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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】食材盛付装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/44 20060101AFI20240402BHJP
   A23L 7/10 20160101ALI20240402BHJP
【FI】
B65B43/44 Z
A23L7/10 E
B65B43/44 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020094870
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021187509
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】591094262
【氏名又は名称】鈴茂器工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101971
【弁理士】
【氏名又は名称】大畑 敏朗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】田代 光男
(72)【発明者】
【氏名】杉▲崎▼ 健
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-193204(JP,A)
【文献】特開2015-074463(JP,A)
【文献】特開平05-178337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B43/00-43/62
A23L 7/00- 7/104
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯された米である米飯が盛り付けられる容器を搬送供給する第1の搬送手段と、
前記第1の搬送手段の搬送経路上に配置され、容器の重送の有無を検知する重送検知手段と、
前記第1の搬送手段から供給された容器に米飯を盛付可能な米飯盛付手段と、
前記米飯盛付手段を経由した容器を搬送し、米飯の盛り付けられた容器に対しておかずの盛付作業が可能なおかず盛付ラインを構成する第2の搬送手段と、
前記重送検知手段において重送と検知されなかった容器には前記米飯盛付手段により米飯を盛り付けて前記第2の搬送手段に搭載し、前記重送検知手段において重送と検知された容器には前記米飯盛付手段により米飯を盛り付けずに空の状態で前記第2の搬送手段に搭載する制御を実行する制御手段と、
を有し、
前記第2の搬送手段上を流れる容器について、米飯が盛り付けられている容器にはおかずの盛付作業を行い、米飯が盛り付けられていない容器は当該第2の搬送手段から撤去し得るようにした、
ことを特徴とする食材盛付装置。
【請求項2】
前記第2の搬送手段搬送される空の容器を当該第2の搬送手段から撤去する撤去手段をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1記載の食材盛付装置。
【請求項3】
前記撤去手段は、前記第2の搬送手段搬送される空の容器を搬送方向と交差する方向に押し出し、容器を回収する回収手段に移載するプッシャである、
ことを特徴とする請求項2記載の食材盛付装置。
【請求項4】
前記重送検知手段は、
発信部から発信されて容器を介して受信部に受信された超音波の減衰で重送の有無を検知する超音波重送センサ、
発信部から発信されて容器で反射して受信部に受信された電波または超音波により計測された容器までの距離で重送の有無を検知する距離センサ、
容器の重量を計測して容器の重送の有無を検知する重量センサ、
または、イメージセンサで撮影された容器の画像をデジタル信号に変換、演算して当該容器の形状から重送の有無を検知する画像センサである、
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の食材盛付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材盛付装置に関し、特に、重送された容器に食材が盛り付けられて製品化されることを防止する食材盛付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品工場や店舗などにおいては、容器収容部から1枚ずつ容器を取り出して米飯(食材)を盛り付ける米飯盛付装置(食材盛付装置)が使用されており、米飯が盛り付けられた容器に対して作業者によりおかずの盛り付けなどが行われる。容器収容部には複数枚の容器が積層した状態でストックされており、最下部の容器をハンドラで取り出して容器搬送路に載せ、米飯の盛付位置へ搬送している。
【0003】
なお、食材盛付装置における容器の取り出しについては、例えば、特許文献1(特開2002-308222号公報)、特許文献2(特開2010-001040号公報)、特許文献3(特開2015-000812号公報)などに記載の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-308222号公報
【文献】特開2010-001040号公報
【文献】特開2015-000812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、容器収容部から容器が複数枚(多くの場合には2枚)が重なり合った状態で引き抜かれて容器搬送路に送られ(重送され)、そのまま米飯やおかずが盛り付けられて製品化されることがある。そのような確率は1%程度と考えられるものの、1種類の弁当を数百個から数千個生産する場合には、数個から数十個が重送された容器で製品化されてしまうことになる。
【0006】
そして、前述したように弁当の生産量は膨大であるため、多くの生産工場では、生産個数の管理を、出来上がった製品を数えるのではなく、生産予定数の容器で行っている。すなわち、生産予定数の容器を用意しておいて生産を行い、それがなくなったら予定数が生産されたという方式を採用している。すると、容器を重送してしまった場合には、実際には予定数が生産されていないにもかかわらず生産されたものなり、生産数に狂いが生じてしまう。
【0007】
作業者の目視確認で容器の重送を防止することも考えられるが、見落としてしまう可能性があるために、重送を確実に防止することはできない。
【0008】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、重送された容器に食材が盛り付けられて製品化されることを確実に防止することができる食材盛付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明の食材盛付装置は、炊飯された米である米飯が盛り付けられる容器を搬送供給する第1の搬送手段と、前記第1の搬送手段の搬送経路上に配置され、容器の重送の有無を検知する重送検知手段と、前記第1の搬送手段から供給された容器に米飯を盛付可能な米飯盛付手段と、前記米飯盛付手段を経由した容器を搬送し、米飯の盛り付けられた容器に対しておかずの盛付作業が可能なおかず盛付ラインを構成する第2の搬送手段と、前記重送検知手段において重送と検知されなかった容器には前記米飯盛付手段により米飯を盛り付けて前記第2の搬送手段に搭載し、前記重送検知手段において重送と検知された容器には前記米飯盛付手段により米飯を盛り付けずに空の状態で前記第2の搬送手段に搭載する制御を実行する制御手段と、を有し、前記第2の搬送手段上を流れる容器について、米飯が盛り付けられている容器にはおかずの盛付作業を行い、米飯が盛り付けられていない容器は当該第2の搬送手段から撤去し得るようにした、ことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の本発明の食材盛付装置は、上記請求項1記載の発明において、前記第2の搬送手段搬送される空の容器を当該第2の搬送手段から撤去する撤去手段をさらに有する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の本発明の食材盛付装置は、上記請求項2記載の発明において、前記撤去手段は、前記第2の搬送手段搬送される空の容器を搬送方向と交差する方向に押し出し、容器を回収する回収手段に移載するプッシャである、ことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の本発明の食材盛付装置は、上記請求項1~3の何れか一項に記載の発明において、前記重送検知手段は、発信部から発信されて容器を介して受信部に受信された超音波の減衰で重送の有無を検知する超音波重送センサ、発信部から発信されて容器で反射して受信部に受信された電波または超音波により計測された容器までの距離で重送の有無を検知する距離センサ、容器の重量を計測して容器の重送の有無を検知する重量センサ、または、イメージセンサで撮影された容器の画像をデジタル信号に変換、演算して当該容器の形状から重送の有無を検知する画像センサである、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、重送検知手段において重送と検知されなかった容器に対しては食材盛付手段で食材を盛り付けて第2の搬送手段に搭載し、一方、重送検知手段において重送と検知された容器に対しては食材盛付手段により食材を盛り付けずに空の状態で第2の搬送手段に搭載するようにしている。
【0015】
したがって、第2の搬送手段を流れる容器に食材が盛り付けられているか否かで、当該容器が重送された容器であるか否かを判別することができる。
【0016】
これにより、重送された容器に食材が盛り付けられて製品化されることを確実に防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態である米飯盛付装置を平面から示す概念図である。
図2図1の米飯盛付装置を正面から示す概念図である。
図3図1の米飯盛付装置における容器搬送路を側面から示す概念図である。
図4図1の米飯盛付装置の制御系を示すブロック図である。
図5】本発明の他の実施の形態である米飯盛付装置を平面から示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0019】
図1および図2に示すように、本実施の形態の米飯盛付装置(食材盛付装置)Aは、図示しないホッパ内に投入された米飯(食材)から容器tに盛り付けられる所定重量の米飯Rを生成する計量米飯生成部10と、計量米飯生成部10で生成された米飯Rが盛り付けられる容器tを搬送供給する第1の搬送コンベア(第1の搬送手段)C1と、第1の搬送コンベアC1から供給された容器tに対して計量米飯生成部10で生成された米飯Rが盛付可能となった米飯盛付部(食材盛付手段)20と、米飯盛付部20を経由した容器tを搬送する第2の搬送コンベア(第2の搬送手段)C2とが備えられている。また、計量米飯生成部10と米飯盛付部20との間には、計量米飯生成部10で生成された米飯Rを米飯盛付部20に搬送するための米飯搬送コンベアC3が設置されている。さらに、第1の搬送コンベアC1の搬送経路上には、容器tが複数枚重なり合った状態で搬送される現象である重送を検知する重送検知部(重送検知手段)40が配置されている。
【0020】
ここで、米飯Rの投入される容器tは、図示するように、例えば四角形のトレイ状になっており、熱可塑性樹脂シートを真空成形して作成されている。この容器tは仕切壁によって2つの領域に区画された弁当容器であり、一方が米飯Rの盛り付けられる領域になっており、他方がおかずの盛り付けられる領域になっている。また、容器tの周縁には、外側に出っ張ったフランジtfが全周に渡って形成されている。
【0021】
前述した第1の搬送コンベアC1は、相互に平行配置された比較的幅の狭い一対の無端状のベルトで構成されている。これらのベルトは、それぞれ図示しない2個のローラに掛け渡されて周回するようになっており、容器tの対向する2辺に形成されたフランジtfを下から支持した状態で容器tを搬送する。また、第2の搬送コンベアC2および米飯搬送コンベアC3は、比較的幅の広い1枚の無端状のベルトで構成され、同様に、図示しない2個のローラに掛け渡されて周回するようになっている。そして、第2の搬送コンベアC2は、米飯盛付部20を経由した容器tをベルト上に搭載して搬送し、米飯搬送コンベアC3は、計量米飯生成部10で生成された米飯Rをベルト上に搭載して搬送する。
【0022】
なお、第2の搬送コンベアC2は、米飯盛付部20の下方から水平方向に延びるコンベアC2a、コンベアC2aと連続するとともに上方に向けて傾斜したコンベアC2b、およびコンベアC2bと連続するとともに水平方向に延びるコンベアC2cで構成されている。また、米飯搬送コンベアC3は、計量米飯生成部10の下方から水平方向に延びて連続するコンベアC3a、コンベアC3bおよびコンベアC3cで構成されている。
【0023】
但し、第1の搬送コンベアC1、第2の搬送コンベアC2および米飯搬送コンベアC3の構造はこれに限定されるものではなく、容器tや米飯Rを搬送することができる限り、様々な構造を採用することができる。
【0024】
図3に示すように、第1の搬送コンベアC1の搬送方向上流端には、第1の搬送コンベアC1で搬送される容器tを収容する容器収容部30が設けられている。この容器収容部30は、積層された複数の容器tで構成される容器積層体Tを下から支持する板バネ31を備えている。そして、最下部に位置する容器tが板バネ31の支持力に抗して下方へ引き抜かれて取り出されるようになっている。なお、板バネ31は、最下部に位置する容器tの各辺のフランジtfを支持するように4箇所に配置されており、容器tが取り出されるときに下方へ弾性変形する。
【0025】
容器収容部30に収容された容器積層体Tの直下には、当該容器積層体Tの最下部に位置する容器tを吸着して下方へ引き抜いて取り出す容器取出ハンドラ32が昇降可能に設置されている。また、容器取出ハンドラ32を挟んで第1の搬送コンベアC1の反対側には、容器取出ハンドラ32に取り出された容器tを側方から押して第1の搬送コンベアC1に移載するための容器移載ハンドラ33が設けられている。
【0026】
図3において、第1の搬送コンベアC1の搬送経路上に配置された重送検知部40は、第1の搬送コンベアC1を挟んで上下に対向配置された発信部40aおよび受信部40bからなる超音波重送センサ40となっている。そして、発信部40aから発信されて容器tを介して受信部40bに受信された超音波の減衰で、第1の搬送コンベアC1を搬送されている容器tの重送を検知する。すなわち、容器tが1枚だけ搬送されている場合(つまり、重送されていない場合)には、容器tを介して受信部40bに受信された超音波は減衰しにくいのに対して、容器tが重送されている場合には、容器tと容器tとの間に存在する空気層のために超音波の減衰が大きくなるので、受信部40bに受信された超音波の減衰量から重送の有無が検知される。
【0027】
さて、米飯盛付部20は、第1の搬送コンベアC1の搬送経路の延長上に設けられた保持部21と、この保持部21の直上に位置して、米飯搬送コンベアC3の搬送経路の延長上に設けられた投入板22とで構成されている。また、第1の搬送コンベアC1には、搬送された容器tを押して保持部21にセットする押込部34が設けられ、米飯搬送コンベアC3には、搬送された米飯Rを押して投入板22に移載する移載板11が設けられている。
【0028】
保持部21は、第1の搬送コンベアC1を構成する一対のベルトの延長上に設けられ、水平方向に対して相互に接近離間可能となった一対の保持板21a,21aで構成されている。また、投入板22は、水平状態で閉鎖位置となり、両端を軸に下方に回動して投入位置となる枚のプレートで形成されている。
【0029】
したがって、投入板22を閉鎖位置にしておいてその上に移載板11により米飯Rを載置し、併せて保持部21に容器tを設置しておいて、投入板22を下方に回動させて閉鎖位置から開放位置に移動すれば、投入板22上の米飯Rが容器tに自重により落下して盛り付けられる。
【0030】
そして、前述のように、第2の搬送コンベアC2の一部をなすコンベアC2aは米飯盛付部20の下方から水平方向に延びているので、保持部21を構成する一対の保持板21a,21aが相互に離間する方向に移動すると、米飯Rの盛り付けられた容器tがコンベアC2a上に落下し、第2の搬送コンベアC2上を搬送される。
【0031】
図1に示すように、本実施の形態において、第2の搬送コンベアC2を構成する水平方向に延びたコンベアC2cは、米飯Rの盛り付けられた容器tに対しておかずの盛付作業が可能なおかず盛付ラインを構成している。そして、コンベアC2cと向き合うようにして一定の間隔で配置された作業者Wにより、コンベアC2cを流れる容器tのおかず盛付領域におかずの盛付作業が行われる。おかずが盛り付けられた後は、上蓋がされて包装が行われ、製品化が完了する。
【0032】
なお、第2の搬送コンベアC2を流れる米飯Rの盛り付けられた容器tに対する作業はおかずの盛付作業には限定されるものではなく、何らかの処理であればよい。例えば、容器tにおかずの盛付領域が形成されておらず、米飯Rが炒飯などの場合には、第2の搬送コンベアC2では上蓋が被せられる。
【0033】
次に、このような構成を有する本実施の形態の米飯盛付装置Aの制御系について、図4を用いて説明する。
【0034】
図4に示すように、本実施の形態の米飯盛付装置Aは、装置の動作全体をコントロールする制御部(制御手段)Sを有している。この制御部Sには、作業者が動作設定(容器tに投入される米飯Rの重量や数量など)を行う入力部Pからの電気信号や、超音波重送センサ40の検出信号(詳しくは、受信部40bに受信された超音波の電気信号)が入力されるようになっている。そして、これらの信号に基づいて、移載板11、米飯盛付部20、容器取出ハンドラ32、容器移載ハンドラ33、押込部34、超音波重送センサ40、第1の搬送コンベアC1、米飯搬送コンベアC3などの動作が制御される。
【0035】
次に、本実施の形態の米飯盛付装置Aにおいて、制御部Sで実行される動作について説明する。
【0036】
米飯盛付装置Aの動作が開始すると、容器取出ハンドラ32によって容器積層体Tの最下部に位置する容器tが取り出されて容器移載ハンドラ33により第1の搬送コンベアC1に移載されて搬送され、押込部34によって米飯盛付部20の保持部21にセットされる。そして、容器tが第1の搬送コンベアC1を搬送されているときに、搬送経路上に配置された重送検知部40で重送の有無が検知される。また、容器tの搬送に合わせて、計量米飯生成部10において所定重量の米飯Rが生成されて米飯搬送コンベアC3によって搬送され、移載板11によって米飯盛付部20の投入板22に移載される。
【0037】
そして、保持部21にセットされた容器tが、重送検知部40において重送と検知されなかった場合には、米飯盛付部20において米飯Rが盛り付けられた後に第2の搬送コンベアC2に搭載される。すなわち、投入板22を下方に回動させて開放位置にすることにより、投入板22上の米飯Rが容器tに落下して盛り付けられる。次に、保持部21を構成する一対の保持板21a,21aが相互に離間する方向に移動し、米飯Rの盛り付けられた容器tが第2の搬送コンベアC2上に落下して搬送される。
【0038】
そして、作業者Wにより、第2の搬送コンベアC2を流れる容器tのおかず盛付領域におかずの盛付作業が行われる。
【0039】
一方、保持部21にセットされた容器tが、重送検知部40において重送と検知された場合には、米飯盛付部20において米飯Rが盛り付けられることなく、空の状態で第2の搬送コンベアC2に搭載される。すなわち、投入板22が閉鎖位置のままで一対の保持板21a,21aが相互に離間する方向に移動し、空の容器tが第2の搬送コンベアC2上に落下して搬送される。図1および図2において表されている空の容器tは、このように重送されたために米飯Rが盛り付けられなかった容器tである。
【0040】
そして、作業者Wは、空の容器tが第2の搬送コンベアC2を流れてきた場合には、その容器tを搬送路から撤去する。図1および図2において、第2の搬送コンベアC2において容器tが欠落している部分は、容器tが撤去された部分である。
【0041】
このように、本実施の形態の米飯盛付装置Aでは、重送検知部40において重送と検知されなかった容器tに対しては米飯盛付部20で米飯Rを盛り付けて第2の搬送コンベアC2に搭載し、一方、重送検知部40において重送と検知された容器tに対しては米飯盛付部20により米飯を盛り付けずに空の状態で第2の搬送コンベアC2に搭載するように制御している。
【0042】
よって、第2の搬送コンベアC2を流れる容器tに米飯Rが盛り付けられているか否かで、当該容器tが重送された容器tであるか否かを判別することができる。
【0043】
これにより、作業者Wは、第2の搬送コンベアC2を流れる容器tを見て、米飯Rが盛り付けられている容器tは重送ではないためにおかずの盛付作業を行い、米飯Rが盛り付けられていない容器tは重送であるために当該容器tを撤去することができる。これにより、重送された容器tに米飯Rが盛り付けられて製品化されることを確実に防止することが可能になる。したがって、生産個数の管理を生産予定数の容器tで行った場合であっても、容器tの重送により生産数に狂いが生じてしまうこともない。
【0044】
さて、以上の説明では、米飯Rが盛り付けられていない重送された容器tを作業者Wが撤去するようにしているが、当該容器tを自動的に撤去する構造を採用することもできる。
【0045】
具体的には、図5に示すように、第2の搬送コンベアC2を搬送される空の容器tを当該第2の搬送コンベアC2から撤去するプッシャ(撤去手段)50を設置することが考えられる。このプッシャ50で第2の搬送コンベアC2を搬送される空の容器tを搬送方向と交差する方向に押し出し、搬送路から撤去するようにする。このとき、第2の搬送コンベアC2から押し出された容器tが移載される回収コンベア(回収手段)C4を設けておき、当該容器tを回収コンベアC4に載せて回収することができる。
【0046】
なお、プッシャの設置位置は、第2の搬送コンベアC2に配置された作業者Wの立ち位置よりも搬送方向上流側となっていることが望ましい。このようにすれば、米飯Rが盛り付けられていない空の容器tが作業者Wに流れてくることがなくなるからである。
【0047】
また、図5に示す場合には、回収コンベアC4は、第2の搬送コンベアC2に沿って設置され、プッシャ50で撤去された容器tの移載位置から下方に向かって傾斜配置されており、第2の搬送コンベアC2とは反対方向に容器tを搬送するようになっている。但し、回収コンベアC4はこのような構造である必要はなく、逆方向に傾斜配置となっていたり、水平配置されていてもよい。また、第2の搬送コンベアC2に対して直角に配置されていてもよい。
【0048】
ここで、撤去手段としては、空の容器tを搬送路から撤去する様々な構造のものが考えられ、空の容器tを押し出して搬送路から撤去するプッシャ50に限定されるものではない。一例を挙げると、空の容器tを把持して搬送路から撤去する把持装置などでもよい。さらに、回収手段としては、空の容器tを搬送回収する回収コンベアC4に限定されるものではなく、撤去された容器tを収容するためのコンテナなどでもよい。
【0049】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0050】
例えば、本実施の形態において、重送検知部としては、発信部から発信されて容器tを介して受信部に受信された超音波の減衰で重送を検知する超音波重送センサ40が用いられているが、容器tの重送を検知できる限り、様々なセンサを用いることができる。一例を挙げれば、距離センサ(発信部から発信されて容器tで反射して受信部に受信された電波あるいは超音波により容器tまでの距離を計測し、これにより容器tの重送を検知するセンサ)、重量センサ(容器tの重量を計測し、当該重量から容器tの重送を検知するセンサ)、画像センサ(イメージセンサで撮影された容器tの画像をデジタル信号に変換、演算して当該容器tの形状から重送を検知するセンサ)などを用いることができる。
【0051】
また、本実施の形態では、米飯Rは、米飯搬送コンベアC3に搬送されて米飯盛付部20に供給されるようになっているが、米飯搬送コンベアC3を介することなく、直接米飯盛付部20に供給されるようになっていてもよい。
【0052】
さらに、本実施の形態では、米飯Rが盛り付けられるトレイ状の容器tが例示されているが、丼状容器やカレー容器など、様々な容器tが適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上の説明では、食材の一例として,炊飯された米である米飯が適用されているが、これに限定されるものではなく、例えばみじん切りした野菜など、食材である限り様々なものを適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
10 計量米飯生成部
11 移載板
20 米飯盛付部(食材盛付手段)
21 保持部
21a 保持板
22 投入板
30 容器収容部
34 押込部
40 超音波重送センサ(重送検知部・重送検知手段)
40a 発信部
40b 受信部
50 プッシャ(撤去手段)
A 米飯盛付装置(食材盛付装置)
C1 第1の搬送コンベア(第1の搬送手段)
C2 第2の搬送コンベア(第2の搬送手段)
C3 米飯搬送コンベア
C4 回収コンベア(回収手段)
R 米飯(食材)
S 制御部(制御手段)
W 作業者
t 容器
tf フランジ
図1
図2
図3
図4
図5