していていない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0082】
<変形例>
(1)装置本体1は、1つの筐体50内に各部を備えているが、例えば、温度調整部10とポンプ部20とを別の筐体内に備えてもよい。また、枕体7から戻ってきた液体は、ポンプ部、温度調整部10を経由して、枕体7へ送り出してもよい。
(2)実施形態等では、ポンプ210(モータも含む)がゴムブッシュ203を介して仕切り板150に取り付けられていたが、ゴムブッシュを介して前板に取り付けられてもよい。また、ゴムブッシュを介さずに取り付けてもよい。ゴムブッシュは、有底筒状をしていたが、例えば、筒状部と鍔部とを有する形状であってもよいし、他の形状であってもよい。
【0083】
(3)連結体6(チューブ61,63)は、筐体50の天板54から導入されて内部の接続ユニット57に接続されるが、例えば、前板51や後板52から導入されてもよい。
また、接続ユニット57のコネクタ571はポンプ部20よりも上方に設けられているが、ポンプ200に水圧を作用する(呼び水効果を得る)ことができれば、コネクタはポンプよりも低い位置にあってもよい。つまり、ポンプの吸込側流路において、吸込口に接続される領域が吸込口より高い位置にあればよく、例えば、吸込口を基準にして、当該吸込口から上方に上った後にポンプよりも低い位置に下るような流路であってもよい。この場合、コネクタをポンプよりも低い位置に設けることができる。
【0084】
(4)液体の温度調整用の温度センサ160を蓋板103に設けて間接的に液体の温度を測定しているが、熱電対等を流路ユニット100内の流路に挿入して液体の温度を直接測定してもよい。なお、水漏れ対策等を考慮すると、間接的に測定する方が構造を簡単にできる。
流路ユニット100に温度センサを160を設ける構成に着目する発明において、流路ユニット100の流路を構成するための凹入部101cを塞ぐ蓋板103に温度センサ160を設けているが、流路に面する部材としては、ユニット本体も含まれており、当該ユニット本体を金属で構成して温度センサを設けてもよい。なお、温度センサ160は、流路に面する金属板に設ければよく、例えば、流路の面する金属板(蓋板)における流路と反対側の面(後面)に設けてもよい。
【0085】
(5)温度センサ
放熱ユニット120用の温度センサ163を放熱ユニット120のベース板121に設けているが、他の部位に設けてもよい。他の部位としては、送風ユニット140のフレーム141、後板52における送風ユニット140の周辺等がある。
(6)温湿度センサ
温湿度センサ166を仕切り板150の後面に設けているが、他の部位に設けてもよい。他の部位としては、筐体55や回路部40等がある。また、検知部を装置本体の外部に露出るように設けてもよい。なお、検知部の損傷等を考慮すると、筐体50内に温室センサを設けるのが好ましい。送風ユニット140のフレーム141、後板52における送風ユニット140の周辺等がある。
【0086】
(7)実施形態等では、温度調整部10を後板52に固定していたが、例えば、筐体50の駆動系空間内を前後に仕切る仕切り板150に温度調整部10を固定してもよいし、筐体50内を駆動系空間と回路系空間とに仕切る仕切り板47に温度調整部10を固定してもよいし、筐体の前板及び後板に換えて右板及び左板で構成し、右板又は左板に温度調整部を固定してもよい。
(8)実施形態等では、回路部40(回路基板46)は仕切り板47の上面に取り付けられていたが、例えば、仕切り板47の左立設板部473及び/又は右立設板部471に取り付けるようにしてもよい。
【0087】
(9)実施形態等では、仕切り板150と流路ユニット100のユニット本体101とを別体で構成していたが、仕切り板150とユニット本体101とを樹脂材料により成形した一体品としてもよい。
(10)実施形態等では、流路ユニット100を左右上下と平行な縦置きにしていたが、前後上下と平行な縦置きにしてもよいし、前後左右と平行(水平)な横置きとしてもよいし、傾斜させてもよい。
【0088】
(11)実施形態等の枕体7,7Aの主流路73,73Aは、「U」字状をしていたが、折返し部を3個以上有する、例えば、「N」字状や「M」字状をしてもよい。
また、枕体7,7Aは、矩形状をしていたが、方形状であってもよいし、円形状、楕円形状、長円形状であってもよいし、3角形等の多角形状であってもよい。
枕体7,7Aの流入口77及び流出口78は長手方向の端側に設けられていたが、短手方向の端側に設けられてもよいし、方形又は矩形状をしている場合は角部分に設けてもよい。
実施形態等では、流入口77及び流出口78は隣接しているが、例えば、長手方向の両側等、所望の方向に離間して設けられてもよい。
【0089】
(12)実施形態等の枕本体70,70Aは、2枚のフィルム71を重ねて、その周縁である4辺を融着しているが、例えば、1枚のフィルムを折り返して、3辺を融着してもよい。
枕本体70,70Aは、液体が流動する空間は、一対のフィルム71間の1つであったが、一対のフィルムを1組として複数組のフィルムにより液体が流動する空間を厚み方向に複数有してもよい。
【0090】
(13)実施形態等の枕体7,7Aでは、主熱融着部71b,71Abと副熱融着部71c,71Acの間、副熱融着部71c,71Ac,71d,71Ad,71Aeの間に接続流路74a,74Aa,75a,75Aa,76Aaを有しているが、接続流路内での流動性を高めるようにしてもよい。
以下、流動性を高めた接続流路について図16を用いて説明する。
接続流路74Baは、例えば、同図の(a)に示すように、少なくとも一方のフィルム71B(上側のフィルムである)を接続流路74Baに対応して余らせた状態で、その両側を熱融着することで形成されている。なお、余らした部分(余剰部分)は図の「71Bf」であり、両側の熱融着した部分は、主熱融着部71Bb及び副熱融着部71Bcである。
接続流路74Caは、例えば、(b)に示すように、接続流路74Caの形成位置に可撓性パイプ80を配して、その両側を熱融着することで形成されている。
【0091】
(14)第1実施形態の枕体7において、主上流側流路73bと主下流側流路73cとの流路断面積は同じであり(図14の(b)中においてL2=L3)、第2実施形態の枕体7Aにおいて、主流路73の流路断面積は上流端から下流端に徐々に小さくなっている(図15中においてL8<L9)。しかしながら、主上流側流路の流路断面積と主下流側流路の流路断面積は流路に沿って一定であって、主上流側流路の流路断面積が主下流側流路の流路断面積より小さくてもよい(図14の(b)中においてL2<L3)。
【符号の説明】
【0092】
X 頭部冷却装置
1 装置本体
6 連結体
7 枕体
10 温度調整部
20 ポンプ部
30 操作表示部
40 回路部
50 筐体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16