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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】帯状基板および帯状LED発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20240402BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
H01L33/62
H05K1/02 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020069939
(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公開番号】P2021166279
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】598079042
【氏名又は名称】株式会社オオサカネーム
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】矢田 敬
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-150271(JP,A)
【文献】特開平09-050253(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0044689(US,A1)
【文献】実開昭56-091465(JP,U)
【文献】国際公開第2010/146919(WO,A1)
【文献】特開2010-062456(JP,A)
【文献】国際公開第2011/067986(WO,A1)
【文献】特表2011-508373(JP,A)
【文献】特開2019-114707(JP,A)
【文献】特開2007-123562(JP,A)
【文献】中国実用新案第208719911(CN,U)
【文献】特開2006-126617(JP,A)
【文献】特開2005-183721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
G09F 13/00-13/46
H05K 1/00-1/02
F21K 9/00-9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 8/00
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源線とグランド線との間でLED素子を直列接続する直列用配線パターンと、
前記LED素子が実装されるLED用パッド同士の間の前記直列用配線パターンを切断位置としたときに、切り離される前記直列用配線パターンの前段側を、接続素子が実装される接続素子用パッドを介在させて前記グランド線に接続する接続用配線パターンと
前記LED用パッド同士の間の前記直列用配線パターンを切断位置としたときに、切り離される前記直列用配線パターンの後段側を、前記LED素子を保護するための保護素子が実装される保護素子用パッドを介在させて電源線に接続する電源用配線パターンと、
前記LED素子を含む電子部品が実装される部品実装部と、前記部品実装部同士の間を繋ぐ配線パターンが形成された配線部とが形成され
前記部品実装部は、幅方向の両端部に、前記LED素子に電源を供給するための電源パッド部が一対ずつ形成され、
前記一対の電源パッド部は、一方の端部と他方の端部とで並び順が反対に形成されており、
前記配線部は、電源パッド部が、前記配線部を反時計方向に90度回転させると、前記部品実装部の一方の端部の電源パッド部に並びが一致し、前記配線部を時計方向に90度回転させると、前記部品実装部の他方の端部の電源パッド部に並びが一致するように、切断位置に形成された帯状基板。
【請求項2】
隣接する前記部品実装部同士とその間に位置する前記配線部とによる幅方向における凹部は、隣接する前記配線部同士と、その間に位置する前記部品実装部とによる幅方向における凸部に嵌る形状に形成された請求項1記載の帯状基板。
【請求項3】
前記請求項1または2記載の帯状基板と、前記LED用パッドに実装されたLED素子と、前記接続素子用パッドに実装された接続素子とを備えた帯状LED発光装置。
【請求項4】
前記接続素子は、抵抗またはジャンパのいずれか一方である請求項記載の帯状LED発光装置。
【請求項5】
前記請求項記載の帯状基板と、前記LED用パッドに実装されたLED素子と、前記接続素子用パッドに実装された接続素子とを備え、
前記保護素子は、抵抗または定電流ダイオードのいずれか一方である帯状LED発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED素子が長さ方向に沿って並べられる帯状基板および帯状基板にLED素子が実装されたLED発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
帯状基板にLED素子が帯状基板の長さ方向に沿って並べられたLED発光装置は、照明装置として使用されたり、文字の象りや縁取りに使用してディスプレイ効果を向上させるものとして活用されたりしている。
帯状LED発光装置は、長尺であることから、基板の長さに対して必要な長さが短い場合には、帯状基板を途中で切断して使用できると利便性が高い。
このような基板を切断することで長さの調整が可能な帯状LED発光装置が特許文献1により知られている。
【0003】
特許文献1に記載の照明具は、可撓性を有するフレキシブルプリント基板より形成された回路基板に、抵抗素子を挟んで直列接続された発光素子が二つ一組で一つのユニットUが搭載しており、回路基板の長さ方向に沿って、複数のユニットが並列に接続されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-203821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の照明具では、発光素子が直列接続されたユニットが並列に複数接続されているため、発光素子に必要な電流は、ユニットの個数分となってしまい、長尺な回路基板である場合にはユニットの個数の数も多くなるので、駆動電流として大電流を供給しなければならない。
【0006】
そこで本発明は、切断することで長さの調整が可能であり、かつLED素子の駆動電流を抑えることができる帯状基板および帯状LED発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の帯状基板は、電源線とグランド線との間でLED素子を直列接続する直列用配線パターンと、前記LED素子が実装されるLED用パッド同士の間の前記直列用配線パターンを切断位置としたときに、切り離される前記直列用配線パターンの前段側を、接続素子が実装される接続素子用パッドを介在させて前記グランド線に接続する接続用配線パターンとが形成されたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の帯状基板によれば、電源線とグランド線との間で、直列用配線パターンによりLED素子が直列接続されているため、並列接続されるより電流を少ないものとすることができる。また、LED素子が実装されるLED用パッド同士の間の直列用配線パターンを切断位置として切断しても、切り離される直列用配線パターンの前段側を、接続素子が実装される接続素子用パッドを介在させてグランド線に接続する接続用配線パターンが形成されているため、直列接続されたLED素子の途中のLED素子に流れる電流をグランド線に流すことができる。
【0009】
前記LED用パッド同士の間の前記直列用配線パターンを切断位置としたときに、切り離される前記直列用配線パターンの後段側を、前記LED素子を保護するための保護素子が実装される保護素子用パッドを介在させて電源線に接続する電源用配線パターンが形成されたものとすることができる。
LED素子が実装されるLED用パッド同士の間の直列用配線パターンを切断位置として切断しても、切り離される直列用配線パターンの後段側を、LED素子を保護するための保護素子が実装される保護素子用パッドを介在させて電源線に接続する電源用配線パターンが形成されているため、切断されたLED素子の後段側に、電源線から保護素子を介して電流を流すことができる。そのため、後段側の帯状基板も使用することができる。
【0010】
前記LED素子を含む電子部品が実装される部品実装部と、前記部品実装部同士の間を繋ぐ配線パターンが形成された配線部とが形成され、前記部品実装部は、幅方向の両端部に、前記LED素子に電源を供給するための電源パッド部が一対ずつ形成され、前記一対の電源パッド部は、一方の端部と他方の端部とで並び順が反対に形成されており、前記配線部は、電源パッド部が、前記配線部を反時計方向に90度回転させると、前記部品実装部の一方の端部の電源パッド部に並びが一致し、前記配線部を時計方向に90度回転させると、前記部品実装部の他方の端部の電源パッド部に並びが一致するように、切断位置に形成されたものとすることができる。
配線部を切断して、部品実装部に接続することで、それぞれの各部品実装部に電源が供給できるので、帯状基板を切断して、文字や図形、キャラクタなどを形成しても、LED素子を点灯させることができる。
【0011】
前記LED素子を含む電子部品が実装される部品実装部と、前記部品実装部同士の間を繋ぐ配線パターンが形成された配線部とが形成され、隣接する前記部品実装部同士とその間に位置する前記配線部とによる幅方向における凹部を、隣接する前記配線部同士と、その間に位置する前記部品実装部とによる幅方向における凸部に嵌る形状に形成することができる。
幅方向の凹部と凸部とが嵌ることで、帯状基板を幅方向に並べれば面発光装置として機能させることができる。
【0012】
また、本発明の帯状LED発光装置は、本発明の帯状基板と、前記LED用パッドに実装されたLED素子と、前記接続素子用パッドに実装された接続素子とを備えたものとすることができる。
【0013】
前記保護素子は、抵抗または定電流ダイオードのいずれか一方であり、前記接続素子は、抵抗またはジャンパのいずれか一方とすることができる。そうすることで、保護素子により電源線から流れるLED素子への電流を制限することができ、接続素子によりLED素子からの電流をグランド線へ流すことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、直列接続されたLED素子を途中から切断することができるため、切断することで長さの調整が可能であり、LED素子の駆動電流を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態1に係る帯状LED発光装置を示す図である。
図2図1に示す帯状LED発光装置の帯状基板を説明するための回路図である。
図3図2に示す帯状基板の切断を説明するための回路図であり、(A)は最前段で切断した状態の図、(B)は2段目で切断した状態の図、(C)は3段目で切断した状態の図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る帯状LED発光装置の変形例を示す回路図である。
図5】本発明の実施の形態2に係る帯状LED発光装置を示す図である。
図6図5に示す帯状LED発光装置の帯状基板を説明するための回路図である。
図7図6に示す帯状基板の切断を説明するための回路図であり、(A)は最前段で切断した状態の図、(B)は2段目で切断した状態の図、(C)は3段目で切断した状態の図である。
図8】本発明の実施の形態2に係る帯状LED発光装置の変形例を示す図であり、(A)は切断前の状態を示す図、(B)は切断後にアルファベットEを模して接続した状態の図である。
図9】本発明の実施の形態3に係る帯状LED発光装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態に係る帯状LED発光装置を図面に基づいて説明する。
図1に示すLED発光装置10は、長尺の帯状基板20にLED素子31が長さ方向に沿って並べられたものである。帯状基板20は、可撓性を有する絶縁性基板に、図示しない導電パターンが形成され、この導電パターンを覆うカバーフィルムが、部品実装をするためにダイパッドPを露出させたフィルム状のフレキシブル基板である。
【0017】
帯状基板20は、部品実装部21と配線部22とが交互に連続して形成されることで長尺状に形成されている。部品実装部21には、LED素子31を含む電子部品が実装される。配線部22は、部品実装部21同士の間を繋ぐ配線パターンが形成されている。
本実施の形態では、配線部22は、細長の矩形状に形成され、部品実装部21は、輪郭が六角形状に形成されている。
部品実装部21には、LED素子31と保護素子32または接続素子33とがダイパッドPに実装されている。
【0018】
ここで、帯状基板20に形成された導電パターンについて図2に基づいて説明する。
図2に示すように、導電パターン40は、電源端子である電源用パッドP1,P2と、LED素子31が実装されるLED用パッド41と、保護素子が実装される保護素子用パッド42と、接続素子33が実装される接続素子用パッド43と、これらのダイパッドを接続する配線パターン44とを備えている。
【0019】
本実施の形態1では、保護素子用パッド42に実装され、LED素子31に流れる電流を制限して保護する保護素子として抵抗R1としており、接続素子用パッド43が実装される接続素子33として、抵抗R1より抵抗値が小さい抵抗R21,R22としている。
抵抗R21と抵抗R22とは、LED素子31を1個点灯させる場合と、LED素子31を2個点灯させる場合とで、電流を一定とするために、抵抗値を抵抗R21>抵抗R22となる関係となるように調整される。
なお、実施の形態1に係る帯状LED発光装置10においては、保護素子32である抵抗R1は実装されているが、接続素子33は、帯状基板20が切断されなければ未実装状態であるが、切断位置によっては実装される。
【0020】
電源用パッドP1,P2は、電源を供給するために接続ケーブル(図示せず)が接続される。電源用パッドP1には、直流電源を供給する電源ケーブルが接続され、本実施の形態では、+12Vが供給される。電源用パッドP2には、グランドケーブルが接続される。
【0021】
電源用パッドP1からの電源線L1と、電源用パッドP2からのグランド線L2との間には、複数のLED素子31が直列接続されたセグメントSが並列に接続されている。
セグメントSには、直列用配線パターン44aと、接続用配線パターン44bとが形成されている。
直列用配線パターン44aは、電源線L1からグランド線L2との間で、抵抗R1が実装される保護素子用パッド42とLED素子31が実装される3個のLED用パッド41とを直列接続するものである。
接続用配線パターン44bは、LED用パッド41同士の間の直列用配線パターン44aを切断位置としたときに、切り離される直列用配線パターン44aの前段側を、接続素子用パッド43を介在させてグランド線L2に接続するものである。
【0022】
以上のように構成された本実施の形態1に係る帯状LED発光装置10の動作および使用状態について図面に基づいて説明する。
まず、図1に示す帯状LED発光装置10には、保護素子32として、抵抗R1が実装されており、接続素子33として、抵抗R21,R22は実装されていないものとする。
電源端子P1,P2に電源が供給されると、電源線L1から直列用配線パターン44aに流れる電流が、抵抗R1から3個のLED素子31を流れ、グランド線L2に流れる。
保護素子用パッド42に保護素子32が実装されていないため開放状態である。従って、接続用配線パターン44bは切断された状態であるため、前段の2個のLED素子31とグランド線L2とは非導通状態である。
これにより、3個のLED素子31が直列接続された状態で発光する。
【0023】
次に、図3(A)に示すように、最前段のLED素子31と次段のLED素子31との間の位置C11(1個目のLED素子31の次の位置C11)を切断位置として、電源線L1とグランド線L2と直列用配線パターン44aとを切断した場合を説明する。
この場合、最前段(1段目)の接続素子用パッド43に、接続素子33として抵抗R21が実装されているものとする。
位置C11により切断されても、電源線L1とグランド線L2との間で、最前段の保護素子32(抵抗R1)とLED素子31と接続素子33(抵抗R21)とが直列用配線パターン44aと接続用配線パターン44bとにより接続された状態となる。
従って、1個のLED素子31を点灯させることができる。
【0024】
次に、図3(B)に示すように、2段目のLED素子31と3段目のLED素子31との間の位置C12(2個目のLED素子31の次の位置C12)で、電源線L1とグランド線L2と直列用配線パターン44aとを切断した場合を説明する。
この場合、2段目の接続素子用パッド43に、接続素子33として抵抗R22が実装されているものとする。
【0025】
位置C12により切断されても、電源線L1とグランド線L2との間で、最前段の保護素子32(抵抗R1)と2個のLED素子31と、2段目の接続素子33(抵抗R22)とが直列用配線パターン44aと接続用配線パターン44bとにより接続された状態となる。また、最前段の接続素子用パッド43は未実装状態である。
従って、2個のLED素子31を点灯させることができる。
【0026】
更に、図3(C)に示すように、3段目のLED素子31と、次のセグメントの間の位置C13(3個目のLED素子31の次の位置C13)で、電源線L1とグランド線L2とを切断した場合を説明する。
【0027】
位置C13により切断されても、電源線L1とグランド線L2との間で、最前段の保護素子32(抵抗R1)と3個のLED素子31とが直列用配線パターン44aと接続用配線パターン44bとにより接続された状態となる。また、1段目および2段目の接続素子用パッド43は未実装状態である。
従って、3個のLED素子31を点灯させることができる。
以降のセグメントSでは、図3(A)から同図(C)と同じとなるため、説明するは省略する。
【0028】
このようにLED素子31が直列接続されているため、LED素子31を並列接続したときより電流を少ないものとすることができる。
また、図3(A)から同図(C)に示すように、直列接続されたLED素子31同士の間を切断位置としたときに、その切断位置に応じて接続素子33を接続素子用パッド43に実装したり、実装しなかったりすることで、直列接続されたLED素子31の間でも切断することができる。
従って、本実施の形態に係るLED発光装置10と帯状基板20とは、LED素子31を1個単位で切断することができ、1個単位で長さの調整が可能であり、かつLED素子が並列接続されたものよりも駆動電流を抑えることができる。
【0029】
なお、本実施の形態では、1個単位の切断を可能とするものであり、1つのセグメントSには3個のLED素子31が直列接続されているが、LED素子31に流す電流が確保できれば、4個以上のLED素子を直列接続してもよく、また、LED素子を2個以上の単位で切断するように構成してもよい。
【0030】
(実施の形態1の変形例)
本発明の実施の形態1に係る帯状LED発光装置に変形例を図面に基づいて説明する。
なお、図4においては、図1と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図4に示す帯状LED発光装置11に用いられる帯状基板20Xは、保護素子32として定電流ダイオードD1が、保護素子用パッド42に実装されている。また、接続素子43としてジャンパJ21,J22が接続素子用パッド43に実装されている。
【0031】
このように、LED素子31に流れる電流を制限して保護する保護素子32を定電流ダイオードD1とし、LED素子31に流れる電流が一定となることで、接続素子用パッド43を介在させた接続用配線パターン44bを接続する接続素子33を、接続素子用パッド43を短絡させるジャンパJ21,J22としても、図1に示す帯状基板20と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る帯状LED発光装置を図面に基づいて説明する。
なお、図5および図6においては図1および図2と同じ構成のものは、同符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、本実施の形態2に係る帯状LED発光装置12は、切断した位置から、電源端子である電源用パッドP1,P2(図6参照)側の帯状基板20Yだけを使用するのでなく、切り離した側の帯状基板20Yも使用可能とするものである。
【0033】
図6に示すように、帯状基板20Yには、セグメントSの配線パターン44Yとして、直列用配線パターン44aと、接続用配線パターン44bとの他に、電源用配線パターン44cが形成されている。
電源用配線パターン44cは、LED用パッド41同士の間の直列用配線パターン44aを切断位置としたときに、切り離される直列用配線パターン44aの後段側を、保護素子用パッド42を介在させて電源線L1に接続するものである。この保護素子用パッド42には、抵抗R11,R12が実装される。
なお、実施の形態2に係る帯状LED発光装置12においては、保護素子32である抵抗R1は実装されている。しかし、抵抗R11,12と接続素子33とは、帯状基板20が切断されなければ未実装状態であるが、切断位置によっては実装される。
【0034】
次に、図7(A)に示すように、最前段のLED素子31と次段のLED素子31との間の位置C21(1個目のLED素子31の次の位置C21)を切断位置として、電源線L1とグランド線L2と直列用配線パターン44aとを切断した場合を説明する。
この場合、実施の形態1における図3(A)と同様に、最前段(1段目)の接続素子用パッド43に、接続素子33として抵抗R21が実装されているものとする。
また、切り離された後段側の直列用配線パターン44a(最前段の次段となる2段目の直列用配線パターン44a)と電源線L1との間の電源用配線パターン44cにおける保護素子用パッド42には、保護素子32として抵抗R11が実装されているものとする。
【0035】
位置C21により切断されても、最前段のLED素子31は、図3(A)と同じであるため、切断した位置C21より前段側の帯状基板20YにおけるLED素子31を点灯させることができる。
また、切断した位置C21より後段側の帯状基板20Yにおいても、保護素子用パッド42に抵抗R11が実装されており、電源線L1から電流が抵抗R11を流れ、2個のLED素子31を介してグランド線L2に流れる。
従って、切断した位置C21より後段側の帯状基板20Yにおいても、LED素子31を発光させることができるため、帯状基板20Yを位置C21で切り離したとしても、捨てることなく使用することができる。
【0036】
次に、図7(B)に示すように、2段目のLED素子31と3段目のLED素子31との間の位置C22(2個目のLED素子31の次の位置C22)で、電源線L1とグランド線L2と直列用配線パターン44aとを切断した場合を説明する。
この場合、実施の形態1における図3(B)と同様に、2段目の接続素子用パッド43に、接続素子33として抵抗R22が実装されているものとする。
また、切り離された後段側の直列用配線パターン44a(3段目の直列用配線パターン44a)と電源線L1との間の電源用配線パターン44cにおける保護素子用パッド42には、保護素子32として抵抗R12が実装されているものとする。
【0037】
位置C22により切断されても、最前段と次段のLED素子31は、図3(B)と同じであるため、切断した位置C22より前段側の帯状基板20YにおけるLED素子31を点灯させることができる。
また、切断した位置C22より後段側の帯状基板20Yにおいても、保護素子用パッド42に抵抗R12が実装されており、電源線L1から電流が抵抗R12を流れ、1個のLED素子31を介してグランド線L2に流れる。
従って、切断した位置C22より後段側の帯状基板20Yにおいても、LED素子31を発光させることができるため、帯状基板20Yを位置C22で切り離したとしても、捨てることなく使用することができる。
【0038】
更に、図7(C)に示すように、3段目のLED素子31と、次のセグメントの間の位置C23(3個目のLED素子31の次の位置C23)で、電源線L1とグランド線L2と直列用配線パターン44aとを切断した場合を説明する。
【0039】
位置C23により切断されても、図3(C)と同じであるため、切断した位置C23より前段側の帯状基板20YにおけるLED素子31を点灯させることができる。
また、切断した位置C23より後段側の帯状基板20Yにおいても、抵抗R1により電流をLED素子31へ流すことができるため、LED素子31を発光させることができるので、帯状基板20Yを位置C23で切り離したとしても、捨てることなく使用することができる。
以降のセグメントSでは、図7(A)から同図(C)と同じとなるため、説明するは省略する。
【0040】
このようにLED素子31が直列接続されているため、LED素子31を並列したときより電流を少ないものとすることができる。
また、図7(A)から同図(C)に示すように、切断位置に応じて、切断した位置C21~C23より前段側の帯状基板20Yに接続素子33を接続素子用パッド43に実装し、後段側の帯状基板20Yに保護素子32を保護素子用パッド42に実装することで、直列接続されたLED素子31の間でも切断することができる。
【0041】
なお、実施の形態2では、実施の形態1と同様に、保護素子32として抵抗R1,R11,R12とし、接続素子33として抵抗R21,R22としたが、1個のLED素子31と直列接続されたLED素子31とで発光の強さに違いが出てもよければ、接続素子33をジャンパとしてもよい。また、実施の形態1の変形例と同様に、保護素子32を定電流ダイオードとしてもよい。
更に、実施の形態1,2では、3個のLED素子31が直列接続されたセグメントSが並列接続されているが、直列接続されるLED素子31は4個以上でもよく、帯状基板に実装されるLED素子31全部が直列接続されたものでもよい。
【0042】
(実施の形態2の変形例)
本発明の実施の形態に係る帯状LED発光装置について図面に基づいて説明する。
図8においては、図5と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図8(A)に示すように、帯状基板20における部品実装部21と配線部22とに、電源パッド部P1,P2が形成されている。
【0043】
部品実装部21では、帯状基板20の幅方向F1の両端部に電源パッド部P1,P2が一対ずつ形成されている。この一対の電源パッド部P1,P2は、その並び順が反対に形成されている。
配線部22では、帯状基板20の幅方向F1の一方の端部に電源パッド部P1が形成され、他方の端部に電源パッド部P2が形成されている。
【0044】
特に、配線部22の電源パッド部P1,P2は、配線部22を反時計方向に90度回転させると、部品実装部21の一方の端部の電源パッド部P1,P2に並びが一致し、配線部22を時計方向に90度回転させると、部品実装部21の他方の端部の電源パッド部P2,P1に並びが一致するように、切断位置に形成されている。
【0045】
このように帯状基板20が形成されていることで、図8(B)に示すように、切断して部品実装部21から切り離した配線部22を部品実装部21の幅方向F1の端部の電源パッド部P1に突き当て接続部材により接続することで、部品実装部21と配線部22とを連結することができる。
本実施の形態では、接続部材はチップジャンパJ31としているが、リードジャンパーとしてもよい。
【0046】
図8(B)に示す例では、点線による仮想線にて示されるようにアルファベットの「E」を模している。
このように、配線部22を切断して、部品実装部21にチップジャンパJ31やリードジャンパーなどのチップ素子により接続することで、配線部22と部品実装部21との間をリード線により接続する場合と比較して、最短距離で接続することができる。また、部品実装部21に接続した配線部22により、切り離した側のそれぞれの各部品実装部21に電源が供給できるので、帯状基板20を切断して、文字や図形、キャラクタなどを形成しても、LED素子31を点灯させることができる。
【0047】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る帯状LED発光装置について図面に基づいて説明する。
図9においては、図1と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図9に示す帯状LED発光装置13は、図1に示す帯状LED発光装置10(帯状基板20)を幅方向に並べたものである。
図1図9に示す帯状基板20は、隣接する部品実装部21同士と、その部品実装部21同士の間に位置する配線部22とによる幅方向における凹部23は、隣接する配線部22同士と、その配線部22同士の間に位置する部品実装部21とによる幅方向における凸部24に嵌る形状に形成されている。
【0048】
このように帯状LED発光装置10が形成され、帯状LED発光装置10の幅方向に並べることにより、面発光装置として機能させることができ、帯状基板20の途中を切断して抜き取ることで、文字を表現したり、図形やキャラクタなどを表現したりすることができる。
また、帯状LED発光装置10を隙間なく配置できるため、造形物を自然な状態で表示させることができるため、広告などに使用すると高い訴求力を得ることができる。
【0049】
図9に示す帯状LED発光装置10は、実施の形態1にて説明したものであるが、帯状LED発光装置11,12としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、照明装置や、文字や絵などが表示された広告物などに好適である。
【符号の説明】
【0051】
10,11,12,13 LED発光装置
20,20X,20Y 帯状基板
21 部品実装部
22 配線部
31 LED素子
32 保護素子
33 接続素子
40 導電パターン
41 LED用パッド
42 保護素子用パッド
43 接続素子用パッド
44 配線パターン
44a 直列用配線パターン
44b 接続用配線パターン
C11~C13,C21~C23 位置
L1 電源線
L2 グランド線
P ダイパッド
P1,P2 電源用パッド
D1 定電流ダイオード
R1,R21,R22 抵抗
J21,J22 ジャンパ
J31 チップジャンパ
S セグメント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9