(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】セキュリティ保護された電子ロッカーシステム
(51)【国際特許分類】
A47G 29/122 20060101AFI20240402BHJP
E05B 65/00 20060101ALI20240402BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240402BHJP
A47G 29/12 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
A47G29/122 C
E05B65/00 D
E05B49/00 J
A47G29/12 D
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017195858
(22)【出願日】2017-10-06
【審査請求日】2020-09-02
(32)【優先日】2016-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517352371
【氏名又は名称】クアディエント・テクノロジー・フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・ペネ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ブランリュエ
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-530645(JP,A)
【文献】国際公開第2016/030857(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0211258(US,A1)
【文献】特開2013-138797(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0356801(US,A1)
【文献】特開2006-331176(JP,A)
【文献】特開平09-032376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/12-122
E05B 65/00
E05B 49/00
G06Q 50/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の預託および回収ならびに引き取りのために電子ロッカーを動作させるための方法であって、遠隔配送システム(110、510)が、少なくとも1つの電子ロッカー(100、500)によって扱われる荷物に関連するデータを、長距離通信ネットワーク(112、512)を介して少なくとも1つのモバイルデバイス(102、104、502、504)に送信し、ユーザが、前記少なくとも1つの電子ロッカーのユーザインタフェースを使用せずに短距離通信ネットワーク(106、506)を介して前記少なくとも1つのモバイルデバイスのみを用いて前記少なくとも1つの電子ロッカーを動作させ、前記少なくとも1つの電子ロッカーが、前記短距離通信ネットワークを介して前記少なくとも1つのモバイルデバイスと通信し、オペレータごとに許可された電子ロッカーのリスト(566)が、前記少なくとも1つのモバイルデバイスのオペレータ記憶域(160、560)内に保管され、オペレータによる荷物預託のために、前記少なくとも1つのモバイルデバイスの前記オペレータ記憶域(160、560)内に保管された前記オペレータのオペレータ識別子(168)または前記少なくとも1つのモバイルデバイスのモバイルデバイス識別子(568)が、前記少なくとも1つのモバイルデバイスを用いた前記少なくとも1つの電子ロッカーへのアクセスを可能にするために、前記少なくとも1つのモバイルデバイスによって前記少なくとも1つの電子ロッカーに送信され
、
前記少なくとも1つの電子ロッカーが、前記オペレータの前記オペレータ識別子(168)または前記少なくとも1つのモバイルデバイスの前記モバイルデバイス識別子(568)と前記少なくとも1つの電子ロッカーの記憶域(550)内に保管されたテーブル(154、554、559)との間で照合を実行することによって、前記少なくとも1つのモバイルデバイスが前記少なくとも1つの電子ロッカーを動作させることを可能にするための許可手順を実行する、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのモバイルデバイスが、前記短距離通信ネットワーク(106、506)を介して前記少なくとも1つの電子ロッカーとの通信を自動的に開始
する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
- ユーザロールが、前記少なくとも1つの電子ロッカーのユーザのタイプごとにあらかじめ定義され、
- 前記許可手順に続いて、前記ユーザのための前記少なくとも1つの電子ロッカーへのアクセスが可能にされ、
- 前記ユーザが、自分のユーザロールに基づいて前記少なくとも1つの電子ロッカーを動作させる
ことを特徴とする、請求項
1または2に記載の方法。
【請求項4】
データが、前記少なくとも1つの電子ロッカー(500)と前記遠隔配送システム(510)との間の長距離通信ネットワークを介して直接的に交換されず、前記少なくとも1つの電子ロッカーと前記遠隔配送システムとの間のデータ交換が前記少なくとも1つのモバイルデバイス(502、504)を介して実行されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの電子ロッカー(100、500)内で受取人によって荷物を引き取るための方法であって、遠隔配送システム(110、510)が長距離通信ネットワーク(112、512)を介して少なくとも1つのモバイルデバイス(102、104、502、504)と通信し、前記受取人が、短距離通信ネットワーク(106、506)を介して前記少なくとも1つのモバイルデバイスのみを用いて前記少なくとも1つの電子ロッカーを動作させる、方法が、
- 前記受取人による前記少なくとも1つの電子ロッカーへのアクセスを管理し、前記少なくとも1つの電子ロッカーを動作させるための引き取りアプリケーション(182、582)を前記少なくとも1つのモバイルデバイス上にダウンロードするステップと、
- 前記遠隔配送システムによって前記少なくとも1つのモバイルデバイスに送られた通知によって前記引き取りアプリケーションを自動的に起動するステップと、
- 前記少なくとも1つの電子ロッカー内での運送業者による前記荷物の預託後に生成された受取人許可コード(184、584)を前記少なくとも1つのモバイルデバイス上で
受け取るステップであって、前記受取人許可コードが、前記荷物が預けられた区画を開けるために必要とされる唯一のデータである、
受け取るステップと
を含む方法。
【請求項6】
前記通知が、少なくとも前記受取人許可コードを備える前記荷物を引き取るために前記少なくとも1つの電子ロッカーを動作させるデータを含むことを特徴とする、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記引き取りアプリケーションが、前記少なくとも1つのモバイルデバイスによって受信された前記通知を自動的に削除することを特徴とする、請求項
5または
6に記載の方法。
【請求項8】
前記引き取りアプリケーションが、前記少なくとも1つのモバイルデバイスが前記少なくとも1つの電子ロッカーと通信するために使用される前記短距離通信ネットワーク(506)を自動的にオンにすることを特徴とする、請求項
5から
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの電子ロッカー(500)内での運送業者による荷物の預託または回収のための方法であって、オペレータが、短距離通信ネットワーク(506)を介して少なくとも1つのモバイルデバイス(502)のみを用いて前記少なくとも1つの電子ロッカーを動作させ、
- 前記少なくとも1つの電子ロッカーのオペレータのタイプごとにあらかじめ定義されたオペレータロールおよびオペレータごとに許可された電子ロッカーのリスト(566)が、前記少なくとも1つのモバイルデバイスのオペレータ記憶域(560)内に保管され、
- 前記少なくとも1つのモバイルデバイスの識別子(568)が前記少なくとも1つのモバイルデバイスの前記オペレータ記憶域内に保管され、モバイルデバイス識別子テーブル(559)が前記少なくとも1つの電子ロッカーの記憶域(550)内に保管され、
- 前記運送業者が自分のモバイルデバイスにログインし、このことが、前記運送業者の前記オペレータロールおよび前記運送業者が動作させることを許可された電子ロッカーの前記リストを識別し、
- 許可手順が、前記運送業者のための前記少なくとも1つの電子ロッカーへのアクセスを可能にし、前記許可手順
中に、前記少なくとも1つのモバイルデバイスの前記識別子と前記モバイルデバイス識別子テーブルとの間で照合が実行され、
- 前記運送業者が、自分のオペレータロールに基づいて前記少なくとも1つの電子ロッカーを動作させる、
方法。
【請求項10】
- 前記預託が完了すると、一意の受取人許可コードが、前記少なくとも1つの電子ロッカーに預けられた荷物ごとに提供される、
請求項
9に記載の、運送業者による荷物の預託または回収のための方法。
【請求項11】
荷物の預託および回収ならびに引き取りのためのコンピュータ化された電子ロッカーシステムであって、
遠隔配送システム(110、510)と、
長距離通信ネットワーク(112、512)と、
少なくとも1つの電子ロッカー(100、500)と、
少なくとも1つのモバイルデバイス(102、502)と、
短距離通信ネットワーク(106、506)と
を備え、前記少なくとも1つのモバイルデバイスが、前記短距離通信ネットワークを介して前記少なくとも1つの電子ロッカーと、および前記長距離通信ネットワークを介して前記遠隔配送システムと通信する、コンピュータ化された電子ロッカーシステムにおいて、
前記少なくとも1つのモバイルデバイスのユーザインタフェースが、ユーザが前記少なくとも1つの電子ロッカーを動作させる唯一のユーザインタフェースであり、オペレータによる荷物預託のために、前記少なくとも1つのモバイルデバイスのオペレータ記憶域(160、560)内に保管された前記オペレータのオペレータ識別子(168)または前記少なくとも1つのモバイルデバイスのモバイルデバイス識別子(568)が、前記少なくとも1つのモバイルデバイスを用いた前記少なくとも1つの電子ロッカーへのアクセスを可能にするために、前記少なくとも1つのモバイルデバイスによって前記少なくとも1つの電子ロッカーに送信され、前記少なくとも1つのモバイルデバイスが、オペレータごとに許可された電子ロッカーのリスト(566)を保管するための前記オペレータ記憶域(160、560)を備え
、
前記少なくとも1つの電子ロッカーが、前記オペレータの前記オペレータ識別子(168)または前記少なくとも1つのモバイルデバイスの前記モバイルデバイス識別子(568)と前記少なくとも1つの電子ロッカーの記憶域(550)内に保管されたテーブル(154、554、559)との間で照合を実行することによって、前記少なくとも1つのモバイルデバイスが前記少なくとも1つの電子ロッカーを動作させることを可能にするための許可手順を実行することを特徴とする、
コンピュータ化された電子ロッカーシステム。
【請求項12】
あらかじめ定義されたユーザロールテーブル(158、558、564)をさらに備え、各ユーザをユーザロールおよび機能のあらかじめ定義されたセットに関連付けるための手段(159、954)を有することを特徴とする、請求項
11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのモバイルデバイスが、荷物受取人による前記少なくとも1つの電子ロッカーへのアクセスを管理するための引き取りアプリケーション(182、582)を備え、前記少なくとも1つの電子ロッカーと前記遠隔配送システムが前記少なくとも1つのモバイルデバイスを介してのみデータを交換することを特徴とする、請求項
11または12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いくつかのロック可能な区画を備える電子荷物ロッカーシステムに配達業者によって配送品を預け、その後でこれらの配送品を取り出すための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子荷物ロッカーシステムは、荷物または小包などのさまざまな種類の配送品を降ろし、保管し、引き取るために使用される。そのような荷物ロッカーシステムは一般的に、配送品を落下させるために運送業者によって使用され、次いで、配送品が、荷物ロッカーから受取人によって引き取られる。電子荷物ロッカーは、運送業者または受取人が荷物ロッカーを操作するためのユーザインタフェースを有し、運送業者の場合は配送品を預けるために使用され、または受取人の場合は配送品を引き取るために使用される。このインタフェースによって、ユーザが、荷物ロッカーを操作するために情報を入力することが可能になり、荷物ロッカーは、情報をユーザに戻すことが可能になる。最近の電子荷物ロッカーの場合、この機能は一般的に、タッチスクリーンによって遂行される。ユーザインタフェースは、配送品または何らかのユーザ識別手段に取り付けられた情報を取得するためにも使用される。この機能は、印刷されたバーコードを読み取るバーコードリーダまたはRFIDタグを読み取るための高周波通信もしくは近距離通信などの他の技術によって遂行可能である。電子荷物ロッカーシステムは一般に、荷物ロッカーのネットワークを備え、荷物ロッカーはすべて、荷物ロッカーのネットワークを管理することを担当する遠隔集中システムと通信する。各荷物ロッカーと遠隔集中システムとの通信は、3G GSM(登録商標)または4G GSM(登録商標)などの長距離通信技術によって実行される。
【0003】
図10は、従来技術による電子荷物ロッカーシステムについて説明したものであり、従来技術による電子荷物ロッカーシステムは、長距離通信ネットワーク20を介して遠隔配送システム25と通信する電子荷物ロッカー10を備え、遠隔配送システム25は、電子荷物ロッカーへのアクセス許可と、電子荷物ロッカーによって扱われる配送品に関するデータを管理する。電子荷物ロッカーは、異なる大きさを有し、電子的に制御されたドアを装備する、一連の区画30iを備える。電子荷物ロッカーの動作、特に区画ドアの開閉は、制御ユニット32によって制御される。この制御ユニット32は、遠隔配送システム25および荷物ロッカーユーザインタフェースとの通信を制御し、荷物ロッカーユーザインタフェースは一般的に、タッチスクリーン34とバーコードリーダ36とを含む。運送業者が、荷物を電子荷物ロッカー10に預けるために来ると、各荷物40の識別情報は、電子荷物ロッカーによって取得され、各荷物40が預けられた区画に関連付けられなければならない。追跡の目的で、バーコードラベルの形をした識別手段38が、各荷物40上に添付される。各荷物識別手段の取得は、電子荷物ロッカーインタフェース内に含まれるバーコードリーダ36を用いて実行される。運送業者は、荷物ごとにバーコードリーダ36の前に荷物識別バーコードを配置してから、指定された区画内に各荷物を預けなければならない。これは、運送業者は、区画内に荷物を預けた後、預けられる次の荷物の識別子を取得するために荷物ロッカーユーザインタフェースに戻らなければならず、これは、時間がかかることと、業者にとって退屈であることの両方であることを意味する。
【0004】
従来技術による荷物ロッカーシステムおよび関連アーキテクチャは、いくつかの問題を有する。タッチスクリーンとバーコードリーダとを含むユーザインタフェースに関する現在の解決策は、費用がかかり、費用のかかる構成要素を電子荷物ロッカー内に埋め込むことも必要とし、また、かなりの電力消費量にもつながる。別の問題は、どこででも動作するとは限らないワイヤレス長距離通信を使用することから生じる。電子荷物ロッカーの設置場所は、ワイヤレス長距離通信によって十分にカバーされるエリアに限定される。特に、電子荷物ロッカーは、ワイヤレス長距離通信が伝播しない地下の場所においてまっすぐに設置することはできない。さらに、ワイヤレス長距離通信は、電子荷物ロッカー内に費用がかかる複雑な構成要素を埋め込むことを必要とし、かなりの電力消費量につながる。さらなる問題は、電子荷物ロッカーの使用を許可するコードが一般的に、荷物ロッカーユーザによって手動で入力されることである。電子荷物ロッカーの使用しやすさは、あまりにも複雑なコードによる影響を受けることはできないので、許可コードの複雑さは制限され、したがって、荷物ロッカーへのアクセスのセキュリティを制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、よりセキュリティ保護されたアクセスを電子荷物ロッカーに提供し、欠点を克服することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、荷物の配達(預託および回収)および引き取りのために電子ロッカーを動作させるための方法であって、遠隔配送システムが、少なくとも1つの電子ロッカーによって扱われる荷物に関連するデータを、長距離通信ネットワークを介して少なくとも1つのモバイルデバイスに送信し、ユーザが、少なくとも1つの電子ロッカーのユーザインタフェースを使用せずに短距離通信ネットワークを介して少なくとも1つのモバイルデバイスを用いて少なくとも1つの電子ロッカーを動作させ、短距離通信ネットワークを介して少なくとも1つのモバイルデバイスを使用する少なくとも1つの電子ロッカーが、少なくとも1つの電子ロッカーのユーザ動作中に荷物処理に関連するデータを送信し、オペレータによる荷物預託のために、前記オペレータのオペレータ識別子のみまたは前記少なくとも1つのモバイルデバイスのモバイルデバイス識別子のみが、前記少なくとも1つのモバイルデバイスを用いた前記少なくとも1つの電子ロッカーへのアクセスを可能にするために、前記少なくとも1つのモバイルデバイスによって前記少なくとも1つの電子ロッカーに送信される、方法を提供することによって達成される。言い換えれば、ユーザが少なくとも1つの電子ロッカーを動作させるユーザインタフェースは、少なくとも1つのモバイルデバイスのユーザインタフェースである。
【0007】
本発明の特徴によれば、少なくとも1つのモバイルデバイスは、短距離通信を介して少なくとも1つの電子ロッカーとの通信を自動的に開始し、少なくとも1つのモバイルデバイスが、少なくとも1つのモバイルデバイス内に保管された識別子に基づいて、および少なくとも1つの電子ロッカー内に保管されたテーブルに基づいて、少なくとも1つの電子ロッカーを動作させることを可能にするために、許可手順を自動的に実行する。この許可手順は、ユーザによるデータ入力なしに自動的に実行されるので、必要に応じて複雑であり、したがってセキュリティ保護され得る。
【0008】
好ましい一実施形態では、ユーザロールは、少なくとも1つの電子ロッカーのユーザのタイプごとにあらかじめ定義され、許可手順に続いて、ユーザのための少なくとも1つの電子ロッカーへのアクセスが可能にされ、ユーザは、自分のユーザロールに基づいて少なくとも1つの電子ロッカーを動作させる。
【0009】
本発明の別の特徴によれば、データは、少なくとも1つの電子ロッカーと遠隔配送システムとの間の長距離通信ネットワークを介して直接的に交換されず、少なくとも1つの電子ロッカーと遠隔配送システムとの間のデータ交換は、少なくとも1つのモバイルデバイスを介して実行される。少なくとも1つの電子ロッカーと遠隔配送システムとの間のデータ交換が、少なくとも1つのモバイルデバイスのみを介して実行される。短距離通信による長距離通信の置き換えによって、電子ロッカーが、長距離通信の本質的な制限を回避する任意の場所に設置可能であることが保証される。さらに、過去数年にわたって、Bluetooth(登録商標)またはWIFIなどの短距離通信技術は、一定の進化を受け、したがって、現場の電子ロッカー機器を更新することを必要とするGSM(登録商標)などの長距離通信技術と比較してより良好な時間持続可能性を有する。
【0010】
特定の一実施形態では、少なくとも1つのモバイルデバイス内に保存され、少なくとも1つのモバイルデバイスが少なくとも1つの電子ロッカーを動作させることを可能にするために許可手順において使用される識別子は、少なくとも1つのモバイルデバイスの識別子である。
【0011】
本発明は、少なくとも1つの電子ロッカー内で受取人によって荷物を引き取るための方法であって、遠隔配送システムが長距離通信ネットワークを介して少なくとも1つのモバイルデバイスと通信し、受取人が、短距離通信ネットワークを介して少なくとも1つのモバイルデバイスを用いて少なくとも1つの電子ロッカーを動作させ、方法が、受取人による少なくとも1つの電子ロッカーへのアクセスを管理し、少なくとも1つの電子ロッカーを動作させるための引き取りアプリケーションを少なくとも1つのモバイルデバイス上にダウンロードするステップと、遠隔配送システムによって少なくとも1つのモバイルデバイスに送られた通知によって引き取りアプリケーションを自動的に起動するステップと、前記少なくとも1つの電子ロッカー内での運送業者による前記荷物の預託後に生成された受取人許可コードを前記少なくとも1つのモバイルデバイス上で受信するステップであって、前記受取人許可コードが、荷物が預けられた区画を開けるために必要とされる唯一のデータである、受信するステップとを含む方法にも関する。引き取りアプリケーションのダウンロードによって、通知の自動処理および短距離通信の自動起動が可能になり、これによって、電子ロッカーとの接続が完全に自動であることが可能であるように、短距離通信を起動する必要も短距離通信を覚えている必要もない受取人にとってシームレスなユーザフレンドリな経験が提供される。
【0012】
好ましくは、通知は、少なくとも受取人許可コードを備える荷物を引き取るために少なくとも1つの電子ロッカーを動作させるデータを含む。有利には、引き取りアプリケーションは、少なくとも1つのモバイルデバイスによって受信される通知を自動的に削除する。別の実施形態では、引き取りアプリケーションは、少なくとも1つのモバイルデバイスが少なくとも1つの電子ロッカーと通信するために使用される短距離通信を自動的にオンにする。
【0013】
本発明は、少なくとも1つの電子ロッカー内での運送業者による荷物の預託または回収のための方法であって、オペレータが、短距離通信ネットワークを介して少なくとも1つのモバイルデバイスを用いて少なくとも1つの電子ロッカーを動作させ、少なくとも1つの電子ロッカーのオペレータのタイプごとにあらかじめ定義されたオペレータロールおよびオペレータごとに許可された電子ロッカーのリストが、少なくとも1つのモバイルデバイスのオペレータ記憶域内に保管され、運送業者が自分のモバイルデバイスにログインし、このことが、運送業者のオペレータロールおよび運送業者が動作させることを許可された電子ロッカーのリストを識別し、許可手順に続いて、運送業者のための少なくとも1つの電子ロッカーへのアクセスが、運送業者のために許可された電子ロッカーのリストに基づいて可能にされ、運送業者が、自分のオペレータロールに基づいて少なくとも1つの電子ロッカーを動作させる、方法にも関する。預託が完了すると、一意の受取人許可コードが、預けられた荷物の各受取人に提供される。一般的に、各オペレータロールは、機能のセットに関連付けられる。
【0014】
好ましい一実施形態では、少なくとも1つのモバイルデバイスの識別子は少なくとも1つのモバイルデバイスのオペレータ記憶域内に保管され、モバイルデバイス識別子テーブルは少なくとも1つの電子ロッカーの記憶域内に保管され、少なくとも1つのモバイルデバイスが少なくとも1つの電子ロッカーを動作させることを可能にするための許可手順中に、少なくとも1つのモバイルデバイスの識別子とモバイルデバイス識別子テーブルとの間で照合が実行される。
【0015】
本発明は、荷物の預託および回収ならびに引き取りのためのコンピュータ化された電子ロッカーシステムであって、遠隔配送システムと、長距離通信ネットワークと、少なくとも1つの電子ロッカーとを備えるコンピュータ化された電子ロッカーシステムにおいて、少なくとも1つのモバイルデバイスと短距離通信ネットワークとをさらに備え、少なくとも1つのモバイルデバイスは、短距離通信ネットワークを介して少なくとも1つの電子ロッカーと、および長距離通信ネットワークを介して遠隔配送システムと通信し、少なくとも1つのモバイルデバイスのユーザインタフェースは、ユーザが少なくとも1つの電子ロッカーを動作させるユーザインタフェースであることを特徴とするコンピュータ化された電子ロッカーシステムにも関する。したがって、少なくとも1つの電子ロッカーが、短距離通信を介して少なくとも1つのモバイルデバイスを用いてのみユーザによって動作されるので、少なくとも1つの電子ロッカーは、いかなるユーザインタフェースも含まない。
【0016】
本発明はまた、より単純な電子ロッカーアーキテクチャを可能にし、タッチスクリーンおよびバーコードリーダを有するユーザインタフェースを回避し、したがって、コストおよび電力消費量を減少させる。短距離通信技術の使用は、特定のエリア内の電子ロッカー間の直接通信も可能にし、コストがかかって扱いにくい、いくつかの電子ロッカーを接続するためのケーブル配線の必要性を回避する。これは、たとえば、いくつかの電子ロッカーが設置され得る商業中心地において特に有益である。電子ロッカーと通信することによって、商業中心地内の適切な電子ロッカーを発見して動作させるためにユーザをより容易に誘導することができる。短距離通信技術は、ケーブル配線および追加される区画と既に設置されている電子ロッカーとの間の電気接続を必要とせずに、現場の既に設置されている電子ロッカーに区画を容易に追加することも可能にする。以前に設置されている電子ロッカーの制御ユニットは、追加された区画を、短距離通信を介して制御することができる。
【0017】
本発明の特徴によれば、少なくとも1つのモバイルデバイスは、少なくとも1つの電子ロッカー内に保管されたテーブルに基づいて少なくとも1つのモバイルデバイスが短距離通信ネットワークを介して少なくとも1つの電子ロッカーを動作させることを自動的に可能にするための識別子を備え、したがって、一意の識別子とテーブルとの間の照合が、ユーザが少なくとも1つの電子ロッカーを動作させることを許可するために実行可能である。
【0018】
本発明の別の特徴によれば、コンピュータ化された電子ロッカーシステムは、あらかじめ定義されたユーザロールテーブルをさらに備え、各ユーザをユーザロールおよび機能のあらかじめ定義されたセットに関連付けるための手段を有する。
【0019】
好ましい一実施形態では、少なくとも1つのモバイルデバイスは、荷物受取人による少なくとも1つの電子ロッカーへのアクセスを管理するための引き取りアプリケーションを備え、少なくとも1つの電子ロッカーと遠隔配送システムは、少なくとも1つのモバイルデバイスのみを介してデータを交換する。少なくとも1つのモバイルデバイス上への引き取りアプリケーションのダウンロードによって、通知の自動処理および短距離通信の自動起動が可能になり、これによって、電子ロッカーとの接続が完全に自動であることが可能であるように、短距離通信を起動する必要も短距離通信を覚えている必要もない受取人にとってシームレスなユーザフレンドリな経験が提供される。
【0020】
本発明はまた、現在の電子ロッカーと比較して、ユーザの電子ロッカーとの対話に、いくつかの簡略化を提供する。運送業者は、モバイルデバイス内に埋め込まれたバーコードリーダを用いて各荷物バーコードを読み取り、したがって、電子ロッカー制御パネル内に埋め込まれたバーコードリーダを用いて、預けなければならない各荷物をスキャンするために、電子ロッカー制御パネルに戻る必要がない。ユーザは、電子ロッカーを動作させるために許可コードを手動で入力する必要はない。
【0021】
本発明の教示の他の態様、特徴、および利点は、添付の図面と共に以下の説明を検討することで、当業者に、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の実施形態による電子荷物ロッカーシステムのアーキテクチャを表す図である。
【
図2】運送業者によって荷物を本発明の第1の実施形態による電子荷物ロッカーに預けるためのプロセスを示す図である。
【
図3】運送業者によって荷物を本発明の第1の実施形態による電子荷物ロッカーから回収するためのプロセスを示す図である。
【
図4】受取人によって荷物を本発明の第1の実施形態による電子荷物ロッカーから引き取るためのプロセスを示す図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態による電子荷物ロッカーシステムのアーキテクチャを表す図である。
【
図6】運送業者によって荷物を本発明の第2の実施形態による電子荷物ロッカーに預けるためのプロセスを示す図である。
【
図7】運送業者によって荷物を本発明の第2の実施形態による電子荷物ロッカーから回収するためのプロセスを示す図である。
【
図8】受取人によって荷物を本発明の第2の実施形態による電子荷物ロッカーから引き取るためのプロセスを示す図である。
【
図9A】本発明のユーザモバイルデバイスの実施形態とともに使用するのに適した例示的なコンピュータシステムの概略図である。
【
図9B】本発明の電子荷物ロッカーの実施形態とともに使用するのに適した例示的なコンピュータシステムの概略図である。
【
図10】従来技術による電子荷物ロッカーシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の電子荷物ロッカー(EPL)システムによれば、従来技術の荷物ロッカーを動作させるためのユーザインタフェースは、EPLのユーザによって携帯されるユーザモバイルデバイスによって置き換えられる。たとえば、運送業者は、受取人によって引き取られることになっている荷物をEPL内に預けるためのプロセス中に、または必要とされる制限時間内に受取人によって引き取られなかったので期限が切れた荷物をEPLから回収するためのプロセス中に、EPLを動作させるためのモバイルデバイス、一般的に専用携帯情報端末(PDA)を使用する。たとえば、受取人は、運送業者によって預けられた荷物をEPLから引き取るためのプロセス中にEPLを動作させるためにスマートフォンを使用する。従来技術によるEPLのユーザインタフェースを介して実行されるために必要とされるすべてのユーザアクション、特に従来技術によるEPLのユーザインタフェースを介して実行されるすべてのユーザデータ入力は、
図1に表されるユーザモバイルデバイス102もしくは104を介して、または
図5に表されるユーザモバイルデバイス502もしくは504を介して、本発明により実行される。したがって、本発明によれば、タッチスクリーンまたはバーコードリーダなどの構成要素を含むEPLユーザインタフェースは必要とされない。
【0024】
本発明の第1の実施形態では、
図1に示されるEPLシステムは、ローカルワイヤレスネットワークWIFIまたはBluetoothなどの短距離通信ネットワーク106を介してユーザモバイルデバイス102または104と通信するEPL100と、EPLへのアクセス許可およびEPL100によって扱われる配送品に関するデータを管理し、3G-4G GSM(登録商標)などの技術に基づいた長距離通信ネットワーク112を介してユーザモバイルデバイス102または104と通信する遠隔配送システム110とを備える。EPL100と遠隔配送システム110との間のデータ交換は、長距離通信ネットワーク114を介して直接的に実行され、長距離通信ネットワーク114は、長距離通信ネットワーク112と同じであってよい。EPLは、異なる大きさであり、電子的に制御されるドアを装備する一連の区画130iを備える。EPL動作、特に区画ドアの開閉は制御ユニット132によって制御され、制御ユニット132は、ユーザモバイルデバイスおよびEPLデジタル記憶域150との通信も制御する。一般的に本発明のさまざまな実施形態の全体的な説明において使用される記憶域という用語は、さまざまなメモリならびにROM、ハードドライブ、フラッシュドライブなどを含むさまざまなタイプのメモリおよびデータベースに対応し得ることを理解されたい。EPLの区画内に預けられる荷物ための識別子または受取人の許可コードなどの、遠隔配送システム110内で生成されたおよび/または最初は遠隔配送システム110内に保管されるデータは、EPL100に直接的に送信され、EPL記憶域150内に保管される。並行して、受取人の許可コードなどの、遠隔配送システム110内で生成されたおよび/または最初は遠隔配送システム110内に保管される何らかのデータが、受取人のモバイルデバイス104に転送される。EPL100と受取人のモバイルデバイス104との間の短距離通信が確立されると、受取人のためのアクセス許可が、受取人のモバイルデバイス104内に保管された受取人の許可コードおよびEPL100内に前もって保管された受取人の許可コードに基づいて、EPLによって実行可能である。EPL記憶域150は、EPL記憶域150の荷物識別子テーブル152内に保管されたEPLの区画内に預けられた荷物の識別子またはEPL記憶域150のユーザ許可コードテーブル154内に保管された受取人の許可コードなどの、EPL100を動作させるためのデータを保管する。運送業者による荷物の預託もしくは回収または受取人による荷物の引き取りなどの、EPL上で実行される動作に続いて、EPLの区画内に預けられたまたはこれから回収されたまたはこれから引き取られる荷物の識別子などの、これらの動作に関連付けられたデータが、長距離通信を介してEPL100から遠隔配送システム110に直接的に送信される。EPL100の区画とEPL100内に保管された荷物の各々の識別子、ならびに受取人の許可コードとの間の関連付けは、EPL記憶域150のEPL区画マッピング156において維持される。好ましくは、預けられる荷物の識別子は、預託に関するチェックがEPLによって実行可能であるように、記憶域150の預託のための荷物の識別子および関連データテーブル157内に保管される。好ましい一実施形態では、直接的にまたはユーザモバイルデバイス102もしくは104を介した、遠隔配送システム110とEPL100との間のすべてのデータ交換は、認証を、最終的には機密性をも保証するために、暗号化される。好ましくは、データ認証をセキュリティ保護するために、データエミッタ(遠隔配送システム110またはEPL100のどちらか)は、秘密鍵を用いて送信されるデータに暗号で署名し、データ受信機は、公開鍵を用いてデータ署名を暗号で検証する。
【0025】
ユーザロールは、預託/回収を行う運送業者、引き取りを行う受取人、または保守業者を含むEPLのユーザのタイプごとに、あらかじめ定義される。これらのロールおよび関連機能は、EPL記憶域のEPLユーザロールテーブル158内にあらかじめロードされ、したがって、EPLへのアクセスがモバイルデバイスを介してユーザに対して許可されるたびに、EPLユーザロールが識別され、EPLユーザロールに関連付けられた機能がEPLによって利用可能にされる。ユーザとロールおよび関連機能との間の関連付けは、EPL記憶域150のユーザロール対応テーブル159を使用することによって実行される。オペレータの場合、EPLオペレータ識別子168は、EPL100へのオペレータのアクセスを可能にするために使用され、モバイルデバイス102のオペレータ記憶域160内に保管される。各EPLオペレータ識別子は、対応するEPLオペレータロールに関連付けられる。本発明の特定の一実施形態では、各ユーザロールは、その特定のユーザロールを指すために使用される特定の識別子をEPL記憶域内に有する。
【0026】
好ましくは、一般的に運送業者または保守業者によって使用されるオペレータモバイルデバイス102は一般的に、任意の許可されたユーザによって使用可能であるように構成される。オペレータモバイルデバイス102を使用するために許可されるために、オペレータは、モバイルデバイスに関するユーザ識別子を入力する。オペレータによって入力されたモバイルデバイスに関するユーザ識別子に基づいて、EPLオペレータ識別子は、オペレータモバイルデバイス102によって生成される。あるいは、EPLオペレータ識別子168が、オペレータモバイルデバイス102内にロードされモバイルデバイスに関する各ユーザ識別子を関連EPLオペレータ識別子に関連付けるテーブルから取り出される。そのような設計によって、モバイルデバイスに関するユーザ識別子が単純でユーザフレンドリであることが可能になるが、オペレータモバイルデバイス102とEPL100との間で短距離通信を確立するために公共の場において使用されるEPLオペレータ識別子は複雑である。好ましくは、特定のEPL内に預けられる荷物に関する識別子のリストならびに荷物の大きさなどの関連データが、遠隔配送システム110からモバイルデバイス102に送信され、オペレータ記憶域160の預託のための荷物の識別子および関連データテーブル170内に保管される。荷物の大きさの情報は、預託または回収プロセスにおいて適切な大きさの区画を自動的に選択するために使用可能である。モバイルデバイス102のオペレータ記憶域160内のデータおよび関連付けは、長距離通信ネットワーク114を介して遠隔配送システム110によって更新される。
【0027】
荷物受取人が荷物をEPL100から引き取るために、荷物受取人は、EPL100にアクセスして荷物をEPL100から取り出すための許可コードを持つ。受取人許可コード184は、受取人モバイルデバイス104の受取人記憶域180内に保管される。受取人モバイルデバイス104とEPL100との間の短距離通信接続は、受取人モバイルデバイス104の受取人記憶域180内に保管された短距離通信コード186を使用することによって確立される。さらに、荷物受取人によるEPLへのアクセスを管理するための引き取りアプリケーション182も、受取人モバイルデバイス104の受取人記憶域180内に保管される。
【0028】
好ましい一実施形態では、EPLへのアクセス許可は、認証および/または機密性のための暗号技術に基づく。EPLオペレータ識別子の暗号生成は、オペレータモバイルデバイス102内に保管された暗号モジュール190によって、または遠隔配送システム110内に保管された暗号モジュール192によって実行される。アクセス許可手順において、EPLオペレータ識別子は、EPL内に保管された暗号モジュール196によって解釈される。受取人の場合、受取人許可コードの暗号生成は、遠隔配送システム110内に保管された暗号モジュール192によって実行され、受取人アクセス許可手順において、受取人許可コードは、暗号モジュール196によって解釈される。暗号モジュール192および196は、遠隔配送システム110とEPL100との間で交換されるすべてのデータの認証にも使用可能である。
【0029】
図2は、本発明のこの第1の実施形態において運送業者による荷物預託がどのように実行されるかを示す。荷物のグループが特定のEPL100内に預けられると計画されると、預託タスクが、運送業者ならびに預託用荷物に関する識別子のリストに割り当てられる。オペレータモバイルデバイス102を使用するために許可されるために、運送業者は、オペレータモバイルデバイス102上でのログインを実行する(ステップ200)。ログインは、モバイルデバイスインタフェースを介した識別情報入力(たとえば、モバイルデバイスのキーパッドまたはタッチスクリーン上で識別子を入力することによる)、モバイルデバイスによる識別バーコード読み取り、またはイメージング技術もしくは高周波技術を介したモバイルデバイスによる識別子取得などの、当技術分野で知られている任意の手段を介して実行可能である。ログイン成功後、EPLオペレータ識別子168が生成され、オペレータモバイルデバイス102内に保管され、短距離通信が、オペレータモバイルデバイス102に対して自動的に起動される(ステップ202)。この新しく生成されたEPLオペレータ識別子は遠隔配送システム110に送信され、遠隔配送システム110はそれをEPL100に送信し、EPL100において、このEPLオペレータ識別子は、EPLがそれを後でオペレータを許可するために使用可能であるように、ユーザ許可コードテーブル154内に保管される。あるいは、EPLオペレータ識別子が、オペレータモバイルデバイス102内にロードされたテーブル168から取り出され、テーブル168は、モバイルデバイスに関する各ユーザ識別子を関連EPLオペレータ識別子に関連付ける。一般的に、EPLオペレータ識別子は、遠隔配送システム110によって生成される。この代替形態では、許可されたユーザに対応する関連付けられたEPLオペレータ識別子も、遠隔配送システム110によってEPL100に並行して送信される。好ましくは、預けられる荷物の識別子のリストおよび関連データが、遠隔配送システム110からEPL100に送信され、EPL記憶域150内の預託用荷物の識別子および関連データテーブル157内に保管される(ステップ204)。運送業者がEPL100の近くに到着すると、短距離通信が、短距離通信が常にアクティブであるオペレータモバイルデバイス102上とEPL100上の両方でアクティブであるので、短距離通信接続がオペレータモバイルデバイス102とEPL100との間で自動的に開始される(ステップ206)。あるいは、短距離通信は、たとえば電力消費量を最小にするために、自動的にまたは手動で、オペレータモバイルデバイス102に対して停止されていることがある。次いで、運送業者がEPL100の近くに到着すると、運送業者は、オペレータモバイルデバイス102上で短距離通信を起動し、短距離通信接続がオペレータモバイルデバイス102とEPL100との間で自動的に開始される。ステップ208では、EPLは、EPL100内のEPL記憶域150のユーザ許可コードテーブル154内に保管されたユーザ許可コードとオペレータモバイルデバイス102の記憶域160内に保管されオペレータモバイルデバイス102によってEPL100に送信されたEPLオペレータ識別子168との照合をチェックすることによって、EPLへのアクセスを可能にするための許可手順を実行する。この許可手順は、ユーザによるデータ入力なしに自動的に実行されるので、この手順が長すぎない限り、EPLのユーザフレンドリさに影響を与えることなくセキュリティが必要とするのと同じくらい複雑であってよい。好ましくは、この許可は、認証および/または機密性のための暗号技術に基づく。特定の一実施形態では、EPLオペレータ識別子168の暗号生成は、何らかの認証データを含む。許可手順において、EPLオペレータ識別子は、EPL内に保管された暗号モジュール196によって解釈され、EPLへのアクセスを可能にするために認証される。認証データは、たとえば、オペレータモバイルデバイス102のシリアルナンバーおよび/またはオペレータモバイルデバイス102の電子メール識別情報および/またはEPL識別情報であってよい。
【0030】
ステップ210では、運送業者は、たとえば、荷物上に印刷された荷物識別バーコードを読み取ることによって、またはたとえばRFID技術もしくはNFC技術に基づいた荷物上のタグによって発される無線周波数信号を読み取ることによって、モバイルデバイス102を用いてEPL内に預けられる荷物に取り付けられた荷物識別子を取得する。モバイルデバイス102によって取得された荷物識別子は、モバイルデバイス102からEPL100に送信される。好ましくは、預けられる荷物の識別子は、運送業者がEPLに到着する前に遠隔配送システム110からEPLに送信され、EPL記憶域150の預託用荷物の識別子および関連データテーブル157内に保管される。次いで、モバイルデバイス102による荷物識別子の取得成功に続いて、EPL100は、モバイルデバイス102によって取得された荷物識別子とEPL記憶域150の預託用荷物の識別子および関連データテーブル157内に保管された預けられる荷物の識別子のリストとの照合のためのチェックを実行する(ステップ212)。荷物識別子取得成功および好ましくは照合成功に続いて、EPL100は、区画のドアを開く。これは、区画が空であり、区画の大きさが荷物の大きさに適合することを少なくとも含むルールのセットにより定義される。(ステップ214)。好ましくは、荷物の大きさは、預託用荷物の識別子および関連データテーブル157において入手可能である。あるいは、荷物の大きさがテーブル157において入手可能である場合、運送業者は、オペレータモバイルデバイス102のインタフェースを介して荷物の大きさを取得するように要求される。区画ドアが開くと、運送業者は、区画内に荷物を預け、ドアを閉じる(ステップ216)。EPL100は、ちょうど今EPL内に預けられたばかりの荷物の識別子を荷物識別子テーブル152内に保管し、この荷物識別子を、EPL記憶域150内のEPL区画マッピング156内に保管された対応する区画の場所に関連付ける。いくつかの荷物が預託のために残っている場合、運送業者は、ステップ210(荷物識別子の取得)へ進み、依然としてより多くの荷物を預けることを希望する限り、以下のステップをステップ218まで進む。好ましくは、ステップ218では、EPL制御ユニット132は、テーブル157内の預託用荷物の識別子のリストをステップ210において取得された荷物識別子と比較することによって、預ける荷物がもうないことを確定する。あるいは、運送業者は、オペレータモバイルデバイス102のインタフェースを介して、荷物の預託が完了したことを入力する。EPL100は、荷物預託に関するデータを、長距離通信ネットワーク114を介して遠隔配送システム110に送信する(ステップ220)。預託情報が遠隔配送システム110によって受信されると、遠隔配送システム110は、EPL100内に預けられる荷物ごとの、すなわち各荷物識別子に関連付けられた、受取人許可コードを生成し(ステップ220)、預託を荷物の受取人に知らせて受取人許可コードを提供する通知を生成し、EPL100内に預けられている荷物の受取人に送る(ステップ224)。受取人許可コードは、EPL100内の荷物を引き取るために受取人によって後で使用される。並行して、遠隔配送システム110は、受取人許可コードをEPL100に送信し、受取人許可コードはユーザ許可コードテーブル154内に保管され、したがって、EPLは、今後、受取人にアクセスを許可することができる。好ましくは、たとえば、すべての区画が利用されており、それ以上の預託が可能でない場合、預託プロセス全体に沿って、モバイルデバイススクリーンが、EPLを動作させるためにオペレータに知らせて誘導するためのマンマシンインタフェースとして働く。
【0031】
図3は、本発明のこの第1の実施形態において運送業者による荷物回収がどのように実行されるかを示す。受取人による引き取りのための制限時間ルールなどの、EPLを更新するために必要とされるデータが、遠隔配送システム110からEPL100に定期的に送信される。制限時間ルールに基づいて、EPL100は、荷物がいつ回収されることになっているかを確定する(ステップ302)。オペレータモバイルデバイス102を使用するために許可されるために、運送業者は、オペレータモバイルデバイス102上でのログインを実行する(ステップ304)。ログイン成功後、短距離通信が、オペレータモバイルデバイス102に対して起動され(ステップ306)、EPLオペレータ識別子168が生成され、オペレータモバイルデバイス102のオペレータ記憶域160内に保管される。この新しく生成されたEPLオペレータ識別子は遠隔配送システム110に送信され、遠隔配送システム110はそれをEPL100に送信し、EPL100において、このEPLオペレータ識別子は、EPLがそれを後でオペレータを許可するために使用可能であるように、ユーザ許可コードテーブル154内に保管される。あるいは、EPLオペレータ識別子168が、オペレータモバイルデバイス102内に以前にロードされモバイルデバイスに関する各ユーザ識別子を関連EPLオペレータ識別子に関連付けるテーブルから取り出される。一般的に、EPLオペレータ識別子は、遠隔配送システム110によって生成される。この代替形態では、許可されたユーザに対応する関連付けられたEPLオペレータ識別子は、遠隔配送システム110によってEPL100にも並行して送信される。運送業者がEPL100の近くに到着すると、短距離通信がオペレータモバイルデバイス102上とEPL100上の両方でアクティブであるので、短距離通信接続がオペレータモバイルデバイス102とEPL100との間で自動的に開始される(ステップ308)。あるいは、短距離通信は、たとえば電力消費量を最小にするために、自動的にまたは手動で、オペレータモバイルデバイス102に対して停止されていることがある。次いで、運送業者がEPLの近くに到着すると、運送業者は、オペレータモバイルデバイス102上で短距離通信を起動し、短距離通信接続がオペレータモバイルデバイス102とEPL100との間で自動的に開始される。ステップ310では、EPLは、EPL100内のEPL記憶域150のユーザ許可コードテーブル154内に保管されたユーザ許可コードとオペレータモバイルデバイス102のオペレータ記憶域160内に保管されオペレータモバイルデバイス102によってEPL100に送信されたEPLオペレータ識別子168との照合をチェックすることによって、EPLへのアクセスを可能にするための許可手順を実行する。好ましくは、この許可は、認証および/または機密性のための暗号技術に基づく。特定の一実施形態では、EPLオペレータ識別子の暗号生成は、何らかの認証データを含む。許可手順において、EPLオペレータ識別子は、EPL内に保管された暗号モジュール196によって解釈され、EPLへのアクセスを可能にするために認証される。認証データは、たとえば、オペレータモバイルデバイス102のシリアルナンバーおよび/またはオペレータモバイルデバイス102の電子メール識別情報および/またはEPL識別子であってよい。1つの荷物または荷物のグループが、回収されることになっており、業者が作業する運送組織に対応する場合、EPL100は、運送業者によって回収される荷物を保管する区画のドアを開き(ステップ312)、運送業者は、荷物を回収してドアを閉じる(ステップ314)。EPL100は、荷物回収に関連する情報データを記録し、荷物識別子テーブル152からの荷物識別子を、EPL区画マッピング156内のその関連付け、ならびに関連受取人許可コードを削除する。好ましくは、EPL100は、回収された荷物の識別子をEPL区画マッピング156を介して取り出し、それをオペレータモバイルデバイス102に送信し、運送業者は、モバイルデバイス102によって取得された荷物識別子とEPL100内に保管された回収された荷物の識別子との間の照合をオペレータモバイルデバイス102がチェックするために、モバイルデバイス102を用いて回収された荷物に取り付けられた荷物識別子を取得する(ステップ316)。ステップ318では、EPL制御ユニット132は、回収プロセスが完了したかどうかをチェックする。いくつかの荷物が依然として運送業者によって回収されることになっている場合、EPL100はステップ312(別の回収のために区画ドアが開く)へ進み、依然として回収のための荷物がある限り、以下のステップをステップ318まで進む。ステップ318において、EPL制御ユニット132が、運送業者による回収のための荷物がもうない、または、運送業者が回収プロセスを中止することを希望したことをオペレータモバイルデバイス102のインタフェースを介して示したことを確定すると、EPL100は、荷物回収に関するデータおよび好ましくはEPL100の動作情報を遠隔配送システム110に送信する(ステップ320)。好ましくは、たとえば、回収される荷物があるまたは回収が完了したことを知らせる際、回収プロセス全体に沿って、モバイルデバイススクリーンが、EPLを動作させるためにオペレータに知らせて誘導するためのマンマシンインタフェースとして働く。
【0032】
EPL100が運送業者によって動作されるとき、預託プロセスと回収プロセスが組み合わせ可能であることが、当業者によって容易に考案される。好ましくは、オペレータモバイルデバイスは、荷物が回収されなければならないことを運送業者に知らせるためまたは運送業者が都合のよいときに荷物回収を開始するための動作インタフェースを提供する。
【0033】
図4は、本発明の第1の実施形態において受取人による荷物引き取りがどのように実行されるかを示す。受取人が配送の要求を行うと、一般的にコンピュータシステムを介して、この要求は、遠隔配送システム110へと記録される(ステップ402)。好ましくは、受取人が、注文した荷物がEPL内で配達されることを選んだとき、遠隔配送システムは、EPL引き取りアプリケーション182が受取人モバイルデバイス104上にダウンロードされるものであることを受取人に知らせる。好ましい一実施形態では、受取人は、EPL引き取りアプリケーション182が起動されると短距離通信がオンにされ、受取人モバイルデバイス104とEPL100との間の短距離通信が自動的に確立可能であるように、ダウンロードされたアプリケーションが、受取人モバイルデバイス104がEPL100と通信するために使用される短距離通信、たとえばBluetoothまたはWIFIを自動的にオンにできることについて同意することが要求される。この特定の実施形態は、EPLとの接続が完全に自動であることが可能であるように、短距離通信を起動する必要も短距離通信を覚えている必要もない受取人にシームレスなユーザフレンドリな経験を提供する。次いで、遠隔配送システム110は、受取人モバイルデバイス104の受取人記憶域180内にEPL引き取りアプリケーション182をダウンロードする、または、モバイルデバイスの多数の標準的なオペレーティングシステムの場合、受取人は、モバイルデバイス104上にEPL引き取りアプリケーションをダウンロードするために、関連アプリケーションストア、たとえばapps store(商標)またはGoogle play(商標)を使用することが要求され、誘導される(ステップ404)。EPL100内の荷物預託の後、荷物預託に関するデータが、運送業者モバイルデバイス102を介して遠隔配送システム110に送信され、遠隔配送システム110が、EPL100における荷物預託およびEPL100の場所を受取人に知らせるために、受取人モバイルデバイス104に少なくとも1つの通知を送る。この通知は、少なくとも受取人許可コード、好ましくは短距離通信コード、およびEPL受取人ロールがEPL引き取りアプリケーション182を用いてダウンロードされない場合にこれらのパラメータを含む、荷物を引き取るためのEPL100を動作させるためのデータを含む(ステップ406)。受取人モバイルデバイス104内に常駐するEPL引き取りアプリケーション182は、この通知によって起動され、通知に含まれる、荷物を引き取るためにEPL100を動作させるためのデータを取り出し、受取人許可コード184を受取人記憶域180内に保管する(ステップ408)。好ましくは、EPL引き取りアプリケーション182は、次いで、たとえば、電力消費量を最小にするために、受取人によって手動で、または自動的に、のどちらかで、停止される(ステップ410)。好ましい一実施形態では、通知は、EPL100における荷物預託およびEPL100の場所を受取人に知らせるメッセージテキストを含み、荷物を引き取るためのEPL100を動作させるためのデータの一部として、少なくとも受取人許可コードおよび受取人モバイルデバイス104によるEPL100との短距離通信を確立するためのコードを含む、SMSである。たとえば、短距離WIFI通信の場合、WIFI通信を確立するためのコードは、SSIコードおよび関連パスワードである。好ましくは、EPL引き取りアプリケーション182は、依然としてSMS上で見える荷物を引き取るためにEPL100を動作させるためのすべてのデータを削除するように通知SMSをキャンセルし、受取人モバイルデバイス104上でアクセス可能でありEPL100における荷物預託およびEPL100の場所を受取人に知らせることに限定される通知を、たとえば新しいSMSの形で生成する。
【0034】
配送の要求の時点でのEPL引き取りアプリケーションの即時ダウンロードの代わりに、受取人は、モバイルデバイス104上でのEPL引き取りアプリケーションのダウンロードを遅延することを選ぶ可能性があってよい。EPL引き取りアプリケーションのダウンロードは、荷物預託の後、遠隔配送システム110が少なくとも1つの通知を受取人モバイルデバイス104に送るときに実行される。好ましい一実施形態では、受取人は、EPL引き取りアプリケーション182が起動されると短距離通信がオンにされるように、EPL100によって使用される短距離通信をダウンロードされたアプリケーションが自動的にオンにすることができることについて同意することが要求される。次いで、EPL引き取りアプリケーション182は、手動でまたは自動的に起動され、通知に含まれる、荷物を引き取るためにEPL100を動作させるためのデータを取り出す。好ましくは、EPL引き取りアプリケーション182は、次いで、たとえば、受取人によって手動で、または自動的に、のどちらかで、停止される。
【0035】
受取人がEPLの近くに到着すると、受取人は、モバイルデバイス104上でEPL引き取りアプリケーション182を起動し、短距離通信が自動的にオンにされる(ステップ412)。短距離通信接続が、受取人モバイルデバイス104の受取人記憶域180内に保管された短距離通信コード186を使用することによって、受取人モバイルデバイス104とEPL100との間で自動的に開始される。あるいは、EPL引き取りアプリケーション182は依然としてアクティブであることがあり、短距離通信もアクティブであり、次いで、受取人モバイルデバイス104とEPL100との間の短距離通信接続が自動的に開始される。ステップ414では、EPLは、EPL100内のEPL記憶域150のユーザ許可コードテーブル154内に保管された受取人許可コードと受取人モバイルデバイス104の受取人記憶域180内に保管され受取人モバイルデバイス104によってEPL100に送信された受取人許可コード184との照合をチェックすることによって、EPLへの受取人のアクセスを可能にするための許可手順を実行する。好ましくは、この許可は、認証および/または機密性のための暗号技術に基づく。特定の一実施形態では、受取人許可コード184の暗号生成は、何らかの認証データを含む。許可手順において、受取人許可コードは、EPL内に保管された暗号モジュール196によって解釈され、EPLへのアクセスを可能にするために認証される。認証データは、たとえば、受取人モバイルデバイス104のシリアルナンバーおよび/または受取人モバイルデバイス104の電話番号および/またはEPL識別子および/または荷物識別子であってよい。EPL100は、受取人によって引き取られる荷物を保管する区画のドアを開き(ステップ416)、受取人は、荷物を引き取ってドアを閉じる(ステップ418)。EPL100は、荷物引き取りに関連する情報データを記録し、荷物識別子テーブル152からの対応する荷物識別子を、EPL区画マッピング156内のその関連付け、ならびに関連受取人許可コードを削除する。EPL100は、荷物引き取りに関するデータを、長距離通信ネットワーク114を介して遠隔配送システム110に送信する(ステップ420)。受取人が、並行して引き取る別の荷物を持っている場合、遠隔配送システム110は、並行して、別の通知を受取人モバイルデバイス104に送る。EPL引き取りアプリケーション182は、この追加通知を処理し、ステップ414から引き取りステップを繰り返すことによって、第2の荷物引き取りを管理する。好ましくは、引き取りプロセス全体に沿って、モバイルデバイススクリーンが、EPLを動作させるために受取人に知らせて誘導するためのマンマシンインタフェースとして働き、インタフェース動作は、たとえば、引き取られる別の荷物があることを知らせる際、EPL引き取りアプリケーション182によって制御される。
【0036】
図5に示される本発明の第2の実施形態では、EPLシステムは、ローカルワイヤレスネットワークWIFIまたはBluetoothなどの短距離通信ネットワーク506を介してユーザモバイルデバイス502または504と通信するEPL500と、EPL500へのアクセス許可およびEPL500によって扱われる配送品に関するデータを管理し、3G-4G GSM(登録商標)などの技術に基づいた長距離通信ネットワーク512を介してユーザモバイルデバイス502または504と通信する遠隔配送システム510とを備える。しかし、EPL500と遠隔配送システム510との間の直接的な長距離通信接続はなく、データは、EPL500と遠隔配送システム510との間のいかなる長距離通信ネットワークを介しても直接的に交換されない。EPL500は、異なる大きさであり、電子的に制御されるドアを装備する一連の区画530iを備える。EPL動作、特に区画ドアの開閉は制御ユニット532によって制御され、制御ユニット532は、オペレータモバイルデバイス502または504との通信も制御し、EPL記憶域550も制御する。EPL500と遠隔配送システム510との間のデータ交換は、長距離通信ネットワークを介してではなく、オペレータモバイルデバイスを介して直接的に実行され、オペレータモバイルデバイスは、一般的に運送業者の場合には携帯情報端末(PDA)502であってもよいし、一般的に荷物受取人の場合にはスマートフォン504であってもよい。
【0037】
EPLの区画内に預けられる荷物の識別子または受取人の許可コードなどの、遠隔配送システム510内で生成されたおよび/または最初は遠隔配送システム510内に保管されるデータは、オペレータモバイルデバイス502と遠隔配送システム510との間の長距離通信が確立されるとすぐに、運送業者モバイルデバイス502に送信される。EPL500と運送業者モバイルデバイス502との間の短距離通信が確立されると、運送業者モバイルデバイス502内に保管されたデータがEPL記憶域550に送信され、EPL記憶域550では、たとえば、EPLの区画内に預けられた荷物の識別子が、EPL記憶域550の荷物識別子テーブル552内に保管され、受取人の許可コードが、EPL記憶域550のユーザ許可コードテーブル554内に保管される。EPL500の区画とEPL500内に保管された荷物の各々の識別子、ならびに受取人の許可コードとの間の関連付けは、EPL記憶域550のEPL区画マッピング556において維持される。並行して、受取人の許可コードなどの、遠隔配送システム510内で生成されたおよび/または最初は遠隔配送システム510内に保管される何らかのデータが、受取人のモバイルデバイス504に転送される。EPL500と受取人のモバイルデバイス504との間の短距離通信が確立されると、受取人のためのアクセス許可が、受取人のモバイルデバイス504内に保管された受取人の許可コードおよびEPL500内に前もって保管された受取人の許可コードに基づいて、EPLによって実行可能である。運送業者による荷物の預託もしくは回収または受取人による荷物の引き取りなどの、EPLを用いて実行される動作に続いて、EPLの区画内に預けられたまたはこれから回収されたまたはこれから引き取られる荷物の識別子などの、これらの動作に関連付けられたデータが、短距離通信を介してEPL500からオペレータモバイルデバイスに送信される。次いで、これらのデータは、オペレータモバイルデバイスと遠隔配送システム510との間の長距離通信が確立可能になるとすぐに、オペレータモバイルデバイスから遠隔配送システム510に送信される。好ましい一実施形態では、オペレータモバイルデバイス502またはもしくは504を介した、遠隔配送システム510とEPL500との間のすべてのデータ交換は、認証を、最終的には機密性をも保証するために、暗号化される。好ましくは、データ認証をセキュリティ保護するために、データエミッタ(遠隔配送システム510またはEPL500のどちらか)は、秘密鍵を用いて送信されるデータを暗号化し、データ受信機は、公開鍵を用いてデータ署名を復号する。
【0038】
本発明の第2の実施形態では、EPLユーザロールは、預託/回収を行う運送業者、引き取りを行う受取人、または保守業者を含むEPLのユーザのタイプごとに、あらかじめ定義される。EPLユーザロールごとに、ユーザがEPL500を動作させるとき、機能の特定のセットが利用可能になる。預託または回収または利用可能な機能の任意のセットに限定された特定のロールが、あらかじめ定義可能である。これらのロールは、EPL記憶域550のEPLユーザロールテーブル558内にあらかじめロードされ、したがって、EPLへのアクセスがモバイルデバイスを介してユーザに対して許可されるたびに、EPLユーザロールが識別され、EPLユーザロールに関連付けられた機能がEPLによって利用可能にされる。各EPLユーザロールに関連付けられた機能は、EPL内に保管可能であり、またはオペレータモバイルデバイス502においてオペレータ記憶域560の特定のEPLオペレータロールテーブル564内に保管可能である。ユーザとロールおよび関連機能との間の関連付けは、ユーザロール対応テーブルを使用することによって実行され、EPL内またはオペレータモバイルデバイス502内にも保管可能である。本発明の特定の実施形態では、各ユーザロールは、その特定のユーザロールを指すために使用される特定の識別子を有する。一般的に運送業者または保守業者によって使用されるすべてのオペレータモバイルデバイス502は一般的に、任意のタイプのオペレータによって使用可能であるように構成される。モバイルデバイス502の構成の一部として、モバイルデバイス502のすべてのオペレータの識別子は、モバイルデバイス502の記憶域560のモバイルデバイステーブル562のためのユーザ識別子において参照される。モバイルデバイスのための各ユーザ識別子は、オペレータ記憶域560のEPLオペレータロールテーブル564内に保管された対応するEPLオペレータロールだけでなく、オペレータ記憶域560のEPL識別子テーブル566内に保管された特定のオペレータがアクセス可能な許可されたEPLの対応するリストにも関連付けられる。いくつかの運送による同じEPLの共有の場合、オペレータルールは、たとえば、特定の運送の業者が指定された限られた数のEPLの区画のみを使用できることとすることができる。オペレータモバ
イルデバイス502を使用するために許可されるために、オペレータは、モバイルデバイスユーザ識別子を入力しなければならない。オペレータによって入力されたモバイルデバイスに関するユーザ識別子に基づいて、オペレータモバイルデバイス502は、オペレータモバイルデバイス502がどのEPLにアクセスすることが可能であるものとするか、次いで、どのEPL機能が利用可能にされるものとするかを確定する。モバイルデバイス502のオペレータ記憶域560内のデータおよび関連付けは、長距離通信ネットワーク512を介して遠隔配送システム510によって定期的に更新される。そのような更新は、EPLオペレータロールに対する変更の場合に、特に新しい業者を追加しなければならないときに、必要とされる。次いで、EPLオペレータロールの更新が、短距離通信を介してモバイルデバイス502からEPL500に転送される。好ましくは、特定のオペレータに提供される特定のEPLへのアクセス権は、その特定のオペレータに利用可能にされる機能の特定のセットに関連付けられる。
【0039】
好ましくは、各モバイルデバイス502は、オペレータ記憶域560内に保管される一意のモバイルデバイス識別子568とともに構成される。各モバイルデバイス識別子は、遠隔配送システム510によって生成されて、各オペレータモバイルデバイス502に送信され、モバイルデバイス識別子のリストは、EPL500に送信されて、EPL記憶域550のモバイルデバイス識別子テーブル559内に保管される。モバイルデバイス識別子は、EPL500内のモバイルデバイス識別子テーブル559内に保管されたモバイルデバイス識別子とオペレータモバイルデバイス502内に保管されたモバイルデバイス識別子568との間の照合をチェックすることによって、オペレータのEPLへのアクセスを可能にするための許可手順を実行するためにEPLによって使用される。一般的に、オペレータモバイルデバイス502の集団は、遠隔配送システム510によってあらかじめ構成される。新しいEPLが現場に設置されるたびに、オペレータモバイルデバイスの集団に対応するモバイルデバイス識別子テーブル559がEPL内にロードされる。EPLとの接続がモバイルデバイス識別子に基づくこのアーキテクチャは、容易なオペレータの入れ替えを可能にする。オペレータモバイルデバイス502のオペレータが変更される場合、またはオペレータモバイルデバイス502が異なるオペレータによって使用される場合、モバイルデバイスのためのユーザ識別子のみがオペレータモバイルデバイス502内で管理されなければならず、モバイルデバイス識別子に基づくEPLとの接続は、EPL記憶域の変更を必要としない。新しいオペレータモバイルデバイス502がオペレータモバイルデバイスの集団において追加される場合、対応する一意のモバイルデバイス識別子が遠隔配送システム510によって作成され、新しいオペレータモバイルデバイス502内であらかじめ構成され、オペレータモバイルデバイスの集団のうちの任意のオペレータモバイルデバイス502を介してすべてのEPLのモバイルデバイス識別子テーブル559内に転送および追加される。あるいは、一意のモバイルデバイス識別子の代わりに、EPLオペレータ許可コードが、モバイルデバイス502のオペレータ記憶域560内に保管される。このEPLオペレータ許可コードは、モバイルデバイスオペレータ識別子に少
なくとも基づいて、遠隔配送システム510によって、またはオペレータモバイルデバイス502によって生成可能であり、EPLオペレータ許可コードは、EPL500に送信され、EPL記憶域550のユーザ許可コードテーブル554内に保管される。
【0040】
好ましくは、特定のEPL内に預けられる荷物に関する識別子のリストならびに荷物の大きさなどの関連データが、遠隔配送システム510からモバイルデバイス502に送信され、オペレータ記憶域560の預託のための荷物の識別子および関連データテーブル570内に保管され、関連データは、荷物の大きさと、預けられる各荷物に関連付けられた受取人許可コードとを含むことができる。たとえば回収ルールに関連付けられた受取人による引き取りの制限時間などの、EPL動作ルールに対する更新は、対応するデータを遠隔配送システム510からモバイルデバイス502に送信し、それらを、オペレータ記憶域560の動作ルールテーブル572内に保管することによって実行される。これらのEPL動作ルールに対する更新は、次いで、短距離通信を介してモバイルデバイス502からEPL500に転送される。
【0041】
荷物受取人が荷物をEPL500から引き取るために、荷物受取人は、EPL500にアクセスして荷物をEPL500から取り出すための受取人許可コードを持つ。受取人許可コード584は、受取人モバイルデバイス504の受取人記憶域580内に保管される。受取人モバイルデバイス504とEPL500との間の短距離通信接続は、受取人モバイルデバイス504の受取人記憶域580内に保管された短距離通信コード586を使用することによって確立される。さらに、荷物受取人によるEPLへのアクセスを管理するための引き取りアプリケーション582も、受取人モバイルデバイス504の受取人記憶域580内に保管される。
【0042】
好ましい一実施形態では、EPLへのアクセス許可は、認証および/または機密性のための暗号技術に基づく。EPLオペレータ識別子の暗号生成は、オペレータモバイルデバイス502内に保管された暗号モジュール590によって、または遠隔配送システム510内に保管された暗号モジュール592によって実行される。アクセス許可手順において、EPLオペレータ識別子は、EPL内に保管された暗号モジュール596によって解釈される。受取人の場合、受取人許可コードの暗号生成は、遠隔配送システム510内に保管された暗号モジュール592によって実行され、受取人アクセス許可手順において、受取人許可コードは、暗号モジュール596によって解釈される。暗号モジュール592および596は、遠隔配送システム510とEPL500との間で交換されるすべてのデータの認証にも使用可能である。
【0043】
図6は、本発明のこの第2の実施形態において運送業者による荷物預託がどのように実行されるかを示す。荷物のグループが特定のEPL500内に預けられると計画されると、預託タスクが、運送業者ならびに預託用荷物に関する識別子のリストに割り当てられる。遠隔配送システム510は、預けられる荷物ごとに、すなわち荷物識別子ごとに、受取人許可コードを生成する(ステップ596)。受取人許可コードは、EPL内の荷物を引き取るために受取人によって後で使用される。預託のための荷物の識別子のリストおよび受取人許可コードの関連リストが、荷物のグループを預けるために割り当てられた運送業者の識別子を有する運送組織によって、遠隔配送システム510から使用中のすべての適切なオペレータモバイルデバイス502に送信され、オペレータ記憶域560の預託のための荷物の識別子および関連データテーブル570内に保管される(ステップ598)。あるいは、割り当てられた運送業者がこのオペレータモバイルデバイス502にログインした後、預託用荷物の識別子のリストおよび受取人許可コードの関連リストが、遠隔配送システム510から具体的にはこの運送業者によって使用されるオペレータモバイルデバイス502のみに送信される。オペレータモバイルデバイス502を使用するために許可されるために、運送業者は、オペレータモバイルデバイス502上でのログインを実行する(ステップ600)。ログインは、モバイルデバイスインタフェースを介した識別子入力(たとえば、モバイルデバイスのキーパッドまたはタッチスクリーン上で識別子を入力することによる)、モバイルデバイスによる識別バーコード読み取り、またはイメージング技術もしくは高周波技術を介したモバイルデバイスによる識別情報取得などの、当技術分野で知られている任意の手段を介して実行可能である。ユーザのログインによって、オペレータモバイルデバイス502が、オペレータモバイルデバイス502がどのEPLにアクセスすることが可能であるものとするか、次いで、どのEPL機能が運送業者に利用可能にされるものとするかを確定することが可能になる。
【0044】
ログイン成功後、短距離通信が、オペレータモバイルデバイス502に対して自動的に起動される(ステップ602)。運送業者がEPLの近くに到着すると、短距離通信が、短距離通信が常にアクティブであるEPL500上と、オペレータモバイルデバイス502上の両方でアクティブであるので、短距離通信接続がオペレータモバイルデバイス502とEPL500との間で自動的に開始される(ステップ604)。あるいは、短距離通信は、たとえば電力消費量を最小にするために、自動的にまたは手動でのどちらかで、オペレータモバイルデバイス502に対して停止されていることがある。次いで、運送業者がEPLの近くに到着すると、運送業者は、オペレータモバイルデバイス502上で短距離通信を起動し、短距離通信接続がオペレータモバイルデバイス502とEPL500との間で自動的に開始される。
【0045】
ステップ606では、EPLが、好ましくは、オペレータモバイルデバイス502のオペレータ記憶域560内に保管されオペレータモバイルデバイス502によってEPL500に送信される一意のモバイルデバイス識別子568に対するEPL500内のEPL記憶域550のモバイルデバイス識別子テーブル559内の照合をチェックすることによって、オペレータモバイルデバイス502を用いたEPLへのアクセスを可能にする許可手順を実行する。オペレータがこの特定のEPLへのアクセス権を有するかどうかをチェックすること、ならびにこの特定のオペレータのユーザロールに基づくこのオペレータの権利の確立は、許可手順の不可欠な部分である。あるいは、許可チェックは、オペレータモバイルデバイス502内に保管されたEPLユーザ許可コードに対するEPL500内のEPL記憶域550のユーザ許可コードテーブル554内の照合をチェックすることによって、一意のモバイルデバイス識別子の代わりに、EPLユーザ許可コードに基づく。
【0046】
この許可手順は、オペレータによるデータ入力なしに自動的に実行されるので、この手順が長すぎない限り、EPLのユーザフレンドリさに影響を与えることなくセキュリティが必要とするのと同じくらい複雑であってよい。好ましくは、この許可は、暗号認証に基づく。特定の一実施形態では、モバイルデバイス識別子568またはEPLユーザ許可コードの暗号生成は、何らかの認証データを含む。許可手順において、モバイルデバイス識別子568またはEPLユーザ許可コードは、EPL内に保管された暗号モジュール596によって解釈され、EPLへのアクセスを可能にするために認証される。EPLユーザ許可コードのための認証データは、たとえば、オペレータモバイルデバイス502のシリアルナンバーおよび/またはオペレータモバイルデバイス502の電子メール識別情報および/またはEPL識別子であってよい。
【0047】
許可が成功すると、EPLがオペレータに、ユーザロールに関連付けられた機能のセットへのアクセスを与えるように、オペレータに関連付けられたEPLオペレータロールがオペレータモバイルデバイス502からEPL500に送信される。許可成功後、この特定のEPL内に預けられる荷物の識別子、および特にユーザ許可コードテーブル554内に保管された関連受取人許可コードを含む関連データ、または受取人による引き取りのための制限時間などの回収ルールなどの、EPLを動作させるために必要とされるデータが、オペレータモバイルデバイス502からEPL500に送信される(ステップ608)。ステップ610では、運送業者は、たとえば、荷物上に印刷された荷物識別バーコードを読み取ることによって、またはたとえばRFID技術もしくはNFC技術に基づいた荷物上のタグによって発される無線周波数信号を読み取ることによって、モバイルデバイス502を用いてEPL内に預けられる荷物に取り付けられた荷物識別子を取得する。好ましくは、モバイルデバイス502による荷物識別子の取得成功に続いて、モバイルデバイス502は、モバイルデバイス502によって取得された荷物識別子と、オペレータ記憶域560の預託用荷物の識別子および関連データテーブル570内に保管された預けられる荷物の識別子のリストとの間の照合をチェックする(ステップ612)。あるいは、モバイルデバイス502によって取得された荷物識別子がモバイルデバイス502からEPL500に送信され、EPL500は、モバイルデバイス502によって取得された荷物識別子とEPL500内に保管された、預けられる荷物の識別子のリストとの間の照合のチェックを実行する。この代替の場合、預けられる荷物の識別子のリストは、他のモバイルデバイスからの何らかの以前の送信に続いて依然としてEPL記憶域550内にある荷物識別子を含んでよい。
【0048】
荷物識別子取得成功および好ましくは照合成功に続いて、EPL500は、区画のドアのロックを解除する。これは、区画が空であり、区画の大きさが荷物の大きさに適合することを少なくとも含むルールのセットにより定義される。(ステップ614)。預託のための区画を選択するための他のルールとしては、特定の区画の早期磨耗を防止するために区画の均一な使用を保証するための区画間での回転ルールがあり得る。荷物の大きさは、預託用荷物の識別子および関連データテーブル570内に保管された預託用荷物の識別子とともに利用可能である。あるいは、荷物の大きさがテーブル570において入手可能である場合、オペレータは、オペレータモバイルデバイス502のインタフェースを介して荷物の大きさを取得するように要求される。区画ドアが開くと、運送業者は、区画内に荷物を預け、ドアを閉じる(ステップ616)。EPL500は、ちょうど今EPL内に預けられたばかりの荷物の識別子を荷物識別子テーブル552内に保管し、この荷物識別子を、EPL記憶域550内のEPL区画マッピング556内に保管された対応する区画の場所に関連付ける。ドアの閉鎖後、EPL制御ユニット532は、ステップ610において取得された荷物識別子を預託用荷物の識別子のリストと比較することによって、預託プロセスが完了したかどうかをチェックする(ステップ618)。いくつかの荷物が預託のために残っている場合、運送業者は、ステップ610(荷物識別子の取得)へ進み、依然として預託用荷物がある限り、以下のステップをステップ618まで進む。ステップ618において、制御ユニット532が、預託用荷物がもうない、または運送業者が預託プロセスを中止することを希望したことをオペレータモバイルデバイス502のインタフェースを介して示したことを確定すると、EPL500が、預けられている荷物の識別子または預けられていない荷物の識別子などの、荷物預託に関するデータをオペレータモバイルデバイス502に送信する(ステップ620)。オペレータモバイルデバイス502と遠隔配送システム510との間の通信が確立されるとすぐに、オペレータモバイルデバイス502は、荷物預託に関するデータを、長距離通信ネットワーク512を介して遠隔配送システム510に送信する(ステップ622)。預託情報が遠隔配送システム510によ
って受信されると、遠隔配送システム510は、EPL500内に預けられている荷物の受取人に送信される通知を生成し、この通知は、受取人に預託を知らせ、受取人に受取人許可コードを提供する。好ましくは、たとえば、すべての区画が利用されており、それ以上の預託が可能でない場合、預託プロセス全体に沿って、モバイルデバイススクリーンが、EPLを動作させるためにオペレータに知らせて誘導するためのマンマシンインタフェースとして働く。
【0049】
図7は、本発明のこの第2の実施形態において運送業者による荷物回収がどのように実行されるかを示す。制限時間ルールに基づいて、EPL500は、荷物がいつ回収されることになっているかを確定する(ステップ702)。オペレータモバイルデバイス502を使用するために許可されるために、運送業者は、オペレータモバイルデバイス502上でのログインを実行する(ステップ704)。ログイン成功後、短距離通信が、オペレータモバイルデバイス502に対して起動される(ステップ706)。運送業者がEPLの近くに到着すると、短距離通信がオペレータモバイルデバイス502上とEPL500上の両方でアクティブであるので、短距離通信接続がオペレータモバイルデバイス502とEPL500との間で自動的に開始される(ステップ708)。あるいは、短距離通信は、たとえば電力消費量を最小にするために、自動的にまたは手動で、オペレータモバイルデバイス502に対して停止されていることがあり、次いで、運送業者がEPLの近くに到着すると、運送業者は、オペレータモバイルデバイス502上で短距離通信を起動し、短距離通信接続がオペレータモバイルデバイス502とEPL500との間で自動的に開始される。
【0050】
ステップ710では、EPLが、好ましくは、オペレータモバイルデバイス502のオペレータ記憶域560内に保管されオペレータモバイルデバイス502によってEPL500に送信される一意のモバイルデバイス識別子568に対するEPL500内のEPL記憶域550のモバイルデバイス識別子テーブル559内の照合をチェックすることによって、オペレータモバイルデバイス502を用いたEPLへのアクセスを可能にする許可手順を実行する。オペレータがこの特定のEPLへのアクセス権を有するかどうかをチェックすること、ならびにこの特定のオペレータのユーザロールに基づくこのオペレータの権利の確立は、許可手順の不可欠な部分である。あるいは、許可チェックは、オペレータモバイルデバイス502内に保管されたEPLユーザ許可コードに対するEPL500内のEPL記憶域550のユーザ許可コードテーブル554内の照合をチェックすることによって、一意のモバイルデバイス識別子の代わりに、EPLユーザ許可コードに基づく。
【0051】
この許可手順は、オペレータによるデータ入力なしに自動的に実行されるので、この手順が長すぎない限り、EPLのユーザフレンドリさに影響を与えることなくセキュリティが必要とするのと同じくらい複雑であってよい。好ましくは、この許可は、暗号認証に基づく。特定の一実施形態では、モバイルデバイス識別子568またはEPLオペレータ識別子の暗号生成は、何らかの認証データを含む。許可手順において、モバイルデバイス識別子568またはEPLオペレータ識別子は、EPL内に保管された暗号モジュール596によって解釈され、EPLへのアクセスを可能にするために認証される。EPLオペレータ識別子のための認証データは、たとえば、オペレータモバイルデバイス502のシリアルナンバーおよび/またはオペレータモバイルデバイス502の電子メール識別情報および/またはEPL識別子であってよい。許可が成功すると、EPLがオペレータに、ユーザロールに関連付けられた機能のセットへのアクセスを与えるように、オペレータに関連付けられたEPLオペレータロールがオペレータモバイルデバイス502からEPL500に送信される。許可成功後、受取人による引き取りのための制限時間ルールなどの、EPLを動作させるために必要とされるデータが、オペレータモバイルデバイス502からEPL500に送信される(ステップ712)。1つの荷物または荷物のグループが、回収されることになっており、業者が作業する運送組織に対応する場合、EPL500は、運送業者によって回収される荷物を保管する区画のドアを開き(ステップ714)、運送業者は、荷物を回収してドアを閉じる(ステップ716)。EPL500は、回収された荷物の識別子をEPL区画マッピングを介して取り出し、それをオペレータモバイルデバイス502に送信する。EPL500は、荷物回収に関連する情報データを記録し、荷物識別子テーブル552からの荷物識別子を、EPL区画マッピング556内のその関連付け、ならびに関連受取人許可コードを削除する。好ましくは、運送業者は、オペレータモバイルデバイス502が、モバイルデバイス502によって取得された荷物識別子とEPL500によってオペレータモバイルデバイス502に送信される回収された荷物の識別子との間の照合をチェックするために、モバイルデバイス502を用いて回収された荷物に取り付けられた荷物識別子を取得する(ステップ718)。ステップ720では、EPL制御ユニット532は、回収プロセスが完了したかどうかをチェックする。いくつかの荷物が依然として運送業者によって回収されることになっている場合、EPL500はステップ714(回収のために区画ドアが開く)へ進み、依然として回収のための荷物がある限り、以下のステップをステップ720まで進む。ステップ720において、EPL制御ユニット532が、運送業者による回収のための荷物がもうない、または、運送業者が回収プロセスを中止することを希望したことをオペレータモバイルデバイス502のインタフェースを介して示したことを確定すると、EPL500は、荷物回収に関するデータおよび好ましくはEPL500の動作情報をオペレータモバイルデバイス502に送信する(ステップ722)。オペレータモバイルデバイス502と遠隔配送システム510との間の通信が確立されるとすぐに、オペレータモバイルデバイス502は、荷物回収に関するデータを、長距離通信ネットワーク512を介して遠隔配送システム510に送信する(ステップ724)。好ましくは、たとえば、回収される荷物があるまたは回収が完了したことを知らせる際、回収プロセス全体に沿って、モバイルデバイススクリーンが、EPLを動作させるためにオペレータに知らせて誘導するためのマンマシンインタフェースとして働く。
【0052】
EPL500が運送業者によって動作されるとき、預託プロセスと回収プロセスが組み合わせ可能であることが、当業者によって容易に考案される。好ましくは、オペレータモバイルデバイスは、荷物が回収される必要があることを運送業者に知らせるためまたは運送業者が都合のよいときに荷物回収を開始するための動作インタフェースを提供する。
【0053】
上記で説明された預託および回収のための方法は、一時的長距離通信問題の場合、たとえば、オペレータモバイルデバイス502と遠隔配送システム510との間の通信がEPLの近くで動作しない場合、運送動作が中断されないことを保証する。オペレータモバイルデバイス502と遠隔配送システム510との間の長距離通信が確立されるとすぐに、EPL500に送信されることが必要とされるデータ、すなわち、運送のリストおよびEPLを動作させることが許可される運送業者またはEPLユーザロールまたは預託用荷物の識別子および関連データが、オペレータモバイルデバイス502に送信され、その中に保管されるので、長距離通信が動作していない場合でも、オペレータモバイルデバイス502がEPL500の近くにあるとき、これらのデータは、短距離通信を介してオペレータモバイルデバイス502によってEPL500に送信可能である。運送業者によるEPL500上での預託または回収の後、遠隔配送システム510に送信されることが必要とされるデータが、預託プロセスまたは回収プロセス中に、短距離通信を介してオペレータモバイルデバイス502に送信され、その中に保管される。次いで、これらのデータは、オペレータモバイルデバイス502と遠隔配送システム510との間の長距離通信が確立されるとすぐに、遠隔配送システム510に送信される。そのため、EPLステータスなどのこれらのデータを遠隔配送システム510に送信するための最終的な遅延が管理可能であり、唯一の遅延情報がEPL500内の解放された区画についてであるので、運送動作を中断する。上記で説明された方法実施形態は、保守業者を含む任意の許可された業者によるEPL500上でのいかなる動作にも適用されることを理解されたい。
【0054】
図8は、本発明のこの第2の実施形態において受取人による荷物引き取りがどのように実行されるかを示す。受取人が配送の要求を行うと、一般的にコンピュータシステムを介して、この要求は、遠隔配送システム510へと記録される(ステップ802)。好ましくは、受取人が、注文した荷物がEPL内で配達されることを選んだとき、遠隔配送システムは、EPL引き取りアプリケーション582が受取人モバイルデバイス504上にダウンロードされるものであることを受取人に知らせる。好ましい一実施形態では、受取人は、EPL引き取りアプリケーション582が起動されると短距離通信がオンにされ、受取人モバイルデバイス504とEPL500との間の短距離通信が自動的に確立可能であるように、ダウンロードされたアプリケーションが、受取人モバイルデバイス504がEPL500と通信するために使用される短距離通信、たとえばBluetoothまたはWIFIを自動的にオンにできることについて同意することが要求される。この特定の実施形態は、EPLとの接続が完全に自動であることが可能であるように、短距離通信を起動する必要も短距離通信を覚えている必要もない受取人にシームレスなユーザフレンドリな経験を提供する。次いで、遠隔配送システム510は、受取人モバイルデバイス504の受取人記憶域580内にEPL引き取りアプリケーション582をダウンロードする、または、モバイルデバイスの多数の標準的なオペレーティングシステムの場合、受取人は、モバイルデバイス504上にEPL引き取りアプリケーションをダウンロードするために、関連アプリケーションストア、たとえばapps store(商標)またはGoogle play(商標)を使用することが要求され、誘導される(ステップ804)。EPL500内の荷物預託の後、荷物預託に関するデータが、運送業者モバイルデバイス502を介して遠隔配送システム510に送信され、遠隔配送システム510が、EPL500内の荷物預託およびEPL500の場所を受取人に知らせるために、受取人モバイルデバイス504に少なくとも1つの通知を送る。この通知は、少なくとも受取人許可コード、ならびに、好ましくは短距離通信コード、およびEPL受取人ロールがEPL引き取りアプリケーション582を用いてダウンロードされない場合にこれらのパラメータを含む、荷物を引き取るためのEPL500を動作させるためのデータを含む(ステップ806)。受取人モバイルデバイス504内に常駐するEPL引き取りアプリケーション582は、この通知によって起動され、通知に含まれる、荷物を引き取るためにEPL500を動作させるためのデータを取り出し、受取人許可コード584を受取人記憶域580内に保管する(ステップ808)。好ましくは、EPL引き取りアプリケーション582は、次いで、たとえば、電力消費量を最小にするために、受取人によって手動で、または自動的に、のどちらかで、停止される(ステップ810)。好ましい一実施形態では、通知は、EPL500における荷物預託およびEPL500の場所を受取人に知らせるメッセージテキストを含み、荷物を引き取るためのEPL500を動作させるためのデータの一部として、少なくとも受取人許可コードおよび受取人モバイルデバイス504によるEPL500との短距離通信を確立するためのコードを含む、SMSである。たとえば、短距離WIFI通信の場合、WIFI通信を確立するためのコードは、SSIコードおよび関連パスワードである。好ましくは、EPL引き取りアプリケーション582は、依然としてSMS上で見える荷物を引き取るためにEPL500を動作させるためのすべてのデータを削除するようにSMS通知をキャンセルし、EPL500内に預けられる荷物およびEPL500の場所を受取人に知らせること受取人モバイルデバイス504上でアクセス可能でありに限定される通知を、たとえば新しいSMSの形で生成する。
【0055】
配送の要求の時点でのEPL引き取りアプリケーションの即時ダウンロードの代わりに、受取人は、モバイルデバイス504上でのEPL引き取りアプリケーションのダウンロードを遅延することを選ぶ可能性があってよい。EPL引き取りアプリケーションのダウンロードは、荷物預託の後、遠隔配送システム510が少なくとも1つの通知を受取人モバイルデバイス504に送るときに実行される。好ましい一実施形態では、受取人は、EPL引き取りアプリケーション582が起動されると短距離通信がオンにされるように、EPL500によって使用される短距離通信をダウンロードされたアプリケーションが自動的にオンにすることができることについて同意することが要求される。次いで、EPL引き取りアプリケーション582は、手動でまたは自動的に起動され、通知に含まれる、荷物を引き取るためにEPL500を動作させるためのデータを取り出す。好ましくは、EPL引き取りアプリケーション582は、次いで、受取人によって手動で、または自動的に、のどちらかで、停止される。
【0056】
受取人がEPLの近くに到着すると、受取人は、モバイルデバイス504がまだ起動されていない場合は、モバイルデバイス504上でEPL引き取りアプリケーション582を起動し、短距離通信が自動的にオンにされる(ステップ812)。受取人モバイルデバイス504とEPL100との間の短距離通信接続が、受取人モバイルデバイス504の受取人記憶域580内に保管された短距離通信コード586を使用することによって、自動的に開始される。あるいは、受取人がEPLの近くに到着すると、EPL引き取りアプリケーション582は依然としてアクティブであることがあり、短距離通信もアクティブであり、次いで、受取人モバイルデバイス504とEPL100との間の短距離通信接続が自動的に開始される。
【0057】
ステップ814では、EPLは、受取人モバイルデバイス504の受取人記憶域580内に保管され受取人モバイルデバイス504によってEPL500に送信された受取人許可コード584に対するEPL500内のEPL記憶域550のユーザ許可コードテーブル554内の照合をチェックすることによって、EPLへの受取人のアクセスを可能にするための許可手順を実行する。好ましくは、この許可は、認証および/または機密性のための暗号技術に基づく。特定の一実施形態では、受取人許可コード584の暗号生成は、何らかの認証データを含む。許可手順において、受取人許可コードは、EPL内に保管された暗号モジュール596によって解釈され、EPLへのアクセスを可能にするために認証される。認証データは、たとえば、受取人モバイルデバイス504のシリアルナンバーおよび/または受取人モバイルデバイス504の電話番号および/またはEPL識別子であってよい。許可が成功すると、EPLが受取人に、受取人ロールに関連付けられた機能のセットへのアクセスを与えるように、オペレータモバイルデバイス504が、EPL受取人ロールを含むデータをEPL500に送信する(ステップ816)。EPL500は、受取人によって引き取られる荷物を保管する区画のドアを開き(ステップ818)、受取人は、荷物を引き取ってドアを閉じる(ステップ820)。EPL500は、回収された荷物の識別子をEPL区画マッピング556を介して取り出し、それを受取人モバイルデバイス504に送信する。EPL500は、荷物引き取りに関連する情報データを記録し、荷物識別子テーブル552からの対応する荷物識別子を、EPL区画マッピング556内のその関連付け、ならびに関連受取人許可コードを削除する。EPL500は、荷物引き取りに関するデータを受取人モバイルデバイス504に送信する(ステップ822)。モバイルデバイス504と遠隔配送システム510との間の通信が確立されるとすぐに、受取人モバイルデバイス504は、荷物引き取りに関するデータを、長距離通信ネットワーク512を介して遠隔配送システム510に送信する(ステップ824)。好ましい一実施形態では、受取人モバイルデバイス504から遠隔配送システム510へのデータ伝送の通信コストは、EPL引き取りアプリケーション582によって、EPLを担当する組織に向け直される。受取人が、並行して引き取る別の荷物を持っている場合、遠隔配送システム510は、並行して、別の通知を受取人モバイルデバイス504に送る。EPL引き取りアプリケーション582は、この追加通知を処理し、ステップ814から引き取りステップを繰り返すことによって第2の荷物引き取りを管理する。好ましくは、引き取りプロセス全体に沿って、モバイルデバイススクリーンが、EPLを動作させるために受取人に知らせて誘導するためのマンマシンインタフェースとして働き、インタフェース動作は、たとえば、引き取られる別の荷物があることを知らせる際、EPL引き取りアプリケーション582によって制御される。
【0058】
上記で説明された荷物引き取りのための方法は、一時的な長距離通信問題の場合、たとえば、受取人モバイルデバイス504と遠隔配送システム510との間の通信がEPLの近くで動作しない場合、運送または受取人の動作が中断されないことを保証する。受取人によるEPL500上での荷物引き取りの後、遠隔配送システム510に送信されることが必要とされるデータが、引き取りプロセス中に、短距離通信を介して受取人モバイルデバイス504に送信され、その中に保管される。次いで、これらのデータは、受取人モバイルデバイス504と遠隔配送システム510との間の長距離通信が確立されるとすぐに、遠隔配送システム510に送信される。そのため、EPLステータスなどのこれらのデータを遠隔配送システム510に送信するための最終的な遅延が管理可能であり、唯一の遅延情報がEPL500内の解放された区画についてであるので、運送動作を中断する。
【0059】
上記で説明された本発明の第1の実施形態と本発明の第2の実施形態が組み合わせ可能である、たとえば、荷物ロッカーの2つの地区、すなわち、本発明の第1の実施形態により動作される1つの地区と本発明の第2の実施形態により動作される別の地区が、同じ運送組織によって管理され、同じ運送業者によって動作され、使用のために受取人クライアントの同じプールに提供されることは、当業者によって容易に考案される。そのような組み合わされた動作は、1つの地区が、長距離通信によって十分にカバーされるエリア内に設置されたEPLから構成され、別の地区が、長距離通信への限られたアクセスを持つまたは長距離通信へのアクセスを持たないエリア内に設置されたEPLから構成されるとき、使用可能である。
【0060】
図9Aは、ユーザモバイルデバイス102または104または502または504の実施形態を実施するのに適した例示的なコンピュータシステム900の概略図を示す。コンピュータ900は、プロセッサ904、RAM、ROM、フラッシュRAM、ハードドライブ、フラッシュドライブなどの1つまたは複数の記憶域構成要素906、およびWIFIまたはBluetoothなどの短距離通信用通信インタフェース908、およびイーサネット(登録商標)、インターネット、ワイドエリアネットワーク、または類似の接続などの別の長距離通信用通信インタフェース910などの、コンピュータシステム900の主要な構成要素に接続するバス902を含む。バーコードリーダまたはRFIDタグリーダなどのリーダ912、およびタッチスクリーンなどのディスプレイ914などのさらなる構成要素も、バス902に接続され、結局はキーボードも接続される。好ましい一実施形態では、コンピュータ900は、バス902に接続された暗号モジュール916も含む。
【0061】
バス902は、プロセッサ904と記憶域906との間のデータ通信を可能にする。記憶域は、たとえば、オペレータ記憶域560または受取人記憶域580を含み、一般に、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムがロードされるメインメモリをさらに含む。記憶域は、他のコードの中でもとりわけ、周辺構成要素との対話などのシステムの基本的なハードウェア動作を制御するソフトウェアも含むことができる。コンピュータシステム900に常駐するアプリケーションは一般に、記憶域906上に保管され、それを介してアクセスされる。受取人モバイルデバイスの場合、記憶域は特に、EPL引き取りアプリケーションを含む。
【0062】
図9Bは、EPL100または500の実施形態を実施するのに適した例示的なコンピュータシステム950の概略図を示す。コンピュータ950は、プロセッサ954、RAM、ROM、フラッシュRAM、ハードドライブ、フラッシュドライブなどの1つまたは複数の記憶域構成要素956、およびWIFIまたはBluetoothなどの短距離通信用通信インタフェース958、およびたとえばEPL100または500の区画ドアを制御するためのI/Oコントローラ962などの、コンピュータシステム950の主要な構成要素に接続するバス952を含む。EPL100の場合、イーサネット(登録商標)、インターネット、ワイドエリアネットワーク、または類似の接続などの長距離通信用のさらなる通信インタフェース960がバス952に接続される。好ましい一実施形態では、コンピュータ950は、バス952に接続された暗号モジュール966も含む。
【0063】
バス952は、プロセッサ954と記憶域956との間のデータ通信を可能にする。記憶域は、EPL記憶域150または550を含み、一般に、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムがロードされるメインメモリをさらに含む。記憶域は、他のコードの中でもとりわけ、周辺構成要素との対話などのシステムの基本的なハードウェア動作を制御するソフトウェアも含むことができる。コンピュータシステム950内に常駐するアプリケーションは一般に、記憶域956上に保管され、それを介してアクセスされる。
【0064】
WIFIまたはBluetoothなどのローカルワイヤレスネットワークの場合、
図9Aのユーザモバイルデバイスのための短距離通信用通信インタフェース908および
図9BのEPLのための短距離通信用通信インタフェース958は、短距離通信ネットワーク106または506の構成要素を構成する。
【0065】
当業者によって理解されるように、さらなる構成要素が、コンピュータシステム900または950に含まれてよい。反対に、
図9Aまたは
図9Bに示される構成要素のすべてが、本発明を実施するために存在する必要はない。構成要素は、示されている方法とは異なる方法で相互接続可能である。
図9Aまたは
図9Bに示されるコンピュータなどのコンピュータの動作は、当技術分野では容易にわかり、本出願では詳細に論じられない。
【0066】
より一般的には、荷物または小包などの配送品目の場合における本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はそのような品目に限定されず、電子ロッカーとともに扱われるいかなる品目にも適用可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0067】
10 電子荷物ロッカー
20 長距離通信ネットワーク
25 遠隔配送システム
30i 区画
32 制御ユニット
34 タッチスクリーン
36 バーコードリーダ
38 識別手段
40 荷物
102 ユーザモバイルデバイス、オペレータモバイルデバイス、モバイルデバイス、運送業者モバイルデバイス
104 モバイルデバイス、受取人モバイルデバイス
106 短距離通信ネットワーク
110 遠隔配送システム
112 長距離通信ネットワーク
114 長距離通信ネットワーク
130i 区画
132 制御ユニット、EPL制御ユニット
150 EPL記憶域、EPLデジタル記憶域、記憶域
152 荷物識別子テーブル
154 ユーザ許可コードテーブル
156 EPL区画マッピング
157 関連データテーブル、テーブル
158 EPLユーザロールテーブル
159 ユーザロール対応テーブル
160 オペレータ記憶域、記憶域
168 EPLオペレータ識別子、テーブル
170 関連データテーブル
180 受取人記憶域
182 EPL引き取りアプリケーション
184 受取人許可コード
186 短距離通信コード
190 暗号モジュール
192 暗号モジュール
196 暗号モジュール
502 ユーザモバイルデバイス、オペレータモバイルデバイス、運送業者モバイルデバイス、モバイルデバイス
504 スマートフォン、受取人モバイルデバイス、モバイルデバイス、オペレータモバイルデバイス
506 短距離通信ネットワーク
510 遠隔配送システム
512 長距離通信ネットワーク
530i 区画
532 EPL制御ユニット、制御ユニット
550 EPL記憶域
552 荷物識別子テーブル
554 ユーザ許可コードテーブル
556 EPL区画マッピング
558 EPLユーザロールテーブル
559 モバイルデバイス識別子テーブル
560 オペレータ記憶域、記憶域
564 EPLオペレータロールテーブル
566 EPL識別子テーブル
568 モバイルデバイス識別子
570 関連データテーブル、テーブル
572 動作ルールテーブル
580 受取人記憶域
582 EPL引き取りアプリケーション
584 受取人許可コード
586 短距離通信コード
590 暗号モジュール
592 暗号モジュール
596 暗号モジュール
900 コンピュータシステム、コンピュータ
902 バス
904 プロセッサ
906 記憶域構成要素
906 記憶域
908 短距離通信用通信インタフェース
910 長距離通信用通信インタフェース
912 リーダ
914 ディスプレイ
916 暗号モジュール
950 コンピュータシステム、コンピュータ
952 バス
954 プロセッサ
956 記憶域
956 記憶域構成要素
958 短距離通信用通信インタフェース
960 通信インタフェース
962 I/Oコントローラ
966 暗号モジュール