IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社永吉の特許一覧

<>
  • 特許-発電装置 図1
  • 特許-発電装置 図2
  • 特許-発電装置 図3
  • 特許-発電装置 図4
  • 特許-発電装置 図5
  • 特許-発電装置 図6
  • 特許-発電装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】発電装置
(51)【国際特許分類】
   F03B 17/02 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
F03B17/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022170761
(22)【出願日】2022-10-25
【審査請求日】2022-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】512074412
【氏名又は名称】株式会社永吉
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】小西 由晃
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-044753(JP,A)
【文献】特開2014-141956(JP,A)
【文献】登録実用新案第3143661(JP,U)
【文献】特開2021-004552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/00-13/26
F03B 17/00-17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック製の中空ボールの内部に中空体積に対して1/2~1/3の液体を充填させた複数の循環用球体と、
液体内に配置され、第1上方滑車と第1下方滑車との間を回転する無端ベルトと、前記無端ベルトに設けられ、前記循環用球体を受領し、前記循環用球体の浮力よって無端ベルトを回転させることによって動力を得る浮力動力部と、
第2上方滑車と第2下方滑車との間を回転する無端ベルトと、前記無端ベルトに設けられ、前記循環用球体を受領し、前記循環用球体の重力よって無端ベルトを回転させることによって動力を得る重力動力部と、
前記循環用球体を前記浮力動力部から前記重力動力部へ移動させる第1移動領域と、
前記循環用球体を前記重力動力部から前記浮力動力部へ移動させる第2移動領域と、
前記浮力動力部と前記重力動力部で得られた動力から電気を発電する発電機と、
前記第2移動領域に設けられた下降循環用球体案内通路と、上昇循環用球体案内通路と、前記上昇循環用球体案内通路に設けられた少なくとも2つの与圧弁と、を備え、
前記与圧弁は、蓋固定部材と、片側が蝶番で固定され開口を開閉可能に取り付けられた蓋部材と、前記蓋部材に設けられた水圧調整バルブと、循環用球体を下方側押圧部材にガイドするガイド部材と、を備え、
前記水圧調整バルブは、上方支持部材と、下面側が凹球面であって、前記循環用球体の直径に対して1/2以上の水平方向の幅を有する下方側押圧部材と、これらを固定する固定部材とを備え、
前記ガイド部材は、板状に形成されてなり、前記下方側押圧部材側に接した前記循環用球体の外周側に円周状に板面が垂直方向となるように配置されていることを特徴とする発電装置。
【請求項2】
第1移動領域には、重力ホルダーにタイミングよく送り込むための第1タイミング検出部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記第1タイミング検出部は、循環用球体を一つだけ収容可能の収容部を複数有する回転体と、前記重力ホルダーの位置に応じて前記回転を固定又は回転可能な状態とを制御する検出バーと、を有していることを特徴とする請求項2に記載の発電装置。
【請求項4】
第2移動領域には、浮力ホルダーにタイミングよく送り込むための第2タイミング検出部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項5】
前記第2タイミング検出部は、循環用球体を一つだけ収容可能の収容部を複数有する回転体と、前記浮力ホルダーの位置に応じて前記回転を固定又は回転可能な状態とを制御する検出バーと、を有していることを特徴とする請求項4に記載の発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浮力と重力を利用した発電装置としては、内部が液体で満たされた水槽浮力部と、該水槽浮力部と隣接して設けられた発電重力部と、該発電重力部と水槽浮力部とを交互に繰り返し移動する複数の循環質量球と、前記発電重力部と隣接して設けられ該発電重力部での循環質量球の落下により電力を発生させる発電システム部と、落下後の循環質量球を前記水槽浮力部へ移動させる循環押出し部と、を備えた浮力発電装置であって、
前記水槽浮力部は、少なくとも前記発電重力部よりも高い位置まで液体で満たされ、
前記循環押出し部は、発電重力部下端に位置する循環質量球を水槽浮力部方向へと押し出す伝送シリンダーと、該伝送シリンダーによって押し出される循環質量球が移動する伝送通路と、循環押出し部内部において水槽浮力部側の液体が発電重力部側へ流れ出るのを防ぐシール蓋と、を有し、
前記シール蓋は、該シール蓋の略中央位置よりも鉛直下方向位置にガイド軸機構を有し、該ガイド軸機構は伝送シリンダーによって押し出された循環質量球がシール蓋を押圧すことで該循環質量球は前記水槽浮力部方向へ案内され、
前記伝送シリンダーは、前記循環質量球を押し出す際に前記移動通路を密閉するとともに該循環質量球に当接される密閉フランジを備え、該密閉フランジは循環質量球の押し出し後の伝送シリンダーの原点復帰動作時に外気エアーを取り込むための逆止弁機構を有し、
前記伝送通路の通路長さは、少なくとも前記循環質量球の直径よりも長いことを特徴とするものがある(特許文献1)。
【0003】
浮力発電装置の循環押出し部が有する伝送シリンダーには密閉フランジと逆止弁機構を備えるとともにシール蓋には所定位置にガイド軸機構を備えて水槽浮力部と発電重力部との間で複数の循環質量球を絶えず循環させることで、水槽浮力部内部の液体の漏れを最小限に抑えることができるので従来の浮力発電装置と比較して水資源の漏出が少ない浮力発電を実現することができるという点で優れた発明である。
【0004】
しかし、伝送シリンダーで密閉フランジを押圧する際に、水圧及びばねに逆らって循環質量球を押し込まなければならないため、伝送シリンダーには大きな力が必要であるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-33895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、浮力及び重力を利用した発電装置において、循環用球体をより効率よく浮力領域及び重力領域に移動可能な発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明にかかる発電装置は、
複数の循環用球体と、
液体内に配置され、第1上方滑車と第1下方滑車との間を回転する無端ベルトと、前記無端ベルトに設けられ、前記循環用球体を受領し、前記循環用球体の浮力よって無端ベルトを回転させることによって動力を得る浮力動力部と、
第2上方滑車と第2下方滑車との間を回転する無端ベルトと、前記無端ベルトに設けられ、前記循環用球体を受領し、前記循環用球体の重力よって無端ベルトを回転させることによって動力を得る重力動力部と、
前記循環用球体を前記浮力動力部から前記重力動力部へ移動させる第1移動領域と、
前記循環用球体を前記重力動力部から前記浮力動力部へ移動させる第2移動領域と、
前記浮力動力部と前記重力動力部で得られた動力から電気を発電する発電機と、を備え、
前記第2移動領域は、下降循環用球体案内通路と、上昇循環用球体案内通路と、前記上昇循環用球体案内通路に設けられた少なくとも2つの与圧弁と、前記浮力ホルダーにタイミングよく送り込むための第2タイミング検出部と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
かかる発電装置とすることで、循環用球体をより効率よく浮力領域及び重力領域に移動可能な発電装置を提供することができる。
【0010】
また、本発明にかかる発電装置において、前記与圧弁は、前記上昇循環用球体案内通路に開口を有するように設けられた蓋固定部材と、片側が蝶番で固定され開口を開閉可能に取り付けられた蓋部材と、前記蓋部材に設けられ、循環用球体の押圧により開放されることで上方側と下方側の水圧を同じ圧力に調整可能な水圧調整バルブが設けられていることを特徴とするものであってもよい。
【0011】
さらに、本発明にかかる発電装置において、第1移動領域には、重力ホルダーにタイミングよく送り込むための第1タイミング検出部を備えていることを特徴とするものであってもよい。
【0012】
さらに、本発明にかかる発電装置において、前記第1タイミング検出部は、循環用球体を一つだけ収容可能の収容部を複数有する回転体と、前記重力ホルダーの位置に応じて前記回転を固定又は回転可能な状態とを制御する検出バーと、を有していることを特徴とするものであってもよい。
【0013】
さらに、本発明にかかる発電装置において、第2移動領域には、浮力ホルダーにタイミングよく送り込むための第2タイミング検出部を備えていることを特徴とするものであってもよい。
【0014】
さらに、本発明にかかる発電装置において、前記第2タイミング検出部は、循環用球体を一つだけ収容可能の収容部を複数有する回転体と、前記浮力ホルダーの位置に応じて前記回転を固定又は回転可能な状態とを制御する検出バーと、を有していることを特徴とするものであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる発電装置によれば、浮力及び重力を利用した発電装置において、循環用球体をより効率よく浮力領域及び重力領域に移動可能な発電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施形態にかかる発電装置100の正面概略図である。
図2図2は、実施形態にかかる発電装置100の側面概略図である。
図3図3は、実施形態にかかる発電装置100の第1タイミング検出部43を示す概略図である。
図4図4は、実施形態にかかる発電装置100の与圧弁60の側面概略図である。
図5図5は、実施形態にかかる発電装置100の与圧弁60の上面概略図である。
図6図6は、実施形態にかかる発電装置100の与圧弁60を開放した状態を示す側面概略図である。
図7図7は、実施形態にかかる発電装置100の第2タイミング検出部53を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明にかかる発電装置100の実施形態について、図を参照しつつ詳細に説明する。図1は、実施形態にかかる発電装置100の正面概略図であり、図2は、側面概略図である。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0018】
本発明にかかる発電装置100は、図1及び図2に示すように、主として、浮力により動力を得る浮力動力部10と、重力により動力を得る重力動力部20と、浮力動力部10と重力動力部20を交互に繰り返し移動する複数の循環用球体30と、この循環用球体30を浮力動力部10から重力動力部20へ移動させる第1移動領域40と、この循環用球体30を重力動力部20から浮力動力部10へ移動させる第2移動領域50と、浮力動力部10と重力動力部20で得られた動力から電気を発電する発電機70と、を備えている。
【0019】
浮力動力部10は、内部が液体で満たされた筒状形状を有している外枠で覆われている。液体は、水道水や雨水等の水が好ましいが、水溶液や他の液体であっても構わない。以下、水を例として説明する。この浮力動力部10内には、第1上方滑車11aと第1下方滑車11bとこれらの間を回転する無端ベルト12を有しており、この無端ベルト12には、循環用球体30を下方から受領するカップ状の浮力ホルダー13が複数設けられている。浮力ホルダー13は、移動時の水抵抗を低減するために網状部材やパンチングメタル等で作製されている。循環用球体30は、浮力動力部10内の液体と比較して小さい比重となるように作製されており、浮力動力部10では、循環用球体30は水による自然法則である浮力の影響で上部へと上昇する。この上昇の力を利用して、無端ベルト12は浮力ホルダー13を上昇させる方向(図1においては、反時計周り)回転することになる。第1上方滑車11aには、ギア15が形成されており、後述するホイール72に動力を伝達することができる。
【0020】
重力動力部20は、外部又は外気圧と同様の空気圧で満たされた容器内に配置されており、第2上方滑車21aと第2下方滑車21bとこれらの間を回転する無端ベルト22を有しており、この無端ベルト22には、循環用球体30を上方から受領するカップ状の重力ホルダー23が複数設けられている。重力動力部20では、循環用球体30が重量による自然法則である位置エネルギーの影響で下部へ下降する。この下降の力を利用して、無端ベルト22は重力ホルダー23を下降させる方向(図1においては、反時計周り)回転することになる。第2上方滑車21aには、ギア25が形成されており、後述するホイール72に動力を伝達することができる。
【0021】
循環用球体30は、浮力動力部10内部の液体の比重よりも軽く、大気よりも比重の重くなる球体である。例えば、プラスチック製の中空ボールの内部に中空体積に対して1/2~1/3程度の液体を充填させたもの等を使用するとよい。
【0022】
第1移動領域40は、循環用球体30を浮力動力部10から重力動力部20へ移動させるための部位であり、循環用球体受領部41と、この循環用球体受領部41からの重力動力部20へ循環用球体30を案内する案内路42と、案内路42から循環用球体30を受領し、重力ホルダー23にタイミングよく送り込むための第1タイミング検出部43とを備えている。循環用球体受領部41は、浮力ホルダー13から離脱した循環用球体30を一時的に溜めておく部位であり、循環用球体30を縦一列に並べるように筒状体に形成されている。循環用球体受領部41は、水面とほぼ同等の高さに形成された出口41aから下降する傾斜を有する案内路42に連結されており、複数の循環用球体30によって上方に押し出された循環用球体30は、案内路42を経由して第1タイミング検出部43へ送られる。このため、水面は、注水により出口41aの高さとほぼ同様の高さとなるように保つ必要がある。第1タイミング検出部43は、図3に示すように、循環用球体30を一つだけ収容可能の収容部を複数有する回転体43aと、この回転体43aを固定又は回転可能な状態とを制御する検出バー43bと、を有している。重力ホルダー23には、それぞれ検出バー43bを押圧するタイミングピン23aが設けられており、検出バー43bは、このタイミングピン23aの押圧によって、反対側端部を中心に回動可能に形成されている。したがって、重力ホルダー23が第1タイミング検出部43に到達すると、重力ホルダー23のタイミングピン23aによって検出バー43bが押圧されて回動する。この回動によって回転体43aは回転可能となり、循環用球体30を重力ホルダー23内に送出する。送出が終了すると、タイミングピン23aが検出バー43bから外れ、元の位置に復帰し、再度回転体43aを固定することになる。
【0023】
第2移動領域50は、循環用球体30を重力動力部20から浮力動力部10へ移動させるための部位であり、下降循環用球体案内通路51と、上昇循環用球体案内通路52と、少なくとも2つの与圧弁60と、浮力ホルダー13にタイミングよく送り込むための第2タイミング検出部53と、を備えている。下降循環用球体案内通路51は、重力ホルダー23から離脱した循環用球体30を一時的に溜めておく部位であり、循環用球体30を縦一列に並べるように筒状体に形成されている。下降循環用球体案内通路51は、排出部を有しており、下方に水面が保たれるようにされている。水面は、最下部から循環用球体30が2~3個程度重ねた位置に設けることが好ましいが、これに限定するものではない。上昇循環用球体案内通路52は、浮力動力部10に循環用球体30を送出する部位であり、浮力動力部10に貯水された水をせき止めるために2つの上方与圧弁60a及び下方与圧弁60bが設けられている。それぞれの与圧弁60は図4及び図5に示すように、上昇循環用球体案内通路52に開口61aを有するように設けられた蓋固定部材61と、片側が蝶番62aで固定され開口61aを開閉可能に取り付けられた蓋部材62と、この蓋部材62に設けられた水圧調整バルブ63が設けられている。水圧調整バルブ63は、上方支持部材63aと、下方側押圧部材63bと、これらを固定する螺合部材等の固定部材63cとを備えている。固定部材63cは、蓋固定部材61及び蓋部材62に設けられた固定部材63cの直径よりも大きな貫通孔63dに挿通され、水圧調整バルブ63は上下に所定距離移動可能に形成される。図6に示すように、下方側押圧部材63bが循環用球体30の浮力によって上方に移動した場合には、貫通孔63dを介して水が上下に行き来可能となる。なお、水圧調整バルブ63には、循環用球体30が確実に下方側押圧部材63bを押圧するように、循環用球体30を下方側押圧部材63bにガイドするガイド部材65を設けても良い。
【0024】
こうして作製された第2移動領域50では、重力ホルダー23から離脱した循環用球体30が下降循環用球体案内通路51に縦一列に溜められる。下降循環用球体案内通路51の水位以上に循環用球体30が複数溜まると循環用球体30の総重量によって、循環用球体30は、上昇循環用球体案内通路52に移動する。移動した循環用球体30は、まず、下方与圧弁60bの下方側押圧部材63bを押圧し、上方支持部材63aを上昇させる。これにより、水圧調整バルブ63は開き、下方与圧弁60bの下方側と上方側が同じ水圧となる。よって、蓋部材62bは比較的弱い力でも開くことが可能となり、循環用球体30の浮力によって開くことが可能となる。なお、より容易に開きやすくするために、蝶番にばねを設けても良い。そして、この開いた蓋部材62によって開放された開口61aを通って下方与圧弁60bの上方へ移動する。そして、次に、循環用球体30は、上方与圧弁60aの下方側押圧部材63bを押圧する。これにより、上方与圧弁60aの下方側の領域は水圧が高くなるので、下方与圧弁60bの蓋部材62bは閉まるとともに、上方与圧弁60aの水圧調整バルブ63が開き、上方与圧弁60aの上方側と下方側の水圧が同じとなり、蓋部材62aは比較的弱い力でも開くことが可能となり、循環用球体30の浮力によって開くことが可能となる。こうして循環用球体30は、上方与圧弁60aを通過し、第2タイミング検出部53を介して浮力動力部10に送出される。第2タイミング検出部53は、図7に示すように、循環用球体30を一つだけ収容可能の収容部を複数有する回転体53aと、この回転体53aを固定又は回転可能な状態とを制御する検出バー53bと、を有している。浮力ホルダー13には、それぞれ検出バー53bを押圧するタイミングピン13aが設けられており、検出バー53bは、このタイミングピン13aの押圧によって、中間軸53cを中心に回動可能に形成されている。したがって、浮力ホルダー13が第2タイミング検出部53に到達すると、浮力ホルダー13のタイミングピン13aによって検出バー53bが押圧されて回動する。この回動によって回転体53aは回転可能となり、循環用球体30を浮力ホルダー13内に送出する。送出が終了すると、タイミングピン13aが検出バー53bから外れ、元の位置に復帰し、再度回転体53aを固定することになる。なお、下方与圧弁60bを循環用球体30が移動する際に、下方与圧弁60bの蓋部材62bが開いている場合のみ水が下降循環用球体案内通路51側に移動する。よって下方与圧弁60bが閉まった後、下降循環用球体案内通路51で上昇した水を排出する必要がある。また、この排出した水の量だけ第1移動領域40の水面が下降するので、水を補う必要がある。
【0025】
発電機70は、図1及び図2に示すように、発電モータ71と、この発電モータ71へ浮力動力部10及び重力動力部20からの動力を伝達するホイール72と、を備えている。発電モータ71は、特に限定するものではなく、従来からある発電機を使用することができる。ホイール72は、浮力動力部10及び重力動力部20によって得られた動力によって回転する部材であり、第1上方滑車11a及び第2上方滑車21aの中心軸に設けられたそれぞれのギア15、25と螺合して、回転を伝達可能に形成されている。よって、浮力動力部10及び重力動力部20の回転エネルギーは、ホイール72に伝達される。ホイール72の中心には、動力伝達軸73が設けられ、任意に増幅器74を介して発電モータ71に伝達され電気に変換される。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明による発電装置は、自然法則である浮力(および重力)を利用した発電として利用することができる。
【符号の説明】
【0027】
10…浮力動力部、11a…第1上方滑車、11b…第1下方滑車、12…無端ベルト、12a…第2上方滑車、13…浮力ホルダー、13a…タイミングピン、20…重力動力部、21a…第2上方滑車、21b…第2下方滑車、22…無端ベルト、23…重力ホルダー、23a…タイミングピン、30…循環用球体、40…第1移動領域、41…循環用球体受領部、41a…出口、42…案内路、43…第1タイミング検出部、43a…回転体、43b…検出バー、50…第2移動領域、51…下降循環用球体案内通路、52…上昇循環用球体案内通路、53…第2タイミング検出部、53a…回転体、53b…検出バー、60…与圧弁、60a…与圧弁、60b…与圧弁、61…蓋固定部材、62…蓋部材、62a…蓋部材、62b…蓋部材、63…水圧調整バルブ、63a…上方支持部材、63b…下方側押圧部材、63c…固定部材、63d…貫通孔、70…発電機、71…発電モータ、72…ホイール、100…発電装置


【要約】
【課題】
浮力及び重力を利用した発電装置において、循環用球体をより効率よく浮力領域及び重力領域に移動可能な発電装置を提供する。
【解決手段】
本発明にかかる発電装置100は、浮力により動力を得る浮力動力部10と、重力により動力を得る重力動力部20と、浮力動力部10と重力動力部20を交互に繰り返し移動する複数の循環用球体30と、この循環用球体30を浮力動力部10から重力動力部20へ移動させる第1移動領域40と、この循環用球体30を重力動力部20から浮力動力部10へ移動させる第2移動領域50と、浮力動力部10と重力動力部20で得られた動力から電気を発電する発電機70と、を備えている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7