(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】サーモバルブ及びサーモバルブ連結体
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20240402BHJP
F16K 31/68 20060101ALI20240402BHJP
F01P 7/16 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
F16K27/00 B
F16K31/68 Q
F01P7/16 502D
(21)【出願番号】P 2020190117
(22)【出願日】2020-11-16
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000228741
【氏名又は名称】日本サーモスタット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】矢島 勲泰
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】実公昭58-1626(JP,Y2)
【文献】実開平2-4927(JP,U)
【文献】国際公開第2019/093060(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 27/00-27/12
F16K 31/64-31/72
F01P 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却液が流通する一の流路が形成されたハウジングと、
冷却液の温度を感知する温度感知部を含み、冷却液の温度に応じて一の流路を開閉する、前記ハウジング内部に収容されたサーモエレメントと、
前記ハウジングに形成された、他のサーモバルブに取付けられる連結部と、
を有する、
ことを特徴とするサーモバルブ。
【請求項2】
冷却液が流通する一の流路が形成されたハウジングと、
冷却液の温度を感知する温度感知部を含み、冷却液の温度に応じて一の流路を開閉する、前記ハウジング内部に収容されたサーモエレメントと、
前記ハウジングに形成された、他のサーモバルブに取付けられる連結部と、
を有する一のサーモバルブを備え、
冷却液が流通する一の流路が形成されたハウジングと、
冷却液の温度を感知する温度感知部を含み、冷却液の温度に応じて一の流路を開閉する、前記ハウジング内部に収容されたサーモエレメントと、
前記ハウジングに形成された、一のサーモバルブに取付けられる連結部と、
を有する他のサーモバルブを備え、
前記一のサーモバルブが、ハウジングに形成された連結部によって、他のサーモバルブの連結部に取付けられ、一のサーモバルブと他のサーモバルブが一体に形成されることを特徴とするサーモバルブ連結体。
【請求項3】
冷却液が流通する一の流路が形成されたハウジングと、
冷却液の温度を感知する温度感知部を含み、冷却液の温度に応じて一の流路を開閉する、前記ハウジング内部に収容されたサーモエレメントと、
前記一の流路と交差する他の流路と、
前記ハウジングから突出して形成された連結部である、他の流路の導入口と導出口と、
を有し、
前記他の流路の導入口と導出口が、他のサーモバルブの他の流路の導出口と導入口に嵌合することにより連結され、他のサーモバルブが一体に形成されることを特徴とするサーモバルブ。
【請求項4】
冷却液が流通する一の流路が形成されたハウジングと、
冷却液の温度を感知する温度感知部を含み、冷却液の温度に応じて一の流路を開閉する、前記ハウジング内部に収容されたサーモエレメントと、
前記一の流路と交差する他の流路と、
前記ハウジングから突出して形成された連結部である、他の流路の導入口と導出口と、
を有する一のサーモバルブを備え、
冷却液が流通する一の流路が形成されたハウジングと、
冷却液の温度を感知する温度感知部を含み、冷却液の温度に応じて一の流路を開閉する、前記ハウジング内部に収容されたサーモエレメントと、
前記一の流路と交差する他の流路と、
前記ハウジングから突出して形成された連結部である、他の流路の導入口と導出口と、
を有する他のサーモバルブを備え、
前記一のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口が、他のサーモバルブの他の流路の導出口と導入口に嵌合することにより連結され、一のサーモバルブと他のサーモバルブが一体に形成されることを特徴とするサーモバルブ連結体。
【請求項5】
一のサーモバルブの連結部である、他の流路の導入口と導出口の内径は、他のサーモバルブの連結部である、他の流路の導入口と導出口の外径よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項4記載のサーモバルブ連結体。
【請求項6】
前記一のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口が、他のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口に対して任意の取付け角度で取り付けられ、
一のサーモバルブと他のサーモバルブが、溶着されていることを特徴とする請求項4に記載のサーモバルブ連結体。
【請求項7】
前記一のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口が、他のサーモバルブの他の流路の導出口と導入口に嵌合することにより連結され、一のサーモバルブと他のサーモバルブが一体に形成され、
かつ、前記一のサーモバルブの他の流路における、連結されていない導出口、あるいは前記他のサーモバルブの他の流路における、連結されていない導出口に、他の流路を閉じるキャップが取り付けられることを特徴とする請求項4記載のサーモバルブ連結体。
【請求項8】
一のサーモバルブの連結部は、ハウジングの外周面に形成された凹部、あるいは凸部であり、他のサーモバルブの連結部は、ハウジングの外周面に形成された凸部、あるいは凹部であり、
前記一のサーモバルブの連結部の凹部あるいは凸部が、他のサーモバルブの連結部の凸部あるいは凹部が嵌合することにより、
前記一のサーモバルブが、他のサーモバルブの連結部に取付けられ、一のサーモバルブと他のサーモバルブが一体に形成されることを特徴とする請求項2記載のサーモバルブ連結体。
【請求項9】
前記ハウジングが円筒形状に形成され、
一のサーモバルブの連結部の凹部、他のサーモバルブの連結部の凹部は、前記ハウジングの軸線方向に延設され、
一のサーモバルブの連結部の凸部、他のサーモバルブの連結部の凸部は、前記ハウジングの軸線方向に延設されていることを特徴とする請求項8記載のサーモバルブ連結体。
【請求項10】
ハウジングの軸線と直交する方向における、一のサーモバルブの連結部、他のサーモバルブの連結部の凸部の断面形状が、ハウジングの外周面から突出するにしたがって幅が広がる逆三角形状に形成され、かつ、凸部の上面部に、ハウジングの軸線方向に延設された凹部が形成され、
ハウジングの軸線と直交する方向における、一のサーモバルブの連結部、他の一のサーモバルブの連結部の凹部の断面形状が、ハウジングの外周面から突出するにしたがって幅が狭まる三角形状に形成されている、
ことを特徴とする請求項9記載のサーモバルブ連結体。
【請求項11】
前記ハウジングが円筒形状に形成され、
一のサーモバルブの連結部は、前記ハウジングの外方に延設された一の鍔部と、前記一の鍔部に形成された貫通孔を有し、かつ前記ハウジングの外方に延設された他の鍔部と、前記他の鍔部に形成された凸部を有し、
他のサーモバルブの連結部は、前記ハウジングの径方向外方に延設された一の鍔部と、前記一の鍔部に形成された貫通孔を有し、かつ前記ハウジングの径方向外方に延設された他の鍔部と、前記他の鍔部に形成された凸部を有し、
前記一のサーモバルブの連結部の貫通孔あるいは凸部が、他のサーモバルブの連結部の凸部あるいは貫通孔が嵌合することにより、一のサーモバルブと他のサーモバルブが連結され、一体に形成されることを特徴とする請求項2記載のサーモバルブ連結体。
【請求項12】
前記凸部が前記貫通孔に嵌合する円筒部であり、
サーモバルブ連結体の被取付け部材に螺合するボルトが、前記円筒部を挿通することを特徴とする請求項11記載のサーモバルブ連結体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーモバルブ及びサーモバルブ連結体に関し、特に、複数のサーモバルブが連結可能なサーモバルブ及び複数のサーモバルブが連結されたサーモバルブ連結体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からサーモバルブは、いろいろな分野で用いられており、例えば、自動車用の内燃機関の冷却システム等に、サーモバルブが用いられている。この自動車用の内燃機関の冷却システムのサーモバルブについて、
図15に基づいて説明する。
図15に示されるように、内燃機関110を冷却する冷却液を、ヒータコア101、ATFウォーマ102、EGR(排出ガス再循環)103、スロットボディ104等の各装置へ分配するために、各装置に接続される管111,112,113,114のそれぞれに、サーモバルブ100が配置されている。
【0003】
例えば、内燃機関110とヒータコア101の間に配置されたサーモバルブ100は、サーモバルブ100を開放することにより内燃機関からヒータコア101への冷却水を流通させ、あるいはサーモバルブ100を閉じることにより前記冷却水の流通を遮断する。
このサーモバルブ100はWAX式サーモバルブであって、例えば、特許文献1に示すように、ハウジングの内部に感温体が配置され、前記感温体を冷却水の温度で伸縮させることにより、流路の開閉を行い、冷却水の流通を制御する。
【0004】
このように、自動車用の内燃機関の冷却システムにおいては、各装置に接続される管111,112,113,114の夫々に配置されたサーモバルブ100によって、夫々の管111,112,113,114の冷却水の流通を制御する。
【0005】
また、複数の管の冷却水の流通を制御するものとして、特許文献2には、サーモバルブ付き電動弁が示されている。
このサーモバルブ付き電動弁120は、
図16に示すように、減速機収容部121に収容された減速機と、弁体収容部122に収容された弁体と、モータ収容部123に収納された電動モータとを備えている。
そして、前記電動モータの回転を減速機によって減速し、減速機に接続された回転軸によって、弁体が回転(動作)するように構成されている。前記電動モータは、車両に搭載された電子制御装置(ECU)によって制御され、車両状態に応じて、減速機を介して、弁体を回転制御する。
【0006】
図16に示す前記サーモバルブ付き電動弁120の第1連通口E1は、ヒータコアに接続された管に連通する。また第2連通口E2はオイルクーラに接続された管に連通する。第3連通口E3はラジエータに接続された管に連通する。
【0007】
また、図示しないが、前記第3連通口E3には、故障などにより弁体を駆動できない場合や、所定の圧力あるいは所定の温度に達した場合に、弁体収容部122と第3連通口E3とを連通可能とする、フェールセーフ機構としてのサーモバルブが設けられている。
このサーモバルブ付き電動弁120は、電動弁により夫々の管の冷却水の流通を制御する。そして、サーモバルブは、フェール(fail)時に、冷却液温度が高温になると開き、ラジエータに対する冷却液の供給路を確保し、内燃機関ENGのオーバーヒートを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2009-222217号公報
【文献】特許第6679324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1に示すように、サーモバルブは一つの管路に一つのサーモバルブが配置され、その管の冷却水の流れを制御する。そのため、夫々の管にサーモバルブが配置される。その結果、サーモバルブは分散配置されることとなり、取り付け作業が煩雑化していていた。
また、一つの管路に一つのサーモバルブが配置されるため、管路の冷却水流通制御は、サーモバルブの感温体が反応する特定の温度においてのみ行うことができ、他の温度で行えないという課題があった。
【0010】
また、特許文献2に示すサーモバルブ付き電動弁は、一つの電動弁によって冷却水を各装置へ分配することできることができるが、フェールセーフ機構としてのサーモバルブと電動弁の両方が一体化して設けられているため、大型化し、車両の搭載性が悪く、また高コストであるという課題があった。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、サーモバルブ付き電動弁(電動弁)ではなく、複数のサーモバルブを一体化することにより、取り付け作業を容易にした、サーモバルブを提供することを目的とする。
また、複数のサーモバルブを一体化することにより、冷却水の流通制御を、複数の特定温度で行うことができるサーモバルブ連結体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかるサーモバルブは、冷却液が流通する一の流路が形成されたハウジングと、冷却液の温度を感知する温度感知部を含み、冷却液の温度に応じて一の流路を開閉する、前記ハウジング内部に収容されたサーモエレメントと、前記ハウジングに形成された、他のサーモバルブに取付けられる連結部と、を有する、ことを特徴とする。
【0013】
このように、ハウジングに形成された連結部によって、他のサーモバルブの連結部に取付けられるため、取り付け作業を容易に行うことができる。
【0014】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかるサーモバルブ連結体は、冷却液が流通する一の流路が形成されたハウジングと、冷却液の温度を感知する温度感知部を含み、冷却液の温度に応じて一の流路を開閉する、前記ハウジング内部に収容されたサーモエレメントと、前記ハウジングに形成された、他のサーモバルブに取付けられる連結部と、を有する一のサーモバルブを備え、冷却液が流通する一の流路が形成されたハウジングと、 冷却液の温度を感知する温度感知部を含み、冷却液の温度に応じて一の流路を開閉する、前記ハウジング内部に収容されたサーモエレメントと、前記ハウジングに形成された、一のサーモバルブに取付けられる連結部と、を有する他のサーモバルブを備え、前記一のサーモバルブが、ハウジングに形成された連結部によって、他のサーモバルブの連結部に取付けられ、一のサーモバルブと他のサーモバルブが一体に形成されることを特徴とする。
【0015】
このように、一のサーモバルブが、ハウジングに形成された連結部によって、他のサーモバルブの連結部に取付けられ、一のサーモバルブと他のサーモバルブが一体に形成されるため、取り付け作業を容易に行うことができる。
【0016】
また、上記課題を解決するためになされた本発明にかかるサーモバルブは、冷却液が流通する一の流路が形成されたハウジングと、冷却液の温度を感知する温度感知部を含み、冷却液の温度に応じて一の流路を開閉する前記ハウジング内部に収容されたサーモエレメントと、前記一の流路と交差する他の流路と、前記ハウジングから突出して形成された連結部である、他の流路の導入口と導出口と、を有し、前記他の流路の導入口と導出口が、他のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口に嵌合することにより連結され、他のサーモバルブが一体に形成されることを特徴とする。
【0017】
このように、一の流路と交差する他の流路の導入口と導出口が、他のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口に嵌合することより連結されるため、取り付け作業を容易に行うことができる。
また、他のサーモバルブの開閉温度(動作温度)を一のサーモバルブの開閉温度(動作温度)と異なる温度に設定することにより、他の流路の導入口から流入した冷却水により、夫々のサーモバルブの一の流路の開閉を異なる温度で行うことができる。即ち、夫々のサーモバルブの流通制御を、複数の特定温度で行うことができる。
【0018】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかるサーモバルブ連結体は、冷却液が流通する一の流路が形成されたハウジングと、冷却液の温度を感知する温度感知部を含み、冷却液の温度に応じて一の流路を開閉する、前記ハウジング内部に収容されたサーモエレメントと、前記一の流路と交差する他の流路と、前記ハウジングから突出して形成された連結部である、他の流路の導入口と導出口と、を有する一のサーモバルブを備え、冷却液が流通する一の流路が形成されたハウジングと、冷却液の温度を感知する温度感知部を含み、冷却液の温度に応じて一の流路を開閉する、前記ハウジング内部に収容されたサーモエレメントと、前記一の流路と交差する他の流路と、前記ハウジングから突出して形成された連結部である、他の流路の導入口と導出口と、を有する他のサーモバルブを備え、前記一のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口が、他のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口に嵌合することにより連結され、一のサーモバルブと他のサーモバルブが一体に形成されることを特徴とする。
【0019】
このように、一のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口が、他のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口に嵌合することにより連結され、一のサーモバルブと他のサーモバルブが一体に形成されるため、取り付け作業を容易に行うことができる。
また、他のサーモバルブの開閉温度(動作温度)を一のサーモバルブの開閉温度(動作温度)と異なる温度に設定することにより、他の流路の導入口から流入した冷却水により、夫々のサーモバルブの一の流路の開閉を異なる温度で行うことができる。即ち、夫々のサーモバルブの流通制御を、複数の特定温度で行うことができる。
【0020】
尚、一のサーモバルブの連結部である、他の流路の導入口と導出口の内径は、他のサーモバルブの連結部である、他の流路の導入口と導出口の外径よりも大きく形成されているのが望ましい。
【0021】
また、前記一のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口が、他のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口に対して任意の取付け角度で取り付けられ、一のサーモバルブと他のサーモバルブが溶着されていることが望ましい。
このように、一のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口を、他のサーモバルブの他の流路の導出口と導入口に対して任意の取付け角度で取り付け、溶着されているため、取り付け角度を設計仕様に応じた任意の角度に設定することができ、両者をその角度に取り付け、溶着することができる。また、一のサーモバルブと他のサーモバルブが溶着されるため、両者が分離するのを防止できる。
前記溶着は、レーザ溶接、超音波振動溶接により行うことができる。
【0022】
また、前記一のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口が、他のサーモバルブの他の流路の導出口と導入口に嵌合することにより連結され、一のサーモバルブと他のサーモバルブが一体に形成され、かつ、前記一のサーモバルブの他の流路における連結されていない導出口、あるいは前記他のサーモバルブの他の流路における連結されていない導出口に、他の流路を閉じるキャップが取り付けられることが望ましい。
【0023】
また、一のサーモバルブの連結部は、ハウジングの外周面に形成された凹部、あるいは凸部であり、他のサーモバルブの連結部は、ハウジングの外周面に形成された凸部、あるいは凹部であり、前記一のサーモバルブの連結部の凹部あるいは凸部が、他のサーモバルブの連結部の凸部あるいは凹部が嵌合することにより、前記一のサーモバルブが、他のサーモバルブの連結部に取付けられ、一のサーモバルブと他のサーモバルブが一体に形成されることが望ましい。
【0024】
このように、一のサーモバルブの連結部の凹部あるいは凸部が、他のサーモバルブの連結部の凸部あるいは凹部が嵌合することにより、前記一のサーモバルブが、他のサーモバルブの連結部に取付けられ、一のサーモバルブと他のサーモバルブが一体化できるため、容易に一体化することができる。
【0025】
また、前記ハウジングが円筒形状に形成され、一のサーモバルブの連結部の凹部、他のサーモバルブの連結部の凹部は、前記ハウジングの軸線方向に延設され、一のサーモバルブの連結部の凸部、他のサーモバルブの連結部の凸部は、前記ハウジングの軸線方向に延設されていることが望ましい。
このように、ハウジングの軸線方向に延設された凹部と凸部によって、連結されるため、一のサーモバルブと他のサーモバルブは、がたつくことなく確実に連結することができる。
【0026】
また、ハウジングの軸線と直交する方向における、一のサーモバルブの連結部、他のサーモバルブの連結部の凸部の断面形状が、ハウジングの外周面から突出するにしたがって幅が広がる逆三角形状に形成され、かつ、凸部の上面部に、ハウジングの軸線方向に延設された凹部が形成され、ハウジングの軸線と直交する方向における、一のサーモバルブの連結部、他の一のサーモバルブの連結部の凹部の断面形状が、ハウジングの外周面から突出するにしたがって幅が狭まる三角形状に形成されていることが望ましい。
このように、凸部の断面形状が、ハウジングの外周面から突出するにしたがって幅が広がる逆三角形状に形成され、かつ、凸部の上面部に、ハウジングの軸線方向に延設された凹部が形成され、凹部の断面形状がハウジングの外周面から突出するにしたがって幅が狭まる三角形状に形成されているため、凸部と凹部とを嵌合、連結することができ、一のサーモバルブと他のサーモバルブを、がたつくことなく確実に連結することができる。
【0027】
また、前記ハウジングが円筒形状に形成され、一のサーモバルブの連結部は、前記ハウジングの外方に延設された一の鍔部と、前記一の鍔部に形成された貫通孔を有し、かつ前記ハウジングの外方に延設された他の鍔部と、前記他の鍔部に形成された凸部を有し、他のサーモバルブの連結部は、前記ハウジングの径方向外方に延設された一の鍔部と、前記一の鍔部に形成された貫通孔を有し、かつ前記ハウジングの径方向外方に延設された他の鍔部と、前記他の鍔部に形成された凸部を有し、前記一のサーモバルブの連結部の貫通孔あるいは凸部が、他のサーモバルブの連結部の凸部あるいは貫通孔が嵌合することにより、一のサーモバルブと他のサーモバルブが、連結され、一体に形成されることが望ましい。
【0028】
また、前記凸部が前記貫通孔に嵌合する円筒部であり、サーモバルブ連結体の被取付け部材に螺合するボルトが、前記円筒部を挿通するのが望ましい。
このように、サーモバルブ連結体の被取付け部材に螺合するボルトが、前記円筒部を挿通するため、サーモバルブ連結体を被取付け部材に取り付けることにより、一体化したサーモバルブ連結体の分離を防止しつつ、被取付け部材に取り付けできる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、複数のサーモバルブを一体化することにより、取り付け作業を容易にした、サーモバルブを得ることができる。また、複数のサーモバルブを一体化することにより、冷却水の流通制御を、複数の特定温度で行うことができるサーモバルブ連結体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は本発明にかかるサーモバルブ連結体(サーモバルブ)の第一の実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したサーモバルブ連結体(サーモバルブ)の平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示したサーモバルブ連結体(サーモバルブ)のI-I断面図である。
【
図5】
図5は
図1のサーモバルブ連結体の動作状態を示す図であり、最左側のサーモバルブが開いた状態を示す断面図である。
【
図6】
図6は、
図5の最左側のサーモバルブが開いた状態から、更に左側から二つ目のサーモバルブが開いた状態に移行した状態を示す断面図である。
【
図7】
図4は、本発明にかかるサーモバルブ連結体(サーモバルブ)の第二の実施形態を示す斜視図である。
【
図8】
図8は
図7に示したサーモバルブ連結体の側面図である。
【
図11】
図11は本発明にかかるサーモバルブ(サーモバルブ連結体)の第三の実施形態を示す斜視図である。
【
図14】
図14(a)は
図13の領域Bの拡大図であり、(b)は一方のサーモバルブの鍔部を取り除いた状態を示す拡大図である。
【
図15】
図15は、自動車用の内燃機関の冷却システムのサーモバルブについて説明するための概念図である。
【
図16】
図16は、従来のサーモバルブ付き電動弁を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の第一の実施形態にかかるサーモバルブ及びサーモバルブ連結体について、
図1乃至
図6に基づいて説明する。尚、ただし、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、図面の相互間においても異なる場合がある。
【0032】
(第一の実施形態)
次に、サーモバルブ連結体の第一の実施形態について、
図1乃至
図6に基づいて説明する。
図1、
図2に示すように、このサーモバルブ連結体10にあっては、サーモバルブ1Aと、サーモバルブ1Bとが交互に連結されたものである。
連結されるサーモバルブ1Aとサーモバルブ1Bは、基本的な構成が同一であるため、まず、サーモバルブ1Aを例にとって、サーモバルブ1A、1Bの基本的構成について、
図4に基づいて説明する。尚、
図4は、
図3のIII―III断面図である。
【0033】
サーモバルブ1Aは、
図4に示すように、冷却液が流通する一の流路2が形成されたハウジング3と、冷却液の温度を感知する温度感知部(感温部)4aを含み、冷却液の温度に応じて一の流路2を開閉する、前記ハウジング3内部に収容されたサーモエレメント4を備えている。
【0034】
このサーモエレメント4は、
図4に示すように、冷却液の温度変化により膨脹または収縮してピストンを進退移動させる熱膨張体としてのワックスを内蔵した温度感知部(感温部)4aと、温度感知部(感温部)4aによって駆動されて弁座4bに離着座し、通路2を開閉する弁体4cと、この弁体4cを常時閉弁する方向(弁座4bに着座させる方向)に付勢する付勢部材としてのバネ4dとを備えている。
また、前記サーモエレメント4は、ピストンガイド4a1と、ピストンガイド4a1にガイドされながら進退すると共に、先端がピストン受け4a2に係合するピストン4a3と、ピストンガイド4a1を支持する支持部4a4とを備えている。
【0035】
尚、前記弁座4bは、ハウジング3の内壁面の段部に形成される。弁体4cは、支持部4a4の上面に形成される。即ち、支持部4a4の上面が弁体として機能する。上記にようにサーモエレメント4の一例を説明したが、本発明にかかるサーモエレメントの構成は、上記一例に限定されるものではなく、適宜変更できる。
【0036】
サーモバルブ1Aとサーモバルブ1Bは、
図1乃至
図3に示すように、前記一の流路2と交差する他の流路7と、前記ハウジング3から突出して形成された連結部である、他の流路7の導入口2a1、2b1と導出口2a2、2b2と、を有している。
そして、サーモバルブ1Aの導出口2a2に、サーモバルブ1Bの導入口2b1を嵌合することによって、サーモバルブ1Aと、サーモバルブ1Bとが交互に連結される。
【0037】
ここで、一のサーモバルブ1Aの連結部である、他の流路7の導入口2a1と導出口2a2の内径は、
図3に示すように、他のサーモバルブ1Bの連結部である、他の流路7の導入口2b1と導出口2b2の外径よりも大きく形成されている。
そして、前記一のサーモバルブ1Aの他の流路7の導出口2a2内に、他のサーモバルブ1Bの他の流路7の導入口2b1が進入、嵌合することにより連結され、また他のサーモバルブ1Bの他の流路7の導出口2b2が、一のサーモバルブ1Aの他の流路7の導入口2a1に、進入、嵌合することにより連結される。
【0038】
これにより、一のサーモバルブ1Aと他のサーモバルブ1Bが一体に形成される。即ち、
図3に示すサーモバルブ連結体10は、一のサーモバルブ1Aと他のサーモバルブ1Bが交互に連結された、四つのサーモバルブが連結されたサーモバルブ連結体である。
尚、
図1乃至
図3、
図5、
図6において、四つのサーモバルブが連結されたサーモバルブ連結体を示しているが、本発明は、四つのサーモバルブが連結されたサーモバルブ連結体に限定されるものではなく、二つ以上のサーモバルブが連結されたサーモバルブ連結体であれば良い。
【0039】
また、前記一のサーモバルブ1Aの導出口2a2と他のサーモバルブ1Bの導入口2b1が嵌合し、また他のサーモバルブ1Bの導出口2b2が一のサーモバルブ1Aの導入口2a1に嵌合するため、連結角度(取付角度)を任意の角度に設定し、連結することができる。
具体的に説明すれば、
図1に示しように、一のサーモバルブ1Aの軸線Lに対して、一のサーモバルブ1Bの軸線Lを所定角度θ回転させた状態で、一のサーモバルブ1Aと他のサーモバルブ1Bとを連結できる。
このように、一のサーモバルブの他の流路の導入口と導出口を、他のサーモバルブの他の流路の導出口と導入口に対して任意の取付け角度で取り付けることができるため、取り付け角度を設計仕様に応じた角度とすることができる。
【0040】
また、一のサーモバルブ1Aと他のサーモバルブ1Bとの連結に際し、一のサーモバルブ1Aを、レーザ光を透過する透明な合成樹脂材で形成し、他のサーモバルブ1Bを、レーザ光を透過しない不透明な合成樹脂材で形成し、嵌合した後、レーザ溶接により接合するのが好ましい。
このように、一のサーモバルブ1Aと他のサーモバルブ1Bを前記合成樹脂材で形成することで、導出口2a2と導入口2b1の接触面、導出口2b2と導入口2a1の接触面を溶着することができる。この溶着は、前記接触面の少なくとも一部においてなされれば良く、前記接触面の全面においてなす必要はない。
尚、一のサーモバルブ1Aと他のサーモバルブ1Bを合成樹脂材で形成し、超音波振動溶接により、接合しても良い。
【0041】
上記したように、一のサーモバルブ1Aと他のサーモバルブ1Bとを連結した後、溶着により接合した場合には、一のサーモバルブ1Aと他のサーモバルブ1Bの分離が防止でき、より好ましい。
【0042】
また、
図3に示すように、前記一のサーモバルブ1Aあるいは他のサーモバルブ1Bの他の流路7における、連結されていない導出口2a2、導出口2b2には、他の流路7を閉じるキャップ9が取り付けられる。尚、
図3では、導出口2b2に、キャップ9を取り付けた状態を示している。
また、この実施形態にあっては、
図3に示すように、他の流路7の導入口2a1から導入された冷却水は、前記したように、導出口2a2から他のサーモバルブに冷却水が供給されるが、冷却水の一部は一の流路2の排出口2cから排出されるように構成されている。
【0043】
また、
図3に示す、温度感知部4aの動作温度は、サーモバルブ1毎に異なる温度に設定される。この場合、温度感知部4aの動作温度がサーモバルブ1毎に異なる温度に設定されているため、サーモエレメント4が異なる温度で動作する。
その結果、例えば、ヒータコア101、ATFウォーマ102、EGR(排出ガス再循環)103、スロットボディ104等の各装置へ分配する冷却水の温度を異にすることができる。
【0044】
このように形成された第一の実施形態の作用、動作について、
図3、
図5、
図6に基づいて説明する。
図3は、全ての一のサーモバルブ1Aのサーモエレメント4が、弁体4cが弁座4bに接し、閉じられた状態を示している。即ち、
図3は、一の流路2が閉じられた状態を示している。
そして、サーモバルブ1Aの他の流路7の導入口2a1から冷却水が導入(
図3のF1)され、他の流路7の導出口2a2から導出される(
図3のF2)と共に、排出口2cから排出される(
図3のF3)。
前記導出口2a2から導出された冷却水は、連結された他のサーモバルブ1Bの導入口2b1から冷却水が導入(
図3のF2)され、他の流路7の導出口2b2から導出される(
図3のF4)と共に、排出口2cから排出される(
図3のF5)。
【0045】
他の流路7の導出口2b2から導出された(
図3のF4)冷却水は、一のサーモバルブ1Aの他の流路7の導入口2a1から冷却水が導入(
図3のF4)され、他の流路7の導出口2a2から導出される(
図3のF6)と共に、排出口2cから排出される(
図3のF7)。
そして、導出口2a2から導出された冷却水は、連結された他のサーモバルブ1Bの導入口2b1から導入(
図3のF6)され、排出口2cから排出される(
図3のF8)。尚、他のサーモバルブ1Bの排出口は、キャップ9により閉塞されている。
【0046】
そして、
図3に示す状態から、他の流路7の導入口から冷却水(
図3のF1)の温度が上昇し、温度感知部4aの周囲の冷却液が所定の温度以上に上昇し、温度感知部4a内のワックスが膨張すると、
図5に示すように、ピストン4a3が押し出され、弁体4cが弁座4bから離座して、一の流路2を開き、冷却水の流れ(
図5のF10)が形成される。
即ち、サーモエレメント4の弁体4cが弁座4bから離れると、一の流路2が連通する。これにより、冷却水(
図14のF1)の一部が、例えば、ヒータコア等へ供給される。
【0047】
更に、温度感知部4aの周囲の冷却液の温度が所定の温度より上がり、一のサーモバルブ1Aに連結された他のサーモバルブの温度感知部4a内のワックスが膨張すると、
図6に示すように、ピストン4a3が押し出され、弁体4cが弁座4bから離座して、一の流路2を開き、冷却水の流れ(
図6のF11)が形成される。
図示しないが、以下同様に、冷却水の温度上昇に伴い、順次サーモバルブの通路が開かれ、冷却水の流れF12、F13が形成される。
【0048】
一方、冷却水の温度が低下すると、各サーモバルブの温度感知部4aに内蔵されたワックスが順次収縮し、バネ4dの付勢力により弁体4cを介してピストン4a3が押し戻されて、弁体4cが弁座4bに着座して、一の流路2が順次閉じられる。
このように、各サーモバルブのサーモエレメント4が順次閉じられると、各サーモバルブの一の流路2の連通が遮断され、これにより、冷却水が供給されるヒータコア等へ供給が遮断される。
【0049】
尚、この第1の実施形態では、一のサーモバルブ1Aの他の流路7の導入口2a1から冷却水を導入(
図3のF1)し、他の流路7の導出口2a1から導出される(
図3のF2)と共に、排出口2cから排出される(
図3のF3)場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、
図3の排出口2cから冷却水を導入し、
図3の最も左側に位置する一のサーモバルブ1Aの他の流路7の導入口2aから冷却水を排出するように構成しても良い。
【0050】
(第二の実施形態)
次に、サーモバルブ連結体の第二の実施形態について、
図7乃至
図10に基づいて説明する。尚、第一の実施形態と同一または相当する部材は、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0051】
このサーモバルブ連結体10に用いられるサーモバルブ1は、円筒形状のハウジング3を備えている。このサーモバルブ1は、導入口2aと導出口2bの構成を除き、サーモバルブ1Aと基本的に同一の構成を有している(
図4参照)。
【0052】
また
図7乃至
図10に示すように、前記ハウジング3には、他のサーモバルブに取付けられる連結部3aが形成されている。この連結部3aは、ハウジング3の外周面に形成された凸部3bあるいは凹部3cであり、他のサーモバルブ1のハウジング3の外周面に形成された凹部3cあるいは凸部3bと嵌合するように構成される。
前記凸部3bと凹部3cは、一のサーモバルブ1と他のサーモバルブ1のハウジング3の外周面に、交互に90度間隔をもって形成される。
そして、一のサーモバルブ1が、他のサーモバルブ1の連結部3aに取付けられ、一のサーモバルブ1と他のサーモバルブ1が一体に形成され,サーモバルブ連結体10が構成される。
【0053】
前記連結部3aの凹部3c、凸部3bについて、
図8乃至
図10に基づいて説明する。
前記サーモバルブ1の連結部3aの凹部3c、凸部3bは、
図8に示すように、前記ハウジング3の軸線L方向に延設されている。
また、
図9、
図10に示すように、ハウジング3の軸線Lと直交する方向における、サーモバルブ1の連結部3aの凸部3bの断面形状は、ハウジング3の外周面から突出するにしたがって幅が広がる逆三角形状に形成される。また前記凸部3bの上面部に、ハウジング3の軸線方向に延設された凹部3b1が形成される。
【0054】
また、ハウジング3の軸線Lと直交する方向における、サーモバルブ1の連結部3aの凹部3cの断面形状は、
図10に示すように、ハウジング3の外周面から突出するにしたがって幅が狭まる三角形状に形成されている。
【0055】
このように、凹部3c及び凸部3bは前記ハウジング3の軸線L方向に延設され、凸部3bの断面形状がハウジング3の外周面から突出するにしたがって幅が広がる逆三角形状に形成され、かつ凹部3cの断面形状がハウジング3の外周面から突出するにしたがって幅が狭まる三角形状に形成される。
そして、
図7の矢印Sで示すように、前記凸部3bを前記凹部3cの端部から挿入し、凸部3bと凹部3cをハウジング3の軸線L方向に相対的に移動させ、前記凹部3c内に凸部3bを収容することによって、連結する。
また、凸部3bの上面部に、ハウジング3の軸線方向に延設された凹部3b1が形成されるため、凸部3bの上面部が幅方向に変形しやすく、前記凹部3c内に凸部3bを収容しやすい。
【0056】
また、
図7乃至
図9に示すように、一つのサーモバルブ1のハウジング3の外周面には、貫通孔5aを有する鍔部5が形成される。この鍔部5はサーモバルブ連結体10を所定の位置に固定するためのものであり、前記貫通孔5aに図示しないボルトを挿通し、所定位置に固定する。
【0057】
尚、上記実施形態では、前記ハウジング3の外周面に形成された凹部3cあるいは凸部3bの形状として、前記ハウジング3の軸線L方向に延設された凹部3cあるいは凸部3bを示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、凹部としては、ハウジング3の軸線方向に延設されない円筒状凹部、また凸部としては、ハウジング3の軸線方向に延設されない円柱状凸部であっても良い。
【0058】
(第三の実施形態)
次に、サーモバルブ連結体の第三の実施形態について、
図11乃至
図14に基づいて説明する。尚、第一の実施形態と同一または相当する部材は、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0059】
このサーモバルブ連結体10に用いられるサーモバルブ1は、円筒形状のハウジング3を備えている。
サーモバルブ1は、ハウジング3には外方に延設された一の鍔部5と、前記一の鍔部5に形成された貫通孔5aを有している。また、前記ハウジング3の外方に延設された他の鍔部6と、前記他の鍔部6に形成された凸部6aを有している。
この凸部6aの中心部には貫通孔6a1が形成されており、この凸部6aは円筒形状に形成されている。この凸部6aは円筒状体であり、鍔部5の貫通孔5aに嵌合するように構成されている。
前記鍔部6は、
図13に示すように、前記鍔部5よりも低い位置(ハウジング3の軸線を含む水平面から距離が鍔部5よりも鍔部6が大きい)に形成されている。
【0060】
そして、一のサーモバルブ1の一の鍔部5の貫通孔5aあるいは他の鍔部6の凸部6aが、他のサーモバルブ1の連結部の他の鍔部6の凸部6aあるいは一の鍔部5の貫通孔5aに嵌合することにより、一のサーモバルブ1と他のサーモバルブ1が連結、一体に形成される。
尚、
図13に示すように、鍔部5が鍔部6の上面に載置されて、一のサーモバルブの鍔部の凸部6aが、他のサーモバルブの鍔部5の貫通孔5aに嵌合する。
【0061】
そして、この凸部6aに形成された貫通孔6a1にボルト(図示せず)を挿通させ、サーモバルブ連結体を固定する部材に螺合することにより、一のサーモバルブ1と他のサーモバルブ1を固定する。
このように、一のサーモバルブ1と他のサーモバルブ1が連結されたサーモバルブ連結体を、ボルトで容易に固定することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 サーモバルブ
1A 一のサーモバルブ
2a1 導入口
2a2 導出口
2c 排出口
1B 他のサーモバルブ
2b1 導入口
2b2 導出口
2c 排出口
2 一の流路
3 ハウジング
4 サーモエレメント
5 一の鍔部
5a 貫通孔
6 他の鍔部
6a 凸部
6a1 貫通孔
7 他の流路
9 キャップ
10 サーモバルブ連結体