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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】包装用部材
(51)【国際特許分類】
   B65D 3/28 20060101AFI20240402BHJP
   B65D 3/00 20060101ALI20240402BHJP
   B65D 3/04 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
B65D3/28 A
B65D3/00 B
B65D3/04
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022570048
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(86)【国際出願番号】 JP2021046397
(87)【国際公開番号】W WO2022131313
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-05-02
(31)【優先権主張番号】P 2020207995
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】320007734
【氏名又は名称】株式会社KY7
(72)【発明者】
【氏名】高野 朗
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-162700(JP,A)
【文献】特開昭56-164839(JP,A)
【文献】実開昭58-082316(JP,U)
【文献】特開平11-342931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 3/00-3/28
B65D 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙系素材からなるブランク材の2つの端部を重ねた状態で該端部の互いの対向域を互いに接合した接合部を備えた環状の側壁を有し、
2つの前記端部それぞれは、前記ブランク材を圧縮した圧縮部をなし、且つ、先端に向かって先細りした形状となっており、
前記圧縮部は基端を有し、前記ブランク材の圧縮度が、前記圧縮部の基端から前記端部の先端までの全体にわたり、前記端部の先端に向かって順次大きくなるように形成されており、
前記端部のうち前記対向域に対する裏面側の領域を非対向域と定め、前記ブランク材の厚み方向を法線とする平面を水平面に揃えた場合に、それぞれの前記端部は、下記式1を満たす、
包装用部材。

β≧α ・・・(式1)

ただし、βは、前記ブランク材の厚み方向に沿った前記ブランク材の切断面における、前記水平面に沿った方向を基準として前記対向域の外端から前記対向域の内端に向かう方向の第1の仰俯角を示し、αは、前記切断面における、前記水平面に沿った方向を基準として前記非対向域の外端から前記対向域の前記内端の裏面側に対応した前記非対向域の位置に向かう方向の第2の仰俯角を示す。
【請求項2】
紙系素材からなるブランク材の2つの端部を重ねた状態で該端部の互いの対向域を互いに接合した接合部を備えた環状の側壁を有し、
2つの前記端部それぞれは、前記ブランク材を圧縮した圧縮部をなし、且つ、先端に向かって先細りした形状となっており、
前記圧縮部は基端を有し、前記ブランク材の圧縮度が、前記圧縮部の基端から前記端部の先端までの全体にわたり、前記端部の先端に向かって順次大きくなるように形成されており、
前記端部のうち前記対向域に対する裏面側の領域として定められる非対向域に、前記非対向域の外端まで傾斜した傾斜面が形成されており、
それぞれの前記端部は、下記式2を満たす、
包装用部材。

L1≧L2 ・・・(式2)

ただし、L1は、前記ブランク材の厚み方向に沿った前記ブランク材の切断面における、前記対向域の外端から前記対向域の内端までの離間距離を示し、L2は、前記切断面における、前記傾斜面の外端から前記傾斜面の前記内端までの離間距離を示す。
【請求項3】
少なくとも一方の前記端部では、前記対向域の外端と前記非対向域の外端が一致している、
請求項1又は2に記載の包装用部材。
【請求項4】
少なくとも一方の前記端部の先端が端面をなしており、該端面の一方縁に前記対向域の外端が形成され、該端面の他方縁に前記非対向域の外端が形成されている、
請求項1又は2に記載の包装用物品。
【請求項5】
2つの前記端部それぞれの前記対向域は、互いに異なる形状であり且つ、互いに対応しあう形状となっている、
請求項1又は2に記載の包装用物品。
【請求項6】
前記接合部は2つの前記端部それぞれの前記対向域の全面を接合した状態で形成されている、
請求項1又は2に記載の包装用部材。
【請求項7】
前記αと前記βの組み合わせは、2つの前記端部の間で異なっており、2つの前記端部それぞれを形成するそれぞれの前記圧縮部は、圧縮率のプロファイルを互いに異にしている、
請求項1に記載の包装用部材。
【請求項8】
一方の前記端部が、他方の前記端部よりも前記αと前記βの和が小さく、且つ、前記側壁の内周面に露出している、
請求項1に記載の包装用部材。
【請求項9】
前記圧縮部が前記端部の全体にわたって形成されている、
請求項1又は2に記載の包装用部材。
【請求項10】
容器又は蓋体として用いられる、
請求項1又は2に記載の包装用部材。
【請求項11】
容器として用いられ、
該容器は、前記側壁の上端に沿って外巻きに形成された環状のカール部と、該カール部に囲まれた開口とを有しており、
前記カール部の外周面に前記圧縮部が露出している、
請求項1又は2に記載の包装用部材。
【請求項12】
蓋体として用いられ、
該蓋体は、前記側壁の内周面に前記圧縮部が露出している、
請求項1又は2に記載の包装用部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装用部材に関する。本発明は、特に、環状の側壁を有する包装用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーなどの飲料や総菜などの内容物を収容する可撓性を有する容器や、そうした容器に対する蓋体などといった包装用部材として、紙系素材からなる包装用部材が提案されている。
【0003】
容器や蓋体などの包装用部材は、天蓋や底面材の周囲に環状の側壁を備える。環状の側壁としては、帯状の紙片などからなるブランク材から得られたものが提案されている。例えば、ブランク材を環状に丸めてそのブランク材の長手方向に沿って離れた2つの端部を重ね合わせて重なり部を形成し、重なり部で端部同士を接合して接合部を形成することで、側壁が得られる。
【0004】
このような包装用部材については、重なり部でブランク材の端部の位置に形成される段差部を解消して密閉性を向上させることが要請される。例えば、包装用部材となる容器や蓋の側壁において、大きな段差部が生じた場合、蓋を装着された容器においても容器と蓋との密閉性が損なわれてしまう。そして、容器と蓋の密閉性が損なわれると、蓋を装着された容器内から内容物が意図せずにこぼれ出てしまう事態が起こりかねない。また、ブランク材の端部の位置では端面が露出した状態となりやすく、容器の内容物が液体であるような場合には、端面から液体がしみこみやすい。
【0005】
この点、特許文献1には、段差部に樹脂が塗布されることで段差部を埋める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-227170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に提案された技術では、重なり部上に樹脂が塗布されてしまうと、樹脂を塗布された部分とそれ以外の部分との間で側壁の肉厚み差が大きくなることがある点で、包装用部材の密閉性を改善する余地がある。また、特許文献1に提案された技術では、内容物が液体である場合には、樹脂に含まれる様々な成分が液体中に漏れ出すことに配慮する必要が生じる点で、端部からの内容物のしみこみの点でも改善の余地がある。
【0008】
本発明の目的は、密閉性に優れるとともにブランク材の端面からの内容物のしみこみを改善した包装用部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
(1)紙系素材からなるブランク材の2つの端部を重ねた状態で該端部の互いの対向域を互いに接合した接合部を備えた環状の側壁を有し、
2つの前記端部それぞれは、前記ブランク材を圧縮した圧縮部をなし、且つ、先端に向かって先細りした形状となっており、
前記圧縮部は基端を有し、前記ブランク材の圧縮度が、前記圧縮部の基端から前記端部の先端までの全体にわたり、前記端部の先端に向かって順次大きくなるように形成されており、
前記端部のうち前記対向域に対する裏面側の領域を非対向域と定め、前記ブランク材の厚み方向を法線とする平面を水平面に揃えた場合に、それぞれの前記端部は、下記式1を満たす、
包装用部材。
【0010】
β≧α ・・・(式1)
【0011】
ただし、βは、前記ブランク材の厚み方向に沿った前記ブランク材の切断面における、前記水平面に沿った方向を基準として前記対向域の外端から前記対向域の内端に向かう方向の第1の仰俯角を示し、αは、前記切断面における、前記水平面に沿った方向を基準として前記非対向域の外端から前記対向域の前記内端の裏面側に対応した前記非対向域の位置に向かう方向の第2の仰俯角を示す。
【0012】
(2)紙系素材からなるブランク材の2つの端部を重ねた状態で該端部の互いの対向域を互いに接合した接合部を備えた環状の側壁を有し、
2つの前記端部それぞれは、前記ブランク材を圧縮した圧縮部をなし、且つ、先端に向かって先細りした形状となっており、
前記圧縮部は基端を有し、前記ブランク材の圧縮度が、前記圧縮部の基端から前記端部の先端までの全体にわたり、前記端部の先端に向かって順次大きくなるように形成されており、
前記端部のうち前記対向域に対する裏面側の領域として定められる非対向域に、前記非対向域の外端まで傾斜した傾斜面が形成されており、
それぞれの前記端部は、下記式2を満たす、
包装用部材。
【0013】
L1≧L2 ・・・(式2)
【0014】
ただし、L1は、前記ブランク材の厚み方向に沿った前記ブランク材の切断面における、前記対向域の外端から前記対向域の内端までの離間距離を示し、L2は、前記切断面における、前記傾斜面の外端から前記傾斜面の前記内端までの離間距離を示す。
【0015】
本発明は、(3)少なくとも一方の前記端部では、前記対向域の外端と前記非対向域の外端が一致している、
上記(1)又は(2)に記載の包装用部材、
(4)少なくとも一方の前記端部の先端が端面をなしており、該端面の一方縁に前記対向域の外端が形成され、該端面の他方縁に前記非対向域の外端が形成されている、
上記(1)又は(2)に記載の包装用部材、
(5)2つの前記端部それぞれの前記対向域は、互いに異なる形状であり且つ、互いに対応しあう形状となっている、
上記(1)又は(2)に記載の包装用部材、
(6)前記接合部は、2つの前記端部それぞれの前記対向域の全面を接合した状態で形成されている、
上記(1)又は(2)に記載の包装用部材、
(7)前記αと前記βの組み合わせは、2つの前記端部の間で異なっており、2つの前記端部それぞれを形成するそれぞれの前記圧縮部は、圧縮率のプロファイルを互いに異にしている、
上記(1)に記載の包装用部材、
(8)一方の前記端部が、他方の前記端部よりも前記αと前記βの和が小さく、且つ、前記側壁の内周面に露出している、
上記(1)に記載の包装用部材、
(9)前記圧縮部が前記端部の全体にわたって形成されている、
上記(1)又は(2)に記載の包装用部材、
(10)容器又は蓋体として用いられる、
上記(1)又は(2)に記載の包装用部材、
(11)容器として用いられ、
該容器は、前記側壁の上端に沿って外巻きに形成された環状のカール部と、該カール部に囲まれた開口とを有しており、
前記カール部の外周面に前記圧縮部が露出している、
上記(1)又は(2)に記載の包装用部材、
(12)蓋体として用いられ、
該蓋体は、前記側壁の内周面に前記圧縮部が露出している、
上記(1)又は(2)に記載の包装用部材、
を要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、包装用部材が、紙系素材からなるブランク材の2つの端部を重ねた状態で該端部の互いの対向域を互いに接合した接合部を備えた環状の側壁を有している。また、2つの前記端部それぞれは、前記ブランク材を圧縮した圧縮部をなし、且つ、先端に向かって先細りした形状となっており、前記端部のうち前記対向域に対する裏面側の領域を非対向域と定め、前記ブランク材の厚み方向を法線とする平面を水平面とした場合に、それぞれの前記端部は、上記式1を満たす。
【0017】
本発明によれば、包装用部材において、2つの前記端部それぞれは、前記ブランク材を圧縮した圧縮部をなし、且つ、先端に向かって先細りした形状となっており、前記端部のうち前記対向域に対する裏面側の領域として定められる非対向域に、前記非対向部の外端まで傾斜した傾斜面が形成されており、前記ブランク材の厚み方向を法線とする平面を水平面とした場合に、それぞれの前記端部は、上記式2を満たす。
【0018】
本発明によれば、包装用部材が上記したような構成を備えることにより、密閉性に優れる包装用部材を提供することができる。そして、密閉性に優れる包装用部材が得られることで、蓋が装着された容器内から内容物が意図せずにこぼれ出てしまう事態を抑制することが可能となる。また、ブランク材の端部が圧縮され、かつ、端部の端面の面積が抑制されるため、端部からの内容物のしみこみを改善することができる。しかも、圧縮部は、圧縮という物理的工程により実現することができることから、樹脂などの化学物質を新たに用いる場合に懸念される樹脂に含まれる成分の溶出に配慮する必要性を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、第1の実施形態の一実施例を説明するための斜視図である。
図2図2は、図1のA-A線縦断面の状態を示す縦断面図である。
図3図3は、第1の実施形態の一実施例を説明するための図1のB-B線横断面の状態を示す図、及び、一点鎖線で囲まれた領域S1を拡大した状態を示す部分拡大図である。
図4図4(a)は、ブランク材の一例を示す平面図である。図4(b)は、図4(a)の一点鎖線Wでブランク材を切断したC-C線縦断面の状態を示す断面図である。
図5図5(a)、図5(b)は、ブランク材の端部付近の一例を示す断面図である。図5(c)は、第1の実施形態における重なり部と接合部の状態の一例を示す図である。
図6図6(a)、図6(b)は、第1の実施形態における重なり部と接合部の状態の一例を示す断面図である。
図7図7(a)から図7(g)は、第1の実施形態における端部の一例を示す断面図である。
図8図8は、第2の実施形態の一実施例におけるブランク材を説明するための断面図である。
図9図9(a)、図9(b)は、第2の実施形態における重なり部と接合部の状態の一例を示す断面図である。
図10図10(a)は、第1の実施形態の包装用部材(容器)に蓋体を取り付けた状態を示す断面図、及び、領域S2の部分の部分拡大図である。図10(b)は、第1の実施形態の包装用部材(容器)に蓋体を取り付けた状態を示す要部拡大図である。
図11図11(a)は、第4の実施形態の一実施例を説明するための断面図である。図11(b)は、第5の実施形態の一実施例を説明するための断面図である。
図12図12(a)、図12(b)、図12(c)は、第6の実施形態の一実施例を説明するための断面図である。
図13図13は、第7の実施形態の一実施例を説明するための斜視図、及び領域S3の部分拡大図である。
図14図14は、第7の実施形態の変形例の一実施例を説明するための斜視図である。
図15図15は、図14のD-D線縦断面の状態を示す縦断面図である。
図16図16(a)は、第7の実施形態の変形例の一実施例を説明するための平面図、及び、領域S4の部分拡大図である。図16(b)は、第7の実施形態の変形例の一実施例にかかる包装用部材(容器)に蓋体を取り付けた状態を示す要部拡大図である。
図17図17(a)から図17(h)は、第1の実施形態の包装用部材の製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。
図18図18は、ブランク材の端部に圧縮部を形成する工程を説明するための断面図である。
図19図19は、従来の包装用部材を形成するためのブランク材における重なり部と接合部の状態の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に関係した各実施形態について図面を参照しながら説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
以下の説明は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容は、これらの実施の形態等に限定されるものではない。また、以下の説明において、説明の便宜を考慮して、前後、左右、上下等の方向を示すが、本発明の内容はこれらの方向に限定されるものではない。図1図2図3図4図10図11図12図13図14図15図16の例では、Z軸方向を上下方向(上側が+Z方向、下側が-Z方向)、X軸方向を前後方向(前側が+X方向、後ろ側が-X方向)、Y軸方向を左右方向(右側が+Y方向、左側が-Y方向)であるものとし、これに基づき説明を行う。図1から図19の各図に示す各層の大きさや厚みの相対的な大小比率は便宜上の記載であり、実際の大小比率を限定するものではない。
【0022】
本明細書において「包装用部材」とは、例えば飲食物等のような各種の物品を内容物として内部に収容することを目的として使用することができるものを示す。具体的には、包装用部材とは、容器や蓋体その他の包装体を包含する概念である。したがって、包装用部材は、容器又は蓋体のいずれかとして用いるものであってよい。
【0023】
第1の実施形態から第6の実施形態では、包装用部材が蓋体として用いられるものである場合における一実施例に基づき説明を行う。第7の実施形態では、包装用部材が容器として用いられるものである場合における一実施例に基づき説明を行う。
【0024】
[1 第1の実施形態]
[1-1 構成]
本発明の第1の実施形態にかかる包装用部材は、蓋体1である。蓋体1は、天蓋2と壁材3とを備える。蓋体1は、図1等を用いて後述するように、例えば上端側を開口させた有底の容器Tの開口縁部に対して装着させることができる。このとき、容器Tとしては、金属など、剛性を有するものが用いられてもよいが特に開口縁部に可撓性を有するものが好適に用いられる。
【0025】
(天蓋)
天蓋2は、容器Tに装着された状態で、容器Tの開口を覆う天面部4と、天面部4の外周縁から上方向に立ち上がる立ち上がり部5とを有している。立ち上がり部5は、壁材3の下端(容器T側に向かうほうの下端)よりも上側の所定位置で、壁材3の内周面側に接合されている。天面部4の形状は特に限定されず、容器Tの形状に応じて定められてよい。天面部4の形状としては、図1から図3に示すような円形状の他、楕円形状、矩形状、三角形状、多角形状、面取り矩形状、面取り多角形状等を例示することができる。
【0026】
天蓋2を構成する材料としては、例えば、パルプ系素材、繊維系素材、合成樹脂系素材、金属系素材、木材系素材、ガラス系素材やこれらの複合体や積層体等が挙げられる。
【0027】
天蓋2は、後述するように、例えば、原反材を打ち抜き加工等することで形成された天蓋形成用のブランク材の成形によって得ることができる。天蓋形成用の原反材としては、その材質等に限定はないが、例えば、紙系素材、織布素材、不織布素材、樹脂フィルム・シート材、アルミ箔等の金属箔、木箔等を適宜選択可能である。環境負荷の観点と取り扱いの容易性の観点からは、天蓋形成用の原反材は紙系素材であることが好ましい。紙系素材としては、植物繊維、その他の繊維を膠着させて製造される、いわゆる紙類の他、化学繊維紙、合成紙、耐水紙、コート紙、代替紙、羊皮紙、羊毛紙、ガラス繊維紙、ストーンペーパー、陶紙等が挙げられる。なお、不織布としては、例えば、空気流によって積繊した粉砕パルプを結合してシート状に形成したいわゆるエアレイドシート、パルプ系素材、天然繊維素材や合成繊維等の繊維の不織布を挙げることができる。樹脂フィルム・シート材としては、例えば、合成樹脂や天然樹脂、生分解性樹脂のフィルムやシートを挙げることができ、中でも生分解性樹脂のフィルムやシートを好ましく用いることができる。
【0028】
(壁材)
蓋体1は、包装用部材の側壁として壁材3を有する。壁材3は、環状に形成されている。壁材3は、所定形状を有する壁材形成用のブランク材30の2つの端部31、32を重ねた重なり部6と、その重なり部6で端部31、32を互いに接合する接合部7とを備える。重なり部6では、端部31の一方の面と端部32の一方の面とが向かい合わされる。端部31、32の互いに向かい合う面の部分が、対向域9である。
【0029】
壁材形成用のブランク材30を形成するための原反材としては、紙系素材が用いられる。したがって、ブランク材30としては、紙系素材が用いられる。紙系素材としては、天蓋形成用の原反材に関して上述したような各種の紙系素材を適宜用いることができる。図1の例では、壁材形成用の原反材として扇形状に形成された紙系素材を用い、紙系素材の円周方向に沿って離間した2つの端部を互いに重ねあわせて重なり部が形成されている。ここにいう端部31、32とは、ブランク材30の端縁から内側方向に向かった所定の位置までの部分を示す。
【0030】
(接合部)
接合部7は、重なり部6の少なくとも一部、好ましくは重なり部6の全体で2つの端部31、32の互いの対向域9、9を互いに接合することで形成される。接合部7は、対向域9、9を互いに全面的に接合された状態で形成されてもよいし、対向域の一部が互いに接合された状態で形成されてもよい。図3に示す例では、接合部7は、対向域9、9を互いに全面的に接合された状態で形成されている。
【0031】
2つの端部31、32の接合方法としては、接着剤やホットメルト接着剤、二液型接着剤、ヒートシール、高周波接合、超音波接合等の方法が挙げられるが、超音波接合が好適である。
【0032】
接合部7は、後述する圧縮部8の形成部分又はその形成部分を含む部分の接合で形成されている。この場合、圧縮部8全体を接合部7に用いることができる。図1から図3図5の例では、端部31、32それぞれが圧縮部8をなし、それぞれの圧縮部8の形成部分の一方面側を対向域9、9として、対向域9、9の全面的な接合で接合部7が形成されている。なお、このことは、接合部7が、圧縮部8の形成部分の一部に形成されていることを禁止するものではない。
【0033】
(圧縮部)
図1から図5の例に示すように、壁材形成用のブランク材30の端部(端部31と端部32)に、圧縮部8が形成されている。図5は、図3における重なり部6を含む部分を抜き出して模式化した図面である。圧縮部8は、重なり部6を形成する端部31の一部に形成されていてもよいが、図5に示すように重なり部6を形成する端部31の先端31aから基端31bまでの全体にわたって圧縮部8が形成されていることが好ましい。この場合、ブランク材30の端部31の位置でブランク材30の厚み変化が適度に緩やかとなり、容器Tとの密着性をより向上させることができる。また図5の例では、ブランク材30の厚み方向を視線方向とした場合に、端部31の圧縮部8の基端の位置が、対向域9の内端9b1及び非対向域10の内端10b1に一致し、圧縮部8の先端が、対向域9の外端9a1及び非対向域10の外端10a1に一致している。端部32の圧縮部8についても同様である。なお、これらのことは、圧縮部8の形成範囲と、端部31、32の範囲や、対向域9の形成範囲が異なることを禁止するものではない。例えば、図7(g)に示すように、圧縮部8の形成範囲の一部で端部31が形成されてもよい。
【0034】
圧縮部8は、壁材形成用のブランク材30を圧縮して形成される部分である。蓋体1においては、圧縮部8は、上述したように、壁材形成用のブランク材30における端部31と端部32が圧縮されることで形成される。壁材形成用のブランク材30の圧縮方法としては、例えば、プレス処理等を挙げることができる。プレス処理としては、非加熱条件下での非加熱プレス処理や、加熱条件下での熱プレス処理、超音波プレス処理などを例示することができる。また、条件としては、加熱以外にも加湿条件などを挙げることができる。例えば、プレス処理としては、加湿状態でのプレス処理等を挙げることができる。ここに、非加熱プレス処理や熱プレス処理は、加湿条件下で実施されてもよいし、非加湿条件下で実施されてもよい。このような様々なプレス処理の中でも、熱プレス処理が好ましい。熱プレス処理が採用されることで、壁材形成用のブランク材30の端部31の厚みを容易に薄くすることができるとともに、ブランク材30の厚みが薄い位置ほど壁材形成用のブランク材30の密度を向上させた状態を形成することができる。
【0035】
蓋体1においては、圧縮部8では、壁材形成用のブランク材30の圧縮度が端部31の先端31aに向かって大きくなっていることが好ましい。これは、壁材形成用のブランク材30の少なくとも一方の端部31を圧縮する際に、端部31の先端31aに近い位置ほど強い力で壁材形成用のブランク材30がプレスされることで具体的に実現することができる。また、図3から図5の例の場合、壁材形成用のブランク材30における端部31の先端31aの密度が高められる。さらに、壁材形成用のブランク材30における端部31の先端31aの端面の面積を小さくすることが容易となる。このため、蓋体1を取り付けられる容器Tの内容物が液体であるような場合に、壁材3を形成するブランク材30の端部31の先端31aの位置に内容物が付着しても、その先端31aから壁材3の内部に向かって内容物がしみこみにくくなる。これらのことは、端部32についても同様である。すなわち、壁材形成用のブランク材30の圧縮度が端部32の先端32aに向かって大きくなっていることが好ましい。端部32の場合も、端部31の場合と同様の方法で実現可能であり、端部31の場合と同様の効果を期待することができる。
【0036】
(端部の形状)
壁材形成用のブランク材30の端部31は、先端31aに向かって先細りした形状(ブランク材30の肉厚みが先端31aに向かって薄くなる形状)となっている。図3から図5の例では端部31の基端31bが圧縮部8の基端に対応し、端部31の先端31aが圧縮部8の先端に対応している。これと同様に端部32についても、先端32aに向かって先細りした形状となっており、端部32の基端が圧縮部8の基端に対応し、端部32の先端32aが圧縮部8の先端に対応している。
【0037】
(仰俯角)
端部31、32それぞれの形状は、それぞれ次に述べる仰俯角の値が下記式3を満たすような形状となっている。
【0038】
すなわち、端部31、32それぞれについて、端部31、32のうち対向域9、9に対する裏面側の領域を非対向域10、10と定義して、ブランク材30の厚み方向を法線(図4(b)においては法線F)とする平面を水平面Mに揃えた(平行にした)場合に、端部31、32それぞれは、下記式3を満たしている。ブランク材30の厚み方向を法線とする平面を水平面とした場合とは、図4(a)に示すように、側壁としての壁材3の端部31、32を分離して平面展開したブランク材30の状態とし、ブランク材30の厚み方向(図4(b)においてはZ軸方向)に直交する平面の傾きを水平面に一致させた場合を示す。また、対向域9に対する裏面側の領域とは、対向域9の形成領域に対して、ブランク材30の厚み方向に沿った方向に逆面側に対応する領域を示す。
【0039】
β≧α ・・・(式3)
【0040】
ただし、式3において、βは、図4(b)に示すように、ブランク材30の長手方向(図4(a)中、一点鎖線W)に沿ったブランク材の切断面における、水平面Mに沿った方向を基準として対向域9の外端から対向域9の内端に向かう方向の第1の仰俯角を示し、αは、切断面における、水平面Mに沿った方向を基準として非対向域10の外端から対向域9の内端の裏面側に対応した非対向域10の位置(非対向域10の領域の内端)に向かう方向の第2の仰俯角を示す。図4(b)の例では、端部31について、第1の仰俯角(β)は、水平面Mと、対向域9の外端9a1から内端9b1に向かう方向(外端9a1と内端9b1を結ぶ直線ののびる方向)とのなす角であり、第2の仰俯角(α)は、水平面Mと、非対向域10の外端10a1から内端10b1に向かう方向(外端10a1と内端10b1を結ぶ直線ののびる方向)とのなす角である。また、端部32について、第1の仰俯角(β)は、水平面Mと、対向域9の外端9a2から内端9b2に向かう方向(外端9a2と内端9b2を結ぶ直線ののびる方向)とのなす角であり、第2の仰俯角(α)は、水平面Mと、非対向域の外端10a2から内端10b2に向かう方向(外端10a2と内端10b2を結ぶ直線ののびる方向)とのなす角である。このことは、図5図6図7図9についても同様である。
【0041】
βの値は、0°を超えて90°未満であり、αの値は、0°以上90°未満である。また、βとαの大小関係は、上記式3の中でも、β>αであることが好ましい。このように構成されていることで、端部31、32の対向域9、9の面積を確保することが容易となり、重なり部6の大きさを確保しやすくすることができる。
【0042】
(αとβの組み合わせ)
また、αとβの値の組み合わせ(α、β)は、2つの前記端部(端部31、32)の間で異なっていてもよい。すなわち、図6(b)に示すように、端部31における(α、β)の組み合わせを(α1、β1)とし、端部32における(α、β)の組み合わせを(α2、β2)とした場合に、α1とα2が異なってよく、また、β1とβ2が異なっていてもよい。この場合、端部31、32の間で圧縮率のプロファイルを互いに異にしている状態となりやすくなる。端部31について圧縮率のプロファイルとは、端部31の基端31bから先端31aまでの各位置と圧縮率の関係を示す。端部32について圧縮率のプロファイルとは、端部32の基端32bから先端32aまでの各位置と圧縮率の関係を示す。
【0043】
また、αとβの値の組み合わせが、2つの端部31、32の間で異なっている場合、一方の端部(端部31、32のいずれか一方)が、他方の端部(端部31、32のうち他方)よりもαとβの値の和が小さく、且つ、側壁の内周面(壁材3の内周面3a)に露出していることが好ましい。すなわち、例えば、2つの前記端部(端部31、32)の間で、端部31の方が端部32よりもαとβの値の和が小さい場合に、端部31の方が壁材3の内周面3aに露出していることが好ましい。この場合、圧縮率を高められたほうの端部が側壁の内周面側に配置されることができるようになり、重なり部6の段差がより効果的に解消されるとともに、内容物のしみこみをより効果的に抑制することができる。
【0044】
(対向域と非対向域の外端位置)
端部31の先端は、図5のように突き出ていてもよい。ブランク材30の長さ方向に沿って端部31の先端31aが突き出ている場合、対向域9の外端9a1と非対向域10の外端10a1の上下方向の位置をおおむね一致させることができる。また、端部31の先端31aは、図7(b)、図7(e)に示すように、端面をなしてもよい。この場合、先端31aをなす端面の一方縁に対向域9の外端9a1が形成され、端面の他方縁に非対向域10の外端10a1が形成され、外端9a1と外端10a1が離間する。なお、これらのことは、先端32aについても同様である。また、先端31a、32aの両方が端面をなしていてもよいが、端部31、32のうちの少なくとも一方の先端(例えば、端部31の先端31a)に形成されていてもよい。
【0045】
(対向域と非対向域の形状)
上記式3の条件が満たされていれば対向域9及び非対向域10の形状は、特に限定されず、図7(b)から図7(g)に示すように、傾斜面、屈曲面及び湾曲面のいずれでもよい。非対向域10については、さらに、図7(a)に示すように平坦面でもよい。対向域9及び非対向域10の少なくともいずれか一方の形状が、傾斜面である場合には、傾斜面は非湾曲傾斜面でもよいし湾曲傾斜面でもよい。湾曲傾斜面である場合には、凸状湾曲面でもよいし、凹状湾曲面でもよい。また、対向域9及び非対向域10の少なくともいずれか一方には凹凸が形成されてもよい。凹凸は、その形成方法を限定されないが、例えば、対向域9及び非対向域10のうち凹凸を形成しようとする部分にエンボス加工を施すことによって具体的に実現することができる。なお、図7(a)から図7(g)については、端部31について示すが、端部32についても同様である。
【0046】
また、対向域9及び非対向域10の形状は、傾斜面と湾曲面が組み合わされてもよいし、平坦面と湾曲面が組み合わされていてもよい。図6(a)に示す例では、対向域9及び非対向域10の形状は、それぞれの内端(9b1、10b1、9b2、10b2)側で非湾曲傾斜面となり、外端(9a1、10a1、9a2、10a2)近傍位置で端部31、32の先端31a、32aに向かって凸状湾曲面を形成している。また、この例では、端部31、32の一方側に形成された対向域9、9における凸状湾曲面の部分の全部又は一部が、端部31、32の他方側に形成された対向域9、9に接合されていなくてもよい。
【0047】
端部31と端部32の組み合わせは、例えば、端部31の形状が図7(f)のような形状である場合には、端部32も図7(f)のような形状である等、互いの対向域9の形状が同様の形状となるような形状であることが好ましいが、2つの端部31、32それぞれの対向域9、9は、互いに異なる形状であってもよい。例えば、端部31、32の一方の対向域9が、凹状湾曲傾斜面で形成され、端部31、32の他方の対向域9が、凸状湾曲傾斜面で形成されていてもよい。このような場合、2つの端部31、32それぞれの対向域は、互いに対応しあう形状となっていることが、2つの端部31、32をより密接に接合することができる観点からは好適である。非対向域10についても端部31と端部32の組み合わせは、例えば、端部31の形状が図7(f)のような形状である場合には、端部32も図7(f)のような形状である等、互いの非対向域10の形状が同様の形状となるような形状であっても、異なっていてもよい。
【0048】
(壁材の外観形状)
壁材3の外観形状は、特に限定されず、上下方向に同口径の筒状に形成されてもよいが、図1から図3に示すように、壁材3により形成された側壁が上方向から下方向に向かって内径が小さくなるような筒型に形成することが好ましく、また蓋体1の下端部における内径が該蓋体1によって閉蓋される容器Tの口部が形成されている上端部の外径よりもやや小さくなるように形成されていることがより好ましい。
一般的に、紙系素材は厚み方向に対しては折れ曲がったりする等の変形がしやすいが、厚み方向と直交する面方向に対しては変形しにくいといった性質を有している。そのため、本実施の形態にかかる蓋体1のように、天蓋2と壁材3とから形成されていると、天蓋2が有する曲げ方向への変形しやすさと壁材3が有する周方向への変形しにくさとを併せ持たせることができる。
側壁が下方向に向かって内径が小さくなる筒状に形成され、かつ下端部の内径が容器Tの口部の外径よりやや小さくなるように形成された構成を有する蓋体1の場合、容器Tに対しては天蓋2を曲げ変形させるとともに容器Tの口部を変形させながら嵌合させることができる。そのため、蓋体1の下端部の内径が容器Tの上端部の外径よりも小さく形成されているにも関わらず、蓋体1を容器Tに対してスムーズに装着させることができる。また、蓋体1は、圧縮部8を形成することによって、側壁の内側の重なり部6における厚みを大きく低減させているため、閉蓋時における蓋体1の側壁内面側と容器Tの口部との間の密閉性をより大きく向上させることもできる。さらに、蓋体1は、下端部の内径が容器Tの口部の外径よりも小さくなるように形成されていることと、閉蓋時の蓋体1と容器Tとの隙間が低減されていることと相俟って、蓋体1と容器Tとの間から内容物としての液体が漏れ出るおそれが少なく、また例えば不意に蓋体1を装着した状態で容器Tを落下させたような場合であっても、落下時の衝撃に伴って蓋体1が外れるといった事態を低減することもできる。なお、このように蓋体1を装着した場合であっても、使用者が蓋体1を取り外そうとするときは、天蓋2を曲げ変形させながら取り外すことができるので、容易に取り外すことを可能にすることもできる。
【0049】
[1-2 作用効果]
蓋体1が紙系素材で形成されている場合、環境への配慮がなされている一方で、ウレタン素材などの樹脂素材に比べて紙系素材はクッション性が少なく寸法安定性が高い。このため、仮に、蓋体の壁材の重なり部に、ブランク材の厚みに由来する段差が大きく形成されている場合、蓋体を取り付けた容器において、この段差の部分から容器の内容物が漏れ出す虞がある。第1の実施形態にかかる包装用部材となる蓋体においては、側壁としての壁材3を形成するブランク材30の端部の少なくとも一方(端部31)が圧縮部8となっており上記式3を満たしていることで、ブランク材30の厚みが端部31、32で先端31a、32aに向かって薄くなっている。このため、端部31、32同士を重ね合わせた重なり部6において、ブランク材30の端部31、32の先端31a、32aの厚みに伴う段差が低減されている。なお、本発明において、重なり部6に形成される段差とは、図19に示すような端部31、32の先端31a、32aで重なり部306の端に形成される段差Gに対応する段差を示す。図19は、従来の包装用部材における重なり部6の部分を示す図である。なお、符号307は、接合部を示す。
【0050】
図3の例では、蓋体1が、その内周面3a側に圧縮部8が露出するように重なり部6を形成している。このため、容器Tとの接合面となる容器Tの外周面側に圧縮部8が向い合うように蓋体1を容器Tに取り付ける場合において、図10(a)、図10(b)に示すように、容器Tの開口縁部の外周面側の部分に対して蓋体1の内周面3aをより密着させることができる。また、仰俯角βよりも小さい仰俯角αとなっている方の面側(非対向域側)が容器Tの外周面側に向かい合うため蓋体1と容器Tとの密着性が優れるので、蓋体1を装着した容器Tを傾けても容器Tと蓋体1との間から内容物が意図せずこぼれだす事態を抑制することができる。なお、図10(a)は、蓋体1を容器Tに装着した状態を示し、図10(b)は、蓋体1と容器Tとの接触部を示している。
【0051】
ブランク材30の厚みを端部31で薄くするためには、原反材を斜めに切断してブランク材30の端部31を斜めの切断面とする方法も考えられる。しかしながら、この場合、切断面の面積が大きくなり、ブランク材30の内部の紙の層の露出面積が大きくなる。一般に、ブランク材30を形成するための原反材には、その表面に撥水処理が施されており、原反材を切断してブランク材30を形成した場合においては、ブランク材30の端面は撥水処理の非処理面となっている。したがって、原反材を斜めに切断してブランク材30が得られた場合には、ブランク材30の端部に撥水処理の非処理面が広く露出してしまう。このため、次に述べるように蓋体1を取り付けた容器Tに収容されている内容物が液体である場合に、壁材3を形成するブランク材30の切断面から壁材3内部への液体のしみこみが生じやすくなってしまう。そこで、原反材を斜めに切断してブランク材30の端部を斜めの切断面とする場合には、液体のしみこみを抑制するための対策が新たに要請される。
【0052】
上記したように蓋体1を取り付けた容器Tに収容されている内容物が液体である場合、紙系素材で形成されている蓋体1では、壁材3を形成するブランク材30の端部31、32の位置から液体がしみこみやすい。この点、第1の実施形態にかかる包装用部材となる蓋体1においては、端部31が圧縮部8となっており、端部31、32の先端31a、32aほど圧縮率が高められている。このため、ブランク材30は、端部31、32において繊維密度が高められ、ブランク材30の端部31、32の位置からブランク材30の内部に向けて液体がしみこみにくい。
【0053】
壁材3を形成するブランク材30の端部31、32の位置から液体がしみこむことを規制する観点では、端部31、32の位置に樹脂等をコーティングして樹脂コート部を形成することも考えられるが、樹脂コート部を形成する場合、液体に対して樹脂コート部が接触することになり、樹脂に含まれている成分が液体に漏れ出さないように更なる配慮を行う必要を生じる。しかも、樹脂等をコーティングする際に、壁材3の厚みがさらに上昇して、重なり部6の段差がさらに大きくなる可能性に対する配慮を行う必要もある。これに対して第1の実施形態にかかる包装用容器となる蓋体1においては、端部31、32の先端31a、32aほど圧縮率が高められていることによって端部31、32から壁材3内部への液体のしみこみが規制されるため、上記したような配慮を行う必要を軽減することができる。
【0054】
上述では、容器Tの開口縁部に対して外側に壁材3が配置されるように蓋体1を装着させる場合を例示したが、蓋体1はこれに限定されず、蓋体1は容器Tの開口縁部に対して内側に壁材が配置されるように構成されていてもよい。このことは後述の第2実施形態以下の各実施形態についても同様である。
【0055】
[2 第2の実施形態]
[2-1 構成]
本発明の第2の実施形態にかかる包装用部材は、蓋体1である。蓋体1は、上述した第1の実施形態と同様に、天蓋2と、側壁としての壁材3とを備える。天蓋2は、第1の実施形態と同様でよい。壁材3は、対向域9に対する裏面側の領域として定められる非対向域10に、傾斜面が形成されていること、及び、式3の条件に変えて下記式4を満たす他は、第1の実施形態と同様でよい。
【0056】
(非対向域の傾斜面)
非対向域10の傾斜面は、図8図9(a)に示すように、下記式4を満たし非対向域10の外端まで傾斜した面となっている。傾斜面の形状は特に限定されず、第1の実施形態における対向域の形状が傾斜面の形状である場合と同様であり、例えば、非湾曲傾斜面でもよいし、湾曲傾斜面でもよい。
【0057】
第2の実施形態では、それぞれの端部は、下記式4を満たす。
【0058】
L1≧L2 ・・・(式4)
【0059】
ただし、L1は、ブランク材30の厚み方向に沿ったブランク材30の切断面における、対向域9の外端から対向域9の内端までの離間距離を示し、L2は、切断面における、非対向域10の傾斜面の外端(すなわち非対向域10の外端)から非対向域10の傾斜面の内端までの離間距離を示す。なお図8において、端部31について非対向域10の傾斜面の内端は、符号10c1で示し、端部32について非対向域10の傾斜面の内端は、符号10c2で示す。なお、端部31と端部32をより強く接合する観点からは、対向域9の面積が大きいことが好ましく、L1とL2は、L1>L2であることが好ましい。
【0060】
[2-2 作用効果]
本発明の第2の実施形態にかかる包装用部材としての蓋体によれば、第1の実施形態にかかる蓋体と同様の効果を得ることができる。
【0061】
また、第2の実施形態にかかる包装用部材としての蓋体によれば、圧縮部8の基端よりも先端側(端部31、32の先端31a、32a側)の圧縮率をより高めた状態とすることができ、端部31、32から壁材3内部への液体のしみこみを効果的に規制することができる。
【0062】
[3 第3の実施形態]
[3-1 構成]
本発明の第3の実施形態にかかる包装用部材は、蓋体1である。蓋体1は、上述した第1の実施形態と同様に、天蓋2と、側壁としての壁材3とを備える。天蓋は、第1の実施形態と同様でよい。壁材3は、式4の条件をさらに満たす他は、第1の実施形態と同様でよい(図9(b))。
【0063】
[3-2 作用効果]
本発明の第3の実施形態にかかる包装用部材としての蓋体1によれば、第1の実施形態や第2の実施形態にかかる蓋体と同様の効果を得ることができる。
【0064】
また、第3の実施形態にかかる包装用部材としての蓋体1によれば、圧縮部8の基端よりも先端側(端部の先端側)の圧縮率をより高めた状態とすることができ、端部31、32から壁材3内部への液体のしみこみをより一層効果的に規制することができる。
【0065】
[4 第4の実施形態]
本発明の第1の実施形態から第3の実施形態においては、天蓋2の立ち上がり部5が省略されてもよい(第4の実施形態)。例えば、図11(a)に示すように、天蓋2の外周縁部に下方に下垂壁11が形成され、下垂壁11が壁材3に接合されてもよい。第4の実施形態にかかる蓋体1によれば、第1の実施形態から第3の実施形態にかかる蓋体と同様の効果を得ることができる。
【0066】
(第4の実施形態の変形例)
第4の実施形態においては、壁材3のうち天面部4よりも上側の部分が省略されてもよい。この場合、蓋体1の上下方向の寸法を小さくすることができる。
【0067】
[5 第5の実施形態]
本発明の第1の実施形態から第4の実施形態においては、図11(b)に示すように、天面部4に孔部12が形成されてもよい(第5の実施形態)。この場合、孔部12を覆うようにシール部13が設けられていることが好ましい。天面部4に孔部12が形成されていることで、蓋体1を容器Tに装着した状態で容器T内から孔部12を経由して内容物を蓋体1の天面部4の上面側に出すことができる。
【0068】
[6 第6の実施形態]
本発明の第1の実施形態から第4の実施形態においては、壁材3の上端位置でブランク材の端面を上方に向けて露出させた状態が形成されることを避ける構造(避端構造)が設けられていてもよい(第6の実施形態)。避端構造としては、図12(a)に示すような、壁材3の上端位置でブランク材をカールさせたカール部14を設けることを挙げることができる。避端構造は、この例に限定されず、図12(b)に示すようなブランク材の上端側を外側に折り返した外側折り返し部15aや、図12(c)に示すようなブランク材の上端側を内側に折り返した内側折り返し部15bであってもよい。第6の実施形態にかかる蓋体によれば、避端構造が設けられていることで、使用者の口が壁材3の上端に触れても、口にブランク材の端面が触れた際のガサつき感などが生じにくくなる。
【0069】
[7 第7の実施形態]
[7-1 構成]
本発明の第7の実施形態にかかる包装用部材は、容器50である。容器50は、図13に示すように、側周面を形成する胴材52と、底面を形成する底面材51とを備える。容器50は、底面材51の周囲に胴材52を接合させている。容器50は、胴材52と底面材51とで内部に空間を形成しており、上端側を開口させた有底の構造を有する。容器50としては、特に開口縁部53に可撓性を有するものが好適に用いられる。容器50は、開口縁部53に対して蓋体Cを装着されて用いられることが好適である。
【0070】
(底面材)
底面材51は、所定の原反材に対して打ち抜き加工等を施すことにより製造することができる。底面材51を形成するための原反材は、第1の実施形態において説明した天蓋を形成するための原反材と同様のものを用いられてよい。
【0071】
(胴材)
包装用部材の側壁として胴材52を有する。胴材52は、環状に形成されている。胴材52は、所定形状を有する胴材形成用のブランク材90の2つの端部91、92を重ねた重なり部60と、その重なり部60で端部91、92を互いに接合する接合部70とを備える。
【0072】
胴材形成用のブランク材90としては、第1の実施形態で説明した壁材3を形成するためのブランク材30と同様に、紙系素材が用いられる。また、胴材52の重なり部60及び接合部70は、それぞれ第1の実施形態から第3の実施形態で説明した壁材3の重なり部6及び接合部7と同様に形成されてよい。端部91と端部92が重なって重なり部60が形成され、端部91と端部92のそれぞれの対向域111が、接合されて接合部70が形成される。また、第1の実施形態と同様に、対向域111の裏面側の部分にて非対向域112が形成されている。
【0073】
また、胴材52においては、胴材形成用のブランク材90の端部(端部91と端部92)が、圧縮部80を形成している。圧縮部80は、第1の実施形態から第3の実施形態で説明した圧縮部8と同様に形成されており、第1の実施形態から第3の実施形態で説明した圧縮部8と同様の構造及び形状を有してよい。
【0074】
端部91と端部92は、第1の実施形態から第3の実施形態で説明した端部31と端部32と同様に形成されており、第1の実施形態から第3の実施形態で説明した端部31と端部32と同様の構造及び形状を有してよい。対向域111と非対向域112についても、端部91、92の場合と同様に第1の実施形態から第3の実施形態で説明した対向域9と非対向域10と同様に形成されており、第1の実施形態から第3の実施形態で説明した対向域9と非対向域10と同様の構造及び形状を有してよい。
【0075】
図13の例では、端部91、92に圧縮部80をなしており、端部91、92は、基端91bから先端91a、基端92bから先端92aに向かって先細りになる形状に形成されている。圧縮部80の圧縮率は、端部91、92の先端91a、92aに向かって大きくなっている。端部91と端部92は、第1の実施形態から第3の実施形態で説明した端部31と端部32と同様に上記式3、式4の少なくともいずれか一方を満たしている。
【0076】
[7-2 作用効果]
第7の実施形態にかかる包装用容器としての容器50によれば、第1の実施形態と同様に、重なり部60の段差が低減され、容器50に蓋体Cを取り付けた際に、蓋体Cを容器50に対してより密着させることができ、密着性を向上させることができる。図5の例では、胴材52の外周面52b側で重なり部60の段差が軽減されている。容器50に蓋体Cを取り付けた際に、蓋体Cが容器の開口縁部53に対して外側に接合する場合に、蓋体Cを容器50に対してより密着させることができ、密着性を向上させることができる。
【0077】
[7-3 変形例]
第7の実施形態においては、図14図15図16(a)に示すように、容器50は、側壁となる胴材52の上端に沿って外巻きに形成された環状のカール部100を有してもよい。この例では、開口縁部53が、カール部100で形成されており、容器50の上端側に、カール部100で囲まれた開口が形成される。
【0078】
図14図15図16(a)の例に示す容器50においては、カール部100の外周面に圧縮部80が露出している。これは次のように胴材52を製造することで実現できる。すなわち、胴材形成用のブランク材90として扇形状に形成された紙系素材を用い、紙系素材の円周方向に沿って離間した2つの端部91、92を互いに重ねあわせて重なり部60を形成する。図16(a)の例では、重なり部60は、圧縮部80を形成した端部91が胴材52の内周面52a側を向くように2つの端部91、92を互いに重ねあわせることで形成される。そして、胴材52の上端側端部を外巻きに巻いてカール部100が形成される。このとき、胴材52の内周面52a側がカール部100の露出面側に位置することとなる。こうして、カール部100の外周面に圧縮部80が露出している状態を実現することができる。なお、図16(a)の例では、端部92は、カール部100の内側に巻き込まれて隠ぺいされている。
【0079】
上記した第7の実施形態の変形例にかかる包装用容器としての容器50に蓋体Cを取り付けた際には、容器50のカール部100に対して蓋体Cが接触する。ここで、第2の実施形態の変形例によれば、端部91、92に圧縮部80が形成されていることにより、カール部100における重なり部60の段差が低減される。カール部100における重なり部60の段差が低減されるため、図16(b)に示すように、蓋体Cを容器50に対してより密着させることができ、密着性を向上させることができる。図16(b)は、蓋体Cを容器50に対して装着した状態における蓋体Cと容器50との接触部を示す。このとき、容器50には、図10でも示すように、第1の実施形態から第6の実施形態のいずれかに示す蓋体1が装着されることがより好ましい。この場合、第7の実施形態にかかる容器50に第1の実施形態から第6の実施形態のいずれかにかかる蓋体1を密着させた状態が形成される。第7の実施形態にかかる容器50と第1の実施形態から第6の実施形態のいずれかにかかる蓋体1のいずれについても、重なり部60、6での段差が低減されているため、容器50と蓋体1との密着性をより向上させることができる。
【0080】
第7の実施形態の変形例にかかる包装用容器としての容器50によれば、第1の実施形態と同様に、ブランク材90の端部91、92の位置から胴材52の内部に向けて液体がしみこみにくくなる。
【0081】
次に、本発明の包装用部材の製造方法について、詳細に説明する。包装用部材が上記第1の実施形態にかかる包装用部材である場合について、図17図18を参照しつつ、以下に説明する。図17は、第1の実施形態にかかる包装用部材の製造方法の一実施例を説明するための図である。図18は、圧縮部8を形成する工程を説明するための断面図である。
【0082】
[4 製造方法]
[4-1 製造方法の内容]
まず、紙系素材からなる原反材を扇形状に打ち抜き加工してブランク材30の形成を行う(図17(a))。
【0083】
次に、紙系素材からなるブランク材30の端部31、32を圧縮した圧縮部8を形成する圧縮工程を行う。圧縮部8は、例えば、ブランク材30の2つの端部31、32にプレス処理を施すことで実施される。端部32の圧縮部8を形成する際のプレス処理は、ブランク材30の端部32を2つのローラ110a、110bの間に通じることで実現することができる(図17(b)、図17(c))。ローラ110a、110bとしては、外周面に凸条部130a、130bを設けたものを用いることができる。凸条部130a、130bは、表面に対向域9と非対向域10に対応した面を形成しており、図18に示すようにローラ110aの凸条部130aとローラ110bの凸条部130bとで端部32が押圧されることで、端部32に圧縮部8を形成することができる。なお、ローラ110a、110bの凸条部130a、130bの面の形状や、ローラ110a、110bの表面形状、ローラ110a、110bのクリアランスなどの条件を定めることで、ブランク材30の端部32に形成される圧縮部8の形状を所望の形状とすることができ、またブランク材30の端部32の圧縮率を所望の圧縮率とすることができ、またブランク材30の端部32の先端32aに向かって圧縮率を高めることができる(図17(c))。このことは、端部31の圧縮部8を形成する際のプレス処理についても同様である。すなわち、ローラ110a、110bとその凸条部130a、130bで述べた点は、ローラ110c、110dとその凸条部130c、130dについても同様である。プレス処理は、加熱条件下で実施されても非加熱条件下で実施されてもよく、また、加湿条件下で実施されても、非加湿条件下で実施されてもよい。また、プレス処理は、超音波プレス処理であってもよい。
【0084】
ブランク材30に圧縮部8を形成した後、2つの端部31、32を重ね合させて重なり部6を形成するとともに、重なり部6で端部31,32を相互に接合することで接合部7を形成する(側壁形成工程)。この側壁形成工程により、環状の側壁としての壁材3が形成される(図17(d))。接合部7の形成方法としては、超音波接合等の方法を用いることができる。
【0085】
天蓋形成用の原反材を円形状に打ち抜いて天蓋2のブランク材を形成し、天蓋のブランク材の外周を折り曲げて天面部4と立ち上がり部5を形成し、天蓋2を得る。そして、天蓋2を壁材3の内周面3aの所定位置に配置する(図17(e)、図17(f))。
【0086】
壁材3の内周面3aと立ち上がり部5の外周面を接合処理する。接合処理には、ヒートシールなどを用いることができる。具体的には、立ち上がり部5の外周面に予め接着剤を塗布しておき、天蓋2の立ち上がり部5を壁材3の内周面3aに押し当てた状態で、立ち上がり部5の内周面側からローラ120を押し当てて加熱及び加圧する(図17(g))。ローラ120は、自転しながら立ち上がり部5の内周面側に沿って回動する。このとき、接着剤が溶解され、天蓋2と壁材3とが接合され、包装用部材としての蓋体1が得られる(図17(h))。なお、上記では、天蓋2の立ち上がり部5を壁材3との間に接着剤を塗布しているが、これは実施例の一つであり、製造方法はこれに限定されない。例えば、天蓋のブランク材と壁材のブランク材として樹脂などを表面にコーティングしたものを用いて、天蓋2の立ち上がり部5を壁材3とを直接対面させた状態でローラ120を押し当てて加熱及び加圧して接合するヒートシールによって天蓋2と壁材3とを接合することができる。これらの方法の他にも接合方法は適宜採用されてよい。
【0087】
[4-2 作用効果]
上記した包装用部材の製造方法によれば、圧縮部8の形状や圧縮率を制御しつつ重なり部6の端位置での段差が低減された包装用部材を製造することができる。特に、接合部7を形成する前に、圧縮部8を形成することができることから、圧縮部8の大きさや形状を細かく制御することが容易となり、より効果的に重なり部6の端位置での段差を抑制することができるようになる。
【0088】
以上、実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態の例に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。上述の実施形態の例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値等はあくまでも例であり、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値等を用いてもよい。また、明細書に例示された効果は、本発明の内容を限定しない。
【符号の説明】
【0089】
1 蓋体(包装用部材)
2 天蓋
3 壁材(側壁)
4 天面部
5 立ち上がり部
6 重なり部
7 接合部
8 圧縮部
9 対向域
10 非対向域
11 下垂壁
12 孔部
13 シール部
14 カール部
15a 外側折り返し部
15b 内側折り返し部
30 ブランク材
31、32 端部
31a、32a 端部の先端
50 容器(包装用部材)
51 底面材
52 胴材
60 重なり部
70 接合部
80 圧縮部
90 ブランク材
91、92 端部
100 カール部
111 対向域
112 非対向域

図1
図2
図3
図4
図5
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