IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECプラットフォームズ株式会社の特許一覧

特許7464291無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム
<>
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図1
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図2
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図3
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図4
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図5
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図6
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図7
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図8
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図9
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図10
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図11
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図12
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図13
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図14
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図15
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図16
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図17
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図18
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図19
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図20
  • 特許-無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】無線親機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/22 20090101AFI20240402BHJP
   H04W 8/24 20090101ALI20240402BHJP
【FI】
H04W28/22
H04W8/24
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021204994
(22)【出願日】2021-12-17
(65)【公開番号】P2023090174
(43)【公開日】2023-06-29
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】内山 龍之
【審査官】吉倉 大智
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105263169(CN,A)
【文献】特開2014-154987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線子機を識別するための識別番号および前記無線子機が通信を行う際の通信可能な通信レートを示すサポートレートを前記無線子機から取得する取得部と、
前記サポートレートが所定のサポートレートと同一である場合、前記識別番号を保存して第1の無線子機リストを生成するリスト生成部と、
無線中継機から前記無線中継機が生成した第2の無線子機リストを受信し収集するリスト収集部と、
前記第1の無線子機リストまたは前記第2の無線子機リストの中に、所定の無線子機から取得した前記所定の無線子機を識別するための所定の識別番号が存在するか否かに基づいて、前記所定の無線子機と通信を行う際のベーシックレートを切替えるベーシックレート切替部と、
を備え、
前記ベーシックレートは、通信を行うために必要な制御信号を送信する際の通信レートであり、
前記ベーシックレート切替部は、
前記第1の無線子機リストまたは前記第2の無線子機リストの中に、前記所定の識別番号が存在する場合、前記ベーシックレートを前記所定のサポートレートのうち最も通信レートの低い低通信レートに切替え、
前記第1の無線子機リストまたは前記第2の無線子機リストの中に、前記所定の識別番号が存在しない場合、前記ベーシックレートを前記低通信レート以外の通信レートに切替える、
無線親機。
【請求項2】
前記識別番号は、MACアドレスである、
請求項1に記載の無線親機。
【請求項3】
前記所定のサポートレートは、1Mbps(メガビーピーエス)、2Mbps、5.5Mbpsおよび11Mbpsを含み、
前記低通信レートは、1Mbpsである、
請求項1または2に記載の無線親機。
【請求項4】
前記取得部は、前記無線子機からプローブリクエストを受信し、前記プローブリクエストに含まれる前記サポートレートを取得する、
請求項1から3のいずれか1つに記載の無線親機。
【請求項5】
無線子機を識別するための識別番号および前記無線子機が通信を行う際の通信可能な通信レートを示すサポートレートを前記無線子機から取得する取得部と、
前記サポートレートが所定のサポートレートと同一である場合、前記識別番号を保存して第1の無線子機リストを生成し、および前記無線子機と過去に接続したことのある場合、接続履歴を有りとして保存して第1の無線子機接続履歴リストを生成するリスト生成部と、
無線中継機から前記無線中継機が生成した第2の無線子機リストおよび第2の無線子機接続履歴リストを収集するリスト収集部と、
前記第1の無線子機リストまたは前記第2の無線子機リストの中に、所定の無線子機から取得した前記所定の無線子機を識別するための所定の識別番号が存在するか否か、および、前記第1の無線子機接続履歴リストまたは前記第2の無線子機接続履歴リストの中に、前記所定の無線子機との前記接続履歴が有るか否かに基づいて、前記所定の無線子機と通信を行う際のベーシックレートを切替えるベーシックレート切替部と、
を備え、
前記ベーシックレートは、通信を行うために必要な制御信号を送信する際の通信レートである、
無線親機。
【請求項6】
無線子機を識別するための識別番号および前記無線子機が通信を行う際の通信可能な通信レートを示すサポートレートを前記無線子機から取得することと、
前記サポートレートが所定のサポートレートと同一である場合、前記識別番号を保存して第1の無線子機リストを生成することと、
無線中継機から前記無線中継機が生成した第2の無線子機リストを収集することと、
前記第1の無線子機リストまたは前記第2の無線子機リストの中に、所定の無線子機から取得した前記所定の無線子機を識別するための所定の識別番号が存在するか否かに基づいて、前記所定の無線子機と通信を行う際のベーシックレートであって、通信を行うために必要な制御信号を送信する際の通信レートである前記ベーシックレートを切替えることと、
前記第1の無線子機リストまたは前記第2の無線子機リストの中に、前記所定の識別番号が存在する場合、前記ベーシックレートを前記所定のサポートレートのうち最も通信レートの低い低通信レートに切替えることと、
前記第1の無線子機リストまたは前記第2の無線子機リストの中に、前記所定の識別番号が存在しない場合、前記ベーシックレートを前記低通信レート以外の通信レートに切替えることと、
を備える方法。
【請求項7】
無線子機を識別するための識別番号および前記無線子機が通信を行う際の通信可能な通信レートを示すサポートレートを前記無線子機から取得することと、
前記サポートレートが所定のサポートレートと同一である場合、前記識別番号を保存して第1の無線子機リストを生成することと、
無線中継機から前記無線中継機が生成した第2の無線子機リストを収集することと、
前記第1の無線子機リストまたは前記第2の無線子機リストの中に、所定の無線子機から取得した前記所定の無線子機を識別するための所定の識別番号が存在するか否かに基づいて、前記所定の無線子機と通信を行う際のベーシックレートであって、通信を行うために必要な制御信号を送信する際の通信レートである前記ベーシックレートを切替えることと、
前記第1の無線子機リストまたは前記第2の無線子機リストの中に、前記所定の識別番号が存在する場合、前記ベーシックレートを前記所定のサポートレートのうち最も通信レートの低い低通信レートに切替えることと、
前記第1の無線子機リストまたは前記第2の無線子機リストの中に、前記所定の識別番号が存在しない場合、前記ベーシックレートを前記低通信レート以外の通信レートに切替えることと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線親機、無線中継機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラムに関し、特に、無線子機との接続状況に基づいてベーシックレートを適切に切替えることが可能な無線親機、無線中継機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線LAN(Local Area Network)は、最大11Mbps(メガビーピーエス)の通信速度を持つIEEE 11b規格から最大9.6Gbps(ギガビーピーエス)の通信速度を持つIEEE 11axまで拡張されてきている。これに伴って、使用される無線LANアクセスポイントおよび無線LAN子機は、より通信速度の速い規格に対応した製品に置き換わってきている。しかしながら、2.4GHz帯域を使用する無線LANは、IEEE 11b規格のみに対応した無線LAN子機(例えば、ゲーム機、プリンタ、USBドングルなど)を使用するユーザが存在している。このため、無線LANアクセスポイントは、IEEE 11bのみに対応した無線LAN子機についても接続できるようにサポートする必要があり、ビーコン、マネジメントフレームおよびコントロールフレームを送信する際のベーシックレート(通信レート)を最も低い1Mbpsとしている。
【0003】
しかしながら、ベーシックレート=1Mbpsで送信されたビーコン、マネジメントフレームおよびコントロールフレームは、IEEE 11gに対応したベーシックレート=6Mbpsで送信されるそれらのフレームと比べて、送信時間(Air Time)を多く消費してしまう。このため、特に、無線LANアクセスポイントと無線LAN中継機を使用した無線LANネットワーク(メッシュコントローラおよびメッシュエージェントを使用した無線LANメッシュネットワークなども含む)の2.4GHzの無線LAN通信においては、無線LAN中継機や無線LAN子機が増えれば増える程1Mbpsのフレームが多く発生し、これらのフレームにより送信時間を多く消費し、その結果、データ通信に使用するための送信時間が少なくなり、スループットが低下していた。特に、ビーコンは100ms(ミリセカンド)間隔で送信されるため、無線LAN中継機が増えれば増える程、これらのフレームが送信時間を多く消費していた。
【0004】
そこで、このような問題を解決するために、Web GUI(Graphical User Interface)やコンソールなどの設定画面において、ベーシックレートを1Mbpsまたは6Mbpsに設定することができる無線LANアクセスポイントや無線LAN中継機が開発された。しかしながら、このような無線LANアクセスポイントや無線LAN中継機は、無線LANネットワーク管理者がIEEE 11b対応の無線LAN子機の接続状況を判定し、接続状況に応じて手動でベーシックレートを設定する必要があった。
【0005】
特許文献1には、端末局との通信結果に基づいて周囲にIEEE802.11b規格対応端末局が存在するかどうかを判定する判定手段と、IEEE802.11g規格対応端末局へのデータ送信処理においてCTSフレームを送信するかどうかを判定手段による判定結果に基づいて判断する送信制御手段と、を備える基地局が開示されている。また、特許文献1には、基地局1台と端末局複数台の環境において、CTS-to-selfフレーム送信有無のオーバーヘッド解消によるスループット向上の技術が開示されている。特許文献1には、無線子機(端末局)との接続状況に基づいてベーシックレートを適切に切替えることが可能な無線親機(基地局)については開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-273055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
無線LANアクセスポイントおよび無線LAN中継機を使用した無線LANネットワーク(メッシュコントローラおよびメッシュエージェントを使用した無線LANメッシュネットワークなども含む)の2.4GHzの無線LANにおいては、複数の無線LANアクセスポイントおよび無線LAN中継機が、ビーコンやアソシエーションフレームなどのマネジメントフレーム、およびRTS(Request To Send)/CTS(Clear To Send)などのコントロールフレームをベーシックレートで送信する。複数の無線LANアクセスポイントおよび無線LAN中継機を含む無線LANネットワークは、単体の無線LANアクセスポイントの無線LANネットワークと比べて、マネジメントフレームおよびコントロールフレームの数が多く、これらのフレームを送信するための送信時間(Air Time)を多く消費するため、データ送信に使用ための送信時間を圧迫してデータ通信のスループットが低下してしまうという課題があった。IEEE 11b無線LAN子機を接続するためには、ベーシックレートを1Mbpsとして、マネジメントフレームやコントロールフレームを1Mbpsで送信する必要がある。このため、特に、IEEE 11b無線LAN子機を接続する場合、これらのフレームが多くの送信時間を消費し、データ通信のための送信時間を圧迫するので、データ通信のスループットが大きく低下していた。
【0008】
本開示の目的は、上述した課題を解決する無線親機、無線中継機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る無線親機は、
無線子機を識別するための識別番号および前記無線子機が通信を行う際の通信可能な通信レートを示すサポートレートを前記無線子機から取得する取得部と、
前記サポートレートが所定のサポートレートと同一である場合、前記識別番号を保存して第1の無線子機リストを生成するリスト生成部と、
無線中継機から前記無線中継機が生成した第2の無線子機リストを受信し収集するリスト収集部と、
前記第1の無線子機リストまたは前記第2の無線子機リストの中に、所定の無線子機から取得した前記所定の無線子機を識別するための所定の識別番号が存在するか否かに基づいて、前記所定の無線子機と通信を行う際のベーシックレートを切替えるベーシックレート切替部と、
を備え、
前記ベーシックレートは、通信を行うために必要な制御信号を送信する際の通信レートである。
【0010】
本開示に係る無線中継機は、
無線子機を識別するための識別番号および前記無線子機が通信を行う際の通信可能な通信レートを示すサポートレートを、前記無線子機から取得する取得部と、
前記サポートレートが所定のサポートレートと同一である場合、前記識別番号を保存して第2の無線子機リストを生成するリスト生成部と、
無線親機に前記第2の無線子機リストを送信するリスト送信制御部と、
前記無線親機から、所定の無線子機と通信を行う際のベーシックレートを切替えるためのベーシックレート切替通知を受信した場合、前記ベーシックレート切替通知に基づいて前記ベーシックレートを切替えるベーシックレート切替部と、
を備え、
前記ベーシックレートは、通信を行うために必要な制御信号を送信する際の通信レートである。
【0011】
本開示に係る無線親機の方法は、
無線子機を識別するための識別番号および前記無線子機が通信を行う際の通信可能な通信レートを示すサポートレートを前記無線子機から取得することと、
前記サポートレートが所定のサポートレートと同一である場合、前記識別番号を保存して第1の無線子機リストを生成することと、
無線中継機から前記無線中継機が生成した第2の無線子機リストを収集することと、
前記第1の無線子機リストまたは前記第2の無線子機リストの中に、所定の無線子機から取得した前記所定の無線子機を識別するための所定の識別番号が存在するか否かに基づいて、前記所定の無線子機と通信を行う際のベーシックレートであって、通信を行うために必要な制御信号を送信する際の通信レートである前記ベーシックレートを切替えることと、
を備える。
【0012】
本開示に係る無線親機のプログラムは、
無線子機を識別するための識別番号および前記無線子機が通信を行う際の通信可能な通信レートを示すサポートレートを前記無線子機から取得することと、
前記サポートレートが所定のサポートレートと同一である場合、前記識別番号を保存して第1の無線子機リストを生成することと、
無線中継機から前記無線中継機が生成した第2の無線子機リストを収集することと、
前記第1の無線子機リストまたは前記第2の無線子機リストの中に、所定の無線子機から取得した前記所定の無線子機を識別するための所定の識別番号が存在するか否かに基づいて、前記所定の無線子機と通信を行う際のベーシックレートであって、通信を行うために必要な制御信号を送信する際の通信レートである前記ベーシックレートを切替えることと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、無線子機との接続状況に基づいてベーシックレートを適切に切替えることが可能な無線親機、無線中継機、無線親機の方法、及び無線親機のプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1に係る無線親機を例示するブロック図である。
図2】実施の形態1に係る無線中継機を例示するブロック図である。
図3】実施の形態1に係る無線LANアクセスポイントを例示するブロック図である。
図4】実施の形態1に係る無線LAN中継機を例示するブロック図である。
図5】実施の形態1に係る無線LANネットワークを例示するブロック図である。
図6】実施の形態1に係る無線LANアクセスポイントおよび無線LAN中継機の11b無線LAN子機リスト生成部の動作を例示するフローチャートである。
図7】実施の形態1に係る無線LANアクセスポイントおよび無線LAN中継機の11b無線LAN子機リスト生成部の動作を例示するフローチャートである。
図8】実施の形態1に係る無線LANアクセスポイントの11b無線LAN子機リストを例示するリスト図である。
図9】実施の形態1に係る無線LAN中継機の11b無線LAN子機リストを例示するリスト図である。
図10】実施の形態1に係る無線LAN中継機のリスト生成部の動作を例示するフローチャートである。
図11】実施の形態1に係る無線LANアクセスポイントのリスト生成部の動作を例示するフローチャートである。
図12】実施の形態1に係る無線LANアクセスポイントのベーシックレート切替部の動作を例示するフローチャートである。
図13】実施の形態1に係る無線LAN中継機のベーシックレート切替部の動作を例示するフローチャートである。
図14】ベーシックレートと送信フレームの構成を例示する模式図である。
図15】実施の形態2に係る無線LANアクセスポイントの11b無線LAN子機接続履歴リストを例示するリスト図である。
図16】実施の形態2に係る無線LAN中継機の11b無線LAN子機接続履歴リストを例示するリスト図である。
図17】実施の形態2に係る11b無線LAN子機リストおよび11b無線LAN子機接続履歴リストが生成される動作を例示するフローチャートである。
図18】実施の形態2に係る11b無線LAN子機リストおよび11b無線LAN子機接続履歴リストに更新が発生した場合の動作を例示するフローチャートである。
図19】無線LANアクセスポイントの11b無線LAN子機リスト収集部の動作を例示するフローチャートである。
図20】実施の形態2に係る無線LANアクセスポイントのベーシックレート切替部の動作を例示するフローチャートである。
図21】実施の形態2に係る無線LAN中継機のベーシックレート切替部の動作を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明を省略する。
【0016】
[実施の形態1]
<概要>
図1は、実施の形態1に係る無線親機を例示するブロック図である。
図1は、実施の形態1に係る無線親機の最小構成を示す。
【0017】
図1に示すように、実施の形態1に係る無線親機11は、取得部111と、リスト生成部112と、リスト収集部113と、ベーシックレート切替部114と、を備える。
【0018】
取得部111は、無線子機31を識別するための識別番号および無線子機31が通信を行う際の通信可能な通信レートを示すサポートレートを無線子機31から取得する。識別番号は、例えば、MACアドレスである。
【0019】
リスト生成部112は、サポートレートが所定のサポートレートと同一である場合、識別番号を保存して第1の無線子機リストを生成する。所定のサポートレートは、例えば、1Mbps(メガビーピーエス)、2Mbps、5.5Mbpsおよび11Mbpsを含む通信レートを示す。リスト生成部112は、予め、所定のサポートレートに対応する所定の無線子機31pの識別番号を保存して第1の無線子機リストを生成してもよい。
【0020】
リスト収集部113は、無線中継機21から無線中継機21が生成した第2の無線子機リストを受信し収集する。無線中継機21は、無線子機31を識別するための識別番号および無線子機31が通信を行う際の通信可能な通信レートを示すサポートレートを無線子機31から取得し、当該サポートレートが所定のサポートレートと同一である場合、識別番号を保存して第2の無線子機リストを生成する。
【0021】
ベーシックレート切替部114は、第1の無線子機リストまたは第2の無線子機リストの中に、所定の無線子機31pから取得した所定の無線子機31pを識別するための所定の識別番号が存在するか否かに基づいて、所定の無線子機31pと通信を行う際のベーシックレートを切替える。
【0022】
具体的には、ベーシックレート切替部114は、第1の無線子機リストまたは第2の無線子機リストの中に、所定の識別番号が存在する場合、無線子機31は所定の無線子機31pであると判定する。そして、ベーシックレート切替部114は、ベーシックレートを所定のサポートレートのうち最も通信レートの低い低通信レートに切替える。低通信レートは、例えば、1Mbpsである。
【0023】
また、ベーシックレート切替部114は、第1の無線子機リストまたは第2の無線子機リストの中に、所定の識別番号が存在しない場合、無線子機31は所定の無線子機31pではないと判定する。そして、ベーシックレート切替部114は、ベーシックレートを低通信レート以外の通信レートに切替える。低通信レート以外の通信レートは、例えば、6Mbpsである。
【0024】
また、無線親機11は、無線中継機21が無線子機31または所定の無線子機31pと通信を行う際のベーシックレートを切替えるためのベーシックレート切替通知を無線中継機21に送信する。
【0025】
なお、ベーシックレートは、通信を行うために必要な制御信号を送信する際の通信レートである。通信を行うために必要な制御信号は、例えば、ビーコン、マネジメントフレームおよびコントロールフレームを用いて送信される。第1の無線子機リストおよび第2の無線子機リストのことを、単に、無線子機リストと称することもある。
【0026】
実施の形態1に係る無線親機11は、生成された無線子機リストの中に、通信を行おうとする所定の無線子機31pを示す所定の識別番号が存在する場合、ベーシックレートを低通信レート(1Mbps)に切替えて通信する。これにより、無線子機31との接続状況、すなわち、接続(通信)する無線子機31が所定の無線子機31pであるか否かに基づいてベーシックレートを適切に切替えることが可能な無線親機11を提供することができる。
【0027】
その結果、無線親機11と所定の無線子機31pとが接続しない場合には、ベーシックレートを、例えば、6Mbpsに設定して制御信号の送信時間を少なくし、データの送信時間を多くすることができる。このため、データ通信のスループットを向上させる(改善する)ことができる。
【0028】
図2は、実施の形態1に係る無線中継機を例示するブロック図である。
図2は、実施の形態1に係る無線中継機の最小構成を示す。
【0029】
図2に示すように、実施の形態1に係る無線中継機21は、無線親機11と比べて、リスト収集部が無く、リスト送信制御部が追加されている点が異なる。無線中継機21は、取得部211と、リスト生成部212と、リスト送信制御部215と、ベーシックレート切替部214と、を備える。
【0030】
取得部211は、無線子機31を識別するための識別番号および無線子機31が通信を行う際の通信可能な通信レートを示すサポートレートを、無線子機31から取得する。
【0031】
リスト生成部212は、サポートレートが所定のサポートレートと同一である場合、識別番号を保存して第2の無線子機リストを生成する。リスト生成部212は、予め、所定のサポートレートに対応する所定の無線子機31pの識別番号を保存して第2の無線子機リストを生成してもよい。
【0032】
リスト送信制御部215は、無線親機11に第2の無線子機リストを送信する。
【0033】
ベーシックレート切替部214は、無線親機11から、所定の無線子機31pと通信を行う際のベーシックレートを切替えるためのベーシックレート切替通知を受信した場合、ベーシックレート切替通知に基づいてベーシックレートを切替える。具体的には、ベーシックレート切替部214は、ベーシックレート切替通知に含まれる通信レートになるようにベーシックレートを切替える。
【0034】
一方、無線親機11は、生成された無線子機リストの中に、通信を行おうとする所定の無線子機31pを示す所定の識別番号が存在する場合、ベーシックレートを低通信レート(1Mbps)に切替えるとともに、ベーシックレート切替通知を無線中継機21に通知する。
【0035】
実施の形態1に係る無線中継機21は、無線親機11から、ベーシックレート切替通知を受信した場合、ベーシックレート切替通知に含まれる通信レート、例えば、1Mbpsになるようにベーシックレートを切替える。これにより、無線子機31との接続状況、すなわち、接続(通信)する無線子機31が所定の無線子機31pであるか否かに基づいてベーシックレートを適切に切替えることが可能な無線中継機21を提供することができる。
【0036】
その結果、無線中継機21と所定の無線子機31pとが接続しない場合には、ベーシックレートを、例えば、6Mbpsに設定して制御信号の送信時間を少なくし、データの送信時間を多くすることができる。このため、データ通信のスループットを向上させる(改善する)ことができる。
【0037】
<詳細>
以下では、無線親機として無線LANアクセスポイントを例に挙げ、無線中継機として無線LAN中継機を例に挙げて説明する。また、無線子機として無線LAN子機を例に挙げ、所定の無線子機として11b無線LAN子機を例に挙げて説明する。また、所定のサポートレートとして、1Mbps、2Mbps、5.5Mbpsおよび11Mbpsの4つの通信レートを例に挙げて説明する。
【0038】
<無線LANアクセスポイント>
図3は、実施の形態1に係る無線LANアクセスポイントを例示するブロック図である。
図3は、実施の形態1に係る無線LANアクセスポイントの詳細な構成を示す。
【0039】
図3に示すように、無線LANアクセスポイント11は、5GHzと2.4GHzのデュアルバンドの無線LANアクセスポイントである。無線LANアクセスポイント11は、CPU110と、5GHz無線LAN制御部120と、2.4GHz無線LAN制御部130と、有線WAN/LAN制御部140と、ROM150と、RAM160と、を備える。CPU110と、5GHz無線LAN制御部120と、2.4GHz無線LAN制御部130と、有線WAN/LAN制御部140と、ROM150と、RAM160とは、それぞれバスにより接続されている。
【0040】
CPU110は、ROM150に格納されたファームウェアなどのプログラムをRAM160に展開して実行することにより無線LANアクセスポイント11の動作全般を実行する。CPU110は、有線WAN/LAN制御部140からの通信パケット、5GHz無線LAN制御部120からの通信パケットおよび2.4GHz無線LAN制御部130からの通信パケットをそれぞれブリッジする。また、CPU110は、ROM150に格納された当該プログラムを実行することにより、無線LAN制御部110aとしても機能する。
【0041】
5GHz無線LAN制御部120は、5GHz MAC(Medium Access Control)/BB(Baseband)121と、5GHz PA(Power Amplifier)122と、5GHz LNA(Low Noise Amplifier)123と、5GHzアンテナスイッチ124(送受信切り替えスイッチ)と、5GHzアンテナ125と、を有する。無線LAN制御部110aは、これらの部位を制御して、インフラストラクチャーモード(無線LANアクセスポイント-無線LAN子機間通信モード)の親機として5GHzによる無線LAN通信動作を行う。
【0042】
2.4GHz無線LAN制御部130は、2.4GHz MAC(Medium Access Control)/BB(Baseband)131と、2.4GHz PA(Power Amplifier)132と、2.4GHz LNA(Low Noise Amplifier)133と、2.4GHzアンテナスイッチ134(送受信切り替えスイッチ)と、2.4GHzアンテナ135と、を有する。無線LAN制御部110aは、これらの部位を制御して、インフラストラクチャーモード(無線LANアクセスポイント-無線LAN子機間通信モード)の親機として2.4GHzによる無線LAN通信動作を行う。
【0043】
無線LAN制御部110aは、無線LAN子機31との2.4GHz無線LAN通信での通信動作および5GHz無線LAN通信での通信動作を行う他に、無線LAN中継機21との通信動作を5GHz無線LAN通信で行う機能を有する。
【0044】
また、無線LAN制御部110aは、取得部111と、11b無線LAN子機リスト生成部112と、11b無線LAN子機リスト収集部113と、ベーシックレート切替部114と、を含む。図3に示す11b無線LAN子機リスト生成部は、図1に示すリスト生成部に相当し、図3に示す11b無線LAN子機リスト収集部は、図1に示すリスト収集部に相当する。
【0045】
11b無線LAN子機リスト生成部112は、無線LANアクセスポイント11の2.4GHzに接続している11b無線LAN子機31pのリストをRAM160に生成する機能を有する。11b無線LAN子機を、所定の無線子機と称することもある。
【0046】
11b無線LAN子機リスト収集部113は、無線LANアクセスポイント11と接続された無線LAN中継機21から送信されてくる無線LAN中継機21の2.4GHzに接続している11b無線LAN子機リストを受信し、RAM160に保存する機能を有する。
【0047】
ベーシックレート切替部114は、RAM160に保存されている無線LANアクセスポイント11の11b無線LAN子機リストおよび無線LAN中継機21の11b無線LAN子機リストを参照する。ベーシックレート切替部114は、これらの子機リストを参照した結果、子機リストの中に、無線LANで接続している無線LAN子機31が11b無線LAN子機31pとして存在する場合は、ベーシックレートを低通信レートである1Mbpsへ切り替え、子機リストの中に11b無線LAN子機31pとして存在しない場合は、ベーシックレートを6Mbpsへ切替える機能を有する。なお、ベーシックレートとは、マネジメントフレームおよびコントロールフレームを送信する際の通信レートのことである。
【0048】
また、無線LANアクセスポイント11は、ベーシックレートを切り替えた場合は、ベーシックレート切替通知を無線LAN中継機21へ送信する機能も有する。ベーシックレート切替通知の送受信は、無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21を接続する5GHz無線LAN通信によって行われる。
【0049】
さらに、無線LANアクセスポイント11は、無線LAN子機31が送信するプローブリクエストを受信した場合、プローブリクエストに含まれるサポートレートを取得し、その無線LAN子機31が11b無線LAN子機31pであるか否かを判定する。具体的には、無線LAN子機31のMACアドレスが子機リストの中に存在するか否により、無線LAN子機31が11b無線LAN子機31pであるか否かを判定する。無線LANアクセスポイント11は、、その無線LAN子機31が11b無線LAN子機31pである場合は、ベーシックレートを1Mpbsへ切替える機能も有する。
【0050】
さらに、無線LANアクセスポイント11は、無線LAN中継機21から送信されてくる11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知を受信し、ベーシックレートを1Mbpsへ切替える機能を有する。
【0051】
有線WAN/LAN制御部140は、L2SW(Layer 2 switch)141と、WANポート142と、LANポート143と、を有する。WANポート142およびLANポート143は、有線LAN接続用のポートである。
【0052】
<無線LAN中継機>
図4は、実施の形態1に係る無線LAN中継機を例示するブロック図である。
図4は、実施の形態1に係る無線LAN中継機の詳細な構成を示す。
【0053】
図4に示すように、無線LAN中継機21は、5GHzと2.4GHzのデュアルバンドの無線LAN中継機である。無線LAN中継機21は、CPU210と、5GHz無線LAN制御部220と、2.4GHz無線LAN制御部230と、有線LAN制御部240と、ROM250と、RAM260と、を備える。CPU210と、5GHz無線LAN制御部220と、2.4GHz無線LAN制御部230と、有線LAN制御部240と、ROM250と、RAM260とは、それぞれバスにより接続されている。
【0054】
CPU210は、ROM250に格納されたファームウェアなどのプログラムをRAM260に展開して実行することにより無線LAN中継機21の動作全般を実行する。CPU210は、有線LAN制御部240からの通信パケット、5GHz無線LAN制御部220からの通信パケットおよび2.4GHz無線LAN制御部230からの通信パケットをそれぞれブリッジする。また、CPU210は、ROM250に格納された当該プログラムを実行することにより、無線LAN制御部210aとしても機能する。
【0055】
5GHz無線LAN制御部220は、5GHz MAC(Medium Access Control)/BB(Baseband)221と、5GHz PA(Power Amplifier)222と、5GHz LNA(Low Noise Amplifier)223と、5GHzアンテナスイッチ224(送受信切り替えスイッチ)と、5GHzアンテナ225と、を有する。無線LAN制御部210aは、これらの部位を制御して、インフラストラクチャーモード(無線LANアクセスポイント-無線LAN子機間通信モード)の子機として5GHzによる無線LAN通信動作を行う。この場合、無線LANアクセスポイント11が親機となり、無線LAN中継機が子機となる。
【0056】
2.4GHz無線LAN制御部230は、2.4GHz MAC(Medium Access Control)/BB(Baseband)231と、2.4GHz PA(Power Amplifier)232と、2.4GHz LNA(Low Noise Amplifier)233と、2.4GHzアンテナスイッチ234(送受信切り替えスイッチ)と、2.4GHzアンテナ235と、有する。無線LAN制御部210aは、これらの部位を制御して、インフラストラクチャーモード(無線LANアクセスポイント-無線LAN子機間通信モード)の親機として2.4GHzによる無線LAN通信動作を行う。
【0057】
無線LAN制御部210aは、無線LAN子機31との2.4GHz無線LAN通信の動作および5GHz無線LAN通信の動作を行う他に、無線LANアクセスポイント11との通信を5GHz無線LAN通信にて行う機能を有する。
【0058】
また、無線LAN制御部210aは、取得部211と、11b無線LAN子機リスト生成部212と、ベーシックレート切替部214と、リスト送信制御部215と、を含む。図4に示す11b無線LAN子機リスト生成部は、図2に示すリスト生成部に相当し、図4に示す11b無線LAN子機リスト収集部は、図2に示すリスト収集部に相当する。
【0059】
11b無線LAN子機リスト生成部212は、無線LAN中継機21の2.4GHzに接続している11b無線LAN子機31pのリストをRAM260に生成する機能を有する。
【0060】
リスト送信制御部215は、11b無線LAN子機リストが生成または更新された場合、11b無線LAN子機リストを無線LANアクセスポイント11へ送信する機能を有する。11b無線LAN子機リストの送受信は、無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21を接続する5GHz無線LAN通信によって行われる。
【0061】
ベーシックレート切替部214は、無線LANアクセスポイント11からベーシックレート切替通知を受信した場合、ベーシックレート切替通知に含まれる通信レートになるようにベーシックレートを切替える機能を有する。ベーシックレート切替通知の送受信は、無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21を接続する5GHz無線LAN通信によって行われる。
【0062】
また、無線LAN中継機21は、無線LAN子機31が送信するプローブリクエストを受信した場合、プローブリクエストに含まれるサポートレートを取得し、その無線LAN子機31が11b無線LAN子機31pであるか否かを判定する。具体的には、無線LAN子機31のMACアドレスが子機リストの中に存在するか否により、無線LAN子機31が11b無線LAN子機31pであるか否かを判定する。無線LAN中継機21は、その無線LAN子機31が11b無線LAN子機31pである場合は、11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知を無線LANアクセスポイント11へ送信する機能も有する。
【0063】
11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知の送受信は、無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21を接続する5GHz無線LAN通信によって行われる。
【0064】
有線LAN制御部240は、L2SW(Layer 2 switch)241と、LAN1ポート242と、LAN2ポート243と、を有する。LAN1ポート242およびLAN2ポート243は、有線LAN接続用のポートである。
【0065】
<無線LANネットワーク>
図5は、実施の形態1に係る無線LANネットワークを例示するブロック図である。
図5は、無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21を使用した無線LANネットワーク10の構成を示す。
【0066】
図5に示すように、無線LANアクセスポイント11のWANポート(図5では図示ぜず)は、ブロードバンドモデムまたはONU(Optical NetWork Unit)などに接続されてインターネットと繋がっている。
【0067】
無線LAN子機31a(図5では、無線子機内蔵ノートPCとして示す)および無線LAN子機31c(図5では、無線LAN子機内蔵ゲーム機として示す)は、無線LANアクセスポイント11と2.4GHz無線LANで接続されており、無線LAN子機31aおよび無線LAN子機31cは、インターネットにアクセスすることができる。
【0068】
無線LAN中継機21は、無線LANアクセスポイント11と5GHz無線LAN通信で接続されており(図5では、無線LANアクセスポイント11が親機であり、無線LAN中継機21が子機となる)、無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21は、5GHz無線LAN通信で通信することができる。よって、無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21は、5GHz無線LAN通信にて各種通知の送受信を行うことができる。
【0069】
無線LAN子機31b(図5では、無線LAN子機内蔵スマートフォンとして示す)は、無線LAN中継機21と2.4GHz無線LANで接続されており、無線LAN子機31bは、無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21の5GHz無線LAN通信を経由してインターネットにアクセスすることができる。
【0070】
無線LAN中継機21は、2.4GHz無線LANにより無線LANアクセスポイント11と同じSSID(Service Set Identifier)のビーコンを発信することにより、たとえば無線LAN子機31cが無線LAN中継機21に近づいた場合、無線LAN子機31cは、無線LANアクセスポイント11から無線LAN中継機21へ接続を切替えることができる。無線LAN子機31cが、無線LANアクセスポイント11から無線LAN中継機21へ接続を切り換えても、無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21は5GHz無線LANで接続されているため、無線LAN子機31cは無線LAN中継機21、無線LANアクセスポイント11を経由してインターネットへアクセスすることができる。また、逆に、無線LAN子機31cが無線LANアクセスポイント11に近づいた場合、無線LAN中継機21から無線LANアクセスポイント11へ接続を切替えることができる。他の無線LAN子機31aおよび31bについても同様である。
【0071】
なお、無線LANアクセスポイント11の通信可能範囲(電波到達範囲)11cを点線で示し、無線LAN中継機21の通信可能範囲(電波到達範囲)21cを点線で示す。
【0072】
<動作>
図6は、実施の形態1に係る無線LANアクセスポイントおよび無線LAN中継機の11b無線LAN子機リスト生成部の動作を例示するフローチャートである。
図7は、実施の形態1に係る無線LANアクセスポイントおよび無線LAN中継機の11b無線LAN子機リスト生成部の動作を例示するフローチャートである。
無線LANアクセスポイント11の11b無線LAN子機リスト生成部112と無線LAN中継機21の11b無線LAN子機リスト生成部212の動作は同じである。
【0073】
図8は、実施の形態1に係る無線LANアクセスポイントの11b無線LAN子機リストを例示するリスト図である。
図9は、実施の形態1に係る無線LAN中継機の11b無線LAN子機リストを例示するリスト図である。
【0074】
図8に示す子機リストは、無線LANアクセスポイント11と2.4GHzで接続されている11b無線LAN子機31pのリストを示し、このリストを11b無線LAN子機リストAと称する。11b無線LAN子機リストAは、11b無線LAN子機リスト生成部112がRAM160に生成するテーブルであり、順番に割り振られる無線LAN子機番号および無線LAN子機のMACアドレスという2つの項目を有する。
【0075】
図9に示す子機リストは、無線LAN中継機21と2.4GHzで接続されている11b無線LAN子機31pのリストを示し、このリストを11b無線LAN子機リストBと称する。11b無線LAN子機リストBは、11b無線LAN子機リスト生成部212がRAM260に生成するテーブルであり、順番に割り振られる無線LAN子機番号および無線LAN子機のMACアドレスという2つの項目を有する。
【0076】
<無線LANアクセスポイントの動作>
<登録動作>
無線LANアクセスポイント11へ2.4GHzで無線LAN子機31が接続する場合に、その無線LAN子機31を図8に示した11b無線LAN子機リストAへ登録する動作を、図6を用いて説明する。
【0077】
無線LAN制御部110aは、無線LANアクセスポイント11と無線LAN子機31が2.4GHzで接続するための一般的な接続手順(アソシエーションリクエスト、アソシエーションレスポンスのやりとりなど)の処理を行う(図示せず)。
【0078】
図6に示すように、11b無線LAN子機リスト生成部112は、ステップS101では、無線LAN子機31からのアソシエーションリクエストを受信したか否かを判定する。アソシエーションリクエストを受信した場合は(ステップS101:Yes)、ステップS102へ処理を移行する。アソシエーションリクエストを受信していない場合は(ステップS101:Nо)、ステップS101にてアソシエーションリクエストを待ち受ける。
【0079】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS102では、受信したアソシエーションリクエストのソースアドレスから無線LAN子機31のMACアドレスおよびSupported RateエレメントからSupported Rateを取得する。MACアドレスは、無線LAN子機31の識別番号の1つの例である。Supported Rateをサポートレートと称し、無線LAN子機を無線子機と称することもある。
【0080】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS103では、ステップS102で取得したSupported Rateが1Mbps、2Mbps、5.5Mbpsおよび11Mbpsの4つのみであるかを判定する。Supported Rateがこれら4つの通信レートのみであった場合は(ステップS103:Yes)、アソシエーションリクエストを送信してきた無線LAN子機31を11b無線LAN子機31pと判定し、ステップS104へ処理を移行する。Supported Rateにこれら4つ以外の通信レートが存在する場合は(ステップS103:Nо)、11b無線LAN子機31pではないと判定し、ステップS101へ処理を移行する。1Mbps、2Mbps、5.5Mbpsおよび11Mbpsの4つの通信レートは、所定のサポートレートの1つの例である。
【0081】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS104では、ステップS102で取得したMACアドレスが図8に示した11b無線LAN子機リストAに存在するか否かを判定する。存在する場合は(ステップS104:Yes)、既に11b無線LAN子機リストAに登録済みであり登録する必要がないので、ステップS101へ処理を移行する。存在しない場合は(ステップS104:Nо)、ステップS105へ処理を移行する。11b無線LAN子機リストAを第1の無線子機リストと称することもある。
【0082】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS105では、無線LAN子機31へアソシエーションレスポンスを送信したか否かを判定する。アソシエーションレスポンスを送信しなかった場合は(ステップS105:Nо)、無線LAN子機31の接続を拒否したと判定し、ステップS101へ処理を移行する。アソシエーションレスポンスを送信した場合は(ステップS101:Yes)、無線LAN子機31の接続が完了したと判定し、ステップS106へ処理を移行する。
【0083】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS106では、無線LAN子機番号とステップS102で取得したMACアドレスを図8に示した11b無線LAN子機リストAへ登録(保存)し、その後、ステップS101へ処理を移行する。
【0084】
<解除動作>
次に、無線LANアクセスポイント11から11b無線LAN子機31pが接続解除された場合に、その11b無線LAN子機31pを図8に示した11b無線LAN子機リストAから削除する動作を、図7を用いて説明する。
【0085】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS201では、図8に示す11b無線LAN子機リストAの無線LAN子機番号1のMACアドレスを持つ11b無線LAN子機へnullデータパケットを送信する。
【0086】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS202では、ステップS201で送信したnullデータパケットのディスティネーションアドレスから11b無線LAN子機のMACアドレスを取得する。
【0087】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS203では、送信したnullデータパケットに対するAckを受信したか否かを判定する。Ackを受信した場合は(ステップS203:Yes)、nullデータパケットを送信された11b無線LAN子機31pは、無線LANアクセスポイント11と2.4GHzで接続が継続されていると判定し、ステップS205へ処理を移行する。Ackを受信しなかった場合は(ステップS203:Nо)、nullデータパケットを送信された11b無線LAN子機31pは、無線LANアクセスポイント11と2.4GHzで接続解除されていると判定し、ステップS204へ処理を移行する。
【0088】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS204では、ステップS202で取得したMACアドレスをもとに図8に示す11b無線LAN子機リストAから当該のMACアドレスおよび無線LAN子機番号を削除する。
【0089】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS205では、図8に示した11b無線LAN子機リストAに登録されたすべての11b無線LAN子機31pへnullデータパケットを送信したか否かを判定する。すべての11b無線LAN子機31pへnullデータパケット送信が完了していれば(ステップS205:Yes)、ステップS206へ処理を移行する。すべての11b無線LAN子機31pへnullデータパケット送信が完了していなければ(ステップS205:Nо)、ステップS207へ処理を移行する。
【0090】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS206では、タイマーの時間処理待ちし(たとえば、5分)、その後、ステップS201へ処理を移行する。
【0091】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS207では、図8に示した11b無線LAN子機リストAの無線LAN子機番号2のMACアドレスを持つ11b無線LAN子機31pへnullデータパケットを送信し、その後、ステップS202へ処理を移行し、ステップS202からステップS207の処理を、図8に示した11b無線LAN子機リストAに登録されたすべての11b無線LAN子機31pへnullデータパケットを送信完了するまで繰り返す。
【0092】
上記した図6および図7の動作により、無線LANアクセスポイント11の11b無線LAN子機リスト生成部112は、2.4GHzで接続された11b無線LAN子機31pについて、図8で示した11b無線LAN子機リストAをRAM160に生成することができる。
【0093】
<無線LAN中継機の動作>
<リスト送信動作>
上記した図6および図7の動作についての処理の流れは、無線LAN中継機21の11b無線LAN子機リスト生成部212についても同様の処理により、図9で示した11b無線LAN子機リストBをRAM260に生成することができる。11b無線LAN子機リストBを第2の無線子機リストと称することもある。
【0094】
また、無線LAN中継機21の11b無線LAN子機リスト生成部212は、図6および図7の動作に加えて図10に示す動作も行うため、この動作について説明する。
【0095】
図10は、実施の形態1に係る無線LAN中継機のリスト生成部の動作を例示するフローチャートである。
図10は、無線LAN中継機21の11b無線LAN子機リスト生成部212において、11b無線LAN子機リストBに更新が発生した場合の処理の流れを示したものである。
【0096】
図10に示すように、無線LAN中継機21は、ステップS301では、図9に示した11b無線LAN子機リストBに11b無線LAN子機31pが追加または削除の更新が発生したか否かを判定する。更新が発生した場合は(ステップS301:Yes)、ステップS302へ処理を移行する。
【0097】
無線LAN中継機21は、ステップS302では、更新された11b無線LAN子機リストBを無線LANアクセスポイント11へ5GHz無線LAN通信により送信し、ステップS301へ処理を移行する。
【0098】
以上の図10の動作により、無線LAN中継機21の11b無線LAN子機リスト生成部212は、無線LANアクセスポイント11へ5GHz無線LAN通信により図9で示した11b無線LAN子機リストBを送信する。
【0099】
<無線LANアクセスポイントの動作>
<リスト受信動作>
図11は、実施の形態1に係る無線LANアクセスポイントのリスト生成部の動作を例示するフローチャートである。
図11は、無線LANアクセスポイント11の11b無線LAN子機リスト収集部113の動作について処理の流れを示したものである。
【0100】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS401では、無線LAN中継機21から送信されてくる図9に示した11b無線LAN子機リストBを受信したか否かを判定する。11b無線LAN子機リストBを受信した場合は(ステップS401:Yes)、ステップS402へ処理を移行する。
【0101】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS402では、受信した11b無線LAN子機リストBをRAM160に保存し、ステップS401処理を移行する。RAM160内に既に11b無線LAN子機リストBが存在する場合は、リストを上書き処理する。
【0102】
以上の図11の動作により、無線LANアクセスポイント11は、RAM160内に無線LAN中継機21の11b無線LAN子機リストBについても生成することができる。
【0103】
<無線LANアクセスポイントの動作>
<ベーシックレート切替動作1>
図12は、実施の形態1に係る無線LANアクセスポイントのベーシックレート切替部の動作を例示するフローチャートである。
図12は、無線LANアクセスポイント11のベーシックレート切替部114の動作について処理の流れを示している。この動作について説明する。
【0104】
無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21の2.4GHz無線LANに11b無線LAN子機31pが接続していない場合について、ベーシックレートを1Mbpsから6Mbpsへ切替える動作を説明する。
【0105】
図12に示すように、無線LANアクセスポイント11は、ステップS501では、ベーシックレートを1Mbpsに設定する。
【0106】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS502では、無線LAN子機31からのプローブリクエストを受信したか否かを判定する。プローブリクエストを受信した場合は(ステップS502:Yes)、ステップS509へ処理を移行する。ここでは、プローブリクエストを受信していないものとし(ステップS502:Nо)、ステップS503へ処理を移行する。
【0107】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS503では、無線LAN中継機21から11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知を受信したか否かを判定する。11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知を受信した場合は(ステップS503:Yes)、ステップS511へ処理を移行する。ここでは、11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知を受信していないものとし(ステップS503:Nо)、ステップS504へ処理を移行する。
【0108】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS504では、RAM160に生成された11b無線LAN子機リストAと11b無線LAN子機リストBを参照し、11b無線LAN子機31pが登録されているか否かを判定する。11b無線LAN子機31pが登録されている場合は(ステップS504:Yes)、ステップS511へ処理を移行する。ここでは、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21の2.4GHz無線LANに11b無線LAN子機31pが接続していない場合(ステップS504:Nо)であるため、11b無線LAN子機リストAおよび11b無線LAN子機リストBに11b無線LAN子機は登録されておらず、ステップS505へ処理を移行する。
【0109】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS505では、ベーシックレートが1Mbpsであるか否かを判定する。ステップS501でベーシックレートは1Mbpsに設定されているため、ステップS506へ処理を移行する。
【0110】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS506では、ベーシックレートを6Mbpsに切り替え、次にステップS507では、ベーシックレート6Mbps切替通知を無線LAN中継機21へ5GHz無線LAN通信により送信する。
【0111】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS508では、タイマーの時間処理待ちし(たとえば、3分とする)、ステップS508の後、ステップS502へ処理を移行する。
【0112】
<無線LAN中継機の動作>
<ベーシックレート切替動作1>
図13は、実施の形態1に係る無線LAN中継機のベーシックレート切替部の動作を例示するフローチャートである。
図13は、無線LAN中継機21のベーシックレート切替部214の動作について処理の流れを示している。この動作について説明する。
【0113】
図13に示すように、無線LAN中継機21は、ステップS601では、ベーシックレートを1Mbpsに設定する。
【0114】
無線LAN中継機21は、ステップS602では、無線LAN子機31からのプローブリクエストを受信したか否かを判定する。プローブリクエストを受信した場合は(ステップS602:Yes)、ステップS606へ処理を移行する。ここでは、プローブリクエストを受信していないものとし(ステップS602:Nо)、ステップS603へ処理を移行する。
【0115】
無線LAN中継機21は、ステップS603では、無線LANアクセスポイント11からベーシックレート切替通知を受信したか否かを判定する。ベーシックレート切替通知を受信していなければ(ステップS603:Nо)、ステップS602へ処理を移行する。ここでは、図12のステップS507にて無線LANアクセスポイント11はベーシックレート6Mbps切替通知を無線LAN中継機21へ送信しているため、この通知を受信したと判定し(ステップS603:Yes)、ステップS604へ処理を移行する。
【0116】
無線LAN中継機21は、ステップS604では、受信したベーシックレート切替通知の値へベーシックレートを切替える、ここでは、ベーシックレート6Mbps切替通知を受信しているのでベーシックレートを6Mbpsへ切替える。
【0117】
無線LAN中継機21は、ステップS605では、タイマーの時間処理待ちし(たとえば、3分とする)、ステップS605の後、ステップS602へ処理を移行する。
【0118】
以上の動作により、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21の2.4GHz無線LANに11b無線LAN子機31pが接続していない場合は、ベーシックレートを1Mbpsから6Mbpsに切替えることができる。
【0119】
<無線LANアクセスポイントの動作>
<ベーシックレート切替動作2>
無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21の2.4GHz無線LANに11b無線LAN子機31pが接続している場合について、ベーシックレートを6Mbpsから1Mbpsへ切替える動作を説明する。
【0120】
ベーシックレートはすでに6Mbpsに切り替わっているものとし、図12において、無線LANアクセスポイント11は、ステップS502では、無線LAN子機31pからのプローブリクエストを受信したか否かを判定する。プローブリクエストを受信した場合は(ステップS502:Yes)、ステップS509へ処理を移行する。ここでは、プローブリクエストを受信していないものとし(ステップS502:Nо)、ステップS503へ処理を移行する。
【0121】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS503では、無線LAN中継機21から11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知を受信したか否かを判定する。11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知を受信した場合は(ステップS503:Yes)、ステップS511へ処理を移行する。ここでは、11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知を受信していないものとし(ステップS503:Nо)、ステップS504へ処理を移行する。
【0122】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS504では、RAM160に生成された11b無線LAN子機リストAと11b無線LAN子機リストBを参照し、11b無線LAN子機31pが登録されているか否かを判定する。ここでは、無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21の2.4GHz無線LANのどちらか一方に11b無線LAN子機31pが接続している、あるいは無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21の2.4GHz無線LANの両方に接続している場合である。このため、無線LANアクセスポイント11は、11b無線LAN子機リストAまたは11b無線LAN子機リストBのどちらか一方、または、11b無線LAN子機リストAおよび11b無線LAN子機リストBの両方に11b無線LAN子機は登録されているので、ステップS511へ処理を移行する。
【0123】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS511では、ベーシックレートが6Mbpsであるか否かを判定する。この場合、ベーシックレートは6Mbpsに切り替わっているため(ステップS511:Yes)、ステップS512へ処理を移行する。ベーシックレートが1Mbpsの場合は(ステップS511:Nо)、ステップS502へ処理を移行する。
【0124】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS512では、ベーシックレートを1Mbpsに切り替え、ステップS513では、ベーシックレート1Mbps切替通知を無線LAN中継機21へ5GHz無線LAN通信により送信する。
【0125】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS514では、タイマーの時間処理待ちし(たとえば、3分とする)、ステップS514の後、ステップS502へ処理を移行する。
【0126】
<無線LAN中継機の動作>
<ベーシックレート切替動作2>
無線LAN中継機21の動作は、図13において、ステップS603では、図12のステップS513にて無線LANアクセスポイント11はベーシックレート1Mbps切替通知を無線LAN中継機21へ送信しているため、この通知を受信したと判定し(ステップS603:Yes)、ステップS604へ処理を移行する。
【0127】
無線LAN中継機21は、ステップS604では、受信したベーシックレート切替通知の値へベーシックレートを切替える。ここでは、ベーシックレート1Mbps切替通知を受信しているのでベーシックレートを1Mbpsへ切替える。
【0128】
無線LAN中継機21は、ステップS605では、タイマーの時間処理待ちし(たとえば、3分とする)、ステップS605の後、ステップS602へ処理を移行する。
【0129】
以上の動作により、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21の2.4GHz無線LANに11b無線LAN子機31pが接続している場合は、ベーシックレートを6Mbpsから1Mbpsに切替えることができる。
【0130】
<無線LANアクセスポイントの動作>
<ベーシックレート切替動作3>
無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21の2.4GHz無線LANに11b無線LAN子機31pが接続していない状態で、上記の通りベーシックレートが6Mbpsに切り替え後に、11b無線LAN子機31pからのプローブリクエストを受信してベーシックレートを1Mbpsに切替える動作について説明する。
【0131】
この動作は、具体的には、以下に示すような場合の動作である。
先ず、11b無線LAN子機31pが無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21の2.4GHz無線LANに接続した状態である。
その後、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21の通信可能範囲の外側(図5に示す通信可能範囲11cおよび通信可能範囲21cの外側)へ移動する。
2.4GHz無線LANの接続は切断され、11b無線LAN子機リストAおよび11b無線LAN子機リストBから登録が削除される。
ベーシックレートが6Mbpsに切り替わる。
11b無線LAN子機31pが再度、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21の通信可能範囲の内側(図5に示す通信可能範囲11cおよび通信可能範囲21cの内側)へ移動して来る。
ベーシックレートが6Mbpsのままの状態だと、11b無線LAN子機31pが無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21へ2.4GHz無線LANにて接続できない。
以下に説明する動作は、上記のような接続できない状態を回避する方法についての説明である。
【0132】
一般に、2.4GHzの無線LAN子機は、無線LANアクセスポイントや無線LAN中継機などの無線LAN親機との接続動作を行う前に、これらの無線LAN親機を探すため、定期的にまたは不定期でプローブリクエストをブロードキャストして無線LAN親機をスキャンするアクティブスキャンとよばれる動作を行う。よって、実施の形態1では、このプローブリクエストを利用する。
【0133】
無線LANアクセスポイント11が、無線LAN子機31からプローブリクエストを受信した場合に、ベーシックレートを6Mbpsから1Mbpsへ切替える動作について説明する。
【0134】
無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21のベーシックレートは6Mbpsへ切り替わっており、図12において、無線LANアクセスポイント11は、ステップS502では、プローブリクエストを受信したと判定し(ステップS502:Yes)、ステップS509へ処理を移行する。
【0135】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS509では、受信したプローブリクエストのSupported RateエレメントからSupported Rateを取得する。
【0136】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS510では、ステップS509で取得したSupported Rateが1Mbps、2Mbps、5.5Mbpsおよび11Mbpsの4つのみであるか否かを判定する。Supported Rateがこれら4つのレートのみであった場合は(ステップS510:Yes)、プローブリクエストを送信してきた無線LAN子機31を11b無線LAN子機31pであると判定し、ステップS511へ処理を移行する。Supported Rateに前記4つ以外のレートが存在する場合は(ステップS510:Nо)、11b無線LAN子機31pではないと判定し、ステップS502へ処理を移行する。
【0137】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS511では、ベーシックレートが6Mbpsであるか否か判定する。この場合、ステップS506でベーシックレートは6Mbpsに切り替わっているため、ステップS512へ処理を移行する。ベーシックレートが1Mbpsの場合は、ステップS502へ処理を移行する。
【0138】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS512では、ベーシックレートを1Mbpsに切り替え、ステップS513では、ベーシックレート1Mbps切替通知を無線LAN中継機21へ5GHz無線LAN通信により送信する。
【0139】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS514では、タイマーの時間処理待ちし(たとえば、3分とする)、ステップS514の後、ステップS502へ処理を移行する。
【0140】
<無線LAN中継機の動作>
<ベーシックレート切替動作2>
無線LAN中継機21は、図13において、ステップS603では、図12のステップS513にて無線LANアクセスポイント11はベーシックレート1Mbps切替通知を無線LAN中継機21へ送信しているため、この通知を受信したと判定し(ステップS603:Yes)、ステップS604へ処理を移行する。
【0141】
無線LAN中継機21は、ステップS604では、受信したベーシックレート切替通知の値へベーシックレートを切替える。ここでは、ベーシックレート1Mbps切替通知を受信しているのでベーシックレートを1Mbpsへ切替える。
【0142】
無線LAN中継機21は、ステップS605では、タイマーの時間処理待ちし(たとえば、3分とする)、ステップS605の後、ステップS602へ処理を移行する。
【0143】
以上の動作により、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21の2.4GHz無線LANのベーシックレートが6Mbpsである状態において、無線LANアクセスポイント11が11b無線LAN子機31pのプローブリクエストを受信した場合にベーシックレートを6Mbpsから1Mbpsに切替えることができる。ベーシックレートが1Mbpsに切り替わることで、11b無線LAN子機31pは、無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21へ接続することができる。
【0144】
<無線LAN中継機および無線LANアクセスポイントの動作>
<ベーシックレート切替動作4>
無線LAN中継機21が、無線LAN子機31からプローブリクエストを受信した場合に、ベーシックレートを6Mbpsから1Mbpsへ切替える動作について説明する。
【0145】
無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21のベーシックレートは6Mbpsへ切り替わっている。無線LAN中継機21は、図13において、ステップS602では、プローブリクエストを受信したと判定し(ステップS602:Yes)、ステップS606へ処理を移行する。
【0146】
無線LAN中継機21は、ステップS606では、受信したプローブリクエストのSupported RateエレメントからSupported Rateを取得する。
【0147】
無線LAN中継機21は、ステップS607では、ステップS606で取得したSupported Rateが1Mbps、2Mbps、5.5Mbpsおよび11Mbpsの4つのみであるか否かを判定する。Supported Rateがこれら4つのレートのみであった場合は(ステップS607:Yes)、プローブリクエストを送信してきた無線LAN子機31を11b無線LAN子機31pと判定し、ステップS608へ処理を移行する。Supported Rateに前記4つ以外のレートが存在する場合は(ステップS607:Nо)、11b無線LAN子機31pではないと判定し、ステップS602へ処理を移行する。
【0148】
無線LAN中継機21は、ステップS608では、11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知を無線LANアクセスポイント11へ5GHz無線LAN通信により送信し、ステップS602へ処理を移行する。
【0149】
ステップS608により、11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知は無線LANアクセスポイント11へ送信される。無線LANアクセスポイント11は、図12において、ステップS503では、無線LAN中継機21から送信された11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知を受信したと判定し(ステップS503:Yes)、ステップS511へ処理を移行する。
【0150】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS511では、ベーシックレートが6Mbpsであるか否かを判定する。この場合、ステップS506でベーシックレートは6Mbpsに切り替わっているため、ステップS512へ処理を移行する。ベーシックレートが1Mbpsの場合は、ステップS502へ処理を移行する。
【0151】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS512では、ベーシックレートを1Mbpsに切り替え、ステップS513では、ベーシックレート1Mbps切替通知を無線LAN中継機21へ5GHz無線LAN通信により送信する。
【0152】
無線LANアクセスポイント11は、ステップS514では、タイマーの時間処理待ちし(たとえば、3分とする)、ステップS514の後、ステップS502へ処理を移行する。
【0153】
図13において、無線LAN中継機21は、ステップS603では、図12のステップS513にて無線LANアクセスポイント11はベーシックレート1Mbps切替通知を無線LAN中継機21へ送信している。このため、無線LAN中継機21は、この通知を受信したと判定し(ステップS603:Yes)、ステップS604へ処理を移行する。
【0154】
無線LAN中継機21は、ステップS604では、受信したベーシックレート切替通知の値へベーシックレートを切替える、ここでは、ベーシックレート1Mbps切替通知を受信しているのでベーシックレートを1Mbpsへ切替える。
【0155】
無線LAN中継機21は、ステップS605では、タイマーの時間処理待ちし(たとえば、3分とする)、ステップS605の後、ステップS602へ処理を移行する。
【0156】
以上の動作により、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21の2.4GHz無線LANのベーシックレートが6Mbpsである状態において、無線LAN中継機21が11b無線LAN子機31pのプローブリクエストを受信した場合にベーシックレートを6Mbpsから1Mbpsに切替えることができる。ベーシックレートが1Mbpsに切り替わることで、11b無線LAN子機31pは、無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21へ接続することができる。
【0157】
以上の説明したすべての動作により、無線LANアクセスポイント11は、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21に接続している11b無線LAN子機31pおよびベーシックレートを管理することができる。また、無線LANアクセスポイント11は、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21に11b無線LAN子機31pが接続していない場合は、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21のベーシックレートを6Mbpsに切替えることができる。また、無線LANアクセスポイント11は、無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21に11b無線LAN子機31pが接続している場合は、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21のベーシックレートを1Mbpsに切替える(ベーシックレートを1Mbpsに保持する)ことができる。
【0158】
さらに、無線LANアクセスポイント11は、ベーシックレートを6Mbpsに切り替えた後に11b無線LAN子機31pが無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21に接続しようとした場合において、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21のベーシックレートを1Mbpsに切り替え、11b無線LAN子機31pが無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21に接続ことができる。
【0159】
<効果>
以上説明したように、実施の形態1に係る無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21は、2.4GHz無線LAN通信において、11b無線LAN子機31pが接続されている状態においては、ベーシックレートを1Mbpsとして11b無線LAN子機31pとの通信を確保することができる。また、実施の形態1に係る無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21は、11b無線LAN子機31pが接続されていない状態においては、ベーシックレートを6Mbpsとして、マネジメントフレームおよびコントロールフレームの通信時間(Air Time)の消費を軽減することができる。これにより、データ通信のスループットをベーシックレートが1Mbpsの場合と比較して改善することができる。
【0160】
実施の形態1に係る無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21は、無線LANアクセスポイント11によって、無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21に接続された11b無線LAN子機31pの接続有無を管理する。無線LANアクセスポイント11と無線LAN中継機21は、11b無線LAN子機31pが接続していれば、ベーシックレートを1Mbpsへ設定し、11b無線LAN子機31pが接続していなければ、ベーシックレートを6Mbpsへ自動で切替える。これにより、ビーコン、マネジメントフレームおよびコントロールフレームによる送信時間の消費を抑え、データ通信に使用する時間を増やしスループットを改善することができる。また、ベーシックレートを6Mbpsへ切り替えた後も、11b無線LAN子機31pの接続要求があれば、ベーシックレートを自動で1Mbpsへ切替える。これにより、11b無線LAN子機31pの接続の利便性を確保することができる。
【0161】
図14は、ベーシックレートと送信フレームの構成を例示する模式図である。
図14は、ベーシックレートが1Mbpsの場合と6Mbpsの場合を比較し、データ通信に使用できる通信時間が改善されることを示した図である。
図14の上段はベーシックレートが1Mbpsの場合の送信フレームの構成を示し、下段はベーシックレートが6Mbpsの場合の送信フレームの構成を示す。
【0162】
無線LANアクセスポイント11はビーコンAを送信し、無線LAN中継機21はビーコンBを送信する。ビーコンAおよびビーコンBのそれぞれの送信間隔は100msとした。また、マネジメントフレームやコントロールフレームは、ベーシックレートが1Mbpsの場合とベーシックレートが6Mbpsの場合で、同じ数だけ送信されることとする。
【0163】
図14に示すように、ベーシックレートが1Mbpsの場合は(上段参照)、ビーコン、マネジメントフレームおよびコントロールフレームが1Mbpsという低通信レートで送信されるため、これらの占有時間(送信時間)は大きい。一方、ベーシックレートが6Mbpsの場合は(下段参照)、ビーコン、マネジメントフレームおよびコントロールフレームが6Mbpsという1Mbpsよりも高通信レートで送信されるため、これらの占有時間はベーシックレートが1Mbpsの場合と比べて小さい。その結果、ベーシックレートが6Mbpsの場合は、データ通信の送信時間を多くすることができる
【0164】
ベーシックレートを1Mbpsから6Mbpsにすることにより、データ通信Aの占有時間は、例えば、占有時間A1から占有時間A2に増加し、データ通信Bの占有時間は、占有時間B1から占有時間B2に増加するように、各データ通信の占有時間が増加する。このため、データ通信のスループットを向上させる(改善する)ことができる。
【0165】
また、11b無線LAN子機31pが、無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21の通信可能範囲外へ、一旦、移動して2.4GHZ無線通信が切断され無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21のベーシックレートが6Mbpsへ切り替わる。その後、再び、通信可能範囲内へ移動してきて無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21へ接続しようとする場合がある。このような場合でも、実施の形態1においては、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21のベーシックレートを1Mbpsに切り替えて、11b無線LAN子機31pが無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21に接続することができる。その結果、11b無線LAN子機31pを使用する際の利便性を向上させることができる。
【0166】
<まとめ>
ここで、実施の形態1のまとめを以下に示す。
実施の形態1では、5GHzと2.4GHzのデュアルバンドの無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21を使用した無線LANネットワーク10の2.4GHzの無線LANにおいて、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21に接続している無線LAN子機31の中から11b無線LAN子機31pの有無を識別する。11bの無線LAN子機31pが接続されている場合は、マネジメントフレームおよびコントロールフレームを送信するためのベーシックレートを1Mbps(11bのレート)とすることにより、11b無線LAN子機31pの接続および通信を確保する。11b無線LAN子機31pが接続されていない場合は、ベーシックレートを6Mbps(11gのレート)とすることにより、マネジメントフレームおよびコントロールフレームを6Mbpsで送信する。これにより、1Mbpsでの送信と比較してマネジメントフレームおよびコントロールフレームの通信時間(Air Time)の消費を軽減することができる。これにより、データ通信のスループットの低下を防ぐことができる。また、11b無線LAN子機31pが接続されていない場合、すなわち、ベーシックレートが6Mbpsの場合において、11b無線LAN子機31pの接続動作があった場合は、ベーシックレートを1Mbpsに切り替えて11b無線LAN子機31pの接続を可能とする。
【0167】
このように、11b無線LAN子機31pの接続の利便性を確保しつつ、11b無線LAN子機31pが接続されていない場合は、スループットを改善することができる。
【0168】
<特徴>
ここで、実施の形態1に係る無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21の特徴を以下に示す。
無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21において、接続している無線LAN子機31を識別し、11b無線LAN子機31pが接続されている場合は、その接続および通信を確保するため、ビーコン、マネジメントフレームおよびコントロールフレームを送信するベーシックレートを1Mbpsに設定する。また、11b無線LAN子機31pが接続されていない場合は、ベーシックレートを6Mbpsに切替える。これにより、マネジメントフレームおよびコントロールフレームが消費する通信時間(Air Time)を削減し、データ通信に使用できる通信時間を増加させることで、スループットを改善する。
【0169】
[実施の形態2]
実施の形態1では、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21が11b無線LAN子機31pからプローブリクエストを受信すると、無条件でベーシックレートを1Mbpsに切り替えた。実施の形態2では、実施の形態1の機能に加えて、図15から図21に示す付加要素により、11b無線LAN子機31pからプローブリクエストを受信した際、その11b無線LAN子機31pが無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21へ接続履歴がある無線LAN子機31である場合にのみベーシックレートを1Mbpsへ切替える動作を追加する。
【0170】
具体的には、実施の形態2に係る無線LANアクセスポイントのリスト生成部は、サポートレートが、1Mbps、2Mbps、5.5Mbpsおよび11Mbpsを含む通信レート(所定のサポートレート)と同一である場合、MACアドレス(識別番号)を保存して11b無線LAN子機リストA(第1の無線子機リスト)を生成する。実施の形態2に係るリスト生成部は、さらに、無線LAN子機31と過去に接続したことのある場合、接続履歴を有りとして保存して11b無線LAN子機接続履歴リストAC(第1の無線子機接続履歴リスト)を生成する。
【0171】
実施の形態2に係るリスト収集部は、無線LAN中継機21から無線LAN中継機21が生成した11b無線LAN子機リストB(第2の無線子機リスト)および11b無線LAN子機接続履歴リストBC(第2の無線子機接続履歴リスト)を収集する。
【0172】
実施の形態2に係るベーシックレート切替部は、11b無線LAN子機リストAまたは11b無線LAN子機リストBの中に、11b無線LAN子機(所定の無線子機)13pから取得した11b無線LAN子機31pを識別するための所定の識別番号が存在するか否か、および、11b無線LAN子機接続履歴リストACまたは11b無線LAN子機接続履歴リストBCの中に、11b無線LAN子機31pとの接続履歴が有るか否かに基づいて、11b無線LAN子機31pと通信を行う際のベーシックレートを切替える。
【0173】
例えば、実施の形態2に係るベーシックレート切替部は、11b無線LAN子機リストAまたは11b無線LAN子機リストBの中に、11b無線LAN子機31pを識別するための所定の識別番号が存在し、且つ、11b無線LAN子機接続履歴リストACまたは11b無線LAN子機接続履歴リストBCの中に、11b無線LAN子機31pとの接続履歴が有る場合、ベーシックレートを1Mbpsに切替える。
【0174】
図15は、実施の形態2に係る無線LANアクセスポイントの11b無線LAN子機接続履歴リストを例示するリスト図である。
図15は、無線LANアクセスポイント11と2.4GHzで接続されている11b無線LAN子機31pの接続履歴リストを示す。当該リストを11b無線LAN子機接続履歴リストACと称する。11b無線LAN子機接続履歴リストACは、11b無線LAN子機リスト生成部112が11b無線LAN子機リストA(図8参照)とともにRAM160に生成するテーブルである。11b無線LAN子機接続履歴リストACは、順番に割り振られる無線LAN子機番号および無線LAN子機31のMACアドレスの2つの項目を持つ構成となっている。
【0175】
図16は、実施の形態2に係る無線LAN中継機の11b無線LAN子機接続履歴リストを例示するリスト図である。
図16は、無線LAN中継機21と2.4GHzで接続されている11b無線LAN子機31pの接続履歴リストを示す。当該リストを11b無線LAN子機接続履歴リストBCと称する。11b無線LAN子機接続履歴リストBCは、11b無線LAN子機リスト生成部212が11b無線LAN子機リストB(図9参照)とともにRAM260に生成するテーブルである。11b無線LAN子機接続履歴リストBCは、順番に割り振られる無線LAN子機番号および無線LAN子機31のMACアドレスの2つの項目を持つ構成となっている。
【0176】
図17は、実施の形態2に係る11b無線LAN子機リストおよび11b無線LAN子機接続履歴リストが生成される動作を例示するフローチャートである。
図17は、11b無線LAN子機リスト生成部112および11b無線LAN子機リスト生成部212が11b無線LAN子機リストAおよびBとともに11b無線LAN子機接続履歴リストACおよびBCを生成する動作についての処理の流れを示している。
【0177】
図17に示すように、実施の形態2に係る動作は、実施の形態1に係る動作と比べて、無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21へ接続した11b無線LAN子機31pを11b無線LAN子機接続履歴リストACまたはBCにも登録する点が異なる。
【0178】
また、11b無線LAN子機接続履歴リストACおよびBCは、図7に示す11b無線LAN子機を11b無線LAN子機リストAから削除する対象とはならない。このため、無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21と11b無線LAN子機31pが2.4GHz無線LANの接続を解除された場合において、その11b無線LAN子機31pの登録は、11b無線LAN子機接続履歴リストACまたはBCに残ったままとなる。
【0179】
図18は、実施の形態2に係る11b無線LAN子機リストおよび11b無線LAN子機接続履歴リストに更新が発生した場合の動作を例示するフローチャートである。
図18は、無線LAN中継機21の11b無線LAN子機リスト生成部212において11b無線LAN子機リストBまたは11b無線LAN子機接続履歴リストBCに更新が発生した場合の処理の流れを示したものである。
【0180】
図18に示すように、実施の形態2に係る動作は、実施の形態1に係る動作(図10参照)と比べて、ステップS303およびステップS304を加えた点が異なる。これにより、11b無線LAN子機接続履歴リストBCが更新された場合においても、無線LAN中継機21の11b無線LAN子機リスト生成部212は、無線LANアクセスポイント11へ5GHz無線LAN通信により、11b無線LAN子機接続履歴リストBC(図16参照)を送信することができる。
【0181】
図19は、無線LANアクセスポイントの11b無線LAN子機リスト収集部の動作を例示するフローチャートである。
【0182】
図19に示すように、実施の形態2に係る動作は、実施の形態1に係る動作(図11参照)と比べて、ステップS403およびステップS404を加えた点が異なる。これにより、無線LAN中継機21から11b無線LAN子機接続履歴リストBCを受信した場合においても、RAM160に11b無線LAN子機接続履歴リストBCを生成することができる。
【0183】
図20は、実施の形態2に係る無線LANアクセスポイントのベーシックレート切替部の動作を例示するフローチャートである。
【0184】
図20に示すように、実施の形態2に係る動作は、実施の形態1に係る動作(図12参照)と比べて、ステップS509において、受信したプローブリクエストのSupported RateエレメントからSupported Rateを取得することに加えて、プローブリクエストのソースアドレスから無線LAN子機31のMACアドレスを取得する点が異なる。また、無線LANアクセスポイント11がプローブリクエストを受信後、そのMACアドレスがRAM160に生成されている11b無線LAN子機接続履歴リストACまたはBCに存在するか否かを判定する処理を行うステップS520を加えた点が異なる。さらに、無線LAN中継機21から11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知を受信後、その通知内のMACアドレスが、RAM160に生成されている11b無線LAN子機接続履歴リストACまたはBCに存在するか否かを判定する処理を行うステップS530を加えた点が異なる。
【0185】
図21は、実施の形態2に係る無線LAN中継機のベーシックレート切替部の動作を例示するフローチャートである。
【0186】
図21に示すように、実施の形態2に係る動作は、実施の形態1に係る動作(図13参照)と比べて、ステップS606において、受信したプローブリクエストのSupported RateエレメントからSupported Rateを取得することに加えて、プローブリクエストのソースアドレスから無線LAN子機31のMACアドレスを取得する点が異なる。また、ステップS608において、11b無線LAN子機プローブリクエスト受信通知を無線LANアクセスポイント11へ送信する際、その通知の中にステップS606で取得したMACアドレスを含めて送信する処理を加えた点が異なる。
【0187】
実施の形態1から上記の変更点を加えることにより、11b無線LAN子機31pからプローブリクエストを受信した際、その11b無線LAN子機31pが無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21へ接続履歴がある無線LAN子機31である場合にのみベーシックレートを1Mbpsへ切り替え、接続を可能とする動作を実現することができる。また、無線LANアクセスポイント11または無線LAN中継機21に接続履歴のない11b無線LAN子機31pが、無線LANアクセスポイント11の通信可能範囲11c(図5参照)または無線LAN中継機21の通信可能範囲21c(図5参照)に移動してきてプローブリクエストを送信した場合は、ベーシックレートを1Mbpsに切り替えず6Mbpsのままとする。これにより、データ通信の占有時間の低下を防ぐことができ、スループットを維持することができる。
【0188】
また、実施の形態1および実施の形態2を含む実施の形態においては、無線LANアクセスポイント11および無線LAN中継機21の2つを使用した無線LANネットワーク10を例に挙げて説明したが、これには限定されない。実施の形態は、無線LANアクセスポイント11の数が2個以上および/または無線LAN中継機21の数が2個以上としたネットワーク構成においても適用可能である。また、実施の形態においては、無線LANアクセスポイント11の数および/または無線LAN中継機21の数が増える程ビーコンなどのマネジメントフレームやコントロールフレームが増えるため効果が大きい。
【0189】
尚、上記の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、各構成要素の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0190】
上記の実施の形態において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実態のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(具体的にはフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(具体的には光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(具体的には、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM))、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0191】
さらに、動作は特定の順序で描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序または連続した順序で実行されること、または示されたすべての動作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスクと並列処理が有利な場合がある。同様に、いくつかの特定の実施の形態の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは本開示の範囲に対する制限としてではなく、特定の実施の形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施の形態の文脈で説明される特定の特徴は、単一の実施の形態に組み合わせて実装されてもよい。逆に、単一の実施の形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施の形態で別々にまたは任意の適切な組み合わせで実装されてもよい。
【0192】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0193】
尚、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0194】
10…無線LANネットワーク
11…無線親機、無線LANアクセスポイント
11c、21c…通信可能範囲
110、210…CPU
110a、210a…無線LAN制御部
111、211…取得部
112、212…リスト生成部、11b無線LAN子機リスト生成部
113…リスト収集部、11b無線LAN子機リスト収集部
114、214…ベーシックレート切替部
120、220…5GHz無線LAN制御部
121、221…5GHzMAC/BB
122、222…5GHzPA
123、223…5GHzLNA
124、224…5GHzアンテナスイッチ
125、225…5GHzアンテナ
130、230…2.4GHz無線LAN制御部
131、231…2.4GHzMAC/BB
132、232…2.4GHzPA
133、233…2.4GHzLNA
134、234…2.4GHzアンテナスイッチ
135、235…2.4GHzアンテナ
140…有線WAN/LAN制御部
141、241…L2SW
142…WANポート
143…LANポート
150、250…RОM
160、260…RAM
21…無線中継機、無線LAN中継機
215…リスト送信制御部
240…有線LAN制御部
242…LAN1ポート
243…LAN2ポート
31、31a、31b、31c…無線子機、無線LAN子機
31p…所定の無線子機、11b無線LAN子機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21