(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】高強度サイドウォールのための組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 7/00 20060101AFI20240402BHJP
C08L 9/00 20060101ALI20240402BHJP
C08L 23/08 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
C08L7/00
C08L9/00
C08L23/08
(21)【出願番号】P 2020508450
(86)(22)【出願日】2018-08-28
(86)【国際出願番号】 KR2018009924
(87)【国際公開番号】W WO2019045417
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】10-2017-0109236
(32)【優先日】2017-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520048263
【氏名又は名称】ダウ ケミカル コリア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】イ、フンク
【審査官】藤井 明子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0115108(US,A1)
【文献】特開2008-231432(JP,A)
【文献】特開2003-041056(JP,A)
【文献】特開2000-038473(JP,A)
【文献】国際公開第2016/084925(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/061268(WO,A1)
【文献】特開2016-029136(JP,A)
【文献】特開平05-170989(JP,A)
【文献】特開平10-036559(JP,A)
【文献】特開平04-043106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00-13/08
B60C 1/00-19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、少なくとも、
A)0.90~0.93g/cm
3の密度、および50~90のムーニー粘度(ML(1+4)@100℃)を有する、天然ゴムと、
B)0.90~0.93g/cm
3の密度、および40~110のムーニー粘度(ML(1+4)@100℃)を有する、ブタジエンゴムと、
C)
i)0.870~0.902g/cm
3の密度、2~23のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンコポリマー、
ii)0.866~0.887g/cm
3の密度、4~20のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー、または
iii)i)およびii)の組み合わせ
から選択される少なくとも1つのエチレン系ポリマーと、を含み、
成分Aに対する成分Cの重量比が0.825以下である、
組成物。
【請求項2】
前記エチレン/α-オレフィンコポリマーが、1~30g/10分(190℃/2.16kg)のメルトインデックス(I
2)を有し、および/または前記エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーが、1~15g/10分(190℃/2.16kg)のメルトインデックス(I
2)を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分Aに対する成分Cの密度の比率が、0.94~1.00である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
成分C
のメルトインデックスに対する成分Aの前記ムーニー粘度の比率が、12~60であり、前記メルトインデックス(I
2)(g/10分)は、190℃、2.16kgでASTMD1238に従い決定される、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
成分Cが、i)エチレン/α-オレフィンコポリマーであり、成分Aに対する成分Cの重量比が、0.22~0.64である、請求項1~4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
成分Cが、ii)エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーであり、成分Aに対する成分Cの重量比が、0.20~0.50である、請求項1~
4のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物の総重量に基づいて、少なくとも80重量%の成分A、B、およびCの総量を含む、請求項1~6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
1重量%未満のエチレン/α-オレフィン/ジエン(EAODM)インターポリマーを含む、請求項1~7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物から形成された架橋組成物。
【請求項10】
請求項1~8のいずれかに記載の組成物から形成される少なくとも1つの成分を含む、物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、およびポリオレフィンを含むゴム組成物、それらを製造する方法、ならびにそれらから調製される物品に関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りランフラットタイヤは、非膨張状態(周囲の気圧以外の空気圧が完全に失われる)で使用可能なタイヤである。そのようなタイヤを装備した車両は、パンクまたはバルブの故障により起こる空気圧の損失など、タイヤの空気圧の損失が発生した後も運転を継続できる。このタイプのタイヤは、拡張されたモビリティタイヤ(EMT)とも称される。
【0003】
多くのランフラットタイヤの重要な成分は、剛性の高いサイドウォール(ゴム)インサートであり、これは、空気圧が損失した後の状態でタイヤ上の車両の重量の大部分を支え、タイヤの空気圧がゼロであっても運転を可能とする。ランフラットタイヤのための従来のサイドウォールインサートは、ベースポリマーとして天然ゴム(NR)およびポリブタジエンゴム(BR)、充填剤としてカーボンブラック利用する。通常、充填剤の種類または負荷は、サイドウォールインサートの材料剛性を増強するために使用される。車両産業において、動向は、成分の重量、したがって車両の全体重量を低減させることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より高いレベルの硬度および弾性率、ならびに増強された材料剛性を備え、同時に従来のゴム配合物から形成されるサイドウォールインサートなどの製品の密度と比較して、材料の密度を維持または低減させる、サイドウォールインサートなどの製品を形成するために使用できるポリマー配合物の必要性が存在する。これらのニーズおよびその他のいくつかは、以下の発明によって満たされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、組成物であって、少なくとも以下の、
A)0.90~0.93g/cm3の密度、および50~90のムーニー粘度(ML(1+4)@100℃)を有する、天然ゴムと、
B)0.90~0.93g/cm3の密度、および40~110のムーニー粘度(ML(1+4)@100℃)を有する、ブタジエンゴムと、
C)
i)0.870~0.902の密度、および2~23のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンコポリマー、
ii)0.866~0.887の密度、4~20のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー、または
iii)i)およびii)の組み合わせから選択される少なくとも1つのエチレン系ポリマーと、を含む、組成物を提供する。
【0006】
ムーニー粘度は、ベースポリマーの粘度である(カーボンブラックなどの充填剤を含むポリマーに対するニートポリマーの計算された粘度)。
【0007】
一実施形態において、少なくとも1つのエチレン系ポリマーは、1~30のメルトインデックス(I2)を有するエチレン/α-オレフィンコポリマーである。一実施形態において、少なくとも1つのエチレン系ポリマーは、1~15のメルトインデックス(I2)を有するエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーである。
【0008】
本発明は、ポリマー組成物を製造する方法も提供し、方法は、少なくとも天然ゴム、ブタジエンゴム、およびエチレン/α-オレフィンコポリマー、および/またはエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー、任意で、少なくとも1つのオイルおよび/または充填剤を一緒に混合することを含む。
【0009】
本発明は、組成物から形成される少なくとも1つの成分を含む物品をさらに提供する。一実施形態において、物品は、自動車部品である。一実施形態において、物品は、タイヤまたはタイヤのサイドウォールインサートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
天然ゴム/ブタジエンゴム配合物へのエチレン系のポリオレフィンエラストマー(POE)および/またはオレフィンブロックコポリマー(OBC)の組み込みは、ベースゴムの密度を維持しながら、予想外に増強された機械的特性を有する組成物を提供することがわかっており、これは、タイヤの耐久性を犠牲にすることなく、ランフラットタイヤの大幅な軽量化のために、サイドウォールインサートのスリムな輪郭を生成するために使用できる。
【0011】
特に、本発明は、組成物であって、少なくとも以下の、
A)0.90~0.93g/cm3の密度、および50~90のムーニー粘度(ML(1+4)@100℃)を有する、天然ゴムと、
B)0.90~0.93g/cm3の密度、および40~110のムーニー粘度(ML(1+4)@100℃)を有する、ブタジエンゴムと、
C)
i)0.870~0.902の密度、および2~23のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンコポリマー、
ii)0.866~0.887の密度、および4~20のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー、または
iii)i)およびii)の組み合わせから選択される少なくとも1つのエチレン系ポリマーと、を含む、組成物を提供する。
【0012】
ムーニー粘度は、ベースポリマーの粘度である(カーボンブラックなどの充填剤を含むポリマーに対するニートポリマーの計算された粘度)。
【0013】
一実施形態において、成分Aに対する成分Cの密度の比率は、0.94~1.00である。
【0014】
一実施形態において、成分Cのメルトインデックスに対する成分Aのムーニー粘度の比率は、12~60である。
【0015】
一実施形態において、成分Cは、i)エチレン/α-オレフィンコポリマーであり、成分Aに対する成分Cの重量比は、0.22~0.64である。
【0016】
一実施形態において、成分Cは、ii)エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーであり、成分Aに対する成分Cの重量比は、0.20~0.50である。
【0017】
一実施形態において、成分C)は、i)0.870~0.902の密度、および2~23のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンコポリマーである。
【0018】
一実施形態において、成分C)は、ii)0.866~0.887の密度、4~20のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーである。
【0019】
一実施形態において、成分C)は、i)0.870~0.902の密度、および2~23のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンコポリマーと、ii)0.866~0.887の密度、4~20のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとの両方を含む。
【0020】
一実施形態において、天然ゴムは、ポリイソプレンである。一実施形態において、ポリイソプレンは、天然ポリイソプレンまたは合成ポリイソプレンであり、好ましくは天然ポリイソプレンである。別の実施形態において、ポリイソプレンは、天然シス-1,4-ポリイソプレンである。別の実施形態において、ポリイソプレンは、合成シス-1,4-ポリイソプレンである。一実施形態において、天然ゴムは、0.90~0.93g/cm3の密度を有する。一実施形態において、ポリイソプレンは、ML(1+4)@100℃、50~90、または50~80、または55~75、または60~70のムーニー粘度を有する。別の実施形態において、ポリイソプレンは、非顆粒状のベール形態に由来する。
【0021】
一実施形態において、ブタジエンゴムは、0.90~0.93g/cm3の密度を有する。一実施形態において、ブタジエンゴムは、40~110、または40~80、または40~60のムーニー粘度(ML(1+4)@100℃)を有する。一実施形態において、ブタジエンゴムは、ポリブタジエンである。別の実施形態において、ポリブタジエンは、重合性モノマーの総重量に基づいて、97パーセントを超える高いシス含量を含む。
【0022】
一実施形態において、少なくとも1つのエチレン系ポリマーは、エチレン/α-オレフィンコポリマーである。一実施形態において、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、2~23、または4~23、または8~23のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する。ムーニー粘度は、ベースポリマーの粘度である(カーボンブラックなどの充填剤を含むポリマーに対するニートポリマーの計算された粘度)。一実施形態において、少なくとも1つのエチレン系ポリマーは、1~30g/10分のメルトインデックス(I2)を有するエチレン/α-オレフィンコポリマーである。さらなる実施形態において、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、エチレン/オクテンコポリマーである。
【0023】
別の実施形態において、少なくとも1つのエチレン系ポリマーは、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーである。一実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、4~20、または8~20、または12~20のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する。ムーニー粘度は、ベースポリマーの粘度である(カーボンブラックなどの充填剤を含むポリマーに対するニートポリマーの計算された粘度)。一実施形態において、少なくとも1つのエチレン系ポリマーは、1~15g/10分のメルトインデックス(I2)を有するエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーである。さらなる実施形態において、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーである。
【0024】
別の実施形態において、少なくとも1つのエチレン系ポリマーは、エチレン/α-オレフィンコポリマーと、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとのブレンドである。一実施形態において、エチレン/α-オレフィンコポリマーと、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとのブレンドは、3~22、または5~22、または8~22のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する。ムーニー粘度は、ポリマーブレンドの粘度である(カーボンブラックなどの充填剤を含むポリマーブレンドに対するニートポリマーブレンドの計算された粘度)。一実施形態において、少なくとも1つのエチレン系ポリマーは、エチレン/α-オレフィンコポリマーと、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとのブレンドであり、混合物は、1~29g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。さらなる実施形態において、エチレン系ポリマーは、エチレン/オクテンコポリマーと、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーとのブレンドである。
【0025】
一実施形態において、天然ゴムは、組成物の総重量に基づいて、30重量%、または35重量%、または40重量%以上の量で存在する。別の実施形態において、天然ゴムは、組成物の総重量に基づいて、55重量%、または50重量%、または45重量%未満の量で存在する。一実施形態において、天然ゴムは、組成物の総重量に基づいて、30~55重量%、または35~50重量%、または40~45重量%の量で存在する。
【0026】
一実施形態において、ブタジエンゴムは、組成物の総重量に基づいて、30重量%、または35重量%、または40重量%以上の量で存在する。別の実施形態において、ブタジエンゴムは、組成物の総重量に基づいて、最大55重量%、または50重量%、または45重量%までの量で存在する。一実施形態において、ブタジエンゴムは、組成物の総重量に基づいて、30~55重量%、または35~50重量%、または40~45重量%の量で存在する。
【0027】
一実施形態において、少なくとも1つのエチレン系ポリマーは、組成物の総重量に基づいて、5重量%以上、または10重量%以上の総量で存在する。別の実施形態において、少なくとも1つのエチレン系ポリマーは、組成物の総重量に基づいて、最大30、または最大25、または最大20重量%の総量で存在する。別の実施形態において、少なくとも1つのエチレン系ポリマーは、組成物の総重量に基づいて、5~30重量%の総量で存在する。
【0028】
一実施形態において、少なくとも1つのエチレン系ポリマーは、5:95~95:5(w/w)の比率でのエチレン/α-オレフィンコポリマーと、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーとのブレンドである。一実施形態において、組成物は、組成物の総重量に基づいて、A)30~55重量%の天然ゴムと、B)30~55重量%のブタジエンゴムと、C)5~30重量%のエチレン/α-オレフィンコポリマー、および/またはエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーから選択される少なくとも1つのエチレン系ポリマーと、を含む。
【0029】
一実施形態において、組成物は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも80、または少なくとも85、または少なくとも90、または少なくとも95重量%の成分A、BおよびCの総量を含む。
【0030】
一実施形態において、組成物は、35~90、または40~85、または42~80、または45~70のムーニー粘度(ML(1+4)@125℃)を有する。
【0031】
一実施形態において、組成物は、1.04~1.15、または1.05~1.13、または1.06~1.10g/cm3の密度を有する。
【0032】
一実施形態において、組成物は、65~90、または70~80のショアA硬度を有する。
【0033】
一実施形態において、組成物は、50℃以下、または40℃以下、または30℃以下、または20~50℃の熱増成性デルタ温度を有する。
【0034】
一実施形態において、組成物は、1重量%未満、または0.5重量%未満、または0.1重量%未満、またはゼロ(0)重量%のエチレン/α-オレフィン/ジエン(EAODM)インターポリマー(例えば、エチレン/プロピレン/ジエン(EPDM))を含む。
【0035】
一実施形態において、組成物は、少なくとも1つの充填剤をさらに含む。一実施形態において、充填剤は、カーボンブラックである。別の実施形態において、組成物は、組成物の総重量に基づいて、15~40重量%、または20~35重量%、または35~30重量%のカーボンブラックを含む。
【0036】
一実施形態において、組成物は、1つ以上の添加剤をさらに含む。一実施形態において、添加剤は、可塑剤、プロセスオイル、加硫促進剤、架橋剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、しゃく解剤、活性剤、脂肪酸、促進剤、粘着付与剤、均質化剤、顔料、着色剤、難燃剤、紫外線安定剤、殺菌剤、スリップ剤など、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0037】
さらなる実施形態において、組成物は、少なくとも1つの加工オイルをさらに含む。一実施形態では、加工オイルは、芳香オイル、パラフィンオイル、およびナフテンオイルからなる群から選択される。
【0038】
本発明の組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0039】
本発明は、組成物から形成される架橋組成物をさらに提供する。一実施形態において、架橋組成物は、1.04~1.15、または1.05~1.13g/cm2の密度を有する。
【0040】
本発明は、組成物から形成される少なくとも1つの成分を含む物品をさらに提供する。一実施形態において、物品は、自動車部品である。別の実施形態において、物品は、タイヤまたはタイヤのインサートである。
【0041】
本発明の物品は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0042】
本発明は、ポリマー組成物を製造する方法をさらに提供する。一実施形態において、本方法は、少なくとも天然ゴム、ブタジエンゴム、およびエチレン/α-オレフィンコポリマー、および/またはエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーから選択される少なくとも1つのエチレン系ポリマー、および任意に、少なくとも1つの加工オイルおよび/または充填剤を一緒に混合することを含む。
【0043】
一実施形態において、方法は、A)0.90~0.93g/cm3の密度、および50~90のムーニー粘度(ML(1+4)@100℃)を有する、天然ゴムと、B)0.90~0.93g/cm3の密度、および40~110のムーニー粘度(ML(1+4)@100℃)を有する、ブタジエンゴムと、C)i)0.870~0.902の密度、および2~23のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンコポリマー、ii)0.866~0.887の密度、および4~20のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー、またはiii)i)およびii)の組み合わせから選択される少なくとも1つのエチレン系ポリマーと、D)任意で、少なくとも1つの加工オイルおよび/または充填剤と、を一緒に混合することを含む。ムーニー粘度は、ニートポリマーの粘度である(カーボンブラックなどの充填剤を含むポリマーに対するニートポリマーの計算された粘度)。一実施形態において、エチレン系ポリマーは、1~30g/10分のメルトインデックス(I2)を有するエチレン/α-オレフィンコポリマーである。一実施形態において、エチレン系ポリマーは、1~15g/10分のメルトインデックス(I2)を有するエチレン/α-オレフィンマルチブロックポリマーである。一実施形態において、エチレン系ポリマーは、エチレン/α-オレフィンコポリマーと、エチレン/α-オレフィンマルチブロックポリマーとの混合物であり、ここで、エチレン系ポリマー混合物は、1~29g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
【0044】
本発明の方法は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0045】
天然ゴム
一実施形態において、組成物は、天然ゴムを含む。一実施形態において、天然ゴムは、ポリイソプレンである。一実施形態において、ポリイソプレンは、天然ポリイソプレンである。一実施形態では、ポリイソプレンは、合成ポリイソプレンである。好ましい実施形態において、ポリイソプレンは、天然ポリイソプレンである。好適なポリイソプレンには、天然シス-1,4-ポリイソプレン、合成シス-1,4-ポリイソプレン、高ビニル3,4-ポリイソプレン、および3,4-ポリイソプレンが含まれるが、これらに限定されない。
【0046】
一実施形態において、ポリイソプレンは、少なくとも0.90、または少なくとも0.91、または少なくとも0.92g/cm3、最大0.93g/cm3の密度を有する。
【0047】
一実施形態において、ポリイソプレンは、50~90、好ましくは50~80、より好ましくは60~70のムーニー粘度(ML(1+4)@100℃)を有する。ムーニー粘度は、ベースポリマーの粘度である(カーボンブラックなどの充填剤を含むポリマーに対するニートポリマーの計算された粘度)。
【0048】
別の実施形態において、ポリイソプレンは、非顆粒状のベール形態に由来する。
【0049】
ポリイソプレンの好適な例には、次の技術グレードが含まれる:STR-20(TongThai Technical Rubber Co.,Ltd.,Thailand)、SMR(標準マレーシアゴム)、例えば、SRM 5およびSMR 20;TSR(技術的格付けゴム)およびRSS(リブドスモークドシート)。
【0050】
ブタジエンゴム
一実施形態において、ブタジエンゴムは、ポリブタジエンである。好適なポリブタジエンには、天然シス-1,4-ポリブタジエン、トランス-1,4-ポリブタジエン、ビニル-1,2-ポリブタジエン、スチレンおよびブタジエンのコポリマー、イソプレンおよびブタジエンのコポリマー、ならびにスチレン、イソプレン、およびブタジエンのインターポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
一実施形態において、ポリブタジエンは、重合性モノマーの総重量に基づいて、97%を超える高いシス含量を含む。
【0052】
一実施形態において、ポリブタジエンは、少なくとも0.90、または少なくとも0.91、または少なくとも0.92g/cm3、最大0.93g/cm3の密度を有する。
【0053】
一実施形態において、ポリブタジエンは、40~110、好ましくは40~80、より好ましくは40~60のムーニー粘度(ML(1+4)@100℃)を有する。ムーニー粘度は、ベースポリマーの粘度である(カーボンブラックなどの充填剤を含むポリマーに対するニートポリマーの計算された粘度)。
【0054】
好適なポリブタジエンの例には、Kumho Petrochemical(Korea)からのKBR 01、Polimeri EuropeからのEUROPRENE NEOCIS BR 40、およびBUNA CB 24 Lanxessが含まれる。
【0055】
エチレン/α-オレフィンコポリマー
本明細書で使用される「エチレン/アルファ-オレフィンコポリマー」は、エチレンおよび1つのα-オレフィンコモノマーに由来する繰り返し単位を含むポリマーを指す。
【0056】
エチレン/α-オレフィンコポリマーは、エチレンに由来する単位の50mol%超、例えば、60mol%以上、70mol%以上、80mol%以上、または90mol%以上を含む。エチレン/α-オレフィンコポリマーは、1つ以上のα-オレフィンコモノマーに由来する単位の30mol%未満、例えば、25mol%以下、または20mol%以下、15mol%以下、または10mol%以下をさらに含む。一実施形態において、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、エチレンに由来する単位の50mol%超、および1つ以上のα-オレフィンコモノマーに由来する単位の30mol%未満を含む。
【0057】
α-オレフィンは、脂肪族または芳香族化合物のいずれかであり得、ビニル不飽和または環状化合物、例えば、スチレン、p-メチルスチレン、シクロブテン、シクロペンテン、ノルボルネンを含むことができる。α-オレフィンコモノマーは、好ましくはC3~C20脂肪族化合物、好ましくはC3~C10脂肪族化合物である。例示的な不飽和α-オレフィンコモノマーには、4-ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、ならびにプロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、および1-ドデセンを含むC3~C10脂肪族α-オレフィンが含まれるがこれらに限定されない。別の実施形態において、α-オレフィンコモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキサン、および1-オクテンからなる群から選択される。
【0058】
エチレン/α-オレフィンコポリマーは、不均一に分枝するか、または均一に分枝し得る。不均一に分枝したコポリマーは、チーグラー・ナッタ型触媒によって生成され、コポリマーの分子間で不均一な分布のコモノマーを含み得る。均一に分枝したコポリマーは、例えば、シングルサイト触媒系によって生成され、コポリマーの分子間で実質的に均一な分布のコモノマーを含み得る。
【0059】
本明細書の実施形態において、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、0.870~0.902、または0.87~0.89、または0.87~0.88g/cm3の範囲の密度を有する。0.870~0.902g/cm3の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、開示される。エチレン/α-オレフィンコポリマーについて本明細書に開示される密度は、ASTM D-792に従い決定される。
【0060】
さらなる実施形態において、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、少なくとも2、または少なくとも4、または少なくとも8、最大23のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する。エチレン/α-オレフィンコポリマーのムーニー粘度は、ベースポリマーの粘度である(カーボンブラックなどの充填剤を含むポリマーに対するニートポリマーの計算された粘度)。
【0061】
さらなる実施形態において、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、1~30、または1~15、または1~10g/10分(190℃/2.16kg)のメルトインデックス(I2)を有する。1~30g/10分の全ての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、開示される。エチレン/α-オレフィンコポリマーのメルトインデックス、またはI2は、190℃、2.16kgでASTM D1238に従い決定される。
【0062】
本明細書での使用に好適なエチレン/α-オレフィンコポリマー(エラストマー)の商業的な例には、均一に分枝した、実質的に直鎖状のエチレン/α-オレフィンポリマー、例えば、The Dow Chemical Company,Midland,Michigan USAから入手可能なENGAGE(商標)polyolefin elastomers(例えば、ENGAGE(商標)8003、8400、8450および8480polyolefin elastomers)およびAFFINITY(商標)polyolefin plastomers、ExxonMobil Chemical Company,Houston,Texas USAから入手可能なEXCEED(商標)およびEXACT(商標)ポリマー、Mitsui Chemical社から入手可能なTAFMER(商標)ポリマーが含まれる。
【0063】
任意の従来のエチレン(共)重合反応プロセスが、エチレン/α-オレフィンコポリマーを生成するために用いられ得る。典型的な従来のエチレン(共)重合反応プロセスとしては、1つ以上の従来の反応器、例えば、ループ反応器、撹拌槽型反応器、並列型、直列型、および/またはそれらの任意の組み合わせのバッチ反応器を使用する、スラリー相重合プロセス、溶液相重合プロセス、および/またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。エチレン/α-オレフィンコポリマーを形成するための好適な方法は、その目的のために参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,547,475号に見出すことができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、エチレン/α-オレフィンコポリマーは、液相重合プロセスを使用して生成され得る。そのようなプロセスは、約150℃~約300℃、または約180℃~約200℃の温度で、および約30~約1000psi、または約600~約850psiの圧力でループ反応器または球形反応器などの十分に攪拌される反応器中で起こり得る。そのようなプロセスにおける滞留時間は、約2~約20分、または約3~約10分である。エチレン、溶媒、触媒、および任意で1つ以上のコモノマーが、連続的に反応器に供給される。これらの実施形態における例示的な触媒には、チーグラー・ナッタ触媒が含まれるが、これに限定されない。例示的な溶媒としては、イソパラフィンが含まれるが、これに限定されない。例えば、そのような溶媒は、ISOPAR E(ExxonMobil Chemical Co.,Houston,Texas USA)の名称で市販されている。次いで、得られたエチレン/α-オレフィンコポリマーと溶媒との混合物が反応器から取り出され、ポリマーが単離される。溶媒は、典型的には、溶媒回収ユニット、すなわち熱交換器および気液分離器ドラムを介して回収され、重合系に再循環される。
【0065】
例示的な多成分触媒系は、マグネシウムおよびチタン含有触媒前駆体を含むチーグラー・ナッタ触媒組成物、ならびにアルミニウム化合物、リチウム、ナトリウム、およびカリウムの化合物、アルカリ土類金属、および他の土類金属の化合物を含む共触媒(還元剤)を含むことができる。
【0066】
エチレン/α-オレフィンコポリマーを形成するために使用され得る他の触媒系には、メタロセン触媒、拘束幾何触媒(「CGC触媒」)、例えば、米国特許第5,272,236号、米国特許第5,278,272号、米国特許第6,812,289号、およびWO93/08221に開示されているものなど、さらにメタロセン「ビスCP触媒」が含まれる。
【0067】
エチレン/α-オレフィンコポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含むことができる。
【0068】
エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー
本明細書で使用される「エチレン/α-オレフィンコポリマー」、「オレフィンブロックコポリマー」または「OBC」という用語は、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーを意味し、エチレンと、化学的または物理的性質が異なる2つ以上の重合モノマー単位の複数のブロックまたはセグメントを特徴とする1つ以上の共重合性α-オレフィンコモノマーとを重合形態で含む。「インターポリマー」および「コポリマー」という用語は、本明細書ではエチレン/α-オレフィンブロックコポリマーという用語、およびこの段落で議論される類似の用語に対して互換的に使用される。コポリマー中の「エチレン」または「コモノマー」の量を指すとき、これはそれらの重合単位を意味することが理解される。いくつかの実施形態において、マルチブロックコポリマーは、以下の式によって表すことができる:
(AB)n
式中、nは、少なくとも1であり、好ましくは1より大きい整数であり、例えば、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはそれ以上であり、「A」は、ハードブロックまたはセグメントを表し、「B」は、ソフトブロックまたはセグメントを表す。好ましくは、AブロックおよびBブロックは、実質的に分岐した形態または実質的に星形の形態とは対照的に、実質的に直鎖状に連結される。他の実施形態において、AブロックおよびBブロックは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布される。換言すれば、ブロックコポリマーは、通常、以下のような構造を有しない。
AAA-AA-BBB-BB。
【0069】
さらに他の実施形態では、ブロックコポリマーは、通常、異なるコモノマーを含む第3の種類のブロックを有しない。さらに他の実施形態では、ブロックAおよびブロックBのそれぞれは、ブロック内に実質的にランダムに分布したモノマーまたはコモノマーを有する。換言すると、ブロックAもブロックBも、ブロックの残りの部分とは実質的に異なる組成を有する、先端セグメントなどの組成が異なる2つ以上のサブセグメント(またはサブブロック)を含まない。
【0070】
一実施形態において、好ましくは、エチレンは、ブロックコポリマー全体の大部分のモル分率を含み、すなわち、エチレンは、全ポリマーの少なくとも50モルパーセント(mol%)を含む。より好ましくは、エチレンは少なくとも60、少なくとも70、または少なくとも80mol%を、好ましくは3つ以上の炭素原子を有するα-オレフィンである、少なくとも1つの他のコモノマーを含むポリマー全体の実質的な残部と共に含む。いくつかの実施形態において、オレフィンブロックコポリマーは、50~90mol%のエチレンを含み得、好ましくは60~85mol%、より好ましくは65~80mol%であり得る。多くのエチレン/オクテンブロックコポリマーについて、好ましい組成物は、ポリマー全体の80mol%を超えるエチレン含量、およびポリマー全体の10~15mol%、好ましくは15~20mol%のオクテン含量を含む。
【0071】
エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、様々な量の「ハード」および「ソフト」セグメントを含む。「ハード」セグメントは、エチレンが、ポリマーの重量に基づいて、95重量%超、または98重量%超、最大100重量%の量で存在する重合単位のブロックである。換言すれば、ハードセグメント中のコモノマー含量(エチレン以外のモノマー含量)は、ポリマーの重量に基づいて、5未満、または2重量%未満であり、最低でゼロであり得る。いくつかの実施形態では、ハードセグメントは、エチレン由来の全ての、または実質的に全ての単位を含む。「ソフト」セグメントは、コモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)が、ポリマーの重量に基づいて、5重量%超、または8重量%超、または10重量%超、または15重量%超である重合単位のブロックである。いくつかの実施形態では、ソフトセグメント中のコモノマー含有量は、20重量%超、25重量%超、30重量%超、35重量%超、40重量%超、45重量%超、50重量%超、または60重量%超であり、最大100重量%であり得る。
【0072】
ソフトセグメントは、OBCの総重量の1~99重量%、またはOBCの総重量の5~95重量%、10~90重量%、15~85重量%、20~80重量%、25~75重量%、30~70重量%、35~65重量%、40~60重量%、または45~55重量%のOBC中に存在できる。逆に、ハードセグメントは、同様の範囲内で存在することができる。ソフトセグメントの重量パーセントおよびハードセグメントの重量パーセントは、DSCまたはNMRから得られたデータに基づいて計算され得る。そのような方法および計算は、例えば、米国特許第7,608,668号に開示されている。具体的には、ハードおよびソフトセグメントの重量パーセントおよびコモノマー含有量は、米国特許第7,608,668号の第57欄~第63欄に記載のように決定することができ、その目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0073】
エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、好ましくは、直鎖状に結合された2つ以上の化学的に違う領域またはセグメント(「ブロック」と称される)を含むポリマー、すなわち、ペンダントまたはグラフトされた様式ではなく、重合エチレン性官能基に関して端から端まで結合されている化学的に区別された単位を含むポリマーである。一実施形態では、ブロックは、組み込まれるコモノマーの量もしくは種類、密度、結晶化度、そのような組成のポリマーに起因する結晶サイズ、立体規則性の種類もしくは程度(アイソタクチックもしくはシンジオタクチック)、位置規則性もしくは位置不規則性、分岐の量(長鎖分岐もしくは超分岐を含む)、均質性、または任意の他の化学的もしくは物理的特性において異なる。逐次モノマー付加、流動性触媒、またはアニオン重合技術によって生成されたインターポリマーを含む先行技術のブロックインターポリマーと比較して、本発明のOBCは、一実施形態においては、それらの調製に使用される複数の触媒と組み合わせたシャトル剤(複数可)の効果のために、両ポリマー多分散性(PDIまたはMw/MnまたはMWD)の唯一の分布、ブロック長分布、および/またはブロック数分布によって特徴付けられる。
【0074】
一実施形態において、OBCは、連続プロセスで生産され、1.7~3.5、または1.8~3、または1.8~2.5、または1.8~2.2の多分散指数、PDI(またはMWD)を有する。バッチまたは半バッチプロセスで生成される場合、OBCは、1.0~3.5、または1.3~3、または1.4~2.5、または1.4~2のPDIを有する。
【0075】
さらに、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、ポアソン分布ではなく、シュルツ・フロリー分布に適合するPDIを有する。OBCは、多分散ブロック分布ならびにブロックサイズの多分散分布の両方を有する。これにより、改善された識別可能な物理的特性を有するポリマー生成物の形成が生じる。多分散ブロック分布の理論的利点は、Potemkin,Physical Review E(1998)57(6),pp.6902-6912およびDobrynin,J.Chem.Phvs.(1997)107(21),pp9234-9238に以前モデル化され論じられている。
【0076】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、ブロック長の最も確かな分布を有する。一実施形態において、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、以下の特性A~Eのうちの少なくとも1つを有するとして定義される:
(A)1.7~3.5のMw/Mn、少なくとも1つの摂氏での融点Tm、およびグラム/立方センチメートルでの密度d、式中、Tmおよびdの数値は、以下の関係に対応し、
Tm>-2002.9+4538.5(d)-2422.2(d)2、ならびに/または
(B)1.7~3.5のMw/Mn、J/gでの融解熱ΔH、および最高DSCピークと最高結晶化温度分析分留(「CRYSTAF」)ピークとの間の温度差として定義される、摂氏でのデルタ量ΔTによって特徴付けられ、式中、ΔTおよびΔHの数値は、以下の関係を有し、
ゼロより大きく、最大130J/gのΔHに関しては、ΔT>-0.1299(ΔH)+62.81、
130J/gより大きいΔHに関しては、ΔT≧48℃、
ここで、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを用いて決定され、ポリマーの5パーセント未満が同定可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は、30℃であり、ならびに/または
(C)エチレン/α-オレフィンインターポリマーの圧縮成形フィルムで測定した300%歪みおよび1サイクルでの弾性回復率Re、ならびにグラム/立方センチメートルでの密度d、エチレン/α-オレフィンインターポリマーが架橋相を実質的に有しない場合、Reおよびdの数値は、以下の関係を満たし、
Re>1481-1629(d)、ならびに/または
(D)TREFを使用して分画したときに40℃~130℃で溶出する分子分画を有し、画分が、(-0.2013)T+20.07以上の量、より好ましくは(-0.2013)T+21.07以上の量のモルコモノマー含量を有することを特徴とし、式中、TはTREF分画のピーク溶出温度の数値であり、℃で測定され、ならびに/または、
(E)25℃での貯蔵弾性率G’(25℃)および100℃での貯蔵弾性率G’(100℃)を有し、ここで、G’(25℃)対G’(100℃)の比は、1:1~9:1の範囲内である。
【0077】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、さらに以下を有することができる:
(F)TREFを使用して分画したときに40℃~130℃の間で溶出し、分画が、少なくとも0.5~1までのブロックインデックスおよび1.3を超える分子量分布Mw/Mnを有することを特徴とする、分子画分、ならびに/または
(G)ゼロより大きく最大1.0の平均ブロックインデックスおよび1.3を超える分子量分布Mw/Mn。
【0078】
エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、特性(A)~(G)のうちの1つ、いくつか、全て、または任意の組み合わせを有することができることが理解される。ブロックインデックスは、その目的のために参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,608,668号に詳述されるように決定することができる。特性(A)~(G)を決定するための分析方法は、例えば、その目的のために参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,608,668号の第31欄26行目~第35欄44行目に開示されている。
【0079】
OBCの調製に使用するのに好適なモノマーには、エチレンおよびエチレン以外の1つ以上の付加重合性モノマーが含まれる。好適なコモノマーの例として、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-l-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、および1-エイコセン等のC3-30、好ましくはC3-20の直鎖もしくは分枝α-オレフィン;シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、および2-メチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン等のC3-30、好ましくはC3-20のシクロオレフィン;ブタジエン、イソプレン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン、および5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン等のジ-およびポリオレフィン;ならびに3-フェニルプロペン、4-フェニルプロペン、1,2-ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、および3,3,3-トリフルオロ-1-プロペンが含まれる。
【0080】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、0.866~0.89g/cm3、または0.87~0.89g/cm3、または0.87~0.88g/cm3の範囲の密度を有する。0.886~0.887g/cm3の全ての個々の値および部分範囲が、本明細書に含まれ、開示される。エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーについて本明細書に開示される密度は、ASTM D-792に従い決定される。
【0081】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、4~20、または8~20、または12~20のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する。エチレン/α-オレフィンコポリマーのムーニー粘度は、ベースポリマーの粘度である(カーボンブラックなどの充填剤を含むポリマーに対するニートポリマーの計算された粘度)。
【0082】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、1~15、または1~10、または1~5g/10分のメルトインデックス(MIまたはI2)を有する。1~15g/10分の全ての個々の値および下位範囲が本明細書に含まれ、開示される。エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーのメルトインデックス、またはI2は、190℃、2.16kgでASTM D1238に従い決定される。
【0083】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、スチレンを除外する。
【0084】
一実施形態において、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、唯一のモノマータイプとして重合エチレンおよび1つのα-オレフィンを含む。さらなる実施形態において、α-オレフィンは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、または1-オクテンから選択される。
【0085】
一実施形態にでは、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、エチレン/オクテンブロックコポリマーである。
【0086】
エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,858,706号に記載のものなどの鎖シャトリングプロセスを介して生成することができる。特に、好適な鎖シャトル剤および関連する情報は、米国特許第7,858,706号の第16欄39行目~第19欄44行目に列挙され;好適な触媒は、第19欄45行目~第46欄19行目、および好適な助触媒は第46欄20行目~第51欄28行目に記載され;ならびにこのプロセスは、特に第51欄29行目~第54欄56行目に記載される。このプロセスはまた、例えば、米国特許第7,608,668号、米国特許第7,893,166号、および米国特許第7,947,793号にも記載されている。
【0087】
エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは、本明細書に記載される組み合わせまたは2つ以上の実施形態を含み得る。
【0088】
充填剤
ポリマー組成物は、1つ以上の充填剤を含み得る。本発明において添加剤として使用するための充填剤としては、例えば、カーボンブラック;粘土;アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムの各ケイ酸塩、およびそれらの混合物;カルシウム、マグネシウムの各炭酸塩、およびそれらの混合物;ケイ素、カルシウム、亜鉛、鉄、チタン、およびアルミニウムの各酸化物;カルシウム、バリウム、鉛の各硫酸塩;アルミナ三水和物;水酸化マグネシウム;フェノール-ホルムアルデヒド、ポリスチレン、およびポリ(アルファメチル)-スチレン樹脂、天然繊維、合成繊維などを含む。一実施形態において、組成物は、組成物の重量に基づいて15~40、または20~35、または25~30重量%の量の1つ以上の充填剤を含むことができる。一実施形態において、組成物は、カーボンブラック充填剤を含む。
【0089】
添加剤
ポリマー組成物は、1つ以上の添加剤を含み得る。添加剤は、可塑剤、加工オイル、加硫促進剤、架橋剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、しゃく解剤、活性剤、脂肪酸、促進剤、粘着付与剤、均質化剤、顔料、着色剤、難燃剤、紫外線安定剤、殺菌剤、スリップ剤などを含むが、これらに限定されない。一実施形態において、組成物は、組成物の重量に基づいて、10、または7.5、または5.0、または2.5、または2.0、または1.5、または1.0重量%以下(≦)の1つ以上の添加剤の合計重量を含むことができる。
【0090】
本発明において添加剤として使用される可塑剤としては、芳香およびナフテンオイル、パラフィン系オイル(加工オイルとして)、ポリアルキルベンゼン油などの石油;アルキルおよびアルコキシアルキルオレエートおよびステアレートなどの有機酸モノエステル;ジアルキル、ジアルコキシアルキル、およびアルキルアリールフタレート、テレフタレート、セバケート、アジペート、およびグルタレートなどの有機酸ジエステル;トリ-、テトラ-、およびポリエチレングリコールジアルカノエートなどのグリコールジエステル;トリアルキルトリメリテート;トリアルキル、トリアルコキシアルキル、アルキルジアリール、およびトリアリールホスフェート;塩素化パラフィン油;クマロン-インデン樹脂;松のタール;ヒマシオイル、トールオイル、菜種オイル、大豆オイルなどの植物オイル、ならびにそれらのエステルおよびエポキシ化誘導体などを含む。
【0091】
本発明で使用するための酸化防止剤およびオゾン劣化防止剤添加剤には、ヒンダードフェノール、ビスフェノール、およびチオビスフェノール;置換ヒドロキノン;トリス(アルキルフェニル)ホスファイト;ジアルキルチオジプロピオネート;フェニルナフチルアミン;置換ジフェニルアミン;ジアルキル、アルキルアリール、およびジアリール置換p-フェニレンジアミン;モノマーおよびポリマーのジヒドロキノリン;2-(4-ヒドロキシ-3,5-t-ブチルアニリン)-4,6-ビス(オクチルチオ)1,3,5-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリス-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル-s-トリアジン、2,4,6-トリス(n-1,4-ジメチルペンチルフェニレンジアミン)-1,3,5-トリアジン、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ニッケルジブチルジチオカルバメート、2-メルカプトトリルイミダゾールおよびその亜鉛塩、石油ワックスなどが含まれる。
【0092】
本発明で使用するための他の任意の添加剤としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、カドミウム、および酸化鉛などの金属酸化物などの活性剤;ステアリン、ラウリン、オレイン、ベヘン、およびパルミチン酸などの脂肪酸、ならびにその亜鉛、銅、カドミウム、鉛塩;ジ、トリ、およびポリエチレングリコール;およびトリエタノールアミン);ビスベンゾチアゾールを含むベンゾチアゾールなどのスルフェンアミド、およびチオカルバミルスルフェンアミド、チアゾール、ジチオカルバメート、ジチオホスフェート、チウラム、グアニジン、キサンテート、チオ尿素、およびそれらの混合物などの促進剤;ロジンおよびロジン酸などの粘着付与剤、炭化水素樹脂、芳香族インデン樹脂、フェノール性メチレンドナー樹脂、フェノール性熱硬化性樹脂、レゾルセノール-ホルムアルデヒド樹脂、およびオクチルフェノール-ホルムアルデヒド樹脂などのアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂;三水酸化アルミニウムおよび二水酸化マグネシウムなどの金属水和物などの難燃剤、またはハロゲン化アルカン難燃剤、芳香族ハロゲン化難燃剤、および任意で難燃剤相乗剤(例えば、金属酸化物、ハロゲン化パラフィン、トリフェニルホスフェート、ジメチルジフェニルブタン、ポリクミル);均質化剤、しゃく解剤、顔料、着色剤、紫外線安定剤、殺菌剤、スリップ剤などが含まれる。
【0093】
本発明で使用する加硫剤としては、元素硫黄、4,4’-ジチオジモルホリン、チウラムジ-およびポリスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、および2-モルホリノ-ジチオベンゾチアゾールなどの硫黄含有化合物;過酸化ジ-tertブチル、過酸化tertブチルクミル、過酸化ジクミル、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tertブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ-(tertブチル-ペルオキシイソプロピル)ベンゼン、tertブチルペルオキシベンゾエート、および1,1-ジ-(tertブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンなどの過酸化物;亜鉛、マグネシウム、および鉛酸化物などの金属酸化物;p-キノン-ジオキシムおよびp,p’-ジベンゾイルキノン-ジオキシムなどのジニトロソ化合物;ヒドロキシメチル官能基またはハロメチル官能基を含有するフェノール-ホルムアルデヒド樹脂が含まれる。元素状硫黄は、結晶質元素状硫黄または非結晶質元素状硫黄であり得、いずれのタイプも純粋な形態であるか、または不活性担体上に担持され得、担持された硫黄の例としては、Rhein ChemieからのRhenogran S-80(80%Sおよび20%不活性キャリア)である。一実施形態において、硫黄含有化合物および過酸化物が好ましい加硫剤であり、硫黄含有化合物が最も好ましい。加硫剤の混合物を使用することができると理解されるが、これは一般的には好ましくない。これらの加硫剤のうちのいずれかの適合性は、配合技術の当業者に周知である。加硫剤の量は、組成物の重量に基づいて約1~5重量%の範囲であり得る。
【0094】
混合
本発明は、混合プロセスが連続的な段階で起こり得ることを企図することが理解される。例えば、一実施形態において、加硫剤および促進剤を除く全ての成分が、第1の段階で素練りされる二段階の素練りプロセスを使用することができ、第1の段階の化合物を冷却し、加硫剤および促進剤を加えた後、その後、化合物は、第2の素練り段階で完成される。これは、加硫剤および促進剤の存在下において高温で素練りすることによって引き起こされる早期の加硫を避けるために実施される。使用される加硫温度および時間は通常のものである。約121℃~232℃(250°F~約440°F)の範囲の温度、および約1~約120分の範囲の時間を利用できる。
【0095】
一実施形態において、ポリイソプレン、ポリブタジエン、およびエチレン/α-オレフィンコポリマー、および/またはエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、エキステンダオイルを添加せずに乾燥混合される。
【0096】
さらなる実施形態において、ポリイソプレン、ポリブタジエン、およびエチレン/α-オレフィンコポリマー、および/またはエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、芳香オイル、および/またはナフテンオイル、および/またはパラフィンオイルの存在下で混合される。
【0097】
別の実施形態において、ポリイソプレン、ポリブタジエン、およびエチレン/α-オレフィンコポリマー、および/またはエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーは、他の成分の添加前に予め混合される。
【0098】
用途
本発明の組成物は、任意の様々な物品もしくは製造物、またはそれらの構成部品もしくは部分を調製するために使用できる。例示のみを目的として、限定されることなく、そのような物品は、タイヤおよびタイヤのサイドウォール、サイドウォール(ゴム)インサート、トレッド、ビードフィラー、ベルト、ホース、チューブ、ガスケット、膜、成形品、押出成形品、自動車部品、および接着剤からなるグループから選択できる。
【0099】
一実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1つの添加剤、例えば、充填剤、繊維、可塑剤、オイル、着色剤、安定剤、発泡剤、遅延剤、促進剤、架橋剤、および他の従来の添加剤からなる群から選択される添加剤を含むことができる。
【0100】
組成物は、いくつかの従来のプロセスおよび装置のうちのいずれか1つによって完成品に変換できる。例示的なプロセスには、押出、カレンダリング、射出成形、圧縮成形、繊維紡糸、および他の典型的な熱可塑性プロセスが含まれる。
【0101】
本発明は、ポリイソプレン、ポリブタジエン、およびエチレン/α-オレフィンコポリマー、および/またはエチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーのブレンドを含むタイヤの化合物の製造において特に有用である。
【0102】
一実施形態において、本発明のプロセスに従って調製される組成物は、トレッド、サイドウォール用の当金素材などのエラストマー物品、および空気入りタイヤのビードフィラー成分を製造するためにダイを通して押し出すことができ、または空気保持インナーライナ用のシートストックの製造に使用される。さらなる実施形態において、本発明に従って調製される組成物は、タイヤの骨組み、および周方向ベルト部品用のコード補強シートストックを生成するために、織物またはスチールコード布にカレンダー加工することができる。
【0103】
一実施形態において、「グリーン」または未加硫のタイヤは、様々な構成要素(周方向ベルトおよびトレッドを除く)を円筒形ドラムの表面に組み立て、組み立て部品を半径方向に拡大および軸方向に圧縮してトロイダル形状を作製し、次に、ベルトおよびトレッドの構成要素をトロイドの周囲の適切な位置に配置して組み立てることにより構築される。最後に、グリーンタイヤは、密閉され、加熱されたアルミニウム金型の内面に対して高圧蒸気で膨らませることにより加硫される。加硫プロセスの初期段階において、様々なエラストマー化合物が依然として柔らかく、流動性がある場合、金型の内面に対するタイヤの圧力により、最終的な正確な形状、トレッドパターン、サイドウォールレタリング、装飾的マーキングが生成される。その後、加硫プロセスで、熱活性化された架橋反応が様々なエラストマー化合物内で起こるため、最終的に金型が開かれると、化合物は意図した目的に本質的に最適な程度で架橋される。
【0104】
一実施形態において、プロセスによって生成される加硫可能な組成物は、エラストマー物品または本体に成形および加硫することができる。エラストマー体は、容易にCO硬化できる。したがって、本発明は、相互に接触した成形エラストマー体の界面CO硬化のためのプロセスを含む。このプロセスは、(i)加硫可能なエラストマー組成物を成形エラストマー体に形成する、(ii)高度に不飽和のゴムの大部分を含む別の成形エラストマー体と接触するように成形エラストマー体を組み立てて、組み立て体を生成する、および(iii)成形されるエラストマー体間の界面を横切る実質的な架橋をもたらすような条件下で組み立て体を加硫することを含む。
【0105】
一実施形態において、物品は、射出成形、押出、押出に続いて雄または雌の熱成形、低圧成形、圧縮成形などによって調製できる。
【0106】
部分的な、網羅的でない、本発明の組成物から製造できる物品のリストには、ポリマーフィルム、布地被覆シート、ポリマーシート、発泡体、チューブ、繊維、コーティング、タイヤおよびタイヤの構成要素などの自動車部品(サイドウォールインサートなど)、コンピュータ部品、建材、家電製品、給電装飾、ゴミ箱、保管または包装容器、庭で使用するための家具の小片または帯紐、芝刈り機、庭のホース、その他の庭用器具の部品、冷蔵庫のガスケット、音響システム、効用荷車部品、机の縁取り、おもちゃ、ならびに船舶部品が含まれる。この組成物はまた、屋根ふき用途などの屋根ふき用途にも使用することができる。この組成物はさらに、ブーツ、特に工業事業のためのブーツ用のシャフトなどの履物の構成要素を製造するのに使用できる。当業者は、過度の実験を行わずにこのリストを容易に増補することができる。
【0107】
定義
矛盾する記載、文脈から暗示的、または本技術分野において慣習的でない限り、全ての部およびパーセントは重量に基づき、全ての試験方法は本開示の出願日の時点で現行のものである。
【0108】
「ブレンド」または「ポリマーブレンド」という用語は、使用される場合、2つ以上のポリマーの密接な物理的混合物(すなわち、反応なし)を意味する。ブレンドは、混和性であってもなくてもよい(分子レベルで相分離していない)。ブレンドは、相分離していてもよく、またはしていなくてもよい。ブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、および当該技術分野で既知の他の方法から判定されたときに、1つ以上のドメイン構成を含有してもよく、または含有しなくてもよい。ブレンドは、マクロレベル(例えば、溶融ブレンド樹脂もしくは配合)またはミクロレベル(例えば、同じ反応器内での同時成形)で2つ以上のポリマーを物理的に混合することによって達成され得る。
【0109】
本明細書で使用する際、「組成物」という用語は、組成物、ならびに組成物の材料から形成される反応生成物および分解生成物を含む材料の混合物を含む。通常、任意の反応生成物および/または分解生成物は、微量で存在する。
【0110】
「架橋される」および類似の用語は、一般に、成形されるまたは物品の形態におけるポリマーが、30重量%以下(すなわち、70重量%以上のゲル含有量)、好ましくは20重量%以下(すなわち、80重量%以上のゲル含量)、より好ましくは10重量%以下(すなわち、90重量%以上のゲル含量)のキシレン抽出物を有することを意味する。キシレン抽出物(およびゲル含有量)は、ASTM D-2765に従って決定される。
【0111】
本明細書で使用する用語「ポリマー」は、同じまたは異なる種類に限らずモノマーを重合することによって調製されたポリマー化合物を指す。したがって、ポリマーという一般的な用語は、ホモポリマーという用語(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれ得るという理解の下に、唯一の種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、微量の不純物をポリマーおよび/またはポリマー内に組み込むことができること、および本明細書において以下に定義されるようなインターポリマーという用語を包含する。
【0112】
本明細書で使用される「インターポリマー」という用語は、少なくとも2種の異なる種類のモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。インターポリマーという総称は、コポリマー(2つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、および3つ以上の異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0113】
本明細書で使用される「エチレン系ポリマー」という用語は、(ポリマーの総重量に基づいて)少なくとも50重量%または過半量の重合エチレンモノマーを含み、任意で、少なくとも1つの重合コモノマーを含み得る、ポリマーを指す。
【0114】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α-オレフィンインターポリマー」という用語は、(インターポリマーの重量を基準として)少なくとも50重量%または過半量のエチレンモノマー、および少なくとも1種のα-オレフィンを、重合形態で含むインターポリマーを指す。したがって、この用語は、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは含まれない。
【0115】
本明細書で使用される場合、「エチレン/α-オレフィンコポリマー」という用語は、(コポリマーの重量を基準として)少なくとも50重量%または過半量のエチレンモノマー、および2種のみのモノマーの種類として1種のα-オレフィンを、重合形態で含むコポリマーを指す。α-オレフィンは、コポリマー内にランダムに分布する。したがって、この用語は、エチレン/α-オレフィンブロックコポリマーは含まれない。
【0116】
本明細書で使用されるとき、「プロピレン系ポリマー」という用語は、(ポリマーの総重量に基づいて)重合プロピレンモノマーの大部分の重量パーセントを含むポリマーを指し、任意に少なくとも1つの重合コモノマーを含み得る。
【0117】
「を含む(comprising)」という用語、およびその派生語は、同じものが本明細書に開示されているか否かにかかわらず、任意の追加の成分、ステップ、または手順の存在を除外することを意図するものではない。いかなる疑いも避けるために、「~を含む(comprising)」という用語を使用して特許請求される全ての組成物は、矛盾する記述がない限り、ポリマー性かまたは別様かにかかわらず、いずれの追加の添加剤、補助剤、または化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、実施可能性に不可欠でないものを除き、任意の次に続く詳説の範囲から、任意の他の構成要素、ステップ、または手順を除外する。「からなる」という用語は、具体的に規定または列挙されていない任意の構成要素、ステップ、または手順を除外する。
【0118】
本明細書で使用される「素練りする」という用語および類似の用語は、ポリマーブレンドの粒子の粉砕、押しつぶしおよび/またはサイズの縮小を指す。
【0119】
試験方法
エチレン系ポリマー(未硬化)のメルトインデックス、MIまたはI2またはI2は、以前は「条件E」として知られる、190℃/2.16キログラム(kg)重量の条件で、ASTM D-1238に準拠し、g/10minで測定され、10分ごとに溶出されるグラムで報告される。3~8gのペレットタイプの資料を使用して、メルトインデックスを測定した。
【0120】
未硬化資料の密度は、ASTM D792に従って測定され、1立方センチメートルあたりのグラム数(g/ccまたはg/cm3)として報告される。密度を測定するために、未硬化ポリマーのロールシートから切断された立方体形状の未硬化資料(10mmx10mmx10mm)(1~1.5g)を使用した。
【0121】
ポリマー成分(未硬化)のムーニー粘度MVを、1分間の予熱時間および4分間の回転動作時間を伴う回転粘度計、ムーニー粘度計(Alpha Technology製))を使用して、特に指定がない限り、ASTM D1646に従って、100℃でML(1+4)、および121℃でML(1+4)として測定した。試験を、ポリマー材料のロールシートから切断された2つのディスク形状のポリマー試料(未硬化)(直径45mmx厚さ10mm(下部)および直径45mmx厚さ10mm(上部))で実行した。
【0122】
配合物のムーニー粘度(最終マスターバッチ、未硬化)、MVを、1分間の予熱時間および4分間の回転動作時間を伴う回転粘度計、ムーニー粘度計(Alpha Technology製)を使用して、特に指定がない限り、ASTM D1646に従って、125℃で、ML(1+4)でML(1+4)として測定した。試験を、ポリマー材料のロールシートから切断された2つのディスク形状のポリマー(未硬化)(直径45mmx厚さ10mm(下部)および直径45mmx厚さ10mm(上部))で実行した。
【0123】
レオロジー(最終マスターバッチ、未硬化の配合)を、ASTM D5289に従って、MDR2000(商標)移動型レオメータ(Alpha Technologies)を使用して測定した。試験を、180℃で15分間、140℃で120分間実行した。ポリマー材料のロールシートから切断されたディスク形状の試料(未硬化)(直径30mmx厚さ12.5mm)を使用して、試験を実施した。
【0124】
機械的特性(最終マスターバッチ、硬化)
ショアA硬度(最終マスターバッチ、硬化)は、ASTM D2240-05に従って、Teclock製のデュロメータ、Model GS-702Nを使用して測定した。試験を、2mmの平均的な厚さを有するロールシートから切断されたダンベル型試験片の3層スタックで3回(3試料)実行した。試験試料の総厚は、6mm(2mmx3シート)であった。試料を、160℃、圧力102kg/cm2の温圧で15分間圧縮成形することにより硬化した。各ダンベル型試験片の寸法は、厚さ2mm、全長115mm、中央狭部長33mm、端部幅25mm、中央狭部幅6mmであった。
【0125】
破断点伸び(%)(最終マスターバッチ、硬化)は、ASTM D412-98に従って測定する。試験を、2mmの平均的な厚さを有するロールシートから切断されたダンベル型試験片で3回(3試料)実行し、160℃、102kg/cm2の圧力で15分間、温圧で圧縮成形することにより硬化した。ダンベル型試験片の寸法は、厚さ2mm、全長115mm、中央狭部長33mm、端部幅25mm、中央狭部分幅6mmであった。試験を、Instron(Norwood,MA)のUniversal Testing System(Model 3365)で実行した。
【0126】
50%歪みでの引張弾性率(kg/cm2)(最終マスターバッチ、硬化)を、Instron(Norwood,MA)のUniversal Testing System(Model 3365)を使用して、ASTM D412-98に従って測定した。試験を、2mmの平均的な厚さを有するロールシートから切断されたダンベル型試験片で3回(3試料)実行し、160℃、102kg/cm2の圧力で15分間、温圧で圧縮成形することにより硬化した。ダンベル型試験片の寸法は、厚さ2mm、全長115mm、中央狭部長33mm、端部幅25mm、中央狭部幅6mmであった。
【0127】
引張強度(kg/cm2)(最終マスターバッチ、硬化)を、Instron(Norwood,MA)のUniversal Testing System(Model 3365)を使用して、室温(23℃)、伸び速度50mm/分で、ASTM D412-98に従って測定した。試験を、ロールシートから切断された3つのダンベル型試験片で3回実行し、160℃、102kg/cm2の圧力で15分間、温圧で圧縮成形することにより硬化した。ダンベル型試験片の寸法は、厚さ2mm、全長115mm、中央狭部長33mm、端部幅25mm、中央狭部幅6mmであった。
【0128】
熱生成(熱増成)(デルタ温度、℃)(最終マスターバッチ、硬化)を、Goodrich Flexometer(Model FT-1100,manufacturer: Ueshima Seisakusho)を使用して、ASTM D623-07に従って測定した。試験片は、円筒形(直径17.8mm、高さ25mm)においてである。最初に、試料を未硬化のロールシートから切断し、160℃、102kg/cm
2の圧力の温圧で25分間硬化させる。圧縮荷重が、試験片に加えられる。追加の周期的圧縮を、1700rpmで30分間、ゴム試験試料に継続的に適用した。初期温度は50
oCであり、最終温度は、下部アンビルで配置された熱電対によって測定した。連続変形によるデルタ温度は、以下の式に従って測定され、
【数1】
式中、T
初期は初期温度、T
最終は周期的圧縮後の試料の最終温度である。
【0129】
以下の実施例は、明示的または暗示的に、本発明を限定するものではない。特に明記しない限り、全ての部およびパーセントは重量によるものである。
【0130】
実験
この研究において使用された材料を、表1Aおよび1Bに示す。
【表1】
【表2】
【0131】
各配合物には、ゴム、例えば、天然ゴム(STR-20)、およびブタジエンゴム(KBR 01)、およびポリオレフィンエラストマー、例えば(POE)(ENGAGE)および/またはオレフィンブロックコポリマー(OBC)(INFUSE)が含まれた。活性化添加剤および接合材(RENACIT 4)を伴う2,2’-ジベンズアミド-ジフェニル-ジスルフィド(DBD)を、しゃく解剤として使用した。カーボンブラック(N550)を、補強効果のための充填剤として使用した。酸化亜鉛(ZnO)およびステアリン酸を活性化剤として使用し、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン(6-PPD)および2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン(RD)を酸化防止剤として使用した。アルキルフェノールノボラック樹脂(DYPHENE 8318)を、粘着付与剤として使用した。硬化系では、不溶性硫黄(80%の硫黄および20%のオイル処理)を架橋(加硫)剤として使用し、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾール-スルフェンアミド(TBBS)を硬化の促進剤として使用した。製剤/組成物(マスターバッチ)を表4~6に示す。
【0132】
各製剤について、次の手順に従って、1.8リットルの内部ミキサー(Farrel Pomini)で第1のマスターバッチ(1MB)の成分を混合した。
a)最初に、天然ゴム(NR)をしゃく解剤(Renecit-4)、ブタジエンゴム(BR)、およびPOE(ENGAGE)またはOBC(INFUSE)と30秒間混合した。
b)カーボンブラック(N550)を密閉式ミキサーに追加し、充填剤の組み込み効果により温度が上昇した。
c)温度が115oCに達したときに、酸化亜鉛(ZnO)およびアルキルフェノールノボラック樹脂(Dyphene 8318)を追加した。
d)温度が125oCに達したときに、ステアリン酸、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、および2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンをミキサーに追加した。
e)150oCで、得られた混合物を排出した。
f)排出後、混合物を2つのロールミル(Hyupyoung製)を用いて、100oCで20回シート成形し、シート(厚さ約2.5mm)を形成した。
【0133】
第1のマスターバッチ(1MB)を調整する手順を表2にまとめた。
【表3】
【0134】
第1のマスターバッチ(1MB)を、試料の温度を下げるために、室温で24時間シート状に保管した。次に、第1のマスターバッチ(1MB)の材料を内部ミキサーで不溶性硫黄および促進剤、TBBS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾール-スルホンアミド)と混合し、105
oCで排出される最終マスターバッチ(FMB)を形成し、表3でさらに記載した。排出後、FMB材料を、100℃で2ロールミルを使用して10(10)回(厚み約2.5mm)シーティングした。
【表4】
【0135】
圧縮成形:ショアA硬度の試験片および引張強度試験を、最終マスターバッチ(FMB)材料を圧縮成形装置で160℃、102kg/cm2の圧力で15分間圧縮することにより調整した。圧縮したシート(平均厚さ2mm)からダンベル型試験片を切断し、102kg/cm2の圧力下で、160℃で25分間硬化した。ダンベル型試験片の寸法は、厚さ2mm、全長115mm、中央狭部長33mm、端部幅25mm、中央狭部幅6mmであった。
【0136】
POEまたはOBC/NRの密度比率の比較のための配合(比較A~C)を、実施例1~4とともに表4に示す。
【表5-1】
【表5-2】
【0137】
実施例B(Engage 8842で作製)は、0.93のPOE/NR密度比率、および67の硬度値を有し、64の硬度値を有する対象実施例A(エチレン系コポリマー成分なし)と比較して、タイヤサイドウォールインサートの補強効果が大幅に増加することはなかった。
【0138】
熱増成試験からのデルタ温度は、タイヤにとって重要な特性であり、50℃が上限である。熱増成のためのデルタ温度がより高いレベルでは、タイヤ構成要素(例えば、インサート)は、運転などの連続的な変形状態の間にタイヤを容易に破裂させ得る。実施例C(Engage 8540で作製)は、0.99のPOE/NR密度比を有し、熱増成試験での材料のデルタ温度が52℃であったため、ランフラットタイヤの用途で必要な連続的な変形を提供せず、熱増成について高い能力を示す。
【0139】
比較すると、実施例1~4は、実施例AおよびBと比較してより高い硬度(71~78)、デルタ温度が50℃を下回ることを示し、実施例C(52℃)と比較して熱増成についての能力が低いことを示す。
【0140】
実施例1(ENGAGE 8400で作製)は、2のPOEムーニー粘度/NRメルトインデックス比率を有し、対照実施例A(エチレン系コポリマーなし)と比較してムーニー粘度が3ポイント減少したことを示し、これにより、押出プロセスの制御が困難になる。実施例1の場合において、ショア硬度A(71)および熱増成(32.6℃)はこの配合で十分であるが、ムーニー粘度(40)は、押出プロセスの材料を処理するには低すぎた。
【0141】
実施例C(ENGAGE 8540で作製)は、150のPOEムーニー粘度/NRメルトインデックス比率を有し、対照実施例A(エチレン系コポリマーなし)(55のMV)と比較してムーニー粘度(MV)(74)が増加し、対応する引張強度が144(実施例A)から124kgf/cm
2に減少した。実施例2~4について、引張強度は、対照例Aと同様であり、POEムーニー粘度/NRメルトインデックス比率は、12~60の範囲であり、化合物のムーニー粘度は、45~50の範囲であり、これは押出プロセスするのに許容できる。
【表6-1】
【表6-2】
【表7】
【0142】
実施例2および4~6のように、POE/NRまたはOBC/NR重量比が0.481を下回る場合、熱増成によるデルタ温度は、50℃を下回る、28.8~46.3℃の範囲であった。しかしながら、実施例EおよびFのように、POE/NRまたはOBC/NRの重量比が0.825を超える場合、デルタ温度は50℃を超えており(すなわち、それぞれ56.2および51.7℃、熱増成のための高い能力を示し、ランフラットタイヤの用途で必要とされるような連続的な変形、または許容可能なレベルの耐久性を提供しない。
本願は以下の態様にも関する。
(1) 組成物であって、少なくとも、
A)0.90~0.93g/cm
3
の密度、および50~90のムーニー粘度(ML(1+4)@100℃)を有する、天然ゴムと、
B)0.90~0.93g/cm
3
の密度、および40~110のムーニー粘度(ML(1+4)@100℃)を有する、ブタジエンゴムと、
C)
i)0.870~0.902の密度、2~23のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンコポリマー、
ii)0.866~0.887の密度、4~20のムーニー粘度(ML(1+4)@121℃)を有する、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー、または
iii)i)およびii)の組み合わせから選択される少なくとも1つのエチレン系ポリマーと、を含む、組成物。
(2) 前記エチレン/α-オレフィンコポリマーが、1~30g/10分のメルトインデックス(I
2
)を有し、および/または前記エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーが、1~15g/10分のメルトインデックス(I
2
)を有する、上記(1)に記載の組成物。
(3) 成分Aに対する成分Cの密度の比率が、0.94~1.00である、上記(1)または(2)に記載の組成物。
(4) 成分Cの前記メルトインデックスに対する成分Aの前記ムーニー粘度の比率が、12~60である、上記(1)~(3)のいずれかに記載の組成物。
(5) 成分Cが、i)エチレン/α-オレフィンコポリマーであり、成分Aに対する成分Cの重量比が、0.22~0.64である、上記(1)~(4)のいずれかに記載の組成物。
(6) 成分Cが、ii)エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマーであり、成分Aに対する成分Cの重量比が、0.20~0.50である、上記(1)~(5)のいずれかに記載の組成物。
(7) 前記組成物の総重量に基づいて、少なくとも80重量%の成分A、B、およびCの総量を含む、上記(1)~(6)のいずれかに記載の組成物。
(8) 1重量%未満のエチレン/α-オレフィン/ジエン(EAODM)インターポリマーを含む、上記(1)~(7)のいずれかに記載の組成物。
(9) 上記(1)~(8)のいずれか一項に記載の組成物から形成された架橋組成物。
(10) 上記(1)~(9)のいずれかに記載の組成物から形成される少なくとも1つの成分を含む、物品。