(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】バッテリバルブ及びこれを含むバッテリ
(51)【国際特許分類】
H01M 50/317 20210101AFI20240402BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20240402BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240402BHJP
H01M 10/42 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
H01M50/317 201
H01M50/35 201
H01M10/48 301
H01M10/42 Z
(21)【出願番号】P 2022552494
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 KR2021008984
(87)【国際公開番号】W WO2022015025
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2022-08-31
(31)【優先権主張番号】10-2020-0086276
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リム、フン ヒー
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ヒュン キュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、サン フン
(72)【発明者】
【氏名】カン、ミン ヒョン
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-283106(JP,A)
【文献】特開2004-039337(JP,A)
【文献】特開2018-120852(JP,A)
【文献】特表2008-533658(JP,A)
【文献】実開昭59-195669(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/30
H01M 50/20
H01M 10/48
H01M 10/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ内部のガスを外部に放出するためのバッテリバルブであって、
外部装置からバッテリバルブ開閉命令を受信する通信部と、
前記バッテリバルブ開閉命令に従って前記バッテリの内部及び外部を連通する通路を開閉する開閉調節部とを含
み、
前記開閉調節部は、予め設定された周期で前記通路を開閉し、
前記バッテリバルブは、前記バッテリのシール部に挿入するための突出部を備える、バッテリバルブ。
【請求項2】
前記バッテリ内部の圧力を測定するセンサ部をさらに含む、請求項1に記載のバッテリバルブ。
【請求項3】
前記開閉調節部は、前記バッテリ内部の圧力を予め設定された基準値と比較して自動で前記通路を開閉する、請求項1または2に記載のバッテリバルブ。
【請求項4】
前記通信部は、前記バッテリの状態情報を前記外部装置に送信する、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリバルブ。
【請求項5】
前記バッテリバルブに電源を供給する電源部をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリバルブ。
【請求項6】
前記外部装置は、バッテリ管理システム(Battery Management System,BMS)及びユーザ端末の少なくとも一方を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のバッテリバルブ。
【請求項7】
前記通信部は、前記外部装置と有線又は無線で通信可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載のバッテリバルブ。
【請求項8】
前記バッテリ内部の圧力が予め設定された基準値以上であると、警告アラームを発生するアラーム部をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のバッテリバルブ。
【請求項9】
バッテリ電極と、
前記バッテリ電極を収容するためのバッテリケースと、
外部装置から受信したバッテリバルブ開閉命令に従って前記バッテリケースの内部及び外部を連通する通路を開閉するバッテリバルブとを含
み、
前記バッテリバルブは、予め設定された周期で前記通路を開閉し、
前記バッテリバルブは、バッテリのシール部に挿入するための突出部を備える、バッテリ。
【請求項10】
バッテリ内部のガスを外部に放出するためのバッテリバルブであって、
前記バッテリ外部の絶対湿度または空気中の水蒸気濃度に関する湿度情報を測定する第1センサ部と、
前記バッテリ内部の圧力を測定する
第2センサ部と、
前記バッテリ内部の圧力を基準値と比較して前記バッテリの内部及び外部を連通する通路を開閉する開閉調節部とを含
み、
前記開閉調節部は、前記湿度情報に基づいて前記基準値を設定する、バッテリバルブ。
【請求項11】
外部装置から湿度情報を受信する通信部をさらに含む、請求項
10に記載のバッテリバルブ。
【請求項12】
前記基準値は、前記通路の開放に関連する第1基準値及び前記通路の閉鎖に関連する第2基準値を含み、
前記開閉調節部は、前記湿度情報に基づいて前記第1基準値及び前記第2基準値を設定する、請求項
11に記載のバッテリバルブ。
【請求項13】
前記開閉調節部は、前記湿度情報に対応する絶対湿度が第1区間に対応する場合、前記第1基準値を第1値に設定し、前記第2基準値を第2値に設定し、
前記湿度情報に対応する絶対湿度が前記第1区間より高い値を有する区間として定義される第2区間に対応する場合、前記第1基準値及び前記第2基準値をそれぞれ前記第1値及び前記第2値より大きい値に設定する、請求項
12に記載のバッテリバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2020年7月13日に出願された韓国特許出願第10-2020-0086276号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容が本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリ内部のガスを外部に放出するためのバッテリバルブ及びこれを含むバッテリに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、二次電池に関する研究開発が活発に行われている。ここで、二次電池は、充放電可能な電池であって、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などと近年のリチウムイオン電池を全て含む意味である。二次電池のうち、リチウムイオン電池は、従来のNi/Cd電池、Ni/MH電池などに比べて、エネルギー密度がはるかに高いという利点がある。また、リチウムイオン電池は、小型、軽量に製作することができ、移動機器の電源として用いられる。さらに、リチウムイオン電池は、電気自動車の電源へ使用範囲が広がり、次世代エネルギー貯蔵媒体として注目されている。
【0004】
また、二次電池は、一般的に複数のバッテリセルが直列及び/又は並列に接続されたバッテリモジュールを含むバッテリパックとして用いられる。さらに、バッテリパックは、バッテリ管理システムにより状態及び動作が管理及び制御される。
【0005】
このような二次電池は、エネルギー密度が高くなるにつれて、電解質量が増加するので、二次電池内部のガス発生量も増加する。二次電池の内部で発生するガスを外部に放出する場合、外部の水分が二次電池の内部に浸透することがある。このようにバッテリの内部に水分が浸透した場合、副反応が発生することにより、二次電池の性能低下やさらなるガス発生をもたらすことがある。
【0006】
よって、外部からバッテリの内部に浸透する水分量は最小限に抑えると共にバッテリの内部で発生するガスを外部に排出するための解決策が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために考案されたものであり、外部でバッテリの状態を診断して適時にバルブを開閉することにより、外部からの水分浸透を最小限に抑えてバッテリ内部のガスを放出してバッテリの性能低下を防止することができ、ユーザがバッテリバルブを容易に作動することができる、バッテリバルブ及びこれを含むバッテリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によるバッテリバルブは、バッテリ内部のガスを外部に放出するためのバッテリバルブであって、外部装置からバッテリバルブ開閉命令を受信する通信部と、前記バッテリバルブ開閉命令に従って前記バッテリの内部及び外部を連通する通路を開閉する開閉調節部とを含んでもよい。
【0009】
本発明の一実施形態によるバッテリには、バッテリ電極と、前記バッテリ電極を収容するためのバッテリケースと、外部装置から受信したバルブ開閉命令に従って前記バッテリケースの内部及び外部を連通する通路を開閉するバッテリバルブとを含む、バッテリが含まれてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態によるバッテリバルブは、バッテリ内部のガスを外部に放出するためのバッテリバルブであって、前記バッテリ内部の圧力を測定するセンサ部と、前記バッテリ内部の圧力を基準値と比較して前記バッテリの内部及び外部を連通する通路を開閉する開閉調節部とを含んでもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態によるバッテリバルブによれば、外部でバッテリの状態を診断して適時にバルブを開閉することにより、外部からの水分浸透を最小限に抑えてバッテリ内部のガスを放出してバッテリの性能低下を防止することができ、ユーザがバッテリバルブを容易に作動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】バッテリ制御システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリバルブの構成を示すブロック図である。
【
図3a】本発明の一実施形態によるバッテリバルブの形状を概略的に示す図である。
【
図3b】
図3aのバッテリバルブに
図2の構成が含まれることを概略的に示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるバッテリバルブとバッテリ管理システム(BMS)が通信することを示す図である。
【
図5a】本発明の一実施形態によるバッテリバルブが挿入されたバッテリを示す平面図である。
【
図5b】本発明の一実施形態によるバッテリバルブが挿入されたバッテリを示す側面図である。
【
図6】本発明の他の実施形態によるバッテリバルブの構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の他の実施形態によるバッテリバルブの動作を説明するための図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるバッテリバルブのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の様々な実施形態について詳細に説明する。本文書において、図面上の同一の構成要素については同一の符号を付し、同一の構成要素についての重複する説明は省略する。
【0014】
本文書に開示される本発明の様々な実施形態において、特定の構造的または機能的説明は、単に本発明の実施形態を説明するための目的として例示するものであり、本発明の様々な実施形態は、様々な形態で実施することができ、本文書に説明される実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。
【0015】
様々な実施形態において用いられる「第1」、「第2」、「1番目」、「2番目」などの表現は、様々な構成要素を順序及び/又は重要度に関係なく修飾するものであり、当該構成要素を限定するものではない。例えば、本発明の権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名してもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名してもよい。
【0016】
本文書において用いられる用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられるものであり、他の実施形態の範囲を限定する意図ではない。単数の表現には、文脈上特に断らない限り、複数の表現が含まれる。
【0017】
本文書において用いられる技術用語や科学用語を含む全ての用語は、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるのと同じ意味を有するものであり得る。一般的に用いられる辞書に定義された用語は、関連技術の文脈上の意味と同一又は類似の意味を有するものと解釈されてもよく、本文書において明らかに定義しない限り、理想的な意味や過度に形式的な意味で解釈されてはならない。場合によっては、本文書において定義された用語であっても、本発明の実施形態を排除するように解釈されてはならない。
【0018】
図1はバッテリ制御システムの構成を示すブロック図である。
【0019】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリパック1と、上位システムに含まれる上位制御器2とを含む、バッテリ制御システムが概略的に示されている。
【0020】
図1に示すように、バッテリパック1は、1つ以上のバッテリセルからなり、充放電可能なバッテリモジュール10と、バッテリモジュール10の+端子側又は-端子側に直列に接続されてバッテリモジュール10の充放電電流の流れを制御するためのスイッチング部14と、バッテリパック1の電圧、電流、温度などをモニタし、過充電や過放電などを防止するように制御管理するバッテリ管理システム20とを含む。
【0021】
ここで、スイッチング部14は、バッテリモジュール10の充電又は放電における電流の流れを制御するための半導体スイッチング素子であり、例えば、バッテリパック1の仕様によって少なくとも1つのMOSFET、リレー、マグネチックコンタクタなどが用いられる。
【0022】
また、BMS20は、バッテリパック1の電圧、電流、温度などをモニタするために、半導体スイッチング素子のゲート、ソース、ドレインなどの電圧及び電流を測定又は計算することができる。さらに、BMS20は、半導体スイッチング素子に隣接して設けられたセンサ12を用いて、バッテリパックの電流、電圧、温度などを測定することができる。BMS20は、前述した各種パラメータを測定した値の入力を受けるインタフェースであり、複数の端子や、これらの端子に接続されて入力を受けた値の処理を行う回路などを含む。
【0023】
さらに、BMS20は、スイッチング部14、例えばMOSFETのON/OFFを制御することもでき、バッテリモジュール10に接続されてバッテリモジュール10の状態を監視することができる。
【0024】
上位制御器2は、BMS20にバッテリモジュールに対する制御信号を送信することができる。よって、BMS20は、上位制御器から印加される信号に基づいて動作を制御することができる。本発明のバッテリセルは、ESS(Energy Storage System)や車両などに用いられるバッテリパックに含まれる構成であってもよい。また、この場合、上位制御器2は、ESS制御器や車両制御器などであってもよい。ただし、バッテリパック1は、これらの用途に限定されるものではない。
【0025】
このようなバッテリパック1の構成及びBMS20の構成は公知の構成であるので、より具体的な説明は省略する。
【0026】
図2は本発明の一実施形態によるバッテリバルブの構成を示すブロック図である。
【0027】
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリバルブ200は、通信部210、開閉調節部220、センサ部230、電源部240及びアラーム部250を含んでもよい。
【0028】
通信部210は、外部装置からバルブ開閉命令を受信することができる。すなわち、ユーザが外部装置を用いてバッテリバルブ200を開閉させる命令を入力すると、通信部210は、当該バルブ開閉命令を外部装置から受信することができる。ここで、外部装置とは、ユーザが外部でバッテリバルブ200の開閉を制御できるようにする各種装置をいい、バッテリ管理システム(Battery Management System,BMS)、ユーザ端末(例えば、携帯電話、タブレットPC、デスクトップPCなど)が含まれる。このとき、通信部210は、外部装置と有線(ケーブル)又は無線(例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、NFCなど)で通信することができる。
【0029】
通信部210は、バッテリの状態情報を外部装置に送信することができる。ここで、バッテリの状態情報は、バッテリ管理システムや別途の測定回路から受信することができ、バッテリの電圧、電流、温度などが含まれる。また、通信部210は、後述するように、センサ部230で検出されたバッテリの状態情報を外部装置に送信することができる。よって、ユーザは、外部装置により現在のバッテリの状態を確認し、バッテリ内部のガス発生量が基準値以上である場合のようにバッテリに異常が発生したと判断されると、バルブを開放させる命令を送信することができる。
【0030】
さらに、通信部210は、外部のサーバとも通信することができる。この場合、通信部210は、センサ部230で検出されたバッテリの状態情報、バッテリバルブ200の開閉状態、バルブ開閉命令受信内訳などの各種情報をサーバに送信することができる。
【0031】
開閉調節部220は、通信部210を介して受信したバルブ開閉命令に従ってバッテリの内部及び外部を連通する通路を開閉することができる。このように、開閉調節部220は、ユーザにより入力されたバルブ開閉命令に従ってバッテリバルブ200の通路を開閉することにより、適時にバッテリの内部で発生したガスを外部に排出し、外部から拡散する水分を最小限に抑えることができる。例えば、開閉調節部220は、レギュレータであってもよい。
【0032】
また、開閉調節部220は、バッテリ内部の圧力を予め設定された基準値と比較して自動で通路を開閉することができる。例えば、開閉調節部220は、センサ部230で検出された圧力又はバッテリ管理システムや別途の測定回路から受信した圧力が設定された基準値以上である場合、自動でバルブを開くようにしてもよい。よって、バッテリの内部で発生したガスが所定値以上増加した場合、ユーザがバルブ開閉命令を入力しなくても、独自に内部ガスを外部に排出することができる。
【0033】
さらに、開閉調節部220は、予め設定された周期で通路を開閉することにより、周期的にバッテリ内部のガスを外部に排出することができる。この場合、バッテリバルブ200は、タイマー(図示せず)を含み、ユーザにより設定された周期毎にバルブが開くように制御してもよい。
【0034】
このように、本発明の一実施形態によるバッテリバルブ200においては、ユーザによるバルブ開閉命令に従って開閉調節部220がバルブを開閉するようにしてもよく、それ自体でバルブを開閉するようにしてもよい。よって、ユーザがバルブを直接操作しなくても、容易にバッテリ内部のガスを外部に排出することができる。
【0035】
センサ部230は、バッテリ内部の圧力を測定することができる。よって、バッテリの内部でガスが発生して圧力が高くなることを検出することができる。しかし、本発明の一実施形態によるバッテリバルブ200が必ずしもセンサ部230を含まなければならないわけではなく、バッテリ内部の圧力を検出するためのセンサはバッテリバルブ200の外部に備えられてもよい。また、バッテリバルブ200のセンサ部230は、バッテリ内部の圧力以外にも、電圧、電流、温度などのバッテリの状態を検出するための様々なセンサを含んでもよい。
【0036】
電源部240は、バッテリバルブ200に電源を供給することができる。例えば、電源部240は、バッテリであってもよく、バッテリバルブ200の通信部210、開閉調節部220、センサ部230、アラーム部250などの各構成要素に電源を供給することができる。しかし、本発明によるバッテリバルブ300が必ずしも電源部340を含む必要はなく、外部の電力装置により有線又は無線で電力を受信するように構成されてもよい。
【0037】
アラーム部250は、バッテリ内部の圧力が予め設定された基準値以上であると、警告アラームを発生することができる。例えば、アラーム部250は、バッテリ内部の圧力が基準値以上に増加すると、外部装置に通知メッセージを送信するようにしてもよい。また、アラーム部250は、ランプやスピーカを含み、光や音声信号により、バッテリ内部のガス発生量が増加していることをユーザに認知させることができる。
【0038】
一方、本発明の一実施形態によるバッテリバルブ200は、バッテリのシール部に挿入されるように構成されてもよい。また、バッテリは、円筒状、多角形状、パウチ状など、様々な形状を有する。
【0039】
また、
図2には示していないが、本発明の一実施形態によるバッテリバルブ200は、ディスプレイ部を含んでもよい。ここで、ディスプレイ部は、バッテリ内部の圧力状態又は現在のバルブの開閉状態などを視覚的に表示することができる。
【0040】
このように、本発明の一実施形態によるバッテリバルブ200によれば、外部でバッテリの状態を診断して適時にバルブを開閉することにより、外部からの水分浸透を最小限に抑えてバッテリ内部のガスを放出してバッテリの性能低下を防止することができ、ユーザがバッテリバルブを容易に作動することができる。
【0041】
図3aは本発明の一実施形態によるバッテリバルブの形状を概略的に示す図であり、
図3bは
図3aのバッテリバルブに
図2の構成が含まれることを概略的に示す図である。
【0042】
図3aに示すように、本発明の一実施形態によるバッテリバルブは、バッテリのシール部に挿入できるように、両側が突出した形状であってもよい。また、バッテリバルブは、バッテリ内部のガスを外部に排出できるように、中心が貫通した構造を有してもよい。さらに、バッテリバルブは、中心を開閉できる構造を有してもよい。
【0043】
また、
図3bを参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリバルブ300は、
図3aに示す構造に通信部310、開閉調節部320、センサ部330及び電源部340を含んでもよい。ここで、通信部310、開閉調節部320、センサ部330及び電源部340の機能は
図2において説明したのと同様であるので、具体的な説明は省略する。なお、
図2のアラーム部250は
図3bに示していないが、
図3bにおいて任意の位置に設けることができる。
【0044】
例えば、
図3bのバッテリバルブ300は、左側部分がバッテリのシール部に挿入されるようにしてもよい。よって、挿入部分に位置するセンサ部330によりバッテリ内部の圧力を測定し、圧力が基準値以上に増加すると、開閉調節部320により通路を開いて内部ガスを外部に排出することができる。
【0045】
また、通信部310は、外部装置からバルブ開閉命令を受信すると、当該命令を開閉調節部に伝達することができる。よって、開閉調節部320は、外部から受信した命令に従ってバルブを開閉することができる。
【0046】
図3bにおいて、バッテリバルブ300の電源部340は、バッテリであってもよく、バッテリバルブ300の通信部310、開閉調節部320、センサ部330にそれぞれ電力を供給することができる。しかし、本発明によるバッテリバルブ300が必ずしも電源部340を含む必要はなく、外部の電力装置により有線又は無線で電力を受信するように構成されてもよい。
【0047】
一方、本発明によるバッテリバルブ300は、
図3a及び
図3bに示す形状にのみ限定されるものではなく、様々な形状に製作することができる。また、バッテリバルブ300の各構成も、
図3bに示す位置に限定されるものではなく、ユーザの必要に応じて任意の位置に配置することができる。
【0048】
図4は本発明の一実施形態によるバッテリバルブとバッテリ管理システム(BMS)が通信することを示す図である。
【0049】
図4に示すように、本発明の一実施形態によるバッテリバルブ410は、外部装置(例えば、BMS)420と通信することができる。ここで、バッテリバルブ410は、外部装置420に別途のケーブルを接続して有線で通信するか、又はWi-Fi、Bluetoothなどにより無線で通信することができる。
【0050】
例えば、バッテリバルブ410は、センサ部を介して検出した圧力値やバッテリ測定回路で受信したバッテリ状態情報などを外部装置420に送信することができる。また、外部装置420では、ユーザ入力により生成されたバルブ開閉命令をバッテリバルブ410に送信することができる。
【0051】
一方、
図4においてはバッテリバルブ410と外部装置420が直接通信することを示すが、別途のサーバ(図示せず)を介して各種情報を送受信するように構成されてもよい。この場合、サーバでは、データベースを介してバッテリバルブ410から受信したバッテリの圧力、電圧、温度などの状態情報やバッテリバルブ開閉命令送受信内訳など、各種データを保存することができる。
【0052】
よって、本発明の一実施形態によるバッテリバルブ410は、ユーザが直接バルブを開閉しなくても、BMSやユーザ端末などの装置により外部でバルブの開閉動作を行うことにより、容易にバッテリ内部のガスを外部に排出することができる。
【0053】
図5a及び
図5bは本発明の一実施形態によるバッテリバルブが挿入されたバッテリの平面図及び側面図をそれぞれ示す。
【0054】
図5a及び
図5bを参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリは、シール部510、電極リード520及びバッテリバルブ530を含んでもよい。
【0055】
シール部510は、バッテリセルを収納するバッテリケースをシールすることができる。例えば、パウチ状のバッテリは、上部パウチと下部パウチとが結合されてなる場合、シール部510が縁部に形成されてバッテリがシールされるようにしてもよい。この場合、
図5a及び
図5bに示すように、シール部510は、電極リード520の一部が露出するようにしてもよい。
【0056】
電極リード520は、バッテリ電極の電極タブに接続され、バッテリ電極で生成される電気が流れるようにする。具体的には、電極リード520は、正極リード及び負極リードを含んでもよい。ここで、バッテリケースの外部に突出した電極リード520の一部分は、端子部となり、外部の端子と電気的に接続されるようにしてもよい。
【0057】
バッテリバルブ530は、前述したように、外部装置から受信したバルブ開閉命令に従ってバッテリケースの内部及び外部を連通する通路を開閉することができる。また、バッテリバルブ530は、外部装置からバルブ開閉命令を受信しなくても、センサ部により測定された圧力が基準値以上である場合に自動でバルブを開閉するか、又は予め設定された周期でバルブを開閉するようにしてもよい。
【0058】
さらに、バッテリバルブ530は、
図5a及び
図5bに示すように、バッテリのシール部510間に挿入されてもよい。よって、バッテリケース内部のガス発生により圧力が高くなると、バッテリバルブ530により内部のガスを外部に排出することができる。
【0059】
一方、
図5a及び
図5bにおいては1つのバッテリバルブ530がバッテリケースに挿入されることを示すが、複数のバッテリバルブ530がバッテリケースに挿入されるようにしてもよい。また、バッテリバルブ530が挿入される位置も自由に構成することができる。
【0060】
図6は本発明の他の実施形態によるバッテリバルブの構成を示すブロック図である。
図7は本発明の他の実施形態によるバッテリバルブの動作を説明するための図である。
【0061】
まず、
図6を参照すると、本発明の他の実施形態によるバッテリバルブ600は、通信部610、開閉調節部620及びセンサ部630を含んでもよい。また、バッテリバルブ600は、
図2を参照して説明した電源部(図示せず)及びアラーム部(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0062】
通信部610は、外部装置から湿度情報を受信することができる。例えば、湿度情報とは、絶対湿度又は空気中の水蒸気濃度を意味することができる。実施形態によれば、絶対湿度又は空気中の水蒸気濃度は、バッテリ外部の絶対湿度又は空気中の水蒸気濃度を意味することができる。通信部610は、外部装置と有線(ケーブル)又は無線(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、NFCなど)で通信することができる。
【0063】
一方、バッテリバルブ600は、湿度情報を検知するためのセンサをさらに含んでもよい。この場合、バッテリバルブ600は、センサによりバッテリ外部の湿度情報を取得することができる。
【0064】
通信部610は、バッテリの状態情報を外部装置に送信することができる。ここで、バッテリの状態情報は、バッテリ管理システムや別途の測定回路から受信することができ、バッテリの電圧、電流、温度などが含まれる。また、通信部610は、センサ部630で検出されたバッテリの状態情報を外部装置に送信することができる。
【0065】
さらに、通信部610は、外部のサーバとも通信することができる。この場合、通信部610は、センサ部630で検出されたバッテリの状態情報、バッテリバルブ600の開閉状態、バルブ開閉命令受信内訳などの各種情報をサーバに送信することができる。
【0066】
開閉調節部620は、バッテリ内部の圧力を基準値と比較してバッテリの内部及び外部を連通する通路を開閉することができる。ここで、基準値は、通路の開放に関連する第1基準値及び通路の閉鎖に関連する第2基準値を含んでもよい。例えば、開閉調節部620は、レギュレータであってもよい。
【0067】
例えば、開閉調節部620は、センサ部630で検出されたバッテリ内部の圧力又はバッテリ管理システムや別途の測定回路から受信した圧力が第1基準値以上である場合、バルブを開くように(すなわち、通路を開放するように)制御し、センサ部630で検出されたバッテリ内部の圧力又はバッテリ管理システムや別途の測定回路から受信した圧力が第2基準値以下である場合、バルブを閉じるように(すなわち、通路を閉鎖するように)制御することができる。
【0068】
開閉調節部620は、湿度情報に基づいて第1基準値及び/又は第2基準値を設定することができる。例えば、開閉調節部620は、通信部610から湿度情報を取得することができる。開閉調節部620は、湿度情報に対応する絶対湿度が高いほど、第1基準値及び第2基準値を高く設定することができる。これは、バッテリ外部の絶対湿度が高いほど、バルブの開放時に外部から拡散してバッテリの内部に流入する水分が多くなるので、水分の流入を抑制するためのものである。
【0069】
図7を参照すると、開閉調節部620は、湿度情報に対応する絶対湿度が第1区間(a)に対応する場合、第1基準値を第1値に設定し、第2基準値を第2値に設定することができる。例えば、第1区間は、絶対湿度が0g/m
3より高く、かつ15g/m
3(H1)以下である区間として定義されるが、これに限定されるものではない。実施形態によれば、第1値は1.5atmと定義され、第2値は1.2atmと定義されるが、これに限定されるものではない。
【0070】
開閉調節部620は、湿度情報に対応する絶対湿度が第1区間より高い値を有する区間として定義される第2区間(b)に対応する場合、第1基準値及び第2基準値をそれぞれ第1値及び第2値より大きい値に設定することができる。例えば、第2区間は、絶対湿度が15g/m3より高く、かつ30g/m3(H2)以下である区間として定義されるが、これに限定されるものではない。実施形態によれば、開閉調節部620は、湿度情報に対応する絶対湿度が第2区間に対応する場合、第1基準値を2.0atmに設定し、第2基準値を1.5atmに設定することができるが、これに限定されるものではない。
【0071】
開閉調節部620は、湿度情報に対応する絶対湿度が第2区間より高い値を有する区間として定義される第3区間(c)に対応する場合、第1基準値を2.5atmに設定し、第2基準値を2.0atmに設定することができるが、これに限定されるものではない。例えば、第3区間は、絶対湿度が30g/m3より高い区間として定義されるが、これに限定されるものではない。
【0072】
再び
図6を参照すると、開閉調節部620は、バッテリ内部の圧力の増加速度を算出し、算出された増加速度に基づいて第1基準値及び第2基準値を設定することができる。例えば、開閉調節部620は、バッテリ内部の圧力の増加速度が高いほど、第1基準値及び/又は第2基準値を低い値に設定することができる。これは、バッテリ内部の圧力の増加速度が高い場合はより早くバルブを開放して(すなわち、通路を開放して)バッテリ内部の圧力を早期に下げるためのものである。
【0073】
一実施形態によれば、開閉調節部620は、バッテリ内部の圧力が第1増加速度(ex.1atm/1day)で第1増加分(ex.0.1atm)だけ増加する場合、第1基準値を1.5atmに設定し、第2基準値を1.1atmに設定することができるが、これに限定されるものではない。また、開閉調節部620は、バッテリ内部の圧力が第2増加速度(ex.1atm/1hour)で第1増加分だけ増加する場合、第1基準値を1.3atmに設定し、第2基準値を1.1atmに設定することができるが、これに限定されるものではない。
【0074】
さらに、開閉調節部620は、バッテリ内部の圧力が第3増加速度(ex.1atm/10min)で第2増加分(ex.0.5atm)だけ増加する場合、第1基準値を1.2atmに設定し、第2基準値を1.1atmに設定することができるが、これに限定されるものではない。ここで、開閉調節部620は、第1基準値を1.2atmで所定時間の間維持することができ、バッテリ内部の圧力が第2基準値以下になってバルブを閉じた後、所定時間(ex.24時間)の間、バッテリ内部の圧力が第3増加速度以下に維持される場合、第1基準値及び/第2基準値を再設定することができる。
【0075】
前述したように、バッテリの内部で発生したガスが所定値以上増加した場合、ユーザがバルブ開閉命令を入力しなくても、適時にバッテリの内部で発生したガスを外部に排出し、外部から拡散する水分を最小限に抑えることができる。
【0076】
さらに、開閉調節部620は、予め設定された周期で通路を開閉することにより、周期的にバッテリ内部のガスを外部に排出することができる。この場合、バッテリバルブ600は、タイマー(図示せず)を含み、ユーザにより設定された周期毎にバルブが開くように制御してもよい。
【0077】
センサ部630は、バッテリ内部の圧力を測定することができる。よって、バッテリの内部でガスが発生して圧力が高くなることを検出することができる。また、バッテリバルブ600のセンサ部630は、バッテリ内部の圧力以外にも、電圧、電流、温度、湿度などのバッテリの状態を検出するための様々なセンサを含んでもよい。
【0078】
一方、本発明の一実施形態によるバッテリバルブ600は、バッテリのシール部に挿入されるように構成されてもよい。また、バッテリは、円筒状、多角形状、パウチ状など、様々な形状を有する。
【0079】
図8は本発明の一実施形態によるバッテリバルブのハードウェア構成を示す図である。
【0080】
図8を参照すると、バッテリバルブ700は、マイクロコントローラ(MCU)710、メモリ720、入出力インタフェース730及び通信インタフェース740を含んでもよい。
【0081】
マイクロコントローラ710は、各種プログラムの処理及びバッテリバルブ700の各構成要素を制御することができる。すなわち、マイクロコントローラ710は、前述したバッテリバルブ700の各機能を実行できるように、全般的な処理及び制御動作を行うことができる。メモリ720には、運営体制プログラムや各種プログラム(例えば、バルブ開閉制御プログラム、圧力検知プログラムなど)などを記録することができる。また、メモリ720には、センサモジュール(図示せず)で検出された圧力データ、バッテリバルブ開閉情報などの各種データを保存することができる。
【0082】
入出力インタフェース730は、バッテリセルモジュール及び/又は半導体スイッチング素子との間で入力インタフェース及び出力インタフェースを提供することができる。例えば、入出力インタフェース730は、前述したディスプレイ部に該当するものであり得る。すなわち、入出力インタフェース730は、ユーザが各種入力動作を行えるようにしたり、バッテリバルブにより検出された状態情報、バルブ開閉情報などを出力したりするように構成されてもよい。
【0083】
通信インタフェース740は、有無線通信網を介して外部と通信可能にすることができる。例えば、通信インタフェース740は、前述した通信部に該当するものであり得る。すなわち、通信インタフェース740は、外部装置にバッテリの状態情報を送信し、外部装置からバルブ開閉命令を受信するなどの各種送受信動作を行うことができる。
【0084】
このように、本発明によるコンピュータプログラムは、メモリ720に記録され、マイクロコントローラ710により処理されることにより、
図2において説明したように、外部装置でバルブ開閉命令を受信してバルブの開閉を行うなど、前述した機能を実行するモジュールとして実現することができる。
【0085】
以上、本発明の実施形態を構成する全ての構成要素が1つに結合するか又は結合して動作すると説明されたとしても、本発明は、必ずしもこのような実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の目的の範囲内であれば、その全ての構成要素が選択的に1つ以上に結合して動作することもできる。
【0086】
なお、以上に記載された「含む」、「構成する」、「有する」などの用語は、特に反対の記載がない限り、該当構成要素を内在できることを意味するものであるので、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むこともあるものと解釈されるべきである。技術用語や科学用語を含む全ての用語は、別途定義されない限り、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。辞書に定義された用語のように一般的に用いられる用語は、関連技術の文脈上の意味と一致するものと解釈されるべきであり、本発明において明らかに定義しない限り、理想的な意味や過度に形式的な意味で解釈されてはならない。
【0087】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものにすぎず、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能であろう。よって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、そのような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲により解釈されるべきであり、それと均等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。