(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】信号制御機のケース
(51)【国際特許分類】
G08G 1/095 20060101AFI20240402BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
G08G1/095 C
H05K5/02 J
(21)【出願番号】P 2020130427
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2023-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104237
【氏名又は名称】鈴木 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】高城 里香
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-173997(JP,A)
【文献】実開昭53-032498(JP,U)
【文献】特開2006-064846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/095
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号灯器を制御する信号制御機の筐体内側に設けられ、筐体外側に取り出し可能な手動スイッチを収納するケースにおいて、
前記ケースに、前記信号制御機で使用する工具の代わりとなる代用品を分離可能に一体に設け
、
前記代用品は複数並べて設けられ、外側の端から順に分離可能であり、
前記代用品は、前記ケースのうち一つの面部に対して同一平面上に連なることを特徴とする信号制御機のケース。
【請求項2】
前記代用品は、手で引きちぎることが可能な分離部を介して連結されていることを特徴とする請求項1に記載の信号制御機のケース。
【請求項3】
前記代用品は、前記ケースと共に樹脂により一体成形されたことを特徴とする請求項1
または2に記載の信号制御機のケース。
【請求項4】
前記代用品は、ドライバーの機能を備えたものであることを特徴とする請求項1,2
または3に記載の信号制御機のケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号灯器を制御する信号制御機の筐体内側に設けられ、筐体外側に取り出し可能な手動スイッチを収納するケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、信号制御機は、例えば特許文献1,2に開示されているように、交差点に設置されており、信号灯器の点灯を予め定められたプログラム通りの周期で自動制御したり、交通管制センターとの通信により、実際の交通量に応じて周期を変えられるものであるが、必要に応じて手動で操作できるように構成されている。
【0003】
信号制御機の手動操作に関しては、例えば信号制御機の筐体の開口面を開閉する外扉の内側に、筐体外側に取り出し可能な手動スイッチを備えるものが一般的であった。手動スイッチは、信号灯器の自動制御に代わって現示(現在の灯色)を手動で切り替えるものであり、通常は外扉の内側に設けられたケース内に、磁石により着脱自在に取り付けられていた。
【0004】
また、筐体の内部には、信号灯器の制御を行うための各種の基板が収納されている。これらの基板の中には、設置時や保守点検時に基板にあるコネクタに対して、専用の工具であるドライバーの刃先を差し込んで作業するものがある。よって、
図9に示すように、信号制御機に、作業者の便宜のためにドライバーAを付帯して出荷する場合があった。ここでドライバーAの付帯は、例えば市販のケーブルクリップBでドライバーAを挟み、クリップBの裏面の両面テープにより、外扉12の裏側のうちケース21傍らに貼り付けることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-221497号公報
【文献】特開昭59-99600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した従来の信号制御機では、専用の工具であるドライバーAを付帯して出荷する場合、市販のドライバーA自体だけでなく、ケーブルクリップBを購入する費用も併せて発生する。また、クリップB自体の貼り付け作業やクリップBでドライバーAを挟む作業も必要となり、余分な作業工数も発生してコストアップの要因となる虞があった。
【0007】
また、ドライバーAの使用時に、クリップBからの着脱に両手を要するなど面倒であった。ところでドライバーAは、あくまで作業者に補助的に供与するものであるから簡便なもので足りる。また工具の取付位置は、外扉12の裏側のうちケース21傍らであったが、仮にケース21を従来の板金から樹脂化する場合、ケース21の設計の自由度が上がるため、簡便な工具をケース21自体に付帯させるような工夫も考えられる。
【0008】
本発明は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、専用の工具を付帯させるための市販品だけでなく工具自体も別途購入する必要がなく、コストや作業工数を低減することができ、必要な工具の機能を簡便に供与することができる信号制御機のケースを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するため、本発明の一態様は、
信号灯器を制御する信号制御機の筐体内側に設けられ、筐体外側に取り出し可能な手動スイッチを収納するケースにおいて、
前記ケースに、前記信号制御機で使用する工具の代わりとなる代用品を分離可能に一体に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る信号制御機のケースによれば、専用の工具を付帯させるための市販品だけでなく工具自体も別途購入する必要がなく、コストや作業工数を低減することができ、必要な工具の機能を簡便に供与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係るケースの内側を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係るケースの外側を示す斜視図である。
【
図3】本実施形態に係るケースを示す正面図である。
【
図4】本実施形態に係るケースを示す背面図である。
【
図5】本実施形態に係るケースを示す右側面図である。
【
図6】本実施形態に係るケースを示す底面図である。
【
図7】本実施形態に係るケースに設けた代用品を分離する状態を示す説明図である。
【
図8】本実施形態に係る代用品とドライバーを比較して示す正面図および左側面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施形態を説明する。
図1~
図8は、本発明の一実施形態を示している。
本実施形態に係る信号制御機10は、交差点等に設置された各信号灯器の主に点灯動作等を制御するものである。なお、信号制御機10について、既に周知な事項の詳細な説明は適宜省略する。また、信号制御機10において、従来品と共通する構成については
図9を参照する。
【0013】
<信号制御機10の概要>
図9に示すように、信号制御機10は、上下方向に長い箱状に形成された筐体11を備え、筐体11の内部に、信号灯器の制御を行うための各種基板として、入出力基板や制御基板、それに電源ユニット等の内部機構が収納されている。筐体11は、例えば板金等の金属で形成されており、正面側が大きく開口している。
【0014】
筐体11の正面側には、開口を覆う外扉12と、その内側の内扉13とが、それぞれ開閉可能に設けられている。内扉13は、開口内枠に収まる状態で上下に2分割され、上下それぞれの一側端が筐体11の開口の一側端に蝶番を介して連結され、蝶番を回動中心として他側端を前方に向けて開くことができる。
【0015】
外扉12は、筐体11の開口外枠に重なる長方形の板状に形成され、その一側端が筐体11の開口の一側端に蝶番を介して連結され、蝶番を回動中心として他側端を前方に向けて開くことができる。外扉12には、施錠可能なロック機構14が設けられている。また、外扉12の内側には、手動操作部20が設けられている。
【0016】
手動操作部20は、信号灯器を自動制御に代わって手動で操作するためのものである。手動操作部20は、外扉12が閉じられた状態でも、外扉12に開設された窓部(図示せず)を通じて、外部から操作できるように構成されている。なお、前記窓部は、通常は施錠可能な蓋板によって外側から閉じられている。
【0017】
<手動操作部20>
図1に示すように、手動操作部20は、前記窓部を通じて外扉12の外側に取り出し可能な手動スイッチ30と、該手動スイッチ30を収納するケース21と、を備えている。手動スイッチ30は、使用者が握って操作するものであり、略円筒形のグリップ本体31の上端に、押下操作するノック式の押ボタン32が出没可能に設けられている。手動スイッチ30は、押ボタン32を押すごとに、対応する信号灯器のステップ(階梯)を手動で進めて現示(現在の灯色)を切り替えるものである。
【0018】
グリップ本体31の外周のうち一側端に沿って、軸方向と平行に延びる平面部位を備えた磁石33が設けられている。この磁石33によって、手動スイッチ30は、次述するケース21の内壁に磁力で着脱可能に取り付けることができる。グリップ本体31の下端部は、伸縮自在な螺旋状のコード34を介して、操作信号を出力可能に内部機構と連結されている。ここでコード34の基端にあるプラグは、レセプタクル37に接続されている。
【0019】
<<ケース21>>
図1に示すように、ケース21は、その正面側が開口した底浅な箱状に形成されている。ケース21は、外扉12の内側において、正面開口が前記窓部に合致するように固定されている。よって、前記窓部の蓋板を開ければ、外扉12の外側からケース21の内部を覗くことができる。このケース21の内壁のうち、正面開口と対向して基準面をなす背面部22に、前記手動スイッチ30は着脱可能に取り付けられており、前記窓部を通じて外部に取り出して操作することができる。
【0020】
詳しく言えばケース21は、その基準面をなす背面部22の四辺より、それぞれ所定高さで立ち上がる周壁をなす各面部として上面部23、下面部24、および両側面部25,26を備えている。上面部23と下面部24には、それぞれ端縁に外扉12の内側に固定するためのフランジ28a,28bが略直角に延設されている。このようなケース21は、次述する収納部27等も含めて全て樹脂により一体成形されている。
【0021】
ケース21の一方の側面部25側には、手動スイッチ30とは別の各種スイッチ35,36等を収納するために、正面側が開口して区画された小空間をなす収納部27が一体的に設けられている。収納部27の内側には、動作切替スイッチ35、現示切替スイッチ36、手動スイッチ30のコード34を接続するレセプタクル37、これらの配線を接続するコネクタ38等が収納されている。
【0022】
<<代用品50>>
ケース21の下面部24側のフランジ28bには、信号制御機10で使用する工具の代わりとなる代用品50が分離可能に一体に設けられている。ここで信号制御機10で使用する工具とは、例えば
図8(b)に示すドライバーAであるが、JIS規格でサイズが定められている一般のタイプよりも小さいサイズの精密ドライバーの類いである。
【0023】
図8(b)に示すように、ドライバーAは、操作する手で握るグリップA1と、グリップA1の先端より軸方向に延びる軸A2とを備えている。一般にドライバーは、軸の先端の形状により、プラスドライバーとマイナスドライバーとに分類されるが、本実施形態のドライバーAは、精密ドライバーのうちマイナスドライバーに相当するものである。
【0024】
信号制御機10におけるドライバーAの使用は、例えば筐体11の内部に収納された入出力基板や制御基板において、当該基板上にあるコネクタに差し込むことで、設置時や保守点検時に必要な作業を行うことである。すなわち、信号制御機10で使用するドライバーAには、ネジを締め付けたり緩めたりする本来の機能は必要なく、本来の機能に必要な剛性や強度は不要となる。よって、代用品50は、このようなドライバーAの代わりに補助的に使用できれば足り、金属でなくても先の細い軸を備えた樹脂の成形品で足りる。
【0025】
図8(a)に示すように、代用品50は樹脂の成形品であり、その形状はドライバーAを模している。すなわち、代用品50は、グリップA1の平面視の形状で扁平な板厚の把持部52の先端より軸方向に延びる軸53を備えている。ここで軸53は、ドライバーAの軸A2とほぼ同様の構成(長さや外径)であり、先端にはマイナスドライバーの刃先が設けられている。
【0026】
図1および
図8(a)に示すように、代用品50は、把持部52の一側縁に沿って設けられた分離部51を介して、フランジ28bの端縁または他の代用品50の把持部52の他側縁に連結されている。ここで分離部51は、把持部52の板厚より薄肉に形成された部位であり、把持部52の側縁の全長に亘る必要はなく、例えば2箇所に間隔を開けて設けられている。このような分離部51は、手でも容易に引きちぎることが可能となっている。
【0027】
図1に示すように、代用品50は複数並べて設けられており、最初の一つがフランジ28bの端縁に沿って分離部51を介して連結され、最も外側の端のものから順に分離可能となっている。本実施形態では、5つの代用品50が、互いに軸心が平行な状態で同一平面上に並ぶように設けられている。各代用品50は、ケース21のうち一つの面部であるフランジ28bに対して同一平面上に連なっている。このような代用品50は、ケース21と共に樹脂により一体成形されている。
【0028】
<<取付板40>>
また、ケース21を樹脂で成形したことにより、そのままでは背面部22に手動スイッチ30の磁石33を付けることはできない。よって、
図1に示すように、背面部22の内壁に沿って、磁石33を付けるための取付板40が設けられている。ここで取付板40は、本実施形態では、手動スイッチ30や各種スイッチ35,36の操作説明を文字やピクトグラム等で記した「表示銘板」を兼ねている。
【0029】
取付板40は、矩形の平板状の薄いプレートからなり、その材質は磁石33が付く磁性材料である鉄等の板金である。取付板40の大きさは、手動スイッチ30を取り付ける箇所の周囲に、表示銘板としての文字等を記せるスペースを確保できる程度に設定されている。また、ケース21の背面部22に対する取付板40の取り付けは、例えばネジ等を用いることなく、両面テープや接着剤等により簡単に固定することができる。また、背面部22には、取付板40の取り付け時に仮止めできる構造22aを設けると良い。
【0030】
取付板40の表面上には、例えば手動スイッチ30を取り付ける箇所で、その形状の縁取りの内側に「手動押ボタン取付位置」等と記されている。取付板40は、ケース21内側で収納部27に隣接するように配置され、取付板40の表面には、前記「手動押ボタン取付位置」の正面視右側に、その側方で上下に並ぶ各種スイッチ35,36の動作説明も併せて記されている。なお、取付板40に対する文字等の表記は、直接印刷しても良く、あるいは別途印刷したラベルを貼り付けても良い。
【0031】
ちなみに、取付板40の表面上で、動作切替スイッチ35のトグル式可動子35aが重なる位置には、このスイッチ35による動作切り替えとして、可動子35aが下向きであれば、通常の自動モードであり、可動子35aを上向きとすれば、手動スイッチ30の操作が可能な手動モードに切り替わる説明が記されている。
【0032】
また、取付板40の表面上で、現示切替スイッチ36のトグル式可動子36aが重なる位置には、このスイッチ36による現示(現在の灯色)の切り替えとして、可動子36aが下向きであれば、通常の標準モードであり、可動子36aを上向きとすれば、いわゆる特Iモードに切り替わる説明が記されている。なお、「手動押ボタン取付位置」の正面視左側には、手動スイッチ30による手動操作が終了した後は、動作切替スイッチ35を元の自動モードに戻す旨の注意書きも記されている。
【0033】
<手動操作部20の作用について>
次に、本実施形態に係る信号制御機10における手動操作部20の作用を説明する。
手動操作部20の主たる構成のケース21は、基本的には樹脂により一体成形する。ケース21を樹脂で成形することにより、従来の板金製に比べて重量を低減することができるだけでなく、複雑な形状であっても比較的容易に成形することができ、量産も可能となり、大幅にコストを低減することができる。
【0034】
このように、ケース21を樹脂化した場合には、ケース21の設計の自由度が上がるため、ドライバーAの代わりとなる代用品50をケース21自体に一体に設けることも可能となる。従って、本実施形態のように、代用品50をケース21の下面部24側のフランジ28bに予め一体に設けたことにより、従来のドライバーAやこれを付帯させるケーブルクリップB等の市販品を別途購入して後付けする必要がなく、コストや作業工数を低減することができる。また、代用品50により、必要なドライバーAの機能を簡便に供与することが可能となる。さらに、代用品50は、フランジ28bと同じ方向に型抜き可能であり、簡易な金型によりいっそう容易に一体成形することができる。
【0035】
図7に示すように、代用品50は複数並べて設けられており、使用する時は外側の端から順に分離すれば良い。各代用品50は、それぞれ分離部51を介して連結されており、ハサミ等の道具を使わずに、手で引きちぎるだけで容易に分離することができる。代用品50は複数用意されており、1回に限らず複数回使用することが可能である。ここで各代用品50は、外側の端から順に分離するため、残りの代用品50は、そのままケース21に一体に留めておくことができ、次回の使用に供することが可能となる。
【0036】
なお、ケース21を樹脂で成形すると、手動スイッチ30を磁石33で簡単に付けることができなくなる。よって、取付板40を、手動スイッチ30が磁力で着脱可能な磁性材料から形成することで、樹脂製のケース21内でも手動スイッチ30の磁石33を着脱させることができる。ケース21の背面部22に取付板40を設けるには、前述したように、ネジ等を用いることなく、例えば両面テープや接着剤等により簡単に固定することができる。
【0037】
<本発明の構成と作用効果>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態から導かれる本発明について、以下に説明する。
【0038】
[1]先ず、本発明は、
信号灯器を制御する信号制御機10の筐体11内側に設けられ、筐体11外側に取り出し可能な手動スイッチ30を収納するケース21において、
前記ケース21に、前記信号制御機10で使用する工具Aの代わりとなる代用品50を分離可能に一体に設けたことを特徴とする。
【0039】
このように、工具Aの代わりの代用品50をケース21に予め一体に設けたことにより、従来の工具Aやこれを付帯させるケーブルクリップB等の市販品を別途購入して後付けする必要がなく、コストや作業工数を低減することができる。また、代用品50により、信号制御機10で必要な工具Aの機能を簡便に供与することが可能となる。
【0040】
[2]また、本発明では、
前記代用品50は、手で引きちぎることが可能な分離部51を介して連結されていることを特徴とする。
【0041】
これにより、代用品50は、ハサミ等の道具を使わずに、手で引きちぎるだけで容易に分離することができる。
【0042】
[3]また、本発明では、
前記代用品50は複数並べて設けられ、外側の端から順に分離可能であることを特徴とする。
【0043】
これにより、代用品50は、1回に限らず複数回使用することが可能であり、外側の端から順に分離するため、残りの代用品50は、そのままケース21に一体に留めておくことができ、次回の使用に供することが可能となる。
【0044】
[4]また、本発明では、
前記代用品50は、前記ケース21と共に樹脂により一体成形されたことを特徴とする。
【0045】
これにより、代用品50は、ケース21を樹脂で一体成形する時に、一緒に一体に設けることが可能となり、従来の金属製のケースやドライバーに比べて重量を低減することができるだけでなく、複雑な形状であっても比較的容易に成形することができ、量産も可能となり、大幅にコストを低減することができる。
【0046】
[5]また、本発明では、
前記代用品50は、前記ケース21のうち一つの面部に対して同一平面上に連なることを特徴とする。
【0047】
これにより、代用品50は、ケース21の一つの面部と同じ方向に型抜き可能となり、簡易な金型により樹脂からよりいっそう容易に一体成形することができる。なお、代用品50を取り付けるケース21の一つの面部は、本実施形態のフランジ28bの端縁に限定されるものではない。代用品50は、ケース21の他の面部において、配置スペースがある箇所であれば、どこに設けても良い。
【0048】
[6]さらに、本発明では、
前記代用品50は、ドライバーAの機能を備えたものであることを特徴とする。
【0049】
これにより、代用品50は、ドライバーAの代わりとして信号制御機10で使用することができる。ここで代用品50は、あくまでドライバーAの代わりとして補助的に使用されるものであり、例えば工具A本来に必要な強度や剛性等は必ずしも必要ではない。
【0050】
以上、実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、信号制御機10のほか、ケース21、代用品50等の具体的な形状は図示したものに限定されることはない。
【0051】
また、代用品50の機能は、ドライバーAの用途に限定されるものではない。信号制御機10に使用する工具は、必ずしもドライバーAに限定されるものではなく、他の工具を使用する場合には、代用品50は、この別の工具の機能を備えたものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、信号灯器を制御するための信号制御機に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
10…信号制御機
11…筐体
12…外扉
13…内扉
20…手動操作部
21…ケース
22…背面部
23…上面部
24…下面部
25…側面部
26…側面部
27…収納部
30…手動スイッチ
40…取付板
50…代用品
51…分離部
52…把持部
53…軸