(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】耐震懸架天井システム
(51)【国際特許分類】
E04B 9/24 20060101AFI20240402BHJP
E04B 9/00 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
E04B9/24 G
E04B9/00 J
(21)【出願番号】P 2023020179
(22)【出願日】2023-02-13
(62)【分割の表示】P 2020503247の分割
【原出願日】2017-03-31
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】519351004
【氏名又は名称】ムラオ,タケヒロ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ムラオ,タケヒロ
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0173030(US,A1)
【文献】米国特許第9187897(US,B1)
【文献】実開平2-95110(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 9/00ー 9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直ステム及び水平フランジを有する懸架Tバーの格子内での設置のための天井パネルであって、前記天井パネルは、
(a)前記垂直ステムの間に及び前記Tバーの格子のセル内にはめ込まれ、かつ前記Tバーの格子の水平フランジ上に載るようにサイズ決定される上側フレームと、
(b)前記上側フレームが前記Tバーの格子の水平面上に載っているとき、前記上側フレームに可逆的に取り付け可能である下側フレームと、
を備え、
前記下側フレームは、前記上側フレームに取り付けられると、前記上側フレームと一緒に、前記上側フレームが載っているTバーの水平フランジを少なくとも部分的に包囲するチャネルを画定する、天井パネル。
【請求項2】
前記下側フレームは、ばねワイヤリテーナクリップによって前記上側フレームに取り付けられ、前記クリップは、一方のフレームに取り付けられ、他方のフレーム内のスロットと係合する、請求項1に記載の天井パネル。
【請求項3】
前記フレームの一方に付けられるLED照明要素をさらに備える、請求項1に記載の天井パネル。
【請求項4】
懸架天井であって、前記天井は、
(a)垂直ステム及び水平フランジを有する逆Tバーの懸架格子と、
(b)前記垂直ステムの間にはめ込まれた上側フレームであって、各上側フレームは、前記Tバーの格子のセル内にはめ込まれ、かつ前記Tバーの格子の水平フランジ上に載っている、上側フレームと、
(c)前記上側フレームに可逆的に取り付けられる下側フレームと、
を備える、懸架天井であり、
隣接下側フレームは、前記隣接下側フレームが取り付けられた隣接上側フレームと一緒に、前記上側フレームが載っているTバーの水平フランジを少なくとも部分的に包囲するチャネルを画定し、
前記フレームは、前記フレームが可逆的に取り付けられるときには前記Tバーから分離することができない、懸架天井。
【請求項5】
前記チャネルは、前記上側フレームが載っているTバーの水平フランジを全体的に包囲する、請求項4に記載の懸架天井。
【請求項6】
懸架天井を構成する方法であって、前記方法は、
(a)既存天井からTバーの逆格子を懸架するステップと、
(b)前記Tバーの格子のセル内にはめ込まれ、かつ前記Tバーの水平フランジ上に載っている上側フレームを、前記Tバーの格子の垂直ステムの間に設置するステップと、
(c)前記上側フレームに下側フレームを可逆的に取り付けるステップと、
を含み、
隣接下側フレームは、前記隣接下側フレームが取り付けられた隣接上側フレームと一緒に、前記上側フレームが載っているTバーの水平フランジを少なくとも部分的に包囲するチャネルを画定する、方法。
【請求項7】
前記チャネルは、前記上側フレームが載っているTバーの水平フランジを全体的に包囲する、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆「Tバー」格子の使用に基づく懸架天井システムに関し、より具体的には、設置されるとき、懸架格子からガタガタ振動し得ない天井パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
現在使用されている大部分の懸架または「降下」天井構成は、いわゆるTバーレールを採用し、逆「T」の断面を有し、直線格子に配列され、連係ワイヤまたは金属ストラップによって構造天井から懸架される。本システムは、本質的に、現代化が少ない、米国特許第2,710,679号(1955年6月14日にBibb他に与えられた)に説明される。概して、通気性のある防音タイルまたは装飾用パネルのいずれかである長方形天井タイルは、傾斜してTバーの間に挿入され、水平になり、格子の中に降下し、そのタイルは逆「T」の水平フランジ上に載っている。米国では、懸架格子のセルサイズは、一般的に、24インチ×24インチまたは24インチ×48インチのいずれかである一方、欧州及び他の場所では、懸架格子のセルサイズは、600mm×600mmまたは600mm×1200mmである。天井タイルは、公称サイズ(すなわち、セルサイズ)を下回る実際に約1/4インチ(6mm)であり、Tバーの垂直ステム間の容易な設置を促進する。
【0003】
この構成の評判は、設置の容易性及び低コストに起因し、個々のタイルが、天井の上方の空間へのアクセスが要求されるときはいつでも、容易に押し上げられ、レールからずれるという事実に起因し、損傷することなく、その元の配置に戻されることができる。任意の所望の仕上げ及び外観を有するタイルは、標準的なTバー格子に適合するように製造されることができ、装飾者及び建築家に幅広い設計選択肢を与える。タイルと同じ寸法に作られた照明器具及び散気装置及びグリルは、望むときはいつでも、格子の中に降下することができる。標準的寸法のタイル及び固定器具は、幅広いソースから商業的に入手可能である。
【0004】
このシステムの1つ不利点は、地震の際、タイル及び固定器具は、Tバーフランジに対して上下に跳ねて次に、Tバーに機械的に接続されない、または取り付けられない結果として、床まで、または建物入居者の上に降下し得ることである。タイルがその場所から落下するにつれて、懸架格子は、曲がりやすくなり、より大きい移動及び歪みをもたらす傾向があり、よりタイルを落下させ、結果として、多くの場合、天井全体の故障が進行する。
【0005】
地震が多いエリアでは、耐震建築基準は、多くの場合、地震中にグリッドの格子の横方向運動及び歪みを制限するために設置される斜角(斜め)の連係ワイヤを要求する。垂直支柱は、時々、格子の垂直運動を制限するように同様に設置される。斯かる予防対策は、格子をより堅くし、当該格子が建造物と一緒に移動する(及び建造物に対して移動しない)ことを確実にするが、当該予防対策は、設置の労務及び費用を増加させ、その予防対策は個々のタイル及び固定器具がTバーから離れることを全体的に防止しない。タイルをTバーに固定することは、例えば、保持クリップの設置によって多くの労働を要し、天井の上方の空間への容易なアクセスを妨げる。容易にアクセスされるクリップは、可視である傾向があり、天井設計の美的感覚を損なう可能性がある。落下するタイルを「捕まえる」安全機構(例えば、1993年10月19日にWitmyerに与えられた米国特許第5,253,463号)は、依然として、タイルがTバーから分離することが可能になり、格子は、依然として、結果として生じる剛性の損失に悩まされる可能性がある。
【0006】
Tバー水平フランジが適合する側面に沿ったスロットまたは切溝を有するタイルは既知である。切溝タイルは、下方からの視野から、部分的または完全に、格子を隠すことが意図され、格子にロックされる理由によって、当該切溝タイルは、また、地震耐力の改善をもたらす。4つの切溝側面を有するタイルが稀に採用される。その理由として、当該タイルは、Tバー格子が組み立てられるときに所定の位置に摺動する必要があり、当該タイルは、組み立てプロセスが壁に達するときに、設置関連問題を提示するためである。タイルが所定の位置に摺動することが可能になるフランジの割れ目及び/または切溝の上側辺縁のいくつかの組み合わせを特徴とする、既存の格子内に設置されるように設計される切溝タイルがある。設置を可能にする、タイルと格子との間の1/4インチの余地を利用する2つの隣接切溝に沿った小さな上側辺縁を特徴とするタイルは既知であるが、斯かるタイルは、正確に格子にロックされない。Tバー水平面の上部及び下方の所定の位置にはめ込むガスケットを有する切溝タイルは、既知である(例えば、1988年8月2日にNassofに与えられた米国特許第4,760,677号、1996年4月16日にMcClureに与えられた米国特許第5,507,125号を参照)。天井の上方の空間へのアクセスのための、損傷が生じない切溝タイルの除去は、特に、設置の方法が取り外しを試みる人物に明らかではないときに、困難または不可能である可能性がある。
【0007】
Tバーを覆い隠すことが意図される別個のフレームは、既知であるが(例えば、1985年1月1日のBumpus他に与えられた米国特許第4,4980,957号)、美的目的だけの役割を果たすこれらのフレームは、Tバーをクリップ留めし、天井タイルを固定しない。設置及び維持することが容易な状態のままであるが、地震の場合にタイルを降下させない、懸架天井システムの必要性がある。同様の必要性が軍隊及び旅客船等の移動環境内に存在し、天井建造物は、時々、普通ではない力及び動きを受ける。
【0008】
懸架タイルと上方の構造天井との間の懸架天井の特徴が空隙またはプレナムである。強制空気供給及び強制空気戻りの両方のための配管が設置される場合、空隙は「デッド」スペースであり、すなわち、非循環空気で充満される。還気ダクトがない場合、プレナムは、通常、出口ダクトが提供され、タイルの上方の空間は、循環空気で充満される「アクティブ」なプレナムである。アクティブなプレナムに設置される電気配線は、有毒ガス及び煙がデッド空隙内にあるであろうときに、絶縁材及び樹脂の燃焼からの有毒ガス及び煙が含有されないが、建造物の空気循環システム内で直接通過するため、火災ハザードを表す可能性がある。別のハザードは、可燃性物質が存在する場合、プレナム空間内の火災が、検出される前に急速に広がり得ることである。
【0009】
降下する天井の上方の空隙がアクティブなプレナムとして使用されるとき、建造物基準及び/または地方火災条例は、低電圧ケーブル及び配線に、金属導管の内側に設置される、または他にそれ自体の燃焼をサポートしない低発煙/低毒性の電線絶縁が提供される、のいずれかを要求する。電話サービス及びデータネットワークサービスに関するツイストペア及び同軸ケーブルは、商業建築物の天井の上方で見られる配線の最も一般的な形態である。特殊なプレナム(またはプレナム定格)ケーブルは、低発煙ゼロハロゲン(LSZHまたはLS0H)ケーブルと称される。プレナム定格ケーブルは、概して、フルオロカーボンポリマーで絶縁され及び覆われ、フルオロカーボンポリマーは、一般的に安価なポリエチレン絶縁及びPVC被覆を有する等質の非プレナム定格配線よりも著しく高価になる。
【0010】
天井の上方の高電圧電気機器及び配線(概して、>50ボルト)は、金属導管または配線管内で包囲されることが要求され、低電圧配線から物理的に分離される必要がある。照明器具等のデバイス及び固定器具は、金属箱に包囲される必要がある。電気コンセントは、(電気ボックス内部で包囲される場合)プレナム空間の内側にあることが可能になるが、ソケット自体が、降下する天井の外部に位置する必要があるため、固定器具の差し込み式接続は非実用的である。全体の結果として、天井に設置される全ての固定器具及びデバイスは、金属導管及び接続箱を使用して配線で接続される必要があることがもたらされる。
【0011】
これらの構成及び消防規則を満たすことにより、導管及びボックスが資本コストの追加を表すため、実質的に設置の時間及びコストを増加させ、設置するためのかなりの量の熟練を要する労働を必要とする。特に、高電圧配線を事前に設置されたシステムに追加することは、困難及び高価になる。導管、接続箱、及びプレナム定格配線の追加費用を生じさせることなく安全に配線することができ、ならびに電気器具の差し込み式接続を可能にする、懸架天井が必要である。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、上側フレームと、可逆的に取り付けられた下側フレームとを備える、天井パネルを提供する。上側フレームは、通常方式で、懸架Tバー格子上で設置されるようにサイズ決定され及び構成されている。いったん上側フレームがTバー水平面で設置されると、下側フレームは、設置を完了するために上側フレームに機械的にロックされる。下側フレームは少なくとも部分的にTバー水平面を覆うようにサイズ決定され、それにより、2つのフレームは、一緒にロックされると、切溝タイルと機能的に同等である。これらのパネルから構成される天井では、Tバーフランジは、フレーム間で閉じ込められ、天井が揺動または振動するとき、パネルから分離することができない。
【0013】
本発明の2つの天井パネルがTバー格子の隣接セル内で設置されるとき、パネルの側面は、一緒に、少なくとも、Tバー水平フランジを包囲し及び捕らえるのに十分に大きいチャネルを画定する。好ましい実施形態では、このチャネルは、Tバーの下方に追加空間を備える。代替実施形態では、第2のチャネルが画定される。プレナム空間の下方に及び外側にある、この追加空間(または第2のチャネル)は、非プレナム定格の配線、ケーブル、及び固定器具を支えることができる利用チャネルとしての役割を果たす。本発明の隣接パネルの間のチャネルは、近接パネルの間のチャネルと整列し、天井の全部の長さ及び幅に伸びる延在利用チャネルを生じさせる。
【0014】
本発明は、逆Tバーの懸架格子と、垂直ステム間にはめ込まれ、及びTバー格子の水平フランジ上に載っている上側フレームと、上側フレームに可逆的に取り付けられる下側フレームとを備える、懸架天井を提供し、隣接下側フレームは、隣接下側フレームが取り付けられた隣接上側フレームと一緒に、上側フレームが載っているTバーの水平フランジを部分的または完全に包囲するチャネルを画定する。
【0015】
本発明は、また、懸架天井を構成する方法を提供し、Tバーの逆格子を既存の天井から懸架するステップと、Tバーの水平フランジ上に載っている、Tバーの格子の上側フレームの垂直ステム間に設置するステップと、上側フレームに下側フレームを可逆的に取り付けるステップと、を含み、隣接下側フレームは、隣接下側フレームが取り付けられた隣接上側フレームと一緒に、上側フレームが載っているTバーの水平フランジを部分的または完全に包囲するチャネルを画定する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図4】本発明の上側フレームの代替実施形態の側面図を示す。
【
図8】本発明の下側フレームの例の異なる断面を示す。
【
図9】Tバー格子上に位置付けられる、本発明の上側フレーム及び下側フレームを示す斜視図である。
【
図10】Tバー格子上の本発明の上側フレーム及び下側フレームの接続セットを示す斜視図である。
【
図11】本発明の天井パネルを形成するようにTバー格子上で組み立てられる、本発明の上側フレーム及び下側フレームのセットを示す斜視図である。
【
図12】明確にするためにTバー格子が除去された
図10の斜視図である。
【
図13】Tバー格子上に設置される及びTバー格子によって支持される、本発明の天井パネルの断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、懸架Tバーの格子内で設置するための天井パネルを提供する。本発明のパネルは、垂直面の間にはめ込まれ、及び格子状のTバーの水平面上に載るようにサイズ決定される上側フレームと、上側フレームがTバー格子の水平面上に載っているとき、上側フレームに可逆的に取り付け可能である下側フレームとを備える。本発明は、下側フレームが、上側フレームに取り付けられると、上側フレームと一緒に、上側フレームが載っているTバーの水平面を少なくとも部分的に包囲するチャネルを形成する。したがって、Tバーの両側の水平面が包囲されるとき、水平面は、パネルが地震イベントによって運動中にセットされるときに、チャネルを自由にすることができない。パネル自体はTバーから分離されることができなく、Tバー格子自体が懸架されたままの状態である限り、当該パネルは懸架されたままの状態であろう。
【0018】
例えば、電磁結合、フック及びループファブリックストリップまたはパッチ、ばね付勢クリップ及びスナップ、ならびにねじ等の上側及び下側フレームを可逆的に取り付ける様々な既知の当技術分野の手段を採用することができる。概して、取り付けの好ましい手段は、地震中に印加された力を受ける着脱の影響を受けないが、パネルが天井またはプレナムの検査、保守、または修正のために取り外される必要があるときはいつでも作業者によって容易に逆にされる、機械的手段である。斯かる取り付けは、本明細書では、「ロックされる」または「ロックする」取り付けと称される。特に好ましい実施形態では、本発明の図面に示されるように、本発明の天井パネルは、ばねワイヤリテーナクリップによって上側フレームに取り付けられる下側フレームを有し、クリップは一方のフレームに取り付けられ、他方のフレーム内のスロットにはめ込んでいる。ワイヤクリップが手動で開放されたときだけ、フレームは分離することができる。着脱が容易な(例えば、半回転または1/4回転)ねじは、可逆的取り付けの別の好ましい手段である。拘束ねじは、特に好ましいであろう。
【0019】
他の好ましい実施形態では、本発明の天井パネルは、照明器具または照明要素と、マウンティングブラケット、ヒートシンク、及び拡散器等の関連機材とを備え得る。照明要素は、フレームのいずれかに添着されるLED照明要素が好ましい。LED要素に関する配線は、随意に、フレームのいずれかに添着され得る、及び/または配線はフレーム間で伸び得る。電気構成要素はTバー水平面によって画定される平面の下方に位置することが好ましく、安い非プレナム定格の構成要素を安全に設置することができる。
【0020】
好ましい実施形態では、パネルは、利用チャネルの役割を果たすTバー水平面の下方にある相互の間で空間を画定する。例えば、電話、イーサネット(登録商標)、及び同軸ケーブル等の非プレナム定格配線及びケーブルは、プレナムの外側の横にある利用チャネル内に安全に設置されることができる。デバイスの配線と一緒に設置されることができる他のデバイスは、無線ルータ及びリピータ、煙検出器、火災警報器、セキュリティカメラ等を含む。
【0021】
上側及び下側フレームは、天井タイル及びパネルの製造において通常採用される任意の材料から製造され得る。好ましい材料は、ガラス繊維複合材料及び硬質ポリマー発泡体であり、それらの材料は、金型内で形成されることができ、次に、必要に応じて、機械加工によってさらに成形される。硬質のクローズドセルポリウレタンフォームが特に好ましい。ポリウレタンフォームは、概して、1つ以上の発泡剤、触媒、界面活性剤、及び他の添加剤の中に存在する、ジーまたはポリイソシアナートをイソシアネート反応性ジオールまたはポリオールと反応させることによって生じる。
【0022】
概して、硬質フォームを生じさせる任意の2成分の「A/B」のポリウレタンフォーム系を採用することができ、商業的に入手可能である適切な系が多く存在する。硬質発泡体は、2~8lbs/立方フートの密度を有するクローズドセルフォームであることが好ましい。例として、不燃性の2成分「A/B」の注入可能なウレタンフォーム前駆体は、米国特許第7,141,613号(2006年11月28日にAlbach他に与えられた)に従って、調合されることができる。好ましいイソシアネート前駆体は、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、及びそれらの混合物を含む。好ましいポリオール成分は、ポリアルキレンエーテルポリオールと、アルコキシル化及び非アルコキシル化マンニッヒポリオールとを含む。防火特性を与えるために、例えば、トリス(l-クロロ-2-プロピル)フォスフェイト等の当技術分野で既知の任意のポリウレタン適合難燃剤が採用され得る。発泡剤として水が好まれるが、炭化水素、ハイドロフルオロカーボン、またはアルキルギ酸塩等の既知の発泡剤が補充され得る。建築構造基準及び火災基準を満たす、またはそれらを上回る剛質「アーキテクチャル」ポリウレタンフォームは、当業者に良く知られており、これらは、本発明では特に好ましいであろう。
【0023】
図面を参照すると、
図1、
図2、及び
図3は、各々、例示的な上側フレーム1の上面図、側面図、及び断面を示す。図面において明確にするために、
図1~
図3に示される実施形態は開口している上側フレームを有するが、
図4の代替実施形態に示されるように、Tバーフランジ上に設置されるときに格間天井を形成するように、任意の種類の装飾用パネル2で閉じることができる。装飾用パネルは上側フレームと共形成及び一体化され得る、または、装飾用パネルは懸架天井の建造での使用に適切である当技術分野で既知の任意の材料から別個に形成され得、限定ではないが、接着剤、ステープル、ねじ、クリップ等を含む通常の手段によって上側フレームに取り付けられ得る。防音タイル、または美的魅力をもたらすために成形または彫刻される金属シートもしくは樹脂シートは特に想到される。当技術分野で既知であるように、装飾用パネル2は、従来の照明器具または換気器具に取り付けられ得る。防音材及び/または断熱材(図示されない)は、装飾用パネルの上側表面に取り付けられ得る。下記にさらに開示されるような下側フレームを取り付けるワイヤクリップの使用に適応するような示される実施形態では、L字型スロット3は、各角部の近くで、上側フレーム内に形成される、または上側フレームを通るように切断される。選択式切り欠き部6aが示され、これらの切り欠き部は、
図6に関連して下記に説明される。
【0024】
図5、
図6、
図7、及び
図8は、各々、例示的な下側フレーム4の上面図、側面図、及び2つの断面を示す。示される実施形態では、ワイヤ形態ばねクリップ5は下側フレームに取り付けられ、これらは、下側フレームを上側フレームに可逆的に取り付ける手段の役割を果たす。適切なワイヤ形態は、例えば、この特定の実施形態で使用される0.03インチの直径のピアノ線等のワイヤばねクリップに適切である当技術分野で既知の任意の弾性金属ワイヤから製造されることができる。選択式切り欠き部6bが示され、これらの切り欠きは、下側フレームの全ての4つの側面に存在することが好ましい。切り欠き部6bは、上側フレーム内の切り欠き部6aと整列し、利用チャネル内に設置される照明要素(図示されない)から上向きに間接照明が指向されることを可能にする開口6(
図13)を一緒に形成する。照明要素は、その関連配線を伴うLEDランプが好ましく、その照明要素は、下側フレームに取り付けられる回路基板上に設置されることが好ましい。斯かる回路基板は、利点をもたらすように、下側フレームに事前に設置されることができ、それにより、天井が設置されると同時に、照明が設置される。本実施形態に対応する天井パネルの設置者は、LED配線を、利用チャネル8の内部で伸びる電力供給ケーブルに接続される出口にプラグで差し込む必要があり(
図13)、天井の照明の完全なコード柔軟設置をもたらす。
【0025】
ここで、
図9~
図11を参照して、本発明の一実施形態に従った天井パネルの設置及び天井パネルの原位置の組み立てが斜視図に示される。最初に、
図9に示されるように、上側フレーム1は通常方式でTバー格子7の上に設置され、それにより、上側フレーム1はTバーフランジの上側表面上に載っている。上側フレームは4つのL字型スロット3によって貫通される。下側フレーム4が示され、4つのワイヤ形態ばねクリップ5は各角部の近くに取り付けられる。ワイヤばねクリップは、垂直に直立し、上端にある第1の水平セグメントと、ワイヤの中間点近くに位置する、第1の水平セグメントに対して直角である第2の水平セグメントとを特徴とする。端部に見られるように、第1及び第2の水平セグメントはL字型部を突出し、L字型部は上側フレーム1の中のL字型スロット3と整列するように寸法決定及び配向される。上側フレーム1内のスロット3の正確な場所及び下側フレーム4の上のワイヤばねクリップ5の正確な場所は、フレームが一緒になるときにそれらが整列する限り、重大ではない。設置パネルの安定性を最大にするために、角部に近い配列が好ましい。設置しやすくするために、スロット及びワイヤの対称配列が好ましい。
【0026】
パネルをTバー格子の中に設置するために、ワイヤばねクリップ5のそれぞれの第1の水平セグメントは相補的L字型スロット3のそれぞれの平行突起部に挿入される。次に、ワイヤばねクリップの第1の水平セグメントが上側フレーム1を通過し、スロット3から現れるまで、下側フレーム4は上向きに移動する。ワイヤばねクリップは、第1の水平セグメントのそれぞれがその対応するスロットから現れるときにスロットから離れるように変位するように付勢されることが好ましい。ここで、配列は
図10に示されるように、下側フレーム4は、4つのワイヤばねクリップ5によって、上側フレーム1から垂れ下がるように示される。この構成では、配線及び電気構成要素等の追加特徴の設置及び電気的接続を行うことを実行し得る。
【0027】
パネルの組み立て及び設置を完了するために、ばねワイヤクリップ5の第2の水平セグメントがスロット3から現れるまで、下側フレームはさらに上向きに押される。ワイヤばねはフレームの側面に平行な方法において内向きに付勢され、それにより、第2の水平セグメントは、スロット3を通過するときに、スロットから離れるように変位する。ここで、
図11に示されるように、下側フレームは上側フレームから垂れ下がり、その重量は4つの第2の水平セグメントによって支えられる。この構成では、4つのワイヤばねクリップは、ワイヤばね自体の付勢力によって示される位置にロックされる。このロック構成では、2つのフレームは接触する、または、ほぼ接触する、それにより、一緒にロックされたフレームは、Tバーから変位することができない固定ユニットとして働く。
【0028】
好ましい実施形態では、
図12に示されるように下側フレームがワイヤクリップを用いて接続された後に、
図10の構成のフレームの間の距離はTバー格子上への上側フレームの設置を可能にするのに十分に大きい。この設置のモードは、単に、
図12に示されるアセンブリの上側フレームをTバー格子の上に設置することから成り、
図10に示される配列に達する。上記に説明したように、任意の必要な電気的接続を行った後、ワイヤクリップが所定の位置にはめ込まれるまで、2つのフレームは一緒に押される。
【0029】
ワイヤばねクリップ5を手動で変位することによって、フレームを分離し。パネルを取り外してもよく、それにより、第2の水平セグメントは、その対応するスロット内に戻るように降下し、次に、下側フレームを下方に降下することを可能にし、フレームを
図10に示される構成に戻す。設置を逆にすることはこの点から簡単であり、上側フレームは格子から取り外され得、次に、損傷することなく、その後で再設置される。
【0030】
図13は、上記に説明したような上側フレーム1及び下側フレーム4から組み立てられ、Tバー7から懸架している、本質的に
図3及び
図7の線に沿った本発明の天井パネルの断面を示す。ワイヤクリップ5は、この図から省略されている。本実施形態では、隣接パネルの側面は、Tバーの真下で利用チャネル8を一緒に画定する。代替実施形態(図示されない)では、隣接パネルの側面は、Tバー7を包囲するチャネルから分離している利用チャネルを画定する。
図13から見ることができるように、利用チャネル8はTバー格子の下方にあり、天井の上方のプレナム空間の内部にない。プレナムの外側のこの場所は、金属導管、配線管、及び接続箱の必要性を生じることなく、非プレナム定格ワイヤ及びケーブルと、照明器具用の単純なプラグコネクタとの設置を可能にする。切り欠き部6a及び6b(
図3及び
図6参照)は、開口6を画定するように整列し、開口6は、利用チャネル8の内部に搭載される照明要素から光を入れるために使用されることができる。
【0031】
本明細書で提供される図面及び説明は、例証であることが意図され、本発明の範囲の制限を伝えることを意図していない。修正及び改変は当業者に自明であろう、斯かる修正及び改変は、本発明の範囲内にあることが意図される。