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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240402BHJP
   A01B 33/16 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G06Q50/02
A01B33/16
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020054484
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021157281
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康仁
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-149966(JP,A)
【文献】特開2016-220178(JP,A)
【文献】特開2017-212941(JP,A)
【文献】特開2020-005601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -99/00
A01B 33/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリ作業機に着脱可能に設けた耕耘爪の摩耗状況を推定して該耕耘爪の交換時期を報知する情報処理システムであって、
前記ロータリ作業機が昇降可能に連結された作業車両側に設けられた通信端末と、
前記通信端末とネットワークを介して接続される管理サーバとを備え、
前記通信端末は、
前記作業車両による前記ロータリ作業機の稼働状況を示す作業情報を取得する作業機情報取得部と、前記ロータリ作業機で前記耕耘爪の交換作業が実行されたことを示す交換情報を取得する交換情報取得部と、報知手段とを有し、
前記管理サーバは、
記憶装置と、
ネットワーク経由で送信された前記作業情報を受信する作業情報受信部と、
ネットワーク経由で送信された前記交換情報を受信する交換情報受信部と、
前記作業情報に基づいて前記耕耘爪の摩耗度を推定する摩耗度推定部と、
前記摩耗度推定部により推定された摩耗度に基づいて前記耕耘爪の交換時期を判定する判定部と、
前記判定部により前記耕耘爪の交換時期が経過したと判定されたことを、ネットワーク経由で前記通信端末側に通知することにより、前記報知手段により前記耕耘爪の交換を促す報知を実行させる報知部と
前記報知部によって前記耕耘爪が交換時期を経過したことが報知された後から前記交換情報受信部により前記交換情報を受信するまでの間に、所定の再報知条件を満たしたことを、ネットワーク経由で前記通信端末側に通知することにより、前記報知手段により前記耕耘爪の交換を再度促す再報知を実行させる再報知部とを有し、
前記作業情報には、センサより取得される制御パラメータと、圃場の状態を示す圃場パラメータと、前記ロータリ作業機自体のパラメータである作業機パラメータとが前記耕耘爪の摩耗状況を左右するパラメータとして含まれるとともに、前記ロータリ作業機の作業時間が含まれ、
前記摩耗度推定部は、前記作業時間に基づいて前記摩耗度を推定した後、該摩耗度を前記制御パラメータ、前記圃場パラメータ及び前記作業機パラメータを用いて補正するように構成された
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記作業情報は、前記ロータリ作業機に前記耕耘爪が取付けられてから該耕耘爪が交換されるまでの間に行われた作業時間である爪交換時間を含み、
前記判定部は、前記ロータリ作業機に取付けられている前記耕耘爪が取付けられてからカウントした作業時間が、前記爪交換時間を超えた場合には、前記耕耘爪が交換時期であると判定するように構成された
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記通信端末は、作業車両の位置情報を取得する位置情報取得部を有し、
前記管理サーバは、前記記憶装置に圃場の情報が格納された圃場データ格納部を有し、
前記摩耗度推定部は、前記作業車両の位置情報に基づいて前記圃場データ格納部から取得された圃場の情報を考慮して前記耕耘爪の摩耗度を推定するように構成された
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記耕耘爪の販売店側の有する販売側情報端末を備え、
前記販売側情報端末は、
前記ネットワークを介した通信を可能とする通信部と、
前記ロータリ作業機で前記耕耘爪の交換作業が実行されたことを示す交換情報がネットワーク経由で送信されてきた場合に、該交換情報を受信する交換情報受信部を有する
請求項1乃至3の何れかに記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ作業機に取付けられた耕耘爪の交換時期を報知する情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
耕耘作業を行うことが可能な作業車両であって、エンジンが搭載された走行機体と、前記エンジンから伝動された動力により回転駆動するように前記走行機体に連結されるとともに、交換可能に設けられた耕耘爪によって耕耘作業を行うロータリ作業機とを備え、摩耗度合を検出するためのセンサとして刃部分に沿って配線がされた耕耘爪を用いたことにより、前記耕耘爪の交換時期を検出して報知できるように構成した特許文献1に記載の作業車両が従来公知である。
【0003】
該構成の作業車両によれば、前記耕耘爪に設けた配線が断線したことを検出することによって該耕耘爪が所定以上に摩耗したことを検出できるため、作業者が前記耕耘爪の交換時期を容易に知ることができるものであるが、該耕耘爪毎に配線する必要があるとともに、該耕耘爪側の配線の通電状態を検出するための構成を設ける必要があるため、コストと手間が掛かる他、耕耘爪の摩耗以外の状況で配線が断線した場合に、耕耘爪の適切な交換時期を報知できない場合があるという問題もあり得た。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-103431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、耕耘爪が交換可能に構成されたロータリ作業機を備えた作業車両において、耕耘爪の交換時期をより適切なタイミングで報知できる情報処理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、ロータリ作業機に着脱可能に設けた耕耘爪の摩耗状況を推定して該耕耘爪の交換時期を報知する情報処理システムであって、前記ロータリ作業機が昇降可能に連結された作業車両側に設けられた通信端末と、前記通信端末とネットワークを介して接続される管理サーバとを備え、前記通信端末は、前記作業車両による前記ロータリ作業機の稼働状況を示す作業情報を取得する作業機情報取得部と、前記ロータリ作業機で前記耕耘爪の交換作業が実行されたことを示す交換情報を取得する交換情報取得部と、報知手段とを有し、前記管理サーバは、記憶装置と、ネットワーク経由で送信された前記作業情報を受信する作業情報受信部と、ネットワーク経由で送信された前記交換情報を受信する交換情報受信部と、前記作業情報に基づいて前記耕耘爪の摩耗度を推定する摩耗度推定部と、前記摩耗度推定部により推定された摩耗度に基づいて前記耕耘爪の交換時期を判定する判定部と、前記判定部により前記耕耘爪の交換時期が経過したと判定されたことを、ネットワーク経由で前記通信端末側に通知することにより、前記報知手段により前記耕耘爪の交換を促す報知を実行させる報知部と前記報知部によって前記耕耘爪が交換時期を経過したことが報知された後から前記交換情報受信部により前記交換情報を受信するまでの間に、所定の再報知条件を満たしたことを、ネットワーク経由で前記通信端末側に通知することにより、前記報知手段により前記耕耘爪の交換を再度促す再報知を実行させる再報知部とを有し、前記作業情報には、センサより取得される制御パラメータと、圃場の状態を示す圃場パラメータと、前記ロータリ作業機自体のパラメータである作業機パラメータとが前記耕耘爪の摩耗状況を左右するパラメータとして含まれるとともに、前記ロータリ作業機の作業時間が含まれ、前記摩耗度推定部は、前記作業時間に基づいて前記摩耗度を推定した後、該摩耗度を前記制御パラメータ、前記圃場パラメータ及び前記作業機パラメータを用いて補正するように構成されたことを特徴としている。
【0007】
記作業情報は、前記ロータリ作業機に前記耕耘爪が取付けられてから該耕耘爪が交換されるまでの間に行われた作業時間である爪交換時間を含み、前記判定部は、前記ロータリ作業機に取付けられている前記耕耘爪が取付けられてからカウントした作業時間が、前記爪交換時間を超えた場合には、前記耕耘爪が交換時期であると判定するように構成されたものとしてもよい
【0008】
記通信端末は、作業車両の位置情報を取得する位置情報取得部を有し、前記管理サーバは、前記記憶装置に圃場の情報が格納された圃場データ格納部を有し、前記摩耗度推定部は、前記作業車両の位置情報に基づいて前記圃場データ格納部から取得された圃場の情報を考慮して前記耕耘爪の摩耗度を推定するように構成されたものとしてもよい
【0009】
記耕耘爪の販売店側の有する販売側情報端末を備え、前記販売側情報端末は、前記ネットワークを介した通信を可能とする通信部と、前記ロータリ作業機で前記耕耘爪の交換作業が実行されたことを示す交換情報がネットワーク経由で送信されてきた場合に、該交換情報を受信する交換情報受信部を有するものとしてもよい
【発明の効果】
【0010】
前記交換時期通知システムによれば、前記走行機体と前記ロータリ作業機の耕耘作業時の稼働状況を示す作業情報に基づいて前記耕耘爪の摩耗度を算出することにより、前記耕耘爪の交換時期を自動的に作業者に報知することができるため、作業者に特別な知識がなくとも前記耕耘爪を適切なタイミングで交換できる。このため、作業効率を落とすことなくより効率的に耕耘作業を行うことができる。
【0011】
また、前記作業情報は、前記ロータリ作業機に前記耕耘爪が取付けられてから該耕耘爪が交換されるまでの間に行われた作業時間である爪交換時間を含み、前記判定部は、前記ロータリ作業機に取付けられている前記耕耘爪が取付けられてからカウントした作業時間が、前記爪交換時間を超えた場合には、前記耕耘爪が交換時期であると判定するように構成されたものによれば、耕耘作業を行った圃場に応じて、耕耘爪を交換するまでの作業時間を補正できるため、より適切なタイミングでの耕耘爪の交換が可能になり、作業性も向上する。
【0012】
また、前記通信端末は、作業車両の位置情報を取得する位置情報取得部を有し、前記管理サーバは、前記記憶装置に圃場の情報が格納された圃場データ格納部を有し、前記摩耗度推定部は、前記作業車両の位置情報に基づいて前記圃場データ格納部から取得された圃場の情報を考慮して前記耕耘爪の摩耗度を推定するように構成されたものによれば、低コストな構成で前記耕耘爪の摩耗度の演算精度を向上させることができる。
【0013】
なお、前記耕耘爪の販売店側の有する販売側情報端末を備え、前記販売側情報端末は、前記ネットワークを介した通信を可能とする通信部と、前記ロータリ作業機で前記耕耘爪の交換作業が実行されたことを示す交換情報がネットワーク経由で送信されてきた場合に、該交換情報を受信する交換情報受信部を有するものによれば、前記耕耘爪の販売店が作業者の所有するロータリ作業機の耕耘爪の交換状況をいち早く把握することができるため、前記耕耘爪の補充がよりスムーズになり、その結果、作業性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明を適用した情報処理システムを概念的に示す概念図である。
図2】農業用トラクタを示した全体側面図である。
図3】摩耗予測で考慮するパラメータの例を示した表図である。
図4】管理サーバの構成を示すブロック図である。
図5】通信端末の構成を示すブロック図である。
図6】通信端末の詳細な構成を示したブロック図である。
図7】販売側端末の構成を示すブロック図である。
図8】耕耘爪摩耗診断制御の処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明を適用した情報処理システムを概念的に示す概念図である。ロータリ耕耘装置8の耕耘爪9の交換時期を報知する情報処理システムは、ロータリ耕耘装置(ロータリ作業機)が昇降可能に連結された作業車両6側に設けられた通信端末(作業機側端末3A)3と、該作業車両2を操作する作業者が使用するスマートフォンや携帯電話等の通信端末であるユーザ端末3Bと、ネットワーク2を介して接続されて前記耕耘爪9の交換時期を判定する管理サーバ1と、前記耕耘爪を販売する販売店の端末に接続される販売側端末4と、を備えている。
【0016】
該情報処理システムでは、前記管理サーバ1が、前記作業車両6側から送信される作業情報に基づいて、前記ロータリ耕耘装置8に着脱可能に取付けられた前記耕耘爪9の摩耗度を推定するとともに、該耕耘爪9の交換時期を判定であると判定した場合には、作業車両6側の作業者に対して、前記耕耘爪9の交換作業を促す報知を行うことができるものである。以下、各構成の詳細について説明する。
【0017】
図2は、本発明を適用した農業用トラクタを示した全体側面図である。作業車両の一種である本トラクタは、左右一対の前輪51,51及び後輪52,52と、前後輪51,52によって支持された走行機体7と、走行機体7の後部に昇降リンクを介して昇降自在に連結される作業機である前記ロータリ耕耘装置8とを備え、前記ロータリ耕耘装置8を圃場面側の作業高さに昇降作動させた状態で、該ロータリ耕耘装置8を駆動させることにより、圃場の耕耘作業を行うことができる。
【0018】
前記ロータリ耕耘装置8は、前方中央のヒッチ機構53を介して前記昇降リンク側に連結され、昇降シリンダの伸縮作動によって前記走行機体7の後部に昇降可能に設けられている。また、該ロータリ耕耘装置8は、前記走行機体7の後端側から後方に突設されているPTO軸54とユニバーサルジョイントを介して連結されることにより、前記走行機体7側のエンジンから伝動される動力が入力されるように構成されている。
【0019】
該ロータリ耕耘装置8は、前記PTO軸54から伝動された動力が伝動される上下方向の伝動ケース56と、該伝動ケース56の下部側によって伝動された動力によって回転駆動することによって耕耘作業を行うロータリ57と、該ロータリ57の左右側方側に前後(上下)揺動可能に支持されたサイドカバー58,58と、左右一対のサイドカバー間に配置されて前記ロータリの上部後方に亘る範囲を覆うリヤカバー59、該リヤカバー59の上下位置を調整可能なフラップレバーとを有し、該リヤカバー59は、その上端側に連結されたミッドカバー(図示しない)を介してロータリ耕耘装置8側に片持ち支持されている(図2参照)。
【0020】
該構成のロータリ耕耘装置8によれば、前記ロータリ57を正転方向(図1で示される例では反時計回り)に回転駆動させながら前記走行機体7を前進走行させることにより、前記ロータリ57で圃場の土を耕すとともに、該ロータリ57後方に送られた耕された土を前記リヤカバー59によって均す耕耘作業を実行できるように構成されている。また、該ロータリ耕耘装置8は、水田の中の土を攪拌してコロイド状の泥として圃場面を均一にする代掻き作業も行うことができる。
【0021】
上記リヤカバー59は、前記ミッドカバー後端(下端)の支持位置を下方位置にセットすることによって、前記リヤカバー59が前記ロータリ57に沿って後方下側に向かって延設された状態で支持される標準姿勢(図2参照)に切換えられ、前記ミッドカバー後端(下端)の支持位置を上方位置にセットすることによって、前記リヤカバー59が前記ロータリ57の後部上方側から後方に向かって水平方向に延設するように支持される深耕姿勢(図示しない)に切換えられ、前記リヤカバー59を標準姿勢に切換えた状態で前記フラップレバーを操作することにより、前記リヤカバー59の下端側を地面に接触させるように下方に向けて延設する代掻姿勢(図示しない)に切換えることができるように構成されている。
【0022】
該構成によれば、前記リヤカバー59が標準姿勢にセットされた場合には、該リヤカバー59と前記ロータリ57後部の間のスペースが狭くなり耕された土の持ち回りが多くなる一方で、前記リヤカバー59が深耕姿勢にセットされた場合には、該リヤカバー59と前記ロータリ57後部の間のスペースが広くなって耕した土の流れがスムーズになる。
【0023】
上記ロータリ57は、前記伝動ケース56の下部側に軸支された左右方向のロータリ軸(図示しない)と、該ロータリ軸に沿って左右に並べて複数設けられた前記耕耘爪9とから構成されている。該耕耘爪9は、前記ロータリ軸側から先端側に向かって放射方向に延設されるとともに、該耕耘爪9が前記ロータリ57の逆転方向に向かって湾曲形成されるように構成されている(図2参照)
【0024】
また、該耕耘爪9は、耕耘作業を繰返すことによって所定以上摩耗すると耕耘作業の効率が著しく低下するため、該耕耘爪9が所定以上摩耗した場合には、各耕耘爪9が交換できるように該ロータリ軸からスムーズに着脱することができるように構成されている。
【0025】
これに対し、前記管理サーバ1は、前記作業車両6側から送信された走行機体7と前記ロータリ耕耘装置8の稼働状況を示す各種データからなる作業情報に基づいて、前記耕耘爪9の摩耗度を推定(予測)するとともに、作業者に前記耕耘爪9の適切な交換時期(タイミング)を判定・報知する耕耘爪摩擦診断制御が実行できるように構成されている。該管理サーバ1の具体的な構成は後述する。
【0026】
また、前記管理サーバ1は、前記耕耘爪9の摩耗度を推定する際には、作業車両6側から取得される前記作業情報を、前記耕耘爪9の摩耗具合を左右するパラメータとして用いる他、その他様々な要因もパラメータ化して考慮できるように構成されている。以下、耕耘爪の摩耗度の推定(診断)方法について説明する。
【0027】
図3は、摩耗予測で考慮するパラメータの例を示した表図である。
【0028】
まず、前記耕耘爪9の種類毎に、耕耘作業の効率を保つことが困難になる所定の交換摩耗度を予め設定するとともに、一般的な圃場で一般的な使用方法で耕耘作業された場合に、前記耕耘爪9の交換が必要になるまで(該耕耘爪の摩耗度が前記交換摩耗度に到達するまで)の作業時間を示した所定の標準爪交換時間が予め設定される。
【0029】
このとき、前記ロータリ57に取付られる前記耕耘爪9の種類に応じて該耕耘爪9の強度も異なるため、取付けられる耕耘爪9の種類に応じて適した標準爪交換時間が設定されている。
【0030】
前記耕耘爪9の摩耗度の演算方法について説明すると、前記管理サーバ1は、各種センサにより取得された前記作業情報(制御パラメータ)に基づいて、前記耕耘爪9の状態が、予め設定された所定の摩耗度よりも摩耗が進んでいるか遅れているかを判断して前記標準爪交換時間を補正することによって、前記耕耘爪9の交換が必要となる作業時間を予測した爪交換時間を演算できるように構成されている。
【0031】
より具体的には、前記耕耘爪9の摩耗度は、耕耘作業時における耕耘深さが標準よりも浅いほど摩耗し難くなる一方で、耕耘作業時における耕耘深さが標準よりも深くなるほど摩耗し易くなる。また、前記耕耘爪9の摩耗度は、前記PTO軸の回転数(前記ロータリの駆動速度)が標準よりも低いほど摩耗し難くなる一方で、該PTO軸の回転数が標準よりも高いほど摩耗し易くなる。また、前記耕耘爪9の摩耗度は、耕耘作業時の車速が標準よりも遅いほど摩耗し難くなる一方で、該車速が標準よりも早くなるほど摩耗し易くなる。また、前記耕耘爪9の摩耗度は、前記ロータリ耕耘装置8により代掻き作業が実行されるモードの場合には摩耗し難くなる一方で、耕耘作業が実行される場合には代掻き作業時よりは摩耗し易くなる(図2参照)。
【0032】
同様に、前記耕耘爪9の摩耗度は、耕耘作業が実際に行われる圃場の状態を示すデータである圃場パラメータを入力することによって、圃場の状態を考慮した前記摩耗度(爪交換時間)を演算できるように構成されている。
【0033】
具体的には、前記耕耘爪9の摩耗度は、圃場の土質が標準より粘土質であるほど摩耗し難くなる一方で、圃場の土質が標準より砂質であるほど摩耗し易くなる。また、前記耕耘爪9の摩耗度は、圃場の土の水分量が標準より少ないほど摩耗し難くなる一方で、圃場の土の水分量が標準よりも多いほど摩耗し易くなる。また、前記耕耘爪9の摩耗度は、圃場内の石の割合が標準よりも少ないほど摩耗し難くなる一方で、圃場内の石の割合が標準よりも多いほど摩耗し易くなる(図3参照)。
【0034】
このとき、前記管理サーバ1は、予め取得した前記圃場パラメータと、前記作業車両側(のGPS等の位置情報取得装置)から取得した前記作業車両の位置情報とに基づいて、作業走行中の圃場の適切な圃場パラメータを適用することができる。
【0035】
さらに、前記耕耘爪9の摩耗度は、前記リヤカバー59の取付位置をパラメータとして入力することによって、前記耕耘爪9の摩耗速度を補正することができる。具体的には、前記耕耘爪9の摩耗度は、前記ミッドカバーの取付位置を上方位置にセットして、前記リヤカバー59を前記深耕姿勢に切換えた場合には摩耗し難くなる一方で、前記ミッドカバーの取付位置を下方位置にセットして、前記リヤカバー59を前記通常姿勢に切換えた場合には、前記ミッドカバーを上方位置にセットした(前記リヤカバー59を深耕姿勢に切換えた)場合より摩耗し易くなる(図3参照)。
【0036】
図4は、管理サーバの構成を示すブロック図である。前記管理サーバ1は、CPU又はRAM等から構成され且つ各種プログラムの実行によって様々な処理を行うことが可能な制御部11と、各種情報が記憶され且つ本情報処理システムの記憶装置の一部を構成する記憶装置12と、ネットワークを介した通信を可能とする通信インターフェース13とを備えている。
【0037】
前記制御部11は、前記作業車両6側で取得されてネットワーク2経由で送信された前記作業情報を受信して前記記憶装置に記憶する作業情報受信部11aと、ネットワーク2経由で送信された前記作業車両6側の通信端末を前記ロータリ耕耘装置8の耕耘爪9の交換作業が行われたことを示す交換情報を受信して前記記憶装置に記憶する交換情報受信部11bと、前記作業情報に基づいて前記耕耘爪9の摩耗度を推定する摩耗度推定部11cと、該摩耗度推定部11cにより推定された摩耗度に基づいて前記耕耘爪9の交換時期を判定する判定部11dと、該判定部11dにより前記耕耘爪9が交換時期を迎えたこと報知する報知情報を前記通信端末3側に送信する報知部(報知送信部)11eと、該報知部11eによる報知後に所定期間耕耘爪の交換が行われたかった場合に、前記通信端末3側に再度耕耘爪の交換を促す報知情報を送信する再報知部(再報知送信部)11fと、を備えている。
【0038】
上記摩耗度推定部11cでは、前記作業情報によって取得される耕耘作業時の耕耘深さやPTO回転数、車速、作業走行を行った作業時間等の制御パラメータと、耕耘作業を行う圃場の状態を示す圃場パラメータと、作業機のリヤカバーのセット位置を示す作業機パラメータ等を考慮して、前記耕耘爪9の摩耗度を推定するとともに、前記耕耘爪9に予め設定された標準爪交換時間を補正して、耕耘爪の交換を促すまでの作業時間を示す爪交換時間を算出できるように構成されている。
【0039】
上記判定部11dでは、前記作業情報により取得された前記耕耘爪9を用いた作業時間が前記摩耗度推定部11cにより算出された爪交換時間を超えていると判断された場合には、前記耕耘爪9が所定以上に摩耗しているため交換を促す旨の報知情報を、作業車両側の通信端末3(作業車両側端末3A,ユーザ端末3B)に送信し、作業者にその旨を報知するように構成されている。
【0040】
前記記憶装置12には、前記作業情報受信部11aによって受信された前記作業情報が記憶されるデータ記憶領域である作業情報格納部12aと、前記交換情報受信部11bによって受信された前記交換情報が記憶されるデータ領域である交換情報格納部12bと、予めインストール又はネットワークを介して取得した作業走行を行う圃場の状態を示す圃場情報が記憶されるデータ領域である圃場データ格納部12cと、を備えている。
【0041】
図5は、通信端末の構成を示すブロック図であり、図6は、通信端末の詳細な構成を示したブロック図である。前記通信端末3は、CPU又はRAM等から構成され且つ各種プログラムの実行によって様々な処理を行うことが可能な制御部31と、各種情報が記憶され且つ本情報処理システムの記憶装置の一部を構成する記憶装置32と、ネットワークを介した通信を可能とする通信インターフェース33と、前記作業車両(走行機体及びロータリ耕耘装置)の稼働情報や位置情報等からなる前記作業情報を取得する作業情報取得部34と、表示手段(報知手段)と操作手段(交換情報取得部)とを有するタッチパネル36と、を備えている。
【0042】
前記制御部31は、前記作業情報取得部34により取得された作業情報をネットワーク2経由で前記管理サーバ1側に送信する作業情報送信部31aと、前記タッチパネル36等を介して前記ロータリ耕耘装置8の耕耘爪9の交換作業が行われたことを示す交換情報をネットワーク2経由で前記管理サーバ1側に送信する交換情報送信部31bと、前記管理サーバ1側からネットワーク2経由で前記耕耘爪9の交換を促す情報を受信する報知情報受信部31cとを有している。
【0043】
上記作業情報としては、前記走行機体7の車速と、エンジンの回転数と、耕耘作業時の耕耘深さと、前記PTO軸54の回転数と、前記ロータリ耕耘装置8の昇降高さのデータが含まれている。また、上記交換情報としては、前記耕耘爪9の交換作業を行った日時、交換回数、交換した耕耘爪の種類等のデータ等が含まれている。
【0044】
なお、上述の例では、作業者が前記タッチパネル36を介して耕耘爪9の前記交換情報を入力することにより、前記交換情報を取得できるように構成したが、前記ロータリ耕耘装置8が前記耕耘爪9の交換作業を自動的に取得し、前記交換情報を自動的に前記管理サーバ1側に送信されるように構成しても良い。
【0045】
前記タッチパネル36は、前記交換情報を入力する入力手段として機能するとともに、前記管理サーバ1側の前記報知部により前記耕耘爪9が交換時期を経過した旨の情報を受信した場合に、画像や音等によって作業者に耕耘爪9の交換を促す旨を報知する出力手段としても機能するように構成されている。
【0046】
ちなみに、前記通信端末3は、図1及び図6に示されるように、作業車両6側に搭載された作業機側端末3Aと、作業者が用いる情報端末であるユーザ端末3Bとから構成されても良い。
【0047】
この場合、前記作業機側端末3Aの制御部の入力側には、前記作業情報取得部34に相当する構成として、前記走行機体の車速を検出する車速センサ61と、前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転センサ62と、前記ロータリ耕耘装置8による耕耘作業時の耕耘深さを検出する耕耘深さセンサ63と、前記PTO軸の回転数を検出するPTO回転センサ64と、前記ロータリ耕耘装置の昇降高さを検出するリフトアームセンサ66と、前記タッチパネル36等の上に設けられる入力部であるパネルスイッチ67と、GPS等の位置情報取得装置(図示しない)とが接続されている。
【0048】
また、該作業機側端末3Aの制御部の出力側には、前記キャビン内等で確認できるように設けられたモニタ等からなる表示装置(報知手段)68が接続されている。
【0049】
さらに、該作業機側端末の制御部は、上述の各種センサによって取得された作業情報をネットワーク経由で前記管理サーバ側に送信する通信部33Aが設けられている。
【0050】
前記ユーザ端末3Bは、表示手段(報知手段)と操作手段(交換情報取得部)とを有する前記タッチパネル36と、ネットワークを介した通信を可能とする通信インターフェース33Bとを有し、作業者が有するユーザ端末3Bから前記交換情報の入力・送信や、耕耘爪の交換を促す報知情報の出力とを行うことができる。
【0051】
ちなみに、該ユーザ端末3Bは、前記作業車両によって圃場の耕耘作業を行う際の、作業経路をネットワーク経由で受信し、作業経路に沿って作業走行できているかをリアルタイムで確認する経路管理機能を実装しても良い。
【0052】
図7は、販売側端末の構成を示すブロック図である。前記販売側端末4は、CPU又はRAM等から構成され且つ各種プログラムの実行によって様々な処理を行うことが可能な制御部41と、各種情報が記憶され且つ本情報処理システムの記憶装置の一部を構成する記憶装置42と、ネットワークを介した通信を可能とする通信インターフェース43と、モニタ等からなる出力部44と、入力操作や選択操作を行うキーボード等である入力部46とを備えている。
【0053】
前記制御部41は、前記通信端末3側のタッチパネル36等を介して入力されて前記交換情報送信部31bにより送信された前記交換情報をネットワーク2経由で受信する交換情報受信部41aを有している。
【0054】
前記記憶装置42は、前記交換情報受信部41aによって受信された前記交換情報が記憶されるデータ記憶領域である交換情報格納部42aを有している。
【0055】
該構成によれば、前記耕耘爪9の販売店は、特定の作業車両を使用している顧客が、前記耕耘爪9の交換作業を行ったことをすぐに知ることができるため、前記耕耘爪9の在庫の確保や新しい耕耘爪の販売をよりスムーズに行うことができる。
【0056】
次に、上述の情報処理システムによって実行される耕耘爪摩耗診断制御の処理フローについて説明する。図8は、耕耘爪摩耗診断制御の処理フロー図である。
【0057】
耕耘爪摩耗診断制御の処理フローが開始されると、ステップS1に進む。ステップS1では、前記作業情報取得部34(制御部31A)により取得された前記PTO軸の稼働時間(前記ロータリ耕耘装置8の駆動時間)の情報を受信し、ステップS2に進む。ステップS2では、前記PTO回転64センサにより取得された前記PTO軸の回転数の情報を受信し、ステップS3に進む。ステップS3では、前記耕耘深さセンサ63により取得された耕耘作業中の前記ロータリ耕耘装置の耕耘深さの情報を受信し、ステップS4に進む。ステップS4では、前記リフトアームセンサ66により取得した前記ロータリ耕耘装置の昇降高さの情報を受信し、ステップS5に進む。ステップS5では、各種センサや前記パネルスイッチによるモード切替操作等からロータリ耕耘装置(作業機)の作業状態の情報を受信し、ステップS6に進む。ステップS6では、前記車速センサ61により取得された前記走行機体の車速データを受信し、ステップS7に進む。
【0058】
すなわち、ステップS1~S6では、前記作業情報取得部34により取得された様々な前記作業情報が、前記作業情報送信部31aによってネットワーク2経由で前記管理サーバ1側に送信され、該管理サーバ1側の前記作業情報受信部11aにより受信された前記作業情報が、前記記憶装置12の前記作業情報格納部12aに記憶する処理が実行される。
【0059】
ステップS7では、前記交換情報格納部12bに記憶された前記交換情報から、前記ロータリ耕耘装置8に取付けられた前記耕耘爪9の交換が初めてか否かが確認され、前記耕耘爪9の交換が初めてであった場合にはステップS8に進む。
【0060】
ステップS8では、前記摩耗度推定部11cにより、前記作業情報に基づいて、前記耕耘爪9の摩耗度を推定(演算)し、ステップS9に進む。
【0061】
ステップS9では、前記摩耗度推定部11cにより推定された前記耕耘爪9の摩耗度に基づいて、耕耘爪9を交換が促されるまでの作業時間である爪交換時間が算出され、ステップS10に進む。
【0062】
ちなみに、初回の爪交換前であるステップS9では、爪交換を促す報知が実行された後から爪交換が実施されるまでの間の場合には、推定された爪の摩耗度に基づいて再報知までの時間を新たな爪交換時間として算出し、爪交換が実施されるまでの間、所定間隔で爪交換を促す報知(再報知)を繰返し実行するように構成されている。
【0063】
ステップS10では、前記判定部11dよって、前記作業情報記憶部12aから取得された耕耘爪9による作業時間が前記爪交換時間を超えているか否かが確認され、前記耕耘爪9による作業時間が前記爪交換時間を超過していることが検出された場合には、ステップS11に進む。
【0064】
ステップS11では、前記管理サーバ1側の前記報知部11eにより、前記作業車両側の通信端末3(3A,3B)に接続された前記表示装置38やタッチパネル36を介して、作業者に対して、前記耕耘爪9が交換時期を迎えていることを報知し、ステップS12に進む。このとき、前記管理サーバ1は、前記表示装置38を介して、前記耕耘爪9の交換を促すとともに、前記耕耘爪9の交換作業を実施したか否かを確認する入力画面を表示するように構成しても良い。
【0065】
ステップS12では、前記管理サーバ1が前記交換情報格納部12bに記録された前記交換情報から、作業者による前記耕耘爪9の交換作業の実施がされたか否かが確認され、前記耕耘爪9の交換作業が実施された場合には、ステップS13に進む。
【0066】
ステップS13では、耕耘爪9の交換が実行されたことにより、前記爪交換延期中のフラグがセットされている場合には、該爪交換延期中のフラグをリセットし、ステップS14に進む。
【0067】
ステップS14では、前記作業情報格納部12aから取得された作業情報に基づいて、直前に交換された前記耕耘爪9によって耕耘作業が行われた作業時間を取得し、これを最新の「爪交換時間」に設定し、その後、リターンする。
【0068】
すなわち、前記耕耘爪9の交換作業が2回目以降の場合には、前記作業情報を用いることなく、作業走行を行う圃場に変更がない限りは、簡単且つ高精度に前記爪交換時間を設定することができる。作業走行を行う圃場の条件に大きな変更がある場合には、前記交換情報(耕耘爪を交換した回数)をリセットし、前記作業情報から前記爪交換時間を算出する。
【0069】
ちなみに、前記通信端末3の前記交換情報送信部31bにより、耕耘爪9の交換作業が完了した旨の前記交換情報がネットワーク2経由で前記管理サーバ1側に送信される際には、同様の前記交換情報が、ネットワーク2経由で前記販売側情報端末4に送信されるように構成されている。
【0070】
また、ステップS12において、前記耕耘爪9の交換作業の実施が検出されなかった場合には、ステップS15に進み、「爪交換延期(爪交換継続)」のフラグをセットし、その後、リターンする。
【0071】
また、ステップS10において、前記耕耘爪9を取り付けてからの作業時間(交換時間)が前記爪交換時間を超えていなかった場合には、ステップS16に進む。
【0072】
ステップS16では、前記作業情報格納部12aから取得された更新された作業情報に基づいて、前記報知部11による報知を実行するまでの時間、すなわち、前記爪交換時間を補正し、その後、リターンする。
【0073】
また、ステップS7において、前記耕耘爪9の交換が初回でなかった(耕耘爪9の交換が2回目以降の)場合には、ステップS17に進む。
【0074】
ステップS17では、前記爪交換延期中のフラグがセットされているか否かが確認され、爪交換延期中のフラグが確認されなかった(爪交換時間を超過していなかった)場合には、ステップS18に進む。
【0075】
ステップS18では、前記作業情報格納部12aに記憶された作業情報から、前記ロータリ耕耘装置8による作業時間に変更があったか否かが確認され、作業時間に変更があった場合には、ステップS19に進む。
【0076】
ステップS19では、前記作業情報格納部12bに記憶された作業時間に変更があった場合(耕耘作業が実行された場合)には、前記作業情報格納部12aから取得された最新の前記作業情報に基づいて、前記耕耘爪9の交換が2回目以降の際に設定される前記爪交換時間を補正し、ステップS10に進む。
【0077】
これによれば、耕耘爪9の交換が2回目以降の場合には、直前に交換された前記耕耘爪9が使用された作業時間に基づいて前記爪交換時間が設定されているが、この爪交換時間が、前記作業時間に変更があった場合(耕耘作業が実行された場合)には、作業状況(前記作業情報)に合わせて補正される。すなわち、前記耕耘爪9がより摩耗し易い環境で耕耘作業が実行された場合には、前記爪交換時間がより短くなるように補正され、前記耕耘爪9がより摩耗し難い環境で耕耘作業が実行された場合には、前記爪交換時間がより長くなるように補正される。
【0078】
また、ステップS18において、前記ロータリ耕耘装置8による作業時間に変更がなかった場合には、その後、ステップS10に進む。
【0079】
また、ステップS17において、爪交換延期中のフラグが確認された場合には、ステップS20に進む。
【0080】
ステップS20では、前記報知部11e又は前記再報知部11fにより爪交換を促す報知情報が送信されてから、爪交換を再度促す報知を実行するまでの所定時間(再報知時間)が経過したか否かが確認され、直前に行われた爪交換を促す報知情報が送信されてから再報知時間が経過したこと(再報知条件を満たしたこと)が検出された場合には、ステップS21に進む。
【0081】
ステップS21では、前記再報知部11fにより、前記表示装置38又はタッチパネル36等を介して、前記作業者に対して耕耘爪9の交換時期を迎え(超過)していることを再度報知し、ステップS12に進む。なお、ステップS20において、再報知時間が経過したことが検出されなかった場合には、その後、ステップS22に進む。
【0082】
ステップS22では、前記作業情報格納部12aから取得された新たに更新された作業情報に基づいて、前記再報知時間(再報知条件)を補正し、その後、ステップS12に進む。
【0083】
すなわち、前記管理サーバ1は、爪交換が2回目以降の場合においても、前記耕耘爪9の交換を促す報知が行われた後から、前記耕耘爪9の交換が実施されるまでの間に、所定の再報知時間が経過した(再報知条件を満たした)ことが検出された場合には、再報知条件を満たす度に、前記表示装置38等によって前記耕耘爪9の交換を促す再報知が繰り返し行われるように構成されている。
【符号の説明】
【0084】
1 管理サーバ
3 通信端末
4 販売側情報端末
6 作業車両
8 ロータリ耕耘装置
9 耕耘爪
11a 作業情報受信部
11b 交換情報受信部
11c 摩耗度推定部
11d 判定部
11e 報知送信部(報知部)
11f 再報知送信部(再報知部)
12 記憶装置
12c 圃場データ格納部
34 作業情報取得部、位置情報取得部
36 タッチパネル(交換情報取得部、報知手段)
68 表示装置(報知手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8