(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】フロアパネル及びフリーアクセスフロア
(51)【国際特許分類】
E04F 15/024 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
E04F15/024 601D
E04F15/024 603
(21)【出願番号】P 2020135440
(22)【出願日】2020-08-08
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167438
【氏名又は名称】原田 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100166800
【氏名又は名称】奥山 裕治
(72)【発明者】
【氏名】小野 全
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 耕平
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-310027(JP,A)
【文献】特表2003-532816(JP,A)
【文献】実開平05-089683(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第00529072(EP,A1)
【文献】特開2003-221921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形状をすると共にその角部に欠け部分を有するパネル板材と、
前記パネル板材の第1主面を被覆する第1板材と、
前記パネル板材の第2主面を被覆する第2板材と、
前記パネル板材の前記欠け部分に配されるコーナー部材と
を備え
、
前記パネル板材は、前記角部に、前記第1主面から前記第2主面に向かって凹入する凹入部分と、前記凹入部分における凹入面に設けられた凹状又は凸状のパネル側嵌合部分とを有し、
前記コーナー部材は、前記欠け部分に配される本体部と、前記本体部から前記パネル板材の前記凹入部分に張り出す張出部と、前記張出部に設けられ且つ前記パネル側嵌合部分に嵌合する凸状又は凹状のコーナー側嵌合部分とを有し、
前記パネル側嵌合部分と前記コーナー側嵌合部分とが嵌合する状態で、前記第1板材は前記コーナー部材を覆う
フロアパネル。
【請求項2】
多角形状をすると共にその角部に欠け部分を有するパネル板材と、
前記パネル板材の第1主面を被覆する第1板材と、
前記パネル板材の第2主面を被覆する第2板材と、
前記パネル板材の前記欠け部分に配されるコーナー部材と
を備え
、
前記パネル板材は、前記角部に、前記第1主面から前記第2主面に向かって凹入する凹入部分を有し、
前記コーナー部材は、前記欠け部分に配される本体部と、前記本体部から前記パネル板材の前記凹入部分に張り出す張出部とを有し、
前記コーナー部材を前記パネル板材の角部に組み込んだ際に、前記パネル板材と前記コーナー部材とが前記第1板材と当接する状態で前記第1板材により被覆される
フロアパネル。
【請求項3】
前記パネル板材は、前記角部に
、前記凹入部分における凹入面に設けられた凹状又は凸状のパネル側嵌合部
分と有し、
前記コーナー部材は
、前記張出部に設けられ且つ前記パネル側嵌合部分に嵌合する凸状又は凹状のコーナー側嵌合部
分を有する
請求項2に記載のフロアパネル。
【請求項4】
前記第1板材は前記パネル板材の側面側に屈曲する第1屈曲部と有し、
前記第2板材は前記パネル板材の側面側に屈曲する第2屈曲部と有し、
前記第1屈曲部と前記第2屈曲部とが、前記パネル板材の側面に対向する領域で、互いに重ねられた状態で折り曲げられた折曲部を構成する
請求項1~3の何れか1項に記載のフロアパネル。
【請求項5】
前記パネル板材は、前記側面に凹入部を有し、
前記折曲部は当該凹入部に位置する
請求項4に記載のフロアパネル。
【請求項6】
前記凹入部は、前記側面の前記第2主面側に設けられている
請求項5に記載のフロアパネル。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載のフロアパネルと、
前記フロアパネルの角部を支持する支持脚と
を備え
、
前記フロアパネルは、前記第1板材側を表側として、支持され、
前記コーナー部材は、裏面に凹部を有し、
前記第2板材は、前記コーナー部材の裏面を被覆すると共に前記凹部に対応する部位に貫通孔を有し、
前記支持脚は、前記フロアパネルを裏側から支持する台座に、前記第2板材の前記貫通孔から前記コーナー部材の前記凹部に進入する凸部を有する
フリーアクセスフロア。
【請求項8】
フロアパネルと、
前記フロアパネルの角部を支持する支持脚と
を備え
、
前記フロアパネルは、
多角形状をすると共にその角部に欠け部分を有するパネル板材と、
前記パネル板材の第1主面を被覆する第1板材と、
前記パネル板材の第2主面を被覆する第2板材と、
前記パネル板材の前記欠け部分に配されるコーナー部材と
を備え、
前記フロアパネルは、前記第1板材側を表側として、支持され、
前記コーナー部材は、裏面に凹部を有し、
前記第2板材は、前記コーナー部材の裏面を被覆すると共に前記凹部に対応する部位に貫通孔を有し、
前記支持脚は、前記フロアパネルを裏側から支持する台座に、前記第2板材の前記貫通孔から前記コーナー部材の前記凹部に進入する凸部を有する
フリーアクセスフロア。
【請求項9】
前記支持脚は、前記フロアパネルを表側から押圧する固定具を有し、
前記コーナー部材は、前記固定具により押圧される被押圧部分を表面に有し、
前記第2板材は、前記固定具の押圧により、前記コーナー部材の裏面であって前記被押圧部分の鉛直下方に位置する領域と、前記支持脚の前記台座とに接触する
請求項
7又は8に記載のフリーアクセスフロア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリーアクセスフロアに用いられるフロアパネル及び当該フロアパネルを用いたフリーアクセスフロアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
フロアパネルとして、「天板と箱状部材の互いの周縁部同士が結合してそれらの内部に空間が形成され、前記箱状部材の底板部の四隅部を支持する支持脚と共にフリーアクセスフロア構造を構成するフロアパネルにおいて、前記空間中の前記天板と前記箱状部材の底板部との間に補強部材が配置され、前記底板部は、隅部及び前記隅部に隣接する隣接辺部が、隣り合う一対の隅部間中央部の側板部より水平面における内側に引っ込んで形成されており、前記補強部材には、前記底板部の前記隅部、前記隣接辺部、及び、前記隣り合う一対の隅部間中央部の側板部の内側の水平断面形状に沿うような平面形状の隅部、隣接辺部、及び、隣り合う一対の隅部間中央部の側板部が形成され、前記底板部の前記隅部と、前記補強部材の前記隅部との間隔が、前記底板部の前記隣り合う一対の隅部間中央部の側板部と、前記補強部材の前記隣り合う一対の隅部間中央部の側板部との間隔よりも小さくなるように形成され、前記底板部の前記隣接辺部と、前記補強部材の前記隣接辺部との間隔が、前記底板部の前記隣り合う一対の隅部間中央部の側板部と、前記補強部材の前記隣り合う一対の隅部間中央部の側板部との間隔よりも小さくなるように形成された」が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成のフロアパネルでは、支持脚との固定をしやすくするために、フロアパネルの角部の形状が複雑となり、角部を精度よく加工するのが難しい。
本発明が解決しようとする課題は、加工しやすいフロアパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るフロアパネルは、多角形状をすると共にその角部に欠け部分を有するパネル板材と、前記パネル板材の第1主面を被覆する第1板材と、前記パネル板材の第2主面を被覆する第2板材と、前記パネル板材の前記欠け部分に配されるコーナー部材とを備える。
本発明に係るフリーアクセスフロアは、上記のフロアパネルと、前記フロアパネルの角部を支持する支持脚とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、コーナー部材は、パネル板部材と第1板材と第2板材と別部材であるため、加工しやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係るフリーアクセスフロアの一部を示す斜視図であり、支持脚の周辺を拡大している。
【
図2】フロアパネルの角部の図であり、(a)は斜め上方から見た図であり、(b)は斜め下方から見た図である。
【
図3】フロアパネルの分解状態を示す図であり、(a)は斜め上方から角部を見た図であり、(b)は斜め下方から見た図である。
【
図4】パネル板材の角部の図であり、(a)は斜め上方から見た図であり、(b)は斜め下方から見た図である。
【
図5】(a)は第1板材の角部を斜め上方から見た図であり、(b)は第2板部の角部を斜め上方から見た図である。
【
図6】コーナー部材の図であり、(a)は斜め上方から見た図であり、(b)は斜め下方から見た図であり、(c)は下方から見た図である。
【
図7】フロアパネルの断面図であり、(a)はコーナー部材のコーナー側嵌合部分を通る仮想線での断面であり、(b)はフロアパネルの中央を通る仮想線での断面であり、(c)はフロアパネルが隣接している状態でフロアパネルの中央を通る仮想線での断面である。
【
図8】カバー部材の周辺の拡大図であり、(a)は斜め上方から見た図であり、(b)は斜め下方から見た図であり、(c)はカバープレートを取り外した状態を斜め上方から見た図である。
【
図9】フロアパネルの分解状態を示す図であり、斜め上方から中央部を見た図である。
【
図10】フロアパネルの分解状態を示す図であり、斜め下方から中央部を見た図である。
【
図11】カバー部材の図であり、(a)は下方から見た図であり、(b)は上方から見た図である。
【
図12】フリーアクセスフロアの分解状態の図であり、(a)は斜め上方から見た図であり、(b)は斜め下方から見た図である。
【
図13】2枚のフロアパネルが支持脚により支持された状態の断面図であり、(a)は支持脚の第1凸部がコーナー部材の凹部に嵌合している部分を通る仮想線での断面であり、(b)は2枚のフロアパネルの隣接方向に延伸し且つ支持脚の第1凸部を通る仮想線での断面である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一態様に係るフロアパネルは、多角形状をすると共にその角部に欠け部分を有するパネル板材と、前記パネル板材の第1主面を被覆する第1板材と、前記パネル板材の第2主面を被覆する第2板材と、前記パネル板材の前記欠け部分に配されるコーナー部材とを備える。これにより、コーナー部材を別部材で構成することで、例えば、支持脚に支持されるための角部の凹凸や段差等を精度よく且つ容易に製造できる。また、第1板材と第2板材を金属板で構成した際にこれらのプレス加工が容易となり、成形不良が減少する(歩留まりが向上する)。
本発明の別態様に係るフロアパネルは、前記パネル板材は、前記角部に、前記第1主面から前記第2主面に向かって凹入する凹入部分と、前記凹入部分における凹入面に設けられた凹状又は凸状のパネル側嵌合部分とを有し、前記コーナー部材は、前記欠け部分に配される本体部と、前記本体部から前記パネル板材の前記凹入部分に張り出す張出部と、前記張出部に設けられ且つ前記パネル側嵌合部分に嵌合する凸状又は凹状のコーナー側嵌合部分とを有する。これにより、パネル側嵌合部分とコーナー側嵌合部分とが嵌合する方向と、第1板材と第2板材とがパネル板材を被覆する方向とが一致することとなり、第1板材と第2板材とでコーナー部材を押えて保持できる。また、フロアパネルに、第1板材や第2板材の主面と平行な方向の力が作用しても、コーナー部材の離脱が発生し難くできる。
【0009】
本発明の別態様に係るフロアパネルは、前記パネル側嵌合部分と前記コーナー側嵌合部分とが嵌合する状態で、前記第1板材は前記コーナー部材を覆う。これにより、コーナー部材において第1板材から露出する部分が少なくなり、コーナー部材に直接外力が作用することを少なくできる。
本発明の別態様に係るフロアパネルは、前記第1板材は前記パネル板材の側面側に屈曲する第1屈曲部と有し、前記第2板材は前記パネル板材の側面側に屈曲する第2屈曲部と有し、前記第1屈曲部と前記第2屈曲部とが、前記パネル板材の側面に対向する領域で、互いに重ねられた状態で折り曲げられた折曲部を構成する。これにより、第1板材と第2板材とを強固に連結される。特に第1板材の端部と第2板材の端部とを強固に連結できる。また、これにより、コーナー部材を押える第1板材と第2板材とにおいて浮き上がりを防止でき、コーナー部材を安定して保持できる。
【0010】
本発明の別態様に係るフロアパネルは、前記パネル板材は、前記側面に凹入部を有し、前記折曲部は当該凹入部に位置する。これにより、折曲部のパネル板材の側面からの出っ張りを少なくできる。なお、折曲部の出っ張りがあると、隣接するフロアパネルの間の隙間が広がってしまう。
本発明の別態様に係るフロアパネルは、前記凹入部は、前記側面の前記第2主面側に設けられている。これにより、フロアパネルの側面における第1主面側を寸法精度よく加工できる。すなわち、バラつきの発生しやすい(寸法管理が難しい)折曲部を第2主面側に配置することで、隣接するフロアパネルを第1主面と直交する方向を第2主面と反対側から見たときの側面同士の隙間の大きさを管理しやすくできる。
【0011】
本発明の一態様に係るフリーアクセスフロアは、上記のフロアパネルと、前記フロアパネルの角部を支持する支持脚とを備える。これにより、フロアパネルが軽量で、支持脚に安定して保持されるため、施工性を向上できる。また、寸法精度のフロアパネルを使用できるため、隣接するフロアパネルの間隔が均一な意匠性の高いフリーアクセスフロアが得られる。
本発明の一態様に係るフリーアクセスフロアは、前記フロアパネルは、前記第1板材側を表側として、支持され、前記コーナー部材は、裏面に凹部を有し、前記第2板材は、前記コーナー部材の裏面を被覆すると共に前記凹部に対応する部位に貫通孔を有し、前記支持脚は、前記フロアパネルを裏側から支持する台座に、前記第2板材の前記貫通孔から前記コーナー部材の前記凹部に進入する凸部を有する。これにより、支持脚によって安定してフロアパネルを支持できると共に保持できる。また、フロアパネルにフロアパネルの主面と平行な方向の力が作用しても、コーナー部材の離脱を防止できる。
本発明の一態様に係るフリーアクセスフロアは、前記支持脚は、前記フロアパネルを表側から押圧する固定具を有し、前記コーナー部材は、前記固定具により押圧される被押圧部分を表面に有し、前記第2板材は、前記固定具の押圧により、前記コーナー部材の裏面であって前記被押圧部分の鉛直下方に位置する領域と、前記支持脚の前記台座とに接触する。これにより、支持脚により、安定してフロアパネルを保持できる。また、フロアパネルにおける角部の浮き上がりを防止できる。
【0012】
<実施形態>
1.全体構成
フロアパネルを備えるフリーアクセスフロアについて説明する。
フリーアクセスフロアは、建物のスラブ(床)の上方に間隔をおいて複数枚のフロアパネルを敷くことによって床を二重構造にし、スラブとフロアパネルの間に電力配線やLAN配線を配する空間を形成する。
フリーアクセスフロアXは、
図1に示すように、複数枚のフロアパネル10,20と、フロアパネル10,20の角部を支持する支持脚30とを備える。
図1では、便宜上2枚のフロアパネル10,20を示している。
フロアパネル10とフロアパネル20の違いは、配線等を引き出すための開口部22(
図8参照;開口部22がカバープレート280にて覆われている)の有無である。
ここでのフロアパネル10,20は、多角形状の一例である方形状をしている。また、フロアパネル10,20の厚み方向を上下又は表裏方向とし、厚み方向と直交する方向を水平方向とする。
以下、フロアパネル10,20と支持脚30とについて説明する。
【0013】
2.フロアパネル10
フロアパネル10は、
図3に示すように、方形状の角部104に欠け部分103を有するパネル板材100と、パネル板材100の第1主面101を被覆する第1板材120と、パネル板材100の第2主面102を被覆する第2板材140と、パネル板材100の欠け部分103に配されるコーナー部材160とを備える。
このように、パネル板材100、第1板材120、第2板材140、コーナー部材160を別体としているため、各部材の加工が容易に行える。特に、コーナー部材160は、パネル板材100等に比べて小さく、精度よく且つ容易に製造できる。
なお、パネル板材100の第1主面101は上面又は表面であり、第2主面102は下面又は裏面である。また、フロアパネル10,20における角部は、コーナー部材160が配されている部分を指す。
以下、各部について説明する。
【0014】
(1)パネル板材
図3及び
図4を用いて説明する。
パネル板材100は、平面視において、多角形状の一例である方形状をしている。
パネル板材100は、木質材から構成され、例えばパーチクルボードが利用されている。パーチクルボードは、JIS A 5908に規定された13Uタイプ(曲げ強さが13N/mm
2以上であり、密度が0.4(g/cm
3)以上0.9(g/cm
3)未満)のパーチクルボードでよい。
パネル板材100は、4つの各角部104に欠け部分103を有する。
パネル板材100は、欠け部分103のため隣接する端面において90度の角は存在しないが、欠け部分103に隣接する周辺部分と当該欠け部分103とを含む領域を角部104とする。
ここでの欠け部分103は、上下方向から見ると、扇状をしている。換言すると、上方から見ると、パネル板材100における欠け部分103と対面する端面103aが円弧状となるように設けられている。なお、この端面103aを他の端面と区別するため、便宜上、パネル角側端面103aとする。
欠け部分103の円弧は、方形状を構成する隣接する端面(端縁)の仮想延長上で交差する点を中心としている。つまり、欠け部分103が存在しない方形状の角を中心としている。
【0015】
パネル板材100は、角部104に、第1主面101から第2主面102に向かって凹入する凹入部分105と、凹入部分105における凹入底面(凹入面の一例である)105aに設けられた嵌合部分106とを有する。
凹入部分105は、側面の凹入部111と区別するために、便宜上、角部凹入部分105とする。また、嵌合部分106は、コーナー部材160の嵌合部分163と区別するために、便宜上、パネル側嵌合部分106とする。
【0016】
凹入部分105の凹入底面105aは、パネル板材100の上下方向の中間よりも上側に位置する。角部凹入部分105は、上方から見たときに、円弧状に凹入している。つまり、凹入底面105aと交差する(ここでは直交する)する凹入側面105bが円弧状をしている。この円弧の中心は、欠け部分103の円弧と同じである。これにより、欠け部分103の円弧と角部凹入部分105の円弧とは同心円状となり、NC加工機や専用加工機での加工が容易になる。
パネル側嵌合部分106はコーナー部材160のコーナー側嵌合部分163と嵌合する。ここでは、パネル側嵌合部分106は凹状をし、コーナー側嵌合部分163は凸状をしている。パネル側嵌合部分106は、凹入底面105aにおける円弧の周方向と径方向の略中間に位置する。
【0017】
パネル板材100は、上方から見たときの方形状の各辺に相当する側面110に、凹入部111を有している。凹入部111は、角部凹入部分105と区別するために、便宜上、側面凹入部111とする。
側面110は、上部側の上側面部112と、下部側の側面凹入部111とで構成される。なお、側面凹入部111は、水平方向を対向する他の側面110に向かって凹入する。
側面凹入部111には、第1板材120の第1側面屈曲部123と第2板材140の第2側面屈曲部143とから形成される折曲部130が収容される。側面凹入部111の上側の端面111aは、側面110の上下方向の略中央に位置する。つまり、側面凹入部111は側面110の下半分に設けられている。これにより、折曲部130を収容できる空間(
図7の(b)参照)が確保される。なお、折曲部130は、第1側面屈曲部123と第2板材140の第2側面屈曲部143とが、側面110に対向する領域で、互いに重ねられた状態で折り曲げられて構成される。
【0018】
上側面部112は、ここでは、第1主面101側から、垂直面領域113、傾斜面領域114を上下方向に連続して有する。
垂直面領域113は主面に対して略直交している。垂直面領域113の上下方向の長さは、角部凹入部分105の深さに相当する。
傾斜面領域114は、第1主面101側から第2主面102側に向かうにしたがって水平方向の内側に凹入するように傾斜する。
【0019】
(2)第1板材
図3及び
図5の(a)を用いて説明する。
第1板材120は、金属板により構成され、例えば0.3mm厚のスチール製の板材が利用されている。0.3mm未満のものを用いてもよい。
第1板材120は、パネル板材100に対応した形状、ここでは、上方から見ると全体として方形状をしている。
第1板材120は、パネル板材100の第1主面101を被覆する第1被覆部121と、第1被覆部121の端縁から下方に屈曲する第1屈曲部122とを有する。
ここでの第1被覆部121は、パネル板材100を上方から投影した形状と一致し、角部が円弧状の欠けた方形状をしている。第1被覆部121は、パネル板材100の第1主面101に接着剤により固着されている。
【0020】
第1屈曲部122には、パネル板材100の側面110(上側面部112)に沿って屈曲する第1側面屈曲部123と、コーナー部材160の溝部分170の外側周面172に沿って屈曲する第1角屈曲部124とがある。
なお、第1側面屈曲部123と第1角屈曲部124は、第1被覆部121の周囲に沿って連続していない。これにより、第1側面屈曲部123と第1角屈曲部124とを容易に設けることができる。なお、第1屈曲部122は、例えばプレス加工により形成される。
第1側面屈曲部123は、パネル板材100の側面110の上側面部112と対向する上対向部126と、第2板材140とで折曲部130を形成する第1折曲形成部分127とを有する。
上対向部126は、パネル板材100の側面110の傾斜面領域114に沿ってパネル板材100側に傾斜する。
第1折曲形成部分127は、第2板材140の第2屈曲部142の第2折曲形成部分147と重ねられた状態で折り曲げられて、折曲部130を形成する。ここでは、第2折曲形成部分147は第1折曲形成部分127より長く、第1折曲形成部分127を内側に挟むように第2折曲形成部分147が折り曲げられた状態で、第1折曲形成部分127と第2折曲形成部分147との基部側で折り曲げられて形成される。折曲部130は、
図7の(b)に示すように、側面凹入部111に収容される。
図5の(a)では、第1折曲形成部分127は、折り曲げられた状態であって第2板材140と分離した状態を示している。
第1角屈曲部124は、コーナー部材160の上面側の溝部分170の外側周面172(
図6参照)に対向又は係合する。これにより、コーナー部材160がフロアパネル10から外れるのを防止できる。なお、コーナー部材160の溝部分170は上方から見ると円弧状をし、第1角屈曲部124も、上方から見ると、コーナー部材160の外側周面172に沿って円弧状をしている。
【0021】
第1板材120は、第1側面屈曲部123と第1角屈曲部124との間に、欠け部129を有している。欠け部129には、コーナー部材160の内側部167が嵌る。欠け部129に内側部167が嵌った状態では、第1側面屈曲部123の外面とコーナー部材160の内側部167の外面とが略面一状になる、又は、第1側面屈曲部123外面が、コーナー部材160の内側部167の外面よりも水平方向の内側に位置する。これにより、第1側面屈曲部123の端123aの露出が少なくなり、安全性を高めることができる。
【0022】
(3)第2板材
図3及び
図5の(b)を用いて説明する。
第2板材140は、第1板材120と同様に、金属板により構成され、例えば0.3mm厚のスチール製の板材が利用されている。0.3mm未満のものを用いてもよい。
第2板材140は、パネル板材100に対応した形状、ここでは、下方から見ると全体として方形状をしている。
第2板材140は、パネル板材100の第2主面102を被覆する第2被覆部141と、第2被覆部141の端縁から上方に屈曲する第2屈曲部142とを有する。
ここでの第2被覆部141は、パネル板材100を下方から投影した形状と一致し、角部が円弧状の欠けた方形状をしている。第2被覆部141は、パネル板材100の第2主面102に接着剤により固着されている。
【0023】
第2屈曲部142には、パネル板材100の側面110(側面凹入部111)に沿って屈曲する第2側面屈曲部143と、コーナー部材160の欠け部164に面する内周面169に沿って屈曲する第2角屈曲部144とがある。
なお、第2側面屈曲部143と第2角屈曲部144は、第2被覆部141の周囲に沿って連続していない。これにより、第2側面屈曲部143と第2角屈曲部144とを容易に設けることができる。なお、第2屈曲部142は、例えばプレス加工により形成される。
第2側面屈曲部143は、第1板材120とで折曲部130を形成する第2折曲形成部分147を有する。
第2折曲形成部分147は、第1板材120の第1屈曲部122の第1折曲形成部分127と重ねられた状態で折り曲げられて、折曲部130を形成する。
図5の(b)では、第2折曲形成部分147は、折り曲げられた状態であって第1板材120と分離した状態を示している。
第2角屈曲部144は、コーナー部材160の欠け部164に面する内周面169の下垂直面領域169c(
図6参照)に対向又は係合する。これにより、コーナー部材160がフロアパネル10から外れるのを防止できる。なお、コーナー部材160の欠け部164は下方から見ると円弧状をし、第2角屈曲部144も、下方から見ると、コーナー部材160の内周面169に沿って円弧状をしている。
【0024】
第2板材140は、第2側面屈曲部143と第2角屈曲部144との間に、欠け部149を有している。欠け部149には、コーナー部材160の内側部167が嵌る。欠け部149に内側部167が嵌った状態では、
図7の(b)に示すように、第2側面屈曲部143を含む折曲部130の外面が、コーナー部材160の内側部167の外面よりも水平方向の内側に位置する。これにより、第2側面屈曲部143の端面143aの露出が少なくなり、安全性を高めることができる。
【0025】
第2板材140は、フロアパネル10が支持脚30に支持された際に、支持脚30の第1凸部323がコーナー部材160の凹部177と嵌合する際に通過する貫通孔141aを第2被覆部141に有する。
【0026】
(4)コーナー部材
図3及び
図6を用いて説明する。
コーナー部材160は、パネル板材100の欠け部分103に配される本体部161と、本体部161からパネル板材100の角部凹入部分105に張り出す張出部162と、張出部162に設けられ且つパネル側嵌合部分106に嵌合する嵌合部分163とを有する。嵌合部分163は、パネル板材100のパネル側嵌合部分106と区別するために、便宜上、コーナー側嵌合部分163とする。コーナー部材160は、繊維強化プラスチック(本実施の形態では、ガラス繊維強化プラスチック)によって構成されている。
【0027】
(4-1)本体部
本体部161は、上下方向から見ると、中心角が90度の扇状であって中心部に円弧状の欠け部164を有するような形状をしている。本体部161の外周面165の曲率は、パネル板材100の角部104における欠け部分103に面する端面103aの曲率と同じであり、コーナー部材160がパネル板材100の角部104に配されると、本体部161の外周面165と、パネル板材100の欠け部分103側の端面103aとが当接又は近接する。
【0028】
ここで、本体部161を上下方向から見たときの扇状を構成する中心を通り且つ上下方向に延伸する仮想線を、単に、中心軸とする。
本体部161の側面166は、中心軸に近い内側部167と外周側に近い外側部168とを有する。
【0029】
内側部167は、フロアパネル10として組み込まれた際に、側面に露出する部分である。
内側部167は、その上部側が垂直面領域167aであり、下部側が下端に向かうにしたがって周方向の内方へ傾斜する傾斜面領域167bである。
傾斜面領域167bは、スラブに敷設した際に、
図13の(b)に示すように、隣接する他のフロアパネル10の傾斜面領域167bとの間に、支持脚30の第2凸部325が位置する。換言すると、傾斜面領域167bの傾斜角度は、他の傾斜面領域167bとの間に第2凸部325が嵌合できる大きさである。
なお、下部側に傾斜面領域167bがあるため、周りが複数枚のフロアパネル10により敷き詰められた隙間にフロアパネル10を配置する際に、隣接する他のフロアパネル10と干渉するのを防止できる。これにより、複数枚のフロアパネル10の敷設を容易に行える。
【0030】
外側部168は内側部167に対して周方向に凹入している。
外側部168は、その上部側が垂直面領域168aであり、下部側が垂直面領域168aよりもさらに凹入する凹入領域168bである。
垂直面領域168aは、第1板材120の第1側面屈曲部123の上対向部126と当接又は近接する。垂直面領域168aの内側部167に対する凹入量は、第1板材120の上対向部126の厚みに相当する。
これにより、フロアパネル10において、第1板材120の第1側面屈曲部123の上対向部126の外面と、コーナー部材160の側面166における内側部167の垂直面領域167aの外面とが面一状となる。面一状とすることで、複数枚のフロアパネル10をスラブ(床)に敷いた際に、隣接する他のフロアパネル10との間の隙間を一定にでき、意匠性の高いフリーアクセスフロアXを実現できる。面一状とすることで、フロアパネル10の角部にコーナー部材160等による張り出しがなくなり、何かに引っ掛かるようなことをなくすことができる。
【0031】
凹入領域168bは、第1板材120の第1側面屈曲部123と第2板材140の第2側面屈曲部143とを重ねて折り曲げてなる折曲部130を収容する。凹入領域168bの内側部167に対する凹入量は、折曲部130の厚みに相当する。これにより、
図7の(b)に示すように、折曲部130がコーナー部材160の内側部167よりも水平方向に隆起するのを防止でき、意匠性を高めることができる。
【0032】
本体部161は、上面であって中心軸側に円弧の溝部分170を有している。円弧状の溝部分170は、その中心が扇状の本体部161の中心軸上にあり、上下方向から見たときに、本体部161の外周面165や中心軸側の内周面169と同心円状となっている。これにより、外周面165、内周面169及び溝部分170の加工が容易になる。
溝部分170には、
図13の(a)に示すように、支持脚30にフロアパネル10を固定するための固定具330の下突出部335が嵌合する。なお、溝部分170は、固定具330が台座310の固定部311に螺合することで、固定具330から押圧される被押圧部分を構成する。
溝部分170は、円弧状の底面171と、底面171の外周縁から立接する外側周面172と、底面171の内周縁から立設する内側周面173とから構成されている。なお、内側周面173と、欠け部164に面する内周面169との間に位置する立設壁部分174の上面は、張出部162の上面及び本体部161の外周側の上面よりも低くなっている。
【0033】
溝部分170の外側周面172には、
図2の(a)に示すように、径方向の内側から第1板材120の第1角屈曲部124が当接又は近接する。これにより、コーナー部材160が、フロアパネル10の角部から水平方向に抜けるのを防止できる。
欠け部164を構成する内周面169は、上面側から、上垂直面領域169a、中傾斜面領域169b、下垂直面領域169cを有し、各領域が下方へ移るにしたがって径方向の外方側に位置する。
下垂直面領域169cには、
図2の(b)に示すように、径方向の内側から第2板材140の第2角屈曲部144が当接又は近接する。これにより、コーナー部材160が、フロアパネル10の角部から水平方向に抜けるのを防止できる。
【0034】
本体部161は、下面176に厚み方向に凹入する凹部177を有する。凹部177は、周方向に複数個あり、ここでは3個ある。中央の凹部177には、
図13の(a)に示すように、支持脚30の第1凸部323が嵌合する。これによりフロアパネル10が支持脚30に対して位置決めされる。
3個の凹部177は、下方から見たときに、中心側が円弧状に欠けた扇状をし、本体部161の周方向の中央を通り且つ径方向に延伸する仮想線に対して線対称となるように、設けられている。これにより、本体部161に作用する負荷を均等に分散でき、凹部177による強度低下を補うことができる。
凹部177は、
図7の(a)に示すように、溝部分170に合わせて、中心側の内周面であって凹部177の底部分(上面に近い側である)に近い部分に段差部分177aを有している。これにより、凹部177を有することで低下する機械特性を、段差部分177aで補強している。
本体部161は、凹部177を周方向に3個有しているが、周方向に隣接する凹部177間の区隔壁部分178がリブ機能を有し、本体部161を補強している。また、区隔壁部分178は、本体部161における下面から上面まで上下方向に連続して設けられているため、上方からの負荷に対して高い強度を有することができる。
【0035】
(4-2)張出部
張出部162は本体部161の上部から板状に張り出す。張出部162の上面と、本体部161の上面とは面一である。張出部162は、上方から見て、本体部161に連続して水平方向に扇状に張り出す。張出部162の厚みは、パネル板材100の角部凹入部分105の深さに相当する。これにより、コーナー部材160をパネル板材100の角部104に組み込んだ際に、パネル板材100の第1主面101とコーナー部材160の上面とが面一となる。したがって、パネル板材100とコーナー部材160は、これらの上面が第1板材120の第1被覆部121により当接状態で被覆され、第1板材120との間に隙間が発生するのを抑制される。
【0036】
(4-3)嵌合部
コーナー側嵌合部分163は、張出部162から下方に棒状に延伸する。これにより、コーナー部材160がパネル板材100から水平方向に外れるのを規制できる。コーナー側嵌合部分163は、張出部162の周方向の中央であって径方向の中央に設けられている。これにより、コーナー側嵌合部分163に均一な負荷が作用することとなる。
【0037】
(5)組立状態
(5-1)パネル板材とコーナー部材
コーナー部材160は、パネル板材100のパネル側嵌合部分106にコーナー側嵌合部分163が嵌合するように、パネル板材100に組み込まれる。
パネル側嵌合部分106とコーナー側嵌合部分163とが嵌合した状態では、コーナー側嵌合部分163の下方への突出量(パネル板材100における角部凹入部分105の板厚に対して1/3以上である)が十分であるため、パネル板材100からコーナー部材160を外れ難くできる。
さらに、嵌合状態では、張出部162の下面がパネル板材100の凹入底面105aと当接する。これにより、張出部162に作用した圧縮負荷をパネル板材100側分散できる。
【0038】
パネル側嵌合部分106とコーナー側嵌合部分163とが嵌合した状態では、コーナー部材160の本体部161の外周面165がパネル板材100の角部104の端面103aに当接する。これにより、パネル板材100からコーナー部材160が一層外れ難くできる。また、コーナー部材160の本体部161に圧縮負荷が作用しても、外周面165がパネル板材100の端面103aに当接するため、張出部162に曲げ負荷が作用し難くできる。
なお、張出部162の下面とパネル板材100の凹入底面105aとは接着剤より接着することで、強固に結合できる。
【0039】
(5-2)第1板材及び第2板材
(5-2-1)角部
第1板材120と第2板材140は、パネル板材100にコーナー部材160が組み込まれた状態(角部104に配された状態)で、厚み方向からパネル板材100とコーナー部材160とを被覆している。
これにより、コーナー部材160の露出が少なくなり、コーナー部材160に直接負荷が作用するようなことを少なくできる。
また、コーナー部材160に水平方向の負荷が作用しても、コーナー側嵌合部分163が水平方向と直交する下向きに突出してパネル側嵌合部分106と嵌合しているため、コーナー部材160が左右方向に外れ難い。
【0040】
第1板材120の第1角屈曲部124は、
図2の(a)に示すように、コーナー部材160の溝部分170の外側周面172に対して、コーナー部材160がパネル板材100から水平方向に離脱する方向と反対側から、当接又は近接している。このため、コーナー部材160に水平方向の離脱方向の外力が作用しても、コーナー部材160は第1角屈曲部124により保持される。
特に、第1角屈曲部124は、上方から見たときに円弧状をし、その中心角度が90に近いため、コーナー部材160の外側周面172の略全範囲に亘って近接又は当接することとなる。したがって、パネル板材100の主面に沿った種々の方向の外力にも効果的に対応できる。
【0041】
第2板材140の第2角屈曲部144は、
図2の(b)に示すように、コーナー部材160の欠け部164に面する内周面169に対して、コーナー部材160がパネル板材100から水平方向に離脱する方向と反対側から、当接又は近接している。このため、コーナー部材160に水平方向の離脱方向の外力が作用しても、コーナー部材160は第2角屈曲部144により保持される。
特に、第2角屈曲部144は、下方から見たときに円弧状をし、その中心角度が90に近いため、コーナー部材160の内周面169の略全範囲に亘って近接又は当接することとなる。したがって、パネル板材100の主面に沿った種々の方向の外力にも効果的に対応できる。
【0042】
(5-2-2)側面
フロアパネル10の側面は、
図7の(b)に示すように、第1板材120の第1側面屈曲部123と、第2板材140の第2側面屈曲部143とを互いに重ねて折り曲げて折曲部130を形成している。これにより、第1板材120と第2板材140とを強固に連結できる。
折曲部130の形成により、第1板材120が下方に、第2板材140が上方にそれぞれ引っ張られる。これにより、パネル板材100の角部104に配されているコーナー部材160及びパネル板材100に対して、第1板材120及び第2板材140による押圧力が作用することとなる。したがって、コーナー部材160を押える第1板材120及び第2板材140の浮き上がりを防止でき、コーナー部材160を安定して保持できる。
【0043】
折曲部130は、
図7の(b)に示すように、パネル板材100の側面110の側面凹入部111に収容される。側面凹入部111はパネル板材100の厚みの略半分の領域に設けられているため、折曲部130を収容する空間を十分に確保できる。側面凹入部111は、側面110の上側面部112よりも凹入しているため、折曲部130が上側面部112よりも水平方向に張り出すことがなく、折曲部130を収容できる。
なお、折曲部130が上側面部112よりも張り出すと、隣接するフロアパネル10間の隙間が広がってしまうという不具合が生じる。
【0044】
上側面部112は、上側から下側に向かうにしたがって水平方向の内側に入るように傾斜している。これにより、隣接する2枚のフロアパネル10において、
図7の(c)に示すように、上側面部112を近接させて敷設すると、近接する上側面部112の下方に隙間が生じ、隣接する2枚のフロアパネル10の側面凹入部111間にも隙間が生じる。これにより、折曲部130の厚みにバラつきがあったとしても、隣接する2枚のフロアパネル10の折曲部130同士の干渉を防ぐことができる。なお、側面凹入部111は下面側に設けられているため、上側面部112の傾斜部分を長く確保でき、隣接するフロアパネル10間の隙間を大きくできる。
特に、パネル板材100の側面110は精度良く加工することができ、また、第1板材120の上対向部126をパネル板材100の上側面部112に沿って屈曲させやすいため、フロアパネル10の側面110の上端部の寸法精度を高めることができる。一方、パネル板材100の側面110の加工、第1板材120の上対向部126の屈曲に比べると、折曲部130の厚みのバラつきが大きい。
したがって、パネル板材100の上側面部112を傾斜させ、下部側に側面凹入部111を設けることで、隣接するフロアパネル10を上方から見たときの隙間を一定に管理でき、かつ、厚みにバラつきが出やすい折曲部130を確実に収容できる。
【0045】
3.フロアパネル20
フロアパネル20は、フロアパネル10に対して配線用の開口部22(
図8参照)を設けたものであり、これ以外の構成は、フロアパネル10と同じであり、相違点について以下説明する。
フロアパネル20は、
図9及び
図10に示すように、方形状の角部104に形成された欠け部分103と方形状の一辺部204に形成された開口部分203とを有するパネル板材200と、パネル板材200の第1主面101を被覆する第1板材220と、パネル板材200の第2主面102を被覆する第2板材240と、パネル板材200の欠け部分103に配されるコーナー部材160(図示省略)と、パネル板材200の開口部分203に配されるカバー部材260とを備える。
コーナー部材160は、フロアパネル10のコーナー部材160と同じである。
なお、一辺部は、多角形状のフロアパネル20、パネル板材200、第1板材220又は第2板材240を上方から見たときに、多角形状の1つの辺に相当する部分をいい、ここでは、方形状の1つの辺を指す。また、一辺部204が延伸する方向を一辺部方向とする。
以下、その説明を省略する。
【0046】
(1)パネル部材
パネル板材200は、フロアパネル10のパネル板材100と同じ構成を有する。同じ構成については、同じ名称及び符号を用い、図示されていなくても、その説明を省略する。
パネル板材200は、
図9に示すように、一辺部204の中央に一辺部側が開放する開口部分203を有する。ここでの開口部分203は、上下方向から見ると、一辺部方向に長い矩形状をしている。なお、開口部分203は、半円形状、方形状等の他の形状であってもよい。
パネル板材200における開口部分203に面する端面203aは、上下方向から見ると、一辺部204側が開放する「コ」字状(「U」字状、「V」字状も含む)となるように設けられている。この端面203aを他の端面と区別するため、便宜上、開口端面203aとする。
【0047】
パネル板材200は、開口部分203の周辺部に、第1主面101から第2主面102に向かって凹入する第1凹入部分205と、第1凹入部分205における第1凹入底面205aに設けられた嵌合部分206とを有する。
第1凹入部分205は、角部凹入部分105や側面凹入部111と同様に、区別するために、辺部第1凹入部分205とする。嵌合部分206は、パネル側嵌合部分106と区別するために、パネル側第2嵌合部分206とする。
【0048】
辺部第1凹入部分205の第1凹入底面205aは、パネル板材200の上下方向の中間よりも上側に位置する。辺部第1凹入部分205は、上方から見たときに、開口端面203aと同じような「コ」字状に凹入している。つまり、第1凹入底面205aと交差する(ここでは直交する)する第1凹入側面205bが「コ」字状をしている。
第1凹入側面205bの湾曲部分は、開口部分203の開口端面203aの湾曲部分と同心円状となり、NC加工機や専用加工機での加工が容易になる。
パネル側第2嵌合部分206は、
図10に示す、カバー部材260のカバー側嵌合部分263と嵌合する。ここでは、パネル側第2嵌合部分206は凹状をし、カバー側嵌合部分263は凸状をしている。パネル側第2嵌合部分206は、第1凹入底面205aにおける2か所の湾曲部分にそれぞれある。
パネル板材200は、開口部分203に対して一辺部方向の両側に、側面110から水平方向に凹入する第2凹入部分207を有する。第2凹入部分207も、他の凹入部分と区別するために、辺部第2凹入部分207とする。辺部第2凹入部分207は、辺部第1凹入部分205の幅に相当している。
【0049】
(2)第1板材
図9及び
図10を用いて説明する。
第1板材220は、フロアパネル10の第1板材120と同じ構成を有する。第1板材120と同じ構成については、同じ名称及び符号を用い、図示されていても、その説明を省略する。
第1板材220は、パネル板材200の開口部分203に対応した開口部分223を有する。開口部分223は、上下方向から見ると、一辺部204側が開放する矩形状をしている。第1板材220は、開口部分223に面する端縁から下方に屈曲する第1辺屈曲部224を有している。
第1辺屈曲部224は、カバー部材260の上面側の一辺部方向に沿った溝部分270a(
図11の(b)参照)に挿入される第1長辺屈曲部分225と、カバー部材260の上面側の一辺部方向と直交する方向に沿った溝部分270b(
図11の(b)参照)に挿入される第1短辺屈曲部分226とを有する。第1長辺屈曲部分225は、矩形状の開口部分223に面する長端縁から屈曲し、第1短辺屈曲部分226は、矩形状の開口部分223に面する短端縁から屈曲する。なお、第1短辺屈曲部分226は、第1長辺屈曲部分225の両端側にある。
第1長辺屈曲部分225と第1短辺屈曲部分226とは、開口部分223の端縁に沿って連続していないため、容易に加工できる。
【0050】
(3)第2板材
図9及び
図10を用いて説明する。
第2板材240は、フロアパネル10の第2板材140と同じ構成を有する。第2板材140と同じ構成については、同じ名称及び符号を用い、図示されていても、その説明を省略する。
第2板材240は、パネル板材200の開口部分203に対応した開口部分243を有する。開口部分243は、上下方向から見ると、一辺部204側が開放する矩形状をしている。第2板材240は、開口部分243に面する端縁から上方に屈曲する第2辺屈曲部244を有している。
第2辺屈曲部244は、カバー部材260の側壁部分267の長辺領域267bの内面の隙間267d(
図11の(a)参照)に挿入される第2長辺屈曲部分245と、カバー部材260の側壁部分267の短辺領域267c(
図11の(a)参照)の内面の隙間267dに挿入される第2短辺屈曲部分246とを有する。第2長辺屈曲部分245は、矩形状の開口部分243に面する長端縁から屈曲し、第2短辺屈曲部分246は、矩形状の開口部分243に面する短端縁から屈曲する。なお、第2短辺屈曲部分246は、第2長辺屈曲部分245の両端側で、合計2個ある。
第2長辺屈曲部分245と第2短辺屈曲部分246とは、開口部分243の端縁に沿って連続していないため、容易に加工できる。
【0051】
(4)カバー部材
カバー部材260は、
図8~
図10に示すように、パネル板材200の開口部分203に配され且つ配線等をフロアパネル20の下側から上側に導出させるための開口部22を有する。
カバー部材260は、
図11に示すように、矩形状の本体部261と、本体部261からパネル板材200の辺部第1凹入部分205に張り出す張出部262と、張出部262に設けられ且つパネル側第2嵌合部分206に嵌合する嵌合部分263とを有する。嵌合部分263は、パネル側嵌合部分106等と区別するために、便宜上、カバー側嵌合部分263とする。
【0052】
(4-1)本体部
本体部261は、上壁部分266と側壁部分267とを有し、下側が開放する薄型箱状をしている。本体部261は、上方から見ると、矩形状に似た形状をし、外側に位置する長辺部分が他方の長辺部分側に凹入する凹入部分268を有している。凹入部分268は、上方から見ると半円状をし、開口部22を構成する。
【0053】
本体部261は、
図11の(b)に示すように、上壁部分266と側壁部分267とで形成される裏側の空間内に放射状に延伸するリブ部分269a,269bを複数本有する。リブ部分269aは、側壁部分267における凹入領域267aから延伸して、側壁部分267の長辺領域267bと短辺領域267cとの交点部分に連結する。これにより、本体部261を補強できる。
リブ部分269bは、側壁部分267における凹入領域267aから、側壁部分267の長辺領域267bと短辺領域267cとに直交するように延伸するが、長辺領域267bと短辺領域267cとには連結していない。つまり、側壁部分267の長辺領域267bと短辺領域267cとの内面に隙間267dが形成され、当該隙間267dに第2板材240の第2辺屈曲部244が下方から挿入する。挿入状態では、第2辺屈曲部244は側壁部分267の内面に係合する。これにより、カバー部材260がフロアパネル20から外れるのを防止できる。
【0054】
本体部261は、
図11の(b)に示すように、下方に延伸する溝部分270を、側壁部分267の長辺領域267bと短辺領域267cとの上面に有している。なお、溝部分270は、周方向に隣接するリブ部分269a,269b間に形成されている。溝部分270には、第1板材220の第1辺屈曲部224が上方から挿入する。挿入状態では、第1辺屈曲部224は溝部分270に係合する。これにより、カバー部材260がフロアパネル20から外れるのを防止できる。
【0055】
(4-2)張出部
張出部262は、本体部261の上部から板状に水平方向に「U」字状に張り出す。張出部262の上面は、本体部261の上壁部分266よりも高く、カバー部材260の上面に下方への凹入領域271(
図9参照)が形成されている。凹入領域271には、カバープレート280の上蓋部281が嵌合し、第1板材220の上面とカバープレート280の上面とが面一状となる。
張出部262の厚みは、パネル板材200の辺部第1凹入部分205の深さに相当する。これにより、カバー部材260をパネル板材200の開口部分203に組み込んだ際に、パネル板材200の第1主面101とカバー部材260(張出部262)の上面とが面一状となる。したがって、パネル板材200とカバー部材260は、これらの上面が第1板材220の第1被覆部121により当接状態で被覆され、第1板材220との間に隙間を発生し難くできる。
【0056】
張出部262は、「U」字状の開口側の端部に、下方に延伸する下延伸部分273を有する。下延伸部分273は、パネル板材200の開口部分203の両側の辺部第2凹入部分207に係合する。
下延伸部分273は、コーナー部材160の外側部168の垂直面領域168a及び凹入領域168b(
図6の(b)参照)と同様に、上部側に垂直面領域274を、下部側に凹入領域275をそれぞれ外面に有している。
垂直面領域274には第1板材220の第1側面屈曲部が配され、凹入領域275には、第1板材220の第1屈曲部122と第2板材240の第2屈曲部142とを重ねて折り曲げた折曲部130が配される。
【0057】
(4-3)嵌合部
カバー側嵌合部分263は、張出部262から下方に棒状に延伸する。これにより、カバー部材260がパネル板材200から水平方向に外れるのを規制できる。カバー側嵌合部分263は、コ字状の張出部262の2か所の湾曲部分に設けられている。
【0058】
(5)カバープレート
図9及び
図10を用いて説明する。
カバープレート280は、カバー部材260の上面側の凹入領域271に配されて開口部22を塞ぐ矩形状の上蓋部281と、上蓋部281の長辺側の端縁から下方へ延伸する横蓋部283とを有する。
【0059】
上蓋部281は、横蓋部283と反対側の長辺側の端縁から横蓋部283側に延伸する欠け部分285を有している。これにより、開口部22を塞いだ状態でも、配線を導出できる。
上蓋部281は、カバー部材260から外れるのを防止するための係合爪286を有する。係合爪286は、上蓋部281のU字状溝部分に囲まれた部分を下方に屈曲させることで形成され、カバー部材260の上壁部分266の貫通孔266aに挿入される。
【0060】
(6)組立状態
カバー部材260は、パネル板材200のパネル側第2嵌合部分206にカバー側嵌合部分263が嵌合するように、パネル板材200に組み込まれる。
パネル側第2嵌合部分206とカバー側嵌合部分263とが嵌合した状態では、カバー側嵌合部分263の下方への突出量(パネル板材200における辺部第1凹入部分205の板厚に対して1/3以上である)が十分であるため、パネル板材200からカバー部材260を外れ難くできる。
【0061】
パネル側第2嵌合部分206とカバー側嵌合部分263とが嵌合した状態で、第1板材220の第1辺屈曲部224がカバー部材260の上面の溝部分270a,270bに係合する。
つまり、第1長辺屈曲部分225は、カバー部材260の上面側の一辺部方向に沿った溝部分270a(
図11の(b)参照)に係合する。これにより、一辺部方向と直交する方向に位置規制される。
第1短辺屈曲部分226は、カバー部材260の上面側の一辺部方向と直交する方向に沿った溝部分270b(
図11の(b)参照)に係合する。これにより、一辺部方向に位置規制される。
【0062】
パネル側第2嵌合部分206とカバー側嵌合部分263とが嵌合した状態で、第2板材240の第2辺屈曲部244がカバー部材260の下面の隙間267dに係合する。
つまり、第2長辺屈曲部分245は、カバー部材260の側壁部分267の長辺領域267bの内面の隙間267d(
図11の(a)参照)に挿入されて長辺領域267bの内面に係合する。これにより、一辺部方向と直交する方向に位置規制される。
第2短辺屈曲部分246は、カバー部材260の側壁部分267の短辺領域267c(
図11の(a)参照)の内面の隙間267dに挿入されて短辺領域267cの内面に係合する。これにより、一辺部方向に位置規制される。
【0063】
4.支持脚
図1、
図12を用いて説明する。
支持脚30は、支持ベース300、台座310、固定具330を備える。
(1)支持ベース
支持ベース300は、スラブ等の設置面に配される方形状のベースプレート301と、ベースプレート301の中央に立設する支柱303とを備える。支柱303は、下端がベースプレート301に固定され、周面が雄ねじ部305となっている。
(2)台座
台座310は、円筒状の固定部311と、固定部311の上部が突出するように固定部311を支持する台座部313とを一体に有し、フロアパネル10,20を下側から支持する。
固定部311は、内周面が雌ねじ部となっており、支持ベース300の支柱303の雄ねじ部305と螺合する。これにより、台座310は支持ベース300に対して上下動が可能となる。
固定部311は、台座部313よりも上側部分の外周面に雄ねじ部315を有する。雄ねじ部315には固定具330が螺合する。
固定部311は、台座部313よりも下側部分に固定ねじ317用のねじ孔部を有している。これにより、台座310の上下位置が固定される。
【0064】
台座310は、台座部313に載置される台座カバー319を備える。台座カバー319は、例えば、ゴム材料により構成される。これにより、フロアパネル10,20との振動を吸収できる。台座カバー319は、台座部313と同じ方形状をし、その中央に貫通孔321を有する。貫通孔321からは固定部311の上部側が突出する。
【0065】
台座カバー319は、上方へ突出する凸部323を有している。ここでは、凸部323は後述の第2凸部325と区別するため、便宜上、第1凸部323とする。第1凸部323は、フロアパネル10,20の角部の角度に合わせて、複数個設けられている。ここでは、フロアパネル10,20の角部の角度が90度であるため、固定部311の筒軸を中心として、90度の同角度で周方向に4個設けられている。また、台座カバー319は台座部313と同じ方形状をし、第1凸部323は対角線上に設けられている。なお、第1凸部323は、第2板材140,240の貫通孔141aからコーナー部材160の凹部177に進入する。
【0066】
台座カバー319は、複数個の第1凸部323の間に、上方へ突出する凸部325を有している。ここでは、凸部325は第1凸部323と区別するため、便宜上、第2凸部325とする。
第2凸部325は、90度の等角度で設けられている第1凸部323に対して45度の角度となるように設けられている。なお、第2凸部325は、隣接するフロアパネル10,20間の隙間に進入する。
【0067】
(3)固定具
固定具330は、内周に雌ねじ部337を有する筒部331と、筒部331の上端を塞ぎ且つ径方向の外方へ張り出す蓋部333と、蓋部333における周縁から下方に突出する下突出部335とを有している。なお、下突出部335と筒部331との間の環状の溝部339が形成される。
筒部331の外周面は、
図13の(a)に示すように、フロアパネル10,20を固定する際に、フロアパネル10,20のコーナー部材160の中心軸側の欠け部164の内周面169と対向する。筒部331の内周面は、支持脚30の固定部311の上部の雄ねじ部315と螺合する。固定具330の回転(螺合)により、フロアパネル10,20(コーナー部材160)を表側から押圧する。
【0068】
(4)支持状態
(4-1)4つのフロアパネル10,20は、上方から見て、その中心が正方形の頂点となるように配置され、フロアパネル10,20の角部が支持脚30により支持される。この際、フロアパネル10,20は、第1板材120,220側が上側(表側)として支持される。
また、支持脚30により支持された状態で、固定具330により固定される。なお、固定されることで、フロアパネル10,20のガタツキを抑制できる。
【0069】
(4-2)支持脚30の第1凸部323は、
図13の(a)に示すように、フロアパネル10,20の第2板材140,240の貫通孔141aを通り、コーナー部材160の下面176の凹部177に嵌合する。これにより、フロアパネル10,20は支持脚30により位置決め状態で支持される。
また、第1凸部323は、フロアパネル10,20の第2板材140,240の貫通孔141aにも係合するため、フロアパネル10,20に水平方向の負荷が作用しても、コーナー部材160にだけ負荷が作用することはなく、コーナー部材160がフロアパネル10,20から離脱するのを防止できる。
【0070】
(4-3)第2凸部325は、周方向に隣接する第1凸部323の間であってその中央から上方へ突出している。これにより、第2凸部325は、
図13の(b)に示すように、第2凸部325が隣接する2枚のフロアパネル10,20の間に位置することとなる。したがって、支持脚30に支持され且つ隣接するフロアパネル10,20は、第2凸部325により、その隣接方向への移動が規制される。この際、第2凸部325は、コーナー部材160であって上下の第1板材120,220と第2板材140,240とから露出している内側部167の傾斜面領域167bに当接する。コーナー部材160は加工精度が高いため、隣接するフロアパネル10,20の隙間のバラつきを小さくできる。
【0071】
(4-4)固定具330の下突出部335は、
図13の(a)に示すように、フロアパネル10,20を固定した際に、フロアパネル10,20のコーナー部材160の溝部分170内に進入すると共に、固定具330の溝部339に、コーナー部材160の溝部分170の内側の立設壁部分174が進入する。これにより、コーナー部材160と固定具330とが嵌合し、コーナー部材160の水平方向の移動が規制される。
【0072】
(4-5)コーナー部材160は、
図13の(a)に示すように、欠け部164と面する内周面169と凹部177との間に、溝部分170の底面171から本体部161の下面まで連続する内周壁179を有している。このため、コーナー部材160の溝部分170の底面171や立設壁部分174が固定具330により下方に押圧されても、十分な機械的特性を確保できると共に押圧力を下側の第2板材140,240や支持脚30に伝達できる。
また、コーナー部材160の下面は、支持脚30の第1凸部323が嵌合する凹部177以外の領域で、第2板材140,240により被覆されている。
換言すると、第2板材140,240は、固定具330押圧により、コーナー部材160の下面であって被押圧部分となる溝部分170の鉛直下方に位置する領域と、支持脚30の台座310とに接触する。このため、コーナー部材160の溝部分170の底面171や立設壁部分174が、固定具330により下方に押圧されると、コーナー部材160と第2板材140,240とに対して両者の密着性を高める方向の圧縮力が作用し、固定具330からの押圧力を下方の第2板材140,240や支持脚30に伝達しやすくなる。
【0073】
以上、実施形態を説明したが、これらの実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0074】
<変形例>
1.フロアパネル
フロアパネル10,20は、上方から見て、方形状をしているが、例えば、矩形状であってもよいし、正六角形等の正多角形状であってもよい。
【0075】
2.コーナー部材
(1)コーナー部材160は、下面に複数個の凹部177を有しているが、支持脚30側の凸部(第1凸部)323が進入する凹部177を少なくとも1つ有していればよい。
(2)凹部177は、支持脚30側の凸部(第1凸部)323が進入して、フロアパネル10,20の下面が台座310に当接できる深さを有していればよく、コーナー部材160の本体部161の上面付近まで凹入する必要はない。但し、深いほど軽量化を図ることができる。
【0076】
(3)凹部177は、内部に段差部分177aを有しているが、機械的特性を満足できれば、段差部分を有さなくてもよい。
(4)下方から見た凹部177の形状と、上方から見た台座310の凸部(第1凸部)323の形状は、特に限定するものではないが、嵌合状態での凹部と凸部との位置決めを考慮すると、円形状以外の、角をもった形状が好ましい。
【0077】
(5)コーナー部材160は、張出部162に1個のコーナー側嵌合部分163を有していたが、2個以上有してもよい。コーナー側嵌合部分163の断面形状と、パネル板材100,200の凹入部分(角部凹入部分)105のパネル側嵌合部分106の断面形状とは、一致させる必要はないが、位置決めの観点からは一致させた方がよい。
また、コーナー部材160のコーナー側嵌合部分163は凸状をし、パネル板材100,200のパネル側嵌合部分106は凹状をしているが、上下方向の挿抜により嵌合できればよく、両者の凹凸関係が逆であってもよい。
(6)なお、実施形態では、コーナー部材160(カバー部材260)が、ガラス繊維強化プラスチックによって構成されているが、これに限らない。例えば、コーナー部材160(カバー部材260)を炭素繊維強化プラスチックによって構成してもよい。また、繊維を含まない樹脂材によって構成してもよい。さらに、アルミダイキャスト製にしてもよい。
【0078】
3.カバー部材
カバー部材260は、方形状のフロアパネル20を上方から見たときに、一辺に相当する一辺部に1個設けられていたが、一辺部に複数設けられてもよいし、複数の辺部に1個又は複数個設けられてもよい。
カバー部材260の形状は、上方から見たときに、一辺部方向に長い形状をしていたが、方形状、台形状、半円状、半楕円状等であってもよい。
カバー部材260の開口部22の形状は、上方から見たときに、半円状をしていたが、方形状、矩形状、台形状、多角形状の一部が欠いた欠多角形状、半円状、半楕円状であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
X フリーアクセスフロア
10 フロアパネル
20 フロアパネル
30 支持脚
100 パネル板材
120 第1板材
140 第2板材
160 コーナー部材
300 支持ベース
310 台座
330 固定具