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  • 特許-LEDストリングライト 図1
  • 特許-LEDストリングライト 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】LEDストリングライト
(51)【国際特許分類】
   F21V 31/00 20060101AFI20240402BHJP
   F21S 4/22 20160101ALI20240402BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240402BHJP
【FI】
F21V31/00 100
F21S4/22
F21Y115:10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023112791
(22)【出願日】2023-07-10
【審査請求日】2023-07-14
(31)【優先権主張番号】202320913497.0
(32)【優先日】2023-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523261355
【氏名又は名称】株式会社向陽プランニング
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秦 海瑞
(72)【発明者】
【氏名】李 肖爽
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06120312(US,A)
【文献】特開2014-022571(JP,A)
【文献】米国特許第07871301(US,B1)
【文献】特開2003-346504(JP,A)
【文献】中国実用新案第206191347(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 23/00-99/00
H01R 11/00-11/32
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル線と、
前記ケーブル線を通して相互に繋がった複数のLED素子とを含む、LEDストリングライトであって、
前記LED素子のリード線が前記ケーブル線の電線部に装着されており、
前記LED素子の前記リード線と前記ケーブル線との間に配置されたフレキシブル端子をさらに含み、
前記フレキシブル端子が、前記LED素子の前記リード線および前記ケーブル線に圧着さ
れており、
前記LED素子の外側圧着被膜である封止ゴム管をさらに含み、
前記ケーブル線の先端部および前記フレキシブル端子は、前記封止ゴム管内に包まれた状態で圧着されており、
前記フレキシブル端子は、長手を有する板状の被膜部、前記ケーブル線を前記被膜部に前記被膜部に向けて押さえ付けるためのケーブル線押さえ部、前記ケーブル線と前記ケーブル線の電線部との重なり部分を前記被膜部に向けて押さえ付けるための電線押さえ部、および前記LED素子の前記リード線を前記被膜部に向けて押さえ付けるためのリード線押さえ部を一体構造として含み、
前記リード線押さえ部は、前記被膜部の長手方向に互いに対向する二つのストッパープレートと、二つの前記ストッパープレートにそれぞれ設けられた二つのフレキシブル押さえプレートとを含み、二つの前記フレキシブル押さえプレートは、二つの前記ストッパープレートの間に配置され、
一方の前記フレキシブル押さえプレートの先端部は、他方の前記フレキシブル押さえプレートの先端部の天井面に圧接され、
前記LED素子の前記リード線は、前記他方の前記フレキシブル押さえプレートの先端部によって前記被膜部上に圧着されている、LEDストリングライト。
【請求項2】
前記ケーブル線押さえ部は、前記被膜部の幅方向に対向するように前記被膜部に形成された二つのケーブル線押さえプレートを含み、二つの前記ケーブル線押さえプレートは頂部を有し、前記ケーブル線押さえプレートの前記頂部は三角形板状構造を採用し、
前記ケーブル線は、前記ケーブル線押さえプレートによって前記被膜部上に圧着固定されている、請求項に記載のLEDストリングライト。
【請求項3】
前記電線押さえ部は、二つの電線押さえプレートを含み、
二つの前記電線押さえプレートは、前記被膜部の幅方向に対向するように形成され、前記電線押さえプレートはV字型板状構造を採用し、前記LED素子の前記リード線と前記ケーブル線の電線部との重なり部分は、前記電線押さえプレートによって前記被膜部に圧着固定されている、請求項に記載のLEDストリングライト。
【請求項4】
ケーブル線と、
前記ケーブル線を通して相互に繋がった複数のLED素子とを含む、LEDストリングライトであって、
前記LED素子のリード線が前記ケーブル線の電線部に装着されており、
前記LED素子の前記リード線と前記ケーブル線との間に配置されたフレキシブル端子をさらに含み、
前記フレキシブル端子が、前記LED素子の前記リード線および前記ケーブル線に圧着されており、
前記LED素子の外側圧着被膜である封止ゴム管をさらに含み、
前記ケーブル線の先端部および前記フレキシブル端子は、前記封止ゴム管内に包まれた状態で圧着されており、
前記封止ゴム管は絶縁ゴム製の管状構造を採用し、前記封止ゴム管は、ゴム内管とゴム外管とを一体構造として含み、
前記フレキシブル端子および前記ケーブル線は前記ゴム内管で包まれ、前記LED素子は前記ゴム外管内に嵌着され、
前記ゴム内管内に包まれた隔離柱をさらに含み、前記隔離柱および前記フレキシブル端子は相互に接触され、前記隔離柱は前記ゴム内管によって圧着固定されている、LEDストリングライト。
【請求項5】
前記封止ゴム管は絶縁ゴム製の管状構造を採用し、前記封止ゴム管内には封止剤が充填されている、請求項1または4に記載のLEDストリングライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2023年4月21日に中国専利局に提出された、出願番号が2023209134970.0であり、名称が「はんだ付け不要な防水LEDストリングライト」である中国実用新案出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべてはこの出願に引用として取り込まれる。
【0002】
この発明は、LED照明技術分野に関し、具体的には、LEDストリングライトに関する。
【背景技術】
【0003】
LEDストリングライトは、素子およびケーブル線回路によって形成されている。ケーブル線回路の間に多数の光源に取り付け、かつケーブル線回路を囲むことにより、LEDストリングライトは、一定の線状の照明装飾製品として形成されている。LEDストリングライトは、場所の夜景ライトアップにおいて不可欠な装飾製品である。
【0004】
また、LED照明には、発熱量が小さい、電気消費量が小さい、使用寿命が長い等の長所がある。電力資源の節約を満たし、かつ夜間照明の使用の求めを満たすので、ますます多くの場所において、LEDストリングライトが照明として使用されるようになっている。
【0005】
LED素子をケーブル線回路中に簡単に取り付けるため、既存のLEDストリングライトの製造方式は、主として二つに分けられる。一つの製造方式は、LED素子のリード線をケーブル線の電線部上に直接はんだ付けするものであり、他の製造方式は、端子を使用してLED素子のリード線とケーブル線の電線部との重なり部分を圧着固定させるものである。
【0006】
はんだ付けは往往にして大量の鉛を使用し、かつはんだ付けの過程は往往にして有毒気体を発生させ、環境保護という生産工程の求めを満たす術がない。また、高温はんだ付けはLED素子に対して破壊をもたらし、LEDストリングライトの使用寿命を縮めるおそれがある。それらのため、LEDストリングライトの製造において、多くは端子を使用してLED素子のリード線とケーブル線の電線部との重なり部分に対して圧着固定を行うことが考えられる。
【0007】
しかしながら、単にLED素子のリード線とケーブル線の電線部との重なり部分を圧着固定させるのみでは決して頑丈ではない。そのため、ケーブル線回路を囲んだり、LED素子を調節したりする等のLEDストリングライトの使用調整時において、LED素子のリード線がケーブル線の電線部上から容易に脱落するおそれがある。この場合、LED素子の断路状態を招き、LEDストリングライトの使用寿命に影響を与えるおそれがある。
【0008】
また、LEDストリングライトは通常、屋外の場所で使われるため、降雨、場所の清掃等によるLEDストリングライトへの進水を防ぐため、往往にしてLEDストリングライトには良好な防水性能が必要である。このため、往往にしてゴム管を使用してLED素子、LED素子リード線、およびケーブル線の電線部に対して押圧封止被膜処理を行う。しかしながら、被膜封止を行う過程の中で、LED素子の正負極リード線およびケーブル線の正負極結線部は押圧を受けた後に容易に相互に接触して、ケーブル線回路に短絡状態をもたらし、LEDストリングライトの正常な使用に影響を与えるおそれがある。
【0009】
このため、LED素子とケーブル線とを頑丈に連結し、LED素子のセッティングに便利で、防水効果が良く、短絡状況の出現を効果的に防ぐことのできる、はんだ付け不要な防水LEDストリングライトには、大きな市場的将来性がある。
【発明の概要】
【0010】
既存技術の不備に対して、この発明の一実施形態は、LED素子とケーブル線とを連結を頑丈にし、LED素子のセッティングが容易で、防水効果が良く、短絡状況の出現を効果的に防ぐことのできるはんだ付け不要な防水LEDストリングライトを提供する。
【0011】
この発明の一実施形態は、ケーブル線と、前記ケーブル線を通して相互に繋がった複数のLED素子とを含む、LEDストリングライトを提供する。前記LED素子のリード線が前記ケーブル線の電線部に装着されている。前記LEDストリングライトは、前記LED素子の前記リード線と前記ケーブル線との間に配置されたフレキシブル端子をさらに含む。前記フレキシブル端子が、前記LED素子の前記リード線および前記ケーブル線に圧着されている。前記LEDストリングライトは、前記LED素子の外側圧着被膜である封止ゴム管をさらに含む。前記ケーブル線の先端部および前記フレキシブル端子は、前記封止ゴム管内に包まれた状態で圧着されている。
【0012】
この発明の一実施形態では、前記フレキシブル端子は、長手を有する板状の被膜部、前記ケーブル線を前記被膜部に前記被膜部に向けて押さえ付けるためのケーブル線押さえ部、前記ケーブル線と前記ケーブル線の電線部との重なり部分を前記被膜部に向けて押さえ付けるための電線押さえ部、および前記LED素子の前記リード線を前記被膜部に向けて押さえ付けるためのリード線押さえ部を一体構造として含む。前記リード線押さえ部は、前記被膜部の長手方向に互いに対向する二つのストッパープレートと、二つの前記ストッパープレートにそれぞれ形成された二つのフレキシブル押さえプレートとを含む。二つの前記フレキシブル押さえプレートは、二つの前記ストッパープレートの間に配置されている。一方の前記フレキシブル押さえプレートの先端部は、他方の前記フレキシブル押さえプレートの先端部の天井面に圧接されている。前記LED素子の前記リード線は、前記他方の前記フレキシブル押さえプレートの先端部によって前記被膜部上に圧着されている。
【0013】
この発明の一実施形態では、前記ケーブル線押さえ部は、前記被膜部の幅方向に対向するように前記被膜部に形成された二つのケーブル線押さえプレートを含む。二つの前記ケーブル線押さえプレートは頂部を有している。前記ケーブル線押さえプレートの前記頂部は三角形板状構造を採用している。前記ケーブル線は、前記ケーブル線押さえプレートによって前記被膜部上に圧着固定されている。
【0014】
この発明の一実施形態では、前記電線押さえ部は、二つの電線押さえプレートを含む。二つの前記電線押さえプレートは、前記被膜部の幅方向に対向するように形成されている。前記電線押さえプレートはV字型板状構造を採用している。前記LED素子の前記リード線と前記ケーブル線の電線部との重なり部分は、前記電線押さえプレートによって前記被膜部に圧着固定されている。
【0015】
この発明の一実施形態では、前記封止ゴム管は絶縁ゴム製の管状構造を採用している。前記封止ゴム管は、ゴム内管とゴム外管とを一体構造として含む。前記フレキシブル端子および前記ケーブル線は前記ゴム内管で包まれている。前記LED素子は前記ゴム外管内に嵌着されている。前記ゴム内管内に包まれた隔離柱をさらに含む。前記隔離柱および前記フレキシブル端子は相互に接触され、前記隔離柱は前記ゴム内管によって圧着固定されている。
【0016】
この発明の一実施形態では、前記封止ゴム管は絶縁ゴム製の管状構造を採用している。前記封止ゴム管内には封止剤が充填されている。
【0017】
この発明の一実施形態によれば、まず、幾つかのケーブル線を通して相互に繋がった複数のLED素子が含まれ、LED素子のリード線をケーブル線の電線部に装着し、LED素子のリード線とケーブル線との間にフレキシブル端子を設け、フレキシブル端子をLED素子のリード線とケーブル線上で圧着被膜させLED素子の外側圧着被膜には封止ゴム管があり、ケーブル線の片側とフレキシブル端子は封止ゴム管内でそれぞれ圧着被膜させる。この発明の一実施形態は、設けられたフレキシブル端子を通してLED素子のリード線とケーブル線に対してそれぞれ圧着固定を行い、具体的には、設けられたリード線押さえ部を通してLED素子のリード線を被膜部上に圧着させ、これによりLED素子のリード線をケーブル線の電線部内に簡単かつ速やかに挿し込み、ならびにLED素子のリード線圧着の固定効果を高めることができる。
【0018】
この発明の一実施形態によれば、ケーブル線押さえ部を通して、ケーブル線を被膜部に圧着させ、ケーブル線の固定効率を高めることができる。そして、電線押さえ部を通して、LED素子のリード線とケーブル線の電線部との重なり部分に対して補強を行うことにより、LED素子のリード線とケーブル線の電線部との固定を確保して求めを満足させることができる。すなわち、LED素子の通電の安定性を確保し、LED素子のリード線がケーブル線の電線部上から容易に脱落することを防ぐことできる。また、LED素子をケーブル線上に取り付けることを容易に実現にできる。具体的には、ケーブル線をフレキシブル端子に圧着させることにより、LED素子のリード線をフレキシブル端子内に挿し込み、LED素子のリード線とケーブル線の電線部とを相互に重ならせ、それからLED素子のリード線とケーブル線の電線部との重なり部分をフレキシブル端子内で圧着させ、これによりLED素子とケーブル線の取り付け作業を完了させる。
【0019】
この発明の一実施形態では、封止ゴム管を通してLED素子とケーブル線の電線部とに対して封止保護を行い、ゴムの熱収縮特性を利用して、その封止ゴム管をLED素子とケーブル線とに押圧被膜させる。防水効果を実現し、取り付けた隔離柱を通して、LED素子の二つのリード線を引き離し、これによりケーブル線を分離し、LED素子の正負極リード線およびケーブル線の正負極電線部が押圧を受けた後に接触するのを防ぐことができる。これにより、短絡状態が出現するのを防ぐ。そして、封止剤の充填を通して、フレキシブル端子とケーブル線の電線部とに対してシーリング処理を行い、この発明の一実施形態の防水効果をさらに高めることができる。良好な社会および経済効率を有し、使用を普及させやすい製品である。
【0020】
この発明の一実施形態によれば、既存技術の不備に対して、LED素子とケーブル線とを連結を頑丈にし、かつLED素子のセッティングが容易なLEDストリングライトを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、この発明の一実施形態に係るLEDストリングライトを説明するための図である。
図2図2は、前記LEDストリングライトに含まれるフレキシブル端子の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、この発明の一実施形態に係るLEDストリングライトを説明するための図である。図2は、前記LEDストリングライトに含まれるフレキシブル端子3の斜視図である。
【0023】
この発明の一実施形態に係るLEDストリングライトは、はんだ付け不要な防水LEDストリングライトである。図1および図2に示すように、LEDストリングライトは、複数のケーブル線1と、ケーブル線1を通して相互に繋がった複数のLED素子2とを含む。ケーブル線1は、電線部を含む。電線部は、たとえば芯線である。芯線は、銅等の金属線からなる。ケーブル線1は、電線部を被覆する筒状の被覆部をさらに含む。被覆部は、たとえば合成樹脂製である。LED素子2のリード線は、ケーブル線1の電線部に装着されている。LEDストリングライトはフレキシブル端子3をさらに含む。フレキシブル端子3は、LED素子2のリード線とケーブル線1との間に配置されている。フレキシブル端子3は、LED素子2のリード線とケーブル線1の電線部とを接続するための端子である。フレキシブル端子3がLED素子2のリード線およびケーブル線1に圧着被膜されている。フレキシブル端子3は、LED素子2のリード線をケーブル線1に圧着固定させるのに用いられる。フレキシブル端子3は、LED素子2とケーブル線1との相互連結を確保し、かつLED素子2とケーブル線1の連結に対して保護を行う。LEDストリングライトは、LED素子2の外側圧着被膜である封止ゴム管4をさらに含む。封止ゴム管4は、LED素子2および二つのケーブル線1を包み込む。ケーブル線1の片側(先端部)およびフレキシブル端子3は、封止ゴム管4内に包まれた状態で圧着されている。封止ゴム管4は、LED素子2のリード線およびケーブル線1の電線部を封止して保護するために用いられる。
【0024】
フレキシブル端子3は、ケーブル線押さえ部31、電線押さえ部32、リード線押さえ部33および被膜部34(長尺な薄板状のベース部(端子基体))を一体構造として含む。フレキシブル端子3は、所定の長手方向(図2の上下方向)に長手を有している。被膜部34は、前記長手方向に沿って延びる板状である。前記被膜部34はU字型板状構造を採用し、ケーブル線押さえ部31、電線押さえ部32およびリード線押さえ部33は、被膜部34の開口端上に形成されている。
【0025】
リード線押さえ部33は、側面視(次に述べる幅方向に沿う方向(図2の左上と右下とを結ぶ方向)から見た側面視)において、略M字状の板状構造である。リード線押さえ部33にはフレキシブル押さえプレート331をそれぞれ取り付けた二つのストッパープレート332と、二つのフレキシブル押さえプレート331とを備えている。各ストッパープレート332と、対応するフレキシブル押さえプレート331とは、一体に形成されている。二つのストッパープレート332および二つのフレキシブル押さえプレート331は、被膜部34と一体に形成されている。
【0026】
二つのストッパープレート332は、前記長手方向に互いに対向している。各ストッパープレート332は、被膜部34において、フレキシブル端子3の幅方向(図2の左上と右下とを結ぶ方向)の両端部から、高さ方向(図2の右側)に立ち上がる一対の側壁と、一対の側壁の上端同士を接続する上壁とを備えている。一対の側壁と上壁とは一体に形成されている。各ストッパープレート332は、長手方向に沿う方向から見た側面視が、90°横転したコ字状である。二つのストッパープレート332は、被膜部34に対して弾性変形可能である。ストッパープレート332はN字型板状構造を採用している。
【0027】
二つのフレキシブル押さえプレート331は、二つのストッパープレート332の間に、前記長手方向に挟まれるように配置されている。各フレキシブル押さえプレート331の基端部は、対応するストッパープレート332の上壁につながっている。各フレキシブル押さえプレート331は、対応するストッパープレート332に片持ち支持されている。各フレキシブル押さえプレート331は、対応するストッパープレート332に弾性支持されている。各フレキシブル押さえプレート331は、対応するストッパープレート332から離れるに従って、被膜部34側に接近するように傾斜している。フレキシブル押さえプレート331の先端部は、上下方向(図2の左右方向)に重なっている。フレキシブル押さえプレート331の先端はストッパープレート332の側壁上に取り付けられている。一方のフレキシブル押さえプレート331(図2で示す下側のフレキシブル押さえプレート331)の先端部は、他方のフレキシブル押さえプレート331(図2で示す上側のフレキシブル押さえプレート331)の先端部の天井面(被膜部34側と反対側の面)上に圧接されている。
【0028】
フレキシブル端子3に挿し込まれたLED素子2のリード線は、他方のフレキシブル押さえプレート331(図2で示す上側のフレキシブル押さえプレート331)と被膜部34とによって挟まれる。これにより、LED素子2のリード線が被膜部34上に圧着される。すなわち、二つのフレキシブル押さえプレート331のフレキシブル性能を利用して、LED素子2のリード線に対する圧着固定が行われる。これにより、LED素子2のリード線をケーブル線1の電線部に簡単かつ速やかに挿し込み、かつLED素子2のリード線をフレキシブル端子3内に簡単に圧着固定できる。フレキシブル端子3は、フレキシブルソフトメタルを用いて形成され、ソフトメタルの変形能とフレキ性とを利用して、LED素子2およびケーブル線1に対して圧着固定を行う。
【0029】
ケーブル線押さえ部31は、二つのケーブル線押さえプレート311を含む。二つのケーブル線押さえプレート311は、被膜部34において、フレキシブル端子3の幅方向(図2の左上と右下とを結ぶ方向)の両端部から、高さ方向(図2の右側)に立ち上がっている。二つのケーブル線押さえプレート311は、前記幅方向に互いに対向している。各ケーブル線押さえプレート311は、被膜部34において、前記幅方向の両端部から立ち上がる立上部と、立上部の先端に連接された頂部とを一体に有している。立上部と頂部とは曲げ加工により形成されている。二つのケーブル線押さえプレート311は、被膜部34に対して弾性変形可能である。ケーブル線押さえプレート311の頂部は、ケーブル線押さえプレート311の立上部に弾性支持されている。二つのケーブル線押さえプレート311は、被膜部34の一端両側にそれぞれ取り付けられている。各ケーブル線押さえプレート311の頂部は三角形板状構造を採用している。具体的には、ケーブル線押さえプレート311の頂部を当該頂部の法線方向から見た形状が、三角形状である。ケーブル線1は、ケーブル線押さえプレート311によって、被膜部34上に圧着固定される。これにより、ケーブル線1をフレキシブル端子3内に簡単に圧着固定できる。
【0030】
電線押さえ部32は、二つの電線押さえプレート321を含む。二つの電線押さえプレート321は、被膜部34において、フレキシブル端子3の幅方向(図2の右下と左上とを結ぶ方向)の両端部から、高さ方向(図2の右側)に立ち上がっている。二つの電線押さえプレート321は、前記の幅方向に互いに対向している。二つの電線押さえプレート321は、被膜部34の両側上にそれぞれ取り付けられている。各電線押さえプレート321は、V字型板状構造(180°横転したV字状の板状構造)を採用している。各電線押さえプレート321は、被膜部34において、被膜部34から立ち上がる立上部と、立上部の先端に連接された連接部とを一体に有している。立上部と連接部とは曲げ加工により形成されている。二つの電線押さえプレート321は、被膜部34に対して弾性変形可能である。電線押さえプレート321の連接部は、電線押さえプレート321の立上部に弾性支持されている。LED素子2のリード線とケーブル線1の電線部との重なり部分は、電線押さえプレート321によって被膜部34上に圧着固定される。これにより、LED素子2とケーブル線1の電線部との重なり部分が、フレキシブル端子3内に固定され、ゆえに、LED素子2の通電の安定性が確保される。
【0031】
封止ゴム管4は、ゴム内管41とゴム外管42とを一体構造として含む。フレキシブル端子3およびケーブル線1は、ゴム内管41に包まれている(いずれも被膜されている)。LED素子2は、ゴム外管42内に嵌着されている。ゴム内管41内に、スペーサとしての隔離柱43が収容されている。隔離柱43とフレキシブル端子3とは相互に接触している。隔離柱43は、ゴム内管41によって圧着固定されている。ゴム内管41内に包まれるLED素子2のリード線は二つであり、LED素子2の二つのリード線は正極リード線と負極リード線とに分けられている。隔離柱43は、LED素子2の正極リード線と負極リード線との間に配置されている。隔離柱43は、LED素子2の正極リード線を、LED素子2の負極リード線から絶縁(隔離)するために用いられている。これにより、短絡現象の発生を防ぐことができる。
【0032】
封止ゴム管4は、絶縁ゴム製の管状構造を採用している。封止ゴム管4内に封止剤44が充填されている。ゴムの熱収縮排出特性を利用して、封止ゴム管4を200~250℃で加熱すると、封止ゴム管4は収縮被膜を行う。このとき、ゴムの熱収縮排出特性により、大量の封止剤44を排出して、封止処理が行われる。これにより、LED素子2、フレキシブル端子3およびケーブル線1が、封止ゴム管4内に固定される。ゆえに、防水封止の求めを満足させる。
【0033】
本製品の使用方法は次の通りである。図1および図2に示すとおり、まず、フレキシブル端子3を用いて、二つのLED素子2の二つのリード線をケーブル線1の電線部にそれぞれ装着させる。具体的には、ケーブル線1をフレキシブル端子3に挿し込み、ケーブル線1を被膜部34上に配置する。このとき、ケーブル線1がケーブル線押さえ部31上に配置され、かつケーブル線1の電線部が電線押さえ部32上に配置される。この状態で、ケーブル線押さえ部31のケーブル線押さえプレート311の頂部を、図2に示す状態から被膜部34に向けてさらに折り曲げる。これにより、フレキシブル端子3に挿し込まれたケーブル線1が、ケーブル線押さえプレート311の頂部と被膜部34とによって挟まれる。これにより、ケーブル線1が被膜部34上に圧着固定される。
【0034】
次に、LED素子2のリード線を、フレキシブル端子3のリード線押さえ部33に挿し込み、LED素子2のリード線を、電線押さえ部32においてケーブル線1の電線部と重ならせる。LED素子2のリード線が電線押さえ部32に挿し込まれることにより、LED素子2のリード線は、他方のフレキシブル押さえプレート331によって被膜部34上に圧着される。
【0035】
また、LED素子2のリード線を被膜部34上に圧着固定させ、電線押さえ部32の二つの電線押さえプレート321の連接部を、図2に示す状態から被膜部34に向けてさらに折り曲げる。これにより、LED素子2のリード線とケーブル線1の電線部との重なり部分が、電線押さえプレート321の連接部と被膜部34とによって挟まれる。これにより、LED素子2のリード線とケーブル線1の電線部との重なり部分が、電線押さえプレート321によって被膜部34上に圧着固定される。これにより、フレキシブル端子3によって、LED素子2とケーブル線1との導通を保ちながら、LED素子2のリード線とケーブル線1との強固な結合を実現できる。
【0036】
その後、封止ゴム管4を用いて、LED素子2とケーブル線1とを包み込む。具体的には、まず、隔離柱43をLED素子2の二つのリード線の間に配置し、これにより、フレキシブル端子3と隔離柱43とを相互に接触させる。そのLED素子2をゴム外管42で包み込み、かつ隔離柱43、ケーブル線1および隔離柱43をゴム内管41で包み込む。さらにその後、ヒートガンを使用することにより、封止ゴム管4に対して加熱シーリングを行う。封止ゴム管4をLED素子2およびフレキシブル端子3上で熱収縮被膜させる。このとき、ゴム内管41は熱を受けて大量の封止剤44を排出し、本製品に対して封止処理を行う。これにより、防水封止の求めを満足させることができる。
【0037】
この発明の一実施形態によれば、LED素子2とケーブル線1との連結を強化し、LED素子2のセッティングを便利にし、防水効果を良好にし、短絡状況の出現を効果的に防ぐことのできるはんだ付け不要な防水LEDストリングライトを提供する。この発明の一実施形態は、大きな市場的将来性を帯びさせるものである。
【0038】
本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、これらは本発明の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0039】
1 :ケーブル線
2 :LED素子
3 :フレキシブル端子
4 :封止ゴム管
31 :ケーブル線押さえ部
32 :電線押さえ部
33 :リード線押さえ部
34 :被膜部
41 :ゴム内管
42 :ゴム外管
43 :隔離柱
44 :封止剤
311 :ケーブル線押さえプレート
321 :電線押さえプレート
331 :フレキシブル押さえプレート
332 :ストッパープレート
【要約】      (修正有)
【課題】LED素子とケーブル線との連結を頑丈にし、LED素子のセッティングが容易で、防水効果が良く、短絡状況の出現を効果的に防ぐことのできるはんだ付け不要な防水LEDストリングライトを提供する。
【解決手段】LEDストリングライトは、ケーブル線1と、ケーブル線1を通して相互に繋がった複数のLED素子2とを含む。LED素子2のリード線がケーブル線1の電線部に装着されている。LEDストリングライトは、LED素子2のリード線とケーブル線1との間に配置されたフレキシブル端子3をさらに含む。フレキシブル端子3が、LED素子2のリード線およびケーブル線1に圧着されている。LEDストリングライトは、LED素子2の外側圧着被膜である封止ゴム管4をさらに含む。ケーブル線1の先端部およびフレキシブル端子3は封止ゴム管4内に包まれた状態で圧着されている。
【選択図】図1
図1
図2