(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】電気部品配線構造
(51)【国際特許分類】
H01R 31/02 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
H01R31/02 A
(21)【出願番号】P 2020119081
(22)【出願日】2020-07-10
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】安藤 宏紀
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-257054(JP,A)
【文献】特開2009-259648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源から供給される電力により作動する複数の電気部品と、
前記主電源と前記複数の電気部品との間を電気的に接続する複数のケーブルと、
を備え、
前記複数の電気部品は、前記主電源側から電力が入力される部品入力部と、前記部品入力部に入力された電力を出力する部品出力部とを有し、
前記複数のケーブルは、一端側に設けられ前記部品入力部に電気的に接続されるケーブル出力部と、他端側に設けられ前記主電源又は前記部品出力部に電気的に接続されるケーブル入力部とを有し、
前記部品入力部と前記ケーブル入力部とは、開口部を有するオスハウジングと、前記オスハウジングに収容され前記開口部に向けて突出して配置されたオス端子とを有するオスコネクタからなり、
前記部品出力部と前記ケーブル出力部とは、前記開口部から前記オスハウジング内に嵌合可能なメスハウジングと、前記メスハウジングに収容され前記オス端子が内部に挿入され前記オス端子と電気的に接続されるメス端子とを有するメスコネクタからな
り、
前記部品出力部と前記ケーブル入力部とは、前記電気部品の外面に沿って嵌合され、
前記部品出力部のメスハウジングは、前記電気部品の外面から離れる高さ方向に向けて立設されて前記電気部品に固定される固定部と、前記固定部と連続する一部材で形成され且つ前記電気部品の外面に沿った方向に延設されて前記ケーブル入力部のオスハウジング内に嵌合可能な嵌合部とを有し、
前記固定部には、前記高さ方向に貫通した固定穴が設けられ、
前記固定部が前記電気部品の外面に配置された状態で、ボルトが前記固定穴に挿通され且つ前記電気部品に対して締結されて、前記固定部が前記電気部品に固定され、
前記電気部品の外面と前記嵌合部の外面との間には、前記ケーブル入力部のオスハウジングを挿入可能な隙間が形成されている、
電気部品配線構造。
【請求項2】
前記
固定部が前記電気部品の外面に配置された状態で、前記ボルトが前記固定穴に締結され且つ前記電気部品に対して締結されて、前記固定部が前記電気部品に固定される、
請求項1に記載の電気部品配線構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気部品配線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気部品配線構造としては、主電源から供給される電力により作動する複数の電気部品としての照明器具と、主電源と複数の照明器具との間を電気的に接続する複数のケーブルとを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この電気部品配線構造では、複数の照明器具に、主電源側から電力が入力される部品入力部と、部品入力部に入力された電力を出力する部品出力部としての上下2段のオスコネクタが設けられている。また、複数のケーブルの両端側には、上下2段のオスコネクタのいずれか一方に電気的に接続される平型メスコネクタが設けられている。
【0004】
このような電気部品配線構造では、例えば、ケーブルの一端の平型メスコネクタが主電源に電気的に接続される。このケーブルの他端の平型メスコネクタは、照明器具の上下2段のオスコネクタのいずれか一方に電気的に接続される。この照明器具の他方のオスコネクタには、他のケーブルの一端の平型メスコネクタが電気的に接続される。この他のケーブルの他端の平型メスコネクタは、隣り合う照明器具の上下2段のオスコネクタのいずれか一方に電気的に接続される。
【0005】
このように主電源と複数の照明器具とは、複数のケーブルを介して電気的に接続され、主電源から複数の照明器具に電力が供給される。この照明器具とケーブルとの電気的な接続は、互いに設けられたコネクタによって行われている。このように照明器具とケーブルとをコネクタによって電気的に接続することにより、建物の天井などにおける配線作業性を向上することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1のような電気部品配線構造では、電気部品の部品入力部と部品出力部とがオスコネクタとなっており、ケーブルのケーブル入力部とケーブル出力部とがメスコネクタとなっている。
【0008】
オスコネクタは、開口部から内部にメスコネクタを嵌合可能なオスハウジングと、オスハウジングに収容され開口部に向けて突出して配置されたオス端子とを有する。このオスコネクタは、例えば、配線作業を行う作業者が、オスハウジングの開口部からオス端子と接触する可能性がある。このため、電気部品が主電源に電気的に接続されてオス端子に電気が流れている場合、電気部品のオスコネクタとケーブルのメスコネクタとを嵌合させるときに、作業者が感電する危険性があった。
【0009】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、感電することなく、配線作業性を向上することができる電気部品配線構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本実施形態に係る電気部品配線構造は、主電源から供給される電力により作動する複数の電気部品と、前記主電源と前記複数の電気部品との間を電気的に接続する複数のケーブルと、を備え、前記複数の電気部品は、前記主電源側から電力が入力される部品入力部と、前記部品入力部に入力された電力を出力する部品出力部とを有し、前記複数のケーブルは、一端側に設けられ前記部品入力部に電気的に接続されるケーブル出力部と、他端側に設けられ前記主電源又は前記部品出力部に電気的に接続されるケーブル入力部とを有し、前記部品入力部と前記ケーブル入力部とは、開口部を有するオスハウジングと、前記オスハウジングに収容され前記開口部に向けて突出して配置されたオス端子とを有するオスコネクタからなり、前記部品出力部と前記ケーブル出力部とは、前記開口部から前記オスハウジング内に嵌合可能なメスハウジングと、前記メスハウジングに収容され前記オス端子が内部に挿入され前記オス端子と電気的に接続されるメス端子とを有するメスコネクタからなる。
【0011】
前記部品出力部と前記ケーブル入力部とは、前記電気部品の外面に沿って嵌合され、前記部品出力部のメスハウジングは、前記電気部品に固定される固定部と、前記固定部と連続する一部材で形成され前記ケーブル入力部のオスハウジング内に嵌合可能な嵌合部とを有し、前記電気部品の外面と前記嵌合部の外面との間には、前記ケーブル入力部のオスハウジングを挿入可能な隙間が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、感電することなく、配線作業性を向上することができる電気部品配線構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係る電気部品配線構造の概略図である。
【
図2】本実施形態に係る電気部品配線構造の部品入力部とケーブル出力部との断面図である。
【
図3】本実施形態に係る電気部品配線構造の部品出力部とケーブル入力部との断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本実施形態に係る電気部品配線構造について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0015】
本実施形態に係る電気部品配線構造1は、主電源から供給される電力により作動する複数の電気部品3と、主電源と複数の電気部品3との間を電気的に接続する複数のケーブル5とを備えている。
【0016】
また、複数の電気部品3は、主電源側から電力が入力される部品入力部7と、部品入力部7に入力された電力を出力する部品出力部9とを有する。さらに、複数のケーブル5は、一端側に設けられ部品入力部7に電気的に接続されるケーブル出力部11と、他端側に設けられ主電源又は部品出力部9に電気的に接続されるケーブル入力部13とを有する。
【0017】
そして、部品入力部7とケーブル入力部13とは、開口部15を有するオスハウジング17と、オスハウジング17に収容され開口部15に向けて突出して配置されたオス端子19とを有するオスコネクタ21からなる。また、部品出力部9とケーブル出力部11とは、開口部15からオスハウジング17内に嵌合可能なメスハウジング23を有する。さらに、メスハウジング23に収容されオス端子19が内部に挿入されオス端子19と電気的に接続されるメス端子25を有するメスコネクタ27からなる。
【0018】
また、部品出力部9とケーブル入力部13とは、電気部品3の外面に沿って嵌合される。さらに、部品出力部9のメスハウジング23は、電気部品3に固定される固定部29と、固定部29と連続する一部材で形成されケーブル入力部13のオスハウジング17内に嵌合可能な嵌合部31とを有する。そして、電気部品3の外面と嵌合部31の外面との間には、ケーブル入力部13のオスハウジング17を挿入可能な隙間Sが形成されている。
【0019】
図1~
図3に示すように、電気部品3は、例えば、建物の天井に配置される照明器具からなる。この電気部品3は、天井に複数配置され、建物に設置された給電装置などの主電源(不図示)から供給される電力によって作動、すなわち点灯及び消灯する。このような電気部品3の内部には、電子部品が搭載された回路基板(不図示)などが収容されており、その作動が制御されている。この電気部品3には、内部の回路基板などに電気的に接続された部品入力部7と、部品出力部9とが設けられている。
【0020】
図2に示すように、部品入力部7は、オスハウジング17と、オス端子19とを有するオスコネクタ21からなる。
【0021】
オスハウジング17は、合成樹脂などの絶縁性材料からなり、電気部品3の外面に沿って延設されている。このオスハウジング17は、メスコネクタ27との嵌合面側にメスコネクタ27を挿入可能な開口部15が設けられ、内部にメスコネクタ27を嵌合可能に筐体状に形成されている。このようなオスハウジング17は、サドルなどの固定部材(不図示)を介して電気部品3の外面に固定される。なお、オスハウジング17は、ボルトなどの固定部材によって直接的に電気部品3に固定してもよく、係合手段などによって電気部品3に固定してもよい。
【0022】
オス端子19は、導電性材料からなり、オスハウジング17の内部に収容されている。このオス端子19には、オスハウジング17の外面から電気部品3側に向けて露出される部品接続部(不図示)が設けられている。この部品接続部は、電気部品3に形成された端子接続部(不図示)に挿入され、電気部品3の内部の回路基板などに電気的に接続される。また、オス端子19には、オスハウジング17の内部の底面から開口部15に向けて突出して配置されるオス電気接続部33が設けられている。このオス電気接続部33は、オスコネクタ21とメスコネクタ27とが嵌合することにより、メス端子25に挿入されてメス端子25と接触し、オス端子19とメス端子25とを電気的に接続させる。
【0023】
図3に示すように、部品出力部9は、メスハウジング23と、メス端子25とを有するメスコネクタ27からなる。
【0024】
メスハウジング23は、合成樹脂などの絶縁性材料からなり、固定部29と、嵌合部31とを有する。固定部29は、電気部品3の外面から高さ方向に向けて立設されている。この固定部29には、高さ方向に貫通し、内面がねじ形状に形成された固定穴35が設けられている。このような固定部29は、電気部品3の外面に配置された状態で、固定穴35にボルト37が締結され、メスハウジング23を電気部品3に固定させる。このようにメスハウジング23に固定部29を設けることにより、サドルなどの固定部材を用いる必要がなく、部品点数を削減することができる。
【0025】
嵌合部31は、固定部29と連続する一部材で形成され、電気部品3の外面に沿って延設されている。この嵌合部31は、オスコネクタ21との嵌合面側にオス端子19のオス電気接続部33を挿入可能な挿入開口39が設けられ、オスハウジング17の内部に嵌合可能に筐体状に形成されている。このような嵌合部31は、電気部品3の外面に沿って開口部15からオスハウジング17の内部に嵌合し、挿入開口39からオス端子19のオス電気接続部33が内部に挿入される。
【0026】
メス端子25は、導電性材料からなり、メスハウジング23の内部に収容されている。このメス端子25には、メスハウジング23の外面から電気部品3側に向けて露出される部品接続部(不図示)が設けられている。この部品接続部は、電気部品3に形成された端子接続部(不図示)に挿入され、電気部品3の内部の回路基板などに電気的に接続される。また、メス端子25には、嵌合部31の内面に配置されるメス電気接続部41が設けられている。このメス電気接続部41は、オスコネクタ21とメスコネクタ27とが嵌合することにより、挿入開口39から挿入されたオス電気接続部33と接触し、オス端子19とメス端子25とを電気的に接続させる。なお、メス電気接続部41を、弾性変形可能に形成し、オス電気接続部33と弾性的に接触させてもよい。
【0027】
このような部品入力部7と部品出力部9とは、部品入力部7がケーブル5を介して主電源側に電気的に接続され、部品出力部9がケーブル5を介して隣り合う電気部品3に電気的に接続される。
【0028】
図1~
図3に示すように、ケーブル5は、例えば、天井の裏側に配索される。このケーブル5は、主電源と複数の電気部品3との間に複数配索され、主電源と複数の電気部品3とを電気的に接続し、主電源からの電力を複数の電気部品3に供給する。このようなケーブル5の両端側には、ケーブル5に電気的に接続されたケーブル出力部11と、ケーブル入力部13とが設けられている。
【0029】
図2に示すように、ケーブル出力部11は、ケーブル5の一端側に設けられ、メスハウジング23と、メス端子25とを有するメスコネクタ27からなる。このケーブル出力部11において、メスハウジング23は、嵌合部31(
図3参照)のみを有するように、電気部品3の外面に沿って延設された筐体状に形成されている。また、メス端子25は、ケーブル5の端末部に電気的に接続され、メスハウジング23内に収容されている。このようなケーブル出力部11としてのメスコネクタ27は、部品入力部7としてのオスコネクタ21に嵌合される。この嵌合により、メス端子25とオス端子19とが接触し、ケーブル5と電気部品3とが電気的に接続される。
【0030】
図3に示すように、ケーブル入力部13は、ケーブル5の他端側に設けられ、オスハウジング17と、オス端子19とを有するオスコネクタ21からなる。このケーブル入力部13において、オス端子19は、ケーブル5の端末部に電気的に接続され、オスハウジング17内に収容されている。このようなケーブル入力部13としてのオスコネクタ21は、部品出力部9としてのメスコネクタ27に嵌合される。この嵌合によりオス端子19とメス端子25とが接触し、ケーブル5と電気部品3とが電気的に接続される。
【0031】
このように構成された電気部品配線構造1では、まず、ケーブル5のケーブル入力部13としてのオスコネクタ21を、主電源に電気的に接続させる。なお、主電源のコネクタは、一般的に、外部にメス端子25の露出がないメスコネクタ27となっている。このため、作業者が、主電源からの電気が流れるメス端子25に接触することがなく、感電することがない。
【0032】
次に、ケーブル5のケーブル出力部11としてのメスコネクタ27を、電気部品3の部品入力部7としてのオスコネクタ21に嵌合させる。このとき、主電源からの電気が流れるケーブル出力部11は、外部にメス端子25の露出がないメスコネクタ27となっている。このため、作業者が、主電源からの電気が流れるメス端子25に接触することがなく、感電することがない。
【0033】
次に、ケーブル5のケーブル入力部13としてのオスコネクタ21を、主電源に電気的に接続された電気部品3の部品出力部9としてのメスコネクタ27に嵌合させる。このとき、主電源からの電気が流れる部品出力部9は、外部にメス端子25の露出がないメスコネクタ27となっている。このため、作業者が、主電源からの電気が流れるメス端子25に接触することがなく、感電することがない。
【0034】
このように主電源からの電気が流れている可能性がある部品出力部9とケーブル出力部11とを外部にメス端子25の露出がないメスコネクタ27とすることにより、作業者がメス端子25と接触することがなく、感電を防止することができる。また、主電源と複数の電気部品3とのケーブル5を介した電気的な接続は、コネクタ接続であるので、配線作業性を向上することができる。加えて、電気部品3とケーブル5とを別体で取り扱うことができ、電気部品3とケーブル5とが一体に設けられているときのように、電気部品3の梱包が大型化することがない。
【0035】
ここで、部品出力部9としてのメスコネクタ27と、ケーブル入力部13としてのオスコネクタ21との嵌合は、電気部品3の外面に沿って行われている。また、メスコネクタ27とオスコネクタ21との嵌合では、メスハウジング23の嵌合部31がオスハウジング17の内部に収容されるように嵌合する。このため、メスハウジング23の嵌合部31の外面が電気部品3の外面に当接している場合、嵌合部31をオスハウジング17内に挿入することができず、メスコネクタ27とオスコネクタ21とが嵌合できない。
【0036】
メスコネクタ27とオスコネクタ21とを嵌合させるために、嵌合部31を電気部品3の外面から張り出させ、嵌合部31をオスハウジング17内に嵌合させることが考えられる。しかしながら、この嵌合構造では、メスコネクタ27が電気部品3から張り出してしまい、電気部品3が大型化してしまう。また、電気部品3から張り出したメスコネクタ27が、周辺部材と干渉し、メスコネクタ27が損傷する可能性がある。
【0037】
一方、メスコネクタ27とオスコネクタ21とを嵌合させるために、嵌合部31の外面と電気部品3の外面との間にスペーサなどを介在させ、嵌合部31の外面と電気部品3の外面との間に隙間を形成することが考えられる。しかしながら、この嵌合構造では、スペーサなどの固定と、メスコネクタ27の固定とが必要となり、部品点数や固定作業の工数が増加してしまう。
【0038】
そこで、部品出力部9のメスハウジング23は、上述したように、電気部品3に固定される固定部29と、固定部29と連続する一部材で形成されケーブル入力部13のオスハウジング17内に嵌合可能な嵌合部31とを有する。そして、電気部品3の外面と嵌合部31の外面との間には、ケーブル入力部13のオスハウジング17を挿入可能な隙間Sが形成されている。この隙間Sは、オスハウジング17の肉厚と同等に設定されている。なお、摩擦などによって、嵌合力を増大させないために、オスハウジング17の外面と電気部品3の外面との間に僅かな隙間を有するように、隙間Sを設定してもよい。この場合には、僅かな隙間にケーブル5などが挿入されないようにすることが好ましい。
【0039】
このように隙間Sを形成することにより、メスハウジング23の嵌合部31を電気部品3の外面から張り出させずに、メスコネクタ27とオスコネクタ21とを嵌合することができる。また、スペーサなどの別部材を用いる必要がなく、部品点数や作業工数が増大することがない。
【0040】
このような電気部品配線構造1では、部品入力部7とケーブル入力部13とが、開口部15を有するオスハウジング17と、オスハウジング17に収容され開口部15に向けて突出して配置されたオス端子19とを有するオスコネクタ21からなる。また、部品出力部9とケーブル出力部11とは、開口部15からオスハウジング17内に嵌合可能なメスハウジング23を有する。さらに、メスハウジング23に収容されオス端子19が内部に挿入されオス端子19と電気的に接続されるメス端子25を有するメスコネクタ27からなる。
【0041】
このため、主電源からの電気が流れている可能性がある部品出力部9とケーブル出力部11とを外部にメス端子25の露出がないメスコネクタ27とすることにより、作業者がメス端子25と接触することがなく、感電を防止することができる。また、主電源と複数の電気部品3とのケーブル5を介した電気的な接続は、コネクタ接続であるので、配線作業性を向上することができる。従って、このような電気部品配線構造1では、感電することなく、配線作業性を向上することができる。
【0042】
また、部品出力部9のメスハウジング23は、電気部品3に固定される固定部29と、固定部29と連続する一部材で形成されケーブル入力部13のオスハウジング17内に嵌合可能な嵌合部31とを有する。そして、電気部品3の外面と嵌合部31の外面との間には、ケーブル入力部13のオスハウジング17を挿入可能な隙間Sが形成されている。
【0043】
このため、メスハウジング23の嵌合部31を電気部品3の外面から張り出させずに、メスコネクタ27とオスコネクタ21とを嵌合することができ、電気部品3の大型化を抑制することができる。加えて、メスコネクタ27と周辺部材との干渉を抑制でき、メスコネクタ27の損傷を抑制することができる。また、固定部29は、嵌合部31と連続する一部材で形成されているので、部品点数や作業工数が増大することがない。
【0044】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0045】
例えば、コネクタの嵌合は、電気部品の外面に沿った方向で行われているが、これに限らず、コネクタの嵌合を、電気部品に近接する方向に向けて行ってもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 電気部品配線構造
3 電気部品
5 ケーブル
7 部品入力部
9 部品出力部
11 ケーブル出力部
13 ケーブル入力部
15 開口部
17 オスハウジング
19 オス端子
21 オスコネクタ
23 メスハウジング
25 メス端子
27 メスコネクタ
29 固定部
31 嵌合部
S 隙間